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  • 特許-印刷機のインキ供給量情報登録装置 図1
  • 特許-印刷機のインキ供給量情報登録装置 図2
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  • 特許-印刷機のインキ供給量情報登録装置 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-19
(45)【発行日】2024-11-27
(54)【発明の名称】印刷機のインキ供給量情報登録装置
(51)【国際特許分類】
   B41F 33/00 20060101AFI20241120BHJP
   B41F 33/02 20060101ALI20241120BHJP
【FI】
B41F33/00 230
B41F33/02 C
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021117009
(22)【出願日】2021-07-15
(65)【公開番号】P2023013085
(43)【公開日】2023-01-26
【審査請求日】2024-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】714000460
【氏名又は名称】リョービMHIグラフィックテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】宗近 敏也
(72)【発明者】
【氏名】小林 義和
【審査官】小宮山 文男
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-299934(JP,A)
【文献】特許第2858438(JP,B2)
【文献】特開2001-287339(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 33/00
B41F 33/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本刷り中の任意のタイミングにおけるインキ供給量情報を仮登録する仮登録手段と、該仮登録手段により仮登録されたインキ供給量情報と前記本刷りが終了するタイミングにおけるインキ供給量情報との中から選択されたインキ供給量情報を、再印刷用のインキ供給量情報として本登録する本登録手段と、を備え、
前記任意のタイミングは、前記本刷りを開始したタイミングを含み、前記仮登録手段は、該本刷りを開始したタイミングにおけるインキ供給量情報については、自動的に仮登録することを特徴とする印刷機のインキ供給量情報登録装置。
【請求項2】
本刷り中の任意のタイミングにおけるインキ供給量情報を仮登録する仮登録手段と、該仮登録手段により仮登録されたインキ供給量情報と前記本刷りが終了するタイミングにおけるインキ供給量情報との中から選択されたインキ供給量情報を、再印刷用のインキ供給量情報として本登録する本登録手段と、を備え、
前記本登録手段にて本登録するための登録画面を前記印刷機が備える表示部に表示させた時に、前記仮登録されたインキ供給量情報及び前記本刷りが終了するタイミングにおけるインキ供給量情報を前記登録画面から切り換えて表示する又は該登録画面にポップアップ表示することを特徴とする印刷機のインキ供給量情報登録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷機のインキ供給量情報登録装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の印刷機においては、以前の印刷と同一の印刷(再印刷)を行う場合は、印刷する絵柄の絵柄面積率に基づいて新たに算出したインキツボのキー開度とインキ元ローラ回転速度を用いてインキ供給量の設定(プリセット)を行うよりは、以前の印刷における本刷り時のキー開度とインキ元ローラ回転速度を用いてインキ供給量の設定(プリセット)を行う方が、少ない試し刷り枚数で色調を合わせることができる場合が多い。そのため、以前の印刷における本刷り時のキー開度とインキ元ローラ回転速度を最適インキ供給量情報として記憶(登録)しておき、再印刷を行う時に利用することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところが、再印刷を行う時の室内温度や印刷機の機械温度が、上記最適インキ供給量情報を記憶した時と異なる場合には、インキの物性値(粘度等)も異なっているため、上記最適インキ供給量情報が、必ずしも最適な情報であるとは限らない。そのため、上記最適インキ供給量情報を用いて色調を合わせるための試し刷りを行ったとしても、印刷する絵柄の絵柄面積率に基づいて新規に設定する場合と比べて試し刷り枚数を減らすことができず、改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第2858438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的は、試し刷り枚数を減らすことができる印刷機のインキ供給量情報登録装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る印刷機のインキ供給量情報登録装置は、本刷り中の任意のタイミングにおけるインキ供給量情報を仮登録する仮登録手段と、該仮登録手段により仮登録されたインキ供給量情報と前記本刷りが終了するタイミングにおけるインキ供給量情報との中から選択されたインキ供給量情報を、再印刷用のインキ供給量情報として本登録する本登録手段と、を備えていることを特徴としている。
【0007】
上記構成によれば、仮登録手段により仮登録されたインキ供給量情報と本刷りが終了するタイミングにおけるインキ供給量情報との中から最適なインキ供給量情報を選択して本登録することができる。したがって、以前の印刷と同一の印刷を行う再印刷時には、複数のインキ供給量情報の中から選択されて登録された再印刷用のインキ供給量情報に基づいて印刷を行うことによって、試し刷り枚数を減らすことができる。
【0008】
また、本発明に係る印刷機のインキ供給量情報登録装置は、前記任意のタイミングは、本刷りを開始したタイミングを含み、前記仮登録手段は、該本刷りを開始したタイミングにおけるインキ供給量情報については、自動的に仮登録することが好ましい。
【0009】
上記のように、試し刷りが終わって本刷りを開始したタイミングにおけるインキ供給量情報が仮登録手段により自動的に仮登録されるので、本刷り中にインキ供給量情報の仮登録をし忘れるといったことを防止できる。
【0010】
また、本発明に係る印刷機のインキ供給量情報登録装置は、前記本登録手段にて本登録するための登録画面を前記印刷機が備える表示部に表示させた時に、前記仮登録されたインキ供給量情報及び前記本刷りが終了するタイミングにおけるインキ供給量情報を前記登録画面から切り換えて表示する又は該登録画面にポップアップ表示してもよい。
【0011】
上記構成によれば、本登録手段にて登録する時の登録画面を表示させた時に、仮登録されたインキ供給量情報及び本刷りが終了するタイミングにおけるインキ供給量情報を登録画面から切り換えて表示する又は登録画面にポップアップ表示することによって、インキ供給量情報を容易に確認できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複数のインキ供給量情報の中から本登録する再印刷用のインキ供給量情報を選択することができるので、以前の印刷と同一の印刷を行う再印刷時の試し刷り枚数を減らすことができる印刷機のインキ供給量情報登録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】印刷機のインキ供給部の概略側面図である。
図2】印刷機の各ユニットにおけるインキキーの開度とインキ元ローラの回転速度をリアルタイムで表示するインキキー画面を示す図である。
図3】キー開度データを登録する時に表示する登録画面を示す図である。
図4図3の確認ボタンを押したときに切り替わったキー開度データ確認画面を示す図である。
図5】本刷り開始後からキー開度データの登録までを示すフローチャートである。
図6】本願発明の制御ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態に係る印刷機のインキ供給量情報登録装置について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1は、印刷機において印刷を行う1つの印刷ユニットの内部に備えるインキ供給部を示している。
【0018】
図1において、インキツボ内のインキが供給されるインキ元ローラ1は、図中、反時計方向に回転し、インキ呼出しローラ2を介して下流に位置する多数のインキローラ群3にインキを供給する。インキ呼出しローラ2は、詳細図示しないが、インキ元ローラ1と横転ローラ4にそれぞれ接離可能に往復動する。すなわち、インキ呼出しローラ2がインキ元ローラ1に当接しているときは、インキ呼出しローラ2は横転ローラ4と離反している。この往復動をインキ呼出し動作ともいい、インキ呼出し回数が多いほど、インキローラ群3へのインキ供給量が多くなる。また、インキ元ローラ1に対してインキツボが備えるインキキーKが矢印S方向にスライド移動することにより接離可能となっており、インキキーKがインキ元ローラ1に対して離間するほど、インキキーKの開度が大きくなって多量のインキがインキ元ローラ1上に供給されるように構成されている。各インキキーKは、図示していないインキキー駆動モータの駆動により移動する。また、インキローラ群3の下方に位置する水部には、湿し水を収容する水舟5が設けられており、水元ローラ6を介して版胴7に巻き付けられた刷版(図示せず)に水舟5内の湿し水を供給可能となっている。
【0019】
前記インキキーKは、インキ元ローラ1(図1参照)の軸方向、つまり印刷機(印刷物)の幅方向(搬送方向と直交する方向)に複数並設されている。インキキーKのインキ元ローラ1に対する距離(開度)は、印刷する絵柄に基づく必要なインキ量によって、インキキーK毎に決められる。印刷する絵柄は、印刷機の幅方向に複数並んだ前記インキキーKそれぞれに対応する複数の領域に区分けした複数の絵柄領域を有している。
【0020】
そして、試し刷りを行う前に印刷する絵柄の絵柄面積率に応じてインキツボが備えるインキキーKのキー開度とインキ元ローラ1の回転速度、つまりインキ供給量情報を設定する(プリセット)。設定したインキ供給量情報を用いて試し刷りを行い、インライン又はオフラインの計測手段によって印刷物の色調(特に印刷濃度)を計測する。印刷物の色調(特に印刷濃度)が不適切なインキキーKの領域においては、インキキーKのキー開度を調整して色調を目標値(許容範囲の中心値及びその近傍)に合わせる。
【0021】
図6に示すように、インキキーKのキー開度は、キー開度検出手段(例えばロータリエンコーダ)8により検出され、インキ元ローラ1の回転速度は、インキ元ローラ回転速度検出手段(例えば、ポテンショメータ)9により検出される。検出されたキー開度及びインキ元ローラ回転速度は、制御部Hに入力され、制御部Hは、前述したように、印刷物の色調(特に印刷濃度)を目標値に合わせるように、インキキー駆動用モータ10及びインキ元ローラ駆動用モータ11を駆動する。
【0022】
試し刷りを行っている印刷物の色調が目標値に合うと、本刷りボタン(図示せず)を押すことにより本刷り開始指令が印刷機に出力され、試し刷り中に設定されたインキ供給量情報、つまり印刷物の色調が目標値に合った状態におけるインキキーKのキー開度とインキ元ローラ12の回転速度を用いて本刷りを開始する。そして、前述した計測手段の計測結果に基づいて、制御部Hは、印刷物の色調(特に印刷濃度)を目標値に合わせるように、インキキー駆動用モータ10及びインキ元ローラ駆動用モータ11を駆動しながら本刷りを行う。尚、本刷り開始指令は、印刷機が備える検査装置の検査結果に基づいて、自動で出力することもできる。
【0023】
また、前記制御部Hは、図6に示すように、試し刷り中に設定されたインキ供給量情報を本刷り中の任意のタイミングにおける少なくとも1つ(この実施形態では1つ)の新たなインキ供給量情報に更新して仮登録する仮登録手段12と、仮登録手段12により仮登録された少なくとも1つ(この実施形態では1つ)の新たなインキ供給量情報及び本刷りが終了するタイミングにおけるインキ供給量情報との中から選択された少なくとも1つ(この実施形態では1つであるが、2つ以上であってもよい)のインキ供給量情報を、再印刷用情報として本登録する本登録手段13と、を備えている。
【0024】
本発明では、本刷りを開始してから、以前の印刷と同一の印刷を行う再印刷時に使用するインキ供給量情報を仮登録し、仮登録したインキ供給量情報と本刷り終了時のインキ供給量情報の中から選択して本登録することができる。その本登録までの制御部Hによる制御を図5のフローチャートに基づいて説明する。
【0025】
本刷り開始指令が出力されると、制御部Hは、キー開度データの現在値を取得する(ステップS1)。キー開度データには、キー開度とインキ元ローラ回転速度が含まれている。そして、取得したキー開度データ(現在値)を保持する(ステップS2)、つまり仮登録手段12によりキー開度データ(現在値)をインキ供給量情報として仮登録する。仮登録手段12によりキー開度データ(現在値)を自動で仮登録することによって、本刷り中、特に本刷り開始時にキー開度データの仮登録をし忘れるといったことを防止できる。印刷においては、印刷機の各種状態を表示可能であって印刷機のオペレータによる各種の操作も可能な表示部としてのGUI(Graphical User Interface)上にインキキー画面14を表示することができる(図2参照)。このインキキー画面14には、全ての印刷ユニット(図2では8台)それぞれの30個のキー開度Eとインキ元ローラ回転速度Fが棒グラフで表示される。
【0026】
前記インキキー画面14の左下には、メモリボタン15が配置されている。メモリボタン15は、保持したキー開度データ、すなわち、仮登録されたインキ供給量情報が既にある場合には、緑色(この実施形態では、緑色であるがどのような色であってもよい)に点灯する。保持したキー開度データが無い場合は、本刷り開始時に取得したキー開度データ(現在値)を保持(仮登録)した時点でメモリボタン15が緑色に点灯する。前記本刷り中は、メモリボタン15が押し操作されたかどうかを確認する(ステップS3)。メモリボタン15が押し操作されていない場合には、印刷(本刷り)を続行し(ステップS4)、印刷(本刷り)が終了したかどうかを確認する(ステップS5)。印刷(本刷り)が終了していない場合には、ステップS3に戻る。
【0027】
ステップS3で緑色に点灯したメモリボタン15が押し操作された場合には、ステップS2で保持(仮登録)したキー開度データをメモリボタン15が押し操作されたときのキー開度データに更新するかどうかを確認する(ステップS6)。具体的には、メモリボタン15が押し操作されると、確認用のYES/NOのボタン(図示せず)がインキキー画面14(図2参照)にポップアップ表示され、YESボタンを押すことによって、メモリボタン15が押された時のキー開度データ(現在値)を取得し(ステップS7)、ステップS2で保持したキー開度データをステップS7で取得したキー開度データ(現在値)に更新して保持する(ステップS8)、つまり仮登録手段12により更新したキー開度データをインキ供給量情報として仮登録して、ステップS3へ戻る。
【0028】
上記キー開度データの更新は、印刷中であれば、何度でも行うことができる。つまり、印刷中は保持(仮登録)されているキー開度データよりも優れたキー開度データの状態になったとオペレータが判断した場合には、いつでもその優れたキー開度データに更新(仮登録)することができる。すなわち、オペレータは、任意のタイミングのキー開度データを仮登録することができる。
【0029】
ステップS5で印刷(本刷り)が終了すると、印刷機がアイドリング状態となり、キー開度データ(インキ供給量情報)を本登録するかどうかを確認する(ステップS9)。キー開度データを本登録する場合には、図3に示す登録画面16を表示する。キー開度データを本登録しない場合には、ジョブを終了する。前記登録画面16では、キー開度データの現在値、すなわち、本刷りが終了したタイミングにおけるキー開度データと保持(仮登録)されている値のいずれかを選択して本登録することができる。つまり、キー開度データの本登録に移行すると、現在値か保持されている値かを確認し(ステップS10)、現在値を選択する場合は、図3に示す現在値ボタン17を押す。これにより、現在値ボタン17が緑色に点灯する。そして、本登録終了ボタン22を押すことにより、キー開度データの現在値(本刷りが終了したタイミングにおけるキー開度データ)を取得し(ステップS11)、取得したキー開度データの現在値をインキ供給量情報として本登録して(ステップS12)、ジョブを終了する。保持(仮登録)されている値を選択する場合は、図3に示すメモリデータボタン18を押す。これにより、メモリデータボタン18が緑色に点灯する。そして、本登録終了ボタン22を押すことにより、保持(仮登録)されている値をインキ供給量情報として本登録し(ステップS12)、ジョブを終了する。尚、キー開度データが保持(仮登録)されていない場合には、制御部Hは、メモリデータボタン18からの操作信号を受け付けない。
【0030】
尚、登録画面16において確認ボタン19を押すことにより、図4のキー開度データ確認画面20に切り替わり、キー開度データの現在値と保持(仮登録)されている値を確認することができる。キー開度データ確認画面20に切り替わると、キー開度データの現在値と保持(仮登録)されている値のいずれかが表示される。表示の切替えは、現在値ボタン17と保持値ボタン18の操作によって行う。この場合、表示されているキー開度データのボタン(現在値ボタン17又は保持値ボタン18)が点灯されるように構成しておけば、どちらのキー開度データであるかを確認することができ、好ましい。この場合は、点灯していない現在値ボタン17又は保持値ボタン18を押すことにより、キー開度データの表示が切り替わる。確認後は、クローズボタン21を押すことにより、図3に示す登録画面16に切り替えて、キー開度データの現在値及び保持(仮登録)されている値のいずれかを選択して本登録することになる。
【0031】
前述したように、登録画面16においては、確認ボタン19を押すことにより、図4のキー開度データ確認画面20に切り替わって、詳細情報であるキー開度データの現在値と保持(仮登録)されている値を表示する構成であったが、登録画面16に詳細情報であるキー開度データの現在値と保持(仮登録)されている値をポップアップ表示するようにしてもよい。この場合、登録画面16になると、登録画面16にキー開度データの現在値と保持(仮登録)されている値を、自動的にポップアップ表示されるようにしてもよいし、ボタンを押すことによりポップアップ表示されるようにしてもよい。したがって、本登録手段13にて登録するための登録画面16を表示させた時に、仮登録されたインキ供給量情報及び本刷りが終了するタイミングにおけるインキ供給量情報に含まれる詳細情報を登録画面から切り換えて表示させる又は登録画面にポップアップ表示することによって、複数のインキ供給量情報の中から最適なインキ供給量情報を直ちに選択することが可能になる。
【0032】
本実施形態では、前記仮登録手段12により仮登録されたインキ供給量情報と本刷りが終了するタイミングにおけるインキ供給量情報の中から最適なインキ供給量情報を選択して本登録手段13により本登録することができる。したがって、以前の印刷と同一の印刷を行う再印刷時には、複数のインキ供給量情報の中から選択されて本登録された再印刷用のインキ供給量情報に基づいて印刷を行うことによって、試し刷り枚数を減らすことができる。
【0033】
本発明は、本刷り中の任意のタイミングにおけるインキ供給量情報を仮登録する仮登録ステップと、該仮登録されたインキ供給量情報と前記本刷りが終了するタイミングにおけるインキ供給量情報との中から選択されたインキ供給量情報を、再印刷用のインキ供給量情報として本登録する本登録ステップと、を備えていることを特徴とする印刷機のインキ供給量情報登録方法であってもよい。
【0034】
尚、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0035】
前記実施形態では、保持(仮登録)されるキー開度データは、新たなキー開度データに更新することで1つのみであったが、更新せずに複数のキー開度データが保持(仮登録)されるように構成してもよい。また、この複数のキー開度データの保持(仮登録)は、オペレータの操作により行う他、例えば制御部が一定時間毎にキー開度データを自動的に仮登録できる構成であってもよい。また、複数のキー開度データをインキ供給量情報として本登録できるように構成しておけば、再印刷時にオペレータが本登録された複数のキー開度データの中から1つのキー開度データを選択することができる。
【0036】
また、前記実施形態では、インキ供給量情報として、キー開度とインキ元ローラ回転速度を用いたが、印刷機の機械温度や水元ローラ回転速度、印刷室の気温等の印刷に影響を与える可能性のあるパラメータも加えて用いてもよい。
【符号の説明】
【0037】
1…インキ元ローラ、2…インキ呼出しローラ、3…インキローラ群、4…横転ローラ、5…水舟、6…水元ローラ、7…版胴、8…キー開度検出手段、9…インキ元ローラ回転速度検出手段、10…インキキー駆動用モータ、11…インキ元ローラ駆動用モータ、12…仮登録手段、13…本登録手段、14…インキキー画面、15…メモリボタン、16…登録画面、17…現在値ボタン、18…保持値ボタン、19…確認ボタン、20…キー開度データ確認画面、21…クローズボタン、22…本登録終了ボタン、E…キー開度、F…インキ元ローラ回転速度、H…制御部、K…インキキー、S…矢印
図1
図2
図3
図4
図5
図6