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▶ 日本圧着端子製造株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-19
(45)【発行日】2024-11-27
(54)【発明の名称】接続端子
(51)【国際特許分類】
   H01R 11/22 20060101AFI20241120BHJP
   H01R 13/04 20060101ALI20241120BHJP
   H01R 13/11 20060101ALI20241120BHJP
【FI】
H01R11/22
H01R13/04 B
H01R13/11 302A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021020181
(22)【出願日】2021-02-10
(65)【公開番号】P2022122739
(43)【公開日】2022-08-23
【審査請求日】2024-02-05
(73)【特許権者】
【識別番号】390033318
【氏名又は名称】日本圧着端子製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小西 雄一
【審査官】濱田 莉菜子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04540224(US,A)
【文献】実開昭55-039661(JP,U)
【文献】実開平02-014678(JP,U)
【文献】実開昭59-105777(JP,U)
【文献】実開昭62-001381(JP,U)
【文献】特開2018-156734(JP,A)
【文献】特開2015-141794(JP,A)
【文献】特開2006-172846(JP,A)
【文献】特開2005-252006(JP,A)
【文献】実開昭61-055302(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R4/48
H01R4/58
H01R11/22
H01R12/00-12/91
H01R13/04
H01R13/10
H01R13/11
H01R13/508
H01R24/00-24/86
H01R33/76
H01R43/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する第1端縁及び第2端縁を有する板状の端子本体と、前記第1端縁に接続された折り返し状の基端部と前記基端部に対して前記第2端縁側に配置される先端部とを有する片持ち状の一対の弾性押圧片であって、前記第2端縁側から当該一対の弾性押圧片と前記端子本体との間に挿入される導体板を前記端子本体の表面に弾性的に押圧する一対の弾性押圧片と、を含むクリップ端子部と、
前記端子本体から前記端子本体と同一平面上又は平行状に延設されたタブ端子部と、を備え
前記タブ端子部は、前記一対の弾性押圧片の前記基端部どうしの間から、前記弾性押圧片の反対側に延設された第1タブ端子部を含み、
前記クリップ端子部は、前記一対の弾性押圧片の前記先端部間を繋ぐ架橋部であって、前記導体板を前記端子本体に押圧する架橋部と、前記架橋部から折り返し状に延設された延設部と、を含み、
前記延設部は、前記端子本体の裏面に係止することにより、前記一対の弾性押圧片の変位量を規制する規制部を含む、接続端子。
【請求項2】
前記延設部は、前記導体板の縁部に係合して、前記導体板の挿入を案内する案内部を含む、請求項に記載の接続端子。
【請求項3】
前記タブ端子部は、前記第1端縁と交差する第3端縁から延設された第2タブ端子部を含む、請求項1または2に記載の接続端子。
【請求項4】
前記タブ端子部の表面が、前記端子本体の前記表面に対してオフセットされている、請求項1~の何れか一項に記載の接続端子。
【請求項5】
前記クリップ端子部が、前記端子本体の前記表面から突出する案内凸部であって、前記導体板の縁部に係合して、前記導体板の挿入を案内する案内凸部を含む、請求項1~の何れか一項に記載の接続端子。
【請求項6】
前記クリップ端子部が、前記端子本体の表面から突出する係止凸部であって、当該クリップ端子部に挿入された前記導体板の係止凹部に係止して、前記導体板を抜け止めする係止凸部を含む、請求項1~の何れか一項に記載の接続端子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続端子に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、隣接する電気配線ブロック内に配置されるバスバに、電気配線ブロック外に突出する板状の接続部を延設し、これら接続部どうしをクリップ状の接続部材によって重合状態に挟持することにより、バスバどうしを電気的に接続する技術が提案されている。
電気配線ブロックには、電子部品とバスバとが収容されている。バスバの雄タブ型の端子接続部が、電子部品の一方の雌端子部に対して接続され、電線の端部の雄タブ型の端子金具が、電子部品の他方の雌端子部に対して接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020―10464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バスバに限らず導体板と電線とを接続する場合、構造の簡素化と薄型化を達成することができる接続端子が要望される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1) 本開示の接続端子(1;1P;1Q;1R;1T;1U;1V;1W)は、互いに対向する第1端縁(81)及び第2端縁(82)を有する板状の端子本体(4;4U)と、前記第1端縁に接続された折り返し状の基端部(51;51P)と前記基端部に対して前記第2端縁側に配置される先端部(52;52P)とを有する片持ち状の一対の弾性押圧片(5;5P)であって、前記第2端縁側から当該一対の弾性押圧片と前記端子本体との間に挿入される導体板(200;200B)を前記端子本体の表面(4a)に弾性的に押圧する一対の弾性押圧片と、を含むクリップ端子部(2)と、前記端子本体から前記端子本体と同一平面上又は平行状に延設されたタブ端子部(3;3Q;3T)と、を備える。前記タブ端子部は、前記一対の弾性押圧片の前記基端部どうしの間から、前記弾性押圧片の反対側に延設された第1タブ端子部(3)を含む。前記クリップ端子部は、前記一対の弾性押圧片の前記先端部間を繋ぐ架橋部(6;6R)であって、前記導体板を前記端子本体に押圧する架橋部と、前記架橋部から折り返し状に延設された延設部(63)と、を含む。前記延設部は、前記端子本体の裏面に係止することにより、前記一対の弾性押圧片の変位量を規制する規制部(63b)を含む。
【0006】
本構成では、接続端子が、板状の端子本体と弾性押圧片とを有するクリップ端子部と前記端子本体から延設されるタブ端子部とを含むので、構造を簡素化することができる。また、タブ端子部が端子本体と同一平面上又は平行状に延設されるので、薄型化を実現することができる
また、前記タブ端子部は、前記一対の弾性押圧片の前記基端部どうしの間から、前記弾性押圧片の反対側に延設された第1タブ端子部(3)を含むので、接続端子を容易に板金形成することができる。
また、前記クリップ端子部は、前記一対の弾性押圧片の前記先端部間を繋ぐ架橋部(6;6R)であって、前記導体板を前記端子本体に押圧する架橋部を含むので、導体板を広い面積で押圧して、端子本体と導体板との接触を確実にすることができる。
また、前記クリップ端子部は、前記架橋部から折り返し状に延設された延設部(63)を含み、前記延設部は、前記端子本体の裏面に係止することにより、前記一対の弾性押圧片の変位量を規制する規制部(63b)を含むので、弾性押圧片の過度な変形を抑制することができる。
なお、括弧内の英数字は、後述する実施形態における対応構成要素等を表すが、このことは、むろん、本発明がそれらの実施形態に限定されるべきことを意味するものではない。以下、この項において同じ。
) 前記延設部は、前記導体板の縁部(205)に係合して、前記導体板の挿入を案内する案内部(63a)を含んでいてもよい。この構成によれば、クリップ端子部に対して、導体板をスムーズに挿入することができる。
) 前記タブ端子部は、前記第1端縁と交差する第3端縁(83)から延設された第2タブ端子部(3Q)を含んでいてもよい。この構成によれば、設計の自由度を増大することができる。
) 前記タブ端子部(3T)の表面(3Ta)が、前記端子本体の前記表面(4a)に対してオフセットされていてもよい。この構成によれば、端子本体に対してタブ端子部の高さを容易に調整することができる。
) 前記クリップ端子部が、前記端子本体の前記表面から突出する案内凸部(7;11)であって、前記導体板の縁部に係合して、前記導体板の挿入を案内する案内凸部を含んでいてもよい。この構成によれば、クリップ端子部に対して、導体板をスムーズに挿入することができる。
) 前記クリップ端子部が、前記端子本体の表面から突出する係止凸部(9)であって、当該クリップ端子部に挿入された前記導体板の係止凹部(206)に係止して、前記導体板を抜け止めする係止凸部を含んでいてもよい。この構成によれば、係止凸部によって導体板の抜け止めを達成することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、構造の簡素化と薄型化を達成する接続端子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A図1Aは、本発明の第1実施形態に係る接続端子が適用される接続構造の分解斜視図である。
図1B図1Bは、接続構造の接続状態の斜視図である。
図2A図2Aは、接続端子の斜め上からの斜視図である。
図2B図2Bは、接続端子の斜め下からの斜視図である。
図3A図3Aは、接続端子の平面図である。
図3B図3Bは、接続端子の底面図である。
図4A図4Aは、接続端子の正面図である。
図4B図4Bは、接続端子の背面図である。
図5図5は、接続端子の側面図である。
図6A図6Aは、クリップ端子部に導体板が挿入される直前の状態の接続端子の側面図である。
図6B図6Bは、クリップ端子部に導体板が挿入接続された状態の接続端子の側面図である。
図7図7は、接続端子のタブ端子部と相手側端子との嵌合部分の断面図である。
図8図8は、導体板が挿入接続された第2実施形態に係る接続端子の斜視図である。
図9図9は、導体板が挿入接続された第3実施形態に係る接続端子の斜視図である。
図10A図10Aは、導体板が挿入接続された第4実施形態に係る接続端子の斜視図である。
図10B図10Bは、導体板が挿入接続された第4実施形態に係る接続端子の概略断面図である。
図11図11は、導体板が挿入接続された第5実施形態に係る接続端子の斜視図である。
図12図12は、導体板が挿入接続された第6実施形態に係る接続端子の斜視図である。
図13図13は、導体板が挿入接続された第7実施形態に係る接続端子の斜視図である。
図14図14は、導体板が挿入接続された第8実施形態に係る接続端子の斜視図である。
図15図15は、導体板としてバスバが用いられる、他の接続構造(応用例)の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に従って説明する。
(第1実施形態)
図1Aは、本発明の第1実施形態に係る接続端子1が適用される接続構造S1の分解斜視図である。図1Bは、接続構造S1の接続状態の斜視図である。
図1A及び図1Bを参照して、接続端子1は、電線10の端末に結合された圧着端子100と導体板200とを接続する接続構造S1に適用される。接続端子1は、導体板200が接続されるクリップ端子部2と、圧着端子100が接続されるタブ端子部3とを含む。
【0010】
圧着端子100は、電線10に接続される電線接続部101と、タブ端子部3が挿入嵌合されるソケット部102とを含む。導体板200は、例えば長尺矩形の銅板であり、表面201と、裏面202とを含む。導体板200の先端部203の近くには、固定要素(図示せず)が挿通される挿通孔204が形成されている。
図2Aは、接続端子1の斜め上からの斜視図であり、図2Bは、接続端子1の斜め下からの斜視図である。図3Aは、接続端子1の平面図であり、図3Bは、接続端子1の底面図である。図4Aは、接続端子1の正面図であり、図4Bは、接続端子1の背面図である。図5は、接続端子1の側面図である。
【0011】
図2A図5を参照して、クリップ端子部2を説明する。クリップ端子部2は、端子本体4と、一対の弾性押圧片5と、架橋部6と、二対の案内凸部7とを含む。
まず、端子本体4を説明する。
端子本体4は、略矩形の板状に形成されている。端子本体4は、前部41と、後部42と、一対の側部43と、挿通孔44とを含む。各側部43は、前側部分43aと後側部分43bとを含む。後側部分43bは、隣接する前側部分43aよりも外側方に張り出す張出部である。
【0012】
端子本体4は、表面4aと、裏面4bと、前部41の端縁である前端縁81(第1端縁)と、後部の端縁である後端縁82(第2端縁)と、一対の側部43の端縁である一対の側端縁83(第3端縁)とを含む。
前端縁81と後端縁82とは、導体板200の挿入方向X1に対向する。前端縁81は、挿入方向X1側に配置され、後端縁82は、挿入方向X1の反対側X2に配置される。一対の側端縁83は、前端縁81に対して交差する端縁である。各側端縁83は、側部43の前側部分43aの端縁である前側端縁83aと、側部43の後側部分43bの端縁である後側端縁83bとを含む。
【0013】
各側部43の後側部分43b(張出部)には、端子本体4の表面4aから突出する案内凸部7が、前後一対で突出形成されている。各案内凸部7は、例えば、裏面4b側から押出形成され、孔7aの周囲に環状に配列された複数のバリ状の突起により構成されている。
案内凸部7は、導体板200がクリップ端子部2に挿入されるときに、導体板200の両側の縁部205(図1A及び図1Bを参照)に係合することにより、導体板200の挿入を案内する機能を果たす。
【0014】
また、端子本体4の略中央部には、端子本体4を導体板200と共に取付部(図示せず)に固定するための固定要素(図示しない固定ねじ、リベット等)が挿通される挿通孔44が形成されている。導体板200がクリップ端子部2に挿入された状態で、導体板200の挿通孔204と端子本体4の挿通孔44とが互いに位置合わせされ(図1Bを参照)、これら位置合わせされた挿通孔204,44に対して、図示しない固定要素が挿通される。
【0015】
次いで、弾性押圧片5を説明する。
図2Aに示すように、一対の弾性押圧片5は、基端部51と先端部52とを含み、端子本体4によって、片持ち状に支持されている。基端部51は、前端縁81(第1端縁)に接続され、端子本体4から折り返し状に形成されている。先端部52は、基端部51に対して、後端縁82側に配置されている。図5に示すように、弾性押圧片5の先端部52は、挿入方向X1の反対側X2に向かって端子本体4の表面に近づくように傾斜されている。
【0016】
図2A及び図3Aに示すように,一対の弾性押圧片5の基端部51は、所定距離離間している。架橋部6は、一対の弾性押圧片5の先端部52間を繋ぐ矩形板状に形成されている。架橋部6は、押圧部61と案内部62とを含む。
押圧部61は、一対の弾性押圧片5の先端部52と接続されている。図5に示すように、押圧部61は、端子本体4の表面4aと平行な矩形板であり、端子本体4の表面4aと対向する平坦な広い面積の押圧面61aを含む。
【0017】
図6Aに示すように、導体板200が未挿入の状態において、押圧面61aと端子本体4の表面4aとの間の隙間の量は、導体板200の厚みよりも小さくされている。このため、図6Bに示すように、導体板200の挿入状態で弾性変形された弾性押圧片5が、その弾性反発力によって、架橋部6の押圧部61を介して、導体板200を端子本体4の表面4a側へ押圧する。
【0018】
案内部62は、押圧部61に対して弾性押圧片5の反対側に接続された矩形板である。案内部62は、挿入方向X1の反対側X2に向かって端子本体4の表面4aから遠ざかる傾斜部である。案内部62は、導体板200の表面201に係合することにより、クリップ端子部2への導体板200の挿入を案内する機能を果たす。
図6A及び図6Bに示すように、架橋部6の押圧部6bと端子本体4の表面4aとの間に、後端縁82(第2端縁)側から挿入される導体板200が、架橋部6の押圧部61の押圧面61aによって、端子本体4の表面4aに弾性的に押圧される。
【0019】
次いで、タブ端子部3を説明する。
図2A及び図2Bに示すように、タブ端子部3は、端子本体4の前端縁81から前側(挿入方向X1)へ同一平面上に延設されている。タブ端子部3は、長細い板状であり、基端部31と、先端部32と、表面3aと、裏面3bとを含む。
タブ端子部3の基端部31は、端子本体4の前端縁81と接続されている。タブ端子部3は、一対の弾性押圧片5の基端部51の間から弾性押圧片5の反対側へ延びている。タブ端子部3の表面3aは、端子本体4の表面4aと面一であり、タブ端子部3の裏面3bは、端子本体4の裏面4bと面一である。図1A図1B、及び断面図である図7に示すように、タブ端子部3は、電線10の端末の圧着端子100のソケット部102に対して挿入嵌合される。
【0020】
本実施形態によれば、図2A及び図2Bに示すように,接続端子1が、板状の端子本体4と弾性押圧片5とを有するクリップ端子部2と、端子本体4から延設されるタブ端子部3とを一体に含むので、構造を簡素化することができる。また、タブ端子部3が端子本体4と同一平面上に延設されるので、薄型化を実現することができる。
また、図2Aに示すように、タブ端子部3が、一対の弾性押圧片5の基端部51どうしの間から、弾性押圧片5の反対側に延設される。このため、接続端子1を容易に板金形成することができる。
【0021】
また、図2A及び図6Bに示すように、一対の弾性押圧片5が、一対の弾性押圧片5の先端部52間を繋ぐ架橋部6によって、導体板200を端子本体4に押圧する。このため、導体板200を広い面積で押圧して、端子本体4と導体板200との接触を確実にすることができる。
また、図1A及び図1Bに示すように、端子本体4の表面4aから突出する案内凸部7が、導体板200の縁部205に係合して、導体板200の挿入を案内する。このため、クリップ端子部2に対して、導体板200をスムーズに挿入することができる。
(第2実施形態)
図8は、導体板200が挿入接続された第2実施形態に係る接続端子1Pの斜視図である。図8の第2実施形態の接続端子1Pが第1実施形態の接続端子1と主に異なるのは、第2実施形態の接続端子1Pでは、一対の弾性押圧片5Pの先端部52Pが、互いに分離されていることである。
【0022】
具体的には、各弾性押圧片5Pは、基端部51Pと、先端部52Pと、先端部52Pに隣接して配置された押圧部53Pとを含む。押圧部53Pは、端子本体4の表面と平行に配置される矩形部であり、導体板200を端子本体4の表面4aに押圧する。先端部52Pは、挿入方向X1の反対側X2に向かって端子本体4の表面4aから遠ざかる傾斜状の案内部としても機能する。
【0023】
図8の第2実施形態の構成において、第1実施形態と共通する構成には、同一の参照符号を付してある。本実施形態では、構造を簡素化することができる。
(第3実施形態)
図9は、導体板200が挿入接続された第3実施形態に係る接続端子1Qの斜視図である。図9の第3実施形態の接続端子1Qが第1実施形態の接続端子1と主に異なるのは、第3実施形態の接続端子1Qでは、タブ端子部として、第1タブ端子部としてのタブ端子部3と、第2タブ端子部3Qと、を含むことである。第2タブ端子部3Qは、端子本体4の何れか一方(双方であってもよい)の側部43の側端縁83(後側部分43bの後側端縁83b)から、例えば同一平面上に且つ外側方へ延設されている。
【0024】
図9の第3実施形態の構成において、第1実施形態と共通する構成には、同一の参照符号を付してある。本実施形態では、設計の自由度を増大することができる。
(第4実施形態)
図10Aは、導体板200が挿入接続された第4実施形態に係る接続端子1Rの斜視図である。図10Bは接続端子1Rの要部の概略断面図である。図10A及び図10Bの第4実施形態の接続端子1Rが第1実施形態の接続端子1と主に異なるのは、第4実施形態の接続端子1Rでは、一対の弾性押圧片5の先端部52間を繋ぐ架橋部6Rが、押圧部61と、案内部62と、一対の延設部63とを含むことである。
【0025】
案内部62は、導体板200の表面201を案内する。案内部62は、押圧部61に対して両側方へ突出する一対の突端62aを含む。
各延設部63は、案内部62の対応する突端62aの挿入方向X1の反対側X2の端部から、端子本体4側に屈曲状に延設された案内部63aと、案内部63aの延設端から挿入方向X1側に向くように屈曲状に延設された規制部63b(図10Aでは、一方の延設部63の規制部63bのみを示す)とを含む。
【0026】
各案内部63aは、導体板200の対応する縁部205に係合することにより、導体板200の挿入を案内する。各規制部63bは、端子本体4の裏面4b(具体的には、側部43の後側部分43bの裏面)に係止することにより、弾性押圧片5の変位量を規制する。
図10A及び図10Bの第4実施形態の構成において、第1実施形態と共通する構成には、同一の参照符号を付してある。本実施形態では、規制部63bによって、弾性押圧片5の過度な変形を抑制することができる。
(第5実施形態)
図11は、導体板200が挿入接続された第5実施形態に係る接続端子1Tの斜視図である。第5実施形態の接続端子1Tが第1実施形態の接続端子1と主に異なるのは、第5実施形態の接続端子1Tでは、基端部31T及び先端部32Tを含むタブ端子部3Tが、端子本体4に対して平行状に延設されていることである。
【0027】
具体的には、タブ端子部3Tの基端部31Tが、クランク状に屈曲されて端子本体4と接続されることで、タブ端子部3Tの表面3Taが、端子本体4の表面4aに対して高位になるようにオフセットされている。
図11の第5実施形態の構成において、第1実施形態と共通する構成には、同一の参照符号を付してある。本実施形態では、端子本体4に対してタブ端子部3の高さを容易に調整することができる。なお、図示していないが、タブ端子部3Tの表面3Taが、端子本体4の表面4aに対して低位になるようにオフセットされてもよい。
(第6実施形態)
図12は、導体板200が挿入接続された第6実施形態に係る接続端子1Uの斜視図である。図12の第6実施形態の接続端子1Uが第1実施形態の接続端子1と主に異なるのは、第6実施形態の接続端子1Uでは、端子本体4Uの横幅(後側端縁83b間の幅)が、導体板200の横幅と略同じにされ、また、第1実施形態における案内凸部7が、廃止されていることである。
【0028】
図12の第6実施形態の構成において、第1実施形態と共通する構成には、同一の参照符号を付してある。本実施形態では、構造の一層の簡素化と小型化を達成することができる。
(第7実施形態)
図13は、導体板200が挿入接続された第7実施形態に係る接続端子1Vの斜視図である。図13の第7実施形態の接続端子1Vが第1実施形態の接続端子1と主に異なるのは、第7実施形態の接続端子1Vでは、端子本体4の表面4aから突出する一対の係止凸部9が設けられていることである。係止凸部9は、端子本体4の各側部43の後側部分43bに配置されている。
【0029】
係止凸部9は、側方からみて直角三角形状に形成された山形の凸部であり、案内部9aと、係止部9bとを含む。案内部9aは、挿入方向X1に向かって端子本体4の表面4aから遠ざかる傾斜面である。係止部9bは、端子本体4の表面4aに対して直交状に配置される面であり、案内部9aよりも挿入方向X1側に配置されている。
導体板200が、クリップ端子部2に挿入されるときに、導体板200の先端部203が案内部9aを乗り越えた後、係止凸部9が、導体板200の側部に形成された切欠き状の係止凹部206に嵌まり、係止部9bが、係止凹部206の縁部206aに係合することにより、導体板200をクリップ端子部2から抜け止めする。係止凸部9は、端子本体4に形成された開口の縁部に片持ち支持される切り起こし片部で形成されてもよい。また、係止凸部9は、エンボス部で形成されてもよい。
【0030】
図13の第7実施形態の構成において、第1実施形態と共通する構成には、同一の参照符号を付してある。本実施形態では、係止凸部9によって導体板200の抜け止めを達成することができる。
(第8実施形態)
図14は、導体板200が挿入接続された第8実施形態に係る接続端子1Wの斜視図である。図14の第8実施形態の接続端子1Wが第1実施形態の接続端子1と主に異なるのは、第8実施形態の接続端子1Vでは、導体板200の両側の縁部205に係合してクリップ端子部2への導体板200の挿入を案内する案内凸部として、図13の係止凸部9と同じ形状の案内凸部11を用いることである。
【0031】
案内凸部11は、端子本体4に形成された開口の縁部に片持ち支持される切り起こし片部で形成されてもよい。また、案内凸部11は、エンボス部で形成されてもよい。
図14の第8実施形態の構成において、第1実施形態と共通する構成には、同一の参照符号を付してある。本実施形態では、案内凸部11の案内によって、クリップ端子部2に対して、導体板200をスムーズに挿入することができる。
(応用例)
図15は、図1Bの第1実施形態の接続端子1が複数設けられ、これら複数の接続端子1が、導体板としてのバスバ200Bを介して接続された応用例(他の接続構造S2に相当)を示している。図15では、一対の接続端子1が互いに接続されているが、バスバの形状を変更し、3つ以上の接続端子1が、バスバ接続されるようにしてもよい。バスバで接続される接続端子として、第1~第8実施形態の何れの接続端子が用いられてもよい。
【0032】
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、タブ端子部として、第2タブ端子部3Q(図9を参照)のみを設けるようにしてもよい。その他、本発明は、特許請求の範囲記載の範囲内で種々の変更を施すことができる。
【符号の説明】
【0033】
1 接続端子
1P 接続端子
1Q 接続端子
1R 接続端子
1T 接続端子
1U 接続端子
1V 接続端子
1W 接続端子
2 クリップ端子部
3 (第1)タブ端子部
3Q 第2タブ端子部
3T タブ端子部
3a 表面
3Ta 表面
4 端子本体
4U 端子本体
4a 表面
5 弾性押圧片
5P 弾性押圧片
6 架橋部
6R 架橋部
7 案内凸部
9 係止凸部
10 電線
11 案内凸部
51 基端部
51P 基端部
52 先端部
52P 先端部
53P 押圧部
61 押圧部
63 延設部
63a 案内部
63b 規制部
81 前端縁(第1端縁)
82 後端縁(第2端縁)
83 側端縁(第3端縁)
100 圧着端子
101 電線接続部
102 ソケット部
200 導体板
200B バスバ(導体板)
203 先端部
205 縁部
206 係止凹部
S1 接続構造
S2 接続構造
X1 挿入方向
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14
図15