(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-19
(45)【発行日】2024-11-27
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法、並びにプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 21/62 20130101AFI20241120BHJP
G06K 19/07 20060101ALI20241120BHJP
G06K 19/077 20060101ALI20241120BHJP
G06K 19/073 20060101ALI20241120BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20241120BHJP
G16H 10/00 20180101ALI20241120BHJP
【FI】
G06F21/62 318
G06K19/07 160
G06K19/077 228
G06K19/073 045
H04M1/00 U
G16H10/00
(21)【出願番号】P 2021508813
(86)(22)【出願日】2020-02-20
(86)【国際出願番号】 JP2020006941
(87)【国際公開番号】W WO2020195415
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2023-01-10
(31)【優先権主張番号】P 2019055605
(32)【優先日】2019-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】504134520
【氏名又は名称】フェリカネットワークス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093241
【氏名又は名称】宮田 正昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101801
【氏名又は名称】山田 英治
(74)【代理人】
【識別番号】100086531
【氏名又は名称】澤田 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100095496
【氏名又は名称】佐々木 榮二
(74)【代理人】
【識別番号】110000763
【氏名又は名称】弁理士法人大同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】熊倉 恵理香
【審査官】田名網 忠雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-338480(JP,A)
【文献】特開2008-276367(JP,A)
【文献】特開2007-317076(JP,A)
【文献】特開2000-148860(JP,A)
【文献】特開2016-177470(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0014778(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03239881(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0164865(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/62
G06K 19/07
G06K 19/077
G06K 19/073
H04M 1/00
G16H 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のアプリケーションを記憶する記憶部と、
具備するセンサからセンサ情報を取得し、取得したセンサ情報に基づいて、前記記憶部へのアクセスを禁止することにより前記第1のアプリケーションを利用不可とするロック制御を実行し、さらに、
ロック解除判定用アプリの取得情報に基づいて、前記第1のアプリケーションのロック制御を実行する制御部を有し、
前記ロック解除判定用アプリは、歩数計測アプリであり、
前記制御部は、
情報処理装置の保持ユーザの歩数が、予め規定されたロック解除条件である規定歩数を超えた場合に、前記第1のアプリケーションのロック解除処理を実行する情報処理装置。
【請求項2】
第1のアプリケーションを記憶する記憶部と、
具備するセンサからセンサ情報を取得し、取得したセンサ情報に基づいて、前記記憶部へのアクセスを禁止することにより前記第1のアプリケーションを利用不可とするロック制御を実行し、さらに、
ロック解除判定用アプリの取得情報に基づいて、前記第1のアプリケーションのロック制御を実行する制御部を有し、
前記ロック解除判定用アプリは、体調管理アプリであり、
前記制御部は、
情報処理装置の保持ユーザの体調が良好であると判定した場合に、前記第1のアプリケーションのロック解除処理を実行する情報処理装置。
【請求項3】
第1のアプリケーションを記憶する記憶部と、
具備するセンサからセンサ情報を取得し、取得したセンサ情報に基づいて、前記記憶部へのアクセスを禁止することにより前記第1のアプリケーションを利用不可とするロック制御を実行し、さらに、
ロック解除判定用アプリの取得情報に基づいて、前記第1のアプリケーションのロック制御を実行する制御部を有し、
前記ロック解除判定用アプリは、天気情報取得アプリであり、
前記制御部は、
現在の天気が、予め規定した天気である場合に、前記第1のアプリケーションのロック解除処理を実行する情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第1のアプリケーションに含まれる提供サービス単位でロック制御を実行する請求項1~3いずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
複数の異なるロック解除判定用アプリの取得情報に基づいて、前記第1のアプリケーションのロック制御を実行する請求項1~3いずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記第1のアプリケーションについて、
入力コードに基づく第1ロック解除処理と、
前記ロック解除判定用アプリの取得情報に基づく第2ロック解除処理を実行する請求項1~3いずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記情報処理装置は、
前記ロック解除判定用アプリの取得情報に基づく前記第1のアプリケーションのロック解除条件情報を格納したメモリを有し、
前記制御部は、
前記メモリに格納された前記ロック解除条件情報と、前記ロック解除判定用アプリの取得情報を比較して、前記第1のアプリケーションのロック解除処理を実行する請求項1~3いずれかに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記第1のアプリケーションのロック解除条件情報を外部装置から受信して、前記メモリに格納する請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記ロック解除判定用アプリの取得情報と、位置情報取得アプリの取得情報の組み合わせに基づいて前記第1のアプリケーションのロック制御を実行し、
前記ロック解除判定用アプリの取得情報が前記第1のアプリケーションのロック解除条件を満たし、かつ、
前記位置情報取得アプリの取得情報に基づいて、前記情報処理装置の保持ユーザの現在地が予め規定した領域内にあると判定した場合に、前記第1のアプリケーションのロック解除処理を実行する請求項1~3いずれかに記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記ロック解除判定用アプリの取得情報と、クロックから得られる時間情報の組み合わせに基づいて前記第1のアプリケーションのロック制御を実行し、
前記ロック解除判定用アプリの取得情報が前記第1のアプリケーションのロック解除条件を満たし、かつ、
前記クロックから得られる時間情報が予め規定した時間内にあると判定した場合に、前記第1のアプリケーションの
ロック解除処理を実行する請求項1~3いずれかに記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記情報処理装置は、ウェアラブル機器である請求項1~3いずれかに記載の情報処理装置。
【請求項12】
第1の情報処理装置と、ウェアラブル機器を有する情報処理システムであり、
前記ウェアラブル機器は、第1のアプリケーションを利用可能な機器であり、
前記第1の情報処理装置は、
前記ウェアラブル機器の第1のアプリケーションを利用不可状態に設定するロック処理や、利用可状態に設定するロック解除処理を含むロック制御を実行する際に利用するロック解除条件情報を、前記ウェアラブル機器に送信し、
前記ウェアラブル機器は、
前記第1の情報処理装置から前記ロック解除条件情報を受信してメモリに格納し、
前記第1のアプリケーションとは異なるアプリケーションであるロック解除判定用アプリの取得情報と、前記メモリに格納された前記ロック解除条件情報を比較して、前記第1のアプリケーションのロック制御を実行し、
前記ウェアラブル機器は、
前記ロック解除判定用アプリとして歩数計測アプリを利用し、
前記ウェアラブル機器の保持ユーザの歩数が、予め規定されたロック解除条件である規定歩数を超えた場合に、前記第1のアプリケーションのロック解除処理を実行する情報処理システム。
【請求項13】
情報処理装置において実行する情報処理方法であり、
前記情報処理装置は、
第1のアプリケーションを記憶する記憶部を有し、
制御部が、
具備するセンサからセンサ情報を取得し、取得したセンサ情報に基づいて、前記記憶部へのアクセスを禁止することにより前記第1のアプリケーションを利用不可とする前記第1のアプリケーションのロック制御を実行し、さらに、
ロック解除判定用アプリの取得情報に基づいて、前記第1のアプリケーションのロック制御を実行し、
前記ロック解除判定用アプリは、歩数計測アプリであり、
前記制御部は、
前記情報処理装置の保持ユーザの歩数が、予め規定されたロック解除条件である規定歩数を超えた場合に、前記第1のアプリケーションのロック解除処理を実行する情報処理方法。
【請求項14】
第1の情報処理装置と、ウェアラブル機器を有する情報処理システムにおいて実行する情報処理方法であり、
前記ウェアラブル機器は、第1のアプリケーションを利用可能な機器であり、
前記第1の情報処理装置が、
前記ウェアラブル機器の第1のアプリケーションを利用不可状態に設定するロック処理や、利用可状態に設定するロック解除処理を含むロック制御を実行する際に利用するロック解除条件情報を、前記ウェアラブル機器に送信し、
前記ウェアラブル機器が、
前記第1の情報処理装置から前記ロック解除条件情報を受信してメモリに格納し、
前記第1のアプリケーションとは異なるアプリケーションであるロック解除判定用アプリの取得情報と、前記メモリに格納された前記ロック解除条件情報を比較して、前記第1のアプリケーションのロック制御を実行し、
前記ウェアラブル機器が、
前記ロック解除判定用アプリとして歩数計測アプリを利用する場合、
前記ウェアラブル機器の保持ユーザの歩数が、予め規定されたロック解除条件である規定歩数を超えた場合に、前記第1のアプリケーションのロック解除処理を実行する情報処理方法。
【請求項15】
情報処理装置において情報処理を実行させるプログラムであり、
前記情報処理装置は、
第1のアプリケーションを記憶する記憶部を有し、
前記プログラムは、制御部に、
具備するセンサからセンサ情報を取得させ、取得したセンサ情報に基づいて、前記記憶部へのアクセスを禁止することにより前記第1のアプリケーションを利用不可とする前記第1のアプリケーションのロック制御を実行させ、さらに、
ロック解除判定用アプリの取得情報に基づいて、前記第1のアプリケーションのロック制御を実行させ、
前記ロック解除判定用アプリとして歩数計測アプリを利用する場合、
前記プログラムは、前記制御部に、
前記情報処理装置の保持ユーザの歩数が、予め規定されたロック解除条件である規定歩数を超えた場合に、前記第1のアプリケーションのロック解除処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法、並びにプログラムに関する。さらに詳細には、ICカード機能を有するスマホやウェアラブル機器等の情報処理装置を利用した決済取引等における不正防止やロック処理を行う情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、決済機能やチャージ機能、さらにクレジットカード機能等の電子マネー機能、いわゆるICカード機能を有するスマホ(スマートホン)等の携帯端末や、腕時計型のウェアラブル機器等の利用が拡大している。
これらICカード機能を有する端末(情報処理装置)を利用することで、現金を持ち歩くことなく、買い物や飲食等の決済、あるいは電車や、バスへの乗車を簡単に行うことが可能となる。
【0003】
ICカードやICカード機能を持つ端末は、リーダライタ(R/W)に近づけて、ICカードや端末とリーダライタ(R/W)間の近接通信を実行させて認証や決済処理等を行わせることができる。
【0004】
リーダライタは、近接通信により、(非接触)ICカードや端末に記録されている電子マネーの残高から支払い金額を減算し、必要なログをカードや端末に書き込む処理を行ったり、(非接触)ICカードや端末に記録されている識別番号を読み出し、認証を行う処理を行ったりする。
これらの(非接触)ICカードサービスの多くは、ユーザが対象カードや端末をリーダライタに近づけるだけで利用できるようになっており、利用時にユーザに暗唱番号の入力や書名を要求することはない。
【0005】
そのため、ICカードや、スマホ、あるいは例えば腕時計型等のウェアラブル機器の問題点として、カードや端末所有者でない他人の不正使用がある。
このような不正を防止する構成を開示した従来技術として、例えば以下の文献がある。
【0006】
特許文献1(特開2015-194988号公報)は、ウェアラブル機器及びウェアラブル機器の制御方法を開示している。本文献は、ウェアラブル機器の身体装着の有無を検出する装着検出手段を有し、ウェアラブル機器がロックされていない状態において、端末の身体装着が検出されない場合には、ウェアラブル機器のロックを行い、端末の身体装着が検出された場合には、ロックを行わないというロック制御を行う端末を開示している。
【0007】
また、特許文献2(特開2009-152875号公報)は、通常状態でICカード機能がロックされている非接触ICカード機能部を搭載した携帯端末を開示している。携帯端末に加えられたユーザによる押打パターンが登録パターンと一致するか否かを解析してICカード機能のロック解除制御を行う構成である。
【0008】
さらに、特許文献3(特開2016-153959号公報)は、ウェアラブル機器に加えられた加速度の解析を行い、予め登録された加速度情報と一致するか否かを判定して一致する場合にのみロックを解除する構成を開示している。
【0009】
しかし、これらの従来技術に記載の構成は、機器利用者が登録ユーザであるか否かを判別して、登録ユーザ以外の利用を禁止する構成を開示しているに過ぎない。
【0010】
現実のスマホやウェアラブル機器の利用形態を想定すると、例えば子供にスマホやウェアラブル機器を持たせ、学校の近くのエリアの店舗では利用を許可し、その他のエリアでの利用は禁止したいといった設定を行いたい場合がある。
また、昼間の利用は許容するが、夜間の利用は禁止したいといった利用形態も想定される。
上記の従来技術に開示された構成は、このような細かな制御を実現することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特開2015-194988号公報
【文献】特開2009-152875号公報
【文献】特開2016-153959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本開示は、例えば、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、ICカード機能を有するスマホやウェアラブル機器等の情報処理装置の利用制限機能であるロック機能を、より細かな条件や状況に応じて制御可能とした情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本開示の第1の側面は、
第1のアプリケーションを記憶する記憶部と、
具備するセンサからセンサ情報を取得し、取得したセンサ情報に基づいて、前記記憶部へのアクセスを禁止することにより前記第1のアプリケーションを利用不可とするロック制御を実行する制御部と、
を有する情報処理装置にある。
【0014】
さらに、本開示の第2の側面は、
第1の情報処理装置と、ウェアラブル機器を有する情報処理システムであり、
前記ウェアラブル機器は、第1のアプリケーションを利用可能な機器であり、
前記第1の情報処理装置は、
前記ウェアラブル機器の第1のアプリケーションを利用不可状態に設定するロック処理や、利用可状態に設定するロック解除処理を含むロック制御を実行する際に利用するロック解除条件情報を、前記ウェアラブル機器に送信し、
前記ウェアラブル機器は、
前記第1の情報処理装置から前記ロック解除条件情報を受信してメモリに格納し、
前記第1のアプリケーションとは異なるアプリケーションであるロック解除判定用アプリの取得情報と、前記メモリに格納された前記ロック解除条件情報を比較して、前記第1のアプリケーションのロック制御を実行する情報処理システムにある。
【0015】
さらに、本開示の第3の側面は、
情報処理装置において実行する情報処理方法であり、
前記情報処理装置は、
第1のアプリケーションを記憶する記憶部を有し、
制御部が、
具備するセンサからセンサ情報を取得し、取得したセンサ情報に基づいて、前記記憶部へのアクセスを禁止することにより前記第1のアプリケーションを利用不可とする前記第1のアプリケーションのロック制御を実行する情報処理方法にある。
【0016】
さらに、本開示の第4の側面は、
第1の情報処理装置と、ウェアラブル機器を有する情報処理システムにおいて実行する情報処理方法であり、
前記ウェアラブル機器は、第1のアプリケーションを利用可能な機器であり、
前記第1の情報処理装置が、
前記ウェアラブル機器の第1のアプリケーションを利用不可状態に設定するロック処理や、利用可状態に設定するロック解除処理を含むロック制御を実行する際に利用するロック解除条件情報を、前記ウェアラブル機器に送信し、
前記ウェアラブル機器が、
前記第1の情報処理装置から前記ロック解除条件情報を受信してメモリに格納し、
前記第1のアプリケーションとは異なるアプリケーションであるロック解除判定用アプリの取得情報と、前記メモリに格納された前記ロック解除条件情報を比較して、前記第1のアプリケーションのロック制御を実行する情報処理方法にある。
【0017】
さらに、本開示の第5の側面は、
情報処理装置において情報処理を実行させるプログラムであり、
前記情報処理装置は、
第1のアプリケーションを記憶する記憶部を有し、
前記プログラムは、制御部に、
具備するセンサからセンサ情報を取得させ、取得したセンサ情報に基づいて、前記記憶部へのアクセスを禁止することにより前記第1のアプリケーションを利用不可とする前記第1のアプリケーションのロック制御を実行させるプログラムにある。
【0018】
なお、本開示のプログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能な情報処理装置やコンピュータ・システムに対して、コンピュータ可読な形式で提供する記憶媒体、通信媒体によって提供可能なプログラムである。このようなプログラムをコンピュータ可読な形式で提供することにより、情報処理装置やコンピュータ・システム上でプログラムに応じた処理が実現される。
【0019】
本開示のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本開示の実施例や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。なお、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【0020】
本開示の一実施例の構成によれば、様々な細かな条件設定の下でICカード機能提供アプリのロック解除等のロック制御を行う構成が実現される。
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また付加的な効果があってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】ICカード機能のロック処理の概要について説明する図である。
【
図2】ウェアラブル機器のICカード機能のロック処理やロック解除処理の一例を説明する図である。
【
図3】本開示の情報処理装置におけるICカード機能のロック制御の概要について説明する図である。
【
図4】本開示の情報処理装置におけるICカード機能のロック制御の概要について説明する図である。
【
図5】情報処理装置に対する第2ロックの条件設定例と、その設定に従ったロック制御処理シーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
【
図6】複数のアプリケーションの取得情報に基づいて、第2ロックを制御する処理例について説明する図である。
【
図7】スマホのICカード機能のロック制御シーケンスについて説明する図である。
【
図8】スマホのICカード機能のロック制御シーケンスについて説明する図である。
【
図9】本開示の情報処理装置(ユーザ端末)に格納されたICカード機能を提供する様々なアプリケーションの例について説明する図である。
【
図10】本開示の情報処理装置が実行する具体的なロック制御例について説明する図である。
【
図11】本開示の情報処理装置が実行する具体的なロック制御例について説明する図である。
【
図12】本開示の情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図13】本開示の情報処理装置のセキュアエレメントの構成例を示す図である。
【
図14】本開示の情報処理装置に格納されたICカード機能提供アプリの状態遷移処理の一例について説明する図である。
【
図15】情報処理装置のメモリに格納される第2ロック解除条件情報のデータ例について説明する図である。
【
図16】ウェアラブル機器の初期設定処理のシーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
【
図17】ウェアラブル機器の第1ロック解除処理のシーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
【
図18】ウェアラブル機器に対する第2ロック解除条件設定処理のシーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
【
図19】ウェアラブル機器の第1ロックと第2ロックの解除処理のシーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
【
図20】ウェアラブル機器の第2ロック解除条件削除処理のシーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
【
図21】リーダライタからのコマンド入力に基づくウェアラブル機器のロック解除処理のシーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
【
図22】情報処理装置の構成例について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら本開示の情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法、並びにプログラムの詳細について説明する。なお、説明は以下の項目に従って行なう。
1.ICカード機能のロック処理の概要について
2.本開示の情報処理装置におけるICカード機能のロック処理について
3.ユーザ設定可能な第2ロックの条件設定例と、ロック制御処理の具体例について
4.スマホのICカード機能のロック制御処理例について
5.ロック対象とするICカード機能提供アプリの具体例について
6.情報処理装置の構成例について
7.情報処理装置の実行する処理のシーケンスについて
8.その他の実施例について
9.情報処理装置のハードウェア構成例について
10.本開示の構成のまとめ
【0023】
[1.ICカード機能のロック処理の概要について]
まず、
図1以下を参照して、ICカード機能のロック処理の概要について説明する。
【0024】
ICカードや、スマホ、あるいは例えば腕時計型等のウェアラブル機器の問題点として、カードや装置所有者以外の他人による不正使用がある。
このような不正使用の防止構成としてICカード機能をロックする構成がある。
図1を参照してICカード機能のロック処理の概要について説明する。
【0025】
図1には、以下の3種類のICカード機能利用例を示している。
(a)ICカード(プラスチックカード)の利用例
(b1)ICカード機能保持装置(スマホ、ウェアラブル機器等)利用例(ロック解除状態)
(b2)ICカード機能保持装置(スマホ、ウェアラブル機器等)利用例(ロック設定状態)
【0026】
(a)ICカード(プラスチックカード)の利用例は、プラスチックカード型のICカードの利用例である。
図1(a)に示すユーザ10は、
図1(a)に示すICカード11、すなわちプラスチックカード型のICカード11をショップ20のリーダライタ21に近づける。ICカード11とリーダライタ21間の近接通信が可能な状態になると、リーダライタ21は、ICカード11から必要情報(認証情報、ID、残高情報等)を読み取るため、対象カードを捕捉する要求であるポーリングを実行する。ICカード11はこのポーリングに応じて、ICカード11のメモリから必要情報を取得してリーダライタ21に提供する応答処理等を実行し、決済処理等が実行される。
【0027】
この(a)に示すプラスチックカード型のICカード11は、ロック機能を有していない。すなわち、常時、利用可能な状態になる。
これに対して、
図1(b1),(b2)に示すスマホや、ウェアラブル機器等からなる情報処理装置(ユーザ端末)32にICカード機能を保持させた構成では、ICカード機能のロック処理、すなわちICカード機能の利用不可状態の設定が可能となる。
【0028】
(b1)は、スマホや、ウェアラブル機器等からなる情報処理装置(ユーザ端末)32のICカード機能をロック解除状態(ロックなし状態)に設定した場合の利用例である。
【0029】
この場合は、(a)に示すと同様の処理が実行される。すなわち、スマホや、ウェアラブル機器等からなる情報処理装置(ユーザ端末)32をショップ20のリーダライタ21に近づけ、情報処理装置(ユーザ端末)32とリーダライタ21間の近接通信が可能な状態になると、リーダライタ21は、情報処理装置(ユーザ端末)32に対してポーリングを実行する。情報処理装置(ユーザ端末)32はポーリングに応じて、情報処理装置(ユーザ端末)32のメモリから必要情報を取得してリーダライタ21に提供する応答処理等を実行し、決済処理等が実行される。
【0030】
(b2)は、スマホや、ウェアラブル機器等からなる情報処理装置(ユーザ端末)32のICカード機能をロック設定状態(ロックあり状態)に設定した場合の利用例である。
この場合においても、スマホや、ウェアラブル機器等からなる情報処理装置(ユーザ端末)32をショップ20のリーダライタ21に近づけ、情報処理装置(ユーザ端末)32とリーダライタ21間の近接通信が可能な状態になると、リーダライタ21は、情報処理装置(ユーザ端末)32に対してポーリングを実行する。しかし、情報処理装置(ユーザ端末)32は、ICカード機能がロック設定状態にあるため、ポーリングに対する応答処理を行わない。結果として、決済処理等が実行されない。
【0031】
このように、スマホや、ウェアラブル機器等からなる情報処理装置(ユーザ端末)32は、ICカード機能のロック処理が可能であり、例えば他人による不正利用を防止可能な構成を持つ。
【0032】
なお、
図1にはウェアラブル機器として時計型の端末を示している。このようなウェアラブル機器のICカード機能のロック処理やロック解除処理の一般的なシーケンスについて、
図2を参照して説明する。
【0033】
図2は、ウェアラブル機器のICカード機能のロック処理(ロック有効化処理)やロック解除処理(ロック無効化処理)の一例を説明する図である。
図2に示すステップS01~S04の手順で、ウェアラブル機器のICカード機能のロック処理やロック解除処理が実行される。各ステップの処理について説明する。
【0034】
(ステップS01)
まず、ステップS01において、スマホ101のICカード機能設定アプリの設定画面を利用して、ウェアラブル機器102にロック解除用コード(PINコード)を送信してウェアラブル機器102のメモリに格納する。
【0035】
(ステップS02)
次に、ステップS02において、ウェアラブル機器102を腕に装着し、ロック解除用コードを入力して、ウェアラブル機器102内にインストール済みのICカード機能のロックを解除する。
【0036】
(ステップS03)
ステップS03に示すように、ユーザがウェアラブル機器102を腕に装着している間は、ロック解除状態が継続し、ICカード機能を利用することができる。ユーザがウェアラブル機器102を腕に装着しているか否かの状態確認は、例えばウェアラブル機器102内の加速度センサの検出情報、あるいは静脈センサの検出情報等に基づいて実行される。
【0037】
(ステップS04)
ステップS04に示すように、ユーザがウェアラブル機器102を腕から外して放置すると、ウェアラブル機器102のICカード機能はロックされる。この処理も例えばウェアラブル機器102内の加速度センサの検出情報、あるいは静脈センサの検出情報等に基づいて実行される。
このロック状態への移行後は、ICカード機能を利用することができない。
再度、ICカード機能を利用したい場合は、ステップS02の処理を実行すればよい。
【0038】
[2.本開示の情報処理装置におけるICカード機能のロック処理について]
図1、
図2を参照して説明したICカード機能のロック処理は、極めて限定された条件の下でのロック制御であり、ユーザの様々な利用状況に応じた柔軟なロック制御を実現するものではない。
【0039】
すなわち、例えば子供にスマホやウェアラブル機器を持たせて、学校の近くのエリアの店舗では利用を許可し、その他のエリアでの利用は禁止したいといった細かい設定は実現できない。また、昼間の利用は許容するが夜間の利用は禁止したいといったロック制御も実現できない。
【0040】
以下に説明する本開示の情報処理装置におけるICカード機能のロック制御は、このような様々な細かいロック制御を実現するものである。
例えば、ユーザは、情報処理装置におけるICカード機能のロック条件を自由に設定することができる。
具体的には、情報処理装置の有するセンサやアプリケーションを利用して得られた情報に従って、ICカード機能のロック処理、すなわちロック有効化状態=ICカード機能利用不可状態への設定処理や、ロック解除処理、すなわちロック無効化状態=ICカード機能利用可状態への設定処理を実行することができる。
【0041】
なお、本開示のICカードは、
決済処理に利用されるICカードの他、電子錠の鍵や、入館証、身分証として利用するICカード等、様々なICカードが含まれる。非接触型のICカード、接触型ICカード、いずれの形式であってもよい。なお、接触型ICカードの場合、リーダライタとの通信は、近接通信の代わりに、接点を用いた通信方式によって行われる。
【0042】
本開示の情報処理装置におけるICカード機能のロック制御の概要について
図3、
図4を参照して説明する。
図3~
図4は、先に説明した
図2と同様、ウェアラブル機器のICカード機能のロック処理やロック解除処理の一例を説明する図である。
図3~
図4に示すステップS101~S105の手順で、ウェアラブル機器のICカード機能のロック処理やロック解除処理が実行される。各ステップの処理について説明する。
【0043】
(ステップS101)
まず、ステップS101において、スマホ101のICカード機能設定アプリの設定画面を利用して、ウェアラブル機器102にロック解除用コード(PINコード)を送信してウェアラブル機器102のメモリに格納する。
【0044】
(ステップS102)
次に、ステップS102において、スマホ101のICカード機能設定アプリの設定画面を利用して、ウェアラブル機器102に、
「ロック解除条件(第2ロック解除条件)」
を送信してウェアラブル機器102のメモリに格納する。
【0045】
なお、本実施例では、ロック解除用コード(PINコード)を利用して解除されるロックを第1ロックとし、ロック解除用コード(PINコード)以外の情報、例えばアプリケーションやセンサ情報を利用して得られる情報に基づいて解除されるロックを第2ロックとする。
なお、ロック解除用コード(PINコード)の代わりに、パネル上に表示される複数の点を特定の順番でタッチすることで認証する、いわゆる「パターン認証」や、所有者の指紋、虹彩、顔などの生体情報を用いた生体認証を第1ロックの解除に用いることも可能である。その場合、第2のロックの解除には、第1のロック解除に用いた情報以外の情報が用いられる。
【0046】
なお、ウェアラブル機器102のメモリに格納する第2ロック解除条件には、第2ロック解除判定用の情報を取得するためのアプリケーションまたはセンサの指定情報と、第2ロック解除判定条件が含まれる。
具体的には、例えば、
アプリ指定情報=位置情報取得アプリケーション
第2ロック解除条件=現在位置が規定した特定エリア内であること
このような条件設定がなされることになる。
なお、具体例については、後段で詳細に説明する。
【0047】
(ステップS103)
次に、ステップS103において、ウェアラブル機器102を腕に装着し、ロック解除用コードを入力して、ウェアラブル機器102内にインストール済みのICカード機能の第1ロックを解除する。
ただし、この第1ロックを解除しても、ウェアラブル機器102のICカード機能を利用できるとは限らない。
【0048】
ウェアラブル機器102に第2ロックの設定がなされている場合、ウェアラブル機器102のICカード機能を利用できるのは、ステップS102において設定した第2ロック解除条件を満たす場合のみである。
具体的には、
図4に示すステップS104の状態においてウェアラブル機器102のICカード機能が利用できる。
【0049】
(ステップS104)
ステップS104は、ウェアラブル機器102のICカード機能のロック処理や、ロック解除処理を実行する制御部が、ステップS102において設定した第2ロック解除条件を満たすと判定した場合の処理である。
この場合、ウェアラブル機器102のICカード機能の第2ロックが解除され、ユーザはウェアラブル機器102のICカード機能を利用することができる。
【0050】
(ステップS105)
ステップS105は、ウェアラブル機器102のICカード機能のロック処理や、ロック解除処理を実行する制御部が、ステップS102において設定した第2ロック解除条件を満たさないと判定した場合の処理である。
この場合、ウェアラブル機器102のICカード機能の第2ロックは解除されることなくロック状態に維持される。この場合、ユーザはウェアラブル機器102のICカード機能を利用することができない。
【0051】
このように、本開示の情報処理装置、すなわちICカード機能実行アプリケーションがインストールされたスマホやウェアラブル機器等の情報処理装置は、情報処理装置内のアプリケーションやセンサの取得情報に従って、ユーザの設定条件を満たすか否かを判定してICカード機能のロック制御を実行する。
【0052】
[3.ユーザ設定可能な第2ロックの条件設定例と、ロック制御処理の具体例について]
次に、ユーザ設定可能な第2ロックの条件設定例と、ロック制御処理の具体例について説明する。
【0053】
図5は、本開示の情報処理装置、すなわち、ICカード機能を有するスマホやウェアラブル機器等の情報処理装置に対する第2ロックの条件設定例と、その設定に従ったロック制御処理シーケンスについて説明するフローチャートを示した図である。
【0054】
図5左に示す表は、以下の各データを示している。
(a)ロック対象アプリ(ICカード機能提供アプリ)
(b)ロック(第2ロック)解除判定用アプリ
(c)ロック(第2ロック)解除条件
【0055】
(a)ロック対象アプリ(ICカード機能提供アプリ)は、本実施例においてロック設定、解除対象となるアプリケーションである。
ICカード機能を有するスマホやウェアラブル機器等の情報処理装置には、決済処理等のICカード機能を提供するアプリケーションが多数、インストールされ利用可能な状態にある場合が多い。
例えば鉄道やバス等の乗車券として利用可能な交通乗車機能提供アプリ、あるいは様々な店舗で利用可能なクレジットカード機能を持つクレジットカード機能提供アプリ、特定の飲食店チェーンで利用可能な特定店舗対応の決済に利用可能なショップ対応アプリ等である。
【0056】
本開示の構成では、ロック対象とするICカード機能提供アプリを特定してロック制御を行うことができる。
さらに、1つのICカード機能提供アプリを利用して異なる複数のサービスが利用可能な設定(例えば電車の乗車券機能提供サービスと、ショッピング決済機能サービス等)である場合には、そのサービス単位でロック制御を行うことも可能である。
【0057】
図5に示す例は、
(a)ロック対象アプリ(ICカード機能提供アプリ)=交通乗車券機能提供アプリとした設定例である。
【0058】
(b)ロック(第2ロック)解除判定用アプリは、上記の(a)ロック対象アプリ(ICカード機能提供アプリ)=交通乗車券機能提供アプリのロック設定、解除判定に利用可能な情報を取得するためのアプリケーションである。
【0059】
(c)ロック(第2ロック)解除条件は、上記のロック(第2ロック)解除判定用アプリから取得されるロック(第2ロック)解除条件となる情報である。
【0060】
図5に示す例では、
(b)ロック(第2ロック)解除判定用アプリ=歩数計測アプリケーション
(c)ロック(第2ロック)解除条件=1日の歩数>10,000歩
このように設定した例である。
【0061】
これら(a)~(c)の各情報は、ユーザが自由に設定することができる。例えば、先に
図3を参照して説明したシーケンスでは、ステップS102で設定することが可能である。
【0062】
図5に示すロック解除条件設定に基づく、具体的なロック制御は以下のように行われることになる。
ユーザは、ICカード機能(交通乗車券機能提供アプリ)と、歩数計測アプリを有するウェアラブル機器を装着して外出する。
ユーザの1日の歩数が10000歩を超えていない場合、ICカード機能(交通乗車券機能提供アプリ)の第2ロックがロック状態に維持されるため利用することができない。すなわちICカード機能(交通乗車券機能提供アプリ)を利用して改札を通過することができず、電車に乗ることができない。
【0063】
ユーザの1日の歩数が10000歩を超えた場合、ICカード機能(交通乗車券機能提供アプリ)の第2ロックが解除される。この第2ロック解除により、ユーザは、ICカード機能(交通乗車券機能提供アプリ)を利用して改札を通過することができ、電車に乗ることができる。
例えば、このような利用が可能となる。
【0064】
図5の右に示すフローチャートは、ロック解除シーケンスを説明するフローチャートである。なお、前提としてユーザは、ロック解除用コードによる第1ロックと、ユーザ設定条件に基づく第2ロックによる2重ロックが設定されたウェアラブル機器等の情報処理装置を保持しているものとする。
各ステップの処理について説明する。
【0065】
(ステップS121)
まず、ユーザは、ステップS121において、情報処理装置にロック解除用コードを入力する。すなわち、PINコード等のロック解除用コードである。
【0066】
(ステップS122)
情報処理装置の制御部は、ユーザから入力されたロック解除用コードと、メモリに登録済みのコードを照合し、一致するか否かを判定する。
一致した場合は、正しいコードが入力されたと判定し、ステップS123に進む。
一致しない場合は、正しいコードが入力されなかったと判定し、ステップS121に戻る。この場合は第1ロックの解除は行われず、ICカード機能は利用できない。
【0067】
(ステップS123)
ステップS122において、正しいコードが入力されたと判定した場合は、ステップS123に進む。
この場合、情報処理装置の制御部はICカード機能の第1ロックを解除する。
なお、この状態では、まだICカード機能の利用はできない。
【0068】
(ステップS124)
次に、情報処理装置の制御部は、ユーザによって設定された第2ロック解除条件が満たされたか否かを判定する。
【0069】
図5左側に示す条件情報は、情報処理装置の記憶部に格納されている。情報処理装置の制御部は、情報処理装置の記憶部に格納された第2ロック解除条件を参照し、さらに、第2ロック解除判定用アプリ=歩数計測アプリケーションの取得情報を解析して、ユーザによって設定された第2ロック解除条件が満たされたか否かを判定する。
【0070】
第2ロック解除条件が満たされたと判定した場合、すなわち本例では、ユーザの歩数が10,000歩を超えたと判定された場合には、ステップS125に進む。
一方、第2ロック解除条件が満たされていないと判定した場合、すなわちユーザの歩数が10,000歩を超えていないと判定された場合には、ステップS123に戻る。この場合、第2ロックは解除されず、ユーザはICカード機能(交通乗車券機能提供アプリ)を利用できない。
【0071】
(ステップS125)
ステップS124において、第2ロック解除条件が満たされたと判定した場合、すなわち、ユーザの歩数が10,000歩を超えたと判定された場合には、ステップS125に進む。
【0072】
情報処理装置の制御部は第2ロック解除条件が満たされたと判定した場合、ステップS125において第2ロックを解除する。この処理によって、ユーザは、ICカード機能(交通乗車券機能提供アプリ)を利用することが可能となる。
【0073】
なお、上述した実施例では、歩数計測アプリによってユーザの1日の歩数を計測する設定としたが、歩数の計測開始起点を例えば午前8時、あるいは午後1時といった任意の時間に設定することも可能である。この場合、情報処理装置のクロックの計時情報に基づいて歩数計測アプリによる歩数計測を開始させる。この起点条件についてもユーザが設定して記憶部に格納することができる。
【0074】
図5を参照して説明した処理例は、以下の設定に従った処理例である。
(a)ロック対象アプリ(ICカード機能提供アプリ)=交通乗車券機能提供アプリ、
(b)ロック(第2ロック)解除判定用アプリ=歩数計測アプリ、
(c)ロック(第2ロック)解除条件=1日の歩数>10,000歩
【0075】
本開示の情報処理装置は、第2ロックの設定を複数のアプリケーションの取得情報を組み合わせた設定とすることも可能である。
図6を参照して2つのアプリケーションの取得情報に基づいて、第2ロックを制御する処理例について説明する。
【0076】
図6は、ロック(第2ロック)解除判定用アプリとして歩数計測アプリと、天気情報アプリを利用した例である。すなわち以下の設定例である。
(a)ロック対象アプリ(ICカード機能提供アプリ)=交通乗車券機能提供アプリ、
(b1)ロック(第2ロック)解除判定用アプリ=歩数計測アプリ、
(b2)ロック(第2ロック)解除判定用アプリ=天気情報アプリ、
(c)ロック(第2ロック)解除条件
天気≠雨の場合は、1日の歩数>10,000歩
天気=雨の場合は歩数制限なし
【0077】
すなわち、天気が雨でない場合は、ユーザの1日の歩数が10,000歩を超えないと第2ロックが解除されないが、天気が雨の場合は、ユーザの1日の歩数が10,000歩を超えていない場合にも、第2ロックが解除される。結果として雨の場合は、ユーザは歩くことなくICカード機能、すなわち交通乗車券機能提供アプリを利用して電車に乗ることができる。
【0078】
このように、本開示の情報処理装置は、ICカード機能のロック制御を複数のアプリの取得情報を利用して、より細かな設定とすることができる。
【0079】
[4.スマホのICカード機能のロック制御処理例について]
先に説明した
図3、
図4では、ウェアラブル機器102のICカード機能のロック設定、解除を行う例を説明したが、本開示の処理は、スマホ自体のICカード機能のロック制御処理として利用することも可能である。
図7、
図8を参照してスマホ101内のICカード機能のロック制御シーケンスについて説明する。
【0080】
図7~
図8に示すステップS141~S145の手順で、スマホのICカード機能のロック処理やロック解除処理が実行される。各ステップの処理について説明する。
【0081】
(ステップS141)
まず、ステップS141において、スマホ101のICカード機能提供アプリの設定画面を利用して、スマホ101にロック解除用コード(PINコード)を入力してスマホ101のメモリに格納する。
【0082】
(ステップS142)
次に、ステップS142において、スマホ101のICカード機能提供アプリの設定画面を利用して、スマホ101に、
「ロック解除条件(第2ロック解除条件)」
を入力してスマホ101のメモリに格納する。
【0083】
(ステップS143)
次に、ステップS143において、ユーザはスマホ101にロック解除用コードを入力して、スマホ101にインストール済みのICカード機能の第1ロックを解除する。
ただし、この第1ロックを解除しても、スマホ101のICカード機能を利用できるとは限らない。
【0084】
スマホ101のICカード機能を利用できるのは、ステップS142において設定した第2ロック解除条件を満たす場合のみである。
具体的には、
図8に示すステップS144の状態においてスマホ101のICカード機能が利用できる。
【0085】
(ステップS144)
ステップS144は、スマホ101のICカード機能のロック、ロック解除を実行する制御部が、ステップS142において設定した第2ロック解除条件を満たすと判定した場合の処理である。
この場合、スマホ101のICカード機能の第2ロックが解除され、ユーザはスマホ101のICカード機能を利用することができる。
【0086】
(ステップS145)
ステップS145は、スマホ101のICカード機能のロック、ロック解除を実行する制御部が、ステップS142において設定した第2ロック解除条件を満たさないと判定した場合の処理である。
この場合、スマホ101のICカード機能の第2ロックは解除されることなくロック状態に維持される。この場合、ユーザはスマホ101のICカード機能を利用することができない。
【0087】
このように、本開示の情報処理装置、すなわちICカード機能実行アプリケーションがインストールされたスマホやウェアラブル機器等の情報処理装置は、情報処理装置内のアプリケーションやセンサの取得情報に従って、ユーザの設定条件を満たすか否かを判定してICカード機能のロック制御を実行する。
【0088】
なお、スマホの場合、ウェアラブル機器と異なり、ユーザが機器(スマホ)を装着しているわけではなく、第1ロック解除後に別のユーザがスマホを手にする可能性がある。従って、ウェアラブル機器のように第1ロックが解除された状態が継続されるわけではなく、第1ロック解除後、スマホ画面がオフもしくはスタンバイになるまでの間に限られるという違いがある。
従って、スマホの場合、スマホをリーダライタ(R/W)にかざす直前に、ユーザがPINコードを入力して、第1ロックを解除し、その時点で第2ロック解除条件を満たしていたら、引き続き第2ロックが解除され、利用できるようになるという設定としてもよい。
【0089】
[5.ロック対象とするICカード機能提供アプリの具体例について]
次に、本開示の処理において、ロック対象とするICカード機能提供アプリの具体例について説明する。
【0090】
図9に示すように、スマホ101やウェアラブル機器102等、本開示の情報処理装置(ユーザ端末)100には、ICカード機能を提供する様々なアプリケーションが利用可能な状態に設定されている。
【0091】
図9に示すように、交通系ICカード、様々なクレジット会社のクレジットカードとしてのICカード、ショッピングセンターでのショッビングに利用できるICカード、例えばこれらのICカード機能を利用するための個別のアプリケーションがインストールされ、利用可能な状態にある。
【0092】
上述したロック制御対象とするICカード機能提供アプリは、これら複数のアプリから選択指定することが可能である。また、1つのアプリに複数の異なるサービスが含まれる場合はサービス単位での設定も可能となる。
具体的なロック制御対象の指定は、例えば、システムコード、カードID、サービスID等を指定して実行することができる。
なお、ロック制御対象が指定されない場合は、装置の利用可能なICカード機能提供アプリ全体が制御対象として設定される。
【0093】
図10、
図11を参照して、本開示の情報処理装置が実行する具体的なロック制御例について説明する。
【0094】
図10には、本開示の情報処理装置、すなわち、ICカード機能を有するスマホやウェアラブル機器等の情報処理装置に対する第2ロックの条件設定例と、その設定に従ったロック制御処理シーケンスについて説明するフローチャートを示している。
図10左に示す表は、以下の各データを示している。
(a)ロック対象アプリ(ICカード機能提供アプリ)=電子マネー機能提供アプリ
(b)ロック(第2ロック)解除判定用アプリ=地図アプリ(位置情報提供アプリ)
(c)ロック(第2ロック)解除条件=ユーザ位置が規定エリア内
【0095】
この設定の第2ロックの解除条件は、地図アプリ(位置情報提供アプリ)に基づいて取得されるユーザ位置が、予め規定したエリア内にいることである。
この条件を満足する場合に、ロック対象アプリ(ICカード機能提供アプリ)である電子マネー機能提供アプリが利用可能となる。
【0096】
この設定情報は、情報処理装置内の記憶部に格納され、制御部が記憶部に格納された設定情報と、ロック(第2ロック)解除判定用アプリ=地図アプリ(位置情報提供アプリ)の取得情報を対比して、ロック解除条件が満たされたか否かを判定してロック解除、またはロック処理を実行する。
【0097】
この処理例は、例えば、子どもが電子マネー機能を搭載したウェアラブル機器を装着し、一人で外出する状況を想定した処理例である。親は、子どもが好き勝手に電子マネーを利用することを阻止したい。学校の校内での電子マネー利用は許可するが、コンビニやスーパー、校外の自販機などでの利用は許可しない。
あるいは、例えば、家と学校の最寄駅の改札では、電子マネーの利用を許可し、それ以外の場所では利用させたくない
このような場合に利用可能な処理例である。
【0098】
親は、子どもにウェアラブル機器を渡す前にスマホアプリを用いて、子どもがウェアラブル機器に搭載された電子マネーを利用してもよい場所を設定する。
子どもは、ウェアラブル機器を装着し、ウェアラブル機器の第1ロックを解除する。すなわち、コード入力による第1ロック解除処理を行う。この状態のまま、ウェアラブル機器があらかじめ許可されたエリア内に入ると、第2ロックが解除されて、電子マネー機能が使えるようになる。
なお、第1ロックを解除しないまま、許可されたエリアにウェアラブル機器を持ち込んでも、電子マネーは利用できない。
また、第1ロックが解除された状態でも、第2ロックが解除されるまでは、電子マネーは利用できない。
【0099】
図10右に示すフローチャートは、ロック解除シーケンスを説明するフローチャートである。なお、前提としてユーザは、ロック解除用コードによる第1ロックと、ユーザ設定条件に基づく第2ロックによる2重ロックが設定されたウェアラブル機器等の情報処理装置を保持しているものとする。
各ステップの処理について説明する。
【0100】
(ステップS201)
まず、ユーザは、ステップS201において、情報処理装置にロック解除用コードを入力する。すなわち、PINコード等のロック解除用コードである。
【0101】
(ステップS202)
情報処理装置の制御部は、ユーザカら入力されたロック解除用コードと、メモリに登録済みのコードを照合し、一致するか否かを判定する。
一致した場合は、正しいコードが入力されたと判定し、ステップS203に進む。
一致しない場合は、正しいコードが入力されなかったと判定し、ステップS201に戻る。この場合は第1ロックの解除は行われず、ICカード機能は利用できない。
【0102】
(ステップS203)
ステップS202において、正しいコードが入力されたと判定した場合は、ステップS203に進む。
この場合、情報処理装置の制御部はICカード機能の第1ロックを解除する。
なお、この状態では、まだICカード機能の利用はできない。
【0103】
(ステップS204)
次に、情報処理装置の制御部は、ユーザによって設定された第2ロック解除条件が満たされたか否かを判定する。
【0104】
図10左側に示す条件情報は、情報処理装置の記憶部に格納されている。情報処理装置の制御部は、情報処理装置の記憶部に格納された第2ロック解除条件を参照し、さらに、第2ロック解除判定用アプリ=歩数計測アプリケーションの取得情報を解析して、ユーザによって設定された第2ロック解除条件が満たされたか否かを判定する。
【0105】
第2ロック解除条件が満たされたと判定した場合、すなわち本例では、ユーザ位置が規定エリア内にあると判定された場合には、ステップS205に進む。
一方、第2ロック解除条件が満たされていないと判定した場合、すなわちユーザ位置が規定エリア内にないと判定された場合には、ステップS203に戻る。この場合、第2ロックは解除されず、ユーザはICカード機能(電子マネー機能提供アプリ)を利用できない。
【0106】
(ステップS205)
ステップS204において、第2ロック解除条件が満たされたと判定した場合、すなわち、ユーザ位置が規定エリア内にあると判定された場合には、ステップS205に進む。
【0107】
情報処理装置の制御部は第2ロック解除条件が満たされたと判定した場合、ステップS205において第2ロックを解除する。この処理によって、ユーザは、ICカード機能(電子マネー機能提供アプリ)を利用することが可能となる。
【0108】
図11は、もう1つの具体例を示している。
図11左に示す表は、以下の各データを示している。
(a)ロック対象アプリ(ICカード機能提供アプリ)=カーシェアリングの会員証機能アプリ
(b)ロック(第2ロック)解除判定用アプリ=体調管理アプリ
(c)ロック(第2ロック)解除条件=ユーザ体調が良好
【0109】
この設定の第2ロックの解除条件は、体調管理アプリによって取得されるユーザの体調情報が、良好な状態定であることである。
この条件を満足する場合に、ロック対象アプリ(カーシェアリングの会員証機能アプリ)が利用可能となる。
【0110】
この設定情報は、情報処理装置内の記憶部に格納され、制御部が記憶部に格納された設定情報と、ロック(第2ロック)解除判定用アプリ=体調管理アプリの取得情報を対比して、ロック解除条件が満たされたか否かを判定してロック解除やロック処理を実行する。
【0111】
この処理例は、例えばカーシェアの会員証情報を含むICカード機能提供アプリをユーザのスマホやウェアラブル機器等の情報処理装置にインストールして利用する場合の処理例である。
ユーザはスマホやウェアラブル機器を、利用する車のICカードリーダにかざすことで車の鍵を入手できる。すなわち無人で車を借りることができる。
【0112】
従来の仕組みでは、ドライバの体調に関係なく、カーシェアの申込をし、会員証を持って、利用する車のところに行けば、車が借りられ、運転できる。
しかし、ドライバが寝不足、体調不良、極度のストレス下にある場合、車を運転することで、事故を起こす可能性が高い。ドライバが運転に適さない体調不良の状態である場合、車が借りられないようにすることが望ましい。
【0113】
ユーザの利用するスマホやウェアラブル機器には、体調管理アプリがインストールされており、さらに様々なセンタが搭載されている。体調管理アプリは、センサを介してユーザの心拍数、活動量、睡眠、ストレスレベル等を測定する。
さらに、体調管理アプリは、これらの情報に基づいてユーザの体調が良好な状態にあるか否かを判定する。
【0114】
ユーザの体調が良好であると判定された場合は第2ロックを解除する。これにより、ロック対象アプリとしてのICカード機能提供アプリ、すなわちカーシェアリングの会員証機能アプリを利用することができ、車を借りることができる。
しかし、ユーザの体調が良好でないと判定された場合は第2ロックを解除しない。すなわちカーシェアリングの会員証機能アプリを利用することができず、車を借りることができない。
このようなロック制御を行うことで、体調不良のユーザによる車の運転を防止し、事故を未然に防ぐことが可能となる。
【0115】
例えば、ユーザは、ウェアラブル機器を装着し、第1ロックを解除する。その後、カーシェアを利用する直前まで、ウェアラブル機器を装着し続け、体調管理アプリが自身の心拍数や体温、活動量などのバイタルデータを記録し続ける。
ウェアラブル機器の体調管理アプリは、ユーザのバイタルデータを解析し、ユーザの睡眠状態やストレスレベル、酒気帯び状態にないかを判定する。
ユーザの体調が良好であると判定された場合は第2ロックを解除する。これにより、ロック対象アプリとしてのICカード機能提供アプリ、すなわちカーシェアリングの会員証機能アプリを利用することができ、車を借りることができる。
【0116】
なお、第1段ロックの解除は、ロック解除用コード(PINコード)の入力でもよいが、コード入力だけでは、例えば家族間でウェアラブル機器を貸し借りした場合に、機器のメモリに記録されている生体情報(バイタルデータ)が本人データと異なってしまう場合が発生しうる。このような事態を回避するために、例えばウェアラブル機器に搭載された加速度センサを用いた歩容認証、すなわち歩き方によって個人を特定する認証処理を並行して行う構成としてもよい。この構成により、データが記録されたときの機器の装着者がユーザ本人であるかどうか判定することができる。
すなわち、ウェアラブル機器は、ロック状態に関係なく、ユーザがウェアラブル機器を装着している間、体調に関する情報に加え、ユーザの歩き方のパターン(歩容データ)を記録する。ウェアラブル機器は、ユーザがロック解除用コードを入力して第1のロックを解除しようとしている時点においても同じユーザがロックを解除しようとしていることを確認するため、現時点の最新期間と過去の所定期間の歩容データを比較する。ウェアラブル機器は、歩容データのパターンが一致したと確認した場合、ユーザ本人であると判定して、ロック解除用コードの入力を受け付ける。すなわちコードが正しければロックを解除する処理を行う。
【0117】
図11の右に示すフローチャートは、ロック解除シーケンスを説明するフローチャートである。なお、前提としてユーザは、ロック解除用コードによる第1ロックと、ユーザ設定条件に基づく第2ロックによる2重ロックが設定されたウェアラブル機器等の情報処理装置を保持しているものとする。
各ステップの処理について説明する。
【0118】
(ステップS221)
まず、ユーザは、ステップS221において、情報処理装置にロック解除用コードを入力する。すなわち、PINコード等のロック解除用コードである。
【0119】
(ステップS222)
情報処理装置の制御部は、ユーザから入力されたロック解除用コードと、メモリに登録済みのコードを照合し、一致するか否かを判定する。
一致した場合は、正しいコードが入力されたと判定し、ステップS223に進む。
一致しない場合は、正しいコードが入力されなかったと判定し、ステップS221に戻る。この場合は第1ロックの解除は行われず、ICカード機能は利用できない。
【0120】
(ステップS223)
ステップS222において、正しいコードが入力されたと判定した場合は、ステップS223に進む。
この場合、情報処理装置の制御部はICカード機能の第1ロックを解除する。
なお、この状態では、まだICカード機能の利用はできない。
【0121】
なお、このステップS221~S222の第1段ロック解除処理においては、前述したように、ユーザ本人であるかどうかを確認可能とした個人認証可能な認証方式を利用してもよい。前述した加速度センサを用いた歩き方による個人認証処理が利用可能である。
なお、前述したように、例えば、ウェアラブル機器がロック状態に関係なく、ユーザがウェアラブル機器を装着している間、体調に関する情報に加え、ユーザの歩き方のパターン(歩容データ)を記録する構成では、以下のような処理が実行可能となる。
ユーザがロック解除用コードを入力して第1のロックを解除しようとしている時点における最新の歩容データと過去の所定期間の歩容データを比較し、歩容データのパターンが合致した場合、ユーザ本人であると判定して、ロック解除用コードの入力を受け付ける。すなわちコードが正しければロックを解除する処理を行う。
【0122】
(ステップS224)
次に、情報処理装置の制御部は、ユーザによって設定された第2ロック解除条件が満たされたか否かを判定する。
【0123】
図11左側に示す情報は、情報処理装置の記憶部に格納されている。情報処理装置の制御部は、情報処理装置の記憶部に格納された第2ロック解除条件を参照し、さらに、第2ロック解除判定用アプリ=体調管理アプリケーションの取得情報を解析して、ユーザによって設定された第2ロック解除条件が満たされたか否かを判定する。
【0124】
第2ロック解除条件が満たされたと判定した場合、すなわち本例では、ユーザの体調が良好であると判定された場合には、ステップS225に進む。
一方、第2ロック解除条件が満たされていないと判定した場合、すなわちユーザの体調が良好ではないと判定された場合には、ステップS223に戻る。この場合、第2ロックは解除されず、ユーザはICカード機能(カーシェアリングの会員証機能アプリ)を利用できない。
【0125】
(ステップS225)
ステップS224において、第2ロック解除条件が満たされたと判定した場合、すなわち、ユーザの体調が良好であると判定された場合には、ステップS225に進む。
【0126】
情報処理装置の制御部は第2ロック解除条件が満たされたと判定した場合、ステップS225において第2ロックを解除する。この処理によって、ユーザは、ICカード機能(カーシェアリングの会員証機能アプリ)を利用することが可能となる。
【0127】
なお、上述した処理例では、利用時点の体温や脈拍を確認しロック解除の判定を行うことを想定した処理例としているが、ユーザは常時ウェアラブル機器を身に着けており、過去24時間以内の睡眠時間なども条件判定に利用する構成としてもよい。
この場合、ユーザがカーシェアリングを利用する直前に、ウェアラブル機器を操作し、第1のロックを解除し、その時点で、第2のロックを解除する条件が満たされていたら、第2のロックも解除され、車が借りられるようになるという流れで処理が実行される。
【0128】
[6.情報処理装置の構成例について]
次に、本開示の情報処理装置100の構成例について説明する。
図12は、本開示の情報処理装置100、すなわちICカード機能を有するスマホやウェアラブル機器等の情報処理装置100の構成例を示す図である。
図12に示すように、本開示の情報処理装置100は、制御部(マイコン等)151、操作部152、表示部153、セキュアエレメント154、メモリ155、クロック156、各種センサ群160、第1通信部170、第2通信部180、電源供給部190を有する。
【0129】
各種センサ群160には、例えば、加速度センサ161、指紋センサ162、GPSセンサ163等が含まれる。第1通信部170にはブルートゥース(登録商標)通信部171、Wi-Fi通信部172、その他の通信部173が含まれる。第2通信部180には、NFC-CLF181、近傍通信手段182、その他の通信部183が含まれる。
【0130】
制御部(マイコン等)151は、情報処理装置100において実行する処理の制御を実行する。具体的には、先に説明した第1ロック、第2ロックの設定、解除処理、その他、各種アプリケーションの実行、制御等を行う。上述した各フローの処理制御も行う。
なお、制御部(マイコン等)151の実行する制御プログラム、アプリケーション等は、メモリ155に格納されている。
【0131】
操作部152は、ユーザによる操作可能な操作部であり、各種スイッチの他、表示部153上のタッチパネル等も含まれる。ユーザは操作部152を介して様々な情報を入力することができる。例えば先に説明した第1ロック解除用のコード情報や第2ロック解除に適用するアプリケーション情報や解除条件情報等を入力することができる。
【0132】
表示部153は、例えば液晶ディスプレイ等の表示部であり、上述したロック条件情報の入力に利用される他、様々なアプリケーションの実行情報等の表示に利用される。
【0133】
セキュアエレメント154は、セキュアメモリおよびメモリ制御部を有するエレメントとして構成されるICチップである。セキュアエレメント154内のセキュアメモリにはICカード機能提供アプリ等が格納される。
セキュアエレメント154の具体的構成例については後段で
図13を参照して説明する。
【0134】
メモリ155は、前述したように、制御部151の実行する制御プログラム、アプリケーション、ロック解除用コード(PINコード)、第2ロック解除条件情報等が記録される。
【0135】
クロック156は時計情報であり、各処理部にクロック情報を出力する。各種センサ群160には例えば加速度センサ161、指紋センサ162、GPSセンサ163等が含まれる。これらのセンサ取得情報は、例えば第2ロック解除条件を満たすか否かの判定処理に利用される。
【0136】
第1通信部170は、ブルートゥース(登録商標)通信部171、Wi-Fi通信部172、その他の通信部173によって構成され、外部装置、例えばサーバ、PC、スマホ、ウェアラブル機器等との通信に利用される。第2通信部180は、NFC-CLF181、近傍通信手段182、その他の通信部183が含まれ、例えばリーダライタ(R/W)21との通信処理を行う。
NFC-CLF181は、NFC(Near Field Communication)-CLF(Contactless Front End)であり近接通信のためのICチップの一種である。
【0137】
次に、
図13を参照してセキュアエレメント154の具体的構成例について説明する。
セキュアエレメント154は、主にセキュアメモリおよびセキュアメモリ制御部から構成されるICチップである。
図13に示すように、セキュアエレメント154のセキュアメモリ内には、各ICカード機能提供アプリケーションが格納されている。カードOSはセキュアメモリに格納されたICカード機能提供アプリケーションのサービス単位の処理制御を実行する。
【0138】
なお、このセキュアエレメント154に格納されたICカード機能提供アプリケーションは、制御部151においてロック(第1ロックと第2ロック)が解除された場合に利用可能となる。
制御部151においてロック(第1ロックと第2ロック)が解除された場合、セキュアエレメント154内の制御部であるカードOSの制御により、通信部180の例えばNFC-CLFを介してリーダライタ(R/W)との通信が実行される。
【0139】
次に、
図14を参照して、本開示の情報処理装置100に格納されたICカード機能提供アプリの状態遷移処理の一例について説明する。
図14に示すように、情報処理装置100に格納されたICカード機能提供アプリの状態は、以下の4状態のいずれかに設定され、遷移条件の発生に基づいて各状態間を遷移する。
(状態1)第1ロック状態
(状態2)第1ロック解除状態
(状態3)第2ロック状態
(状態4)第2ロック解除状態
【0140】
(状態1)第1ロック状態から、(状態2)第1ロック解除状態へは、第1ロック解除コードの入力(ユーザ認証)によって遷移する。
(状態2)第1ロック解除状態から、(状態1)第1ロック状態へは、予め規定した第1ロックの設定条件を満たした場合に遷移する。例えばウェアラブル端末の取り外し後、静止状態で一定時間経過した場合や、静脈センサの検出情報により人体装着が解除されたと判定した場合、あるいは予め規定した時間、ICカード機能提供アプリの利用がなかった場合等である。
【0141】
(状態2)第1ロック解除状態から(状態3)第2ロック状態へは、第2ロック解除条件の設定があり、かつ、第2ロック解除条件を満たしていない場合に遷移する。
(状態3)第2ロック状態から、(状態2)第1ロック解除状態へは、第2ロック解除条件の削除処理が行われた場合に遷移する。
(状態3)第2ロック状態から、(状態1)第1ロック状態へは、予め規定した第1ロックの設定条件を満たした場合に遷移する。例えばウェアラブル端末の取り外し後、静止状態で一定時間経過した場合や、静脈センサの検出情報により人体装着が解除されたと判定した場合、あるいは予め規定した時間、ICカード機能提供アプリの利用がなかった場合等である。
【0142】
(状態3)第2ロック状態から、(状態4)第2ロック解除状態へは、第2ロック解除条件を満たした場合に遷移する。
(状態4)第2ロック解除状態から、(状態3)第2ロック状態へは、第2ロック解除条件を満たさなくなった場合に遷移する。
(状態4)第2ロック解除状態から、(状態1)第1ロック状態へは、予め規定した第1ロックの設定条件を満たした場合に遷移する。例えばウェアラブル端末の取り外し後、静止状態で一定時間経過した場合や、静脈センサの検出情報により人体装着が解除されたと判定した場合、あるいは予め規定した時間、ICカード機能提供アプリの利用がなかった場合等である。
また、他状態から(状態1)第1ロック状態へは、ユーザがウェアラブル機器を装着したまま、ウェアラブル機器の仕様等で予め規定された時間が経過した場合(ICカード機能提供アプリの利用有無にかかわらず)にも遷移する。
【0143】
本開示の情報処理装置100に格納されたICカード機能提供アプリはこのように
図14に示す状態遷移を行う。
【0144】
次に、
図15を参照して、情報処理装置100のメモリ155に格納される第2ロック解除条件情報のデータ例について説明する。
メモリ155には、
図15に示すように、以下の各データが対応付けて記録される。
(A)ルール識別子
(B)ロック対象サービス(ICカード機能提供アプリのサービス)
(C1)第2ロック解除条件1
(C2)第2ロック解除条件2
:
【0145】
(A)ルール識別子は、適用ルールの識別子である。ユーザはこれら複数のルールから適用するルールを選択することができる。
また、様々な新たなルールを追加する処理や、ルールの削除処理を行うことも可能である。
【0146】
(B)ロック対象サービス(ICカード機能提供アプリのサービス)は、第2ロックの設定、解除対象となるアプリケーションの提供サービスである。
例えば鉄道やバス等の乗車券として利用可能な交通乗車機能提供アプリ、あるいは様々な店舗で利用可能なクレジットカード機能を持つクレジットカード機能提供アプリ、特定の飲食店チェーンで利用可能な特定店舗対応の決済に利用可能なショップ対応アプリ等の各アプリ提供サービス単位でルールが記録される。
【0147】
(C1)、(C2)・・には、第2ロック解除条件を複数記録することができる。
第2ロック解除条件1,2,・・・はand条件であり、(C1),(C2),・・・に記録された解除条件を全て満たす場合に、(B)ロック対象サービス(ICカード機能提供アプリのサービス)の第2ロックが解除され、サービスを利用することができる。
【0148】
なお、(C1)第2ロック解除条件1には、以下の各データが記録される。
(C1a)第2ロック解除判定用アプリ、センサ
(C1b)解除条件値1
(C1c)解除条件値2
【0149】
(C1a)第2ロック解除判定用アプリ、センサには第2ロックの解除判定に適用する情報を取得するためのアプリ、またはセンサが記録される。
(C1b)解除条件値1
(C1c)解除条件値2
これらには、(C1a)第2ロック解除判定用アプリ、センサによって取得される情報であって、(B)ロック対象サービス(ICカード機能提供アプリのサービス)の第2ロックの解除条件となる値が記録される。
【0150】
例えば、ルール1は、
(B)ロック対象サービス(ICカード機能提供アプリのサービス)=xxxx
(C1a)第2ロック解除判定用アプリ、センサ=体調管理アプリ、脈拍センサ、体温センサ
(C1b)解除条件値1=(脈拍=60~90)
(C1c)解除条件値2=(体温35~37℃)
これらのデータが記録されている。
【0151】
これは、先に
図11を参照して説明したカーシェアリングの会員証機能サービスの第2ロック解除処理に対応するルールである。すなわち、
(B)ロック対象サービス(ICカード機能提供アプリのサービス)=xxxx
=カーシェアリングの会員証機能サービス
この設定ルールに対応する。
【0152】
このルール1は、体調管理アプリ、脈拍センサ、体温センサによって取得したユーザの脈拍=60~90で、かつ体温=35~37℃である場合、(B)に示されたサービス(xxxx=カーシェアリングの会員証機能サービス)の第2ロックを解除して、サービス利用を可能とするルールである。
【0153】
また、ルール2は、
(B)ロック対象サービス(ICカード機能提供アプリのサービス)=yyyy
(C1a)第2ロック解除判定用アプリ、センサ=歩数計測アプリ、加速度センサ、
(C1b)解除条件値1=(歩数>10,0000)
(C2a)第2ロック解除判定用アプリ、センサ=システムクロック
(C2b)解除条件値1=(現在時刻=pp~qq)
これらのデータが記録されている。
【0154】
これは、先に
図5を参照して説明した交通乗車券機能提供サービスの第2ロック解除処理と類似するルールである。すなわち、
(B)ロック対象サービス(ICカード機能提供アプリのサービス)=yyyy
=交通乗車券機能提供サービス
この設定ルールに対応する。
【0155】
このルール2は、歩数計測アプリ、加速度センサによって取得されるユーザの歩数>10,000で、かつ、システムクロックによって得られた現在時刻=pp~qqにある場合、(B)に示されたサービス(yyyy=交通乗車券機能提供サービス)の第2ロックを解除して、サービス利用を可能とするルールである。
【0156】
なお、例えば、ユーザの歩数の計測開始時間を8時といった特定の時間に設定したい場合は、システムクロックの解除条件値1として、歩数計測開始時間=AM8:00等を設定すればよい。
【0157】
また、ルール3は、
(B)ロック対象サービス(ICカード機能提供アプリのサービス)=yyyy
(C1a)第2ロック解除判定用アプリ、センサ=歩数計測アプリ、加速度センサ
(C1b)解除条件値1=(歩数>10,0000)
(C1a)第2ロック解除判定用アプリ、センサ=天気情報アプリ
(C1b)解除条件値1=(天気=アプリ)
これらのデータが記録されている。
【0158】
これは、上述したルール2と同じ通乗車券機能提供サービスの第2ロック解除処理に関するルールである。すなわち、
(B)ロック対象サービス(ICカード機能提供アプリのサービス)=yyyy
=交通乗車券機能提供サービス
この設定ルールに対応する。
ルール2とルール3は、同じサービスに関するルールであり、ユーザはいずれを適用するかを自由に設定できる。
このルール3は、先に
図6を参照して説明した交通乗車券機能提供サービスの第2ロック解除処理と類似するルールである。
【0159】
このルール3は、歩数計測アプリ、加速度センサユーザの歩数>10,000であるか、または、天気情報アプリによって得られた天気=雨である場合に、(B)に示されたサービス(yyyy=交通乗車券機能提供サービス)の第2ロックを解除して、サービス利用を可能とするルールである。
【0160】
(C1),(C2)・・・の横方向の条件はand条件となるが、(C1)等の各データ欄の縦方向に記録された条件はor条件となる。
【0161】
さらに、ルール4は、
(B)ロック対象サービス(ICカード機能提供アプリのサービス)=zzzz
(C1a)第2ロック解除判定用アプリ、センサ=GPS
(C1b)解除条件値1=(現在地=緯度=aa~bb,経度=cc~dd)
(C2a)第2ロック解除判定用アプリ、センサ=システムクロック
(C2b)解除条件値1=(現在時刻=uu~vv)
これらのデータが記録されている。
【0162】
このルールは、第2ロック解除判定用アプリ、センサが、GPSとシステムクロックのみであり、情報取得アプリケーションを適用しないセンサ(クロックを含む)取得情報のみを用いてロック解除判定を実行する例である。
情報処理装置100の制御部151は、このようにセンサ取得情報のみを用いて、ロック解除判定を行う場合もある。
【0163】
このルール4は、GPSによって取得されるユーザの現在地=緯度=aa~bb,経度=cc~ddで、かつ、システムクロックによって得られた現在時刻=uu~vvにある場合、(B)に示されたサービス(zzzz)の第2ロックを解除して、サービス利用を可能とするルールである。
【0164】
このように、情報処理装置100のメモリ155には、第2ロック解除条件情報として、
(A)ルール識別子
(B)ロック対象サービス(ICカード機能提供アプリのサービス)
(C1)第2ロック解除条件1
(C2)第2ロック解除条件2
:
これらの各データが対応付けて記録される。
【0165】
制御部151は、このデータを参照して、ICカード機能提供アプリのサービス単位でのロック制御を行う。
なお、
図15に示す例では、
(B)ロック対象サービス(ICカード機能提供アプリのサービス)の記録データをサービス単位で記録した例を示したが、複数サービスを含むアプリ単位でルールを記録することも可能であり、複数のアプリを提供するシステムコード単位、あるいはカードID等の単位でルールを設定する構成も可能である。
【0166】
[7.情報処理装置の実行する処理のシーケンスについて]
次に、本開示の情報処理装置100の実行する様々な処理のシーケンスについて説明する。
【0167】
図16に示すフローチャートを参照して、以下の各処理について説明する。
(1)ウェアラブル機器の初期設定処理(
図16)
(2)ウェアラブル機器の第1ロック解除処理(
図17)
(3)ウェアラブル機器に対する第2ロック解除条件設定処理(
図18)
(4)ウェアラブル機器の第1ロックと第2ロックの解除処理(
図19)
(5)ウェアラブル機器の第2ロック解除条件削除処理(
図20)
(6)リーダライタからのコマンド入力に基づくウェアラブル機器のロック解除処理(
図21)
なお、これらの各処理は、情報処理装置100のメモリ155に格納されたプログラムに従って、プログラム実行機能を有するCPU等を備えた制御部151の制御下で実行される。
以下、各処理について、順次、説明する。
【0168】
(1)ウェアラブル機器の初期設定処理
まず、
図16に示すフローチャートを参照して、ウェアラブル機器の初期設定処理のシーケンスについて説明する。
各ステップの処理について、順次、説明する。
【0169】
(ステップS301)
まず、ステップS301において、スマホ101とウェアラブル機器102を通信接続する。
なお、この接続処理に際しては、例えば規定の認証処理を実行して、相互の正当性確認を行うことが好ましい。
【0170】
(ステップS302)
次に、ステップS302において、スマホ101は、ICカード機能設定アプリを起動する。
【0171】
(ステップS303)
次に、ステップS303において、スマホ101は、ICカード機能設定アプリの設定画面にロック解除用コード(PINコード)を入力して、ウェアラブル機器102に送信する。
【0172】
(ステップS304)
次に、ステップS304において、ユーザは、ウェアラブル機器102でICカード機能提供アプリの設定画面を表示し、ロック解除用コード(PINコード)を入力する。
【0173】
(ステップS305)
次に、ステップS305において、ウェアラブル機器102の制御部は、スマホ101から受信したコードと、ステップS304でユーザがウェアラブル機器102に入力したコードが一致するか否かを判定する。一致した場合には、このコードをウェアラブル機器102のメモリに格納する。
一致しない場合は、ステップS303に戻る。
【0174】
(2)ウェアラブル機器の第1ロック解除処理
次に、
図17に示すフローチャートを参照して、ウェアラブル機器の第1ロック解除処理のシーケンスについて説明する。
各ステップの処理について、順次、説明する。
【0175】
(ステップS321)
まず、ステップS321において、ユーザがウェアラブル機器102を装着する。
【0176】
(ステップS322)
次に、ステップS322において、ウェアラブル機器102でICカード機能提供アプリの設定画面を表示し、ロック解除用コード(PINコード)を入力する。
【0177】
(ステップS323)
次に、ステップS323において、ウェアラブル機器102の制御部は、入力コードがメモリに登録されたコードと一致するか否かを判定する。
一致しない場合は、ステップS322に戻る。
一致した場合は、ステップS324に進む。
【0178】
(ステップS324)
次に、ステップS324において、ウェアラブル機器102の制御部は、第1ロックを解除する。
【0179】
(ステップS325)
次に、ステップS325において、ウェアラブル機器102の制御部は、ウェアラブル機器102の人体装着が解除されたか否かを判定する。
例えば加速度センサの検出値、あるいは静脈センサの検出情報等に基づいて判定する。
ウェアラブル機器102の人体装着が解除されていない場合は、ステップS324に戻り、第1ロックの解除状態を継続する。
一方、ウェアラブル機器102の人体装着が解除された
と判定した場合は、ステップS326に進む。
【0180】
(ステップS326)
ステップS325において、静止時間が規定時間以上、継続した場合や、静脈センサの検出情報により人体装着が解除されたと判定した場合、ウェアラブル機器102の制御部は、ステップS326において、第1ロックの解除状態を停止し、第1ロックのロック状態に移行させる。
なお、第1ロック状態への移行は、ユーザがウェアラブル機器を装着したまま、ウェアラブル機器の仕様等で予め規定された時間が経過した場合(ICカード機能提供アプリの利用有無にかかわらず)にも遷移する。
その後はステップS322においてユーザによるコード入力に応じて、ステップS322以下の処理を実行する。
【0181】
(3)ウェアラブル機器に対する第2ロック解除条件設定処理
次に、
図18に示すフローチャートを参照して、ウェアラブル機器に対する第2ロック解除条件設定処理のシーケンスについて説明する。
各ステップの処理について、順次、説明する。
【0182】
(ステップS341)
まず、ステップS341において、スマホ101とウェアラブル機器102を通信接続する。
なお、この接続処理に際しては、例えば規定の認証処理を実行して、相互の正当性確認を行うことが好ましい。
【0183】
(ステップS342)
次に、ステップS342において、スマホ101は、ICカード機能設定アプリを起動する。
【0184】
(ステップS343)
次に、ステップS343において、ユーザは、スマホ101に、第2ロック解除条件情報を入力する。具体的には、先に
図15を参照して説明したメモリ登録データ、すなわち、
(B)ロック対象サービス(ICカード機能提供アプリのサービス)
(C1a)第2ロック解除判定用アプリ、センサ
(C1b)解除条件値
これらのデータの入力を行う。
【0185】
(ステップS344)、
次に、ステップS344において、スマホ101は、ステップS343において入力された第2ロック解除条件情報をウェアラブル機器102に送信する。
【0186】
(ステップS345)、
次に、ステップS345において、ウェアラブル機器102は、スマホ101から受信した第2ロック解除条件情報をウェアラブル機器102のメモリに格納する。
【0187】
(4)ウェアラブル機器の第1ロックと第2ロックの解除処理
次に、
図19に示すフローチャートを参照して、ウェアラブル機器の第1ロックと第2ロックの解除処理のシーケンスについて説明する。
各ステップの処理について、順次、説明する。
【0188】
(ステップS361)
まず、ステップS361において、ユーザがウェアラブル機器102を装着する。
【0189】
(ステップS362)
次に、ステップS362において、ウェアラブル機器102でICカード機能提供アプリの設定画面を表示し、ロック解除用コード(PINコード)を入力する。
【0190】
(ステップS363)
次に、ステップS363において、ウェアラブル機器102の制御部は、入力コードがメモリに登録されたコードと一致するか否かを判定する。
一致しない場合は、ステップS362に戻る。
一致した場合は、ステップS364に進む。
【0191】
(ステップS364)
次に、ステップS364において、ウェアラブル機器102の制御部は、第1ロックを解除する。
【0192】
(ステップS365~S366)
次に、ステップS365において、ウェアラブル機器102の制御部は、ウェアラブル機器102の人体装着が解除されたか否かを判定する。
例えば加速度センサの検出値、あるいは静脈センサの検出情報等に基づいて判定する。
【0193】
静止時間が規定時間以上、継続した場合や、静脈センサの検出情報により人体装着が解除されたと判定した場合は、ステップS366に進み、第1ロック状態に移行して、ステップS362に戻る。
なお、第1ロック状態への移行は、ユーザがウェアラブル機器を装着したまま、ウェアラブル機器の仕様等で予め規定された時間が経過した場合(ICカード機能提供アプリの利用有無にかかわらず)にも遷移する。
一方、静止時間が規定時間以上、継続していない場合は、ステップS324に戻り、第1ロックの解除状態を継続し、ステップS371に進む。
【0194】
(ステップS371)
次に、ステップS371において、ウェアラブル機器102の制御部は、第2ロック解除条件の設定、すなわちICカード機能適用アプリに対して適用設定のなされたルールが存在するか否かを判定する。
存在しない場合は、ステップS374に進み、ICカード機能適用アプリの実行サービスの利用を可能とする。
一方、適用ルールが存在する場合は、ステップS372に進む。
【0195】
(ステップS372)
次に、ステップS372において、ウェアラブル機器102の制御部は、第2ロック解除条件が満たされているか否かを判定する。
この判定処理は、メモリに記録されたルールの設定情報、すなわち、先に
図15を参照して説明した以下の情報、
(B)ロック対象サービス(ICカード機能提供アプリのサービス)
(C1a)第2ロック解除判定用アプリ、センサ
(C1b)解除条件値
これらの情報を参照し、アプリやセンサの取得情報と比較して、解除条件を満たすか否かを判定する。
【0196】
第2ロック解除条件が満たされていないと判定した場合は、第2ロックを解除することなく、このステップS372の判定処理を継続して実行する。
一方、第2ロック解除条件が満たされていると判定した場合は、ステップS373に進む。
【0197】
(ステップS373)
ステップS372において、第2ロック解除条件が満たされていると判定した場合、ウェアラブル機器102の制御部は、ステップS373において、第2ロックの解除処理を実行する。
この結果、ステップS374に進み、ICカード機能適用アプリの実行サービスの利用が可能となる。
【0198】
(5)ウェアラブル機器の第2ロック解除条件削除処理
次に、
図20に示すフローチャートを参照して、ウェアラブル機器の第2ロック解除条件削除処理のシーケンスについて説明する。
各ステップの処理について、順次、説明する。
【0199】
(ステップS381)
まず、ステップS381において、スマホ101とウェアラブル機器102を通信接続する。
なお、この接続処理に際しては、例えば規定の認証処理を実行して、相互の正当性確認を行うことが好ましい。
【0200】
(ステップS382)
次に、ステップS382において、スマホ101は、ICカード機能設定アプリを起動する。
【0201】
(ステップS383)
次に、ステップS383において、ユーザは、スマホ101に、ウェアラブル機器102のメモリから読み出した第2ロック解除条件情報の一覧から削除するルールを選択する。
【0202】
(ステップS384)
次に、ステップS384において、スマホ101の制御部は、スマホ101からのリモート操作により、ウェアラブル機器102のメモリに格納された削除対象のルールを削除する。
【0203】
(6)リーダライタからのコマンド入力に基づくウェアラブル機器のロック解除処理
次に、
図21に示すフローチャートを参照して、リーダライタからのコマンド入力に基づくウェアラブル機器のロック解除処理のシーケンスについて説明する。
各ステップの処理について、順次、説明する。
【0204】
(ステップS391)
まず、ステップS391において、リーダライタは、カード待ち受け状態で待機する。この期間において、リーダライタは、定期的なポーリング処理(カードに対するコマンド送信)を実行している。
【0205】
(ステップS392)
次に、ステップS392において、ウェアラブル機器102は、リーダライタからのポーリングを受信する。
【0206】
(ステップS393)
次に、ステップS393において、ウェアラブル機器102の制御部は、リーダライタからのポーリング受信に応じて、リーダライタの要求するICカード提供アプリのサービス対応のロック解除条件を確認する。
なお、確認対象のロック解除条件は第2ロック解除条件である。第1ロックは解除されているものとする。
【0207】
(ステップS394)
次に、ステップS394において、リーダライタの要求するICカード提供アプリのサービス対応のロック解除条件を満たすか否かを判定する。
満たさない場合は、その後のリーダライタに対する応答処理を実行することなく処理を終了する。
【0208】
一方、リーダライタの要求するICカード提供アプリのサービス対応のロック解除条件を満たすと判定した場合は、ステップS395に進む。
【0209】
(ステップS395)
次に、ステップS395において、ウェアラブル機器102の制御部は、リーダライタの要求するICカード提供アプリのサービス対応の第2ロックを解除する。
【0210】
(ステップS396)
次に、ステップS396において、ウェアラブル機器102の制御部は、リーダライタに対してポーリングに対する応答を送信する。
【0211】
[8.その他の実施例について]
次に、その他の実施例について説明する。
以下の2つの実施例について説明する。
(1)第2ロック解除の条件を、ウェアラブル機器の特定ICカードサービスの一定時間内の利用金額とする実施例
(2)ウェアラブル機器をリーダライタ(R/W)にかざした際、リーダライタ(R/W)からウェアラブル機器にロック解除条件を書き込む実施例
(3)その他の第2ロック解除判定用アプリについて
【0212】
(1)第2ロック解除の条件を、ウェアラブル機器の特定ICカードサービスの一定時間内の利用金額とする実施例
まず、第2ロック解除の条件を、ウェアラブル機器の特定ICカードサービスの一定時間内の利用金額とする実施例について説明する。
【0213】
例えば、ウェアラブル機器の電子マネーで一定額以上買い物をすると、ウェアラブル機器を、店内の荷物預かりロッカーや、休憩スペースのドアなどに付設されたリーダライタ(R/W)にかざすことで、ロッカーやドアを開けられ、利用可能になる。
【0214】
本実施例において、第2ロック解除条件は、ユーザ(ウェアラブル機器)の位置が、特定のエリア内で、かつ電子マネーの一定時間内の利用額が、予め定めた規定額以上であることなどに設定される。
【0215】
第2ロック解除条件を満たすか否かについては、ウェアラブル機器のセンサ等によって取得される場所情報、時刻情報、およびICカード機能アプリの特定サービスの利用履歴等に基づいて判定される。この判定結果に従って、第2ロックの、ロック・アンロックの制御を行う
本例において、ロック解除対象サービスは、ロッカー、ラウンジなどの開閉サービスである。
【0216】
(2)ウェアラブル機器をリーダライタ(R/W)にかざした際、リーダライタ(R/W)からウェアラブル機器にロック解除条件を書き込む実施例
次に、ウェアラブル機器をリーダライタ(R/W)にかざした際、リーダライタ(R/W)からウェアラブル機器にロック解除条件を書き込む実施例について説明する。
【0217】
例えば、ウェアラブル機器のICカード機能を入場券として利用するエンタテインメント施設などにおいて、ある条件をクリアしたら、施設内の別のエリアに行くことを許可するサービスを提供する。
【0218】
ユーザが特定のリーダライタ(R/W)にウェアラブル機器をかざしたことをもって条件をクリアしたと判定し、リーダライタ(R/W)から新たなロック解除条件をウェアラブル機器に書き込む。
例えば、新たなロック解除条件は、別のエリアの入り口付近、かつかざしてから2時間以内など、ユーザが次のエリアに近づけば、達成される内容等のロック解除証券である。
この例において、ロック解除対象サービスは、施設内の特定エリアのIC入場券提供サービスとなる。
【0219】
(3)その他の第2ロック解除判定用アプリについて
次に、その他の第2ロック解除判定用アプリについて説明する。
【0220】
上述した実施例において、歩数測定アプリ等、複数の第2ロック解除判定用アプリについて説明した。上述した例の他、第2ロック解除判定用アプリとして、例えば、活動量計測アプリも利用可能である。
活動量計測アプリは、加速度センサ、心拍センサなど複数のセンサの情報をもとに、ユーザの運動量(歩いた、走った、自転車に乗った、階段を上り降りしたなど)を総合的に判断する。
このアプリを利用することで、例えば、
第2ロック解除条件=ユーザが規定の消費カロリを超えた
この条件に基づくロック解除制御を行うことが可能となる。
【0221】
また、センサの情報を使用しないロック解除判定用アプリには、天気情報取得アプリ以外にも、ゲームやクイズなどのアプリ、例えば、課題をクリアするとロックが解除される。あるいは、スタンプカードやポイントカードのアプリ、例えば、特定のサービスの利用が閾値を超えるとロックが解除されるなど、様々なアプリが利用可能である。
【0222】
[9.情報処理装置のハードウェア構成例について]
次に、
図22を参照して、本開示の情報処理装置のハードウェア構成例について説明する。
【0223】
図22に示す構成について説明する。
CPU(Central Processing Unit)301は、ROM(Read Only Memory)302、または記憶部308に記憶されているログラムに従って各種の処理を実行する制御部やデータ処理部として機能する。例えば、上述した実施例において説明したシーケンスに従った処理を実行する。RAM(Random Access Memory)303には、CPU301が実行するプログラムやデータなどが記憶される。これらのCPU301、ROM302、およびRAM303は、バス304により相互に接続されている。
【0224】
CPU301はバス304を介して入出力インタフェース305に接続され、入出力インタフェース305には、各種スイッチ、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部306、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部307が接続されている。CPU301は、入力部306から入力される指令に対応して各種の処理を実行し、処理結果を例えば出力部307に出力する。
【0225】
入出力インタフェース305に接続されている記憶部308は、例えばフラッシュメモリ、ハードディスク等からなり、CPU301が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。通信部309は、Wi-Fi通信、ブルートゥース(登録商標)(BT)通信、その他インターネットやローカルエリアネットワークなどのネットワークを介したデータ通信の送受信部として機能し、外部の装置と通信する。
【0226】
入出力インタフェース305に接続されているドライブ310は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいはメモリカード等の半導体メモリなどのリムーバブルメディア311を駆動し、データの記録あるいは読み取りを実行する。
【0227】
[10.本開示の構成のまとめ]
以上、特定の実施例を参照しながら、本開示の実施例について詳解してきた。しかしながら、本開示の要旨を逸脱しない範囲で当業者が実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本開示の要旨を判断するためには、特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0228】
なお、本明細書において開示した技術は、以下のような構成をとることができる。
(1) 第1のアプリケーションを記憶する記憶部と、
具備するセンサからセンサ情報を取得し、取得したセンサ情報に基づいて、前記記憶部へのアクセスを禁止することにより前記第1のアプリケーションを利用不可とするロック制御を実行する制御部と、
を有する情報処理装置。
【0229】
(2) 前記制御部は、さらに、
ロック解除判定用アプリの取得情報に基づいて、前記第1のアプリケーションのロック制御を実行する(1)に記載の情報処理装置。
【0230】
(3) 前記制御部は、
前記第1のアプリケーションに含まれる提供サービス単位でロック制御を実行する(1)または(2)に記載の情報処理装置。
【0231】
(4) 前記制御部は、
複数の異なるロック解除判定用アプリの取得情報に基づいて、前記第1のアプリケーションのロック制御を実行する(1)~(3)いずれかに記載の情報処理装置。
【0232】
(5) 前記制御部は、
前記第1のアプリケーションについて、
入力コードに基づく第1ロック解除処理と、
前記ロック解除判定用アプリの取得情報に基づく第2ロック解除処理を実行する
(1)~(4)いずれかに記載の情報処理装置。
【0233】
(6) 前記情報処理装置は、
前記ロック解除判定用アプリの取得情報に基づく前記第1のアプリケーションのロック解除条件情報を格納したメモリを有し、
前記制御部は、
前記メモリに格納された前記ロック解除条件情報と、前記ロック解除判定用アプリの取得情報を比較して、前記第1のアプリケーションのロック解除処理を実行する(1)~(5)いずれかに記載の情報処理装置。
【0234】
(7) 前記制御部は、
前記第1のアプリケーションのロック解除条件情報を外部装置から受信して、前記メモリに格納する(6)に記載の情報処理装置。
【0235】
(8) 前記ロック解除判定用アプリは、歩数計測アプリであり、
前記制御部は、
前記情報処理装置の保持ユーザの歩数が、予め規定されたロック解除条件である規定歩数を超えた場合に、前記第1のアプリケーションのロック解除処理を実行する(1)~(7)いずれかに記載の情報処理装置。
【0236】
(9) 前記ロック解除判定用アプリは、体調管理アプリであり、
前記制御部は、
前記情報処理装置の保持ユーザの体調が良好であると判定した場合に、前記第1のアプリケーションのロック解除処理を実行する(1)~(8)いずれかに記載の情報処理装置。
【0237】
(10) 前記ロック解除判定用アプリは、位置情報取得アプリであり、
前記制御部は、
前記情報処理装置の保持ユーザの現在地が、予め規定した領域内にある場合に、前記第1のアプリケーションのロック解除処理を実行する(1)~(9)いずれかに記載の情報処理装置。
【0238】
(11) 前記ロック解除判定用アプリは、天気情報取得アプリであり、
前記制御部は、
現在の天気が、予め規定した天気である場合に、前記第1のアプリケーションのロック解除処理を実行する(1)~(10)いずれかに記載の情報処理装置。
【0239】
(12) 前記制御部は、
前記ロック解除判定用アプリの取得情報と、クロックから得られる時間情報に基づいて、前記第1のアプリケーションのロック制御を実行する(1)~(11)いずれかに記載の情報処理装置。
【0240】
(13) 前記情報処理装置は、ウェアラブル機器である(1)~(12)いずれかに記載の情報処理装置。
【0241】
(14) 第1の情報処理装置と、ウェアラブル機器を有する情報処理システムであり、
前記ウェアラブル機器は、第1のアプリケーションを利用可能な機器であり、
前記第1の情報処理装置は、
前記ウェアラブル機器の第1のアプリケーションを利用不可状態に設定するロック処理や、利用可状態に設定するロック解除処理を含むロック制御を実行する際に利用するロック解除条件情報を、前記ウェアラブル機器に送信し、
前記ウェアラブル機器は、
前記第1の情報処理装置から前記ロック解除条件情報を受信してメモリに格納し、
前記第1のアプリケーションとは異なるアプリケーションであるロック解除判定用アプリの取得情報と、前記メモリに格納された前記ロック解除条件情報を比較して、前記第1のアプリケーションのロック制御を実行する情報処理システム。
【0242】
(15) 情報処理装置において実行する情報処理方法であり、
前記情報処理装置は、
第1のアプリケーションを記憶する記憶部を有し、
制御部が、
具備するセンサからセンサ情報を取得し、取得したセンサ情報に基づいて、前記記憶部へのアクセスを禁止することにより前記第1のアプリケーションを利用不可とする前記第1のアプリケーションのロック制御を実行する情報処理方法。
【0243】
(16) 第1の情報処理装置と、ウェアラブル機器を有する情報処理システムにおいて実行する情報処理方法であり、
前記ウェアラブル機器は、第1のアプリケーションを利用可能な機器であり、
前記第1の情報処理装置が、
前記ウェアラブル機器の第1のアプリケーションを利用不可状態に設定するロック処理や、利用可状態に設定するロック解除処理を含むロック制御を実行する際に利用するロック解除条件情報を、前記ウェアラブル機器に送信し、
前記ウェアラブル機器が、
前記第1の情報処理装置から前記ロック解除条件情報を受信してメモリに格納し、
前記第1のアプリケーションとは異なるアプリケーションであるロック解除判定用アプリの取得情報と、前記メモリに格納された前記ロック解除条件情報を比較して、前記第1のアプリケーションのロック制御を実行する情報処理方法。
【0244】
(17) 情報処理装置において情報処理を実行させるプログラムであり、
前記情報処理装置は、
第1のアプリケーションを記憶する記憶部を有し、
前記プログラムは、制御部に、
具備するセンサからセンサ情報を取得させ、取得したセンサ情報に基づいて、前記記憶部へのアクセスを禁止することにより前記第1のアプリケーションを利用不可とする前記第1のアプリケーションのロック制御を実行させるプログラム。
【0245】
また、明細書中において説明した一連の処理はハードウェア、またはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。例えば、プログラムは記録媒体に予め記録しておくことができる。記録媒体からコンピュータにインストールする他、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介してプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
【0246】
なお、明細書に記載された各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。また、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【産業上の利用可能性】
【0247】
以上、説明したように、本開示の一実施例の構成によれば、様々な細かな条件設定の下でICカード機能提供アプリのロック解除等のロック制御を行う構成が実現される。
具体的には、例えば、ICカード機能提供アプリを利用不可状態に設定するロック処理や、利用可状態に設定するロック解除処理を含むロック制御を実行する制御部を有する。制御部は、ICカード機能提供アプリとは異なるアプリケーションであるロック解除判定用アプリの取得情報に基づいて、ICカード機能提供アプリのロック制御を実行する。例えば、歩数計測アプリによって計測されたユーザの歩数が予め規定されたロック解除条件である規定歩数を超えた場合に、ICカード機能提供アプリのロック解除処理を実行する。
本構成により、様々な細かな条件設定の下でICカード機能提供アプリのロック解除等のロック制御を行う構成が実現される。
【符号の説明】
【0248】
10 ユーザ
11 ICカード
20 ショップ
21 リーダライタ(R/W)
32 情報処理装置(ユーザ端末)
100 情報処理装置
101 スマホ
102 ウェアラブル端末
151 制御部(マイコン等)
152 操作部
153 表示部
154 セキュアエレメント
155 メモリ
156 クロック
160 各種センサ群
170 第1通信部
180 第2通信部
190 電源供給部
301 CPU
302 ROM
303 RAM
304 バス
305 入出力インタフェース
306 入力部
307 出力部
308 記憶部
309 通信部
310 ドライブ
311 リムーバブルメディア