(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-19
(45)【発行日】2024-11-27
(54)【発明の名称】受信装置、受信方法及び集積回路
(51)【国際特許分類】
H04L 27/26 20060101AFI20241120BHJP
H04W 72/20 20230101ALI20241120BHJP
【FI】
H04L27/26 114
H04W72/20
(21)【出願番号】P 2021539235
(86)(22)【出願日】2020-08-05
(86)【国際出願番号】 JP2020030026
(87)【国際公開番号】W WO2021029298
(87)【国際公開日】2021-02-18
【審査請求日】2023-05-30
(31)【優先権主張番号】P 2019149144
(32)【優先日】2019-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】眞木 翔太郎
(72)【発明者】
【氏名】西尾 昭彦
(72)【発明者】
【氏名】堀内 綾子
(72)【発明者】
【氏名】ブハンブリ アンキット
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀俊
【審査官】齊藤 晶
(56)【参考文献】
【文献】Ericsson,Maintenance for RS and QCL,3GPP TSG-RAN WG1 #94bis R1-1811171,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_94b/Docs/R1-1811171.zip> ,2018年10月08日
【文献】NTT DOCOMO, INC.,New Radio (NR) Access Technology,3GPP TSG RAN #78 RP-172461,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/TSG_RAN/TSGR_78/Docs/RP-172461.zip> ,2017年12月21日
【文献】Huawei, HiSilicon,Consideration of NR signals and channels mapping around LTE CRS,3GPP TSG RAN WG1 NR Ad-Hoc Meeting R1-1700402,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_AH/NR_AH_1701/Docs/R1-1700402.zip> ,2017年01月20日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
H04W 72/20
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1-4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のシステムにおける第1の参照信号の配置を特定可能な情報に基づいて、第2のシステムにおける第2の参照信号の配置を決定する制御回路と、
決定した前記配置に基づいて前記第2の参照信号を受信する受信回路と、
を具備
し、
前記制御回路は、複数の前記第2の参照信号において、少なくとも一つの参照信号の位置を変更する場合、残りの参照信号の位置を変更する、
受信装置。
【請求項2】
前記制御回路は、前記情報に示される内容が或る条件を満たす場合、前記第2の参照信号の位置を、前記受信装置に設定されるシンボルと異なるシンボルに決定する、
請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
前記条件は、前記第1の参照信号が配置されるシンボルと、前記受信装置に対して前記第2の参照信号に設定されるシンボルとが重複するか否かに依存しない、
請求項2に記載の受信装置。
【請求項4】
前記制御回路は、前記第1の参照信号が配置される第1のシンボルと、前記受信装置に対して前記第2の参照信号に設定される第2のシンボルとが重複する場合、
又は、前記情報に示される内容が或る条件を満たす場合、前記第2の参照信号の位置を、前記第2のシンボルと異なる第3のシンボルに決定する、
請求項1に記載の受信装置。
【請求項5】
前記制御回路は、前記第2の参照信号を含むデータの割当情報、及び、前記第1の参照信号の配置に関する情報に基づいて、前記第1のシンボルと前記第2のシンボルとが重複するか否かを判断する、
請求項4に記載の受信装置。
【請求項6】
前記条件は、前記第1のシンボルと、前記第2のシンボルとが重複するか否かに依存しない、
請求項
4に記載の受信装置。
【請求項7】
前記制御回路は、前記決定された配置において、時間間隔が閾値以下の2つの前記第2の参照信号の何れか一方の非送信を決定する、
請求項1に記載の受信装置。
【請求項8】
前記制御回路は、前記受信装置に設定されたサブキャリア間隔が特定の値である場合において、前記第2の参照信号の位置を、前記
第3のシンボルに決定する、
請求項4に記載の受信装置。
【請求項9】
前記制御回路は、前記受信装置に設定されたサブキャリア間隔が15kHzである場合において、前記第2の参照信号の位置を、前記
第3のシンボルに決定する、
請求項4に記載の受信装置。
【請求項10】
前記制御回路は、PDSCH mapping type BによってPDSCHリソースが通知され、前記PDSCHリソースが特定の長さである場合において、前記第2の参照信号の位置を、前記
第3のシンボルに決定する、
請求項4に記載の受信装置。
【請求項11】
受信装置は、
第1のシステムにおける第1の参照信号の配置を特定可能な情報に基づいて、第2のシステムにおける第2の参照信号の配置を決定し、
決定した前記配置に基づいて前記第2の参照信号を受信
し、
複数の前記第2の参照信号において、少なくとも一つの参照信号の位置を変更する場合、残りの参照信号の位置を変更する、
受信方法。
【請求項12】
前記情報に示される内容が或る条件を満たす場合、前記第2の参照信号の位置を、前記受信装置に設定されるシンボルと異なるシンボルに決定する、
請求項
11に記載の受信方法。
【請求項13】
前記条件は、前記第1の参照信号が配置されるシンボルと、前記受信装置に対して前記第2の参照信号に設定されるシンボルとが重複するか否かに依存しない、
請求項
12に記載の受信方法。
【請求項14】
前記第1の参照信号が配置される第1のシンボルと、前記受信装置に対して前記第2の参照信号に設定される第2のシンボルとが重複する場合、
又は、前記情報に示される内容が或る条件を満たす場合、前記第2の参照信号の位置を、前記第2のシンボルと異なる第3のシンボルに決定する、
請求項
11に記載の受信方法。
【請求項15】
前記第2の参照信号を含むデータの割当情報、及び、前記第1の参照信号の配置に関する情報に基づいて、前記第1のシンボルと前記第2のシンボルとが重複するか否かを判断する、
請求項
14に記載の受信方法。
【請求項16】
前記条件は、前記第1のシンボルと、前記第2のシンボルとが重複するか否かに依存しない、
請求項
14に記載の受信方法。
【請求項17】
前記決定された配置において、時間間隔が閾値以下の2つの前記第2の参照信号の何れか一方の非送信を決定する、
請求項
11に記載の受信方法。
【請求項18】
前記受信装置に設定されたサブキャリア間隔が特定の値である場合において、前記第2の参照信号の位置を、前記
第3のシンボルに決定する、
請求項
14に記載の受信方法。
【請求項19】
前記受信装置に設定されたサブキャリア間隔が15kHzである場合において、前記第2の参照信号の位置を、前記
第3のシンボルに決定する、
請求項
14に記載の受信方法。
【請求項20】
PDSCH mapping type BによってPDSCHリソースが通知され、前記PDSCHリソースが特定の長さである場合において、前記第2の参照信号の位置を、前記
第3のシンボルに決定する、
請求項
14に記載の受信方法。
【請求項21】
第1のシステムにおける第1の参照信号の配置を特定可能な情報に基づいて、第2のシステムにおける第2の参照信号の配置を決定する処理と、
決定した前記配置に基づいて前記第2の参照信号を受信する処理と、を制御
し、
複数の前記第2の参照信号において、少なくとも一つの参照信号の位置を変更する場合、残りの参照信号の位置を変更する、
集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、受信装置、送信装置、受信方法及び送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
第5世代移動通信システム(5G)と呼ばれる通信システムが検討されている。国際標準化団体である3rd Generation Partnership Project(3GPP)では、LTE/LTE-Advancedシステムの高度化と、LTE/LTE-Advancedシステムとは必ずしも後方互換性を有しない新しい方式であるNew Radio Access Technology(New RAT又はNRとも呼ぶ)(例えば、非特許文献1を参照)の両面から、5G通信システムの高度化が検討されている。
【0003】
NRでは、NRシステムとLTEシステムとが同時に、同一周波数帯域において共存して通信する技術(例えば、DSS:Dynamic Spectrum Sharing)が検討されている(例えば、非特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】RP-181726, "Revised WID on New Radio Access Technology", NTT DOCOMO, September 2018
【文献】RP-191042, "Enhancements for dynamic spectrum sharing in Rel-16", Ericsson, June 2019
【文献】RP-191599, "Enhancements for dynamic spectrum sharing in Rel-16", Ericsson, June 2019
【文献】3GPP TS 38.211 V15.6.0, "NR; Physical channels and modulation (Release 15)," 2019-06
【文献】3GPP TS 38.331 V15.6.0, "NR; Radio Resource Control (RRC) protocol specification (Release 15)," 2019-06
【文献】3GPP TS 38.214 V15.6.0, "NR; Physical layer procedures for data (Release 15)," 2019-06
【発明の概要】
【0005】
しかしながら、参照信号の配置方法について十分に検討されていない。
【0006】
本開示の非限定的な実施例は、参照信号を適切に配置できる受信装置、送信装置、受信方法及び送信方法の提供に資する。
【0007】
本開示の一実施例に係る受信装置は、第1のシステムにおける第1の参照信号の配置を特定可能な情報に基づいて、第2のシステムにおける第2の参照信号の配置を決定する制御回路と、決定した前記配置に基づいて前記第2の参照信号を受信する受信回路と、を具備する。
【0008】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0009】
本開示の一実施例によれば、参照信号を適切に配置できる。
【0010】
本開示の一実施例における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】PDSCH mapping type Bの一例を示す図
【
図4】orthogonal DMRS based MU-MIMO及びDSSの一例を示す図
【
図9】基地局及び移動局の動作例を示すフローチャート
【
図15】orthogonal DMRS based MU-MIMOが運用されない場合の動作例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
[Dynamic Spectrum Sharing(DSS)]
DSSでは、NRシステムとLTEシステムとが同時に、同一周波数帯域において共存して通信し得る。
【0014】
例えば、Release 15(以下、Rel-15と呼ぶ)におけるDSSの運用では、LTEの周波数帯域(又は、キャリアと呼ぶ)内における、LTEの下りサブフレームにおいて、LTE用のチャネルが配置されてよい。例えば、
図1に示すように、LTEの下りサブフレームにおいて、先頭から1つ以上のシンボル(例えば、Orthogonal Frequency Division Multiplexing(OFDM)シンボル)に、LTE用の制御信号、及び、参照信号(例えば、CRS:Cell-specific Reference Signal)が配置され、残りのOFDMシンボルにLTE用の下りデータチャネル(例えば、LTE PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)及びCRSが配置されてよい。
【0015】
DSSでは、例えば、LTE PDSCHが配置されるOFDMシンボルの期間において、
図1に示すように、一部の周波数帯域にLTE PDSCHが配置され、他の周波数帯域にNR用の下り制御チャネル(NR PDCCH:Physical Downlink Control Channel)又は下りデータチャネル(NR PDSCH)が配置されてよい。換言すると、LTE PDSCHと、NRの各チャネルとは周波数分割されてもよい。ただし、
図1に示すように、CRS(又は、LTE CRSと呼ぶこともある)は、LTE PDSCHが配置される周波数帯域に加え、NRの各チャネルが配置される周波数帯域でも送信され得る。
【0016】
例えば、DSSに関して、長さが9及び10 OFDMシンボルであるPDSCHのマッピング方法(例えば、NR PDSCH mapping Type Bと呼ぶ)の導入が提案された(例えば、非特許文献3を参照)。例えば、このPDSCHのマッピング方法では、LTE CRSを含むシンボルと衝突しないシンボルの位置にNRの参照信号(例えば、復調用参照信号(DMRS:demodulation reference signal))の位置が定義又は設定され得る。このNR PDSCH mapping Type Bの導入により、DSSの運用効率を向上する。
【0017】
しかしながら、このようなPDSCHのマッピングは、Rel-15(例えば、非特許文献4を参照)には規定されておらず、このPDSCH内のDMRSの配置についても十分に検討されていない。
【0018】
そこで、本開示の一実施例では、PDSCH内のDMRSの配置方法について説明する。
【0019】
[DMRS mapping]
上りデータチャネル(例えば、PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)におけるDMRSの配置方法の一例として、長さが9及び10 OFDMシンボルであるNR PUSCH mapping Type B内におけるDMRSの配置方法が非特許文献4(例えば、第6.4.1.1.3節)に規定されている。
【0020】
例えば、NR PUSCH mapping Type BにおけるDMRSの配置方法と同様の配置方法が、下りデータチャネル(例えば、PDSCH)における長さが9及び10 OFDMシンボルであるNR PDSCH mapping Type BにおけるDMRSに適用され得る。例えば、長さが9及び10 OFDMシンボルであるNR PDSCH mapping Type BにおけるDMRSの配置方法は、
図2に示すようになり得る。例えば、
図2に示す「dmrs-AdditionalPosition」は、DMRS(換言すると、Additional DMRS)の位置を示す上位レイヤパラメータ(例えば、radio resource control(RRC)パラメータとも呼ぶ)である。dmrs-AdditionalPositionは、例えば、基地局(例えば、gNBとも呼ぶ)から移動局(例えば、端末又はUE:User Equipmentとも呼ぶ)へ通知(換言すると、設定(configure))される。
【0021】
以下では、
図2に示すDMRSの配置方法を「仮定1」と呼ぶ。例えば、
図2に示す仮定1では、長さl
d=9又は10において、スロット内のPDSCHがスケジュールされた先頭シンボル(又は開始シンボル)「l
0」、及び、「dmrs-AdditionalPosition」によって指示されるシンボル(例えば、l
0を基準(=0)にした位置)にDMRSが配置され得る。
【0022】
[NR DMRS shift]
前述のとおり、DSSでは、例えば、LTE CRSが送信される周波数帯域においてNR PDSCHが送信されてよい。このとき、NR PDSCH内のDMRSと、LTE CRSとは、時間リソース及び周波数リソースにおいて衝突しないように設計されてよい(例えば、非特許文献3を参照)。
【0023】
例えば、LTE CRSと、「仮定1」に基づいて設定されるNR PDSCH内のDMRSとが衝突し得る場合、基地局は、「仮定1」に基づいて設定されるDMRSの位置(換言すると、リソース位置)とは異なる位置においてDMRSを送信し得る。ここでは、例えば、「仮定1」に基づいて設定される位置と異なる位置へDMRSの位置を変更する処理を「DMRSシフト(shift)」と呼ぶこともある。
【0024】
[CRS mapping]
LTEサブフレームにおいてCRSが配置されるシンボル(換言すると、時間領域の位置)は、例えば、CRSのポート数、又は、サブフレームの種類に応じて異なる。サブフレームの種類には、例えば、multimedia broadcast service single frequency network(MBSFNサブフレーム)、及び、非MBSFN(non-MBSFN)サブフレームが含まれる。
図3は、CRSの配置方法の一例を示す。例えば、CRSポート数が1又は2であるMBSFNサブフレームでは、第0, 4, 7及び11の4個のシンボルでCRSが送信される。また、例えば、CRSポート数が4であるMBSFNサブフレームでは第0, 1, 4, 7, 8及び11の6個のシンボルでCRSが送信される。また、例えば、非MBSFNサブフレームでは、第0の1個のシンボル、又は、第0及び1の2個のシンボルでCRSが送信される。
【0025】
なお、ここでは、サブフレーム又はスロットにおける最初のシンボルを「第0シンボル」としている。
【0026】
また、CRSの周波数領域における位置及びポート数、及び、MBSFNサブフレームのタイミングは、例えば、上位レイヤパラメータ(例えば、RRCパラメータ「RateMatchPatternLTE-CRS」)によって移動局に設定され得る。
【0027】
[multi-user muitiple input multiple output(MU-MIMO)]
複数の移動局に対するMU-MIMOにおいて、移動局間のNR DMRSポート同士が直交する運用(例えば、orthogonal DMRS based MU-MIMOと呼ぶ)がある。orthogonal DMRS based MU-MIMOの場合、例えば、
図4に示すように、移動局Aと移動局Bとの間のNR DMRSポート同士は直交することが想定される。
【0028】
ここで、例えば、移動局Aに対してDSS運用が実施され、移動局Bに対してDSS運用が実施されない場合、移動局Aに対してDMRSシフトが実施され、移動局Bに対してDMRSシフトが実施されないケースが起こり得る(図示しない)。このとき、移動局Aと移動局Bとの間で、DMRSの位置が異なるので、DMRSポート同士の直交性が崩れ得る。
【0029】
なお、例えば、Rel-15では、アンテナポートマッピングに関するDCIによって、”all the remaining orthogonal antenna ports are not associated with transmission of PDSCH to another UE”であることが移動局に通知されることによって、当該移動局に対して、orthogonal DMRS based MU-MIMOが運用されることが暗示的に通知される(例えば、非特許文献6を参照)。
【0030】
(実施の形態1)
[通信システムの概要]
本実施の形態に係る通信システムは、基地局(送信装置に相当)100、及び、移動局(受信装置に相当)200を備える。
【0031】
本実施の形態では、例えば、基地局100及び移動局200は、下りリンクにおいて、NR信号(例えば、PDSCH)を送信するスロット(例えば、NRスロットと呼ぶ)において、DMRSが配置されるシンボルを、設定されたシンボル(例えば、仮定1に基づくシンボル)と異なるシンボルに変更(換言すると、シフト)されるか否かを判断する方法について説明する。
【0032】
この判断により、基地局100及び移動局200は、例えば、移動局200に対してorthogonal DMRS based MU-MIMOを運用する場合でも、DMRSとCRSとの衝突を抑制できる。また、基地局100及び移動局200は、移動局200間のDMRSポートの直交性の崩れを抑制できる。
【0033】
図5は、本実施の形態に係る基地局100の一部の構成例を示すブロック図である。
図5に示す基地局100において、制御部101(例えば、制御回路に相当)は、第1のシステム(例えば、LTEシステム)における第1の参照信号(例えば、CRS)の配置を特定可能な情報に基づいて、第2のシステム(例えば、NRシステム)における第2の参照信号(例えば、DMRS)の配置を決定する。送信部104(例えば、送信回路に相当)は、第2の参照信号を、決定した配置にて送信する。
【0034】
図6は、本実施の形態に係る移動局200の一部の構成例を示すブロック図である。
図6に示す移動局200において、制御部206(例えば、制御回路に相当)は、第1のシステム(例えば、LTEシステム)における第1の参照信号(例えば、CRS)の配置を特定可能な情報に基づいて、第2のシステム(例えば、NRシステム)における第2の参照信号(例えば、DMRS)の配置を決定する。受信部202(例えば、受信回路に相当)は、決定した配置に基づいて第2の参照信号を受信する。
【0035】
[基地局の構成]
図7は、本実施の形態に係る基地局100の構成例を示すブロック図である。
図7において、基地局100は、制御部101と、符号化・変調部102と、信号配置部103と、送信部104と、アンテナ105と、を有する。
【0036】
制御部101は、例えば、移動局200に設定するパラメータを含む上位レイヤ信号(例えば、RRCパラメータ)を生成し、符号化・変調部102へ出力する。上位レイヤ信号には、例えば、LTE CRSに関する情報(例えば、RateMatchPatternLTE-CRS)、又は、移動局200に設定される帯域(例えば、active BWP:Bandwidth part)に関する情報が含まれてよい。
【0037】
また、制御部101は、データ(例えば、PDSCH)に関する情報を決定する。例えば、制御部101は、PDSCHが送信されるactive BWP、PDSCHの割当領域(例えば、PDSCH領域と呼ぶ)、又は、orthogonal DMRS port based MU-MIMOを運用するか否かを決定する。そして、制御部101は、決定した情報を明示的(explicit)又は暗示的(implicit)に通知する情報を含む下り制御情報(例えば、DCI:Downlink Control Information)を信号配置部103へ出力する。また、制御部101は、決定したPDSCH領域を信号配置部103へ出力(換言すると、指示)する。
【0038】
また、制御部101は、PDSCH内のDMRSの位置(例えば、シンボルの位置)を、基準位置(例えば、PDSCH領域に関連付けられた位置。例えば、
図2に示す仮定1の位置)から変更(換言すると、シフト)するか否かを判断する。制御部101は、判断したDMRSの位置に関する情報を信号配置部103へ出力する。
【0039】
符号化・変調部102は、データ(例えば、PDSCH)及び制御部101から入力される上位レイヤ信号を誤り訂正符号化及び変調し、変調後の信号を信号配置部103に出力する。
【0040】
信号配置部103は、制御部101から入力されるDCIを、例えば、PDCCH領域のリソースに配置(換言すると、割り当て又はマッピング)する。また、信号配置部103は、DMRS、及び、符号化・変調部102から入力される信号を、PDSCH領域のリソースに配置する。信号配置部103は、リソースに配置された信号を、送信部104に出力する。
【0041】
送信部104は、信号配置部103から入力される信号に対して、搬送波を用いた周波数変換等の無線送信処理を行い、無線送信処理後の信号をアンテナ105に出力する。
【0042】
アンテナ105は、送信部104から入力される信号(換言すると、下り信号)を移動局200に向けて放射する。
【0043】
[移動局の構成]
図8は、本実施の形態に係る移動局200の構成例を示すブロック図である。
図8において、移動局200は、アンテナ201と、受信部202と、信号分離部203と、チャネル推定部204と、復調・復号部205と、制御部206と、を有する。
【0044】
アンテナ201は、基地局100(例えば、
図7を参照)が送信した下り信号を受信し、受信部202に出力する。
【0045】
受信部202は、アンテナ201から入力される信号に対して、周波数変換等の無線受信処理を行い、無線受信処理後の信号を信号分離部203に出力する。
【0046】
信号分離部203は、受信部202から入力される信号から、例えば、PDCCH領域のリソースに配置されたDCIを抽出(換言すると、分離)し、DCIを制御部206へ出力する。また、信号分離部203は、制御部206から入力されるPDSCH領域のリソースを示す情報、及び、DMRSの位置を示す情報に基づいて、PDSCH領域のリソースに配置されたデータ信号及びDMRSを抽出(換言すると、分離)する。信号分離部203は、データ信号を復調・復号部205へ出力し、DMRSをチャネル推定部204へ出力する。
【0047】
チャネル推定部204は、信号分離部203から入力されるDMRSに基づいてチャネル推定(例えば、チャネル推定値の計算)を行う。チャネル推定部204は、チャネル推定値を示す情報を復調・復号部205へ出力する。
【0048】
復調・復号部205は、チャネル推定部204から入力されるチャネル推定値に基づいて、信号分離部203から入力されるデータ信号を復調及び復号する。復調・復号部205は、復号により得られた上位レイヤ信号を制御部206に出力する。
【0049】
制御部206は、復調・復号部205から入力される上位レイヤ信号、及び、信号分離部203から入力されるDCIに基づいて、例えば、PDSCH領域、及び、PDSCH領域に関連付けられたDMRSの位置を特定する。
【0050】
また、制御部206は、PDSCH内のDMRSの位置(例えば、シンボルの位置)が、基準位置(例えば、
図2に示す仮定1の位置)から変更(換言すると、シフト)されているか否かを判断する。
【0051】
制御部206は、PDSCH領域に関する情報、及び、DMRSの位置に関する情報を信号分離部203へ出力する。
【0052】
[基地局100及び移動局200の動作例]
次に、基地局100(
図7を参照)及び移動局200(
図8を参照)の動作例について説明する。
【0053】
図9は基地局100及び移動局200の処理の一例を示すフローチャートである。
【0054】
基地局100は、例えば、上位レイヤ信号を移動局200へ通知(換言すると、設定)する(ST101)。移動局200は、基地局100から通知される上りレイヤ信号を受信する。
【0055】
上位レイヤ信号には、例えば、LTE CRSに関する情報(例えば、RateMatchPatternLTE-CRS)、又は、移動局200に対する割当帯域(例えば、active BWP)に関する情報が含まれてよい。また、例えば、active BWPに関する情報には、移動局200に設定されるサブキャリア間隔(SCS:Sub Carrier Spacing)に関する情報が含まれてよい。なお、これらの情報は、上位レイヤパラメータ、及び、下り制御情報(例えば、DCI)の少なくとも一つによって移動局200へ通知されてよく、又は、移動局200に予め設定されてもよい。
【0056】
基地局100は、移動局200に対して通知するDCIの内容を決定する(ST102)。DCIには、例えば、以下の情報が含まれてよい。
【0057】
<PDSCH割当情報>
PDSCH割当情報には、例えば、PDSCH(例えば、mapping type B)が割り当てられる周波数領域のリソースに関する情報、及び、PDSCHが配置される時間領域のリソース(例えば、開始シンボル及びシンボル長)といった情報が含まれてよい。
【0058】
<PDSCHの送信帯域情報>
PDSCHの送信帯域情報には、例えば、PDSCHが送信されるBWPに関する情報(例えば、サブキャリア間隔に関する情報を含む)が含まれてよい。
【0059】
<orthogonal DMRS port based MU-MIMOに関する情報>
orthogonal DMRS port based MU-MIMOに関する情報には、例えば、移動局200に対してorthogonal DMRS port based MU-MIMOが運用されるか否かを示す情報が含まれてよい。orthogonal DMRS port based MU-MIMOに関する情報は、例えば、基地局100から移動局200へ明示的に通知されてもよく、暗示的に通知されてもよい。
【0060】
なお、DCIに含まれる情報は、上述した情報に限定されず、他の情報でもよい。
【0061】
基地局100は、移動局200に設定した情報(例えば、上位レイヤパラメータ及びDCIに含まれる情報)に基づいて、PDSCH内のDMRSの位置を、設定された位置(例えば、
図2に示す「仮定1」の位置)と異なる位置に設定(換言すると、変更又はシフト)するか否かを判断する(ST103)。例えば、基地局100は、DMRSをシフトすべき条件が「真」であるか「偽」であるかを判断してよい。
【0062】
DMRSをシフトすると判断した場合(ST103:YES)、基地局100は、DMRSの位置を、例えば、移動局200に設定された第mシンボルと異なる第nシンボルに決定する(ST104)。換言すると、移動局200に設定されるDMRSの位置は、第mシンボルから第nシンボルへシフトされる。
【0063】
一方、DMRSをシフトしないと判断した場合(ST103:NO)、基地局100は、DMRSの位置を変更しない(シフトしない)。
【0064】
基地局100は、移動局200に対して、下り信号を送信する(ST105)。下り信号には、例えば、DMRSを含むPDSCH、及び、DCIを含むPDCCHの少なくとも一つが含まれてよい。なお、DMRSは、例えば、基地局100が決定した位置(例えば、シンボル)に配置される。
【0065】
移動局200は、例えば、基地局100から送信された下り信号を受信し、下り信号に含まれるPDCCH内のDCIに示される情報(換言すると、内容)を確認する(ST106)。例えば、移動局200は、PDSCHの割当情報に基づいて、DMRSの位置が第mシンボルに設定されていると判断してよい。
【0066】
移動局200は、例えば、受信した上位レイヤ信号、及び、DCIに示される情報に基づいて、PDSCH内のDMRSの位置が、設定された位置(例えば、第mシンボル)と異なる位置(例えば、第nシンボル)に設定(換言すると、変更又はシフト)されたか否かを判断する(ST107)。例えば、移動局200は、DMRSをシフトすべき条件が「真」であるか「偽」であるかを判断してよい。
【0067】
DMRSがシフトされると判断した場合(ST107:YES)、移動局200は、DMRSの位置を、例えば、移動局200に設定された第mシンボルと異なる第nシンボルに決定する(ST108)。換言すると、移動局200に設定されるDMRSの位置は、第mシンボルから第nシンボルへシフトされる。
【0068】
一方、DMRSの位置をシフトしないと判断した場合(ST107:NO)、移動局200は、DMRSの位置を変更しない(シフトしない)。
【0069】
移動局200は、例えば、判断した位置に配置されたDMRSに基づいて、PDSCHの受信処理(例えば、復調処理)を行う(ST109)。
【0070】
次に、本実施の形態に係るDMRS配置の動作例についてそれぞれ説明する。
【0071】
<動作例1-1>
動作例1-1では、例えば、基地局100及び移動局200が、NRスロットにおける第11シンボル(例えば、m=11)に設定されたDMRSの位置を、第12シンボル(n=12)に変更(換言すると、シフト)するか否かを判断する方法について説明する。
【0072】
一例として、
図10(a)に示すように、移動局200に対するNR PDSCHがスロット内の第5シンボルから第13シンボルまでの9シンボルに割り当てられる場合について説明する。この場合、例えば、
図2に示す「仮定1」に基づくと、
図10(a)に示すように、l=6に対応する第11シンボルに、PDSCH内のDMRSの位置が設定される。
【0073】
また、例えば、
図3では、スロット内の第11シンボルにはCRSが配置され得るのに対して、第12シンボルにはCRSは配置され得ない。よって、例えば、DMRSの位置が第11シンボルと異なる第12シンボルに設定(換言すると、変更又はシフト)されることにより、NR PDSCH内のDMRSとLTE CRSとの衝突を抑制できる。
【0074】
基地局100及び移動局200は、例えば、移動局200の設定情報に示される内容が以下の条件のうち少なくとも一つの条件を満たす場合、
図10(b)に示すように、DMRSの位置を、移動局200に設定された第11シンボルと異なる第12シンボルに決定する(例えば、
図9に示すST103及びST107の処理)。換言すると、
図9に示すST103及びST107の処理において、基地局100及び移動局200は、移動局200に設定される情報(例えば、LTE CRSの配置を特定可能(又は推定可能)な情報)に示される内容が以下の条件を満たす場合、DMRSをシフトすべき条件が「真」であると判断してよい。
【0075】
条件(1):「移動局200はアンライセンスバンド(例えば、NR-unlicensed (NR-U)とも呼ぶ)において運用されていない」
移動局200に対して設定されるNRの周波数帯域(例えば、ライセンスバンド又はアンライセンスバンド)は、例えば、制御情報(例えば、上位レイヤ信号又はDCI)によって基地局100から移動局200へ通知されてもよく、移動局200に設定されてもよい。
【0076】
例えば、アンライセンスバンドでは、DSSが運用されないことが想定され得る。よって、移動局200がアンライセンスバンドにおいて運用される場合には、移動局200に対するNR信号に含まれるDMRSと、LTE CRSとが衝突し得ないので、NR PDSCHにおいてDMRSの位置(例えば、第11シンボル)は変更されなくてよい。
【0077】
一方、ライセンスバンドでは、DSSが運用され得るので、例えば、
図3に示すように、スロット内の第11シンボルには、CRSが配置される可能性がある。このため、移動局200がアンライセンスバンドにおいて運用されていない場合には、LTE CRSとDMRSとが重複し得ることが特定され得る。
【0078】
よって、例えば、基地局100及び移動局200は、条件(1)を満たす場合、DMRSの位置を第11シンボルと異なる第12シンボルに決定してよい。換言すると、基地局100及び移動局200は、移動局200がライセンスバンドにおいて運用されている場合、DMRSの位置を第12シンボルに決定してよい。
【0079】
条件(2):「移動局200に対してRRCパラメータRateMatchPatternLTE-CRSが設定されている」
例えば、移動局200にRateMatchPatternLTE-CRSが設定された場合、LTEシステムにおいてLTE CRSが設定されている可能性があるので、NR PDSCH内のDMRSとLTE CRSとが重複する可能性がある。例えば、
図3に示すように、スロット内の第11シンボルには、CRSが配置され得るので、第11シンボルにおいて、NR PDSCH内のDMRSとLTE CRSとが重複し得ることが特定され得る。
【0080】
よって、基地局100及び移動局200は、条件(2)を満たす場合、DMRSの位置を第11シンボルと異なる第12シンボルに決定してよい。
【0081】
条件(3):「移動局200に対してRRCパラメータRateMatchPatternLTE-CRSが設定され、かつ、このRRCパラメータによって設定されているMBSFNサブフレームのタイミングがDMRSの送信タイミングと一致していない」
例えば、
図3に示すように、MBSFNサブフレームでは、第0又は第1シンボルにCRSが配置され得る。よって、MBSFNサブフレームのタイミングがDMRSの送信タイミングと一致している場合には、PDSCH内のDMRSとLTE CRSとは衝突し得ないので、NR PDSCHにおいてDMRSの位置(例えば、第11シンボル)は変更されなくてよい。
【0082】
一方、MBSFNサブフレームのタイミングがDMRSの送信タイミングと一致していない場合、例えば、非MBSFNサブフレームのタイミングがDMRSの送信タイミングと一致する場合、
図3に示すように、第11シンボルにCRSが配置され得るので、PDSCH内のDMRSとLTE CRSとが衝突し得ることが特定され得る。
【0083】
よって、基地局100及び移動局200は、条件(3)を満たす場合、DMRSの位置を第11シンボルと異なる第12シンボルに決定してよい。
【0084】
上述したように、MBSFNサブフレームでは、第11シンボルにDMRSが配置されない。よって、条件(3)は、条件(2)よりも、DMRSとCRSとが衝突する可能性が高い条件である。
【0085】
条件(4):「移動局200において、15 kHzのサブキャリア間隔(SCS)を有するactive BWPが使用されている」
NRシステムにおいて移動局200に設定されるSCSが15kHzの場合、すなわち、LTEシステムと同じサブキャリア間隔の場合、例えば、
図3に示すように、第11シンボルでは、NR PDSCH内のDMRSとLTE CRSとが衝突し得ることが特定され得る。
【0086】
よって、基地局100及び移動局200は、条件(4)を満たす場合、DMRSの位置を第11シンボルと異なる第12シンボルに決定してよい。
【0087】
条件(5):「移動局200に対してorthogonal DMRS port based MU-MIMOが運用されている」
移動局200に対して例えば、DCIによってorthogonal DMRS port based MU-MIMOが通知される場合、MU-MIMO多重される複数の移動局200のうち少なくとも一つの移動局200においてDMRSの位置が変更されると、複数の移動局200間におけるDMRSの直交性が崩れ得る。
【0088】
よって、基地局100及び移動局200は、条件(5)を満たす場合、DMRSの位置を第11シンボルと異なる第12シンボルに決定してよい。
【0089】
換言すると、条件(5)を満たす場合には、orthogonal DMRS port based MU-MIMOが運用される複数の移動局200に対するDMRSの位置が第12シンボルに設定される。このDMRSの設定により、例えば、DSS運用される移動局200に対するDMRSの位置が変更される場合でも、MU-MIMO多重される他の移動局200に対するDMRSの位置も併せて変更されるので、複数の移動局200間におけるDMRSの直交性の崩れを抑制できる。
【0090】
例えば、
図4に示す例において、移動局Bに対してorthogonal DMRS port based MU-MIMOが運用されていることが通知された場合、移動局Bは、移動局Bに対してDSSが運用されない場合でも、MU-MIMO多重される他の移動局Aに対してDSSが運用され得ることを考慮して、DMRSの位置を第12シンボルに決定してよい。
【0091】
なお、条件(5)は、例えば、「移動局200が受信するDCIがorthogonal DMRS port based MU-MIMOであることを暗示している」と規定されてもよい。
【0092】
条件(6):「移動局200が受信するDCIが、PDSCH mapping type Bによる割当を通知している」
PDSCH mapping type Bによる割当では、例えば、
図2に示すように、l
d=9において、l=6に対応する第11シンボルに、PDSCH内のDMRSが配置され得る。また、例えば、
図3に示すように、スロット内の第11シンボルには、CRSが配置され得る。そのため、PDSCH mapping type Bが設定される場合、第11シンボルでは、NR PDSCH内のDMRSとLTE CRSとが衝突し得る。
【0093】
よって、基地局100及び移動局200は、条件(6)を満たす場合、DMRSの位置を第11シンボルと異なる第12シンボルに決定してよい。
【0094】
条件(7):「移動局200が受信するDCIが、PDSCH mapping type Bによる割当を通知し、かつ、当該割当が"第5シンボルから第13シンボルまでの9シンボル"である」
条件(6)において説明したようにPDSCH mapping type Bによる割当では、PDSCHの長さが9シンボル(例えば、
図2に示すl
d=9)の場合において、l=6に対応する第11シンボルに、PDSCH内のDMRSが配置され得る。また、例えば、
図3に示すように、スロット内の第11シンボルには、CRSが配置され得る。そのため、PDSCH mapping type Bが設定される場合、第11シンボルでは、NR PDSCH内のDMRSとLTE CRSとが衝突し得る。
【0095】
よって、基地局100及び移動局200は、条件(7)を満たす場合、DMRSの位置を第11シンボルと異なる第12シンボルに決定してよい。
【0096】
例えば、
図2に示すように、single symbol DMRSにおいて、PDSCHの長さが10シンボル(例えば、
図2に示すl
d=10)の場合、第11シンボル(l=7に相当)にはDMRSが配置されない。よって、条件(7)は、条件(6)よりも、DMRSとCRSとが衝突する可能性が高い条件である。
【0097】
以上、条件(1)~(7)についてそれぞれ説明した。
【0098】
基地局100及び移動局200は、例えば、条件(1)~(7)の何れか一つ又は複数の条件に基づいて、DMRSの位置を、第11シンボル及び第12シンボルの何れに決定するかを判断してよい。
【0099】
動作例1-1によれば、例えば、基地局100及び移動局200は、移動局200に設定される情報に基づいて、NR PDSCH内のDMRSとLTE CRSとが衝突し得る場合、NR PDSCH内のDMRSの位置を、CRSと衝突しない第12シンボルに決定(換言すると、変更又はシフト)する。このDMRS位置の決定により、NR PDSCH内のDMRSとLTE CRSとの衝突を回避できる。
【0100】
また、例えば、基地局100及び移動局200は、上述した条件(1)~(7)の少なくとも一つの条件を満たす場合には、移動局200に対してorthogonal DMRS based MU-MIMOが運用され得ると判断してよい。
【0101】
例えば、基地局100は、orthogonal DMRS based MU-MIMOが運用される複数の移動局200それぞれに対してDMRSシフトする。また、orthogonal DMRS based MU-MIMOが運用される各移動局200は、MU-MIMO多重される他の移動局200においてDMRSとCRSとの衝突回避のためにDMRSシフトが行われ得ることを想定して、当該移動局200に対してもDMRSシフトが行われると判断する。この判断により、移動局200に対してorthogonal DMRS based MU-MIMOが運用されている場合、複数の移動局200にそれぞれ対応するDMRSポート同士の直交性の崩れを低減できる。
【0102】
以上より、動作例1-1によれば、例えば、DMRSとCRSとの衝突を回避できる。また、動作例1-1によれば、例えば、DMRSポート同士の直交性を維持できる。
【0103】
なお、動作例1-1では、m=11及びn=12の場合について説明したが、変更後(換言すると、シフト後)のDMRSの位置は、第12シンボルに限らず、例えば、第13シンボル以降のシンボルでもよく、第10シンボル又は第9シンボル以前のシンボルでもよい。これらのシンボルへの変更により、例えば、移動局200におけるチャネル推定精度の向上に適した時間的位置又は間隔に、DMRSを柔軟に配置できる。
【0104】
<動作例1-2>
動作例1-2では、例えば、基地局100及び移動局200が、NRスロットにおける第8シンボル(例えば、m=8)に設定されたDMRSの位置を、第9シンボル(例えば、n=9)に変更(換言すると、シフト)するか否かを判断する方法について説明する。
【0105】
一例として、
図11(a)に示すように、移動局200に対するNR PDSCHがスロット内の第5シンボルから第13シンボルまでの9シンボルに割り当てられる場合について説明する。この場合、例えば、
図2に示す「仮定1」に基づくと、
図11(a)に示すように、l=3に対応する第8シンボルに、PDSCH内のDMRSの位置が設定される。
【0106】
また、例えば、
図3では、スロット内の第8シンボルにはCRSが配置され得るのに対して、第9シンボルにはCRSは配置され得ない。よって、例えば、DMRSの位置が第8シンボルと異なる第9シンボルに設定(換言すると、変更又はシフト)されることにより、NR PDSCH内のDMRSとLTE CRSとの衝突を抑制できる。
【0107】
動作例1-2では、基地局100及び移動局200は、例えば、移動局200の設定情報に示される内容が動作例1-1で説明した条件(1)~(7)、及び、以下の条件(8)のうち少なくとも一つの条件を満たす場合、
図11(b)に示すように、DMRSの位置を、移動局200に設定された第8シンボルと異なる第9シンボルに決定する(例えば、
図9に示すST103及びST107の処理)。
【0108】
条件(8):
条件(8)は、「移動局200に対してRRCパラメータRateMatchPatternLTE-CRSが設定され、かつ、このRRCパラメータによって設定されているCRSポート数が4であり、かつ、このRRCパラメータによって設定されているMBSFNサブフレームのタイミングがDMRSの送信タイミングと一致していない」場合である。
【0109】
条件(8)を満たす場合の一例は、非MBSFNサブフレームのタイミングがDMRSの送信タイミングと一致する場合である。例えば、
図3に示すように、CRSポート数が4であり、非MBSFNサブフレームでは、第8シンボルにCRSが配置され得るので、第8シンボルにおいて、NR PDSCH内のDMRSとLTE CRSとが重複し得る。
【0110】
よって、基地局100及び移動局200は、条件(8)を満たす場合、DMRSの位置を第8シンボルと異なる第9シンボルに決定してよい。
【0111】
基地局100及び移動局200は、例えば、条件(1)~(8)の何れか一つ又は複数の条件に基づいて、DMRSの位置を、第8シンボル及び第9シンボルの何れに決定するかを判断してよい。
【0112】
動作例1-2によれば、例えば、基地局100及び移動局200は、移動局200に設定される情報に基づいて、NR PDSCH内のDMRSとLTE CRSとが衝突し得る場合、NR PDSCH内のDMRSの位置を、CRSと衝突しない第9シンボルに決定(換言すると、変更又はシフト)する。このDMRS位置の決定により、NR PDSCH内のDMRSとLTE CRSとの衝突を回避できる。
【0113】
また、例えば、基地局100及び移動局200は、上述した条件(1)~(8)の少なくとも一つの条件を満たす場合には、移動局200に対してorthogonal DMRS based MU-MIMOが運用され得ると判断してよい。
【0114】
例えば、基地局100は、orthogonal DMRS based MU-MIMOが運用される複数の移動局200それぞれに対してDMRSシフトする。また、orthogonal DMRS based MU-MIMOが運用される各移動局200は、MU-MIMO多重される他の移動局200においてDMRSとCRSとの衝突回避のためにDMRSシフトが行われ得ることを想定して、当該移動局200に対してもDMRSシフトが行われると判断する。この判断により、移動局200に対してorthogonal DMRS based MU-MIMOが運用されている場合、複数の移動局200にそれぞれ対応するDMRSポート同士の直交性の崩れを低減できる。
【0115】
以上より、動作例1-2によれば、例えば、DMRSとCRSとの衝突を回避できる。また、動作例1-2によれば、例えば、DMRSポート同士の直交性を維持できる。
【0116】
なお、動作例1-2では、m=8及びn=9の場合について説明したが、変更後(換言すると、シフト後)のDMRSの位置は、第9シンボルに限らず、例えば、第10シンボル又は第11シンボル以降のシンボルでもよく、第7シンボル又は第6シンボル以前のシンボルでもよい。これらのシンボルへの変更により、例えば、移動局200におけるチャネル推定精度の向上に適した時間的位置又は間隔に、DMRSを柔軟に配置できる。
【0117】
<動作例1-3>
動作例1-3では、例えば、基地局100及び移動局200が、NRスロットにおける第10シンボル及び第11シンボル(例えば、m=10及び11)に設定されたDMRS(換言すると、double symbol DMRS)の位置を、第12シンボル及び第13シンボル(例えば、n=12及び13)に変更(換言すると、シフト)するか否かを判断する方法について説明する。
【0118】
一例として、
図12(a)に示すように、移動局200に対するNR PDSCHがスロット内の第5シンボルから第13シンボルまでの9シンボルに割り当てられる場合について説明する。この場合、例えば、
図2に示す「仮定1」に基づくと、
図12(a)に示すように、l=5に対応する第10シンボル及び第11シンボルに、PDSCH内のDMRSの位置が設定される。
【0119】
また、例えば、
図3では、スロット内の第8シンボルにはCRSが配置され得るのに対して、第9シンボルにはCRSは配置され得ない。よって、例えば、DMRSの位置が第8シンボルと異なる第9シンボルに設定(換言すると、変更又はシフト)されることにより、NR PDSCH内のDMRSとLTE CRSとの衝突を抑制できる。
【0120】
動作例1-3では、基地局100及び移動局200は、例えば、移動局200の設定情報に示される内容が動作例1-1で説明した条件(1)~(7)のうち少なくとも一つの条件を満たす場合、
図12(b)に示すように、DMRSの位置を、移動局200に設定された第10シンボル及び第11シンボルと異なる第12シンボル及び第13シンボルに決定する(例えば、
図9に示すST103及びST107の処理)。
【0121】
基地局100及び移動局200は、例えば、条件(1)~(7)の何れか一つ又は複数の条件に基づいて、DMRSの位置を、第10及び第11シンボルと、第12及び第13シンボルとの何れに決定するかを判断してよい。
【0122】
動作例1-3によれば、例えば、基地局100及び移動局200は、移動局200に設定される情報に基づいて、NR PDSCH内のDMRSとLTE CRSとが衝突し得る場合、NR PDSCH内のdouble symbol DMRSの位置を、CRSと衝突しない第12シンボル及び第13シンボルに決定(換言すると、変更又はシフト)する。このDMRS位置の決定により、NR PDSCH内のdouble symbol DMRSとLTE CRSとの衝突を回避できる。
【0123】
また、動作例1-1と同様、例えば、基地局100及び移動局200は、上述した条件(1)~(7)の少なくとも一つの条件を満たす場合には、移動局200に対してorthogonal DMRS based MU-MIMOが運用され得ると判断してよい。
【0124】
例えば、基地局100は、orthogonal DMRS based MU-MIMOが運用される複数の移動局200それぞれに対してDMRSシフトする。また、orthogonal DMRS based MU-MIMOが運用される各移動局200は、MU-MIMO多重される他の移動局200においてDMRSとCRSとの衝突回避のためにDMRSシフトが行われ得ることを想定して、当該移動局200に対してもDMRSシフトが行われると判断する。この判断により、移動局200に対してorthogonal DMRS based MU-MIMOが運用されている場合、複数の移動局200にそれぞれ対応するDMRSポート同士の直交性の崩れを低減できる。
【0125】
以上より、動作例1-3によれば、例えば、double symbol DMRSとCRSとの衝突を回避できる。また、動作例1-3によれば、例えば、DMRSポート同士の直交性を維持できる。
【0126】
なお、動作例1-3では、m=10及び11、及び、n=12及び13の場合について説明したが、変更後(換言すると、シフト後)のDMRSの位置は、第12シンボル及び第13シンボルに限らず、例えば、第9シンボル及び第10シンボル、又は、第9シンボル以前の2シンボルでもよい。これらのシンボルへの変更により、例えば、移動局200におけるチャネル推定精度の向上に適した時間的位置又は間隔に、DMRSを柔軟に配置できる。
【0127】
<動作例1-4>
動作例1-4では、例えば、基地局100及び移動局200が、NRスロットにおける第8シンボル(例えば、m=8)に設定されたDMRSの位置を、第10シンボル(例えば、n=10)に変更(換言すると、シフト)するか否かを判断する方法について説明する。
【0128】
動作例1-4では、例えば、移動局200に対して、30kHzのサブキャリア間隔を有するactive BWPが設定されてよい(例えば、
図9に示すST101の処理)。
【0129】
また、基地局100は、移動局200に対して、例えば、
図11(a)に示すように、スロット内の第5シンボルから第13シンボルまでの9シンボル、又は、
図13に示すように、スロット内の第4シンボルから第13シンボルまでの10シンボルに、NR PDSCHを割り当ててよい(例えば、
図9に示すST102の処理)。
【0130】
また、例えば、基地局100は、移動局200に対して、30kHzのサブキャリア間隔を有するactive BWPにPDSCHを割り当ててよい(例えば、
図9に示すST102の処理)。
【0131】
また、基地局100は、移動局200に対して、orthogonal DMRS port based MU-MIMOの運用を設定してよい(例えば、
図9に示すST102の処理)。
【0132】
例えば、
図2に示す「仮定1」に基づくと、
図11(a)及び
図13に示すように、l
d=9におけるl=3又はl
d=10におけるl=4に対応する第8シンボルに、PDSCH内のDMRSの位置が設定される。
【0133】
NRに対するSCSが30kHzの場合、1シンボルに相当する時間はLTEのSCS=15kHzと比較して半分である。換言すると、SCS=15kHzの1シンボルは、SCS=30kHzの2シンボルに相当する。
【0134】
例えば、
図3において、SCS=15kHzのLTEにおいてCRSが配置される第4シンボル(又は第11シンボル)は、SCS=30kHzのNRにおける第8シンボル及び第9シンボルの2シンボルに相当する。よって、例えば、SCS=30kHzのNRスロット内の第8シンボル及び第9シンボルには、SCS=15kHzにおける第4シンボル(又は第11シンボル)に相当する位置にCRSが配置され得る。これに対して、SCS=30kHzのNRスロット内の第10シンボル(例えば、SCS=15kHzにおける第5シンボル又は第12シンボルに相当)には、CRSは配置され得ない。よって、例えば、SCS=30kHzのNRスロット内のDMRSの位置が第8シンボルと異なる第10シンボルに設定(換言すると、変更又はシフト)されることにより、NR PDSCH内のDMRSとLTE CRSとの衝突を抑制できる。
【0135】
動作例1-4では、基地局100及び移動局200は、例えば、移動局200の設定情報に示される内容が動作例1-1で説明した条件(1)~(3)、(5)、(6)、及び、以下の条件(4)'及び(7)'のうち少なくとも一つの条件を満たす場合、
図14(a)及び
図14(b)に示すように、DMRSの位置を、第8シンボルと異なる第10シンボルに決定する(例えば、
図9に示すST103及びST107の処理)。
【0136】
条件(4)':「移動局200において、30 kHzのサブキャリア間隔(SCS)を有するactive BWPが使用されている」
上述したように、NRに対するSCSが30kHzの場合、NRスロット内の第8シンボルでは、NR PDSCH内のDMRSとLTE CRSとが衝突し得る。
【0137】
よって、基地局100及び移動局200は、条件(4)'を満たす場合、DMRSの位置を第8シンボルと異なる第10シンボル(例えば、SCS=15kHzにおける1シンボル分後ろのシンボル)に決定してよい。
【0138】
条件(7)':「移動局200が受信するDCIが、PDSCH mapping type Bによる割当を通知し、かつ、当該割当が"第5シンボルから第13シンボルまでの9シンボル"又は"第4シンボルから第13シンボルまでの10シンボル"である」
上述したように、PDSCH mapping type Bによる割当では、PDSCHの長さが9シンボル(例えば、
図2に示すl
d=9)の場合におけるl=3、及び、PDSCHの長さが10シンボル(例えば、
図2に示すl
d=10)の場合におけるl=4にそれぞれ対応する第8シンボルに、PDSCH内のDMRSが配置され得る。また、上述したように、SCS=30kHzにおける第8シンボルに相当する、SCS=15kHzにおけるスロット内の第4シンボル又は第11シンボルには、CRSが配置され得る。そのため、PDSCH mapping type Bが設定される場合、かつ、PDSCHの長さが9シンボル及び10シンボルの場合、NRスロット内の第8シンボルでは、NR PDSCH内のDMRSとLTE CRSとが衝突し得る。
【0139】
よって、基地局100及び移動局200は、条件(7)'を満たす場合、DMRSの位置を第8シンボルと異なる第10シンボル(例えば、SCS=15kHzにおける1シンボル分後ろのシンボル)に決定してよい。
【0140】
基地局100及び移動局200は、例えば、条件(1)~(3)、(4)'、(5)、(6)及び(7)'の何れか一つ又は複数の条件に基づいて、DMRSの位置を、第8シンボル及び第10シンボルの何れに決定するかを判断してよい。
【0141】
動作例1-4によれば、例えば、基地局100及び移動局200は、移動局200に設定される情報に基づいて、NR PDSCH内のDMRSとLTE CRSとが衝突し得る場合、NR PDSCH内のDMRSの位置を、CRSと衝突しない第10シンボルに決定(換言すると、変更又はシフト)する。このDMRS位置の決定により、NRのSCSがLTEのSCSと異なる場合でも、NR PDSCH内のDMRSとLTE CRSとの衝突を回避できる。
【0142】
また、例えば、基地局100及び移動局200は、上述した条件(1)~(3)、(4)'、(5)、(6)及び(7)'の少なくとも一つの条件を満たす場合には、移動局200に対してorthogonal DMRS based MU-MIMOが運用され得ると判断してよい。
【0143】
例えば、基地局100は、orthogonal DMRS based MU-MIMOが運用される複数の移動局200それぞれに対してDMRSシフトする。また、orthogonal DMRS based MU-MIMOが運用される各移動局200は、MU-MIMO多重される他の移動局200においてDMRSとCRSとの衝突回避のためにDMRSシフトが行われ得ることを想定して、当該移動局200に対してもDMRSシフトが行われると判断する。この判断により、移動局200に対してorthogonal DMRS based MU-MIMOが運用されている場合、複数の移動局200にそれぞれ対応するDMRSポート同士の直交性の崩れを低減できる。
【0144】
以上より、動作例1-4によれば、例えば、DMRSとCRSとの衝突を回避できる。また、動作例1-4によれば、例えば、DMRSポート同士の直交性を維持できる。
【0145】
なお、動作例1-4では、m=8及びn=10の場合について説明したが、変更後(換言すると、シフト後)のDMRSの位置は、第10シンボルに限らず、例えば、第11シンボル又は第12シンボル以降のシンボルでもよく、第7シンボル又は第6シンボル以前のシンボルでもよい。これらのシンボルへの変更により、例えば、移動局200におけるチャネル推定精度の向上に適した時間的位置又は間隔に、DMRSを柔軟に配置できる。
【0146】
上述したように、動作例1-1~1-4では、一例として、Rel.16において移動局200に対して設定され得るDMRSの位置、及び、CRSの位置に基づいて、DMRSの位置を決定する場合について説明した。換言すると、動作例1-1~1-4では、例えば、基地局100及び移動局200が、移動局200の設定情報に基づいて、DMRSとCRSとが衝突し得るシンボル、又は、DMRSとCRSとが衝突し得ないシンボルを特定できる。
【0147】
例えば、動作例1-1~1-4において説明した条件は、CRSが配置されるシンボルと、移動局200に対してDMRSに設定されるシンボルとが重複(換言すると、衝突)するか否かに依存しない。よって、動作例1-1~1-4では、基地局100及び移動局200は、上述した条件を満たす場合には、CRSとDMRSとが実際には衝突しない場合でも、DMRSの配置を変更することにより、例えば、MU-MIMO多重している複数の移動局200にそれぞれ対応するDMRSポート同士の直交性を維持できる。
【0148】
<動作例1-5>
動作例1-5では、例えば、基地局100及び移動局200が、移動局200の設定情報に基づいて、DMRSとCRSとの衝突の有無を特定し得ない場合における動作例について説明する。
【0149】
例えば、動作例1-5では、基地局100及び移動局200が、NRスロットにおける任意のシンボルに設定されたDMRSの位置を、異なるシンボルに変更(換言すると、シフト)するか否かを判断する方法について説明する。
【0150】
動作例1-5では、例えば、移動局200に対して、15kHz、30kHz又は60kHzのサブキャリア間隔を有するactive BWPが設定されてよい(例えば、
図9に示すST101の処理)。
【0151】
また、基地局100は、移動局200に対して、例えば、LTE CRSが送信され得る周波数帯域、かつ、スロット内の任意の時間リソースに、NR PDSCHを割り当ててよい(例えば、
図9に示すST102の処理)。
【0152】
また、例えば、基地局100は、移動局200に対して、15kHz、30kHz又は60kHzの何れかのサブキャリア間隔を有するactive BWPにPDSCHを割り当ててよい(例えば、
図9に示すST102の処理)。
【0153】
また、基地局100は、移動局200に対して、orthogonal DMRS port based MU-MIMOの運用を設定してよい(例えば、
図9に示すST102の処理)。
【0154】
例えば、
図2に示す「仮定1」に基づいて設定された、PDSCH内のDMRSの位置を「第xシンボル」とする。
【0155】
基地局100は、例えば、DMRSの位置を、移動局200に設定された第xシンボルと異なるシンボル(以下、「第yシンボル」とする)へ変更(換言すると、シフト)するか否かを判断する(例えば、
図9に示すST103の処理)。例えば、基地局100は、CRSが配置されるシンボルと、移動局200に設定された第xシンボルとが重複する場合、DMRSの位置を、第xシンボルと異なる第yシンボルに決定してよい。
【0156】
例えば、基地局100は、LTE CRSに関する情報(例えば、CRSの配置に関する情報)、及び、移動局200に設定されるリソースに関する情報(例えば、PDSCHに関する周波数領域及び時間領域の割当リソースに関する情報)に基づいて、CRSが配置されるシンボルとDMRSが配置される第xシンボルとが重複するか否かを判断してよい。換言すると、基地局100は、第xシンボルにおいてCRSとDMRSとが衝突し得るか否かを判断する。基地局100は、例えば、CRSとDMRSとが衝突し得ると判断した場合、DMRSをシフトすべき条件が「真」であると判断してよい。
【0157】
DMRSをシフトすべき条件が真の場合(ST103:YES)、基地局100は、DMRSの位置を、第xシンボルと異なる第yシンボルに決定(換言すると、変更又はシフト)する(ST104)。例えば、基地局100は、第xシンボルより後のシンボルにおいて、CRSと衝突しないシンボルのうち、シンボル番号がより小さい番号を有する第yシンボルにDMRSを配置(換言すると、シフト)してもよい。
【0158】
なお、第xシンボルより後のシンボルにおいて、CRSと衝突しないシンボルが存在しない場合、基地局100は、第xシンボルにDMRSを配置してもよい(換言すると、シフトしない)。
【0159】
また、移動局200は、例えば、基地局100から通知された制御信号に基づいて設定されるDMRSの位置(第xシンボル)と異なる位置(第yシンボル)へ変更するか否かを判断する(例えば、
図9に示すST107の処理)。例えば、移動局200は、CRSが配置されるシンボルと、移動局200に設定された第xシンボルとが重複する場合、DMRSの位置を、第xシンボルと異なる第yシンボルに決定してよい。
【0160】
例えば、移動局200は、基地局100と同様、LTE CRSに関する情報、及び、移動局200に設定されるPDSCHの割当情報に基づいて、CRSが配置されるシンボルとDMRSが配置される第xシンボルとが重複(換言すると、衝突)し得るか否かを判断する。移動局200は、例えば、CRSとDMRSとが衝突し得ると判断した場合、DMRSをシフトすべき条件が「真」であると判断してよい。
【0161】
DMRSをシフトすべき条件が真の場合(ST107:YES)、移動局200は、DMRSの位置を、第xシンボルと異なる第yシンボルに決定(換言すると、変更又はシフト)されたと判断する(ST108)。例えば、移動局200は、第xシンボルより後のシンボルにおいて、CRSと衝突しないシンボルのうち、シンボル番号がより小さい番号を有する第yシンボルにDMRSが配置(換言すると、シフト)されたと判断してもよい。
【0162】
なお、第xシンボルより後のシンボルにおいて、CRSと衝突しないシンボルが存在しない場合、移動局200は、第xシンボルにDMRSが配置されたと判断してもよい(換言すると、シフトしないと判断してよい)。
【0163】
動作例1-5によれば、例えば、基地局100及び移動局200は、NR PDSCH内のDMRSとLTE CRSとが衝突し得る場合、NR PDSCH内のDMRSの位置を、CRSと衝突しない他のシンボルに決定(換言すると、変更又はシフト)する。このDMRS位置の決定により、NR PDSCH内のDMRSとLTE CRSとの衝突を回避できる。
【0164】
なお、移動局200に設定されるサブキャリア間隔は、15kHz、30kHz及び60kHzに限らず、他の間隔でもよい。
【0165】
また、動作例1-5では、第yシンボルは、第xシンボル以降のシンボルにおいて、CRSと衝突しないシンボルのうち最小番号のシンボルに限らず、例えば、CRSと衝突しないシンボルのうち、2番目に番号が小さいシンボル、または、3番目に番号が小さいシンボル以降のシンボルでもよい。または、第yシンボルは、第xシンボルより前のCRSと衝突しないシンボルでもよい。これらのシンボルへの変更により、例えば、移動局200におけるチャネル推定精度の向上に適した時間的位置又は間隔に、DMRSを柔軟に配置できる。
【0166】
また、基地局100及び移動局200は、DMRSとCRSとが衝突し得るか否かの判断に加え、例えば、移動局200の設定情報に示される内容が上述した条件(1)、(3)、(5)及び(8)のうち少なくとも一つの条件を満たすか否かに基づいて、移動局200に設定されたDMRSの位置を変更するか否かを判断してよい。
【0167】
また、例えば、基地局100及び移動局200は、上述した条件(1)、(3)、(5)及び(8)の少なくとも一つの条件を満たす場合には、移動局200に対してorthogonal DMRS based MU-MIMOが運用され得ると判断してよい。例えば、基地局100は、orthogonal DMRS based MU-MIMOが運用される複数の移動局200それぞれに対してDMRSシフトする。また、orthogonal DMRS based MU-MIMOが運用される各移動局200は、MU-MIMO多重される他の移動局200においてDMRSとCRSとの衝突回避のためにDMRSシフトが行われ得ることを想定して、当該移動局200に対してもDMRSシフトが行われると判断する。この判断により、移動局200に対してorthogonal DMRS based MU-MIMOが運用されている場合、複数の移動局200にそれぞれ対応するDMRSポート同士の直交性の崩れを低減できる。
【0168】
以上、DMRSの配置の動作例について説明した。
【0169】
このように、本実施の形態では、基地局100及び移動局200は、例えば、移動局200に設定される情報(換言すると、LTE CRSの配置を特定可能な情報)に基づいて、NR PDSCH内におけるDMRSの配置を決定する。このDMRS配置の決定により、例えば、DSSを運用する基地局100は、DMRSを適切に配置し、DMRSとCRSとの衝突を回避できる。また、このDMRS配置の決定により、例えば、DMRSポート同士の直交性を維持できる。また、移動局200は、DSSが運用される場合でも、DMRSの配置を適切に判断して、NR PDSCHを受信できる。
【0170】
(実施の形態1のバリエーション1)
実施の形態1において、スロット内の複数のシンボルにDMRSが配置される場合、基地局100及び移動局200は、DMRSが配置される複数のシンボルを同時に変更(換言すると、シフト)してもよい。
【0171】
例えば、
図2に示す「仮定1」におけるDMRSの位置が第8シンボル及び第11シンボルである場合、基地局100及び移動局200は、それぞれのDMRSの位置を第9シンボル及び第12シンボルに変更してもよい。
【0172】
このDMRS配置の変更により、複数のDMRSにおいてCRSとの衝突を回避できる。
【0173】
(実施の形態1のバリエーション2)
実施の形態1において、例えば、
図9に示すST101の処理において基地局100から移動局200へ通知されるLTEシステムに関する情報(例えば、RRCパラメータRateMatchPatternLTE-CRS)は、以下の何れかの帯域において動作するLTEのコンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)におけるCRSに関する情報でもよい。
(1)基地局100及び移動局200が動作するNRコンポーネントキャリアのシステム帯域
(2)移動局200に設定されている何れかのBWP
(3)移動局200への送信に使用されるactive BWP
(4)移動局200に送信されるPDSCHの割当帯域
【0174】
また、上記帯域のうち、LTEのコンポーネントキャリアが複数ある場合、基地局100は、1つ又は複数のLTEコンポーネントキャリアにおけるCRSに関する情報を示すパラメータを移動局200へ通知してもよい。
【0175】
例えば、複数のパラメータが通知される場合、基地局100及び移動局200は、1つ又は複数のパラメータに基づいて、DMRSの位置を変更するか否かを判断してよい(例えば、
図9に示すST103及びST107の処理)。
【0176】
また、基地局100及び移動局200は、複数のパラメータのうち一部に基づいてDMRSの位置を変更するか否かを判断してもよい。例えば、基地局100及び移動局200は、複数のパラメータのうち、より大きいCRSポート数を含むパラメータに基づく運用でもよく、より高頻度に非MBSFNサブフレームが設定されているパラメータに基づく運用でもよい。これらの運用により、例えば、CRSがより多くのリソースに配置され得る状況を配慮してDMRSの位置が決定されるので、CRSとDMRSとの衝突の可能性を低減できる。
【0177】
また、基地局100は、移動局200に対して、DMRSの位置を変更するか否かを判断する際に基づくパラメータを通知してもよい。
【0178】
(実施の形態1のバリエーション3)
実施の形態1において、DMRSの位置を変更するか否かを判断する条件は、例えば、基地局100と移動局200との間で既知の情報でもよく、上位レイヤ信号又はDCIといった制御信号によって基地局100から移動局200へ通知される情報でもよい。
【0179】
または、DMRSの位置を変更するか否かを判断した結果を示す情報が、上位レイヤ信号又はDCIといった制御信号によって基地局100から移動局200へ通知されてもよい。
【0180】
この通知により、移動局200は、基地局100が送信するDMRSの位置が変更されているか否かを正確に判断できる。
【0181】
(実施の形態1のバリエーション4)
実施の形態1において、移動局200がorthogonal DMRS port based MU-MIMOで運用されていることは、例えば、"all the remaining orthogonal antenna ports are not associated with transmission of PDSCH to another UE"であることを通知するアンテナポートマッピングに関するDCIによって暗示的に通知されてもよい。
【0182】
(実施の形態1のバリエーション5)
実施の形態1において、
図15のように、orthogonal DMRS based MU-MIMOが運用されない移動局200が受信するDMRSの位置が、シフトされてもよい。これによれば、例えば、セル間におけるDMRSの衝突による受信精度の劣化を緩和できる。
【0183】
(実施の形態1のバリエーション6)
実施の形態1において、上記の各動作例の条件に含まれるパラメータはRateMatchPatternLTE-CRSに限らず、例えば、少なくともCRS又はMBSFNサブフレームに関連するパラメータであり、RateMatchPatternLTE-CRSとは異なる名称を有する上位レイヤパラメータ又はDCI等の制御信号に含まれるパラメータ等でもよい。
【0184】
(実施の形態2)
例えば、スロット内に複数のDMRSが配置される場合に、実施の形態1において説明したように、CRSと衝突し得るDMRSの位置の変更により、位置が変更されたDMRSと、他のDMRS(換言すると、位置が変更されていないDMRS)との位置関係(例えば、時間間隔)が変わり得る。
【0185】
例えば、DMRS間の時間間隔が大きくなるほど、当該DMRS間のチャネル推定精度が劣化し得る。
【0186】
また、例えば、DMRS間の時間間隔が小さくなるほど、DMRSを複数のシンボルに配置する効果が減少し得る。換言すると、DMRS間の時間間隔が小さくなるほど、DMRSによるオーバーヘッドが増加し、リソース利用効率が低減し得る。
【0187】
本実施の形態では、チャネル推定精度の劣化を抑制するDMRSの配置方法、及び、リソース利用効率を向上するDMRSの配置方法について説明する。
【0188】
なお、本実施の形態に係る基地局及び移動局は、実施の形態1に係る基地局100及び移動局200と基本構成が共通する。
【0189】
次に、本実施の形態に係るDMRS配置の動作例についてそれぞれ説明する。
【0190】
<動作例2-1>
動作例2-1では、例えば、基地局100及び移動局200は、スロット内の複数のシンボルにDMRSが配置される場合、CRSと衝突し得るDMRSに加え、CRSと衝突し得ないDMRSの位置を変更(換言すると、シフト)する。
【0191】
一例として、
図16(a)に示すように、移動局200に対して、サブキャリア間隔15kHzのBWP内において、第5シンボルから第13シンボルまでの9シンボルに、NR PDSCHが割り当てられる場合について説明する。
【0192】
この場合、例えば、
図2に示す「仮定1」に基づくと、PDSCH内のDMRSの位置は、第5、第8及び第11シンボル(l=0,3,6)に設定される。
【0193】
また、例えば、基地局100及び移動局200は、例えば、
図3に示すように、CRSがスロット内の少なくとも第7シンボル、第8シンボル及び第11シンボルに配置され得ると判断する。
【0194】
この場合、基地局100及び移動局200は、例えば、第8シンボル及び第11シンボルにおいてDMRSとCRSとが衝突し得ると判断する。
【0195】
そこで、基地局100は、例えば、第8シンボル及び第11シンボルに配置され得るDMRSの位置、及び、第5シンボルに配置され得るDMRSの位置を変更(換言すると、シフト)してよい。例えば、基地局100は、
図16(a)に示す第5、第8及び第11シンボルのDMRSを、
図16(b)に示すように、第6、第9及び第12シンボルにそれぞれ変更してもよい。
【0196】
また、移動局200は、基地局100と同様、
図16(a)に示す第5、第8及び第11シンボルのDMRSが、
図16(b)に示すように、第6、第9及び第12シンボルにそれぞれ配置されていると判断してもよい。
【0197】
動作例2-1では、基地局100及び移動局200は、例えば、スロット内の複数のDMRSにおいて、少なくとも一つのDMRS位置を変更する場合、当該DMRS位置(換言すると、位置の変更)に基づいて、残りのDMRSの位置を変更する。例えば、
図16(a)及び
図16(b)に示すように、PDSCH内の3つのDMRSは、移動局200に設定された位置(例えば、「仮定1」に基づく位置)からそれぞれ1シンボル後ろにシフトされる。換言すると、
図16(b)に示すように、変更後のDMRS間の配置間隔(例えば、3シンボル)は、変更前のDMRS間の配置間隔(例えば、3シンボル)と変わらない。
【0198】
このDMRS配置により、DMRSの位置を変更する場合でも、複数のDMRS間の時間領域における配置間隔が変わらないので、DMRSによるチャネル推定精度の劣化を抑制できる。
【0199】
<動作例2-2>
動作例2-2では、例えば、基地局100及び移動局200は、スロット内の複数のシンボルにDMRSが配置される場合、決定したDMRSの配置(換言すると、変更後の位置)において、時間間隔が閾値以下の2つのDMRSのうち何れかのDMRSを非送信に決定する(換言するとドロップする)。
【0200】
一例として、
図17(a)に示すように、移動局200に対して、サブキャリア間隔30kHzのBWP内において、第5シンボルから第13シンボルまでの9シンボルに、NR PDSCHを割り当てられる場合について説明する。
【0201】
また、ここでは、DMRSをドロップするか否かを判断するためのDMRS間の時間間隔に関する閾値を1シンボルとする。なお、閾値は、1シンボルに限らず、2シンボル以上でもよい。
【0202】
この場合、例えば、
図2に示す「仮定1」に基づくと、PDSCH内のDMRSの位置は、第5、第8及び第11シンボル(l=0,3,6)に設定される。
【0203】
また、例えば、基地局100及び移動局200は、LTE CRS(例えば、15kHz SCS)がスロット内の少なくとも第8シンボルに配置され得ると判断する。この場合、基地局100及び移動局200は、例えば、第8シンボルにおいてDMRSとCRSとが衝突し得ると判断する。
【0204】
そこで、基地局100及び移動局200は、例えば、DMRSの位置を第8シンボルと異なる第10シンボルに決定(換言すると、変更又はシフト)する。この場合、決定されたDMRSの配置は、第5、第10及び第11シンボルである。
【0205】
ここで、第10シンボル及び第11シンボルに配置され得るDMRS間の間隔は閾値(1シンボル)以下であるので、基地局100及び移動局200は、例えば、
図17(b)に示すように、第10シンボルに配置され得るDMRSのドロップを決定してよい。
【0206】
よって、
図17(b)に示すように、基地局100は、第5シンボル及び第11シンボルにおいてDMRSを送信し、移動局200は、第5シンボル及び第11シンボルにおいてDMRSを受信してよい。
【0207】
また、例えば、基地局100は、
図17(b)に示すように、DMRSをドロップした第10シンボルにおいて他の信号(例えば、PDSCH)を送信してもよい。
【0208】
例えば、
図17(b)に示すように、第11シンボルにDMRSが配置される場合には、第10シンボル及び第11シンボルにDMRSが配置される場合と比較して、チャネル推定精度は同程度である。動作例2-2では、例えば、
図17(b)に示すように、第10シンボルにおいてDMRSがドロップされるので、チャネル推定精度の劣化を抑制でき、DMRSによるオーバーヘッドの増加を抑制できる。また、DMRSがドロップされた第10シンボルには、他の信号が配置されるので、リソース利用効率を向上できる。
【0209】
なお、
図17(b)では、間隔が閾値以下の第10シンボル及び第11シンボルに配置され得るDMRSのうち、第10シンボルのDMRSがドロップされる場合について説明したが、ドロップされるDMRSは、第11シンボルのDMRSでもよい。
【0210】
以上、本開示の各実施の形態について説明した。
【0211】
(他の実施の形態)
上記各実施の形態では、基地局が送信装置であり、移動局が受信装置である下りリンクの通信を想定している。しかし、本開示の一実施例は、これに限らず、移動局が送信装置であり、基地局が受信装置である上りリンクの通信、又は、移動局同士の通信、すなわちサイドリンク(sidelink)の通信に適用されてもよい。
【0212】
また、上記各実施の形態では、スロットの構成シンボル数が14シンボルの場合について説明したが、スロットの構成シンボル数は、14シンボルに限らず、他のシンボル数(例えば、12シンボル)でもよい。
【0213】
また、上記各実施の形態では、DMRSの位置(例えば、シンボル)を変更(換言すると、シフト)する場合について説明した。しかし、位置を変更する信号は、DMRSに限らず、他の信号でもよい。また、上記各実施の形態では、DMRS位置の決定により、DMRSとCRSとの衝突を回避する場合について説明した。しかし、DMRSとの衝突を考慮する信号は、CRSに限らず、CRSと異なる他の信号でもよい。例えば、本開示の一実施例は、DMRS及びCRSの少なくとも一つの代わりに、以下のようなNR又はLTEにおける参照信号、チャネル又は他の信号に対して適用されてもよい。
・位相トラッキング用参照信号(Phase Tracking Reference Signal (PT-RS、PTRS))
・チャネル状態情報測定用参照信号(Channel State Information Reference Signal (CSI-RS))
・サウンディング用参照信号(Sounding Reference Signal (SRS))
・トラッキング用参照信号(Tracking Reference Signal (TRS))
・ディスカバリ用参照信号(Discovery Reference Signal (Discovery Signal, DRS))
・プライマリ同期信号(Primary Synchronization Signal (PSS))
・セカンダリ同期信号(Secondary Synchronization Signal (SSS))
・下り制御チャネル(Physical Downlink Control Channel (PDCCH))
・下り共有チャネル(Physical Downlink Shared Channel (PDSCH))
・上り制御チャネル(Physical Uplink Control Channel (PUCCH))
・上り共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel (PUSCH))
・報知チャネル(Physical Broadcast Channel (PBCH))
・制御フォーマット通知チャネル(Physical Control Format Indicator Channel (PCFICH))
・HARQ通知チャネル(Physical HARQ Indicator Channel (PHICH))
・マルチキャストチャネル (Physical Multicast Channel (PMCH))
【0214】
また、上記各実施の形態では、PDSCHのマッピング方法は、PDSCH mapping type Bに限定されない。PDSCHのマッピング方法は、例えば、PDSCH mapping type Aでもよく、他のマッピング方法でもよい。本開示の一実施例は、例えば、PDSCHのマッピング方法に依らず、DMRSとCRSとが衝突し得るケースに適用できる。
【0215】
また、上記各実施の形態では、DMRSの位置を変更(換言すると、シフト)するとき、別の周波数位置に変更してもよい。例えば、あるDMRS CDM groupに属するDMRSを、別のDMRSCDM croupに対応する周波数位置に変更してもよい。これにより、CRSとの衝突をより柔軟に回避できる。
【0216】
また、上記各実施の形態において、「上位レイヤ信号」は、例えば、「RRC信号(RRC signaling)」又は「MAC信号(MAC signaling)」と呼ぶこともある。
【0217】
また、上記各実施の形態において、「参照信号」は、例えば、「基準信号」又は「パイロット信号」と呼ぶこともある。また、DMRSは、「DM-RS」と記載される場合もある。
【0218】
また、上記各実施の形態において、時間リソースの単位は、スロット及びシンボルに限定されず、例えば、フレーム、サブフレーム、又はサブスロットといった他の時間リソース単位でもよい。
【0219】
本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、一つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部または全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサ又は専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0220】
本開示は、通信機能を持つあらゆる種類の装置、デバイス、システム(通信装置と総称)において実施可能である。通信装置は無線送受信機(トランシーバー)と処理/制御回路を含んでもよい。無線送受信機は受信部と送信部、またはそれらを機能として、含んでもよい。無線送受信機(送信部、受信部)は、RF(Radio Frequency)モジュールと1または複数のアンテナを含んでもよい。RFモジュールは、増幅器、RF変調器/復調器、またはそれらに類するものを含んでもよい。通信装置の、非限定的な例としては、電話機(携帯電話、スマートフォン等)、タブレット、パーソナル・コンピューター(PC)(ラップトップ、デスクトップ、ノートブック等)、カメラ(デジタル・スチル/ビデオ・カメラ等)、デジタル・プレーヤー(デジタル・オーディオ/ビデオ・プレーヤー等)、着用可能なデバイス(ウェアラブル・カメラ、スマートウオッチ、トラッキングデバイス等)、ゲーム・コンソール、デジタル・ブック・リーダー、テレヘルス・テレメディシン(遠隔ヘルスケア・メディシン処方)デバイス、通信機能付きの乗り物又は移動輸送機関(自動車、飛行機、船等)、及び上述の各種装置の組み合わせがあげられる。
【0221】
通信装置は、持ち運び可能又は移動可能なものに限定されず、持ち運びできない又は固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、システム、例えば、スマート・ホーム・デバイス(家電機器、照明機器、スマートメーター又は計測機器、コントロール・パネル等)、自動販売機、その他IoT(Internet of Things)ネットワーク上に存在し得るあらゆる「モノ(Things)」をも含む。
【0222】
通信には、セルラーシステム、無線LANシステム、通信衛星システム等によるデータ通信に加え、これらの組み合わせによるデータ通信も含まれる。
【0223】
また、通信装置には、本開示に記載される通信機能を実行する通信デバイスに接続又は連結される、コントローラやセンサー等のデバイスも含まれる。例えば、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスが使用する制御信号やデータ信号を生成するような、コントローラやセンサーが含まれる。
【0224】
また、通信装置には、上記の非限定的な各種装置と通信を行う、あるいはこれら各種装置を制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、その他あらゆる装置、デバイス、システムが含まれる。
【0225】
本開示の一実施例に係る受信装置は、第1の参照信号の配置を特定可能な情報に基づいて、第2の参照信号の配置を決定する制御回路と、決定した前記配置に基づいて前記第2の参照信号を受信する受信回路と、を具備する。
【0226】
本開示の一実施例において、前記制御回路は、前記情報に示される内容が或る条件を満たす場合、前記第2の参照信号の位置を、前記受信装置に設定されるシンボルと異なるシンボルに決定する。
【0227】
本開示の一実施例において、前記条件は、前記第1の参照信号が配置されるシンボルと、前記受信装置に対して前記第2の参照信号に設定されるシンボルとが重複するか否かに依存しない。
【0228】
本開示の一実施例において、前記制御回路は、前記情報に基づいて、前記第1の参照信号が配置される第1のシンボルと、前記受信装置に対して前記第2の参照信号に設定される第2のシンボルとが重複する場合、前記第2の参照信号の位置を、前記第2のシンボルと異なる第3のシンボルに決定する。
【0229】
本開示の一実施例において、前記制御回路は、前記第2の参照信号を含むデータの割当情報、及び、前記第1の参照信号の配置に関する情報に基づいて、前記第1のシンボルと前記第2のシンボルとが重複するか否かを判断する。
【0230】
本開示の一実施例において、前記制御回路は、前記情報に示される内容が或る条件を満たす場合、前記第2の参照信号の位置を前記第3のシンボルに決定する。
【0231】
本開示の一実施例において、前記条件は、前記第1のシンボルと、前記第2のシンボルとが重複するか否かに依存しない。
【0232】
本開示の一実施例において、前記制御回路は、複数の前記第2の参照信号において、少なくとも一つの参照信号の位置を変更する場合、前記少なくとも一つの参照信号の位置に基づいて、残りの参照信号の位置を変更する。
【0233】
本開示の一実施例において、前記制御回路は、前記決定された配置において、時間間隔が閾値以下の2つの前記第2の参照信号の何れか一方の非送信を決定する。
【0234】
本開示の一実施例に係る送信装置は、第1の参照信号の配置を特定可能な情報に基づいて、第2の参照信号の配置を決定する制御回路と、前記第2の参照信号を決定した前記配置にて送信する送信回路と、を具備する。
【0235】
本開示の一実施例に係る受信方法において、受信装置は、第1の参照信号の配置を特定可能な情報に基づいて、第2の参照信号の配置を決定し、決定した前記配置に基づいて前記第2の参照信号を受信する。
【0236】
本開示の一実施例に係る送信方法において、送信装置は、第1の参照信号の配置を特定可能な情報に基づいて、第2の参照信号の配置を決定し、前記第2の参照信号を決定した前記配置にて送信する。
【0237】
2019年8月15日出願の特願2019-149144の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
【産業上の利用可能性】
【0238】
本開示の一実施例は、移動通信システムに有用である。
【符号の説明】
【0239】
100 基地局
101,206 制御部
102 符号化・変調部
103 信号配置部
104 送信部
105,201 アンテナ
200 移動局
202 受信部
203 信号分離部
204 チャネル推定部
205 復調・復号部