IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社栗本鐵工所の特許一覧

<>
  • 特許-鋳造物の検査方法および検査システム 図1
  • 特許-鋳造物の検査方法および検査システム 図2
  • 特許-鋳造物の検査方法および検査システム 図3
  • 特許-鋳造物の検査方法および検査システム 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-19
(45)【発行日】2024-11-27
(54)【発明の名称】鋳造物の検査方法および検査システム
(51)【国際特許分類】
   B22D 13/12 20060101AFI20241120BHJP
   B22D 46/00 20060101ALI20241120BHJP
   B22C 9/00 20060101ALI20241120BHJP
   G01N 25/72 20060101ALI20241120BHJP
   G01N 21/952 20060101ALI20241120BHJP
【FI】
B22D13/12
B22D46/00
B22C9/00 E
G01N25/72 K
G01N21/952
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021006436
(22)【出願日】2021-01-19
(65)【公開番号】P2022110803
(43)【公開日】2022-07-29
【審査請求日】2023-10-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000142595
【氏名又は名称】株式会社栗本鐵工所
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】太田 慧
【審査官】中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-110910(JP,A)
【文献】特開2012-107938(JP,A)
【文献】特表2017-527813(JP,A)
【文献】特開2020-140365(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22D 13/00-12
B22D 46/00
B22C 9/00-30
G01N 25/72
G01N 21/84-958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋳造によって高温状態となった鋳造管を常温状態に冷却するまでの間に、前記鋳造管の熱画像を取得するステップと、
前記熱画像に基づいて、前記鋳造管の良否を判定するステップと
を含み、
前記熱画像を取得するステップは、
1の時点において第1の熱画像を取得し、
前記第1の時点から時間が経過した第2の時点において第2の熱画像を取得し、
前記良否を判定するステップは、
前記鋳造管の表面の皺や荒れとして現れやすい第1の不良モードの有無を前記第1の熱画像に基づいて判定し、
前記鋳造管に刻まれる溝として現れやすい第2の不良モードの有無を前記第2の熱画像に基づいて判定する、鋳造管の検査方法。
【請求項2】
前記鋳造管を遠心鋳造によって鋳造し、
前記熱画像を取得するステップにおいて、前記鋳造管を前記遠心鋳造による高温状態から常温状態に冷却するまでの間に、前記熱画像を取得する、請求項1記載の鋳造管の検査方法。
【請求項3】
前記鋳造管の良否を判定するステップにおいて、基準となる鋳造管から取得された熱画像を基準熱画像とし、前記熱画像と前記基準熱画像との比較結果に基づいて、前記鋳造管の良否を判定する、請求項1または2記載の鋳造管の検査方法。
【請求項4】
前記鋳造管の良否を判定するステップにおいて、蓄積された前記鋳造管の不良モードに対応して前記熱画像に現れる特徴部分を学習し、前記特徴部分の学習結果に基づいて、前記鋳造管の良否を判定する、請求項1~3のいずれか1項に記載の鋳造管の検査方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の鋳造管の検査方法を実行するための鋳造管の検査システムであって、
前記検査システムは、
高温状態の前記鋳造管を配置可能であり、かつ、冷却可能な検査スペースと、
前記検査スペースに配置される高温状態の前記鋳造管の前記熱画像を取得可能に設けられる熱画像撮像装置と
を備える、鋳造管の検査システム。
【請求項6】
前記検査スペースは、前記鋳造管を鋳造可能な遠心鋳造機の近傍に配置されている、請求項5記載の鋳造管の検査システム。
【請求項7】
前記鋳造管の良否を判定する判定装置をさらに備える、請求項5または6記載の鋳造管の検査システム。
【請求項8】
前記判定装置は、基準となる鋳造管から取得された熱画像を基準熱画像とし、前記熱画像と前記基準熱画像との比較結果に基づいて、前記鋳造管の良否を判定する、請求項7記載の鋳造管の検査システム。
【請求項9】
前記判定装置は、蓄積された前記鋳造管の不良モードに対応して前記熱画像に現れる特徴部分を学習し、前記特徴部分の学習結果に基づいて、前記鋳造管の良否を判定する人工知能機能を実装している、請求項7記載の鋳造管の検査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋳造物の検査方法および検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば上下水道に用いられる鉄管は、一般的に、鋳造によって製造される。特許文献1は、遠心鋳造によって製造される鋳造管を開示している。鋳造後の鋳造管には、湯境などの不良が発生していることがある。このような不良が一度発生すると、以後に鋳造される鋳造管にも同様の不良が連続的に発生することがある。また、不良品の鋳造管が後工程に流れると、本来製造工程から除かれるべき鋳造管に対して塗装を行うなど、無駄な作業が行われてしまうこともある。そのため、鋳造後に冷却された鋳造管に対して、作業者の目視によって外観検査が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平8-141721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
鋳造管に発生する不良は、表面に微細の部位として現れるなど、発見し難いものもある。そのため、作業者の目視による外観検査では、熟練度の高い作業者が必要とされる。このような理由から、作業者の熟練度に依らない画一的な良否判定がし難い。
【0005】
本発明は、かかる問題点に鑑みて、鋳造物の良否を明確に識別することができる鋳造物の検査方法および検査システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る鋳造物の検査方法は、鋳造物を高温状態から常温状態に冷却するまでに、前記鋳造物の熱画像を取得するステップと、前記熱画像に基づいて、前記鋳造物の良否を判定するステップとを含む。
【0007】
前記鋳造物を遠心鋳造によって鋳造し、前記熱画像を取得するステップにおいて、前記鋳造物を前記遠心鋳造による高温状態から常温状態に冷却するまでの間に、前記熱画像を取得してもよい。
【0008】
前記鋳造物の良否を判定するステップにおいて、基準となる鋳造物から取得された熱画像を基準熱画像とし、前記熱画像と前記基準熱画像との比較結果に基づいて、前記鋳造物の良否を判定してもよい。
【0009】
前記鋳造物の良否を判定するステップにおいて前記鋳造物の良否を判定するステップにおいて、蓄積された前記鋳造物の不良モードに対応して前記熱画像に現れる特徴部分を学習し、前記特徴部分の学習結果に基づいて、前記鋳造物の良否を判定してもよい。
【0010】
前記熱画像を取得するステップにおいて、前記熱画像を所定の時点で取得し、前記所定の時点は、第1の時点と、前記第1の時点から時間が経過した第2の時点を含み、前記第1の時点において、第1の熱画像を取得し、前記第2の時点において、第2の熱画像を取得し、前記鋳造物の良否を判定するステップにおいて、前記第1の熱画像に基づいて、前記鋳造物における第1の不良モードの有無を判定し、前記第2の熱画像に基づいて、前記鋳造物における第2の不良モードの有無を判定してもよい。
【0011】
本発明の一実施形態に係る鋳造物の検査システムは、上述の鋳造物の検査方法を実行するための鋳造物の検査システムであって、前記検査システムは、高温状態の前記鋳造物を配置可能であり、かつ、冷却可能な検査スペースと、前記検査スペースに配置される高温状態の前記鋳造物の前記熱画像を取得可能に設けられる熱画像撮像装置とを備える。
【0012】
前記検査スペースは、前記鋳造物を鋳造可能な遠心鋳造機の近傍に配置されていてもよい。
【0013】
前記鋳造物の良否を判定する判定装置をさらに備えていてもよい。
【0014】
前記判定装置は、基準となる鋳造物から取得された熱画像を基準熱画像とし、前記熱画像と前記基準熱画像との比較結果に基づいて、前記鋳造物の良否を判定してもよい。
【0015】
前記判定装置は、蓄積された前記鋳造物の不良モードに対応して前記熱画像に現れる特徴部分を学習し、前記特徴部分の学習結果に基づいて、前記鋳造物の良否を判定する人工知能機能を実装していてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一実施形態に係る鋳造物の検査方法および検査システムによれば、鋳造物の良否を明確に識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る鋳造物の検査システムを示す模式的な斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る鋳造物の検査システムおよび検査方法の検査対象となる鋳造物の一例を示す模式的な斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る鋳造物の検査システムおよび検査方法によって取得された熱画像である。
図4】本発明の一実施形態に係る鋳造物の検査方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態に係る鋳造物の検査システムを説明する。なお、以下に示す実施形態は、あくまで一例であり、本発明の鋳造物の検査システムは、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0019】
[本発明の一実施形態に係る鋳造物の検査システム]
図1は、本発明の一実施形態に係る鋳造物Cの検査システムDを示している。本実施形態に係る検査システムDは、後述する鋳造物Cの検査方法を実行するための検査システムである。本実施形態に係る検査システムDは、特に、薄肉部分を有する鋳造物の検査に好適である。本実施形態では、検査対象の鋳造物Cは、鋳造管であり、具体的には、鋳造物Cは、遠心鋳造によって鋳造される鋳造物である(図2の鋳造物Cの拡大図も参照)。より具体的には、鋳造物Cは、断面の中心を通る中心軸CXに沿って延びる円筒形状を有する本体C0を有する鋳造物であり、他の鋳造物と連結するために、中心軸CXに沿って、一端側に本体C0より大きい径を有する受口C1と、他端側に本体C0と略同じ径を有する挿口C2とを備えている。しかし、検査対象となる鋳造物Cは、特に限定されず、様々な形状を有する鋳造物から選択することができる。鋳造物Cの大きさは、特に限定されないが、鋳造物Cが鋳造管の場合、たとえば、直径が50mm~2600mmであり、中心軸CXに沿う長さが4m~6mである。
【0020】
鋳造物Cの検査システムDは、図1では、検査ステップの前ステップである鋳造物Cの鋳造に用いられる鋳造機A(具体的には、遠心鋳造機)と、検査ステップの後ステップである鋳造物Cの焼鈍に用いられる焼鈍炉Bとの間のスペースに配置されている。しかし、検査システムDの配置は、特に限定されず、たとえば、任意の熱処理装置の周辺スペースなど、様々な場所からを選択することができる。
【0021】
本実施形態において、鋳造物Cの検査システムDは、図1に示されるように、鋳造物Cを冷却するための検査スペースD1と、熱画像Pを取得するための熱画像撮像装置D2と、鋳造物Cの良否を判定するための判定装置D3とを備えている。なお、本明細書において、「熱画像」は、被検体(鋳造物C)の温度分布を視覚的に表示する画像を指し、静止画であるか動画であるかを問わない。本明細書において、「熱画像撮像装置」は、被検体を撮像することにより、被検体の温度分布を熱画像として視覚化可能な装置を指す。なお、図1に示されるように、鋳造物Cの検査システムDは、熱画像Pを表示するための表示装置D4と、熱画像Pを蓄積するためのデータベースD5と、鋳造物Cの不良の発生を通知する報知機構D6をさらに備えていてもよい。
【0022】
検査スペースD1は、高温状態の鋳造物Cを配置可能であり、かつ、冷却可能なスペースである。図1では、検査スペースD1は、鋳造物Cを鋳造可能な鋳造機A(具体的には、遠心鋳造機)の近傍に配置されている。本実施形態では、検査スペースD1は、鋳造物Cを自然空冷することができるスペースである。しかし、検査スペースD1での鋳造物Cの冷却方法は、特に限定されず、冷却方法として、たとえば冷却ファンなどを用いて鋳造物Cに空気を送風して冷却する強制空冷方法が採用されていてもよい。図1では、検査スペースD1には、鋳造物Cを載置して中心軸CX周りに回転させるための回転体D11が設けられている。回転体D11は、特に限定されないが、本実施形態では、回転体D11は、鋳造物Cの中心軸CXに対して両側に配置され、中心軸CXに略平行な回転軸周りに回転可能な複数のローラから構成されている。
【0023】
熱画像撮像装置D2は、被検体(鋳造物C)の温度分布を何らかの形態で示す熱画像Pを取得可能であれば、特に限定されない。本実施形態では、図1に示されるように、被検体から放射される赤外線に基づいて、熱画像P(図3に示される熱画像Pの一例も参照)を取得するサーモグラフィ撮像装置である。図1では、熱画像撮像装置D2は、検査スペースD1に配置される高温状態の鋳造物Cの熱画像Pを取得可能に設けられている。具体的には、熱画像撮像装置D2は、検査スペースD1の周辺スペースDRに設けられている。より具体的には、熱画像撮像装置D2は、検査スペースD1の周辺スペースDRにおいて、鋳造物Cの中心軸CXと略平行に並置されるように、複数設けられている。図1では、鋳造物Cの本体C0を撮像するための熱画像撮像装置D20と、鋳造物Cの受口C1を撮像するための熱画像撮像装置D21と、鋳造物Cの挿口C2を撮像するための熱画像撮像装置D22が、並置されている。しかし、熱画像撮像装置D2の配置は、特に限定されず、熱画像撮像装置D2は1つのみ設けられてもよく、周辺スペースDRにおいて移動可能に設けられてもよい。
【0024】
判定装置D3は、検査システムDを使用する作業者による鋳造物Cの良否判定を補助するか、作業者によらずに鋳造物Cの良否判定を行う。判定装置D3は、特に限定されないが、本実施形態では、判定装置D3は、熱画像撮像装置D2に接続されており、熱画像撮像装置D2が取得した熱画像Pに基づいて、鋳造物Cの良否を判定する。また、判定装置D3は、特に限定されないが、本実施形態では、報知機構D6に接続されており、鋳造物Cが不良と判断したときに、不良信号FSを生成して報知機構D6に送信する。
【0025】
判定装置D3は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサと、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶部を含む情報処理装置によって構成されている。判定装置D3は、CPUが、RAMなどを作業領域として、ROMなどに記憶された判定プログラムを実行することによって、後述する各機能部D30~D33として機能することができる。判定装置D3の機能は、特に限定されないが、本実施形態では、判定装置D3は、基準となる鋳造物から取得された熱画像Pを基準熱画像Prとし、熱画像Pと基準熱画像Prとの比較結果に基づいて、鋳造物Cの良否を判定する。基準となる鋳造物として、たとえば、検査対象となる鋳造物Cと同型であって、不良が発生していなかった良品の鋳造物が例示される。上記機能を得るために、図1では、判定装置D3は、熱画像Pと基準熱画像Prとを比較する比較部D30と、鋳造物Cの良否を判定する判定部D31とを備えている。判定装置D3は、鋳造物Cの不良モードF(図2参照)に対応して熱画像Pに現れる特徴部分Pf(図3参照)を学習し、特徴部分Pfの学習結果に基づいて、鋳造物Cの良否を判定する人工知能機能を実装していてもよい。上記機能を得るために、図1に示されるように、判定装置D3は、熱画像Pにおいて鋳造物Cの不良モードFの特徴部分Pfを抽出する抽出部D32と、鋳造物Cの不良モードFの特徴部分Pfを学習し、特徴部分Pfの学習結果に基づいて、不良モードFに関する不良モデルMを生成するモデル生成部D33を有していてもよい。
【0026】
比較部D30は、たとえば、熱画像Pと基準熱画像Prとの差分を取った差分熱画像Pdを生成する。換言すれば、比較部D30は、熱画像Pと基準熱画像Prとの画素データごとの階調値の差分をとって、差分熱画像Pdを生成する。なお、差分熱画像Pdなど、熱画像撮像装置D2によって取得された熱画像Pを基礎として、加工した画像を含めて「熱画像P」と呼ぶこともある。
【0027】
判定部D31は、たとえば、熱画像Pに濃淡となって現れる鋳造物Cの温度分布の特徴部分Pf(図3も参照)の有無に基づいて、鋳造物Cの良否を判定する。判定部D31は、熱画像Pではなく、上述の比較部D30によって生成された差分熱画像Pdに基づいて、鋳造物Cの良否を判定してもよい。たとえば検査対象の鋳造物Cが鋳造管であり(図2も参照)、受口C1や挿口C2の外側壁や内側壁において、周方向に溝などを有する場合には、熱画像Pに溝の形状が反映されることがある。このような場合に、差分熱画像Pdを基づいて鋳造物Cの良否を判断すれば、鋳造物Cの溝の形状が差分熱画像Pdには現れずに特徴部分Pfがより際立つため、より容易に鋳造物Cの良否判定を行うことが可能になる。
【0028】
抽出部D32は、たとえば、熱画像P(または差分熱画像Pd)に基づいて、熱画像Pの特徴部分Pfを抽出する(図3も参照)。抽出部D32による特徴部分Pfの抽出形態は、特に限定されないが、たとえば、抽出部D32は、熱画像P(または差分熱画像Pd)中で濃淡が生じている領域の形状(具体的には、熱画像Pにおいて、階調値が所定の範囲外である領域の形状であり、差分熱画像Pdで言えば、熱画像Pと基準熱画像Prとの差分階調値が所定の範囲外である領域の形状)を画像認識することで、特徴部分Pfの形状を抽出する。しかし、抽出部D32は、特徴部分Pfの濃淡の度合い(具体的には、熱画像Pのデータ中の階調値であり、差分熱画像Pdで言えば、熱画像Pと基準熱画像Prとの差分階調値)を抽出してもよい。
【0029】
モデル生成部D33は、たとえば、蓄積された熱画像P(または差分熱画像Pd)の特徴部分Pfの形状や階調値(または差分階調値)を学習し、不良モードF(図2参照)の形状や階調値に関する不良モデルMを生成する。不良モデルMは、特に限定されないが、たとえば、特徴部分Pfの外形や濃淡の確率分布として生成される。特徴部分Pfの学習方法は、ディープラーニング、ランダムフォレスト、SVM(Support Vector Machine)、GBDT(Gradient Boosting Decision Tree)などの様々な機械学習手法から選択することができる。モデル生成部D33が設けられる場合には、判定部D31は、熱画像Pの特徴部分Pfを不良モデルMの形状または階調値(または差分階調値)と照合することで、鋳造物Cの良否を判定してもよい。不良モデルMは、新たな熱画像P(または新たな差分熱画像Pd)の蓄積に応じて、適宜再生成される。この場合、不良モデルMが、より適切な不良モデルとして再生成されることで、判定装置D3による鋳造物Cの良否判定の精度が向上する。
【0030】
表示装置D4は、熱画像Pに加え、上述の基準熱画像Pr、差分熱画像Pd、不良モデルMを表示することができる。表示装置D4は、たとえば検査システムDを使用する作業者が鋳造物Cの良否を熱画像P(または差分熱画像Pd)などによって目視で判定する場合にも用いられる。表示装置D4は、特に限定されないが、たとえば公知の液晶ディスプレイ装置などから構成されている。図1の例では、表示装置D4は、判定装置D3に接続されている。しかし、判定装置D3が検査システムDに設けられない場合には、表示装置D4は、熱画像撮像装置D2に接続されていてもよい。
【0031】
データベースD5は、熱画像Pに加え、必要に応じて、上述の基準熱画像Pr、差分熱画像Pd、不良モデルMを記憶することができる。データベースD5は、特に限定されないが、たとえば公知のHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などから構成されている。図1の例では、データベースD5は、判定装置D3に接続されている。しかし、判定装置D3が検査システムDに設けられない場合には、データベースD5は、熱画像撮像装置D2に接続されていてもよい。
【0032】
報知機構D6は、検査システムDを使用する作業者などに、鋳造物Cの不良発生を通知する。本実施形態では、報知機構D6は、判定装置D3から送信された不良信号FSを受信したときに、作業者などに鋳造物Cの不良発生を通知する。報知機構D6は、特に限定されないが、たとえば、警告音により不良発生を通知するスピーカや、点灯または点滅により不良発生を通知するランプから構成される。報知機構D6による作業者などへの不良発生の通知とともに、または、不良発生の通知に代えて、判定装置D3が、検査ステップの前ステップの作業を中断または中止させるように構成されてもよい。この場合、判定装置D3は、前ステップの装置(本実施形態では、鋳造機Aなど)と接続されて、不良信号FSの生成および送信によって前ステップの装置を停止させる。
【0033】
[本発明の一実施形態に係る鋳造物の検査方法]
次に、添付図面を参照して、本発明の一実施形態に係る鋳造物の検査方法を説明する。なお、以下に示す実施形態は、あくまで一例であり、本発明の鋳造物の検査方法は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0034】
本実施形態に係る鋳造物Cの検査方法では、鋳造物Cを高温状態から常温状態に冷却するまでに、鋳造物Cの熱画像Pを取得し、取得された熱画像Pに基づいて、鋳造物Cの良否を判定する。具体的には、鋳造物Cが鋳造欠陥を含んでいないかを検査する。本実施形態では、上述の鋳造物Cの検査システムDを使用して、鋳造物Cの検査を行う。図2に模式的に例示されるように、鋳造物Cの不良モードFとしては、たとえば、湯境F1、湯こぼれF2、肌荒れF3、首切れF4、挿し折れF5などが挙げられる。たとえば、湯境F1は、溶湯が合流した部分が皺状などとなって現れる不良モードである。たとえば、湯こぼれF2は、溶湯が鋳型内で飛散して飛散した部分が他の部分と境目となって現れる不良モードである。たとえば、肌荒れF3は、鋳造体の表面に荒れた面として現れる不良モードである。たとえば、首切れF4は、鋳造管の受口近傍に切れ目や皺などとなって現れる不良モードである。たとえば、挿し折れF5は、鋳造管の挿口近傍に切れ目や皺などとなって現れる不良モードである。しかし、検査対象とする鋳造物Cの不良モードは、熱画像Pにより発生の有無を判定可能な不良モードであれば、特に限定されず、上述の不良モードF以外の不良モードの発生の有無を判定してもよい。
【0035】
本実施形態に係る鋳造物Cの検査方法は、図4に示されるように、鋳造物Cの熱画像Pを取得するステップ(以下、「ステップS1」とも呼ぶ)と、鋳造物Cの良否を判定するステップ(以下、「ステップS2」とも呼ぶ)を含んでいる。以下では、図1図4を参照して、鋳造物Cの検査ステップSの前後のステップSA、SBも含めて、より詳細に説明する。
【0036】
(鋳造物の検査方法の前ステップ)
本実施形態では、図4に示されるように、鋳造物C(図1参照)の検査前の前ステップSAに、鋳造物Cの原材料を溶解させるステップSA1と、鋳造物Cを鋳造するステップSA2と、鋳造物Cの熱画像Pを取得するための準備を行うステップSA3が含まれる。具体的には、ステップSA1では、溶解炉(図示せず)に鋳造物Cの原材料を投入することで、原材料の溶湯を得る。鋳造物Cの原材料は、鋳造物Cに要求される特性などに応じて適宜変更され得るが、本実施形態では、ダクタイル鋳鉄から構成される鋳造物Cを得るために、所定の原材料が溶解炉(図示せず)に投入される。たとえばステップSA2では、図1に示されるように、鋳造物Cを鋳造機A(具体的には、遠心鋳造機)によって鋳造する。たとえばステップSA3では、図1に示されるように、鋳造機Aによって鋳造された鋳造物Cを引抜機(図示せず)などによって取り出した後に、ステップS1を実行するために、鋳造物Cをクレーンやコンベアなどの搬送装置(図示せず)によって検査スペースD1に移動させる。
【0037】
(鋳造物の熱画像を取得するステップ)
鋳造物Cの熱画像Pを取得するステップS1では、鋳造物Cを高温状態から常温状態に冷却するまでに、鋳造物Cの熱画像P(図3参照)を取得する(図4参照)。本実施形態では、図1に示されるように、鋳造物Cを遠心鋳造による高温状態から常温状態に冷却するまでの間に、熱画像Pを取得する。具体的には、検査スペースD1に配置された鋳造物Cを熱画像撮像装置D2が撮像することで、鋳造物Cの熱画像Pを取得する。検査スペースD1に回転体D11が設けられる場合には、鋳造物Cを回転体D11に載置して、回転体D11によって鋳造物Cを回転させるとともに、熱画像撮像装置D2によって鋳造物Cを撮像することで、熱画像Pを取得する。この場合、当初、鉛直下方を向いており、熱画像撮像装置D2によって撮像しにくかった鋳造物Cの表面を、回転体D11により、熱画像撮像装置D2に撮像しやすい角度に回転させることで、鋳造物Cの周方向の全表面を撮像することができるようになる。
【0038】
取得される熱画像Pは、特に限定されないが、本実施形態では、静止画である。換言すれば、本実施形態では、熱画像Pを所定の時点で取得する。熱画像Pを取得する所定の時点は、鋳造物Cが高温状態から常温状態に冷却されるまでの間であれば、特に限定されない。所定の時点は、複数の時点であってもよい。具体的には、たとえば、第1の時点において、第1の熱画像P1を取得し、第1の時点から時間が経過した第2の時点において、第2の熱画像P2を取得する。しかし、熱画像Pは、所定の時間帯で連続的に取得される動画であってもよい。図1では、鋳造物Cの全体を撮像するために、複数の熱画像撮像装置D20~D22によって、鋳造物Cの本体C0、受口C1、および挿口C2の熱画像Pをそれぞれ撮像する。しかし、熱画像Pは、鋳造物Cの全体を撮像する1つの熱画像Pなど、その他の形態の熱画像Pであってもよい。
【0039】
ステップS1における高温状態の鋳造物Cは、本実施形態では、図3に示されるように、鋳造物Cの鋳造ステップSA2によって得られる(図1も参照)。本実施形態のように、鋳造物Cを遠心鋳造によって作製する場合には、高温状態(たとえば、800℃)のままで、鋳造機Aの円筒状の鋳型から鋳造物Cを引き抜くため、熱画像撮像装置D2によって熱画像Pを撮像するのに適している。しかし、高温状態の鋳造物Cは、鋳造物Cの鋳造ステップSA2によって得られるものに限定されず、その他の任意の熱処理ステップによって得られてもよい。高温状態の鋳造物Cが得られる熱処理ステップは、たとえば、後述する焼鈍するステップSB1のような、鋳造物Cの製造ステップに含まれるステップの他に、鋳造物Cの製造ステップが完了した後の、任意の熱処理ステップも含まれる。
【0040】
ステップS1が行われる検査スペースD1は、特に限定されないが、本実施形態では、図1に示されるように、前ステップSAからステップS1への鋳造物Cの移動距離を短縮化するために、前ステップSAが行われる鋳造機Aの近傍に配置されている。この場合、鋳造によって高温状態となった鋳造物Cが過度に冷却される前の適切な時間に、熱画像撮像装置D2によって熱画像Pを取得することができる。しかし、検査スペースD1の位置は、特に限定されない。たとえば、鋳造物Cの検査ステップSが鋳造物Cの鋳造ステップSA2の直後ではなく、後述する鋳造物Cの焼鈍ステップSB1の直後に行われる場合には、たとえば、鋳造物Cの焼鈍ステップSB1の焼鈍炉Bと、焼鈍ステップSB1の直後のステップである鋳造物CのステップSB2の塗装装置や形状加工装置(図示せず)との間など、その他のスペースに配置されていてもよい。
【0041】
(鋳造物の良否を判定するステップ)
鋳造物Cの良否を判定するステップS2では、ステップS1において取得された熱画像Pに基づいて、鋳造物Cの良否を判定する(図4参照)。具体的には、熱画像Pによる鋳造物Cの良否判定は、上述の判定装置D3の判定部D31が熱画像撮像装置D2によって取得された熱画像Pに基づいて判定する。図3に示される熱画像Pでは、鋳造物Cの不良モードF(具体的には、上述の湯境F1)の特徴部分Pfが、鋳造物Cの中心軸CXに対する周方向に延びる線状部分として現れている。たとえば、判定部D31は、熱画像Pにおいて、このような特徴部分Pfの有無を判定することで、鋳造物Cの良否を判定することができる。熱画像Pにおいて、特徴部分Pfをより際立たせるために、基準となる鋳造物から取得された熱画像Pを基準熱画像Prとし、ステップS1において取得された熱画像Pと基準熱画像Prとの比較結果に基づいて、鋳造物Cの良否を判定することもできる。この場合、熱画像Pによる鋳造物Cの良否判定は、判定部D31が上述の判定装置D3の比較部D30によって生成された差分熱画像Pdに基づいて判定する。しかし、熱画像Pによる鋳造物Cの良否判定は、検査システムDを使用する作業者が、熱画像Pを用いて目視により検査するか、または判定装置D3の比較部D30によって生成された差分熱画像Pdを用いて目視により検査することによって行われてもよい。
【0042】
ステップS2において、複数の時点で取得された複数の熱画像Pに基づいて、鋳造物Cにおける複数の不良モードF(図2参照)の有無を判定してもよい。具体的には、ステップS1において取得された第1の熱画像P1に基づいて、鋳造物Cにおける第1の不良モードの有無を判定し、ステップS1において取得された第2の熱画像P2に基づいて、鋳造物Cにおける第2の不良モードの有無を判定してもよい。たとえば上述の不良モードF(図2参照)のうち、鋳造物Cの表面の皺や荒れとして現れやすい不良モードF(たとえば、図2に模式的に示される湯境F1、湯こぼれF2、肌荒れF3など)については、鋳造物Cの低温状態より高温状態で撮像された熱画像Pにおいて、対応する特徴部分Pfが際立ちやすいことがある。逆に、たとえば上述の不良モードFのうち、鋳造物Cに刻まれる溝として現れやすい不良モードF(たとえば、図2に模式的に示される首切れF4、挿し折れF5など)については、鋳造物Cの高温状態より低温状態で撮像された熱画像Pにおいて、特徴部分Pfが際立ちやすいことがある。このような場合に、不良モードFの有無を判定する際に、たとえば鋳造物Cが高温状態のとき(たとえば、第1の時点)に取得された熱画像(たとえば、第1の熱画像P1)を用いることで、湯境F1、湯こぼれF2、肌荒れF3など不良モードFの有無を判定する。また、たとえば鋳造物Cの冷却が進んだ低温状態のとき(たとえば、第2の時点)に取得された熱画像(たとえば、第2の熱画像P2)を用いることで、首切れF4、挿し折れF5などの不良モードFの有無を判定する。このようにすれば、不良モードFが熱画像Pの特徴部分Pfとして際立ちやすい適切な時点で取得された熱画像P1、P2を用いて、鋳造物Cの良否を判定することができるので、鋳造物Cの検査精度が向上する。
【0043】
ステップS2において、鋳造物Cの不良モードF(図2参照)に対応して熱画像Pに現れる特徴部分Pfを学習し、特徴部分Pfの学習結果に基づいて、鋳造物Cの良否を判定することもできる。この場合、判定装置D3は、たとえば上述のように、人工知能機能を実装しており、図1に示されるように、抽出部D32およびモデル生成部D33を有していてもよい。抽出部D32は、たとえば、熱画像P(または差分熱画像Pd)に基づいて、熱画像Pの特徴部分Pfを抽出し、モデル生成部D33は、たとえば、蓄積された熱画像P(または差分熱画像Pd)の特徴部分Pfの形状や階調値(または差分階調値)を学習し、不良モードFの形状や階調値に関する不良モデルMを生成する。たとえば、熱画像Pの特徴部分Pfを不良モデルMの形状または階調値(または差分階調値)と照合することで、判定部D31は、鋳造物Cの良否を判定する。このようにすれば、新たな熱画像P(または新たな差分熱画像Pd)の蓄積に応じて、不良モデルMを適宜再生成することで、判定装置D3による鋳造物Cの良否判定の精度が向上する。
【0044】
ステップS2において不良と判断された鋳造物Cに対しては、後ステップSBが行われなくてもよい(図4参照)。具体的には、不良と判定された鋳造物Cは、たとえば粉砕されて、ステップSA1において、鋳造物Cの原材料として、溶解炉に投入されてもよい。
【0045】
(鋳造物の検査方法の後ステップ)
本実施形態では、鋳造物Cの検査後の後ステップSBに、鋳造物Cを焼鈍するステップSB1と、鋳造物Cを加工するステップSB2が含まれる(図4参照)。具体的には、ステップSB1では、上記検査において良品と判定された鋳造物Cを焼鈍炉Bに投入して所定の焼鈍処理(たとえば、800℃~900℃)を行う。その後、ステップSB2では、鋳造物Cに対して、表面塗装や、受口C1や挿口C2の形状加工などの所定の加工処理を行う。本実施形態では、ステップS2において不良と判断された鋳造物Cに対して後ステップSBを行う無駄がなくなるので、鋳造物Cの製造コストが低減することができる。
【0046】
以上のステップを踏む本実施形態に係る鋳造物Cの検査方法および検査システムDによれば、鋳造物Cを高温状態から常温状態に冷却するまでに、鋳造物Cの熱画像Pを取得し、取得された熱画像Pに基づいて、鋳造物Cの良否を判定する。このようにすれば、鋳造物Cの不良モードFが熱画像Pにおいて特徴部分Pfとなって視認しやすい形態で現れる。そのため、作業者は、熟練度に依らず、鋳造物Cの良否を明確に識別することができ、判定装置D3などを用いて鋳造物Cの検査の自動化を行うこともできる。また、たとえば熱画像撮像装置D2を遠隔操作することで、作業者は、高温状態の鋳造物Cに近づくことなく鋳造物Cの検査を行うことができるので、本実施形態に係る鋳造物Cの検査方法および検査システムDは、安全性にも優れる。
【0047】
本実施形態では、鋳造物Cを遠心鋳造によって鋳造し、熱画像Pを取得するステップS1において、鋳造物Cを遠心鋳造による高温状態から常温状態に冷却するまでの間に、熱画像Pを取得する。この場合、通常、遠心鋳造機Aの鋳型から鋳造物Cを高温状態のままで取り出すため、熱画像Pを撮像するのに適している。また、鋳造直後に鋳造物Cの熱画像を取得して検査することで、後ステップSB(たとえば、焼鈍ステップSB1や加工ステップSB2)に不良の鋳造物Cが流れることや、不良の鋳造物Cが連続的に鋳造されることが抑制される。
【0048】
本実施形態では、鋳造物Cの良否を判定するステップS2において、基準となる鋳造物から取得された熱画像Pを基準熱画像Prとし、熱画像Pと基準熱画像Prとの比較結果に基づいて、鋳造物Cの良否を判定する。この場合、熱画像Pと基準熱画像Prとの比較によって、鋳造物Cの不良モードFの特徴部分Pfがより際立つので、鋳造物Cの検査精度がさらに向上する。
【0049】
本実施形態では、鋳造物Cの良否を判定するステップS2において、鋳造物Cの不良モードFに対応して熱画像Pに現れる特徴部分Pfを学習し、特徴部分Pfの学習結果に基づいて、鋳造物Cの良否を判定する。このようにすれば、新たな熱画像Pの蓄積に応じて、適宜、特徴部分Pfを学習することで、不良モデルMが最適化されるので、鋳造物Cの検査精度がさらに向上する。
【0050】
本実施形態では、熱画像Pを取得するステップS1において、第1の時点において、第1の熱画像P1を取得し、第2の時点において、第2の熱画像P2を取得し、鋳造物Cの良否を判定するステップS2において、第1の熱画像P1に基づいて、鋳造物Cにおける第1の不良モードの有無を判定し、第2の熱画像P2に基づいて、鋳造物Cにおける第2の不良モードの有無を判定する。この場合、不良モードFが熱画像Pにおいて際立ちやすい適切な時点を第1の時点および第2の時点として選択して第1の熱画像P1および第2の熱画像P2を取得することができる。そのため、不良モードFが際立った第1の熱画像P1および第2の熱画像P2を用いて、鋳造物Cの良否を判定することができるので、鋳造物Cの検査精度がさらに向上する。
【0051】
本実施形態では、検査システムDは、鋳造物Cを鋳造可能な遠心鋳造機Aの近傍に配置される。この場合、遠心鋳造機Aの鋳型から取り出された高温状態の鋳造物Cを高温状態のまま検査システムDに配置しやすくなるので、熱画像Pを撮像するのに適している。
【符号の説明】
【0052】
A (遠心)鋳造機
B 焼鈍炉
C 鋳造物
C0 本体
C1 受口
C2 挿口
CX 中心軸
D1 検査スペース
D11 回転体
D2、D20~D22 熱画像撮像装置
D3 判定装置
D30 比較部
D31 判定部
D32 抽出部
D33 モデル生成部
D4 表示装置
D5 データベース
D6 報知機構
DR 周辺スペース
F 不良モード
F1 湯境
F2 湯こぼれ
F3 肌荒れ
F4 首切れ
F5 挿し折れ
FS 不良信号
M 不良モデル
P、P1、P2 熱画像
Pd 差分熱画像
Pf 特徴部分
Pr 基準熱画像
SA 前ステップ
SA1 溶解ステップ
SA2 鋳造ステップ
SA3 準備ステップ
S 検査ステップ
S1 熱画像取得ステップ
S2 良否判定ステップ
SB 後ステップ
SB1 焼鈍ステップ
SB2 加工ステップ
図1
図2
図3
図4