(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】半導体構造及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H10B 12/00 20230101AFI20241119BHJP
【FI】
H10B12/00 801
H10B12/00 671A
(21)【出願番号】P 2023572040
(86)(22)【出願日】2022-08-17
(86)【国際出願番号】 CN2022112956
(87)【国際公開番号】W WO2024026934
(87)【国際公開日】2024-02-08
【審査請求日】2023-11-20
(31)【優先権主張番号】202210933308.6
(32)【優先日】2022-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522246670
【氏名又は名称】チャンシン メモリー テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CHANGXIN MEMORY TECHNOLOGIES,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】シャオ デユアン
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ カンユー
(72)【発明者】
【氏名】チュー イーミン
【審査官】黒田 久美子
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-121027(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第113725301(CN,A)
【文献】国際公開第2022/157929(WO,A1)
【文献】特開2022-070960(JP,A)
【文献】特開2003-031685(JP,A)
【文献】特開平1-198065(JP,A)
【文献】国際公開第2018/123823(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 12/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体構造であって、
基板と、
前記基板上に位置する半導体柱及び前記半導体柱の上に位置するゲート柱であって、前記半導体柱及び前記ゲート柱は両方とも、基板の平面に垂直な方向に沿って延在する、半導体柱及びゲート柱と、
前記基板の平面に平行な第1方向に沿って延在する第1ワード線であって、前記第1ワード線は前記半導体柱を囲む、第1ワード線と、
前記半導体柱の上に位置し、少なくとも前記ゲート柱の側壁を囲む半導体層と、を含む、半導体構造。
【請求項2】
前記ゲート柱と前記半導体柱は一対一で対応
し、または、
前記半導体柱の頂部は、前記ゲート柱の底部に電気的に接続され、または、
前記半導体柱と前記ゲート柱の前記基板の平面への正投影は、少なくとも一部が重なっており、前記ゲート柱と前記半導体柱の材料は同じである、
請求項1に記載の半導体構造。
【請求項3】
前記半導体柱は、下から上に向かって配置された第1電極、第1チャネル領域及び第2電極を含み、前記第1電極、前記第1チャネル領域及び前記第2電極の導電類型は同じである、
請求項1に記載の半導体構造。
【請求項4】
前記半導体層は、接続された第1サブ部分、第2サブ部分及び第3サブ部分を含み、前記第1サブ部分は前記ゲート柱の頂面を覆い、前記第2サブ部分は前記ゲート柱の側壁を覆い、前記第3サブ部分は隣接する前記ゲート柱間の前記基板の上面を部分的に覆う、
請求項1に記載の半導体構造。
【請求項5】
前記半導体構造は更に、
前記第1方向に沿って延在する第2ワード線であって、前記第2ワード線は、前記第2サブ部分の前記半導体柱に隣接する一端を取り囲み、前記第3サブ部分の上面を覆う、第2ワード線と、
第2方向に沿って延在する第1ビット線及び第2ビット線であって、前記第2方向は前記基板の平面に平行で前記第1方向に垂直であり、前記第1ビット線は、前記半導体柱の下方に位置し、且つ前記半導体柱の下部に電気的に接続され、前記第2ビット線は、前記半導体層の上方に位置し、且つ前記第1サブ部分に電気的に接続される、第1ビット線及び第2ビット線と、を含む、
請求項
4に記載の半導体構造。
【請求項6】
前記半導体構造は更に、
前記第1ワード線と前記半導体柱との間に位置する第1ゲート誘電体層であって、前記第1ゲート誘電体層は前記第1チャネル領域と前記第2電極を取り囲む、第1ゲート誘電体層と、
互いに接続された第1サブ層と第2サブ層とを含む第2ゲート誘電体層であって、前記第1サブ層は、前記ゲート柱と前記半導体層との間に位置し、前記ゲート柱の側壁と頂部を覆い、前記第2サブ層は隣接する前記ゲート柱間の前記基板の上面を覆う、第2ゲート誘電体層と、を含む、
請求項
3に記載の半導体構造。
【請求項7】
前記半導体構造は更に、
前記第1ワード線と前記半導体柱との間に位置する第1ゲート誘電体層であって、前記第1ゲート誘電体層は前記第1チャネル領域と前記第2電極を取り囲む、第1ゲート誘電体層と、
前記ゲート柱の側壁と頂部を覆う第2ゲート誘電体層と、
隣接する前記ゲート柱間の前記基板の上面を覆う第4誘電体層と、を含む、
請求項
3に記載の半導体構造。
【請求項8】
前記半導体柱と前記半導体層は、酸化インジウム、酸化スズ、In-Zn系酸化物、Sn-Zn系酸化物、Al-Zn系酸化物、In-Ga系酸化物、In-Ga-Zn系酸化物、In-Al-Zn系酸化物、In-Sn-Zn系酸化物、Sn-Ga-Zn系酸化物、Al-Ga-Zn系酸化物、Sn-Al-Zn系酸化物のうちの少なくとも1つ又はその組み合わせを含む、
請求項1に記載の半導体構造。
【請求項9】
前記半導体構造は更に、第1方向に沿って延在するワード線隔離構造を含み、前記ワード線隔離構造は、隣接する前記第1ワード線を隔離するために、任意の隣接する2つの前記第1ワード線間に位置
し、
または、
前記半導体構造は更に、前記基板の上に位置する第1誘電体層と、前記第1誘電体層の上に位置する第2誘電体層と、を含み、前記半導体柱と前記第1ワード線は、前記第1誘電体層に位置し、前記ゲート柱、前記半導体層及び第2ワード線は、前記第2誘電体層に位置する、
請求項1に記載の半導体構造。
【請求項10】
半導体構造の製造方法であって、
基板を提供することと、
前記基板上にピラーを形成することであって、前記ピラーは半導体柱を含み、前記ピラーは基板の平面に垂直な方向に沿って延在する、ことと、
前記基板の平面に平行な第1方向に沿って延在する第1ワード線を形成することであって、前記第1ワード線は、前記ピラーの一部を囲む、ことと、
前記半導体柱の直上にゲート柱を形成することであって、前記ゲート柱は、基板の平面に垂直な方向に沿って延在する、ことと、
半導体層を形成することであって、前記半導体層は、少なくとも前記ゲート柱の側壁を囲む、ことと、を含む、半導体構造の製造方法。
【請求項11】
前記基板上にピラーを形成する前に、前記半導体構造の製造方法は、
前記基板上に絶縁層を形成することと、
前記絶縁層に対してエッチング工程を実行して、前記絶縁層上に第2方向に沿って延在する複数の第1トレンチを形成することであって、前記第2方向は、前記基板の平面に平行で前記第1方向に垂直である、ことと、
複数の前記第1トレンチ内に導電材料を充填し、第2方向に沿って延在する複数の第1ビット線を形成することと、を更に含む、
請求項
10に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項12】
複数の前記第1トレンチ内に導電材料を充填し、第2方向に沿って延在する複数の第1ビット線を形成した後、前記半導体構造の製造方法は、
第1誘電体層を形成することと、
前記第1誘電体層をエッチングして、前記第1誘電体層内に第1方向に沿って延在する複数の第2トレンチを形成することと、
複数の前記第2トレンチ内に絶縁材料を充填し、第1方向に沿って延在する複数のワード線隔離構造を形成することと、を更に含む、
請求項
11に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項13】
前記基板上にピラーを形成することは、
前記第1誘電体層をエッチングして、複数の第1チャネル孔を形成することであって、前記第1チャネル孔は前記第1ビット線を露出させる、ことと、
前記第1チャネル孔内に半導体材料を充填し、前記ピラーを形成することであって、前記ピラーは半導体柱を含む、ことと、
第1方向に沿って延在する第1ワード線を形成することであって、前記第1ワード線は前記半導体柱を囲み、前記第1方向は基板の平面に平行である、ことと、を更に含み、前記第1方向に沿って延在する第1ワード線を形成することは、
前記第1方向に沿って延在し、隣接する2つのワード線隔離構造間に位置する複数の第3トレンチを形成することと、
前記第3トレンチ内に第1ゲート誘電体層を形成することであって、前記第1ゲート誘電体層は前記半導体柱の一部を取り囲む、ことと、
前記第3トレンチ内に第1ワード線を形成することであって、前記第1ワード線は前記第1ゲート誘電体層の一部を取り囲む、ことと、を含む、
請求項
12に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項14】
前記半導体柱の直上にゲート柱を形成することは、
第2誘電体層を形成し、前記第2誘電体層をエッチングして、前記第2誘電体層内に、前記半導体柱の頂部を露出させる複数の第2チャネル孔を形成することと、
前記第2チャネル孔内に前記ゲート柱を形成することと、を含み、
前記ゲート柱を形成した後、前記半導体構造の製造方法は、
前記ゲート柱の頂面と側壁を露出させることと、
第2ゲート誘電体層を堆積することであって、前記第2ゲート誘電体層は、前記ゲート柱の側壁と頂部を囲む部分と、第1誘電体層の上面を覆う部分と、を含む、ことと、
前記第2ゲート誘電体層上に半導体材料層とワード線材料層を順次に形成することであって、前記半導体材料層は前記第2ゲート誘電体層とコンフォーマルであり、前記ワード線材料層は隣接する前記半導体材料層間の隙間を充填する、ことと、
前記半導体材料層と前記ワード線材料層をエッチングして、半導体層及び第1方向に沿って延在する複数の第2ワード線をそれぞれ形成することと、を更に含む、
請求項
10に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項15】
前記半導体層を形成した後、前記半導体構造の製造方法は、
第3誘電体層を形成することと、
前記第3誘電体層をエッチングし、第2方向に沿って延在する第4トレンチを形成することであって、前記半導体層の上面は前記第4トレンチから露出される、ことと、
前記第4トレンチ内に第2ビット線を形成することと、を更に含む、
請求項
10に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項16】
前記基板上にピラーを形成することは、
前記基板上にピラーを形成することであって、前記ピラーは、基板の表面より高く、基板の平面に垂直な方向に沿って延在し、前記ピラーは半導体柱及びゲート柱を含み、前記ゲート柱は、前記半導体柱の直上に位置することを含み、
前記第1ワード線を形成した後、前記半導体構造の製造方法は、半導体層を形成することを更に含み、前記半導体層は、少なくとも前記ゲート柱の側壁を囲む、
請求項
10に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項17】
前記基板上にピラーを形成する前に、前記半導体構造の製造方法は、
前記基板上に第2方向に沿って延在する複数の第1ビット線を形成することと、
第1誘電体層を形成することと、
前記第1誘電体層内に、第1方向に沿って延在する複数のワード線隔離構造を形成することと、を更に含む、
請求項
16に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項18】
前記基板上にピラーを形成することは、
前記第1誘電体層をエッチングして、複数の第1チャネル孔を形成することであって、前記第1チャネル孔は前記第1ビット線を露出させる、ことと、
半導体材料層を形成することであって、前記半導体材料層は、前記第1誘電体層の上面を覆い、前記第1チャネル孔を充填する、ことと、
前記半導体材料層をエッチングして前記ピラーを形成することであって、前記ピラーのうち前記第1チャネル孔内に位置する部分を半導体柱と定義し、前記ピラーのうち第1チャネル孔の直上に位置する部分をゲート柱と定義する、ことと、を含む、
請求項
17に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項19】
第1方向に沿って延在する第1ワード線を形成することは、
第1方向に沿って延在し、隣接する2つのワード線隔離構造間に位置する複数の第3トレンチを形成することと、
ゲート誘電体層を形成することであって、前記ゲート誘電体層は、前記半導体柱の一部を囲む第1ゲート誘電体層、及び前記ゲート柱の側壁と頂部を囲む第2ゲート誘電体層を含む、ことと、
前記第3トレンチ内に第1ワード線を形成することであって、前記第1ワード線は前記第1ゲート誘電体層の一部を取り囲む、ことと、を含む、
請求項
18に記載の半導体構造の製造方法。
【請求項20】
第1ワード線を形成した後、前記半導体構造の製造方法は、
前記第2ゲート誘電体層上に半導体材料層とワード線材料層を順次に形成することであって、前記半導体材料層は少なくとも前記第2ゲート誘電体層を覆い、前記ワード線材料層は隣接する前記半導体材料層間の隙間を充填する、ことと、
前記半導体材料層と前記ワード線材料層をエッチングし、前記ワード線隔離構造の上に位置する前記半導体材料層及び前記ワード線材料層の一部を除去して、半導体層及び第1方向に沿って延在する複数の第2ワード線をそれぞれ形成することと、を更に含む、
請求項
19に記載の半導体構造の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本願は、2022年08月04日に中国特許局に提出された、出願番号が202210933308.6であり、発明の名称が「半導体構造及びその製造方法」である、中国特許出願に基づいて提出されるものであり、当該中国特許出願の優先権を主張し、当該中国特許出願の全ての内容が参照によって本願に援用される。
【0002】
本開示は、半導体製造分野に関し、特に、半導体構造及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
技術の発展と進歩に伴い、半導体デバイスのサイズが徐々に縮小され、半導体デバイスは、小型化、高集積度の方向に向かって発展している。ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM:dynamic random access memory)は、データを高速かつランダムに書き込み/読み取る半導体デバイスとして、常に、データ記憶機器や装置に幅広く適用されている。しかし、ダイナミックランダムアクセスメモリの構造には、改善すべき問題がまだたくさん存在している。
【発明の概要】
【0004】
本開示の実施例は、半導体構造を提供し、前記半導体構造は、
基板と、
前記基板上に位置する半導体柱及び前記半導体柱の上に位置するゲート柱であって、前記半導体柱及び前記ゲート柱は両方とも、基板の平面に垂直な方向に沿って延在する、半導体柱及びゲート柱と、
前記基板の平面に平行な第1方向に沿って延在する第1ワード線であって、前記第1ワード線は前記半導体柱を囲む、第1ワード線と、
前記半導体柱の上に位置し、少なくとも前記ゲート柱の側壁を囲む半導体層と、を含む。
【0005】
いくつかの実施例において、前記ゲート柱と前記半導体柱は一対一で対応する。
【0006】
いくつかの実施例において、前記半導体柱の頂部は、前記ゲート柱の底部に電気的に接続される。
【0007】
いくつかの実施例において、前記半導体柱と前記ゲート柱の前記基板の平面への正投影は、少なくとも一部が重なっており、前記ゲート柱と前記半導体柱の材料は同じである。
【0008】
いくつかの実施例において、前記半導体柱は、下から上に向かって配置された第1電極、第1チャネル領域及び第2電極を含み、前記第1電極、前記第1チャネル領域及び前記第2電極の導電類型は同じである。
【0009】
いくつかの実施例において、前記半導体層は、互いに接続された第1サブ部分、第2サブ部分及び第3サブ部分を含み、前記第1サブ部分は前記ゲート柱の頂面を覆い、前記第2サブ部分は前記ゲート柱の側壁を覆い、前記第3サブ部分は隣接する前記ゲート柱間の前記基板の上面を部分的に覆う。
【0010】
いくつかの実施例において、前記半導体構造は更に、
前記第1方向に沿って延在する第2ワード線であって、前記第2ワード線は、前記第2サブ部分の前記半導体柱に隣接する一端を取り囲み、前記第3サブ部分の上面を覆う、第2ワード線と、
第2方向に沿って延在する第1ビット線及び第2ビット線であって、前記第2方向は前記基板の平面に平行で前記第1方向に垂直であり、前記第1ビット線は、前記半導体柱の下方に位置し、且つ前記半導体柱の下部に電気的に接続され、前記第2ビット線は、前記半導体層の上方に位置し、且つ前記第1サブ部分に電気的に接続される、第1ビット線及び第2ビット線と、を含む。
【0011】
いくつかの実施例において、前記半導体構造は更に、
前記第1ワード線と前記半導体柱との間に位置する第1ゲート誘電体層であって、前記第1ゲート誘電体層は前記第1チャネル領域と前記第2電極を取り囲む、第1ゲート誘電体層と、
互いに接続された第1サブ層と第2サブ層とを含む第2ゲート誘電体層であって、前記第1サブ層は、前記ゲート柱と前記半導体層との間に位置し、前記ゲート柱の側壁と頂部を覆い、前記第2サブ層は隣接する前記ゲート柱間の前記基板の上面を覆う、第2ゲート誘電体層と、を含む。
【0012】
いくつかの実施例において、前記半導体構造は更に、
前記第1ワード線と前記半導体柱との間に位置する第1ゲート誘電体層であって、前記第1ゲート誘電体層は前記第1チャネル領域と前記第2電極を取り囲む、第1ゲート誘電体層と、
前記ゲート柱の側壁と頂部を覆う第2ゲート誘電体層と、
隣接する前記ゲート柱間の前記基板の上面を覆う第4誘電体層と、を含む。
【0013】
いくつかの実施例において、前記半導体柱と前記半導体層は、酸化インジウム、酸化スズ、In-Zn系酸化物、Sn-Zn系酸化物、Al-Zn系酸化物、In-Ga系酸化物、In-Ga-Zn系酸化物、In-Al-Zn系酸化物、In-Sn-Zn系酸化物、Sn-Ga-Zn系酸化物、Al-Ga-Zn系酸化物、Sn-Al-Zn系酸化物のうちの少なくとも1つ又はその組み合わせを含む。
【0014】
いくつかの実施例において、前記半導体構造は更に、第1方向に沿って延在するワード線隔離構造を含み、前記ワード線隔離構造は、隣接する前記第1ワード線を隔離するために、任意の隣接する2つの前記第1ワード線間に位置する。
【0015】
いくつかの実施例において、前記半導体構造は更に、前記基板の上に位置する第1誘電体層と、前記第1誘電体層の上に位置する第2誘電体層と、を含み、前記半導体柱と前記第1ワード線は、前記第1誘電体層に位置し、前記ゲート柱、前記半導体層及び第2ワード線は、前記第2誘電体層に位置する。
【0016】
本開示の実施例は更に、半導体構造の製造方法を提供し、前記方法は、
基板を提供することと、
前記基板上にピラーを形成することであって、前記ピラーは、半導体柱を含み、前記ピラーは基板の平面に垂直な方向に沿って延在する、ことと、
前記基板の平面に平行な第1方向に沿って延在する第1ワード線を形成することであって、前記第1ワード線は前記ピラーの一部を囲む、ことと、を含む。
【0017】
いくつかの実施例において、前記第1ワード線を形成した後、前記方法は、
前記半導体柱の直上にゲート柱を形成することであって、前記ゲート柱は、基板の平面に垂直な方向に沿って延在することと、
半導体層を形成することであって、前記半導体層は、少なくとも前記ゲート柱の側壁を囲むことと、を更に含む。
【0018】
いくつかの実施例において、前記基板上にピラーを形成する前に、前記方法は、
前記基板上に絶縁層を形成することと、
前記絶縁層に対してエッチング工程を実行して、前記絶縁層上に第2方向に沿って延在する複数の第1トレンチを形成することであって、前記第2方向は、前記基板の平面に平行で前記第1方向に垂直であることと、
複数の前記第1トレンチ内に導電材料を充填し、第2方向に沿って延在する複数の第1ビット線を形成することと、を更に含む。
【0019】
いくつかの実施例において、複数の前記第1トレンチ内に導電材料を充填し、第2方向に沿って延在する複数の第1ビット線を形成した後、前記方法は、
第1誘電体層を形成することと、
前記第1誘電体層をエッチングして、前記第1誘電体層内に第1方向に沿って延在する複数の第2トレンチを形成することと、
複数の前記第2トレンチ内に絶縁材料を充填し、第1方向に沿って延在する複数のワード線隔離構造を形成することと、を更に含む。
【0020】
いくつかの実施例において、前記基板上にピラーを形成することは、
前記第1誘電体層をエッチングして、複数の第1チャネル孔を形成することであって、前記第1チャネル孔は、前記第1ビット線を露出させることと、
前記第1チャネル孔内に半導体材料を充填し、前記ピラーを形成することであって、前記ピラーは、半導体柱を含むことと、
第1方向に沿って延在する第1ワード線を形成することであって、前記第1ワード線は、前記半導体柱を囲み、前記第1方向は、基板の平面に平行である、ことと、を更に含み、前記第1方向に沿って延在する第1ワード線を形成することは、
前記第1方向に沿って延在し、隣接する2つのワード線隔離構造間に位置する複数の第3トレンチを形成することと、
前記第3トレンチ内に第1ゲート誘電体層を形成することであって、前記第1ゲート誘電体層は前記半導体柱の一部を取り囲む、ことと、
前記第3トレンチ内に第1ワード線を形成することであって、前記第1ワード線は前記第1ゲート誘電体層の一部を取り囲む、ことと、を含む。
【0021】
いくつかの実施例において、前記半導体柱の直上にゲート柱を形成することは、
第2誘電体層を形成し、前記第2誘電体層をエッチングして、前記第2誘電体層内に、前記半導体柱の頂部を露出させる複数の第2チャネル孔を形成することと、
前記第2チャネル孔内に前記ゲート柱を形成することと、を含み、
前記ゲート柱を形成した後、前記方法は、
前記ゲート柱の頂面と側壁を露出させることと、
第2ゲート誘電体層を堆積することであって、前記第2ゲート誘電体層は、前記ゲート柱の側壁と頂部を囲む部分と、第1誘電体層の上面を覆う部分と、を含む、ことと、
前記第2ゲート誘電体層上に半導体材料層とワード線材料層を順次に形成することであって、前記半導体材料層は前記第2ゲート誘電体層とコンフォーマルであり、前記ワード線材料層は隣接する前記半導体材料層間の隙間を充填することと、
前記半導体材料層と前記ワード線材料層をエッチングして、半導体層及び第1方向に沿って延在する複数の第2ワード線をそれぞれ形成することと、を更に含む。
【0022】
いくつかの実施例において、前記半導体層を形成した後、前記方法は、
第3誘電体層を形成することと、
前記第3誘電体層をエッチングし、第2方向に沿って延在する第4トレンチを形成することであって、前記半導体層の上面は前記第4トレンチから露出される、ことと、
前記第4トレンチ内に第2ビット線を形成することと、を更に含む。
【0023】
いくつかの実施例において、前記基板上にピラーを形成することは、
前記基板上にピラーを形成することであって、前記ピラーは、基板の表面より高く、基板の平面に垂直な方向に沿って延在し、前記ピラーは半導体柱及びゲート柱を含み、前記ゲート柱は前記半導体柱の直上に位置する、ことを含み、
前記第1ワード線を形成した後、前記方法は、半導体層を形成することを更に含み、前記半導体層は少なくとも前記ゲート柱の側壁を囲む。
【0024】
いくつかの実施例において、前記基板上にピラーを形成する前に、前記方法は、
前記基板上に第2方向に沿って延在する複数の第1ビット線を形成することと、
第1誘電体層を形成することと、
前記第1誘電体層内に、第1方向に沿って延在する複数のワード線隔離構造を形成することと、を更に含む。
【0025】
いくつかの実施例において、前記基板上にピラーを形成することは、
前記第1誘電体層をエッチングして、複数の第1チャネル孔を形成することであって、前記第1チャネル孔は前記第1ビット線を露出させる、ことと、
半導体材料層を形成することであって、前記半導体材料層は、前記第1誘電体層の上面を覆い、前記第1チャネル孔を充填する、ことと、
前記半導体材料層をエッチングして前記ピラーを形成することであって、前記ピラーのうち前記第1チャネル孔内に位置する部分を半導体柱と定義し、前記ピラーのうち第1チャネル孔の直上に位置する部分をゲート柱と定義することと、を含む。
【0026】
いくつかの実施例において、第1方向に沿って延在する第1ワード線を形成することは、
第1方向に沿って延在し、隣接する2つのワード線隔離構造間に位置する複数の第3トレンチを形成することと、
ゲート誘電体層を形成することであって、前記ゲート誘電体層は、前記半導体柱の一部を囲む第1ゲート誘電体層、及び前記ゲート柱の側壁と頂部を囲む第2ゲート誘電体層を含む、ことと、
前記第3トレンチ内に第1ワード線を形成することであって、前記第1ワード線は前記第1ゲート誘電体層の一部を取り囲む、ことと、を含む。
【0027】
いくつかの実施例において、第1ワード線を形成した後、前記方法は、
前記第2ゲート誘電体層上に半導体材料層とワード線材料層を順次に形成することであって、前記半導体材料層は少なくとも前記第2ゲート誘電体層を覆い、前記ワード線材料層は隣接する前記半導体材料層間の隙間を充填する、ことと、
前記半導体材料層と前記ワード線材料層をエッチングし、前記ワード線隔離構造の上に位置する前記半導体材料層及び前記ワード線材料層の一部を除去して、半導体層及び第1方向に沿って延在する複数の第2ワード線をそれぞれ形成することと、を更に含む。
【0028】
本開示の実施例による半導体構造及びその製造方法において、前記構造は、基板と、半導体柱及びゲート柱と、第1ワード線と、半導体層とを含み、前記半導体柱は前記基板上に位置し、前記ゲート柱は前記半導体柱の上に位置し、前記半導体柱及び前記ゲート柱は両方とも、基板平面に垂直な方向に沿って延在し、前記第1ワード線は、第1方向に沿って延在し、前記半導体柱を囲み、前記第1方向は基板の平面に平行であり、前記半導体層は、前記半導体柱の上に位置し、少なくとも前記ゲート柱の側壁を囲む。このようにして、底部に位置する半導体柱とその上に位置する半導体層は縦方向に分布され、後続で半導体柱と半導体層に基づいてトランジスタ構造を形成する際に、2つのトランジスタの投影によって占有される基板上の面積を大幅に低減し、2つのトランジスタを基板上にタイリングする方式と比較して、本開示の実施例は、半導体構造の集積度を効果的に向上させることができる。
【0029】
本開示の1つ又は複数の実施例の詳細は、以下の図面及び説明で提案される。本開示の他の特徴、目的及び利点は、明細書、図面及び特許請求の範囲から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本開示の実施例による半導体構造の1つの構造の概略構造図である。
【
図2】本開示の実施例による半導体構造の他の構造の概略構造図である。
【
図3】本開示の実施例による半導体構造のまた別の構造の概略構造図である。
【
図4】本開示の実施例による半導体構造の製造方法のフローチャートである。
【
図5】本開示の1つの実施例による半導体構造の製造方法のプロセスフロー図である。
【
図6】本開示の1つの実施例による半導体構造の製造方法のプロセスフロー図である。
【
図7】本開示の1つの実施例による半導体構造の製造方法のプロセスフロー図である。
【
図8】本開示の1つの実施例による半導体構造の製造方法のプロセスフロー図である。
【
図9】本開示の1つの実施例による半導体構造の製造方法のプロセスフロー図である。
【
図10】本開示の1つの実施例による半導体構造の製造方法のプロセスフロー図である。
【
図11】本開示の1つの実施例による半導体構造の製造方法のプロセスフロー図である。
【
図12】本開示の1つの実施例による半導体構造の製造方法のプロセスフロー図である。
【
図13】本開示の1つの実施例による半導体構造の製造方法のプロセスフロー図である。
【
図14】本開示の1つの実施例による半導体構造の製造方法のプロセスフロー図である。
【
図15】本開示の1つの実施例による半導体構造の製造方法のプロセスフロー図である。
【
図16】本開示の1つの実施例による半導体構造の製造方法のプロセスフロー図である。
【
図17】本開示の1つの実施例による半導体構造の製造方法のプロセスフロー図である。
【
図18】本開示の1つの実施例による半導体構造の製造方法のプロセスフロー図である。
【
図19】本開示の1つの実施例による半導体構造の製造方法のプロセスフロー図である。
【
図20】本開示の1つの実施例による半導体構造の製造方法のプロセスフロー図である。
【
図21】本開示の1つの実施例による半導体構造の製造方法のプロセスフロー図である。
【
図22】本開示の1つの実施例による半導体構造の製造方法のプロセスフロー図である。
【
図23】本開示の実施例による半導体構造の他の構造の概略構造図である。
【
図24】本開示の他の実施例による半導体構造の製造方法のプロセスフロー図である。
【
図25】本開示の他の実施例による半導体構造の製造方法のプロセスフロー図である。
【
図26】本開示の他の実施例による半導体構造の製造方法のプロセスフロー図である。
【
図27】本開示の他の実施例による半導体構造の製造方法のプロセスフロー図である。
【
図28】本開示の他の実施例による半導体構造の製造方法のプロセスフロー図である。
【
図29】本開示の他の実施例による半導体構造の製造方法のプロセスフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の実施例の技術的解決策をより明確に説明するために、実施例で必要とされる図面について以上で簡単に紹介した。明らかに、上記の図面は、本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力なしに、これらの図面に従って他の図面を得ることもできる。
【0032】
以下では、図面を参照して、本発明で開示される例示的な実施形態をより詳細に説明する。図面には、本発明の例示的な実施形態が示されているが、本発明は、様々な形態で実現でき、本明細書に示される特定の実施形態によって限定されないことを理解されたい。むしろ、これらの実施形態は、本発明をより完全に理解させ、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるために提供される。
【0033】
以下の説明では、本発明のより完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が与えられている。しかし、当業者なら自明であるが、本発明は、これらの詳細の1つ又は複数がなくても実施可能である。他の例では、本発明との混同を避けるために、当技術分野で周知のいくつかの技術的特徴は説明されていない。即ち、本明細書には、実際の実施例のすべての特徴が記載されておらず、周知の機能及び構造が詳細に記載されていない。
【0034】
図面において、明確にするために、層、領域、素子(要素)のサイズ及びその相対的なサイズは誇張されている場合がある。全体を通して、同じ符号は同じ素子を表す。
【0035】
理解できるように、素子又は層が、他の素子又は層「上に位置する」か、他の素子又は層「に隣接する」か、他の素子又は層「に接続される」か、又は他の素子又は層「に結合される」場合、当該素子又は層は、他の素子又は層に直接に位置、隣接、接続又は結合されてもよく、又は介在する素子又は層が存在してもよい。逆に、素子が、他の素子又は層「上に直接位置する」、他の素子又は層「に直接に隣接する」、他の素子又は層「に直接に接続される」又は他の素子又は層「に直接に結合される」場合、介在する素子又は層は存在しない。理解できるように、第1、第2、第3などの用語を使用して、様々な素子、部品、領域、層及び/又は部分を説明することができるが、これらの素子、部品、領域、層及び/又は部分は、これらの用語によって限定されない。これらの用語は、ある素子、部品、領域、層又は部分を、他の素子、部品、領域、層又は部分と区別するためのものに過ぎない。したがって、本発明の教示から逸脱することなく、以下で論じる第1素子、部品、領域、層又は部分は、第2素子、部品、領域、層又は部分として表し得る。第2素子、部品、領域、層又は部分を論じる場合、本発明に第1素子、部品、領域、層又は部分が必然として存在することを意味しない。
【0036】
「…の下」、「…の下方」、「下の」、「…の下の」、「…の上の」、「…上方の」などの空間関係用語は、本明細書では、説明の便宜上、図示されたある素子又は特徴と、他の素子又は特徴との間の関係を説明するために使用されることができる。理解できるように、図面に示された向きに加えて、空間関係用語は、使用中及び動作中のデバイスの異なる向きを含むことを意図する。例えば、図面におけるデバイスが反転した場合、「他の素子の下に位置し」又は「それの下」又は「その下」と記載された素子又は特徴は、他の素子又は特徴「上」に向けられる。よって、「…の下方」及び「……の下」という例示的な用語は、上及び下の2つの向きを含み得る。デバイスは、別の方向に向けられてもよく、90度回転又は他の方向に向けられることができ、本明細書で使用される空間説明用語は、それに応じて解釈されるべきである。
【0037】
本明細書で使用される用語は、特定の実施例を説明することのみを目的としており、本発明を限定するためのものではない。本明細書で使用されるとき、文脈において別段の定義がない限り、単数形の「1」、「1つ」及び「前記/当該」は、複数形も含むことを意図する。更に、「構成」及び/又は「含む」という用語が、本明細書で使用される場合、記載された特徴、整数、工程、動作、素子及び/又は部品が存在するが、1つ又は複数の他の特徴、整数、工程、動作、素子、部品及び/又は組み合わせの存在又は追加を除外しないことを意味する。本明細書で使用される「及び/又は」という用語は、関連付けられた項目のいずれか及びそれらのすべての組み合わせを含む。
【0038】
一般的なダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)は、通常、1つのトランジスタと1つのキャパシタ(1T1C)によって1つの記憶ユニットを構成し、キャパシタは、データを記憶するために使用される。しかし、1T1Cダイナミックランダムアクセスメモリは、キャパシタに記憶できる電荷量に対する要件が高く、且つキャパシタに対する読み取りは破壊的であるため、読み取り動作の後にも書き換える必要があり、消費電力が増加する。一方、キャパシタの製造工程が複雑で、占積率が高いため、小型化が問題となっている。
【0039】
したがって、当業者は、通常、1つの読み取りトランジスタと1つの書き込みトランジスタによって1つのメモリ構造を構成する、2トランジスタ0キャパシタ(2T0C)型のダイナミックランダムアクセスメモリを開発した。しかし、2トランジスタ0キャパシタ(2T0C)型のダイナミックランダムアクセスメモリの構造にも解決すべき多くの問題が存在している。
【0040】
これに鑑みて、本開示の実施例の以下の技術的解決策を提案する。
【0041】
本開示の実施例は、半導体構造を提供し、半導体構造は、
基板、半導体柱、ゲート柱、第1ワード線、及び半導体層を含み、
半導体柱は基板上に位置し、ゲート柱は半導体柱の上に位置し、半導体柱とゲート柱は両方とも、基板の平面に垂直な方向に沿って延在し、
第1ワード線は、第1方向に沿って延在し、半導体柱を囲み、第1方向は基板の平面に平行であり、
半導体層は、半導体柱の上に位置し、少なくともゲート柱の側壁を囲む。
【0042】
本開示の実施例において、底部に位置する半導体柱とその上に位置する半導体層は縦方向に分布され、後続で半導体柱と半導体層に基づいてトランジスタ構造を形成する際に、2つのトランジスタの基板への投影面積を大幅に低減し、2つのトランジスタを基板上タイリングする方式と比較して、本開示の実施例は、半導体構造の集積度を効果的に向上させることができる。
【0043】
本開示の上記の目的、特徴及び利点をより明確且つ理解しやすくするために、以下では、図面を参照して、本開示の具体的な実施形態について詳細に説明する。本開示の実施例を詳細に説明する際に、説明の便宜上、概略図は、縮尺を合わせず部分的に拡大される場合があり、概略図は、例示に過ぎず、本開示の保護範囲を限定すべきではない。
【0044】
図1は、本開示の実施例による半導体構造の概略構造図であり、
図2は、本開示の実施例による半導体構造の別の構造の概略構造図であり、
図3は、本開示の実施例による半導体構造のまた別の構造の概略構造図である。
【0045】
以下は、図面を参照して本開示の実施例による半導体構造を更に詳細に説明する。
【0046】
図1、
図2及び
図3に示すように、半導体構造は、
基板10、半導体柱13、ゲート柱18、第1ワード線WL1及び半導体層16を含み、
半導体柱13は、基板10上に位置し、ゲート柱18は、半導体柱13の上に位置し、半導体柱13とゲート柱18は両方とも、基板10の平面に垂直な方向に沿って延在し、
第1ワード線WL1は、第1方向に沿って延在し、半導体柱13を囲み、第1方向は、基板10の平面に平行であり、
半導体層16は、半導体柱13の上に位置し、少なくともゲート柱18の側壁を囲む。
【0047】
いくつかの実施例において、ゲート柱18は、半導体柱13と一対一で対応する。
【0048】
ここで、基板は、半導体基板であってもよく、具体的には、少なくとも1つの元素半導体材料(例えば、シリコン(Si)基板、ゲルマニウム(Ge)基板など)、少なくとも1つのIII-V化合物半導体材料(例えば、窒化ガリウム(GaN)基板、砒化ガリウム(GaAs)基板、リン化インジウム(InP)基板など)、少なくとも1つのII-VI化合物半導体材料、少なくとも1つの有機半導体材料又は当該分野で既知の他の半導体材料を含む。1つの具体的な実施例において、基板は、シリコン基板である。
【0049】
いくつかの実施例において、半導体柱13と半導体層16は、酸化インジウム、酸化スズ、In-Zn系酸化物、Sn-Zn系酸化物、Al-Zn系酸化物、In-Ga系酸化物、In-Ga-Zn系酸化物、In-Al-Zn系酸化物、In-Sn-Zn系酸化物、Sn-Ga-Zn系酸化物、Al-Ga-Zn系酸化物、Sn-Al-Zn系酸化物の少なくとも1つ又はその組み合わせを含む。
【0050】
しかし、これらに限定されず、半導体柱と半導体層の材料は更に、In-Hf-Zn系酸化物、In-La-Zn系酸化物、In-Ce-Zn系酸化物、In-Pr-Zn系酸化物、In-Nd-Zn系酸化物、In-Sm-Zn系酸化物、In-Eu-Zn系酸化物、In-Gd-Zn系酸化物、In-Tb-Zn系酸化物、In-Dy-Zn系酸化物、In-Ho-Zn系酸化物、In-Er-Zn系酸化物、In-Tm-Zn系酸化物、In-Yb-Zn系酸化物、In-Lu-Zn系酸化物、及びIn-Sn-Ga-Zn系酸化物、In-Hf-Ga-Zn系酸化物、In-Al-Ga-Zn系酸化物、In-Sn-Al-Zn系酸化物、In-Sn-Hf-Zn系酸化物、In-Hf-Al-Zn系酸化物などの、四元系金属酸化物を含んでもよい。
【0051】
いくつかの実施例において、半導体柱と半導体層の材料として、少なくともインジウム(In)又は亜鉛(Zn)を含む材料を選択してもよい。特に、インジウム(In)及び亜鉛(Zn)を含む材料が好ましい。上記の元素以外に、安定剤ガリウム(Ga)元素を更に含む材料を選択してもよく、安定剤は、最終的に形成されたトランジスタの電気的特性偏差を低減することができる。
【0052】
選択的に、半導体柱と半導体層の材料は、インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)、例えば化学式がInGaZnO4である材料を含むが、これに限定されない。
【0053】
1つの具体的な実施例において、半導体柱と半導体層の材料は、InxGayZn1-x-yOを含み、ここで、xは、0以上または1以下であり、yは、0以上または1以下である。
【0054】
理解できるように、実際の動作において、半導体柱の一部をチャネル領域とし、及び半導体層をチャネル領域とし、これに基づいて、書き込み動作のためのトランジスタ構造及び読み取り動作のためのトランジスタ構造をそれぞれ形成することができる。
【0055】
いくつかの実施例において、半導体柱と半導体層の材料として酸化物半導体材料を使用する場合、即ち、書き込み作用のトランジスタ構造のチャネル領域及び読み取り作用のトランジスタ構造のチャネル領域として酸化物半導体材料を使用する場合、酸化物半導体材料がより高いキャリア移動度とより低いリーク電流を有するため、2つのトランジスタ構造のリーク電流を効果的に低減し、2つのトランジスタ構造のオンオフ電流比と電流駆動性を向上させ、半導体構造のアクセス速度を向上させ、消費電力を削減することができる。
【0056】
理解できるように、2トランジスタ0キャパシタ(2T0C)ダイナミックランダムアクセスメモリ構造において、半導体柱を基盤として形成されるトランジスタ構造は、半導体構造の書き込みトランジスタとして使用されることができ、半導体層を基盤として形成されるトランジスタ構造は、半導体構造の読み取りトランジスタとして使用されることができ、1つの書き込みトランジスタと1つの読み取りトランジスタによって1つの記憶ユニットを構成し、情報の読み取り動作を実現するように構成される。
【0057】
キャパシタ構造を配置した半導体構造と比較して、本開示の実施例による構造は、キャパシタを更に製造する必要なく、工程が簡単であり、読み取った後書き換え動作を行う必要がなく、消費電力を削減する。
【0058】
いくつかの実施例において、半導体柱13は、下から上に向かって配置された第1電極131、第1チャネル領域132及び第2電極を133含み、第1電極131、第1チャネル領域132及び第2電極133の導電類型は同じである。
【0059】
半導体柱の材料がインジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)である場合、書き込みトランジスタ構造のリーク電流を効果的に低減することができるだけでなく、第1電極、第1チャネル領域及び第2電極の導電類型が同じであるため、書き込みトランジスタ構造における浮遊体効果の発生を効果的に防止することができる。
【0060】
ここで、第1電極131、第1チャネル領域132及び第2電極133は、それぞれ書き込みトランジスタの第1ソース/ドレイン領域、チャネル領域及び第2ソース/ドレイン領域として使用することができる。
【0061】
いくつかの実施例において、半導体層16は、互いに接続された第1サブ部分161、第2サブ部分162及び第3サブ部分163を含み、第1サブ部分161は、ゲート柱18の頂面を覆い、第2サブ部分162は、ゲート柱18の側壁を覆い、第3サブ部分163部分は、隣接するゲート柱18間の基板10の上面を覆う。
【0062】
ここで、半導体層は、読み取りトランジスタのチャネル領域として使用されることができ、半導体層の第2サブ部分がゲート柱の側壁を覆う(取り囲む)ため、読み取りトランジスタのチャネル領域が比較的大きなチャネルサイズを有するようにし、チャネル領域がゲート電極の片側のみに配置される構造と比較して、本開示の実施例による構造は、短チャネル効果の発生を効果的に防止することができる。
【0063】
続けて
図1と
図2を参照すると分かるように、いくつかの実施例において、半導体構造は更に、第1ゲート誘電体層14と第2ゲート誘電体層15とを含み、
第1ゲート誘電体層14は、第1ワード線WL1と半導体柱13との間に位置し、第1ゲート誘電体層14は、第1チャネル領域132と第2電極133を取り囲み、
第2ゲート誘電体層15は、互いに接続された第1サブ層151と第2サブ層152とを含み、第1サブ層151は、ゲート柱18と半導体層16との間に位置し、ゲート柱18の側壁と頂部を覆い、第2サブ層152は、隣接するゲート柱18間の基板10の上面を覆う。
【0064】
続いて
図3を参照すると分かるように、別のいくつかの実施例において、半導体構造は更に、第1ゲート誘電体層14、第2ゲート誘電体層15及び第4誘電体層L4を含み、
第1ゲート誘電体層14は、第1ワード線WL1と半導体柱13との間に位置し、第1ゲート誘電体層14は、第1チャネル領域132と第2電極133を取り囲み、
第2ゲート誘電体層15は、ゲート柱18の側壁と頂部を覆い、
第4誘電体層L4は、隣接するゲート柱18間の基板10の上面を覆う。
【0065】
実際の動作において、第1ゲート電極誘電体層と第2ゲート電極誘電体層の材料は、酸化物、窒化物、酸窒化物、他の絶縁材料などを含むが、これに限定されず、いくつかの特定の実施例において、第1ゲート電極誘電体層と第2ゲート電極誘電体層の材料は、アルミナ、酸化シリコン、窒化シリコンなどの1つ又はその組み合わせであってもよい。
【0066】
第1ゲート電極誘電体層と第2ゲート電極誘電体層の形成工程は、原子層堆積工程などを含むが、これに限定されない。
【0067】
第2ゲート誘電体層は、隣接するゲート柱間の基板の上面を覆う部分を含むため、下部に位置し且つ半導体柱の周囲に位置する構造と、上部に位置し且つゲート柱の周囲に位置する構造との間に電気的隔離の効果を形成させ、上記の構造間の相互干渉を防止することができる。
【0068】
いくつかの実施例において、半導体構造は更に、第2ワード線WL2、第1ビット線BL1及び第2ビット線BL2を含み、
第2ワード線WL2は、第1方向に沿って延在し、第2サブ部分162の半導体柱13に隣接する一端を取り囲み、第3サブ部分163の上面を覆い、
第1ビット線BL1と第2ビット線BL2は、第2方向に沿って延在し、第2方向は、基板10の平面に平行で第1方向に垂直であり、第1ビット線BL1は、半導体柱13の下方に位置し、半導体柱13の下部に電気的に接続され、第2ビット線BL2は、半導体層16の上方に位置し、第1サブ部分161に電気的に接続される。
【0069】
ここで、第2ワード線は、読み取りトランジスタのソース領域又はドレイン領域として使用されることができ、第2ビット線は、読み取りトランジスタのドレイン領域又はソース領域として使用されることができる。いくつかの実施例において、第2ワード線は、読み取りトランジスタのソース領域として使用され、第2ビット線は、読み取りトランジスタのドレイン領域として使用される。しかし、これに限定されず、いくつかの他の実施例において、第2ワード線は、読み取りトランジスタのドレイン領域として使用されることができ、第2ビット線は、読み取りトランジスタのソース領域として使用され、ここでは、特に限定しない。
【0070】
当該実施例において、第2ワード線が、チャネル領域として使用される半導体層の第2サブ部分を取り囲むため、第2ワード線とチャネル領域との間の接触面積が増加し、第2ワード線とチャネル領域との間の接触抵抗を減少し、読み取りトランジスタの消費電力を削減することに有益である。
【0071】
実際の動作において、第1ビット線は、半導体柱の第1電極に電気的に接続されることができる。第1ワード線に適当な電圧を印加するとき、書き込みトランジスタは導通され、この場合、第1ビット線に適当な電圧を印加することにより、半導体柱を介して読み取りトランジスタのゲート電極(即ち、ゲート柱)に電荷を注入することができ、ゲート電極(即ち、ゲート柱)に含まれる電荷量の変化は、読み取りトランジスタの抵抗状態に影響を与え、それにより、実際の動作において、 「0」と「1」を区別することができる。
【0072】
ここで、読み取りトランジスタのゲート電極を情報記憶のためのノードとして使用することにより、キャパシタ構造を形成する別工程が不要となる。
【0073】
当該プロセスにおいて、書き込みトランジスタにおける電荷は、半導体柱を介して読み取りトランジスタのゲート柱に注入される必要があるため、半導体柱とゲート柱との間の相対的な位置、接続関係、それに含まれる材料特性などの要因は、電荷の伝送速度、効率に影響を与える可能性がある。
【0074】
本開示の1つの実施例において、
図1に示すように、半導体柱13の頂部は、ゲート柱18の底部に電気的に接続される。
【0075】
ここで、半導体柱の材料は、酸化物半導体材料であってもよく、ゲート柱の材料は、タングステン(W)、銅(Cu)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、金属ケイ化物、金属合金の1つ又は複数を含み得るが、これに限定されない。
【0076】
当該実施例において、半導体柱の第2電極の頂部は、ゲート柱の底部に直接電気的に接続され、つまり、書き込みトランジスタの1つのソース/ドレイン領域は、導電線を必要とせずに、読み取りトランジスタのゲート電極に直接電気的に接続されることができる。従来の構造において、相互接続線を介して書き込みトランジスタの1つのソース/ドレイン領域と、読み取りトランジスタのゲート電極との間の電気的に接続を実現する方式と比較して、本開示の実施例は、書き込みトランジスタが読み取りトランジスタのゲート電極に電荷を注入する際の電荷循環経路を効果的に短縮し、それにより、半導体構造の情報伝送速度と伝送効率を効果的に向上させることができる。
【0077】
本開示の他の実施例において、
図2に示すように、半導体柱とゲート柱の基板の平面への正投影は、少なくとも一部が重なっており、ゲート柱と半導体柱の材料は同じである。
【0078】
当該実施例において、半導体柱とゲート柱の基板の平面への正投影は、少なくとも一部が重なり、つまり、書き込みトランジスタと読み取りトランジスタの基板の平面への正投影は、少なくとも一部が重なり、それにより、1つの書き込みトランジスタと1つの読み取りトランジスタからなる記憶ユニット構造が、より少ない基板の表面積を占めるようにし、これは、同じ平面寸法の基板上に、本開示の実施例による半導体構造は、より多くの記憶ユニットを形成できることを意味し、つまり、本開示の実施例の半導体構造は、より高い集積度を有することができる。
【0079】
理解できるように、半導体柱とゲート柱の基板の平面への正投影がすべて重なる場合、つまり、書き込みトランジスタと読み取りトランジスタの基板の平面への正投影がすべて重なる場合、本開示の実施例による半導体構造は、より良好な数の記憶ユニットを形成することができ、つまり、本開示の実施例の半導体構造は、より良好な集積度を有することができる。
【0080】
さらに、書き込みトランジスタの1つのソース/ドレイン領域が半導体材料を使用し、読み取りトランジスタのゲート電極が金属材料を使用する従来の構造と比較して、本開示の実施例において、ゲート柱と半導体柱の材料は同じであり、つまり、書き込みトランジスタの1つのソース/ドレイン領域は、読み取りトランジスタのゲート電極と同じ材料を有し、書き込みトランジスタの1つのソース/ドレイン領域が読み取りトランジスタのゲート電極に電気的に接続されるとき、金属材料と半導体材料との間に存在する金属誘起隙間状態効果による接触抵抗の増加を心配する必要がなくなり、それにより、半導体構造全体の消費電力を効果的に低減させることができる。
【0081】
理解できるように、半導体柱とゲート柱の材料は、酸化インジウム、酸化スズ、In-Zn系酸化物、Sn-Zn系酸化物、Al-Zn系酸化物、In-Ga系酸化物、In-Ga-Zn系酸化物、In-Al-Zn系酸化物、In-Sn-Zn系酸化物、Sn-Ga-Zn系酸化物、Al-Ga-Zn系酸化物、Sn-Al-Zn系酸化物の少なくとも1つ又はその組み合わせを含み得る。
【0082】
いくつかの実施例において、半導体柱とゲート柱の材料は、いずれもInGaZnO4の材料のような酸化物半導体材料であってもよい。
【0083】
1つの特定の実施例において、半導体柱とゲート柱の材料は、InxGayZn1-x-yOを含み、ここで、xは、0以上または1以下であり、yは、0以上または1以下である。
【0084】
本開示の別の実施例において、
図3に示すように、ゲート柱18は、半導体柱13に直接電気的に接続される。
【0085】
当該実施例において、ゲート柱と半導体柱は、直接電気的に接続された一体化構造であり、即ち、書き込みトランジスタのチャネル領域、ソース/ドレイン領域及び読み取りトランジスタのゲート電極は、一体化構造であり、つまり、書き込みトランジスタの1つのソース/ドレイン領域及び読み取りトランジスタのゲート電極は、他の導電線を必要とせず、直接電気的に接続されることができる。従来の構造において、両者が、相互接続線を介して電気的に接続される方式と比較して、本開示の実施例は、書き込みトランジスタが読み取りトランジスタのゲート電極に電荷を注入する際の電荷循環経路を効果的に短縮し、それにより、半導体構造の情報伝送速度と伝送効率を効果的に向上させることができる。そして、書き込みトランジスタが、ソース/ドレイン領域を用いて読み取りトランジスタのゲート電極に電荷を注入する必要がある場合、両方が一体化されて接触抵抗が存在しないため、半導体構造の使用時の発熱が大きくなることを効果的に回避でき、それにより、半導体構造の性能を効果的に向上させることができる。
【0086】
更に、実際の工程において、ゲート柱と半導体柱からなる構造は、同じ工程で形成されることができるため、工程中の複雑さを大幅に軽減し、生産効率の向上に有益である。
【0087】
いくつかの実施例において、
図1と
図2に示すように、半導体構造は更に、基板10の上に位置する第1誘電体層L1と、第1誘電体層L1の上に位置する第2誘電体層L2と、を含むことが分かる。半導体柱13と第1ワード線WL1は、第1誘電体層L1に位置し、ゲート柱18、半導体層16及び第2ワード線WL2は、第2誘電体層L2に位置する。
【0088】
選択的に、半導体構造は更に、第1方向に沿って延在するワード線隔離構造12を備え、ワード線隔離構造12は、任意の隣接する2つの第1ワード線WL1間に位置することにより、隣接する第1ワード線WL1を隔離する。
【0089】
当該実施例において、ワード線隔離構造は、第1誘電体層内に位置する。ワード線隔離構造の材料は、酸化物、窒化物、酸窒化物など、具体的には、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化ケイ素などの少なくとも1つ又はその組み合わせを含むが、これに限定されない。
【0090】
本開示の実施例は更に、半導体構造の製造方法を提供し、
図4に示すように、方法は、以下の工程を含む。
【0091】
S101において、基板を提供する。
【0092】
S102において、基板上にピラーを形成し、ピラーは、半導体柱を含み、基板の平面に垂直な方向に沿って延在する。
【0093】
S103において、第1方向に沿って延在する第1ワード線を形成し、第1ワード線はピラーの一部を囲み、第1方向は基板の平面に平行である。
【0094】
以下、図面を参照して本開示の実施例による半導体構造の製造方法を更に説明する。
【0095】
図5ないし
図22は、本開示の1つの実施例による半導体構造の製造方法のプロセスフロー図であり、
図23は、本開示の実施例による半導体構造の他の構造の概略構造図である。
【0096】
まず、S101を実行し、
図5に示すように、基板を提供する。
【0097】
ここで、基板は、半導体基板であってもよく、具体的には、少なくとも1つの元素半導体材料(例えば、シリコン(Si)基板、ゲルマニウム(Ge)基板など)、少なくとも1つのIII-V化合物半導体材料(例えば、窒化ガリウム(GaN)基板、砒化ガリウム(GaAs)基板、リン化インジウム(InP)基板など)、少なくとも1つのII-VI化合物半導体材料、少なくとも1つの有機半導体材料又は当該分野で既知の他の半導体材料を含む。1つの具体的な実施例において、基板は、シリコン基板である。
【0098】
次に、S102を実行し、
図10に示すように、基板上にピラーを形成し、ピラーは半導体柱を含み、ピラーは基板の平面に垂直な方向に沿って延在する。
【0099】
いくつかの実施例において、
図6に示すように、基板10上に半導体柱13を形成する前に、方法は、
基板10上に絶縁層11を形成することと、
絶縁層11に対してエッチング工程を実行して、絶縁層11上に第2方向に沿って延在する複数の第1トレンチT1を形成することであって、第2方向は、基板10の平面に平行で第1方向に垂直である、ことと、
複数の第1トレンチT1内に導電材料を充填し、第2方向に沿って延在する複数の第1ビット線BL1を形成することと、を更に含む。
【0100】
ここで、絶縁層の材料は、酸化物、窒化物、酸窒化物などを含むが、これに限定されず、いくつかの特定の実施例において、絶縁層の材料は、酸化シリコンなどを含むが、これに限定されない。
【0101】
実際の動作において、絶縁層と導電材料の形成は、1つ又は複数の薄膜堆積工程により形成されることができ、具体的に、薄膜堆積工程は、化学気相堆積(CVD:chemical vapor deposition)工程、プラズマ増強化学気相堆積(PECVD:plasma enhanced chemical vapor deposition)工程、原子層堆積(ALD:atomic layer deposition)工程又はその組み合わせを含むが、これに限定されない。
【0102】
いくつかの実施例において、
図7と
図8に示すように、複数の第1トレンチT1内に導電材料を充填し、第2方向に沿って延在する複数の第1ビット線BL1を形成した後、方法は、
第1誘電体層L1を形成することと、
第1誘電体層L1をエッチングして、第1誘電体層L1内に第1方向に沿って延在する複数の第2トレンチT2を形成することと、
複数の第2トレンチT2内に絶縁材料を充填し、第1方向に沿って延在する複数のワード線隔離構造12を形成することと、を更に含む。
【0103】
ここで、第1誘電体層の材料は、酸化物、窒化物、酸窒化物、他の絶縁材料などの1つ又はその組み合わせを含むが、これに限定されない。具体的に、第1誘電体層の材料は、酸化シリコン、窒化シリコンなどを含み得るが、これに限定されない。
【0104】
更に、第1誘電体層の形成工程は、絶縁層の形成工程と同じであってもよく、異なってもよく、ここでは、特に限定しない。
【0105】
いくつかの実施例において、
図9ないし
図10に示すように、基板上にピラーPを形成することは、
第1誘電体層L1をエッチングして、複数の第1チャネル孔H1を形成することであって、第1チャネル孔H1は、第1ビット線BL1を露出させることと、
第1チャネル孔H1内に半導体材料を充填し、ピラーPを形成することであって、ピラーは、半導体柱13を含むことと、を含む。
【0106】
実際の工程において、第1誘電体層L1を上から下に向かってエッチングする方式を採用して、複数の第1チャネル孔H1を形成することができ、複数の第1チャネル孔H1は、隣接する2つのワード線隔離構造12間の第1誘電体層内L1に位置する。
【0107】
いくつかの実施例において、半導体柱13は、下から上に向かって配置された第1電極131、第1チャネル領域132及び第2電極を133含み得、第1電極131、第1チャネル領域132及び第2電極133の導電類型は同じである。理解できるように、第1電極131、第1チャネル領域132及び第2電極133は、それぞれトランジスタの第1ソース/ドレイン領域、チャネル領域及び第2ソース/ドレイン領域として使用することができる。
【0108】
当該実施例において、半導体柱の材料は、酸化インジウム、酸化スズ、In-Zn系酸化物、Sn-Zn系酸化物、Al-Zn系酸化物、In-Ga系酸化物、In-Ga-Zn系酸化物、In-Al-Zn系酸化物、In-Sn-Zn系酸化物、Sn-Ga-Zn系酸化物、Al-Ga-Zn系酸化物、Sn-Al-Zn系酸化物の少なくとも1つ又はその組み合わせを含む。
【0109】
選択的に、半導体柱の材料は、インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)、例えば化学式がInGaZnO4である材料を含むが、これに限定されない。
【0110】
1つの特定の実施例において、半導体柱の材料は、InxGayZn1-x-yOを含み、ここで、xは、0以上または1以下であり、yは、0以上または1以下である。
【0111】
理解できるように、実際の動作において、後続で半導体柱の部分側壁に、ワード線構造などのチャネル領域の導通又は遮断を制御でする制御ゲート線を形成することによって、半導体柱を基盤とするトランジスタ構造を形成することができる。半導体柱の材料がインジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)である場合、つまり、トランジスタ構造のチャネル領域の材料がインジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)である場合、トランジスタ構造のリーク電流を効果的に低減することができるだけでなく、第1電極、第1チャネル領域及び第2電極の導電類型が同じであるため、トランジスタ構造における浮遊体効果の発生を効果的に防止することができる。
【0112】
理解できるように、当該実施例において、半導体柱と基盤として形成されたトランジスタ構造は、メモリの書き込みトランジスタとして使用されることができる。
【0113】
最後に、S103を実行し、
図11と
図12に示すように、第1方向に沿って延在する第1ワード線WL1を形成し、第1ワード線WL1はピラーの一部Pを囲み、第1方向は基板の平面に平行である。
【0114】
いくつかの実施例において、第1方向に沿って延在する第1ワード線WL1を形成し、第1ワード線WL1は、半導体柱13を囲み、第1方向は、基板10の平面に平行であることは、
第1方向に沿って延在し、隣接する2つのワード線隔離構造12間に位置する複数の第3トレンチT3を形成することと、
第3トレンチT3内に第1ゲート誘電体層14を形成することであって、第1ゲート誘電体層14は、一部の半導体柱13を取り囲む、ことと、
第3トレンチT3内に第1ワード線WL1を形成することであって、第1ワード線WL1は、一部の第1ゲート誘電体層14を取り囲む、ことと、を含む。
【0115】
いくつかの特定の実施例において、第3トレンチT3を形成することは、
一部の第1誘電体層L1を除去して、第1方向に沿って延在し且つ隣接する2つのワード線隔離構造12間に位置する複数の第3トレンチT3を形成することを含み、第3トレンチT3の底部は、第1電極131の上面と面一である。
【0116】
理解できるように、実際の動作において、第1ゲート誘電体層14は、半導体柱13における第1チャネル領域132と第2電極133の側壁を取り囲み、第1ワード線WL1の上面は、第1チャネル領域132の上面と面一である。
【0117】
いくつかの実施例において、
図13に示すように、第1ワード線WL1を形成した後、方法は、
第1ワード線WL1の上と半導体柱13との間の隙間に第1誘電体層L1を継続して充填し、第1誘電体層L1の頂面が、半導体柱の第2電極133の上面と面一になるようにすることを更に含む。
【0118】
これにより、第1誘電体層内に複数のトランジスタ構造が形成される。理解できるように、当該複数のトランジスタ構造は、メモリの書き込みトランジスタとして使用されることができる。
【0119】
いくつかの実施例において、
図16ないし
図20に示すように、前記第1ワード線WL1を形成した後、前記方法は、前記半導体柱13の直上にゲート柱18を形成することであって、前記ゲート柱18は、基板10平面に垂直な方向に沿って延在することと、
半導体層16を形成することであって、前記半導体層16は、少なくとも前記ゲート柱18の側壁を囲むことと、を更に含む。
【0120】
いくつかの実施例において、
図14ないし
図20に示すように、半導体柱13の直上にゲート柱18を形成することは、
第2誘電体層L2を形成し、第2誘電体層L2をエッチングして、第2誘電体層L2内に、半導体柱13の頂部を露出させる複数の第2チャネル孔H2を形成することと、
第2チャネル孔H2内にゲート柱18を形成することと、を含み、
ゲート柱18を形成した後、方法は、
ゲート柱18の頂面と側壁を露出させることと、
第2ゲート誘電体層15を堆積することであって、第2ゲート誘電体層15は、ゲート柱18の側壁と頂部を囲む部分と、第1誘電体層L1の上面を覆う部分と、を含む、ことと、
第2ゲート誘電体層15上に半導体材料層16aとワード線材料層WL2aを順次に形成することであって、半導体材料層16aは、第2ゲート誘電体層15とコンフォーマルされ、ワード線材料層WL2aは、隣接する半導体材料層16a間の隙間を充填する、ことと、
半導体材料層16aとワード線材料層WL2aをエッチングして、半導体層16及び第1方向に沿って延在する複数の第2ワード線WL2をそれぞれ形成することと、を更に含む。
【0121】
実際の動作において、第2チャネル孔H2内にゲート柱18を形成した後、第2誘電体層L2を除去する方式によって、ゲート柱18の頂面と側壁を露出させることができる。さらに、後続の工程において、第2ゲート誘電体層15上に半導体材料層16aとワード線材料層WL2aを順次に形成した後、ワード線隔離構造12の上に位置する部分的な半導体材料層16aとワード線材料層WL2aを除去する方式によって、半導体層16及び第1方向に沿って延在する複数の第2ワード線WL2をそれぞれ形成することができる。
【0122】
ここで、ゲート柱の材料は、タングステン(W)、銅(Cu)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、金属ケイ化物、金属合金などの1つ又は複数を含み得るが、これに限定されない。
【0123】
実際の動作において、第1ゲート誘電体層と第2ゲート誘電体層の材料は同じであってもよく、異なってもよい。選択的に、第1ゲート電極誘電体層と第2ゲート電極誘電体層の材料は、酸化物、窒化物、酸窒化物、他の絶縁材料などを含むが、これに限定されず、いくつかの特定の実施例において、第1ゲート電極誘電体層と第2ゲート電極誘電体層の材料は、アルミナ、酸化シリコン、窒化シリコンなどの1つ又はその組み合わせであってもよい。
【0124】
第1ゲート電極誘電体層と第2ゲート電極誘電体層の形成工程は、原子層堆積工程などを含むが、これに限定されない。
【0125】
当該実施例において、第2ゲート誘電体層が、隣接するゲート柱間の第1誘電体層とワード線隔離構造の上面を覆う部分を含み、下部に位置し且つ半導体柱の周囲に位置する構造と、上部に位置し且つゲート柱の周囲に位置する構造との間に電気的隔離の効果を形成させ、上記の構造間の相互干渉を防止することができる。
【0126】
選択的に、いくつかの実施例において、
図19に示すように、半導体材料層16aを堆積した後、ワード線材料層WL2aを形成する前に、方法は、
第2方向に沿って半導体材料層16aをエッチングし、ゲート柱18間に位置する一部の半導体材料層16aを除去して、ゲート柱18間に第2方向に沿って延在する複数の隙間を形成することと、
隙間内に第5誘電体層L5を充填することと、を更に含み得る。
【0127】
このようにして、半導体材料層に対して2回のエッチング工程を実行して、各ゲート柱の周囲に位置する半導体層を互いに独立させ、後続で半導体層を基盤として、トランジスタ構造を構成するための他の材料層を形成する必要があっても、最終的に形成されるトランジスタ構造は独立性を維持することができる。
【0128】
いくつかの実施例において、
図20と
図21に示すように、半導体層16を形成した後、方法は、
第3誘電体層L3を形成することと、
第3誘電体層L3をエッチングし、第2方向に沿って延在する第4トレンチT4を形成することであって、半導体層16の上面は、第4トレンチT4から露出される、ことと、
第4トレンチT4内に第2ビット線BL2を形成することと、を更に含む。
【0129】
これにより、第2誘電体層内に複数のトランジスタ構造が形成される。ここで、ゲート柱は、トランジスタ構造のゲート電極として使用されることができ、半導体層は、トランジスタ構造のチャネル領域として使用されることができ、さらに、第2ワード線は、読み取りトランジスタのソース領域又はドレイン領域として使用されることができ、第2ビット線は、トランジスタ構造のドレイン領域又はソース領域として使用されることができる。
【0130】
説明すべきこととして、第2ワード線がトランジスタ構造のソース領域として使用される場合、第2ビット線は、トランジスタ構造のドレイン領域として使用される。しかし、これに限定されず、いくつかの他の実施例において、第2ワード線は更に、読み取りトランジスタのドレイン領域として使用されることができ、第2ビット線は、読み取りトランジスタのソース領域として使用され、実際の動作において、柔軟に調整することができ、ここでは、特に限定しない。
【0131】
当該実施例において、第2ワード線が、チャネル領域として使用される部分の半導体層を取り囲むため、第2ワード線とチャネル領域との間の接触面積が増加し、第2ワード線とチャネル領域との間の接触抵抗を減少し、トランジスタ構造の消費電力を削減することに有益である。
【0132】
理解できるように、当該複数のトランジスタ構造は、メモリの読み取りトランジスタとして使用されることができる。
【0133】
理解できるように、当該実施例において、半導体柱の第2電極の頂部は、ゲート柱の底部に直接電気的に接続され、つまり、書き込みトランジスタの1つのソース/ドレイン領域は、導電線を必要とせずに、読み取りトランジスタのゲート電極に直接電気的に接続されることができる。従来の構造において、相互接続線を介して書き込みトランジスタの1つのソース/ドレイン領域と、読み取りトランジスタのゲート電極との間の電気的に接続を実現する方式と比較して、本開示の実施例は、書き込みトランジスタが読み取りトランジスタのゲート電極に電荷を注入する際の電荷循環経路を効果的に短縮し、それにより、半導体構造の情報伝送速度と伝送効率を効果的に向上させることができる。
【0134】
選択的に、
図22に示すように、第2ビット線BL2を形成した後、方法は、第2ビット線BL2上に絶縁層17を形成することを更に含み、絶縁層17は、第2ビット線BL2を保護するために使用されることができる。
【0135】
図23に示すように、本開示は更に、他の半導体構造を提供し、当該半導体構造の製造プロセスは、
図5ないし
図22に提供される半導体構造の製造プロセスとほとんど同じである。両方の違いは、ゲート柱と半導体柱との間の材料配置が上記の実施例と異なることである。
【0136】
当該実施例において、半導体柱とゲート柱の材料は、酸化インジウム、酸化スズ、In-Zn系酸化物、Sn-Zn系酸化物、Al-Zn系酸化物、In-Ga系酸化物、In-Ga-Zn系酸化物、In-Al-Zn系酸化物、In-Sn-Zn系酸化物、Sn-Ga-Zn系酸化物、Al-Ga-Zn系酸化物、Sn-Al-Zn系酸化物の少なくとも1つ又はその組み合わせを含む。
【0137】
選択的に、ゲート柱と半導体柱の材料は、同じであってもよい。いくつかの実施例において、半導体柱とゲート柱の材料は、いずれもInGaZnO4の材料のような酸化物半導体材料であってもよい。
【0138】
理解できるように、当該実施例において、半導体柱を基盤として形成されるトランジスタ構造は、半導体構造の書き込みトランジスタとして使用されることができ、半導体層を基盤として形成されるトランジスタ構造は、半導体構造の読み取りトランジスタとして使用されることができ、1つの書き込みトランジスタと1つの読み取りトランジスタによって1つの記憶ユニットを構成し、情報の読み取り動作を実現するように構成される。
【0139】
キャパシタ構造を配置した半導体構造と比較して、本開示の実施例による構造は、キャパシタを更に製造する必要なく、工程が簡単であり、読み取った後書き換え動作を行う必要がなく、消費電力を削減する。
【0140】
更に、当該実施例において、半導体柱とゲート柱の基板の平面への正投影は、少なくとも一部が重なり、つまり、書き込みトランジスタと読み取りトランジスタの基板の平面への正投影は、少なくとも一部が重なり、それにより、1つの書き込みトランジスタと1つの読み取りトランジスタからなる記憶ユニット構造が、より少ない基板の表面積を占めるようにし、これは、同じ平面寸法の基板上に、本開示の実施例による半導体構造は、より多くの記憶ユニットを形成できることを意味し、つまり、本開示の実施例の半導体構造は、より高い集積度を有することができる。
【0141】
理解できるように、半導体柱とゲート柱の基板の平面への正投影がすべて重なる場合、つまり、書き込みトランジスタと読み取りトランジスタの基板の平面への正投影がすべて重なる場合、本開示の実施例による半導体構造は、より良好な数の記憶ユニットを形成することができ、つまり、本開示の実施例の半導体構造は、より良好な集積度を有することができる。
【0142】
さらに、書き込みトランジスタの1つのソース/ドレイン領域が半導体材料を使用し、読み取りトランジスタのゲート電極が金属材料を使用する従来の構造と比較して、本開示の実施例において、ゲート柱と半導体柱の材料は同じであり、つまり、書き込みトランジスタの1つのソース/ドレイン領域は、読み取りトランジスタのゲート電極と同じ材料を有し、書き込みトランジスタの1つのソース/ドレイン領域が読み取りトランジスタのゲート電極に電気的に接続されるとき、金属材料と半導体材料との間に存在するゲート電極誘起隙間状態効果による接触抵抗の増加を心配する必要がなくなり、それにより、半導体構造全体の消費電力を効果的に低減させることができる。
【0143】
上述した実施例の方法以外に、本開示の他の実施例において、更に、他の方式を採用して、情報処理のための半導体構造を取得することができる。上記の実施例との違いは、当該実施例において、ピラーは、半導体柱とゲート柱との2つの部分を含み、さらに、2つの部分は、同じ工程で形成されることである。
【0144】
図24ないし
図29は、本開示の他の実施例による半導体構造の製造方法のプロセスフロー図である
以下では、図面を参照して、本開示の他の実施例による半導体構造の製造方法について詳細に説明する。
【0145】
当該実施例において、基板の材料は、上記の実施例と同じであってもよく、異なってもよく、特に限定しない。
【0146】
まず、
図24ないし
図25に示すように、基板10上にピラーPを形成することは、
基板10上にピラーPを形成することを含み、ピラーPは、基板10の表面より高く、基板10の平面に垂直な方向に沿って延在し、ピラーPは、半導体柱13及びゲート柱18を含み、ゲート柱18は、半導体柱13の直上に位置する。
【0147】
実際の工程において、
図6ないし
図8に示すように、基板10上にピラーPを形成する前に、方法は、
基板10上に第2方向に沿って延在する複数の第1ビット線BL1を形成することと、
第1誘電体層L1を形成することと、
第1誘電体層L1内に、第1方向に沿って延在する複数のワード線隔離構造12を形成することと、を更に含む。
【0148】
いくつかの実施例において、
図9、
図24ないし
図25に示すように、基板10上にピラーPを形成することは、
第1誘電体層L1をエッチングして、複数の第1チャネル孔H1を形成することであって、第1チャネル孔H1は、第1ビット線BL1を露出させることと、
半導体材料層16aを形成することであって、半導体材料層16aは、第1誘電体層L1の上面を覆い、第1チャネル孔H1を充填する、ことと、
半導体材料層16aをエッチングしてピラーPを形成することであって、ピラーPの第1チャネル孔H1内に位置する部分を半導体柱13と定義し、ピラーPの第1チャネル孔H1の直上に位置する部分をゲート柱18と定義する、ことと、を含む。
【0149】
実際の工程において、第1誘電体層L1を上から下に向かってエッチングする方式を採用して、複数の第1チャネル孔H1を形成することができ、複数の第1チャネル孔H1は、隣接する2つのワード線隔離構造12間の第1誘電体層内L1に位置する。
【0150】
選択的に、いくつかの実施例において、半導体材料層16aをエッチングして、ピラーPを形成することは、
半導体材料層16aをエッチングし、第1チャネル孔H1の基板10への正投影によって限定された領域以外の半導体材料層16aを除去し、第1チャネル孔H1内の半導体材料層16a及び第1チャネル孔H1の直上に位置する半導体材料層16aによって構成されたピラーPは保持することを含む。
【0151】
当該実施例において、半導体材料層の材料は、酸化インジウム、酸化スズ、In-Zn系酸化物、Sn-Zn系酸化物、Al-Zn系酸化物、In-Ga系酸化物、In-Ga-Zn系酸化物、In-Al-Zn系酸化物、In-Sn-Zn系酸化物、Sn-Ga-Zn系酸化物、Al-Ga-Zn系酸化物、Sn-Al-Zn系酸化物の少なくとも1つ又はその組み合わせを含む。
【0152】
選択的に、半導体材料層の材料は、インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)、例えば化学式がInGaZnO4である材料を含むが、これに限定されない。
【0153】
特定の実施例中、半導体材料層の材料は、InxGayZn1-x-yOを含み、ここで、xは、0以上または1以下であり、yは、0以上または1以下である。
【0154】
当該実施例において、第1チャネル孔H1内に位置する半導体柱13は、下から上に向かって配置された第1電極131、第1チャネル領域132及び第2電極を133含み得、第1電極131、第1チャネル領域132及び第2電極133の導電類型は同じである。
【0155】
理解できるように、実際の動作において、半導体柱13における第1電極131、第1チャネル領域132及び第2電極133は、それぞれトランジスタの第1ソース/ドレイン領域、チャネル領域及び第2ソース/ドレイン領域として使用することができる。
【0156】
実際の動作において、後続で半導体柱の部分側壁に、ワード線構造などのチャネル領域の導通又は遮断を制御でする制御ゲート線を形成することによって、半導体柱を基盤とするトランジスタ構造を形成することができる。半導体柱の材料がインジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)である場合、つまり、トランジスタ構造のチャネル領域の材料がインジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)である場合、トランジスタ構造のリーク電流を効果的に低減することができるだけでなく、第1電極、第1チャネル領域及び第2電極の導電類型が同じであるため、トランジスタ構造における浮遊体効果の発生を効果的に防止することができる。
【0157】
選択的に、当該実施例において、半導体柱と基盤として形成されたトランジスタ構造は、メモリの書き込みトランジスタとして使用されることができる。
【0158】
次に、
図26に示すように、第1方向に沿って延在する第1ワード線WL1を形成することは、
第1方向に沿って延在し、隣接する2つのワード線隔離構造12間に位置する複数の第3トレンチT3を形成することと、
ゲート誘電体層を形成することであって、ゲート誘電体層は、一部の半導体柱13を囲む第1ゲート誘電体層14、及びゲート柱18の側壁と頂部を囲む第2ゲート誘電体層15を含む、ことと、
第3トレンチT3内に第1ワード線WL1を形成することであって、第1ワード線WL1は、一部の第1ゲート誘電体層14を取り囲む、ことと、を含む。
【0159】
いくつかの特定の実施例において、第3トレンチT3を形成することは、
一部の第1誘電体層L1を除去して、第1方向に沿って延在し且つ隣接する2つのワード線隔離構造12間に位置する複数の第3トレンチT3を形成することを含み、第3トレンチT3の底部は、第1電極131の上面と面一である。
【0160】
理解できるように、実際の動作において、第1ゲート誘電体層14は、半導体柱13における第1チャネル領域132と第2電極133の側壁を取り囲み、第1ワード線WL1の上面は、第1チャネル領域132の上面と面一である。
【0161】
これにより、第1誘電体層内に複数のトランジスタ構造が形成される。理解できるように、当該複数のトランジスタ構造は、メモリの書き込みトランジスタとして使用されることができる。
【0162】
選択的に、いくつかの実施例において、
図27に示すように、第1ワード線WL1を形成した後、方法は、
第1ワード線WL1の上と半導体柱13との間の隙間に第1誘電体層L1を継続して充填し、第1誘電体層L1の頂面が、半導体柱の第2電極133の上面と面一になるようにすることと、
第4誘電体層L4を形成することであって、第4誘電体層L4は、隣接するゲート柱18間の基板10の上面を覆うことと、を更に含む。
【0163】
理解できるように、第4ゲート誘電体層が、隣接するゲート柱間の基板の上面を覆うため、下部に位置し且つ半導体柱の周囲に位置する構造と、上部に位置し且つゲート柱の周囲に位置する構造との間に電気的隔離の効果を形成させ、上記の構造間の相互干渉を防止することができる。
【0164】
さらに、
図29に示すように、半導体層16を形成し、半導体層16は、少なくともゲート柱18の側壁を囲む。
【0165】
いくつかの実施例において、
図27と
図29に示すように、第1ワード線を形成した後、方法は、
第2ゲート誘電体層15上に半導体材料層16aとワード線材料層WL2aを順次に形成することであって、半導体材料層16aは、少なくとも第2ゲート誘電体層15を覆い、ワード線材料層WL2aは、隣接する半導体材料層16a間の隙間を充填する、ことと、
半導体材料層16aとワード線材料層WL2aをエッチングし、ワード線隔離構造12の上に位置する半導体材料層16aとワード線材料層WL2aの一部を除去して、半導体層16及び第1方向に沿って延在する複数の第2ワード線WL2をそれぞれ形成することと、を更に含む。
【0166】
ここで、半導体層16は、互いに接続された第1サブ部分161、第2サブ部分162及び第3サブ部分163を含み、第1サブ部分161は、ゲート柱18の頂面を覆い、第2サブ部分162は、ゲート柱18の側壁を覆い、第3サブ部分163部分は、隣接するゲート柱18間の基板10の上面を覆う。
【0167】
理解できるように、半導体層は、トランジスタのチャネル領域として使用されることができ、半導体層の第2サブ部分がゲート柱の側壁を覆う(取り囲む)ため、トランジスタのチャネル領域が比較的大きなチャネルサイズを有するようにし、チャネル領域がゲート電極の片側のみに配置される構造と比較して、本開示の実施例による構造は、短チャネル効果の発生を効果的に防止することができる。
【0168】
選択的に、いくつかの実施例において、半導体層16を形成した後、方法は、
第3誘電体層L3を形成することと、
第3誘電体層L3をエッチングし、第2方向に沿って延在する第4トレンチT4を形成することであって、半導体層16の上面は、第4トレンチT4から露出される、ことと、
第4トレンチT4内に第2ビット線BL2を形成することと、を更に含む。
【0169】
これにより、第2誘電体層内に複数のトランジスタ構造が形成される。ここで、ゲート柱は、トランジスタ構造のゲート電極として使用されることができ、半導体層は、トランジスタ構造のチャネル領域として使用されることができ、さらに、第2ワード線は、読み取りトランジスタのソース領域又はドレイン領域として使用されることができ、第2ビット線は、トランジスタ構造のドレイン領域又はソース領域として使用されることができる。
【0170】
説明すべきこととして、第2ワード線がトランジスタ構造のソース領域として使用される場合、第2ビット線は、トランジスタ構造のドレイン領域として使用される。しかし、これに限定されず、いくつかの他の実施例において、第2ワード線は更に、読み取りトランジスタのドレイン領域として使用されることができ、第2ビット線は、読み取りトランジスタのソース領域として使用され、実際の動作において、柔軟に調整することができ、ここでは、特に限定しない。
【0171】
当該実施例において、第2ワード線が、チャネル領域として使用される半導体層の第2サブ部分を取り囲むため、第2ワード線とチャネル領域との間の接触面積が増加し、第2ワード線とチャネル領域との間の接触抵抗を減少し、トランジスタ構造の消費電力を削減することに有益である。
【0172】
理解できるように、当該複数のトランジスタ構造は、メモリの読み取りトランジスタとして使用されることができる。
【0173】
当該実施例において、ゲート柱と半導体柱は、直接電気的に接続された一体化構造であり、即ち、書き込みトランジスタのチャネル領域、ソース/ドレイン領域及び読み取りトランジスタのゲート電極は、一体化構造であり、つまり、書き込みトランジスタの1つのソース/ドレイン領域及び読み取りトランジスタのゲート電極は、他の導電線を必要とせず、直接電気的に接続されることができる。従来の構造において、両者が、相互接続線を介して電気的に接続される方式と比較して、本開示の実施例は、書き込みトランジスタが読み取りトランジスタのゲート電極に電荷を注入する際の電荷循環経路を効果的に短縮し、それにより、半導体構造の情報伝送速度と伝送効率を効果的に向上させることができる。さらに、書き込みトランジスタが、ソース/ドレイン領域を用いて読み取りトランジスタのゲート電極に電荷を注入する必要がある場合、両方が一体化されて接触抵抗が存在しないため、半導体構造の使用時の発熱が大きくなることを効果的に回避でき、それにより、半導体構造の性能を効果的に向上させることができる。
【0174】
更に、実際の工程において、ゲート柱と半導体柱からなる構造は、同じ工程で形成されることができるため、工程中の複雑さを大幅に軽減し、生産効率の向上に有益である。
【0175】
更に、キャパシタ構造を配置した半導体構造と比較して、本開示の実施例による構造は、キャパシタを更に製造する必要なく、工程が簡単であり、読み取った後書き換え動作を行う必要がなく、消費電力を削減する。
【0176】
本開示の実施例による半導体構造は、三次元ダイナミックランダムアクセスメモリ(3D DRAM:3D Dynamic Random Access Memory)などを含むが、これに限定されないメモリ構造に適用されることができる。
【0177】
説明すべきこととして、本開示の実施例による半導体デバイスの製造方法は、DRAM構造又は他の半導体デバイスに適用できるが、ここでは、別に限定しない。本開示による半導体デバイス製造方法の実施例は、半導体デバイスの実施例と同じ構想に属し、各実施例に記載の技術的解決策における各技術的特徴間は、競合することなく、任意に組み合わせることができる。
【0178】
上記は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の保護範囲を限定することを意図するものではなく、本発明の趣旨及び原則内でなされたあらゆる修正、同等置換及び改善などは、すべて本発明の保護範囲に含まれるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0179】
本開示の実施例による半導体構造及びその製造方法において、前記構造は、基板、半導体柱、ゲート柱、第1ワード線及び半導体層を含み、前記半導体柱は、前記基板上に位置し、前記ゲート柱は、前記半導体柱の上に位置し、前記半導体柱と前記ゲート柱は両方とも、基板平面に垂直な方向に沿って延在し、前記第1ワード線は、第1方向に沿って延在し、前記半導体柱を囲み、前記第1方向は、基板の平面に平行であり、前記半導体層は、前記半導体柱の上に位置し、少なくとも前記ゲート柱の側壁を囲む。このようにして、底部に位置する半導体柱とその上に位置する半導体層は縦方向に分布され、後続で半導体柱と半導体層に基づいてトランジスタ構造を形成する際に、2つのトランジスタの投影によって占有される基板上の面積を大幅に低減し、2つのトランジスタを基板上にタイリングする方式と比較して、本開示の実施例は、半導体構造の集積度を効果的に向上させることができる。