IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ガイア アーキテクト シドニー ピーティーワイ エルティーディーの特許一覧

<>
  • 特許-設計支援システム 図1
  • 特許-設計支援システム 図2
  • 特許-設計支援システム 図3
  • 特許-設計支援システム 図4
  • 特許-設計支援システム 図5
  • 特許-設計支援システム 図6
  • 特許-設計支援システム 図7
  • 特許-設計支援システム 図8
  • 特許-設計支援システム 図9
  • 特許-設計支援システム 図10
  • 特許-設計支援システム 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-19
(45)【発行日】2024-11-27
(54)【発明の名称】設計支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/27 20200101AFI20241120BHJP
【FI】
G06F30/27
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2024105514
(22)【出願日】2024-06-28
【審査請求日】2024-07-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524139633
【氏名又は名称】ガイア アーキテクト シドニー ピーティーワイ エルティーディー
(74)【代理人】
【識別番号】100155158
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 仁
(72)【発明者】
【氏名】河内 孝英
(72)【発明者】
【氏名】三上 維啓
【審査官】松浦 功
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-104320(JP,A)
【文献】特開平11-120001(JP,A)
【文献】特開平06-089314(JP,A)
【文献】特開平08-180085(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/00 -30/398
G06N 3/00 -99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
設計情報中に作成可能な第1要素の作成又は前記設計情報中の編集可能な第2要素の編集を行うための第1実施情報を問い合わせる問合情報を含む第1リクエストを大規模言語モデルに入力する第1リクエスト入力手段と、
前記第1リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される第1実施情報を取得する第1実施情報取得手段と、
前記第1実施情報取得手段で取得した第1実施情報をもとに前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行った結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための第2実施情報を問い合わせる問合情報及び当該結果に関する実施結果情報を含む第2リクエストを前記大規模言語モデルに入力する第2リクエスト入力手段と、
前記第2リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される第2実施情報を取得する第2実施情報取得手段とを備えることを特徴とする設計支援システム。
【請求項2】
設計情報中に作成可能な第1要素の作成又は前記設計情報中の編集可能な第2要素の編集を行った結果に関する実施結果情報を含み、当該結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための第1実施情報を生成する要求を含む第1リクエストを大規模言語モデルに入力する第1リクエスト入力手段と、
前記第1リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される第1実施情報を取得する第1実施情報取得手段と、
前記第1実施情報取得手段で取得した第1実施情報をもとに前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行った結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための第2実施情報を問い合わせる問合情報及び当該結果に関する実施結果情報を含む第2リクエストを前記大規模言語モデルに入力する第2リクエスト入力手段と、
前記第2リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される第2実施情報を取得する第2実施情報取得手段とを備えることを特徴とする設計支援システム。
【請求項3】
設計情報中に作成可能な第1要素の作成又は前記設計情報中の編集可能な第2要素の編集を行うための第1実施情報を問い合わせる問合情報を含む第1リクエストを大規模言語モデルに入力する第1リクエスト入力手段と、
前記第1リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される第1実施情報を取得する第1実施情報取得手段と、
前記第1実施情報取得手段で取得した第1実施情報をもとに前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行った結果に関する実施結果情報を含み、当該結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための第2実施情報を生成する要求を含む第2リクエストを前記大規模言語モデルに入力する第2リクエスト入力手段と、
前記第2リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される第2実施情報を取得する第2実施情報取得手段とを備えることを特徴とする設計支援システム。
【請求項4】
設計情報中に作成可能な第1要素の作成又は前記設計情報中の編集可能な第2要素の編集を行った結果に関する実施結果情報を含み、当該結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための第1実施情報を生成する要求を含む第1リクエストを大規模言語モデルに入力する第1リクエスト入力手段と、
前記第1リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される第1実施情報を取得する第1実施情報取得手段と、
前記第1実施情報取得手段で取得した第1実施情報をもとに前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行った結果に関する実施結果情報を含み、当該結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための第2実施情報を生成する要求を含む第2リクエストを前記大規模言語モデルに入力する第2リクエスト入力手段と、
前記第2リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される第2実施情報を取得する第2実施情報取得手段とを備えることを特徴とする設計支援システム。
【請求項5】
設計情報中に作成可能な第1要素の作成又は前記設計情報中の編集可能な第2要素の編集を行うための実施情報を問い合わせる問合情報及び当該設計情報を含む第1リクエストを大規模言語モデルに入力する第1リクエスト入力手段と、
前記第1リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される実施情報を取得する第1実施情報取得手段と、
前記第1実施情報取得手段で取得した実施情報をもとに前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行った結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための実施情報を問い合わせる問合情報及び当該結果を含む前記設計情報を含む第2リクエストを前記大規模言語モデルに入力する第2リクエスト入力手段と、
前記第2リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される実施情報を取得する第2実施情報取得手段とを備えることを特徴とする設計支援システム。
【請求項6】
設計情報中に作成可能な第1要素の作成又は前記設計情報中の編集可能な第2要素の編集を行った結果を含む前記設計情報を含み、当該結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための実施情報を生成する要求を含む第1リクエストを大規模言語モデルに入力する第1リクエスト入力手段と、
前記第1リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される実施情報を取得する第1実施情報取得手段と、
前記第1実施情報取得手段で取得した実施情報をもとに前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行った結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための実施情報を問い合わせる問合情報及び当該結果を含む前記設計情報を含む第2リクエストを前記大規模言語モデルに入力する第2リクエスト入力手段と、
前記第2リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される実施情報を取得する第2実施情報取得手段とを備えることを特徴とする設計支援システム。
【請求項7】
設計情報中に作成可能な第1要素の作成又は前記設計情報中の編集可能な第2要素の編集を行うための実施情報を問い合わせる問合情報及び当該設計情報を含む第1リクエストを大規模言語モデルに入力する第1リクエスト入力手段と、
前記第1リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される実施情報を取得する第1実施情報取得手段と、
前記第1実施情報取得手段で取得した実施情報をもとに前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行った結果を含む前記設計情報を含み、当該結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための実施情報を生成する要求を含む第2リクエストを前記大規模言語モデルに入力する第2リクエスト入力手段と、
前記第2リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される実施情報を取得する第2実施情報取得手段とを備えることを特徴とする設計支援システム。
【請求項8】
設計情報中に作成可能な第1要素の作成又は前記設計情報中の編集可能な第2要素の編集を行った結果を含む前記設計情報を含み、当該結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための実施情報を生成する要求を含む第1リクエストを大規模言語モデルに入力する第1リクエスト入力手段と、
前記第1リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される実施情報を取得する第1実施情報取得手段と、
前記第1実施情報取得手段で取得した実施情報をもとに前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行った結果を含む前記設計情報を含み、当該結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための実施情報を生成する要求を含む第2リクエストを前記大規模言語モデルに入力する第2リクエスト入力手段と、
前記第2リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される実施情報を取得する第2実施情報取得手段とを備えることを特徴とする設計支援システム。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項において、
前記第1要素は、その設定に人の判断を要する要素であって、前記設計情報中の編集可能な他の要素に対し当該設定が影響を与える要素であり、
前記第2要素は、その変更に人の判断を要する要素であって、前記設計情報中の編集可能な他の要素に対し当該変更が影響を与える要素であることを特徴とする設計支援システム。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれか1項において、
前記設計情報は、建築の設計を行うための設計情報であることを特徴とする設計支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設計を支援するシステムに係り、特に、要素の作成又は編集の順序を把握するのに好適な設計支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、AI(Artificial Intelligence)を用いて建築図面の作成を支援する技術としては、例えば、特許文献1記載の技術が知られている。
【0003】
特許文献1記載の技術は、建築図面中の編集可能な編集要素のうち変更を行った編集要素を取得し、建築図面中の編集可能な編集要素に関する情報、その編集要素の変更に伴い変更された他の編集要素及びその内容に関する情報、並びに当該他の編集要素の変更に人の判断を要するか否かに関する判断要否情報に基づいて学習を行った学習済みモデルを用いて、取得した編集要素から関連要素及び判断要否情報を推定する。そして、推定した判断要否情報に基づいて関連要素の変更に人の判断を要すると判定した場合は、推定した関連要素に基づいて他の編集要素を特定の態様で表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第7341580号公報(〔0088〕)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1記載の技術にあっては、要素の作成又は編集の順序によって作業効率が異なるところ、要素をどのような順序で作成又は編集すればよいのかが分からない。
【0006】
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、要素の作成又は編集の順序を把握するのに好適な設計支援システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
〔発明1〕 上記目的を達成するために、発明1の設計支援システムは、設計情報中に作成可能な第1要素の作成又は前記設計情報中の編集可能な第2要素の編集を行うための第1実施情報を問い合わせる問合情報を含む第1リクエストを大規模言語モデルに入力する第1リクエスト入力手段と、前記第1リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される第1実施情報を取得する第1実施情報取得手段と、前記第1実施情報取得手段で取得した第1実施情報をもとに前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行った結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための第2実施情報を問い合わせる問合情報及び当該結果に関する実施結果情報を含む第2リクエストを前記大規模言語モデルに入力する第2リクエスト入力手段と、前記第2リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される第2実施情報を取得する第2実施情報取得手段とを備える。
【0008】
このような構成であれば、第1リクエスト入力手段により、第1要素の作成又は第2要素の編集を行うための第1実施情報を問い合わせる問合情報を含む第1リクエストが大規模言語モデルに入力され、第1実施情報取得手段により、第1リクエストに対して大規模言語モデルから出力される第1実施情報が取得される。そして、第2リクエスト入力手段により、取得された第1実施情報をもとに第1要素の作成又は第2要素の編集を行った結果に対し第1要素の作成又は第2要素の編集を行うための第2実施情報を問い合わせる問合情報及びその結果に関する実施結果情報を含む第2リクエストが大規模言語モデルに入力され、第2実施情報取得手段により、第2リクエストに対して大規模言語モデルから出力される第2実施情報が取得される。
【0009】
ここで、第1問合情報取得手段は、例えば、入力装置等から問合情報を入力してもよいし、外部の端末等から問合情報を獲得又は受信してもよいし、記憶装置や記憶媒体等から問合情報を読み出してもよいし、情報処理等により問合情報を生成し又は算出してもよい。したがって、取得には、少なくとも入力、獲得、受信、読出(検索を含む。)、生成及び算出が含まれる。以下、取得の概念については同じである。
【0010】
また、実施結果情報としては、例えば、作成を行った第1要素又は編集を行った第2要素に関する要素情報が含まれる。要素情報は、例えば、第1要素又は第2要素を識別するための情報(例えば、名称、番号、ID、コード、URL等のリンク情報)として構成することができる。また、要素情報は、例えば、文字、数字、図形、符合、記号、画像、音声その他の情報として構成することができる。また、要素情報は、第1要素又は第2要素に関するキーワード(例えば、第1要素又は第2要素の名称の一部を示す1又は複数のキーワード)として構成することができる。以下、発明2乃至4の設計支援システムにおいて同じである。
【0011】
また、本システムは、単一の装置、端末その他の機器として実現するようにしてもよいし、複数の装置、端末その他の機器を通信可能に接続したネットワークシステムとして実現するようにしてもよい。後者の場合、各構成要素は、それぞれ通信可能に接続されていれば、複数の機器等のうちいずれに属していてもよい。以下、発明2乃至8の設計支援システムにおいて同じである。
【0012】
〔発明2〕 さらに、発明2の設計支援システムは、設計情報中に作成可能な第1要素の作成又は前記設計情報中の編集可能な第2要素の編集を行った結果に関する実施結果情報を含み、当該結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための第1実施情報を生成する要求を含む第1リクエストを大規模言語モデルに入力する第1リクエスト入力手段と、前記第1リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される第1実施情報を取得する第1実施情報取得手段と、前記第1実施情報取得手段で取得した第1実施情報をもとに前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行った結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための第2実施情報を問い合わせる問合情報及び当該結果に関する実施結果情報を含む第2リクエストを前記大規模言語モデルに入力する第2リクエスト入力手段と、前記第2リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される第2実施情報を取得する第2実施情報取得手段とを備える。
【0013】
このような構成であれば、第1リクエスト入力手段により、第1要素の作成又は第2要素の編集を行った結果に関する実施結果情報を含み、その結果に対し第1要素の作成又は第2要素の編集を行うための第1実施情報を生成する要求を含む第1リクエストが大規模言語モデルに入力され、第1実施情報取得手段により、第1リクエストに対して大規模言語モデルから出力される第1実施情報が取得される。そして、第2リクエスト入力手段により、取得された第1実施情報をもとに第1要素の作成又は第2要素の編集を行った結果に対し第1要素の作成又は第2要素の編集を行うための第2実施情報を問い合わせる問合情報及びその結果に関する実施結果情報を含む第2リクエストが大規模言語モデルに入力され、第2実施情報取得手段により、第2リクエストに対して大規模言語モデルから出力される第2実施情報が取得される。
【0014】
〔発明3〕 さらに、発明3の設計支援システムは、設計情報中に作成可能な第1要素の作成又は前記設計情報中の編集可能な第2要素の編集を行うための第1実施情報を問い合わせる問合情報を含む第1リクエストを大規模言語モデルに入力する第1リクエスト入力手段と、前記第1リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される第1実施情報を取得する第1実施情報取得手段と、前記第1実施情報取得手段で取得した第1実施情報をもとに前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行った結果に関する実施結果情報を含み、当該結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための第2実施情報を生成する要求を含む第2リクエストを前記大規模言語モデルに入力する第2リクエスト入力手段と、前記第2リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される第2実施情報を取得する第2実施情報取得手段とを備える。
【0015】
このような構成であれば、第1リクエスト入力手段により、第1要素の作成又は第2要素の編集を行うための第1実施情報を問い合わせる問合情報を含む第1リクエストが大規模言語モデルに入力され、第1実施情報取得手段により、第1リクエストに対して大規模言語モデルから出力される第1実施情報が取得される。そして、第2リクエスト入力手段により、取得された第1実施情報をもとに第1要素の作成又は第2要素の編集を行った結果に関する実施結果情報を含み、その結果に対し第1要素の作成又は第2要素の編集を行うための第2実施情報を生成する要求を含む第2リクエストが大規模言語モデルに入力され、第2実施情報取得手段により、第2リクエストに対して大規模言語モデルから出力される第2実施情報が取得される。
【0016】
〔発明4〕 さらに、発明4の設計支援システムは、設計情報中に作成可能な第1要素の作成又は前記設計情報中の編集可能な第2要素の編集を行った結果に関する実施結果情報を含み、当該結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための第1実施情報を生成する要求を含む第1リクエストを大規模言語モデルに入力する第1リクエスト入力手段と、前記第1リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される第1実施情報を取得する第1実施情報取得手段と、前記第1実施情報取得手段で取得した第1実施情報をもとに前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行った結果に関する実施結果情報を含み、当該結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための第2実施情報を生成する要求を含む第2リクエストを前記大規模言語モデルに入力する第2リクエスト入力手段と、前記第2リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される第2実施情報を取得する第2実施情報取得手段とを備える。
【0017】
このような構成であれば、第1リクエスト入力手段により、第1要素の作成又は第2要素の編集を行った結果に関する実施結果情報を含み、その結果に対し第1要素の作成又は第2要素の編集を行うための第1実施情報を生成する要求を含む第1リクエストが大規模言語モデルに入力され、第1実施情報取得手段により、第1リクエストに対して大規模言語モデルから出力される第1実施情報が取得される。そして、第2リクエスト入力手段により、取得された第1実施情報をもとに第1要素の作成又は第2要素の編集を行った結果に関する実施結果情報を含み、その結果に対し第1要素の作成又は第2要素の編集を行うための第2実施情報を生成する要求を含む第2リクエストが大規模言語モデルに入力され、第2実施情報取得手段により、第2リクエストに対して大規模言語モデルから出力される第2実施情報が取得される。
【0018】
〔発明5〕 さらに、発明5の設計支援システムは、設計情報中に作成可能な第1要素の作成又は前記設計情報中の編集可能な第2要素の編集を行うための実施情報を問い合わせる問合情報及び当該設計情報を含む第1リクエストを大規模言語モデルに入力する第1リクエスト入力手段と、前記第1リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される実施情報を取得する第1実施情報取得手段と、前記第1実施情報取得手段で取得した実施情報をもとに前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行った結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための実施情報を問い合わせる問合情報及び当該結果を含む前記設計情報を含む第2リクエストを前記大規模言語モデルに入力する第2リクエスト入力手段と、前記第2リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される実施情報を取得する第2実施情報取得手段とを備える。
【0019】
このような構成であれば、第1リクエスト入力手段により、第1要素の作成又は第2要素の編集を行うための実施情報を問い合わせる問合情報及びその設計情報を含む第1リクエストが大規模言語モデルに入力され、第1実施情報取得手段により、第1リクエストに対して大規模言語モデルから出力される実施情報が取得される。そして、第2リクエスト入力手段により、取得された実施情報をもとに第1要素の作成又は第2要素の編集を行った結果に対し第1要素の作成又は第2要素の編集を行うための実施情報を問い合わせる問合情報及びその結果を含む設計情報を含む第2リクエストが大規模言語モデルに入力され、第2実施情報取得手段により、第2リクエストに対して大規模言語モデルから出力される実施情報が取得される。
【0020】
〔発明6〕 さらに、発明6の設計支援システムは、設計情報中に作成可能な第1要素の作成又は前記設計情報中の編集可能な第2要素の編集を行った結果を含む前記設計情報を含み、当該結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための実施情報を生成する要求を含む第1リクエストを大規模言語モデルに入力する第1リクエスト入力手段と、前記第1リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される実施情報を取得する第1実施情報取得手段と、前記第1実施情報取得手段で取得した実施情報をもとに前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行った結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための実施情報を問い合わせる問合情報及び当該結果を含む前記設計情報を含む第2リクエストを前記大規模言語モデルに入力する第2リクエスト入力手段と、前記第2リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される実施情報を取得する第2実施情報取得手段とを備える。
【0021】
このような構成であれば、第1リクエスト入力手段により、第1要素の作成又は第2要素の編集を行った結果を含む設計情報を含み、その結果に対し第1要素の作成又は第2要素の編集を行うための実施情報を生成する要求を含む第1リクエストが大規模言語モデルに入力され、第1実施情報取得手段により、第1リクエストに対して大規模言語モデルから出力される実施情報が取得される。そして、第2リクエスト入力手段により、取得された実施情報をもとに第1要素の作成又は第2要素の編集を行った結果に対し第1要素の作成又は第2要素の編集を行うための実施情報を問い合わせる問合情報及びその結果を含む設計情報を含む第2リクエストが大規模言語モデルに入力され、第2実施情報取得手段により、第2リクエストに対して大規模言語モデルから出力される実施情報が取得される。
【0022】
〔発明7〕 さらに、発明7の設計支援システムは、設計情報中に作成可能な第1要素の作成又は前記設計情報中の編集可能な第2要素の編集を行うための実施情報を問い合わせる問合情報及び当該設計情報を含む第1リクエストを大規模言語モデルに入力する第1リクエスト入力手段と、前記第1リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される実施情報を取得する第1実施情報取得手段と、前記第1実施情報取得手段で取得した実施情報をもとに前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行った結果を含む前記設計情報を含み、当該結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための実施情報を生成する要求を含む第2リクエストを前記大規模言語モデルに入力する第2リクエスト入力手段と、前記第2リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される実施情報を取得する第2実施情報取得手段とを備える。
【0023】
このような構成であれば、第1リクエスト入力手段により、第1要素の作成又は第2要素の編集を行うための実施情報を問い合わせる問合情報及びその設計情報を含む第1リクエストが大規模言語モデルに入力され、第1実施情報取得手段により、第1リクエストに対して大規模言語モデルから出力される実施情報が取得される。そして、第2リクエスト入力手段により、取得された実施情報をもとに第1要素の作成又は第2要素の編集を行った結果を含む設計情報を含み、その結果に対し第1要素の作成又は第2要素の編集を行うための実施情報を生成する要求を含む第2リクエストが大規模言語モデルに入力され、第2実施情報取得手段により、第2リクエストに対して大規模言語モデルから出力される実施情報が取得される。
【0024】
〔発明8〕 さらに、発明8の設計支援システムは、設計情報中に作成可能な第1要素の作成又は前記設計情報中の編集可能な第2要素の編集を行った結果を含む前記設計情報を含み、当該結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための実施情報を生成する要求を含む第1リクエストを大規模言語モデルに入力する第1リクエスト入力手段と、前記第1リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される実施情報を取得する第1実施情報取得手段と、前記第1実施情報取得手段で取得した実施情報をもとに前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行った結果を含む前記設計情報を含み、当該結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための実施情報を生成する要求を含む第2リクエストを前記大規模言語モデルに入力する第2リクエスト入力手段と、前記第2リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される実施情報を取得する第2実施情報取得手段とを備える。
【0025】
このような構成であれば、第1リクエスト入力手段により、第1要素の作成又は第2要素の編集を行った結果を含む設計情報を含み、その結果に対し第1要素の作成又は第2要素の編集を行うための実施情報を生成する要求を含む第1リクエストが大規模言語モデルに入力され、第1実施情報取得手段により、第1リクエストに対して大規模言語モデルから出力される実施情報が取得される。そして、第2リクエスト入力手段により、取得された実施情報をもとに第1要素の作成又は第2要素の編集を行った結果を含む設計情報を含み、その結果に対し第1要素の作成又は第2要素の編集を行うための実施情報を生成する要求を含む第2リクエストが大規模言語モデルに入力され、第2実施情報取得手段により、第2リクエストに対して大規模言語モデルから出力される実施情報が取得される。
【0026】
〔発明9〕 さらに、発明9の設計支援システムは、発明1乃至8のいずれか1の設計支援システムにおいて、前記第1要素は、その設定に人の判断を要する要素であって、前記設計情報中の編集可能な他の要素に対し当該設定が影響を与える要素であり、前記第2要素は、その変更に人の判断を要する要素であって、前記設計情報中の編集可能な他の要素に対し当該変更が影響を与える要素である。
【0027】
〔発明10〕 さらに、発明10の設計支援システムは、発明1乃至8のいずれか1の設計支援システムにおいて、前記設計情報は、建築の設計を行うための設計情報である。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように、発明1の設計支援システムによれば、問い合わせに応じて第1実施情報及び第2実施情報を得ることができ、第1実施情報をもとに作成又は編集を行った結果に対し作成又は編集を行うための第2実施情報を得ることができるので、要素の作成又は編集の順序を把握することができる。
【0029】
さらに、発明2の設計支援システムによれば、問い合わせに応じて第2実施情報を得ることができ、第1実施情報をもとに作成又は編集を行った結果に対し作成又は編集を行うための第2実施情報を得ることができるので、要素の作成又は編集の順序を把握することができる。
【0030】
さらに、発明3の設計支援システムによれば、問い合わせに応じて第1実施情報を得ることができ、第1実施情報をもとに作成又は編集を行った結果に対し作成又は編集を行うための第2実施情報を得ることができるので、要素の作成又は編集の順序を把握することができる。
【0031】
さらに、発明4の設計支援システムによれば、第1実施情報をもとに作成又は編集を行った結果に対し作成又は編集を行うための第2実施情報を得ることができるので、要素の作成又は編集の順序を把握することができる。
【0032】
さらに、発明5の設計支援システムによれば、問い合わせに応じて実施情報を得ることができ、実施情報をもとに作成又は編集を行った結果に対し作成又は編集を行うための実施情報を得ることができるので、要素の作成又は編集の順序を把握することができる。
【0033】
さらに、発明6の設計支援システムによれば、問い合わせに応じて実施情報を得ることができ、実施情報をもとに作成又は編集を行った結果に対し作成又は編集を行うための実施情報を得ることができるので、要素の作成又は編集の順序を把握することができる。
【0034】
さらに、発明7の設計支援システムによれば、問い合わせに応じて実施情報を得ることができ、実施情報をもとに作成又は編集を行った結果に対し作成又は編集を行うための実施情報を得ることができるので、要素の作成又は編集の順序を把握することができる。
【0035】
さらに、発明8の設計支援システムによれば、実施情報をもとに作成又は編集を行った結果に対し作成又は編集を行うための実施情報を得ることができるので、要素の作成又は編集の順序を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】図面作成支援装置100のハードウェア構成を示す図である。
図2】学習データの構造を示す図である。
図3】矩計図のCADデータの構造を示す図である。
図4】学習済みモデル生成処理を示すフローチャートである。
図5】学習済みモデルの生成及び利用の工程を示すブロック図である。
図6】実施情報推定処理を示すフローチャートである。
図7】ピアノの搬入を想定する矩計図である。
図8】実施情報推定処理を示すフローチャートである。
図9】学習データの構造を示す図である。
図10】実施情報推定処理を示すフローチャートである。
図11】実施情報推定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
〔第1の実施の形態〕
以下、本発明の第1の実施の形態を説明する。図1図7は、本実施の形態を示す図である。
【0038】
まず、本実施の形態の構成を説明する。
図1は、図面作成支援装置100のハードウェア構成を示す図である。
【0039】
図面作成支援装置100は、図1に示すように、制御プログラムに基づいて演算及びシステム全体を制御するCPU(Central Processing Unit)30と、所定領域に予めCPU30の制御プログラム等を格納しているROM(Read Only Memory)32と、ROM32等から読み出したデータやCPU30の演算過程で必要な演算結果を格納するためのRAM(Random Access Memory)34と、外部装置に対してデータの入出力を媒介するI/F(InterFace)38とで構成されており、これらは、データを転送するための信号線であるバス39で相互に且つデータ授受可能に接続されている。
【0040】
I/F38には、外部装置として、ヒューマンインターフェースとしてデータの入力が可能なキーボードやマウス等からなる入力装置40と、データやテーブル等をファイルとして格納する記憶装置42と、画像信号に基づいて画面を表示する表示装置44とが接続されている。
【0041】
記憶装置42には、CAD(Computer Aided Design)ソフトウェアやBIM(Building Information Modeling)ソフトウェア(以下これらを総称して「CADソフトウェア」という。)がインストールされている。CADソフトウェアは、設計者の操作に応じて図面の作成を支援するソフトウェアである。CADソフトウェアの起動が要求されると、CPU30は、ROM32の所定領域に格納されているCADソフトウェア用のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って処理を実行する。設計者は、CADソフトウェアを起動し、矩計図、平面詳細図その他の建築図面を作成することができる。
【0042】
次に、記憶装置42のデータ構造を説明する。
図2は、学習データの構造を示す図である。
【0043】
記憶装置42は、図2に示すように、AIの学習における教師データとなる学習データを記憶している。
【0044】
学習データは、図2に示すように、CADデータやBIMデータ(以下これらを総称して「CADデータ」という。)中に作成可能な第1要素の作成又はCADデータ中の編集可能な第2要素の編集を行うための実施情報404を問い合わせる問合情報400と、第1要素の作成又は第2要素の編集を行った結果に関する実施結果情報402と、第1要素の作成又は第2要素の編集を行うための実施情報404とを含んで構成されている。以下、第1要素又は第2要素を「編集要素」といい、第1要素の作成又は第2要素の編集を「編集」という。
【0045】
図2中第1行目には、問合情報400として「幅が120のピアノを設置」が、実施情報404として「トイレの幅を870以下に変更」がそれぞれ登録されている。これは、設計者が「幅が120[mm]のピアノを設置したい。」という問い合わせを行った場合、AIが「トイレの幅を870[mm]以下に変更してください。」と回答すべきことを示している。これら情報は過去の編集履歴をもとに作成することができる。すなわち、設計者が、幅が120[mm]のピアノを設置するためにトイレの幅を870[mm]以下に変更する編集を行った編集履歴データから実施情報404を抽出し、問合情報400と対応づけて学習データに登録する。
【0046】
ここで、編集要素「トイレ」は、その変更に人の判断を要する第3要素であり、編集要素「ピアノ」は、第3要素「トイレ」の変更に影響を受け又は与える第4要素である。変更に人の判断を要する編集要素かどうかは、例えば、特許文献1〔0076〕~〔0089〕に記載の技術により判定することができる。すなわち、変更に人の判断を要する編集要素は、人の判断により設定してもよい。また、変更前のCADデータ及び変更後のCADデータに基づいて、変更前後で変更パターンが2以上ある編集要素を抽出し、抽出した編集要素を、変更に人の判断を要する編集要素として設定してもよい。その結果に基づいて、変更に人の判断を要するか否かの情報と対応づけて編集要素を登録した判断要否データを作成し記憶装置42に記憶する。そして、記憶装置42の判断要否データに基づいて、変更に人の判断を要する編集要素であると判定した編集要素を第3要素として編集履歴データ上取り扱う。一方、第4要素は、編集要素又はそれ以外の要素(例えば、室内に設置する予定の家具その他の仮想の要素)を含む。編集履歴データは、例えば、設計者が第4要素との関係で第3要素を変更した場合にこれを編集履歴データとして記録することにより作成することができる。
【0047】
図2中第4行目は、第1行目の編集の次に行う編集を示すものである。第4行目には、問合情報400として「トイレの設計について指示」が、実施結果情報402として「トイレの幅が870、手洗器の幅が501以上」が、実施情報404として「手洗器の幅を500以下に変更」がそれぞれ登録されている。これは、設計者が編集要素「トイレ」の編集を行った結果として「トイレの幅が870[mm]、手洗器の幅が501[mm]以上」となったことを示し、次に設計者が「トイレの設計について指示してください。」という問い合わせを行った場合、AIが「手洗器の幅を500[mm]以下に変更してください。」と回答すべきことを示している。これら情報は過去の編集履歴をもとに作成することができる。すなわち、設計者が、トイレの幅を870[mm]以下に変更する編集及び手洗器の幅を500[mm]以下に変更する編集を行った編集履歴データから実施結果情報402及び実施情報404を抽出し、問合情報400と対応づけて学習データに登録する。
【0048】
ここで、第1行目の実施情報404は、編集要素の編集を行うための第1実施情報であり、第4行目の実施情報404は、第1実施情報(第1行目の実施情報404)に係る編集を行った結果に対し編集要素の編集を行うための第2実施情報である。
【0049】
図2中第7行目は、第4行目の編集の次に行う編集を示すものである。第7行目には、問合情報400として「トイレの設計について指示」が、実施結果情報402として「手洗器の幅が500以下、奥行きが600以上」が、実施情報404として「便器の左壁のスペースを400以上確保」がそれぞれ登録されている。これは、設計者が編集要素「手洗器」の編集を行った結果として「手洗器の幅が500[mm]以下、奥行きが600[mm]以上」となったことを示し、次に設計者が「トイレの設計について指示してください。」という問い合わせを行った場合、AIが「便器の左壁のスペースを400[mm]以上確保してください。」と回答すべきことを示している。これら情報は過去の編集履歴をもとに作成することができる。すなわち、設計者が、手洗器の幅を500[mm]以下に変更する編集及び便器の左壁のスペースを400[mm]以上に変更する編集を行った編集履歴データから実施結果情報402及び実施情報404を抽出し、問合情報400と対応づけて学習データに登録する。
【0050】
ここで、編集要素「手洗器」「便器の左壁」は、第3要素及び第4要素の関係にある。また、第4行目の実施情報404は、編集要素の編集を行うための第2実施情報であり、第7行目の実施情報404は、第2実施情報(第4行目の実施情報404)に係る編集を行った結果に対し編集要素の編集を行うための第4実施情報である。
【0051】
図2中第2、5、8行目及び第3、6、9行目は、第1、4、7行目の関係と同様に、それぞれ一連の編集を示すものである。
【0052】
図3は、矩計図のCADデータの構造を示す図である。
記憶装置42は、図3に示すように、矩計図のCADデータを記憶している。
【0053】
矩計図は、建物の断面を詳細に作図した図面である。矩計図のCADデータは、設計者がCADソフトウェアを利用して作成するものである。設計者は、CADソフトウェアにおいて、矩計図中の編集可能な編集要素を追加、編集又は削除することにより矩計図を作成する。図3の例では、「内部廊下」と表示された領域の床、壁及び天井の各編集要素が、「風除室」と表示された領域の床、壁及び天井の各編集要素がそれぞれ配置されている。
【0054】
記憶装置42は、その他の建築図面のCADデータ、及び、学習済みモデルのデータを記憶している。学習済みモデルは、図2の学習データに基づいて学習が行われている。編集履歴データは、学習データの作成に用いるため、記憶装置42には、過去に作成された多数の編集履歴データが記憶されている。これらの編集履歴データは、建築図面中の各編集要素が仕様に適合したものである。
【0055】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
図4は、学習済みモデル生成処理を示すフローチャートである。
【0056】
図5は、学習済みモデルの生成及び利用の工程を示すブロック図である。
学習済みモデル生成処理は、学習済みモデルを生成するために実行される処理であって、CPU30において実行されると、図4に示すように、ステップS100に移行して、学習データ解析処理を実行する。学習データ解析処理では、学習データを記憶装置42から読み出し、読み出した学習データから問合情報400、実施結果情報402及び実施情報404を抽出する。
【0057】
次いで、ステップS102に移行する。ステップS102では、図5に示すように、ステップS100で抽出した情報に基づいて学習用データセットを生成し、ステップS104に移行して、生成した学習用データセットを学習用プログラムに入力し、学習用プログラムにより学習済みモデルを生成する。学習用プログラムは、学習前パラメータ及びハイパーパラメータを備え、入力した学習用データセット及びハイパーパラメータに基づいて学習を行い、学習前パラメータを更新する。そして、学習結果として学習済みモデル1~3を出力する。
【0058】
学習済みモデル1は、編集要素の編集を行うための第1実施情報を問い合わせる情報及びその第1実施情報に基づいて学習が行われる。図2の例では、第1~3行目の問合情報400及び実施情報404に基づいて学習が行われる。学習済みモデル1は、学習前パラメータが学習により更新された学習済みパラメータ及び推論プログラムを備える。推論プログラムは、第1実施情報を問い合わせる問合情報を入力し、学習済みパラメータに基づいて、入力した問合情報から第1実施情報を推定し、推定した第1実施情報を出力する。なお、入力した問合情報と出力される第1実施情報の関係は、AIの学習により決まるものであるので、過去の学習データの内容と同様の傾向を示すものの、必ずしも正確には一致しない曖昧さがある。ただし、この曖昧さは、学習データ量及び学習精度により小さくすることができる。学習済みモデル2、3についても同様である。
【0059】
学習済みモデル2は、第1実施情報に係る編集を行った結果に対し編集要素の編集を行うための第2実施情報を問い合わせる情報、その結果に関する情報及びその第2実施情報に基づいて学習が行われる。図2の例では、第4~6行目の問合情報400、実施結果情報402及び実施情報404に基づいて学習が行われる。学習済みモデル2は、学習前パラメータが学習により更新された学習済みパラメータ及び推論プログラムを備える。推論プログラムは、第1実施情報をもとに編集要素の編集を行った結果に対し編集要素の編集を行うための第2実施情報を問い合わせる問合情報及びその結果に関する実施結果情報を入力し、学習済みパラメータに基づいて、入力した問合情報及び実施結果情報から第2実施情報を推定し、推定した第2実施情報を出力する。
【0060】
学習済みモデル3は、第2実施情報に係る編集を行った結果に対し編集要素の編集を行うための第3実施情報を問い合わせる情報、その結果に関する情報及びその第3実施情報に基づいて学習が行われる。図2の例では、第7~9行目の問合情報400、実施結果情報402及び実施情報404に基づいて学習が行われる。学習済みモデル3は、学習前パラメータが学習により更新された学習済みパラメータ及び推論プログラムを備える。推論プログラムは、第2実施情報をもとに編集要素の編集を行った結果に対し編集要素の編集を行うための第3実施情報を問い合わせる問合情報及びその結果に関する実施結果情報を入力し、学習済みパラメータに基づいて、入力した問合情報及び実施結果情報から第3実施情報を推定し、推定した第3実施情報を出力する。
【0061】
次いで、ステップS106に移行して、ステップS104で生成した学習済みモデル1~3を記憶装置42に記憶し、一連の処理を終了する。
【0062】
図6は、実施情報推定処理を示すフローチャートである。
実施情報推定処理は、設計者からの要求に応じて実行される処理であって、CPU30において実行されると、図6に示すように、まず、ステップS200に移行する。
【0063】
ステップS200では、第1実施情報を問い合わせる問合情報を取得する。問合情報は、マイク(不図示)から音声入力することにより取得してもよいし、入力装置40から入力することにより取得してもよい。以下、ステップS208、S216において同様である。
【0064】
次いで、ステップS204に移行して、記憶装置42の学習済みモデル1を用いて、ステップS200で取得した問合情報から第1実施情報を推定する。複数の問合情報を取得した場合は、問合情報ごとに第1実施情報を推定する。推定は、問合情報を学習済みモデル1に入力し、学習済みモデル1から出力される第1実施情報を取得することにより行う。
【0065】
次いで、ステップS206に移行して、学習済みモデル1により推定された第1実施情報を表示装置44に表示し、ステップS208に移行して、第2実施情報を問い合わせる問合情報を取得し、ステップS210に移行する。
【0066】
ステップS210では、表示装置44に表示された第1実施情報をもとに設計者が編集要素の編集を行った結果に関する実施結果情報を取得する。実施結果情報は、CADソフトウェア又はCADデータから取得してもよいし、入力装置40から入力することにより取得してもよい。以下、ステップS218において同様である。
【0067】
次いで、ステップS212に移行して、記憶装置42の学習済みモデル2を用いて、ステップS208、S210で取得した問合情報及び実施結果情報から第2実施情報を推定する。複数の問合情報を取得した場合は、問合情報ごとに第2実施情報を推定する。推定は、問合情報及び実施結果情報を学習済みモデル2に入力し、学習済みモデル2から出力される第2実施情報を取得することにより行う。
【0068】
次いで、ステップS214に移行して、学習済みモデル2により推定された第2実施情報を表示装置44に表示し、ステップS216に移行する。
【0069】
ステップS216では、第3実施情報を問い合わせる問合情報を取得し、ステップS218に移行して、表示装置44に表示された第2実施情報をもとに設計者が編集要素の編集を行った結果に関する実施結果情報を取得し、ステップS220に移行する。
【0070】
ステップS220では、記憶装置42の学習済みモデル3を用いて、ステップS216、S218で取得した問合情報及び実施結果情報から第3実施情報を推定する。複数の問合情報を取得した場合は、問合情報ごとに第3実施情報を推定する。推定は、問合情報及び実施結果情報を学習済みモデル3に入力し、学習済みモデル3から出力される第3実施情報を取得することにより行う。
【0071】
次いで、ステップS222に移行して、学習済みモデル3により推定された第3実施情報を表示装置44に表示し、一連の処理を終了する。
【0072】
〔ピアノの搬入を想定する場合〕
次に、ピアノの搬入を想定する場合の動作を説明する。
【0073】
図7は、ピアノの搬入を想定する矩計図である。
設計者は、CADソフトウェアにおいて図7の矩計図を編集中に、「幅が120[mm]のピアノを設置したい。」という問い合わせを行うと、ステップS200~S206を経て、その問い合わせを示す問合情報が取得され、第1実施情報「トイレの壁との干渉を防止するため、トイレの幅を870[mm]以下に変更してください。」が推定、表示される。次いで、設計者は、第1実施情報をもとにトイレの幅を870[mm]に変更し、「トイレの設計について指示してください。」という問い合わせを行うと、ステップS208~S214を経て、その問い合わせを示す問合情報及びその編集結果を示す実施結果情報が取得され、第2実施情報「トイレの利便性を維持するため、手洗器の幅を500[mm]以下に変更してください。」が推定、表示される。次いで、設計者は、第2実施情報をもとに手洗器の幅を500[mm]に変更し、「トイレの設計について指示してください。」という問い合わせを行うと、ステップS216~S222を経て、その問い合わせを示す問合情報及びその編集結果を示す実施結果情報が取得され、第3実施情報「バリアフリー仕様を追加するため、便器の左壁のスペースを400[mm]以上確保してください。」が推定、表示される。そして、設計者は、第3実施情報をもとに便器の左壁のスペースを400[mm]に変更する。
【0074】
ここで、編集の目的「トイレの壁との干渉を防止するため」「トイレの利便性を維持するため」「バリアフリー仕様を追加するため」は、図2の実施情報404に含めて学習させてもよいし、他の学習データに基づいて学習させてもよい。目的は、実施情報404又は他の学習データにおいて例えば手動で設定することができるが、設計者が設計時に入力したコメント等に基づいて設定することもできる。
【0075】
次に、本実施の形態の効果を説明する。
本実施の形態では、第1実施情報を問い合わせる問合情報を取得し、第1実施情報を問い合わせる情報及びその第1実施情報に基づいて学習を行った学習済みモデル1を用いて、取得した問合情報から第1実施情報を推定し、推定した第1実施情報をもとに編集要素の編集を行った結果に対し編集要素の編集を行うための第2実施情報を問い合わせる問合情報及びその結果に関する実施結果情報を取得し、第1実施情報に係る編集を行った結果に対し編集要素の編集を行うための第2実施情報を問い合わせる情報、その結果に関する情報及びその第2実施情報に基づいて学習を行った学習済みモデル2を用いて、取得した問合情報及び実施結果情報から第2実施情報を推定する。
【0076】
これにより、問い合わせに応じて第1実施情報及び第2実施情報を得ることができ、第1実施情報をもとに編集要素の編集を行った結果に対し編集要素の編集を行うための第2実施情報を得ることができるので、編集要素の編集の順序を把握することができる。
【0077】
さらに、本実施の形態では、第1実施情報をもとに編集要素の編集を行った結果に対し編集要素の編集を行うための第2実施情報を問い合わせる問合情報及びその結果に関する実施結果情報を取得し、第1実施情報に係る編集を行った結果に対し編集要素の編集を行うための第2実施情報を問い合わせる情報、その結果に関する情報及びその第2実施情報に基づいて学習を行った学習済みモデル2を用いて、取得した問合情報及び実施結果情報から第2実施情報を推定し、推定した第2実施情報をもとに編集要素の編集を行った結果に対し編集要素の編集を行うための第3実施情報を問い合わせる問合情報及びその結果に関する実施結果情報を取得し、第2実施情報に係る編集を行った結果に対し編集要素の編集を行うための第3実施情報を問い合わせる情報、その結果に関する情報及びその第3実施情報に基づいて学習を行った学習済みモデル3を用いて、取得した問合情報及び実施結果情報から第3実施情報を推定する。
【0078】
これにより、問い合わせに応じて第2実施情報及び第3実施情報を得ることができ、第2実施情報をもとに編集要素の編集を行った結果に対し編集要素の編集を行うための第3実施情報を得ることができるので、編集要素の編集の順序を把握することができる。
【0079】
さらに、本実施の形態では、その変更に人の判断を要する第3要素及び第3要素の変更に影響を受け又は与える第4要素の関係で第3要素の編集を行うための実施情報を推定する。
【0080】
これにより、第3要素及び第4要素の関係を考慮した編集の順序を把握することができる。
【0081】
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。図8は、本実施の形態を示す図である。その他、図2図4図5及び図7を援用する。
【0082】
本実施の形態は、上記第1の実施の形態に対し、第2実施情報及び第3実施情報を問い合わせない点で異なる。以下、上記第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0083】
まず、本実施の形態の動作を説明する。
学習済みモデル生成処理は、CPU30において実行されると、図4に示すように、ステップS100に移行して、学習データ解析処理を実行する。学習データ解析処理では、学習データを記憶装置42から読み出し、読み出した学習データから問合情報400、実施結果情報402及び実施情報404を抽出する。
【0084】
次いで、ステップS102に移行する。ステップS102では、図5に示すように、ステップS100で抽出した情報に基づいて学習用データセットを生成し、ステップS104に移行して、生成した学習用データセットを学習用プログラムに入力し、学習用プログラムにより学習済みモデルを生成する。学習用プログラムは、学習前パラメータ及びハイパーパラメータを備え、入力した学習用データセット及びハイパーパラメータに基づいて学習を行い、学習前パラメータを更新する。そして、学習結果として学習済みモデル1~3を出力する。
【0085】
学習済みモデル1は、上記第1の実施の形態における学習済みモデル1と同じである。
学習済みモデル2は、第1実施情報に係る編集を行った結果に関する情報及びその結果に対し編集要素の編集を行うための第2実施情報に基づいて学習が行われる。図2の例では、第4~6行目の実施結果情報402及び実施情報404に基づいて学習が行われる。学習済みモデル2は、学習前パラメータが学習により更新された学習済みパラメータ及び推論プログラムを備える。推論プログラムは、第1実施情報をもとに編集要素の編集を行った結果に関する実施結果情報を入力し、学習済みパラメータに基づいて、入力した実施結果情報から第2実施情報を推定し、推定した第2実施情報を出力する。
【0086】
学習済みモデル3は、第2実施情報に係る編集を行った結果に関する情報及びその結果に対し編集要素の編集を行うための第3実施情報に基づいて学習が行われる。図2の例では、第7~9行目の実施結果情報402及び実施情報404に基づいて学習が行われる。学習済みモデル3は、学習前パラメータが学習により更新された学習済みパラメータ及び推論プログラムを備える。推論プログラムは、第2実施情報をもとに編集要素の編集を行った結果に関する実施結果情報を入力し、学習済みパラメータに基づいて、入力した実施結果情報から第3実施情報を推定し、推定した第3実施情報を出力する。
【0087】
次いで、ステップS106に移行して、ステップS104で生成した学習済みモデル1~3を記憶装置42に記憶し、一連の処理を終了する。
【0088】
図8は、実施情報推定処理を示すフローチャートである。
実施情報推定処理は、CPU30において実行されると、図8に示すように、まず、ステップS200に移行する。ステップS200~S206の処理は、上記第1の実施の形態と同じであり、ステップS206の処理が終了すると、ステップS210に移行する。
【0089】
ステップS210では、表示された第1実施情報をもとに設計者が編集要素の編集を行った結果に関する実施結果情報を取得し、ステップS224に移行して、記憶装置42の学習済みモデル2を用いて、ステップS210で取得した実施結果情報から第2実施情報を推定し、ステップS214に移行して、推定された第2実施情報を表示し、ステップS218に移行する。
【0090】
ステップS218では、表示された第2実施情報をもとに設計者が編集要素の編集を行った結果に関する実施結果情報を取得し、ステップS226に移行して、記憶装置42の学習済みモデル3を用いて、ステップS218で取得した実施結果情報から第3実施情報を推定し、ステップS222に移行して、推定された第3実施情報を表示し、一連の処理を終了する。
【0091】
〔ピアノの搬入を想定する場合〕
次に、ピアノの搬入を想定する場合の動作を説明する。
【0092】
設計者は、CADソフトウェアにおいて図7の矩計図を編集中に、「幅が120[mm]のピアノを設置したい。」という問い合わせを行うと、ステップS200~S206を経て、その問い合わせを示す問合情報が取得され、第1実施情報「トイレの壁との干渉を防止するため、トイレの幅を870[mm]以下に変更してください。」が推定、表示される。次いで、設計者は、第1実施情報をもとにトイレの幅を870[mm]に変更すると、ステップS210、S224、S214を経て、その編集結果を示す実施結果情報が取得され、第2実施情報「トイレの利便性を維持するため、手洗器の幅を500[mm]以下に変更してください。」が推定、表示される。次いで、設計者は、第2実施情報をもとに手洗器の幅を500[mm]に変更すると、ステップS218、S226、S222を経て、その編集結果を示す実施結果情報が取得され、第3実施情報「バリアフリー仕様を追加するため、便器の左壁のスペースを400[mm]以上確保してください。」が推定、表示される。そして、設計者は、第3実施情報をもとに便器の左壁のスペースを400[mm]に変更する。
【0093】
次に、本実施の形態の効果を説明する。
本実施の形態では、第1実施情報を問い合わせる問合情報を取得し、第1実施情報を問い合わせる情報及びその第1実施情報に基づいて学習を行った学習済みモデル1を用いて、取得した問合情報から第1実施情報を推定し、推定した第1実施情報をもとに編集要素の編集を行った結果に関する実施結果情報を取得し、第1実施情報に係る編集を行った結果に関する情報及びその結果に対し編集要素の編集を行うための第2実施情報に基づいて学習を行った学習済みモデル2を用いて、取得した実施結果情報から第2実施情報を推定する。
【0094】
これにより、問い合わせに応じて第1実施情報を得ることができ、第1実施情報をもとに編集要素の編集を行った結果に対し編集要素の編集を行うための第2実施情報を得ることができるので、編集要素の編集の順序を把握することができる。
【0095】
さらに、本実施の形態では、第1実施情報をもとに編集要素の編集を行った結果に関する実施結果情報を取得し、第1実施情報に係る編集を行った結果に関する情報及びその結果に対し編集要素の編集を行うための第2実施情報に基づいて学習を行った学習済みモデル2を用いて、取得した実施結果情報から第2実施情報を推定し、推定した第2実施情報をもとに編集要素の編集を行った結果に関する実施結果情報を取得し、第2実施情報に係る編集を行った結果に関する情報及びその結果に対し編集要素の編集を行うための第3実施情報に基づいて学習を行った学習済みモデル3を用いて、取得した実施結果情報から第3実施情報を推定する。
【0096】
これにより、第2実施情報をもとに編集要素の編集を行った結果に対し編集要素の編集を行うための第3実施情報を得ることができるので、編集要素の編集の順序を把握することができる。
【0097】
〔第3の実施の形態〕
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。図9及び図10は、本実施の形態を示す図である。その他、図4図5及び図7を援用する。
【0098】
本実施の形態は、上記第1の実施の形態に対し、実施結果情報に代えてCADデータを与える点で異なる。以下、上記第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0099】
まず、記憶装置42のデータ構造を説明する。
図9は、学習データの構造を示す図である。
【0100】
記憶装置42は、図9に示すように、AIの学習における教師データとなる学習データを記憶している。
【0101】
学習データは、図9に示すように、問合情報400と、編集要素の編集を行った結果を含むCADデータ406(ファイル名)と、実施情報404とを含んで構成されている。
【0102】
図9中第1行目には、問合情報400として「幅が120のピアノを設置」が、CADデータ406として「file01.dxf」が、実施情報404として「トイレの幅を870以下に変更」がそれぞれ登録されている。「file01.dxf」としては、トイレの幅を870[mm]以下に変更する編集を行う直前のCADデータのファイル名を登録する。これは、設計者が「幅が120[mm]のピアノを設置したい。」という問い合わせを行った場合、AIが「トイレの幅を870[mm]以下に変更してください。」と回答すべきことを示している。これら情報は過去の編集履歴をもとに作成することができる。すなわち、設計者が、幅が120[mm]のピアノを設置するためにトイレの幅を870[mm]以下に変更する編集を行った編集履歴データから実施情報404の抽出及びCADデータ406の特定を行い、問合情報400と対応づけて学習データに登録する。
【0103】
図9中第4行目は、第1行目の編集の次に行う編集を示すものである。第4行目には、問合情報400として「トイレの設計について指示」が、CADデータ406として「file04.dxf」が、実施情報404として「手洗器の幅を500以下に変更」がそれぞれ登録されている。「file04.dxf」としては、トイレの幅を870[mm]以下に変更する編集を行ったCADデータを登録する。これは、設計者が「トイレの設計について指示してください。」という問い合わせを行った場合、AIが「手洗器の幅を500[mm]以下に変更してください。」と回答すべきことを示している。これら情報は過去の編集履歴をもとに作成することができる。すなわち、設計者が、トイレの幅を870[mm]以下に変更する編集及び手洗器の幅を500[mm]以下に変更する編集を行った編集履歴データから実施情報404の抽出及びCADデータ406の特定を行い、問合情報400と対応づけて学習データに登録する。
【0104】
図9中第7行目は、第4行目の編集の次に行う編集を示すものである。第7行目には、問合情報400として「トイレの設計について指示」が、CADデータ406として「file07.dxf」が、実施情報404として「便器の左壁のスペースを400以上確保」がそれぞれ登録されている。「file07.dxf」としては、手洗器の幅を500[mm]以下に変更する編集を行ったCADデータを登録する。これは、設計者が「トイレの設計について指示してください。」という問い合わせを行った場合、AIが「便器の左壁のスペースを400[mm]以上確保してください。」と回答すべきことを示している。これら情報は過去の編集履歴をもとに作成することができる。すなわち、設計者が、手洗器の幅を500[mm]以下に変更する編集及び便器の左壁のスペースを400[mm]以上に変更する編集を行った編集履歴データから実施情報404の抽出及びCADデータ406の特定を行い、問合情報400と対応づけて学習データに登録する。
【0105】
図9中第2、5、8行目及び第3、6、9行目は、第1、4、7行目の関係と同様に、それぞれ一連の編集を示すものである。
【0106】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
学習済みモデル生成処理は、CPU30において実行されると、図4に示すように、ステップS100に移行して、学習データ解析処理を実行する。学習データ解析処理では、学習データを記憶装置42から読み出し、読み出した学習データから問合情報400、CADデータ406及び実施情報404を抽出する。
【0107】
次いで、ステップS102に移行する。ステップS102では、図5に示すように、ステップS100で抽出した情報に基づいて学習用データセットを生成し、ステップS104に移行して、生成した学習用データセットを学習用プログラムに入力し、学習用プログラムにより学習済みモデルを生成する。学習用プログラムは、学習前パラメータ及びハイパーパラメータを備え、入力した学習用データセット及びハイパーパラメータに基づいて学習を行い、学習前パラメータを更新する。そして、学習結果として学習済みモデル1~3を出力する。
【0108】
学習済みモデル1は、編集要素の編集を行うための第1実施情報を問い合わせる情報、その編集要素の編集を行う直前のCADデータ及びその第1実施情報に基づいて学習が行われる。図9の例では、第1~3行目の問合情報400、CADデータ406及び実施情報404に基づいて学習が行われる。学習済みモデル1は、学習前パラメータが学習により更新された学習済みパラメータ及び推論プログラムを備える。推論プログラムは、第1実施情報を問い合わせる問合情報及び編集直前のCADデータを入力し、学習済みパラメータに基づいて、入力した問合情報及びCADデータから第1実施情報を推定し、推定した第1実施情報を出力する。
【0109】
学習済みモデル2は、第1実施情報に係る編集を行った結果に対し編集要素の編集を行うための第2実施情報を問い合わせる情報、その結果を含むCADデータ及びその第2実施情報に基づいて学習が行われる。図9の例では、第4~6行目の問合情報400、CADデータ406及び実施情報404に基づいて学習が行われる。学習済みモデル2は、学習前パラメータが学習により更新された学習済みパラメータ及び推論プログラムを備える。推論プログラムは、第1実施情報をもとに編集要素の編集を行った結果に対し編集要素の編集を行うための第2実施情報を問い合わせる問合情報及びその結果を含むCADデータを入力し、学習済みパラメータに基づいて、入力した問合情報及びCADデータから第2実施情報を推定し、推定した第2実施情報を出力する。
【0110】
学習済みモデル3は、第2実施情報に係る編集を行った結果に対し編集要素の編集を行うための第3実施情報を問い合わせる情報、その結果を含むCADデータ及びその第3実施情報に基づいて学習が行われる。図9の例では、第7~9行目の問合情報400、CADデータ406及び実施情報404に基づいて学習が行われる。学習済みモデル3は、学習前パラメータが学習により更新された学習済みパラメータ及び推論プログラムを備える。推論プログラムは、第2実施情報をもとに編集要素の編集を行った結果に対し編集要素の編集を行うための第3実施情報を問い合わせる問合情報及びその結果を含むCADデータを入力し、学習済みパラメータに基づいて、入力した問合情報及びCADデータから第3実施情報を推定し、推定した第3実施情報を出力する。
【0111】
次いで、ステップS106に移行して、ステップS104で生成した学習済みモデル1~3を記憶装置42に記憶し、一連の処理を終了する。
【0112】
図10は、実施情報推定処理を示すフローチャートである。
実施情報推定処理は、CPU30において実行されると、図10に示すように、まず、ステップS300に移行する。
【0113】
ステップS300では、第1実施情報を問い合わせる問合情報を取得し、ステップS302に移行して、編集直前のCADデータを取得し、ステップS304に移行する。
【0114】
ステップS304では、記憶装置42の学習済みモデル1を用いて、ステップS300、S302で取得した問合情報及びCADデータから第1実施情報を推定し、ステップS306に移行して、学習済みモデル1により推定された第1実施情報を表示装置44に表示し、ステップS308に移行する。
【0115】
ステップS308では、第2実施情報を問い合わせる問合情報を取得し、ステップS310に移行して、表示装置44に表示された第1実施情報をもとに設計者が編集要素の編集を行った結果を含むCADデータを取得し、ステップS312に移行する。
【0116】
ステップS312では、記憶装置42の学習済みモデル2を用いて、ステップS308、S310で取得した問合情報及びCADデータから第2実施情報を推定し、ステップS314に移行して、学習済みモデル2により推定された第2実施情報を表示装置44に表示し、ステップS316に移行する。
【0117】
ステップS316では、第3実施情報を問い合わせる問合情報を取得し、ステップS318に移行して、表示装置44に表示された第2実施情報をもとに設計者が編集要素の編集を行った結果を含むCADデータを取得し、ステップS320に移行する。
【0118】
ステップS320では、記憶装置42の学習済みモデル3を用いて、ステップS316、S318で取得した問合情報及びCADデータから第3実施情報を推定する。複数の問合情報を取得した場合は、問合情報ごとに第3実施情報を推定し、ステップS322に移行して、学習済みモデル3により推定された第3実施情報を表示装置44に表示し、一連の処理を終了する。
【0119】
〔ピアノの搬入を想定する場合〕
次に、ピアノの搬入を想定する場合の動作を説明する。
【0120】
設計者は、CADソフトウェアにおいて図7の矩計図を編集中に、「幅が120[mm]のピアノを設置したい。」という問い合わせを行うと、ステップS300~S306を経て、その問い合わせを示す問合情報及び編集直前のCADデータが取得され、第1実施情報「トイレの壁との干渉を防止するため、トイレの幅を870[mm]以下に変更してください。」が推定、表示される。次いで、設計者は、第1実施情報をもとにトイレの幅を870[mm]に変更し、「トイレの設計について指示してください。」という問い合わせを行うと、ステップS308~S314を経て、その問い合わせを示す問合情報及びその編集結果を含むCADデータが取得され、第2実施情報「トイレの利便性を維持するため、手洗器の幅を500[mm]以下に変更してください。」が推定、表示される。次いで、設計者は、第2実施情報をもとに手洗器の幅を500[mm]に変更し、「トイレの設計について指示してください。」という問い合わせを行うと、ステップS316~S322を経て、その問い合わせを示す問合情報及びその編集結果を含むCADデータが取得され、第3実施情報「バリアフリー仕様を追加するため、便器の左壁のスペースを400[mm]以上確保してください。」が推定、表示される。そして、設計者は、第3実施情報をもとに便器の左壁のスペースを400[mm]に変更する。
【0121】
次に、本実施の形態の効果を説明する。
本実施の形態では、第1実施情報を問い合わせる問合情報及び編集直前のCADデータを取得し、第1実施情報を問い合わせる情報、CADデータ及びその第1実施情報に基づいて学習を行った学習済みモデル1を用いて、取得した問合情報及びCADデータから第1実施情報を推定し、推定した第1実施情報をもとに編集要素の編集を行った結果に対し編集要素の編集を行うための第2実施情報を問い合わせる問合情報及びその結果を含むCADデータを取得し、第1実施情報に係る編集を行った結果に対し編集要素の編集を行うための第2実施情報を問い合わせる情報、その結果を含むCADデータ及びその第2実施情報に基づいて学習を行った学習済みモデル2を用いて、取得した問合情報及びCADデータから第2実施情報を推定する。
【0122】
これにより、問い合わせに応じて第1実施情報及び第2実施情報を得ることができ、第1実施情報をもとに編集要素の編集を行った結果に対し編集要素の編集を行うための第2実施情報を得ることができるので、編集要素の編集の順序を把握することができる。
【0123】
さらに、本実施の形態では、第1実施情報をもとに編集要素の編集を行った結果に対し編集要素の編集を行うための第2実施情報を問い合わせる問合情報及びその結果を含むCADデータを取得し、第1実施情報に係る編集を行った結果に対し編集要素の編集を行うための第2実施情報を問い合わせる情報、その結果を含むCADデータ及びその第2実施情報に基づいて学習を行った学習済みモデル2を用いて、取得した問合情報及びCADデータから第2実施情報を推定し、推定した第2実施情報をもとに編集要素の編集を行った結果に対し編集要素の編集を行うための第3実施情報を問い合わせる問合情報及びその結果を含むCADデータを取得し、第2実施情報に係る編集を行った結果に対し編集要素の編集を行うための第3実施情報を問い合わせる情報、その結果を含むCADデータ及びその第3実施情報に基づいて学習を行った学習済みモデル3を用いて、取得した問合情報及びCADデータから第3実施情報を推定する。
【0124】
これにより、問い合わせに応じて第2実施情報及び第3実施情報を得ることができ、第2実施情報をもとに編集要素の編集を行った結果に対し編集要素の編集を行うための第3実施情報を得ることができるので、編集要素の編集の順序を把握することができる。
【0125】
〔第4の実施の形態〕
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。図11は、本実施の形態を示す図である。その他、図4図5図7及び図9を援用する。
【0126】
本実施の形態は、上記第3の実施の形態に対し、第2実施情報及び第3実施情報を問い合わせない点で異なる。以下、上記第1及び第3の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0127】
まず、本実施の形態の動作を説明する。
学習済みモデル生成処理は、CPU30において実行されると、図4に示すように、ステップS100に移行して、学習データ解析処理を実行する。学習データ解析処理では、学習データを記憶装置42から読み出し、読み出した学習データから問合情報400、CADデータ406及び実施情報404を抽出する。
【0128】
次いで、ステップS102に移行する。ステップS102では、図5に示すように、ステップS100で抽出した情報に基づいて学習用データセットを生成し、ステップS104に移行して、生成した学習用データセットを学習用プログラムに入力し、学習用プログラムにより学習済みモデルを生成する。学習用プログラムは、学習前パラメータ及びハイパーパラメータを備え、入力した学習用データセット及びハイパーパラメータに基づいて学習を行い、学習前パラメータを更新する。そして、学習結果として学習済みモデル1~3を出力する。
【0129】
学習済みモデル1は、上記第3の実施の形態における学習済みモデル1と同じである。
学習済みモデル2は、第1実施情報に係る編集を行った結果を含むCADデータ及びその結果に対し編集要素の編集を行うための第2実施情報に基づいて学習が行われる。図9の例では、第4~6行目のCADデータ406及び実施情報404に基づいて学習が行われる。学習済みモデル2は、学習前パラメータが学習により更新された学習済みパラメータ及び推論プログラムを備える。推論プログラムは、第1実施情報をもとに編集要素の編集を行った結果を含むCADデータを入力し、学習済みパラメータに基づいて、入力したCADデータから第2実施情報を推定し、推定した第2実施情報を出力する。
【0130】
学習済みモデル3は、第2実施情報に係る編集を行った結果を含むCADデータ及びその結果に対し編集要素の編集を行うための第3実施情報に基づいて学習が行われる。図9の例では、第7~9行目のCADデータ406及び実施情報404に基づいて学習が行われる。学習済みモデル3は、学習前パラメータが学習により更新された学習済みパラメータ及び推論プログラムを備える。推論プログラムは、第2実施情報をもとに編集要素の編集を行った結果を含むCADデータを入力し、学習済みパラメータに基づいて、入力したCADデータから第3実施情報を推定し、推定した第3実施情報を出力する。
【0131】
次いで、ステップS106に移行して、ステップS104で生成した学習済みモデル1~3を記憶装置42に記憶し、一連の処理を終了する。
【0132】
図11は、実施情報推定処理を示すフローチャートである。
実施情報推定処理は、CPU30において実行されると、図11に示すように、まず、ステップS300に移行する。ステップS300~S306の処理は、上記第1の実施の形態と同じであり、ステップS306の処理が終了すると、ステップS310に移行する。
【0133】
ステップS310では、表示された第1実施情報をもとに設計者が編集要素の編集を行った結果を含むCADデータを取得し、ステップS324に移行して、記憶装置42の学習済みモデル2を用いて、ステップS310で取得したCADデータから第2実施情報を推定し、ステップS314に移行して、推定された第2実施情報を表示し、ステップS318に移行する。
【0134】
ステップS318では、表示された第2実施情報をもとに設計者が編集要素の編集を行った結果を含むCADデータを取得し、ステップS326に移行して、記憶装置42の学習済みモデル3を用いて、ステップS318で取得したCADデータから第3実施情報を推定し、ステップS322に移行して、推定された第3実施情報を表示し、一連の処理を終了する。
【0135】
〔ピアノの搬入を想定する場合〕
次に、ピアノの搬入を想定する場合の動作を説明する。
【0136】
設計者は、CADソフトウェアにおいて図7の矩計図を編集中に、「幅が120[mm]のピアノを設置したい。」という問い合わせを行うと、ステップS300~S306を経て、その問い合わせを示す問合情報及び編集直前のCADデータが取得され、第1実施情報「トイレの壁との干渉を防止するため、トイレの幅を870[mm]以下に変更してください。」が推定、表示される。次いで、設計者は、第1実施情報をもとにトイレの幅を870[mm]に変更すると、ステップS310、S324、S314を経て、その編集結果を含むCADデータが取得され、第2実施情報「トイレの利便性を維持するため、手洗器の幅を500[mm]以下に変更してください。」が推定、表示される。次いで、設計者は、第2実施情報をもとに手洗器の幅を500[mm]に変更すると、ステップS318、S326、S322を経て、その編集結果を含むCADデータが取得され、第3実施情報「バリアフリー仕様を追加するため、便器の左壁のスペースを400[mm]以上確保してください。」が推定、表示される。そして、設計者は、第3実施情報をもとに便器の左壁のスペースを400[mm]に変更する。
【0137】
次に、本実施の形態の効果を説明する。
本実施の形態では、第1実施情報を問い合わせる問合情報及び編集直前のCADデータを取得し、第1実施情報を問い合わせる情報、CADデータ及びその第1実施情報に基づいて学習を行った学習済みモデル1を用いて、取得した問合情報及びCADデータから第1実施情報を推定し、推定した第1実施情報をもとに編集要素の編集を行った結果を含むCADデータを取得し、第1実施情報に係る編集を行った結果を含むCADデータ及びその結果に対し編集要素の編集を行うための第2実施情報に基づいて学習を行った学習済みモデル2を用いて、取得したCADデータから第2実施情報を推定する。
【0138】
これにより、問い合わせに応じて第1実施情報を得ることができ、第1実施情報をもとに編集要素の編集を行った結果に対し編集要素の編集を行うための第2実施情報を得ることができるので、編集要素の編集の順序を把握することができる。
【0139】
さらに、本実施の形態では、第1実施情報をもとに編集要素の編集を行った結果を含むCADデータを取得し、第1実施情報に係る編集を行った結果を含むCADデータ及びその結果に対し編集要素の編集を行うための第2実施情報に基づいて学習を行った学習済みモデル2を用いて、取得したCADデータから第2実施情報を推定し、推定した第2実施情報をもとに編集要素の編集を行った結果を含むCADデータを取得し、第2実施情報に係る編集を行った結果を含むCADデータ及びその結果に対し編集要素の編集を行うための第3実施情報に基づいて学習を行った学習済みモデル3を用いて、取得したCADデータから第3実施情報を推定する。
【0140】
これにより、第2実施情報をもとに編集要素の編集を行った結果に対し編集要素の編集を行うための第3実施情報を得ることができるので、編集要素の編集の順序を把握することができる。
【0141】
〔変形例〕
なお、上記第1の実施の形態及びその変形例においては、学習済みモデル2は、問合情報、実施結果情報及び実施情報に基づいて学習を行ったものを採用したが、これに限らず、実施結果情報及び実施情報に基づいて学習を行ったものを採用することができる。
【0142】
また、上記第1、第2の実施の形態及びその変形例において、学習済みモデル2、3は、1つの学習済みモデルとして構成することができる。
【0143】
また、上記第1、第2の実施の形態及びその変形例において、学習済みモデル1~3は、問合情報、実施結果情報及び実施情報に基づいて学習を行った1又は2以上の学習済みモデルとして構成することができる。
【0144】
また、上記第3の実施の形態及びその変形例においては、学習済みモデル2は、問合情報、CADデータ及び実施情報に基づいて学習を行ったものを採用したが、これに限らず、CADデータ及び実施情報に基づいて学習を行ったものを採用することができる。
【0145】
また、上記第3、第4の実施の形態及びその変形例において、学習済みモデル2、3は、1つの学習済みモデルとして構成することができる。
【0146】
また、上記第3、第4の実施の形態及びその変形例において、学習済みモデル1~3は、問合情報、CADデータ及び実施情報に基づいて学習を行った1又は2以上の学習済みモデルとして構成することができる。
【0147】
また、上記第1~第4の実施の形態及びその変形例においては、3段階の実施情報(第1実施情報→第2実施情報→第3実施情報)を推定したが、これに限らず、1若しくは2段階の実施情報又は4段階以上の実施情報を推定することができる。
【0148】
また、上記第1~第4の実施の形態及びその変形例においては、1つの作成又は編集を示す実施情報を推定したが、これに限らず、複数の作成又は編集(複数の選択肢)を示す実施情報を推定することができる。複数の作成又は編集のうち設計者がいずれかを選択して行い、その結果に対し次の作成又は編集を示す実施情報を推定する。
【0149】
また、上記第1~第4の実施の形態及びその変形例においては、第1実施情報を問い合わせたが、これに限らず、第1実施情報を問い合わせない構成を採用することができる。この場合、何らかの契機(例えば、設計者からの要求)に応じて、図6図8図10又は図11のフローチャートに示す処理のうちステップS204又はS302以下の処理を実行すればよい。
【0150】
また、上記第1~第4の実施の形態及びその変形例においては、学習済みモデルを用いたが、これに限らず、大規模言語モデル(Large Language Model)を利用する構成を採用することもできる。具体的には、例えば、次の構成を採用することができる。
【0151】
図面作成支援装置100は、大規模言語モデルを有する大規模言語モデルサーバにネットワークを介して接続している。大規模言語モデルサーバは、図面作成支援装置100と同様のハードウェア構成を有して構成されている。大規模言語モデルとは、人間の話す言葉をその出現確率でモデル化した言語モデルと呼ばれるものを、膨大なデータから事前学習する深層学習モデルである。大規模言語モデルサーバは、リクエストを受信すると、大規模言語モデルを用いて、受信されたリクエストに含まれる文章から次の単語の生成確率を統計的に推定し、推定結果をリクエスト元に送信する。大規模言語モデルとしては、例えば、インターネットサイト「https://chatgpt-lab.com/n/n418d3aa56f0b」「https://agirobots.com/chatgpt-mechanism-and-problem/」に記載されている公知の技術を採用することができる。
【0152】
そして、図面作成支援装置100に対しては、次の発明A1~A8を適用することができる。
【0153】
〔発明A1〕 設計情報中に作成可能な第1要素の作成又は前記設計情報中の編集可能な第2要素の編集を行うための第1実施情報を問い合わせる問合情報を含む第1リクエストを大規模言語モデルに入力する第1リクエスト入力手段と、
前記第1リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される第1実施情報を取得する第1実施情報取得手段と、
前記第1実施情報取得手段で取得した第1実施情報をもとに前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行った結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための第2実施情報を問い合わせる問合情報及び当該結果に関する実施結果情報を含む第2リクエストを前記大規模言語モデルに入力する第2リクエスト入力手段と、
前記第2リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される第2実施情報を取得する第2実施情報取得手段とを備える。
【0154】
これにより、問い合わせに応じて第1実施情報及び第2実施情報を得ることができ、第1実施情報をもとに作成又は編集を行った結果に対し作成又は編集を行うための第2実施情報を得ることができるので、要素の作成又は編集の順序を把握することができる。
【0155】
〔発明A2〕 設計情報中に作成可能な第1要素の作成又は前記設計情報中の編集可能な第2要素の編集を行った結果に関する実施結果情報を含み、当該結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための第1実施情報を生成する要求を含む第1リクエストを大規模言語モデルに入力する第1リクエスト入力手段と、
前記第1リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される第1実施情報を取得する第1実施情報取得手段と、
前記第1実施情報取得手段で取得した第1実施情報をもとに前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行った結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための第2実施情報を問い合わせる問合情報及び当該結果に関する実施結果情報を含む第2リクエストを前記大規模言語モデルに入力する第2リクエスト入力手段と、
前記第2リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される第2実施情報を取得する第2実施情報取得手段とを備える。
【0156】
これにより、問い合わせに応じて第2実施情報を得ることができ、第1実施情報をもとに作成又は編集を行った結果に対し作成又は編集を行うための第2実施情報を得ることができるので、要素の作成又は編集の順序を把握することができる。
【0157】
上記第1の実施の形態の変形例として発明A1、A2の実施の形態を説明する。ステップS204、S212、S220の処理が、大規模言語モデルサーバから実施情報を取得する処理に置き換わる。
【0158】
設計者は、CADソフトウェアにおいて図7の矩計図を編集中に、「幅が120[mm]のピアノを設置したい。」という問い合わせを行うと、ステップS200、S204を経て、その問い合わせを示す問合情報が取得され、大規模言語モデルサーバにリクエストが送信される。リクエストは、例えば、「幅が120[mm]のピアノを設置するために何をどのように編集したらよいか。」という問合情報を含む。このリクエストに対し、大規模言語モデルサーバからは第1実施情報が出力される。図面作成支援装置100では、第1実施情報を受信すると、ステップS206を経て、第1実施情報「トイレの壁との干渉を防止するため、トイレの幅を870[mm]以下に変更してください。」が表示される。次いで、設計者は、第1実施情報をもとにトイレの幅を870[mm]に変更し、「トイレの設計について指示してください。」という問い合わせを行うと、ステップS208~S212を経て、その問い合わせを示す問合情報及びその編集結果を示す実施結果情報が取得され、大規模言語モデルサーバにリクエストが送信される。リクエストは、例えば、「トイレの設計について次に何をどのように編集したらよいか。」という問合情報及び取得された実施結果情報を含む。このリクエストに対し、大規模言語モデルサーバからは第2実施情報が出力される。図面作成支援装置100では、第2実施情報を受信すると、ステップS214を経て、第2実施情報「トイレの利便性を維持するため、手洗器の幅を500[mm]以下に変更してください。」が表示される。次いで、設計者は、第2実施情報をもとに手洗器の幅を500[mm]に変更し、「トイレの設計について指示してください。」という問い合わせを行うと、ステップS216~S220を経て、その問い合わせを示す問合情報及びその編集結果を示す実施結果情報が取得され、大規模言語モデルサーバにリクエストが送信される。リクエストは、例えば、「トイレの設計について次に何をどのように編集したらよいか。」という問合情報及び取得された実施結果情報を含む。このリクエストに対し、大規模言語モデルサーバからは第3実施情報が出力される。図面作成支援装置100では、第3実施情報を受信すると、ステップS222を経て、第3実施情報「バリアフリー仕様を追加するため、便器の左壁のスペースを400[mm]以上確保してください。」が表示される。そして、設計者は、第3実施情報をもとに便器の左壁のスペースを400[mm]に変更する。
【0159】
この場合において、ステップS204は、発明1の第1リクエスト入力手段、又は発明1の第1実施情報取得手段に対応し、ステップS212は、発明1の第2リクエスト入力手段、又は発明1の第2実施情報取得手段に対応し、CADデータは、発明1、2又は10の設計情報に対応している。また、ステップS212は、発明2の第1リクエスト入力手段、又は発明2の第1実施情報取得手段に対応し、ステップS220は、発明2の第2リクエスト入力手段、又は発明2の第2実施情報取得手段に対応している。
【0160】
〔発明A3〕 設計情報中に作成可能な第1要素の作成又は前記設計情報中の編集可能な第2要素の編集を行うための第1実施情報を問い合わせる問合情報を含む第1リクエストを大規模言語モデルに入力する第1リクエスト入力手段と、
前記第1リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される第1実施情報を取得する第1実施情報取得手段と、
前記第1実施情報取得手段で取得した第1実施情報をもとに前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行った結果に関する実施結果情報を含み、当該結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための第2実施情報を生成する要求を含む第2リクエストを前記大規模言語モデルに入力する第2リクエスト入力手段と、
前記第2リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される第2実施情報を取得する第2実施情報取得手段とを備える。
【0161】
これにより、問い合わせに応じて第1実施情報を得ることができ、第1実施情報をもとに作成又は編集を行った結果に対し作成又は編集を行うための第2実施情報を得ることができるので、要素の作成又は編集の順序を把握することができる。
【0162】
〔発明A4〕 設計情報中に作成可能な第1要素の作成又は前記設計情報中の編集可能な第2要素の編集を行った結果に関する実施結果情報を含み、当該結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための第1実施情報を生成する要求を含む第1リクエストを大規模言語モデルに入力する第1リクエスト入力手段と、
前記第1リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される第1実施情報を取得する第1実施情報取得手段と、
前記第1実施情報取得手段で取得した第1実施情報をもとに前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行った結果に関する実施結果情報を含み、当該結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための第2実施情報を生成する要求を含む第2リクエストを前記大規模言語モデルに入力する第2リクエスト入力手段と、
前記第2リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される第2実施情報を取得する第2実施情報取得手段とを備える。
【0163】
これにより、第1実施情報をもとに作成又は編集を行った結果に対し作成又は編集を行うための第2実施情報を得ることができるので、要素の作成又は編集の順序を把握することができる。
【0164】
上記第2の実施の形態の変形例として発明A3、A4の実施の形態を説明する。ステップS204、S224、S226の処理が、大規模言語モデルサーバから実施情報を取得する処理に置き換わる。
【0165】
設計者は、CADソフトウェアにおいて図7の矩計図を編集中に、「幅が120[mm]のピアノを設置したい。」という問い合わせを行うと、ステップS200、S204を経て、その問い合わせを示す問合情報が取得され、大規模言語モデルサーバにリクエストが送信される。リクエストは、例えば、「幅が120[mm]のピアノを設置するために何をどのように編集したらよいか。」という問合情報を含む。このリクエストに対し、大規模言語モデルサーバからは第1実施情報が出力される。図面作成支援装置100では、第1実施情報を受信すると、ステップS206を経て、第1実施情報「トイレの壁との干渉を防止するため、トイレの幅を870[mm]以下に変更してください。」が表示される。次いで、設計者は、第1実施情報をもとにトイレの幅を870[mm]に変更すると、ステップS210、S224を経て、その編集結果を示す実施結果情報が取得され、大規模言語モデルサーバにリクエストが送信される。リクエストは、例えば、取得された実施結果情報を含み、「トイレの設計について編集要素の編集を行うための実施情報を生成してください。」という要求を含む。このリクエストに対し、大規模言語モデルサーバからは第2実施情報が出力される。図面作成支援装置100では、第2実施情報を受信すると、ステップS214を経て、第2実施情報「トイレの利便性を維持するため、手洗器の幅を500[mm]以下に変更してください。」が表示される。次いで、設計者は、第2実施情報をもとに手洗器の幅を500[mm]に変更すると、ステップS218、S226を経て、その編集結果を示す実施結果情報が取得され、大規模言語モデルサーバにリクエストが送信される。リクエストは、例えば、取得された実施結果情報を含み、「トイレの設計について編集要素の編集を行うための実施情報を生成してください。」という要求を含む。このリクエストに対し、大規模言語モデルサーバからは第3実施情報が出力される。図面作成支援装置100では、第3実施情報を受信すると、ステップS222を経て、第3実施情報「バリアフリー仕様を追加するため、便器の左壁のスペースを400[mm]以上確保してください。」が表示される。そして、設計者は、第3実施情報をもとに便器の左壁のスペースを400[mm]に変更する。
【0166】
この場合において、ステップS204は、発明3の第1リクエスト入力手段、又は発明3の第1実施情報取得手段に対応し、ステップS224は、発明3の第2リクエスト入力手段、又は発明3の第2実施情報取得手段に対応している。また、ステップS224は、発明4の第1リクエスト入力手段、又は発明4の第1実施情報取得手段に対応し、ステップS226は、発明4の第2リクエスト入力手段、又は発明4の第2実施情報取得手段に対応している。
【0167】
〔発明A5〕 設計情報中に作成可能な第1要素の作成又は前記設計情報中の編集可能な第2要素の編集を行うための実施情報を問い合わせる問合情報及び当該設計情報を含む第1リクエストを大規模言語モデルに入力する第1リクエスト入力手段と、
前記第1リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される実施情報を取得する第1実施情報取得手段と、
前記第1実施情報取得手段で取得した実施情報をもとに前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行った結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための実施情報を問い合わせる問合情報及び当該結果を含む前記設計情報を含む第2リクエストを前記大規模言語モデルに入力する第2リクエスト入力手段と、
前記第2リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される実施情報を取得する第2実施情報取得手段とを備える。
【0168】
これにより、問い合わせに応じて実施情報を得ることができ、実施情報をもとに作成又は編集を行った結果に対し作成又は編集を行うための実施情報を得ることができるので、要素の作成又は編集の順序を把握することができる。
【0169】
〔発明A6〕 設計情報中に作成可能な第1要素の作成又は前記設計情報中の編集可能な第2要素の編集を行った結果を含む前記設計情報を含み、当該結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための実施情報を生成する要求を含む第1リクエストを大規模言語モデルに入力する第1リクエスト入力手段と、
前記第1リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される実施情報を取得する第1実施情報取得手段と、
前記第1実施情報取得手段で取得した実施情報をもとに前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行った結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための実施情報を問い合わせる問合情報及び当該結果を含む前記設計情報を含む第2リクエストを前記大規模言語モデルに入力する第2リクエスト入力手段と、
前記第2リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される実施情報を取得する第2実施情報取得手段とを備える。
【0170】
これにより、問い合わせに応じて実施情報を得ることができ、実施情報をもとに作成又は編集を行った結果に対し作成又は編集を行うための実施情報を得ることができるので、要素の作成又は編集の順序を把握することができる。
【0171】
上記第3の実施の形態の変形例として発明A5、A6の実施の形態を説明する。ステップS304、S312、S320の処理が、大規模言語モデルサーバから実施情報を取得する処理に置き換わる。
【0172】
設計者は、CADソフトウェアにおいて図7の矩計図を編集中に、「幅が120[mm]のピアノを設置したい。」という問い合わせを行うと、ステップS300~S304を経て、その問い合わせを示す問合情報及び編集直前のCADデータが取得され、大規模言語モデルサーバにリクエストが送信される。リクエストは、例えば、「幅が120[mm]のピアノを設置するために何をどのように編集したらよいか。」という問合情報及び取得されたCADデータを含む。このリクエストに対し、大規模言語モデルサーバからは第1実施情報が出力される。図面作成支援装置100では、第1実施情報を受信すると、ステップS306を経て、第1実施情報「トイレの壁との干渉を防止するため、トイレの幅を870[mm]以下に変更してください。」が表示される。次いで、設計者は、第1実施情報をもとにトイレの幅を870[mm]に変更し、「トイレの設計について指示してください。」という問い合わせを行うと、ステップS308~S312を経て、その問い合わせを示す問合情報及びその編集結果を含むCADデータが取得され、大規模言語モデルサーバにリクエストが送信される。リクエストは、例えば、「トイレの設計について次に何をどのように編集したらよいか。」という問合情報及び取得されたCADデータを含む。このリクエストに対し、大規模言語モデルサーバからは第2実施情報が出力される。図面作成支援装置100では、第2実施情報を受信すると、ステップS314を経て、第2実施情報「トイレの利便性を維持するため、手洗器の幅を500[mm]以下に変更してください。」が表示される。次いで、設計者は、第2実施情報をもとに手洗器の幅を500[mm]に変更し、「トイレの設計について指示してください。」という問い合わせを行うと、ステップS316~S320を経て、その問い合わせを示す問合情報及びその編集結果を含むCADデータが取得され、大規模言語モデルサーバにリクエストが送信される。リクエストは、例えば、「トイレの設計について次に何をどのように編集したらよいか。」という問合情報及び取得されたCADデータを含む。このリクエストに対し、大規模言語モデルサーバからは第3実施情報が出力される。図面作成支援装置100では、第3実施情報を受信すると、ステップS322を経て、第3実施情報「バリアフリー仕様を追加するため、便器の左壁のスペースを400[mm]以上確保してください。」が表示される。そして、設計者は、第3実施情報をもとに便器の左壁のスペースを400[mm]に変更する。
【0173】
この場合において、ステップS304は、発明5の第1リクエスト入力手段、又は発明5の第1実施情報取得手段に対応し、ステップS312は、発明5の第2リクエスト入力手段、又は発明5の第2実施情報取得手段に対応している。また、ステップS312は、発明6の第1リクエスト入力手段、又は発明6の第1実施情報取得手段に対応し、ステップS320は、発明6の第2リクエスト入力手段、又は発明6の第2実施情報取得手段に対応している。
【0174】
〔発明A7〕 設計情報中に作成可能な第1要素の作成又は前記設計情報中の編集可能な第2要素の編集を行うための実施情報を問い合わせる問合情報及び当該設計情報を含む第1リクエストを大規模言語モデルに入力する第1リクエスト入力手段と、
前記第1リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される実施情報を取得する第1実施情報取得手段と、
前記第1実施情報取得手段で取得した実施情報をもとに前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行った結果を含む前記設計情報を含み、当該結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための実施情報を生成する要求を含む第2リクエストを前記大規模言語モデルに入力する第2リクエスト入力手段と、
前記第2リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される実施情報を取得する第2実施情報取得手段とを備える。
【0175】
これにより、問い合わせに応じて実施情報を得ることができ、実施情報をもとに作成又は編集を行った結果に対し作成又は編集を行うための実施情報を得ることができるので、要素の作成又は編集の順序を把握することができる。
【0176】
〔発明A8〕 設計情報中に作成可能な第1要素の作成又は前記設計情報中の編集可能な第2要素の編集を行った結果を含む前記設計情報を含み、当該結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための実施情報を生成する要求を含む第1リクエストを大規模言語モデルに入力する第1リクエスト入力手段と、
前記第1リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される実施情報を取得する第1実施情報取得手段と、
前記第1実施情報取得手段で取得した実施情報をもとに前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行った結果を含む前記設計情報を含み、当該結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための実施情報を生成する要求を含む第2リクエストを前記大規模言語モデルに入力する第2リクエスト入力手段と、
前記第2リクエストに対して前記大規模言語モデルから出力される実施情報を取得する第2実施情報取得手段とを備える。
【0177】
これにより、実施情報をもとに作成又は編集を行った結果に対し作成又は編集を行うための実施情報を得ることができるので、要素の作成又は編集の順序を把握することができる。
【0178】
上記第4の実施の形態の変形例として発明A7、A8の実施の形態を説明する。ステップS304、S324、S326の処理が、大規模言語モデルサーバから実施情報を取得する処理に置き換わる。
【0179】
設計者は、CADソフトウェアにおいて図7の矩計図を編集中に、「幅が120[mm]のピアノを設置したい。」という問い合わせを行うと、ステップS300~S304を経て、その問い合わせを示す問合情報及び編集直前のCADデータが取得され、大規模言語モデルサーバにリクエストが送信される。リクエストは、例えば、「幅が120[mm]のピアノを設置するために何をどのように編集したらよいか。」という問合情報及び取得されたCADデータを含む。このリクエストに対し、大規模言語モデルサーバからは第1実施情報が出力される。図面作成支援装置100では、第1実施情報を受信すると、ステップS306を経て、第1実施情報「トイレの壁との干渉を防止するため、トイレの幅を870[mm]以下に変更してください。」が表示される。次いで、設計者は、第1実施情報をもとにトイレの幅を870[mm]に変更すると、ステップS310、S324を経て、その編集結果を含むCADデータが取得され、大規模言語モデルサーバにリクエストが送信される。リクエストは、例えば、取得されたCADデータを含み、「トイレの設計について編集要素の編集を行うための実施情報を生成してください。」という要求を含む。このリクエストに対し、大規模言語モデルサーバからは第2実施情報が出力される。図面作成支援装置100では、第2実施情報を受信すると、ステップS314を経て、第2実施情報「トイレの利便性を維持するため、手洗器の幅を500[mm]以下に変更してください。」が表示される。次いで、設計者は、第2実施情報をもとに手洗器の幅を500[mm]に変更すると、ステップS318、S326を経て、その編集結果を含むCADデータが取得され、大規模言語モデルサーバにリクエストが送信される。リクエストは、例えば、取得されたCADデータを含み、「トイレの設計について編集要素の編集を行うための実施情報を生成してください。」という要求を含む。このリクエストに対し、大規模言語モデルサーバからは第3実施情報が出力される。図面作成支援装置100では、第3実施情報を受信すると、ステップS322を経て、第3実施情報「バリアフリー仕様を追加するため、便器の左壁のスペースを400[mm]以上確保してください。」が表示される。そして、設計者は、第3実施情報をもとに便器の左壁のスペースを400[mm]に変更する。
【0180】
この場合において、ステップS304は、発明7の第1リクエスト入力手段、又は発明7の第1実施情報取得手段に対応し、ステップS324は、発明7の第2リクエスト入力手段、又は発明7の第2実施情報取得手段に対応している。また、ステップS324は、発明8の第1リクエスト入力手段、又は発明8の第1実施情報取得手段に対応し、ステップS326は、発明8の第2リクエスト入力手段、又は発明8の第2実施情報取得手段に対応している。
【0181】
また、上記第1~第4の実施の形態及びその変形例においては、学習済みモデル又は大規模言語モデルを用いたが、これに限らず、図面作成支援装置100に対しては、次の発明B1~B8を適用することができる。
【0182】
〔発明B1〕 設計情報中に作成可能な第1要素の作成又は前記設計情報中の編集可能な第2要素の編集を行うための第1実施情報を問い合わせる問合情報を取得する第1問合情報取得手段と、
前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための第1実施情報を問い合わせる問合情報と対応づけて当該第1実施情報を記憶する第1記憶手段から、前記第1問合情報取得手段で取得した問合情報に対応する前記第1実施情報を検索する第1検索手段と、
前記第1検索手段で検索した第1実施情報をもとに前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行った結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための第2実施情報を問い合わせる問合情報及び当該結果に関する実施結果情報を取得する第2問合情報取得手段と、
前記第1実施情報に係る作成又は編集を行った結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための第2実施情報を問い合わせる問合情報及び当該結果に関する実施結果情報と対応づけて当該第2実施情報を記憶する第2記憶手段から、前記第2問合情報取得手段で取得した問合情報及び実施結果情報に対応する前記第2実施情報を検索する第2検索手段とを備える。
【0183】
これにより、問い合わせに応じて第1実施情報及び第2実施情報を得ることができ、第1実施情報をもとに作成又は編集を行った結果に対し作成又は編集を行うための第2実施情報を得ることができるので、要素の作成又は編集の順序を把握することができる。
【0184】
〔発明B2〕 設計情報中に作成可能な第1要素の作成又は前記設計情報中の編集可能な第2要素の編集を行った結果に関する実施結果情報を取得する実施結果情報取得手段と、
前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行った結果に関する実施結果情報と対応づけて、当該結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための第1実施情報を記憶する第1記憶手段から、前記実施結果情報取得手段で取得した実施結果情報に対応する前記第1実施情報を検索する第1検索手段と、
前記第1検索手段で検索した第1実施情報をもとに前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行った結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための第2実施情報を問い合わせる問合情報及び当該結果に関する実施結果情報を取得する問合情報取得手段と、
前記第1実施情報に係る作成又は編集を行った結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための第2実施情報を問い合わせる問合情報及び当該結果に関する実施結果情報と対応づけて当該第2実施情報を記憶する第2記憶手段から、前記問合情報取得手段で取得した問合情報及び実施結果情報に対応する前記第2実施情報を検索する第2検索手段とを備える。
【0185】
これにより、問い合わせに応じて第2実施情報を得ることができ、第1実施情報をもとに作成又は編集を行った結果に対し作成又は編集を行うための第2実施情報を得ることができるので、要素の作成又は編集の順序を把握することができる。
【0186】
上記第1の実施の形態の変形例として発明B1、B2の実施の形態を説明する。記憶装置42は、実施情報テーブル1~3を記憶する。実施情報テーブル1は、編集要素の編集を行うための第1実施情報を問い合わせる問合情報及びその第1実施情報を対応づけて登録している。実施情報テーブル2は、第1実施情報に係る編集を行った結果に対し編集要素の編集を行うための第2実施情報を問い合わせる問合情報、その結果に関する実施結果情報及びその第2実施情報を対応づけて登録している。実施情報テーブル3は、第2実施情報に係る編集を行った結果に対し編集要素の編集を行うための第3実施情報を問い合わせる問合情報、その結果に関する実施結果情報及びその第3実施情報を対応づけて登録している。そして、ステップS204、S212、S220の処理が、実施情報テーブル1~3から実施情報を取得する処理に置き換わる。
【0187】
設計者は、CADソフトウェアにおいて図7の矩計図を編集中に、「幅が120[mm]のピアノを設置したい。」という問い合わせを行うと、ステップS200~S206を経て、その問い合わせを示す問合情報が取得され、第1実施情報「トイレの壁との干渉を防止するため、トイレの幅を870[mm]以下に変更してください。」が実施情報テーブル1から取得、表示される。次いで、設計者は、第1実施情報をもとにトイレの幅を870[mm]に変更し、「トイレの設計について指示してください。」という問い合わせを行うと、ステップS208~S214を経て、その問い合わせを示す問合情報及びその編集結果を示す実施結果情報が取得され、第2実施情報「トイレの利便性を維持するため、手洗器の幅を500[mm]以下に変更してください。」が実施情報テーブル2から取得、表示される。次いで、設計者は、第2実施情報をもとに手洗器の幅を500[mm]に変更し、「トイレの設計について指示してください。」という問い合わせを行うと、ステップS216~S222を経て、その問い合わせを示す問合情報及びその編集結果を示す実施結果情報が取得され、第3実施情報「バリアフリー仕様を追加するため、便器の左壁のスペースを400[mm]以上確保してください。」が実施情報テーブル3から取得、表示される。そして、設計者は、第3実施情報をもとに便器の左壁のスペースを400[mm]に変更する。
【0188】
〔発明B3〕 設計情報中に作成可能な第1要素の作成又は前記設計情報中の編集可能な第2要素の編集を行うための第1実施情報を問い合わせる問合情報を取得する問合情報取得手段と、
前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための第1実施情報を問い合わせる問合情報と対応づけて当該第1実施情報を記憶する第1記憶手段から、前記問合情報取得手段で取得した問合情報に対応する前記第1実施情報を検索する第1検索手段と、
前記第1検索手段で検索した第1実施情報をもとに前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行った結果に関する実施結果情報を取得する実施結果情報取得手段と、
前記第1実施情報に係る作成又は編集を行った結果に関する実施結果情報と対応づけて、当該結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための第2実施情報を記憶する第2記憶手段から、前記実施結果情報取得手段で取得した実施結果情報に対応する前記第2実施情報を検索する第2検索手段とを備える。
【0189】
これにより、問い合わせに応じて第1実施情報を得ることができ、第1実施情報をもとに作成又は編集を行った結果に対し作成又は編集を行うための第2実施情報を得ることができるので、要素の作成又は編集の順序を把握することができる。
【0190】
〔発明B4〕 設計情報中に作成可能な第1要素の作成又は前記設計情報中の編集可能な第2要素の編集を行った結果に関する実施結果情報を取得する第1実施結果情報取得手段と、
前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行った結果に関する実施結果情報と対応づけて、当該結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための第1実施情報を記憶する第1記憶手段から、前記第1実施結果情報取得手段で取得した実施結果情報に対応する前記第1実施情報を検索する第1検索手段と、
前記第1検索手段で検索した第1実施情報をもとに前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行った結果に関する実施結果情報を取得する第2実施結果情報取得手段と、
前記第1実施情報に係る作成又は編集を行った結果に関する実施結果情報と対応づけて、当該結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための第2実施情報を記憶する第2記憶手段から、前記第2実施結果情報取得手段で取得した実施結果情報に対応する前記第2実施情報を検索する第2検索手段とを備える。
【0191】
これにより、第1実施情報をもとに作成又は編集を行った結果に対し作成又は編集を行うための第2実施情報を得ることができるので、要素の作成又は編集の順序を把握することができる。
【0192】
上記第2の実施の形態の変形例として発明B3、B4の実施の形態を説明する。記憶装置42は、実施情報テーブル1~3を記憶する。実施情報テーブル1は、編集要素の編集を行うための第1実施情報を問い合わせる問合情報及びその第1実施情報を対応づけて登録している。実施情報テーブル2は、第1実施情報に係る編集を行った結果に関する実施結果情報及びその結果に対し編集要素の編集を行うための第2実施情報を対応づけて登録している。実施情報テーブル3は、第2実施情報に係る編集を行った結果に関する実施結果情報及びその結果に対し編集要素の編集を行うための第3実施情報を対応づけて登録している。そして、ステップS204、S224、S226の処理が、実施情報テーブル1~3から実施情報を取得する処理に置き換わる。
【0193】
設計者は、CADソフトウェアにおいて図7の矩計図を編集中に、「幅が120[mm]のピアノを設置したい。」という問い合わせを行うと、ステップS200~S206を経て、その問い合わせを示す問合情報が取得され、第1実施情報「トイレの壁との干渉を防止するため、トイレの幅を870[mm]以下に変更してください。」が実施情報テーブル1から取得、表示される。次いで、設計者は、第1実施情報をもとにトイレの幅を870[mm]に変更すると、ステップS210、S224、S214を経て、その編集結果を示す実施結果情報が取得され、第2実施情報「トイレの利便性を維持するため、手洗器の幅を500[mm]以下に変更してください。」が実施情報テーブル2から取得、表示される。次いで、設計者は、第2実施情報をもとに手洗器の幅を500[mm]に変更すると、ステップS218、S226、S222を経て、その編集結果を示す実施結果情報が取得され、第3実施情報「バリアフリー仕様を追加するため、便器の左壁のスペースを400[mm]以上確保してください。」が実施情報テーブル3から取得、表示される。そして、設計者は、第3実施情報をもとに便器の左壁のスペースを400[mm]に変更する。
【0194】
〔発明B5〕 設計情報中に作成可能な第1要素の作成又は前記設計情報中の編集可能な第2要素の編集を行うための実施情報を問い合わせる問合情報及び当該設計情報を取得する第1問合情報取得手段と、
前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための実施情報を問い合わせる問合情報及び前記設計情報と対応づけて当該実施情報を記憶する記憶手段から、前記第1問合情報取得手段で取得した問合情報及び設計情報に対応する前記実施情報を検索する第1検索手段と、
前記第1検索手段で検索した実施情報をもとに前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行った結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための実施情報を問い合わせる問合情報及び当該結果を含む前記設計情報を取得する第2問合情報取得手段と、
前記第2問合情報取得手段で取得した問合情報及び設計情報に対応する前記実施情報を前記記憶手段から検索する第2検索手段とを備える。
【0195】
これにより、問い合わせに応じて実施情報を得ることができ、実施情報をもとに作成又は編集を行った結果に対し作成又は編集を行うための実施情報を得ることができるので、要素の作成又は編集の順序を把握することができる。
【0196】
〔発明B6〕 設計情報中に作成可能な第1要素の作成又は前記設計情報中の編集可能な第2要素の編集を行った結果を含む前記設計情報を取得する設計情報取得手段と、
前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための実施情報を前記設計情報と対応づけて記憶する第1記憶手段から、前記設計情報取得手段で取得した設計情報に対応する前記実施情報を検索する第1検索手段と、
前記第1検索手段で検索した実施情報をもとに前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行った結果に対し前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための実施情報を問い合わせる問合情報及び当該結果を含む前記設計情報を取得する問合情報取得手段と、
前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための実施情報を問い合わせる問合情報及び前記設計情報と対応づけて当該実施情報を記憶する第2記憶手段から、前記問合情報取得手段で取得した問合情報及び設計情報に対応する前記実施情報を検索する第2検索手段とを備える。
【0197】
これにより、問い合わせに応じて実施情報を得ることができ、実施情報をもとに作成又は編集を行った結果に対し作成又は編集を行うための実施情報を得ることができるので、要素の作成又は編集の順序を把握することができる。
【0198】
上記第3の実施の形態の変形例として発明B5、B6の実施の形態を説明する。記憶装置42は、実施情報テーブル1~3を記憶する。実施情報テーブル1は、編集要素の編集を行うための第1実施情報を問い合わせる問合情報、その編集要素の編集を行う直前のCADデータ及びその第1実施情報を対応づけて登録している。実施情報テーブル2は、第1実施情報に係る編集を行った結果に対し編集要素の編集を行うための第2実施情報を問い合わせる問合情報、その結果を含むCADデータ及びその第2実施情報を対応づけて登録している。実施情報テーブル3は、第2実施情報に係る編集を行った結果に対し編集要素の編集を行うための第3実施情報を問い合わせる問合情報、その結果を含むCADデータ及びその第3実施情報を対応づけて登録している。そして、ステップS304、S312、S320の処理が、実施情報テーブル1~3から実施情報を取得する処理に置き換わる。
【0199】
設計者は、CADソフトウェアにおいて図7の矩計図を編集中に、「幅が120[mm]のピアノを設置したい。」という問い合わせを行うと、ステップS300~S306を経て、その問い合わせを示す問合情報及び編集直前のCADデータが取得され、第1実施情報「トイレの壁との干渉を防止するため、トイレの幅を870[mm]以下に変更してください。」が実施情報テーブル1から取得、表示される。次いで、設計者は、第1実施情報をもとにトイレの幅を870[mm]に変更し、「トイレの設計について指示してください。」という問い合わせを行うと、ステップS308~S314を経て、その問い合わせを示す問合情報及びその編集結果を含むCADデータが取得され、第2実施情報「トイレの利便性を維持するため、手洗器の幅を500[mm]以下に変更してください。」が実施情報テーブル2から取得、表示される。次いで、設計者は、第2実施情報をもとに手洗器の幅を500[mm]に変更し、「トイレの設計について指示してください。」という問い合わせを行うと、ステップS316~S322を経て、その問い合わせを示す問合情報及びその編集結果を含むCADデータが取得され、第3実施情報「バリアフリー仕様を追加するため、便器の左壁のスペースを400[mm]以上確保してください。」が実施情報テーブル3から取得、表示される。そして、設計者は、第3実施情報をもとに便器の左壁のスペースを400[mm]に変更する。
【0200】
〔発明B7〕 設計情報中に作成可能な第1要素の作成又は前記設計情報中の編集可能な第2要素の編集を行うための実施情報を問い合わせる問合情報及び当該設計情報を取得する問合情報取得手段と、
前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための実施情報を問い合わせる問合情報及び前記設計情報と対応づけて当該実施情報を記憶する第1記憶手段から、前記問合情報取得手段で取得した問合情報及び設計情報に対応する前記実施情報を検索する第1検索手段と、
前記第1検索手段で検索した実施情報をもとに前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行った結果を含む前記設計情報を取得する設計情報取得手段と、
前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための実施情報を前記設計情報と対応づけて記憶する第2記憶手段から、前記設計情報取得手段で取得した設計情報に対応する前記実施情報を検索する第2検索手段とを備える。
【0201】
これにより、問い合わせに応じて実施情報を得ることができ、実施情報をもとに作成又は編集を行った結果に対し作成又は編集を行うための実施情報を得ることができるので、要素の作成又は編集の順序を把握することができる。
【0202】
〔発明B8〕 設計情報中に作成可能な第1要素の作成又は前記設計情報中の編集可能な第2要素の編集を行った結果を含む前記設計情報を取得する第1設計情報取得手段と、
前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行うための実施情報を前記設計情報と対応づけて記憶する記憶手段から、前記第1設計情報取得手段で取得した設計情報に対応する前記実施情報を検索する第1検索手段と、
前記第1検索手段で検索した実施情報をもとに前記第1要素の作成又は前記第2要素の編集を行った結果を含む前記設計情報を取得する第2設計情報取得手段と、
前記第2設計情報取得手段で取得した設計情報に対応する前記実施情報を前記記憶手段から検索する第2検索手段とを備える。
【0203】
これにより、実施情報をもとに作成又は編集を行った結果に対し作成又は編集を行うための実施情報を得ることができるので、要素の作成又は編集の順序を把握することができる。
【0204】
上記第4の実施の形態の変形例として発明B7、B8の実施の形態を説明する。記憶装置42は、実施情報テーブル1~3を記憶する。実施情報テーブル1は、編集要素の編集を行うための第1実施情報を問い合わせる問合情報、その編集要素の編集を行う直前のCADデータ及びその第1実施情報を対応づけて登録している。実施情報テーブル2は、第1実施情報に係る編集を行った結果を含むCADデータ及びその結果に対し編集要素の編集を行うための第2実施情報を対応づけて登録している。実施情報テーブル3は、第2実施情報に係る編集を行った結果を含むCADデータ及びその結果に対し編集要素の編集を行うための第3実施情報を対応づけて登録している。そして、ステップS304、S324、S326の処理が、実施情報テーブル1~3から実施情報を取得する処理に置き換わる。
【0205】
設計者は、CADソフトウェアにおいて図7の矩計図を編集中に、「幅が120[mm]のピアノを設置したい。」という問い合わせを行うと、ステップS300~S306を経て、その問い合わせを示す問合情報及び編集直前のCADデータが取得され、第1実施情報「トイレの壁との干渉を防止するため、トイレの幅を870[mm]以下に変更してください。」が実施情報テーブル1から取得、表示される。次いで、設計者は、第1実施情報をもとにトイレの幅を870[mm]に変更すると、ステップS310、S324、S314を経て、その編集結果を含むCADデータが取得され、第2実施情報「トイレの利便性を維持するため、手洗器の幅を500[mm]以下に変更してください。」が実施情報テーブル2から取得、表示される。次いで、設計者は、第2実施情報をもとに手洗器の幅を500[mm]に変更すると、ステップS318、S326、S322を経て、その編集結果を含むCADデータが取得され、第3実施情報「バリアフリー仕様を追加するため、便器の左壁のスペースを400[mm]以上確保してください。」が実施情報テーブル3から取得、表示される。そして、設計者は、第3実施情報をもとに便器の左壁のスペースを400[mm]に変更する。
【0206】
また、発明B1、B2及びその変形例においては、実施情報テーブル2は、問合情報、実施結果情報及び実施情報を対応づけて登録したものを採用したが、これに限らず、実施結果情報及び実施情報対応づけて登録したものを採用することができる。
【0207】
また、発明B1~B4及びその変形例において、実施情報テーブル2、3は、1つの実施情報テーブルとして構成することができる。
【0208】
また、発明B1~B4及びその変形例において、実施情報テーブル1~3は、問合情報、実施結果情報及び実施情報を対応づけて登録した1又は2以上の実施情報テーブルとして構成することができる。
【0209】
また、発明B5、B6及びその変形例においては、実施情報テーブル2は、問合情報、CADデータ及び実施情報を対応づけて登録したものを採用したが、これに限らず、CADデータ及び実施情報を対応づけて登録したものを採用することができる。
【0210】
また、発明B5~B8及びその変形例において、実施情報テーブル2、3は、1つの実施情報テーブルとして構成することができる。
【0211】
また、発明B5~B8及びその変形例において、実施情報テーブル1~3は、問合情報、CADデータ及び実施情報を対応づけて登録した1又は2以上の実施情報テーブルとして構成することができる。
【0212】
また、発明B1~B8及びその変形例において、記憶手段は、実施情報をあらゆる手段で且つあらゆる時期に記憶するものであり、実施情報を予め記憶してあるものであってもよいし、実施情報を予め記憶することなく、図面作成支援装置100の動作時に外部からの入力等によって実施情報を記憶するようになっていてもよい。
【0213】
また、上記第1~第4の実施の形態及びその変形例においては、学習済みモデルを用いた推定処理、大規模言語モデルからの取得処理及びテーブルを用いた検索処理のいずれかを備える構成を採用したが、これに限らず、これら処理のうち複数を備える構成を採用することができる。この場合、どの処理を優先に行うかを制御することができる。例えば、(1)複数の処理のうち現在の負荷が低いものを優先に行う構成、(2)複数の処理のうち処理結果が設計者により採用された採用度合い(採用の回数、割合その他の度合いをいう。)が高いものを優先に行う構成、(3)複数の処理のうち設計者の利用度合い(利用の回数、割合その他の度合いをいう。)が高いものを優先に行う構成を採用することができる。
【0214】
また、上記第1~第4の実施の形態及びその変形例においては、学習データとして図2及び図9のデータ構造を採用したが、これに限らず、第1要素及び第2要素に関する他の属性(例えば、ID、仕様、図面中の座標、建築物中の位置)に関する情報を含めることができる。
【0215】
また、上記第1~第4の実施の形態及びその変形例においては、その変更に人の判断を要する第3要素及び第3要素の変更に影響を受け又は与える第4要素の関係で第3要素の編集を行うための実施情報を推定したが、これに限らず、変更に人の判断を要しない編集要素、他の編集要素の制約を受けない編集要素その他任意の編集要素の編集又は仮想の要素の作成若しくは編集を行うための実施情報を推定することができる。
【0216】
また、上記第1~第4の実施の形態及びその変形例においては、単一の装置として実現したが、これに限らず、ネットワークシステムとして実現することもできる。ネットワークシステムの例として、図面作成支援装置100の機能の一部又は全部を、クラウドコンピューティングサービスを提供するサーバ上の仮想サーバとして構成することができる。
【0217】
また、上記第1~第4の実施の形態及びその変形例において、図面作成支援装置100は、記憶装置42を利用するように構成したが、これに限らず、データベースサーバ等の外部の記憶装置を利用するように構成することもできる。
【0218】
また、上記第1~第4の実施の形態及びその変形例において、図4図6図8図10及び図11のフローチャートに示す処理を実行するにあたってはいずれも、ROM32に予め格納されているプログラムを実行する場合について説明したが、これに限らず、これらの手順を示したプログラムが記憶された記憶媒体から、そのプログラムをRAM34に読み込んで実行するようにしてもよい。
【0219】
ここで、記憶媒体とは、RAM、ROM等の半導体記憶媒体、FD、HD等の磁気記憶型記憶媒体、CD、CDV、LD、DVD等の光学的読取方式記憶媒体、MO等の磁気記憶型/光学的読取方式記憶媒体であって、電子的、磁気的、光学的等の読み取り方法のいかんにかかわらず、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体であれば、あらゆる記憶媒体を含むものである。
【0220】
また、上記第1~第4の実施の形態及びその変形例は相互に適用することができる。
また、上記第1~第4の実施の形態及びその変形例に限らず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で他の場合にも適用可能である。例えば、自動車設計、機械設計、回路設計など広く設計を行う場合について本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0221】
100…図面作成支援装置、 30…CPU、 32…ROM、 34…RAM、 38…I/F、 39…バス、 40…入力装置、 42…記憶装置、 44…表示装置、 400…問合情報、 402…実施結果情報、 404…実施情報、 406…CADデータ
【要約】
【課題】 要素の作成又は編集の順序を把握するのに好適な設計支援システムを提供する。
【解決手段】 図面作成支援装置100は、編集要素の編集を行うための第1実施情報を問い合わせる問合情報を含む第1リクエストを大規模言語モデルに入力し、第1リクエストに対して大規模言語モデルから出力される第1実施情報を取得する。そして、取得した第1実施情報をもとに編集要素の編集を行った結果に対し編集要素の編集を行うための第2実施情報を問い合わせる問合情報及びその結果に関する実施結果情報を含む第2リクエストを大規模言語モデルに入力し、第2リクエストに対して大規模言語モデルから出力される第2実施情報を取得する。
【選択図】 図6
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11