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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-19
(45)【発行日】2024-11-27
(54)【発明の名称】像回転システム
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/02 20210101AFI20241120BHJP
   G03B 17/56 20210101ALI20241120BHJP
【FI】
G02B7/02 C
G03B17/56 Z
G02B7/02 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021021909
(22)【出願日】2021-02-15
(65)【公開番号】P2022124253
(43)【公開日】2022-08-25
【審査請求日】2023-09-25
(73)【特許権者】
【識別番号】503420833
【氏名又は名称】学校法人常翔学園
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】堀江 昌朗
【審査官】▲うし▼田 真悟
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-199235(JP,U)
【文献】特開2010-256846(JP,A)
【文献】特開2018-060125(JP,A)
【文献】宮下令央,外2名,高速ロールカメラを用いた回転ブラー相殺撮像,映像情報メディア学会誌,2016年,Vol.70,No.9,PP.J209-J214
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02-7/14
G03B 17/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転光学系を回転させて像を回転させる像回転装置と、撮像装置と前記像回転装置とを連結するアダプタと、を備える像回転システムであって、
前記アダプタは、
前記撮像装置に固定される環状の撮像側部材と、
前記像回転装置に固定される環状の回転側部材と、
前記撮像側部材と、前記回転側部材とを相対回転可能に連結する軸受と、を備え、
前記像回転装置は、
前記回転光学系を保持して回転する回転部材と、
前記回転部材を回転可能に保持する固定部材と、を備え、
前記回転側部材は、前記固定部材に固定される
像回転システム。
【請求項2】
前記撮像側部材は、前記像回転装置の回転軸周りに回転することにより前記撮像装置に固定される
請求項1に記載の像回転システム。
【請求項3】
前記撮像側部材は、
前記撮像側部材に取り付けられる径の第一部材と、前記撮像装置に取り付けられる前記第一部材とは異なる径の第二部材とを一体に有する径変換部材を備える
請求項1または2に記載の像回転システム。
【請求項4】
前記撮像側部材は、前記アダプタの中心軸を中心とした放射方向に移動するチャックにより前記撮像装置に固定される
請求項1に記載の像回転システム。
【請求項5】
前記像回転装置は、
記回転光学系を保持するホルダーと、
前記回転部材は、筒状であり、前記回転部材内に収容される前記ホルダーの前記回転部材に対する位置を調整する調整取付手段と、を備え
前記アダプタの前記回転側部材は、前記調整取付手段に至るまで貫通する貫通部を備える
請求項1から4のいずれか一項に記載の像回転システム。
【請求項6】
前記像回転装置は、
前記回転光学系を保持するホルダーと、
前記回転部材は、筒状であり、前記回転部材内に収容される前記ホルダーの前記回転部材に対する位置を調整する調整取付手段と、
前記調整取付手段による力が発生する方向に配置される高分子物質製のシートと、を備える
請求項1から5のいずれか一項に記載の像回転システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転することにより像を回転させる回転光学系を備える像回転システム、および像回転システムに用いられるアダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転する撮像対象に対し、ダブプリズムなどの回転光学系を像回転装置によって回転させ、撮像対象を相対的に静止した状態で撮像装置により撮像する技術が提案されている(例えば、非特許文献1)。このような技術により回転する撮像対象のボケのない静止画像を取得するためには、回転光学系を回転させる像回転装置の回転軸と、回転光学系の回転光学光軸と、撮像装置の撮像光軸と、を同軸上に配置させることが望ましく、また少なくとも平行であることが望まれる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】「高速ロールカメラを用いた回転ブラー相殺撮像」映像情報メディア学会誌Vol.70 No.9 pp.J209~J214(2016年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、複数の軸が一致する様に、撮像対象、回転光学系、像回転装置、および撮像装置の位置と姿勢とを厳密に調整する必要があり、この調整作業に長時間を要し、また熟練を要している。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、回転する撮像対象の静止画像を取得するための軸合わせ工程を簡略化することのできる像回転システム、およびアダプタの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の1つである像回転システムは、回転光学系を回転させて像を回転させる像回転装置と、前記撮像装置と前記像回転装置とを連結するアダプタと、を備える像回転システムであって、前記アダプタは、前記撮像装置に固定される環状の撮像側部材と、前記像回転装置に固定される環状の回転側部材と、前記撮像側部材と、前記回転側部材とを相対回転可能に連結する軸受とを備える。
【0007】
また、上記目的を達成するために、本発明の他の1つであるアダプタは、回転光学系を回転させて像を回転させる像回転装置の回転軸と、回転する像を撮像する撮像装置の撮像光軸と、が一致する様に前記像回転装置と前記撮像装置とを連結するアダプタであって、前記撮像装置に固定される環状の撮像側部材と、前記像回転装置に固定される環状の回転側部材と、前記撮像側部材と、前記回転側部材とを相対回転可能に連結する軸受とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、撮像装置の光軸と像回転装置の回転軸とを簡単に一致させることができ、像回転装置全体の軸合わせ作業を簡易化し、軸合わせに要する時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態に係る撮像装置が連結された像回転システムを示す斜視図である。
図2】実施の形態に係る像回転システムを分解して示す斜視図である。
図3】実施の形態に係る像回転システムの断面図である。
図4】アダプタの別例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係るアダプタ、およびアダプタを備えた像回転システムの実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するために一例を挙示するものであり、本発明を限定する主旨ではない。例えば、以下の実施の形態において示される形状、構造、材料、構成要素、相対的位置関係、接続状態、数値、数式、方法における各段階の内容、各段階の順序などは、一例であり、以下に記載されていない内容を含む場合がある。また、平行、直交などの幾何学的な表現を用いる場合があるが、これらの表現は、数学的な厳密さを示すものではなく、実質的に許容される誤差、ずれなどが含まれる。また、同時、同一などの表現も、実質的に許容される範囲を含んでいる。
【0011】
また、図面は、本発明を説明するために適宜強調、省略、または比率の調整を行った模式的な図となっており、実際の形状、位置関係、および比率とは異なる。
【0012】
また、以下では複数の発明を一つの実施の形態として包括的に説明する場合がある。また、以下に記載する内容の一部は、本発明に関する任意の構成要素として説明している。
【0013】
図1は、撮像装置が連結された像回転システムを示す斜視図である。図2は、像回転システムを分解して示す斜視図である。図3は、像回転システムの断面図である。なお、図3の断面図は、モーターの構成要素であるコイル、磁石、軸受などを省略し、単純化して記載している。
【0014】
像回転システム100は、撮像装置200に接続され、回転する撮像対象を静止状態で撮像装置200に撮像させるシステムであって、回転光学系110(図2参照)と、像回転装置120と、アダプタ130とを備えている。
【0015】
撮像対象は、特に限定されるものではない。撮像対象としては、車輪、風車、水車、タービンなど固定された回転軸周りを剛体が回転するものなどを例示することができる。また撮像対象は、流体であってもかまわない。具体的には、円形の流路、または円弧状の流路を通過する流体を可視化処理などしたものも撮像対象となり得る。可視化処理とは、励起光により発光する粒子、自発光(蓄光)する粒子などを流体に分散させたものを例示できる。また、回転とは、一定方向に回転し続けるものばかりでなく、360°未満の回転、所定範囲内での回転揺動などでもかまわない。
【0016】
「静止状態で撮像させる」とは、回転している撮像対象が静止しているかのように撮像された画像ばかりではない。例えば流体などは、流路の一部分を通過する流体は静止状態で撮像されるが他の部分は静止状態で撮像されない場合も「静止状態で撮像させる」の意味に含まれる。
【0017】
撮像装置200は、光学系により結像した像を画像化できるものであれば特に限定されるものではない。撮像装置200としては、デジタルカメラ、フィルムカメラなどでもかまわない。また撮像装置200は、スチルカメラ、ビデオカメラなどであってもかまわない。撮像装置200は、可視光以外の赤外光、紫外光などを画像化するものであってもかまわない。本実施の形態の場合、撮像装置200は、スチル撮像可能なデジタルビデオカメラであり、撮像光軸に対して垂直に配置された撮像素子を有する撮像部201と、レンズ、絞りなどを備えた撮像光学系202と、を備えている。撮像装置200は、撮像光学系202の中心軸を通り矩形の撮像素子の中央部に至る真っ直ぐな撮像光軸を実現するように撮像素子やレンズなどの配置が設定されている。なお、撮像光軸は、鏡などにより屈曲してもかまわない。
【0018】
なお、撮像装置200は、像回転システム100に含まれないものとして説明しているが、撮像装置200は、像回転システム100に含まれてもかまわない。
【0019】
回転光学系110は、回転光学系110の光軸である回転光学系光軸の周りに物理的に回転することにより撮像対象の像を光学的に回転させて出力することができる光学系である。回転光学系110の種類は、特に限定されるものではなく、ダブプリズム、アッベー・コーニグプリズム、複数の鏡を組み合わせたもの、音響光学ダブプリズムなどを例示することができる。本実施の形態の場合、回転光学系110としてダブプリズムを採用している。ダブプリズムは、一つの剛体で構成されるものであり、物理的な回転などに対して堅牢であり、回転光学系光軸の調整も容易である。
【0020】
像回転装置120は、回転光学系110を物理的に回転させて像を光学的に回転させる装置である。像回転装置120の種類は特に限定されるものではなく、ベルトドライブ機構、歯車機構などにより回転光学系110を回転させるものを例示できる。本実施の形態の場合、像回転装置120は、中空モーターであり、回転部材121と、固定部材122と、ホルダー123と、を備えている。
【0021】
回転部材121は、回転光学系110をホルダー123を介して内部に保持して回転光学系光軸周りに回転光学系110と共に回転する円筒状の部材である。本実施の形態の場合、像回転装置120は、サーボモータであり、回転部材121の外周には磁石(不図示)が取り付けられている。
【0022】
像回転装置120の回転軸方向において、回転部材121は、固定部材122より長く、回転部材121の両端部は固定部材122の両端部からそれぞれ突出している。回転部材121の固定部材122から突出している両端部には、径方向に貫通し周方向に並んで配置されるネジ孔124が設けられている。
【0023】
ネジ孔124には、ホルダー123の外周面に当接するネジであるイモネジ125がねじ込まれている。イモネジ125は、ホルダー123を介して回転光学系110を締め付けて固定部材122内に保持する力を発生させる部材であり、また、複数のイモネジ125の締め付け力を変更することで、回転光学系110の回転光学系光軸と、像回転装置120の回転軸の平行度、一致度を微調整することができる。つまり、回転部材121に設けられるネジ孔124とネジ孔124に螺合するイモネジ125は、回転部材121内に収容されるホルダー123の回転部材121に対する位置、および姿勢を調整することにより、回転光学系110の光軸と像回転装置120の回転軸との位置と姿勢との関係を調整しホルダー123を介して回転部材121と回転光学系110と一体化する調整取付手段として機能している。
【0024】
また、調整取付手段であるイモネジ125による力が発生する方向であってホルダー123に対してイモネジ125と反対側の回転部材121とホルダー123との間には、高分子物質製のシート(不図示)が配置されている。高分子物質製のシートとは、例えば紙、樹脂製のシート、樹脂製のフィルムなどであり、250μ以下の厚みが好ましい。これにより、イモネジ125を締め付けた際の応力を分散させることができ、また、回転光学系110を回転させた際の安定性を向上させることが可能となる。特に、10μ程度のシートを挟むことによりこれらの効果を高めることができる。
【0025】
なお、回転光学系110としてダブプリズムを使用した場合には、像回転装置120の回転速度は、撮像対象の回転速度の2分の1になるように像回転装置120を設定する。ダブプリズムは、像の光学的な回転が自信の物理的な回転に対し2倍になる為である。
【0026】
固定部材122は、回転部材121を回転可能に保持する部材である。本実施の形態の場合、固定部材122は、像回転装置120である中空モーターの筐体であり、ブラケット126を介して基台127に取り付けられている。基台127は、撮像装置200に至るまで延在しており、撮像装置200は、基台127に対して着脱自在となっている。また、撮像装置200は基台127に対し、姿勢や高さ位置を調節することができるものとなっている。
【0027】
アダプタ130は、回転光学系110の物理的な回転により光学的に回転する像を撮像する撮像装置200の撮像光軸と像回転装置120の回転軸とが一致する様に撮像装置200と像回転装置120とを連結する機構を備えており、撮像側部材131と、回転側部材132と、軸受133と、を備えている。
【0028】
撮像側部材131は、撮像装置200に固定される環状の部材である。撮像側部材131と撮像装置200への固定態様は特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、撮像側部材131は、像回転装置120の回転軸周りに回転側部材132に対し軸受133を介して回転することにより撮像装置200に固定される。具体的には、撮像装置200の撮像光学系202の先端面部には、レンズなどを囲む径の雌ネジが設けられており、撮像側部材131の撮像装置200側の先端部には、撮像光学系202の雌ネジに螺合する雄ネジが設けられている。アダプタ130は、像回転装置120に固定された状態においても軸受133を介して撮像側部材131は回転可能であり、撮像側部材131の雄ネジを回転させながら撮像光学系の雌ネジにねじ込んで撮像側部材131と撮像光学系202とを連結固定することができる。
【0029】
なお、撮像光学系202の雌ネジの径と撮像側部材131の雄ネジの径が合致しない場合、撮像側部材131の雄ネジに取り付けられる径の第一部材と、撮像装置200の撮像光学系202の雌ネジに取り付けられる第一部材とは異なる径の第二部材とを一体に有する径変換部材(不図示)を備えてもかまわない。これにより、複数の撮像装置200に対し像回転システム100を柔軟に適用させることができる。
【0030】
回転側部材132は、像回転装置120に固定される環状の部材である。回転側部材132と像回転装置120への固定態様は特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、回転側部材132は、全体視略円筒形状であり、像回転装置120の固定部材122の撮像装置200側の端面に固定されている。回転側部材132が固定部材122に固定されることにより、像回転装置120の回転軸と回転側部材132の管軸とが一致するものとなっている。回転側部材132が固定部材122に固定される態様は、特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、像回転装置120には管軸に平行に貫通する孔が設けられ、固定部材122の端面には前記孔に対応する位置にネジ孔が設けられて、ボルトによって締結固定されている。なお、像回転装置120の回転軸と回転側部材132の管軸とが一致するように、像回転装置120と回転側部材132とにそれぞれ係合構造を備えてもかまわない。係合構造としては例えば、一方に複数のピンを設け、他方にピンを挿入するピン穴をそれぞれ設けた構造などを例示できる。
【0031】
本実施の形態の場合、回転側部材132は、回転部材121の固定部材122からアダプタ130に挿入状態で突出している部分に設けられている調整取付手段(ネジ孔124、イモネジ125)に至るまで貫通する貫通部134を備えている。貫通部134は、調整取付手段を調整するための調整工具、例えばイモネジ125を回転させることができる六角レンチを刺し通すための部分である。貫通部134は、筒状の回転側部材132の周壁を放射方向(径方向)に貫通している。貫通部134の形状は、特に限定されるものではなく、周囲が囲まれた筒状、本実施の形態のような切り欠き状など任意の形状を採用しうる。貫通部134の数は、特に限定されるものではないが、周方向において複数箇所に貫通部134を設けることで、回転部材121が停止している位置を変更することなく調整取付手段にアクセスし易くなる。
【0032】
軸受133は、環状(筒状)の撮像側部材131と環状(筒状)回転側部材132とを相対回転可能に連結する。軸受133の種類は、特に限定されるものではなく、滑り軸受133、転がり軸受133のいずれでもかまわない。本実施の形態の場合、軸受133としてはボールベアリングが採用されている。軸受133により、回転側部材132を像回転装置120の固定部材122に固定した状態において、撮像側部材131の管軸と回転側部材132の管軸とを同軸上に維持しながら撮像装置200の撮像光学系202に撮像側部材131をねじ込んで固定することができる。
【0033】
上記実施の形態にかかるアダプタ130、およびアダプタ130を備える像回転装置120によれば、撮像装置200の撮像光軸に像回転装置120の回転軸が一致した状態で、簡単に撮像装置200と像回転装置120とを連結することができる。従って、像回転装置120の回転軸と撮像装置200の撮像光軸とを合わせるための調整作業に費やす時間を大幅に短くすることができる。
【0034】
また、像回転装置120の回転軸と撮像装置200の撮像光軸とが一致していることを前提として像回転装置120の回転軸と回転光学系110の光軸との軸合わせを行うことができるため、当該軸合わせに要する時間も短縮化することが可能となる。
【0035】
また、像回転装置120の回転軸と撮像装置200の撮像光軸とが一致していることを前提とするため、回転光学系110を回転させることなく軸合わせ作業を実施することができ、軸合わせに要する作業を簡素化し、時間を短縮化させることが可能となる。
【0036】
また、回転側部材132に設けられた貫通部134により、像回転装置120の回転軸と回転光学系110の光軸との軸合わせを容易に実行することができ、軸合わせの時間をより短縮化することができる。
【0037】
また、調整取付手段により力が加えられる部分に紙などの高分子物質製のシートが配置される事により、像回転装置120の回転軸に対して回転光学系110の位置・姿勢を効果的に調整し、調整取付手段から受けた力による回転光学系110の破損などを防止することができる。また、回転光学系110を安定した状態で回転させることができる。
【0038】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、本明細書において記載した構成要素を任意に組み合わせて、また、構成要素のいくつかを除外して実現される別の実施の形態を本発明の実施の形態としてもよい。また、上記実施の形態に対して本発明の主旨、すなわち、請求の範囲に記載される文言が示す意味を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例も本発明に含まれる。
【0039】
例えば上記実施の形態では、アダプタ130の撮像側部材131と撮像装置200との連結は、ねじ込み式を例示したが、撮像側部材131は、アダプタ130の中心軸を中心とした放射方向に移動するチャックにより撮像装置200に固定されてもかまわない。具体的には、撮像側部材131がコレットチャックの構造を備えていてもかまわない。
【0040】
また、アダプタ130は、像回転装置120の端面ではなく、像回転装置120の固定部材122の外周面などに取り付けられても構わない。
【0041】
また、撮像側部材131は、撮像光学系202に固定される場合を説明したが、撮像側部材131は、撮像装置200の本体に取り付けられても構わない。
【0042】
また、アダプタ130は、像回転装置120の固定部材122ではなく、図4に示すように回転部材121に取り付けられるものでもかまわない。この場合、アダプタ130が備える軸受133は、撮像装置200の光軸と像回転装置120の回転軸とを同軸上に維持しながら撮像装置200に対する回転部材121の回転を許容する機能を有している。この態様のアダプタ130であっても像回転装置120の回転軸と撮像装置200の光軸とを一致させた状態で撮像装置200と像回転装置120とを連結することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、回転する剛体の状態や回転するように流路を通過する流体の状態を監査し、異常などを検出する装置などに利用可能である。
【符号の説明】
【0044】
100 像回転システム
110 回転光学系
120 像回転装置
121 回転部材
122 固定部材
123 ホルダー
124 ネジ孔
125 イモネジ
126 ブラケット
127 基台
130 アダプタ
131 撮像側部材
132 回転側部材
133 軸受
134 貫通部
200 撮像装置
201 撮像部
202 撮像光学系
図1
図2
図3
図4