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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-19
(45)【発行日】2024-11-27
(54)【発明の名称】ガラス板梱包体の製造方法及び製造装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20241120BHJP
   H01L 21/673 20060101ALI20241120BHJP
   B65D 85/48 20060101ALI20241120BHJP
【FI】
H01L21/68 A
H01L21/68 U
B65D85/48
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021550628
(86)(22)【出願日】2020-09-18
(86)【国際出願番号】 JP2020035532
(87)【国際公開番号】W WO2021070599
(87)【国際公開日】2021-04-15
【審査請求日】2023-04-04
(31)【優先権主張番号】P 2019187731
(32)【優先日】2019-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000232243
【氏名又は名称】日本電気硝子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100129148
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 淳也
(72)【発明者】
【氏名】大藤 正直
【審査官】鈴木 孝章
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-000940(JP,A)
【文献】特開2010-030744(JP,A)
【文献】特開平10-181872(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
H01L 21/673
B65D 85/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積載装置によってガラス板をパレットに積載することでガラス板梱包体を製造する方法において、
前記パレットの位置を測定装置によって測定する位置測定工程と、
前記位置測定工程において測定された前記パレットの位置情報に基づいて、前記パレットに対する前記ガラス板の積載位置を補正するように、制御装置によって前記積載装置を制御する補正工程と、を備え
前記パレットは、前記ガラス板の主面を支持する支持面と、前記支持面のいずれかの端辺である第一辺と、前記第一辺に交差する第二辺と、を備え、
前記位置測定工程では、前記測定装置は、前記パレットの前記支持面の位置と、前記パレットの前記第一辺の位置と、前記パレットの前記第二辺の位置と、を測定することを特徴とするガラス板梱包体の製造方法。
【請求項2】
前記積載装置は、前記ガラス板を保持する保持部を備え、
前記測定装置は、前記保持部に取り付けられる請求項1に記載のガラス板梱包体の製造方法。
【請求項3】
前記保持部は、矩形状の本体部を備え、
前記本体部は、第一辺と、前記第一辺に対して所定の角度を為す第二辺とを含み、
前記測定装置は、前記本体部の前記第一辺に対応して配置される、第一測定部及び第二測定部と、前記本体部の前記第二辺に対応して配置される第三測定部と、を備え、
前記第一測定部及び前記第二測定部は、前記パレットの前記第一辺の位置を測定し、
前記第三測定部は、前記パレットの前記第二辺の位置を測定する請求項2に記載のガラス板梱包体の製造方法。
【請求項4】
前記測定装置は、前記第二辺に対応して配置される第四測定部を備える請求項3に記載のガラス板梱包体の製造方法。
【請求項5】
前記パレットは、前記ガラス板を縦姿勢で支持するように構成されており、
前記パレットは、前記ガラス板の下端部を支持する底面を備え、
前記測定装置は、前記底面の位置を測定する測定部を備える請求項1から4のいずれか一項に記載のガラス板梱包体の製造方法。
【請求項6】
ガラス板をパレットに積載することでガラス板梱包体を製造する装置において、
前記パレットの位置を測定する測定装置と、
前記パレットに前記ガラス板を積載する積載装置と、
前記測定装置によって測定された前記パレットの位置情報に基づいて、前記パレットに対する前記ガラス板の積載位置を補正するように、前記積載装置を制御する制御装置と、を備え、
前記パレットは、前記ガラス板の主面を支持する支持面と、前記支持面のいずれかの端辺である第一辺と、前記第一辺に交差する第二辺と、を備え、
前記測定装置は、前記パレットの前記支持面の位置と、前記パレットの前記第一辺の位置と、前記パレットの前記第二辺の位置と、を測定することを特徴とするガラス板梱包体の製造装置。
【請求項7】
積載装置によってガラス板をパレットに積載することでガラス板梱包体を製造する方法において、
前記パレットの位置を測定装置によって測定する位置測定工程と、
前記位置測定工程において測定された前記パレットの位置情報に基づいて、前記パレットに対する前記ガラス板の積載位置を補正するように、制御装置によって前記積載装置を制御する補正工程と、を備え、
前記積載装置は、前記ガラス板を保持する保持部を備え、
前記測定装置は、前記保持部に取り付けられ、
前記保持部は、矩形状の本体部を備え、
前記本体部は、第一辺と、前記第一辺に対して所定の角度を為す第二辺とを含み、
前記測定装置は、前記第一辺に対応して配置される、第一測定部及び第二測定部と、前記第二辺に対応して配置される第三測定部及び第四測定部と、を備えることを特徴とする板梱包体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス板をパレットに積載してなるガラス板梱包体を製造する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、ガラス板の保管や輸送に際しては、保護シートとガラス板とを交互に積層してなるガラス板積層体を、パレット上に縦姿勢(略鉛直姿勢)又は横姿勢(略水平姿勢)で積載してガラス板梱包体を構成する場合があり、その作業は、梱包装置により自動化されている。
【0003】
例えば特許文献1には、供給ステーションを有するガラス板供給装置と、ガラス板を載置ステーションに移載する移載装置と、載置ステーションに保護シートを供給する保護シート供給装置と、ガラス板及び保護シートを積載する積載装置と、パレットが配置される積載ステーションを有する梱包パレット装置と、を備えた梱包装置が開示されている。
【0004】
この梱包装置によってガラス板梱包体を製造する方法では、まず、ガラス板供給装置によって供給ステーションに供給されたガラス板を移載装置によって載置ステーションに移載し、当該載置ステーションにおいてガラス板と保護シートとを重ね合わせる。その後、ガラス板と保護シートとを積載装置により載置ステーションから積載ステーションのパレットに積載する。これにより、複数のガラス板及び複数の保護シートがパレット上に交互に積層されてなるガラス板梱包体が形成される。
【0005】
その後、ガラス板梱包体は、積載ステーションから搬出され、積載ステーションには、新たな空のパレットが配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2010-93022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のガラス板梱包体の製造方法では、積載ステーションに空のパレットが配置される場合に、所定の位置からパレットが若干ずれる場合がある。パレットの位置にずれが生じると、当該パレットにガラス板を精度良く積載することができず、位置にずれが生じた状態でガラス板がパレットに積載される。この場合、商品価値が著しく低下するので、パレットからガラス板を取り出し、パレットへのガラス板の積載をやり直すこととなる。その結果、製造効率が著しく低下する。
【0008】
このため、従来では、パレットに対して最初に載置されたガラス板が所定の位置に配置されているか否かを作業者の目視により確認する必要があった。また、ガラス板に位置ずれが生じている場合には、作業者によって積載装置によるガラス板の積載位置やパレットの位置を修正する作業が行われていた。これらの作業は、梱包装置を停止させて行われるため、生産性の低下を招いていた。
【0009】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、パレットに対してガラス板を効率良くかつ精度良く積載することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記の課題を解決するためのものであり、積載装置によってガラス板をパレットに積載することでガラス板梱包体を製造する方法において、前記パレットの位置を測定装置によって測定する位置測定工程と、前記位置測定工程において測定された前記パレットの位置情報に基づいて、前記パレットに対する前記ガラス板の積載位置を補正するように、制御装置によって前記積載装置を制御する補正工程と、を備えることを特徴とする。
【0011】
かかる構成によれば、位置測定工程において、測定装置によってパレットの位置を測定することで、パレットが所期の位置(基準位置)からずれて配置された場合であっても、当該パレットの位置を正確に特定できる。また、補正工程では、位置測定工程によって測定されたパレットの位置情報に基づいて、パレットに対するガラス板の積載位置を補正するように制御装置が積載装置を制御することで、パレットが所期の位置からずれて配置された場合であっても、当該パレットに対して設定される最適な位置にガラス板を積載できる。これにより、従来のように、積載装置を停止させた状態で作業員がガラス板及びパレットの位置を確認・修正する作業を省略できる。以上により、本方法によれば、パレットに対してガラス板を効率良くかつ精度良く積載することが可能になる。
【0012】
前記積載装置は、前記ガラス板を保持する保持部を備え、前記測定装置は前記保持部に取り付けられてもよい。測定装置を積載装置の保持部と一体化することで、設備の簡素化を実現できる。
【0013】
前記保持部は、矩形状の本体部を備え、前記本体部は、第一辺と、前記第一辺に対して所定の角度を為す第二辺とを含み、前記測定装置は、前記第一辺に対応して配置される、第一測定部及び第二測定部と、前記第二辺に対応して配置される第三測定部と、を備えてもよい。これにより、水平方向におけるパレットの位置やパレットの水平度等の位置情報を精度良く測定できる。
【0014】
前記測定装置は、前記第二辺に対応して配置される第四測定部を備えてもよい。これにより、パレットの位置を効率よく測定できる。
【0015】
本方法において、前記パレットは、前記ガラス板を縦姿勢で支持するように構成されており、前記パレットは、前記ガラス板の下端部を支持する底面を備え、前記測定装置は、前記底面の位置を測定する測定部を備えてもよい。測定装置の測定部によってパレットの底面の位置を測定することで、ガラス板をこの底面に対して効率良くかつ精度良く載置することが可能となる。
【0016】
本発明は上記の課題を解決するためのものであり、ガラス板をパレットに積載することでガラス板梱包体を製造する装置において、前記パレットの位置を測定する測定装置と、前記パレットに前記ガラス板を積載する積載装置と、前記測定装置によって測定された前記パレットの位置情報に基づいて、前記パレットに対する前記ガラス板の積載位置を補正するように前記積載装置を制御する制御装置と、を備えることを特徴とする。
【0017】
かかる構成によれば、測定装置によってパレットの位置を測定することで、パレットが所期の位置(基準位置)からずれて配置された場合であっても、当該パレットの位置を正確に特定できる。また、測定装置によって測定されたパレットの位置情報に基づいて、パレットに対するガラス板の積載位置を補正するように積載装置を制御装置によって制御することで、パレットが所期の位置からずれて配置された場合であっても、当該パレットに対して設定される最適な位置にガラス板を積載できる。これにより、従来のように、積載装置を停止させた状態で作業員がガラス板及びパレットの位置を確認・修正する作業を省略できる。以上により、本装置によれば、パレットに対してガラス板を効率良くかつ精度良く積載することが可能になる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、パレットに対してガラス板を効率良くかつ精度良く積載できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第一実施形態におけるガラス板梱包体の製造装置の平面図である。
図2】ガラス板梱包体の製造装置の側面図である。
図3】積載装置に係る保持部の平面図である。
図4】制御装置の機能ブロック図である。
図5】ガラス板梱包体の製造方法を示すフローチャートである。
図6】移載工程における移載装置の側面図である。
図7】移載工程におけるガラス板及び保護シートの斜視図である。
図8】積載工程の位置測定工程における積載装置の側面図である。
図9】積載工程の位置測定工程における積載装置の平面図である。
図10】積載工程の位置測定工程における積載装置の平面図である。
図11】積載工程の位置測定工程における積載装置の平面図である。
図12】積載工程における積載装置の側面図である。
図13】第二実施形態における測定装置の斜視図である。
図14】第三実施形態に係る積載装置及びパレットの側面図である。
図15】積載装置及びパレットの正面図である。
図16】積載工程の位置測定工程における積載装置及びパレットの正面図である。
図17】積載工程の位置測定工程における積載装置及びパレットの正面図である。
図18】積載工程の位置測定工程における積載装置及びパレットの正面図である。
図19】積載工程における積載装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。図1乃至図12は、本発明に係るガラス板梱包体の製造方法及び製造装置の第一実施形態を示す。
【0021】
本発明に係る製造装置は、パレットPに複数のガラス板Gと保護シートPSとを交互に積層することによりガラス板梱包体PBを形成する。梱包されるガラス板Gは、長方形状に構成されるが、当該ガラス板Gの形状は本実施形態に限定されるものではない。ガラス板Gは、表裏の関係にある第一主面Ga及び第二主面Gbと、第一主面Ga及び第二主面Gbを繋ぐ端面Gcとを有する。
【0022】
パレットPは、平面視において矩形状(例えば長方形状)に構成される。パレットPは、第一辺Paと、第一辺Paに対して直角を為す第二辺Pb及び第三辺Pcと、第一辺Paと平行な第四辺Pdとを含む。また、パレットPは、金属製の基部BAと、基部BAの上面に設けられる緩衝部材BMとを備える。
【0023】
図1及び図2に示すように、製造装置1は、ガラス板Gを搬送する搬送ライン2と、当該搬送ライン2により搬送されるガラス板GをパレットPに積載してガラス板梱包体PBを形成する梱包ライン3と、を備える。
【0024】
搬送ライン2は、ガラス板Gを搬送するコンベア4を備える。コンベア4は、ガラス板Gを取り出すことが可能な供給ステーション5を備える。
【0025】
コンベア4は、浮上式コンベアやローラコンベアその他の各種コンベアにより構成される。浮上式コンベアは、例えばエアの噴出によってガラス板Gを浮上させた状態にするエアフロート等の浮上部と、ガラス板Gの端部と接触してガラス板Gを送るローラ等の送り部とを有する。コンベア4は、複数のガラス板Gを一列に整列させて搬送する。
【0026】
搬送ライン2では、ガラス板Gに対する検査が実施される。検査済みのガラス板Gは、梱包ライン3において、パレットPに積載される。
【0027】
梱包ライン3は、ガラス板Gを搬送ライン2から取り出す移載装置6と、保護シートPSを供給する保護シート供給装置7と、ガラス板G及び保護シートPSをパレットPに積載する積載装置8と、各装置6~8の制御を実行する制御装置9と、を備える。
【0028】
移載装置6は、基台10と、当該基台10を直線往復動可能に案内するガイドレール11と、当該基台10上に配設されるロボットアーム12と、を備える。
【0029】
ロボットアーム12は多関節構造を有し、その先端部にガラス板Gを保持する保持部13を備える。保持部13は、本体部14と、当該本体部14に設けられる複数の吸着パッド15とを備える。本体部14は、間隔をおいて平行に構成される複数の柱状部16を備える。柱状部16は、中空状に構成されるとともに、各々が複数の吸着パッド15を備えている。
【0030】
ロボットアーム12は、保持部13により保持したガラス板Gを搬送ライン2の供給ステーション5から保護シート供給装置7における保護シートPSの供給位置へと移載する。その際、ロボットアーム12は、ガラス板Gの第一主面Gaと第二主面Gbとの上下の向きを逆にする動作(反転動作)及び、当該ガラス板Gの向きを変更する動作(回転動作)を行うことができる。なお、供給ステーション5は、図2に示すように、ガラス板Gの下方において、移載装置6の吸着パッド15及び柱状部16を挿入することが可能な構造を有する。
【0031】
保護シート供給装置7は、原反ロールRから帯状シートを引き出すとともに、当該帯状シートを所定寸法に切断することで、枚葉状の保護シートPSを形成する。保護シート供給装置7は、保護シートPSの供給位置となると共に移載装置6によって移送されるガラス板Gの載置位置となる載置ステーション17と、帯状シートを切断するカッタ(例えばロータリ式カッタやギロチン式カッタ等)とを備える。なお、保護シートPSとしては、例えばガラス合紙が使用されるが、当該保護シートPSの材質及び構造は、本実施形態の態様に限定されるものではない。
【0032】
図1及び図2に示すように、積載装置8は、基台18と、当該基台18を直線往復動可能に案内するガイドレール19と、当該基台18上に配置されるロボットアーム20と、を備える。ロボットアーム20は多関節構造を有し、その先端部にガラス板Gおよび保護シートPSを共に保持するための保持部21を備える。
【0033】
図1乃至図3に示すように、保持部21は、矩形状の本体部22を備える。本体部22は、格子状に構成される枠体により構成される。本体部22は、第一辺22aと、当該第一辺22aに対して所定の角度(例えば90°)を為す第二辺22b及び第三辺22cと、第一辺22aと平行な第四辺22dとを含む。
【0034】
本体部22は、ガラス板Gを保持する複数の吸着パッド23と、保護シートPSを保持するクランプ部24と、パレットPの位置を測定する測定装置25とを備える。
【0035】
各吸着パッド23は、本体部22の一方の面に所定間隔で設けられており、保護シートPSに重ねられたガラス板Gの表面(例えば第二主面Gb)に吸着する。クランプ部24は、載置ステーション17に載置された保護シートPSの縁部を把持することで、当該保護シートPSを保持する。クランプ部24は、本体部22に固定される支持フレーム26に支持されている。
【0036】
図2及び図3に示すように、測定装置25は、本体部22に取り付けられており、当該本体部22の第一辺22aに対応して配置される、第一測定部25a及び第二測定部25bと、本体部22の第二辺22bに対応して配置される第三測定部25c及び第四測定部25dと、を備える。
【0037】
第一測定部25a及び第二測定部25bは、本体部22の第一辺22aに沿って所定の間隔をおいて配置されている。第三測定部25c及び第四測定部25dは本体部22の第二辺22bに沿って所定の間隔をおいて配置されている。各測定部25a~25dは、レーザセンサにより構成されるが、この構成に限定されず、カメラその他の機器によりに構成されてもよい。
【0038】
制御装置9は、例えばCPU、ROM、RAM、HDD、モニタ、入出力インターフェース等の各種ハードウェアを実装するコンピュータ(制御盤、PC等)を含む。図4に示すように、制御装置9は、各種の演算を実行する演算処理部27と、各種のデータを格納する記憶部28と、移載装置6、保護シート供給装置7及び積載装置8等との通信を実行する通信部29とを備える。これらの構成要素27~29は、バスにより相互に接続されている。
【0039】
演算処理部27は、移載装置6によるガラス板Gの移載動作、保護シート供給装置7による保護シートPSの供給動作、積載装置8によるガラス板Gの積載動作、測定装置25によるパレットPの位置測定の制御に係る演算処理を実行する。
【0040】
記憶部28は、演算処理部27による制御に必要なデータ及びプログラムを格納する。例えば、記憶部28は、移載装置6、保護シート供給装置7及び積載装置8に係る制御プログラム、測定装置25によって測定されたパレットPの位置データ、パレットPの基準位置に係るデータ等を保存する。記憶部28は、移載装置6のロボットアーム12、積載装置8のロボットアーム20の動作に係る三次元座標系(XYZ直交座標系)の座標データを保存する。記憶部28に保存されているパレットPの基準位置は、この三次元座標系において設定されている。
【0041】
通信部29は、移載装置6、保護シート供給装置7及び積載装置8に対して通信可能に接続されている。通信部29は、演算処理部27によって処理された制御信号を、各装置6~8に送信する。通信部29は、積載装置8のロボットアーム20及び測定装置25に対して通信可能に接続されている。
【0042】
以下、上記構成の製造装置1を使用してガラス板梱包体PBを製造する方法について説明する。
【0043】
図5に示すように、本方法は、ガラス板搬送工程S1と、移載工程S2と、積載工程S3と、梱包体搬送工程S4と、を備える。
【0044】
ガラス板搬送工程S1において、ガラス板Gは搬送ライン2のコンベア4によって搬送されつつ、所定の検査を受ける。なお、本実施形態では、ガラス板Gは、第一主面Gaが品質保証面(製品面)とされており、ガラス板搬送工程S1では、当該第一主面Gaが上方に面した状態で搬送される。
【0045】
ガラス板Gは、コンベア4によって搬送される過程で、その表面(第一主面Ga)及び内部の欠陥の位置及び数が検出される。ガラス板搬送工程S1において、コンベア4は、供給ステーション5に検査後のガラス板Gを配置する。
【0046】
移載工程S2では、保護シート供給装置7の載置ステーション17に保護シートPSが供給される。その後、移載装置6は、供給ステーション5に配置されているガラス板Gを保持部13により保持し、載置ステーション17へと移載する。
【0047】
具体的には、図6に示すように、移載装置6は、供給ステーション5に配置されているガラス板Gの下方に保持部13を配置するとともに、当該保持部13の吸着パッド15によって当該ガラス板Gの下面(第二主面Gb)を吸着する。その後、移載装置6は、ロボットアーム12を動作させてガラス板Gを反転させ、かつ当該ガラス板Gの向きを変更して載置ステーション17に移動させる。
【0048】
図1及び図7に示すように、コンベア4によって搬送されるガラス板Gは、その長辺が搬送方向に沿うように供給ステーション5に配置されるが、載置ステーション17に移載されると、その長辺が当該搬送方向に直交する方向に沿うように配置される。また、載置ステーション17に載置されたガラス板Gは、移載工程S2におけるロボットアーム12の反転動作により、第二主面Gbが上方を向き、第一主面Gaが下方を向いた状態となる。したがって、載置ステーション17において保護シートPSに重ねられたガラス板Gは、第一主面Gaが当該保護シートPSに接触した状態となる。
【0049】
積載工程S3では、ガラス板GをパレットPに積載する前に、パレットPの位置を測定し、当該パレットPに載置されるガラス板Gの位置を調整する準備工程が実行される。準備工程は、パレットPの位置を測定する位置測定工程と、当該位置測定工程において測定されたパレットPの位置に基づいて、当該パレットPに対するガラス板Gの積載位置を補正する補正工程と、を備える。
【0050】
図8に示すように、位置測定工程において、制御装置9は積載装置8のロボットアーム20を駆動し、その本体部22をパレットPに移動させる。本体部22は、ガラス板G及び保護シートPSを保持しない状態で、パレットPの上方の測定基準位置に配置される。本体部22が測定基準位置に配置された状態では、測定装置25の各測定部25a~25dは、平面視において、パレットPの第一辺Pa乃至第四辺Pdによって区画される四角形の内側に位置する。
【0051】
測定基準位置に本体部22が到達すると、制御装置9は、ロボットアーム20を制御し、本体部22を測定基準位置から移動させて、測定装置25によるパレットPの位置の測定を開始する。
【0052】
位置測定工程では、ロボットアーム20が本体部22を上下動させることで、測定装置25の各測定部25a~25dは、パレットPの上面(緩衝部材BMの上面)との上下方向(Z軸方向)における距離の変化を測定する(図8参照)。
【0053】
図9及び図10に示すように、位置測定工程において、ロボットアーム20は、測定基準位置から本体部22を水平方向に移動させ、水平方向におけるパレットPの位置を測定する。
【0054】
具体的には、図9に示すように、本体部22が水平方向(X軸方向)に移動することで、第一測定部25a及び第二測定部25bは、平面視において、パレットPの各辺Pa~Pdによって構成される四角形の内側から外側へと移動する。この際、第一測定部25a及び第二測定部25bは、パレットPの第一辺Paの上方を通過し、当該第一辺Paを検出する。
【0055】
また、図10に示すように、本体部22が水平方向(Y軸方向)に移動することで、第三測定部25c及び第四測定部25dは、平面視において、パレットPの各辺Pa~Pdによって構成される四角形の内側から外側へと移動する。この際、第三測定部25c及び第四測定部25dは、パレットPの第二辺Pbの上方を通過し、当該第二辺Pbを検出する。
【0056】
図11に示すように、ロボットアーム20は、その手首関節の動作により、測定基準位置にある本体部22を鉛直方向(Z軸方向)に沿う回転軸Oまわりに回転させる。これにより、第二測定部25b及び第三測定部25cは、回転軸Oまわりの回転動作に係るパレットPの第一辺Pa及び第二辺Pbの位置を検出する。
【0057】
各測定部25a~25dは、測定したパレットPの位置情報(測定データ)を制御装置9に送信する。制御装置9は、通信部29が測定部25a~25dからの測定データを受信すると、演算処理部27による補正工程を開始する。
【0058】
補正工程において、制御装置9の演算処理部27は、上下方向における各測定部25a~25dとパレットPの上面との距離に係るデータから、水平方向に対する当該上面の傾斜角度(水平度)を算出する。演算処理部27は、各測定部25a~25dが水平方向に移動した場合、及び回転軸Oまわりに回転した場合におけるパレットPの第一辺Pa及び第二辺Pbの位置情報(各測定部25a~25dの移動距離)と、記憶部28に保存されている基準位置のデータとに基づいて、パレットPの基準位置とのずれ量を算出する。
【0059】
すなわち、演算処理部27は、本体部22(測定装置25)を水平方向に移動させた場合における測定値と基準位置に係る値との差により、基準位置からのパレットPの水平方向における位置ずれ量を算出できる。また、演算処理部27は、本体部22(測定装置25)を回転軸Oまわりに回転させた場合における測定値と、記憶部28に保存されている基準位置に係る値との差により、当該回転軸OまわりのパレットPの位置ずれ量(傾斜ずれ量)を算出できる。
【0060】
演算処理部27は、算出したパレットPの位置ずれ量に基づいて、パレットPに対するガラス板Gの積載位置のデータを補正する。制御装置9は、補正後の積載位置にガラス板Gが搬送されるように、ロボットアーム20に制御信号を送信する。
【0061】
その後、図12に示すように、積載装置8は、ロボットアーム20の保持部21によって載置ステーション17に載置されているガラス板G及び保護シートPSを保持し、積載ステーション30へと移送する。
【0062】
具体的には、積載装置8は、ロボットアーム20の動作により、保持部21を載置ステーション17の上方に配置した後、当該保持部21を下降させて、吸着パッド23によりガラス板Gの第二主面Gbを吸着させる。さらに、積載装置8は、保持部21のクランプ部24に保護シートPSの縁部を把持させる。これにより、載置ステーション17上で重ね合わされているガラス板G及び保護シートPSは、保持部21に保持される。
【0063】
その後、積載装置8は、ロボットアーム20を駆動して、保持部21を積載ステーション30へと移動させる。この際、ロボットアーム20は、その手首関節等の動作により、保持部21に保持されているガラス板G及び保護シートPSの向きを変更する。図12において二点鎖線で示すように、積載装置8は、保持部21をパレットPの上方に配置する。このとき、ロボットアーム20は、制御装置9から受信した補正後の位置情報に基づいて本体部22を配置する。その後、ロボットアーム20は、当該保持部21を下降させて当該パレットPに接近させる。
【0064】
その後、積載装置8は、保持部21における吸着パッド23によるガラス板Gの吸着及びクランプ部24による保護シートPSの把持を解除する。これにより、一枚目のガラス板Gが保護シートPSとともにパレットPの緩衝部材BMの上面に載置される。
【0065】
パレットPに載置されたガラス板Gは、載置ステーション17に載置されていた場合と比較して、その向きが平面視において90°回転した状態となる。
【0066】
その後、ロボットアーム20は、載置ステーション17に載置されている二枚目のガラス板G及び保護シートPSを保持し、この二枚目のガラス板Gを、パレットPに載置されている一枚目のガラス板Gに積載する。所定数のガラス板GがパレットPに積載されると、積載工程S3が終了し、パレットPに複数のガラス板G及び保護シートPSが交互に積層してなるガラス板梱包体PBが形成される。
【0067】
梱包体搬送工程S4において、ガラス板梱包体PBは、図示しない梱包体搬送路を通じて外部に搬出される。ガラス板梱包体PBは、ハンドリフタ、フォークリフト、自動搬送車(AGV)等の搬送手段を用いて搬出される。
【0068】
ガラス板梱包体PBが搬出された積載ステーション30には、新たな空のパレットPが搬入される(パレット供給工程)。積載ステーション30に供給された新たな空のパレットPは、次回の位置測定工程において、測定装置25によって測定される。
【0069】
以上説明した本実施形態に係るガラス板梱包体PBの製造装置1及び製造方法によれば、積載工程S3の位置測定工程において、測定装置25によりパレットPの位置を測定することで、パレットPが基準位置からずれて配置された場合であっても、当該パレットPの位置を正確に特定できる。
【0070】
また、積載工程S3に係る補正工程では、位置測定工程(測定装置25)によって測定されたパレットPの位置情報に基づいて、パレットPに対するガラス板Gの積載位置を補正するように制御装置9が積載装置8を制御する。このため、パレットPが基準位置からずれて配置された場合であっても、当該パレットPに対して設定される最適な位置にガラス板Gを積載できる。これにより、従来のように、積載装置8を停止させた状態で作業員がパレットPの位置を確認・修正する作業を省略できる。したがって、本発明によれば、パレットPに対してガラス板Gを効率良くかつ精度良く積載することが可能になる。
【0071】
図13は、本発明に係るガラス板梱包体の製造方法及び製造装置の第二実施形態を示す。本実施形態では、測定装置及び積載工程の態様が第一実施形態と異なる。
【0072】
本実施形態に係るガラス板梱包体の製造装置では、積載装置8の保持部21に測定装置25が設けられていない。本実施形態において、測定装置25は、積載装置8から独立して積載ステーション30に配備されている。測定装置25の構成を除き、第二実施形態に係る製造装置は、第一実施形態と同様に、搬送ライン2、及び梱包ライン3を備える。
【0073】
図13に示すように、測定装置25は、第一測定部25a、第二測定部25b及び第三測定部25cを含む。各測定部25a~25cは、移動機構によって三次元的に移動可能に構成されている。各測定部25a~25cは、パレットPから離れた待機位置(二点鎖線で示す位置)と、パレットPの位置を測定可能な測定位置(実線で示す位置)とに移動できる。各測定部25a~25cは、カメラにより構成されるが、レーザセンサその他の機器により構成されてもよい。各測定部25a~25cは、制御装置9に通信可能に接続されている。
【0074】
第一測定部25aは、その測定位置において、パレットPの第一辺Paの画像を撮影する。第二測定部25bは、その測定位置において、パレットPにおける第二辺Pbの画像を撮影する。第三測定部25cは、その測定位置において、パレットPにおける第四辺Pdの画像を撮影する。
【0075】
本実施形態に係るガラス板梱包体PBの製造方法では、積載工程S3において、各測定部25a~25cは、制御装置9からの制御信号を受け、待機位置から測定位置へと移動する。各測定部25a~25cは、測定位置において、パレットPの位置(第一辺Pa、第二辺Pb及び第四辺Pdの位置)を測定(撮像)する。各測定部25a~25cにより撮像された画像データは、制御装置9に送信される。測定が終了すると、各測定部25a~25cは、測定位置から待機位置へと移動する。
【0076】
制御装置9の演算処理部27は、各測定部25a~25cから受信した画像データに対する画像処理により、パレットPの位置を特定する。演算処理部27は、測定したパレットPに係る位置情報と、基準位置に係る値と比較し、当該基準位置に対するパレットPの位置ずれ量を算出する。
【0077】
制御装置9は、パレットPの基準位置からのずれ量に基づいて、積載装置8のロボットアーム20によるガラス板Gの積載位置のデータを補正する。制御装置9は、補正された位置データに係る制御信号をロボットアーム20に送信する。ロボットアーム20は、制御装置9から受信した補正後の位置データに基づいて、保持したガラス板G及び保護シートPSをパレットPに積載する。
【0078】
図14乃至図19は、本発明に係るガラス板梱包体の製造方法及び製造装置の第三実施形態を示す。本実施形態では、パレット、測定装置及び積載工程の態様が第一実施形態と異なる。
【0079】
本実施形態に係るガラス板梱包体は、ガラス板Gを縦姿勢でパレットPに積載することにより製造される。パレットPは、縦姿勢にあるガラス板Gの表面(第一主面Ga)を支持する側面SSと、ガラス板Gの下端部を支持する底面BS1,BS2とを有する。
【0080】
図14に示すように、パレットPの側面SSは、鉛直方向(Z軸方向)に対して所定の角度(例えば1°~60°)で傾斜している。図15に示すように、側面SSは、例えば矩形状に構成されるが、この形状に限定されない。側面SSは、第一辺SSaと、第一辺SSaと直交する第二辺SSb及び第三辺SScと、第一辺SSaと略平行となる第四辺SSdと、を有する。
【0081】
パレットPの底面BS1,BS2は、水平方向(Y軸方向)に対して所定の角度で傾斜している。底面BS1,BS2は、所定の間隔をおいて設けられる第一底面BS1と第二底面BS2とを含む。各底面BS1,BS2と側面SSとが為す角度は、約90°とされているが、この態様に限定されない。
【0082】
積載装置8の測定装置25は、パレットPの側面SSの位置を測定する第一測定部25a乃至第四測定部25dと、パレットPの底面BS1,BS2の位置を測定する第五測定部25eと、を備える。第一測定部25a乃至第四測定部25dの構成は、第一実施形態と同じである。
【0083】
第五測定部25eは、例えばレーザセンサにより構成されるが、この構成に限定されるものではない。第五測定部25eは、第一底面BS1の位置と第二底面BS2の位置とを測定するように、二個の測定部により構成されるが、第五測定部25eの数は本実施形態に限定されない。第五測定部25eは、保持部21に係る支持フレーム26の下部に固定されている。これに限らず、第五測定部25eは、例えば保持部21に係る本体部22の第三辺22cに固定されてもよい。
【0084】
以下、本実施形態に係るガラス板梱包体の製造方法における積載工程S3について説明する。準備工程の位置測定工程において、制御装置9は、ロボットアーム20を制御し、ガラス板Gを保持していない保持部21を図14及び図15に示す第一の測定基準位置に配置する。この場合において、測定装置25の第三測定部25c及び第四測定部25dは、パレットPの側面SSの第二辺SSbよりも上方に位置する。また、図14に示すように、第一の測定基準位置にある保持部21は、側面SSと平行となるように、この側面SSの傾斜角度と同じ角度で傾斜した状態となる。
【0085】
次に、制御装置9は、ロボットアーム20を制御し、保持部21を第一の測定基準位置から移動させて、測定装置25によるパレットPの位置の測定を開始する。図16に示すように、保持部21の本体部22は、第一の測定基準位置(二点鎖線で示す位置)から、この第一の測定基準位置よりも下方に設定される第二の測定基準位置(実線で示す位置)へと移動する。保持部21は、パレットPの側面SSの傾斜方向と略平行な方向に沿って下方に移動する。換言すると、保持部21は、パレットPの底面BS1,BS2と略直交する方向に沿って下方に移動する。
【0086】
保持部21が移動する間に、測定装置25の第三測定部25c及び第四測定部25dは、パレットPの側面SSの第二辺SSbを検出する。また、測定装置25は、この移動の間に、第五測定部25eによる底面BS1,BS2の位置の測定を実行する。二個の第五測定部25eは、第一底面BS1との距離の変化、及び第二底面BS2との距離の変化を測定する。これに伴い、二個の第五測定部25eにより、パレットPの底面BS1,BS2の高さ(Z軸方向の位置)を測定することができる。また、X軸方向に対する底面BS1,BS2の傾き(第一底面BS1の高さと第二底面BS2の高さの差)を測定することができる。
【0087】
図17に示すように、保持部21が第二の測定基準位置に配置されると、ロボットアーム20は、この保持部21を水平方向(X軸方向)に沿って移動させる。測定装置25の第一測定部25a及び第二測定部25bは、正面視において、パレットPの側面SSに係る各辺SSa~SSdによって構成される四角形の内側から、外側へと移動する。この際、第一測定部25a及び第二測定部25bは、側面SSの第一辺SSaを検出する。また、第五測定部25eは、パレットPの底面BS1,BS2の水平方向(X軸方向)の位置を検出する。その後、ロボットアーム20は、保持部21を第二の測定基準位置へと移動させる。
【0088】
なお、図18に示すように、ロボットアーム20は、その手首関節の動作により、第二の測定基準位置にある本体部22をその回転軸Oまわりに回転させてもよい。この回転動作によって、測定装置25の第二測定部25b及び第三測定部25cは、パレットPの側面SSにおける第一辺SSa及び第二辺SSbを検出できる。
【0089】
また、ロボットアーム20は、第二の基準位置にある保持部21(本体部22)を、パレットPの側面SSに対して略直交する方向(Y軸方向)に沿って移動(接近・離反)させてもよい。この保持部21の移動により、測定装置25の第一測定部25a乃至第四測定部25dは、側面SSとの距離の変化を測定する。また、この移動の際、第五測定部25eは、パレットPの底面BS1,BS2の略直交方向(Y軸方向)の位置を検出してもよく、略直交方向(Y軸方向)に対する底面BS1,BS2の傾きを測定してもよい。
【0090】
各測定部25a~25eは、測定したパレットP(側面SS及び底面BS1,BS2)の位置情報(測定データ)を制御装置9に送信する。制御装置9は、通信部29が測定部25a~25eからの測定データを受信すると、演算処理部27による補正工程を開始する。
【0091】
補正工程において、演算処理部27は、第一測定部25a乃至第四測定部25dとパレットPの側面SSとの距離に係るデータから、側面SSの傾斜角度を算出する。また、演算処理部27は、測定された側面SSの第一辺SSa及び第二辺SSbの位置情報と、記憶部28に保存されている基準位置のデータとに基づいて、パレットPの基準位置とのずれ量を算出する。
【0092】
演算処理部27は、第五測定部25eによって検出されたパレットPの底面BS1,BS2の位置情報(X軸方向~Z軸方向の位置と傾き)に係るデータと、記憶部28に保存されている基準位置のデータとに基づいて、パレットPの基準位置とのずれ量を算出する。
【0093】
演算処理部27は、本体部22(測定装置25)を回転軸Oまわりに回転させた場合における測定値と、記憶部28に保存されている基準位置に係る値との差により、当該回転軸Oまわりの側面SSの位置ずれ量を算出する。
【0094】
演算処理部27は、算出したパレットPの位置ずれ量に基づいて、パレットPに対するガラス板Gの積載位置のデータを補正する。制御装置9は、補正後の積載位置にガラス板Gが搬送されるように、ロボットアーム20に制御信号を送信する。
【0095】
その後、積載装置8は、ロボットアーム20の保持部21によって載置ステーション17に載置されているガラス板G及び保護シートPSを保持し、積載ステーション30へと移送する。ロボットアーム20は、図19において二点鎖線で示すように、保持部21に保持されているガラス板G及び保護シートPSをパレットPに載置する。この場合において、ガラス板Gの第一主面Gaは、パレットPの側面SSに支持される。また、ガラス板Gの下端部は、底面BS1,BS2に支持される。その後、積載装置8は、二枚目以降のガラス板Gを保護シートPSとともにパレットPに積載する。
【0096】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0097】
第一実施形態に係る積載装置8は、第一測定部25a乃至第四測定部25dからなる測定装置25を備えていたが、本発明はこの構成に限定されるものではない。例えば、第一測定部25a乃至第四測定部25dのうち、一つの測定部を省略して測定装置25を構成してもよい。
【0098】
また、追加の測定部を測定装置25に設け、第一実施形態よりも多い測定部(五個以上)、第二実施形態よりも多い測定部(四個以上)を有する測定装置25を使用してもよい。
【0099】
また、第一実施形態の補正工程において、制御装置9の演算処理部27は、上下方向における各測定部25a~25dとパレットPの上面との距離に係るデータから、傾斜角度(水平度)を算出し、本体部22(測定装置25)を水平方向に移動させた場合における測定値と基準位置に係る値との差により、基準位置からのパレットPの水平方向における位置ずれ量を算出し、本体部22(測定装置25)を回転軸Oまわりに回転させた場合における測定値と、記憶部28に保存されている基準位置に係る値との差により、当該回転軸OまわりのパレットPの位置ずれ量(傾斜ずれ量)を算出するが、本発明はこの構成に限定されるものではない。例えば、傾斜角度(水平度)や回転軸OまわりのパレットPの位置ずれ量(傾斜ずれ量)の算出及び/又は補正を省略してもよい。また、本体部22(測定装置25)を回転軸Oまわりに回転させながらの測定を省略し、本体部22(測定装置25)を水平方向に移動させた場合における測定値から回転軸OまわりのパレットPの位置ずれ量(傾斜ずれ量)を算出してもよい。傾斜角度(水平度)は、本体部22を上下動させることなく、測定装置25の各測定部25a~25dにパレットPの上面(緩衝部材BMの上面)との上下方向(Z軸方向)における距離を測定させ、その結果から算出してもよい。
【0100】
第一実施形態及び第二実施形態では、積載装置8がガラス板G及び保護シートPSを同時にパレットPに積載するが、本発明はこの構成に限定されるものではない。例えば、積載装置8がガラス板Gと、保護シートPSを順にパレットPに積載してもよい。或いは、積載装置8は、ガラス板Gを積載する第一積載装置と、保護シートPSを積載する第二積載装置とを備えてもよい。
【0101】
第三実施形態では、パレットPの側面SS及び底面BS1,BS2のずれ量を算出したが、いずれか一方のみを算出してもよい。底面BS1,BS2のずれ量は、X軸方向~Z軸方向の位置、並びに、X軸方向及びY軸方向に対する傾きのうちから適宜選択して測定してもよく、換言すると、一部の測定を省略してもよい。例えば、ガラス板のY軸方向の位置ずれがある程度許容されている場合であれば、Y軸方向の位置とY軸方向に対する傾きの測定は、省略してもよい。
【符号の説明】
【0102】
1 ガラス板梱包体の製造装置
8 積載装置
9 制御装置
21 保持部
22 本体部
22a 本体部の第一辺
22b 本体部の第二辺
25 測定装置
25a 第一測定部
25b 第二測定部
25c 第三測定部
25d 第四測定部
25e 第五測定部
BS1 第一底面
BS2 第二底面
G ガラス板
P パレット
PB ガラス板梱包体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19