(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-19
(45)【発行日】2024-11-27
(54)【発明の名称】レンジフード
(51)【国際特許分類】
F24F 7/06 20060101AFI20241120BHJP
【FI】
F24F7/06 101B
(21)【出願番号】P 2020208299
(22)【出願日】2020-12-16
【審査請求日】2023-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】301071893
【氏名又は名称】株式会社ハーマン
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平野 健太
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-011894(JP,A)
【文献】特開平11-330718(JP,A)
【文献】特開平11-344018(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンジフードであって、
上面及び前面を有するフードと、
前記上面上に配置されている本体ハウジングと、
支持板を有する支持枠と、
前板を有する幕板と、
頭部及び軸部を有するネジとを備え、
前記上面の法線方向及び前記前面の法線方向は、それぞれ、第1方向及び前記第1方向に直交している第2方向に沿っており、
前記支持枠は、前記第2方向において前記本体ハウジングよりも前記前面の近くに配置されており、
前記支持板は、第1面と、前記第2方向における前記第1面の反対面である第2面とを含み、
前記支持板には、前記支持板を前記第1面から前記第2面に向かう方向に沿って貫通しているネジ穴が形成されており、
前記前板は、前記第2面に対向している第3面と、前記第2方向における前記第3面の反対面である第4面とを含み、
前記前板には、前記第3面から前記第4面に向かう方向に沿って前記前板を貫通しており、かつ前記第2方向に沿って見た際に前記ネジ穴と重なる位置にある貫通穴が形成されており、
前記ネジは、前記軸部が前記貫通穴に挿入されるとともに前記ネジ穴に螺合されることにより、前記頭部と前記支持板との間に前記前板を挟み込んでおり、
前記頭部が前記支持板から離れるように前記ネジを回転させることに伴って、前記第2面と前記第3面との間の間隔が拡がるように構成されて
おり、
前記ネジ穴は、前記支持板の下端部に配置されており、
前記支持板の上端部に位置する前記第1面には、第1係止爪が形成されており、
前記第3面には、前記第1係止爪に係止されている第2係止爪が形成されており、
前記第2面と前記第3面との間に配置されている弾性部材をさらに備え、
前記弾性部材は、前記第2面から前記第3面に向かう方向に沿って前記前板を付勢している、レンジフード。
【請求項2】
レンジフードであって、
上面及び前面を有するフードと、
前記上面上に配置されている本体ハウジングと、
支持板を有する支持枠と、
前板を有する幕板と、
頭部及び軸部を有するネジとを備え、
前記上面の法線方向及び前記前面の法線方向は、それぞれ、第1方向及び前記第1方向に直交している第2方向に沿っており、
前記支持枠は、前記第2方向において前記本体ハウジングよりも前記前面の近くに配置されており、
前記支持板は、第1面と、前記第2方向における前記第1面の反対面である第2面とを含み、
前記支持板には、前記支持板を前記第1面から前記第2面に向かう方向に沿って貫通しているネジ穴が形成されており、
前記前板は、前記第2面に対向している第3面と、前記第2方向における前記第3面の反対面である第4面とを含み、
前記前板には、前記第3面から前記第4面に向かう方向に沿って前記前板を貫通しており、かつ前記第2方向に沿って見た際に前記ネジ穴と重なる位置にある貫通穴が形成されており、
前記ネジは、前記軸部が前記貫通穴に挿入されるとともに前記ネジ穴に螺合されることにより、前記頭部と前記支持板との間に前記前板を挟み込んでおり、
前記頭部が前記支持板から離れるように前記ネジを回転させることに伴って、前記第2面と前記第3面との間の間隔が拡がるように構成されており、
前記ネジ穴は、前記支持板の下端部に配置されており、
前記支持板の上端部に位置する前記第1面には、第1係止爪が形成されており、
前記第3面には、前記第1係止爪に係止されている第2係止爪が形成されており、
前記第2面と前記第3面との間において前記軸部に取り付けられている固定部材をさらに備え、
前記固定部材は、前記頭部との間の距離が一定になっている
、レンジフード。
【請求項3】
前記固定部材は、Eリング又はワッシャである、請求項
2に記載のレンジフード。
【請求項4】
前記ネジ穴の周囲にある前記第2面及び前記貫通穴の周囲にある前記第3面のいずれか一方には、凹部が形成されており、
前記固定部材は、前記凹部内に配置されている、請求項
2又は請求項3に記載のレンジフード。
【請求項5】
前記幕板は、前記前板に連なる第1側板及び第2側板をさらに有し、
前記第1側板及び前記第2側板は、前記第1方向及び前記第2方向に直交している第3方向において互いに対向しており、
前記第1側板及び前記第2側板の少なくとも一方には、前記前板とは反対側の端に、前記前板側に向かって延在している切り欠きが形成されている、請求項1~請求項
4のいずれか1項に記載のレンジフード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンジフードに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2017-9137号公報)には、レンジフードが記載されている。特許文献1に記載のレンジフードは、フードと、本体ハウジングと、支持枠と、幕板と、ネジとを有している。フードは、上面と、前面とを有している。本体ハウジングは、上面上に配置されている。支持枠は、上面の法線方向に沿って延在している。支持枠は、幕板と対向配置されている支持板を有している。支持枠は、本体ハウジングよりも前面の近くに配置されている。支持板には、ネジ穴が形成されている。幕板には、貫通穴が形成されている。ネジの軸部が貫通穴に通されるとともにネジ穴に螺合されることにより、ネジの頭部と支持板との間に幕板が挟み込まれ、幕板が支持枠に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のレンジフードは、2つの吊り戸棚の間にあるスペースに設置されることがある。この際、幕板と吊り戸棚の前面とが面一になることがある。この場合、ネジを取り外したとしても、幕板を取り外すために指を差し入れるスペースがないため、幕板の取り外しが困難である。
【0005】
本発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものである。より具体的には、本発明は、幕板を容易に取り外すことが可能なレンジフードを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のレンジフードは、上面及び前面を有するフードと、上面上に配置されている本体ハウジングと、支持板を有する支持枠と、前板を有する幕板と、頭部及び軸部を有するネジとを備えている。上面の法線方向及び前面の法線方向は、それぞれ、第1方向及び第1方向に直交している第2方向に沿っている。支持枠は、第2方向において本体ハウジングよりも前面の近くに配置されている。支持板は、第1面と、第2方向における第1面の反対面である第2面とを含んでいる。支持板には、支持板を第1面から第2面に向かう方向に沿って貫通しているネジ穴が形成されている。前板は、第2面に対向している第3面と、第2方向における第3面の反対面である第4面とを含む。前板には、第3面から第4面に向かう方向に沿って前板を貫通しており、かつ第2方向に沿って見た際にネジ穴と重なる位置にある貫通穴が形成されている。ネジは、軸部が貫通穴に挿入されるとともにネジ穴に螺合されることにより、頭部と支持板との間に前板を挟み込んでいる。レンジフードは、頭部が支持板から離れるようにネジを回転させることに伴って、第2面と第3面との間の間隔が拡がるように構成されている。
【0007】
上記のレンジフードは、第2面と第3面との間に配置されている弾性部材をさらに備えていてもよい。弾性部材は、第2面から第3面に向かう方向に沿って前板を付勢していてもよい。
【0008】
上記のレンジフードは、第2面と第3面との間において軸部に取り付けられている固定部材をさらに備えていてもよい。固定部材は、前記頭部との間の距離が一定になっていてもよい。上記のレンジフードでは、固定部材が、Eリング又はワッシャであってもよい。
【0009】
上記のレンジフードでは、ネジ穴の周囲にある第2面及び貫通穴の周囲にある第3面のいずれか一方には、凹部が形成されていてもよい。固定部材は、凹部内に配置されていてもよい。
【0010】
上記のレンジフードでは、幕板が、前板に連なる第1側板及び第2側板をさらに有していてもよい。第1側板及び第2側板は、第1方向及び第2方向に直交している第3方向において互いに対向していてもよい。第1側板及び第2側板の少なくとも一方には、前板とは反対側の端に、前板側に向かって延在している切り欠きが形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明のレンジフードによると、幕板を容易に取り外すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図6】レンジフード100における幕板40の斜視図である。
【
図7】レンジフード100の設置状態を示す模式図である。
【
図8】ネジ50の頭部が支持板31から離れるようにネジ50を回転させた状態におけるレンジフード100の側面図である。
【
図9】変形例に係るレンジフード100の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態の詳細を、図面を参照しながら説明する。以下においては、同一又は相当する部分に同一の参照符号を付し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0014】
(第1実施形態)
第1実施形態に係るレンジフード(以下「レンジフード100」とする)を説明する。
【0015】
<レンジフード100の構成>
図1は、レンジフード100の斜視図である。
図2は、レンジフード100の分解斜視図である。
図3は、レンジフード100の正面図である。
図4は、
図3中のIV-IVにおける断面図である。
図5は、
図3中のV-Vにおける断面図である。
図6は、レンジフード100における幕板40の斜視図である。
図1~
図6に示されるように、レンジフード100は、フード10と、本体ハウジング20と、支持枠30a及び支持枠30bと、幕板40と、ネジ50と、固定部材60とを有している。
【0016】
フード10は、上面10aと、下面10bとを有している。上面10aは、レンジフード100がキッチンの壁面に取り付けられた状態において上方を向いている面である。下面10bは、上面10aの反対面である。すなわち、下面10bは、レンジフード100がキッチンの壁面に取り付けられた状態においてガスコンロ等の加熱調理器具側を向いている面である。以下においては、上面10aの法線方向を、第1方向DR1とする。
【0017】
フード10は、前面10cを有している。前面10cは、上面10a及び下面10bに連なっている。前面10cは、レンジフード100がキッチン壁面に取り付けられた状態においてレンジフード100の使用者側を向いている面である。以下においては、前面10cの法線方向を、第2方向DR2とする。第2方向DR2は、第1方向DR1に直交する方向である。また、以下においては、第1方向DR1及び第2方向DR2に直交する方向を、第3方向DR3とする。
【0018】
下面10bには、凹部10dが形成されている。下面10bは、凹部10dにおいて上面10a側に窪んでいる。凹部10dの底面には、貫通穴10eが形成されている。貫通穴10eは、フード10の厚さ方向(第1方向DR1)に沿って、フード10を貫通している。
【0019】
フード10の下面10b側には、整流板11が取り付けられている。整流板11は、第1方向DR1に沿って下面10b側からフード10を見た際に、凹部10dの内側に位置している。整流板11は、凹部10dの底面との間に間隔を空けて配置されている。これにより、整流板11と下面10bとの間には、流路12が形成されている。
【0020】
凹部10dの底面には、化粧板13が取り付けられている。貫通穴10eは、化粧板13により閉塞されている。化粧板13には、貫通穴13aが形成されている。貫通穴13aは、化粧板13の厚さ方向(第1方向DR1)に沿って、化粧板13を貫通している。
【0021】
貫通穴13aの周囲にある化粧板13の部分には、オイルトレー14が取り付けられている。オイルトレー14は、貫通穴14aと、油溜まり14bとを有している。貫通穴14aは、オイルトレー14の厚さ方向(第1方向DR1)に沿ってオイルトレー14を貫通している。オイルトレー14は、第1方向DR1に沿ってフード10を下面10b側から見た際に、貫通穴14aが貫通穴13aに重なるように配置されている。油溜まり14bは、貫通穴14aの周囲において環状に延在している溝である。
【0022】
本体ハウジング20は、上面10a上に配置されている。本体ハウジング20は、箱形の形状を有している。本体ハウジング20の下面側は、開口されている。
【0023】
本体ハウジング20の内部には、ファンケース21が配置されている。ファンケース21の下面側には、吸込口21aが形成されている。ファンケース21の内部は、吸込口21a及び貫通穴14aにより、流路12に連通されている。吸込口21aの縁は、油溜まり14bと重なる位置にある。
【0024】
ファンケース21の内部には、モータ22と、ファン23とが配置されている。モータ22は、モータ本体22aと、回転軸22bとを有している。モータ本体22aは、回転軸22bを中心軸回りに回転させる。ファン23は、例えば、シロッコファンである。ファン23は、取り付けアダプタ24により、回転軸22bに取り付けられている。
【0025】
モータ22がファン23を回転させることにより、油煙が、流路12及び貫通穴14aを通ってファンケース21の内部に吸い込まれる。油煙中の油は、ファンケース21の内部においてファン23の回転に伴う遠心力により分離され、ファンケース21の内壁面に付着する。この油は、ファンケース21の内壁面に沿って吸込口21aに向かって流れ、吸込口21aの縁から油溜まり14bへと滴下される。
【0026】
支持枠30a及び支持枠30bは、上面10a上に配置されている。支持枠30a及び支持枠30bは、上面10aから第1方向DR1に沿って延在している。支持枠30a及び支持枠30bは、第2方向DR2において、本体ハウジング20よりも前面10cの近くに配置されている。支持枠30a及び支持枠30bは、第3方向DR3において、間隔を空けて対向している。支持枠30a及び支持枠30bの上端(上面10aとは反対側の端)は、第1方向DR1において、本体ハウジング20の上面よりも上面10aから離れた位置にある。
【0027】
支持枠30a及び支持枠30bは、支持板31を有している。支持板31は、第1面31aと、第2面31bとを有している。第1面31a及び第2面31bの法線方向は、第2方向DR2に沿っている。第2面31bは、幕板40の前板41に対向している面である。第2面31bは、第1面31aの反対面である。
【0028】
支持板31には、ネジ穴31cが形成されている。ネジ穴31cは、支持板31の厚さ方向(第2方向DR2)に沿って、支持板31を貫通している。ネジ穴31cは、支持板31の下端(上面10a側の端)側に配置されている。第2面31bには、凹部31dが形成されている。凹部31dにおいて、第2面31bは、第1面31a側に向かって窪んでいる。凹部31dは、ネジ穴31cの周囲に配置されている。
【0029】
支持板31には、スリット31eが形成されている。スリット31eは、支持板31の厚さ方向(第2方向DR2)に沿って、支持板31を貫通している。スリット31eは、第3方向DR3に沿って延在している。スリット31eは、支持板31の上端(上面10aとは反対側の端)側に配置されている。
【0030】
第1面31aには、係止爪31fが形成されている。係止爪31fは、支持板31の上端側のスリット31eの隣に配置されている。係止爪31fは、例えば、第1部分と、第2部分とを有している。第1部分は、第1面31aから第2方向DR2に沿って延在している。第2部分は、第1部分の先端から第1方向DR1に沿って上方に延在している。
【0031】
幕板40は、前板41を有している。前板41は、第3面41aと、第4面41bとを有している。第3面41aの法線方向及び第4面41bの法線方向は、第2方向DR2に沿っている。第3面41aは、第2面31bに対向している。第4面41bは、第3面41aの反対面である。
【0032】
幕板40は、第1側板42と、第2側板43とを有している。第1側板42及び第2側板43は、第3方向DR3において間隔を空けて互いに対向している。第1側板42及び第2側板43は、それぞれ、前板41の第3方向DR3における両端から、第4面41bから第3面41aに向かう方向に沿って折れ曲がっている。
【0033】
前板41には、貫通穴41cが形成されている。貫通穴41cは、前板41の厚さ方向(第2方向DR2)側に沿って前板41を貫通している。貫通穴41cは、前板41の下端(上面10a側の端)側に配置されている。より具体的には、貫通穴41cは、第2方向DR2に沿って見た際に、ネジ穴31cに重なる位置に形成されている。
【0034】
第3面41aには、係止爪41dが形成されている。係止爪41dは、第3面41aの上端(上面10aとは反対側の端)側に配置されている。係止爪41dは、例えば、第1部分と、第2部分とを有している。第1部分は、第3面41aから第2方向DR2に沿って延在している。第2部分は、第1部分の先端から第1方向DR1に沿って上方に延在している。係止爪41dは、スリット31eに挿入されているとともに、係止爪31fに係止されている。より具体的には、係止爪41dの第1部分がスリット31eに通された状態で、係止爪41dの第2部分が係止爪31fの第2部分に接触される。
【0035】
第1側板42には、切り欠き42aが形成されている。切り欠き42aは、第1側板42の前板41とは反対側の端に形成されている。切り欠き42aは、前板41側に向かって延在している。切り欠き42aは、第1側板42の下端(上面10a側の端)側に配置されている。
【0036】
第2側板43には、切り欠き43aが形成されている。切り欠き43aは、第2側板43の前板41とは反対側の端に形成されている。切り欠き43aは、前板41側に向かって延在している。切り欠き43aは、第2側板43の下端(上面10a側の端)側に配置されている。但し、切り欠き42a及び切り欠き43aは、いずれか一方のみが形成されていてもよい。
【0037】
ネジ50の軸部は、貫通穴41cに通されている。また、ネジ50の軸部は、ネジ穴31cに螺合されている。その結果、前板41は、ネジ50の頭部と支持板31とに挟み込まれることにより、支持枠30a及び支持枠30bに取り付けられている。ネジ50は、頭部を指でつまむことにより回転可能なネジであることが好ましい。ネジ50は、例えばユリアネジである。但し、ネジ50は、ドライバ等の工具を用いて回転させるネジであってもよい。
【0038】
固定部材60は、ネジ50の軸部に取り付けられている。固定部材60とネジ50の頭部との間の距離は、一定である。このことを別の観点から言えば、固定部材60は、ネジ50との相対的な位置関係が固定されている。固定部材60は、例えば、板状である。固定部材60は、第2面31bと第3面41aとの間に配置されている。そのため、ネジ50の頭部が支持板31から離れるようにネジ50を回転させることにより、固定部材60が前板41とともに支持板31から離れるように移動し、前板41と支持板31とが離間する。
【0039】
固定部材60は、凹部31d内に配置されている。固定部材60の厚さは、凹部31dの深さ以下である。固定部材60は、例えば、抜け止めワッシャ又はEリングである。
【0040】
<レンジフード100の効果>
図7は、レンジフード100の設置状態を示す模式図である。
図7に示されるように、レンジフード100は、第4面41bが吊り戸棚200の前面と面一になるように設置されることがある。
【0041】
図8は、ネジ50の頭部が支持板31から離れるようにネジ50を回転させた状態におけるレンジフード100の側面図である。レンジフード100では、ネジ50の頭部が支持板31から離れるようにネジ50を回転させることにより、固定部材60が前板41とともに支持板31から離れるように移動し、前板41と支持板31とが離間する。その結果、
図8に示されるように、幕板40の下端側が、吊り戸棚200の前面から突出する。
【0042】
レンジフード100のメンテナンスを行う作業者は、吊り戸棚200の前面から突出している幕板40の部分に指をかけることにより、幕板40を支持枠30a及び支持枠30bから取り外すことができる。このように、レンジフード100によると、第4面41bと吊り戸棚200の前面とが面一になるように設置される場合であっても、幕板40の取り外しを容易に行うことが可能である。
【0043】
レンジフード100では、幕板40の下端側が吊り戸棚200の前面から突出することにより、切り欠き42a(切り欠き43a)が吊り戸棚200の前面よりも前方に位置することになる。そのため、第1側板42に切り欠き42aが形成されている(第2側板43に切り欠き43aが形成されている)場合、幕板40の取り外しを行う作業者は、切り欠き42a(切り欠き43a)に指をかけることにより、幕板40の取り外しをさらに容易に行うことができる。
【0044】
<変形例>
図9は、変形例に係るレンジフード100の断面図である。
図9には、
図5に対応する位置における断面図が示されている。上記においては、第2面31bに凹部31dを形成する例を説明したが、
図9に示されるように、凹部31dに代えて、第3面41aに凹部41eが形成されていてもよい。凹部41eは、第4面41b側に向かって窪んでいる。凹部41eは、貫通穴41cの周囲に配置されている。固定部材60は、凹部41e内に配置されている。固定部材60の厚さは、凹部41eの深さ以下である。
【0045】
(第2実施形態)
第2実施形態に係るレンジフード(以下「レンジフード300」とする)を説明する。ここでは、レンジフード100と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0046】
<レンジフード300の構成>
レンジフード300は、フード10と、本体ハウジング20と、支持枠30a及び支持枠30bと、幕板40と、ネジ50とを有している。また、レンジフード300では、ネジ50の頭部が支持板31から離れるようにネジ50を回転させることにより、前板41と支持板31とが離間する。これらの点に関して、レンジフード300の構成は、レンジフード100の構成と共通している。
【0047】
図10は、レンジフード300の断面図である。
図10には、
図3に対応する位置における断面図が示されている。レンジフード300は、
図10に示されるように、固定部材60に代えて、弾性部材70を有している。この点に関して、レンジフード300の構成は、レンジフード100の構成と異なっている。
【0048】
弾性部材70は、第2面31bと第3面41aとの間に配置されている。弾性部材70は、第2面31bから第3面41aに向かう方向に沿って、前板41を付勢している。そのため、レンジフード300では、ネジ50の頭部が支持板31から離れるようにネジ50を回転させた際に、弾性部材70からの付勢力により、前板41と支持板31とが離間する。弾性部材70は、例えば、コイルバネであり、ネジ50の軸部の周囲に配置されている。弾性部材70は、例えば、凹部31d内に配置されている。
【0049】
<レンジフード300の効果>
レンジフード300でも、ネジ50の頭部が支持板31から離れるようにネジ50を回転させた際に、前板41と支持板31とが離間する。そのため、レンジフード300によると、第4面41bと吊り戸棚200の前面とが面一になるように設置される場合であっても、幕板40の取り外しを容易に行うことが可能である。
【0050】
以上のように本発明の実施形態について説明を行ったが、上述の実施形態を様々に変形することも可能である。また、本発明の範囲は、上述の実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むことが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本実施形態は、レンジフードに特に有利に適用される。
【符号の説明】
【0052】
10 フード、10a 上面、10b 下面、10c 前面、10d 凹部、10e 貫通穴、11 整流板、12 流路、13 化粧板、13a 貫通穴、14 オイルトレー、14a 貫通穴、14b 油溜まり、20 本体ハウジング、21 ファンケース、21a 吸込口、22 モータ、22a モータ本体、22b 回転軸、23 ファン、24 取り付けアダプタ、30a,30b 支持枠、31 支持板、31a 第1面、31b 第2面、31c ネジ穴、31d 凹部、31e スリット、31f 係止爪、40 幕板、41 前板、41a 第3面、41b 第4面、41c 貫通穴、41d 係止爪、42 第1側板、42a 切り欠き、43 第2側板、43a 切り欠き、50 ネジ、60 固定部材、70 弾性部材、100,300 レンジフード、200 吊り戸棚、DR1 第1方向、DR2 第2方向、DR3 第3方向。