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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-19
(45)【発行日】2024-11-27
(54)【発明の名称】連続基材を洗浄するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   D06L 1/16 20060101AFI20241120BHJP
   D06B 13/00 20060101ALI20241120BHJP
   B08B 3/02 20060101ALI20241120BHJP
   B08B 3/08 20060101ALI20241120BHJP
   B08B 5/04 20060101ALI20241120BHJP
【FI】
D06L1/16
D06B13/00
B08B3/02 C
B08B3/08 A
B08B5/04 A
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2022506186
(86)(22)【出願日】2020-07-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-17
(86)【国際出願番号】 US2020044450
(87)【国際公開番号】W WO2021022133
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2023-05-17
(31)【優先権主張番号】62/881,317
(32)【優先日】2019-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/943,506
(32)【優先日】2020-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー ホール
【審査官】市村 脩平
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-525998(JP,A)
【文献】特表平11-513079(JP,A)
【文献】特開昭54-077789(JP,A)
【文献】特開昭63-066366(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06B1/00-23/30
D06G3/00-29/00
D06G1/00-5/00
D06H1/00-7/24
D06J1/00-1/12
D06L1/00-4/75
B08B1/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続基材を洗浄する方法であって、
前記連続基材から粒子状物質を除去するために、第1の洗浄流体の高圧低流量噴霧を前記連続基材に対して1つ以上のノズルから加えることと、
高圧低容量噴霧を有する第1の容量部から撹拌槽を有する第2の容量部へ前記連続基材を搬送することと、
前記第1の容量部から前記第2の容量部への前記連続基材の搬送時に水分を前記連続基材から吸引することと、
メガソニックトランスデューサ又は超音波トランスデューサのうちの少なくとも一方を使用して、前記撹拌槽内の前記連続基材に対してエネルギーを向かわせることと、
前記連続基材を乾燥させることと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記攪拌槽内の前記連続基材の反対側に配置された反射板を使用して、メガソニックトランスデューサまたは超音波トランスデューサのうちの少なくとも一方からのエネルギーを前記連続基材に向けて反射させることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記高圧低流量噴霧を加えることは、
1つ以上の第1のノズルを介して高圧低流量噴霧によって前記連続基材の第1の側に対して噴霧することと、
1つ以上の第2のノズルを介して高圧低流量噴霧によって前記連続基材の第2の側に対して噴霧することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記高圧低流量噴霧を加えることは、前記連続基材の横断方向における複数の箇所で前記連続基材の部分を変位させ、噴霧された前記第1の洗浄流体を前記連続基材から離れる方向に向かわせるための波形を生じさせることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記高圧低流量噴霧は、前記連続基材の長さに沿った異なる箇所で前記連続基材を異なる横断方向の箇所において変位させる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記連続基材が前記連続基材の長さに沿った前記異なる箇所の間でローラー周りを通る経路に設定することを更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記連続基材は、幅が6インチ~12インチである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の洗浄流体は脱イオン水を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記連続基材は、前記高圧低流量噴霧を加えている間は沈められない、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記高圧低流量噴霧の後に前記連続基材をすすぐことを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記撹拌槽に水を加えるとともに、前記第1の洗浄流体を、堰壁を超えて排出部に流出させることによって前記第1の洗浄流体を前記撹拌槽内で循環させることを更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の洗浄流体を循環させることは、粒子を前記排出部へ向けて導くことを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
1つ以上の噴霧ノズルを介して前記第1の洗浄流体を前記撹拌槽内に噴霧し、前記撹拌槽内に表面乱流を生じさせることを更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項14】
前記撹拌槽に続いて前記連続基材をすすぐことを更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項15】
前記連続基材を前記撹拌槽内へ入れ、拌機に隣接させ、前記撹拌槽から外へ出すように搬送することを更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項16】
第2の洗浄流体の噴霧を用いて前記連続基材をすすぐことを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の洗浄流体又は前記第2の洗浄流体のうちの少なくとも一方は、表面活性剤を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の洗浄流体と前記第2の洗浄流体とは同じである、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記乾燥させることは、温められた及び濾過された空気を前記連続基材に加えることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記高圧低流量噴霧は、ノズルごとの流れが0.15ガロン/分(gpm)~0.42gpmであることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記高圧低流量噴霧は、ノズルごとの流れが0.20gpm~0.28gpmであることを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記高圧低流量噴霧は、ノズルごとの圧力が40ポンド/平方インチ(PSI)~80PSIであることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記高圧低流量噴霧の前に熱水すすぎ又は冷水すすぎのうちの少なくとも一方を前記連続基材に加えることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
連続基材を洗浄するシステムであって、
前記連続基材から粒子状物質を除去するために、第1の洗浄流体の高圧低流量噴霧を連続基材に対して噴霧するように構成された1つ以上のノズルと、
撹拌槽と、高圧低容量噴霧を有する第1の容量部から前記撹拌槽を有する第2の容量部へ前記連続基材を搬送するように構成された複数のローラーと、
前記撹拌槽内の撹拌機であって、メガソニックトランスデューサ又は超音波トランスデューサのうちの少なくとも一方を備え、前記連続基材に対してエネルギーを向かわせるように構成された、撹拌機と、
前記連続基材を第1の容量部から第2の容量部へ搬送する際に前記連続基材から水分を吸引するように構成された吸引ノズルと、
前記連続基材を乾燥させるように構成された乾燥機と、
を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、包括的には、清浄な繊維製品の製造に関し、より詳細には、連続基材を洗浄するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
クリーンルーム用途に適したレベルに基材を洗浄する従来のシステム及び方法は、処理量が限られている、及び/又は粒子状物質を基材から除去する能力が限られている。例えば、従来のシステム及び方法
【発明の概要】
【0003】
連続基材を洗浄するシステム及び方法は、実質的に図面のうちの少なくとも1つによって図示されるとともにその図に関して説明され、特許請求の範囲においてより完全に明記されるように開示される。
【0004】
本開示のこれらの特徴、態様、及び利点並びに他の特徴、態様、及び利点は、以下の詳細な説明が添付図面を参照して読まれるとより良好に理解され、図面を通して同様の参照符号は同様の部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1A】本開示の態様に係る、連続基材を洗浄する例示のシステムの概略図である。
図1B】本開示の態様に係る、連続基材を洗浄する例示のシステムの概略図である。
図2】本開示の態様に係る、洗浄流体の高圧低流量噴霧と撹拌槽とを含む、連続基材を洗浄する例示のシステムの概略図である。
図3図1A及び/又は図2の高圧低流量噴霧による連続基材の例示の変位を示す図である。
図4図1A及び/又は図2のノズルを実施するために用いることができる例示の高圧低流量ノズルアセンブリの斜視図である。
図5】本開示の態様に係る、連続基材を洗浄するために行うことができる例示の方法を表すフロー図である。
図6】本開示の態様に係る、洗浄流体の高圧低流量噴霧を用いて連続基材を洗うために行うことができる例示の方法を表すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図面は、必ずしも正確な縮尺ではない。適切な場合は、同様の又は同一の参照番号を使用して、同様の又は同一の構成要素を指す。
【0007】
クリーンルーム用途は、典型的に、ワイパーを用いて表面を拭く等、吸着基材を用いた洗浄の恩恵を受ける。感度の高い製品又は機器が汚染される可能性を低減するために、吸着基材は、典型的に、基材上に存在する粒子状物質及び/又はイオンが閾値よりも少なくなるような方法で製造される。
【0008】
ワイパーが切断及び包装され得る、連続基材を洗浄する従来の技法では、処理量が限られ得る(例えば、洗浄、出力、及び/又は包装される基材の量が閾値よりも低い)、及び/又は清浄度が限られ得る(例えば、粒子の数の閾値よりも大きい)。
【0009】
開示される例示の連続基材を洗浄する方法は、連続基材から粒子状物質を除去するために、第1の洗浄流体の高圧低流量噴霧を連続基材に対して1つ以上のノズルから加えることと、メガソニックトランスデューサ又は超音波トランスデューサのうちの少なくとも一方を備え、連続基材に対してエネルギーを向かわせるように構成された、撹拌機と、連続基材を乾燥させることとを伴う。
【0010】
開示される例示の連続基材を洗浄するシステムは、連続基材から粒子状物質を除去するために、第1の洗浄流体の高圧低流量噴霧を連続基材に対して噴霧するように構成された1つ以上のノズルと、メガソニックトランスデューサ又は超音波トランスデューサのうちの少なくとも一方を備え、連続基材に対してエネルギーを向かわせるように構成された、撹拌機と、連続基材を乾燥させるように構成された乾燥機とを備える。
【0011】
幾つかの例示のシステムは、撹拌槽内で連続基材を洗浄するように構成された撹拌機を更に有する。
【0012】
幾つかの例示のシステム及び方法は、撹拌機から連続基材の反対側に位置し、エネルギーを撹拌機から連続基材に向けて反射させるように構成される、反射板を更に備える。
【0013】
幾つかの例示のシステム及び方法において、高圧低流量噴霧を加えることは、1つ以上の第1のノズルを介して高圧低流量噴霧によって連続基材の第1の側に対して噴霧することと、1つ以上の第2のノズルを介して高圧低流量噴霧によって連続基材の第2の側に対して噴霧することとを含む。幾つかの例において、高圧低流量噴霧を加えることは、連続基材の横断方向における複数の箇所で連続基材の部分を変位させ、噴霧された第1の洗浄流体を連続基材から離れる方向に向かわせるための波形を生じさせることを伴う。
【0014】
幾つかの例において、高圧低流量噴霧は、連続基材の長さに沿った異なる箇所で連続基材を異なる横断方向の箇所において変位させる。幾つかの例示のシステム及び方法は、連続基材が連続基材の長さに沿った異なる箇所の間でローラー周りを通る経路に設定することを更に伴う。
【0015】
幾つかの例示のシステム及び方法は、幾つかの例において、連続基材は、幅が6インチ~12インチである。幾つかの例において、連続基材の洗浄は、連続基材を撹拌槽内へ入れ、1つ以上の撹拌機に隣接させ、撹拌槽から外へ出すように搬送することを伴う。幾つかの例示のシステム及び方法は、第1の洗浄流体をチャンバーに加えるとともに第1の洗浄流体を撹拌槽から堰壁を越えて排出部に流出させることによって流体を撹拌槽内で循環させることを更に伴う。幾つかの例において、第1の洗浄流体を循環させることは、粒子を排出部へ向けて導くことを伴う。幾つかの例示のシステム及び方法は、1つ以上の噴霧ノズルを介して第1の洗浄流体を撹拌槽内に噴霧し、撹拌槽内に表面乱流を生じさせることを更に伴う。
【0016】
幾つかの例示のシステム及び方法において、連続基材は、高圧低流量噴霧を加えている間は沈められない。幾つかの例示のシステム及び方法は、高圧低流量噴霧の後に連続基材をすすぐことを更に伴う。幾つかの例示のシステム及び方法は、高圧低容量噴霧を有する第1の容量部から撹拌機を有する第2の容量部へ連続基材を搬送することを更に伴う。幾つかの例示のシステム及び方法は、第1の容量部から第2の容量部への連続基材の搬送時に水分を連続基材から吸引することを更に伴う。
【0017】
幾つかの例示のシステム及び方法は、高圧低流量噴霧の前に熱水すすぎ又は冷水すすぎのうちの少なくとも一方を連続基材に加えることを伴う。幾つかの例示のシステム及び方法は、撹拌槽に続いて連続基材をすすぐことを更に伴う。幾つかの例示のシステム及び方法は、第2の洗浄流体の噴霧によって連続基材をすすぐことを更に伴う。幾つかの例において、第1の洗浄流体又は第2の洗浄流体のうちの少なくとも一方は、表面活性剤を含む。幾つかの例において、第1の洗浄流体と第2の洗浄流体とは同じである。幾つかの例示のシステム及び方法において、第1の洗浄流体は脱イオン水を含む。幾つかの例において、乾燥させることは、温められた及び濾過された空気を連続基材に加えることを伴う。幾つかの例は、1つ以上の撹拌機を用いて連続基材を撹拌槽内で洗うことを更に伴う。
【0018】
本明細書において使用される場合、「高圧低流量噴霧」という用語は、流体のノズルごとの圧力が少なくとも40ポンド/平方インチ(PSI)であり、ノズルごとの流量が少なくとも0.15ガロン/分(gpm)である、流体噴霧を指す。幾つかの例示のシステム及び方法において、高圧低流量噴霧は、ノズルごとの流れが0.15ガロン/分(gpm)~0.42gpmであることを伴う。幾つかの例示のシステム及び方法において、高圧低流量噴霧は、ノズルごとの流れが0.20gpm~0.28gpmであることを伴う。幾つかの例示のシステム及び方法において、高圧低流量噴霧は、ノズルごとの圧力が40ポンド/平方インチ(PSI)~80PSIであることを含む。
【0019】
図1A及び図1Bは、連続基材102を洗浄する例示のシステム100の概略図である。例示のシステム100は、連続基材102の供給(例えば、供給原料のロール又は他の供給源)を受け、連続基材102を洗浄し、連続基材102を乾燥させる。図示されている例において、システム100は、洗浄及び乾燥に従って連続基材102を更に切断及び包装する。幾つかの例において、基材102は、幅が6インチ~12インチである。しかし、他の幅を用いてもよい。
【0020】
例示の基材102は、ニットポリエステル材料、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリカプロラクトン、ポリグリコリド、ポリラクチド、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシバレレート、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリプロピレンサクシネート等であり得る。
【0021】
付加的には又は代替的には、他の合成材料、例えばポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリパラフェニレン-テレフタルアミド、ポリアミド(例えば、Nylon 6、Nylon 6/6、Nylon 12、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸等)、ポリアミン、ポリイミド、ポリアクリル酸(例えば、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、メタクリル酸及びアクリル酸のエステル等)、ポリカーボネート(例えば、ポリビスフェノール)、ポリジエン(例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリノルボルネン等)、ポリエポキシド、ポリエーテル(例えば、ポリエチレングリコール(ポリエチレンオキシド)、ポリブチレングリコール、ポリプロピレンオキシド、ポリオキシメチレン(パラホルムアルデヒド)、ポリテトラメチレンエーテル(ポリテトラヒドロフラン)、ポリエピクロロヒドリン等)、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリブテン、ポリオクテン等)、ポリフェニレン(例えば、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテルスルホン等)、ケイ素含有ポリマー(例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリカルボメチルシラン等)、ポリウレタン、ポリビニル(例えば、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールのエステル及びエーテル、ポリビニルアセテート、ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリメチルビニルエーテル、ポリエチルビニルエーテル、ポリビニルメチルケトン等)、ポリアセタール、及びポリアリレート(arylates)等を使用することができる。
【0022】
幾つかの例において、ポリエステル及び/又はセルロース系材料の混合物を用いてもよい。また、合成材料からなる織布及び/又は不織布の混合物を用いてもよい。
【0023】
図1Aに示されているように、例示のシステム100は、第1のすすぎセクション104、第2のすすぎセクション106、洗いセクション108、撹拌槽セクション110、及び最終すすぎセクション112を含む。図1Bに示されているように、最終すすぎセクション112に続いて、連続基材は、乾燥機114、切断機116、及び包装機118を通って進行する。
【0024】
第1のすすぎセクション104及び第2のすすぎセクション106は、すすぎノズル120、122を用いて、供給材料に対する最初のすすぎを提供する。図1Aの例において、第1のすすぎセクション104内のすすぎノズル120は冷たい脱イオン水をすすぎ流体として噴霧し、第2のすすぎセクション106内のすすぎノズル122は温かい又は熱い脱イオン水をすすぎ流体として噴霧する。幾つかの例において、第1のすすぎセクション104又は第2のすすぎセクション106のうちの一方又は双方は、洗浄流体として脱イオン水とともに表面活性剤を含む。第1のすすぎセクション104及び第2のすすぎセクション106は、大きな粒子状物質を連続基材102からすすぎ落として洗いセクション108及び撹拌槽セクション110への負荷を低減させるために用いることができる。幾つかの他の例において、第1のすすぎセクション104及び/又は第2のすすぎセクション106はシステムから省かれる。
【0025】
例示のすすぎノズル120、122は、高圧及び/又は低流量のすすぎを基材102に提供することができる。他の例において、すすぎは、洗いセクション108及び/又は撹拌槽セクション110と比して、異なる温度(複数の場合もある)で行うことができる、低い圧力で行うことができる、及び/又は基材102に対して異なる角度方向で行うことができる。
【0026】
例示の洗いセクション108は、連続基材102の両側で脱イオン水(又は洗浄流体)を噴霧する高圧低流量ノズル126、128のセットを含む。基材102は、ローラー130のセットによって洗いセクション108を通る経路に設定される。ローラー130及びノズル126、128のセットは、一方のノズル126のセットが基材102の第1の側に対して噴霧し、他方のノズル128のセットが基材102の第2の側に対して噴霧するように配置される。例示の配置が図1Aに示されているが、ノズル126、128及びローラー130の任意の他の配置を用いてもよい。例示のノズル126、128は、固定とすることができる、又は調整可能とすることができる(例えば、回転、並進等を行うことができる)。
【0027】
図1Aの例において、高圧低流量ノズル126、128は、横断方向における複数箇所で連続基材102の一部を変位させる(例えば、変位点において基材102の進行の方向に対して垂直)。例示のノズル126、128は、基材102に波形を生じさせるように、基材102の幅にわたって噴流を分離又は離隔させることができる。基材102に波形を生じさせることにより、ノズル126、128によって噴霧される流体は基材102から離れる方向へ向かわされ、高圧低流量噴霧によって解き放たれた粒子状物質が再び堆積することを低減する。
【0028】
例示のノズル126、128は、基材102の進行経路に沿った複数箇所で基材102に対して噴霧する。図1Aの例において、進行経路に沿った噴霧箇所は、洗いセクション108内における基材102の進行経路を規定するローラー130によって離される。他のローラー130も同様に、他のセクション104、106、110、112における基材102の進行経路を規定する。
【0029】
図1Aの例において、ノズル126、128は、基材102の横断方向における異なる箇所を基材102の進行経路に沿った異なる位置で噴霧する。以下でより詳細に考察する図3は、横断方向における異なる箇所が所与の時間に基材102の長さに沿った連続する位置で噴霧される例を示している。
【0030】
基材102の各側で横断方向における異なる箇所を噴霧することにより、ノズル126、128によって提供される高圧低流量噴霧は、連続基材102が洗いセクション108を通って進行する間に、より小さい粒子を基材102から効率的に除去するとともにすすぎ落とす。
【0031】
例示の撹拌槽セクション110は、槽セクション132及び排出セクション134に分けられ、これらは堰壁136又は他の障壁によって分離される。槽セクションは、連続基材102を更に洗う撹拌機138を含む。図1Aの例において、撹拌機138はメガソニック超音波放出器(megasonic emitter)である。メガソニック超音波放出器は、800kHz~2.0MHzの1つ以上の周波数の音響エネルギーを放出する。幾つかの例において、メガソニック超音波放出器は、800kHz~1.2MHz又は900kHz~1.1MHzの1つ以上の周波数の音響エネルギーを放出する。しかしながら、超音波放出器(例えば、20kHz~80kHz及び/又は20kHz~50kHzの周波数)等の他の撹拌機を使用してもよい。例示の撹拌槽110は、撹拌機138から基材102の反対側に、撹拌エネルギー(例えば、メガソニックエネルギー)を基材102に向けて戻すように反射する反射器140を更に有する。例示の堰壁136は、槽流体142に堰壁136を越えて及び/又は堰壁136の周りを(例えば、堰壁136と撹拌槽セクション110の鉢部(basin)141との間の隙間を通じて)流れさせることができる。
【0032】
槽セクション132において基材102から解き放たれたイオン及び/又は残留粒子は、槽流体142に対して浮遊する傾向にある。図1Aの例において、槽流体142は脱イオン水である。撹拌槽セクション110は、高圧低流量ノズル144、146を含む。ノズル144、146は、洗いセクション108内のノズル126、128と同様又は同一のものとすることができるとともに、撹拌槽の前に基材102を付加的に洗うために用いることができる。
【0033】
撹拌槽セクション110内のノズル144、146のうちの少なくとも一方は、槽流体142内に向けられる。槽流体142に向けられた噴霧は、槽流体142を補充するものであるとともに、槽流体142内に乱流を発生させる。結果として、槽流体142内に浮遊する粒子及び/又はイオンは、堰壁136を越えて及び/又は堰壁136の周りを進み、排出セクション134に運搬される。排出セクション134は、流体を排出する。幾つかの例において、排出された流体は、システム100に戻るように循環させることができる。
【0034】
最終すすぎセクション112は、乾燥、切断、及び/又は包装の前に基材102に対して洗浄流体の最終すすぎを提供するノズル148、150を含む。最終すすぎセクション112は、前のセクション104~110内で解き放たれたが基材102から除去されなかった粒子及び/又はイオン、及び/又は除去されて撹拌槽セクション110を通って進行しているときに基材102に再び付着した粒子及び/又はイオンを除去することができる。例示のノズル148、150は、ノズル126、128、144、146よりも低い噴霧圧力を提供することができる。
【0035】
図1Aの例示のセクション104~112は、洗浄流体を収容及び/又は回収するように構成された、及び/又はセクション104~112間の液はねを低減又は防止するように構成された別個の鉢部内に収容される。例示のシステム100は、基材102をガイドする、基材102を前進させるための中間力を提供する、及び/又は基材102の進行経路を規定するように構成されたローラー152をセクション104~112間に有する。幾つかの例において、ローラー152は、モーターによって駆動されて基材102をセクションからセクションへ引っ張るものであり、これにより、セクション112の端部の単一の箇所から基材102を引っ張る場合と比して、基材102に対する応力が低減される。
【0036】
付加的又は代替的に、システム100は、セクション104~112のうちの1つ以上の後に水分及び/又は粒子状物質を基材102から除去するように構成された吸引ノズル154を有することができる。図1Aの例において、吸引ノズル154は、各セクション104~112の端部において(又はこれに続いて)基材進行経路に隣接して位置決めされ、水分及び/又は粒子を基材102から吸引する。
【0037】
図1Bを見てみると、最終すすぎセクション112に続き、連続基材102は、濾過及び加熱された空気を用いて基材102を乾燥させる乾燥機114に供給される。吸引ノズル154は、乾燥機114の前に基材に隣接して位置決めして水分及び/又は粒子を基材102から除去することができ、これにより、乾燥機114に対する負荷を低減する。
【0038】
例示の切断機116は、連続基材102を、個別のワイパー等の基材102の個別のセクション156に切断する。幾つかの例において、切断機116は、基材102の複数のセクション156を積載又は別様に配置して包装のためのグループとすることもできる。包装機118は、切断機116によって作製されたセクション156を包装し、所定数のワイパーを収容するパッケージ158等のパッケージにすることができる。
【0039】
幾つかの他の例において、乾燥機114、切断機116、及び/又は包装機118をシステム100から省くことができ、洗い終えた連続基材及び/又は基材の個別のセクションを乾燥、切断、及び/又は包装のための別個のエリアへ移動させることができる。
【0040】
図1A及び図1Bの例示のシステム100は、乾燥機114、切断機116、及び/又は包装機118の出力部において、洗浄された基材102(例えば、各ワイパー)では、好ましくは、約0.5μm~5.0μmの粒子及び/又は繊維の数が1平方メートルあたり約0.5×l06個~5.0×l06個、及び/又は長さが約5.0μm~100μmの粒子及び/又は繊維の数が1平方メートルあたり約30000個~70000個、及び/又は100μmよりも大きい繊維の数が1平方メートルあたり150個未満となるように基材102を洗浄する。
【0041】
幾つかの例において、洗浄された基材102は、約0.06ppm未満のカリウム、約0.05ppm未満の塩化物、約0.05ppm未満のマグネシウム、約0.20ppm未満のカルシウム、約0.30ppm未満のナトリウム、及び/又は約0.20ppm未満の硫酸塩を有する。付加的又は代替的に、洗浄された基材102(例えば、基材102から作製された各ワイパー)は、約0.02g/m2のイソプロピルアルコール抽出剤、及び約0.01g/m2の脱イオン水抽出剤を有する。付加的又は代替的に、洗浄された基材102(例えば、基材102から作製された各ワイパー)は、約300mL/m2~650mL/m2の水吸収性を有する。幾つかの例において、洗浄された基材102は、およそ450mL/m2の水吸収性を有する。
【0042】
図2は、洗浄流体の高圧低流量噴霧と撹拌槽とを含む、連続基材(例えば、連続基材102)を洗浄する別の例示のシステム200の概略図である。図2の例示のシステム200は、図1Aの洗いセクション110と撹拌槽セクション112とを有し、他のセクション104、106、112は省かれている。図1A及び図1Bの例示のシステム100と比較して、システム200は、所与の供給材料に対する負荷が増加した状態となり得る、及び/又は高い処理量を提供し得る(例えば、連続基材102の1分あたりのフィート数)。
【0043】
図3は、図1A及び/又は図2の高圧低流量噴霧による連続基材102の例示の変位を示す。基材102の進行経路は真っ直ぐではないが、基材102の例示の進行経路302は、進行経路に沿った複数の点における基材102の幅を示すために、図3の図示においては平坦となっている。
【0044】
例示の基材102は、所与の時間で複数のセクション304、306、308、310にわたって進行し、セクション304~310は、それぞれのローラー312、314、316、318(又はガイド部)によって分離される。ローラー312~318は、基材102をガイドする、及び/又は基材102の横方向の移動を低減若しくは防止する特徴を有することができる。
【0045】
基材102の変位は輪郭線によって図3に示されており、これらの輪郭線は破線の形態で図示されている。例において示されているように、高圧低流量噴霧の中心点では中心点の間よりも変位が大きくなっており、これにより、基材102の幅にわたって波形が生じることとなる。
【0046】
幾つかの例において、セクション304~310のうちの1つ以上については第1の方向に変位が生じており(例えば、第1の側から基材102に対して噴霧することによる)、セクション304~310のうちのその他については逆方向に変位が生じている(例えば、他方の側から基材102に対して噴霧することによる)。
【0047】
図4は、図1A及び/又は図2のノズル126、128、144、146を実施するために使用することができる例示の高圧低流量ノズルアセンブリ400の斜視図である。例示のノズルアセンブリ400は、マニホールド402を有する。マニホールド402は、洗浄流体を受け取り(例えば、マニホールド内の入口404を介して)、マニホールドの複数の側に出口のセットを有する。例示のマニホールドは正方形の断面を有するが、他の断面形状を有してもよい。
【0048】
例示のマニホールド402内の出口は、高圧低流量ノズル406又はプラグ408に連結される。図4の例において、マニホールド402の所与の側において、出口は交互のパターンでノズル406及びプラグ408に連結される(例えば、ノズル406は他のノズル406に隣接せず、プラグ408は他のプラグ408に隣接しない等)。したがって、マニホールド402の各側は、図3に示されているパターン等、基材102内に変位のパターンを生じさせることができる。
【0049】
マニホールド402の所与の側に交互のノズルパターンを有することに加えて、隣接する側(例えば、第1の側410及び第2の側412、第1の側及び第3の側414等)も、対応する出口位置に対して交互のパターンを有することができる。隣接する側の間の交互のパターンは、交互の波状パターンを提供し、横断方向における基材102の異なる部分に変位を生じさせる。例えば、第1の側410の第1の出口416aがプラグ408に連結される一方、第1の側410に隣接する側412、414の同じ長さ方向の位置にある出口416b、416cはノズル406に連結される。逆に、第1の側410の次の出口418aがノズル406に連結される一方、第1の側410に隣接する側412、414の同じ長さ方向の位置にある出口418b、418cはプラグ408に連結される。
【0050】
例示のノズル406は、洗浄流体の高圧低流量噴霧を提供する。図1A図1B図2図3、及び図4の例において、例示のノズル406のそれぞれには、40ポンド/平方インチ(PSI)~80PSIの圧力が提供され、ノズル406のそれぞれは、0.15ガロン/分(gpm)~0.42gpmの流れを出力する。幾つかのこのような例において、ノズル406のそれぞれは、0.20ガロン/分(gpm)~0.28gpmの流れを出力する。
【0051】
図5は、連続基材を洗浄するために行うことができる例示の方法500を表すフロー図である。例示の方法500は、図1A及び図1Bの例示のシステム100によって実施することができる。
【0052】
ブロック502において、連続基材102の供給材料が洗浄システム100の入力部に供給される。例えば、システム100への供給のために、連続基材102のロールを主軸又は他の支持構造に積み込むことができる。
【0053】
ブロック504において、すすぎセクション104、106は、熱い洗浄流体すすぎ及び/又は冷たい洗浄流体すすぎを用いて連続基材102をすすぐ。すすぎは、洗浄流体の高圧及び/又は低圧噴霧を用いて行うことができる。幾つかの例において、洗浄流体は脱イオン水である。しかしながら、幾つかの他の例において、表面活性剤(複数の場合もある)及び/又は他の洗浄剤を脱イオン水である洗浄流体に含んでもよい。
【0054】
ブロック506において、洗いセクション108(例えば、固定のノズル126、128、図4のノズル406を介して)は、洗浄流体の高圧低流量噴霧を連続基材102に対してノズル(例えば、ノズル126、128、図4のノズル406)から加え、粒子状物質を基材102から除去する。例えば、洗いセクション108は、第1のノズル126を介して高圧低流量噴霧により連続基材102の第1の側に対して噴霧するとともに、第2のノズル128を介して高圧低流量噴霧により連続基材102の第2の側に対して噴霧することができる一方、連続基材102は洗いセクション108内で進行経路を通る経路に設定される。幾つかの例において、洗いは、追加のノズル144、146を用いて撹拌槽セクション110内でも行うことができる。
【0055】
高圧低流量噴霧を加えること(例えば、ノズル126、128、144、146を介して)は、連続基材102の横断方向又は横方向(例えば、基材102の幅にわたる)における複数の箇所で連続基材102の一部を変位させ、噴霧流体及び解き放たれた粒子を基材102から離れる方向に向かわせる波形を生じさせることを伴い得る。図3に示されているように、高圧低流量噴霧は、連続基材102の横断方向の(例えば、横方向の)箇所において連続基材102の長さに沿った異なる位置で連続基材102を変位させることができる。基材102の長さに沿った異なる位置は、ガイド部又はローラー(例えば、ローラー130、312~318)によって離すことができる。
【0056】
ブロック508において、撹拌槽セクション110は、1つ以上の撹拌機(例えば、メガソニック超音波放出器138、反射器140)を用いて撹拌槽内で連続基材102を洗う。幾つかの例において、撹拌槽内で連続基材102を洗うことは、連続基材102を撹拌槽内へ入れ、撹拌機(複数の場合もある)に隣接させ、撹拌槽から外へ出すように搬送することで、解き放たれた粒子及び/又はイオンが基材102に戻って再び付着することを低減又は防止することを含む。
【0057】
ブロック510において、最終すすぎセクション112は、連続基材102をすすぐ。ブロック512において、吸引ノズル(複数の場合もある)154は、水分を連続基材102から吸引する。付加的又は代替的に、吸引は、各ブロック504~510の後に行うことができる。ブロック514において、例示の乾燥機114は、連続基材102を乾燥させる。例えば、乾燥機114は、加熱及び濾過された空気を基材102に対して及び/又は基材102の周りに吹き付けて基材102を乾燥させることができる。幾つかの例において、方法500は、ブロック502~514に伴って連続基材102を切断及び/又は包装することを更に含むことができる。
【0058】
そして、例示の方法500が終了する。上では、例示の方法500について基材102の所与のセクションを参照して説明した。連続基材102は連続的にシステム100を通って移動することから、ブロック504~514は、連続基材102の異なるセクションにおいて連続的及び同時に行うことができる。
【0059】
図6は、洗浄流体の高圧低流量噴霧を用いて連続基材を洗うために行うことができる例示の方法600を表すフロー図である。例示の方法600は、図5のブロック506、及び/又は洗浄流体の高圧低流量噴霧を伴う任意の他のブロックを実施するために図1A及び/又は図2の洗いセクション108によって用いられ得る。
【0060】
ブロック602において、例示のノズル126(例えば、図4のノズルアセンブリ400の側414のノズル406を介して)は、高圧低流量噴霧によって連続基材102の第1の側の第1のセクションに対して噴霧する。例えば、ノズル126は、ノズル406を用いて、基材102の第1のセクション304の幅にわたる離隔した部分に対して噴霧することができる)。幾つかの例において、ノズル126は、噴霧されたセクションの間の第1のセクション304の部分に対して噴霧しない(又は、有効な変位を生じさせるのに十分な噴霧をしない)。言い換えると、ノズル126は、変位された基材102の幅にわたるエリアと変位されないエリアとを交互にすることができる。
【0061】
ブロック604において、ノズル126は(例えば、図4のノズルアセンブリ400の側410のノズル406を介して)高圧低流量噴霧によって連続基材102の第1の側の第2のセクションに対して噴霧する。例えば、ノズル126は、ノズル406を用いて、基材102の第2のセクション306の幅にわたる離隔した部分に対して噴霧することができる)。幾つかの例において、噴霧又は変位される部分は、基材102の幅にわたって、ブロック602の噴霧又は変位される部分とは異なる(例えば、セクション304内)。
【0062】
ブロック606において、ノズル128は(例えば、図4のノズルアセンブリ400の側414のノズル406を介して)高圧低流量噴霧によって連続基材102の第1の側の第1のセクションに対して噴霧する。例えば、ノズル128は、ノズル406を用いて、基材102の第3のセクション308の幅にわたる離隔した部分に対して噴霧することができる)。幾つかの例において、ノズル128は、噴霧されたセクションの間の第3のセクション308の部分に対して噴霧しない(又は、有効な変位を生じさせるのに十分な噴霧をしない)。言い換えると、ノズル128は、変位される基材102の幅にわたるエリアと変位されないエリアとを交互にすることができる。
【0063】
ブロック608において、ノズル128は(例えば、図4のノズルアセンブリ400の側410のノズル406を介して)高圧低流量噴霧によって連続基材102の第2の側の第2のセクションに対して噴霧する。例えば、ノズル128は、ノズル406を用いて、基材102の第4のセクション310の幅にわたる離隔した部分に対して噴霧することができる)。噴霧又は変位される部分は、基材102の幅にわたって、ブロック606の噴霧又は変位される部分とは異なる(例えば、セクション306内)。
【0064】
基材102の一方側又は両側の追加のセクションに対して、高圧低流量噴霧を用いて噴霧することができる。上では、例示の方法600について基材102の所与のセクションを参照して説明した。連続基材102は連続的にシステム100を通って移動することから、ブロック602~608は、連続基材102の異なるセクションにおいて連続的及び同時に行うことができる。
【0065】
本方法及びシステムは、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせを使用して制御することができる。本方法及び/又はシステムは、少なくとも1つのコンピューティングシステムにおいて集中的に、又は幾つかの相互接続されたコンピューティングシステムにわたって異なる要素が分散される分散的に、制御することができる。本明細書において説明した方法を実行するように適合された任意の種類のコンピューティングシステム又は他の装置が適している。ハードウェア及びソフトウェアの典型的な組み合わせは、汎用コンピューティングシステムを、ロードされ実行されるとコンピューティングシステムを本明細書において説明した方法を実行するように制御するプログラム又は他のコードとともに、含むことができる。別の典型的な実施態様は、特定用途向け集積回路又はチップを含むことができる。幾つかの実施態様は、非一時的機械可読(例えば、コンピューター可読)媒体(例えば、フラッシュドライブ、光ディスク、磁気記憶ディスク等)を含むことができ、そうした非一時的機械可読媒体は、機械によって実行可能なコードの1つ以上のラインを記憶し、それにより、機械に、本明細書において説明したようなプロセスを実施させる。
【0066】
本明細書において使用される場合、「回路」及び「回路類」という用語は、物理的な電子構成要素(すなわち、ハードウェア)と、ハードウェアを構成することができ、ハードウェアが実行することができ、及び/又は他の方法でハードウェアに関連付けることができる、任意のソフトウェア及び/又はファームウェア(「コード」)とを指す。本明細書において使用される場合、例えば特定のプロセッサ及びメモリは、コードの第1の1つ以上のラインを実行しているとき、第1の「回路」を含むことができ、コードの第2の1つ以上のラインを実行しているとき、第2の「回路」を含むことができる。本明細書において使用される場合、「及び/又は」は、「及び/又は」によって連結されるリストにおける項目のうちの任意の1つ以上の項目を意味する。一例として、「x及び/又はy」は、3つの要素の組{(x),(y),(x,y)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えれば、「x及び/又はy」は、「x及びyのうちの一方又は両方」を意味する。別の例として、「x、y及び/又はz」は、7つの要素の組{(x),(y),(z),(x,y),(x,z),(y,z),(x,y,z)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えれば、「x、y及び/又はz」は、「x、y及びzのうちの1つ以上」を意味する。本明細書において使用される場合、「例示的な」という用語は、非限定的な例、事例又は例証としての役割を果たすことを意味する。本明細書において使用される場合、「例えば」という用語は、1つ以上の非限定的な例、事例又は例証のリストを開始する。本明細書において使用される場合、回路類は、或る機能を実施するために必要なハードウェア及びコード(いずれかが必要である場合)を含む場合はいつでも、その機能の実施が(例えば、ユーザーが構成可能な設定、工場トリム等により)無効にされる又は有効にされていないか否かにかかわらず、回路類はその機能を実行するように「動作可能」である。
【0067】
本方法及び/又はシステムを、或る特定の実施態様を参照して説明してきたが、当業者であれば、本方法及び/又はシステムの範囲から逸脱することなく、種々の変更を行うことができること及び均等物に置き換えることができることを理解するであろう。例えば、開示した例のブロック及び/又は構成要素を、組み合わせ、分割し、再配置し、及び/又は他の方法で変更することができる。加えて、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の教示に対して特定の状況又は材料を適合させるように多くの改変を行うことができる。したがって、本方法及び/又はシステムは、開示されている特定の実施態様に限定されない。代わりに、本方法及び/又はシステムは、字義どおりにでも均等論のもとにおいても、添付の特許請求の範囲内に入る全ての実施態様を含む。
なお、本開示には以下の態様も含まれる。
〔態様1〕
連続基材を洗浄する方法であって、
前記連続基材から粒子状物質を除去するために、第1の洗浄流体の高圧低流量噴霧を前記連続基材に対して1つ以上のノズルから加えることと、
メガソニックトランスデューサ又は超音波トランスデューサのうちの少なくとも一方を備え、前記連続基材に対してエネルギーを向かわせるように構成された、撹拌機と、
前記連続基材を乾燥させることと、
を含む、方法。
〔態様2〕
前記撹拌機から前記連続基材の反対側に位置し、前記エネルギーを前記撹拌機から前記連続基材に向けて反射させるように構成される、反射板を更に備える、態様1に記載の方法。
〔態様3〕
前記高圧低流量噴霧を加えることは、
1つ以上の第1のノズルを介して高圧低流量噴霧によって前記連続基材の第1の側に対して噴霧することと、
1つ以上の第2のノズルを介して高圧低流量噴霧によって前記連続基材の第2の側に対して噴霧することと、
を含む、態様1に記載の方法。
〔態様4〕
前記高圧低流量噴霧を加えることは、前記連続基材の横断方向における複数の箇所で前記連続基材の部分を変位させ、噴霧された前記第1の洗浄流体を前記連続基材から離れる方向に向かわせるための波形を生じさせることを含む、態様1に記載の方法。
〔態様5〕
前記高圧低流量噴霧は、前記連続基材の長さに沿った異なる箇所で前記連続基材を異なる横断方向の箇所において変位させる、態様4に記載の方法。
〔態様6〕
前記連続基材が前記連続基材の長さに沿った前記異なる箇所の間でローラー周りを通る経路に設定することを更に含む、態様5に記載の方法。
〔態様7〕
前記連続基材は、幅が6インチ~12インチである、態様1に記載の方法。
〔態様8〕
前記第1の洗浄流体は脱イオン水を含む、態様1に記載の方法。
〔態様9〕
前記連続基材は、前記高圧低流量噴霧を加えている間は沈められない、態様1に記載の方法。
〔態様10〕
前記高圧低流量噴霧の後に前記連続基材をすすぐことを更に含む、態様1に記載の方法。
〔態様11〕
高圧低容量噴霧を有する第1の容量部から撹拌槽を有する第2の容量部へ前記連続基材を搬送することを更に含む、態様1に記載の方法。
〔態様12〕
前記撹拌槽に水を加えるとともに、前記第1の洗浄流体を、堰壁を超えて排出部に流出させることによって前記第1の洗浄流体を前記撹拌槽内で循環させることを更に含む、態様11に記載の方法。
〔態様13〕
前記第1の洗浄流体を循環させることは、粒子を前記排出部へ向けて導くことを含む、態様12に記載の方法。
〔態様14〕
1つ以上の噴霧ノズルを介して前記第1の洗浄流体を前記撹拌槽内に噴霧し、前記撹拌槽内に表面乱流を生じさせることを更に含む、態様11に記載の方法。
〔態様15〕
前記第1の容量部から前記第2の容量部への前記連続基材の搬送時に水分を前記連続基材から吸引することを更に含む、態様11に記載の方法。
〔態様16〕
前記撹拌槽に続いて前記連続基材をすすぐことを更に含む、態様11に記載の方法。
〔態様17〕
前記連続基材を前記撹拌槽内へ入れ、前記撹拌機に隣接させ、前記撹拌槽から外へ出すように搬送することを更に含む、態様11に記載の方法。
〔態様18〕
第2の洗浄流体の噴霧を用いて前記連続基材をすすぐことを更に含む、態様1に記載の方法。
〔態様19〕
前記第1の洗浄流体又は前記第2の洗浄流体のうちの少なくとも一方は、表面活性剤を含む、態様18に記載の方法。
〔態様20〕
前記第1の洗浄流体と前記第2の洗浄流体とは同じである、態様18に記載の方法。
〔態様21〕
前記乾燥させることは、温められた及び濾過された空気を前記連続基材に加えることを含む、態様1に記載の方法。
〔態様22〕
前記高圧低流量噴霧は、ノズルごとの流れが0.15ガロン/分(gpm)~0.42gpmであることを含む、態様1に記載の方法。
〔態様23〕
前記高圧低流量噴霧は、ノズルごとの流れが0.20gpm~0.28gpmであることを含む、態様22に記載の方法。
〔態様24〕
前記高圧低流量噴霧は、ノズルごとの圧力が40ポンド/平方インチ(PSI)~80PSIであることを含む、態様1に記載の方法。
〔態様25〕
前記高圧低流量噴霧の前に熱水すすぎ又は冷水すすぎのうちの少なくとも一方を前記連続基材に加えることを更に含む、態様1に記載の方法。
〔態様26〕
連続基材を洗浄するシステムであって、
前記連続基材から粒子状物質を除去するために、第1の洗浄流体の高圧低流量噴霧を連続基材に対して噴霧するように構成された1つ以上のノズルと、
メガソニックトランスデューサ又は超音波トランスデューサのうちの少なくとも一方を備え、前記連続基材に対してエネルギーを向かわせるように構成された、撹拌機と、
前記連続基材を乾燥させるように構成された乾燥機と、
を備える、システム。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6