(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-19
(45)【発行日】2024-11-27
(54)【発明の名称】エネルギー管理システム、エネルギー管理装置、エネルギー管理方法、及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
H02J 13/00 20060101AFI20241120BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20241120BHJP
【FI】
H02J13/00 311T
H02J13/00 311U
H02J13/00 301A
H02J3/38 130
(21)【出願番号】P 2020008999
(22)【出願日】2020-01-23
【審査請求日】2022-11-18
【審判番号】
【審判請求日】2024-04-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000003687
【氏名又は名称】東京電力ホールディングス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391017849
【氏名又は名称】山梨県
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】矢田部 隆志
(72)【発明者】
【氏名】坂本 正樹
【合議体】
【審判長】高野 洋
【審判官】土居 仁士
【審判官】衣鳩 文彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-107981(JP,A)
【文献】特開2019-193557(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25B 1/00 - 9/77
C25B13/00 - 15/08
H01M 8/04 - 8/0668
H02J 3/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
H02J13/00 - 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配電線に接続された再生可能エネルギーによって発電するシステムと、水電解装置とを含むエネルギー管理システムであって、
前記配電線は、前記システムと前記配電線とが接続される第1接続箇所と、前記システムが発電しているときに前記第1接続箇所から前記配電線に電力が供給されて逆潮流が生じる場合において前記第1接続箇所よりも逆潮流方向に位置し、前記水電解装置が接続される第2接続箇所との間を接続する第1区間、および前記第2接続箇所よりもさらに逆潮流方向に位置する第2区間を含んで構成され、
前記第2区間に供給される電力である配電電力を監視する監視部と、
前記第2区間の前記配電線に供給
可能な電力の
上限値である閾値と、前記配電電力とに基づいて、
前記第2接続箇所に接続された前記水電解装置
が今後消費
すべき電力を算出する算出部と、
前記算出部が算出した前記
今後消費
すべき電力に基づいて、
前記第2接続箇所に接続された前記水電解装置
が今後消費
すべき電力を設定するため
の制御情報を作成する作成部と
を備
える、エネルギー管理システム。
【請求項2】
前記算出部は、前記配電電力から、電力の前記閾値を減算することによって、前記水電解装置
が今後消費すべき電力を算出する、請求項1に記載のエネルギー管理システム。
【請求項3】
前記監視部は、再生可能エネルギーによって発電するシステムの識別情報と水電解装置の識別情報とを関連付けて記憶する記憶部から取得される、再生可能エネルギーによって発電するシステムの識別情報と水電解装置の識別情報とのペアリングに基づいて
、水電解装置の前記識別情報に該当する水電解装置
が接続される第2接続箇所
よりもさらに逆潮流方向に位置する第2区間に供給される前記配電電力を監視し、
前記作成部は、前記ペアリングに含まれる水電解装置の前記識別情報に該当する水電解装置を宛先とする制御情報を作成する、請求項1又は請求項2に記載のエネルギー管理システム。
【請求項4】
前記配電電力を推定する推定部
をさらに備え、
前記監視部は、前記推定部が推定した前記配電電力を監視する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のエネルギー管理システム。
【請求項5】
前記算出部が算出した前記
今後消費
すべき電力が、前記水電解装置で消費可能な電力を超えるか否かを判定する判定部
をさらに備え、
前記作成部は、前記判定部が判定した結果に基づいて、前記再生可能エネルギーによって発電するシステムの出力を制限するための制限指令値を導出し、導出した制限指令値を含む前記再生可能エネルギーによって発電するシステムによって供給される電力を制限するための制御情報を作成する、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のエネルギー管理システム。
【請求項6】
再生可能エネルギーによって発電するシステムと
接続される第1接続箇所と、前記システムが発電しているときに前記第1接続箇所から電力が供給されて逆潮流が生じる場合において前記第1接続箇所よりも逆潮流方向に位置し、水電解装置が接続される第2接続箇所との間を接続する第1区間、および前記第2接続箇所よりもさらに逆潮流方向に位置する第2区間を含んで構成された配電線における前記
第2区間に供給される電力である配電電力を監視する監視部と、
前記第2区間の前記配電線に供給
可能な電力の
上限値である閾値と、前記配電電力とに基づいて、
前記第2接続箇所に接続された前記水電解装置
が今後消費
すべき電力を算出する算出部と、
前記算出部が算出した前記
今後消費
すべき電力に基づいて、前記水電解装置
が今後消費
すべき電力を設定するため
の制御情報を作成する作成部と
を備
える、エネルギー管理装置。
【請求項7】
再生可能エネルギーによって発電するシステムと、水電解装置と
、前記システムと接続される第1接続箇所と、前記システムが発電しているときに前記第1接続箇所から電力が供給されて逆潮流が生じる場合において前記第1接続箇所よりも逆潮流方向に位置し、前記水電解装置が接続される第2接続箇所との間を接続する第1区間、および前記第2接続箇所よりもさらに逆潮流方向に位置する第2区間を含んで構成された配電線と、を含むエネルギー管理システムが実行するエネルギー管理方法であって、
前記
第2区間に供給される電力である配電電力を監視するステップと、
前記第2区間の前記配電線に供給
可能な電力の
上限値である閾値と、前記配電電力とに基づいて、
前記第2接続箇所に接続された前記水電解装置
が今後消費
すべき電力を算出するステップと、
前記算出するステップで算出した前記今後消費すべき電力に基づいて、前記第2接続箇所に接続された前記水電解装置が今後消費すべき電力を設定するため
の制御情報を作成するステップと
を有す
る、エネルギー管理システムが実行するエネルギー管理方法。
【請求項8】
再生可能エネルギーによって発電するシステムと、水電解装置と
、前記システムと接続される第1接続箇所と、前記システムが発電しているときに前記第1接続箇所から電力が供給されて逆潮流が生じる場合において前記第1接続箇所よりも逆潮流方向に位置し、前記水電解装置が接続される第2接続箇所との間を接続する第1区間、および前記第2接続箇所よりもさらに逆潮流方向に位置する第2区間を含んで構成された配電線と、を含むエネルギー管理システムのコンピュータに、
前記
第2区間に供給される電力である配電電力を監視するステップと、
前記第2区間の前記配電線に供給
可能な電力の
上限値である閾値と、前記配電電力とに基づいて、
前記第2接続箇所に接続された前記水電解装置
が今後消費
すべき電力を算出するステップと、
前記算出するステップで算出した前記
今後消費
すべき電力に基づいて、
前記第2接続箇所に接続された前記水電解装置
が今後消費
すべき電力を設定するため
の制御情報を作成するステップと
を実行さ
せる、制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、エネルギー管理システム、エネルギー管理装置、エネルギー管理方法、及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
P2G(Power to Gas)システムが知られている。P2Gシステムは、再生可能エネルギーから調達した電力によって、水を電気分解することで水素やメタンを製造し、製造した水素やメタンを貯蔵及び利用する。P2Gシステムは、長期間の貯蔵や輸送が可能な水素の特性を活かし、季節や気象の変化によって変動する再生可能エネルギーの発電量の安定化に資する技術の一つとして期待されている。
再生可能エネルギーを用いた発電所から調達した電力により水素を製造する技術に関して、太陽光発電エネルギーを有効に利用して高効率の電力供給を可能とする技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術は、太陽光発電装置と、太陽光発電装置からの直流電力を交流電力に変換し且つ最大電力を得るための出力制御機能を有する電力変換制御器と、太陽光発電装置からの直流電力を用いて水素を製造する水素製造手段と、太陽光発電装置と電力変換制御器および水素製造手段の電気的な接続構成を切替える切替手段と、切替手段に制御信号を伝達する制御部とを備える。太陽光発電装置の定格出力電力が電力変換制御器の定格出力電力よりも大きく、制御部は太陽光発電装置で発電可能な発電予測電力と出力電力または出力電力との比較結果、及び、電力変換制御器の変換効率特性に応じて切替手段を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
再生可能エネルギーの導入を拡大させることを考える。
前述したように、再生可能エネルギーの発電は、天候などの自然状況に左右され、不安定に変化するため、発電設備の定格電力を発生することのできる条件は限られている。仮に、再生可能エネルギーで発電される電力を、ローカルグリッド(配電線)に新たに導入する場合には、再生可能エネルギーで発電される定格電力に合致した電力網に増強させることが必要になる。
また、水素を燃料として利用することで温室効果ガスの排出をなくすことが可能であるが、水素を燃料として利用する事業所は分散しており、経済的な輸送は困難である。分散したエネルギー需要家に対し、効率的に水素を配給するためには、前述のローカルグリッドにおける水素製造システムが必要である。
本発明は、前述した点に鑑みてなされたものであり、その目的は、再生可能エネルギーをローカルグリッド(配電線)に導入できる管理システム、エネルギー管理装置、エネルギー管理方法、及び制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、配電線に接続された再生可能エネルギーによって発電するシステムと、水電解装置とを含むエネルギー管理システムであって、前記配電線は、前記システムと前記配電線とが接続される第1接続箇所と、前記システムが発電しているときに前記第1接続箇所から前記配電線に電力が供給されて逆潮流が生じる場合において前記第1接続箇所よりも逆潮流方向に位置し、前記水電解装置が接続される第2接続箇所との間を接続する第1区間、および前記第2接続箇所よりもさらに逆潮流方向に位置する第2区間を含んで構成され、前記第2区間に供給される電力である配電電力を監視する監視部と、前記第2区間の前記配電線に供給可能な電力の上限値である閾値と、前記配電電力とに基づいて、前記第2接続箇所に接続された前記水電解装置が今後消費すべき電力を算出する算出部と、前記算出部が算出した前記今後消費すべき電力に基づいて、前記第2接続箇所に接続された前記水電解装置が今後消費すべき電力を設定するための制御情報を作成する作成部とを備える、エネルギー管理システムである。
本発明の一態様のエネルギー管理システムにおいて、前記算出部は、前記配電電力から、電力の前記閾値を減算することによって、前記水電解装置が今後消費すべき電力を算出する。
本発明の一態様のエネルギー管理システムにおいて、前記監視部は、再生可能エネルギーによって発電するシステムの識別情報と水電解装置の識別情報とを関連付けて記憶する記憶部から取得される、再生可能エネルギーによって発電するシステムの識別情報と水電解装置の識別情報とのペアリングに基づいて、水電解装置の前記識別情報に該当する水電解装置が接続される第2接続箇所よりもさらに逆潮流方向に位置する第2区間に供給される前記配電電力を監視し、前記作成部は、前記ペアリングに含まれる水電解装置の前記識別情報に該当する水電解装置を宛先とする制御情報を作成する。
本発明の一態様のエネルギー管理システムにおいて、前記配電電力を推定する推定部をさらに備え、前記監視部は、前記推定部が推定した前記配電電力を監視する。
本発明の一態様のエネルギー管理システムにおいて、前記算出部が算出した前記今後消費すべき電力が、前記水電解装置で消費可能な電力を超えるか否かを判定する判定部をさらに備え、前記作成部は、前記判定部が判定した結果に基づいて、前記再生可能エネルギーによって発電するシステムの出力を制限するための制限指令値を導出し、導出した制限指令値を含む前記再生可能エネルギーによって発電するシステムによって供給される電力を制限するための制御情報を作成する。
本発明の一態様は、再生可能エネルギーによって発電するシステムと接続される第1接続箇所と、前記システムが発電しているときに前記第1接続箇所から電力が供給されて逆潮流が生じる場合において前記第1接続箇所よりも逆潮流方向に位置し、水電解装置が接続される第2接続箇所との間を接続する第1区間、および前記第2接続箇所よりもさらに逆潮流方向に位置する第2区間を含んで構成された配電線における前記第2区間に供給される電力である配電電力を監視する監視部と、前記第2区間の前記配電線に供給可能な電力の上限値である閾値と、前記配電電力とに基づいて、前記第2接続箇所に接続された前記水電解装置が今後消費すべき電力を算出する算出部と、前記算出部が算出した前記今後消費すべき電力に基づいて、前記水電解装置が今後消費すべき電力を設定するための制御情報を作成する作成部とを備える、エネルギー管理装置である。
本発明の一態様は、再生可能エネルギーによって発電するシステムと、水電解装置と、前記システムと接続される第1接続箇所と、前記システムが発電しているときに前記第1接続箇所から電力が供給されて逆潮流が生じる場合において前記第1接続箇所よりも逆潮流方向に位置し、前記水電解装置が接続される第2接続箇所との間を接続する第1区間、および前記第2接続箇所よりもさらに逆潮流方向に位置する第2区間を含んで構成された配電線と、を含むエネルギー管理システムが実行するエネルギー管理方法であって、前記第2区間に供給される電力である配電電力を監視するステップと、前記第2区間の前記配電線に供給可能な電力の上限値である閾値と、前記配電電力とに基づいて、前記第2接続箇所に接続された前記水電解装置が今後消費すべき電力を算出するステップと、前記算出するステップで算出した前記今後消費すべき電力に基づいて、前記第2接続箇所に接続された前記水電解装置が今後消費すべき電力を設定するための制御情報を作成するステップとを有する、エネルギー管理システムが実行するエネルギー管理方法である。
本発明の一態様は、再生可能エネルギーによって発電するシステムと、水電解装置と、前記システムと接続される第1接続箇所と、前記システムが発電しているときに前記第1接続箇所から電力が供給されて逆潮流が生じる場合において前記第1接続箇所よりも逆潮流方向に位置し、前記水電解装置が接続される第2接続箇所との間を接続する第1区間、および前記第2接続箇所よりもさらに逆潮流方向に位置する第2区間を含んで構成された配電線と、を含むエネルギー管理システムのコンピュータに、前記第2区間に供給される電力である配電電力を監視するステップと、前記第2区間の前記配電線に供給可能な電力の上限値である閾値と、前記配電電力とに基づいて、前記第2接続箇所に接続された前記水電解装置が今後消費すべき電力を算出するステップと、前記算出するステップで算出した前記今後消費すべき電力に基づいて、前記第2接続箇所に接続された前記水電解装置が今後消費すべき電力を設定するための制御情報を作成するステップとを実行させる、制御プログラムである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、再生可能エネルギーをローカルグリッド(配電線)に導入できるエネルギー管理システム、エネルギー管理装置、エネルギー管理方法、及び制御プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】実施形態に係るエネルギー管理システムの概要の例1を示す図である。
【
図1B】実施形態に係るエネルギー管理システムの概要の例2を示す図である。
【
図2】実施形態に係るエネルギー管理システムに含まれるエネルギー管理装置の一例を示すブロック図である。
【
図5】実施形態に係るエネルギー管理システムに含まれるエネルギー管理装置の動作の一例を説明するための図である。
【
図6】実施形態に係るエネルギー管理システムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
【
図7】実施形態の第1変形例に係るエネルギー管理システムに含まれるエネルギー管理装置の一例を示すブロック図である。
【
図9】太陽光発電システム情報の一例を示す図である。
【
図10】実施形態の第1変形例に係るエネルギー管理システムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
【
図11】実施形態の第2変形例に係るエネルギー管理システムの概要を示す図である。
【
図12】実施形態の第2変形例に係るエネルギー管理システムに含まれるエネルギー管理装置の一例を示すブロック図である。
【
図14】実施形態の第2変形例に係るエネルギー管理システムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本実施形態のエネルギー管理システム、エネルギー管理装置、エネルギー管理方法、及び制御プログラムを、図面を参照しつつ説明する。以下で説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限られない。
なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
また、本願でいう「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。また、「XXに基づく」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含む。「XX」は、任意の要素(例えば、任意の情報)である。
【0009】
(実施形態)
(エネルギー管理システム)
図1Aは、実施形態に係るエネルギー管理システムの概要の例1を示す図である。
実施形態のエネルギー管理システム1は、電力センサー50-1と、電力センサー50-2と、電力センサー50-3と、スマートメータ60-1と、スマートメータ60-2と、スマートメータ60-3と、エネルギー管理装置100と、太陽光発電システム200-1と、太陽光発電システム200-2と、太陽光発電システム200-3と、水電解装置300-1と、水電解装置300-2と、水電解装置300-3と、エネルギー需要家CE-1と、エネルギー需要家CE-2と、エネルギー需要家CE-3とを備える。
【0010】
電力センサー50-1と、電力センサー50-2と、電力センサー50-3と、太陽光発電システム200-1と、太陽光発電システム200-2と、太陽光発電システム200-3と、水電解装置300-1と、水電解装置300-2と、水電解装置300-3と、需要家CE-1と、需要家CE-2と、需要家CE-3とは、配電線DLなどのローカルグリッドに接続される。
電力センサー50-1と、電力センサー50-2と、電力センサー50-3と、エネルギー管理装置100と、水電解装置300-1と、水電解装置300-2と、水電解装置300-3とは、ネットワークNWを介して接続され、互いに通信可能である。ネットワークNWは、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、公衆回線、プロバイダ装置、専用回線、無線基地局などを含む。
【0011】
電力センサー50-1と、電力センサー50-2と、電力センサー50-3との各々は、配電線DLに供給される電力を検出する。具体的には、電力センサー50-1は、配電線DLにおいて、太陽光発電システム200-1の接続箇所と、水電解装置300-1の接続箇所との間に供給される電力(以下「第1配電電力」という)を検出する。太陽光発電システム200-1の接続箇所と、水電解装置300-1の接続箇所との間には、主に、太陽光発電システム200-1によって、第1配電電力が供給される。電力センサー50-1は、電力センサー50-1の識別情報を含む第1配電電力の検出結果を、エネルギー管理装置100へ出力する。
電力センサー50-2は、配電線DLにおいて、太陽光発電システム200-2の接続箇所と、水電解装置300-2の接続箇所との間に供給される電力(以下「第2配電電力」という)を検出する。太陽光発電システム200-2の接続箇所と、水電解装置300-2の接続箇所との間には、主に、太陽光発電システム200-2によって、第2配電電力が供給される。電力センサー50-2は、電力センサー50-2の識別情報を含む第2配電電力の検出結果を、エネルギー管理装置100へ出力する。
電力センサー50-3は、配電線DLにおいて、太陽光発電システム200-3の接続箇所と、水電解装置300-3の接続箇所との間に印加される電力(以下「第3配電電力」という)を検出する。太陽光発電システム200-3の接続箇所と、水電解装置300-3の接続箇所との間には、主に、太陽光発電システム200-3によって、第2配電電力が供給される。電力センサー50-3は、電力センサー50-3の識別情報を含む第3配電電力の検出結果を、エネルギー管理装置100へ出力する。
【0012】
太陽光発電システム200-1と、太陽光発電システム200-2と、太陽光発電システム200-3との各々は、太陽電池を用いて、太陽光を直接的に電力に変換する発電方式によって発電するシステムである。太陽光発電システム200-1と、太陽光発電システム200-2と、太陽光発電システム200-3との各々の一例は、メガソーラーである。メガソーラーは、大規模な太陽光発電所をいう。太陽光発電システム200-1と、太陽光発電システム200-2と、太陽光発電システム200-3との各々は、電力系統に含まれ、太陽電池が発電した直流電力をパワーコンディショナ(PCS:Power Conditioning Subsystem)で、交流電力に変換し、系統と連系して電力を需要家CE1~3などの負荷へ供給する。
【0013】
エネルギー需要家CE-1と、エネルギー需要家CE-2と、エネルギー需要家CE-3との各々は、配電線DLから供給される電力を使用する。具体的には、エネルギー需要家CE-1は、太陽光発電システム200-1によって発電され、配電線DLから供給された電力を主に使用する。エネルギー需要家CE-2は、太陽光発電システム200-2によって発電され、配電線DLから供給された電力を主に使用する。エネルギー需要家CE-3は、太陽光発電システム200-3によって発電され、配電線DLから供給された電力を主に使用する。
エネルギー需要家CE-1と、エネルギー需要家CE-2と、エネルギー需要家CE-3との各々の一例は、工場である。工場とは、製造業で、実際の製品を生産、製造したり、既成製品の機械関係の点検、整備、保守等のメンテナンスを行ったりする施設をいう。工場には、ボイラーが設置されている。ボイラーは、燃料を燃焼させる燃焼室(火室)と、その燃焼で得た熱を水に伝えて水蒸気や温水(=湯)に換える熱交換装置とを備える。ボイラーは、水蒸気や湯、及びそれらの形で、熱を発生する機器である。ボイラーの一例は、水素を燃料としたものである。
以下、一例として、エネルギー需要家CE-1と、エネルギー需要家CE-2と、エネルギー需要家CE-3との各々が、工場である場合について説明を続ける。工場であるエネルギー需要家CE-1と、エネルギー需要家CE-2と、エネルギー需要家CE―3との各々の近傍には水電解装置300-1と、水電解装置300-2と、水電解装置300-3との各々が設置されている。エネルギー需要家CE-1と、エネルギー需要家CE-2と、エネルギー需要家CE―3とには、それぞれスマートメータ60-1と、スマートメータ60-2と、スマートメータ60-3とが設置されている。
【0014】
本実施形態では、太陽光発電システム200-1と、水電解装置300-1とがペアリング(カップリング)として関連付けられ、さらに、このペアリングと、電力センサー50-1とが関連付けられる。また、本実施形態では、太陽光発電システム200-2と、水電解装置300-2とがペアリングとして関連付けられ、さらに、このペアリングと、電力センサー50-2とが関連付けられる。また、本実施形態では、太陽光発電システム200-3と、水電解装置300-3とがペアリングとして関連付けられ、さらに、このペアリングと、電力センサー50-3とが関連付けられる。
なお、エネルギー需要家CE-1~エネルギー需要家CE-3の各々は複数の需要家から構成されてもよい。また、太陽光発電システム200-1~太陽光発電システム200-3の各々が複数の太陽光発電システムから構成されてもよい。また、水電解装置300-1~水電解装置300-3の各々が複数の水電解装置から構成されてもよい。
図1Bは、実施形態に係るエネルギー管理システムの概要の例2を示す図である。
図1Bに示されるエネルギー管理システム1´では、電力センサー50-1は、配電線DLにおいて、水電解装置300-1の接続箇所と、太陽光発電システム200-2の接続箇所との間(以下「区間A」という)に供給される電力を検出する。電力センサー50-2は、配電線DLにおいて、水電解装置300-2の接続箇所と、太陽光発電システム200-3の接続箇所との間(以下「区間B」という)に供給される電力を検出する。電力センサー50-2は、配電線DLにおいて、水電解装置300-3の接続箇所と、配電用変電所SSとの間(以下「区間C」という)に供給される電力を検出する。この場合、制限された閾値以下の電力で運用される区間A~区間Cに対して、各々の想定電力潮流の上流にあたる太陽光発電システム200-1~太陽光発電システム200-3と水電解装置300-1~水電解装置300-3とが、1:N(Nは、N>0の整数)もしくはM:N(Mは、m>0の整数)で、ペアリングされることによって関連付けられる。
ペアリングの構築により、再生可能エネルギーの所内から直接受電する水電解装置でない水電解装置300-1に供給する電力及びエネルギー需要家EC-1に供給される電力を関連付けることが可能となり、エネルギーの環境価値を含めた電力、ガスの供給が可能となり、エネルギーサービスプロバイダー(ESP: Energy Service Provider)として具体化できる。
図1Aに戻り説明を続ける。
【0015】
水電解装置300-1と、水電解装置300-2と、水電解装置300-3との各々は、それぞれ太陽光発電システム200-1と、太陽光発電システム200-2と、太陽光発電システム200-3との各々が供給する電力を使用して、水を電気分解することによって水素を生成する。
水電解装置300-1と、水電解装置300-2と、水電解装置300-3との各々の一例は、PEM(Polymer Electrolyte Membrane:固体高分子膜)形水電解装置である。PEM形水電解装置は、固体高分子形と呼ばれる方式で水を電気分解して水素を作る。水電解装置300-1と、水電解装置300-2と、水電解装置300-3との各々は、エネルギー管理装置100が送信する水電解装置制御情報を受信し、受信した水電解装置制御情報に含まれる消費電力指令値を取得する。水電解装置300-1と、水電解装置300-2と、水電解装置300-3との各々は、取得した消費電力指令値に基づいて、配電線DLに供給されている電力を消費することによって、水素を生成する。なお、エネルギー需要家CE-1と、エネルギー需要家CE-2と、エネルギー需要家CE-3との各々の許容電力デマンドは有限であるため、それぞれスマートメータ60-1と、スマートメータ60-2と、スマートメータ60-3からの計測値を元に水電解装置300-1と、水電解装置300-2と、水電解装置300-3とへの指令値は、エネルギー管理装置100によって制限され、送信される。
【0016】
エネルギー管理装置100は、電力センサー50-1と、電力センサー50-2と、電力センサー50-3との各々が出力し、配電線DLに供給される電力の検出結果を取得する。ここで、
図1Bに示される例では、エネルギー管理装置100は、電力センサー50-1と、電力センサー50-2と、電力センサー50-3との各々が計測する、配電線DLの区間Aと、配電線DLの区間Bと、配電線DLの区間Cに供給される電力の検出結果を取得する。エネルギー管理装置100は、取得した電力の検出結果に基づいて、電力の検出結果が電力の閾値を超えるか否かを監視する。本実施形態では、電力の閾値の一例として、配電線DLに供給可能な配電電力の上限値を適用した場合について説明を続ける。この配電線DLに供給可能な配電電力の上限値は、電力系統を導入する場合に予め設定される。
具体的には、エネルギー管理装置100は、電力センサー50-1が出力した第1配電電力の検出結果を取得し、取得した第1配電電力の検出結果に基づいて、第1配電電力が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えるか否かを監視する。エネルギー管理装置100は、電力センサー50-2が出力した第2配電電力の検出結果を取得し、取得した第2配電電力の検出結果に基づいて、第2配電電力が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えるか否かを監視する。エネルギー管理装置100は、電力センサー50-3が出力した第3配電電力の検出結果を取得し、取得した第3配電電力の検出結果に基づいて、第3配電電力が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えるか否かを監視する。
【0017】
エネルギー管理装置100は、配電電力の検出結果を監視した結果に基づいて、水電解装置300-1と、水電解装置300-2と、水電解装置300-3との各々の消費電力を算出する。
具体的には、エネルギー管理装置100は、第1配電電力が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えると判定した場合に、第1配電電力から配電線DLに供給可能な電力の上限値を減算することによって、太陽光発電システム200-1と関連付けられる水電解装置300-1の消費電力(以下「第1消費電力」という)を算出する。ここで、
図1Bに示される例では、エネルギー管理装置100は、第1配電電力が、配電線DLの区間Aに供給可能な電力の上限値を超えると判定した場合に、第1配電電力から配電線DLの区間Aに供給可能な電力の上限値を減算することによって、太陽光発電システム200-1と関連付けられる水電解装置300-1の第1消費電力を算出する。 エネルギー管理装置100は、第2配電電力が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えると判定した場合に、第2配電電力から配電線DLに供給可能な電力の上限値を減算することによって、太陽光発電システム200-2と関連付けられる水電解装置300-2の消費電力(以下「第2消費電力」という)を算出する。ここで、
図1Bに示される例では、エネルギー管理装置100は、第2配電電力が、配電線DLの区間Bに供給可能な電力の上限値を超えると判定した場合に、第2配電電力から配電線DLの区間Bに供給可能な電力の上限値を減算することによって、太陽光発電システム200-2と関連付けられる水電解装置300-2の第2消費電力を算出する。 エネルギー管理装置100は、第3配電電力が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えると判定した場合に、第3配電電力から配電線DLに供給可能な電力の上限値を減算することによって、太陽光発電システム200-3と関連付けられる水電解装置300-3の消費電力(以下「第3消費電力」という)を算出する。ここで、
図1Bに示される例では、エネルギー管理装置100は、第3配電電力が、配電線DL区間Cに供給可能な電力の上限値を超えると判定した場合に、第3配電電力から配電線DL区間Cに供給可能な電力の上限値を減算することによって、太陽光発電システム200-3と関連付けられる水電解装置300-3の第3消費電力を算出する。
【0018】
エネルギー管理装置100は、算出した第1消費電力に基づいて、水電解装置300-1の消費電力を設定するための消費電力指令値(以下「第1消費電力指令値」という)を導出する。エネルギー管理装置100は、水電解装置300-1の識別情報に関連付けられている水電解装置300-1のアドレスを、水電解装置情報から取得する。エネルギー管理装置100は、取得した水電解装置300-1のアドレスを宛先とし、第1消費電力指令値を含む水電解装置制御情報を作成する。エネルギー管理装置100は、作成した水電解装置制御情報(以下「第1水電解装置制御情報」という)を、水電解装置300-1へ送信する。
エネルギー管理装置100は、算出した第2消費電力に基づいて、水電解装置300-2の消費電力を設定するための消費電力指令値(以下「第2消費電力指令値」という)を導出する。エネルギー管理装置100は、水電解装置300-2の識別情報に関連付けられている水電解装置300-2のアドレスを、水電解装置情報から取得する。エネルギー管理装置100は、取得した水電解装置300-2のアドレスを宛先とし、第2消費電力指令値を含む水電解装置制御情報を作成する。エネルギー管理装置100は、作成した水電解装置制御情報(以下「第2水電解装置制御情報」という)を、水電解装置300-2へ送信する。
エネルギー管理装置100は、算出した第3消費電力に基づいて、水電解装置300-3の消費電力を設定するための消費電力指令値(以下「第3消費電力指令値」という)を導出する。エネルギー管理装置100は、水電解装置300-3の識別情報に関連付けられている水電解装置300-3のアドレスを、水電解装置情報から取得する。エネルギー管理装置100は、取得した水電解装置300-3のアドレスを宛先とし、第3消費電力指令値を含む水電解装置制御情報を作成する。エネルギー管理装置100は、作成した水電解装置制御情報(以下「第3水電解装置制御情報」という)を、水電解装置300-3へ送信する。
【0019】
水電解装置300-1は、エネルギー管理装置100が送信した第1水電解装置制御情報を受信する。水電解装置300-1は、受信した第1水電解装置制御情報に含まれる第1消費電力指令値を取得する。水電解装置300-1は、取得した第1消費電力指令値に基づいて、自水電解装置300-1の消費電力を制御する。
水電解装置300-2は、エネルギー管理装置100が送信した第2水電解装置制御情報を受信する。水電解装置300-2は、受信した第2水電解装置制御情報に含まれる第2消費電力指令値を取得する。水電解装置300-2は、取得した第2消費電力指令値に基づいて、自水電解装置300-2の消費電力を制御する。
水電解装置300-3は、エネルギー管理装置100が送信した第3水電解装置制御情報を受信する。水電解装置300-3は、受信した第3水電解装置制御情報に含まれる第3消費電力指令値を取得する。水電解装置300-3は、取得した第3消費電力指令値に基づいて、自水電解装置300-3の消費電力を制御する。
以上により、
図1Bに示される例では、配電線DLの区間A~区間Cは、それぞれに設定される上限値にて運用されることとなり、特に区間Cの閾値を、動的に設定することにより、配電用変電所SSのバンク逆潮流の制限が可能となるため、ローカルグリッドの再エネ利用率もコントロール可能となる。
また、従来の蓄電池によるシステムでは、蓄電した電力を放電する必要があるため、配電線の利用が高い際には放電できず、夜間にスライドするなど時間軸を加味した制御を行うことが必要となる。また、従来の蓄電池によるシステムでは、蓄電システム自身が放電する電力により、閾値設定区間の利用率は高止まりとなり、再生可能エネルギーによる発電の普及を促す効果は限定的となる。一方、エネルギー需要家CEと太陽光発電システム200と水電解装置300とを関連付ける本実施形態によると、閾値設定区間の電力の流通量を任意に設定することが可能となるので、ペアリングエリア内の熱需要のみならず電力需要も加味したシステムであるため、エネルギーの種別と量の要求に柔軟に対応することが可能となる。このため、本実施形態では、配電網における再生可能エネルギーの導入量を飛躍的に向上させることが可能となる。
次に、主に夜間の動作について、
図1Bを参照して、具体的に説明する。
夜間は、配電網に数多く連系される太陽光発電所の発生電力、つまり、太陽光発電システム200が発電する電力はない。一方で、仮に、上位の系統に風力発電所が接続されている場合に、接続されている風力発電所は夜間であっても発電を休止ぜず、かつ総じて電力需要が減少するため、再生可能エネルギーによる電力供給が電力需要に対して増大するケースが生じる。したがって、夜間には、流通する電力の市場価格が降下する傾向にある。このため、夜間には、再生可能エネルギーを多く含む電力であることが明らかであり、かつ安価に電力を調達することが可能となる。このような場合に、電力センサー50-1で計測される電力は、閾値が制限された配電線DLの区間Aを流れる電力であるため、水電解装置300-1に電力を吸収させることで、配電網DLの利用率を高めつつ、エネルギー需要家へのCO2フリー燃料を供給することが可能となる。
図1Aに戻り説明を続ける。
【0020】
以下、電力センサー50-1と、電力センサー50-2と、電力センサー50-3とのうち、任意の電力センサーを、電力センサー50と記載する。第1配電電力と、第2配電電力と、第3配電電力とのうち、電力センサー50が検出する配電電力を、配電電力と記載する。
以下、太陽光発電システム200-1と、太陽光発電システム200-2と、太陽光発電システム200-3とのうち、任意の太陽光発電システムを、太陽光発電システム200と記載する。以下、水電解装置300-1と、水電解装置300-2と、水電解装置300-3とのうち、任意の水電解装置を、水電解装置300と記載する。以下、第1水電解装置制御情報と、第2水電解装置制御情報と、第3水電解装置制御情報とのうち、水電解装置300が送信する水電解装置制御情報を、水電解装置制御情報と記載する。以下、エネルギー需要家CE-1と、エネルギー需要家CE-2と、エネルギー需要家CE-3とのうち、任意の需要家を、エネルギー需要家CEと記載する。
以下、
図1Aに示されるエネルギー管理システム1について説明するが、
図1Bに示されるエネルギー管理システムにも適用できる。
【0021】
以下、エネルギー管理システム1に含まれるエネルギー管理装置100について、詳細に説明する。
図2は、実施形態に係るエネルギー管理システムに含まれるエネルギー管理装置の一例を示すブロック図である。
図2には、エネルギー管理装置100に加えて、電力センサー50と、水電解装置300とが示されている。
[エネルギー管理装置100]
エネルギー管理装置100は、パーソナルコンピュータ、サーバー、又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。エネルギー管理装置100は、例えば、通信部110と、監視部120と、算出部130と、作成部140と、記憶部150とを備える。
通信部110は、通信モジュールによって実現される。具体的には、通信部110は、有線通信を行うデバイスによって構成される。また、通信部110は、LTE、無線LAN等の無線通信技術で無線通信を行う無線デバイスによって構成されてもよい。
通信部110は、ネットワークNWを介して、電力センサー50と、水電解装置300との間で通信を行う。具体的には、通信部110は、電力センサー50が出力した配電電力の検出結果を受信する。ここで、配電電力は、太陽光発電システム200が供給したものである。通信部110は、作成部140が出力した水電解装置制御情報を取得し、取得した水電解装置制御情報を、配電電力を配電線に供給した太陽光発電システム200と関連付けられる水電解装置300へ送信する。
【0022】
記憶部150は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などにより実現される。記憶部150は、対応情報152と、水電解装置情報154とが記憶される。対応情報152と、水電解装置情報154とがクラウド上に記憶されていてもよい。
(対応情報152)
対応情報152は、太陽光発電システムの識別情報(太陽光発電システム識別情報)と、電力センサーの識別情報(電力センサー識別情報)と、水電解装置の識別情報(水電解装置識別情報)とを関連付けたテーブル形式の情報である。ここで、対応情報152では、太陽光発電システム200と、その太陽光発電システム200が供給する電力を主に使用するエネルギー需要家CEの近傍に設置される水電解装置300とのペアリングと、配電線DLにおいて、そのペアリングに含まれる太陽光発電システム200の接続箇所と、水電解装置300の接続箇所との間に印加される電力を検出する電力センサー50とが関連付けられる。
図3は、対応情報の一例を示す図である。
図3に示される対応情報152には、太陽光発電システム識別情報「PV0001」と、電力センサー識別情報「VS0001」と、水電解装置識別情報「WE0001」とが関連付けられ、太陽光発電システム識別情報「PV0002」と、電力センサー識別情報「VS0002」と、水電解装置識別情報「WE0002」とが関連付けられ、太陽光発電システム識別情報「PV0003」と、電力センサー識別情報「VS0003」と、水電解装置識別情報「WE0003」とが関連付けられて記憶されている。これらの情報は、エネルギー管理システム1の運用を開始する際に記憶される。
【0023】
(水電解装置情報154)
水電解装置情報154は、水電解装置識別情報と、水電解装置アドレスとを関連付けたテーブル形式の情報である。水電解装置アドレスの一例は、IPアドレスである。
図4は、水電解装置情報の一例を示す図である。
図4に示される水電解装置情報154では、水電解装置情報154には、水電解装置識別情報「WE0001」と、水電解装置アドレス「AAAAA」とが関連付けられ、水電解装置識別情報「WE0002」と、水電解装置アドレス「BBBBB」とが関連付けられ、水電解装置識別情報「WE0003」と、水電解装置アドレス「CCCCC」とが関連付けられて記憶されている。これらの情報は、エネルギー管理システム1の運用を開始する際に記憶される。
図2に戻り説明を続ける。
【0024】
監視部120、算出部130、および作成部140は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサが記憶部150に格納されたプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
【0025】
監視部120、算出部130、および作成部140について、説明する。
監視部120は、通信部110が受信した配電電力の検出結果を取得する。監視部120は、取得した配電電力の検出結果を監視する。
具体的には、監視部120は、配電電力の検出結果に基づいて、配電電力の検出結果が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えるか否かを監視する。監視部120は、配電電力の検出結果が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えると判定した場合に、その配電電力の検出結果を出力した電力センサー50の電力センサー識別情報に関連付けて記憶されている水電解装置識別情報を、対応情報152から特定する。水電解装置識別情報を特定することによって、制御対象の水電解装置300を特定できる。監視部120は、特定した水電解装置識別情報に該当する水電解装置300の消費電力を算出する指示情報を作成する。監視部120は、水電解装置識別情報と、作成した指示情報とを、算出部130へ出力する。
【0026】
算出部130は、監視部120が出力した水電解装置識別情報と、指示情報とを取得した場合に、通信部110が受信した配電電力の検出結果を取得する。算出部130は、配電線DLに供給可能な電力の上限値と、取得した配電電力の検出結果とに基づいて、取得した水電解装置識別情報に該当する水電解装置300の消費電力を算出する。例えば、算出部130は、配電電力の検出結果から、配電線DLに供給可能な電力の上限値を減算することによって、水電解装置300の消費電力を算出する。算出部130は、水電解装置識別情報と、水電解装置300の消費電力の算出結果とを、作成部140へ出力する。
図5は、実施形態に係るエネルギー管理システムに含まれるエネルギー管理装置の動作の一例を示す図である。
図5は、配電線DLに供給される電力から、エネルギー需要家CEへ供給される電力が抑制される例を示す。
図5において、縦軸は出力電力であり、横軸は時間である。
図5には、太陽光発電システム200が発電した電力と、配電線DLに供給される電力と、水電解装置300に供給される電力とが示される。
図5に示される例では、配電線DLに供給可能な電力の上限値は、2.0[MW]である。つまり、太陽光発電システム200が発電した電力のうち、2.0[MW]以下の電力は、エネルギー需要家CEへ供給されるが、2.0[MW]を超える電力は、水電解装置300に供給される。水電解装置300に供給される電力は、水電解装置300で消費される。つまり、太陽光発電システム200が配電線DLに供給する電力から、エネルギー需要家CEへ供給される電力が抑制される。
図2に戻り、説明を続ける。
【0027】
作成部140は、算出部130が出力した水電解装置識別情報と、水電解装置300の消費電力の算出結果とを取得する。作成部140は、取得した水電解装置300の消費電力の算出結果に基づいて、水電解装置300の消費電力を指示するための消費電力指令値を導出する。例えば、水電解装置300の消費電力の算出結果から、消費電力指令値を導出する演算式が設定され、作成部140は、その演算式に基づいて、消費電力指令値を導出する。作成部140は、取得した水電解装置識別情報に関連付けて記憶されている水電解装置300のアドレスを、水電解装置情報154から取得する。作成部140は、導出した消費電力指令値を含む、取得した水電解装置300のアドレスを宛先とする水電解装置制御情報を作成する。作成部140は、作成した水電解装置制御情報を、通信部110へ出力する。
【0028】
次に、エネルギー管理システムの動作について説明する。
(エネルギー管理システムの動作)
図6は、実施形態に係るエネルギー管理システムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
(ステップS1-1)
電力センサー50は、配電電力を検出する。
(ステップS2-1)
電力センサー50は、配電電力の検出結果を、エネルギー管理装置100へ送信する。
(ステップS3-1)
エネルギー管理装置100において、通信部110は、電力センサー50が送信した配電電力の検出結果を受信する。
(ステップS4-1)
エネルギー管理装置100において、監視部120は、通信部110が受信した配電電力の検出結果を取得する。監視部120は、取得した配電電力の検出結果に基づいて、配電電力が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えるか否かを監視する。監視部120が、配電電力が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えないと判定した場合には、ステップS1-1へ移行する。この場合、水電解装置300に対して、消費電力の制御は行われない。
(ステップS5-1)
エネルギー管理装置100において、監視部120は、配電電力が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えると判定した場合に、その配電電力の検出結果を出力した電力センサー50の電力センサー識別情報に関連付けて記憶されている水電解装置識別情報を、対応情報152から特定する。ここで、配電電力の検出結果には、配電電力を検出した電力センサー50の識別情報が含まれている。監視部120は、特定した水電解装置識別情報に該当する水電解装置300の消費電力を算出する指示情報を作成する。監視部120は、特定した水電解装置識別情報と、作成した指示情報とを、算出部130へ出力する。
【0029】
(ステップS6-1)
エネルギー管理装置100において、算出部130は、監視部120が出力した水電解装置識別情報と、指示情報とを取得する。算出部130は、通信部110が受信した配電電力の検出結果を取得する。算出部130は、指示情報に基づいて、配電線DLに供給可能な電力の上限値と、取得した配電電力の検出結果とに基づいて、配電電力の検出結果から、配電線DLに供給可能な電力の上限値を減算することによって、水電解装置300の消費電力を算出する。算出部130は、水電解装置識別情報と、水電解装置300の消費電力の算出結果とを、作成部140へ出力する。
(ステップS7-1)
エネルギー管理装置100において、作成部140は、算出部130が出力した水電解装置識別情報と、水電解装置300の消費電力の算出結果とを取得する。作成部140は、取得した水電解装置300の消費電力の算出結果に基づいて、水電解装置300の消費電力を指示するための消費電力指令値を導出する。作成部140は、取得した水電解装置識別情報に関連付けて記憶されている水電解装置300のアドレスを、水電解装置情報154から取得する。作成部140は、導出した消費電力指令値を含む、取得した水電解装置300のアドレスを宛先とする水電解装置制御情報を作成する。作成部140は、作成した水電解装置制御情報を、通信部110へ出力する。
【0030】
(ステップS8-1)
エネルギー管理装置100において、通信部110は、作成部140が出力した水電解装置制御情報を取得する。通信部110は、取得した水電解装置制御情報を、水電解装置300へ送信する。
(ステップS9-1)
水電解装置300は、エネルギー管理装置100が送信した水電解装置制御情報を受信する。
(ステップS10-1)
水電解装置300は、受信した水電解装置制御情報に含まれる消費電力指令値を取得する。水電解装置300は、取得した消費電力指令値に基づいて、消費電力を制御する。例えば、水電解装置300は、太陽光発電システム200が配電線DLに供給する電力から、消費電力指令値に基づいて電力を消費する。具体的には、太陽光発電システム200で発電された電力は、水電解装置300用の電源のDC/DCコンバータから、水電解装置300の水素発生装置に供給される。水素発生装置は、消費電力に応じて水素を製造する。
水素発生装置が製造した水素は、エネルギー需要家CEに設置されているガスタンクやボイラーへ供給される。ガスタンクやボイラーは、水素発生装置が製造した水素を取得する。ボイラーは、取得した水素を消費する。ボイラーによって消費される水素は他のボイラーが消費する化石燃料の消費を抑制する。ガスタンクはボイラーが水素を消費しないときに取得した水素を蓄える。ガスタンクに貯えられた水素は水素発生装置が稼働していないときや水素製造量が不足しているときにボイラーへ水素を供給する。
【0031】
前述した実施形態では、エネルギー管理システム1が、太陽光発電システム200-1と水電解装置300-1とのペアリングと、太陽光発電システム200-2と水電解装置300-2とのペアリングと、太陽光発電システム200-3と水電解装置300-3とのペアリングとを備える場合について説明したが、この例に限られない。例えば、エネルギー管理システム1に、太陽光発電システム200と水電解装置300とのペアリングが1から2含まれてもよいし、4以上のペアリングが含まれてもよい。
前述した実施形態では、水電解装置300が製造した水素が、エネルギー需要家CEに設置されたボイラーで消費される場合について説明した。つまり、配電線DLに供給された電力によって、エネルギー需要家CEに、水素を供給する場合について説明した。エネルギー需要家CEで、水素が消費されることによって、水素の価格をエネルギー流通に介在させないようでできる。しかし、この例に限らず、例えば、水電解装置300が製造した水素が、都市ガス供給エリアに出荷されてもよいし、LP(liquefied petroleum)ガス供給エリアへ出荷されてもよい。また、例えば、カードルを使用して、供給先へ供給されてもよい。また、例えば、水電解装置300が製造した水素が、ガスボンベ・カードル・セミトレーラーローダーを使用して、供給先へ供給されてもよい。つまり、配電線DLに供給された電力によって製造された水素が、ガスの状態で、供給先に供給されてもよい。供給先に供給された水素はガス配管に混入させてもよい。
前述した実施形態では、再生可能エネルギーの一例として、太陽光発電システムが発電した電力が配電線DLに供給される場合について説明したがこの例に限られない。例えば、風力、波力・潮力、流水・潮汐、地熱、バイオマスなどの自然の力で定常的もしくは反復的に補充されるエネルギー資源より発電された電力が配電線DLに供給されてもよい。
前述した実施形態では、太陽光発電システム200毎に、配電線DLに供給される電力の検出結果を、エネルギー管理装置100が取得する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、エネルギー管理装置100は、配電線DLの潮流を取得してもよい。
前述した実施形態では、エネルギー管理装置100が、配電線DLにおいて、太陽光発電システム200の接続箇所と、水電解装置300の接続箇所との間に供給される配電電力を取得する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、エネルギー管理装置100が、エネルギー需要家CEと太陽光発電システム200との間の潮流を取得してもよい。例えば、配電線DLにおいて、エネルギー需要家CE-1の接続箇所と、太陽光発電システム200-2の接続箇所との間に供給される配電電力と、エネルギー需要家CE-2の接続箇所と、太陽光発電システム200-3の接続箇所との間に供給される配電電力とを取得してもよい。
【0032】
本実施形態のエネルギー管理システムによれば、エネルギー管理システムは、配電線に接続された太陽光発電システムと、水電解装置とを含むエネルギー管理システムであって、配電線DLにおける太陽光発電システム200の接続箇所と、水電解装置300の接続箇所との間に供給される電力である配電電力を監視する監視部120と、配電線DLに供給される電力の閾値と、配電電力とに基づいて、水電解装置300の消費電力を算出する算出部130と、算出部130が算出した消費電力に基づいて、消費電力指令値を導出し、導出した消費電力指令値を含む水電解装置300を制御するための水電解装置制御情報を作成する作成部とを備える。
このように構成することによって、配電電力と、配電線DLに供給される電力の閾値とに基づいて、水電解装置300の消費電力を制御できるため、太陽光発電システム200が配電線DLに供給される電力のうち、エネルギー需要家CEに供給される電力を制御できる。配電線DLにおいて、太陽光発電システム200の接続箇所と、水電解装置300の接続箇所との間を増強することによって、再生可能エネルギーをローカルグリッド(配電線)に導入できる。再生可能エネルギーをローカルグリッド(配電線)に導入する際に、配電線DLの増強箇所を限定できる。二酸化炭素が発生しない再生可能エネルギーをローカルグリッド(配電線)に導入できる。これによって、電力網の利用率およびエネルギー需要家CEの負荷率を向上できる。
【0033】
また、算出部130は、配電電力から、電力の閾値を減算することによって、水電解装置300の消費電力を算出する。このように構成することによって、太陽光発電システム200が発電した電力のうち、配電線DLに供給される電力の閾値を超える場合に、電力の閾値を超える分を、水電解装置300へ供給できる。配電線DLにおいて、太陽光発電システム200の接続箇所と、水電解装置300の接続箇所との間を増強することによって、再生可能エネルギーをローカルグリッド(配電線)に導入できる。再生可能エネルギーをローカルグリッド(配電線)に導入する際に、配電線DLの増強箇所を限定できる。
また、監視部120は、太陽光発電システムの識別情報と水電解装置の識別情報とを関連付けて記憶する記憶部150から取得される、太陽光発電システムの識別情報と水電解装置の識別情報とのペアリングに基づいて、太陽光発電システムの識別情報に該当する太陽光発電システムの接続箇所と、水電解装置の識別情報に該当する水電解装置の接続箇所との間に供給される配電電力を監視し、水電解装置制御部は、導出した消費電力指令値を含む、ペアリングに含まれる水電解装置の識別情報に該当する水電解装置を宛先とする水電解装置制御情報を作成する。
配電線DLにおいて、太陽光発電システムの識別情報と水電解装置の識別情報とのペアリングに基づいて、該当する太陽光発電システム200の接続箇所と、水電解装置300の接続箇所との間を増強することによって、再生可能エネルギーをローカルグリッド(配電線)に導入できる。つまり、ペアリングとペアリングとの間に該当する配電線DLは増強しなくてもよいため、再生可能エネルギーをローカルグリッド(配電線)に導入する際に、配電線DLの増強箇所を限定できる。
【0034】
(第1変形例)
実施形態の第1変形例のエネルギー管理システム1aは、
図1Aを適用できる。ただし、エネルギー管理装置100の代わりにエネルギー管理装置100aを備える。さらに、太陽光発電システム200-1と、太陽光発電システム200-2と、太陽光発電システム200-3とがネットワークNWを介して、エネルギー管理装置100aと接続される。
エネルギー管理装置100aは、電力センサー50-1と、電力センサー50-2と、電力センサー50-3との各々が出力し、配電線DLに供給される電力の検出結果を取得する。エネルギー管理装置100aは、取得した電力の検出結果に基づいて、電力の検出結果が電力の閾値を超えるか否かを監視する。本実施形態の第1変形例では、電力の閾値の一例として、配電線DLに供給可能な配電電力の上限値を適用した場合について説明を続ける。この配電線DLに供給可能な配電電力の上限値は、電力系統を導入する場合に予め設定される。
具体的には、エネルギー管理装置100aは、電力センサー50-1が出力した第1配電電力の検出結果を取得し、取得した第1配電電力の検出結果に基づいて、第1配電電力が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えるか否かを監視する。エネルギー管理装置100aは、電力センサー50-2が出力した第2配電電力の検出結果を取得し、取得した第2配電電力の検出結果に基づいて、第2配電電力が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えるか否かを監視する。エネルギー管理装置100aは、電力センサー50-3が出力した第3配電電力の検出結果を取得し、取得した第3配電電力の検出結果に基づいて、第3配電電力が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えるか否かを監視する。
【0035】
エネルギー管理装置100aは、配電電力の検出結果を監視した結果に基づいて、水電解装置300-1と、水電解装置300-2と、水電解装置300-3との各々の消費電力を算出する。
具体的には、エネルギー管理装置100aは、第1配電電力が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えると判定した場合に、第1配電電力から配電線DLに供給可能な電力の上限値を減算することによって、太陽光発電システム200-1と関連付けられる水電解装置300-1の第1消費電力を算出する。
エネルギー管理装置100aは、第2配電電力が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えると判定した場合に、第2配電電力から配電線DLに供給可能な電力の上限値を減算することによって、太陽光発電システム200-2と関連付けられる水電解装置300-2の第2消費電力を算出する。
エネルギー管理装置100aは、第3配電電力が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えると判定した場合に、第3配電電力から配電線DLに供給可能な電力の上限値を減算することによって、太陽光発電システム200-3と関連付けられる水電解装置300-3の第3消費電力を算出する。
【0036】
エネルギー管理装置100aは、算出した消費電力と、水電解装置300で消費可能な電力(以下「消費可能電力」という)とに基づいて、消費電力の全てを、水電解装置300で消費可能であるか否かを判定する。以下、消費電力の全てを、水電解装置300で消費可能であるか否かを判定した結果を、消費電力判定結果という。
具体的には、エネルギー管理装置100aは、算出した第1消費電力と、水電解装置300-1で消費可能な電力(以下「第1消費可能電力」という)とに基づいて、第1消費電力の全てを、水電解装置300-1で消費可能であるか否かを判定する。エネルギー管理装置100aは、算出した第2消費電力と、水電解装置300-2で消費可能な電力(以下「第2消費可能電力」という)とに基づいて、第2消費電力の全てを、水電解装置300-2で消費可能であるか否かを判定する。エネルギー管理装置100aは、算出した第3消費電力と、水電解装置300-3で消費可能な電力(以下「第3消費可能電力」という)とに基づいて、第3消費電力の全てを、水電解装置300-3で消費可能であるか否かを判定する。
具体的には、エネルギー管理装置100aは、第1消費電力が、第1消費可能電力を超えるか否かを判定する。エネルギー管理装置100aは、第2消費電力が、第2消費可能電力を超えるか否かを判定する。エネルギー管理装置100aは、第3消費電力が、第3消費可能な電力を超えるか否かを判定する。
【0037】
エネルギー管理装置100aは、配電電力の検出結果を監視した結果と、消費電力判定結果とに基づいて、水電解装置300の消費電力を算出する。
具体的には、エネルギー管理装置100aは、第1配電電力が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えると判定した場合に、第1配電電力から配電線DLに供給可能な電力の上限値を減算することによって、太陽光発電システム200-1と関連付けられる水電解装置300-1の第1消費電力を算出する。
エネルギー管理装置100aは、算出した第1消費電力が、第1消費可能電力を超えるか否かを判定する。エネルギー管理装置100aは、第1消費電力が、第1消費可能電力以下と判定した場合には、第1消費電力を、水電解装置300-1の消費電力とする。一方、エネルギー管理装置100aは、第1消費電力が、第1消費可能電力を超えると判定した場合には、第1消費可能電力を、水電解装置300-1の消費電力とする。エネルギー管理装置100aは、第1消費電力が、第1消費可能電力を超えると判定した場合に、太陽光発電システム200-1が発電した電力のうち、配電線DLへの供給を制限する電力(以下「第1制限電力」という)を算出する。
【0038】
エネルギー管理装置100aは、第2配電電力が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えると判定した場合に、第2配電電力から配電線DLに供給可能な電力の上限値を減算することによって、太陽光発電システム200-2と関連付けられる水電解装置300-2の第2消費電力を算出する。
エネルギー管理装置100aは、算出した第2消費電力が、第2消費可能電力を超えるか否かを判定する。エネルギー管理装置100aは、第2消費電力が、第2消費可能電力以下と判定した場合には、第2消費電力を、水電解装置300-2の消費電力とする。一方、エネルギー管理装置100aは、第2消費電力が、第2消費可能電力を超えると判定した場合には、第2消費可能電力を、水電解装置300-2の消費電力とする。エネルギー管理装置100aは、第2消費電力が、第2消費可能電力を超えると判定した場合に、太陽光発電システム200-2が発電した電力のうち、配電線DLへの供給を制限する電力(以下「第2制限電力」という)を算出する。
【0039】
エネルギー管理装置100aは、第3配電電力が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えると判定した場合に、第3配電電力から配電線DLに供給可能な電力の上限値を減算することによって、太陽光発電システム200-3と関連付けられる水電解装置300-3の第3消費電力を算出する。
エネルギー管理装置100aは、算出した第3消費電力が、第3消費可能電力を超えるか否かを判定する。エネルギー管理装置100aは、第3消費電力が、第3消費可能電力以下と判定した場合には、第3消費電力を、水電解装置300-3の消費電力とする。一方、エネルギー管理装置100aは、第3消費電力が、第3消費可能電力を超えると判定した場合には、第3消費可能電力を、水電解装置300-3の消費電力とする。エネルギー管理装置100aは、第3消費電力が、第3消費可能電力を超えると判定した場合に、太陽光発電システム200-3が発電した電力のうち、配電線DLへの供給を制限する電力(以下「第3制限電力」という)を算出する。
【0040】
エネルギー管理装置100aは、算出した第1消費電力に基づいて、第1消費電力指令値を導出する。エネルギー管理装置100aは、水電解装置300-1の識別情報に関連付けられている水電解装置300-1のアドレスを、水電解装置情報から取得する。エネルギー管理装置100aは、取得した水電解装置300-1のアドレスを宛先とし、第1消費電力指令値を含む水電解装置制御情報を作成する。エネルギー管理装置100aは、作成した第1水電解装置制御情報を、水電解装置300-1へ送信する。
エネルギー管理装置100aは、第1制限電力を算出した場合に、算出した第1制限電力に基づいて、第1制限指令値を導出する。エネルギー管理装置100aは、太陽光発電システム200-1の識別情報に関連付けられている太陽光発電システム200-1のアドレスを、太陽光発電システム情報から取得する。エネルギー管理装置100aは、取得した太陽光発電システム200-1のアドレスを宛先とし、第1制限指令値を含む制御情報(以下「第1太陽光発電システム制御情報」という)を作成する。エネルギー管理装置100aは、作成した第1太陽光発電システム制御情報を、太陽光発電システム200-1へ送信する。
【0041】
エネルギー管理装置100aは、算出した第2消費電力に基づいて、水電解装置300-2の消費電力を設定するための消費電力指令値(以下「第2消費電力指令値」という)を導出する。エネルギー管理装置100aは、水電解装置300-2の識別情報に関連付けられている水電解装置300-2のアドレスを、水電解装置情報から取得する。エネルギー管理装置100aは、取得した水電解装置300-2のアドレスを宛先とし、第2消費電力指令値を含む制御情報(以下「第2水電解装置制御情報」という)を作成する。エネルギー管理装置100aは、作成した第2水電解装置制御情報を、水電解装置300-2へ送信する。
エネルギー管理装置100aは、第2制限電力を算出した場合に、算出した第2制限電力に基づいて、第2制限指令値を導出する。エネルギー管理装置100aは、太陽光発電システム200-2の識別情報に関連付けられている太陽光発電システム200-2のアドレスを、太陽光発電システム情報から取得する。エネルギー管理装置100aは、取得した太陽光発電システム200-2のアドレスを宛先とし、第2制限指令値を含む制御情報(以下「第2太陽光発電システム制御情報」という)を作成する。エネルギー管理装置100aは、作成した第2太陽光発電システム制御情報を、太陽光発電システム200-2へ送信する。
【0042】
エネルギー管理装置100aは、算出した第3消費電力に基づいて、水電解装置300-3の消費電力を設定するための消費電力指令値(以下「第3消費電力指令値」という)を導出する。エネルギー管理装置100aは、水電解装置300-3の識別情報に関連付けられている水電解装置300-3のアドレスを、水電解装置情報から取得する。エネルギー管理装置100aは、取得した水電解装置300-3のアドレスを宛先とし、第3消費電力指令値を含む制御情報(以下「第3水電解装置制御情報」という)を作成する。エネルギー管理装置100aは、作成した第3水電解装置制御情報を、水電解装置300-3へ送信する。
エネルギー管理装置100aは、第3制限電力を算出した場合に、算出した第3制限電力に基づいて、第3制限指令値を導出する。エネルギー管理装置100aは、太陽光発電システム200-3の識別情報に関連付けられている太陽光発電システム200-3のアドレスを、太陽光発電システム情報から取得する。エネルギー管理装置100aは、取得した太陽光発電システム200-3のアドレスを宛先とし、第3制限指令値を含む制御情報(以下「第3太陽光発電システム制御情報」という)を作成する。エネルギー管理装置100aは、作成した第3太陽光発電システム制御情報を、太陽光発電システム200-3へ送信する。
【0043】
太陽光発電システム200-1は、エネルギー管理装置100aが送信した第1太陽光発電システム制御情報を受信する。太陽光発電システム200-1は、受信した第1太陽光発電システム制御情報に含まれる第1制限指令値を取得する。太陽光発電システム200-1は、取得した第1制限指令値に基づいて、太陽光発電システム200-1が配電線DLに供給する電力を制限する。
太陽光発電システム200-2は、エネルギー管理装置100aが送信した第2太陽光発電システム制御情報を受信する。太陽光発電システム200-2は、受信した第2太陽光発電システム制御情報に含まれる第2制限指令値を取得する。太陽光発電システム200-2は、取得した第2制限指令値に基づいて、太陽光発電システム200-2が配電線DLに供給する電力を制限する。
太陽光発電システム200-3は、エネルギー管理装置100aが送信した第3太陽光発電システム制御情報を受信する。太陽光発電システム200-3は、受信した第3太陽光発電システム制御情報に含まれる第3制限指令値を取得する。太陽光発電システム200-3は、取得した第3制限指令値に基づいて、太陽光発電システム200-3が配電線DLに供給する電力を制限する。
【0044】
以下、エネルギー管理システム1aに含まれるエネルギー管理装置100aについて、詳細に説明する。
図7は、実施形態の第1変形例に係るエネルギー管理システムに含まれるエネルギー管理装置の一例を示すブロック図である。
図7には、エネルギー管理装置100aに加えて、電力センサー50と、太陽光発電システム200と、水電解装置300とが示されている。
[エネルギー管理装置100a]
エネルギー管理装置100aは、パーソナルコンピュータ、サーバー、又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。エネルギー管理装置100aは、例えば、通信部110と、監視部120と、算出部130aと、判定部135と、作成部140aと、記憶部150とを備える。
通信部110は、実施形態で説明した機能に加え、作成部140aが出力した太陽光発電システム制御情報を取得し、取得した太陽光発電システム制御情報を、太陽光発電システム200へ送信する。
記憶部150は、対応情報152と、水電解装置情報154aと、太陽光発電システム情報156とが記憶される。対応情報152と、水電解装置情報154aと、太陽光発電システム情報156とがクラウド上に記憶されていてもよい。
【0045】
(水電解装置情報154a)
水電解装置情報154aは、水電解装置識別情報と、水電解装置消費可能電力と、水電解装置アドレスとを関連付けたテーブル形式の情報である。水電解装置消費可能電力は、水電解装置で、消費できる電力である。水電解装置アドレスの一例は、IPアドレスである。
図8は、水電解装置情報の一例を示す図である。
図8に示される水電解装置情報154aでは、水電解装置情報154aには、水電解装置識別情報「WE0001」と、水電解装置消費可能電力「***」と、水電解装置アドレス「AAAAA」とが関連付けられ、水電解装置識別情報「WE0002」と、水電解装置消費可能電力「+++」と、水電解装置アドレス「BBBBB」とが関連付けられ、水電解装置識別情報「WE0003」と、水電解装置消費可能電力「*+*」と、水電解装置アドレス「CCCCC」とが関連付けられて記憶されている。これらの情報は、エネルギー管理システム1aの運用を開始する際に記憶される。
【0046】
(太陽光発電システム情報156)
太陽光発電システム情報156は、太陽光発電システム識別情報と、太陽光発電システムアドレスとを関連付けたテーブル形式の情報である。太陽光発電システムアドレスの一例は、IPアドレスである。
図9は、太陽光発電システム情報の一例を示す図である。
図9に示される太陽光発電システム情報156では、太陽光発電システム情報156には、太陽光発電システム識別情報「SPS0001」と、太陽光発電システムアドレス「XXXXX」とが関連付けられ、太陽光発電システム識別情報「SPS0002」と、太陽光発電システムアドレス「YYYYY」とが関連付けられ、太陽光発電システム識別情報「SPS0003」と、太陽光発電システムアドレス「ZZZZZ」とが関連付けられて記憶されている。これらの情報は、エネルギー管理システム1aの運用を開始する際に記憶される。
図7に戻り説明を続ける。
【0047】
監視部120、算出部130a、判定部135、および作成部140aは、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサが記憶部150に格納されたプログラムを実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
【0048】
監視部120、算出部130a、判定部135、および作成部140aのうち、実施形態とは異なる算出部130a、判定部135、および作成部140aについて、主に説明する。
監視部120は、水電解装置識別情報と、作成した指示情報とを、算出部130aへ出力する。
算出部130aは、監視部120が出力した水電解装置識別情報と、指示情報とを取得した場合に、通信部110が受信した配電電力の検出結果を取得する。算出部130aは、指示情報に基づいて、水電解装置識別情報に該当する水電解装置300の消費電力を算出する。例えば、算出部130aは、配電電力の検出結果から、配電線DLに供給可能な電力の上限値を減算することによって、水電解装置300の消費電力を算出する。算出部130aは、水電解装置識別情報と、水電解装置300の消費電力の算出結果とを、判定部135へ出力する。
【0049】
判定部135は、算出部130aが出力した水電解装置識別情報と、水電解装置300の消費電力の算出結果とを取得する。判定部135は、取得した水電解装置識別情報に関連付けて記憶されている水電解装置消費可能電力を、水電解装置情報154aから取得する。判定部135は、取得した水電解装置消費可能電力と、水電解装置300の消費電力の算出結果とに基づいて、水電解装置300の消費電力が、水電解装置300の消費可能電力を超えるか否かを判定する。判定部135は、水電解装置300の消費電力が、水電解装置300の消費可能電力を超えるか否かの判定結果と、水電解装置識別情報と、水電解装置300の消費電力の算出結果とを、算出部130aへ出力する。
【0050】
算出部130aは、判定部135が出力した判定結果と、水電解装置識別情報と、水電解装置300の消費電力の算出結果とを取得する。
算出部130aは、取得した判定結果が、水電解装置300の消費電力の算出結果が水電解装置300の消費可能電力以下であることを示す場合に、水電解装置300の消費電力の算出結果を水電解装置300の消費電力に決定する。算出部130aは、水電解装置識別情報と、水電解装置300の消費電力を示す情報とを、作成部140へ出力する。
算出部130aは、取得した判定結果が、水電解装置300の消費電力が水電解装置300の消費可能電力を超えると判定した場合に、水電解装置300の消費可能電力を水電解装置300の消費電力に決定する。算出部130aは、水電解装置識別情報と、水電解装置300の消費電力を示す情報とを、作成部140aへ出力する。
算出部130aは、水電解装置識別情報に関連付けて記憶されている水電解装置消費可能電力と、水電解装置アドレスとを、水電解装置情報154aから取得する。算出部130aは、水電解装置300の消費電力の算出結果から、その水電解装置消費可能電力を減算することによって、太陽光発電システム200が発電した電力のうち、配電線DLへの供給を制限する電力である制限電力を算出する。算出部130aは、水電解装置識別情報に関連付けて記憶されている太陽光発電システム識別情報を、対応情報152から特定する。算出部130aは、特定した太陽光発電システム識別情報と、制限電力を示す情報とを、作成部140へ出力する。
【0051】
具体的には、算出部130aは、判定部135が出力した水電解装置300-1の消費電力が、水電解装置300-1の消費可能電力を超えるか否かの判定結果と、水電解装置300-1の水電解装置識別情報と、水電解装置300-1の消費電力の算出結果とを取得する。
算出部130aは、取得した判定結果が、水電解装置300-1の消費電力の算出結果が水電解装置300-1の消費可能電力以下であることを示す場合に、水電解装置300-1の消費電力の算出結果を水電解装置300-1の消費電力に決定する。算出部130aは、水電解装置300-1の水電解装置識別情報と、水電解装置300-1の消費電力を示す情報とを、作成部140へ出力する。
算出部130aは、取得した判定結果が、水電解装置300-1の消費電力が水電解装置300-1の消費可能電力を超えると判定した場合に、水電解装置300-1の消費可能電力を水電解装置300-1の消費電力に決定する。算出部130aは、水電解装置300-1の水電解装置識別情報と、水電解装置300-1の消費電力を示す情報とを、作成部140aへ出力する。
算出部130aは、水電解装置300-1の水電解装置識別情報に関連付けて記憶されている水電解装置300-1の水電解装置消費可能電力と、水電解装置300-1の水電解装置アドレスとを、水電解装置情報154aから取得する。算出部130aは、水電解装置300-1の消費電力の算出結果から、水電解装置300-1の水電解装置消費可能電力を減算することによって、第1制限電力を算出する。算出部130aは、水電解装置300-1の水電解装置識別情報に関連付けて記憶されている太陽光発電システム200-1の太陽光発電システム識別情報を、対応情報152から特定する。算出部130aは、特定した太陽光発電システム200-1の太陽光発電システム識別情報と、第1制限電力を示す情報とを、作成部140へ出力する。
【0052】
算出部130aは、判定部135が出力した水電解装置300-2の消費電力が、水電解装置300-2の消費可能電力を超えるか否かの判定結果と、水電解装置300-2の水電解装置識別情報と、水電解装置300-2の消費電力の算出結果とを取得する。
算出部130aは、取得した判定結果が、水電解装置300-2の消費電力の算出結果が水電解装置300-2の消費可能電力以下であることを示す場合に、水電解装置300-2の消費電力の算出結果を水電解装置300-2の消費電力に決定する。算出部130aは、水電解装置300-2の水電解装置識別情報と、水電解装置300-2の消費電力を示す情報とを、作成部140へ出力する。
【0053】
算出部130aは、取得した判定結果が、水電解装置300-2の消費電力が水電解装置300-2の消費可能電力を超えると判定した場合に、水電解装置300-2の消費可能電力を水電解装置300-2の消費電力に決定する。算出部130aは、水電解装置300-2の水電解装置識別情報と、水電解装置300-2の消費電力を示す情報とを、作成部140aへ出力する。
算出部130aは、水電解装置300-2の水電解装置識別情報に関連付けて記憶されている水電解装置300-2の水電解装置消費可能電力と、水電解装置300-2の水電解装置アドレスとを、水電解装置情報154aから取得する。算出部130aは、水電解装置300-1の消費電力の算出結果から、水電解装置300-2の水電解装置消費可能電力を減算することによって、第2制限電力を算出する。算出部130aは、水電解装置300-2の水電解装置識別情報に関連付けて記憶されている太陽光発電システム200-2の太陽光発電システム識別情報を、対応情報152から特定する。算出部130aは、特定した太陽光発電システム200-2の太陽光発電システム識別情報と、第2制限電力を示す情報とを、作成部140へ出力する。
【0054】
算出部130aは、判定部135が出力した水電解装置300-3の消費電力が、水電解装置300-3の消費可能電力を超えるか否かの判定結果と、水電解装置300-3の水電解装置識別情報と、水電解装置300-3の消費電力の算出結果とを取得する。
算出部130aは、取得した判定結果が、水電解装置300-3の消費電力の算出結果が水電解装置300-3の消費可能電力以下であることを示す場合に、水電解装置300-3の消費電力の算出結果を水電解装置300-3の消費電力に決定する。算出部130aは、水電解装置300-3の水電解装置識別情報と、水電解装置300-3の消費電力を示す情報とを、作成部140へ出力する。
【0055】
算出部130aは、取得した判定結果が、水電解装置300-3の消費電力が水電解装置300-3の消費可能電力を超えると判定した場合に、水電解装置300-3の消費可能電力を水電解装置300-3の消費電力に決定する。算出部130aは、水電解装置300-3の水電解装置識別情報と、水電解装置300-3の消費電力を示す情報とを、作成部140aへ出力する。
算出部130aは、水電解装置300-3の水電解装置識別情報に関連付けて記憶されている水電解装置300-3の水電解装置消費可能電力と、水電解装置300-3の水電解装置アドレスとを、水電解装置情報154aから取得する。算出部130aは、水電解装置300-1の消費電力の算出結果から、水電解装置300-3の水電解装置消費可能電力を減算することによって、第3制限電力を算出する。算出部130aは、水電解装置300-3の水電解装置識別情報に関連付けて記憶されている太陽光発電システム200-3の太陽光発電システム識別情報を、対応情報152から特定する。算出部130aは、特定した太陽光発電システム200-3の太陽光発電システム識別情報と、第3制限電力を示す情報とを、作成部140へ出力する。
【0056】
作成部140aは、算出部130aが出力した水電解装置識別情報と、水電解装置300の消費電力を示す情報とを取得する。作成部140aは、取得した水電解装置300の消費電力を示す情報に基づいて、水電解装置300の消費電力を指示するための消費電力指令値を導出する。作成部140aは、取得した水電解装置識別情報に関連付けて記憶されている水電解装置300のアドレスを、水電解装置情報154aから取得する。作成部140aは、導出した消費電力指令値を含む、取得した水電解装置300のアドレスを宛先とする水電解装置制御情報を作成する。作成部140aは、作成した水電解装置制御情報を、通信部110へ出力する。
作成部140aは、算出部130aが出力した太陽光発電システム識別情報と、制限電力の算出結果とを取得する。作成部140aは、取得した太陽光発電システム200の制限電力の算出結果に基づいて、太陽光発電システム200の制限電力を指示するための制限指令値を導出する。例えば、太陽光発電システム200の制限電力の算出結果から、制限指令値を導出する演算式が設定され、作成部140aは、その演算式に基づいて、正弦指令値を導出する。作成部140aは、取得した太陽光発電システム識別情報に関連付けて記憶されている太陽光発電システム200のアドレスを、太陽光発電システム情報156から取得する。作成部140aは、導出した制限指令値を含む、取得した太陽光発電システム200のアドレスを宛先とする太陽光発電システム制御情報を作成する。作成部140aは、作成した太陽光発電システム制御情報を、通信部110へ出力する。
【0057】
具体的には、作成部140aは、判定部135が出力した水電解装置300-1の水電解装置識別情報と、水電解装置300-1の消費電力を示す情報とを取得する。作成部140aは、取得した水電解装置300-1の消費電力を示す情報に基づいて、第1消費電力指令値を導出する。作成部140aは、取得した水電解装置300-1の水電解装置識別情報に関連付けて記憶されている水電解装置300-1のアドレスを、水電解装置情報154aから取得する。作成部140aは、導出した第1消費電力指令値を含む、取得した水電解装置300-1のアドレスを宛先とする第1水電解装置制御情報を作成する。作成部140aは、作成した第1水電解装置制御情報を、通信部110へ出力する。
作成部140aは、算出部130aが出力した太陽光発電システム200-1の太陽光発電システム識別情報と、第1制限電力の算出結果とを取得する。作成部140aは、取得した第1制限電力の算出結果に基づいて、第1制限指令値を導出する。作成部140aは、取得した太陽光発電システム200-1の太陽光発電システム識別情報に関連付けて記憶されている太陽光発電システム200-1のアドレスを、太陽光発電システム情報156から取得する。作成部140aは、導出した第1制限指令値を含む、取得した太陽光発電システム200-1のアドレスを宛先とする第1太陽光発電システム制御情報を作成する。作成部140aは、作成した第1太陽光発電システム制御情報を、通信部110へ出力する。
【0058】
作成部140aは、判定部135が出力した水電解装置300-2の水電解装置識別情報と、水電解装置300-2の消費電力を示す情報とを取得する。作成部140aは、取得した水電解装置300-2の消費電力を示す情報に基づいて、第2消費電力指令値を導出する。作成部140aは、取得した水電解装置300-2の水電解装置識別情報に関連付けて記憶されている水電解装置300-2のアドレスを、水電解装置情報154aから取得する。作成部140aは、導出した第2消費電力指令値を含む、取得した水電解装置300-2のアドレスを宛先とする第2水電解装置制御情報を作成する。作成部140aは、作成した第2水電解装置制御情報を、通信部110へ出力する。
作成部140aは、算出部130aが出力した太陽光発電システム200-2の太陽光発電システム識別情報と、第2制限電力の算出結果とを取得する。作成部140aは、取得した第2制限電力の算出結果に基づいて、第2制限指令値を導出する。作成部140aは、取得した太陽光発電システム200-2の太陽光発電システム識別情報に関連付けて記憶されている太陽光発電システム200-2のアドレスを、太陽光発電システム情報156から取得する。作成部140aは、導出した第2制限指令値を含む、取得した太陽光発電システム200-2のアドレスを宛先とする第2太陽光発電システム制御情報を作成する。作成部140aは、作成した第2太陽光発電システム制御情報を、通信部110へ出力する。
【0059】
作成部140aは、判定部135が出力した水電解装置300-3の水電解装置識別情報と、水電解装置300-3の消費電力を示す情報とを取得する。作成部140aは、取得した水電解装置300-3の消費電力を示す情報に基づいて、第3消費電力指令値を導出する。作成部140aは、取得した水電解装置300-3の水電解装置識別情報に関連付けて記憶されている水電解装置300-3のアドレスを、水電解装置情報154aから取得する。作成部140aは、導出した第3消費電力指令値を含む、取得した水電解装置300-3のアドレスを宛先とする第3水電解装置制御情報を作成する。作成部140aは、作成した第3水電解装置制御情報を、通信部110へ出力する。
作成部140aは、算出部130aが出力した太陽光発電システム200-3の太陽光発電システム識別情報と、第3制限電力の算出結果とを取得する。作成部140aは、取得した第3制限電力の算出結果に基づいて、第3制限指令値を導出する。作成部140aは、取得した太陽光発電システム200-3の太陽光発電システム識別情報に関連付けて記憶されている太陽光発電システム200-3のアドレスを、太陽光発電システム情報156から取得する。作成部140aは、導出した第3制限指令値を含む、取得した太陽光発電システム200-3のアドレスを宛先とする第3太陽光発電システム制御情報を作成する。作成部140aは、作成した第3太陽光発電システム制御情報を、通信部110へ出力する。
【0060】
(エネルギー管理システムの動作)
図10は、実施形態の第1変形例に係るエネルギー管理システムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
ステップS1-2からステップS4-2は、
図6のステップS1-1からステップS4-1を適用できる。
(ステップS5-2)
エネルギー管理装置100aにおいて、監視部120は、配電電力が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えると判定した場合に、水電解装置識別情報と、作成した指示情報とを、算出部130aへ出力する。
算出部130aは、監視部120が出力した水電解装置識別情報と、指示情報とを取得した場合に、通信部110が受信した配電電力の検出結果を取得する。算出部130aは、配電線DLに供給可能な電力の上限値と、取得した配電電力の検出結果とに基づいて、取得した水電解装置識別情報に該当する水電解装置300の消費電力を算出する。算出部130aは、水電解装置識別情報と、水電解装置300の消費電力の算出結果とを、判定部135へ出力する。
判定部135は、算出部130aが出力した水電解装置識別情報と、水電解装置300の消費電力の算出結果とを取得する。判定部135は、取得した水電解装置識別情報に関連付けて記憶されている水電解装置消費可能電力を、水電解装置情報154aから取得する。判定部135は、取得した水電解装置消費可能電力と、水電解装置300の消費電力の算出結果とに基づいて、水電解装置300の消費電力が、水電解装置300の消費可能電力を超えるか否かを判定する。
エネルギー管理装置100aにおいて、判定部135は、水電解装置300の消費電力が、水電解装置300の消費可能電力を超えるか否かの判定結果と、水電解装置識別情報と、水電解装置300の消費電力の算出結果とを、算出部130aへ出力する。算出部130aは、判定部135が出力した判定結果と、水電解装置識別情報と、水電解装置300の消費電力の算出結果とを取得する。
【0061】
(ステップS6-2)
エネルギー管理装置100aにおいて、算出部130aは、取得した判定結果が、水電解装置300の消費電力の算出結果が水電解装置300の消費可能電力以下であることを示す場合に、水電解装置300の消費電力の算出結果を水電解装置300の消費電力に決定する。
(ステップS7-2)
エネルギー管理装置100aにおいて、算出部130aは、水電解装置識別情報と、水電解装置300の消費電力を示す情報とを、作成部140aへ出力する。作成部140aは、算出部130aが出力した水電解装置識別情報と、水電解装置300の消費電力を示す情報とを取得する。作成部140aは、取得した水電解装置300の消費電力を示す情報に基づいて、消費電力指令値を導出する。作成部140aは、取得した水電解装置識別情報に関連付けて記憶されている水電解装置300のアドレスを、水電解装置情報154aから取得する。作成部140aは、導出した消費電力指令値を含む、取得した水電解装置300のアドレスを宛先とする水電解装置制御情報を作成する。作成部140aは、作成した水電解装置制御情報を、通信部110へ出力する。
【0062】
(ステップS8-2)
エネルギー管理装置100aにおいて、算出部130aは、取得した判定結果が、水電解装置300の消費電力が水電解装置300の消費可能電力を超えると判定した場合に、水電解装置300の消費可能電力を水電解装置300の消費電力に決定する。
(ステップS9-2)
エネルギー管理装置100aにおいて、算出部130aは、水電解装置識別情報と、水電解装置300の消費電力を示す情報とを、作成部140aへ出力する。作成部140aは、算出部130aが出力した水電解装置識別情報と、水電解装置300の消費電力を示す情報とを取得する。作成部140aは、取得した水電解装置300の消費電力を示す情報に基づいて、消費電力指令値を導出する。作成部140aは、取得した水電解装置識別情報に関連付けて記憶されている水電解装置300のアドレスを、水電解装置情報154aから取得する。作成部140aは、導出した消費電力指令値を含む、取得した水電解装置300のアドレスを宛先とする水電解装置制御情報を作成する。作成部140aは、作成した水電解装置制御情報を、通信部110へ出力する。
(ステップS10-2)
エネルギー管理装置100aにおいて、通信部110は、作成部140aが出力した水電解装置制御情報を取得し、取得した水電解装置制御情報を、水電解装置300へ送信する。
【0063】
(ステップS11-2)
水電解装置300は、エネルギー管理装置100aが送信した水電解装置制御情報を受信する。
(ステップS12-2)
水電解装置300は、受信した水電解装置制御情報に含まれる消費電力指令値を取得する。水電解装置300は、取得した消費電力指令値に基づいて、消費電力を制御する。例えば、水電解装置300は、太陽光発電システム200が配電線DLに供給する電力から、消費電力指令値に基づいて電力を消費する。
(ステップS13-2)
エネルギー管理装置100aにおいて、算出部130aは、水電解装置識別情報に関連付けて記憶されている水電解装置消費可能電力と、水電解装置アドレスとを、水電解装置情報154aから取得する。算出部130aは、水電解装置300の消費電力の算出結果から、その水電解装置消費可能電力を減算することによって、制限電力を算出する。算出部130aは、水電解装置識別情報に関連付けて記憶されている太陽光発電システム識別情報を、対応情報152から特定する。算出部130aは、特定した太陽光発電システム識別情報と、制限電力を示す情報とを、作成部140へ出力する。
【0064】
(ステップS14-2)
エネルギー管理装置100aにおいて、作成部140aは、算出部130aが出力した太陽光発電システム識別情報と、制限電力の算出結果とを取得する。作成部140aは、取得した太陽光発電システム200の制限電力の算出結果に基づいて、制限指令値を導出する。作成部140aは、取得した太陽光発電システム識別情報に関連付けて記憶されている太陽光発電システム200のアドレスを、太陽光発電システム情報156から取得する。作成部140aは、導出した制限指令値を含む、取得した太陽光発電システム200のアドレスを宛先とする太陽光発電システム制御情報を作成する。作成部140aは、作成した太陽光発電システム制御情報を、通信部110へ出力する。
【0065】
(ステップS15-2)
エネルギー管理装置100aにおいて、通信部110は、作成部140aが出力した太陽光発電システム制御情報を取得し、取得した太陽光発電システム制御情報を、太陽光発電システム200へ送信する。
(ステップS16-2)
太陽光発電システム200は、エネルギー管理装置100aが送信した太陽光発電システム制御情報を受信する。
(ステップS17-2)
太陽光発電システム200は、受信した太陽光発電システム制御情報に含まれる制限指令値を取得する。太陽光発電システム200は、取得した制限指令値に基づいて、太陽光発電システム200が配電線DLに供給する電力を制限する。
図10に示されるシーケンスチャートにおいて、ステップS6-2からS12-2と、ステップS13-2からS17-2との順序を入れ替えてもよい。
【0066】
前述した実施形態の第1変形例の特徴が、
図1Bの示される実施形態のエネルギー管理システム1´に適用されてもよい。
本実施形態の第1変形例のエネルギー管理システム1aによれば、エネルギー管理システム1aは、配電線DLに接続された太陽光発電システム200と、水電解装置300とを含むエネルギー管理システムであって、配電線DLにおける太陽光発電システム200の接続箇所と、水電解装置300の接続箇所との間に供給される電力である配電電力を監視する監視部120と、配電線DLに供給される電力の閾値と、配電電力とに基づいて、水電解装置300の消費電力を算出する算出部130aと、算出部130aが算出した消費電力に基づいて、消費電力指令値を導出し、導出した消費電力指令値を含む水電解装置300を制御するための水電解装置制御情報を作成する作成部140aとを備える。
さらに、算出部130aが算出した消費電力が、水電解装置300で消費可能な電力を超えるか否かを判定する判定部135をさらに備え、作成部140aは、判定部135が判定した結果に基づいて、太陽光発電システム200の出力を制限するための制限指令値を導出し、導出した制限指令値を含む太陽光発電システム200によって供給される電力を制限するための制御情報を作成する。
【0067】
このように構成することによって、水電解装置300の消費電力が、水電解装置300で消費可能な電力を超える場合に、太陽光発電システム200の出力を制限するための制限指令値を導出し、導出した制限指令値を含む太陽光発電システム200によって供給される電力を制限するための制御情報を作成できるため、太陽光発電システム200が配電線DLに供給される電力のうち、エネルギー需要家CEに供給される電力を制御できる。配電線DLにおいて、太陽光発電システム200の接続箇所と、水電解装置300の接続箇所との間を増強することによって、再生可能エネルギーをローカルグリッド(配電線)に導入できる。再生可能エネルギーをローカルグリッド(配電線)に導入する際に、配電線DLの増強箇所を限定できる。二酸化炭素が発生しない再生可能エネルギーをローカルグリッド(配電線)に導入できる。これによって、電力網の利用率およびエネルギー需要家CEの負荷率を向上できる。
【0068】
(第2変形例)
図11は、実施形態の第2変形例に係るエネルギー管理システムの概要を示す図である。実施形態の第2変形例のエネルギー管理システム1bは、実施形態のエネルギー管理システムと比較して、電力センサー50-1と、電力センサー50-2と、電力センサー50-3とが省略される。実施形態の第2変形例のエネルギー管理システム1bは、実施形態のエネルギー管理システムと比較して、エネルギー管理装置100の代わりに、エネルギー管理装置100bを備える。
エネルギー管理装置100bは、配電電力を推定する。エネルギー管理装置100bは、配電電力の推定結果に基づいて、配電電力の推定結果が電力の閾値を超えるか否かを監視する。本実施形態の第2変形例では、電力の閾値の一例として、配電線DLに供給可能な配電電力の上限値を適用した場合について説明を続ける。この配電線DLに供給可能な配電電力の上限値は、電力系統を導入する場合に予め設定される。
具体的には、エネルギー管理装置100bは、第1配電電力を推定し、第1配電電力の推定結果に基づいて、第1配電電力の推定結果が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えるか否かを監視する。エネルギー管理装置100bは、第2配電電力を推定し、第2配電電力の推定結果に基づいて、第2配電電力の推定結果が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えるか否かを監視する。エネルギー管理装置100bは、第3配電電力を推定し、第3配電電力の推定結果に基づいて、第3配電電力の推定値が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えるか否かを監視する。
【0069】
エネルギー管理装置100bは、配電電力の推定結果に基づいて、水電解装置300-1と、水電解装置300-2と、水電解装置300-3との各々の消費電力を算出する。具体的には、
エネルギー管理装置100bは、第1配電電力の推定結果が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えると判定した場合に、第1配電電力の推定結果から配電線DLに供給可能な電力の上限値を減算することによって、太陽光発電システム200-1と関連付けられる水電解装置300-1の第1消費電力を算出する。
エネルギー管理装置100bは、第2配電電力の推定結果が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えると判定した場合に、第2配電電力の推定結果から配電線DLに供給可能な電力の上限値を減算することによって、太陽光発電システム200-2と関連付けられる水電解装置300-2の第2消費電力を算出する。
エネルギー管理装置100bは、第3配電電力の推定結果が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えると判定した場合に、第3配電電力の推定結果から配電線DLに供給可能な電力の上限値を減算することによって、太陽光発電システム200-3と関連付けられる水電解装置300-3の第3消費電力を算出する。
【0070】
エネルギー管理装置100bは、算出した第1消費電力に基づいて、第1消費電力指令値を導出する。エネルギー管理装置100bは、水電解装置300-1の識別情報に関連付けられている水電解装置300-1のアドレスを、水電解装置情報から取得する。エネルギー管理装置100bは、取得した水電解装置300-1のアドレスを宛先とし、第1消費電力指令値を含む水電解装置制御情報を作成する。エネルギー管理装置100bは、作成した第1水電解装置制御情報を、水電解装置300-1へ送信する。
エネルギー管理装置100bは、算出した第2消費電力に基づいて、第2消費電力指令値を導出する。エネルギー管理装置100bは、水電解装置300-2の識別情報に関連付けられている水電解装置300-2のアドレスを、水電解装置情報から取得する。エネルギー管理装置100bは、取得した水電解装置300-2のアドレスを宛先とし、第2消費電力指令値を含む水電解装置制御情報を作成する。エネルギー管理装置100bは、作成した第2水電解装置制御情報を、水電解装置300-2へ送信する。
エネルギー管理装置100bは、算出した第3消費電力に基づいて、第3消費電力指令値を導出する。エネルギー管理装置100bは、水電解装置300-3の識別情報に関連付けられている水電解装置300-3のアドレスを、水電解装置情報から取得する。エネルギー管理装置100bは、取得した水電解装置300-3のアドレスを宛先とし、第3消費電力指令値を含む水電解装置制御情報を作成する。エネルギー管理装置100bは、作成した第3水電解装置制御情報を、水電解装置300-3へ送信する。
【0071】
以下、エネルギー管理システム1bに含まれるエネルギー管理装置100bについて、詳細に説明する。
図12は、実施形態の第2変形例に係るエネルギー管理システムに含まれるエネルギー管理装置の一例を示すブロック図である。
図12には、エネルギー管理装置100bに加えて、水電解装置300が示されている。
[エネルギー管理装置100b]
エネルギー管理装置100bは、パーソナルコンピュータ、サーバー、又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。エネルギー管理装置100bは、例えば、通信部110と、推定部115と、監視部120と、算出部130と、作成部140と、記憶部150とを備える。
記憶部150は、対応情報152bと、水電解装置情報154とが記憶される。対応情報152bと、水電解装置情報154とがクラウド上に記憶されていてもよい。
【0072】
(対応情報152b)
対応情報152bは、太陽光発電システム識別情報と、水電解装置識別情報とを関連付けたテーブル形式の情報である。ここで、対応情報152bでは、太陽光発電システム200と、その太陽光発電システム200が供給する電力を主に使用するエネルギー需要家CEの近傍に設置される水電解装置300とが関連付けられる。
図13は、対応情報の一例を示す図である。
図13に示される対応情報152bには、太陽光発電システム識別情報「PV0001」と、水電解装置識別情報「WE0001」とが関連付けられ、太陽光発電システム識別情報「PV0002」と、水電解装置識別情報「WE0002」とが関連付けられ、太陽光発電システム識別情報「PV0003」と、水電解装置識別情報「WE0003」とが関連付けられて記憶されている。これらの情報は、エネルギー管理システム1bの運用を開始する際に記憶される。
図12に戻り、説明を続ける。
【0073】
推定部115と、監視部120、算出部130、および作成部140は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサが記憶部150に格納されたプログラムを実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
【0074】
推定部115、監視部120b、算出部130、よび作成部140aのうち、実施形態とは異なる推定部115、および監視部120について、主に説明する。
推定部115は、配電電力を推定する。例えば、推定部115は、天気の状態を示す情報と太陽光発電システム200が発電する電力を示す情報とを関連付けた情報である天気状態発電電力対応情報を保持している。推定部115には、撮像部(図示なし)によって、太陽光発電システム200が設置されている環境を撮像した画像情報が入力される。推定部115は、撮像部が入力した画像情報に基づいて、天気の状態を推定する。推定部115は、天気の状態の推定結果に関連付けられている太陽光発電システム200が発電する電力を、天気状態発電電力対応情報から取得し、取得した太陽光発電システム200が発電する電力を、配電電力の推定結果とする。推定部115は、配電電力の推定結果を、監視部120bに出力する。
【0075】
具体的には、推定部115は、天気の状態を示す情報と太陽光発電システム200-1が発電する電力を示す情報とを関連付けた情報である第1天気状態発電電力対応情報を保持している。推定部115には、撮像部によって、太陽光発電システム200-1が設置されている環境を撮像した画像情報が入力される。推定部115は、撮像部が入力した画像情報に基づいて、天気の状態を推定する。推定部115は、天気の状態の推定結果に関連付けられている太陽光発電システム200-1が発電する電力を、第1天気状態発電電力対応情報から取得し、取得した太陽光発電システム200-1が発電する電力を、第1配電電力の推定結果とする。推定部115は、第1配電電力の推定結果を、監視部120bに出力する。
【0076】
推定部115は、天気の状態を示す情報と太陽光発電システム200-2が発電する電力を示す情報とを関連付けた情報である第2天気状態発電電力対応情報を保持している。推定部115には、撮像部によって、太陽光発電システム200-2が設置されている環境を撮像した画像情報が入力される。推定部115は、撮像部が入力した画像情報に基づいて、天気の状態を推定する。推定部115は、天気の状態の推定結果に関連付けられている太陽光発電システム200-2が発電する電力を、第2天気状態発電電力対応情報から取得し、取得した太陽光発電システム200-2が発電する電力を、第2配電電力の推定結果とする。推定部115は、第2配電電力の推定結果を、監視部120bに出力する。
推定部115は、天気の状態を示す情報と太陽光発電システム200-3が発電する電力を示す情報とを関連付けた情報である第3天気状態発電電力対応情報を保持している。推定部115には、撮像部によって、太陽光発電システム200-3が設置されている環境を撮像した画像情報が入力される。推定部115は、撮像部が入力した画像情報に基づいて、天気の状態を推定する。推定部115は、天気の状態の推定結果に関連付けられている太陽光発電システム200-3が発電する電力を、第3天気状態発電電力対応情報から取得し、取得した太陽光発電システム200-3が発電する電力を、第3配電電力の推定結果とする。推定部115は、第3配電電力の推定結果を、監視部120bに出力する。
【0077】
監視部120bは、推定部115が出力した配電電力の推定結果を取得する。監視部120bは取得した配電電力の推定結果に基づいて、配電電力の推定結果が配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えるか否かを監視する。監視部120bは、配電電力の推定結果が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えると判定した場合に、その配電電力を供給する太陽光発電システム200の太陽光発電システム識別情報に関連付けて記憶されている水電解装置識別情報を、対応情報152bから特定する。水電解装置識別情報を特定することによって、制御対象の水電解装置300を特定できる。監視部120bは、特定した水電解装置識別情報に該当する水電解装置300の消費電力を算出する指示情報を作成する。監視部120bは、水電解装置識別情報と、作成した指示情報とを、算出部130へ出力する。
具体的には、監視部120bは、取得した第1配電電力の推定結果に基づいて、第1配電電力の推定結果が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えるか否かを監視する。監視部120bは、第1配電電力の推定結果が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えると判定した場合に、その第1配電電力を供給する太陽光発電システム200-1の太陽光発電システム識別情報に関連付けて記憶されている水電解装置識別情報を、対応情報152bから特定する。水電解装置識別情報を特定することによって、制御対象の水電解装置300-1を特定できる。監視部120bは、特定した水電解装置識別情報に該当する水電解装置300-1の消費電力を算出する指示情報を作成する。監視部120bは、水電解装置識別情報と、作成した指示情報とを、算出部130へ出力する。
【0078】
監視部120bは、取得した第2配電電力の推定結果に基づいて、第2配電電力の推定結果が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えるか否かを監視する。監視部120bは、第2配電電力の推定結果が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えると判定した場合に、その第2配電電力を供給する太陽光発電システム200-2の太陽光発電システム識別情報に関連付けて記憶されている水電解装置識別情報を、対応情報152bから特定する。水電解装置識別情報を特定することによって、制御対象の水電解装置300-2を特定できる。監視部120bは、特定した水電解装置識別情報に該当する水電解装置300-2の消費電力を算出する指示情報を作成する。監視部120bは、水電解装置識別情報と、作成した指示情報とを、算出部130へ出力する。
監視部120bは、取得した第3配電電力の推定結果に基づいて、第3配電電力の推定値が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えるか否かを監視する。監視部120bは、第3配電電力の推定結果が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えると判定した場合に、その第3配電電力を供給する太陽光発電システム200-3の太陽光発電システム識別情報に関連付けて記憶されている水電解装置識別情報を、対応情報152bから特定する。水電解装置識別情報を特定することによって、制御対象の水電解装置300-3を特定できる。監視部120bは、特定した水電解装置識別情報に該当する水電解装置300-3の消費電力を算出する指示情報を作成する。監視部120bは、水電解装置識別情報と、作成した指示情報とを、算出部130へ出力する。
【0079】
次に、エネルギー管理システムの動作について説明する。
(エネルギー管理システムの動作)
図14は、実施形態の第2変形例に係るエネルギー管理システムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
(ステップS1-3)
エネルギー管理装置100bにおいて、推定部115は、配電電力を推定する。推定部115は、配電電力の推定結果を、監視部120bに出力する。
(ステップS2-3)
エネルギー管理装置100bにおいて、監視部120bは、推定部115が出力した配電電力の推定結果を取得する。監視部120bは取得した配電電力の推定結果に基づいて、配電電力の推定結果が配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えるか否かを監視する。監視部120bが、配電電力の推定結果が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えない判定した場合には、ステップS1-3へ移行する。この場合、水電解装置300に対して、消費電力の制御は行われない。
(ステップS3-3)
エネルギー管理装置100bにおいて、監視部120bは、配電電力の推定結果が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えると判定した場合に、その配電電力を供給する太陽光発電システム200の太陽光発電システム識別情報に関連付けて記憶されている水電解装置識別情報を、対応情報152bから特定する。水電解装置識別情報を特定することによって、制御対象の水電解装置300を特定できる。監視部120bは、特定した水電解装置識別情報に該当する水電解装置300の消費電力を算出する指示情報を作成する。監視部120bは、水電解装置識別情報と、作成した指示情報とを、算出部130へ出力する。
ステップS4-3からステップS8-3は、
図6を参照して説明したステップS6-1からステップS10-1を適用できる。
【0080】
本実施形態の第2変形例のエネルギー管理システム1bでは、エネルギー管理装置100bにおいて、推定部115が、撮像部が入力した画像情報に基づいて、天気の状態を推定し、天気の状態の推定結果に関連付けられている太陽光発電システム200が発電する電力量を、天気状態発電電力対応情報から取得する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、推定部115は、外部から天気情報を取得し、取得した天気情報に基づいて、天気の状態に関連付けられている太陽光発電システム200が発電する電力量を、天気状態発電電力対応情報から取得してもよい。
本実施形態の第2変形例のエネルギー管理システム1bの特徴が、実施形態の第2変形例のエネルギー管理システム1aに適用されてもよい。つまり、
図7を参照して説明したエネルギー管理装置100aに、推定部115を備え、監視部120の代わりに、監視部120bを備える。この場合、エネルギー管理装置100aは、配電電力を推定する。エネルギー管理装置100aは、配電電力の推定結果に基づいて、配電電力の推定結果が電力の閾値を超えるか否かを監視する。具体的には、エネルギー管理装置100aは、第1配電電力を推定し、第1配電電力の推定結果に基づいて、第1配電電力の推定結果が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えるか否かを監視する。エネルギー管理装置100aは、第2配電電力を推定し、第2配電電力の推定結果に基づいて、第2配電電力の推定結果が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えるか否かを監視する。エネルギー管理装置100aは、第3配電電力を推定し、第3配電電力の推定結果に基づいて、第3配電電力の推定値が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えるか否かを監視する。
【0081】
エネルギー管理装置100aは、配電電力の推定結果に基づいて、水電解装置300-1と、水電解装置300-2と、水電解装置300-3との各々の消費電力を算出する。具体的には、エネルギー管理装置100aは、第1配電電力の推定結果が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えると判定した場合に、第1配電電力の推定結果から配電線DLに供給可能な電力の上限値を減算することによって、太陽光発電システム200-1と関連付けられる水電解装置300-1の第1消費電力を算出する。エネルギー管理装置100aは、第2配電電力の推定結果が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えると判定した場合に、第2配電電力の推定結果から配電線DLに供給可能な電力の上限値を減算することによって、太陽光発電システム200-2と関連付けられる水電解装置300-2の第2消費電力を算出する。エネルギー管理装置100aは、第3配電電力の推定結果が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えると判定した場合に、第3配電電力の推定結果から配電線DLに供給可能な電力の上限値を減算することによって、太陽光発電システム200-3と関連付けられる水電解装置300-3の第3消費電力を算出する。
【0082】
エネルギー管理装置100aは、算出した消費電力と、水電解装置300の消費可能電力とに基づいて、消費電力の全てを、水電解装置300で消費可能であるか否かを判定する。具体的には、エネルギー管理装置100aは、算出した第1消費電力と、第1消費可能電力とに基づいて、第1消費電力の全てを、水電解装置300-1で消費可能であるか否かを判定する。エネルギー管理装置100aは、算出した第2消費電力と、第2消費可能電力とに基づいて、第2消費電力の全てを、水電解装置300-2で消費可能であるか否かを判定する。エネルギー管理装置100aは、算出した第3消費電力と、第3消費可能電力とに基づいて、第3消費電力の全てを、水電解装置300-3で消費可能であるか否かを判定する。
具体的には、エネルギー管理装置100aは、第1消費電力が、第1消費可能電力を超えるか否かを判定する。エネルギー管理装置100aは、第2消費電力が、第2消費可能電力を超えるか否かを判定する。エネルギー管理装置100aは、第3消費電力が、第3消費可能な電力を超えるか否かを判定する。
【0083】
エネルギー管理装置100aは、配電電力の検出結果を監視した結果と、消費電力判定結果とに基づいて、水電解装置300の消費電力を算出する。
具体的には、エネルギー管理装置100aは、第1配電電力が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えると判定した場合に、第1配電電力から配電線DLに供給可能な電力の上限値を減算することによって、太陽光発電システム200-1と関連付けられる水電解装置300-1の第1消費電力を算出する。
エネルギー管理装置100aは、算出した第1消費電力が、第1消費可能電力を超えるか否かを判定する。エネルギー管理装置100aは、第1消費電力が、第1消費可能電力以下と判定した場合には、第1消費電力を、水電解装置300-1の消費電力とする。一方、エネルギー管理装置100aは、第1消費電力が、第1消費可能電力を超えると判定した場合には、第1消費可能電力を、水電解装置300-1の消費電力とする。エネルギー管理装置100aは、第1消費電力が、第1消費可能電力を超えると判定した場合に、太陽光発電システム200-1が発電した電力のうち、第1制限電力を算出する。
【0084】
エネルギー管理装置100aは、第2配電電力が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えると判定した場合に、第2配電電力から配電線DLに供給可能な電力の上限値を減算することによって、太陽光発電システム200-2と関連付けられる水電解装置300-2の第2消費電力を算出する。エネルギー管理装置100aは、算出した第2消費電力が、第2消費可能電力を超えるか否かを判定する。エネルギー管理装置100aは、第2消費電力が、第2消費可能電力以下と判定した場合には、第2消費電力を、水電解装置300-2の消費電力とする。一方、エネルギー管理装置100aは、第2消費電力が、第2消費可能電力を超えると判定した場合には、第2消費可能電力を、水電解装置300-2の消費電力とする。エネルギー管理装置100aは、第2消費電力が、第2消費可能電力を超えると判定した場合に、太陽光発電システム200-2が発電した電力のうち、第2制限電力を算出する。
【0085】
エネルギー管理装置100aは、第3配電電力が、配電線DLに供給可能な電力の上限値を超えると判定した場合に、第3配電電力から配電線DLに供給可能な電力の上限値を減算することによって、太陽光発電システム200-3と関連付けられる水電解装置300-3の第3消費電力を算出する。エネルギー管理装置100aは、算出した第3消費電力が、第3消費可能電力を超えるか否かを判定する。エネルギー管理装置100aは、第3消費電力が、第3消費可能電力以下と判定した場合には、第3消費電力を、水電解装置300-3の消費電力とする。一方、エネルギー管理装置100aは、第3消費電力が、第3消費可能電力を超えると判定した場合には、第3消費可能電力を、水電解装置300-3の消費電力とする。エネルギー管理装置100aは、第3消費電力が、第3消費可能電力を超えると判定した場合に、太陽光発電システム200-3が発電した電力のうち、第3制限電力を算出する。
【0086】
エネルギー管理装置100aは、算出した第1消費電力に基づいて、第1消費電力指令値を導出する。エネルギー管理装置100aは、水電解装置300-1の識別情報に関連付けられている水電解装置300-1のアドレスを、水電解装置情報から取得する。エネルギー管理装置100aは、取得した水電解装置300-1のアドレスを宛先とし、第1消費電力指令値を含む水電解装置制御情報を作成する。エネルギー管理装置100aは、作成した第1水電解装置制御情報を、水電解装置300-1へ送信する。
エネルギー管理装置100aは、第1制限電力を算出した場合に、算出した第1制限電力に基づいて、第1制限指令値を導出する。エネルギー管理装置100aは、太陽光発電システム200-1の識別情報に関連付けられている太陽光発電システム200-1のアドレスを、太陽光発電システム情報から取得する。エネルギー管理装置100aは、取得した太陽光発電システム200-1のアドレスを宛先とし、第1制限指令値を含む第1太陽光発電システム制御情報を作成する。エネルギー管理装置100aは、作成した第1太陽光発電システム制御情報を、太陽光発電システム200-1へ送信する。
【0087】
エネルギー管理装置100aは、算出した第2消費電力に基づいて、水電解装置300-2の消費電力を設定するための第2消費電力指令値を導出する。エネルギー管理装置100aは、水電解装置300-2の識別情報に関連付けられている水電解装置300-2のアドレスを、水電解装置情報から取得する。エネルギー管理装置100aは、取得した水電解装置300-2のアドレスを宛先とし、第2消費電力指令値を含む第2水電解装置制御情報を作成する。エネルギー管理装置100aは、作成した第2水電解装置制御情報を、水電解装置300-2へ送信する。
エネルギー管理装置100aは、第2制限電力を算出した場合に、算出した第2制限電力に基づいて、第2制限指令値を導出する。エネルギー管理装置100aは、太陽光発電システム200-2の識別情報に関連付けられている太陽光発電システム200-2のアドレスを、太陽光発電システム情報から取得する。エネルギー管理装置100aは、取得した太陽光発電システム200-2のアドレスを宛先とし、第2制限指令値を含む第2太陽光発電システム制御情報を作成する。エネルギー管理装置100aは、作成した第2太陽光発電システム制御情報を、太陽光発電システム200-2へ送信する。
【0088】
エネルギー管理装置100aは、算出した第3消費電力に基づいて、水電解装置300-3の消費電力を設定するための第3消費電力指令値を導出する。エネルギー管理装置100aは、水電解装置300-3の識別情報に関連付けられている水電解装置300-3のアドレスを、水電解装置情報から取得する。エネルギー管理装置100aは、取得した水電解装置300-3のアドレスを宛先とし、第3消費電力指令値を含む制御情報(以下「第3水電解装置制御情報」という)を作成する。エネルギー管理装置100aは、作成した第3水電解装置制御情報を、水電解装置300-3へ送信する。
エネルギー管理装置100aは、第3制限電力を算出した場合に、算出した第3制限電力に基づいて、第3制限指令値を導出する。エネルギー管理装置100aは、太陽光発電システム200-3の識別情報に関連付けられている太陽光発電システム200-3のアドレスを、太陽光発電システム情報から取得する。エネルギー管理装置100aは、取得した太陽光発電システム200-3のアドレスを宛先とし、第3制限指令値を含む第3太陽光発電システム制御情報を作成する。エネルギー管理装置100aは、作成した第3太陽光発電システム制御情報を、太陽光発電システム200-3へ送信する。
【0089】
本実施形態の第2変形例のエネルギー管理システム1bによれば、エネルギー管理システム1bは、配電線DLに接続された太陽光発電システム200と、水電解装置300とを含むエネルギー管理システムであって、配電線DLにおける太陽光発電システム200の接続箇所と、水電解装置300の接続箇所との間に供給される電力である配電電力を監視する監視部120bと、配電線DLに供給される電力の閾値と、配電電力とに基づいて、水電解装置300の消費電力を算出する算出部130と、算出部130が算出した消費電力に基づいて、消費電力指令値を導出し、導出した消費電力指令値を含む水電解装置300を制御するための水電解装置制御情報を作成する作成部140とを備える。
さらに、配電電力を推定する推定部115をさらに備え、監視部120bは、推定部115が推定した配電電力を監視する。
【0090】
このように構成することによって、エネルギー管理装置100bは、配電電力を推定できる。エネルギー管理システム1bに、電力センサー50を備えなくても、配電電力の推定値と、配電線DLに供給される電力の閾値とに基づいて、水電解装置300の消費電力を制御できるため、太陽光発電システム200が配電線DLに供給される電力のうち、エネルギー需要家CEに供給される電力を制御できる。配電線DLにおいて、太陽光発電システム200の接続箇所と、水電解装置300の接続箇所との間を増強することによって、再生可能エネルギーをローカルグリッド(配電線)に導入できる。再生可能エネルギーをローカルグリッド(配電線)に導入する際に、配電線DLの増強箇所を限定できる。二酸化炭素が発生しない再生可能エネルギーをローカルグリッド(配電線)に導入できる。これによって、電力網の利用率およびエネルギー需要家CEの負荷率を向上できる。
【0091】
なお、前述したエネルギー管理装置100、エネルギー管理装置100a、エネルギー管理装置100bは、コンピュータシステムを含む。エネルギー管理装置100、エネルギー管理装置100a、エネルギー管理装置100bは、上記の処理を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、上述した種々の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0092】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバーやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0093】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。例えば、実施形態に示した変形例等を、他の実施形態に適用することができる。また、実施形態の第1変形例と、実施形態の第2変形例とを組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0094】
1、1a、1b…エネルギー管理システム、50、50-1、50-2、50-3…電力センサー、60-1、60-2、60-3…スマートメータ、100、100a、100b…エネルギー管理装置、110…通信部、120、120b…監視部、130、130a…算出部、135…判定部、140、140a…作成部、150…記憶部、152、152b…対応情報、154、154a…水電解装置情報、156…太陽光発電システム情報、200、200-1、200-2、200-3…太陽光発電システム、300、300-1、300-2、300-3…水電解装置