(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-19
(45)【発行日】2024-11-27
(54)【発明の名称】乗物用内装品
(51)【国際特許分類】
B60R 16/02 20060101AFI20241120BHJP
G06F 3/02 20060101ALI20241120BHJP
【FI】
B60R16/02 630L
G06F3/02 F
(21)【出願番号】P 2022533666
(86)(22)【出願日】2021-02-02
(86)【国際出願番号】 JP2021003790
(87)【国際公開番号】W WO2022004031
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2024-01-15
(32)【優先日】2020-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【識別番号】100195453
【氏名又は名称】福士 智恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100205501
【氏名又は名称】角渕 由英
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 生佳
(72)【発明者】
【氏名】成田 一真
(72)【発明者】
【氏名】松本 昴大
(72)【発明者】
【氏名】高原 隆
(72)【発明者】
【氏名】西牧 祐二
【審査官】浅野 麻木
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0218836(US,A1)
【文献】特開2013-166510(JP,A)
【文献】特開2018-169758(JP,A)
【文献】特開2020-059438(JP,A)
【文献】特開2019-073110(JP,A)
【文献】特開2008-044495(JP,A)
【文献】特表2010-539815(JP,A)
【文献】特開昭62-101535(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/02
G06F 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗物用内装品であって、
乗物に設けられた電装部品を操作するタッチスイッチと、
前記乗物の室内側の側面に形成された凹部と、
前記タッチスイッチの近傍に設けられ、乗員が前記タッチスイッチを操作する際に把持する把持部と、を備え、
前記タッチスイッチは、
前記乗員の手指を検出するセンシング部を有し、
前記凹部は、開口部と底部と該底部の周囲に形成された立壁部と、前記底部において前記開口部側に向けて突出するように湾曲して形成された湾曲面と、を有し、
前記センシング部は、前記湾曲面に配置され
、
前記把持部は、前記乗員により把持されたことを検知する把持検知部と、該把持部において前記乗員により把持された位置を検知する把持位置特定部を有し、
前記タッチスイッチは、前記把持位置特定部により検知された前記乗員の把持位置に基づいて、前記タッチスイッチ内において、前記乗員の手指を検出する前記センシング部の位置を変更することを特徴とする乗物用内装品。
【請求項2】
前記乗物用内装品は、乗物用ドアに設けられるドアライニングであり、前記凹部は、前記ドアライニングの室内側の側面に形成されることを特徴とする請求項1に記載の乗物用内装品。
【請求項3】
前記センシング部は、前記乗物の上下方向に並ぶ複数のセンサ領域から構成され、下側に位置するセンサ領域は、上側に位置するセンサ領域の上下方向の軸線からずれるように配置されることを特徴とする請求項1に記載の乗物用内装品。
【請求項4】
前記センシング部は、前記乗物の上下方向且つ前後方向に並ぶ複数のセンサ領域から構成され、
下側に位置する下側センサ領域は、該下側センサ領域の前端部が、上側に位置する上側センサ領域の前端部より後方に位置するか、前記下側センサ領域の後端部が、前記上側センサ領域の後端部より後方に位置することを特徴とする請求項1に記載の乗物用内装品。
【請求項5】
前記センシング部は、前記乗物の上下方向に並ぶ複数のセンサ領域から構成される第1センシング部と、前記乗物の前後方向において、前記第1センシング部より後方に配置され、前記乗物の上下方向に並ぶ複数のセンサ領域から構成される第2センシング部と、を有し、
前記第1センシング部の最も下方に配置されるセンサ領域と、前記第2センシング部の最も上方に配置されるセンサ領域とが、上下方向において重なって配置されることを特徴とする請求項1に記載の乗物用内装品。
【請求項6】
前記把持検知部により前記把持部が把持されたこと検知した場合に、前記タッチスイッチによる前記電装部品の操作を可能にすることを特徴とする請求項1に記載の乗物用内装品。
【請求項7】
前記タッチスイッチは、前記乗員が着座する乗物用シートの状態の情報を取得可能であり、
前記タッチスイッチは、前記乗物用シートが前記乗員をリラックスさせるリラックス状態である情報を取得した場合に、前記タッチスイッチによる前記電装部品の操作を可能にすることを特徴とする請求項1に記載の乗物用内装品。
【請求項8】
前記タッチスイッチは、前記乗物が自動走行状態の場合、前記タッチスイッチによる前記電装部品の操作を可能にすることを特徴とする請求項1に記載の乗物用内装品。
【請求項9】
前記センシング部は複数あり、複数の前記センシング部のうち少なくとも一つは、前記タッチスイッチにより操作される前記電装部品を選択する対象選択センシング部であり、
前記対象選択センシング部は、前記乗員により所定時間長押しされた場合に、操作される前記電装部品を変更可能にすることを特徴とする請求項1に記載の乗物用内装品。
【請求項10】
前記乗物用内装品は、本体と、前記タッチスイッチを有し前記本体に着脱可能に取り付けられる操作部材と、を備え、
前記タッチスイッチは無線通信により前記電装部品を操作し、
前記操作部材は、前記乗物用内装品の前記本体に対して上下方向に引き抜くことで取り外されることを特徴とする請求項1に記載の乗物用内装品。
【請求項11】
前記乗物用内装品は、本体と、前記タッチスイッチを有し前記本体に回動可能に取り付けられた操作部材と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の乗物用内装品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は乗物用内装品に係り、特に、タッチスイッチを備える乗物用内装品に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用ドア等の車両用内装品には、車両に搭載された電装部品を操作するためのタッチスイッチが設けられている。例えば、車両用ドアのアームレストにはパワーウインドウを操作するためのタッチスイッチが設けられ、乗員は操作スイッチであるタッチスイッチを手指で触れることによりウインドウの開閉をすることができる(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、タッチスイッチは平面的に形成されており、操作可能な範囲が物理的に規制されていないことから、操作する乗員の手指が操作可能な範囲から外れてしまう場合があった。また、乗員の手指が不用意にタッチスイッチのセンシング部に触れ誤って入力動作を行ってしまい、電装部品を誤操作する場合があった。
【0005】
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、乗員による意図しない誤作動を抑制するタッチスイッチを備えた乗物用内装品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題は、乗物用内装品であって、乗物に設けられた電装部品を操作するタッチスイッチと、前記乗物の室内側の側面に形成された凹部と、前記タッチスイッチの近傍に設けられ、乗員が前記タッチスイッチを操作する際に把持する把持部と、を備え、前記タッチスイッチは、前記乗員の手指を検出するセンシング部を有し、前記凹部は、開口部と底部と該底部の周囲に形成された立壁部と、前記底部において前記開口部側に向けて突出するように湾曲して形成された湾曲面と、を有し、前記センシング部は、前記湾曲面に配置され、前記把持部は、前記乗員により把持されたことを検知する把持検知部と、該把持部において前記乗員により把持された位置を検知する把持位置特定部を有し、前記タッチスイッチは、前記把持位置特定部により検知された前記乗員の把持位置に基づいて、前記タッチスイッチ内において、前記乗員の手指を検出する前記センシング部の位置を変更することにより解決される。
【0007】
凹部の立壁部により、乗員の手指による入力動作範囲が規制されることから、乗員の手指が操作可能な範囲から外れてしまうことが抑制される。また、立壁部があることで乗員の手指が不用意にセンシング部に触れることを抑制するため、誤って入力動作を行ってしまうことが抑制される。また、開口部側に向けて突出する湾曲面にセンシング部を配置することから、乗員はタッチスイッチを使用する際、センシング部分に触れていることが分かりやすくなる。
また、把持位置に基づいてセンシング部の位置を変更することで、乗員の体格又は姿勢による差を吸収して、タッチしやすい位置にセンシング部を配置することができる。
【0008】
また、上記の乗物用内装品において、前記乗物用内装品は、乗物用ドアに設けられるドアライニングであり、前記凹部は、前記ドアライニングの室内側の側面に形成されるとよい。
凹部をドアライニングの室内側の側面に形成することで、例えばドア付近に着座する乗員が誤ってタッチスイッチのセンシング部に接触することを抑制することができる。
【0009】
また、上記の乗物用内装品において、前記センシング部は、前記乗物の上下方向に並ぶ複数のセンサ領域から構成され、下側に位置するセンサ領域は、上側に位置するセンサ領域の上下方向の軸線からずれるように配置されるとよい。
乗物用内装品の一部を把持しながら、指(特に親指)を用いてタッチスイッチに接触する場合、上下方向に並ぶセンサ領域をずらして配置することで、それらの位置が指の軌跡に一致するようになり、容易にタッチすることができる。
【0010】
また、上記の乗物用内装品において、前記センシング部は、前記乗物の上下方向且つ前後方向に並ぶ複数のセンサ領域から構成され、下側に位置する下側センサ領域は、該下側センサ領域の前端部が、上側に位置する上側センサ領域の前端部より後方に位置するか、前記下側センサ領域の後端部が、前記上側センサ領域の後端部より後方に位置するとよい。
乗物用内装品の一部を把持しながら、指(特に親指)を用いてタッチスイッチに接触する場合、上記のように配置することで、センサ領域の位置が指(特に親指)の軌跡に一致するようになりタッチしやすくなる。
【0011】
また、上記の乗物用内装品において、前記センシング部は、前記乗物の上下方向に並ぶ複数のセンサ領域から構成される第1センシング部と、前記乗物の前後方向において、前記第1センシング部より後方に配置され、前記乗物の上下方向に並ぶ複数のセンサ領域から構成される第2センシング部と、を有し、前記第1センシング部の最も下方に配置されるセンサ領域と、前記第2センシング部の最も上方に配置されるセンサ領域とが、上下方向において重なって配置されるとよい。
乗物用内装品の一部を把持しながら、指(特に親指)を用いてタッチスイッチに接触する場合、上記のように配置することで、センサ領域の位置が指(特に親指)の軌跡に一致するようになりタッチしやすくなる。
【0013】
また、上記の乗物用内装品において、前記タッチスイッチは、前記把持検知部により前記把持部が把持されたこと検知した場合に、前記タッチスイッチによる前記電装部品の操作を可能にするとよい。
上記のように構成することにより、不用意に乗員がタッチスイッチに接触することによる電装部品の意図しない誤作動を抑制することができる。
【0014】
また、上記の乗物用内装品において、前記タッチスイッチは、前記乗員が着座する乗物用シートの状態の情報を取得可能であり、前記タッチスイッチは、前記乗物用シートが前記乗員をリラックスさせるリラックス状態である情報を取得した場合に、前記タッチスイッチによる前記電装部品の操作を可能にするとよい。
リラックス状態である場合に、タッチスイッチによる電装部品の操作を可能にすることで、例えば運転中に誤ってタッチスイッチに接触することによる意図しない誤作動を抑制することができる。
【0015】
また、上記の乗物用内装品において、前記タッチスイッチは、前記乗物が自動走行状態の場合、前記タッチスイッチによる前記電装部品の操作を可能にするとよい。
乗物が自動走行状態である場合に、タッチスイッチによる電装部品の操作を可能にすることで、運転中に誤ってタッチスイッチに接触することによる意図しない誤作動をよくせいすることができる。
【0016】
また、上記の乗物用内装品において、前記センシング部は複数あり、複数の前記センシング部のうち少なくとも一つは、前記タッチスイッチにより操作される前記電装部品を選択する対象選択センシング部であり、前記対象選択センシング部は、前記乗員により所定時間長押しされた場合に、操作される前記電装部品を変更可能にするとよい。
対象選択センシング部が長押しされた場合に操作される電装部品を変更可能にすることで、操作対象の切り替え時における意図しない誤動作を抑制する。
【0017】
また、上記の乗物用内装品において、前記乗物用内装品は、本体と、前記タッチスイッチを有し前記本体に着脱可能に取り付けられる操作部材と、を備え、前記タッチスイッチは無線通信により前記電装部品を操作し、前記操作部材は、前記乗物用内装品の前記本体に対して上下方向に引き抜くことで取り外されるとよい。
タッチスイッチを本体から着脱可能な操作部材に設けることで、例えば、乗物の進行方向とは反対の向きに乗員が着座している場合に、操作部材を取り外すことで、タッチスイッチの利便性を高めることができる。
また、取り外し方向を上下方向にすることで、誤って本体から操作部材が外れることを抑制することができる。
【0018】
また、上記の乗物用内装品において、前記乗物用内装品は、本体と、前記タッチスイッチを有し前記本体に回動可能に取り付けられた操作部材と、を備えるとよい。
回動可能な操作部材にタッチスイッチを設けることにより、使用時にタッチスイッチの操作面を乗員がタッチしやすい方向に向けることができる。また、不使用時にはタッチスイッチの操作面をタッチしにくい方向に向けることで、意図しない誤作動を抑制することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、凹部の立壁部により、乗員の手指による入力動作範囲が規制されることから、乗員の手指が操作可能な範囲から外れてしまうことが抑制される。また、立壁部があることで乗員の手指が不用意にセンシング部に触れることを抑制するため、誤って入力動作を行ってしまうことが抑制される。また、開口部側に向けて突出する湾曲面にセンシング部を配置することから、乗員はタッチスイッチを使用する際、センシング部分に触れていることが分かりやすくなる。
凹部をドアライニングの室内側の側面に形成することで、例えばドア付近に着座する乗員が誤ってタッチスイッチのセンシング部に接触することを抑制することができる。
乗物用内装品の一部を把持しながら、指(特に親指)を用いてタッチスイッチに接触する場合、上下方向に並ぶセンサ領域をずらして配置することで、それらの位置が指の軌跡に一致するようになり、容易にタッチすることができる。
乗物用内装品の一部を把持しながら、指(特に親指)を用いてタッチスイッチに接触する場合、上記のように配置することで、センサ領域の位置が指(特に親指)の軌跡に一致するようになりタッチしやすくなる。
乗物用内装品の一部を把持しながら、指(特に親指)を用いてタッチスイッチに接触する場合、上記のように配置することで、センサ領域の位置が指(特に親指)の軌跡に一致するようになりタッチしやすくなる。
把持位置に基づいてセンシング部の位置を変更することで、乗員の体格又は姿勢による差を吸収して、タッチしやすい位置にセンシング部を配置することができる。
上記のように構成することにより、不用意に乗員がタッチスイッチに接触することによる電装部品の意図しない誤作動を抑制することができる。
リラックス状態である場合に、タッチスイッチによる電装部品の操作を可能にすることで、例えば運転中に誤ってタッチスイッチに接触することによる意図しない誤作動を抑制することができる。
乗物が自動走行状態である場合に、タッチスイッチによる電装部品の操作を可能にすることで、運転中に誤ってタッチスイッチに接触することによる意図しない誤作動をよくせいすることができる。
対象選択センシング部が長押しされた場合に操作される電装部品を変更可能にすることで、操作対象の切り替え時における意図しない誤動作を抑制する。
タッチスイッチを本体から着脱可能な操作部材に設けることで、例えば、乗物の進行方向とは反対の向きに乗員が着座している場合に、操作部材を取り外すことで、タッチスイッチの利便性を高めることができる。
また、取り外し方向を上下方向にすることで、誤って本体から操作部材が外れることを抑制することができる。
回動可能な操作部材にタッチスイッチを設けることにより、使用時にタッチスイッチの操作面を乗員がタッチしやすい方向に向けることができる。また、不使用時にはタッチスイッチの操作面をタッチしにくい方向に向けることで、意図しない誤作動を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態に係る車両用内装材が取り付けられた車室内を斜め前方から見た斜視図である。
【
図2】
図1の部分IIを拡大して示す斜視図であり、車両用ドアに設けられたドアライニングを示す側面図である。
【
図3】
図2のIII-III線に沿ったドアアームレストの断面図である。
【
図4】車両用内装材のタッチパネルにより操作される車載装置等の構成図である。
【
図5A】ドアアームレストのタッチスイッチに示されるセンシング部を示す図である。
【
図5B】ドアアームレストのタッチスイッチに示されるセンシング部の別例を示す図である。
【
図6A】センシング部の位置が変化するタッチスイッチを示す説明図であり、センシング部が前方にある状態を示す図である。
【
図6B】センシング部の位置が変化するタッチスイッチを示す説明図であり、センシング部が後方に移動した状態を示す図である。
【
図7】着脱可能に設けられた、タッチスイッチを有する操作部材を備えるドアアームレストを示す説明図である。
【
図8】回動可能に設けられた、タッチスイッチを有する操作部材を備えるドアアームレストを示す説明図である。
【
図9】車両用シートのシートフレームを示す斜視図である。
【
図10】
図1の部分Xを拡大して示す図であり、車両用シートに設けられたタッチスイッチを示す斜視図である。
【
図12】車両用シートに設けられるタッチスイッチの別例を示す斜視図である。
【
図13】センシング部が移動可能なタッチスイッチを示す説明図である。
【
図14】タッチスイッチが配置される操作部材のシートクッションに対する角度が変更可能な車両用シートを示す説明図である。
【
図15】着脱可能に設けられた、タッチスイッチを有する操作部材を備える車両用シートを示す説明図である。
【
図16A】タッチスイッチを有する操作部材を備える車両用シートの斜視図である。
【
図16B】
図16AのB-B線に沿った断面図であり、タッチパネルを有し、シートクッションに対して上下方向に移動可能に取り付けられた操作部材を示す図である。
【
図16C】
図16AのC-C線に沿った断面図であり、タッチパネルを有し、シートクッションに対して回動可能に取り付けられた操作部材を示す図である。
【
図17】タッチスイッチを有するシートアームレストを備える車両用シートを示す斜視図である。
【
図18A】タッチスイッチを有するセンタアームレストを備える車両用シートを示す斜視図である。
【
図18B】タッチスイッチを有するセンタアームレストを備える車両用シートを示す斜視図である。
【
図19】タッチスイッチを有するグリップを示す斜視図である。
【
図20】ヘッドレストの後面及びシートバックの後面にタッチスイッチを有する車両用シートを示す斜視図である。
【
図21A】タッチスイッチを周囲に有するスピーカを備えたドアライニングを示す図である。
【
図21B】タッチスイッチを周囲に有するスピーカの備えたドアライニングの別例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<<第一実施形態:ドアライニング>>
以下、本発明の第一実施形態に係る乗物用内装品の構成について図面を参照しながら説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
また、以下の説明中、乗物用内装品を構成する部品の材質、形状及び大きさに関する内容は、あくまでも具体例の一つに過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0022】
なお、以下では、乗物用内装品の一例として車両のドアに設けられる車両用ドアライニング、特にドアアームレストを挙げ、その構成例について説明することとする。ただし、本発明は、自動車・鉄道など車輪を有する地上走行用乗物に搭載される車両用ドアライニングに限定されるものではなく、例えば、地上以外を移動する航空機や船舶などに搭載される車両用ドアライニングにも適用され得る。
【0023】
また、以下の説明中、「前後方向」とは、車両用ドアの前後方向であり、車両走行時の進行方向と一致する方向である。また、「ドア幅方向」とは、車両用ドアの横幅方向であり、車両用シートに着座した乗員から見た左右方向と一致する方向である。また、「上下方向」とは、車両用ドアの上下方向であり、車両が水平面を走行しているときには鉛直方向と一致する方向である。また、単に「外側」という場合は、車両用ドア単体の中心から外側に向かう方向において外側に近い方を指し、「内側」という場合は車両用ドア単体の外側から中心に向かう方向において中心に近い方を意味する。また、「室内側」は、車両用ドアが閉じられた状態において車室内に向かう方向を意味する。
【0024】
なお、以下に説明する車両用ドアの各部の形状、位置及び姿勢等については、特に断る場合を除き、車両用ドアが閉じられた状態を想定して説明することとする。
【0025】
<車両用ドアD>
本実施形態に係るドアライニングを備える車両用ドアDの基本構成について、
図1及び
図2を参照しながら説明する。
図1は、車両用ドアD及び車両用シートSが設けられた車室内を示す斜視図である。
図2は、車両用ドアDに設けられたドアライニング1を示す側面図である。
車両用ドアDは、ドアパネルPと、ドアパネルPの上部に形成された窓2と、ドアパネルPにおいて窓2の下方に設けられたドアライニング1とを備える。ドアライニング1は、アッパー部材5、センタ部材6、ロア部材7、センタ部材6とロア部材7と間において車室内に向けて突設されるドアアームレスト30と、から構成される。また、センタ部材6の前方にはドアハンドル11が設けられ、ロア部材7の前方にはドアポケット(不図示)及びスピーカ12が設けられている。
【0026】
<ドアアームレスト30>
次に、車両に設けられた車載装置13(電装部品)を操作するタッチスイッチ35を備えるドアアームレスト30について説明する。ドアアームレスト30は本願発明の乗物用内装品の一例である。
【0027】
ドアアームレスト30は、
図2、3に示すようにドアパネルPから室内側に向けて突設される部材であり、車両用シートSに着座した乗員の手又は腕がかけられる部分である。ドアアームレスト30は、ドアの前後方向に延びる形状を有し、前側の上面にはパワーウインドウの開閉を操作するためのドアウインドウ開閉スイッチ31が設置されている。また、上面の中央部には、乗員がドアアームレスト30を把持するためのプルポケット32(把持部の一例)が形成されている。乗員はプルポケット32に指を挿入することでドアアームレスト30を把持することができる。
【0028】
また、
図3に示すようにドアアームレスト30の室内側の側面には、室外側に窪む凹部33が形成されている。凹部33は、開口部33aと、底部33bと、底部33bの周囲に形成された立壁部33cとから構成されている。また、底部33bには、開口部側に向けて突出するように湾曲した湾曲面33dが設けられている。タッチスイッチ35は、乗員の手指を検出する複数のセンシング部36を有する。タッチスイッチ35及びセンシング部36は、底部33bの湾曲面33dに沿って配置されている。
【0029】
なお、湾曲面33dの高さH1は、立壁部33cの高さH2を越えないよう形成されている。そのため、タッチスイッチ35は室内側に露出しているが、立壁部33cにより囲まれているため、不用意に乗員の腕が側面に接触しても、タッチスイッチ35に当接しない。より詳細に述べると、乗員の腕が不用意にドアアームレスト30の側面に当接しても、立壁部33cによって腕が支持され、タッチスイッチ35と腕との間に隙間ができ、腕がタッチスイッチ35のセンシング部36に直接当接しない。そのため、意図しない誤作動を抑制することができる。
また、タッチスイッチ35を使用する場合、立壁部33cにより、乗員の指が移動する範囲を規制することができる。そのため、誤ってタッチスイッチ35以外の場所が押されることが抑制され、確実にタッチスイッチ35の入力動作を行うことができる。
【0030】
本実施形態で用いられるタッチスイッチ35は静電容量式のタッチセンサが用いられている。しかしながら、タッチスイッチ35は、静電容量式のタッチセンサに限定されず、抵抗式、感圧式等のタッチセンサであってもよい。
【0031】
<車載装置13>
また、タッチスイッチ35により操作される車載装置13としては、例えばパワーウインドウ装置14、電動シート装置15、カーナビゲーション装置16、オーディオ装置17、空調装置18等を挙げることができる。車載装置13にはスライドドア、サンルーフ、サンシェード、ランプ等が含まれてもよい。車載装置13の作動状況はECU(制御装置20)を介してディスプレイ19に表示される。
【0032】
<電動シート装置15>
電動シート装置15は、前後調節機構15a、高さ調節機構15b、リクライニング機構15c、シートヒータ15dを有する。前後調節機構15aは、車体に対してシートを前後方向に移動させる機構である。高さ調節機構15bは、車体に対してシートの高さを変更する機構である。リクライニング機構15cは、シートクッションに対するシートバックの角度を変化させる機構である。シートヒータ15dは、シートの温度を変化させる機構である。前後調節機構15a、高さ調節機構15b、リクライニング機構15cは、電動モータを含み、電動モータによって駆動される。シートヒータ15dは、電熱線を有し、供給される電流によって温度を変化させる。
【0033】
<把持検知センサ40、手入検知センサ41>
また、乗員の手を検知可能な把持検知センサ40が、プルポケット32の開口部に前後方向に延びるよう配置されている。また、プルポケット32の内壁部には、プルポケット32に挿入された乗員の指を検知可能な手入検知センサ41が設けられている。把持検知センサ40及び手入検知センサ41は、静電容量式のタッチセンサであり、乗員の手が接触することにより検知することが可能である。
【0034】
<制御装置20>
図4に示すように、ドアウインドウ開閉スイッチ31、タッチスイッチ35、把持検知センサ40、手入検知センサ41は、それぞれECU(制御装置20)に接続されている。また、パワーウインドウ装置14等の車載装置13及びディスプレイ19、スピーカ12もECUに接続されており、それらはECUによって制御される。ECUは、図示しないCPU、ROM及びRAMを有しており、ROMに保存された制御プログラムに従ってCPUが各種処理動作を実行する。例えば、ドアウインドウ開閉スイッチ31及びタッチスイッチ35から、開閉信号を受け取ることで、CPUはパワーウインドウ装置14の電動モータを駆動して窓を開閉する。
【0035】
<センシング部36>
図5Aに、タッチスイッチ35が備えるセンシング部36の例を示す。センシング部36は、第1センシング部37と、第1センシング部37の後方に配置される第2センシング部38とを有する。第1センシング部37と第2センシング部38はそれぞれ別の車載装置13を操作可能になっており、
図5Aに示す例では、第1センシング部37は空調装置の風量を操作することができ、第2センシング部38は、オーディオ装置17の音量を操作することができるようなっている。操作可能な車載装置13は設定により変更することが可能であり、現在どのような装置を操作可能であるかは、表示部373、383に表示されたアイコンによって区別できるようになっている。
【0036】
なお、乗員の指がセンシング部36にタッチされたとき、その接触状態又は作動状態は、ECUを介してディスプレイ19に表示される。また、センシング部36がタッチされたとき、接触音又は作動音をスピーカ12から出力してもよい。接触音又は作動音は、センシング部36が操作する内容に応じて変更されてもよい。また、センシング部36がタッチされたとき、タッチスイッチ35が振動してもよい。振動は、センシング部36の操作内容に応じて変更されてもよい。
【0037】
第1センシング部37は、上下方向に並ぶ複数のセンサ領域370(上側センサ領域371、下側センサ領域372、以下まとめてセンサ領域370と称する場合がある)から構成されている。乗員の親指が上側センサ領域371にタッチすることで、風量を上げる信号が、制御装置20に送信される。また、乗員の親指が下側センサ領域372にタッチすることにより、風量を下げる信号が制御装置20に送信される。
【0038】
第2センシング部38も、上下方向に並ぶ複数のセンサ領域380(上側センサ領域381、下側センサ領域382)から構成されている。乗員の親指が上側センサ領域381にタッチすることで、音量を上げる信号が、制御装置20に送信される。また、乗員の親指が下側センサ領域382にタッチすることにより、音量を下げる信号が制御装置20に送信される。
【0039】
図5Aに示すように、センサ領域370、380のそれぞれは平行四辺形に形成されている。また、下側センサ領域372、382は、上側センサ領域371、381の上下方向の軸線C1、C2からずれるように配置されている。言い換えれば、下側センサ領域372の前端部372aは、上側センサ領域371の前端部371aより後方に位置している。また、下側センサ領域372の後端部371bは、上側センサ領域371の後端部372bより後方に位置している。また、第1センシング部の下側センサ領域372と、第2センシング部の上側センサ領域381とは、上下方向において重なるよう配置されている。
このようにセンサ領域を配置することで、乗員の手が把持部を把持した状態で、親指によりセンサ領域370、380を接触する場合、親指を上下に移動の軌跡に合わせることができ、より容易にセンサ領域370、380をタッチすることができる。
【0040】
タッチスイッチ35に設けられた、第1センシング部37及び第2センシング部38は、把持検知センサ40又は手入検知センサ41により、乗員の手指が検出された場合に、車載装置13の操作を可能にしてよい。このような制御は、制御装置20によって実行される。このようにタッチスイッチ35を制御することで、乗員がプルポケット32に手を入れて把持した場合のみ操作可能となり、乗員の意図しない誤動作を抑制することができる。
【0041】
また、タッチスイッチ35は、乗員が着座する電動シート装置15の状態を取得可能であり、電動シート装置15の状態に応じて、タッチスイッチ35が機能するか否かを設定してもよい。例えば、電動シート装置15のシートバックがリクライニング機構15cにより所定の角度以上に傾いていた場合、すなわち、電動シート装置15が乗員をリラックスさせるリラックス状態である情報を制御装置20から受信した場合にのみ、タッチスイッチ35による車載装置13の操作を可能にしてもよい。また、タッチスイッチ35を搭載する車両が、自動運転可能である場合、自動運転モードで走行している場合に、タッチスイッチ35が機能するように設定されてもよい。
このような制御は、制御装置20によって実行される。電動シート装置15がリラックス状態の場合、又は、自動運転モードで走行している場合に、タッチスイッチ35を操作可能にすることで、運転中に乗員の手指が誤ってタッチスイッチ35に触れ、それにより車載装置13が誤動作することを抑制することができる。
【0042】
<センシング部36A>
図5Bに別例であるセンシング部36Aを示す。センシング部36Aは、センシング部36と同様に、第1センシング部37Aと、第1センシング部37Aの後方に配置される第2センシング部38Aとを有する。第1センシング部37Aは、車載装置13を操作可能となっている。一方、第2センシング部38Aは、第1センシング部37Aが操作する車載装置13を切り替えることができる対象選択センシング部である。
【0043】
第2センシング部38Aは、乗員により所定時間、例えば1秒以上、長押しされた場合に、第1センシング部37Aで操作可能な車載装置13を変更できる。長押した場合に切り替えることで、乗員の意図しない車載装置13の切り替えを抑制することができる。
【0044】
図5Bに示すように、センシング部36のセンサ領域370、380のそれぞれはひし形に形成されている。
また、下側センサ領域372、382は、上側センサ領域371、381の上下方向の軸線からずれるように配置されている。言い換えれば、下側センサ領域372の前端部372aは、上側センサ領域371の前端部371aより後方に位置している。また、下側センサ領域372の後端部372bを、上側センサ領域371の後端部371bより後方に位置するように配置してもよい。
【0045】
<ドアアームレスト30B>
図6A、
図6Bに、別例であるドアアームレスト30Bを示す。ドアアームレスト30Bは、
図2に示すドアアームレスト30と同様、ドアウインドウ開閉スイッチ31を前側部分に備え、中央部分の上面にプルポケット32と、室内側の側面に凹部33が形成され、その中にタッチスイッチ35Bを有する。
【0046】
図2のドアアームレスト30と比較して、プルポケット32とタッチスイッチ35Bはその前後方向の長さがより長く形成されている。
把持検知センサ40(把持位置特定部)が、プルポケット32の開口部に前後方向に延びるよう複数配置されており、乗員が把持した位置を検知できるようになっている。また、プルポケット32の内壁部には、プルポケット32に挿入された乗員の指を検知可能な手入検知センサ41が設けられている。
【0047】
タッチスイッチ35Bのセンサ領域370は、前後方向に複数個並べて配置されている。
センサ領域370は、把持検知センサ40により検知された乗員が把持した位置の情報に基づいて、第1センシング部37B又は第2センシング部38Bとなることができる。すなわち、乗員が把持した位置に基づいて、第1センシング部37B及び第2センシング部38Bの位置を前後方向に変更することができる。
把持位置に基づいて、第1センシング部37B及び第2センシング部38Bの位置を変更可能にすることで、乗員の体格又は姿勢による差を吸収して、タッチしやすい位置に第1センシング部37B及び第2センシング部38Bを配置することができる。
また、電動シート装置の状態を監視し、シートバックがシートクッションに対して傾斜する角度に応じて、第1センシング部37B及び第2センシング部38Bの位置を変更するようにしてもよい。また、第1センシング部37B及び第2センシング部38Bの位置の変更に伴い、機能を変更、例えば第1センシング部37B及び第2センシング部38Bが操作する車載装置13を変更してもよい。
【0048】
<着脱可能なタッチスイッチ35C>
図7に示すように、タッチスイッチ35Cが、ドアアームレスト本体30aから着脱可能な操作部材50Aに設けられてもよい。例えば、乗物の進行方向とは反対の向きに乗員が着座している場合に、操作部材50Aを取り外して操作することができるため、タッチスイッチ35Cの利便性が向上する。
操作部材50Aには、タッチスイッチ35Cと制御装置20とが無線により通信できるよう、例えばBluetooth(登録商標)ユニット等の無線通信装置が搭載されている。また、操作部材50Aを、ドアアームレスト30Cの本体30aに対して上下方向に引き抜くことで取り外しできるとよい。取り外し方向を上下方向に限定することで、不用意にドアアームレストの本体30aから外れることを抑制する。
ドアアームレスト本体30aは充電機能を備えており、操作部材50Aを充電することができる。充電端子を備えてもよく、また、無線給電等により充電してもよい。
第1センシング部37及び第2センシング部38は、操作部材50Aの取付部又は充電端子等を避けた位置に配置される。これにより、厚みの増加が抑制され、操作部材50Aをより薄くすることができる。
また、取り外された操作部材50Aは、シートのアームレストに取り付け可能であってもよい。
【0049】
<回動可能なタッチスイッチ35D>
図8に示すように、タッチスイッチ35Dが、ドアアームレスト本体30aに対して回動可能な操作部材50Bに設けられてもよい。乗員が操作部材50Bを回動させたときに、
図8に示すように、操作面にセンシング部36Dが表示されてもよい。なお、第1センシング部37Dとして、十字キーが表示されており、第2センシング部38Dとして決定キーが設定されている。
乗員は、タッチスイッチ35Dを使用する際、タッチスイッチ35Dの操作面を見やすい又はタッチしやすい方向に向けることができる。また、不使用時にはタッチスイッチの操作面をタッチしにくい方向に向けることで、意図しない誤作動を抑制することができる。
【0050】
なお、第一実施形態のドアライニング1は、前席の車両用ドアDに設けられたものであるが、これに限定されず、ドアライニング1は後席のドアに設けられたドアアームレストであってもよい。後席のドアに設けられたドアアームレストの側部にタッチスイッチを設けることで、後席に着座した乗員はドアアームレストを把持しつつタッチスイッチを親指で操作することができる。
【0051】
<<第二実施形態:乗物用シート>>
以下、本発明の第二実施形態である乗物用シートの構成について図面を参照しながら説明する。以下の説明中、乗物用シートを構成する部品の材質、形状及び大きさに関する内容は、あくまでも具体例の一つに過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0052】
なお、以下では、乗物用シートの一例として車両に搭載される車両用シートを挙げ、その構成例について説明することとする。ただし、本発明は、自動車・鉄道など車輪を有する地上走行用乗物に搭載される車両用シートに限定されるものではなく、例えば、地上以外を移動する航空機や船舶などに搭載される車両用シートにも適用され得る。
【0053】
また、以下の説明中、「前後方向」とは、車両用シートの前後方向であり、車両走行時の進行方向と一致する方向である。また、「シート幅方向」とは、車両用シートの横幅方向であり、車両用シートに着座した乗員から見た左右方向と一致する方向である。また、「上下方向」とは、車両用シートの上下方向であり、車両が水平面を走行しているときには鉛直方向と一致する方向である。また、単に「外側」という場合は、車両用シート単体の中心から外側に向かう方向において外側に近い方を指し、「内側」という場合は車両用シート単体の外側から中心に向かう方向において中心に近い方を意味する。
【0054】
なお、以下に説明する車両用シートの各部の形状、位置及び姿勢等については、特に断る場合を除き、車両用シートが着座可能状態であることを想定して説明する。
【0055】
<車両用シートS>
図1に示すように、車両用シートSは、車体フロアの上に載置され、車両の乗員が着座するシートである。また、車両用シートSは第一実施形態の電動シート装置15に対応する。本実施形態において、車両用シートSは、車両の前席に相当するフロントシートとして利用される。ただし、これに限定されるものではなく、車両用シートSは、後部座席のシートとしても利用可能であり、また、前後方向に三列のシートを備える車両において二列目のミドルシートや三列目のリアシートとしても利用可能である。
【0056】
車両用シートSは、
図1に示すように、着座者の背部を支える背もたれ部分となるシートバック101、着座者の臀部を支える着座部分となるシートクッション102、及び、シートバック101の上部に配され、着座者の頭部を支えるヘッドレスト103を主な構成要素とする。シートバック101とシートクッション102とはリクライニング機構107(
図9参照)を挟み込むように連結されている。シートバック101は、シートクッション102に対して回動して、角度調整可能に連結されている。リクライニング機構107は、シートバック101の傾斜角度を調整する。また、シートクッション102は図示しない高さ調節機構を備えている。
【0057】
<シートフレームF>
車両用シートSの中には、
図9に示すように、シートフレームFが設けられており、シートフレームFは、シートバック101の骨格を形成するシートバックフレーム110と、シートクッション102の骨格を形成するシートクッションフレーム115とから構成される。
【0058】
<シートバックフレーム110>
図9に示すように、シートバックフレーム110は全体として方形枠状に形成されており、シートバックフレーム110は、両サイドに配置される一対のバックサイドフレーム111と、アッパフレーム112と、ロアフレーム113とを備える。アッパフレーム112は、一対のバックサイドフレーム111の間に配置され、バックサイドフレーム111の上端を連結する。ロアフレーム113は、一対のバックサイドフレーム111の間に配置され、一対のバックサイドフレーム111の下端を連結する。
【0059】
<シートクッションフレーム115>
シートクッションフレーム115は方形枠状に形成され、その側部にはクッションサイドフレーム116が設けられている。また、クッションサイドフレーム116を前方で連結する前方連結フレーム117と、後方で連結する後方連結フレーム118とを有する。車両用シートSの前後にある前方連結フレーム117及び後方連結フレーム118は丸パイプにより構成されている。また、前方連結フレーム117の前方にはクッションパンフレーム119が設けられている。なお、図示しないが、クッションパンフレーム119と、後方連結フレーム118とを架け渡す受圧部材が取り付けられており、受圧部材によって着座した乗員の臀部が下方から支持されている。
【0060】
<パッドPa及びクッショントリムカバーT>
シートバックフレーム110、シートクッションフレーム115の外側には、パッドPa(パッド部)及びクッショントリムカバーT(クッションカバー)が設けられることで、シートバック101、シートクッション102が構成される。パッドPaは、例えばウレタン発泡材を用いて、発泡成型により成型されたウレタン基材であり、クッショントリムカバーTは、例えばクロス、合成皮革又は本革等の表皮材からなる。
【0061】
<スライドレール104>
また、車両用シートSの下部には、
図2に示すようにスライドレール104が設置されている。このスライドレール104により、車両用シートSは、前後方向にスライド移動可能な状態で車体フロアに取り付けられる。スライドレール104に電動モータ(図示しない)が設けられており、電動モータを駆動させることにより車両用シートSを前後に移動させることができる。
【0062】
スライドレール104は、前後方向に沿って車両用シートSをスライド移動させるための機器であり、公知の構造(一般的なスライドレール機構の構造)となっている。スライドレール104は、車体フロア上に固定されるロアレールと、ロアレールに対してスライド移動可能なアッパーレールとを有する。アッパーレールが車体に固定されたロアレールに対して摺動可能となっている。なお、スライドレール104は、第一実施形態の前後調節機構15aに対応する。
【0063】
<リクライニング機構107>
シートバック101の下端部とシートクッション102の後端部との間にはリクライニング機構107が設けられている。より詳細には、リクライニング機構107は、シートバック101のシートバックフレーム110と、シートクッション102のシートクッションフレーム115と、を連結している。リクライニング機構107は、シートクッション102(シートクッションフレーム115)に対するシートバック101(シートバックフレーム110)の角度を調節可能にしている。リクライニング機構107により、シートバック101を所定の角度でロックして傾斜した状態を維持することができる。また、そのロックを解除することによりシートバック101を前方又は後方に倒伏したりすることができる。なお、リクライニング機構107は電動モータが設けられており、電動モータを駆動させることにより、シートバック101の傾斜角度を変更することができる。また、傾斜角度は制御装置20に送信され、上述のドアアームレスト30等に設けられたタッチスイッチ35の設定に反映される。なお、このリクライニング機構107は、第一実施形態のリクライニング機構15cに対応している。
【0064】
以下、本実施形態の車両用シートSが備えるタッチスイッチ126について図を用いて説明する。
車両用シートSのタッチスイッチ126も、第一実施形態のタッチスイッチ35と同様に、車両に備えられた車載装置13(電装部品)を操作するスイッチである。タッチスイッチ126は、
図1及び10に示すようにシートクッション102に設けられる。
【0065】
シートクッション102は、乗員が着座する際の着座面として形成される着座部121と、シート幅方向において、着座部121の外側側部に配置される土手部122を有する。土手部122の上面は、着座部の着座面より上方に突出している。更に土手部のシート幅方向の外側には、シートクッションフレーム115(より詳細にはクッションサイドフレーム116)を被覆するサイドカバー123が設けられている。
タッチスイッチ126は、土手部122において、シート幅方向においてドアに近い方の外側に配置されている。タッチスイッチ126は、ドアに遠い方(センタに近い方)の外側に配置されてもよい。
【0066】
また、タッチスイッチ126の前端は、シートクッションの前端から90mm~110mm、好ましくは100mm後方に離れた位置に配置される。シートクッションの前端から離すことにより、着座者にとって操作しやすい位置にスイッチを配置することができる。
【0067】
タッチスイッチ126は、
図11に示すように、土手部122の上端よりも下方に配置される。また、シート幅方向の外側に、下方に窪む凹部125が形成されていて、タッチスイッチ126は、凹部125内に配置される。凹部125の底部周辺には立壁部が形成されている。そのため、乗員の手指が誤ってタッチスイッチ126に触れることが抑制される。凹部125は
図11に示すようにサイドカバー123の上面に形成されている。凹部125の底部には、凹部125の開口部に向けて突出するように湾曲した湾曲面を有し、湾曲面に沿ってタッチスイッチ126(より詳しくは第1センシング部127、第2センシング部128)が配置されてもよい。また、凹部125の周囲には、加飾枠部材124が設けられている。タッチスイッチ126を凹部125の内部に設けたり、周囲に加飾枠部材124を設けたりすることにより、乗員の手指が不用意にタッチスイッチ126に触れることを抑制し、誤った入力動作が抑制される。
【0068】
図10に示すように、タッチスイッチ126は、前後左右に並んでセンサ領域129が配置され十字キースイッチとなる第1センシング部127と、中央のセンサ領域129が決定キースイッチとなる第2センシング部128とから構成されている。
【0069】
サイドカバー123の側面には、シート幅方向の内側に向かって窪む凹状部分130が形成されている。凹状部分130の立壁部には、把持検知センサ141が設けられている。
また、加飾枠部材124と凹状部分130との間に、把持位置検知センサ140が設けられている。乗員は凹状部分130の立壁部を把持しつつ、タッチスイッチ126を親指で操作することができる。把持検知センサ141と把持位置検知センサ140によって、把持している位置又は状態を検知することができる。
【0070】
タッチスイッチ126は、
図12に乗物用シートSAのように、土手部122に直接取り付けられてもよい。タッチスイッチ126外周部が、土手部122の表皮材(クッショントリムカバーT)と縫合等により結合される。
【0071】
<位置の変更が可能なタッチスイッチ126B>
図13に示す、乗物用シートSBのように、前後方向に長いタッチスイッチ126Bを備え、タッチスイッチ126B上において、第1センシング部127及び第2センシング部128となる位置を変更可能にしてもよい。複数のセンサ領域129が並べられており、制御装置20により、第1センシング部127及び第2センシング部128となるセンサ領域129が選択される。第1センシング部127及び第2センシング部128の位置は、把持位置検知センサ140により検知された把持位置に基づいて変更されてもよい。また、リクライニング機構107により角度が変更されたとき、シートバック101のシートクッション102に対する角度θに応じて第1センシング部127及び第2センシング部128の位置が変更されてもよい。例えば、シートバック101がリラックス姿勢となる、すなわち角度θ2が通常走行に適する角度θ1より大きくなった場合、第1センシング部127及び第2センシング部128の位置を後方に移動させ、乗員がリラックスした姿勢でも操作しやすい位置に配置する。
【0072】
<回動可能なタッチスイッチ126C>
また、
図14に示す乗物用シートSCのように、リクライニング機構107により角度が変更されたとき、シートバック101のシートクッション102に対する角度θに応じて、タッチスイッチ126Cの、シートクッション102に対する角度を変更してもよい。
この場合、サイドカバー123に、操作部材150Cが回動可能に設けられており、操作部材150Cの上面にタッチスイッチ126Cが設けられている。電動モータにより操作部材150Cのシートクッション102に対する角度が変更される。操作部材150Cは手動によりシートクッション102に対する傾斜角度が変更されてもよい。
【0073】
<着脱可能なタッチスイッチ126D>
また、
図15に示す乗物用シートSDのように、タッチスイッチ126Dを有する操作部材150Dを、シートクッション102から着脱可能に設けてもよい。
操作部材150Dには、タッチスイッチ126Dと制御装置20とが無線により通信できるよう、例えばBluetooth(登録商標)ユニット等の無線通信装置が搭載されている。また、操作部材150Dを、シートクッション102に対して上下方向に引き抜くことで取り外しできるようにするとよい。取り外し方向を上下方向に限定することで、不用意にシートクッション102から外れることを抑制する。
【0074】
シートクッション102(サイドカバー123)は充電機能を備えており、操作部材150Dを充電することができる。充電端子を備えてもよく、また、無線給電等により充電してもよい。
なお、第1センシング部127及び第2センシング部128は、操作部材150Dの取付部又は充電端子等を避けた位置に配置される。これにより、厚みの増加が抑制され、操作部材150Dをより薄くすることができる。
また、取り外された操作部材150Dは、ドアのアームレストやシートのアームレストに取り付け可能であってもよい。
【0075】
また、
図16A及び
図16Bに示す乗物用シートSEのように、タッチスイッチ126Eを上面に有する操作部材15Eが、上下方向に移動可能に設けられてもよい。
また、
図16A及び
図16Cに示す乗物用シートSFのように、タッチスイッチ126Fを上面に有する操作部材15Fが、回動可能に設けられ折り畳むことができるようにしてもよい。操作部材15Eの位置を変更したり、操作部材15Fを折り畳んだりすることにより、着座者の乗降時に邪魔にならず乗降性を向上させることができる。
【0076】
<<その他実施形態>>
図17に示すように、タッチスイッチ126Gは、乗物用シートSGのシートバック101に設けられたアームレスト108に設けられてもよい。タッチスイッチ126Gは、アームレスト108のシート内側の側面に設けられる。側面にタッチスイッチ126Gを配置することで、アームレスト108の先端を把持しながら、親指でタッチスイッチ126Gをタッチ操作することができる。
【0077】
図18Aに示す車両用シートSHのように、後部座席の左側に配置されたシートバック102Aと右側に配置されたシートバック102Bとの間に設けられたセンタアームレスト108Aの側面にタッチスイッチ126Hが設けられてもよい。センタアームレスト108Aの側面にタッチスイッチ126Hを配置することで、センタアームレスト108Aの先端を把持しながら、親指でタッチスイッチ126Hをタッチ操作することができる。
【0078】
また、
図18Bに示す車両用シートSIのように、センタアームレスト108Bの上面にタッチスイッチ126Iを設けてもよい。上面にタッチスイッチ126Iを設ける場合、センタアームレスト108Bの先端部分に把持検知センサ141Iを設けるのが望ましい。把持検知センサ141Iが、乗員の手指を検知した場合、すなわち乗員がセンタアームレスト108Bの先端を把持したときに、タッチスイッチ126Iを操作可能にする。このように把持検知センサ141Iを制御することで、意図しない誤動作を抑制することができる。
【0079】
図19に示すように、タッチスイッチ162を、車両のルーフ又はBピラーに設けられたグリップ161に設けてもよい。グリップ161に設ける場合、グリップ161を把持したときに親指が当接する位置にタッチスイッチ162を配置するのがよい。
また、ドア開口時には、タッチスイッチ162の制御をロックする、すなわち、ドアが閉じている場合にのみタッチスイッチ162が車載装置13を操作可能にするのが望ましい。
【0080】
図20に示す乗物用シートSJように、ヘッドレスト103の背面に設けられた凹部のテクスチャ142にタッチスイッチ126J1を設けてもよい。タッチスイッチ126J1には、第1センシング部127J1及び第2センシング部128J1が設けられている。
また、シートバック101の背面に設けられた加飾パネル143にタッチスイッチ126J2が設けられてもよい。タッチスイッチ126J2には、第1センシング部127J2及び第2センシング部128J2が設けられている。ヘッドレスト103の背面及びシートバック101の背面にタッチスイッチ126J1、126J2を設けることで、後部座席に着座する乗員が、車載装置13を操作することができる。
【0081】
図21Aに示すドアDAのドアライニング3Aのように、前側部分に円形のスピーカ12Aを備え、円形のスピーカ12Aの周囲に、タッチスイッチ35を設けてもよい。この実施例ではタッチスイッチの第1センシング部37は、スピーカ12Aの上下左右に分散して配置される。上下に配置されたセンサ領域370には、音量を変更可能にする。例えば上側のセンサ領域370をタッチすると、音量が大きくなり、下側のセンサ領域370をタッチすると音量が小さくなる。後方のセンサ領域370をタッチすると次の曲となり、前方のセンサ領域370をタッチすると前の曲に移動するよう設定されてもよい。また、第1センシング部37のセンサ領域370の間の配置された第2センシング部38を用いて巻き戻し・早送りの操作を可能にしてもよい。
【0082】
図21Bに示すドアDBのドアライニング3Bのように、前側部分に四角型のスピーカ12Bを備え、四角型のスピーカ12Bの周囲に、タッチスイッチ35を設けてもよい。この実施例においてタッチスイッチの第1センシング部37は、スピーカ12Bの上辺に配置され、第2センシング部38は、十字キーとしてスピーカの後方側に配置される。タッチされたセンサ領域の動作内容は、ディスプレイ19に表示されてもよい。スピーカの周囲に、オーディオ装置17を操作するタッチスイッチ35を設けることで、乗員は直感的にオーディオ装置17を操作することができる。
【0083】
上記の第二実施形態及びその他の実施形態について付記する。
(付記1)
乗員が着座するシートクッションと、
乗物に備えられた電装部品を操作するタッチスイッチと、を備え、
前記シートクッションは、
前記乗員が着座する際の着座面として形成される着座部と、
シート幅方向において前記着座部の外側側部に配置され、前記着座部の前記着座面より上方に突出する土手部と、を有し、
前記タッチスイッチは、前記土手部において、シート幅方向の外側に配置されることを特徴とする乗物用シート。
(付記2)
前記タッチスイッチは、前記シートクッションの前端から100mm後方の位置に配置されることを特徴とする付記1に記載の乗物用シート。
(付記3)
前記タッチスイッチは、前記土手部において前記土手部の上端よりも下方に配置されることを特徴とする付記1に記載の乗物用シート。
(付記4)
下方に窪む凹部が、前記土手部において、シート幅方向の外側に形成されており、
前記タッチスイッチは、前記凹部内に配置されることを特徴とする付記1に記載の乗物用シート。
(付記5)
前記シートクッションは、前記シートクッションの骨格を形成するシートクッションフレームと、該シートクッションフレームを覆うパッド部と、該パッド部を被覆する表皮材とからなり、
前記タッチスイッチは、前記表皮材と連結して、前記表皮材の表面側に配置されることを特徴とする付記1に記載の乗物用シート。
(付記6)
前記シートクッションは、
前記シートクッションの骨格を形成するシートクッションフレームと、
シート幅方向の外側において、前記シートクッションフレームを被覆するサイドカバー部と、を備え、
前記タッチスイッチは、前記サイドカバー部の上面に配置されることを特徴とする付記1に記載の乗物用シート。
(付記7)
シート幅方向の内側に窪む凹部が、前記サイドカバー部のシート幅方向外側の側部に、形成されており、
前記タッチスイッチは、前記凹部の上方に配置されることを特徴とする付記6に記載の乗物用シート。
(付記8)
前記シートクッションに前記乗員が着座したことを検知する着座検知センサを備え、
前記タッチスイッチは、前記着座検知センサが前記乗員の着座を検知した場合に、前記タッチスイッチによる前記電装部品の操作を可能にすることを特徴とする付記1に記載の乗物用シート。
(付記9)
前記タッチスイッチは、前記乗物用シートの状態の情報を取得可能であり、
前記タッチスイッチは、前記乗物用シートが前記乗員をリラックスさせるリラックス状態である情報を取得した場合に、前記タッチスイッチによる前記電装部品の操作を可能にすることを特徴とする付記1に記載の乗物用シート。
(付記10)
前記タッチスイッチは、前記乗物が自動走行状態の場合、前記タッチスイッチによる前記電装部品の操作を可能にすることを特徴とする付記1に記載の乗物用シート。
(付記11)
シートバックと、前記シートクッションに対して前記シートバックの角度を調整可能にするリクライニング機構とを備え、
前記タッチスイッチが配置される部位は、前記シートクッションに対する角度を変更可能に設けられおり、
前記タッチスイッチが配置される部位は、前記シートバックの角度に応じて、前記シートクッションに対する角度が変更されることを特徴とする付記1に記載の乗物用シート。
(付記12)
前記タッチスイッチは、前記乗員の手指が接触するセンサ面と、前記センサ面において前記乗員の手指を検出するセンシング部とを有し、
前記乗員の手指を検出する前記センシング部の位置又は範囲は、前記センサ面において、を変更可能に構成されていることを特徴とする付記1に記載の乗物用シート。
(付記13)
前記シートクッションのシート幅方向外側の側部において、前記シートクッションに対して上下移動可能又は回動可能に取り付けられ、前記タッチスイッチが設けられた操作部材を備えることを特徴とする付記1に記載の乗物用シート。
(付記14)
前記乗物用シートは、前記タッチスイッチを有し前記シートクッションに対して着脱可能に取り付けられる操作部材を備え、
前記タッチスイッチは無線通信により前記電装品を操作し、
前記操作部材は、前記シートクッションに対して上下方向に引き抜きくことで取り外されることを特徴とする付記1に記載の乗物用シート。
(付記15)
シートバックと、
該シートバックのシート幅方向外側の側部に設けられるアームレストと、
前記アームレストのシート幅方向外側であって、前記シートの内側に位置する側面に設けられたタッチスイッチと、を備えることを特徴とする乗物用シート。
(付記16)
右側に配置された右側シートバックと、
左側に配置される左側シートバックと、
前記右側シートバックと、前記左側シートバックとの間に位置するセンタアームレストと、
前記センタアームレストが前方に倒伏された状態において、前記センタアームレストのシート幅方向外側の側面又は前記センタアームレストの上面に配置されるタッチスイッチと、を備えることを特徴とする乗物用シート。
(付記17)
ルーフ又はBピラーに設けられたグリップと、
前記グリップに設けられ、乗物に備えられた電装部品を操作するタッチスイッチと、を備え、
前記タッチスイッチは、前記乗物のドアが閉じている場合に、前記タッチスイッチによる前記電装部品の操作を可能にすることを特徴とする乗物用内装品。
(付記18)
乗物のドアに設けられたスピーカと、
該スピーカの周囲に設けられ、乗物に備えられた電装部品を操作するタッチスイッチと、を備えることを特徴とする乗物用内装品。
【符号の説明】
【0084】
D 車両用ドア
P ドアパネル
1 ドアライニング
2 窓
5 アッパー部材
6 センタ部材
7 ロア部材
11 ドアハンドル
12 スピーカ
13 車載装置(電装部品)
14 パワーウインドウ装置
15 電動シート装置
15a 前後調節機構
15b 高さ調節機構
15c リクライニング機構
15d シートヒータ
16 カーナビゲーション装置
17 オーディオ装置
18 空調装置
19 ディスプレイ
20 制御装置
30、30B、30C、30D ドアアームレスト
30a ドアアームレスト本体
31 ドアウインドウ開閉スイッチ
32 プルポケット
33 凹部
33a 開口部
33b 底部
33c 立壁部
33d 湾曲面
35 タッチスイッチ
36、36A センシング部
37、37A 第1センシング部
370 センサ領域
371 上側センサ領域
372 下側センサ領域
373 表示部
38、38A 第2センシング部
380 センサ領域
381 上側センサ領域
382 下側センサ領域
383 表示部
40 把持検知センサ
41 手入検知センサ
50A、50B 操作部材
S 車両用シート(乗物用シート)
F シートフレーム
T クッショントリムカバー
Pa パッド
101 シートバック
102 シートクッション
103 ヘッドレスト
104 スライドレール
107 リクライニング機構
108 アームレスト
110 シートバックフレーム
111 バックサイドフレーム
112 アッパフレーム
113 ロアフレーム
115 シートクッションフレーム
116 クッションサイドフレーム
117 前方連結フレーム
118 後方連結フレーム
119 クッションパンフレーム
121 着座部
122 土手部
123 サイドカバー
124 加飾枠部材
125 凹部
126 タッチスイッチ
127 第1センシング部
128 第2センシング部
129 センサ領域
130 凹状部分
140 把持位置検知センサ
141 把持検知センサ
142 テクスチャ
143 加飾パネル
150A~150F、 操作部材
161 グリップ
162 タッチスイッチ