(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
G06F 21/32 20130101AFI20241119BHJP
G06F 1/3231 20190101ALI20241119BHJP
G06F 1/3287 20190101ALI20241119BHJP
【FI】
G06F21/32
G06F1/3231
G06F1/3287
(21)【出願番号】P 2024070601
(22)【出願日】2024-04-24
【審査請求日】2024-04-24
(73)【特許権者】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【氏名又は名称】片岡 央
(72)【発明者】
【氏名】西尾 匡史
【審査官】青木 重徳
(56)【参考文献】
【文献】特許第7454635(JP,B1)
【文献】特開2019-103075(JP,A)
【文献】特表2018-512083(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0247812(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/32
G06F 1/3231
G06F 1/3287
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムのプログラムを一時的に記憶するメモリと、
前記システムのプログラムを実行することにより前記システムの動作を制御する第1プロセッサと、
撮像部により撮像された撮像画像に基づいて、表示部に対面する方向に存在する人物の検出および当該人物が前記表示部を注目しているか否かの検出を行う検出処理と、前記表示部に対面する方向に存在する人物の顔画像と予め登録されているユーザの顔画像とを照合する顔認証処理とを行う第2プロセッサと、
を備え、
前記第1プロセッサは、
前記検出処理により前記表示部を注目している人物の存在が検出されている状態から検出されなくなった場合、低消費電力モードに遷移させる電力低減処理と、
前記低消費電力モードに遷移後、前記表示部を注目している人物の存在が前記検出処理により検出された場合、前記顔認証処理による認証結果に基づいて当該人物が予め登録されているユーザであるか否かを判定する判定処理と、
前記低消費電力モードに遷移後、前記表示部を注目している人物の存在が前記検出処理により検出され、かつ当該人物が予め登録されているユーザであると前記判定処理により判定された場合、前記低消費電力モードから復帰させる電力復帰処理と、
前記低消費電力モードに遷移後、前記表示部を注目している人物の存在が前記検出処理により検出され、かつ当該人物が予め登録されているユーザではないと前記判定処理により判定された場合、前記システムをロックさせるロック処理と、
を行う情報処理装置。
【請求項2】
前記第1プロセッサは、
前記システムをロックさせた後、前記システムに予め登録された正規ユーザであるか否かを認証するシステム認証処理により認証成功となることを条件として、前記システムのロックを解除するロック解除処理、
を行う請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1プロセッサは、
前記ロック処理において、前記検出処理により前記表示部を注目している人物の存在が検出されている状態から前記表示部に対面する方向に人物の存在が検出されなくなった場合、人物の存在が検出されない状態で第1の時間が経過した場合に前記システムをロックさせ、
前記低消費電力モードに遷移後、前記表示部を注目している人物の存在が前記検出処理により検出され、かつ当該人物が予め登録されているユーザではないと前記判定処理により判定された場合には、当該検出および判定がされたことに応じて前記第1の時間を待たずに、前記システムをロックさせる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1プロセッサは、
前記電力低減処理では、前記検出処理により前記表示部を注目している人物の存在が検出されている状態から検出されなくなった場合、前記表示部を注目している人物の存在が検出されない状態で前記第1の時間よりも短い第2の時間が経過した場合に前記低消費電力モードに遷移させる、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1プロセッサは、
前記ロック処理において、前記低消費電力モードへの遷移に関わらず、ユーザによる入力が検出されない状態で第3の時間が経過した場合に前記システムをロックさせ、
前記低消費電力モードに遷移後、前記表示部を注目している人物の存在が前記検出処理により検出され、かつ当該人物が予め登録されているユーザではないと前記判定処理により判定された場合には、当該検出および判定がされたことに応じて前記第3の時間を待たずに、前記システムをロックさせる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第1プロセッサは、
前記電力低減処理では、前記検出処理により前記表示部を注目している人物の存在が検出されている状態から検出されなくなった場合、前記表示部を注目している人物の存在が検出されない状態で前記第3の時間よりも短い第2の時間が経過した場合に前記低消費電力モードに遷移させる、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記低消費電力モードは、前記表示部の画面輝度を低減した動作モードである、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
システムのプログラムを一時的に記憶するメモリと、
前記システムのプログラムを実行することにより前記システムの動作を制御する第1プロセッサと、
撮像部により撮像された撮像画像に基づいて、表示部に対面する方向に存在する人物を検出する検出処理を行う第2プロセッサと、
を備え、
前記第2プロセッサは、
前記表示部に対面する方向に存在する人物の第1顔画像と予め登録されているユーザの第1認証用顔画像とを照合する第1顔認証処理を行い、
前記第1プロセッサは、
前記検出処理により前記表示部に対面する方向に人物の存在が検出され、かつ前記第1顔認証処理により当該人物が予め登録されているユーザではないと判定された場合、前記システムをロックさせるロック処理と、
前記第1顔画像とは異なる条件で撮像部により撮像された撮像画像に基づいて取得した前記表示部に対面する方向に存在する人物の第2顔画像と予め登録されているユーザの第2認証用顔画像とを照合する第2顔認証処理と、
前記第2顔認証処理により当該人物が予め登録されているユーザであると判定された場合、前記システムのロックを解除するロック解除処理と、
を行う情報処理装置。
【請求項9】
システムのプログラムを一時的に記憶するメモリと、前記システムのプログラムを実行することにより前記システムの動作を制御する第1プロセッサと、撮像部により撮像された撮像画像に基づいて、表示部に対面する方向に存在する人物の検出および当該人物が前記表示部を注目しているか否かの検出を行う検出処理と、前記表示部に対面する方向に存在する人物の顔画像と予め登録されているユーザの顔画像とを照合する顔認証処理とを行う第2プロセッサと、を備える情報処理装置における制御方法であって、
前記第1プロセッサが、
前記検出処理により前記表示部を注目している人物の存在が検出されている状態から検出されなくなった場合、低消費電力モードに遷移させるステップと、
前記低消費電力モードに遷移後、前記表示部を注目している人物の存在が前記検出処理により検出された場合、前記顔認証処理による認証結果に基づいて当該人物が予め登録されているユーザであるか否かを判定するステップと、
前記低消費電力モードに遷移後、前記表示部を注目している人物の存在が前記検出処理により検出され、かつ当該人物が予め登録されているユーザであると判定された場合、前記低消費電力モードから復帰させるステップと、
前記低消費電力モードに遷移後、前記表示部を注目している人物の存在が前記検出処理により検出され、かつ当該人物が予め登録されているユーザではないと判定された場合、前記システムをロックさせるステップと、
を含む制御方法。
【請求項10】
システムのプログラムを一時的に記憶するメモリと、前記システムのプログラムを実行することにより前記システムの動作を制御する第1プロセッサと、撮像部により撮像された撮像画像に基づいて、表示部に対面する方向に存在する人物を検出する検出処理を行う第2プロセッサと、を備える情報処理装置における制御方法であって、
前記第2プロセッサが、前記表示部に対面する方向に存在する人物の第1顔画像と予め登録されているユーザの第1認証用顔画像とを照合する第1顔認証ステップと、
前記第1プロセッサが、
前記検出処理により前記表示部に対面する方向に人物の存在が検出され、かつ前記第1顔認証ステップにより当該人物が予め登録されているユーザではないと判定された場合、前記システムをロックさせるステップと、
前記第1顔画像とは異なる条件で撮像部により撮像された撮像画像に基づいて取得した前記表示部に対面する方向に存在する人物の第2顔画像と予め登録されているユーザの第2認証用顔画像とを照合する第2顔認証ステップと、
前記第2顔認証ステップにより当該人物が予め登録されているユーザであると判定された場合、システムのロックを解除するステップと、を含む制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、赤外線センサを用いて、人物が近づいたことや離れたことを検出し、人物が近づいたことを検出するとシステムを起動し、人物が離れたことを検出すると表示をオフして待機状態へ遷移するPC(パーソナルコンピュータ)が開示されている。待機状態では、表示をオフすることにより消費電力を低減することに加え、システムをロックすることで、セキュリティを確保することも行われている。
【0003】
また、近年、コンピュータビジョンなどの発展により、画像から顔を検出する際の検出精度が高くなってきている。そこで、赤外線センサによる人物の検出に代えて、撮像画像から顔を検出することにより人物を検出することも行われている。顔検出による人物の検出は、単に人物を検出するだけでなく顔の向きを検出することも可能であるため、顔の向きに応じた制御を行うことも可能である。例えば、顔の向きが正面(画面の方向)を向いていないときには表示部の画面輝度を下げて省電力化する制御が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、顔が横を向いているときに画面輝度を下げて省電力化した場合、輝度調整のみの制御であるため、再び顔が正面を向いたときには画面輝度をすぐに復帰させることが可能である。一方、人物が離れて不在になったときにシステムをロックした場合には、次に使用する際にはロックを解除するためのユーザ認証が必要となるため手間がかかる。そのため、顔が横を向いたときの省電力化は短時間の判断で行ってもすぐに復帰できるため構わないが、短時間の人物の不在ではシステムをロックさせたくないという要望がある。しかしながら、人物の不在を検出してからシステムをロックさせるまでの時間を長くすると、その間のセキュリティに懸念がある。
【0006】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、人物の不在に応じてシステムをロックする際に、セキュリティを確保しつつ短時間の人物の不在ではシステムをロックしないように制御する情報処理装置、及び制御方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の第1態様に係る情報処理装置は、システムのプログラムを一時的に記憶するメモリと、前記システムのプログラムを実行することにより前記システムの動作を制御する第1プロセッサと、撮像部により撮像された撮像画像に基づいて、表示部に対面する方向に存在する人物の検出および当該人物が前記表示部を注目しているか否かの検出を行う検出処理と、前記表示部に対面する方向に存在する人物の顔画像と予め登録されているユーザの顔画像とを照合する顔認証処理とを行う第2プロセッサと、を備え、前記第1プロセッサは、前記検出処理により前記表示部を注目している人物の存在が検出されている状態から検出されなくなった場合、低消費電力モードに遷移させる電力低減処理と、前記低消費電力モードに遷移後、前記表示部を注目している人物の存在が前記検出処理により検出された場合、前記顔認証処理による認証結果に基づいて当該人物が予め登録されているユーザであるか否かを判定する判定処理と、前記低消費電力モードに遷移後、前記表示部を注目している人物の存在が前記検出処理により検出され、かつ当該人物が予め登録されているユーザであると前記判定処理により判定された場合、前記低消費電力モードから復帰させる電力復帰処理と、
前記低消費電力モードに遷移後、前記表示部を注目している人物の存在が前記検出処理により検出され、かつ当該人物が予め登録されているユーザではないと前記判定処理により判定された場合、前記システムをロックさせるロック処理と、を行う。
【0008】
上記情報処理装置において、前記第1プロセッサは、前記システムをロックさせた後、前記システムに予め登録された正規ユーザであるか否かを認証するシステム認証処理により認証成功となることを条件として、前記システムのロックを解除するロック解除処理、
を行ってもよい。
【0009】
上記情報処理装置において、前記第1プロセッサは、前記ロック処理において、前記検出処理により前記表示部を注目している人物の存在が検出されている状態から前記表示部に対面する方向に人物の存在が検出されなくなった場合、人物の存在が検出されない状態で第1の時間が経過した場合に前記システムをロックさせ、前記低消費電力モードに遷移後、前記表示部を注目している人物の存在が前記検出処理により検出され、かつ当該人物が予め登録されているユーザではないと前記判定処理により判定された場合には、当該検出および判定がされたことに応じて前記第1の時間を待たずに、前記システムをロックさせてもよい。
【0010】
上記情報処理装置において、前記第1プロセッサは、前記電力低減処理では、前記検出処理により前記表示部を注目している人物の存在が検出されている状態から検出されなくなった場合、前記表示部を注目している人物の存在が検出されない状態で前記第1の時間よりも短い第2の時間が経過した場合に前記低消費電力モードに遷移させてもよい。
【0011】
上記情報処理装置において、前記第1プロセッサは、前記ロック処理において、前記低消費電力モードへの遷移に関わらず、ユーザによる入力が検出されない状態で第3の時間が経過した場合に前記システムをロックさせ、前記低消費電力モードに遷移後、前記表示部を注目している人物の存在が前記検出処理により検出され、かつ当該人物が予め登録されているユーザではないと前記判定処理により判定された場合には、当該検出および判定がされたことに応じて前記第3の時間を待たずに、前記システムをロックさせてもよい。
【0012】
上記情報処理装置において、前記第1プロセッサは、前記電力低減処理では、前記検出処理により前記表示部を注目している人物の存在が検出されている状態から検出されなくなった場合、前記表示部を注目している人物の存在が検出されない状態で前記第3の時間よりも短い第2の時間が経過した場合に前記低消費電力モードに遷移させてもよい。
【0013】
上記情報処理装置において、前記低消費電力モードは、前記表示部の画面輝度を低減した動作モードであってもよい。
【0014】
また、本発明の第2態様に係る情報処理装置は、システムのプログラムを一時的に記憶するメモリと、前記システムのプログラムを実行することにより前記システムの動作を制御する第1プロセッサと、撮像部により撮像された撮像画像に基づいて、表示部に対面する方向に存在する人物を検出する検出処理を行う第2プロセッサと、を備え、前記第2プロセッサは、前記表示部に対面する方向に存在する人物の第1顔画像と予め登録されているユーザの第1認証用顔画像とを照合する第1顔認証処理を行い、前記第1プロセッサは、前記検出処理により前記表示部に対面する方向に人物の存在が検出され、かつ前記第1顔認証処理により当該人物が予め登録されているユーザではないと判定された場合、前記システムをロックさせるロック処理と、前記第1顔画像とは異なる条件で撮像部により撮像された撮像画像に基づいて取得した前記表示部に対面する方向に存在する人物の第2顔画像と予め登録されているユーザの第2認証用顔画像とを照合する第2顔認証処理と、
前記第2顔認証処理により当該人物が予め登録されているユーザであると判定された場合、前記システムのロックを解除するロック解除処理と、を行う。
【0015】
また、本発明の第3態様に係る、システムのプログラムを一時的に記憶するメモリと、前記システムのプログラムを実行することにより前記システムの動作を制御する第1プロセッサと、撮像部により撮像された撮像画像に基づいて、表示部に対面する方向に存在する人物の検出および当該人物が前記表示部を注目しているか否かの検出を行う検出処理と、前記表示部に対面する方向に存在する人物の顔画像と予め登録されているユーザの顔画像とを照合する顔認証処理とを行う第2プロセッサと、を備える情報処理装置における制御方法は、前記第1プロセッサが、前記検出処理により前記表示部を注目している人物の存在が検出されている状態から検出されなくなった場合、低消費電力モードに遷移させるステップと、前記低消費電力モードに遷移後、前記表示部を注目している人物の存在が前記検出処理により検出された場合、前記顔認証処理による認証結果に基づいて当該人物が予め登録されているユーザであるか否かを判定するステップと、前記低消費電力モードに遷移後、前記表示部を注目している人物の存在が前記検出処理により検出され、かつ当該人物が予め登録されているユーザであると判定された場合、前記低消費電力モードから復帰させるステップと、前記低消費電力モードに遷移後、前記表示部を注目している人物の存在が前記検出処理により検出され、かつ当該人物が予め登録されているユーザではないと判定された場合、前記システムをロックさせるステップと、を含む。
【0016】
また、本発明の第4態様に係る、システムのプログラムを一時的に記憶するメモリと、前記システムのプログラムを実行することにより前記システムの動作を制御する第1プロセッサと、撮像部により撮像された撮像画像に基づいて、表示部に対面する方向に存在する人物を検出する検出処理を行う第2プロセッサと、を備える情報処理装置における制御方法は、前記第2プロセッサが、前記表示部に対面する方向に存在する人物の第1顔画像と予め登録されているユーザの第1認証用顔画像とを照合する第1顔認証ステップと、前記第1プロセッサが、前記検出処理により前記表示部に対面する方向に人物の存在が検出され、かつ前記第1顔認証ステップにより当該人物が予め登録されているユーザではないと判定された場合、前記システムをロックさせるステップと、前記第1顔画像とは異なる条件で撮像部により撮像された撮像画像に基づいて取得した前記表示部に対面する方向に存在する人物の第2顔画像と予め登録されているユーザの第2認証用顔画像とを照合する第2顔認証ステップと、前記第2顔認証ステップにより当該人物が予め登録されているユーザであると判定された場合、システムのロックを解除するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明の上記態様によれば、人物の不在に応じてシステムをロックする際に、セキュリティを確保しつつ短時間の人物の不在ではシステムをロックしないように制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施形態に係る情報処理装置の外観の構成例を示す斜視図。
【
図2】実施形態に係る情報処理装置の人物の検出範囲の一例を示す図。
【
図3】実施形態に係る情報処理装置のHPD処理の概要を説明する図。
【
図4】実施形態に係る顔の向きに応じた画面輝度の制御を説明する模式図。
【
図5】実施形態に係る画面輝度低減処理とシステムロック処理との対比を示す図。
【
図6】実施形態に係る画面輝度を低輝度から復帰させる際の処理の概要を示す図。
【
図7】実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す概略ブロック図。
【
図8】実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示す概略ブロック図。
【
図9】実施形態に係る画面輝度低減処理およびシステムロック処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理装置1の外観の構成例を示す斜視図である。
【0020】
情報処理装置1は、例えば、ノート型(クラムシェル型)のPC(Personal Computer)である。情報処理装置1は、第1筐体10、第2筐体20、及びヒンジ機構15を備える。第1筐体10と第2筐体20は、ヒンジ機構15を用いて結合されている。第1筐体10は、第2筐体20に対して、ヒンジ機構15がなす回転軸の周りに相対的に回動可能である。第1筐体10と第2筐体20との回動による開き角を「θ」として図示している。
【0021】
第1筐体10は、Aカバー、ディスプレイ筐体とも呼ばれる。第2筐体20は、Cカバー、システム筐体とも呼ばれる。以下の説明では、第1筐体10と第2筐体20の側面のうち、ヒンジ機構15が備わる面を、それぞれ側面10c、20cと呼ぶ。第1筐体10と第2筐体20の側面のうち、側面10c、20cとは反対側の面を、それぞれ側面10a、20aと呼ぶ。図示において、側面20aから側面20cに向かう方向を「後」と呼び、側面20cから側面20aに向かう方向を「前」と呼ぶ。後方に対して右方、左方を、それぞれ「右」、「左」と呼ぶ。第1筐体10、第2筐体20の左側面をそれぞれ側面10b、20bと呼び、右側面をそれぞれ側面10d、20dと呼ぶ。また、第1筐体10と第2筐体20とが重なり合って完全に閉じた状態(開き角θ=0°の状態)を「閉状態」と呼ぶ。閉状態において第1筐体10と第2筐体20との互いに対面する側の面を、それぞれの「内面」と呼び、内面に対して反対側の面を「外面」と呼ぶ。また、閉状態に対して第1筐体10と第2筐体20とが開いた状態のことを「開状態」と呼ぶ。
【0022】
図1に示す情報処理装置1の外観は開状態の例を示している。開状態は、第1筐体10の側面10aと第2筐体20の側面20aとが離れた状態である。開状態では、第1筐体10と第2筐体20とのそれぞれの内面が表れる。開状態はユーザが情報処理装置1を使用する際の状態の一つであり、典型的には開き角θ=100~130°程度の状態で使用されることが多い。なお、開状態となる開き角θの範囲は、ヒンジ機構15よって回動可能な角度の範囲等に応じて任意に定めることができる。
【0023】
第1筐体10の内面には、表示部110が設けられている。表示部110は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどを含んで構成されている。また、第1筐体10の内面のうち表示部110の周縁の領域に、撮像部120が設けられている。例えば、撮像部120は、表示部110の周縁の領域のうち側面20a側に配置されている。なお、撮像部120が配置される位置は一例であって、表示部110の表示画面に対面する方向を向くことが可能であれば他の場所であってもよい。
【0024】
撮像部120は、開状態において、表示部110の表示画面に対面する方向(即ち、情報処理装置1の前方)の所定の撮像範囲を撮像する。所定の撮像範囲とは、撮像部120が有する撮像素子と撮像素子の撮像面の前方に設けられた光学レンズとによって定まる画角の範囲である。例えば、撮像部120は、情報処理装置1の前方(正面側)に存在する人物(ユーザ)を含む画像を撮像することができる。
【0025】
また、第2筐体20の側面20bには、電源ボタン140が設けられている。電源ボタン140は、電源のオンまたはオフ、待機状態から通常動作状態への遷移、通常動作状態から待機状態への遷移などをユーザが指示するための操作子である。通常動作状態とは、特に制限なく処理の実行が可能なシステムの動作状態であり、例えば、ACPI(Advanced Configuration and Power Interface)で規定されているS0状態に相当する。
【0026】
待機状態とは、システム処理の少なくとも一部が制限されている状態であって、通常動作状態よりも消費電力が低い状態である。例えば、待機状態は、表示部110の表示がオフ(スクリーンオフ)し、システムがロックした状態であり、スタンバイ状態、スリープ状態等であってもよく、また、Windows(登録商標)におけるモダンスタンバイや、ACPIで規定されているS3状態(スリープ状態)等に相当する状態であってもよい。システムがロックした状態とは、ロックを解除しないと使用できない状態であり、ロックを解除するにはシステムのユーザ認証を行う必要がある。
【0027】
また、第2筐体20の内面には、ユーザの操作入力を受け付ける入力デバイスとして、キーボード151及びタッチパッド153が設けられている。なお、入力デバイスとして、キーボード151及びタッチパッド153に代えて、または加えて、タッチセンサが設けられてもよいし、マウスや外付けのキーボードが接続されてもよい。タッチセンサが設けられた構成の場合、表示部110の表示画面に対応する領域が操作を受け付けるタッチパネルとして構成されてもよい。また、入力デバイスには、音声が入力されるマイクが含まれてもよい。
【0028】
なお、第1筐体10と第2筐体20とが閉じた閉状態では、第1筐体10の内面に設けられている表示部110、及び撮像部120と、第2筐体20の内面に設けられているキーボード151及びタッチパッド153は、互いに他方の筐体面で覆われ、機能を発揮できない状態となる。
【0029】
情報処理装置1は、撮像部120により撮像された撮像画像に基づいて、情報処理装置1の前方に存在する人物を検出するHPD(Human Presence Detection)処理を実行する。
【0030】
図2は、本実施形態に係る情報処理装置1の人物の検出範囲の一例を示す図である。図示する例において、情報処理装置1の前方の検出範囲FoV(Field of View:検出視野角)が、人物の検出可能な範囲である。
【0031】
例えば、情報処理装置1は、撮像部120により撮像された撮像画像から顔が撮像されている顔領域を検出することにより、情報処理装置1の前方に人物(ユーザ)が存在するか否かを判定する。検出範囲FoVは、例えば撮像部120が撮像する撮像画角に相当する。なお、検出範囲FoVは、撮像部120が撮像する撮像画角よりも狭い範囲としてもよい。情報処理装置1は、撮像画像から顔領域が検出された場合、人物が存在すると判定する。一方、情報処理装置1は、撮像画像から顔領域が検出されなかった場合、人物が存在しないと判定する。
【0032】
情報処理装置1は、HPD処理により人物の存在の有無に応じて情報処理装置1のシステムの動作状態を制御する。例えば、情報処理装置1は、情報処理装置1の前方に人物が存在する場合には通常動作状態に制御し、情報処理装置1の前方に人物が存在しない場合には待機状態に遷移してシステムをロックする。
【0033】
図3は、本実施形態に係る情報処理装置1のHPD処理の概要を説明する図である。情報処理装置1は、HPD処理により情報処理装置1の前方に存在する人物を検出し、人物の存在の有無に基づいて情報処理装置1のシステムの動作状態を制御する。例えば
図3の(A)に示すように、情報処理装置1は、待機状態において、情報処理装置1の前方に人物が存在しない状態(No presence)から存在する状態(Presence)への変化、即ち情報処理装置1へ人物が接近したこと(Approach)を検出した場合、自動でシステムを起動して通常動作状態へ遷移させる。また
図3の(B)に示すように、情報処理装置1は、通常動作状態において、情報処理装置1の前に人物が存在している状態(Presence)では、通常動作状態を継続させる。また
図3の(C)に示すように、情報処理装置1は、情報処理装置1の前方に人物が存在している状態(Presence)から存在しない状態(No presence)への変化、即ち情報処理装置1から人物が離脱したこと(Leave)を検出した場合には、システムを待機状態へ遷移させてシステムをロックする。
【0034】
また、情報処理装置1は、HPD処理において、情報処理装置1の前方に存在する人物の顔の向きを検出する。ここでの顔の向きとは、例えば顔の左右方向への回転角度に対応する向き及び上下方向への回転角度に対応する向きである。以下では、情報処理装置1の方向(表示部110及び撮像部120の方向)を顔が向いている状態を、顔の向きが正面を向いている状態とする。
【0035】
図4は、本実施形態に係る顔の向きに応じた画面輝度の制御を説明する模式図である。この図に示すように、情報処理装置1は、人物(ユーザ)の顔の向きに応じて表示部110の画面輝度を低減させる処理(画面輝度低減処理)を行う。具体的には、情報処理装置1は、
図4の(A)に示すように顔の向きが正面を向いているときに対して
図4の(B)に示すように顔の向きが正面を向いていないとき(例えば、横を向いたとき)には、表示部110の画面輝度を低減させる。画面輝度を低減させることは、省電力化を図ることを目的としていることから、低消費電力モードへの遷移ということもできる。また、情報処理装置1は、再び顔の向きが正面を向いたときには、低減させる前の元の画面輝度に戻す。
【0036】
ここで、低減させる前の元の画面輝度は、例えばシステムが通常動作状態のときの画面輝度であり、システムで初期設定されている輝度設定値または当該輝度設定値をユーザが変更した輝度設定値に基づく画面輝度である。以下では、この初期設定されている輝度設定値または当該輝度設定値をユーザが変更した輝度設定値に基づく画面輝度のことを「標準輝度」と称する。これに対し、標準輝度から低減させた画面輝度のことを「低輝度」と称する。低輝度は、少なくとも標準輝度よりも低い輝度であるが、より低い輝度にするほど省電力化の効果が上がる。低輝度の輝度設定値は予め設定されており、例えば、標準輝度の値に対して0~10%程度の値に設定されている。0%の輝度は、見た目上はスクリーンオフの状態と同等である。なお、顔の向きが正面を向いていないときには、顔が横向きのときだけに限らず、上、下、または後ろを向いたとき等も含まれる。
【0037】
また、顔が正面を向いている状態のことを、情報処理装置1の表示部110の表示画面を注目している状態であることから「Attention」と称する。一方、顔が正面を向いていない状態のことは、情報処理装置1の表示部110の表示画面を注目していない状態であることから「No attention」と称する。
【0038】
例えば、情報処理装置1は、「Attention」から「No attention」へ変化した場合には、表示部110の画面輝度を標準輝度から低輝度に変更(低消費電力モードへの遷移)する。また、情報処理装置1は、「No presence」へ変化した場合(即ち、「Leave」を検出した場合)も「No attention」の状態に変化するため、まず表示部110の画面輝度を標準輝度から低輝度に変更し(低消費電力モードへの遷移)、その後、所定時間が経過した後に待機状態へ遷移させ、スクリーンオフにしてシステムをロックする。このように、情報処理装置1は、ユーザが表示部110の表示画面を注目していない場合またはユーザが不在になった場合には、表示部110の画面輝度を低輝度に下げることで省電力化し、さらにユーザが不在のまま所定時間が経過した場合にはシステムをロックすることでセキュリティを確保する。
【0039】
ここで、
図5を参照して、情報処理装置1が人物の顔の向きおよび不在によって行う画面輝度低減処理と、人物の不在が継続することによって行うシステムロック処理とを対比する。
図5は、画面輝度低減処理とシステムロック処理との対比を示す図である。 上述したように、画面輝度低減処理は、省電力化を目的とした処理であり、画面輝度を低減する動作を行う。画面輝度低減処理は、輝度調整のみであるため画面輝度を低減した後の復帰が早い。そのため、「No attention」(または「No presence」)が検出されてから画面輝度を低減するまでの時間(タイマ)が比較的短く(例えば、10秒に)設定される。
【0040】
一方、システムロック処理は、上述したように、セキュリティを目的とした処理であり、スクリーンオフおよびシステムをロックさせる動作を行う。システムロック処理は、復帰の際にロックの解除(Unlock)が必要なため手間がかかる。短時間の不在で簡単にロックしてしまうと、その都度ロックの解除に手間がかかるため、あまり短時間の不在ではロックしないように、「No presence」が検出されてからシステムをロックさせるまでの時間(タイマ)が比較的長く(例えば、30秒~5分程度に)設定されることが多い。
【0041】
しかしながら、不在により画面輝度が低減されて省電力化されたものの、システムがロックされていない時間が長いと、その間のセキュリティに懸念がある。例えば、不在中にシステムがロックされていない時間が長いと、その間に正規ユーザ以外の他人からアクセスされてしまう懸念が高まる。
【0042】
そこで、本実施形態に係る情報処理装置1は、「No attention」(または「No presence」)が検出されたことによって画面輝度を低減している期間において、「Attention」が検出された場合、その人物が登録済みのユーザ(即ち、正規ユーザ)である場合のみ画面輝度を標準輝度に復帰させ、登録されていないユーザである場合には即時にシステムをロックし、ユーザ認証などによってロックを解除するまで使用できないようにする。
【0043】
図6は、本実施形態に係る画面輝度を低輝度から復帰させる際の処理の概要を示す図である。(1)情報処理装置1は、「Attention」を検出している状態から「No attention」を検出した場合、(2)表示部110の画面輝度を標準輝度から低輝度に変更する。(3)情報処理装置1は、画面輝度を低輝度にしている状態(「No attention」を検出している状態)で、「Attention」を検出すると、(4)登録済みのユーザであるか否かを判定する。(5)情報処理装置1は、登録済みのユーザであると判定(YES)した場合、画面輝度を標準輝度に戻す。(6)一方、情報処理装置1は、登録されていないユーザであると判定(NO)した場合、スクリーンオフしてシステムをロックする。
【0044】
このように、情報処理装置1は、ユーザが表示画面を注目していない場合またはユーザが不在になった場合に画面輝度を低減した後、システムをロックする前に登録されていないユーザを検出したときには、即時にシステムをロックする。よって、情報処理装置1は、短時間の離籍(不在)の際に省電力化とセキュリティの確保の両方を実現することができる。
【0045】
これにより、情報処理装置1は、短時間の離籍(不在)ではシステムをロックしてしまわないように(使用する際にロック解除の手間がかからないように)人物の不在が検出されてからシステムをロックさせるまでの時間(タイマ)を長く設定しても、ロックされるまでの間のセキュリティが確保される。よって、情報処理装置1は、セキュリティを確保しつつ短時間の人物の不在ではシステムをロックしないように制御することができる。
【0046】
以下、本実施形態に係る情報処理装置1の構成について詳しく説明する。
[情報処理装置のハードウェア構成]
図7は、本実施形態に係る情報処理装置1のハードウェア構成の一例を示す概略ブロック図である。この
図7において、
図1の各部に対応する構成には同一の符号を付している。情報処理装置1は、表示部110、撮像部120、電源ボタン140、入力デバイス150、通信部160、記憶部170、EC(Embedded Controller)200、顔検出部210、メイン処理部300、及び電源部400を含んで構成される。
【0047】
表示部110は、メイン処理部300により実行されるシステム処理及びシステム処理上で動作するアプリケーションプログラムの処理等に基づいて生成された表示データ(画像)を表示する。
【0048】
撮像部120は、第1筐体10の内面に対面する方向(前方)の所定の撮像範囲(画角)内の物体の像を撮像し、撮像した画像をメイン処理部300及び顔検出部210へ出力する。例えば、撮像部120は、可視光を用いて撮像する可視光カメラ(RGBカメラ)と赤外線を用いて撮像する赤外線カメラ(IRカメラ)とを備えている。
【0049】
なお、撮像部120は、可視光カメラと赤外線カメラとのいずれか一方を含んで構成されてもよいし、両方を含んで構成されてもよい。
【0050】
電源ボタン140は、ユーザの操作に応じて操作信号をEC200へ出力する。入力デバイス150は、ユーザの入力を受け付ける入力部であり、例えばキーボード151及びタッチパッド153を含んで構成されている。入力デバイス150は、キーボード151及びタッチパッド153に対する操作を受け付けることに応じて、操作内容を示す操作信号をEC200へ出力する。
【0051】
通信部160は、無線または有線による通信ネットワークを介して他の機器と通信可能に接続し、各種のデータの送信および受信を行う。例えば、通信部160は、イーサネット(登録商標)等の有線LANインターフェースやWi-Fi(登録商標)等の無線LANインターフェース等を含んで構成されている。
【0052】
記憶部170は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュROMなどの記憶媒体を含んで構成される。記憶部170は、OS、デバイスドライバ、アプリケーションなどの各種のプログラム、その他、プログラムの動作により取得した各種のデータを記憶する。
【0053】
電源部400は、情報処理装置1の各部の動作状態に応じて各部へ電力を供給する。電源部400は、DC(Direct Current)/DCコンバータを備える。DC/DCコンバータは、AC(Alternate Current)/DCアダプタもしくはバッテリー(電池パック)から供給される直流電力の電圧を、各部で要求される電圧に変換する。DC/DCコンバータで電圧が変換された電力が各電源系統を介して各部へ供給される。例えば、電源部400は、EC200から入力される制御信号に基づいて各電源系統を介して各部に電力を供給する。
【0054】
EC200は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびI/O(Input/Output)ロジック回路などを含んで構成されたマイクロコンピュータである。EC200のCPUは、自部のROMに予め記憶した制御プログラム(ファームウェア)を読み出し、読み出した制御プログラムを実行して、その機能を発揮する。EC200は、メイン処理部300とは独立に動作し、メイン処理部300の動作を制御し、その動作状態を管理する。また、EC200は、電源ボタン140、入力デバイス150、及び電源部400等と接続されている。
【0055】
例えば、EC200は、電源部400と通信を行うことにより、バッテリーの状態(残容量など)の情報を電源部400から取得するとともに、情報処理装置1の各部の動作状態に応じた電力の供給を制御するための制御信号などを電源部400へ出力する。また、EC200は、電源ボタン140や入力デバイス150から操作信号を取得し、取得した操作信号のうちメイン処理部300の処理に関連する操作信号についてはメイン処理部300へ出力する。
【0056】
顔検出部210は、撮像部120により撮像された撮像画像の画像データに基づいて顔検出によるHPD処理を実行するプロセッサを含んで構成されている。顔検出部210は、撮像部120により撮像された撮像画像の画像データを取得し、取得した画像データをメモリに一時的に保存する。画像データを保存するメモリは、システムメモリ304であってもよいし、顔検出部210内の不図示のメモリであってもよい。
【0057】
例えば、顔検出部210は、撮像部120から取得した撮像画像の画像データを処理することにより、撮像画像から顔領域の検出、及び検出された顔領域に含まれる顔画像の顔の向きの検出などを行う顔検出処理を行う。顔の検出方法としては、顔の特徴情報を基に顔を検出する顔検出アルゴリズムや、顔の特徴情報を基に機械学習された学習データ(学習済みモデル)や顔検出ライブラリなどを用いた顔検出など、任意の検出方法を適用することができる。
【0058】
メイン処理部300は、CPU(Central Processing Unit)301、GPU(Graphic Processing Unit)302、チップセット303、及びシステムメモリ304を含んで構成され、OS(Operating System)に基づくシステム処理によって、OS上で各種のアプリケーションプログラムの処理が実行可能である。
【0059】
CPU301は、BIOSのプログラムに基づく処理、OSのプログラムに基づく処理、OS上で動作するアプリケーションプログラムに基づく処理などを実行するプロセッサである。例えば、CPU301は、システムを待機状態から起動させて通常動作状態に遷移させる起動処理、通常動作状態から待機状態へ遷移させるスリープ処理などを実行する。
【0060】
GPU302は、表示部110に接続されている。GPU302は、CPU301の制御に基づいて画像処理を実行して表示データを生成する。GPU302は、生成した表示データを表示部110に出力する。
【0061】
チップセット303は、メモリコントローラとしての機能及びI/Oコントローラとしての機能などを有する。例えば、チップセット303は、CPU301及びGPU302によるシステムメモリ304、記憶部170などからのデータの読出し、書込みを制御する。また、チップセット303は、通信部160、表示部110およびEC200からのデータの入出力を制御する。また、チップセット303は、センサハブとしての機能を有する。例えば、チップセット303は、顔検出部210から取得する顔検出処理による検出結果などを取得してCPU301へ出力する。
【0062】
システムメモリ304は、CPU301で実行されるプログラムの読み込み領域ならびに処理データを書き込む作業領域などとして用いられる。また、システムメモリ304は、撮像部120で撮像された撮像画像の画像データを一時的に記憶する。
【0063】
なお、CPU301、GPU302、及びチップセット303は、一体化された一つのプロセッサとして構成されてもよいし、一部またはそれぞれが個々のプロセッサとして構成されてもよい。例えば、通常動作状態では、CPU301、GPU302、及びチップセット303のいずれも動作している状態となるが、待機状態では、チップセット303の少なくとも一部のみが動作している状態となる。
【0064】
[情報処理装置の機能構成]
次に、HPD処理により表示部110の画面輝度の制御を行う情報処理装置1の機能構成について詳しく説明する。
【0065】
図8は、本実施形態に係る情報処理装置1の機能構成の一例を示す概略ブロック図である。情報処理装置1は、顔検出部210と、メイン処理部300とを備えている。顔検出部210は、
図7に示す顔検出部210に対応し、顔検出部210内のプログラムを実行することにより実現される機能構成である。メイン処理部300は、
図7に示すメイン処理部300に対応し、システム処理部310と、HPD制御処理部330とを備えている。システム処理部310と、HPD制御処理部330とは、メイン処理部300がOS及びOS上で動作するプログラムなどを実行することにより実現される機能構成である。例えば、システム処理部310は、CPU301がOSのプログラムを実行することにより実現される機能構成である。
【0066】
顔検出部210は、検出処理部211と、顔認証処理部212とを備えている。検出処理部211は、撮像部120から取得した撮像画像の画像データを処理することにより、撮像画像から顔が撮像されている顔領域を検出する。例えば、検出処理部211は、所定のフレームレート(所定の頻度)で撮像部120により撮像された撮像画像の画像データをシステムメモリ304から読み出し、それぞれの撮像画像の中から顔領域を検出する。顔の検出方法としては、顔の特徴情報を基に顔を検出する顔検出アルゴリズムや、顔の特徴情報を基に機械学習された学習データ(学習済みモデル)や顔検出ライブラリなどを用いた顔検出など、任意の検出方法を適用することができる。
【0067】
例えば、検出処理部211は、HPD処理を行う際には、撮像部120のRGBカメラを用いて撮像された撮像画像(RGB画像)の中から顔領域を検出し、検出結果として顔領域の座標情報などを出力する。
【0068】
また、検出処理部211は、HPD処理において、撮像画像から顔領域を検出した場合、情報処理装置1の前方に人物が存在していることを示す「Presence」情報を出力する。一方、検出処理部211は、撮像画像から顔領域を検出しなかった場合、情報処理装置1の前方に人物が存在しないことを示す「No presence」情報を出力する。
【0069】
また、検出処理部211は、撮像画像から顔領域を検出した場合、検出された顔領域に含まれる顔画像の顔の向きを検出する。例えば、検出処理部211は、顔の左右方向への回転角度に対応する向き及び上下方向への回転角度に対応する向きを検出し、顔の向きが正面を向いているか否かを判定する。検出処理部211は、顔の向きが正面を向いていると判定した場合、情報処理装置1を注目している状態であることを示す「Attention」情報を出力する。一方、検出処理部211は、顔の向きが正面を向いていないと判定した場合、情報処理装置1を注目していない状態であることを示す「No attention」情報を出力する。
【0070】
顔認証処理部212は、検出された顔領域内の顔画像と正規ユーザの顔画像とを照合する顔認証処理を実行する。例えば、顔認証処理部212は、HPD処理において撮像部120のRGBカメラを用いて撮像された撮像画像(RGB画像)の中から検出された顔画像(第1顔画像)と、HPD処理におけるユーザIDとして登録された正規ユーザの顔画像(第1認証用顔画像)とを照合することにより顔認証処理(第1顔認証処理)を行う。
【0071】
この第1顔認証処理は、例えば画面輝度低減処理により画面輝度を低輝度にしている状態(「No attention」を検出している状態)で、「Attention」が検出されたときに、登録済みのユーザであるか否かを判定する処理(
図6の(5)参照)で使用される。顔認証処理部212は、HPD処理におけるユーザ認証時の認証結果(第1顔認証処理の認証結果)をHPD処理部330へ出力する。
【0072】
なお、HPD処理におけるユーザ情報(アカウント情報)として登録されている正規ユーザの顔画像は、システムのユーザ情報(アカウント情報)として登録されている正規ユーザの顔画像とは異なる。例えば、HPD処理の顔認証用画像の登録メニューにおいて、撮像部120のRGBカメラを用いて撮像された撮像画像(RGB画像)の中から検出された正規ユーザの顔画像である。
【0073】
HPD処理部330は、CPU301またはチップセット303(例えば、センサハブ)がHPD処理のプログラムを実行することにより実現される機能構成として、画面輝度変更部331と、Dimタイマ332と、ユーザ判定部333と、システム動作指示部334と、Leaveタイマ335と、HID入力判定部336とを備えている。
【0074】
画面輝度変更部331は、HPD処理により表示部110の画面輝度を変更する。例えば、画面輝度変更部331は、画面輝度を変更する場合、記憶部170に記憶されている輝度設定値の値を変更する。例えば、画面輝度変更部331は、表示部110の画面輝度が標準輝度に制御されている状態において、顔検出部210から「No attention」情報または「No presence」情報を取得した場合、Dimタイマ332を用いて画面輝度を低減させるまでの時間TDの計時を開始する。そして、画面輝度変更部331は、時間TDが経過した後に輝度設定値を低輝度の値に変更し、画面輝度を標準輝度から低輝度へ変更する画面輝度低減処理を実行する。即ち、画面輝度変更部331は、顔検出部210により表示部110を注目している人物の存在が検出されている状態から検出さなくなった場合、表示部110の画面輝度を低減した動作モードである低消費電力モードに遷移させる。
【0075】
Dimタイマ332は、顔検出部210から「No attention」情報または「No presence」情報を取得してから画面輝度変更部331が表示部110の画面輝度を低減(Dimming)するまでの時間TD(例えば、10秒)を計時するタイマである。例えば、Dimタイマ332は、顔検出部210から「No attention」情報または「No presence」情報を取得すると時間TDの計時を開始する。また、Dimタイマ332による時間TDの計時が完了すると、画面輝度変更部331は、画面輝度を標準輝度から低輝度へ変更し、低消費電力モードへ遷移させる。
【0076】
ユーザ判定部333は、画面輝度変更部331が表示部110の画面輝度を標準輝度から低輝度へ変更した後、顔検出部210から「Attention」情報を取得すると、顔検出部210から第1顔認証処理による認証結果(HPD処理におけるユーザ認証時の認証結果)を取得し、取得した認証結果に基づいて当該人物が予め登録されている正規ユーザであるか否かを判定する判定処理を行う。即ち、ユーザ判定部333は、表示部110の画面輝度を低減した低消費電力モードに遷移後、表示部110を注目している人物の存在が顔検出部210により検出された場合、第1顔認証処理による認証結果に基づいて当該人物が予め登録されている正規ユーザであるか否かを判定する。
【0077】
画面輝度変更部331は、ユーザ判定部333により表示部110を注目している人物が予め登録されている正規ユーザであると判定された場合、表示部110の画面輝度を低輝度から標準輝度へ戻し、低消費電力モードから復帰させる。
【0078】
一方、ユーザ判定部333により表示部110を注目している人物が予め登録されている正規ユーザでないと判定された場合、システム動作指示部334は、システムをロックさせるために待機状態へ遷移させる指示(待機状態遷移指示)をシステム処理部310へ出力する。
【0079】
また、システム動作指示部334は、顔検出部210から「No presence」情報を取得した場合、Leaveタイマ335を用いてシステムをロックさせるまでの時間TLの計時を開始する。そして、システム動作指示部334は、「Attention」情報(或いは、「Presence」情報)を取得しない状態で時間TLが経過した場合、人物が離脱した(Leave)と判断して、システムをロックさせるために待機状態遷移指示をシステム処理部310へ出力する。即ち、システム動作指示部334は、顔検出部210により表示部110を注目している人物の存在が検出されている状態から検出されなくなった場合、当該人物の存在が検出されない状態で時間TLが経過した場合も、システムをロックさせるために待機状態遷移指示をシステム処理部310へ出力する。このLeaveの際にシステムをロックさせるまでの時間TLは、画面輝度低減処理において画面輝度を低輝度に変更するまでの時間TDよりも長く設定される。
【0080】
Leaveタイマ335は、顔検出部210から「No presence」情報を取得してからシステム動作指示部334がシステムをロックさせるために待機状態遷移指示をシステム処理部310へ出力するまでの時間TL(例えば、30秒~5分)を計時するタイマである。例えば、Leaveタイマ335は、顔検出部210から「No presence」情報を取得すると時間TLの計時を開始する。また、Leaveタイマ335による時間TLの計時が完了すると、システム動作指示部334は、待機状態遷移指示をシステム処理部310へ出力する。
【0081】
HID入力判定部336は、入力デバイス150(例えば、キーボード151、タッチパッド153など)などのHID(Human Interface Device)に対する入力(以下、「HID入力」と称する)への操作入力の有無を判定する。例えば、HPD処理部330は、HID入力がないときに上述した画面輝度低減処理およびシステムロック処理を有効にして実行し、HID入力があった場合には、Dimタイマ332またはLeaveタイマ335が計時中であれば計時を中止してリセットし、画面輝度を低輝度に変更している場合には標準輝度に戻す。
【0082】
システム処理部310は、CPU11がBIOS及びOSのプログラムまたはOS上で実行されるプログラムを実行することにより実現される機能構成である。例えば、システム処理部310は、OSのプログラムを実行することにより実現される機能構成として、動作制御部311と、OSタイマ(スリープタイマ)312と、表示制御部313と、システム認証部314とを備えている。
【0083】
動作制御部311は、システムの動作状態を制御する。例えば、動作制御部311は、待機状態において電源ボタン140に対して操作がされると、電源ボタン140からEC200を介して取得した操作信号に基づいて、システムを待機状態から起動する。また、動作制御部311は、通常動作状態において表示部110に表示されるOSの電源メニュー(シャットダウン、スリープ、再起動など)に対する操作に基づいて、システムのシャットダウン、待機状態への遷移、再起動などの処理を行う。
【0084】
また、動作制御部311は、顔検出部210による検出結果に基づいてHPD処理部330が実行するHPD処理に応じて、システムの動作状態を制御する。例えば、動作制御部311は、通常動作状態においてHPD処理部320から待機状態遷移指示を取得した場合、スクリーンオフの指示を表示制御部313に対して行うことによりスクリーンオフにして、続いて、システムをロックして待機状態へ遷移させる。
【0085】
また、動作制御部311は、HID入力が検出されない状態では、OSタイマ312を用いてシステムを待機状態へ遷移させるまでの時間TSを計時する。そして、動作制御部311は、HID入力が検出されないまま時間TSが経過した場合、スクリーンオフの指示を表示制御部313に対して行うことによりスクリーンオフにして、続いてシステムをロックして待機状態へ遷移させる。
【0086】
なお、動作制御部311は、時間TSが経過する前に、HID入力が検出された場合、OSタイマ312の計時を中止してリセットし、待機状態へ遷移させず通常動作状態を継続させる。
【0087】
OSタイマ312は、HID入力が検出されない状態が継続したときに待機状態へ遷移させるまでの時間TS(例えば、30秒~5分)を計時するタイマである。例えば、OSタイマ312は、HID入力が検出されるたびにリセットし、HID入力が検出されない場合に(最後のHID入力の時点から)時間TSの計時を開始する。OSタイマ312による時間TSの計時が完了すると、動作制御部311は、スクリーンオフの指示を表示制御部313に対して行い、システムをロックして待機状態へ遷移させる。
【0088】
表示制御部313は、表示部110の表示オン及び表示オフの制御を行う。例えば、表示制御部313は、動作制御部311からスクリーンオフの指示を取得すると、表示部110を表示オフに制御し、スクリーンオフにする。
【0089】
また、表示制御部313は、表示オンの状態での表示部110の画面輝度を制御する。具体的には、表示制御部313は、記憶部170に記憶されている輝度設定値に基づいて、表示部110の画面輝度を制御する。この輝度設定値は、システムで初期設定されており、初期設定からユーザが使用環境や好みに応じて変更することもできる。また、この輝度設定値は、HPD処理部320の画面輝度変更部331によって変更される。
【0090】
システム認証部314は、システムへのログイン時およびロック状態からの解除などでユーザ認証のイベントが発生すると、正規ユーザであるか否かを認証する認証処理を実行する。例えば、システム認証部314は、顔認証、パスワード認証、PIN認証、または指紋認証などのいずれかによる認証処理を実行する。
【0091】
例えば、システム認証部314は、システムのユーザ認証の際に顔認証による認証処理を実行する場合、撮像部120のIRカメラとRGBカメラを用いて撮像された撮像画像(IR画像+RGB画像)の中から検出された顔画像(第2顔画像)と、システムのユーザ情報(アカウント情報)として予め登録されている正規ユーザの顔画像(第2認証用顔画像)とを照合することにより顔認証処理(第2顔認証処理)を行う。システム認証部314は、第2顔認証処理の認証結果が認証成功の場合には正規ユーザであると判定し、認証失敗の場合には正規ユーザではないと判定する。そして、システム認証部314は、システムのユーザ認証時の認証結果(第2顔認証処理の認証結果)をシステム処理部310へ出力する。
【0092】
なお、システムのユーザ情報(アカウント情報)として登録されている正規ユーザの顔画像(第2認証用顔画像)は、例えば、システム設定の顔認証用画像の登録メニューにおいて、撮像部120のIRカメラとRGBカメラを用いて撮像された撮像画像(IR画像+RGB画)の中から検出された正規ユーザの顔画像である。
【0093】
このように、システムのユーザ認証時に用いる第2顔画像は、HPD処理におけるユーザ認証時に用いる第1顔画像とは異なる条件の顔画像である。例えば、上述したように第1顔画像と第2顔画像とは撮像条件が異なり、第1顔画像がRGB画像から検出された顔画像で、第2顔画像がIR画像およびRGB画像から検出された顔画像である。
【0094】
なお、システム認証部314は、システムのユーザ認証(例えば、ログイン認証)の際に、撮像部120のIRカメラ及びRGBカメラのいずれか一方(例えば、IRカメラのみ)を用いて撮像された撮像画像(IR画像またはRGB画像)の中から検出された顔画像を用いて認証処理を実行してもよい。
【0095】
また、システム認証部314は、パスワード認証またはPIN認証の場合には、キーボード151に対するユーザの操作に基づく操作信号をEC200を介して取得する。そして、システム認証部314は、取得した操作信号に基づいて、ユーザの操作により入力されたパスワードまたはPINと予め登録されているパスワードまたはPINとを照合することにより認証処理を実行する。また、システム認証部314は、指紋認証の場合には、不図示の指紋センサを用いて取得した指紋と予め登録されている指紋とを照合することにより認証処理を実行する。
【0096】
なお、上述したDimタイマ332、Leaveタイマ335、およびOSタイマ312は、別々に動作する。
【0097】
[画面輝度低減処理の動作]
次に
図9を参照して、上述した画面輝度低減処理およびシステムロック処理の動作について説明する。
図9は、本実施形態に係る画面輝度低減処理およびシステムロック処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、情報処理装置1が通常動作状態で「Presence」且つ「Attention」の状態であり、表示部110の画面輝度が標準輝度に制御されているものとする。
【0098】
(ステップS101)HPD処理部330は、HID入力(HID input)があるか否かを判定する。HPD処理部330は、HID入力があると判定した場合(YES)、ステップS101の処理を再び行う。一方、HPD処理部330は、HID入力がないと判定した場合(NO)、ステップS103の処理へ進む。
【0099】
(ステップS103)ステップS101でHID入力がないと判定された場合、システム処理部310は、OSタイマ312の計時を開始する。そして、ステップS105の処理へ進む。
【0100】
(ステップS105)HPD処理部330は、顔検出部210から「Prsence」情報を取得したか否かを判定する。HPD処理部330は、「Prsence」情報を取得していないと判定した場合(NO)、ステップS107の処理へ進む。一方、HPD処理部330は、「Prsence」情報を取得したと判定した場合(YES)、ステップS109の処理へ進む。
【0101】
(ステップS107)HPD処理部330は、Dimタイマ332およびLeaveタイマ335の計時を開始する。そして、ステップS113の処理へ進む。
【0102】
(ステップS109)HPD処理部330は、顔検出部210から「Attention」情報を取得したか否かを判定する。HPD処理部330は、「Attention」情報を取得したと判定した場合(YES)、ステップS105の処理へ戻る。一方、HPD処理部330は、「Attention」情報を取得していないと判定した場合(NO)、ステップS111の処理へ進む。
【0103】
(ステップS111)HPD処理部330は、Dimタイマ332の計時を開始する。そして、ステップS113の処理へ進む。
【0104】
(ステップS113)HPD処理部330は、顔検出部210から「Attention」情報を取得したか否かを判定する。HPD処理部330は、「Attention」情報を取得したと判定した場合(YES)、ステップS115の処理へ進む。一方、HPD処理部330は、「Attention」情報を取得していないと判定した場合(NO)、ステップS117の処理へ進む。
【0105】
(ステップS115)HPD処理部330は、Dimタイマ332およびLeaveタイマ335の計時を中止してリセットし、ステップS105の処理へ戻る。
【0106】
(ステップS117)HPD処理部330は、Dimタイマ332の計時を完了すると、ステップS119の処理へ進む。
【0107】
(ステップS119)HPD処理部330は、表示部110の画面輝度を標準輝度から低輝度に変更する。そして、ステップS121の処理へ進む。
【0108】
(ステップS121)HPD処理部330は、顔検出部210から「Attention」情報を取得したか否かを判定する。HPD処理部330は、「Attention」情報を取得したと判定した場合(YES)、即ち表示部110を注目している人物が居ると判定した場合、ステップS123の処理へ進む。一方、HPD処理部330は、「Attention」情報を取得していないと判定した場合(NO)、ステップS127の処理へ進む。
【0109】
(ステップS123)HPD処理部330は、顔検出部210による認証結果に基づいて、表示部110を注目している人物が登録済みのユーザ(即ち、正規ユーザ)であるか否かを判定する。HPD処理部330は、登録済みのユーザでないと判定した場合(NO)、ステップS129の処理へ進む。一方、HPD処理部330は、登録済みのユーザであると判定した場合(YES)、ステップS125の処理へ進む。
【0110】
(ステップS125)HPD処理部330は、表示部110の画面輝度を低輝度から標準輝度に戻す。そして、ステップS105の処理へ戻る。
【0111】
(ステップS127)HPD処理部330は、OSタイマ312またはLeaveタイマ335の計時が完了したか否かを判定する。HPD処理部330は、OSタイマ312およびLeaveタイマ335のいずれも計時が完了していないと判定した場合(NO)、ステップS121の処理へ戻る。一方、HPD処理部330は、OSタイマ312またはLeaveタイマ335の計時が完了したと判定した場合(YES)、ステップS129の処理へ進む。
【0112】
(ステップS129)HPD処理部330は、システムをロックさせるために待機状態遷移指示をシステム処理部310へ出力する。システム処理部310は、HPD処理部330から待機状態遷移指示を取得すると、表示部110を表示オフに制御してスクリーンオフにする。そして、ステップS129の処理へ進む。
【0113】
(ステップS131)システム処理部310は、システムをロックして待機状態へ遷移させる。以降は、情報処理装置1を使用する際には、ユーザ認証によりロックを解除する必要がある。
【0114】
[実施形態のまとめ]
以上説明してきたように、本実施形態に係る情報処理装置1は、システム(例えば、OS)のプログラムを一時的に記憶するメモリ(例えば、システムメモリ304)と、システムのプログラムを実行することによりシステムの動作を制御する第1プロセッサ(例えば、CPU301、チップセット303など)と、撮像部120により撮像された撮像画像に基づいて、表示部110に対面する方向に存在する人物の検出および当該人物が表示部110を注目しているか否かの検出を行う検出処理と、表示部110に対面する方向に存在する人物の顔画像と予め登録されているユーザの顔画像(例えば、第1顔画像)とを照合する顔認証処理(例えば、第1顔認証処理)とを行う第2プロセッサ(例えば、顔検出部210)と、を備えている。情報処理装置1は、上記検出処理により表示部110を注目している人物の存在が検出されている状態から検出されなくなった場合、低消費電力モードに遷移させる電力低減処理を行う。情報処理装置1は、低消費電力モードに遷移後、表示部110を注目している人物の存在が検出された場合、顔認証処理(例えば、第1顔認証処理)による認証結果に基づいて当該人物が予め登録されているユーザであるか否かを判定する判定処理を行う。情報処理装置1は、低消費電力モードに遷移後、表示部110を注目している人物の存在が検出され、かつ当該人物が予め登録されているユーザであると判定された場合、前記低消費電力モードから復帰させる電力復帰処理を行う。情報処理装置1は、低消費電力モードに遷移後、表示部110を注目している人物の存在が検出され、かつ当該人物が予め登録されているユーザではないと判定された場合、システムをロックさせるロック処理を行う。
【0115】
これにより、情報処理装置1は、短時間の離籍(不在)の際に省電力化とセキュリティの確保の両方を実現することができるため、人物の不在が検出されてからシステムをロックさせるまでの時間(タイマ)を長く設定しても、ロックされるまでの間のセキュリティが確保される。よって、情報処理装置1は、セキュリティを確保しつつ短時間の人物(例えば、正規ユーザ)の不在ではシステムをロックしないように制御することができる。
【0116】
上記低消費電力モードは、例えば、表示部110の画面輝度を低減した動作モードである。例えば、情報処理装置1は表示部110を注目している人物の存在が検出されている状態から検出されなくなった場合、表示部110の画面輝度を低減(標準輝度から低輝度に変更)する画面輝度低減処理を、上記電力低減処理として行う。
【0117】
これにより、情報処理装置1は、短時間の離籍(不在)の際に画面輝度を低減することで省電力化することができる。
【0118】
また、情報処理装置1は、システムをロックさせた後、システムに予め登録された正規ユーザであるか否かを認証するシステム認証処理(例えば、ユーザ認証処理)により認証成功となることを条件として、システムのロックを解除するロック解除処理を行う。
【0119】
これにより、情報処理装置1は、システムをロックさせた後は、次に使用する際にシステムのユーザ認証が必要となるため、手間はかかる反面セキュリティを確保することができる。
【0120】
また、情報処理装置1は、システムをロックさせるロック処理において、表示部110を注目している人物の存在が検出されている状態から表示部110に対面する方向に人物の存在が検出されなくなった場合、人物の存在が検出されない状態で時間TL(第1の時間の一例)が経過した場合にシステムをロックさせる。また、情報処理装置1は、低消費電力モードに遷移後、表示部110を注目している人物の存在が検出され、かつ当該人物が予め登録されているユーザではないと判定された場合には、当該検出および判定がされたことに応じて時間TLを待たずに、システムをロックさせる。
【0121】
これにより、情報処理装置1は、短時間の離籍(不在)により省電力化している間、システムがロックされていなくとも登録されていないユーザを検出したときには、即時にシステムをロックするため、人物の不在が検出されてからシステムをロックさせるまでの時間(タイマ)を長く設定しても、ロックされるまでの間のセキュリティを確保することができる。
【0122】
また、情報処理装置1は、電力低減処理(例えば、画面輝度低減処理)では、表示部110を注目している人物の存在が検出されている状態から検出されなくなった場合、表示部110を注目している人物の存在が検出されない状態で時間TLよりも短い時間TD(第2の時間の一例)が経過した場合に低消費電力モードに遷移させる(例えば、画面輝度を低減する)。
【0123】
これにより、情報処理装置1は、表示部110を注目している人物が存在しない場合には、比較的に早く省電力化(例えば、画面輝度の低減)することができ、省電力化の効果を上げることができる。例えば、情報処理装置1は、画面輝度を低減しても復帰の際には画面輝度を変更するのみでユーザに手間とらせることなく即時に復帰できるため、表示部110を注目している人物が存在しないことが検出されてから省電力化(例えば、画面輝度の低減)するまでの時間TDを短く設定することができる。
【0124】
また、情報処理装置1は、システムをロックさせるロック処理において、低消費電力モードへの遷移に関わらず、HID入力(ユーザによる入力)が検出されない状態で時間TS(第3の時間の一例)が経過した場合にシステムをロックさせる。また、情報処理装置1は、低消費電力モードに遷移後、表示部110を注目している人物の存在が検出され、かつ当該人物が予め登録されているユーザではないと判定された場合には、当該検出および判定がされたことに応じて時間TSを待たずに、システムをロックさせる。
【0125】
これにより、情報処理装置1は、短時間の離籍(不在)により省電力化している間、システムがロックされていなくとも登録されていないユーザを検出したときには、即時にシステムをロックするため、無操作状態が継続したことにより人物が不在と判断してOSがシステムをロックさせるまでの時間(タイマ)を長く設定しても、ロックされるまでの間のセキュリティを確保することができる。
【0126】
また、情報処理装置1は、電力低減処理(例えば、画面輝度低減処理)では、表示部110を注目している人物の存在が検出されている状態から検出されなくなった場合、表示部110を注目している人物の存在が検出されない状態で時間TSよりも短い時間TD(第2の時間の一例)が経過した場合に低消費電力モードに遷移させる(例えば、画面輝度を低減する)。
【0127】
これにより、情報処理装置1は、表示部110を注目している人物が存在しない場合には、比較的に早く省電力化(例えば、画面輝度の低減)することができ、省電力化の効果を上げることができる。例えば、情報処理装置1は、画面輝度を低減しても復帰の際には画面輝度を変更するのみでユーザに手間とらせることなく即時に復帰できるため、表示部110を注目している人物が存在しないことが検出されてから省電力化(例えば、画面輝度の低減)するまでの時間TDを短く設定することができる。
【0128】
また、本実施形態に係る、システム(例えば、OS)のプログラムを一時的に記憶するメモリ(例えば、システムメモリ304)と、システムのプログラムを実行することによりシステムの動作を制御する第1プロセッサ(例えば、CPU301、チップセット303など)と、撮像部120により撮像された撮像画像に基づいて、表示部110に対面する方向に存在する人物の検出および当該人物が表示部110を注目しているか否かの検出を行う検出処理と、表示部110に対面する方向に存在する人物の顔画像と予め登録されているユーザの顔画像とを照合する顔認証処理とを行う第2プロセッサ(例えば、顔検出部210)と、を備える情報処理装置1における制御方法は、第1プロセッサが、上記検出処理により表示部110を注目している人物の存在が検出されている状態から検出されなくなった場合、低消費電力モードに遷移させるステップと、低消費電力モードに遷移後、表示部110を注目している人物の存在が検出された場合、顔認証処理による認証結果に基づいて当該人物が予め登録されているユーザであるか否かを判定するステップと、低消費電力モードに遷移後、表示部110を注目している人物の存在が検出され、かつ当該人物が予め登録されているユーザであると判定された場合、低消費電力モードから復帰させるステップと、低消費電力モードに遷移後、表示部110を注目している人物の存在が検出され、かつ当該人物が予め登録されているユーザではないと判定された場合、システムをロックさせるステップと、を含む。
【0129】
これにより、情報処理装置1における制御方法は、短時間の離籍(不在)の際に省電力化とセキュリティの確保の両方を実現することができるため、人物の不在が検出されてからシステムをロックさせるまでの時間(タイマ)を長く設定しても、ロックされるまでの間のセキュリティが確保される。よって、情報処理装置1における制御方法は、セキュリティを確保しつつ短時間の人物(例えば、正規ユーザ)の不在ではシステムをロックしないように制御することができる。
【0130】
また、本実施形態に係る情報処理装置1は、システム(例えば、OS)のプログラムを一時的に記憶するメモリ(例えば、システムメモリ304)と、システムのプログラムを実行することによりシステムの動作を制御する第1プロセッサ(例えば、CPU301、チップセット303など)と、撮像部120により撮像された撮像画像に基づいて、表示部110に対面する方向に存在する人物を検出する検出処理を行う第2プロセッサ(例えば、顔検出部210)と、を備えている。情報処理装置1は、表示部110に対面する方向に存在する人物の第1顔画像と予め登録されているユーザの第1認証用顔画像とを照合する第1顔認証処理を行う。また、情報処理装置1は、上記検出処理により表示部110に対面する方向に人物の存在が検出され、かつ第1顔認証処理により当該人物が予め登録されているユーザではないと判定された場合、システムをロックさせるロック処理を行う。また、情報処理装置1は、第1顔画像とは異なる条件で撮像部120により撮像された撮像画像に基づいて取得した表示部110に対面する方向に存在する人物の第2顔画像と予め登録されているユーザの第2認証用顔画像とを照合する第2顔認証処理を行う。そして、情報処理装置1は、第2顔認証処理により当該人物が予め登録されているユーザであると判定された場合、システムのロックを解除するロック解除処理を行う。
【0131】
つまり、情報処理装置1は、2種類の顔画像(例えば、同一ユーザの撮像条件が異なる第1顔画像と第2顔画像)のそれぞれと照合する2種類の顔認証処理を備え、第1顔認証処理を用いて、表示部110に対面する方向に存在する人物が予め登録されているユーザではないと判定された場合にはシステムをロックさせ、第2顔認証処理を用いて、表示部110に対面する方向に存在する人物が予め登録されているユーザであると判定された場合にはシステムのロックを解除する。これにより、情報処理装置1は、システムの動作状態や人物の存在などの状況に応じて適切にシステムのロックとロックの解除を制御できるため、セキュリティを確保しつつ状況に応じてシステムをロックさせたり、ロックしないようにしたりすることができる。
【0132】
また、本実施形態に係る、システム(例えば、OS)のプログラムを一時的に記憶するメモリ(例えば、システムメモリ304)と、システムのプログラムを実行することによりシステムの動作を制御する第1プロセッサ(例えば、CPU301、チップセット303など)と、撮像部120により撮像された撮像画像に基づいて、表示部110に対面する方向に存在する人物を検出する検出処理を行う第2プロセッサ(例えば、顔検出部210)と、を備える情報処理装置1における制御方法は、第2プロセッサが、表示部110に対面する方向に存在する人物の第1顔画像と予め登録されているユーザの第1認証用顔画像とを照合する第1顔認証ステップと、第1プロセッサが、上記検出処理により表示部110に対面する方向に人物の存在が検出され、かつ第1顔認証処理により当該人物が予め登録されているユーザではないと判定された場合、システムをロックさせるステップと、第1顔画像とは異なる条件で撮像部120により撮像された撮像画像に基づいて取得した表示部110に対面する方向に存在する人物の第2顔画像と予め登録されているユーザの第2認証用顔画像とを照合する第2顔認証ステップと、第2顔認証ステップにより当該人物が予め登録されているユーザであると判定された場合、システムのロックを解除するステップと、を含む。
【0133】
つまり、情報処理装置1における制御方法は、2種類の顔画像(例えば、同一ユーザの撮像条件が異なる第1顔画像と第2顔画像)のそれぞれと照合する2種類の顔認証処理を備え、第1顔認証処理を用いて、表示部110に対面する方向に存在する人物が予め登録されているユーザではないと判定された場合にはシステムをロックさせ、第2顔認証処理を用いて、表示部110に対面する方向に存在する人物が予め登録されているユーザであると判定された場合にはシステムのロックを解除する。これにより、情報処理装置1における制御方法は、システムの動作状態や人物の存在などの状況に応じて適切にシステムのロックとロックの解除を制御できるため、セキュリティを確保しつつ状況に応じてシステムをロックさせたり、ロックしないようにしたりすることができる。
【0134】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は上述の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。例えば、上述の各実施形態において説明した各構成は、任意に組み合わせることができる。
【0135】
なお、上記実施形態では、低消費電力モードとして、表示部110の画面輝度を低減することで省電力化する例を説明したが、省電力化の方法はこれに限られるものではなく、任意の省電力化の方法を適用することができる。例えば、表示部110の表示のリフレッシュレートを下げることで省電力化する構成としてもよい。また、表示画面に対するタッチ操作を受け付けるタッチパネルが表示部110に備えられている場合には、タッチパネルをオフにすることで省電力化する構成としてもよい。
【0136】
また、情報処理装置1に撮像部120が内蔵されている構成例を説明したが、これに限られるものではない。例えば、撮像部120は、情報処理装置1に内蔵されていなくてもよく、情報処理装置1の外部アクセサリとして情報処理装置1(例えば、側面10a、10b、10c等のいずれか)に取り付け可能に構成され、無線または有線で情報処理装置1と通信接続されるものであってもよい。
【0137】
また、上記実施形態では、顔検出部210がCPU301およびチップセット303とは別に備えられている例を示したが、顔検出部210の一部または全部は、チップセット303に備えられてもよいし、CPU301またはチップセット303と一体化されたプロセッサに備えられてもよい。例えば、CPU301とチップセット303と顔検出部210とは個別のプロセッサとして構成されてもよいし、1つのプロセッサとして一体化して構成されてもよい。また、顔検出部210の一部または全部は、EC200に備えられてもよい。
【0138】
また、上述した待機状態には、ハイバネーション状態やパワーオフ状態等が含まれてもよい。ハイバネーション状態は、例えば、ACPIで規定されているS4状態に相当する。パワーオフ状態は、例えば、ACPIで規定されているS5状態(シャットダウンした状態)に相当する。なお、待機状態のうちスタンバイ状態、スリープ状態、ハイバネーション状態、パワーオフ状態などは、通常動作状態よりも電力の消費量が低い状態(電力の消費を抑えた状態)である。
【0139】
なお、上述した情報処理装置1は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、上述した情報処理装置1が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述した情報処理装置1が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0140】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に情報処理装置1が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0141】
また、上述した実施形態における情報処理装置1が備える各機能の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【0142】
また、上記実施形態の情報処理装置1は、ノートブック型のPCに限られるものではなく、例えば、デスクトップ型PCなどであってもよい。
【符号の説明】
【0143】
1 情報処理装置、10 第1筐体、20 第2筐体、15 ヒンジ機構、110 表示部、120 撮像部、140 電源ボタン、150 入力デバイス、151 キーボード、153 タッチパッド、160 通信部、170 記憶部、200 EC、210 顔検出部、211 検出処理部、212 顔認証処理部、300 メイン処理部、301 CPU、302 GPU、303 チップセット、304 システムメモリ、310 システム処理部、311 動作制御部、312 OSタイマ、313 表示制御部、314 システム認証部、330 HPD処理部、331 画面輝度変更部、332 Dimタイマ、333 ユーザ判定部、334 システム動作指示部、335 Leaveタイマ、336 HID入力判定部、400 電源部
【要約】
【課題】人物の不在に応じてシステムをロックする際に、セキュリティを確保しつつ短時間の人物の不在ではシステムをロックしないように制御すること。
【解決手段】情報処理装置は、システムの動作を制御する第1プロセッサと、撮像画像に基づいて表示部に対面する方向に存在する人物の検出および当該人物が表示部を注目しているか否かの検出を行う検出処理と、当該人物の顔画像と予め登録されているユーザの顔画像とを照合する顔認証処理とを行う第2プロセッサと、を備え、表示部を注目している人物の存在が検出されている状態から検出されなくなった場合、低消費電力モードに遷移させ、その後、表示部を注目している人物の存在が検出された場合、顔認証処理に基づいて当該人物が予め登録されているユーザであると判定された場合、低消費電力モードから復帰させ、当該人物が予め登録されているユーザではないと判定された場合、システムをロックさせる。
【選択図】
図6