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特許7590916押出装置、脱水用シリンダ、脱水方法および樹脂ペレットの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-19
(45)【発行日】2024-11-27
(54)【発明の名称】押出装置、脱水用シリンダ、脱水方法および樹脂ペレットの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 48/685 20190101AFI20241120BHJP
   B29C 48/285 20190101ALI20241120BHJP
   B29C 48/30 20190101ALI20241120BHJP
   B29C 48/345 20190101ALI20241120BHJP
   B29C 48/395 20190101ALI20241120BHJP
   B29C 48/505 20190101ALI20241120BHJP
   B29C 48/76 20190101ALI20241120BHJP
   B29C 48/05 20190101ALI20241120BHJP
   B29B 9/06 20060101ALI20241120BHJP
【FI】
B29C48/685
B29C48/285
B29C48/30
B29C48/345
B29C48/395
B29C48/505
B29C48/76
B29C48/05
B29B9/06
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021078339
(22)【出願日】2021-05-06
(65)【公開番号】P2022172528
(43)【公開日】2022-11-17
【審査請求日】2023-12-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000004215
【氏名又は名称】株式会社日本製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大岡 佑介
(72)【発明者】
【氏名】畝田 廣志
【審査官】大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-117918(JP,A)
【文献】特開2005-111847(JP,A)
【文献】特開2003-039529(JP,A)
【文献】特開平11-277605(JP,A)
【文献】特開2017-128088(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 48/685
B29C 48/285
B29C 48/30
B29C 48/345
B29C 48/395
B29C 48/505
B29C 48/76
B29C 48/05
B29B 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含む押出装置:
シリンダ;
前記シリンダ内に、水分を含む樹脂材料を供給する供給部;
前記シリンダに内蔵され、前記シリンダに供給された前記樹脂材料を搬送するスクリュ;および
前記シリンダの途中に設けられ、前記樹脂材料から分離された水分を排出するための脱水用シリンダ部、
ここで、
前記脱水用シリンダ部は、前記スクリュが貫通する開口部を有する複数の板状部材が、前記シリンダの長軸方向に配列された構造を有し、
前記複数の板状部材の互いに対向する面の表面粗さは、前記シリンダの内壁の表面粗さよりも粗い。
【請求項2】
請求項1記載の押出装置において、
前記樹脂材料から分離された水分が、前記複数の板状部材の互いに対向する面の間から選択的に排出される、押出装置。
【請求項3】
請求項1記載の押出装置において、
前記複数の板状部材の互いに対向する面の表面粗さは、算術平均粗さRaとして表すと、1.6a~25aである、押出装置。
【請求項4】
請求項1記載の押出装置において、
前記複数の板状部材のそれぞれは、前記シリンダの長軸方向において局所的に突出した突出部を有し、
前記突出部により、前記複数の板状部材の間の隙間が規定されている、押出装置。
【請求項5】
押出装置に用いられ、以下を含む脱水用シリンダ:
開口部を有し、かつ前記開口部同士が互いに連通するように配列された複数の板状部材、
ここで、前記複数の板状部材の互いに対向する面の表面粗さは、算術平均粗さRaとして表すと、1.6a~25aであり、
前記開口部は、前記押出装置のスクリュが貫通可能である、脱水用シリンダ。
【請求項6】
以下の工程を含む、脱水方法:
(a)水分を含む樹脂材料をシリンダ内に供給する工程;
(b)前記(a)工程の後、前記シリンダ内のスクリュによって前記樹脂材料を搬送する工程、
(c)前記(a)工程の後、前記樹脂材料から分離された水分を、前記シリンダの途中に設けられた脱水用シリンダ部から排出する工程、
(d)前記(b)工程および前記(c)工程の後、前記シリンダの先端部に接続されたダイから前記樹脂材料を押し出す工程、
ここで、
前記脱水用シリンダ部は、前記スクリュが貫通する開口部を有する複数の板状部材が、前記シリンダの長軸方向に配列された構造を有し、
前記複数の板状部材の互いに対向する面の表面粗さは、前記シリンダの内壁の表面粗さよりも粗い。
【請求項7】
請求項記載の脱水方法において、
前記(c)工程では、前記樹脂材料から分離された水分が、前記複数の板状部材の互いに対向する面の間から選択的に排出される、脱水方法。
【請求項8】
請求項記載の脱水方法において、
前記複数の板状部材の互いに対向する面の表面粗さは、算術平均粗さRaとして表すと、1.6a~25aである、脱水方法。
【請求項9】
請求項記載の脱水方法において、
前記複数の板状部材のそれぞれは、前記シリンダの長軸方向において局所的に突出した突出部を有し、
前記突出部により、前記複数の板状部材の間の隙間が規定される、脱水方法。
【請求項10】
以下の工程を含む、樹脂ペレットの製造方法:
(a)水分を含む樹脂材料をシリンダ内に供給する工程;
(b)前記(a)工程の後、前記シリンダ内のスクリュによって前記樹脂材料を搬送する工程、
(c)前記(a)工程の後、前記樹脂材料から分離された水分を、前記シリンダの途中に設けられた脱水用シリンダ部から排出する工程、
(d)前記(b)工程および前記(c)工程の後、前記シリンダの先端部に接続されたダイから前記樹脂材料を押し出す工程、
(e)前記(d)工程の後、前記ダイから押し出された前記樹脂材料を切断して、樹脂ペレットを形成する工程、
ここで、
前記脱水用シリンダ部は、前記スクリュが貫通する開口部を有する複数の板状部材が、前記シリンダの長軸方向に配列された構造を有し、
前記複数の板状部材の互いに対向する面の表面粗さは、前記シリンダの内壁の表面粗さよりも粗い。
【請求項11】
請求項10記載の樹脂ペレットの製造方法において、
前記(c)工程では、前記樹脂材料から分離された水分が、前記複数の板状部材の互いに対向する面の間から選択的に排出される、樹脂ペレットの製造方法。
【請求項12】
請求項10記載の樹脂ペレットの製造方法において、
前記複数の板状部材の互いに対向する面の表面粗さは、算術平均粗さRaとして表すと、1.6a~25aである、樹脂ペレットの製造方法。
【請求項13】
請求項10記載の樹脂ペレットの製造方法において、
前記複数の板状部材のそれぞれは、前記シリンダの長軸方向において局所的に突出した突出部を有し、
前記突出部により、前記複数の板状部材の間の隙間が規定される、樹脂ペレットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押出装置、脱水用シリンダ、脱水方法および樹脂ペレットの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特開2001-129870号公報(特許文献1)には、押出装置に関する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-129870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
押出装置から押し出される樹脂材料を用いて樹脂製品、例えば樹脂ペレットを製造することができる。押出装置を用いて樹脂製品を製造する場合には、樹脂材料を押出装置のシリンダ内に供給し、シリンダに内蔵されたスクリュによりその樹脂材料を混練、搬送して、シリンダの先端部に取り付けられたダイから押し出す。
【0005】
シリンダに供給される樹脂材料が、水分を高い割合で含む場合があるが、押出装置から押し出される樹脂材料の含水率が高いと、押出装置から押し出された樹脂材料を用いて樹脂ペレットなどの樹脂製品を製造することが難しくなる。その場合、押出装置のシリンダの途中に脱水用シリンダを設けて、シリンダ内を搬送される樹脂材料から分離された水分を、その脱水用シリンダから排出することが望ましい。
【0006】
しかしながら、脱水用シリンダから水分を排出する際に、脱水用シリンダから水分だけでなく樹脂成分も一緒に排出されてしまう虞があるが、これは不具合が生じる原因となり得る。このため、脱水用シリンダから樹脂材料に含まれる水分を選択的に排出するとともに、樹脂成分が排出されるのを防ぐことが望まれる。
【0007】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施の形態によれば、押出装置は、シリンダと、前記シリンダに内蔵されたスクリュと、前記シリンダ内に供給された樹脂材料から分離された水分を排出するための脱水用シリンダ部と、を含む。前記脱水用シリンダ部は、前記スクリュが貫通する開口部を有する複数の板状部材が、前記シリンダの長軸方向に配列された構造を有する。前記複数の板状部材の互いに対向する面の表面粗さは、前記シリンダの内壁の表面粗さよりも粗い。
【0009】
一実施の形態によれば、脱水方法は、(a)水分を含む樹脂材料をシリンダ内に供給する工程、(b)前記シリンダ内のスクリュによって前記樹脂材料を搬送する工程、(c)前記樹脂材料から分離された水分を、前記シリンダの途中に設けられた脱水用シリンダ部から排出する工程、(d)前記シリンダの先端部に接続されたダイから前記樹脂材料を押し出す工程、を含む。前記脱水用シリンダ部は、前記スクリュが貫通する開口部を有する複数の板状部材が、前記シリンダの長軸方向に配列された構造を有する。前記複数の板状部材の互いに対向する面の表面粗さは、前記シリンダの内壁の表面粗さよりも粗い。
【発明の効果】
【0010】
一実施の形態によれば、脱水用シリンダから樹脂材料に含まれる水分を排出することができるとともに、脱水用シリンダから樹脂成分が排出されるのを抑制または防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施の形態の押出装置の構成例を示す説明図である。
図2図1の押出装置のシリンダ内の構造を模式的に示す説明図である。
図3】一実施の形態の押出装置の脱水用のシリンダブロックを示す側面図である。
図4】一実施の形態の押出装置の脱水用のシリンダブロックを示す平面図である。
図5】一実施の形態の押出装置の脱水用のシリンダブロックを示す断面図である。
図6図3図5に示される脱水用のシリンダブロックに用いられている板状部材を示す平面図である。
図7図6に示される板状部材の断面図である。
図8図6に示される板状部材の断面図である。
図9図6に示される板状部材の断面図である。
図10】シリンダの長軸方向に配列された複数の板状部材を示す断面図である。
図11図10の一部を拡大して示す部分拡大断面図である。
図12】脱水用のシリンダブロックの変形例を示す平面図である。
図13】脱水用のシリンダブロックの変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
【0013】
(実施の形態)
<押出装置>
図1は、本実施の形態の押出装置(押出機)1の構成例を示す説明図(側面図)である。図2は、押出装置1のシリンダ2内の構造を模式的に示す説明図(平面透視図)である。図2には、図1に示す押出装置1を上方から見たときに、シリンダ2内に配置されるスクリュ3を透視して示してある。
【0014】
まず、図1を参照して、押出装置1の概略構成について説明する。図1に示される押出装置1は、シリンダ(バレル)2と、シリンダ2内に回転可能に配置された2本のスクリュ3と、シリンダ2内のスクリュ3を回転させるための回転駆動機構4と、シリンダ2の上流側に配置されたホッパ(材料投入部、材料供給部)5と、シリンダ2の下流側先端に取り付けられたダイ(ダイス、金型)6と、を有している。ホッパ5は、シリンダ2の上面に接続されており、ホッパ5を介してシリンダ2内に樹脂材料(原料、含水ポリマ)7を供給できるようになっている。
【0015】
なお、シリンダ2およびスクリュ3に関して「下流側」および「上流側」と称する場合、「下流側」とは、シリンダ2内の樹脂材料の流れの下流側を意味し、「上流側」とは、シリンダ2内の樹脂材料の流れの上流側を意味する。このため、シリンダ2およびスクリュ3において、シリンダ2の先端に近い側が下流側であり、シリンダ2の先端から遠い側が上流側である。なお、シリンダ2の先端は、シリンダ2において、樹脂材料が押し出される側の端部、すなわちダイ6が接続された側の端部に対応している。
【0016】
シリンダ2の内部には、2本のスクリュ3が回転可能に挿入されて内蔵されている。このため、押出装置1は、二軸押出装置とみなすこともできる。シリンダ2内において、2本のスクリュ3は、互いに噛み合うように配置されて回転する。シリンダ2の長軸方向と、シリンダ2内のスクリュ3の長軸方向とは、同じであり、ここではX方向である。なお、シリンダ2の長軸方向とは、シリンダ2の長辺方向または長手方向のことであり、筒状のシリンダ2は、シリンダ2の長軸方向であるX方向に延びている。また、スクリュ3の長軸方向は、スクリュ3の回転軸の軸方向に対応している。シリンダ2内において、樹脂材料は、回転するスクリュ3により、長軸方向であるX方向に上流側から下流側に向かって搬送される。
【0017】
また、各図面には、X方向、Y方向およびZ方向が必要に応じて示されている。X方向、Y方向およびZ方向は、互いに交差する方向であり、より特定的には互いに直交する方向である。このため、X方向とY方向とは互いに直交し、また、Z方向は、X方向およびY方向に直交している。X方向およびY方向は、水平方向に対応し、Z方向は上下方向(高さ方向)に対応している。X方向は、シリンダ2の長軸方向であり、従って、シリンダ2内のスクリュ3の長軸方向でもある。
【0018】
また、本実施の形態では、シリンダ2内のスクリュ3の数が2本の場合について説明しているが、他の形態として、シリンダ2内のスクリュ3の数を1本とすることもできる。しかしながら、シリンダ2内のスクリュ3の数を2本とした場合には、空間容積を大きくとれるため、同一スクリュ口径の場合、スクリュ3が1本の場合よりもスクリュ3が2本の場合の方が樹脂材料の供給能力を高くすることができる。
【0019】
シリンダ2は、複数のシリンダブロック(シリンダ部)11からなり、それら複数のシリンダブロック11は、上流側から下流側に向かう方向(ここではX方向)に配列して連結されている。シリンダ2を構成する複数のシリンダブロック11のうち、ホッパ5が接続されるシリンダブロック11aは、その上面に開口部を有し、その開口部に連通するようにホッパ5が接続されている。これにより、ホッパ5に投入した樹脂材料7は、ホッパ5が接続されたシリンダブロック11aの上面の開口部からシリンダブロック11a内に供給されるようになっている。
【0020】
また、シリンダ2を構成する複数のシリンダブロック11は、脱水用のシリンダブロック(脱水用シリンダ)11bを含んでいる。脱水用のシリンダブロック11bは、シリンダ2の途中に設けられている。すなわち、脱水用のシリンダブロック11bは、上流側から下流側に向かう方向に配列する複数のシリンダブロック11の途中に配置されている。シリンダ2において、脱水用のシリンダブロック11bは、ホッパ5が接続されるシリンダブロック11aよりも下流側に、配置されている。脱水用のシリンダブロック11bは、シリンダ2内に供給された樹脂材料7から分離された水分をシリンダ2の外部に排出する排出部として機能することができる。
【0021】
図1には、押出装置1が有する脱水用のシリンダブロック11bの数が2つの場合が示されており、シリンダ2の途中の2か所にシリンダブロック11bが配置されているが、押出装置1が有する脱水用のシリンダブロック11bの数は、必要に応じて変更可能であり、1つ以上の任意の数とすることができる。
【0022】
次に、図1に示される押出装置1の動作の概略について説明する。
【0023】
ホッパ5からシリンダ2内に、水分を含む樹脂材料7が供給される。シリンダ2に供給される樹脂材料7は、水分と樹脂成分(固形分)とを含んでいる。ホッパ5からシリンダ2内に供給された樹脂材料は、回転するスクリュ3により、シリンダ2内を前方(下流側)に搬送される。この際、回転するスクリュ3により、樹脂材料は混練され得る。シリンダ2内を樹脂材料が搬送されている途中で、樹脂材料から水分が分離され、分離された水分は、脱水用のシリンダブロック11bから外部に排出される。シリンダ2内を搬送されてシリンダ2の先端に到達した樹脂材料(含水率が低下した樹脂材料)は、ダイ6の吐出口から吐出される。樹脂材料に含まれていた水分は脱水用のシリンダブロック11bから外部に排出されているため、ダイ6の吐出口から吐出される樹脂材料の含水率は、ホッパ5からシリンダ2内に供給された段階での樹脂材料7の含水率よりも低い。ダイ6の前方面、すなわちシリンダ2に接続された側とは反対面は、ペレタイザー8に接続されている。ダイ6の吐出口から吐出された樹脂材料は、ペレタイザー8が有するカッタ(切断刃)8aによって次々に切断されるとともに、冷却されて凝固する。これにより、樹脂ペレットとしてペレット9が形成される。その後、ペレット9は、ペレタイザー8の外部、例えば乾燥機、に搬送される。このようにして、本実施の形態の押出装置1を用いて、ペレット9を取得することができる。このペレット9を、例えば、2次原料として機能性フィラーなどと混錬することにより、付加価値が付与された機能性ペレットを得ることができる。この機能性ペレットを用いて、様々な樹脂製品が製造される。
【0024】
図2に示されるように、押出装置1のシリンダ2とシリンダ2内のスクリュ3は、X方向を長軸方向としている。スクリュ3は、被搬送物を第1の速度で前方に送り出すように回転するスクリュ部と、被搬送物を第1の速度よりも遅い速度で前方に送り出すように回転するスクリュ部と、被搬送物を後方に押し返すように回転するスクリュ部と、被搬送物が前方に搬送されることを阻害するように配置されるスクリュ部とを、必要に応じて組み合わせることにより、構成することができる。スクリュ3を、上記した様々な種類のスクリュ部を組み合わせることにより構成することで、シリンダ2内の一部分(加圧部10)で被搬送物を加圧する構造になっている。
【0025】
脱水用のシリンダブロック11bは、加圧部10よりも上流側に配置される。シリンダ2内を搬送される樹脂材料は、加圧部10により樹脂材料中の水分と樹脂成分とが分離され、樹脂成分は、加圧部10の下流側に押し出され、水分は脱水用のシリンダブロック11bからシリンダ2の外部に排出される。
【0026】
図2に示される例では、加圧部10および脱水用のシリンダブロック11bは、X方向において、それぞれ2か所に設けられている。但し、図1に示されるホッパ5からシリンダ2内へ供給される樹脂材料7に含まれる水分の大部分は、最初の脱水用のシリンダブロック11bからシリンダ2の外部に排出される。
【0027】
このため、押出装置1を用いてペレット9を製造する工程は、水分を含む樹脂材料(7)をシリンダ2内に供給する工程と、シリンダ2内のスクリュ4によって樹脂材料を搬送する工程と、樹脂材料から分離された水分を、シリンダ2の途中に設けられた脱水用シリンダ部11bから排出する工程と、シリンダ2の先端部に接続されたダイ6から樹脂材料を押し出す工程と、を有する。押出装置1を用いてペレット9を製造する工程は、ダイ6から押し出された樹脂材料を切断して、ペレット9を形成する工程を、更に有する。
【0028】
<検討の経緯>
押出装置のシリンダに供給される樹脂材料が、水分を高い割合で含む場合があるが、押出装置から押し出される樹脂材料の含水率が高いと、押出装置から押し出された材料を用いて樹脂ペレットなどの樹脂製品を製造することが困難となる。このため、押出装置のシリンダに供給する樹脂材料の含水率が高い場合には、押出装置のシリンダの途中に脱水用シリンダ(脱水用のシリンダブロック11bに対応)を設け、シリンダ内を搬送される樹脂材料から水分を分離し、分離された水分をその脱水用シリンダから排出することが望ましい。
【0029】
例えば、ゴム重合体などのポリマの製造は、一般的に乳化重合や溶液重合などによって行われているが、これらの最終段階において、ポリマは水分を含んだスラリーとなる。このスラリー中に凝集剤を投入して、スラリー中に分散された微粒子をある程度の塊として粒子化してから、凝集した粒子と液体とを分離する。この凝集した粒子(重合体凝集物、含水クラム)を、押出装置のホッパに投入する樹脂材料(樹脂材料7に対応)として用いることができる。この場合、ホッパに投入する樹脂材料として用いられる粒子は、水分と樹脂成分とを含んでおり、含水率がある程度高い状態となっている。一例を挙げれば、ホッパに投入される段階での樹脂材料は、例えば30~50%程度の水分を含んでいる。一方、押出装置から押し出される樹脂材料の含水率は、例えば1%未満であることが望ましい。なお、含水率は、重量%で表記される。
【0030】
このため、押出装置のシリンダに脱水用のシリンダブロックを設ける場合には、その脱水用のシリンダブロックにおいて、樹脂材料に含まれる水分を効率よく排出できることが望まれる。
【0031】
しかしながら、脱水用のシリンダブロックで脱水を行う際に、脱水用のシリンダブロックの外部に水分だけでなく樹脂成分も一緒に排出されてしまう虞がある。脱水用のシリンダブロックから樹脂成分も排出されてしまうと、押出装置のシリンダに供給した樹脂材料に含まれる樹脂成分のうち、押出装置から押し出される割合が低下してしまう。これは、樹脂ペレットなどの樹脂製品の製造コストの増加を招いてしまう。また、脱水用のシリンダブロックから樹脂成分も排出されてしまうと、脱水用のシリンダブロックの水分の排出経路に樹脂成分が堆積して詰まってしまう虞があり、これを防ぐには、脱水用のシリンダブロックの洗浄を頻繁に行う必要がある。これは、押出装置の稼働率を低下させてしまう。
【0032】
このため、押出装置のシリンダに脱水用のシリンダブロックを設ける場合には、その脱水用のシリンダブロックにおいて、樹脂材料に含まれる水分を選択的に排出することができるとともに、樹脂成分が排出されるのを抑制することが望まれる。
【0033】
<脱水用のシリンダブロック>
図3は、本実施の形態の押出装置2の一部を示す側面図であり、図4は、本実施の形態の押出装置2の一部を示す平面図(上面図)であり、図5は、本実施の形態の押出装置2の断面図である。図3および図4には、脱水用のシリンダブロック11bの側面図および平面図が示されており、図3および図4に示されるA-A線の位置での断面図が、図5にほぼ対応している。図6は、脱水用のシリンダブロック11bに用いられている板状部材13を示す平面図であり、X方向から板状部材13を見たときの平面図が示されている。図7図9は、脱水用のシリンダブロック11bに用いられている板状部材13を示す断面図である。図6に示されるB-B線の位置での断面図が、図7にほぼ対応し、図6に示されるC-C線の位置での断面図が、図8にほぼ対応し、図6に示されるD-D線の位置での断面図が、図9にほぼ対応している。図10は、シリンダ2の長軸方向に配列された複数の板状部材13を示す断面図であり、図7に示される断面に対応する断面図が示されている。図11は、図10の一部を拡大して示す部分拡大断面図である。
【0034】
本実施の形態の押出装置1においては、シリンダ2の途中に脱水用のシリンダブロック(脱水用シリンダ)11bを設けており、ホッパ5からシリンダ2内に供給された樹脂材料7に含まれる水分を、脱水用のシリンダブロック11bでシリンダ2の外部に排出することができる。
【0035】
図3図11を参照して、脱水用のシリンダブロック11bの構造について説明する。脱水用のシリンダブロック11bは、スクリュ3が貫通する開口部12を有する複数の板状部材13が、シリンダ2の長軸方向であるX方向に配列された構造を有している。すなわち、脱水用のシリンダブロック11bは、シリンダ2の長軸方向(X方向)に配列された複数の板状部材13を有している。板状部材13は、好ましくは金属材料からなり、例えばステンレス鋼からなる。
【0036】
板状部材13は、スクリュ3が貫通するための開口部12を有している。複数の板状部材13は、シリンダ2の長軸方向であるX方向に配列されているため、複数の板状部材13の開口部12同士は、X方向に連通している。すなわち、複数の板状部材13は、開口部12同士が互いに連通するように、X方向に配列されている。開口部12をそれぞれ有する複数の板状部材13が配列されることにより、筒状のシリンダ部(シリンダブロック11b)が構成される。
【0037】
複数の板状部材13の開口部12がつながって形成された空間を、スクリュ3が貫通している。このため、X方向に配列された複数の板状部材13が、スクリュ3の外周を覆っている。複数の板状部材13のそれぞれの開口部12は、互いに同じ形状(平面形状)および同じ寸法(平面寸法)を有していることが好ましい。また、複数の板状部材13は、互いに同じ形状および同じ寸法を有していることが好ましい。
【0038】
図5および図6の場合は、スクリュ3が2本の場合を想定しており、開口部12は、2つの円を部分的に重ねたような形状を有している。また、図5および図6の場合は、板状部材13の外周から開口部12までの距離L1は、ほぼ一定となっている。言い換えると、板状部材13の平面形状は、板状部材13の外周から開口部12までの距離L1が、ほぼ一定となるような形状となっている。この距離L1は、必要に応じて設定することができるが、例えば10mm程度とすることができる。また、板状部材13は、厚さが薄い部材であり、板状部材13の厚さは、好ましくは0.5~5mm程度とすることができ、例えば1mm程度を例示できる。板状部材13の厚さ方向は、X方向である。ここで説明した板状部材13の厚さは、後述する突出部13a以外の領域の厚さに対応している。
【0039】
X方向に配列された複数の板状部材13は、ネジまたはボルトなどの固定部材15により、固定板16に固定されている。このため、板状部材13は、スクリュ3が貫通するための開口部12に加えて、ネジなどの固定部材15が貫通するための開口部14も有している。固定板16は、板状部材13よりも厚く、強度が高い金属部材であり、板状部材13の開口部12に連通する開口部を有している。このため、脱水用のシリンダブロック11bは、X方向に離間する一対の固定板16の間に、X方向に配列された複数の板状部材13が挟まれた構造となっている。固定板16は、好ましくは金属材料からなり、例えばステンレス鋼からなる。
【0040】
複数の板状部材13の開口部12がX方向につながって形成された空間、すなわち脱水用のシリンダブロック11bの搬送空間を、スクリュ3が貫通し、回転するスクリュ3により搬送される樹脂材料が通過する。以下では、複数の板状部材13の開口部12がX方向につながって形成された空間を、脱水用のシリンダブロック11bの搬送空間と称することとする。脱水用のシリンダブロック11bの搬送空間の断面(X方向に垂直な断面)の形状および寸法は、開口部12の平面形状および寸法にほぼ対応している。X方向に配列された複数の板状部材13の開口部12の内壁が、脱水用のシリンダブロック11bの搬送空間の内壁を構成する。また、脱水用のシリンダブロック11b以外のシリンダブロック11において、スクリュ3が貫通し、回転するスクリュ3により搬送される樹脂材料が通過する空間を、そのシリンダブロック11の搬送空間と称することとする。脱水用のシリンダブロック11bの上流側のシリンダブロック11の搬送空間と、脱水用のシリンダブロック11bの搬送空間と、脱水用のシリンダブロック11bの上下流側のシリンダブロック11の搬送空間とは、X方向に連通しており、断面(X方向に垂直な断面)の形状および寸法は、互いにほぼ同じとすることができる。
【0041】
ホッパ5からシリンダ2内に供給された樹脂材料は、シリンダ2内においてスクリュ3の回転により下流側に搬送される。この際、樹脂材料は、脱水用のシリンダブロック11bの上流側のシリンダブロック11の搬送空間から、脱水用のシリンダブロック11bの搬送空間を通って、脱水用のシリンダブロック11bの下流側のシリンダブロック11の搬送空間に送られる。
【0042】
脱水用のシリンダブロック11bにおいては、樹脂材料から分離された水分を、複数の板状部材13の互いに対向する面の間から外部に排出することができる。すなわち、回転するスクリュ3によってシリンダ2内を搬送される樹脂材料から分離された水分を、複数の板状部材13の互いに対向する面の間の隙間17を介して外部に排出することができる。この隙間17は、樹脂材料から分離された水分を排出するスリットとして機能することができ、樹脂材料から分離された水分の流路(排出経路)となる。
【0043】
ここで、樹脂材料から分離された水分は、複数の板状部材13の間の隙間17を通じて排出することができるが、樹脂材料が含有する樹脂成分は、複数の板状部材13の間の隙間17からはできるだけ排出されないようにすることが望ましい。すなわち、脱水用のシリンダブロック11bにおいては、樹脂材料から分離された水分を、複数の板状部材13の互いに対向する面の間から選択的に排出することが望ましい。
【0044】
隙間17から水分は排出されるが、樹脂成分は排出されないようにするには、隙間17の静圧(隙間17を流体が通過する際の抵抗)を大きくすることが有効である。なぜなら、隙間17の静圧が大きい場合には、水分と樹脂成分との比較において、相対的に粘度が高い樹脂成分は、隙間17に侵入せず、粘度が低い水分が選択的に隙間17に侵入するからである。
【0045】
そこで、本実施の形態では、X方向に配列された複数の板状部材13の互いに対向する面(X方向に対向する面)の表面粗さを粗くしている(図11参照)。すなわち、複数の板状部材13の互いに対向する面については、粗面化処理を施している。これにより、隙間17の静圧を増大させることができる。
【0046】
もしも複数の板状部材13の互いに対向する面の表面粗さが低い場合には、複数の板状部材13の互いに対向する面間の距離(間隔)は、その面内の位置によらずほぼ一定となる。一方、複数の板状部材13の互いに対向する面の表面粗さを粗くした場合には、粗面化された面には微小な凹凸が多数存在していることを反映して、複数の板状部材13の互いに対向する面間の距離が、その面内の位置によってばらつくことになる(図11参照)。
【0047】
複数の板状部材13の互いに対向する面の表面粗さが粗い(粗面化されている)ことにより、複数の板状部材13の互いに対向する面の間の隙間17は、水分の流路としての経路断面積が複雑に変化する。このため、複数の板状部材13の互いに対向する面が粗面化されている場合(表面粗さが粗い場合)は、粗面化されていない場合(表面粗さが低い場合)に比べて、水分の排出経路となる隙間17の静圧を増大させることができる。上述のように、隙間17の静圧が大きい場合には、水分と樹脂成分との比較において、相対的に粘度が高い樹脂成分は、隙間17に侵入せず、粘度が低い水分が選択的に隙間17に侵入する。この結果、樹脂材料から分離された水分を隙間17から外部に排出することができるとともに、樹脂材料に含まれる樹脂成分が隙間17を介して外部に漏れ出ることを回避することができる。
【0048】
複数の板状部材13の互いに対向する面の表面粗さは、算術平均粗さRaとして表すと、1.6a~25a(1.6a以上、25a以下)であることが好ましい。算術平均粗さRaは、次のようにして計測することができる。まず、対象となる計測区間(長さ)における表面の凹凸を計測する。次に、計測された凹凸の平均値を基準線として、計測区間に沿って、基準線と凹凸曲線との差分を積分する。この積分結果を計測区間の長さで除した値が算術平均粗さRaである。
【0049】
また、脱水用のシリンダブロック11bを構成する複数の板状部材13の互いに対向する面は、粗面化処理が施されているが、シリンダ2(シリンダブロック11)の内壁(内面)は、粗面化処理が施されておらず、シリンダ2の内壁の表面粗さは、複数の板状部材13の互いに対向する面の表面粗さに比べて低くなっている。なぜなら、シリンダ2の内壁は、回転するスクリュ3により樹脂材料が搬送される空間の内壁を構成するため、樹脂材料の搬送に悪影響を及ぼさないように、粗面化処理が施されていない方が適しているからである。このため、本実施の形態では、脱水用のシリンダブロック11bを構成する複数の板状部材13の互いに対向する面の表面粗さは、シリンダ2の内壁の表面粗さよりも粗くなっている。ここで、シリンダ2の内壁の表面粗さは、脱水用のシリンダブロック11b以外におけるシリンダ2(シリンダブロック11)の内壁の表面粗さに対応している。
【0050】
また、脱水用のシリンダブロック11bを構成する複数の板状部材13において、各板状部材13の両面(互いに反対側に位置する2つの面)のうち、少なくとも一方の表面粗さを粗くする(粗面化処理する)ことが好ましく、両方の表面粗さを粗くする(粗面化処理する)ことが、より好ましい。これにより、隙間17を形成する2つの面のうちの少なくとも一方、好ましくは両方の表面粗さが粗くなっている状態となるため、隙間17の静圧を高めて、隙間17から水分を選択的に排出し、樹脂成分が隙間17を介して外部に漏れ出ることを抑制または防止することができるようになる。
【0051】
また、本実施の形態では、X方向に配列された複数の板状部材13の間の隙間17が、樹脂材料から分離された水分の流路となっている。このため、水分が隙間17を通る際の流路長は、板状部材13の形状および寸法を調整することにより、容易に調整することができる。例えば、図6の場合は、板状部材13の外周から開口部12までの距離L1が、水分が隙間17を通る際の流路長となる。このため、距離L1を調整することにより、樹脂材料から分離された水分を隙間17から外部に排出する際の排出効率を制御することができる。例えば、距離L1が大きすぎると、隙間17を介した水分の排出効率が低下する場合があるが、距離L1をある程度小さくすることで、例えば20mm程度以下とすることで、隙間17を介した水分の排出効率を確保しやすくなる。
【0052】
また、複数の板状部材13のそれぞれは、厚みが薄いため、それぞれの機械的強度はそれほど高くはないが、複数の板状部材13をX方向に配列させることにより、複数の板状部材13全体の機械的強度を高めることができる。
【0053】
また、図6図9の場合、複数の板状部材13のそれぞれは、シリンダの長軸方向(X方向)において局所的に突出した突出部13aを有している。この突出部13aは、板状部材13における突出部13a以外の領域よりも厚さが厚くなった部分とみなすこともできる。図6図9の場合は、固定部材15が貫通する開口部14が突出部13aに形成されている場合が示されており、板状部材13において、開口部14の周辺領域の厚さが、他の領域よりも厚くなっている。突出部13aは、板状部材13と一体的に形成されていてもよいし、厚さが均一な板状部材13に別部材、例えば金属箔のような膜部材を接合することにより、形成されていてもよい。また、パンチングなどにより、突出部13aを形成することもできる。
【0054】
突出部13aにより、複数の板状部材13の間の隙間17を規定することができる。すなわち、突出部13aの突出量H1により、複数の板状部材13の間の隙間17の寸法(X方向の寸法)を規定することができる。突出部13aの突出量H1が小さいと、隙間17のX方向の寸法が小さくなり、突出部13aの突出量H1が大きいと、隙間17のX方向の寸法が大きくなる。隙間17のX方向の寸法が大きくなるほど、隙間17を介した水分の排出効率は大きくなるが、隙間17のX方向の寸法が大きくなると、樹脂成分が隙間17を介して外部に漏れ出る可能性が発生する。このため、隙間17のX方向の寸法は、シリンダ2に供給する原料7の特性などに応じて適切な寸法に設定することが望ましい。
【0055】
本実施の形態では、突出部13aにより、複数の板状部材13の間の隙間17を規定することができるため、シリンダ2に供給する樹脂材料の種類や特性などに応じて、突出部13aの突出量H1を設定して、隙間17のX方向の寸法を最適な寸法に調整することができる。これにより、樹脂材料から分離された水分を隙間17から外部に排出する際の排出効率を高めることと、樹脂材料に含まれる樹脂成分が隙間17を介して外部に漏れ出ることを防止することとの、バランスをとることができる。突出部13aの突出量H1は、例えば、0.01~1mm程度とすることができる。
【0056】
また、シリンダ2の内圧が変化しても、複数の板状部材13の間の隙間17のX方向の寸法は、ほとんど変化しない。このため、樹脂材料から分離された水分のみを、複数の板状部材13の間の隙間17から安定的に排出することができる。
【0057】
また、突出部13aを設けない場合、すなわち、突出部13aの突出量H1をゼロにする場合もあり得る。突出部13aを設けない場合であっても、複数の板状部材13の互いに対向する面の表面粗さを粗くしていることで、板状部材13の表面に微小な凹凸が多数存在することにより、複数の板状部材13の互いに対向する面の間に、水分の流路を確保することができる。このため、突出部13aを設けない場合であっても、樹脂材料から分離された水分を隙間17から外部に排出することができる。
【0058】
図12および図13は、脱水用のシリンダブロック11bの変形例を示す平面図(図12)および断面図(図13)である。図12は下面図、図13は上記図5に相当する断面が示されており、図12に示されるA1-A1線の位置での断面図が、図13にほぼ対応している。
【0059】
図12および図13の場合は、X方向に配列された複数の板状部材13が、金属製のカバー部材(金属部材、金属ブロック)21で覆われている。X方向に配列された複数の板状部材13を金属製のカバー部材21で覆うことにより、板状部材13を保護することができる。カバー部材21は、X方向に配列された複数の板状部材13の外周を覆っているが、水分排出用の開口部22を有している。これにより、複数の板状部材13の間の隙間17から排出された水分を、カバー部材21の開口部22から外部に排出することができる。
【0060】
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0061】
1 押出装置
2 シリンダ
3 スクリュ
4 回転駆動機構
5 ホッパ
6 ダイ
7 樹脂材料
8 ペレタイザー
8a カッタ
9 ペレット
10 加圧部
11,11a,11b シリンダブロック
12 開口部
13 板状部材
13a 突出部
14 開口部
15 固定部材
16 固定板
17 隙間
21 カバー部材
22 開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13