(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-19
(45)【発行日】2024-11-27
(54)【発明の名称】火葬時期確認方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241120BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2020198679
(22)【出願日】2020-11-30
【審査請求日】2023-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000141808
【氏名又は名称】株式会社宮本工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100228511
【氏名又は名称】佐藤 彩秋
(74)【代理人】
【識別番号】100173462
【氏名又は名称】宮本 一浩
(74)【代理人】
【識別番号】100194179
【氏名又は名称】中澤 泰宏
(74)【代理人】
【識別番号】100166442
【氏名又は名称】鈴木 洋雅
(74)【代理人】
【識別番号】110002996
【氏名又は名称】弁理士法人宮田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高多 慎二
【審査官】▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-145432(JP,A)
【文献】特開2002-279084(JP,A)
【文献】特開2002-279085(JP,A)
【文献】特開2012-251686(JP,A)
【文献】登録実用新案第3011864(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
死者を納めた棺を運ぶ台車に取り付けられたコンピュータ制御が可能な火葬予約表示板が、
火葬許可書の内容に基づき
火葬予定者である死亡者の氏
名及び死亡日時
の情報が入力される火葬
の予約システ
ムから
前記火葬
予定者の
前記氏名及び
前記死亡日時の情報を
取得
し、
取得した情報に基づいて当日の火葬
予定者の氏名と火葬開始
時刻とを
前記火葬予定者を表示する欄に表示し、
前記火葬予定者の前記死亡日時から現
在日時までの経過時
間が24時間未満であれば
前記欄に
葬祭事業者が目視可能な火葬禁止の印を表示し、
前記火葬予定者の前記経過時間が24時間を過ぎた時点で
前記欄から前記火葬禁止の印を削除し
て前記火葬予定者の火葬執行を可能とする通常表示に戻す
、
火葬時期確認方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は火葬する時期を的確に知らせる火葬時期確認方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、新型コロナウイルスによる感染症が大流行していることを起因して、葬儀の形態が大変容している。すなわち、感染の拡大を恐れて親族だけの少人数の参列者で行なう家族葬が増え、中には、通夜・葬儀等の儀式を行わない場合も増加している。
このような状況化では、死亡の翌日に火葬する予約が増加傾向にある。
ところで、日本には「墓地、埋葬等に関する法律」があり、この第3条には「埋葬又は火葬は、…(中略)…死亡または死産後24時間を経過した後でなければ、これを行ってはならない。…(中略)…」との規定がある。そして、この規定に違反した者は、同法第21条に罰則規定が設けられている。
このような規定が設けられている理由は、死亡と判断した場合でも、生き返る可能性があるとの過去の経験に基づくように思われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前述のように、コロナ禍での葬儀の形が簡略化されている今日では、遺族の要望、葬儀事業者等の事情で24時間以内に火葬場に到着する場合が増加している。死亡時から起算して24時間以内に火葬が行われる懸念が否定できない状況がある。特に、近年、団塊の世代の死亡者数が増加しており、火葬場の稼働率は上昇傾向にある現状では、人的確認だけでは前記法令違反が発生するおそれがある。
【0004】
そこで本発明は、前記事情に鑑み、火葬場において、予約システムと火葬炉施設を連動し、Web上でコンピューター制御により法令違反の火葬を事前にチェックし、死亡から24時間以内に火葬の執行が回避できる火葬時期確認方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために本発明に係る火葬時期確認方法は、死者を納めた棺を運ぶ台車に取り付けられたコンピュータ制御が可能な火葬予約表示板が、火葬許可書の内容に基づき火葬予定者である死亡者の氏名及び死亡日時の情報が入力される火葬の予約システムから前記火葬予定者の前記氏名及び前記死亡日時の情報を取得し、取得した情報に基づいて当日の火葬予定者の氏名と火葬開始時刻とを前記火葬予定者を表示する欄に表示し、前記火葬予定者の前記死亡日時から現在日時までの経過時間が24時間未満であれば前記欄に葬祭事業者が目視可能な火葬禁止の印を表示し、前記火葬予定者の前記経過時間が24時間を過ぎた時点で前記欄から前記火葬禁止の印を削除して前記火葬予定者の火葬執行を可能とする通常表示に戻す。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、死者を納棺した棺を運ぶ台車には火葬予約表示板が取り付けられてあり、棺に納められた死者と当該火葬予約表示板に示されている火葬予定者と照合した後、その火葬予定者に対する火葬禁止印の存否を確認し、もし当該印が付いているならば、死亡時刻から未だ24時間経過していないことの注意が喚起され、、火葬の執行を留まることができる。
前記火葬予約表示板が通常表示であれば、既に死亡時刻から24時間経過後であるので、火葬の執行を行うことができる。
したがって、納棺した棺を火葬炉に入れて良いか否かを事前に火葬予約表示板により目視にて確認できるので、死亡から24時間以内に棺を火葬炉内に入棺する懸念を未然に回避することができるものである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明に係る火葬時期確認方法の実施形態例を説明する。
まず、死亡が確認された時点で、遺族は葬儀事業者に対して火葬及び火葬許可証の申請の代行を依頼する。この際、葬祭事業者は遺族から火葬の希望日を予め確認し、Web上の予約システムを利用して火葬の日時の仮予約を申請する。
また、葬儀事業者は遺族から死亡診断書を預かり、市町村役場に火葬許可申請を代行して行う。葬祭事業者は市町村役場から火葬許可書を得た後、火葬許可書の内容に基づき死亡者の氏名、性別、年齢、住所及び死亡日時等をWeb上の予約システムに再度入力して本予約を行う。この際、前記死亡日時をWeb上での現在日時と関連付けが行われている。
そして、火葬場はこのようにして行われた予約システムに基づき火葬計画を確認し業務に臨む。
【0008】
このようにして本予約された火葬予定者のうち、当日の火葬予定者が、コンピュータ制御が可能な火葬炉施設の一例としての火葬予約表示板に表示され、この火葬予約表示板は死者を納めた棺を運ぶ台車に取り付けられる。この火葬予約表示板には、当日火葬予定者の氏名、火葬開始時刻、火葬に使用する火葬炉の番号が少なくとも表示されており、当日火葬予定者は上から順番に複数羅列列記されている。
【0009】
次に、火葬予約表示板は、前記予約システムから当日の火葬予定者の死亡日時データを取得し、各死亡日時と現在の日時をそれぞれ照合し、Web上で各死亡日時から現在日時までの経過時間を観察する。そして、Web上で現在の日時が死亡日時から24時間経過しているか否かを判断し、未だ経過していない場合には、Webに通じている前記火葬予約表示板の中でこれに該当する火葬予定者を抽出して赤枠で囲んで示し、注意を喚起するようにする。さらに、時間の経過によって死亡日時から24時間経過した場合には、その経過した時点で赤枠が削除されて通常状態の表示に戻す。
尚、既に24時間経過している火葬予定者には赤枠を付すことなく、通常の状態で表示する。
【0010】
次いで、遺族、葬祭事業が火葬場に到着するのを待って、棺に納められた死者と当該火葬予約表示板に示されている火葬予定者とが間違いないかを確認した後、火葬予約表示板に表示されている当該火葬予定者に対する赤枠の存否を目視で確認することによって、火葬の可否を知ることができる。もし当該火葬予定者の欄に赤枠が付いているならば、死亡時刻から未だ24時間経過していないことを知ることができ、火葬の執行を留まることができる。一方、当該火葬予定者の欄が通常表示(赤枠なし)であれば、既に死亡時刻から24時間経過後であることを知ることができるので、火葬炉前に棺を運び、火葬の執行の準備が行われる。
【0011】
この実施形態例では、火葬の執行を留まらせる火葬予定者を、火葬禁止印としての赤枠で表示したが、この赤枠表示に限ることはなく、注意を喚起する印であればどのような表示であっても良い。