(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-19
(45)【発行日】2024-11-27
(54)【発明の名称】壁面又は屋根の設置用ブランケット、及びこれを用いた壁面又は屋根の設置工法
(51)【国際特許分類】
E04F 13/08 20060101AFI20241120BHJP
E04D 3/00 20060101ALI20241120BHJP
【FI】
E04F13/08 101S
E04D3/00 T
(21)【出願番号】P 2020147180
(22)【出願日】2020-09-01
【審査請求日】2023-08-10
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 有限会社菅板金店は、令和1年11月10日に、菅厚志が発明した「壁面又は屋根の設置用ブランケット、及びこれを用いた壁面又は屋根の設置工法」を、ヨークベニマル新庄店(山形県新庄市五日町字清水川1305番5号)の改装工事で使用(施工)して販売した。
(73)【特許権者】
【識別番号】520336698
【氏名又は名称】有限会社菅板金店
(74)【代理人】
【識別番号】100129159
【氏名又は名称】黒沼 吉行
(72)【発明者】
【氏名】菅 厚志
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-004172(JP,A)
【文献】特開昭55-042937(JP,A)
【文献】実開昭63-165027(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 13/00-13/30
E04D 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設の壁面に対して新たな壁面を設置するか、又は既設の屋根に対して新たな屋根を設置する際に
既設の壁面又は屋根に生じている不陸を解消する為に使用する壁面又は屋根の設置用ブランケットであって、
既設の壁面又は屋根に沿って延伸する長尺な形状であって、既設の壁面又は屋根
の湾曲形状に沿わせて固定される既設側固定面
が設けられる既設側長尺部材と、
新たに設置する壁面又は屋根を固定する新設側固定面
が設けられる新設側長尺部材とを有し、
当該既設側固定面と新設側固定面とを連結する連結部を備え
、
前記既設側長尺部材と新設側長尺部材は断面形状が同じ溝形形状であって、その底面をそれぞれ既設側固定面又は新設側固定面とし、底面から立ち上がるように曲折する壁面を前記連結部とし、
前記新設側長尺部材の連結部が前記既設側長尺部材の連結部の上に重なるように設置され、重なり合った連結部同士がドリルビス又はタッピングビスで固定される、壁面又は屋根の設置用ブランケット。
【請求項2】
前記既設側固定面と前記新設側固定面とは、それぞれ対向配置される長尺部材の対向面に設けられており、
当該既設側固定面が設けられる既設側長尺部材と、当該新設側固定面が設けられる新設側長尺部材とは、それぞれの長尺部材における各固定面に対して交差する向きに展開する連結部を備えると共に、当該連結部を重ね合わせて一体化される、請求項1に記載の壁面又は屋根の設置用ブランケット。
【請求項3】
前記既設側固定面は、既設の壁面又は屋根の出隅又は入隅を含む角部に沿って延伸すると共に、当該角部に正対する曲折部を備える既設側長尺部材の曲折部の両側に存在する展開面に設けられており、
前記新設側固定面は、前記既設側固定面の曲折部に正対して曲折する曲折部と前記既設側固定面の展開面に当接する支持面とを備える新設側長尺部材における曲折部と支持面との間に設けられている、請求項1に記載の壁面又は屋根の設置用ブランケット。
【請求項4】
既設の壁面に対して新たな壁面を設置するか、又は既設の屋根に対して新たな屋根を設置する
際に既設の壁面又は屋根に生じている不陸を解消する壁面又は屋根の設置工法であって、
既設の壁面又は屋根に固定される既設側固定面が設けられる既設側長尺部材を既設の壁面又は屋根に設置する既設側長尺部材設置工程と、
既設の壁面又は屋根に設置した既設側長尺部材に対して、新たに設置する壁面又は屋根を固定する新設側固定面が設けられる新設側長尺部材を、それぞれの長尺部材における各固定面に対して交差する向きに展開する連結部を重ね合わせて一体化する新設側長尺部材設置工程と、
既設側長尺部材に一体化した新設側長尺部材に対して新たな壁面又は屋根を固定する新設壁面又は屋根設置工程とからな
り、
前記既設側長尺部材と新設側長尺部材は断面形状が同じ溝形形状であって、その底面をそれぞれ既設側固定面又は新設側固定面とし、底面から立ち上がるように曲折する壁面を前記連結部とし、
前記新設側長尺部材設置工程では、前記新設側長尺部材の連結部を前記既設側長尺部材の連結部の上に重なるように設置して、重なり合った連結部同士をドリルビス又はタッピングビスで固定する事を特徴とする、壁面又は屋根の設置工法。
【請求項5】
前記既設側長尺部材設置工程は、既設側長尺部材を既設の壁面又は屋根に沿わせて設置し、前記新設側長尺部材設置工程は、前記各長尺部材の連結部同士の重ね合わせ幅を調整した上で、新設側長尺部材を真っ直ぐに設置する、請求項4に記載の壁面又は屋根の設置工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は壁面又は屋根の設置用ブランケット、及びこれを用いた壁面又は屋根の設置工法に関し、特に簡易かつ確実に、既存の壁面(塀、外壁及び内壁を含む)や屋根に対して新たな壁面や屋根を設置する為のブランケットと、これを用いた壁面又は屋根の設置工法に関する。
【背景技術】
【0002】
塀、外壁や内壁などの壁面及び屋根は、地震、台風、又は洪水などの災害や経年劣化などによって損傷を受けることから、これを改修する必要が生じることもあり、また好みに応じて適宜変更したい場合もある。このような壁面や屋根の改修方法としては、既存の壁面や屋根を一旦取り外して除去し、その後に新たに壁面や屋根を設置する方法や、既存の壁面や屋根をそのままにして、その上から新たに壁面や屋根を設置する方法が行われている。特に既存の壁面や屋根を除去する方法にあっては、当該既存の壁面や屋根を除去する為の作業が必要になるだけでなく、除去した既存の壁面や屋根の廃棄作業及び費用も発生してしまうことになる。そこで近年では、既存の壁面や屋根をそのままにして、その上から新たに壁面や屋根を施工する方法も着目されている。
【0003】
例えば特許文献1(特開2009-270287号公報)では、劣化の対象となるコーキング材を使用することなく、又補修間隔を長くし、又外壁パネルの延命を図る外壁補修方法として、鉛直方向に延びる胴縁が水平方向に所定の間隔で設けられ、該胴縁に外壁パネルが設けられた構造を有する外壁の外壁補修方法であって、前記外壁パネルの外面に鋼板パネルを設け、該鋼板パネルを前記外壁パネルを貫通させたボルトによって前記胴縁に固定し、前記鋼板パネルにより既存の外壁パネルの外面に新規鋼板パネル壁を形成することを提案している。
【0004】
また既存の外壁としてALC部材(軽量気泡コンクリート)が使用されている場合もある。かかるALC外壁をそのまま壁下地材として利用し、その上に新規壁材を施工する構造では、そもそも古くなったALC外壁は、その性質により凍害や経時変化で、ひび割れや一部脱落、強度劣化が進んでいることから、これに新規壁材の取り付けたとしても強度上の問題が危惧される。さらに、ALC外壁の表面には凹凸があり、そのまま新規外壁を施工すると凹凸による不陸調整が困難で、張り上がった新規壁面にも凹凸が発生してしまうことが危惧される。
【0005】
そこで特許文献2(特開2000-27403号公報)では、ALC外壁に負担(荷重)をかけることなく、新規の乾式壁材の取付強度も充分とするべく、既存のALC外壁に貫通孔が設けられ、該貫通孔に連結下地材が挿入されていると共に、該連結下地材の一端部は既存のALC外壁が取り付けられている下地材にびょう打銃により固定され、他端はALC外壁表面に配設した胴縁に固定されており、かつ、胴縁に新規の乾式壁材が固定されてなるALC外壁の改修構造を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2009-270287号公報
【文献】特開2000-27403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の通り従前においても既存の外壁の上から新規な外壁を設置する事は行われており、特に既存のALC外壁の上から新規な乾式壁在を設置する事も提案されている。しかしながら、前記特許文献2で提案されているALC外壁の改修構造は、連結下地材が、底付き金具とびょう付きボルトをナットでネジ結合して長さの伸縮機能を付加し、ALC外壁の厚みの違いへの対応や不陸の調整も可能とするものであり、連結下地材の長さ調整が必要であり、作業現場における施工性について未だ改良の余地を有していた。
【0008】
そこで本発明は、施工に際して、不陸調整を容易に行うことができるようにした壁面又は屋根の設置用ブランケット、及びこれを用いた壁面又は屋根の設置工法を提供することを課題の1つとする。
【0009】
また本発明では、既存の壁面又は屋根の上から、新たに壁面又は屋根を施工する際に、施工した新たに壁面又は屋根が、長期的にも脱落することがない様に強固に保持することができる壁面又は屋根の設置用ブランケット、及びこれを用いた壁面又は屋根の設置工法を提供することを別の課題の1つとする。
【0010】
更に既存壁がALC部材で構成されている場合には、凍害や経時変化で、ひび割れや一部脱落、強度劣化が進んでいる。この為、当該劣化したALC外壁の上に新たな外壁を設置したとしても、新たな外壁の設置後において劣化したALC外壁が脱落することも考えられる。
【0011】
そこで本発明では、新たな壁面又は屋根の設置に際して、既存の壁面又は屋根を補強することができる壁面又は屋根の設置用ブランケット、及びこれを用いた壁面又は屋根の設置工法を提供することを別の課題の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題の少なくとも何れかを解決するべく、本発明では新たな壁面又は屋根を設置する為のブラケットを開発し、且つこれを用いた壁面又は屋根の設置工法を提供するものである。
【0013】
即ち本発明では、既設の壁面に対して新たな壁面を設置するか、又は既設の屋根に対して新たな屋根を設置する際に使用する壁面又は屋根の設置用ブランケットとして、既設の壁面又は屋根に沿って延伸する長尺な形状であって、既設の壁面又は屋根の上に固定される既設側固定面と、新たに設置する壁面又は屋根を固定する新設側固定面とを有し、当該既設側固定面と新設側固定面とを連結する連結部を備える壁面又は屋根の設置用ブランケットを提供する。
【0014】
かかる本発明のブラケットを設置する壁面は、建築物における外壁、内壁、耐力壁の他、塀も含んでおり、更には土木工事における擁壁等であっても良い。また本発明のブラケットを設置する屋根は建築物における屋根の他、覆道などのように建築物以外の屋根であっても良い。
【0015】
かかるブラケットは壁面又は屋根に沿って延伸する長尺に形成されており、少なくとも前記既設側固定面と新設側固定面を備える。これら既設側固定面と新設側固定面は平坦な面として形成する他、長さ方向に交互に出現する凹凸を有していても良い。かかる既設側固定面は、ビスや釘、中空壁用アンカー金具(又はITハンガー)などの各種金具、或いは接着剤や両面テープなどによって、既設の壁面又は屋根の上(即ち表側又は外側)に固定できればよく、特にビスや釘などを用いて固定する場合には、既設の壁面又は屋根に直接、またはこれら既設の壁面又は屋根の内側に存在する躯体に固定することができる。また新設側固定面は、ビスや釘、中空壁用アンカー金具(又はITハンガー)などの各種金具、或いは接着剤や両面テープなどによって、新たに設置する壁面又は屋根を固定できれば良い。
【0016】
そして前記既設側固定面と新設側固定面とは、連結部によって連結されている。かかる連結部は各固定面に対して交差する向き(直交する向きを含む)に延伸することができ、望ましくは各固定面に対して鉛直な向きに展開する面として形成することができる。
【0017】
上記本発明に係る壁面又は屋根の設置用ブランケットにおいて、前記既設側固定面と前記新設側固定面とは、それぞれ対向配置される長尺部材の対向面に設けることができる。即ち、当該既設側固定面が設けられる既設側長尺部材と、当該新設側固定面が設けられる新設側長尺部材との2つの部材で構成することができる。そして夫々の長尺部材には、各固定面に対して交差する向きに展開する連結部を備えることができる。かかる連結部は相互に重なり合う板状に形成することができ、当該連結部同士の重なり合い加減を調整することによって既設の壁面又は屋根における不陸を調整することができる。そして各長尺部材における連結部同士を重ね合わせて一体化することで、当該既設側長尺部材と新設側長尺部材との一体化を図ることができる。
【0018】
かかる本発明の壁面又は屋根の設置用ブランケットは、平らな面に設置する棒状又は板状に形成することができ、その際にこれを構成する既設側長尺部材と新設側長尺部材とは、それぞれ角柱形状、山形形状(アングル形状)、溝形形状(チャンネル形状)に形成することができ、既設側長尺部材と新設側長尺部材とを同じ形状にする他、それぞれ異なる形状に形成することもできる。
【0019】
また本発明に係る壁面又は屋根の設置用ブランケットは、出隅や入隅にも設置できる長尺状に形成することができる。即ち、前記既設側固定面は、既設の壁面又は屋根の出隅又は入隅を含む角部に沿って延伸すると共に、当該角部に正対する曲折部を備える既設側長尺部材の曲折部の両側に存在する展開面に設けられており、前記新設側固定面は、前記既設側固定面の曲折部に正対して曲折する曲折部と、前記既設側固定面の展開面に当接する支持面とを備える新設側長尺部材における曲折部と支持面との間に設けられている壁面又は屋根の設置用ブランケットとすることができる。
【0020】
前記既設側長尺部材と新設側長尺部材における曲折部は、それぞれが出隅や入隅における角部と同じ角度で曲折させることができる。そして既設の壁面又は屋根に対向若しくは接触させて設けられる既設側長尺部材は、前記曲折の両側に存在する展開面からなる既設側固定面の先端側に、前記連結部と同程度に突出する突出部を設けることができる。かかる突出部は、V字状又はコ字状に曲折させて形成することができる。また、前記新設側長尺部材は、前記曲折部と、その先端側をフランジ状に曲折させて前記既設側固定面の展開面に当接する支持面とを備えており、当該曲折部と支持面との間に確保される新設側固定面は、前記既設側長尺部材よりも連結部と同程度に離間していることが望ましい。
【0021】
そして本発明では、前記課題の少なくとも何れかを解決する為に、前記壁面又は屋根の設置用ブランケットを用いる壁面又は屋根の設置工法を提供する。即ち、既設の壁面に対して新たな壁面を設置するか、又は既設の屋根に対して新たな屋根を設置する壁面又は屋根の設置工法であって、既設の壁面又は屋根の上に固定される既設側固定面が設けられる既設側長尺部材を既設の壁面に設置する既設側長尺部材設置工程と、既設の壁面に設置した既設側長尺部材に対して、新たに設置する壁面又は屋根を固定する新設側固定面が設けられる新設側長尺部材を、それぞれの長尺部材における各固定面に対して交差する向きに展開する連結部を重ね合わせて一体化する新設側長尺部材設置工程と、既設側長尺部材に一体化した新設側長尺部材に対して新たな壁面又は屋根を固定する新設壁面又は屋根設置工程とからなる壁面又は屋根の設置工法を提供する。
【0022】
かかる壁面又は屋根の設置工法においては、既設の壁面又は屋根に生じている不陸を解消できることが望ましい。そこで前記既設側長尺部材設置工程は、既設側長尺部材を既設の壁面又は屋根に沿わせて設置し、前記新設側長尺部材設置工程は、前記各長尺部材の連結部同士の重ね合わせ幅を調整した上で、新設側長尺部材を真っ直ぐに設置することが望ましい。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る壁面又は屋根の設置用ブランケットは、既設の壁面又は屋根に沿って延伸する長尺な形状であって、既設の壁面又は屋根に固定される既設側固定面と、新たに設置する壁面又は屋根を固定する新設側固定面とを有し、当該既設側固定面と新設側固定面とを連結する連結部を備えることから、当該連結部において既設の壁面又は屋根の不陸を解消することができる。よって、施工に際して、不陸調整を容易に行うことができるようにした壁面又は屋根の設置用ブランケットとすることができる。
【0024】
特に既設側固定面が設けられる既設側長尺部材と、新設側固定面が設けられる新設側長尺部材とは、それぞれの長尺部材における各固定面に対して交差する向きに展開する連結部を備え、当該連結部を重ね合わせて一体化した場合には、前記不陸調整を一層容易に行うことができる。
【0025】
更に、新たに設置する壁面又は屋根は、既設の壁面又は屋根若しくはこれらが設けられている躯体に確実に固定されている壁面又は屋根の設置用ブランケットに固定することから、施工した新たに壁面又は屋根が、長期的にも脱落することがない様に強固に保持することができる。
【0026】
そして本発明に係る壁面又は屋根の設置用ブランケットは長尺状であって、既設の壁面又は屋根の上に設けることから、新たな壁面又は屋根の設置に際して、既存の壁面又は屋根を補強することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】第1の実施の形態に係る壁面設置用ブランケットの設置状態を示す分解斜視図。
【
図2】第1の実施の形態に係る壁面設置用ブランケットの設置工程(A~C)を示す縦断面図
【
図3】第1の実施の形態に係る壁面設置用ブランケットの不陸調整のための工程(A~C)を示す横断面図。
【
図4】第2の実施の形態に係る壁面設置用ブランケットを示す(A)分解縦断面図(B)施工後縦断面図。
【
図5】第3の実施の形態に係る壁面設置用ブランケットを示す(A)分解縦断面図(B)施工後縦断面図。
【
図6】第4の実施の形態に係る壁面設置用ブランケットを示す(A)分解縦断面図(B)施工後縦断面図。
【
図7】第5の実施の形態に係る壁面設置用ブランケットを示す(A)分解縦断面図(B)施工後縦断面図。
【
図8】第6の実施の形態に係る壁面設置用ブランケットの設置状態を示す分解斜視図。
【
図9】第6の実施の形態に係る壁面設置用ブランケットを示す分解斜視図。
【
図10】第6の実施の形態に係る壁面設置用ブランケットを示す(A)分解横断面図(B)施工後横断面図。
【
図11】第7の実施の形態に係る壁面設置用ブランケットを示す(A)分解横断面図(B)施工後横断面図、(C)不陸調整時の施工後横断面図、。
【
図12】第8の実施の形態に係る壁面設置用ブランケットの設置状態を示す分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照しながら、本実施の形態にかかる壁面又は屋根の設置用ブランケット10を具体的に説明する。特に本実施の形態は既設の壁面40に新たな壁面を設置する為の壁面設置用のブランケットについて具体的に示しているが、主要な構成要素を共通にして、既存の屋根(又は垂木など)に新たな屋根を設置する際に使用する屋根設置用のブランケットとすることも可能である。
【0029】
図1は第1の実施の形態に係る壁面設置用ブランケット10の設置状態を示す分解斜視図であり、
図2は当該第1の実施の形態に係る壁面設置用ブランケット10の設置工程を示す縦断面図である。この第1の実施の形態に係る壁面設置用ブランケット10は、改修対象となる既設の壁面40に沿って延伸し且つ固定される既設側固定面22を備えた既設側長尺部材20と、新たに設置する壁面を固定する為の面として機能する、前記既設側長尺部材20と対向配置される新設側固定面32を備えた新設側長尺部材30とを用いて形成されている。
図1には、当該既設側長尺部材20と新設側長尺部材30とからなる壁面設置用ブランケット10を、横方向に伸長する向きで上下に2つ配置した状態を示している。
【0030】
上記既設側長尺部材20は、既設側固定面22に対して交差する向き(本実施の形態では直交する向き)に延伸する連結部21を備えており、新設側長尺部材30も、新設側固定面32に対して交差する向き(本実施の形態では直交する向き)に延伸する連結部31を備えている。そして当該既設側長尺部材20と新設側長尺部材30とは、上記連結部21,31同士を重ね合わせ、当該連結部21,31同士において両者を一体化している。特に本実施の形態において、当該既設側長尺部材20と新設側長尺部材30は、何れも溝形形状(チャンネル形状)に形成しており、底面をそれぞれ既設側固定面22又は新設側固定面32とし、底面から立ち上がるように曲折する壁面を前記連結部21,31としている。
【0031】
この既設側長尺部材20と新設側長尺部材30とは、樹脂や木材、或いはセラミックなどの無機材料を用いて形成することもできるが、望ましくは亜鉛めっき鋼板、ガルバリウム鋼板(登録商標)、ステンレス、アルミニウムなどの金属を用いて形成することが望ましい。新設する壁面の保持能力を高める為である。また、上記既設側長尺部材20と新設側長尺部材30とは、600mm以上、特に1,800mm以上の長さに形成することが望ましく、その厚さは、これら長尺部材の固定方法にもよるが、ドリルビスやタッピングビスなどで固定する場合には、0.5mm以上、望ましくは1.0mm以上の肉厚で形成することが望ましいい。
【0032】
以上のように構成した壁面設置用ブランケット10を使用する際には、最初に、既設側長尺部材20を改修対象となる既設の壁面40に固定する(既設側長尺部材設置工程)。かかる既設側長尺部材20の固定は、既設の壁面40又はその内部の躯体に対してビスやアンカー金具を用いて固定することが望ましいが、接着剤や両面テープなどで固定することもできる。特に当該既設側長尺部材20が1,800mm以上の長さに形成する場合には、壁面に対して仮に固定する為に両面テープを使用し、その後でビスやアンカー金具によって確実に固定することもできる。また、当該既設側長尺部材20の既設側固定面22には、所定の間隔でビスやアンカー金具を通すためのガイド孔を設けておくことも望ましい。
【0033】
かかる既設側長尺部材20は、改修する壁面の幅方向にわたって設置することができ、
図1では上下に2つ設けているが、1つ、又は3つ以上設けることもできる。また当該既設側長尺部材20は、所定の長さのものを突き合わせて直線状に配置する他、突き合わせることなく段違いに設けることもできる。更に、
図1では設置する既設の壁面40の幅方向(横方向)に延伸するように配置しているが、新たに設置する壁面の形状次第では、設置する既設の壁面40の高さ方向(上下方向)に延伸するように設置することもできる。例えば新たに設置する壁面を構成する材料が、長尺な板状であって、横方向に延伸するように配置する場合である。更に当該既設側長尺部材20は、既設の壁面40や新設する壁面の構造次第では、斜め方向に延伸するように設置することもできる。
【0034】
当該既設側長尺部材20を設置する事により、既設の壁面40を補強することができる。即ち、本実施の形態に係る壁面の設置工法では、既設の壁面40を残置したまま、その上から新しい壁面50を設置することになる。そして当該既設側長尺部材20を設置する事により、既設の壁面40は当該既設側長尺部材20によって押さえられ、根太等の躯体からの浮きや歪み等を解消し、確実に支持されることになる。よって当該壁面設置用ブランケット10を使用する事により、既設の壁面40を補強した上で、当該壁面設置用ブランケット10自体によっても壁面を補強し、更に新たに設置した壁面50によっても強度を高めることができるのであるから、耐震強度を大幅に向上させた壁面、及び壁面の設置工法とすることができる。
【0035】
そして上記の様に既設の壁面40又は躯体に固定した既設側長尺部材20には、新設側長尺部材30を正対させるように配置して固定する(新設側長尺部材設置工程)。より具体的には、
図2(A)に示す様に、既設側固定面22と新設側固定面32とを正対させるように配置して、各長尺部材における連結部21,31同士を重ね合わせ、
図2(B)に示す様に、当該重なり合った連結部21,31同士をタッピングビスやドリルビスなどのビスで固定一体化することができる。かかる連結部21,31同士も接着剤や両面テープなどで一体化することも可能である。特に本実施の形態では、既設側長尺部材20と新設側長尺部材30とは断面形状が同じ溝形形状(チャンネル形状)を使用している。その結果、既設側長尺部材20と新設側長尺部材30とを共通の部材で構成することができる。特に本実施の形態において新設側長尺部材30の連結部31が、既設側長尺部材20の連結部21の上に重なるように設置している。その結果、連結部21,31同士を一体化しているビスは、専ら連結部21,31同士のスライド移動を阻止する為に機能すれば良いことから、両者の一体化をビスの締結力に頼ることなく行うことができる。
【0036】
そして本実施の形態において当該新設側長尺部材30は溝形形状(チャンネル形状)に形成されていることから、新設側固定面32が外側に露出することになる。そこで
図2(C)に示す様に、新たに設置する壁面40をこの新設側固定面32に当接させ、これをビス止めなどによって固定する(新設壁面又は屋根設置工程)ことで、既存の古い壁面40の表側に、新たな壁面50を施設することができる。
【0037】
ここで新たに施設する壁面50は、外壁である他、内壁であっても良く、更には天井面や耐力壁であっても良い。特に、前記壁面設置用ブランケット10は、新たに施工する壁面50を構成する部材の形状や構造によって施工時の向きや場所、或いは範囲を調整することができ、例えば上下方向に長い板状の壁部材を固定する場合には、
図1に示す様に当該壁面設置用ブランケット10は左右方向に延伸するように設置する事ができ、また左右方向に長い板状の壁部材を固定する場合には、当該壁面設置用ブランケット10は上下方向に延伸するように設置する事ができる。
【0038】
そして新たに設置する壁面50に当接する前記新設側固定面32には、壁在を仮固定する為の両面テープや粘着剤を設けることもでき、更に前記既設の壁面40と新設の壁面50との間、即ち前記壁面設置用ブランケット10が存在する壁面同士の隙間領域には、グラスウールやウレタンなどの断熱部材を設置する事も望ましい。
【0039】
以上のように構成した壁面設置用ブランケット10で固定した新設の壁面50は、既設の壁面40が歪んだり湾曲している場合であっても、これを壁面設置用ブランケット10が吸収することができる為、既設の壁面40における不陸を調整して、極力平坦な面として設置する事ができる。即ち、既設の壁面40が経年劣化や災害などによって湾曲してしまった場合であっても、
図3(A)に示す様に、既設側長尺部材20を当該壁面の湾曲形状に沿うように設置する。前述の通り、当該既設側長尺部材20を肉厚0.5mm以上鋼板、例えば肉厚1.2mmの亜鉛めっき鋼板を用いて溝形形状に形成した場合には、当該壁面の湾曲形状に沿わせて設置する事ができる。そして
図3(B)に示す様に、新設側長尺部材30を既設側長尺部材20の湾曲状体に沿わせることなく、真っ直ぐ配置し、連結部同士21,31が重なり合っている部分にて両者を固定する。即ち、この実施の形態に於いては連結部21,31の張り出し幅の分だけ、既設の壁面40の歪みを吸収して既設の壁面40の不陸を調整することができる。従って、当該壁面設置用ブランケット10を構成する各長尺部材は、連結部21,31の張り出し幅を異ならせたものを複数準備し、これを組み合わせて設置する事ができる。
【0040】
以上の様にして歪んだ既設の壁面40に設置した壁面設置用ブランケット10では、新設側固定面32においては、歪みを吸収した平らな面を構成することができることから、これに新設の壁面50を固定することにより、既設の壁面40における歪みを解消して新設の壁面50を設置する事ができる。
【0041】
次に
図4~7を参照しながら、壁面設置用ブランケット10の他の実施の形態を説明する。これら
図4~7において(A)分解縦断面図、(B)施工後縦断面図を示している。
【0042】
図4に示す第2の実施の形態に係る壁面設置用ブランケット10では、既設側長尺部材20と新設側長尺部材30とを共に溝形形状(チャンネル形状)に形成しているが、既設側長尺部材20が新設側長尺部材30の溝内に嵌入する大きさに形成している。このように形成することにより、当該新設側長尺部材30の連結部31は、既設側長尺部材20の連結部21の上下方向に重なることができ、これによって上下方向の移動をビスなどの締結力に頼ることなく阻止することができる。なお、本実施の形態において、新設側長尺部材30が既設側長尺部材20の溝内に嵌入する大きさに形成することもできる。
【0043】
図5に示す第3の実施の形態に係る壁面設置用ブランケット10では、既設側長尺部材20を溝形形状(チャンネル形状)に形成し、新設側長尺部材30は当該溝内に挿入可能な大きさの角材を使用している。その結果、角材からなる新設側長尺部材30は既設側長尺部材20の溝内に収容されることから上下方向の移動を既設側長尺部材20の連結部21で阻止することができる。また新設側長尺部材30における連結部31は、当該角材における前記既設側長尺部材20の連結部21と対向する面を使用することができる。なお、当該角材に代えて各種材料からなる角パイプを使用することもでき、更に既設側長尺部材20を角材(又は角パイプ)で形成し、新設側長尺部材30を溝形形状(チャンネル形状)に形成することもできる。本実施の形態の様に、何れかの長尺部材として角材を用いたとしても、他の長尺部材を溝形形状(チャンネル形状)等、固定面に対して交差する向きに展開する連結部を備える形状に形成することにより、前述の通り既設の壁面40の歪みを解消することができる。
【0044】
図6に示す第4の実施の形態に係る壁面設置用ブランケット10は、既設側長尺部材20と新設側長尺部材30とを山形形状(アングル形状)に形成している。即ち、既設側長尺部材20を既設の壁面40に固定すると共に、展開状に広がる連結部21に新設側長尺部材30の連結部31を載せて、両者をビスなどで一体化している。この図では、固定面の上側に連結部21,31が展開するように設置しているが、固定面の下側に連結部21,31が展開するように設置する事もできる。かかる壁面設置用ブランケット10においては、1つの連結部21,31同士で既設側長尺部材20と新設側長尺部材30とが一体化されていることから、新設側長尺部材30は前後方向(既設の壁面40に近づくか離れる方向)に揺動することができる。よって、かかる壁面設置用ブランケット10によれば新設の壁面50の上下端部を前後方向に揺動させたい場合に好適に使用することができる。なお、当該山形形状(アングル形状)に形成した長尺部材(既設側長尺部材20又は新設側長尺部材30)は、前記溝形形状(チャンネル形状)に形成した長尺部材、若しくは角材(又は角パイプ)で形成した長尺部材と組み合わせて使用することができる。
【0045】
図7に示す第5の実施の形態に係る壁面設置用ブランケット10は、既設側固定面22と新設側固定面32とを連結部21,31で一体化して形成している。即ち、この実施の形態の壁面設置用ブランケット10は、既設の壁面40に固定する既設側固定面22の端部から曲折している連結部21と、この連結部21の端部から曲折して、前記既設側固定面22とは反対側に延伸する新設側固定面32とで形成しており、縦断面形状をクランク上に形成している。そして既設側固定面22を既設の壁面40(又はその躯体)に固定し、新設の壁面50を新設側固定面32に固定することで、新設壁面の施工を完了することができる。かかる壁面設置用ブランケット10においては、既設の壁面40の歪みに起因する不陸を調整することは困難であるが、より簡易な構成とすることができる。従って、既設の壁面40に歪みが生じておらず、不陸を調整する必要がない場合において好適に使用することができる。
【0046】
図8~10に示す第6の実施の形態に係る壁面設置用ブランケット10は、特に出隅に設置するのに適したものとなっている。即ち、当該壁面設置用ブランケット10は、既設の壁面40又は屋根の出隅又は入隅を含む角部41に沿って延伸し、当該角部41に正対する曲折部23を備えた断面L字状の既設側長尺部材20と、当該既設側固定面22の曲折部23に正対して曲折する曲折部33を備えると共に、当該曲折部33に沿って延伸する断面L字状であって、当該断面L字状の両端部に設けた前記既設側固定面22の展開面に当接する支持面34とからなる新設側長尺部材30とで形成している。既設側長尺部材20においては、前記角部41に正対する曲折部23の両側に存在する展開面を既設側固定面22としており、新設側長尺部材30においては、前記角部41に正対する曲折部33と支持面34との間に展開する面を新設側固定面32としている。なお、本実施の形態では、既設側長尺部材20における断面L字状の両端部にも山形に突出する突出部24を設けている。
【0047】
図8の設置工程を示す斜視図に示す通り、壁面の出隅に沿う様に既設側長尺部材20を設置する。かかる既設側長尺部材20の設置は、
図9に示す様にビスを用いる他、アンカー金具や接着剤又は両面テープなどを用いて既設側固定面22を既設の壁面40やその躯体に固定して行うことができる。このようにして既設の壁面40に設置した既設側長尺部材20において、壁面に沿って上下方向(角部41の延伸方向)に延伸する突出部24は、前記
図1~7に示した壁面設置用ブランケット10の出幅と同じであることが望ましく、即ち当該突出部24において既設の壁面40と新設の壁面50との間の間隙を確保し、新設の壁面50を支持できるようにしている。従って当該突出部24は必ずしも山形に突出する必要はなく凸字条に突出していても良い。
【0048】
そして上記既設側長尺部材20には、その曲折部23,33同士を対向させた上で新設側長尺部材30を固定する(
図9及び10参照)。即ち、新設側長尺部材30における支持面34を前記既設側長尺部材20の既設側固定面22に当接させてビスなどで固定一体化することができる。この時当該支持面34は新設側固定面32から、前記
図1~7に示した壁面設置用ブランケット10の出幅と同じ距離だけ離れて存在することが望ましい。これにより当該新設側長尺部材30における新設側固定面32は、前記
図1~7に示した壁面設置用ブランケット10における新設側固定面32と面一になる位置(即ち、同じ出幅)に、出隅における新設側固定面32を存在させることができ、新設の壁面50を同じ出幅の面で保持することができる。
【0049】
そして前記前記
図1~7に示した壁面設置用ブランケット10に固定した新設の壁面50は、当該出隅に設置した壁面設置用ブランケット10の新設側固定面32にもビスなどで固定することで、出隅における新設の壁面50の設置を行うことができる。なお
図10には示していないが、前記既設側固定面22と新設側長尺部材30の支持面との間には、適宜厚さの板材を設置し、当該板材を連結部21とすることができる。かかる板材の厚さを調整することにより、新設側固定面32の存在位置を調整することができ、これにより既設の壁面40における不陸を調整することができる。
【0050】
そして
図11は、前記第6の実施の形態に係る壁面設置用ブランケット10に関連し、特に不陸調整のために山形形状(アングル形状)の連結部21,31を使用した第7の実施の形態の壁面設置用ブランケット10を示している。即ち、この実施の形態にかかる壁面設置用ブランケット10では、既設側長尺部材20は前記第6の実施の形態と同じであるものの、新設側長尺部材30は曲折部の両側に展開する新設側固定面32の端部を曲折部33の曲折方向に折り曲げて形成している。即ち、前記
図6の実施形態における新設側長尺部材30における支持面34を無くした形状に形成している。その代わりに本実施の形態では、既設側長尺部材20と新設側長尺部材30とを一体化する為の連結部21,31として、山形に曲折したアングル部材を使用している。かかる連結部21,31を使用する事により、前記新設側長尺部材30の設置位置、即ち既設側長尺部材20との距離を調整することができ、既設の壁面40における不陸を調整することができる。
【0051】
図12に示す第8の実施の形態に係る壁面設置用ブランケット10は、特に曲折している壁面40に設置するのに適した壁面設置用ブランケット10となっている。即ち前記第1の実施の形態における既設側長尺部材20と新設側長尺部材30の連結部21,31の夫々に、切込み溝Sを設けこれによって大きく曲げることができるように形成している。特に連結部21の展開方向の反対側に湾曲させる長尺部材では、直線状の切込み溝Sとして形成することができ、一方で連結部21の展開方向に曲折させる長尺部材では、V字状の溝Sとして形成している。このように形成した壁面設置用ブランケット10によれば、既設の壁面40の歪みが大きい場合の他、建築設計段階から曲折している壁面に対しても新規な壁面を設置する事ができる。
【実施例1】
【0052】
本実施例では前記第2の実施の形態に係る壁面設置用ブランケットの強度を確認するために3点曲げ試験を行った。この実施例で使用したサンプルは既設側長尺部材と新設側長尺部材とは何れも厚さ1.2mmの亜鉛めっき鋼板を用いて形成しており、試験装置としてアムスラー式曲げ試験機(株式会社前川試験機製作所製の6537-B)を使用し、支点間距離を450mmとした。またこの試験に使用したサンプル(壁面設置用ブランケット)の大きさ(断面の外径)は、試料名No.1、No.2、No.2-1及びNo.5は、縦25mm、横90mmであり、試料名No.3、及びNo.5は、縦25mm、横40mmであった。
その結果を以下の
図13に示す。
【0053】
この試験結果からも明らかなように、何れのサンプル(試料)においても、最大試験力が3,500N以上であることから、壁面や屋根などを保持するのに十分な強度である事を確認した。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明の壁面設置用ブランケットは、建築物における外壁、内壁、耐力壁の他、塀などの壁面を新たに設置する際、また土木工事における擁壁等を設置する際の他、建築物における屋根や覆道の屋根などを設置する為の部材として利用することができる。特に当該壁面設置用ブランケットは、既設の壁や屋根に対して新たな壁や屋根を設置する為の部材として利用することができ、更に既存の壁や屋根の不陸を調整する為の部材としても利用することができる。
【符号の説明】
【0055】
10 壁面設置用ブランケット
20 既設側長尺部材
21,31 連結部
22 既設側固定面
23,33 曲折部
24 突出部
30 新設側長尺部材
32 新設側固定面
34 支持面
40 既設の壁面
41 角部
50 新設の壁面
S 溝