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特許7590975誘導加熱式エアロゾル形成ロッドおよびそのようなロッドの製造で使用するための成形装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-19
(45)【発行日】2024-11-27
(54)【発明の名称】誘導加熱式エアロゾル形成ロッドおよびそのようなロッドの製造で使用するための成形装置
(51)【国際特許分類】
   A24B 15/16 20200101AFI20241120BHJP
   A24B 15/167 20200101ALI20241120BHJP
   A24F 40/465 20200101ALI20241120BHJP
   A24F 40/70 20200101ALI20241120BHJP
   A24C 5/01 20200101ALI20241120BHJP
【FI】
A24B15/16
A24B15/167
A24F40/465
A24F40/70
A24C5/01
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021549829
(86)(22)【出願日】2020-02-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-14
(86)【国際出願番号】 EP2020055088
(87)【国際公開番号】W WO2020174026
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2023-02-24
(31)【優先権主張番号】19159886.1
(32)【優先日】2019-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ ルイ ヌーノ
(72)【発明者】
【氏名】プレスティア イヴァン
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/178394(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/182485(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/206615(WO,A2)
【文献】国際公開第2018/002085(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/229087(WO,A1)
【文献】特表2018-523983(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24B 15/16
A24B 15/167
A24F 40/465
A24F 40/70
A24C 5/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生物品で使用するための誘導加熱式エアロゾル形成ロッドであって、前記誘導加熱式エアロゾル形成ロッドが、
- 第一のエアロゾル形成基体および第一の風味材料のうちの少なくとも一つを含む、一つの円筒形コア部分と、
- 前記誘導加熱式エアロゾル形成ロッドの長軸方向軸に沿って前記円筒形コア部分に横方向に非結合様態で当接する、少なくとも一つの細長いサセプタと、
- 前記円筒形コア部分および前記サセプタの周りに配設されたスリーブ部分であって、前記スリーブ部分が、フィラー材料、第二のエアロゾル形成基体、および第二の風味材料のうちの少なくとも一つを含む、スリーブ部分と、を備え
前記サセプタは、前記スリーブ部分と前記円筒形コア部分の両方と物理的に接触している、誘導加熱式エアロゾル形成ロッド。
【請求項2】
前記円筒形コア部分が、
- たばこ繊維に基づく多孔質基体または発泡体であって、前記たばこ繊維が前記第一のエアロゾル形成基体を少なくとも部分的に形成する、多孔質基体または発泡体、
- 植物性繊維に基づく多孔質基体または発泡体であって、前記植物性繊維が前記第一のエアロゾル形成基体を少なくとも部分的に形成する、多孔質基体または発泡体、
- 切断されたたばこ材料を含むフィラーであって、前記切断されたたばこ材料が前記第一のエアロゾル形成基体を少なくとも部分的に形成する、フィラー、
- 切断された植物性材料を含むフィラーであって、前記切断された植物性材料が前記第一のエアロゾル形成基体を少なくとも部分的に形成する、フィラー、
- エアロゾル形成液体を含む液体保持材料であって、前記エアロゾル形成液体が前記第一のエアロゾル形成基体を少なくとも部分的に形成する、液体保持材料、
- 少なくとも一つの風味物質を含む液体保持材料であって、前記風味物質が前記第一の風味材料を少なくとも部分的に形成する、液体保持材料、
- 風味物質を含むセルロース繊維またはセルロース系繊維であって、前記風味物質が前記第一のエアロゾル形成基体を少なくとも部分的に形成する、セルロース繊維またはセルロース系繊維、のうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載の誘導加熱式エアロゾル形成ロッド。
【請求項3】
前記スリーブ部分が、
- たばこ繊維に基づく多孔質基体または発泡体であって、前記たばこ繊維が前記第二のエアロゾル形成基体を少なくとも部分的に形成する、多孔質基体または発泡体、
- 植物性繊維に基づく多孔質基体または発泡体であって、前記植物性繊維が前記第二のエアロゾル形成基体を少なくとも部分的に形成する、多孔質基体または発泡体、
- 切断されたたばこ材料を含むフィラーであって、前記切断されたたばこ材料が前記第二のエアロゾル形成基体を少なくとも部分的に形成する、フィラー、
- 切断された植物性材料を含むフィラーであって、前記切断された植物性材料が前記第二のエアロゾル形成基体を少なくとも部分的に形成する、フィラー、
- エアロゾル形成液体を含む液体保持材料であって、前記エアロゾル形成液体が前記第二のエアロゾル形成基体を少なくとも部分的に形成する、液体保持材料、
- 少なくとも一つの風味物質を含む液体保持材料であって、前記風味物質が前記第二の風味材料を少なくとも部分的に形成する、液体保持材料、
- セルロース繊維またはセルロース系繊維、
- 風味物質を含むセルロース繊維またはセルロース系繊維であって、前記風味物質が前記第二の風味材料を少なくとも部分的に形成する、セルロース繊維またはセルロース系繊維、
- アセテートトウ拡張繊維、
- 植物性拡張繊維、または、
- 紙、のうちの少なくとも一つを含む、請求項1または2のいずれか一項に記載の誘導加熱式エアロゾル形成ロッド。
【請求項4】
前記第二のエアロゾル形成基体が前記第一のエアロゾル形成基体とは異なる、請求項1~3のいずれか一項に記載の誘導加熱式エアロゾル形成ロッド。
【請求項5】
前記サセプタが、拡張された金属シートであって、前記金属シートを通した複数の開口部を含む、拡張された金属シートを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の誘導加熱式エアロゾル形成ロッド。
【請求項6】
前記円筒形コア部分が、長方形の断面、または四角形の断面、または半楕円形の断面、または半円形の断面を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の誘導加熱式エアロゾル形成ロッド。
【請求項7】
前記円筒形コア部分が、前記誘導加熱式エアロゾル形成ロッドの長軸方向中心軸に対して対称的に配設される、または前記円筒形コア部分、前記誘導加熱式エアロゾル形成ロッドの長軸方向中心軸が接触面内にある、または前記円筒形コア部分と前記円筒形コア部分に当接する前記サセプタとの間の接触線と同軸であるように配設される、請求項1~6のいずれか一項に記載の誘導加熱式エアロゾル形成ロッド。
【請求項8】
前記サセプタが細片形状であり、前記細片形状のサセプタの幅寸法が、一定であるか、または前記誘導加熱式エアロゾル形成ロッドの長軸方向中心軸に沿って変化する、請求項1~7のいずれか一項に記載の誘導加熱式エアロゾル形成ロッド。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の誘導加熱式エアロゾル形成ロッドを備える、誘導加熱式エアロゾル発生物品。
【請求項10】
請求項1~8のいずれか一項に記載の誘導加熱式エアロゾル形成ロッドの製造で使用するための成形装置であって、前記成形装置が、
- コア形成装置を通過する際に、連続的なコアストランドが前記誘導加熱式エアロゾル形成ロッドの前記円筒形コア部分の断面形状に対応する断面形状を有するように、前記第一のエアロゾル形成基体および前記第一の風味材料のうちの少なくとも一つを含むコア材料を前記連続的なコアストランドへと集合するように構成される、前記コア形成装置であって、前記コア形成装置の内側断面の形状、特に、前記コア形成装置の下流セクションの内側断面の形状は、前記誘導加熱式エアロゾル形成ロッドの前記円筒形コア部分の断面形状に対応する、前記コア形成装置と、
- 前記コア形成装置を通過する際に、前記連続的なコアストランドに横方向に当接するように、前記連続的なコアストランドに対して連続的なサセプタプロファイルを配設するための長軸方向ガイドであって、前記長軸方向ガイドが、少なくとも前記コア形成装置の上流セクションの中へと下流に延びる、長軸方向ガイドと、
- 少なくとも前記コア形成装置の下流セクションの周りに配設されるスリーブ形成装置であって前記スリーブ形成装置を通過する際に、連続的なスリーブストランドが前記誘導加熱式エアロゾル形成ロッドの前記スリーブ部分の断面形状に対応する断面形状を有するように、前記フィラー材料、前記第二のエアロゾル形成基体および前記第二の風味材料のうちの少なくとも一つを含むスリーブ材料を、前記連続的なコアストランドおよび前記連続的なサセプタプロファイルの周りの前記連続的なスリーブストランドへと集合するように構成される、前記スリーブ形成装置と、を備える、成形装置。
【請求項11】
前記長軸方向ガイドが、前記コア形成装置の上流セクションの中へと下流に延びるのみである、請求項10に記載の成形装置。
【請求項12】
前記コア形成装置が内側漏斗を備え、前記スリーブ形成装置が外側漏斗を備える、請求項10または11のいずれか一項に記載の成形装置。
【請求項13】
- 前記コア形成装置に対する前記長軸方向ガイドの位置を少なくとも一方向に調整するための第一の並進移動ステージ、
- 前記スリーブ形成装置に対する前記コア形成装置の位置を少なくとも一方向に調整するための第二の並進移動ステージ、のうちの少なくとも一つをさらに備える、請求項10~12のいずれか一項に記載の成形装置。
【請求項14】
前記スリーブ形成装置の内表面および前記コア形成装置の外表面のうちの少なくとも一つに配設される一つ以上の案内フィンをさらに備える、請求項10~13のいずれか一項に記載の成形装置。
【請求項15】
前記一つ以上の案内フィンが、前記成形装置を通した前記スリーブ材料の移動方向に対してらせん状にねじられる、請求項14に記載の成形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱された時に吸入可能なエアロゾルを形成することができる一つ以上のエアロゾル形成基体を含む誘導加熱式エアロゾル形成ロッドに関する。本発明はさらに、そのような誘導加熱式エアロゾル形成ロッドの製造で使用するための成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル形成基体を誘導加熱することに基づく吸入可能なエアロゾルの発生は、先行技術から一般的に公知である。基体を加熱するために、基体は、交流電磁場によって誘導的に加熱されるサセプタと熱的に近接して、または直接物理的に接触して配設され得る。電磁場は、エアロゾル発生装置の一部である誘導源によって提供されてもよい。サセプタおよびエアロゾル形成基体は共に、誘導加熱式エアロゾル形成ロッド内に組み立てられ得る。他の要素の中でもとりわけ、ロッドは、誘導源を備えるエアロゾル発生装置の円筒形受け入れくぼみ内に受けられる得るロッド状のエアロゾル形成物品の一体型の部分であってもよい。誘導源の一部として、装置は、例えば、サセプタを加熱するためにくぼみ内に交流電磁場を提供するように、円筒形受け入れくぼみを同軸に囲むらせん状の誘導コイルを含み得る。装置の動作中、揮発性化合物は、物品中の加熱されたエアロゾル形成基体から放出され、ユーザーの吸煙中に物品を通して引き出される気流中に同伴される。放出された化合物は冷えるにつれて凝縮してエアロゾルを形成する。
【0003】
多種多様な異なるエアロゾルを提供するエアロゾル発生物品で使用するための誘導加熱式エアロゾル形成ロッドを有することが望ましい。そのような誘導加熱式エアロゾル形成ロッドは、円筒形受け入れくぼみを備える既存の誘導加熱式装置と適合性があることが望ましい。さらに、そのようなエアロゾル形成ロッドの製造において使用するための成形装置を有することが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
本発明によると、エアロゾル発生物品で使用するための誘導加熱式エアロゾル形成ロッドが提供されている。エアロゾル形成ロッドは、第一のエアロゾル形成基体を含む少なくとも一つの円筒形コア部分を備える。エアロゾル形成ロッドはさらに、エアロゾル形成ロッドの長軸方向軸に沿って円筒形コア部分に横方向に非結合様態で当接する、少なくとも一つの細長いサセプタを備える。さらに、エアロゾル形成ロッドは、コア部分およびサセプタの周りに配設されたスリーブ部分を備え、スリーブは、フィラー材料および第二のエアロゾル形成基体のうちの少なくとも一つを含む。
【0005】
誘導加熱式エアロゾル形成ロッド内に少なくとも二つの異なる部分、すなわちスリーブ部分およびコア部分を有することにより、有利なことに、異なる部分を異なる目的のために使用することによって、生成可能なエアロゾルの多様性を高めることが可能になる。一つの目的は、例えば、特定の風味を提供する、特定のたばこノートを提供する、ニコチンを提供する、またはエアロゾル化の可視性を高めることによって刺激を提供するなど、一つ以上の特定の感覚的刺激を提供することであり得る。そのような効果は、スリーブ部分およびコア部分の感覚媒体の適切な選択によって、例えば、第一および第二のエアロゾル形成基体の適切な選択によって達成され得る。例えば、第一の感覚媒体は、たばこ含有量を提供するための、例えば、たばこキャストリーフなどの均質化したたばこであってもよく、第二の感覚媒体は、大きなエアロゾル体積およびさらなる風味成分を生成するエアロゾル形成液体であってもよい。他の特定の刺激は、例えば、従来的なたばこ製品から公知の特定の引き出し抵抗、または特定の触覚効果に関し得る。そのような効果は、例えば、おなじみの触覚を提供するためのスリーブ部分の形状の適切な選択、および例えば、特定の引き出し抵抗を提供するためのフィラー材料の適切な選択、のうちの少なくとも一つによって達成され得る。
【0006】
サセプタはエアロゾル形成ロッドの長軸方向軸に沿って円筒形コア部分に横方向に当接し、そして同時にスリーブ部分によって囲まれるため、サセプタは、スリーブ部分およびコア部分の両方と熱的に近接して、または直接物理的に接触している。有利なことに、これにより、サセプタを使用して、単一の熱源によって両方の部分を効率的かつ同時に加熱することが可能になる。したがって、本明細書で使用される場合、「サセプタは円筒形コア部分に横方向に当接する」という用語は、サセプタがコア部分の外側でコア部分に横方向に当接することを意味する。すなわち、サセプタは、コア部分によって囲まれていない、またはコア部分内に配設されていない。したがって、サセプタは、コア部分の内側部分に横方向に当接しない。すなわち、サセプタは、特にコア部分の内側部分に当接することなく、またはコア部分の内側でコア部分に当接することなく、エアロゾル形成ロッドの長軸方向軸に沿って円筒形コア部分に横方向に当接する。
【0007】
さらに、本発明による誘導加熱式エアロゾル発生ロッドは、円筒形受け入れくぼみを備える既存の誘導加熱式エアロゾル発生装置と適合性があるロッド状のエアロゾル発生物品を製造するために使用され得る。したがって、現在入手可能な誘導加熱式装置の使用を続けることができる。特に、既存の誘導加熱式エアロゾル発生装置を修正する必要がない。
【0008】
本明細書で使用される場合、「非結合様態で当接する」という用語は、サセプタおよびコア部分が固定されておらず、かつ互いに永久的に取り付けられていない、円筒形コア部分に対するサセプタの配設を指す。特に、「非結合様態で当接する」という用語は、サセプタが、コア部分に解放可能に当接し、かつコア部分から実質的に非破壊的な方法で取り外し可能であるようなものであると理解される。いずれの場合でも、「非結合様態で当接する」という用語は、サセプタまたはコア部分のうちの一方がそれぞれの他方上に被覆される構成を除外する。特に、「非結合様態で当接する」とは、サセプタとコア部分との間の固定された、または剛直な結合、特に、コア部分およびサセプタのいずれか一方に属しない接着剤によって生じる化学結合または結合を除外する。それにもかかわらず、コア部分にサセプタを当接させることは、例えば、第一のエアロゾル形成基体の接着性の性質に起因する可能性がある、コア部分とサセプタとの間の何らかの非永久的な接着など、コア部分とサセプタとの間の何らかの非永久的な引力を含み得る。すなわち、「非結合様態で当接する」ことは、「非永久的な結合様態で当接する」ことを含み得る。サセプタを円筒形コア部分に横方向に非結合様態で当接させることは、特に、本発明による、そして以下で詳細に説明する成形装置を使用することによって、単にサセプタをコア部分にとともに配置することに起因し得る。
【0009】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを発生するために、加熱に伴い揮発性化合物を放出することが可能なエアロゾル形成材料から形成されるか、またはそれを含む基体を意味する。エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成揮発性化合物を放出するために、燃焼ではなく加熱されることが意図される。
【0010】
エアロゾル形成基体は固体、ペースト様、または液体エアロゾル形成基体であってもよい。 これらのいずれの状態においても、エアロゾル形成基体は固体成分と液体成分の両方を含み得る。
【0011】
エアロゾル形成基体は、加熱に伴い基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。
【0012】
別の方法として、または追加的に、エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。
【0013】
これに関して、エアロゾル形成基体は、例えば薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の断片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、および膨化たばこのうちの一つ以上を含有する粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティストランド、細片またはシート、およびそれらの組み合わせのうちの一つ以上を含んでもよい。
【0014】
エアロゾル形成基体はさらに、少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでいてもよい。少なくとも一つのエアロゾル形成体は、ポリオール、グリコールエーテル、ポリオールエステル、エステル、および脂肪酸から選択されてよく、且つ、次の化合物、すなわちグリセリン、エリスリトール、1,3-ブチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、プロピレンカーボネート、ラウリン酸エチル、トリアセチン、メソ-エリスリトール、ジアセチン混合物、ジエチルスベリン酸塩、クエン酸トリエチル、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、バニリン酸エチル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリル酸、ミリスチル酸、およびプロピレングリコールのうちの一つまたは複数を含んでよい。
【0015】
一つまたは複数のエアロゾル形成体を組み合わせて、その組み合わせたエアロゾル形成体の一つまたは複数の特性を利用してもよい。例えば、有効成分を運ぶトリアセチンの能力とグリセリンの湿潤剤特性とを利用するために、トリアセチンをグリセリンおよび水と組み合わせてもよい。
【0016】
エアロゾル形成体は、エアロゾル形成基体がたばこベースの産物、特にたばこ粒子をはじめとする産物から構成されるときに所望のレベルの水分をその基体内で維持することに役立つある種の保湿特性を有してもよい。特に、一部のエアロゾル形成体は保湿剤として機能する吸湿性材料、すなわち、その保湿剤を含むたばこ基体を湿った状態に保つことに役立つ物質である。
【0017】
特に、エアロゾル形成基体は、12重量パーセント~20重量パーセント、好ましくは16重量パーセント~20重量パーセント、最も好ましくは17重量パーセント~18重量パーセントの範囲のエアロゾル形成基体の重量割合を有する一つ以上のエアロゾル形成体を含み得る。
【0018】
エアロゾル形成基体は、その他の添加剤および成分を含んでもよい。エアロゾル形成基体はニコチンを含むことが好ましい。エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成基体の加熱に伴い放出される風味剤、特に、追加的なたばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含み得る。エアロゾル形成基体はまた、例えば追加的なたばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含むカプセルも含有してもよく、そのようなカプセルは固体エアロゾル形成基体の加熱中に溶けてもよい。また、エアロゾル形成基体は、結合剤材料を含んでいてもよい。
【0019】
エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成たばこ基体、すなわちたばこ含有基体であることが好ましい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴い基体から放出される揮発性たばこ風味化合物を含有してもよい。エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料などの再構成たばこを含んでもよく、またはそれから成っていてもよい。均質化したたばこ材料は、粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよい。特に、エアロゾル形成基体は、切断およびブレンドされたたばこ葉を含む、またはそれから成ってもよい。エアロゾル形成基体は、非たばこ材料、例えばたばこ以外の均質化した植物系材料を追加的に含んでもよい。再構成たばこは、ブレンドたばこ材料、特に葉ラミナ、加工された茎およびリブ、均質化した植物材料(例えば、キャストプロセスまたは製紙プロセスを使用してシート形態へと作製されたもののような)から大部分が作製されることが好ましい。再構成たばこはまた、他の切断されたもの、フィラーたばこ、結合剤、繊維またはケーシングを含んでもよい。再構成たばこは、少なくとも25パーセントの植物葉ラミナ、より好ましくは少なくとも50パーセントの植物葉ラミナ、さらにより好ましくは少なくとも75パーセントの植物葉ラミナ、最も好ましくは少なくとも90パーセントの植物葉ラミナを含む。好ましくは、植物材料は、たばこ、ミント、茶、およびクローブのうちの一つである。しかしながら、植物材料は、加熱に伴い、その後エアロゾルを形成することができる物質を放出する能力を有する他の植物材料であってもよい。
【0020】
たばこ植物材料は、ブライトたばこラミナ、ダークたばこ、アロマティックたばこ、およびフィラーたばこのうちの一つ以上のラミナを含むことが好ましい。ブライトたばこは、一般的に大きく、明るい色の葉を有するたばこである。本明細書を通して、「ブライトたばこ」という用語は熱風送管乾燥処理されたたばこに対して使用される。ブライトたばこの例としては、中国産の熱風送管乾燥処理されたたばこ、ブラジル産の熱風送管乾燥処理されたたばこ、米国産の熱風送管乾燥処理されたたばこ(バージニアたばこなど)、インド産の熱風送管乾燥処理されたたばこ、タンザニア産の熱風送管乾燥処理されたたばこ、または他のアフリカ産の熱風送管乾燥処理されたたばこが挙げられる。ブライトたばこは、糖対窒素の比が高いことによって特徴付けられる。感覚的な見方からは、ブライトたばこはキュアリング後に、スパイスが効いていて活気のある感覚を伴うたばこタイプである。本明細書で使用するブライトたばこは、還元糖の含有量が葉の乾燥重量基準で約2.5パーセント~約20パーセントであり、かつ総アンモニア含有量が葉の乾燥重量基準で約0.12パーセント未満であるたばこである。還元糖は、例えばグルコースまたはフルクトースを含む。総アンモニアは、例えばアンモニアおよびアンモニア塩を含む。ダークたばこは、一般的に大きく暗い色の葉を有するたばこである。本明細書を通して、「ダークたばこ」という用語は空気乾燥処理したたばこに対して使用される。さらに、ダークたばこは発酵していてもよい。主として噛みタバコ、嗅ぎたばこ、葉巻たばこ、およびパイプブレンド用に使用されるたばこもこの範疇に含まれる。典型的には、これらのダークたばこは、空気乾燥処理され、発酵される可能性がある。感覚的な見方からは、ダークたばこは、乾燥処理後、スモーキーでダークシガータイプの感覚を伴うたばこタイプである。ダークたばこは糖対窒素の比が低いことによって特徴付けられる。ダークたばこの例は、バーレーマラウイまたは他のアフリカンバーレー、ダークキュアブラジルガルパオ、サンキュアまたはエアキュアインドネシアカストリ(Kasturi)である。本明細書で使用されるダークたばこは、還元糖の含有量が葉の乾燥重量基準で約5パーセント未満、かつ総アンモニア含有量が葉の乾燥重量基準で約0.5パーセント以下であるたばこである。アロマティックたばこは、しばしば小さい明るい色の葉を有するたばこである。本明細書を通して、「アロマティックたばこ」という用語は、芳香成分含有量、例えば精油の含有量が高いその他のたばこに対して使用される。感覚的な見方からは、アロマティックたばこは、乾燥処理後、スパイスが効いていて芳しい感覚を伴うたばこタイプである。アロマティックたばこの例には、グリークオリエント、オリエントターキー、セミオリエントたばこであるが火力乾燥処理されたたばこ、ペリクなどのUSバーレー、ルスティカ、USバーレーまたはメリーランドがある。フィラーたばこは具体的なたばこタイプではないが、ブレンドで使用され、かつ最終生成物に特定の特徴的な芳香の方向性をもたらさないその他のたばこタイプを補完するために主に使用されるたばこタイプを含む。フィラーたばこの例は、他のたばこタイプの茎、中央脈、または葉柄である。具体的な例は、ブラジル産の熱風送管乾燥された葉柄下部の熱風送管乾燥処理された茎であり得る。
【0021】
エアロゾル形成基体は、たばこウェブ、好ましくは捲縮したウェブを備えてもよいことが好ましい。たばこウェブは、たばこ材料、繊維粒子、結合剤材料、およびエアロゾル形成体を含んでもよい。たばこウェブはキャストリーフであることが好ましい。キャストリーフは、たばこ粒子を含むスラリーから形成される再構成たばこの一形態である。キャストリーフは、繊維粒子もしくはエアロゾル形成体、または繊維粒子とエアロゾル形成体の両方、ならびに結合剤、および例えば、風味もさらに含み得る。たばこ粒子は、所望のシート厚さおよび対応するキャスティングボックスのキャスティングギャップに依存して、10マイクロメートル~250マイクロメートル程度の粒子、好ましくは20マイクロメートル~80マイクロメートル程度の粒子、または50マイクロメートル~150マイクロメートル程度の粒子、または100マイクロメートル~250マイクロメートル程度の粒子を有するたばこ粉末の形態のものであってもよい。キャスティングギャップは、シートの厚さに影響を与える。繊維粒子は、たばこ葉柄材料、茎またはその他のたばこ植物材料、および例えば植物繊維などのその他のセルロース系繊維、好ましくは木材繊維または亜麻繊維または麻繊維を含んでもよい。繊維粒子は、低含有率、例えば、約2パーセント~15パーセントの含有率に対して十分な引張強度をキャストリーフにもたらすという要求に基づいて選択されうる。別の方法として、植物繊維などの繊維を上述の繊維粒子とともに、または代わりに使用してもよく、これには大麻および竹、または様々な繊維タイプの組み合わせが含まれる。キャストリーフを形成するスラリーに含まれるエアロゾル形成体、または他のエアロゾル形成たばこ基体に使用されるエアロゾル形成体は一つまたは複数の特性に基づいて選択されうる。機能的には、エアロゾル形成体は、そのエアロゾル形成体の特定の揮発温度を超えて加熱された時、そのエアロゾル形成体を揮発させて、かつニコチンもしくは風味剤またはその両方をエアロゾルの状態で運ぶことを可能にする機構を提供する。異なるエアロゾル形成体は通常、異なる温度で気化する。エアロゾル形成体は、使用時に安定したエアロゾルの形成を容易にする、任意の適切な周知の化合物または化合物の混合物であってもよい。安定したエアロゾルは、エアロゾル形成基体を加熱するための動作温度での熱分解に対して実質的に耐性がある。エアロゾル形成体は、その能力(例えば、室温または室温の周辺では安定なままであるが、より高い温度(例えば、摂氏40度~摂氏450度、好ましくは摂氏40度~摂氏250度)では揮発可能である)に基づいて選ばれてもよい。
【0022】
捲縮たばこシート、例えばキャストリーフは、約0.02ミリメートル~約0.5ミリメートル、好ましくは約0.08ミリメートル~約0.2ミリメートルの範囲の厚さを有してもよい。
【0023】
任意の構成において、コア部分は常にエアロゾル発生のために使用されることが好ましい。コア部分は、
- たばこ繊維に基づく多孔質基体または発泡体であって、たばこ繊維が第一のエアロゾル形成基体を少なくとも部分的に形成する、多孔質基体または発泡体、
- 植物性繊維に基づく多孔質基体または発泡体であって、植物性繊維が第一のエアロゾル形成基体を少なくとも部分的に形成する、多孔質基体または発泡体、
- 切断されたたばこ材料を含むフィラーであって、切断されたたばこ材料が第一のエアロゾル形成基体を少なくとも部分的に形成する、フィラー、
- 切断された植物性材料を含むフィラーであって、切断された植物性材料が第一のエアロゾル形成基体を少なくとも部分的に形成する、フィラー、
- エアロゾル形成液体を含む液体保持材料であって、エアロゾル形成液体が第一のエアロゾル形成基体を少なくとも部分的に形成する、液体保持材料、
- 少なくとも一つの風味物質を含む液体保持材料であって、風味物質が第一の風味材料を少なくとも部分的に形成する、液体保持材料、
- 少なくとも一つの風味物質を含むセルロース繊維またはセルロース系繊維であって、風味物質が第一の風味材料を少なくとも部分的に形成する、セルロース繊維またはセルロース系繊維、のうちの少なくとも一つを含み得る。
【0024】
原則として、スリーブ部分は、上述したものと同じ材料構成を含み得る。したがって、スリーブ部分は、
- たばこ繊維に基づく多孔質基体または発泡体であって、たばこ繊維は第二のエアロゾル形成基体を少なくとも部分的に形成する、多孔質基体または発泡体、
- 植物性繊維に基づく多孔質基体または発泡体であって、植物性繊維が第二のエアロゾル形成基体を少なくとも部分的に形成する、多孔質基体または発泡体、
- 切断されたたばこ材料を含むフィラーであって、切断されたたばこ材料が第二のエアロゾル形成基体を少なくとも部分的に形成する、フィラー、
- 切断された植物性材料を含むフィラーであって、切断された植物性材料が第二のエアロゾル形成基体を少なくとも部分的に形成する、フィラー、
- エアロゾル形成液体を含む液体保持材料であって、エアロゾル形成液体が第二のエアロゾル形成基体を少なくとも部分的に形成する、液体保持材料、
- 少なくとも一つの風味物質を含む液体保持材料であって、風味物質が第二の風味材料を少なくとも部分的に形成する、液体保持材料、
- セルロース繊維またはセルロース系繊維、
- 風味物質を含むセルロース繊維またはセルロース系繊維であって、風味物質が第二の風味材料を少なくとも部分的に形成する、セルロース繊維またはセルロース系繊維、
- アセテートトウ拡張繊維、
- 植物性拡張繊維、または、
- 紙、のうちの少なくとも一つを含み得る。
【0025】
本明細書で使用される場合、「液体保持材料」という用語は、液体を貯蔵するための高保持材料または高放出材料(HRM)を指す。液体保持材料は、液体の少なくとも一部分を本質的に保持し、その結果この部分は保持を離れる前にエアロゾル化のために利用できないように構成される。液体保持材料を使用することで、液体エアロゾル形成基体が保持材料内に安全に保持されるために、エアロゾル発生物品の故障または亀裂の場合の漏れのリスクが減少する。有利なことに、これにより、エアロゾル形成ロッドを漏れないようにすることができる。
【0026】
本明細書で使用される場合、切断されたたばこ材料は、少なくとも一つのたばこラミナ、再構成たばこ、たばこリブの断片、またはたばこ茎の断片を含み得る。同様に、切断された植物性材料は、少なくとも一つの植物ラミナの断片、植物リブの断片、または植物茎の断片を含み得る。
【0027】
例として、スリーブ部分およびコア部分のうちの少なくとも一つは、多孔質再構成たばこ材料などの多孔質基体を含み得る。さらに、多孔質基体は、グリセリン、グアー、水、たばこ繊維、セルロース繊維、ならびに天然由来または人工由来の風味およびニコチンを含んでもよい。多孔質基体は、本発明による成形装置に関して以下で詳細に説明するように、最初は薄いシート材料として提供され、最終的にスリーブ部分またはコア部分の断面形状へと形成され得る。シート材料は、捲縮または折り畳まれる、または捲縮および折り畳まれるの両方であることが好ましい。成形装置に入るシート材料の量および密度は、特定の引き出し抵抗を有するスリーブ部分またはコア部分をもたらすように選択され得る。
【0028】
別の例として、スリーブ部分およびコア部分のうちの少なくとも一つは、天然由来の繊維および材料、例えば、植物または野菜由来の繊維および材料から生成される多孔質発泡体を含み得る。発泡体は、たばこまたはたばこ材料を含んでもよく、あるいは、たばこを含まなくてもよい。多孔質発泡体は、その元の製剤中にニコチンを含んでもよい。多孔質発泡体は、特に、エアロゾル形成液体で含浸または浸漬してもよい。エアロゾル形成液体は、ニコチンおよび少なくとも一つの風味物質のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0029】
さらに別の例として、スリーブ部分およびコア部分のうちの少なくとも一つは、それぞれ、スリーブ部分またはコア部分の形状へと捲縮および集合される、キャストリーフ材料を含み得る。
【0030】
さらに別の例として、スリーブ部分は、アセテートトウ拡張繊維、植物性拡張繊維、およびセルロース系繊維のうちの少なくとも一つを含む低空隙率材料を含んでもよい。繊維は、実質的に一方向に、特にエアロゾル形成ロッドの長軸方向軸に平行な方向に配向されてもよい。エアロゾル形成ロッドでは、繊維は、繊維をエアロゾル形成ロッドへと形成する前に、繊維の体積の好ましくは最大で80パーセント、特に最大で90パーセント圧縮されてもよい。この低圧縮構成では、スリーブ部分は、引き出し抵抗が低く、実質的に濾過能力がない。結果として、スリーブ部分は有利なことに、エアロゾル発生物品に印加される陰圧によって生成され、コア部分から揮発性化合物が放出される気流に影響を与えるのに使用される。好ましくは、この構成では、スリーブ部分はエアロゾル形成基体を含まない。特に、スリーブ部分は、たばこまたはたばこ材料を含まない。したがって、エアロゾル形成は、コア部分内のエアロゾル形成基体に集中している。それにもかかわらず、スリーブ部分は、サセプタによって蒸発され、気流中に混入され得る風味物質を含んでもよい。
【0031】
発生可能なエアロゾルの多様性の強化に関して、第二のエアロゾル形成基体は、第一のエアロゾル形成基体とは異なることが好ましい。第一および第二のエアロゾル形成基体は、例えば、含有量、組成物、風味およびテクスチャのうちの少なくとも一つにおいて、互いに異なってもよい。例えば、第一のエアロゾル形成基体は、捲縮したキャストリーフを含んでもよく、第二のエアロゾル形成基体は、多孔質基体または発泡体の形態のたばこ繊維を含んでもよい。
【0032】
同様に、第二の風味材料は、第一の風味材料とは異なることが好ましい。第一および第二の風味材料は、例えば、含有量、組成物、風味およびテクスチャのうちの少なくとも一つにおいて、互いに異なってもよい。
【0033】
一般に、エアロゾル形成ロッドの長軸方向軸に垂直な平面に見られる円筒形コア部分の断面は、任意の形状を有してもよい。円筒形コア部分は、長方形もしくは四角形の断面、または三角形もしくは半長円形もしくは半楕円形もしくは半円形の断面を有することが好ましい。これらの断面形状は、少なくとも一つの実質的に直線の縁部を有することが好ましい。したがって、円筒形コアは、平面、特に、サセプタが横方向に当接する接触面として使用され得る平坦な表面を有する。有利なことに、これは、サセプタからコア部分への熱伝達の効率を強化する。これは、特に、サセプタが、相手側として、コア部分の平坦な表面に当接する対応する平坦な表面を含む場合に保持される。
【0034】
円筒形コア部分はまた、星形もしくは楕円形、または長円形もしくは円形もしくは多角形の断面を有してもよい。コア部分の断面が、サセプタが当接する一つ以上の湾曲した縁部部分を含む場合、サセプタはまた、コア部分とサセプタとの間の接触面を最大化するために、コア部分の断面形状の湾曲した縁部部分に対応するエアロゾル形成ロッドの長軸方向軸に対して垂直な方向に湾曲してもよい。
【0035】
コア部分の断面は、製造公差内でエアロゾル形成ロッドの長軸方向軸に沿って実質的に一定であることが好ましい。しかしながら、一部の実施形態では、特に不連続なサセプタを有する不連続の円筒形コア部分を有することが望ましい場合がある。その詳細は以下に説明されるが、これは次に連続的に形成されたエアロゾル形成ロッドストランドを、サセプタを通して切断する必要なく、個々のエアロゾル形成ロッドへと切断することを可能にする。
【0036】
円筒形コア部分は細片形状であることが好ましい。細片形状のコア部分は、前述したようにサセプタの平坦な接触面の利点を提供するだけでなく、連続的なロッド形成プロセスによる単純な製造に関しても有利であり得る。本明細書で使用される場合、「細片形状のコア部分」という用語は、共に要素の厚さ寸法よりも大きい、長さ寸法および幅寸法を有する円筒形コア部分を指す。長さ寸法はまた、幅寸法よりも大きいことが好ましい。細片形状のコア部分の場合、サセプタは、コア部分の大きな側面に当接することが好ましい。有利なことに、これは加熱効率を高める。細片形状のコア部分は、長方形もしくは半長円形、または半楕円形もしくは半円形の断面を有することが好ましい。細片形状のコア部分はまた、湾曲した長方形もしくは湾曲した半長円形、または湾曲した半楕円形もしくは湾曲した半円形の断面を有してもよく、それぞれのサセプタの側面(大きな側面または平面)は湾曲している。
【0037】
本明細書で使用される「サセプタ」という用語は、交流電磁場内で誘導加熱する能力を有する材料を含む要素を指す。これは、サセプタ材料の電気的特性および磁性に依存して、サセプタの中で誘導されたヒステリシス損失または渦電流のうちの少なくとも一つの結果であり得る。ヒステリシス損失は、交流電磁場の影響下で切り替えられる材料内の磁区に起因して、強磁性またはフェリ磁性のサセプタ内で生じる。渦電流は、サセプタが導電性である場合に誘起される場合がある。導電性の強磁性サセプタまたは導電性フェリ磁性サセプタの場合において、渦電流およびヒステリシス損失の両方に起因して熱を発生させることができる。したがって、サセプタは、導電性および磁気のうちの少なくとも一つである材料を含み得る。
【0038】
サセプタは、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるのに十分な温度に誘導加熱されることができる任意の材料から形成され得る。好ましいサセプタは金属または炭素を含む。好ましいサセプタは強磁性材料、例えば強磁性合金、フェライト鉄、または強磁性鋼、またはステンレス鋼を含んでよく、またはその強磁性材料から成ってよい。別の適切なサセプタはアルミニウムを含んでもよく、またはアルミニウムから成ってもよい。好ましいサセプタは、摂氏約40度~摂氏約500度、特に摂氏約50度~摂氏約450度、好ましくは摂氏約100度~摂氏約400度の温度に加熱されてもよい。サセプタはまた、非金属コアの上に配置された金属層を有する非金属コア(例えば、セラミックコアの表面上に形成された金属のトラック)も含んでもよい。
【0039】
サセプタは、サセプタを封入する保護用外部層、例えば保護用セラミック層または保護用ガラス層を含み得る。サセプタは、サセプタ材料のコアの上に形成される、ガラス、セラミック、または不活性金属によって形成された保護被覆を備えてもよい。
【0040】
サセプタはマルチマテリアルサセプタであってもよい。特に、サセプタは、第一のサセプタ材料および第二のサセプタ材料を含んでもよい。第一のサセプタ材料は、熱損失に関して、またそれ故に加熱効率に関して最適化されていることが好ましい。例えば、第一のサセプタ材料はアルミニウムであってもよく、またはステンレス鋼などの鉄材料であってよい。対照的に、第二のサセプタ材料は温度マーカーとして使用されることが好ましい。このために、第二のサセプタ材料は、サセプタ組立品の所定の加熱温度に対応するキュリー温度を有するように選ばれる。そのキュリー温度にて、第二のサセプタの磁性は強磁性から常磁性に変化し、その電気抵抗の一時的な変化が伴う。それ故に、誘導源によって吸収された電流の対応する変化を監視することによって、第二のサセプタ材料がそのキュリー温度に達した時に、およびそれ故に、所定の加熱温度に達した時に、その変化を検知することができる。第二のサセプタ材料は、エアロゾル形成基体の発火点より低い、すなわち、好ましくは摂氏500度より低いキュリー温度を有することが好ましい。第二のサセプタ材料に適切な材料は、ニッケルおよびある特定のニッケル合金を含んでもよい。ニッケルは、不純物の性質に応じて、摂氏約354度~摂氏360度の範囲のキュリー温度を有する。この範囲のキュリー温度は、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるためにサセプタを加熱するべき温度とほぼ同一であるが、エアロゾル形成基体の局所的な過熱または燃焼を回避するために依然として十分に低い温度であるため、理想的である。
【0041】
細長いサセプタは、ピン、ロッド、フィラメント、または細片の形態であってもよい。好ましくは、サセプタは細片または細片形状である。サセプタ細片は、低コストで容易に製造できるため、有利である。
【0042】
本明細書で使用される場合、「細片形状」および「細片」という用語は、共に要素の厚さ寸法よりも大きな、長さ寸法および幅寸法を有する要素を意味する。長さ寸法はまた、幅寸法よりも大きいことが好ましい。特に、サセプタ細片は、サセプタブレード、サセプタプレート、サセプタシート、サセプタ帯、またはサセプタ箔であってもよい。
【0043】
サセプタは、エアロゾル形成ロッドの長軸方向軸に垂直な平面に見られる正方形または長方形もしくは三角形もしくは多角形もしくは半長円形もしくは半楕円形もしくは半円形もしくは長円形もしくは楕円形または円形の断面を有してもよい。サセプタの断面は、サセプタが当接し得るコア部分の断面の縁部部分に対応する少なくとも一つの縁部部分を有することが好ましい。したがって、接触面は、サセプタと、熱伝達の強化に関して十分に大きなコア部分との間で実現される。
【0044】
サセプタが細片、特にブレード、プレート、シート、帯、または箔の形態を有する場合、サセプタは実質的に長方形の断面を有することが好ましい。この場合において、サセプタは、厚さ寸法よりも大きい(例えば、厚さ寸法の二倍の)幅寸法を有することが好ましい。有利なことに、細片形状のサセプタは、好ましくは約2ミリメートル~約8ミリメートル、より好ましくは約3ミリメートル~約5ミリメートル、また好ましくは約0.03ミリメートル~約0.15ミリメートル、より好ましくは約0.05ミリメートル~約0.09ミリメートルの厚さを有する。サセプタ細片の長さは、例えば、8ミリメートル~16ミリメートル、特に10ミリメートル~14ミリメートルの範囲、好ましくは12ミリメートルであってもよい。
【0045】
サセプタが細片の形態を有する場合、サセプタは、サセプタ細片の大きな側面がコア部分、特に、コア部分が細片の形態を有する場合にはコア部分の大きな側面と当接するように配設されることが好ましい。有利なことに、これは良好な熱伝達を保証し、したがって加熱効率を高める。
【0046】
半円形の断面の場合において、サセプタは、約0.5ミリメートル~約2.5ミリメートルの幅または半径を有することが好ましい。
【0047】
サセプタは寸法的に安定であることが好ましい。これは、エアロゾル形成ロッドの製造中にサセプタが実質的に変形しないままであること、または変形力が除去されたときに、サセプタがその意図された形状に戻るように、エアロゾル形成ロッドを形成するのに必要なサセプタのあらゆる変形が弾性のままであることを意味する。このため、サセプタの形状および材料は、十分な寸法安定性を確実にするように選ばれてもよい。有利なことに、これは、元の所望の断面プロファイルが、エアロゾル形成ロッドの製造を通して保持されることを確実にする。高い寸法安定性は、製品性能の変動を低減する。本発明による、そして以下にさらに詳述する成形装置に関して、これは、成形装置が、成形装置を通過した後にサセプタが実質的に変形しないままであるように構成されることを意味する。これは、変形力が除去されたときにサセプタがその意図された形状に戻るように、連続的なロッドを形成するのに必要なあらゆる変形が弾性のままであることが好ましいことを意味する。
【0048】
サセプタは、エアロゾル形成ロッドの長軸方向軸に沿って一定の断面を有してもよい。別の方法として、サセプタの断面は、エアロゾル形成ロッドの長軸方向軸に沿って変化してもよい。例えば、サセプタが細片の形態を有する場合、サセプタの幅寸法および厚さ寸法のうちの少なくとも一つは、エアロゾル形成ロッドの長さ軸に沿って変化し得る。
【0049】
サセプタの長さ寸法は、エアロゾル形成ロッドの長軸方向軸に沿って測定されるエアロゾル形成ロッドの長さ寸法に実質的に対応することが好ましい。サセプタの長さ寸法は、例えば、8ミリメートル~16ミリメートル、特に10ミリメートル~14ミリメートルの範囲、好ましくは12ミリメートルであってもよい。さらに、サセプタは、コア部分およびスリーブ部分のうちの少なくとも一つの長さ寸法と等しい長さ寸法を有して、コア部分およびスリーブ部分それぞれの長さ寸法に沿った加熱をもたらしてもよい。しかしながら、上述のように、中断されたサセプタ、したがってサセプタの長さ寸法がエアロゾル形成ロッドの長さ寸法よりも小さいサセプタを有することが有利であり得る。
【0050】
サセプタは、シートを通して複数の開口部を含む拡張された金属シートを含んでもよく、またはこれから成ってもよい。本明細書で使用される場合、「拡張された金属シート」という用語は、複数の虚弱領域、特に複数の穿孔が生成され、その後、伸展されて、特に複数の穿孔からの複数の虚弱領域を伸展することに由来する規則的なパターンの開口部を形成する、金属シートのタイプを指す。
【0051】
拡張された金属シートを含むサセプタを使用することは、他のタイプのシート状のサセプタと比較して複数の利点を提供する。第一に、拡張された金属シートを含むサセプタの総質量と熱放射面との間の比例率は、開口部を有さない金属シートを含むサセプタと比較して改善される。有利なことに、これは、物品の製造のためのリソースの節約に役立つ。さらに、単位面積当たりの低減された質量はまた、物品の総質量の減少に関して有益であり得る。第二に、拡張された金属シートの特定の製造工程は、材料の無駄を伴わない。第三に、本発明による物品のサセプタは、開口部に起因して透過性であり、非透過性サセプタを備える物品と比較して、物品を通して引き出される気流を強化する。さらに、サセプタの開口部は、加熱されたエアロゾル形成基体から放出された材料の放出および気流への同伴を促進する。有利なことに、両態様ともにエアロゾル形成を促進する。第四に、拡張された金属シートの開口部は、ロッドの製造中にエアロゾル形成基体で充填され得る。有利なことに、これは、エアロゾル形成ロッド内のサセプタの固定を支持し得る。結果として、エアロゾル形成ロッド内のサセプタの位置精度および安定性が著しく改善される。
【0052】
本明細書で使用される場合、「開口部」という用語は、拡張されたシート材料の一つの平面側から反対側の平面側へ、その厚さ寸法に沿って拡張されたシート材料全体を通って延びる開口部として理解されるべきである。同様に、「穿孔」という用語は、シート材料の一つの平面側から反対側の平面側へ、その厚さ寸法に沿ってシート材料全体を通って延びる穿孔として理解されるべきである。「虚弱領域」という用語は、金属シートの主表面に対して垂直な方向、すなわち、金属の厚さ寸法に沿って、材料の厚さが減少した金属シートの領域を指す。材料の厚さの減少は、虚弱化した金属シートを伸展する際に、虚弱領域が、その厚さ寸法に沿って拡張されたシート材料全体を通した開口部へと変形されるようなものである。さらに、「開口部」という用語は、二つのタイプの開口部、すなわち、閉じた境界を有する開口部、ならびに部分的に開いた境界を有する開口部を網羅し得る。閉じた境界を有する開口部は、開口部の周囲に沿って拡張された金属シートの材料によって完全に境界がつけられる。対照的に、部分的に開いた境界を有する開口部は、開口部の周囲に沿って拡張された金属シートの材料によって部分的にのみ境界がつけられる。存在する場合、部分的に開いた境界を有する一つ以上の開口部は、拡張された金属シートの側面縁部に位置する。すなわち、そのような開口部は、拡張された金属シートの側面縁部に向かって横方向に開いている。存在する場合、部分的に開いた境界を有する一つ以上の開口部は、虚弱領域、特に金属シートの側面縁部を超えて延び、その後伸展される金属シート内に生成される穿孔から生じる場合がある。したがって、拡張された金属シートは、閉じた境界を有する複数の開口部、部分的に開いた境界を有する複数の開口部、または閉じた境界を有する一つ以上の開口部、ならびに部分的に開いた境界を有する一つ以上の開口部のうちの一つを含み得る。複数の開口部は、周期的なパターン、特に周期的なオフセットパターンで配設されてもよい。特に、オフセット配設では、複数の開口部は、第一の方向に沿って複数の列に配設されてもよく、ここで、各列は、第一の方向に対して垂直な第二の方向に延びており、一つ以上の開口部を含み、一つの列における一つ以上の開口部は、それぞれの隣接する列の一つ以上の開口部に対してオフセットされる。
【0053】
サセプタおよびコア部分は、共に細片形状であることが好ましい。特に、細片形状のサセプタの大きな側面は、細片形状のコア部分の大きな側面に当接してもよい。有利なことに、この構成では、コア部分の断面形状は、細片形状のサセプタの断面加熱領域と大きく重複し、それによってコア部分の加熱がより効率的になる。さらにより好ましくは、細片形状のサセプタの幅寸法および長さ寸法のうちの少なくとも一つは、それぞれ、細片形状のコア部分の幅寸法および長さ寸法と等しい。こうした配設はまた、コア部分の効率的な加熱に有利であり得る。細片形状のサセプタの幅寸法および長さ寸法のうちの少なくとも一つは、細片形状のコア部分の幅寸法または長さ寸法よりもそれぞれ小さいことが可能である。これは、サセプタ材料を節約するのに役立ち得る。別の方法として、細片形状のサセプタの幅寸法および長さ寸法のうちの少なくとも一つは、それぞれ、細片形状のコア部分の幅寸法または長さ寸法よりも大きいことも可能である。これは、加熱速度を高めるのに役立ち得る。
【0054】
円筒形コア部分は、エアロゾル形成ロッドの長軸方向中心軸に対して対称的に配設されてもよい。すなわち、円筒形コアの長軸方向中心軸は、エアロゾル形成ロッドの長軸方向中心軸と同軸に配設される。この配設は、エアロゾル形成ロッドのバランスの取れた質量分布に関して有利であり得る。
【0055】
あるいは、円筒形コアは、エアロゾル形成ロッドの長軸方向中心軸が接触面内にある、または円筒形コアと円筒形コアに当接するサセプタとの間の接触線と同軸となるように、エアロゾル形成ロッド内に配設されてもよい。この配設は、エアロゾル形成ロッドの均一な加熱に関して有利であり得る。
【0056】
スリーブ部分は、エアロゾル形成ロッドの周囲全体に沿ってコア部分およびサセプタを囲むことが好ましい。同様に、スリーブ部分は、好ましくは、コア部分およびサセプタのうちの少なくとも一つの長さ寸法全体に沿って、好ましくは、コア部分およびサセプタの両方の長さ寸法全体に沿って配設されることが好ましい。したがって、スリーブ部分は、サセプタによって均一に加熱され得る。
【0057】
一般に、エアロゾル形成ロッドの長軸方向軸に垂直な平面に見られるスリーブ部分の断面は、任意の適切な形状を有してもよい。スリーブ部分は、長方形もしくは四角形もしくは楕円形もしくは円形の断面、または三角形もしくは他の多角形の外側断面を有することが好ましい。内側断面は、コア部分の組立品の外側断面プロファイル、およびコア部分に当接するサセプタに適合するのが好ましい。
【0058】
スリーブ部分は、エアロゾル形成ロッドの円筒形形状を充填する、特に完全に充填するように、サセプタおよびコア部分を囲むことが好ましい。したがって、スリーブ部分の外側断面は、エアロゾル形成ロッドの外側断面形状を画定することが好ましい。
【0059】
エアロゾル形成ロッドは、円形または楕円形もしくは長円形の断面を有することが好ましい。しかしながら、エアロゾル形成ロッドは、正方形または長方形または三角形または他の多角形の断面も有してもよい。特に、スリーブ部分の外側断面形状は、エアロゾル形成ロッドの外側断面形状を画定し得る。
【0060】
本発明によれば、誘導加熱式エアロゾル発生装置と使用される誘導加熱式エアロゾル発生物品が提供されており、物品は、本発明による、そして本明細書に記載されるエアロゾル発生ロッドを備える。
【0061】
本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾル発生装置で使用される少なくとも一つのエアロゾル形成基体を備える物品を指す。エアロゾル発生物品は、単回使用を意図する消耗品であってもよい。エアロゾル発生物品はたばこ物品であってもよい。特に、物品は、紙巻たばこに似たロッド状の物品であってもよい。
【0062】
エアロゾル形成ロッドに加えて、物品は、異なる要素である、中央空気通路を有する支持要素、エアロゾル冷却要素、およびフィルター要素をさらに備えてもよい。これらの要素のうちの任意の一つまたは任意の組み合わせは、エアロゾル形成ロッドセグメントに連続的に配設されてもよい。エアロゾル形成ロッドは、物品の遠位端に配設されることが好ましい。同様に、フィルター要素は、物品の近位端に配設されることが好ましい。さらに、これらの要素は、エアロゾル形成ロッドセグメントと同一の外側断面を有してもよい。
【0063】
フィルター要素は、マウスピースとして、またはエアロゾル冷却要素と共にマウスピースの一部として機能することが好ましい。本明細書で使用される場合、「マウスピース」という用語は、エアロゾルがエアロゾル発生物品から出る物品の一部分を指す。フィルター要素はエアロゾル発生物品の外径にほぼ等しい外径を有することが好ましい。フィルター要素は、5ミリメートル~10ミリメートル、例えば6ミリメートル~8ミリメートルの外径を有してもよい。好ましい実施形態では、フィルター要素は7.2ミリメートル10パーセント、好ましく±5パーセントの外径を有する。フィルター要素は、5ミリメートル~25ミリメートルの長さ、好ましくは10ミリメートル~17ミリメートルの長さを有してもよい。好ましい実施形態では、フィルター要素は、12ミリメートルまたは14ミリメートルの長さを有する。別の好ましい実施形態において、フィルター要素は7ミリメートルの長さを有する。
【0064】
支持要素は、エアロゾル形成ロッドのすぐ下流に位置し得る。支持要素は、エアロゾル形成ロッドに当接してもよい。支持要素は任意の適切な材料または材料の組み合わせから形成されてもよい。例えば、支持要素は、セルロースアセテート、ボール紙、捲縮した紙(捲縮した耐熱紙または捲縮した硫酸紙など)、および高分子材料(低密度ポリエチレン(LDPE)など)から成る群から選択される一つ以上の材料から形成されてもよい。好ましい実施形態において、支持要素はセルロースアセテートから形成されている。支持要素は中空の管状要素を備えてもよい。好ましい実施形態において、支持要素は中空のセルロースアセテートチューブを備える。
【0065】
支持要素はエアロゾル発生物品の外径とほぼ等しい外径を有することが好ましい。支持要素は、5ミリメートル~12ミリメートル、例えば5ミリメートル~10ミリメートル、または6ミリメートル~8ミリメートル外径を有してもよい。好ましい実施形態では、支持要素は、7.2ミリメートル±10パーセント、好ましくは±5パーセントの外径を有する。支持要素は、5ミリメートル~15ミリメートル、特に6ミリメートル~12ミリメートルの長さを有してもよい。好ましい実施形態において、支持要素は8ミリメートルの長さを有する。
【0066】
エアロゾル冷却要素はエアロゾル形成基体要素の下流に位置することができ、例えば、支持要素のすぐ下流に位置することも、また支持要素に当接することもできる。
【0067】
エアロゾル冷却要素は、支持要素と、エアロゾル発生物品の最端の下流端に位置するフィルター要素との間に位置してもよい。
【0068】
本明細書で使用される「エアロゾル冷却要素」という用語は、大きい表面積および低い引き出し抵抗(例えば、15mmWG~20mmWG)を有する要素を記述するために使用される。使用時に、エアロゾル形成ロッドから放出された揮発性化合物によって形成されたエアロゾルは、エアロゾル発生物品の口側の端へと運ばれる前にエアロゾル冷却要素を通して引き出される。
【0069】
エアロゾル冷却要素は、50パーセントを超える長軸方向の空隙率を有することが好ましい。エアロゾル冷却要素を通過する気流経路は、比較的に抑制されないことが好ましい。エアロゾル冷却要素は、シートの集合体または捲縮したシートの集合体であってもよい。エアロゾル冷却要素は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリ乳酸(PLA)、酢酸セルロース(CA)、およびアルミ箔、またはこれらの任意の組み合わせから成る群から選択されるシート材料を含んでもよい。
【0070】
好ましい実施形態において、エアロゾル冷却要素は、生物分解性の集合された材料シートを含む。例えば、非多孔性の紙のシートの集合体、または例えば、ポリ乳酸またはMater-Bi(登録商標)の等級(デンプンベースのコポリエステルの市販のファミリー)などの生物分解性高分子材料のシートの集合体。
【0071】
エアロゾル冷却要素はPLAのシートの集合体を含むことが好ましく、PLAの捲縮したシートの集合体であることがより好ましい。エアロゾル冷却要素は、10マイクロメートル~250マイクロメートル、特に、40マイクロメートル~80マイクロメートル、例えば、50マイクロメートルの厚さを有するシートから形成されてもよい。エアロゾル冷却要素は、150ミリメートル~250ミリメートルの幅を有するシートの集合体から形成されてもよい。エアロゾル冷却要素は、長さ1ミリメートル当たり300平方ミリメートル~長さ1ミリメートル当たり1000平方ミリメートル、重量1mg当たり10平方ミリメートル~重量1ミリグラム当たり100平方ミリメートルの比表面積を有してもよい。一部の実施形態において、エアロゾル冷却要素は、重量1ミリグラム当たり約35平方ミリメートルの比表面積を有する材料シートの集合体から形成されてもよい。エアロゾル冷却要素は、5ミリメートル~10ミリメートル、例えば7ミリメートルの外径を有してもよい。
【0072】
一部の好ましい実施形態において、エアロゾル冷却要素の長さは、10ミリメートル~15ミリメートルである。エアロゾル冷却要素の長さは10ミリメートル~14ミリメートル、例えば13ミリメートルであることが好ましい。代替的な実施形態において、エアロゾル冷却要素の長さは、15ミリメートル~25ミリメートルである。エアロゾル冷却要素の長さは16ミリメートル~20ミリメートル、例えば18ミリメートルであることが好ましい。
【0073】
物品は、それらを一緒に保持し、物品の所望の断面形状を維持するために、上述の異なる要素の少なくとも一部分を囲むラッパーをさらに備えてもよい。ラッパーは、物品の外表面の少なくとも一部分を形成することが好ましい。例えば、ラッパーは、紙ラッパー、特に紙巻たばこ用紙で作製された紙ラッパーであってもよい。別の方法として、ラッパーは、例えばプラスチックで作製された箔であってもよい。ラッパーは、気化したエアロゾル形成基体が物品から放出されることを許容するように流体透過性であってもよい。流体透過性ラッパーはまた、空気がその周囲を通して物品内に引き込まれることを可能にし得る。さらに、ラッパーは、加熱に伴い活性化され、かつラッパーから放出される少なくとも一つの揮発性物質を含んでもよい。例えば、ラッパーは揮発性風味物質で含浸されてもよい。
【0074】
本発明による誘導加熱式エアロゾル発生物品は、円形または楕円形または長円形の断面を有することが好ましい。しかしながら、物品は、正方形または長方形または三角形または他の多角形の断面も有してもよい。
【0075】
本発明によるエアロゾル発生物品のさらなる特徴および利点については、エアロゾル形成ロッドに関して説明されており、等しく当てはまる。
【0076】
本発明は、本発明によるおよび本明細書に記載の誘導加熱式エアロゾル発生物品を備えるエアロゾル発生システムにさらに関する。システムは、物品で使用するための、誘導加熱式エアロゾル発生装置をさらに備える。エアロゾル発生装置は、受け入れくぼみ内に少なくとも部分的に物品を受け入れるための受け入れくぼみを備える。エアロゾル発生装置はさらに、物品が受け入れくぼみ内に受け入れられるときに、物品のサセプタを誘導的に加熱するように、受け入れくぼみ内に、特に高周波の交流電磁場を発生するための少なくとも一つの誘導コイルを含む誘導源を備える。少なくとも一つの誘導コイルは、円筒形受け入れくぼみの周りに同軸に配設されたらせん状誘導コイルであってもよい。
【0077】
装置は、電力を供給し、加熱プロセスを制御するための電源とコントローラとをさらに備えうる。本明細書で言及される通り、交流の、特に高周波電磁場は500kHz~30MHz、特に5MHz~15MHz、好ましくは5MHz~10MHzの範囲であってもよい。
【0078】
エアロゾル発生装置は、例えば、国際公開第2015/177256A1号に記載される装置であってもよい。
【0079】
使用時に、エアロゾル発生物品は、インダクタによって発生される変動電磁場の中にサセプタ組立品が位置するように、エアロゾル発生装置と係合する。
【0080】
本発明によるエアロゾル発生システムのさらなる特徴および利点については、エアロゾル発生物品に関して説明されており、等しく当てはまる。
【0081】
本発明によれば、本発明による、および本明細書に記載される誘導加熱式エアロゾル形成ロッドの製造で使用するための成形装置も提供される。成形装置は、
-コア形成装置を通過する際に、連続的なコアストランドが円筒形コア部分の断面形状に対応する断面形状を有するように、第一のエアロゾル形成基体および第一の風味材料のうちの少なくとも一つを含むコア材料を連続的なコアストランドへと集合するように構成される、コア形成装置と、
-コア形成装置を通過する際に、連続的なコアストランドに横方向に当接するように、連続的なコアストランドに対して連続的なサセプタプロファイルを配設するための長軸方向ガイドであって、長軸方向ガイドは、少なくともコア形成装置の上流セクションの中へと下流に延びる、長軸方向ガイドと、
-少なくともコア形成装置の下流セクションの周りに配設され、スリーブ形成装置を通過する際に、連続的なスリーブストランドがスリーブ部分の断面形状に対応する断面形状を有するように、フィラー材料、第二のエアロゾル形成基体および第二の風味材料のうちの少なくとも一つを含むスリーブ材料を、連続的なコアストランドおよび連続的なサセプタプロファイルの周りの連続的なスリーブストランドへと集合するように構成される、スリーブ形成装置と、を備える。
【0082】
有利なことに、成形装置は、エアロゾル形成ロッドの異なる構成要素を、製造されるエアロゾル形成ロッドの所望の形状へと効率的に組み立てることを可能にする。特に、成形装置は、それぞれの公差内の位置および形状の観点から、各構成要素の正確な配設を確実にすることを可能にする。
【0083】
コア材料を連続的なコアストランドへと集合するために、コア形成装置は、内側漏斗を含むことが好ましい。これに関して、コア形成装置は、実質的に管状の本体を備える。実質的に管状の本体は、少なくとも一つの収束セクション、特に少なくとも一つの円錐状収束セクションを含み得る。少なくとも一つの収束セクションは、コア形成装置の上流端にあることが好ましい。成形装置の長軸方向中心軸に関して、少なくとも一つの収束セクションの軸方向長さは、コア形成装置の軸方向長さの少なくとも10パーセント、特に少なくとも20パーセント、好ましくは、少なくとも30パーセントであってもよい。内側断面の形状、特に、コア形成装置の下流セクションの内側断面は、円筒形コア部分の断面形状に対応することが好ましい。集合は、コア形成装置を通したコア材料の移動方向に対して横断方向で行われることが好ましい。エアロゾル形成ロッド内のコア部分の半径方向の位置に応じて、内側漏斗の中心軸は、本発明による成形装置の長軸方向中心軸に対して同軸であってもよい。
【0084】
長軸方向ガイドは、有利なことに、最終エアロゾル形成ロッドにおけるその所定の位置に対応するサセプタプロファイルの位置を達成することを容易にする。さらに、長軸方向ガイドはまた、成形装置、特にコア形成装置を通過する際に、サセプタプロファイルを寸法的に安定に保つことの観点からも好ましい。長軸方向ガイドは、最初はコア形成装置の上流端においてサセプタプロファイルをコア材料から分離するのに使用され得ることがさらにより好ましい。
【0085】
長軸方向ガイドは、連続的なサセプタプロファイルを案内するための平坦な案内面を有する、案内レールまたは案内支持体を含み得る。これは、特に、連続的なサセプタプロファイルが細片形状である場合に有利であり得る。別の方法として、長軸方向ガイドは、案内管を含んでもよい。案内管は、サセプタプロファイルの外側断面プロファイルに実質的に対応する内側断面プロファイルを有することが好ましい。これは、サセプタプロファイルの適切な案内に関して特に有利であり得る。
【0086】
本発明によれば、長軸方向ガイドは、少なくともコア形成装置の上流セクションの中へと下流に延びる。有利なことに、これは、長軸方向ガイド以外で、成形装置を通した移動方向に垂直な方向にサセプタプロファイルを追加的に案内することを可能にし得る。本明細書で使用される場合、「コア形成装置の上流セクション」という用語は、コア材料が少なくとも部分的に集合されるが、まだ最終形状には至っていない、コア形成装置の第一のステージを指す。特に、コア形成装置の上流セクションを通る際に、コア材料は、ゆるい配設で少なくとも部分的に集合される。この文脈において「ゆるい」とは、コア材料が、その時点ではまだ最終的な集合へと至っていない、より凝縮した形態を有することを表す。少なくとも部分的に集合されたコア材料は、任意の形態または形状、特にロッド状であってもよいが、コア形成装置を完全に経た後の最終的なロッド状でのものより低い密度(またはより大きい直径)を有する。
【0087】
特に、長軸方向ガイドおよびコア形成装置の上流セクションは、サセプタプロファイルが通過し得る案内チャネルまたは案内管を画定し得る。上述したように、案内チャネルまたは管は、サセプタプロファイルの外側断面プロファイルに実質的に対応する内側断面プロファイルを有することが好ましい。これは、サセプタプロファイルの適切な案内に関して特に有利であり得る。
【0088】
サセプタプロファイルは、コア形成装置の上流セクションの下流端で、または上流セクションのさらに下流では案内されないことが好ましい。特に、長軸方向ガイドは、コア形成装置の上流セクションへと下流に延びるだけであってもよい。また、長軸方向ガイドは、コア形成装置の上流セクションのさらに下流に延びることも可能である。
【0089】
長軸方向ガイドの下流端は、コア形成装置の下流端の上流に位置してもよい。
【0090】
したがって、長軸方向ガイドは、コア形成装置の長さの少なくとも25パーセントに沿って、特に少なくとも50パーセントに沿って、好ましくは少なくとも75パーセントに沿って、より好ましくは少なくとも90パーセントに沿って、または100パーセントに沿って、サセプタプロファイルを案内するように構成されてもよい。このために、長軸方向ガイドは、コア形成装置の長さの少なくとも25パーセントに沿って、特に少なくとも50パーセントに沿って、好ましくは少なくとも75パーセントに沿って、より好ましくは少なくとも90パーセントに沿って、または100パーセントに沿って延びてもよい。長軸方向ガイドの上流端は、コア形成装置の上流端の上流に位置付けられていることが好ましい。これは、サセプタプロファイルが、コア形成装置(すなわち、コア形成装置の上流)に入る前に、エアロゾル形成ロッド内のその所望の最終的な位置に正確に事前に位置付けられることを確実にする。
【0091】
同様に、コア形成装置は、少なくともスリーブ形成装置の上流セクションへと下流に延びてもよい。有利なことに、これは、最終エアロゾル形成ロッドにおける所定の位置でのコア材料の適切な配設を確実にする。特に、スリーブ形成装置は、コア形成装置の下流セクションの周りにのみ配設される。同様に、コア形成装置の下流端は、スリーブ形成装置の下流端の上流に位置してもよい。
【0092】
本明細書で使用される場合、「スリーブ形成装置の上流セクション」という用語は、スリーブ材料が少なくとも部分的に集合されるが、まだ最終形状には至っていない、スリーブ形成装置の第一のステージを指す。特に、スリーブ形成装置の上流セクションを通る際に、スリーブ材料は、ゆるい配設で少なくとも部分的に集合される。この文脈において「ゆるい」とは、スリーブ材料が、その時点ではまだ最終的な集合へと至っていない、より凝縮した形態を有することを表す。少なくとも部分的に集合されたスリーブ材料は、任意の形態または形状、特にロッド形状であってもよいが、スリーブ形成装置を完全に経た後の最終的なロッド形状でのものより低い密度(またはより大きい直径)を有する。
【0093】
長軸方向ガイドに関して上述するように、コア形成装置は、スリーブ形成装置の長さの少なくとも25パーセントに沿って、特に少なくとも50パーセントに沿って、好ましくは少なくとも75パーセントに沿って、より好ましくは少なくとも90パーセントに沿って、または100パーセントに沿って延びてもよい。コア形成装置の上流端は、スリーブ形成装置の上流端に、またはその上流に位置付けられてもよい。
【0094】
コア形成装置に対する長軸方向ガイドの位置を少なくとも一方向に調整するために、成形装置は、第一の並進移動ステージを備え得る。第一の並進移動ステージは、コア形成装置に対して長軸方向ガイドの少なくとも軸方向位置を調整するように構成されることが好ましい。本明細書で使用される場合、「軸方向」という用語は、成形装置を通したサセプタプロファイル、コア材料、およびスリーブ材料の移動方向、特に成形装置の長軸方向中心軸を指す。特に、長軸方向ガイドが、最初はコア形成装置の上流セクションでサセプタプロファイルをコア材料から分離するように構成される場合、コア形成装置に対する長軸方向ガイドの軸方向位置の調整可能性によって、サセプタプロファイルとコア材料が一緒になる軸方向位置を調整することが可能になる。追加的に、または別の方法として、第一の並進移動はまた、コア形成装置に対する長軸方向ガイドの位置を、軸方向に垂直な少なくとも一つ、特に二つの横方向に調整するように構成されてもよい。二つの横方向は、互いに垂直であることが好ましい。
【0095】
スリーブ形成装置に対するコア形成装置の位置を調整するために、成形装置は、第二の並進移動ステージを備え得る。第二の並進移動ステージは、スリーブ形成装置に対するコア形成装置の位置を、少なくとも一つの方向、特に少なくとも一つの横方向、好ましくは少なくとも二つの横方向に調整するように構成されることが好ましい。二つの横方向は、互いに垂直であることが好ましい。本明細書で使用される場合、「横方向」という用語は、成形装置を通したサセプタプロファイル、コア材料、およびスリーブ材料の移動方向に垂直な方向、特に成形装置の長軸方向中心軸に垂直な方向を指す。追加的に、または別の方法として、第二の並進移動ステージはまた、コア形成装置の軸方向位置をスリーブ形成装置に対して、すなわち、移動方向、特に成形装置の長軸方向中心軸に対して平行な方向に調整するように構成されてもよい。
【0096】
第一および第二の並進移動ステージは、成形装置の並進移動ステージシステムの一部であってもよい。
【0097】
スリーブ材料を連続的なコアストランドおよび連続的なサセプタの周りの連続的なスリーブストランドへと集合するために、スリーブ形成装置は外側漏斗を含み得る。外側漏斗は、コア形成装置の少なくとも下流セクション、すなわち、上記でさらに定義されるように、コア形成装置の上流セクションの下流のコア形成装置のセクションの周りに配設されてもよい。
【0098】
成形装置は、スリーブ形成装置の内表面、特に外側漏斗の内表面に配設された一つ以上の案内フィンをさらに備えてもよい。別の方法として、または追加的に、成形装置は、コア形成装置の外表面、特に内側漏斗の外表面に配設された一つ以上の案内フィンを備えてもよい。これらの案内フィンは、スリーブ材料をスリーブ形成装置の下流端に向かって案内するように構成される。有利なことに、案内フィンは、スリーブ材料と、スリーブ形成装置の内表面およびコア形成装置の外表面それぞれとの間の摩擦によって生じ得る、スリーブ形成プロセス中のスリーブ形成装置およびコア形成装置の望ましくない加熱を低減するのに役立ち得る。
【0099】
一つ以上の案内フィンは、成形装置を通したスリーブ材料の移動方向に対してらせん状にねじれることが好ましい。特に、一つ以上の案内フィンは、コア形成装置またはスリーブ形成装置それぞれの長さ寸法全体に延びてもよく、好ましくは長さ寸法全体に沿って、らせん状に延びる。成形装置の長軸方向軸に垂直な断面に見られるように、一つ以上の案内フィンは、三角形の断面または半長円形または半楕円形の断面を有してもよい。後者の二つの構成では、半長円形または半楕円形の断面の半長軸は、好ましくは、成形装置の長軸方向軸に対して垂直に配設され、特に、成形の長軸方向中心軸に対して持続的に半径方向に配設される。一つ以上の案内フィンの断面は、特にサイズが異なる場合がある。例えば、一つ以上の案内フィンの断面は、成形装置を通したスリーブ材料の移動方向に沿って減少し得る。同様に、一つ以上の案内フィンの高さ、すなわち、成形装置の長軸方向中心軸に対する半径方向の一つ以上のフィンの寸法は変化してもよく、特に、成形装置を通したスリーブ材料の移動方向に沿って減少してもよい。
【0100】
一つ以上の案内フィンは、長さ寸法に沿って、すなわち、成形装置を通したスリーブ材料の移動方向に沿って実質的に中断してもよい。
【0101】
特に、二つ以上の案内フィンは、スリーブ形成装置の内表面に円周方向に配設されてもよい。同様に、二つ以上の案内フィンは、コア形成装置の外表面に円周方向に配設されてもよい。
【0102】
スリーブ形成装置の内表面にある一つ以上の案内フィンおよびコア形成装置の外表面にある一つ以上の案内フィンは、異なる円周方向位置に配設されてもよい。特に、スリーブ形成装置の内表面における一つ以上の案内フィンおよびコア形成装置の外表面における一つ以上の案内フィンの円周方向位置は、成形装置の長軸方向中心軸に対して特定の回転角度だけ(例えば、30度または60度または90度または120度だけ)シフトされ得る。特に、コア形成装置の外表面における案内フィンは、特にスリーブ形成装置の内表面における二つの隣接するフィンの円周方向位置の間の中心で、円周方向位置に配設されてもよい。
【0103】
一つ以上の案内フィンとは別の方法として、またはこれに追加的に、スリーブ形成装置は、スリーブ形成装置の外表面に一つ以上の冷却リブ、およびスリーブ形成装置の壁に一つ以上の冷却開口部のうちの少なくとも一つを含み得る。有利なことに、一つ以上の冷却リブまたは一つ以上の冷却開口部は、スリーブ材料とスリーブ形成装置の内表面との間の摩擦に起因して生じ得る、スリーブ形成プロセス中のスリーブ形成装置の望ましくない加熱を低減するのに役立ち得る。
【0104】
成形装置は、エアロゾル形成ロッド、特に本発明によるエアロゾル形成ロッドを製造するための製造装置全体の一部であり得る。
【0105】
したがって、本発明はさらに、エアロゾル形成ロッド、特に本発明によるエアロゾル形成ロッドを製造するための製造装置を提供し、この製造装置は、本発明による、そして本明細書に記載する成形装置を含む。
【0106】
成形装置の下流において、製造装置はさらに、連続的なコアストランド、サセプタプロファイル、および連続的なスリーブストランドの実体を連続的なエアロゾル形成ロッドストランドへと完成させる、特に形成することを含み得る。ロッド形成装置は、連続的なコンベアベルトの形態のガルニチュールテープを備えてもよい。ガルニチュールテープは、好ましくは、少なくとも一つの半漏斗と相互作用して、最終ロッド形状を形成し、好ましくは、連続的なコアストランド、サセプタプロファイル、および連続的なスリーブトランドの実体の周りにラッパーを提供する。ガルニチュールテープは、ロッド形成装置の中心軸下方に配設され、少なくとも一つの半漏斗は、中心軸の上方に、それ故にガルニチュールの上方に配設されることが好ましい。
【0107】
ガルニチュールテープはラッパーを支持し得る。ラッパーは、ラッパー供給源によってロッド形成装置の上流端へと供給されてもよい。ラッパー供給源は例えば、ラッパーボビンを含んでもよい。ラッパーは、中心軸に面するガルニチュールテープの表面上に支持されていることが好ましい。したがって、動作中、ラッパーは、連続的なスリーブストランドの周りに自動的に巻かれる。ラッパー供給源はまた、ラッパーをスリーブ部分の周りに保つために、ラッパーの少なくとも一部分に接着剤を添加してもよい。
【0108】
ロッド形成装置はその下流端で、好ましくはラッパーによって完全に囲まれている最終ロッド状を有する連続的なエアロゾル形成ロッドストランドを提供する。
【0109】
ロッド形成装置の下流で、製造装置は、連続的なエアロゾル形成ロッドストランドを、本発明による、および本明細書に記述される個々の誘導加熱式エアロゾル形成ロッドへと切断するための切断装置をさらに備えてもよい。
【0110】
製造装置は、案内装置にサセプタプロファイルを供給するように構成されたサセプタ供給源を備えてもよい。サセプタ供給源は、ボビン上に提供されるサセプタプロファイルを巻き出すための巻き出しユニットを含んでもよい。
【0111】
製造装置はさらに、スリーブ材料をスリーブ形成装置に供給するように構成されたスリーブ材料供給源を備えてもよい。スリーブ材料供給源は、ボビン上に提供されるスリーブ材料を巻き出すための巻き出しユニットを含んでもよい。
【0112】
製造装置はさらに、コア材料をコア形成装置に供給するよう構成されたコア材料供給源を備えてもよい。コア材料供給源は、ボビン上に提供されるコア材料を巻き出すための巻き出しユニットを含んでもよい。
【0113】
スリーブ材料供給源、サセプタ供給源、およびコア材料供給源のうちの少なくとも一つの下流で、製造装置は、スリーブ材料、サセプタプロファイル、およびコア材料をそれぞれ前処理するための一つ以上の処理ユニットをさらに備えてもよい。処理ユニットは、スリーブ材料、サセプタプロファイル、またはコア材料それぞれの物理的処理のために構成され得る。例えば、処理ユニットは、スリーブまたはコア材料を捲縮するように構成されてもよく、特に、スリーブまたはコア材料は、キャストリーフ材料またはアセテートトウを含む。別の方法として、または追加的に、スリーブまたはコア材料の物理的処理は、スリーブまたはコア材料のイオン化処理、コロナ処理、予熱のうちの一つ以上を含み得る。
【0114】
サセプタプロファイル用の処理ユニットは、サセプタプロファイルに複数の穿孔を生成し、複数の穿孔に由来する複数の開口部を含む拡張されたサセプタプロファイルを生成するように、穿孔されたサセプタプロファイルを少なくとも第一の方向に沿って伸展するように構成され得る。
【0115】
製造装置は、スリーブ材料およびコア材料それぞれの張力を調整するための張力ユニットをさらに備えてもよい。
【0116】
製造装置は、流体、顆粒、粒子および粉末のうちの少なくとも一つをそれぞれスリーブ材料およびコア材料に添加するための分注ユニットをさらに備えてもよい。製造装置はさらに、スリーブ材料およびコア材料それぞれを緩衝するためのそれぞれの緩衝ユニットをさらに備えてもよい。特に、製造装置は、スリーブ材料およびコア材料の各々に対して、処理ユニット、張力ユニット、分注ユニット、および緩衝剤のうちの少なくとも一つを備え得る。
【0117】
本発明による装置のさらなる特徴および利点については、エアロゾル形成ロッドおよびエアロゾル発生物品に関して説明されており、等しく当てはまる。
【0118】
例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら、本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0119】
図1図1は、本発明の例示的な実施形態による誘導加熱式エアロゾル形成ロッドを備える誘導加熱式エアロゾル発生物品の概略図である。
図2図2は、図1による物品の断面図である。
図3図3は、本発明による誘導加熱式エアロゾル形成ロッドの製造を概略的に示す。
図4図4は、図3による誘導加熱式エアロゾル形成ロッドの製造において使用するための成形装置の概略図である。
図5図5は、図1によるエアロゾル形成ロッドのサセプタの例の詳細を示す。
【発明を実施するための形態】
【0120】
図1および図2は、本発明による誘導加熱式エアロゾル発生物品の例示的な実施形態を概略的に示す。物品1は、実質的にロッド状を有し、物品1の長軸方向軸7に沿って同軸に整列して配設される四つの要素である、本発明によるエアロゾル形成ロッド10、支持要素60、エアロゾル冷却要素70、およびフィルター要素80を備える。エアロゾル形成ロッド10は、物品1の遠位端2に配設され、一方、フィルター要素80は、物品1の遠位端3に配設される。随意に、物品1はさらに、エアロゾル形成ロッド10の遠位前方端を覆って保護するために使用され得る遠位前方要素60を備えてもよい。上記の要素の各々は実質的に円筒形であり、これら全ては実質的に同一の直径を有する。さらに、要素は、要素をまとめて保持し、ロッド状物品1の所望の円形断面形状を維持するように、外側ラッパー90によって囲まれる。ラッパー90は紙製であることが好ましい。
【0121】
ロッド状のエアロゾル発生物品1は、30ミリメートル~110ミリメートル、好ましくは、40ミリメートル~60ミリメートルの長さを有してもよい。同様に、物品1は、3ミリメートル~10ミリメートル、好ましくは5.5ミリメートル~8ミリメートルの直径を有してもよい。
【0122】
支持要素60は、エアロゾル形成ロッド10内で発生される任意のエアロゾルの混合および均質化を可能にする中央空気通路61を有する、カートゥーンまたはセルロース系管62を含み得る。別の方法として、支持要素60は、エアロゾル冷却要素70に到達するまで、エアロゾル形成ロッド内の異なる場所で発生した別個の異なるエアロゾルを別個に維持するために使用され得る。
【0123】
エアロゾル冷却要素70は主に、物品1の近位端3に向かってエアロゾルの温度を低下させる役割を果たす。エアロゾル形成要素は、例えば、生分解性高分子材料、低空隙率のセルロース系材料、またはこれらおよび他の組み合わせを含み得る。
【0124】
フィルター要素80は、標準的なフィルター材料、例えば、低密度のアセテートトウを含み得る。
【0125】
フィルター要素80のみ、またはエアロゾル冷却要素70およびフィルター要素80の両方は、エアロゾルがエアロゾル発生物品1から出るマウスピースとして機能し得る。
【0126】
図1および図2に示す実施形態では、エアロゾル形成ロッドセグメント10は、一定の断面、例えば、円形の断面を有する円筒形状を有する。物品1の一部として、エアロゾル形成ロッド10は、5ミリメートル~20ミリメートル、好ましくは7ミリメートル~13ミリメートルの長さを有してもよい。エアロゾル形成ロッド10の直径は、3ミリメートル~10ミリメートル、好ましくは5.5ミリメートル~8ミリメートルの範囲であり得る。
【0127】
図1および図2に示すようにエアロゾル形成ロッドは、少なくとも三つの構成要素である、第一のエアロゾル形成基体および第一の風味材料のうちの少なくとも一つを含む円筒形コア部分30と、ロッド10の長軸方向軸7に沿って円筒形コア部分30に横方向に当接する細長いサセプタ40と、コア部分30およびサセプタ40の周りに配設され、フィラー材料、第二のエアロゾル形成基体21および第二の風味材料のうちの少なくとも一つを含む、スリーブ部分20とを備える。
【0128】
本実施形態では、コア部分30は、液体(第一の)風味材料で含浸した液体保持材料31を含む。対照的に、スリーブ部分20は、たばこ繊維に基づく多孔質基体を含み、たばこ繊維は第二のエアロゾル形成基体21を少なくとも部分的に形成する。サセプタ40は、強磁性ステンレス鋼から作製される細長い細片である。この材料は、渦電流およびヒステリシス損失の両方により熱を提供するため、有利であり得る。随意に、サセプタ40は、ニッケル被覆を含んでもよく、ニッケルは、さらに上述するように、主に温度マーカーとしての役割を果たす。さらに、サセプタ40は、例えば、エアロゾル形成基体および風味材料の湿った環境における腐食による、サセプタ40の望ましくない劣化を防止するための保護被覆を含み得る。
【0129】
図1および図2でさらに分かるように、本実施形態によるサセプタ40は細片形状であり、3.5ミリメートル~8ミリメートル、好ましくは4ミリメートル~6ミリメートルの範囲の幅寸法、および0.05ミリメートル~0.4ミリメートル、好ましくは0.15ミリメートル~0.35ミリメートルの範囲の厚さ寸法を有する。コア部分30もまた、細片形状であり、3.5ミリメートル~8ミリメートル、好ましくは4ミリメートル~6ミリメートルの範囲の幅寸法、および0.5ミリメートル~7ミリメートル、好ましくは2ミリメートル~5ミリメートルの範囲の厚さ寸法を有する。さらに図1および図12に見られるように、サセプタ40の大きな側面が、コア部分30の大きな側面に横方向に当接する。したがって、サセプタ40は、コア部分30と直接物理的に接触する。有利なことに、この配設は、コア部分の良好な加熱効率を可能にする。特に、サセプタ40は、シートを通して複数の開口部を含む拡張された金属シートから作製されたサセプタであってもよい。こうしたサセプタ40の例を図5に示す。
【0130】
コア部分30とサセプタ40との間の接触は、非結合性である、すなわち、サセプタ40とコア部分30は互いに固定的に取り付けられていない。それにもかかわらず、コア部分30とサセプタ40との間の接触は、例えば、液体風味材料で含浸した液体保持材料の湿潤または湿った性質のため、何らかの非永久的な接着を含み得る。
【0131】
スリーブ部分20は、スリーブ部分20の多孔質のたばこ繊維ベースの基体が円筒形ロッド10の残留体積全体を完全に充填するように、サセプタ40およびコア部分30の周りに配設される。特に、たばこ繊維ベースの基体は、基本的に、コア部分30に当接する大きな側面の反対側の、サセプタ40の大きな側面で細片形状のサセプタ40と物理的に接触している。したがって、たばこ繊維ベースの基体は、コア部分30の風味材料で同時に加熱され得る。このため、エアロゾル形成ロッド10は、エアロゾルおよび風味添加剤の同時生成を可能にする。有利なことに、これは、発生可能なエアロゾルの多様性を高める。
【0132】
本発明による誘導加熱式エアロゾル形成ロッドは、図3に概略的に示すように、方法および製造装置1000を使用して製造され得る。
【0133】
製造装置1000は、成形装置100のスリーブ形成装置130にスリーブ材料201を供給するように構成されたスリーブ材料供給源200を備える。スリーブ材料供給源200は、ボビン211上に提供されたスリーブ材料201を巻き出すための巻き出しユニット210を含む。巻き出しユニット210の下流では、製造装置1000はさらに、スリーブ材料201を緩衝するための緩衝材220、スリーブ材料201を前処理するための処理ユニット230、スリーブ材料201の張力を調整するための張力ユニット600、および分注ユニット700を備える。本実施形態では、処理ユニット230は、スリーブ材料201の物理的な処理のため、例えば、スリーブ材料201を捲縮するために構成されてもよい。スリーブ材料201を捲縮することにより、成形装置100内のスリーブ部分の形成が促進され得る。分注ユニット700は、流体、顆粒、粒子、および粉末のうちの少なくとも一つを、スリーブ材料、例えば、流体風味材料に適用するために使用され得る。
【0134】
エアロゾル形成ロッドのコア部分に関して、製造装置1000はまた、成形装置100のコア形成装置130にコア材料301を供給するように構成されたコア材料供給源300も備える。コア材料供給源300は、ボビン311上に提供されたコア材料301を巻き出すための巻き出しユニット310を含む。
【0135】
同様に、製造装置1000は、成形装置100の長軸方向ガイド140にサセプタプロファイル401を供給するように構成されたサセプタ供給源400を備える。サセプタ供給源400は、ボビン411上に提供されたサセプタプロファイル401を巻き出すための巻き出しユニット410を備える。巻出しユニット410の下流で、製造装置1000はさらに、サセプタプロファイル401を前処理するための処理ユニット430を備える。本実施形態では、処理ユニット430は、サセプタプロファイル401に複数の穿孔を生成し、複数の穿孔に由来する複数の開口部441を含む拡張されたサセプタプロファイルを生成するように、少なくとも第一の方向に沿って穿孔されたサセプタプロファイル401を伸展するように構成される。こうした拡張されたサセプタプロファイル401の例を図5に示す。
【0136】
図1および図2に示すように、エアロゾル形成ロッド10を得るために、スリーブ材料201、コア材料301、およびサセプタプロファイル401は、コア部分、サセプタ、およびコア部分およびサセプタの周りに配設されるスリーブ部分を生成するように組み合わせて成形する必要がある。このために、製造装置1000は、図3に示すように、前述のユニットの下流に配設され、スリーブ材料201、コア材料301、およびサセプタプロファイル401が同時に内部に供給される成形装置100を備える。
【0137】
図4は、成形装置100の詳細を示しており、図4の下部分は、装置100を通した長軸方向断面であり、図4の上部分は、図4の下部分に示されるように、三つの異なる長軸方向位置における、装置100を通した三つの横断断面を備える。本発明によれば、成形装置100は、スリーブ形成装置120、コア形成装置130および長軸方向サセプタガイド140を備える。
【0138】
本実施形態では、コア形成装置130は、コア形成装置301を通過した際に、連続的なコアストランドが製造するエアロゾル形成ロッドの円筒形コア部分の断面形状に対応する断面形状を有するように、コア材料301を連続的なコアストランドへと集合するように構成された内側漏斗131を備える。エアロゾル形成ロッド内のコア部分の半径方向位置と対応して、内側漏斗の中心軸は、成形装置100の長軸方向中心軸107に対して同軸である。
【0139】
長軸方向ガイド140は、内側漏斗131を通過した際に、連続的なコアストランドに横方向に非結合様態で当接するように、連続的なコアストランドに対して連続的なサセプタプロファイル401を配設するように構成される。本実施形態では、長軸方向ガイド140は、成形装置100の長軸方向中心軸107の下方に配設され、コア形成装置130の上流セクションの中へと下流に延びる、案内レール141を含む。コア形成装置130の上流セクションにおいて、コア材料はすでに予め集合されている。案内レール141は、長軸方向中心軸107から離れて面する平坦なガイド面142を有する。コア形成装置130の上流セクションは、コア形成装置130の全長108の約30パーセントである長さ109を有する。
【0140】
図4の上部分に見られるように、案内面142は、側壁および内側漏斗131の下部壁と共に、サセプタプロファイル401が、最初はコア形成装置130の上流セクションにおいてコア材料301から分離されるように内部に供給される、案内チャネル143を形成する。長軸方向ガイド140の下流端では、サセプタプロファイル401は案内から解放され、サセプタプロファイル401は、最終エアロゾル形成ロッドにおけるその所定の位置に対応する位置において、予め集合された第一および第二のコア材料と一緒になることができる。
【0141】
スリーブ材料を連続的な第一および第二のコアストランドおよびサセプタの周りの連続的なスリーブストランドへと集合するために、成形装置100は、スリーブ形成装置120を備える。コア形成装置130と同様に、スリーブ形成装置120はまた、コア形成装置130の少なくとも下流セクションの周りに配設された外側漏斗121である漏斗を備える。本実施形態では、外側漏斗121は、内側漏斗131が外側漏斗121内に完全に受け入れられるように、コア形成装置130の全長に沿って延びる。コア形成装置130の下流端は、スリーブ形成装置の下流セクションへと開いており、ここでスリーブ材料はすでに予め集合されている。したがって、コア形成装置130の下流端で、連続的なコアストランドと、連続的なコアストランドに横方向に当接するサセプタプロファイルが、予め集合されたスリーブ材料内に放出される。これは、最終エアロゾル形成ロッドにおけるそれらの所望の位置におけるコア部分およびサセプタの位置的安定性に関して有利であり得る。
【0142】
図4にさらに示すように、成形装置100は、スリーブ形成装置120の外側漏斗121の内表面に配設された二つの案内フィン180をさらに備える。さらに、成形装置100は、コア形成装置の内側漏斗の外表面に配設された二つの案内フィン190を備える。外側漏斗121の内表面にある案内フィン180および内側漏斗131の外表面にある案内フィン190は、成形装置の長軸方向中心軸107に対して90度シフトされて、異なる円周方向位置に配設される。これらの案内フィン180、190は、スリーブ材料をスリーブ形成装置120の下流端に向かって案内するように構成される。有利なことに、案内フィン180、190は、成形装置100の異なる部分とスリーブ材料との間の摩擦に起因して生じ得る、スリーブ形成プロセス中のスリーブ形成装置およびコア形成装置の望ましくない加熱を低減するのに役立ち得る。
【0143】
エアロゾル形成ロッド内のコア部分およびサセプタの位置を調整するために、成形装置は、長軸方向ガイド140およびコア形成装置130それぞれに動作可能に連結された第一の並進移動ステージ171および第二の並進移動ステージ172を備える。本発明では、第一の並進移動ステージ171は、成形装置100の長軸方向中心軸107に沿って、コア形成装置130に対する長軸方向ガイド140の軸方向位置を調整するように構成される。これにより、サセプタプロファイル401が予め集合されたコア材料と一緒になる軸方向位置を調整することが可能になる。第二の並進移動ステージ172は、三つの方向、すなわち、成形装置100の長軸方向中心軸107に平行な第一の方向、長軸方向中心軸107に垂直な第二の方向、および第二の方向および長軸方向中心軸107に垂直な第三の方向に沿って、スリーブ形成装置120に対するコア形成装置130の位置を調整するように構成される。これにより、連続的なコアストランドおよびサセプタが、予め集合されたスリーブ材料と一緒になる位置が三次元で制御され得る。
【0144】
スリーブ形成装置120の下流端で、連続的なスリーブストランド、コアストランド、サセプタプロファイルおよび連続的なコアストランドは、成形装置100を離れる。実体内で、連続的なスリーブストランドは、スリーブ部分の断面形状に対応する断面形状を有し、連続的なコアストランドは、コア部分の断面形状に対応する断面形状を有し、サセプタは、連続的なコアストランドに横方向に当接する。
【0145】
図3を再び参照すると、製造装置100は、連続的なコアストランド、サセプタプロファイル、および連続的なスリーブストランドの実体を連続的なエアロゾル形成ロッドストランドへと形成するように構成される、成形装置100の下流にあるロッド形成装置800をさらに備える。図3には示さないが上述するように、ロッド形成装置800は、少なくとも一つの半漏斗と相互作用して最終ロッド形状を形成するガルニチュールテープを備えてもよい。ガルニチュールテープは、ラッパー供給源(図示せず)によってロッド形成装置800の上流端に供給されるラッパーをさらに支持し得る。動作中、ラッパーは、ラッパーによって完全に囲まれている連続的なエアロゾル形成ロッドストランドがその下流端においてロッド形成装置800から出るように、基体ウェブがスリーブ部分の周りに漸進的に集合するのに伴って基体ウェブの周りに自動的に巻かれる。
【0146】
ロッド形成装置の下流で、製造装置1000は、連続的なエアロゾル形成ロッドストランドを本発明による個々の誘導加熱式エアロゾル形成ロッドへと切断するための切断装置900をさらに備え得る。
図1
図2
図3
図4
図5