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特許7590959特定の殺線虫性スルホンアミドを調製するためのプロセス及び中間体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-19
(45)【発行日】2024-11-27
(54)【発明の名称】特定の殺線虫性スルホンアミドを調製するためのプロセス及び中間体
(51)【国際特許分類】
   C07D 291/08 20060101AFI20241120BHJP
   C07C 309/42 20060101ALI20241120BHJP
   C07C 303/32 20060101ALI20241120BHJP
   C07C 309/87 20060101ALI20241120BHJP
   C07C 303/02 20060101ALI20241120BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20241120BHJP
【FI】
C07D291/08 CSP
C07C309/42
C07C303/32
C07C309/87
C07C303/02
C07B61/00 300
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021517976
(86)(22)【出願日】2019-10-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-06
(86)【国際出願番号】 US2019054255
(87)【国際公開番号】W WO2020072616
(87)【国際公開日】2020-04-09
【審査請求日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】62/741,877
(32)【優先日】2018-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390023674
【氏名又は名称】イーアイディーピー インク.
【氏名又は名称原語表記】EIDP Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】カザルヌオーヴォ,アルバート ローレン
(72)【発明者】
【氏名】ワゲール,ティ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ジュン
(72)【発明者】
【氏名】デムコ,エリン
(72)【発明者】
【氏名】オーバホルツァー,マシュー リチャード
(72)【発明者】
【氏名】シャピロ,ラファエル
【審査官】石田 傑
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-526125(JP,A)
【文献】特表2014-534194(JP,A)
【文献】Derivatives of cymenes. I. Derivatives of .omicron.-cymene-4-sulfonic acid,Zhurnal Organicheskoi Khimii,1965年,Vol.1, No.10,pp.1832-1834
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式C:
【化1】

[式中、各R、R、及びRは、独立して、H、SF、N(C~Cアルキル)(C~Cアルキル)、C(=S)N(C~Cアルキル)(C~Cアルキル)、SON(C~Cアルキル)(C~Cアルキル)、OSO(C~Cアルキル)、OSON(C~Cアルキル)(C~Cアルキル)、N(C~Cアルキル)SO(C~Cアルキル)、若しくはC~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~C10シクロアルキル、C~C10ハロシクロアルキル、C~C10アルキルシクロアルキル、C~C10シクロアルキルアルキル、C~C14シクロアルキルシクロアルキル、C~C10アルキルシクロアルキルアルキル、C~Cシクロアルケニル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cシクロアルコキシ、C~Cハロシクロアルコキシ、C~C10シクロアルキルアルコキシ、C~Cアルケニルオキシ、C~Cアルキニルオキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cアルキルスルフィニル、C~Cアルキルスルホニル、C~Cシクロアルキルチオ、C~Cシクロアルキルスルフィニル、C~Cシクロアルキルスルホニル、C~C10シクロアルキルアルキルチオ、C~C10シクロアルキルアルキルスルフィニル、C~C10シクロアルキルアルキルスルホニル、C~Cアルケニルチオ、C~Cアルケニルスルフィニル、C~Cアルケニルスルホニル、C~Cアルキニルチオ、C~Cアルキニルスルフィニル、C~Cアルキニルスルホニル、若しくはフェニルであるか;又は
隣接環原子上のR、R、及びRのうちの2個は、一緒になって、5~7員の炭素環若しくは複素環を形成してもよく、各環は、炭素原子並びに最大2個のO、最大2個のS、及び最大3個のNから独立して選択される最大3個のヘテロ原子から選択される環員を含有し、ここで最大2個の炭素原子環員は、C(=O)及びC(=S)から独立して選択され、このような環は、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルケニル、C~Cハロアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cハロアルキニル、C~Cシクロアルキル、C~Cハロシクロアルキル、C~Cアルキルシクロアルキル、C~Cハロアルキルシクロアルキル、C~Cシクロアルキルアルキル、C~Cハロシクロアルキルアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルコキシカルボニル、C~Cハロアルコキシカルボニル、C~Cアルキルカルボニル、及びC~Cハロアルキルカルボニルからなる群から独立して選択される最大3個の置換基で任意選択的に置換されている]
の化合物を調製するための方法であって、
(a)式A
【化2】

の化合物を、o-ジクロロベンゼン(ODCB)、クロロアルカン、及びクロロアレーンから選択される溶媒、並びにスルホン酸、硫酸(HSO)、及び発煙硫酸から選択される第1の酸と接触させて、式B:
【化3】

の化合物を形成することと、
(b)式Bの前記化合物を、(i)亜硝酸塩MNO (Mは、無機カチオン又は有機カチオンである)又は亜硝酸エステル及び(ii)少なくとも1つの無機酸、少なくとも1つの有機酸、又はこれらの混合物から選択される第2の酸と接触させて、式C:
【化4】

の化合物を形成することと、を含む、方法。
【請求項2】
各R、R、及びRが、独立して、H、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、又はフェニルである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
が、CH、CHCH、CF、OCH、OCF、又はOCHCHである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の酸が、塩酸(HCl)、臭化水素酸(HBr)、リン酸(HPO)、硫酸(HSO)、及びホウ酸(HBO)から選択される無機酸を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の酸が、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、リンゴ酸、及びスルホン酸から選択される有機酸を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
(c)工程(b)からの式Cの前記化合物を、銅(Cu)粉末及び銅塩から選択される銅供給源、並びに任意選択的に、まだ提供されていない場合は、第1の塩化物イオン供給源、続いて少なくとも1つの無機塩基、少なくとも1つの有機塩基、又はこれらの混合物から選択される第1の塩基と接触させて、式D:
【化5】

[式中、Mは、無機カチオン又は有機カチオンである]の化合物を形成することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記無機塩基が、アンモニア、水酸化ナトリウム、及び水酸化カリウムから選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記有機塩基が、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムイソ-プロポキシド、ナトリウムn-プロポキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウム1-プロポキシド、カリウム2-プロポキシド、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、及びピリジンから選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
(d)工程(c)からの式Dの前記化合物を、塩化チオニル(SOCl)、POCl、PCl、塩化オキサリル、及びホスゲンから選択される第2の塩化物供給源、並びに溶媒S1中のN,N-二置換ホルムアミドから選択される触媒と接触させて、式E:
【化6】

の化合物を形成することを更に含み、前記溶媒S1が、水、C ~C 10 芳香族炭化水素、ハロアルカン、ハロゲン化ベンゼン、C ~C 10 脂肪族炭化水素、C ~C 10 脂環式炭化水素、アセトニトリル、又はこれらの組み合わせから選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
式4及び/又は式5:
【化28】

[式中、Mは、無機カチオン又は有機カチオンである]の構造を有する化合物。
【請求項11】
Mが、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、リチウム、又はこれらの混合物である、請求項10に記載の化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国仮特許出願第62/741877号(2018年10月5日出願)の利益及び優先権を主張するものである。上記出願の内容は、その全体が本明細書に参照により組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
特定の殺線虫性スルホンアミド及びそれを調製するための方法は、例えば、国際公開第2010/129500号パンフレット、同第2012/054233号パンフレット、及び同第2014/109933号パンフレットに既に開示されている。しかしながら、既に開示されている特定の合成工程には、まだ特定の欠点がある。したがって、特定の殺線虫性スルホンアミド調製の代替的な方法に対する必要性が依然として存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一態様では、本発明は、式C、式D、又は式F:
【化1】

[式中、各R、R、及びRは、独立して、H、SF、N(C~Cアルキル)(C~Cアルキル)、C(=S)N(C~Cアルキル)(C~Cアルキル)、SON(C~Cアルキル)(C~Cアルキル)、OSO(C~Cアルキル)、OSON(C~Cアルキル)(C~Cアルキル)、N(C~Cアルキル)SO(C~Cアルキル)、若しくはC~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~C10シクロアルキル、C~C10ハロシクロアルキル、C~C10アルキルシクロアルキル、C~C10シクロアルキルアルキル、C~C14シクロアルキルシクロアルキル、C~C10アルキルシクロアルキルアルキル、C~Cシクロアルケニル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cシクロアルコキシ、C~Cハロシクロアルコキシ、C~C10シクロアルキルアルコキシ、C~Cアルケニルオキシ、C~Cアルキニルオキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cアルキルスルフィニル、C~Cアルキルスルホニル、C~Cシクロアルキルチオ、C~Cシクロアルキルスルフィニル、C~Cシクロアルキルスルホニル、C~C10シクロアルキルアルキルチオ、C~C10シクロアルキルアルキルスルフィニル、C~C10シクロアルキルアルキルスルホニル、C~Cアルケニルチオ、C~Cアルケニルスルフィニル、C~Cアルケニルスルホニル、C~Cアルキニルチオ、C~Cアルキニルスルフィニル、C~Cアルキニルスルホニル、若しくはフェニルであるか;又は
隣接環原子上のR、R、及びRのうちの2個は、一緒になって、5~7員の炭素環若しくは複素環を形成してもよく、各環は、炭素原子並びに最大2個のO、最大2個のS、及び最大3個のNから独立して選択される最大3個のヘテロ原子から選択される環員を含有し、ここで最大2個の炭素原子環員は、C(=O)及びC(=S)から独立して選択され、このような環は、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルケニル、C~Cハロアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cハロアルキニル、C~Cシクロアルキル、C~Cハロシクロアルキル、C~Cアルキルシクロアルキル、C~Cハロアルキルシクロアルキル、C~Cシクロアルキルアルキル、C~Cハロシクロアルキルアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルコキシカルボニル、C~Cハロアルコキシカルボニル、C~Cアルキルカルボニル、及びC~Cハロアルキルカルボニルからなる群から独立して選択される最大3個の置換基で任意選択的に置換されており;
Mは、無機カチオン又は有機カチオンである]
の化合物を調製するための方法であって、
(a)式A
【化2】

の化合物を、o-ジクロロベンゼン(ODCB)、クロロアルカン、及びクロロアレーンから選択される溶媒、並びにスルホン酸(例えば、クロロスルホン酸ClSOH)、硫酸(HSO)、及び発煙硫酸から選択される第1の酸と接触させて、式B:
【化3】

の化合物を形成することと、
(b)式Bの化合物を、(i)亜硝酸塩MNO[例えば、NaNO]又は亜硝酸エステル(例えば、亜硝酸tert-ブチル(tBuNO)を含む亜硝酸アルキル]及び(ii)少なくとも1つの無機酸(例えば、塩酸HCl)、少なくとも1つの有機酸、又はこれらの混合物から選択される第2の酸と接触させて、式C:
【化4】

の化合物を形成することと、を含む、方法を提供する。
【0004】
式Cの化合物は、以下の平衡状態として代替的な化学構造で示すことができる:
【化5】
【0005】
いくつかの実施形態では、R、R、及びRは、ハロゲンではない。
【0006】
いくつかの実施形態では、各R、R、及びRは、独立して、H、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、又はフェニルである。いくつかの実施形態では、R及びRは、Hである。いくつかの実施形態では、Rは、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、又はC~Cハロアルコキシである。いくつかの実施形態では、Rは、CH、CHCH、CF、OCH、OCF、又はOCHCHである。いくつかの実施形態では、Rは、OCHである。
【0007】
いくつかの実施形態では、Mは、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、リチウム、及びこれらの混合物から選択される無機カチオンである。いくつかの実施形態では、Mは、ナトリウムである。いくつかの実施形態では、Mは、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリ-n-プロピルアンモニウム、トリイソプロピルアンモニウム、及びトリブチルアンモニウムから選択される有機カチオンである。
【0008】
いくつかの更なる実施形態では、第2の酸は、塩酸(HCl)、臭化水素酸(HBr)、リン酸(HPO)、硫酸(HSO)、及びホウ酸(HBO)から選択される無機酸を含む。いくつかの更なる実施形態では、第2の酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、リンゴ酸、及びスルホン酸から選択される有機酸を含む。スルホン酸の例としては、パラ-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、及び異性体の混合物としてのトルエンスルホン酸が挙げられる。いくつかの実施形態では、第2の酸は、塩酸(HCl)を含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、提供される方法は、式Dの化合物を調製するための工程(c)を更に含む:
(c)工程(b)からの式Cの化合物を、銅(Cu)粉末及び銅塩(例えば、CuI、CuBr、CuCl、又はCuCl)から選択される銅供給源、並びに任意選択的に、まだ提供されていない場合は、第1の塩化物供給源、続いて少なくとも1つの無機塩基(例えば、NaOH)、少なくとも1つの有機塩基、又はこれらの混合物から選択される第1の塩基と接触させて、式D:
【化6】

の化合物を形成する工程。
【0010】
いくつかの実施形態では、無機塩基は、アンモニア、水酸化ナトリウム、及び水酸化カリウムから選択される。いくつかの実施形態では、無機塩基は、水酸化ナトリウムである。いくつかの実施形態では、有機塩基は、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムイソ-プロポキシド、ナトリウムn-プロポキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウム1-プロポキシド、カリウム2-プロポキシド、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、及びピリジンから選択される。いくつかの実施形態では、第1の塩基は、ナトリウムメトキシド又はアンモニア(水酸化アンモニウム又はNHOH)を含む。
【0011】
任意選択的な第1の塩化物供給源は、塩化チオニル(SOCl)、POCl、PCl、塩化オキサリル、及びホスゲン、若しくは任意の塩、又は塩化物、例えば、NaCl(即ち、MCl[式中、Mは、本明細書で定義される有機カチオン又は無機カチオンである])若しくはHClを含有する酸から選択することができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、提供される方法は、式Eの化合物を調製するための工程(d)を更に含む:
(d)工程(c)からの式Dの化合物を、塩化チオニル(SOCl)、POCl、PCl、塩化オキサリル、及びホスゲンから選択される第2の塩化物供給源、並びに溶媒S1中のN,N-二置換ホルムアミド(例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)及び/又はN-ホルミルピペリジン)から選択される触媒と接触させて、式E:
【化7】

の化合物を形成する工程。
【0013】
いくつかの実施形態では、溶媒S1は、水、C~C10芳香族炭化水素、ハロアルカン、ハロゲン化ベンゼン、C~C10脂肪族炭化水素、C~C10脂環式炭化水素、アセトニトリル、又はこれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、溶媒S1は、水、トルエン、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、1-クロロブタン、アセトニトリル、又はこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、溶媒S1は、トルエンである。いくつかの実施形態では、溶媒S1は、アセトニトリルである。いくつかの実施形態では、溶媒S1は、水及びアセトニトリルの混合物である。いくつかの実施形態では、溶媒S1は、アセトニトリル及びトルエンの混合物である。
【0014】
いくつかの実施形態では、提供される方法は、式Fの化合物を調製するための工程(e)を更に含む:
(e)工程(d)からの式Eの化合物を、アンモニア(水酸化アンモニウム又はNHOH)、トリメチルアミン、トリエチルアミン、及びこれらの混合物から選択される第2の塩基、並びに溶媒S2中の任意選択的な無機塩基又は有機塩基と接触させて、式F:
【化8】

の化合物を形成する工程。
【0015】
いくつかの実施形態では、無機塩基は、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムから選択される。いくつかの実施形態では、無機塩基は、水酸化ナトリウムである。いくつかの実施形態では、有機塩基は、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムイソ-プロポキシド、ナトリウムn-プロポキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウム1-プロポキシド、カリウム2-プロポキシド、及びピリジンから選択される。いくつかの実施形態では、有機塩基は、ナトリウムメトキシドである。
【0016】
いくつかの実施形態では、溶媒S2は、水、C~C10芳香族炭化水素、ハロアルカン、ハロゲン化ベンゼン、C~C10脂肪族炭化水素、C~C10脂環式炭化水素、アセトニトリル、又はこれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、溶媒S2は、水、トルエン、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、1-クロロブタン、アセトニトリル、又はこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、溶媒S2は、アセトニトリルである。いくつかの実施形態では、溶媒S2は、水及びアセトニトリルの混合物である。いくつかの実施形態では、溶媒S2は、アセトニトリル及びトルエンの混合物である。
【0017】
いくつかの実施形態では、溶媒S1は、溶媒S2と同一である。いくつかの実施形態では、溶媒S1は、溶媒S2とは異なる。
【0018】
いくつかの実施形態では、本発明は、式1:
【化9】

の化合物を調製するための方法であって、
(A)式2
【化10】

の化合物を、o-ジクロロベンゼン(ODCB)、クロロアルカン、及びクロロアレーンから選択される溶媒、並びにスルホン酸(例えば、クロロスルホン酸ClSOH)、硫酸(HSO)、及び発煙硫酸から選択される第1の酸と接触させて、式3:
【化11】

の化合物を形成することと、
(B)式3の化合物を、(i)亜硝酸塩MNO[例えば、NaNO]又は亜硝酸エステル(例えば、亜硝酸tert-ブチル(tBuNO)を含む亜硝酸アルキル]及び(ii)少なくとも1つの無機酸(例えば、塩酸HCl)、少なくとも1つの有機酸、又はこれらの混合物から選択される第2の酸と接触させて、式4:
【化12】

[式中、Mは、無機カチオン又は有機カチオンである]の化合物を形成することと、
(C)式4の化合物を、銅(Cu)粉末及び銅塩(例えば、CuI、CuBr、CuCl、又はCuCl)から選択される銅供給源、並びに任意選択的に、まだ提供されていない場合は、第1の塩化物供給源、続いて少なくとも1つの無機塩基(例えば、NaOH)、少なくとも1つの有機塩基、又はこれらの混合物から選択される第1の塩基と接触させて、式5:
【化13】

の化合物を形成することと、
(D)工程(C)の式5の化合物を、塩化チオニル(SOCl)、POCl、PCl、塩化オキサリル、及びホスゲンから選択される第2の塩化物供給源、並びに溶媒S1中のN,N-二置換ホルムアミド(例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)及び/又はN-ホルミルピペリジン)から選択される触媒と接触させて、式6:
【化14】

の化合物を形成することと、
(E)式6の化合物を、アンモニア(水酸化アンモニウム又はNHOH)、トリメチルアミン、トリエチルアミン、及びこれらの混合物から選択される第2の塩基、並びに溶媒S2中の任意選択的な無機塩基又は有機塩基と接触させて、式1の化合物を形成することと、
を含む、方法を提供する。
【0019】
式4の化合物は、以下の平衡状態として代替的な化学構造で示すことができる:
【化15】
【0020】
いくつかの実施形態では、Mは、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、リチウム、及びこれらの混合物から選択される無機カチオンである。いくつかの実施形態では、Mは、ナトリウムである。いくつかの実施形態では、Mは、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリ-n-プロピルアンモニウム、トリイソプロピルアンモニウム、及びトリブチルアンモニウムから選択される有機カチオンである。
【0021】
いくつかの更なる実施形態では、第2の酸は、塩酸(HCl)、臭化水素酸(HBr)、リン酸(HPO)、硫酸(HSO)、及びホウ酸(HBO)から選択される無機酸を含む。いくつかの更なる実施形態では、第2の酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、リンゴ酸、及びスルホン酸から選択される有機酸を含む。スルホン酸の例としては、パラ-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、及び異性体の混合物としてのトルエンスルホン酸が挙げられる。いくつかの実施形態では、第2の酸は、塩酸(HCl)を含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、無機塩基は、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムから選択される。いくつかの実施形態では、無機塩基は、水酸化ナトリウムである。いくつかの実施形態では、有機塩基は、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムイソ-プロポキシド、ナトリウムn-プロポキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウム1-プロポキシド、カリウム2-プロポキシド、及びピリジンから選択される。いくつかの実施形態では、有機塩基は、ナトリウムメトキシドである。
【0023】
任意選択的な第1の塩化物供給源は、塩化チオニル(SOCl)、POCl、PCl、塩化オキサリル、及びホスゲン、若しくは任意の塩、又は塩化物、例えば、NaCl(即ち、MCl[式中、Mは、本明細書で定義される有機カチオン又は無機カチオンである])若しくはHClを含有する酸から選択することができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、溶媒S1は、水、C~C10芳香族炭化水素、ハロアルカン、ハロゲン化ベンゼン、C~C10脂肪族炭化水素、C~C10脂環式炭化水素、アセトニトリル、又はこれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、溶媒S1は、水、トルエン、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、1-クロロブタン、アセトニトリル、又はこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、溶媒S1は、トルエンである。いくつかの実施形態では、溶媒S1は、アセトニトリルである。いくつかの実施形態では、溶媒S1は、水及びアセトニトリルの混合物である。いくつかの実施形態では、溶媒S1は、アセトニトリル及びトルエンの混合物である。
【0025】
いくつかの実施形態では、溶媒S2は、水、C~C10芳香族炭化水素、ハロアルカン、ハロゲン化ベンゼン、C~C10脂肪族炭化水素、C~C10脂環式炭化水素、アセトニトリル、又はこれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、溶媒S2は、水、トルエン、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、1-クロロブタン、アセトニトリル、又はこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、溶媒S2は、アセトニトリルである。いくつかの実施形態では、溶媒S2は、水及びアセトニトリルの混合物である。いくつかの実施形態では、溶媒S2は、アセトニトリル及びトルエンの混合物である。
【0026】
いくつかの実施形態では、溶媒S1は、溶媒S2と同一である。いくつかの実施形態では、溶媒S1は、溶媒S2とは異なる。
【0027】
別の態様では、本発明は、式G:
【化16】

[式中、各R、R、R、及びRは、独立して、H、ハロゲン、SF、C(=O)(C~Cアルキル)、C(=O)O(C~Cアルキル)、N(C~Cアルキル)(C~Cアルキル)、C(=O)N(C~Cアルキル)(C~Cアルキル)、C(=S)N(C~Cアルキル)(C~Cアルキル)、SON(C~Cアルキル)(C~Cアルキル)、OC(=O)(C~Cアルキル)、OC(=O)O(C~Cアルキル)、OC(=O)N(C~Cアルキル)(C~Cアルキル)、N(C~Cアルキル)C(=O)O(C~Cアルキル)、N(C~Cアルキル)C(=O)N(C~Cアルキル)(C~Cアルキル)、OSO(C~Cアルキル)、OSON(C~Cアルキル)(C~Cアルキル)、N(C~Cアルキル)SO(C~Cアルキル)、又はC~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~C10シクロアルキル、C~C10ハロシクロアルキル、C~C10アルキルシクロアルキル、C~C10シクロアルキルアルキル、C~C14シクロアルキルシクロアルキル、C~C10アルキルシクロアルキルアルキル、C~Cシクロアルケニル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cシクロアルコキシ、C~Cハロシクロアルコキシ、C~C10シクロアルキルアルコキシ、C~Cアルケニルオキシ、C~Cアルキニルオキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cアルキルスルフィニル、C~Cアルキルスルホニル、C~Cシクロアルキルチオ、C~Cシクロアルキルスルフィニル、C~Cシクロアルキルスルホニル、C~C10シクロアルキルアルキルチオ、C~C10シクロアルキルアルキルスルフィニル、C~C10シクロアルキルアルキルスルホニル、C~Cアルケニルチオ、C~Cアルケニルスルフィニル、C~Cアルケニルスルホニル、C~Cアルキニルチオ、C~Cアルキニルスルフィニル、C~Cアルキニルスルホニル、若しくはフェニルであるか;又は
隣接環原子上のR、R、R、及びRのうちの2個は、一緒になって、5~7員の炭素環若しくは複素環を形成してもよく、各環は、炭素原子並びに最大2個のO、最大2個のS、及び最大3個のNから独立して選択される最大3個のヘテロ原子から選択される環員を含有し、ここで最大2個の炭素原子環員は、C(=O)及びC(=S)から独立して選択され、このような環は、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルケニル、C~Cハロアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cハロアルキニル、C~Cシクロアルキル、C~Cハロシクロアルキル、C~Cアルキルシクロアルキル、C~Cハロアルキルシクロアルキル、C~Cシクロアルキルアルキル、C~Cハロシクロアルキルアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルコキシカルボニル、C~Cハロアルコキシカルボニル、C~Cアルキルカルボニル、及びC~Cハロアルキルカルボニルからなる群から独立して選択される最大3個の置換基で任意選択的に置換されている]
の化合物を調製するための方法であって、式H
【化17】

の化合物を、(a)トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、アルキルピリジン、及び3-ピコリン(即ち3-メチルピリジン)から選択される試薬A、並びに(b)溶媒S3の存在下で、塩化チオニル(SOCl)、POCl、PCl、塩化オキサリル、及びホスゲンから選択される塩化物供給源と接触させて、式G:
【化18】

の化合物を形成することとを含む、方法を提供する。
【0028】
いくつかの実施形態では、溶媒S3は、水、C~C10芳香族炭化水素、ハロアルカン、ハロゲン化ベンゼン、C~C10脂肪族炭化水素、C~C10脂環式炭化水素、アセトニトリル、又はこれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、溶媒S3は、水、トルエン、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、1-クロロブタン、アセトニトリル、又はこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、溶媒S3は、トルエンである。いくつかの実施形態では、溶媒S3は、アセトニトリルである。いくつかの実施形態では、溶媒S3は、水及びアセトニトリルの混合物である。いくつかの実施形態では、溶媒S3は、アセトニトリル及びトルエンの混合物である。
【0029】
いくつかの実施形態では、本発明はまた、式7:
【化19】

の化合物を調製するための方法であって、
(a)式8
【化20】

の化合物を、溶媒S3の存在下で、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、アルキルピリジン、及び3-ピコリン(即ち3-メチルピリジン)から選択される試薬Aと接触させて、式9:
【化21】

の化合物を形成することと、
(b)式9の化合物を、塩化チオニル(SOCl)、POCl、PCl、塩化オキサリル、及びホスゲンから選択される塩化物供給源と接触させて、式7の化合物を形成することを含む、方法に関する。
【0030】
別の態様では、本発明は、式J:
【化22】

[式中、各R、R、及びRは、独立して、H、SF、N(C~Cアルキル)(C~Cアルキル)、C(=S)N(C~Cアルキル)(C~Cアルキル)、SON(C~Cアルキル)(C~Cアルキル)、OSO(C~Cアルキル)、OSON(C~Cアルキル)(C~Cアルキル)、N(C~Cアルキル)SO(C~Cアルキル)、若しくはC~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~C10シクロアルキル、C~C10ハロシクロアルキル、C~C10アルキルシクロアルキル、C~C10シクロアルキルアルキル、C~C14シクロアルキルシクロアルキル、C~C10アルキルシクロアルキルアルキル、C~Cシクロアルケニル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cシクロアルコキシ、C~Cハロシクロアルコキシ、C~C10シクロアルキルアルコキシ、C~Cアルケニルオキシ、C~Cアルキニルオキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cアルキルスルフィニル、C~Cアルキルスルホニル、C~Cシクロアルキルチオ、C~Cシクロアルキルスルフィニル、C~Cシクロアルキルスルホニル、C~C10シクロアルキルアルキルチオ、C~C10シクロアルキルアルキルスルフィニル、C~C10シクロアルキルアルキルスルホニル、C~Cアルケニルチオ、C~Cアルケニルスルフィニル、C~Cアルケニルスルホニル、C~Cアルキニルチオ、C~Cアルキニルスルフィニル、C~Cアルキニルスルホニル、若しくはフェニルであるか;又は
隣接環原子上のR、R、及びRのうちの2個は、一緒になって、5~7員の炭素環若しくは複素環を形成してもよく、各環は、炭素原子並びに最大2個のO、最大2個のS、及び最大3個のNから独立して選択される最大3個のヘテロ原子から選択される環員を含有し、ここで最大2個の炭素原子環員は、C(=O)及びC(=S)から独立して選択され、このような環は、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルケニル、C~Cハロアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cハロアルキニル、C~Cシクロアルキル、C~Cハロシクロアルキル、C~Cアルキルシクロアルキル、C~Cハロアルキルシクロアルキル、C~Cシクロアルキルアルキル、C~Cハロシクロアルキルアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルコキシカルボニル、C~Cハロアルコキシカルボニル、C~Cアルキルカルボニル、及びC~Cハロアルキルカルボニルからなる群から独立して選択される最大3個の置換基で任意選択的に置換されており、
各R、R、R、及びRは、独立して、H、ハロゲン、SF、C(=O)(C~Cアルキル)、C(=O)O(C~Cアルキル)、N(C~Cアルキル)(C~Cアルキル)、C(=O)N(C~Cアルキル)(C~Cアルキル)、C(=S)N(C~Cアルキル)(C~Cアルキル)、SON(C~Cアルキル)(C~Cアルキル)、OC(=O)(C~Cアルキル)、OC(=O)O(C~Cアルキル)、OC(=O)N(C~Cアルキル)(C~Cアルキル)、N(C~Cアルキル)C(=O)O(C~Cアルキル)、N(C~Cアルキル)C(=O)N(C~Cアルキル)(C~Cアルキル)、OSO(C~Cアルキル)、OSON(C~Cアルキル)(C~Cアルキル)、N(C~Cアルキル)SO(C~Cアルキル)、若しくはC~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~C10シクロアルキル、C~C10ハロシクロアルキル、C~C10アルキルシクロアルキル、C~C10シクロアルキルアルキル、C~C14シクロアルキルシクロアルキル、C~C10アルキルシクロアルキルアルキル、C~Cシクロアルケニル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cシクロアルコキシ、C~Cハロシクロアルコキシ、C~C10シクロアルキルアルコキシ、C~Cアルケニルオキシ、C~Cアルキニルオキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cアルキルスルフィニル、C~Cアルキルスルホニル、C~Cシクロアルキルチオ、C~Cシクロアルキルスルフィニル、C~Cシクロアルキルスルホニル、C~C10シクロアルキルアルキルチオ、C~C10シクロアルキルアルキルスルフィニル、C~C10シクロアルキルアルキルスルホニル、C~Cアルケニルチオ、C~Cアルケニルスルフィニル、C~Cアルケニルスルホニル、C~Cアルキニルチオ、C~Cアルキニルスルフィニル、C~Cアルキニルスルホニル、若しくはフェニルであるか;又は
隣接環原子上のR、R、R、及びRのうちの2個は、一緒になって、5~7員の炭素環若しくは複素環を形成してもよく、各環は、炭素原子並びに最大2個のO、最大2個のS、及び最大3個のNから独立して選択される最大3個のヘテロ原子から選択される環員を含有し、ここで最大2個の炭素原子環員は、C(=O)及びC(=S)から独立して選択され、このような環は、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルケニル、C~Cハロアルケニル、C~Cアルキニル、C~Cハロアルキニル、C~Cシクロアルキル、C~Cハロシクロアルキル、C~Cアルキルシクロアルキル、C~Cハロアルキルシクロアルキル、C~Cシクロアルキルアルキル、C~Cハロシクロアルキルアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、C~Cアルコキシカルボニル、C~Cハロアルコキシカルボニル、C~Cアルキルカルボニル、及びC~Cハロアルキルカルボニルからなる群から独立して選択される最大3個の置換基で任意選択的に置換されている]
の化合物を調製するための方法であって、(a)式F
【化23】

の化合物を、溶媒S4中のトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、アルキルピリジン、及び3-ピコリン(即ち3-メチルピリジン)から選択される試薬Bの存在下で、式G
【化24】

の化合物と接触させて、式K:
【化25】

の化合物を形成することと、
(b)式Kの化合物を、溶媒S5中の酸A1と接触させて、式Jの化合物を形成することと、を含む、方法を提供する。
【0031】
いくつかの実施形態では、酸A1は、塩酸(HCl)、臭化水素酸(HBr)、リン酸(HPO)、硫酸(HSO)、及びホウ酸(HBO)から選択される無機酸である。いくつかの実施形態では、酸A1は、塩酸(HCl)を含む。いくつかの他の実施形態では、酸A1は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、リンゴ酸、及びスルホン酸から選択される有機酸を含む。いくつかの実施形態では、酸A1は、スルホン酸を含む。スルホン酸の例としては、パラ-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、及び異性体の混合物としてのトルエンスルホン酸が挙げられる。いくつかの実施形態では、接触工程は、塩基を使用しない。
【0032】
いくつかの実施形態では、溶媒S4は、水(HO)、C~C10芳香族炭化水素、C~C10脂肪族炭化水素、C~C10脂環式炭化水素、アセトニトリル、又はこれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、溶媒S4は、水、トルエン、アセトニトリル、又はこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、溶媒S4は、トルエンである。いくつかの実施形態では、溶媒S4は、アセトニトリルである。いくつかの実施形態では、溶媒S4は、水及びアセトニトリルの混合物である。いくつかの実施形態では、溶媒S4は、エーテル、エステル、及び/又はハロゲン化炭化水素を含まない。
【0033】
いくつかの実施形態では、溶媒S5は、水(HO)、C~C10芳香族炭化水素、C~C10脂肪族炭化水素、C~C10脂環式炭化水素、アセトニトリル、又はこれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、溶媒S5は、水、トルエン、アセトニトリル、又はこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、溶媒S5は、トルエンである。いくつかの実施形態では、溶媒S5は、アセトニトリルである。いくつかの実施形態では、溶媒S5は、水及びアセトニトリルの混合物である。
【0034】
いくつかの実施形態では、溶媒S4及び溶媒S5は、同一である。いくつかの実施形態では、溶媒S4及び溶媒S5は、異なる。いくつかの実施形態では、溶媒S4は、アセトニトリルであり、溶媒S5は、水及びアセトニトリルの混合物である。いくつかの実施形態では、溶媒S4は、水及びアセトニトリルの混合物であり、溶媒S5は、アセトニトリルである。いくつかの実施形態では、溶媒S4は、エーテル、エステル、及び/又はハロゲン化炭化水素を含まない。いくつかの実施形態では、溶媒S5は、エーテル、エステル、及び/又はハロゲン化炭化水素を含まない。
【0035】
いくつかの実施形態では、R、R、及びRは、ハロゲンではない。
【0036】
いくつかの実施形態では、各R、R、及びRは、独立して、H、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、又はフェニルである。いくつかの実施形態では、R及びRは、Hである。いくつかの実施形態では、Rは、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、又はC~Cハロアルコキシである。いくつかの実施形態では、Rは、CH、CHCH、CF、OCH、OCF、又はOCHCHである。いくつかの実施形態では、Rは、OCHである。
【0037】
いくつかの実施形態では、各R、R、R、及びRは、独立して、H、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cハロアルコキシ、又はフェニルである。いくつかの実施形態では、R及びRは、Hである。いくつかの実施形態では、Rは、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、又はC~Cハロアルコキシである。いくつかの実施形態では、Rは、CH、CHCH、CF、OCH、OCF、又はOCHCHである。いくつかの実施形態では、Rは、CFである。いくつかの実施形態では、Rは、ハロゲンである。いくつかの実施形態では、Rは、Clである。
【0038】
いくつかの実施形態では、本発明はまた、式10:
【化26】

の化合物を調製するための方法であって、(a)式1
【化27】

の化合物を、溶媒S4中のトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、アルキルピリジン、及び3-ピコリン(即ち3-メチルピリジン)から選択される試薬Bの存在下で、式7
【化28】

の化合物と接触させて、式11:
【化29】

の化合物を形成することと、
(b)式11の化合物を、溶媒S5中の酸A1と接触させて、式10の化合物を形成することと、を含む、方法に関する。
【0039】
いくつかの実施形態では、酸A1は、塩酸(HCl)、臭化水素酸(HBr)、リン酸(HPO)、硫酸(HSO)、及びホウ酸(HBO)から選択される無機酸である。いくつかの実施形態では、酸A1は、塩酸(HCl)を含む。いくつかの他の実施形態では、酸A1は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、リンゴ酸、及びスルホン酸から選択される有機酸を含む。いくつかの実施形態では、酸A1は、スルホン酸を含む。スルホン酸の例としては、パラ-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、及び異性体の混合物としてのトルエンスルホン酸が挙げられる。いくつかの実施形態では、方法は、塩基を使用しない。
【0040】
いくつかの実施形態では、溶媒S4は、水(HO)、C~C10芳香族炭化水素、C~C10脂肪族炭化水素、C~C10脂環式炭化水素、アセトニトリル、又はこれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、溶媒S4は、水、トルエン、アセトニトリル、又はこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、溶媒S4は、トルエンである。いくつかの実施形態では、溶媒S4は、アセトニトリルである。いくつかの実施形態では、溶媒S4は、水及びアセトニトリルの混合物である。
【0041】
いくつかの実施形態では、溶媒S5は、水(HO)、C~C10芳香族炭化水素、C~C10脂肪族炭化水素、C~C10脂環式炭化水素、アセトニトリル、又はこれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、溶媒S5は、水、トルエン、アセトニトリル、又はこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、溶媒S5は、トルエンである。いくつかの実施形態では、溶媒S5は、アセトニトリルである。いくつかの実施形態では、溶媒S5は、水及びアセトニトリルの混合物である。
【0042】
いくつかの実施形態では、溶媒S4及び溶媒S5は、同一である。いくつかの実施形態では、溶媒S4及び溶媒S5は、異なる。いくつかの実施形態では、溶媒S4は、アセトニトリルであり、溶媒S5は、水及びアセトニトリルの混合物である。いくつかの実施形態では、溶媒S4は、水及びアセトニトリルの混合物であり、溶媒S5は、アセトニトリルである。いくつかの実施形態では、溶媒S4は、エーテル、エステル、及び/又はハロゲン化炭化水素を含まない。いくつかの実施形態では、溶媒S5は、エーテル、エステル、及び/又はハロゲン化炭化水素を含まない。
【0043】
本発明はまた、式4及び/又は式5
【化30】

[式中、Mは、無機カチオン又は有機カチオンである]の構造を有する化合物に関する。
【0044】
いくつかの実施形態では、Mは、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、リチウム、及びこれらの混合物から選択される無機カチオンである。いくつかの実施形態では、Mは、ナトリウムである。いくつかの実施形態では、Mは、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリ-n-プロピルアンモニウム、トリイソプロピルアンモニウム、及びトリブチルアンモニウムから選択される有機カチオンである。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本明細書で使用する場合、用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」、「含有する(contains)」、「含有する(containing)」、「で特徴付けられる(characterized by)」、又はこれらの任意の他の変形は、明確に示される任意の制限を受けて、非排他的な包含をカバーすることを意図する。例えば、要素のリストを含む組成物、混合物、工程、方法、製品又は装置は、それらの要素に必ずしも限定されるものではなく、明示的に列挙されていない、又はそのような組成物、混合物、工程、方法、製品又は装置に固有ではない他の要素を含むことができる。
【0046】
移行句「からなる」は、明記されていないあらゆる要素、工程、又は原料を除外する。請求項における場合、そのような句は、それらと通常関係がある不純物を除いて列挙されるもの以外の材料の包含を請求項から排除する。語句「からなる」が、前文の直後よりもむしろ、請求項の本体の条項に現れる場合、それは、その条項に記述される要素のみを限定し、他の要素は、全体として請求項から排除されない。
【0047】
出願人らが、発明又はその一部を、「含む(comprising)」などの非限定的用語を使って定義している場合、(特に明記しない限り)この記載が、用語「から本質的になる」又は「からなる」を用いてそのような発明をまた記載していると解釈されるべきであることが容易に理解されるはずである。
【0048】
更に、明確にそれとは反対のことが述べられない限り、「又は」は、包括的な「又は」を意味し、排他的な「又は」を意味しない。例えば、条件A又はBは、以下のいずれか1つによって満たされる: Aが真であり(又は存在する)且つBが偽である(又は存在しない)、Aが偽であり(又は存在しない)且つBが真である(又は存在する)並びにA及びBが両方とも真である(又は存在する)。
【0049】
また、本発明の要素又は成分に先行する不定冠詞「1つの(a)」及び「1つの(an)」は、要素又は成分の場合(すなわち、出現)の数に関して非限定的であることを意図する。このため「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、1つ又は少なくとも1つを含むと読まれるべきであり、要素又は成分の単数語形はまた、数が明らかに単数であることを意図されていない限り複数を含む。
【0050】
用語「周囲温度」又は「室温」は、本開示で使用する場合、約18℃~約28℃の温度を指す。
【0051】
上記の列挙では、用語「アルキル」としては、直鎖又は分枝鎖アルキル、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、又は異なるブチル異性体が挙げられる。本明細書で使用する場合、ハロアルカンは、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素)で部分的に又は完全に置換されているアルカンである。ハロアルカンの例としては、CHCl、ClCHCHCl、ClCHCHCHCH、及びCClCHが挙げられる。ハロゲン化ベンゼンは、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素)で部分的に又は完全に置換されているベンゼンである。ハロゲン化ベンゼンの例としては、クロロベンゼン、1,2-ジクロロベンゼン、及びブロモベンゼンが挙げられる。C~C10芳香族炭化水素は、アルキル基で置換されている1つのベンゼン環を含有する化合物である。C~C10芳香族炭化水素の例としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、及びクメン(イソプロピルベンゼン)が挙げられる。C~C10脂肪族炭化水素は、直鎖又は分枝鎖炭化水素である。C~C10脂肪族炭化水素の例としては、n-ヘキサン、混合ヘキサン、n-ヘプタン、及び混合ヘプタンが挙げられる。C~C10脂環式炭化水素は、直鎖又は分枝鎖アルキル基で置換され得る環状炭化水素である。C~C10脂環式炭化水素の例としては、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、及びメチルシクロヘキサンが挙げられる。
【0052】
本発明の第1の態様は、式1:
【化31】

の化合物を調製するための方法を提供する。
【0053】
スキーム1で示されるようないくつかの実施形態では、式2の化合物は、硫酸との反応を介して式3のアリールスルホン酸化合物に変換することができる。次に、式3の化合物をジアゾ化して式4の化合物を形成することができ、これは次にサンドマイヤー反応を介して式5のクロロアリールスルホネートナトリウム塩化合物に変換することができ、ここでMは無機カチオン又は有機カチオンである。次に、式5の化合物は、塩化チオニル及び触媒ジメチルホルムアミド(DMF)を用いて、式6のクロロアリールスルホニルクロリド化合物に変換することができる。続いてアンモニア水を加えると、式1の化合物を得ることができる。
【化32】
【0054】
いくつかの実施形態では、Mは、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、リチウム、及びこれらの混合物から選択される無機カチオンである。いくつかの実施形態では、Mは、ナトリウムである。いくつかの実施形態では、Mは、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリ-n-プロピルアンモニウム、トリイソプロピルアンモニウム、及びトリブチルアンモニウムから選択される有機カチオンである。
【0055】
スキーム1で示される反応は、水、C~C10芳香族炭化水素、ハロアルカン、ハロゲン化ベンゼン、C~C10脂肪族炭化水素、C~C10脂環式炭化水素、アセトニトリル、又はこれらの組み合わせから選択される溶媒中で実施することができる。いくつかの実施形態では、水、トルエン、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、1-クロロブタン、アセトニトリル、又はこれらの組み合わせを使用することができる。他の好適な溶媒としては、キシレン、エチルベンゼン、及びクメンが挙げられる。
【0056】
スキーム1で示される反応は、広範囲の温度、即ち、20℃~150℃;又は50℃~200℃の範囲の温度下で実施され得る。50℃~180℃;又は60℃~100℃の範囲の温度が特に有用である。60℃~80℃の範囲の温度が、特別に有用である。
【0057】
スキーム1で示されるプロセスは、既に開示されたプロセスと比較して、より効率的であり、式1の化合物の製造コストを削減する。他の利点としては、自然発火性試薬回避によるより安全なプロセス、より優れた体積効率、より優れた反応速度論、及び/又は泡立ちの問題の低減が挙げられる。
【0058】
本発明の第2の態様は、式7:
【化33】

の化合物の調製方法を提供する。
【0059】
スキーム2で示されるようないくつかの実施形態では、式8の化合物は、式9のアミン塩化合物を介して式7の酸塩化物化合物に変換することができる。トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、アルキルピリジン、及び3-ピコリン(即ち3-メチルピリジン)から選択される試薬Aは、この変換プロセスで使用することができる。
【化34】
【0060】
本発明の第3の態様は、式10:
【化35】

の化合物の調製方法を提供する。
【0061】
スキーム3で示されるようないくつかの実施形態では、式1の化合物及び式7の化合物は、トリメチルアミン、ピリジン、及び3-ピコリン(即ち3-メチルピリジン)から選択される試薬Bの存在下でカップリング反応に使用され、式11の化合物を形成する。次に、式11の化合物は、酸で中和されて、式10の化合物を形成する。
【0062】
続いて、水及び種結晶を加えることにより、既に開示されているように、所望の多形形態の結晶化を誘発することができる。
【0063】
好適な酸は、塩酸(HCl)、臭化水素酸(HBr)、リン酸(HPO)、硫酸(HSO)、及びホウ酸(HBO)から選択される無機酸であり得る。いくつかの実施形態では、酸は、塩酸(HCl)を含む。その他の好適な酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、リンゴ酸、及びスルホン酸から選択される有機酸であり得る。いくつかの実施形態では、酸は、スルホン酸を含む。スルホン酸の例としては、パラ-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、及び異性体の混合物としてのトルエンスルホン酸が挙げられる。いくつかの実施形態では、スキーム3で示されるカップリング工程は、塩基を使用しない。いくつかの実施形態では、スキーム3で示されるカップリング工程は、エーテル、エステル、及び/又はハロゲン化炭化水素を含む溶媒を使用しない。
【化36】
【0064】
スキーム3示されるカップリング工程は、水、C~C10芳香族炭化水素、C~C10脂肪族炭化水素、C~C10脂環式炭化水素、アセトニトリル、又はこれらの組み合わせから選択される溶媒中で実施することができる。いくつかの実施形態では、水、トルエン、アセトニトリル、又はこれらの組み合わせを使用することができる。他の好適な溶媒としては、キシレン、エチルベンゼン、及びクメンが挙げられる。
【0065】
スキーム3で示されるカップリング工程は、広範囲の温度、即ち、20℃~150℃;又は40℃~100℃の範囲の温度下で実施され得る。50℃~100℃の範囲の温度が特に有用である。50℃~80℃;又は60℃~75℃の範囲の温度が、特別に有用である。
【0066】
式1の化合物の、式7の化合物に対するモル比は、2:1~1:2;1.5:1.0~1.0:1.5;1.2:1.0~1.0:1.2;1.1:1.0~1.0:1.1;及び/又は1:1の範囲であり得る。
【0067】
また、スキーム2及び/又は3で示されるプロセスは、既に開示されたプロセスと比較して、製造コストを削減し、自然発火性試薬の使用を回避する。スキーム2及び/又は3で示されるプロセスは、また、既に開示されたプロセスと比較して、自然発火性試薬回避によるより安全なプロセス、より優れた体積効率、より優れた反応速度論、泡立ち問題の低減、及び/又は結晶化する式10多形のより効率的な制御(例えば、異なる多形の選択)を含む他の利点を有する。
【0068】
調製実施例1
式3の化合物の合成
オーバーヘッド機械的撹拌機、10cmのガラススプリングパッキン、改良型ディーンスタークトラップ、温度計、冷却管、並びに窒素入口及び出口を取り付けた1Lの丸底フラスコに、p-アニシジン(67g;0.539mol)及びo-ジクロロベンゼン(ODCB、359.4mL、5.26vol)を充填する。70%の硫酸(98wt%、50.1g、27.2ml、0.501mol)を、20gの水中に添加し、次いで、<60℃の内部温度を維持しながら、反応器に滴加する。反応混合物を30分間かき混ぜた。得られた灰白色のスラリーを170℃まで加熱し、大気圧で水を除去するために還流蒸留した。p-アニシジンの含有量が<7%になるまで、反応集合体を170~176℃でかき混ぜた。反応集合体を濾過し、o-ジクロロベンゼンで洗浄する。式3の化合物である濡れた生成物(125.1g、約70wt%、0.431mol)を、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)による>97.5%の純度を有する明灰色固体として得る。
【0069】
調製実施例2
式4及び5の化合物の合成
オーバーヘッド撹拌機、熱電対、及び窒素入口/出口を取り付けた1Lの丸底フラスコに、濃塩酸(30%wt%、314.2g、261.8mL、2,585mol)及び水(76.7mL、0.88vol)を充填する。式3の化合物である濡れた生成物(125.1g、約70wt%、0.431mol)を添加し、得られたスラリーを<10℃まで冷却する。水(87.6mL)中に溶解させた亜硝酸ナトリウム(31.2g、98%、0.444mol)の溶液をゆっくりと添加し、反応物を1時間撹拌する。次いで、スルファミン酸(2.1g、98%、0.222mol)を水(43.6mL)中に溶解させ、溶液を反応集合体に添加し、式4の化合物を形成する。
【0070】
次いで、水(87.6ml)、続いて、銅粉末(約150メッシュ、3.4g、0.054mol)を第2の1L丸底フラスコに添加し、スラリーを室温で撹拌する。反応集合体を、ゆっくりと銅スラリーに移し、約2時間かき混ぜる。反応混合物を<25℃まで冷却し、次いで、pHが2.5~3.5に到達するまで、50%NaOH水溶液(98%NaOH、35.1g、2.0mol、33.7gの水に溶解させた)を滴加する。得られた暗黄色のスラリーを、更に2時間かき混ぜ、次いで濾過する。吸引乾燥後、得られた式5の化合物である生成物(108.0g、0.353mol)を、HPLCによる>98%の純度で得る。
【0071】
調製実施例3
式6の化合物の合成
オーバーヘッド機械的撹拌機、ディーンスタークトラップ、温度計、及び冷却管を取り付けた1Lの丸底フラスコに、最後の実施例からの式5の化合物、続いてトルエン(432.1mL)を充填する。得られたスラリーを加熱し、含水量を除去する。スラリーを60~65℃まで冷却し、N,N-ジメチルホルムアミド(4.1mL、0.053mol)、続いて塩化チオニル(64.2mL、0.883mol)を反応器に添加する。2時間後、反応集合体を約1/2の体積まで蒸留し、トルエン(259.3mL)をスラリーに添加し、続いて更に蒸留する。得られたスラリーをセライトパッド(8.6g)に通して濾過し、パッドをトルエン(86.4mL)で洗浄し、ここで、濾液から式6の化合物を得る。
【0072】
調製実施例4
式1の化合物の合成
1Lの丸底フラスコに、窒素雰囲気下で、アンモニア水(28wt%、158.5mL、2.346mol)及びアセトニトリル(176.7ml)を充填する。最後の実施例からの式6の化合物を溶液に添加し、約2時間半かき混ぜ、2つの分離した層を得る。層を分離し、下の水層を更なる撹拌のためにトルエン(1.0vol)及びアセトニトリル(1.0vol)と混合し、再び2つの分離した層を得る。合わせた有機層を活性炭(3.0wt%)で処理し、次いでブフナー漏斗に通して濾過し、濃縮して、式1の化合物を得て、これを真空オーブン中で乾燥させて、HPLCによる>99%の純度を有する明茶色固体を得る。
【0073】
調製実施例5
式7の化合物の合成
冷却管、滴下漏斗、熱電対、加熱マントル、及び電磁撹拌器を取り付けた100mLの三口フラスコに、式8の化合物(10.01g、37.5mmol)、アセトニトリル(27mL)、及び3-ピコリン(2.824g、30.0mmol)を充填する。混合物を約65℃まで加熱し、次いで塩化チオニル(5.40g、44.9mmol)のアセトニトリル(3mL)中溶液を、63~71℃の温度を維持しながら、約20分にわたって滴加する。添加完了後、反応混合物を70℃で約2時間加熱し、次いで周囲温度まで放冷し、式7の化合物を、アセトニトリル中溶液として得る。
【0074】
調製実施例6
式10の化合物の合成-
式1及び7の化合物を使用したカップリング反応
電磁撹拌器、冷却管、熱電対、及び循環浴を取り付けた別の125mL4口ジャケット付き丸底フラスコに、式1の化合物(10.05g、44.9mmol)、3-ピコリン(8.462g、90.0mmol)、及びアセトニトリル(10mL)を充填する。混合物を約58℃まで加熱し、次いで式7の化合物を、55~60℃の反応温度を維持しながら、約1.5時間にわたって蠕動ポンプを介して滴加する。反応物を約60℃で約1時間加熱し、次いで濃塩酸(約37重量%、3.895g、39.4mmol)及び水(0.5mL)を添加して、次いで化合物10のアセトニトリル水溶液を得る。溶液を約70℃まで加熱し、次いで式10の種結晶(0.195g)の水(28g)中スラリーを約2時間にわたって添加する。更なる水(10g)の添加後、得られたスラリーを約1.5時間還流させ、周囲温度まで冷却し、次いで濾過する。ウェットケーキを水性アセトニトリルで洗浄し、乾燥させて、式10の化合物をオフホワイトから明茶色の固体として、約90%収率及び約98%純度で得る。