(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-19
(45)【発行日】2024-11-27
(54)【発明の名称】動力式外科手術タックアプライヤ
(51)【国際特許分類】
A61B 17/10 20060101AFI20241120BHJP
【FI】
A61B17/10
(21)【出願番号】P 2020200803
(22)【出願日】2020-12-03
【審査請求日】2023-12-01
(32)【優先日】2020-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド エー. ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ラッセル ブイ. プリバニック
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-000856(JP,A)
【文献】国際公開第2019/035088(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0196375(US,A1)
【文献】特開2020-062478(JP,A)
【文献】特開2009-254917(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00-17/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力式外科手術タックアプライヤであって、
ハンドルアセンブリであって、
作動ロッドおよび作動スイッチを含む作動アセンブリと、
関節ロッド、および前記関節ロッドに動作可能に結合された関節レバーを含む関節レバーアセンブリと、を含む、ハンドルアセンブリと、
前記ハンドルアセンブリから遠位側に延在する細長い部材であって、前記細長い部材が、
複数の外科手術タックを有する装填ユニットであって、前記装填ユニットは、前記作動ロッドの回転が前記装填ユニットから前記複数の外科手術タックのうちの1つの外科手術タックを配備するように、前記作動アセンブリの前記作動ロッドに動作可能に結合されている、装填ユニットと、
前記細長い部材によって画定された長手方向軸に対して枢動可能な関節部分であって、前記関節部分は、前記関節ロッドの軸方向変位が前記関節部分を関節運動させるように、前記ハンドルアセンブリの前記関節ロッドに動作可能に結合されている、関節部分と、を含む、細長い部材と、
前記ハンドルアセンブリ内に取り外し可能に受容されたパワーモジュールであって、前記パワーモジュールが、
前記作動ロッドを回転させるように、前記作動アセンブリの前記作動ロッドに動作可能に結合されたモータと、
前記モータに電力を供給するように前記モータに電気的に結合されたバッテリーと、
ギヤボックスであって、
前記モータの出力シャフトに固定された主太陽ギヤであって、前記出力シャフトと共に付随して回転する、主太陽ギヤと、
第1の遊星ギヤアセンブリであって、前記第1の遊星ギヤアセンブリが前記主太陽ギヤの回転に応答して前記出力シャフトによって画定された長手方向軸の周りを回転するように、前記主太陽ギヤに動作可能に結合されている、第1の遊星ギヤアセンブリと、
第2の遊星ギヤアセンブリであって、前記第2の遊星ギヤアセンブリが前記第1の遊星ギヤアセンブリの前記回転に応答して回転するように、前記第1の遊星ギヤアセンブリに動作可能に結合されている、第2の遊星ギヤアセンブリと、
駆動シャフトであって、前記駆動シャフトが前記第2の遊星ギヤアセンブリと共に回転するように、前記第2の遊星ギヤアセンブリに結合されている、駆動シャフトと、
第3の遊星ギヤアセンブリであって、前記第3の遊星ギヤアセンブリが前記第2の遊星ギヤアセンブリの前記回転に応答して回転するように、前記第2の遊星ギヤアセンブリに動作可能に結合されている、第3の遊星ギヤアセンブリと、
第4の遊星ギヤアセンブリであって、前記第4の遊星ギヤアセンブリが前記第3の遊星ギヤアセンブリの前記回転に応答して回転するように、前記第3の遊星ギヤアセンブリに動作可能に結合されている、第4の遊星ギヤアセンブリと、
前記駆動シャフトと共に付随して回転するように前記駆動シャフトに結合された高速出力であって、前記高速出力が、前記ハンドルアセンブリの前記作動ロッドに動作可能に結合されている、高速出力と、を含む、ギヤボックスと、を含む、パワーモジュールと、を備える、動力式外科手術タックアプライヤ。
【請求項2】
前記パワーモジュールの前記ギヤボックスは、高トルク出力であって、前記高トルク出力が前記第4の遊星ギヤアセンブリと共に回転するように、前記第4の遊星ギヤアセンブリに回転不能に結合されている、高トルク出力、をさらに含む、請求項1に記載の動力式外科手術タックアプライヤ。
【請求項3】
前記高速出力が、前記高トルク出力内に、同心円状に配設されている、請求項2に記載の動力式外科手術タックアプライヤ。
【請求項4】
前記高速出力および高トルク出力が、前記モータの作動に応答して同時に回転可能である、請求項2に記載の動力式外科手術タックアプライヤ。
【請求項5】
前記駆動シャフトが、前記第3および第4の遊星ギヤアセンブリを通って長手方向に延在する、請求項1に記載の動力式外科手術タックアプライヤ。
【請求項6】
前記駆動シャフトが、前記第2の遊星ギヤアセンブリに固定された近位端部分と、前記高トルク出力以内で前記高トルク出力に対して回転可能である遠位端部分と、を有する、請求項2に記載の動力式外科手術タックアプライヤ。
【請求項7】
前記高トルク出力が、内部で前記高速出力を受容するように寸法設計された空洞を画定する、請求項2に記載の動力式外科手術タックアプライヤ。
【請求項8】
前記作動アセンブリが、前記モータを制御するように構成されたプロセッサをさらに含む、請求項1に記載の動力式外科手術タックアプライヤ。
【請求項9】
前記作動アセンブリは、所望の回転数が外科手術タックを組織中に挿入するように行われることを確実にするように、前記モータの前記出力シャフトの回転数をカウントするように構成された光学式モータエンコーダをさらに含み、前記光学式モータエンコーダが、前記作動ロッドおよび前記プロセッサに動作可能に接続されている、請求項
8に記載の動力式外科手術タックアプライヤ。
【請求項10】
前記作動アセンブリが、前記装填ユニットに対して前記作動ロッドの遠位端の正確なクロック制御を確実にするように構成されたエンコーダホイールをさらに含む、請求項9に記載の動力式外科手術タックアプライヤ。
【請求項11】
前記パワーモジュールの前記ギヤボックスが、前記第1、第2、第3、および第4の遊星ギヤアセンブリに係合する細長いリングギヤをさらに含む、請求項1に記載の動力式外科手術タックアプライヤ。
【請求項12】
前記第1、第2、第3、および第4の遊星ギヤアセンブリが、前記細長いリングギヤ内に配設されている、請求項11に記載の動力式外科手術タックアプライヤ。
【請求項13】
前記細長いリングギヤが、前記モータに対して回転可能に固定されている、請求項11に記載の動力式外科手術タックアプライヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年8月6日に出願された米国特許出願第16/532,534号の一部継続出願であり、2018年9月21日に出願された米国仮特許出願第62/734,290号の利益およびそれに対する優先権を主張するものであり、その全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願はまた、2020年10月5日に出願された米国仮特許出願第63/087,501号の利益、およびそれに対する優先権も主張するものであり、その全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
本開示は、外科手術器具に関し、より具体的には、鼠径ヘルニアなどの組織の損傷の修復においてプロテーゼを所定の位置に取り付けるための外科手術タックアプライヤに関する。
関連技術の背景
【0004】
様々な外科手術手技は、組織接続を形成するか、または物体を組織に固定するための留め具を組織に適用することを可能にする器具を必要とする。例えば、ヘルニアの修復中に、多くの場合、メッシュを組織に固定することが望ましい。直接または間接鼠径ヘルニアなどの特定のヘルニアでは、腸の一部が腹壁の欠損を通して突き出てヘルニア嚢を形成する。比較的大きい切開が行われ、ヘルニアが縫合によって腹壁の外側で閉じられる開放外科手術手技を使用して、欠損が修復され得る。メッシュは、補強を提供するために腹壁の開口部を覆って縫合糸で取り付けられる。しかしながら、これはまた、例えば、外科手術タックなどの低侵襲性の外科手術留め具の使用によって達成することもできる。
【0005】
したがって、タックの早計な放出、およびタックを放出しようとするときのタイミング問題を抑制しながら、様々な外科手術器具の性能要件を満たす再利用可能なパワーモジュールを含む外科手術タックアプライヤの必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、外科手術タックを適用するための装置について記載し、この装置は、性能要件を満たし、外科手術メッシュを介して組織に外科手術タックを適用することに関連付けられた使い勝手の問題を克服すための実用的なアプローチを実証する。
【0007】
本開示によれば、外科手術タックアプライヤと共に使用するためのハンドルアセンブリが、作動アセンブリおよび関節レバーアセンブリを含む。この作動アセンブリは、モータ、作動ロッド、およびそのモータを作動させるように構成された作動スイッチを含む。特に、その作動ロッドは、一緒に付随して回転するように、モータの出力シャフトに動作可能に結合された第1の端部と、作動ロッドの回転が装填ユニットから外科手術タックを放出させるように、外科手術タックアプライヤの装填ユニットに動作可能に結合された第2の端部を有する。関節レバーアセンブリは、外科手術タックアプライヤの関節部分を関節運動させるように構成される。この関節レバーアセンブリは、外科手術タックアプライヤの関節部分に動作可能に結合された関節ロッドを含み、その結果、関節ロッドの軸方向の変位により、関節部分の関節運動が引き起こされ、関節レバーが、関節ロッドに動作可能に結合される。
【0008】
一態様では、作動アセンブリは、モータを制御するように構成されたプロセッサをさらに含むことができる。
【0009】
別の態様では、作動アセンブリは、モータ出力シャフトの回転をカウントして、適切な回転数が外科手術タックを組織中に挿入するように行われることを確実にするように構成された光学式モータエンコーダをさらに含むことができる。この光学式モータエンコーダは、作動ロッドおよびプロセッサに動作可能に接続され得る。
【0010】
別の態様では、作動アセンブリは、装填ユニットに対して作動ロッドの遠位端の正確なクロック制御を確実にするように構成されたエンコーダホイールをさらに含むことができる。
【0011】
さらに別の態様では、作動アセンブリは、装填ユニットからの外科手術タックの放出の状態を示すための、プロセッサに結合された発光ダイオードをさらに含むことができる。
【0012】
なおもさらに別の態様では、関節ロッドは、関節レバーに結合された駆動ピンを受容するように寸法設計された横断ボアを画定することができる。この駆動ピンは、それを通して作動ロッドを受容するように寸法設計されたボアを画定することができる。
【0013】
一態様では、ハンドルアセンブリは、モータおよびプロセッサに電気的に結合されたバッテリーパックをさらに含むことができる。
【0014】
一態様では、作動アセンブリは、装填ユニットから外科手術タックの適切な放出のための可聴音を提供するように構成された圧電素子をさらに含むことができる。
【0015】
別の態様では、ハンドルアセンブリは、関節レバーを枢動可能に支持するハウジングをさらに含むことができる。
【0016】
さらに別の態様では、関節レバーは、ハウジング部分、およびそのハウジングの係合面上にスライド可能に配設された係合部分を含むことができる。
【0017】
なおもさらに別の態様では、係合面は、弓形プロファイルを画定して、円弧状の係合部分のスライドを可能にすることができる。
【0018】
なおもさらに別の態様では、関節レバーアセンブリは、ハンドルアセンブリのハウジングから離れるように関節レバーの係合部分を付勢するように構成された付勢部材を含むことができる。
【0019】
別の態様では、ハウジングは、ハンドルアセンブリのハウジングに対して関節レバーの位置を固定するように構成された戻り止め部分を含むことができる。
【0020】
一態様では、関節レバーアセンブリは、ハンドルアセンブリのハウジングに枢動可能に固定された関節枢動アームをさらに含むことができる。これらの関節枢動アームは、それらの間に付勢部材を受容するように構成することができる。
【0021】
別の態様では、関節枢動アームは、関節レバーのハウジング部分内に受容され得る。
【0022】
さらに別の態様では、関節ロッドは、それを通って作動ロッドを受容するように寸法設計された管腔を画定することができる。
【0023】
本開示の別の態様によれば、外科手術タックアプライヤは、ハンドルアセンブリおよび細長い部材を備える。ハンドルアセンブリは、作動アセンブリおよび関節レバーアセンブリを含む。その作動アセンブリは、モータと、そのモータに付随して回転するためにモータの出力シャフトに動作可能に結合された第1の端部を有する作動ロッドと、モータを作動させるように構成された作動スイッチと、を含む。その関節レバーアセンブリは、関節ロッドと、その関節ロッドに動作可能に結合された関節レバーと、を含む。細長い部材は、ハンドルアセンブリから遠位側に延在する。細長い部材は、複数の外科手術タックを有する装填ユニットと、細長い部材によって画定された長手方向軸に対して枢動するように構成された関節部分と、を含む。関節ロッドは、細長い部材の関節部分に動作可能に結合され、その結果、関節ロッドの軸方向変位が、関節部分の関節運動を生じさせる。作動ロッドの第2の端部が、装填ユニットに動作可能に結合され、その結果、作動ロッドの回転により、装填ユニットから外科手術タックが放出される。作動ロッドは、関節ロッドを通って延在する。
【0024】
一態様では、作動アセンブリは、モータを制御するように構成されたプロセッサをさらに含むことができる。
【0025】
別の態様では、作動アセンブリは、モータ出力シャフトの回転をカウントして、適切な回転数が外科手術タックを組織に挿入するように行われることを確実にするように構成された光学式モータエンコーダをさらに含むことができる。この光学式モータエンコーダは、作動ロッドおよびプロセッサに動作可能に接続され得る。
【0026】
別の態様では、作動アセンブリは、装填ユニットに対して作動ロッドの遠位端の正確なクロック制御を確実にするように構成されたエンコーダホイールを含むことができる。
【0027】
本開示のさらなる別の態様によれば、動力式外科手術タックアプライヤは、ハンドルアセンブリ、細長い部材、およびパワーモジュールを備える。ハンドルアセンブリは、作動アセンブリおよび関節レバーアセンブリを含む。作動アセンブリは、作動ロッドおよび作動スイッチを含む。その関節レバーアセンブリは、関節ロッドと、その関節ロッドに動作可能に結合された関節レバーと、を含む。細長い部材は、ハンドルアセンブリから遠位側に延在する。細長い部材は、装填ユニットおよび関節部分を含む。装填ユニットは、複数の外科手術タックを有する。装填ユニットは、作動アセンブリの作動ロッドに動作可能に結合され、その結果、作動ロッドの回転が、装填ユニットから複数の外科手術タックのうちの1つの外科手術タックを配備する。関節部分は、細長い部材によって画定された長手方向軸に対して枢動可能である。関節部分は、ハンドルアセンブリの関節ロッドに動作可能に結合され、その結果、関節ロッドの軸方向変位が、関節部分を関節運動させる。パワーモジュールは、ハンドルアセンブリ内に取り外し可能に受容される。パワーモジュールは、モータ、バッテリー、およびギヤボックスを含む。モータは、作動アセンブリの作動ロッドに動作可能に結合されて、作動ロッドを回転させる。バッテリーは、モータに電気的に結合されて、電力をモータに供給する。ギヤボックスは、主太陽ギヤ、第1の遊星ギヤアセンブリ、第2の遊星ギヤアセンブリ、駆動シャフト、第3の遊星ギヤアセンブリ、第4の遊星ギヤアセンブリ、および高速出力を含む。主太陽ギヤは、モータの出力シャフトに固定されており、その出力シャフトと一緒に付随して回転する。第1の遊星ギヤアセンブリは、主太陽ギヤに動作可能に結合され、その結果、第1の遊星ギヤアセンブリは、主太陽ギヤの回転に応答して出力シャフトによって画定された長手方向軸の周りを回転する。第2の遊星ギヤアセンブリは、第1の遊星ギヤアセンブリに動作可能に結合され、その結果、第2の遊星ギヤアセンブリは、第1の遊星ギヤアセンブリの回転に応答して回転する。駆動シャフトは、第2の遊星ギヤアセンブリに結合され、その結果、駆動シャフトは、第2の遊星ギヤアセンブリと共に回転する。第3の遊星ギヤアセンブリは、第2の遊星ギヤアセンブリに動作可能に結合され、その結果、第3の遊星ギヤアセンブリは、第2の遊星ギヤアセンブリの回転に応答して回転する。第4の遊星ギヤアセンブリは、第3の遊星ギヤアセンブリに動作可能に結合され、その結果、第4の遊星ギヤアセンブリは、第3の遊星ギヤアセンブリの回転に応答して回転する。高速出力は、駆動シャフトに結合されており、それと共に付随して回転する。高速出力は、ハンドルアセンブリの作動ロッドに動作可能に結合される。
【0028】
一態様では、パワーモジュールのギヤボックスは、第4の遊星ギヤアセンブリに回転不能に結合されている高トルク出力をさらに含むことができ、その結果、高トルク出力は、第4の遊星ギヤアセンブリと共に回転する。
【0029】
別の態様では、高速出力は、高トルク出力内に同心円状に配設することができる。
【0030】
さらに別の態様では、高速出力および高トルク出力は、モータの作動に応答して同時に回転可能であり得る。
【0031】
なおもさらに別の態様では、駆動シャフトは、第3および第4の遊星ギヤアセンブリを通って長手方向に延在することができる。
【0032】
なおもさらに別の態様では、駆動シャフトは、第2の遊星ギヤアセンブリに固定された近位端部分、および高トルク出力以内で、高トルク出力に対して回転可能な遠位端部分を有することができる。
【0033】
一態様では、高トルク出力は、内部に高速出力を受容するように寸法設計された空洞を画定することができる。
【0034】
別の態様では、作動アセンブリは、モータを制御するように構成されたプロセッサをさらに含むことができる。
【0035】
さらに別の態様では、作動アセンブリは、モータの出力シャフトの回転数をカウントするように構成された光学式モータエンコーダをさらに含み得、そのエンコーダは、所望の回転数が外科手術タックを組織中に挿入するように行われることを確実にする。この光学式モータエンコーダは、作動ロッドおよびプロセッサに動作可能に接続され得る。
【0036】
さらに別の態様では、作動アセンブリは、装填ユニットに対して作動ロッドの遠位端の正確なクロック制御を確実にするように構成されたエンコーダホイールをさらに含むことができる。
【0037】
なおもさらに別の態様では、パワーモジュールのギヤボックスは、第1、第2、第3および第4の遊星ギヤアセンブリと係合する細長いリングギヤをさらに含むことができる。
【0038】
なおもさらに別の態様では、第1、第2、第3、および第4の遊星ギヤアセンブリは、細長いリングギヤ内に配設することができる。
【0039】
なおもさらに別の態様では、細長いリングギヤは、モータに対して回転可能に固定され得る。
【0040】
本開示のさらなる別の態様によれば、動力式外科手術タックアプライヤは、ハンドルアセンブリ、細長い部材、およびパワーモジュールを備える。ハンドルアセンブリは、作動アセンブリおよび関節レバーアセンブリを含む。作動アセンブリは、作動ロッドを含む。関節レバーアセンブリは、関節ロッドと、その関節ロッドに動作可能に結合された関節レバーと、を含む。細長い部材は、ハンドルアセンブリから遠位側に延在する。細長い部材は、装填ユニットおよび関節部分を含む。装填ユニットは、複数の外科手術タックを有する。装填ユニットは、作動アセンブリの作動ロッドに動作可能に結合され、その結果、作動ロッドの回転が、装填ユニットから複数の外科手術タックのうちの1つの外科手術タックを配備する。関節部分は、細長い部材によって画定された長手方向軸に対して枢動可能である。関節部分は、ハンドルアセンブリの関節ロッドに動作可能に結合され、その結果、関節ロッドの軸方向変位が、関節部分を関節運動させる。パワーモジュールは、ハンドルアセンブリ内に取り外し可能に受容される。パワーモジュールは、出力シャフト、主太陽ギヤ、第1の遊星ギヤアセンブリ、第2の遊星ギヤアセンブリ、駆動シャフト、高速出力、および高トルク出力を有するモータを含む。主太陽ギヤは、出力シャフトに固定され、出力シャフトと共に回転するように構成される。第1の遊星ギヤアセンブリは、主太陽ギヤに動作可能に結合され、その結果、第1の遊星ギヤアセンブリは、主太陽ギヤの回転に応答して長手方向軸の周りを回転する。第2の遊星ギヤアセンブリは、第1の遊星ギヤアセンブリに動作可能に結合され、その結果、第2の遊星ギヤアセンブリは、第1の遊星ギヤアセンブリの回転に応答して回転する。駆動シャフトは、それと共に付随して回転する第2の遊星ギヤアセンブリに結合された近位端部分を有する。高速出力は、作動ロッドを回転させるように構成される。高速出力は、駆動シャフトに結合されており、それと共に付随して回転する。高トルク出力は、外科手術エンドエフェクタの被駆動部材に動作可能に結合されるように構成される。高トルク出力は、モータに動作可能に結合される。
【0041】
一態様では、高速出力は、高トルク出力内に同心円状に配設され得る。
【0042】
別の態様では、駆動シャフトの遠位端部分は、高トルク出力内に配設され、かつその高トルク出力に対して回転可能であり得る。
【0043】
さらに別の態様では、高トルク出力は、内部で空洞を画定することができ、高速出力は、空洞内で受容され得る。
【0044】
なおもさらに別の態様では、パワーモジュールのギヤボックスは、高速出力と、高トルク出力の内面との間に捕捉された付勢部材をさらに含むことができる。
【0045】
一態様では、この付勢部材は、高速出力を遠位側に付勢するように構成され得る。
【0046】
本開示のなおもさらに別の態様によれば、動力式外科手術タックアプライヤと共に使用するためのハンドルアセンブリは、作動アセンブリ、関節レバーアセンブリ、およびパワーモジュールを備える。作動アセンブリは、作動ロッドおよび作動スイッチを含む。関節レバーアセンブリは、関節ロッドと、その関節ロッドに動作可能に結合された関節レバーと、を含む。パワーモジュールは、出力シャフトを有するモータ、モータに電力を供給するバッテリー、バッテリーおよびモータと通信するプリント回路基板、ならびにギヤボックスを有する。ギヤボックスは、出力シャフトに固定された主太陽ギヤ、第1の遊星ギヤアセンブリ、第2の遊星ギヤアセンブリ、駆動シャフト、高トルク出力、および高速出力を含む。第1の遊星ギヤアセンブリは、主太陽ギヤに動作可能に結合され、その結果、第1の遊星ギヤアセンブリは、主太陽ギヤの回転に応答して長手方向軸の周りを回転する。第2の遊星ギヤアセンブリは、第1の遊星ギヤアセンブリに動作可能に結合され、その結果、第2の遊星ギヤアセンブリは、第1の遊星ギヤアセンブリの回転に応答して回転する。駆動シャフトは、第2の遊星ギヤアセンブリに回転不能に結合された近位端部分、および遠位端部分を有する。駆動シャフトは、第2の遊星ギヤアセンブリと共に回転するように構成される。高トルク出力は、モータに動作可能に結合される。高速出力は、一緒に付随して回転する駆動シャフトの遠位端部分に結合される。
【0047】
一態様では、パワーモジュールは、封止の関係でハンドルアセンブリの空洞内に取り外し可能に受容され得る。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
動力式外科手術タックアプライヤであって、
ハンドルアセンブリであって、
作動ロッドおよび作動スイッチを含む作動アセンブリと、
関節ロッド、および上記関節ロッドに動作可能に結合された関節レバーを含む関節レバーアセンブリと、を含む、ハンドルアセンブリと、
上記ハンドルアセンブリから遠位側に延在する細長い部材であって、上記細長い部材が、
複数の外科手術タックを有する装填ユニットであって、上記装填ユニットは、上記作動ロッドの回転が上記装填ユニットから上記複数の外科手術タックのうちの1つの外科手術タックを配備するように、上記作動アセンブリの上記作動ロッドに動作可能に結合されている、装填ユニットと、
上記細長い部材によって画定された長手方向軸に対して枢動可能な関節部分であって、上記関節部分は、上記関節ロッドの軸方向変位が上記関節部分を関節運動させるように、上記ハンドルアセンブリの上記関節ロッドに動作可能に結合されている、関節部分と、を含む、細長い部材と、
上記ハンドルアセンブリ内に取り外し可能に受容されたパワーモジュールであって、上記パワーモジュールが、
上記作動ロッドを回転させるように、上記作動アセンブリの上記作動ロッドに動作可能に結合されたモータと、
上記モータに電力を供給するように上記モータに電気的に結合されたバッテリーと、
ギヤボックスであって、
上記モータの出力シャフトに固定された主太陽ギヤであって、上記出力シャフトと共に付随して回転する、主太陽ギヤと、
第1の遊星ギヤアセンブリであって、上記第1の遊星ギヤアセンブリが上記主太陽ギヤの回転に応答して上記出力シャフトによって画定された長手方向軸の周りを回転するように、上記主太陽ギヤに動作可能に結合されている、第1の遊星ギヤアセンブリと、
第2の遊星ギヤアセンブリであって、上記第2の遊星ギヤアセンブリが上記第1の遊星ギヤアセンブリの上記回転に応答して回転するように、上記第1の遊星ギヤアセンブリに動作可能に結合されている、第2の遊星ギヤアセンブリと、
駆動シャフトであって、上記駆動シャフトが上記第2の遊星ギヤアセンブリと共に回転するように、上記第2の遊星ギヤアセンブリに結合されている、駆動シャフトと、
第3の遊星ギヤアセンブリであって、上記第3の遊星ギヤアセンブリが上記第2の遊星ギヤアセンブリの上記回転に応答して回転するように、上記第2の遊星ギヤアセンブリに動作可能に結合されている、第3の遊星ギヤアセンブリと、
第4の遊星ギヤアセンブリであって、上記第4の遊星ギヤアセンブリが上記第3の遊星ギヤアセンブリの上記回転に応答して回転するように、上記第3の遊星ギヤアセンブリに動作可能に結合されている、第4の遊星ギヤアセンブリと、
上記駆動シャフトと共に付随して回転するように上記駆動シャフトに結合された高速出力であって、上記高速出力が、上記ハンドルアセンブリの上記作動ロッドに動作可能に結合されている、高速出力と、を含む、ギヤボックスと、を含む、パワーモジュールと、を備える、動力式外科手術タックアプライヤ。
(項目2)
上記パワーモジュールの上記ギヤボックスは、高トルク出力であって、上記高トルク出力が上記第4の遊星ギヤアセンブリと共に回転するように、上記第4の遊星ギヤアセンブリに回転不能に結合されている、高トルク出力、をさらに含む、上記項目に記載の動力式外科手術タックアプライヤ。
(項目3)
上記高速出力が、上記高トルク出力内に、同心円状に配設されている、上記項目のいずれか一項に記載の動力式外科手術タックアプライヤ。
(項目4)
上記高速出力および高トルク出力が、上記モータの作動に応答して同時に回転可能である、上記項目のいずれか一項に記載の動力式外科手術タックアプライヤ。
(項目5)
上記駆動シャフトが、上記第3および第4の遊星ギヤアセンブリを通って長手方向に延在する、上記項目のいずれか一項に記載の動力式外科手術タックアプライヤ。
(項目6)
上記駆動シャフトが、上記第2の遊星ギヤアセンブリに固定された近位端部分と、上記高トルク出力以内で上記高トルク出力に対して回転可能である遠位端部分と、を有する、上記項目のいずれか一項に記載の動力式外科手術タックアプライヤ。
(項目7)
上記高トルク出力が、内部で上記高速出力を受容するように寸法設計された空洞を画定する、上記項目のいずれか一項に記載の動力式外科手術タックアプライヤ。
(項目8)
上記作動アセンブリが、上記モータを制御するように構成されたプロセッサをさらに含む、上記項目のいずれか一項に記載の動力式外科手術タックアプライヤ。
(項目9)
上記作動アセンブリは、所望の回転数が外科手術タックを組織中に挿入するように行われることを確実にするように、上記モータの上記出力シャフトの回転数をカウントするように構成された光学式モータエンコーダをさらに含み、上記光学式モータエンコーダが、上記作動ロッドおよび上記プロセッサに動作可能に接続されている、上記項目のいずれか一項に記載の動力式外科手術タックアプライヤ。
(項目10)
上記作動アセンブリが、上記装填ユニットに対して上記作動ロッドの遠位端の正確なクロック制御を確実にするように構成されたエンコーダホイールをさらに含む、上記項目のいずれか一項に記載の動力式外科手術タックアプライヤ。
(項目11)
上記パワーモジュールの上記ギヤボックスが、上記第1、第2、第3、および第4の遊星ギヤアセンブリに係合する細長いリングギヤをさらに含む、上記項目のいずれか一項に記載の動力式外科手術タックアプライヤ。
(項目12)
上記第1、第2、第3、および第4の遊星ギヤアセンブリが、上記細長いリングギヤ内に配設されている、上記項目のいずれか一項に記載の動力式外科手術タックアプライヤ。
(項目13)
上記細長いリングギヤが、上記モータに対して回転可能に固定されている、上記項目のいずれか一項に記載の動力式外科手術タックアプライヤ。
(項目14)
動力式外科手術タックアプライヤであって、
ハンドルアセンブリであって、
作動ロッドを含む作動アセンブリと、
関節ロッド、および上記関節ロッドに動作可能に結合された関節レバーを含む関節レバーアセンブリと、を含む、ハンドルアセンブリと、
上記ハンドルアセンブリから遠位側に延在する細長い部材であって、上記細長い部材が、
複数の外科手術タックを有する装填ユニットであって、上記装填ユニットは、上記作動ロッドの回転が上記装填ユニットから上記複数の外科手術タックのうちの1つの外科手術タックを配備するように、上記作動アセンブリの上記作動ロッドに動作可能に結合されている、装填ユニットと、
上記細長い部材によって画定された長手方向軸に対して枢動可能な関節部分であって、上記関節部分は、上記関節ロッドの軸方向変位が上記関節部分を関節運動させるように、上記ハンドルアセンブリの上記作動ロッドに動作可能に結合されている、関節部分と、を含む、細長い部材と、
上記ハンドルアセンブリ内に取り外し可能に受容されたパワーモジュールであって、上記パワーモジュールが、
出力シャフトを有するモータと、
上記出力シャフトに固定され、かつ上記出力シャフトと共に回転するように構成された主太陽ギヤと、
第1の遊星ギヤアセンブリであって、上記第1の遊星ギヤアセンブリが上記主太陽ギヤの回転に応答して上記長手方向軸の周りを回転するように、上記主太陽ギヤに動作可能に結合されている、第1の遊星ギヤアセンブリと、
第2の遊星ギヤアセンブリであって、上記第2の遊星ギヤアセンブリが上記第1の遊星ギヤアセンブリの上記回転に応答して回転するように、上記第1の遊星ギヤアセンブリに動作可能に結合されている、第2の遊星ギヤアセンブリと、
上記第2の遊星ギヤアセンブリと共に付随して回転するように上記第2の遊星ギヤアセンブリに結合された近位端部分を有する駆動シャフトと、
上記作動ロッドを回転させるように構成された高速出力であって、上記高速出力が、上記駆動シャフトと共に付随して回転するように上記駆動シャフトに結合されている、高速出力と、
外科手術エンドエフェクタの駆動部材に動作可能に結合されるように構成された高トルク出力であって、上記高トルク出力が上記モータに動作可能に結合されている、高トルク出力と、を含む、パワーモジュールと、を備える、動力式外科手術タックアプライヤ。
(項目15)
上記高速度出力が、上記高トルク出力内に、同心円状に配設されている、上記項目に記載の動力式外科手術タックアプライヤ。
(項目16)
上記駆動シャフトの上記遠位端部分が、上記高トルク出力内に配設され、上記高トルク出力に対して回転可能である、上記項目のいずれか一項に記載の動力式外科手術タックアプライヤ。
(項目17)
上記高トルク出力が、内部に空洞を画定し、上記高速出力が、上記空洞内に受容される、上記項目のいずれか一項に記載の動力式外科手術タックアプライヤ。
(項目18)
上記パワーモジュールの上記ギヤボックスが、上記高速出力と、上記高トルク出力の内面との間に捕捉された付勢部材をさらに含み、上記付勢部材が、上記高速出力を遠位側に付勢するように構成されている、上記項目のいずれか一項に記載の動力式外科手術タックアプライヤ。
(項目19)
動力式外科手術タックアプライヤと共に使用するためのハンドルアセンブリであって、
作動ロッドおよび作動スイッチを含む作動アセンブリと、
関節ロッド、および上記関節ロッドに動作可能に結合された関節レバーを含む関節レバーアセンブリと、
パワーモジュールであって、
出力シャフトを有するモータと、
上記モータに電力を供給するバッテリーと、
上記バッテリーおよび上記モータと通信するプリント回路基板と、
ギヤボックスであって、
上記出力シャフトに固定された主太陽ギヤと、
第1の遊星ギヤアセンブリであって、上記第1の遊星ギヤアセンブリが上記主太陽ギヤの回転に応答して上記長手方向軸の周りを回転するように、上記主太陽ギヤに動作可能に結合されている、第1の遊星ギヤアセンブリと、
第2の遊星ギヤアセンブリであって、上記第2の遊星ギヤアセンブリが上記第1の遊星ギヤアセンブリの回転に応答して回転するように、上記第1の遊星ギヤアセンブリに動作可能に結合されている、第2の遊星ギヤアセンブリと、
上記第2の遊星ギヤアセンブリに回転不能に結合された近位端部分、および遠位端部分を有する駆動シャフトであって、上記駆動シャフトが、上記第2の遊星ギヤアセンブリと共に回転するように構成されている、駆動シャフトと、
上記モータに動作可能に結合された高トルク出力と、
上記駆動シャフトと共に付随して回転するように上記駆動シャフトの上記遠位端部分に結合された高速出力と、を含む、ギヤボックスと、を含む、パワーモジュールと、を備える、ハンドルアセンブリ。
(項目20)
上記パワーモジュールが、封止の関係で、上記ハンドルアセンブリの空洞内に取り外し可能に受容される、上記項目に記載のハンドルアセンブリ。
(摘要)
動力式外科手術タックアプライヤは、組織または外科手術メッシュを通して外科手術タックを配備するように構成される。この外科手術タックアプライヤは、外科手術タックを所望の外科手術位置に容易に配置するために、関節運動が可能である。この動力式外科手術タックアプライヤは、バッテリー、モータ、およびギヤボックスを含むパワーモジュールを備える。このパワーモジュールは、高速/低トルク出力、および低速/高トルク出力を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
本開示の様々な態様は、図面を参照して以下に説明されるが、それらの図面は、本明細書の一部として組み込まれ、構成される。
【0049】
【
図1】本開示による動力式外科手術タックアプライヤのハンドルアセンブリの斜視図である。
【
図2】動力式外科手術タックアプライヤの細長い部材の部分斜視図である。
【
図3】
図1の外科手術タックアプライヤの装填ユニットの部分斜視図であり、内管から分離されたコイルを示す。
【
図4】動力式外科手術タックアプライヤの遠位端の長手方向の断面図であり、外科手術メッシュを通って下にある組織に外科手術タックを植え込んでいることを示す。
【
図5】
図1の動力式外科手術タックアプライヤと共に使用するための外科手術メッシュの斜視図であり、複数の外科手術タックを使って下にある組織に外科手術メッシュを固定していることを示す。
【
図6】ハウジングの半分が取り除かれた状態の、
図1のハンドルアセンブリの側面図である。
【
図7】各部品が分離された状態の、
図1のハンドルアセンブリの分解組立斜視図である。
【
図8】
図1のハンドルアセンブリの部分側面図である。
【
図9】ハウジングの一部が取り除かれた状態の、
図1のハンドルアセンブリの部分側面図である。
【
図10】
図1のハンドルアセンブリの部分斜視図であり、作動アセンブリを示す。
【
図11】本開示の別の態様による、動力式外科手術タックアプライヤと共に使用するためのハンドルアセンブリの斜視図である。
【
図12】ハウジングの半分が取り除かれた状態の、
図11のハンドルアセンブリの斜視図である。
【
図14】本開示の別の態様による動力式外科手術タックアプライヤの斜視図である。
【
図15】ハウジングの一部が取り除かれた状態の、
図14の動力式外科手術タックアプライヤのハンドルアセンブリの部分斜視図である。
【
図16】各部品が分離された状態の、図
図14の動力式外科手術タックアプライヤの関節アセンブリの分解組立斜視図である。
【
図18】
図14の区分線18-18に沿って切り取られた、
図14のハンドルアセンブリの断面図である。
【
図19】
図14の区分線19-19に沿って切り取られた、
図14のハンドルアセンブリの断面図である。
【
図20】
図19のハンドルアセンブリの使用を示す、そのハンドルアセンブリの断面図である。
【
図21】分離されたパワーモジュールを伴う、
図14のハンドルアセンブリの斜視図である。
【
図22】分離されたパワーモジュールを伴う、
図14のハンドルアセンブリの断面図である。
【
図25】各部品が分離された状態の、
図21のパワーモジュールのギヤボックスの分解組立斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
開示された外科手術器具は、図面を参照して詳細に説明され、図中において、同様の参照数字は、いくつかの図の各々の同一または対応する要素を指定する。本明細書で使用される場合、「遠位」という用語は、従来と同じように、ユーザからより遠くにある器具、道具、装置、またはそれらの構成要素の当該部分を指し、これに対して、「近位」という用語は、ユーザにより近くにある器具、道具、装置、またはそれらの構成要素の当該部分を指す。以下の説明では、周知の機能または構造は、不要な詳細で本開示を曖昧にするのを避けるため、詳細には説明されない。
【0051】
図1~4を参照すると、外科手術メッシュ「M」および組織「T」を通して挿入するのに好適な外科手術タック10を適用するための外科手術タックアプライヤと共に使用するためのハンドルアセンブリが、ハンドルアセンブリ200として、一般的に示されている。この外科手術タックアプライヤは、一般に、ハンドルアセンブリ200、関節部分60を有する細長い部材50、および細長い部材50の遠位端に選択的に接続可能な装填ユニット30を備える。この装填ユニット30は、ハンドルアセンブリ200に電気機械的に結合され、複数の外科手術タック10を支持する。
【0052】
装填ユニット30は、管腔(図示せず)を画定する外管32、外管32内に固定して配設された螺旋またはコイル36、およびコイル36内に回転可能に配設された内管38を含む。この内管38は、それを通る管腔を画定し、第1の部分38a、および溝の付いた第2の部分38bを含む。内管38の第2の部分38bは、スロットが形成され、一対の角枝38b1、および一対のチャネル38b2を画定する。内管38の第2の部分38bは、内管38内の複数の外科手術タック10を支持するように構成される。特に、外科手術タック10は、装填ユニット30の中に装填され、その結果、外科手術タック10の対向するねじ切り部112aの一対は、内管38の第2の部分38bのそれぞれのチャネル38b2を通って延在し、かつコイル36の溝内にスライド可能に配設され、内管38の第2の部分38bの一対の角枝38b1は、外科手術タック10の一対のスロット付きセクション116a内に配設される。使用中、内管38がコイル36に対して、その長手方向軸「X-X」の周りを回転するため、内管38の一対の角枝38b1は、その回転を外科手術タック10に伝達し、外科手術タック10の頭ねじ114aがコイル36と係合するにつれて、外科手術タック10を遠位側に前進させる。
【0053】
特に
図2に関して、外科手術タックアプライヤは、ハンドルアセンブリ200内で支持される関節レバーアセンブリ300(
図6)に動作可能に結合された関節部分60を含む。関節部分60は、スライド可能な管、およびそのスライド可能な管に枢動可能に結合された関節アームを有する駆動アセンブリ(図示せず)を含むことができる。関節レバーアセンブリ300は、スライド可能な管に結合され、その結果、関節レバーアセンブリ300が作動したときに、スライド可能な管は、細長い部材50を通って変位される。スライド可能な管の長手方向の並進運動により、関節アームを移動させて、装填ユニット30が長手方向軸「X-X」に対して関節運動することを可能にする(
図3)。米国特許第7,867,252号および同第8,282,670号、ならびに米国特許出願公開第2016/0166255号を参照することができ、関節部分および装填ユニットを含む外科手術タックアプライヤの構造および動作に関するより詳細な考察については、それらの各々の全容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0054】
ここで、
図6を参照すると、ハンドルアセンブリ200は、ハウジング202、細長い部材50の関節部分60を関節運動させるように構成された関節レバーアセンブリ300(
図2)、細長い部材50の装填ユニット30から外へ外科手術タック10を放出するように構成された作動アセンブリ400、およびハウジング202に取り外し可能に取り付けられたバッテリーパック440を含む。ハウジング202は、操縦性、使い勝手、および直感性を提供する人間工学的構造を含み、その結果、ハウジング202は、臨床医、例えば、親指によって握られたときに、関節レバーアセンブリ300をスライドさせるように位置決めされ得、例えば、人差し指が、作動アセンブリ400の作動スイッチ404を起動させるように位置決めされ得る。作動アセンブリ400の作動により、装填ユニット30から外へ、メッシュ「M」を通って(
図4)身体組織「T」中に、外科手術タック10を放出する(
図4)。
【0055】
図6および7を参照すると、関節レバーアセンブリ300は、関節ロッド310、およびその関節ロッド310に動作可能に結合された関節レバー360を含む。関節ロッド310は、外科手術タックアプライヤの細長い部材50の関節部分60(
図2)に動作可能に結合される。関節ロッド310は、チャネル304(
図8)を通って関節ロッド310の軸方向の変位を可能にするように構成されたそのチャネルを画定する搭載プレート312によって、ハンドルアセンブリ200のハウジング202上にスライド可能に支持され、これにより、関節ロッド310の軸方向の位置に基づいて関節部分60の関節運動を生じさせる(
図2)。特に、関節ロッド310は、関節アセンブリ400の作動ロッド402を内部に受容するように寸法設計されたチャネル317(
図8)を画定する環状の構造体を有する。関節ロッド310は、関節レバー360に結合された関節駆動ピン316を受容するように寸法設計された横断ボア314をさらに画定する。
【0056】
続けて
図6および7を参照すると、関節レバー360は、ハウジング部分362、およびハウジング202の係合面204にスライド可能に係合する係合部分364を含む。この係合面204は、係合部分364が、例えば、円弧を描いて移動することを可能にする弓形プロファイルを有する。ハウジング部分362は、ハウジング202内に配設され、付勢部材368を間に受容するように共に嵌合される関節枢動アーム366a、366bを受容するように寸法設計される。各関節枢動アーム366a、366bは、第1のボア370a、370b、第2のボア372a、372b、およびスロット374a、374bを画定する。第1のボア370a、370bは、関節枢動アーム366a、366bをハウジング202に枢動可能に結合させる関節枢動ピン378(
図8)を受容するように寸法設計されている。第2のボア372a、372bは、関節ロッド310の横断ボア314を通って延在する関節駆動ピン316を受容するように寸法設計される。そのような構成の下で、関節枢動アーム366a、366bは、関節枢動ピン378の周りを枢動したときに、関節駆動ピン316は、関節ロッド310の軸方向の移動を生じさせる。関節駆動ピン316は、それを通って作動アセンブリ400の作動ロッド402を受容するように寸法設計された横断ボア380を画定する。関節枢動アーム366a、366bのスロット374a、374bは、関節枢動アーム366a、366bの間に介在された付勢部材368によって、関節枢動ピン378から離れるように付勢されたカムピン384をカム動作して受容するように寸法設計される。
【0057】
ここで、
図7および8を参照すると、関節レバー360のハウジング部分362は、嵌合された関節枢動アーム366a、366bを受容するように寸法設計される。このハウジング部分362は、関節枢動アーム366a、366bのスロット374a、374b内でカム動作してスライド可能であるカムピン384をカム動作して受容するように寸法設計されたスロット363を画定する。さらに、ハウジング部分362は、ハウジング202の戻り止め部分208に係合してハウジング202に対する関節レバー360の動きを抑制するように構成された歯367を含み、それによって、関節ロッド310の軸方向の位置をロックし、その歯は、次に外科手術タックアプライヤの関節部分60(
図2)の配向をロックする。そのような構成の下で、関節レバー360は、関節枢動ピン378から離れるように付勢され、その結果、ハウジング部分362の歯367は、戻り止め部分208と係合する。関節レバー360の係合部分364がハウジング202に向かって押し下げられると、歯367は、戻り止め部分208から離れるように移動され、臨床医がハウジング202の係合面204(
図6)上で係合部分364をスライド可能に移動させることを可能にし、それによって、外科手術タックアプライヤの関節部分60の関節運動を所望の配向に向けることができる。
【0058】
ここで、
図9を参照すると、関節レバーアセンブリ300は、カム動作してカムピン384と係合するように構成された第1、第2、および第3の部分350a、350b、350cを有するカムくさび350をさらに含み、そのカムピンは、関節枢動アーム366a、366bのスロット374a、374b、および関節レバー360のスロット363内でカム動作してスライド可能である。第1、第2、および第3の部分350a、350b、350cは、戻り止め部分208のそれぞれの戻り止め部分208a、208b、208cに対応する。このようにして、関節バックラッシュは、カムピン384がカムくさび350の第1、第2、および第3の部分350a、350b、350cに沿って乗っているため、低減される。
【0059】
図6および7の戻って参照すると、作動アセンブリ400は、外科手術タックアプライヤの装填ユニット30(
図2)に動作可能に結合された作動ロッド402と、モータ420と、外科手術タック10(
図4)を放出するためのモータ420を作動させるように構成された作動スイッチ404と、作動アセンブリ400を制御するためのマイクロプロセッサ(図示せず)を含むプリント回路基板430と、ハウジング202に取り外し可能に取り付けられ、かつモータ420およびプリント回路基板430に電気的に接続されたバッテリーパック440を含む。作動ロッド402の近位端が、一緒に付随して回転するモータ420の出力シャフトに動作可能に結合され、その結果、作動スイッチ404が臨床医によって起動されたときに、モータ420は、作動して軸方向の回転を作動ロッド402に伝える。作動ロッド402の遠位端が、一緒に付随して回転する、装填ユニット30の内管38(
図3)に動作可能に結合される。
【0060】
ここで、
図10を参照すると、作動アセンブリ400は、作動ロッド402、およびプリント回路基板430のプロセッサに動作可能に接続されたエンコーダアセンブリ410をさらに含む。エンコーダアセンブリ410は、適切な回転数が、例えばメッシュ「M」を通って組織「T」(
図4)に挿入するように行われることを確実にするように、例えば、モータ出力シャフトまたは作動ロッド402の回転の正確なカウントを保持するように構成された光学式モータエンコーダ405を含むことができる。さらに、エンコーダアセンブリ410は、装填ユニット30(
図2)に対して作動ロッド402の遠位端の正確なクロック制御を確実にするように構成された、例えば、単一のノッチ付きエンコーダホイール407をさらに含むことができる。エンコーダアセンブリ410は、各外科手術タック10の放出の状態を示すための発光ダイオード(「LED」)インジケータ409をさらに含むことができる。例えば、緑色光が、メッシュ「M」を通って組織「T」への、外科手術タック10の適切な適用を示すことができ、赤色光が、例えば、光学式モータエンコーダ405または単一のノッチ付きエンコーダホイール407からのエラー信号に起因する、外科手術タック10の不適切な適用を示すことができる。別の方法として、エンコーダアセンブリ410は、外科手術タック10の適切な適用のための可聴音を提供するための圧電素子411(
図6)をさらに含むことができる。
【0061】
図6を簡単に参照すると、ハンドルアセンブリ200は、ハウジング202にスライド可能に取り付けられた解放レバー450をさらに含むことができる。この解放レバー450は、装填ユニット30(
図2)に動作可能に結合され、その結果、解放レバー450を引っ張ると、装填ユニット30は、外科手術タックアプライヤの細長い部材50(
図2)から取り外される。
【0062】
使用中、装填ユニット30は、細長い部材50の遠位端に動作可能に搭載される。この装填ユニット30は、関節でつながれていない状態の間に、標的外科手術部位に導入される。臨床医は、遠隔で長手方向軸「X-X」に対して装填ユニット30を関節運動させて、外科手術部位にアクセスすることができる。具体的には、臨床医は、ハウジング202の係合面204に沿って、関節レバー360の係合部分364をスライドさせることができる。関節ロッド310が軸方向に変位すると、装填ユニット30は、中心の長手方向軸「X-X」に対して関節運動の配向に移動する。さらに、臨床医は、外科手術部位に隣接する外科手術メッシュ「M」を位置決めすることができる。外科手術メッシュ「M」が外科手術部位上に適切に位置決めされると、臨床医は、作動スイッチ404を起動して、メッシュ「M」を通して組織「T」の中に外科手術タック10を放出することができる。関節ロッド310は軸方向の変位のために構成されているが、関節ロッド1310が、ロータ1370によって回転可能に支持されることができ、その結果、
図11~13を参照して理解することができるように、関節ロッド1310が、装填ユニット30によって利用されてその関節に影響を及ぼし得る軸方向の回転を出力することがさらに想定される。関節アセンブリ400が、モータ420の出力シャフトの回転を作動ロッド1310に選択的に伝えるための伝達アセンブリをさらに含み得ることが、さらに想定される。
【0063】
図14~16は、本開示の別の態様による、組織「T」(
図4)および外科手術メッシュ「M」(
図5)を通る挿入に好適な外科手術タック10(
図3)を適用するための動力式外科手術タックアプライヤ3000を示す。上述した外科手術タックアプライヤのものと実質的に同様である動力式外科手術タックアプライヤ3000の構造的および機能的特徴は、簡潔さを目的のために説明されるのではなく、不必要な詳細によって本開示を曖昧にしないように説明されるであろう。この動力式外科手術タックアプライヤ3000は、使い捨て部分および再利用可能部分を含む。以下で考察されるように、再利用可能部分は、モータ5420(
図23)、バッテリー5440(
図23)、および電子機器を有するパワーモジュール5000(
図21)を含む。このような構成の下で、動力式外科手術タックアプライヤ3000は、滅菌でパワーモジュール5000を受容することができる。例えば、非滅菌のパワーモジュール5000が、動力式外科手術タックアプライヤ3000の封止されたコンパートメント内に受容されると、その非滅菌のパワーモジュール5000は、任意の潜在的な汚染を回避する封止された障壁内に収容される。再利用可能なパワーモジュール5000は、様々な外科手術装置の用途と互換性を有することができる。例えば、他の用途には、直線形組織ステープラ、円形ステープラ、および小径ステープラでの使用が含まれ得る。充電式のバッテリーは、使い捨ての代替品よりも大きい容量を有し、再利用可能なモータは、完全に使い捨ての設計で可能になり得る品質および効率よりも高い可能性がある。人間工学およびユーザ制御が、特定の用途に合わせて調整されてもよい。さらに、パワーモジュール5000は、シャフトおよび組織での最小限の動きでエンドエフェクタの安定した制御を可能にする。ただし、低コストの使い捨てパワーモジュールはまた、使い捨て装置のハンドルアセンブリに恒久的に一体化されてもよいと考えられる。
【0064】
図14は、動力式外科手術タックアプライヤ3000を示し、これには、ハンドルアセンブリ3200、関節部分3060を有する細長い部材3050、およびその細長い部材3050の遠位端に選択的に接続可能な装填ユニット30(
図3)が含まれる。装填ユニット30は、ハンドルアセンブリ3200に電気機械的に結合され、複数の外科手術タック10を支持する。装填ユニット30の内管38がコイル36に対してその長手方向軸「X-X」の周りを回転すると、内管38の一対の角枝38b
1は、その回転を外科手術タック10に伝達し、外科手術タック10の頭ねじ114aがコイル36と係合したときに、外科手術タック10を遠位側に前進させる。
【0065】
図14は、動力式外科手術タックアプライヤ3000をさらに示し、これには、ハンドルアセンブリ3200内に支持された関節レバーアセンブリ3300に動作可能に結合された関節部分3060が含まれる。上で考察されたように、関節部分3060は、スライド可能な管、およびそのスライド可能な管に枢動可能に結合された関節アームを有する駆動アセンブリを含むことができる。関節レバーアセンブリ3300は、スライド可能な管に結合され、その結果、関節レバーアセンブリ3300が作動したときに、スライド可能な管は、細長い部材3050を通って変位される。スライド可能な管の長手方向の並進運動は、関節アームを移動させて、装填ユニット30が細長い部材3050および装填ユニット30によって画定された平面内で関節運動することを可能にする。
【0066】
図15は、ハンドルアセンブリ3200を示し、これには、ハウジング3202と、細長い部材3050の関節部分3060(
図14)を関節運動するように構成された関節レバーアセンブリ3300と、装填ユニット30から外に外科手術タック10(
図3)を放出するように構成された作動アセンブリ3400と、ハウジング3202に取り外し可能に固定されたパワーモジュール5000が含まれる。ハウジング3202は、人間工学的な構造体を含み、その結果、ハウジング3202が臨床医によって握られると、例えば、親指が位置決めされて、関節レバーアセンブリ3300をスライドさせることができ、例えば、人指し指が位置決めされて、作動アセンブリ3400の作動スイッチ3404を起動させることができる。作動アセンブリ3400の作動により、装填ユニット30から、メッシュ「M」(
図5)を通って身体組織「T」(
図4)中に外科手術タック10を放出する。
【0067】
図15および16は、関節レバーアセンブリ3300を示し、これには、関節ロッド3310、およびその関節ロッド3310に動作可能に結合された関節レバー3360が含まれる。この関節ロッド3310は、動力式外科手術タックアプライヤ3000の細長い部材3050の関節部分3060に動作可能に結合される。この関節ロッド3310は、搭載プレート3312によって、ハンドルアセンブリ3200のハウジング3202内に支持された外管3319内でスライド可能である。関節ロッド3310の軸方向の変位が、関節ロッド3310の軸方向の位置に基づいて、関節部分3060の関節運動を生じさせる。特に、関節ロッド3310は、内部に関節アセンブリ3400の作動ロッド3402を受容するように寸法設計されたチャネルを画定する環状構造体を有する。関節ロッド3310は、関節レバー3360に結合された関節駆動ピン3316を受容するように寸法設計された横断ボア3314をさらに画定する。
【0068】
図16は、さらに、関節レバー3360を示し、これには、ハウジング部分3362、およびハウジング3202の係合面3204(
図15)にスライド可能に係合する係合部分3364が含まれる。この係合面3204は、係合部分3364が、例えば、円弧を描いて移動することを可能にする弓形プロファイルを有する。ハウジング部分3362は、ハウジング3202内に配設され、間に付勢部材368を受容するように互いに嵌合される関節枢動アーム3366a、3366bを受容するように寸法設計される。各関節枢動アーム3366a、3366bは、第1のボア3370a、3370b、第2のボア3372a、3372b、およびスロット3374a、3374bを画定する。第1のボア3370a、3370bは、関節枢動アーム3366a、3366bをハウジング3202に枢動可能に結合する関節枢動ピン3378を受容するように寸法設計される。第2のボア3372a、3372bは、関節ロッド3310の横断ボア3314を通って延在するそれぞれの関節駆動ピン3316を受容するように寸法設計される。そのような構成の下で、関節枢動アーム3366a、3366bは、関節枢動ピン3378の周りを枢動したとき、関節駆動ピン3316は、関節ロッド3310の軸方向の変位を生じさせる。作動アセンブリ3400の作動ロッド3402は、関節駆動ピン3316の間で延在する。関節枢動アーム3366a、3366bのスロット3374a、3374bは、関節枢動アーム3366a、3366bの間に介在された付勢部材3368によって、関節枢動ピン3378から離れるように付勢されたカムピン3384をカム動作して受容するように寸法設計される。
【0069】
関節レバー3360のハウジング部分3362は、嵌合した関節枢動アーム3366a、3366bを受容するように寸設計される。このハウジング部分3362は、関節枢動アーム3366a、3366bのスロット3374a、3374b内でカム動作してスライド可能であるカムピン3384をカム動作して受容するように寸法設計されたスロット3363を画定する。さらに、ハウジング部分3362は、ハウジング3202に対する関節レバー3360の動きを抑制し、それによって関節ロッド3310の軸方向の位置をロックするための、ハウジング3202の戻り止め部分3208(
図18)と係合するように構成された歯3367を含み、この歯は、次に動力式外科手術タックアプライヤ3000の関節部分3060(
図14)の配向をロックする。そのような構成の下で、関節レバー3360は、関節枢動ピン3378から離れるように付勢され、その結果、ハウジング部分3362の歯3367は、戻り止め部分3208と係合する。関節レバー3360の係合部分3364がハウジング3202に向かって押し下げられると、歯3367は、戻り止め部分3208から離れるように移動して、臨床医がハウジング3202の係合面3204上で係合部分3364をスライド可能に移動させることを可能にし、それによって、動力式外科手術タックアプライヤ3000の関節部分3060の関節運動を所望の配向に向けることができる。
【0070】
図17および18は、関節レバーアセンブリ3300を示し、これには、カム動作してカムピン3384と係合するように構成された第1、第2、および第3の部分3350a、3350b、3350cを有するカムくさび3350をさらに含み、そのカムピンは、関節枢動アーム3366a、3366bのスロット3374a、3374b、および関節レバー3360のスロット3363内でカム動作してスライド可能である。第1、第2、および第3の部分3350a、3350b、3350cは、戻り止め部分3208のそれぞれの戻り止め部分3208a、3208b、3208cに対応する。このようにして、関節バックラッシュは、カムピン3384がカムくさび3350の第1、第2、および第3の部分3350a、3350b、3350cに沿って乗るときに、低減される。
【0071】
図15および16は、作動アセンブリ3400を示し、これには、装填ユニット30(
図14)に動作可能に結合された作動ロッド3402と、パワーモジュール5000と、装填ユニット30から外科手術タック10を放出するための、パワーモジュール5000のモータ5420(
図23)を作動させるように構成された作動スイッチ3404と、作動アセンブリ3400を制御するためのマイクロプロセッサを含むプリント回路基板3126と、モータ3420およびプリント回路基板3126に電気的に接続されたパワーモジュール5000のバッテリーパック5440(
図23))と、を含む。以下で考察されるように、作動ロッド3402の近位端が、モータ5420の出力シャフト5421(
図25)に動作可能に結合され、その結果、作動スイッチ3404が臨床医によって起動されると、モータ5420は、作動して軸方向の回転を作動ロッド5402に伝える。作動ロッド3402の遠位端が、一緒に付随して回転する、装填ユニット30の内管38(
図3)に動作可能に結合される。
【0072】
作動アセンブリ3400は、作動ロッド3402、およびプリント回路基板3126のプロセッサに動作可能に結合されたエンコーダアセンブリ3410を含む。エンコーダアセンブリ3410は、例えば、モータ5420または作動ロッド3402の回転出力シャフト5421(
図25)の回転の正確なカウントを保持して、適切な回転数が外科手術タック10を例えば、組織「T」(
図4)およびメッシュ「M」(
図5)に挿入するように行われることを確実にするように構成された光学式モータエンコーダ3405を含むことができる。さらに、エンコーダアセンブリ3410は、例えば、装填ユニット30(
図14)に対して作動ロッド3402の遠位端の正確なクロック制御を確実にするように構成されたエンコーダホイール3407をさらに含むことができる。例えば、エンコーダホイール3407は、その上に磁石を含むことができ、エンコーダアセンブリ3410は、ホール効果センサを含むことができる。エンコーダホイール3407は、付随する回転のためのピン3413によって、作動ロッド3402に同心円状に結合され得る。以下で説明されるように、エンコーダホイール3407は、パワーモジュール5000に動作可能に係合するように構成された突起部3407a(
図17)をさらに含む。エンコーダアセンブリ3410は、各外科手術タック10の放出の状態を示すための発光ダイオード(「LED」)インジケータ3409をさらに含むことができる。例えば、緑色光が、メッシュ「M」を通って組織「T」への、外科手術タック10の適切な適用を示すことができ、赤色光が、例えば、光学式モータエンコーダ3405または単一のノッチ付きエンコーダホイール3407からのエラー信号に起因する、外科手術タック10の不適切な適用を示すことができる。あるいは、エンコーダアセンブリ3410は、外科手術タック10を適切に適用するための可聴音を提供するための圧電素子をさらに含むことができる。
【0073】
図21および22は、内部にパワーモジュール5000を取り外し可能に受容するように構成されたチャンバ3210を画定するハンドルアセンブリ3200を示す。チャンバ3210は、チャンバ3210を気密封止するためのシール材を提供する。パワーモジュール5000は、再利用可能とすることができ、例えば、動力式外科手術タックアプライヤ3000、直線形ステープラ、円形ステープラ、および小径血管ステープラなどの、異なるタイプの外科手術エンドエフェクタの様々な機能を動作させるように構成される。パワーモジュール5000は、パワーモジュールの同じモータに各々動作可能に結合された2つの出力を有する。それらの出力は、モータによって同時に回転するが、各々は、互いに異なる速度およびトルクで回転する。高速/低トルク出力が、高トルク/低速出力内で同心円状に配設することができる。パワーモジュールが受容され、かつ動作可能に係合される外科手術器具に応じて、パワーモジュールの高速/低トルク出力か、または高トルク/低速出力のどちらかが、選択された外科手術器具の対応する被駆動構成要素(例えば、ロッド、ねじ、ラック、ギヤなど)に選択的に係合する。したがって、同じパワーモジュールは、外科手術器具の各々が個別のパワーおよび速度要件を有するにもかかわらず、様々な外科手術器具において使用することができる。
【0074】
ハンドルアセンブリ3200は、使い捨て可能で、かつ滅菌したハウジング3202を含む。ドア3216が、ハウジング3202に枢動可能に結合される。このドア3216は、選択的に開閉されて、非滅菌または滅菌したパワーモジュール5000の配置または取り外しを可能にする。
図23は、パワーモジュール5000を示し、これには、滅菌した外殻5128(透視して示す)、およびその外殻5128に取り外し可能に受容される再利用可能なパワーアセンブリ5130が含まれる。外殻5128は、外殻5128の開放近位端に受容されるカバー5132、およびカバー5132の取り外しを容易にする、ばね式引き手5134を有する。
【0075】
図23は、パワーアセンブリ5130を示し、これには、例えば、電気駆動モータなどのモータ5420が含まれ、このモータは、プリント回路基板5136およびバッテリー5440に電気的に接続されるか、または無線で接続される。態様では、バッテリー5440は、ブースト回路を含んでもよく、充電式(例えば、無線による)であってもよい。バッテリー5440は、ハンドルアセンブリ3200のカードエッジヘッダ3142(
図20)の着脱可能な受容を構成したカードエッジコネクタ5140を有し、このコネクタは、作動スイッチ3404とバッテリー5440との間の通信を可能にする。プリント回路基板5136は、バッテリー5440の充電がUSB充電器を使って、または無線で(例えば、電磁誘導を介して)再充電することが可能であるUSB充電コネクタを含むことができる。態様では、プリント回路基板5136は、モータコントローラまたはプロセッサを有することができる。再利用可能なパワーモジュール5000を提供することによって、バッテリー5440は、必要な電圧を提供するためのブースト回路を有する充電式の単一電池であってもよい。充電式バッテリーは、使い捨ての代替品よりも大きい容量を有する。さらに、モータ5420は、完全に使い捨ての設計で可能になり得るものよりも高品質かつ高効率であり得る。
【0076】
図24および25は、例えば、遊星ギヤボックスなどのギヤボックス6146をさらに含むパワーモジュール5000を示し、そのギヤボックスは、モータ5420、ならびに第1および第2の出力6148、6150に動作可能に結合され、またギヤボックス6146によって画定された長手方向軸の周りを回転するように構成される。ギヤボックス6146は、モータ5420から、高トルクおよび低速度で第1の出力6148の回転出力、ならびに高速および低トルクで第2の出力6150の回転出力に動力を伝達するように構成される。第1および第2の出力6148、6150の回転を利用して、外科手術器具のエンドエフェクタの動作を実行することができる。特に、第2の出力6150の高速/低トルク回転を利用して、作動ロッド3402の回転を生じさせる。
【0077】
図25は、主太陽ギヤ6154が出力シャフト5421と付随して回転するように、主太陽ギヤ154を固定した出力シャフト5421を有するモータ5420を示す。ギヤボックス6146は、複数の遊星ギヤアセンブリ6156、6158、6160、6162、およびその複数の遊星ギヤアセンブリ6156、6158、6160、6162に動作可能に係合する細長いリングギヤ6164を含む。
【0078】
第1の遊星ギヤアセンブリ6156は、主太陽ギヤ6154に動作可能に結合され、その結果、第1の遊星ギヤアセンブリ6156は、主太陽ギヤ6154の回転に応答して、モータ5420の出力シャフト5421の長手方向軸の周りを回転する。第1の遊星ギヤアセンブリ6156は、出力回転速度を減少させながら、モータ5420のトルク出力を増大させる。第1の遊星ギヤアセンブリ6156は、第1のキャリア6168、第1の太陽ギヤ6166、および複数の遊星ギヤ6156a、6156b、6156cを含む。第1のキャリア6168は、それに固定され、その近位側から近位方向に延在する複数(例えば、3つ)のピン6156d、6156e、6156fを有する。第1の太陽ギヤ6166は、第1のキャリア6168の遠位側に回転可能に固定され、出力シャフト5421の長手方向軸の中心に整列される。遊星ギヤ6156a、6156b、6156cは、第1のキャリア6168のそれぞれのピン6156d、6156e、6156fに回転可能に結合される。遊星ギヤ6156a、6156b、6156cは、主太陽ギヤ6154と噛み合いながら係合して、主太陽ギヤ6154の回転に応答して回転する。以下に説明するように、細長いリングギヤ6164は、外殻5128に対して回転可能に固定され(
図20)、その結果、第1の遊星ギヤアセンブリ6156は、主太陽ギヤ6154の回転に応答して、モータ5420の出力シャフト5421の長手方向軸の周りをユニットとして回転する。
【0079】
第2の遊星ギヤアセンブリ6158は、第2のキャリア6170、第2の太陽ギヤ6172、および複数の遊星ギヤ6158a、6158b、6158cを含む。第2の遊星ギヤアセンブリ6158は、第1の遊星ギヤアセンブリ6156と比較してトルク出力を増大させ、回転速度出力を減少させる。第2のキャリア6170は、それに固定され、その近位側から近位方向に延在する複数(例えば、3つ)のピン6158d、6158e、6158fを有する。第2の太陽ギヤ6172は、第2のキャリア6170の遠位側に回転可能に固定され、モータ5420の出力シャフト5421の長手方向軸の中心に整列される。第2の遊星ギヤアセンブリ6158の遊星ギヤ6158a、6158b、6158cは、第2のキャリア6170のそれぞれのピン6158d、6158e、6158fに回転可能に結合される。遊星ギヤ6158a、6158b、6158cは、第1の遊星ギヤアセンブリ6156の第1の太陽ギヤ6166、および固定された細長いリングギヤ6164に噛み合い係合され、その結果、第2の遊星ギヤアセンブリ6158は、第1の遊星ギヤアセンブリ6156の回転に応答して回転する。
【0080】
第3の遊星ギヤアセンブリ6160は、第3のキャリア6174、第3の太陽ギヤ6176、および複数の遊星ギヤ6160a、6160b、6160cを含む。第3の遊星ギヤアセンブリ6160は、第2の遊星ギヤアセンブリ6158と比較してトルク出力を増大させ、回転速度出力を減少させる。第3のキャリア6174は、それに固定され、その近位側から近位方向に延在する複数(例えば、3つ)のピン6160d、6160e、6160fを有する。第3の太陽ギヤ6176は、第3のキャリア6174の遠位側に回転可能に固定され、モータ5420の出力シャフト5421の長手方向軸の中心に整列される。第3の遊星ギヤアセンブリ6160の遊星ギヤ6160a、6160b、6160cは、第3のキャリア6174のそれぞれのピン6160d、6160e、6160fに回転可能に結合されている。第3の遊星ギヤアセンブリ6160の遊星ギヤ6160a、6160b、6160cは、第2の遊星ギヤアセンブリ6158の第2の太陽ギヤ6172、および細長いリングギヤ6164に噛み合いながら係合し、その結果、第3の遊星ギヤアセンブリ6160は、第2の遊星ギヤアセンブリ6158の回転に応答して、ユニットとして回転する。
【0081】
第4の遊星ギヤアセンブリ6162は、第4のキャリア6178および複数の遊星ギヤ6162a、6162b、6162cを含む。第4の遊星ギヤアセンブリ6162は、第3の遊星ギヤアセンブリ6160と比較してトルク出力を増大させ、回転速度出力を減少させる。第4のキャリア6178は、第1の出力6148の近位端に接続され、一緒にモノリシックに形成され、ないしは回転不能に結合されており、それに固定され、かつその近位側から近位方向に延在する複数(例えば、3つ)のピン6162d、6162e、6162fを有する。第4の遊星ギヤアセンブリ6162の遊星ギヤ6162a、6162b、6162cは、第4のキャリア6178のそれぞれのピン6162d、6162e、6162fに回転可能に結合される。第4の遊星ギヤアセンブリ6162の遊星ギヤ6162a、6162b、6162cは、第3の遊星ギヤアセンブリ6160の第3の太陽ギヤ6176、および細長いリングギヤ6164に噛み合いながら係合し、その結果、第4の遊星ギヤアセンブリ6162および第1の出力6148は、第3の遊星ギヤアセンブリ6160の回転に応答して、一緒に回転する。ギヤボックス6146は、多かれ少なかれ、4つの遊星ギヤアセンブリおよび/または他のタイプのギヤを含み得ることが想定される。
【0082】
第1の出力6148は、比較的高トルク(例えば、約625オンスインチ)および比較的低速度(例えば、24rpm)を生成するように構成され、細長いリングギヤ6164の遠位端部分に受容される円筒形本体6148a、および例えば、円筒形本体6148aの遠位端部分と共に形成されるピニオンギヤなどのギヤ6148bを含む。第1の出力6148のピニオンギヤ6148bは、例えば、外科手術エンドエフェクタ20などの第1のタイプの外科手術エンドエフェクタの被駆動部材に選択的に動作可能に結合されるように構成される。ハンドルアセンブリが、ハンドルアセンブリ3200内にパワーモジュール5000を受容する際に、ピニオンギヤ6148bに選択的に係合するように構成された対応する被駆動構成要素(例えば、ギヤ、ラックなど)を有し得ることが想定される。
【0083】
パワーモジュール5000は、第2の遊星ギヤアセンブリ6158に回転不能に結合された近位端部分6180aを有する駆動シャフト6180をさらに含み、その結果、駆動シャフト6180は、第2の遊星ギヤアセンブリ6158と共に回転するように構成される。特に、駆動シャフト6180の近位端部分6180aは、第2の遊星ギヤアセンブリ6158の第2の太陽ギヤ6172内に受容され、かつ回転可能に固定される。駆動シャフト6180は、内部で自由に回転可能でありながら、第3および第4の遊星ギヤアセンブリ6160、6162を通って長手方向に延在する遠位端部分6180bを有する。駆動シャフト6180の遠位端部分6180bは、例えば、三葉形状などの非円形の断面形状を有してもよい。
【0084】
第2の出力6150は、駆動シャフト6180の遠位端部分6180bに取り付けられ、駆動シャフト6180の長手方向軸の周りを駆動シャフト6180と共に回転するように構成される。第2の出力6150は、比較的低トルク(例えば、25オンスインチ)および比較的高速(例えば、600rpm)を生成するように構成され、最初の出力6148とは異なるタイプの外科手術エンドエフェクタの対応する被駆動要素に動作可能に結合されているソケット6151を含む。動力式外科手術タックアプライヤ3000は、例えば、直線形ステープラなどの他の外科手術器具よりも小さいトルクを必要とするが、より速い作動速度を必要とする。パワーモジュール5000がハンドルアセンブリ3200のチャンバ3210に挿入されると、第2の出力6150のソケット6151は、被駆動要素、すなわち、エンコーダホイール3407の突起3407a(
図16)に係合して、作動ロッド3402(
図16)に回転を与える。ハンドルアセンブリ、または外科手術器具の他の構成要素は、ハンドルハウジング内にパワーモジュール5000を受容する際に、ソケット6151に選択的に係合するように構成された対応する被駆動構成要素(例えば、ロッド)を有することが想定される。
【0085】
第2の出力6150は、第1の出力6148内に同心円状に配設され、同じモータ、すなわちモータ5420の作動に応答して、第1の出力6148と同時に回転するように構成される。しかしながら、上述したように、第1および第2の出力6148、6150は、互いに異なる速度で、かつ異なるトルクで回転する。第2の出力6150は、第1の出力6148の円筒形本体6148aに画定された細長い空洞6182内に受容される。付勢部材6184が、空洞6182内に配設され、第2の出力6150と、第1の出力6148の円筒形本体6148aの内面との間に捕捉される。この付勢部材6184は、第2の出力6150が第1の出力6148内に同心状にある位置に第2の出力6150を遠位側に付勢するように構成される。
【0086】
ギヤボックス6146の細長いリングギヤ6164は、遊星ギヤアセンブリ6156、6158、6160、6162の各々をカプセル化し、滅菌した外殻5128(
図23)およびモータ5420に対して回転可能に固定される。細長いリングギヤ6164は、遊星ギヤアセンブリ6156、6158、6160、6162の各々の遊星ギヤと噛み合いながら係合している複数の長手方向に延在する歯6186を画定する環状の内面を有する。第1の軸受6188が、細長いリングギヤ6164内に第1の出力6148を捕捉するように提供することができ、第2の軸受6190が、第1の出力6148内に第2の出力6150を捕捉するように提供することができる。
【0087】
使用中、装填ユニット30は、細長い部材3050の遠位端に動作可能に搭載される。パワーモジュール5000は、ハンドルハウジング3200に挿入され、それによって、エンコーダホイール3407の突起3407a(
図16)は、第2の出力6050のソケット6151(
図25)に係合する。ハンドルハウジング3200内に配設されたパワーモジュール5000の場合、ドア3216は、閉められ、それによって、チャンバ3210内にパワーモジュール5000を封止する。さらに、ハンドルアセンブリ3200のプリント回路基板3126のカードエッジヘッダ3142(
図16)は、パワーモジュール5000のカードエッジコネクタ5140(
図24)に接続される。この装填ユニット30は、関節でつながれていない状態の間に、標的外科手術部位に導入される。臨床医は、遠隔で装填ユニット30を関節運動させて外科手術部位にアクセスすることができる。具体的には、臨床医は、ハウジング3202の係合面3204に沿って関節レバー3360の係合部分3364(
図16)をスライドさせることができる。関節ロッド3310が軸方向に変位すると、装填ユニット30は、中心の長手方向軸「X-X」に対して関節運動の配向に移動する。さらに、臨床医は、外科手術部位に隣接する外科手術メッシュ「M」を位置決めすることができる。外科手術メッシュ「M」が外科手術部位上に適切に位置決めされると、臨床医は、作動スイッチ3404を起動して、メッシュ「M」を通して組織「T」の中に外科手術タック10を放出することができる。外科手術タック10を配備するために、作動スイッチ3404をトグルすることができ、それによって、パワーモジュール5000のバッテリー5440は、電力をモータ5420に供給し、そのモータは、次に、第1および第2の遊星ギヤアセンブリ6156、6158の回転を駆動する。駆動シャフト6180は、第2の遊星ギヤアセンブリ6158の第2の太陽ギヤ6172に固定されているため、駆動シャフト6180は、第2の遊星ギヤアセンブリ6158の回転と共に回転する。第2の出力6150は、駆動シャフト6180の遠位端部分6180bに回転不能に取り付けられており、駆動シャフト6180と共に回転して、低トルクおよび高速で外科手術タック10を組織中に配備する。
【0088】
様々な構成が図面に示されているが、本開示は、それらに限定されることは、意図されておらず、本開示は、当技術分野が許容できる限りの広い範囲にわたるべきであること、および本明細書も、同様に読み取られるべきであることが意図される。態様では、ハウジング3202の近位端部分、または任意の好適な位置が、ディスプレイ(例えば、LCD、図示せず)を閲覧することができる透明な窓を有してもよい。さらに、第1および第2の駆動出力6148、6150は、特定の外科手術器具の2つの別個の被駆動要素に同時に結合されて、外科手術器具の別々の機能を実行することができる。本明細書に開示されたギヤのいずれも、傘型ギヤ、平型ギヤ、ねじれギヤ、ウォームギヤなどの任意の好適なギヤとして構成されてもよい。第1の出力6148は、例えば、関節部分3060の関節運動などの高トルク、低速出力の要件のために利用されてもよいこともまた、想定される。したがって、上記の説明は、限定的なものとしてではなく、単に例示として解釈されるべきである。当業者は本明細書に添付されている特許請求の範囲の範囲および趣旨内での他の修正を想定するであろう。