(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-19
(45)【発行日】2024-11-27
(54)【発明の名称】ケーブルガイドデバイスを備えるケーブルガイドデバイスのためのガイド装置
(51)【国際特許分類】
A61B 6/40 20240101AFI20241120BHJP
A61B 6/10 20060101ALI20241120BHJP
H05G 1/02 20060101ALI20241120BHJP
H02G 11/00 20060101ALI20241120BHJP
【FI】
A61B6/40 500D
A61B6/10 550
H05G1/02 Q
H02G11/00
(21)【出願番号】P 2022516093
(86)(22)【出願日】2020-09-09
(86)【国際出願番号】 EP2020075232
(87)【国際公開番号】W WO2021048228
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2023-08-31
(31)【優先権主張番号】202019105021.7
(32)【優先日】2019-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】507336499
【氏名又は名称】イグス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクター ハフトゥング
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ヘルマイ
(72)【発明者】
【氏名】カール オスカル ラピエール
【審査官】亀澤 智博
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-146959(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0085078(US,A1)
【文献】特開2002-034960(JP,A)
【文献】特開2001-061825(JP,A)
【文献】特開平09-235073(JP,A)
【文献】特開平07-265287(JP,A)
【文献】実開平03-041408(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00 - 6/58
B65H 49/00 -73/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラインガイドデバイスのためのガイド装置であって、少なくとも1つの該ラインガイドデバイスを備え、該ラインガイドデバイス
は少なくとも1本のラインを受容するために前記ラインガイドデバイスの長手方向に延在する連続自由内部断面を有し、前記ラインガイドデバイスは、前記ラインガイドデバイスの長手方向に連続して配置されるとともに相互に対して空間的に偏向可能な複数の部分を有し、前記ラインガイドデバイスは下側ラン、上側ラン及び該下側ランと該上側ランとを接続する変位可能な偏向領域を備える構成で配置され、該偏向領域は
第1の偏向軸を有し、該
第1の偏向軸を中心としてラインガイドデバイスが偏向され、前記ラインガイドデバイスは2つの側部境界を有し、該側部境界の相互に対する横方向の間隔が前記ラインガイドデバイスの幅を決定し、前記側部境界は前記上側ラン及び前記下側ランの相互に対向する上面及び下面に略垂直に配置され、前記ガイド装置は、C字アークの曲率軸を有するとともに
凹状アーク内部曲率及び
凸状アーク外部曲率を有するC形状ガイド領域
が、前記ラインガイドデバイスをその長手方向においてガイドする
ために少なくとも前記ガイド装置の長手部分
の一部又はその全長にわたって形成され、
前記ガイド装置は
第2の偏向軸を有する偏向デバイスを有し、前記ラインガイドデバイスの前記偏向領域は前記偏向デバイスの周囲にガイドされ、
前記ガイド装置を前記第2の偏向軸及び前記曲率軸の両方に対して垂直な方向から見たときに、前記偏向デバイスの前記
第2の偏向軸は前記ガイド装置の前記C形状ガイド領域の前記曲率軸に対して所定の角度を含み、前記ラインガイドデバイスの前記側部境界の一方が、前記ガイド装置の前記C形状ガイド領域の
凸状湾曲外面に対向配置され
、前記所定の角度は0度ではない角度を含む、ガイド装置。
【請求項2】
前記ガイド装置の前記C形状ガイド領域の前記曲率軸に対する、前記ラインガイドデバイスについての前記偏向デバイスの前記
第2の偏向軸の前記角度は、45度~135度で
ある、請求項1に記載のガイド装置。
【請求項3】
前記ガイド装置の前記C形状ガイド領域は、前記ラインガイドデバイス
の2つの端部領域の相互に対する最大間隔でのその変位状態において前記ラインガイドデバイスの長手範囲の少なくとも50%又は100%にわたって延在する、請求項1又は2に記載のガイド装置。
【請求項4】
前記ラインガイドデバイスの前記長手方向において前記偏向デバイスの位置を変化させるためのデバイスが設けられ、該デバイスは、前記ラインガイドデバイスの変位位置とは独立して前記ラインガイドデバイスの前記偏向領域において前記偏向デバイスをその位置に位置決めする、請求項1から3のいずれか一項に記載のガイド装置。
【請求項5】
前記偏向デバイスは軸受によって回転可能に実装され、前記軸受は前記ガイド装置の前記C形状ガイド領域において長手方向に変位可能に保持される、請求項4に記載のガイド装置。
【請求項6】
前記偏向デバイスは回転可能偏向ローラの形態である、請求項1から5のいずれか一項に記載のガイド装置。
【請求項7】
前記ラインガイドデバイスは、その側部境界の一方の少なくとも一領域によってその変位移動全体にわたって前記ガイド装置に常に
対向する、請求項1から6のいずれか一項に記載のガイド装置。
【請求項8】
前記ガイド装置の前記ガイド領域の前記C
字アークは円弧の形態である、請求項1から7のいずれか一項に記載のガイド装置。
【請求項9】
前記ガイド装置の前記C形状ガイド領域が一平面内に配置される、請求項1から8のいずれか一項に記載のガイド装置。
【請求項10】
前記ガイド装置は第1の接続デバイス及び第2の接続デバイスを有し、前記第1の接続デバイスは前記ラインガイドデバイスの第1の端部に接続され、前記第2の接続デバイスは前記ラインガイドデバイスの第2の端部に接続される、請求項1から9のいずれか一項に記載のガイド装置。
【請求項11】
前記第1の接続デバイスは前記ガイド装置の前記C形状ガイド領域に対して位置可変に配置され、前記第2の接続デバイスは前記ガイド装置の前記C形状ガイド領域に対して固定配置される、請求項10に記載のガイド装置。
【請求項12】
前記ガイド装置は第1のラインガイドデバイスに加えて第2のラインガイドデバイスを有し、両ラインガイドデバイスは前記第1の接続デバイスにおいて第1の端部でそれぞれ接続され、両ラインガイドデバイスは前記第2の接続デバイスに該ラインガイドデバイスの第2の端部でそれぞれ接続され、前記第1の接続デバイスから開始する前記第1のラインガイドデバイスは前記ガイド装置の前記C形状ガイド領域の第1の端部に向かう方向に延在し、前記第1の接続デバイスから開始する前記第2のラインガイドデバイスは前記ガイド装置の前記C形状ガイド領域の第2の端部に向かう方向に延在する、請求項10又は11に記載のガイド装置。
【請求項13】
前記2つのラインガイドデバイスの2つの偏向デバイスは、前記2つのラインガイドデバイスの2つの偏向領域において共通のデバイスによって位置決めされ、及び/又は前記ラインガイドデバイスのそれぞれの前記偏向領域に対して前記2つのラインガイドデバイスの長手方向における力を受ける、請求項12に記載のガイド装置。
【請求項14】
前記ガイド装置はC形状ホルダに実装され、前記ガイド装置は前記ホルダの前記C字アークの方向に沿って変位可能である、請求項1から13のいずれか一項に記載のガイド装置。
【請求項15】
前記ラインガイドデバイスは、前記偏向デバイスの周囲に該偏向デバイスに緩く
対向してガイドされる、請求項1から14のいずれか一項に記載のガイド装置。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載のガイド装置を備える機器又は機械。
【請求項17】
前記機器又は機械は前記ガイド装置のためのホルダを有し、前記ガイド装置は前記ホルダに対して前記ガイド装置の長手方向に変位可能である、請求項16に記載の機器又は機械。
【請求項18】
前記ガイド装置が、前記C形状ガイド領域の前記曲率軸が重力の方向に対して所定の角度
で配置されるように、前記機器又は前記機械に実装された、請求項16又は17に記載の機器又は機械。
【請求項19】
前記機器
又は機械は、C字アームX線デバイス又はC字アームMRIデバイスの形態である、請求項16から18のいずれか一項に記載の機器
又は機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の分類部分に記載する、ラインガイドデバイスを含むそのラインガイドデバイスのためのガイド装置、及び請求項15の分類部分に記載する、そのガイド装置を有する機器又は機械に関する。
【背景技術】
【0002】
上記の一般的な種類のガイド装置は、ラインガイドデバイスがラインガイドデバイスの長手方向にC形状アークの形態でガイド装置上に配置されるように、ラインガイドデバイスをガイドするためのC形状ガイド領域を有する。このようなガイド装置は、例えば、C字アームX線システム又は他の医療診断機器において使用される。一般的に、ガイド装置のC形状弓状ガイド領域の両対向端部領域又はその延長上には、一方にX線エミッタなどのシグナリングデバイス、及び他方に、例えば、画像増幅器若しくは撮像システム又はラインによって送信される媒体のための対応の他の消費機器の形態でもある例えば検出器などの信号受信デバイスが、配置される。この場合、ガイド装置は、一般的に、それを含む機械又は機器のホルダ上に配置され、ホルダは、例えば、ガイド装置のC形状ガイド領域の曲率外面に配置される。この場合、ガイド装置は、概略として、その長手方向にホルダに対して変位可能であり、ホルダは、概略として、ガイド装置の長手範囲に関して局所的に係合するので、ガイド装置の長手範囲の相対的に短い部分のみにわたって延在する。したがって、それは、ガイド装置の変位の際、C形状ガイド領域の曲率軸に関する包絡曲線として説明され、それにより、ガイド領域が円弧形状部分の形態である場合に、それは円筒面の周りをその周囲方向に移動する。このように、例えば、患者など、C形状ガイド領域の中央に配置される対象物は、位置の変化なしに複数の方向から検査可能となる。上記の一般的な種類のガイド装置及び/又は機器若しくは機械に関するこれらの記述的説明も、さらに、その説明と矛盾しない限り本発明の主題に関連して実施され得る。
【0003】
ここで、アークの曲率軸を中心としてより大きな角度範囲若しくは回転角にわたって延在するようにガイド装置のC形状ガイド領域の範囲を拡大する必要があり、及び/又は曲率軸まわりのより大きな角度領域にわたって、すなわち、特にガイド装置を含む機械若しくは機器の設置面に向かう方向にC形状ガイド領域の長手範囲に、より長い距離にわたってC形状ガイド領域を移動可能でなければならない。しかし、それは上記の一般的な種類の装置の場合に種々の問題を生ずる。一方で、ラインガイドデバイスが片持ち関係に配置され、ラインガイドデバイスの上側及び下側ランが重力の方向に対して上下にかつ相互に対して間隔をあけて配置される周知のガイド装置では、C形状ガイド領域の範囲が増加すると片持ち長が過大となる。この結果として、上側及び下側ランは領域的に相互に接触し、それはラインガイドデバイスの動作の滑らかさを大幅に悪化させ、アブレーシブ摩耗の増加につながり得る。他方、上側及び下側ランがラインガイドデバイスのC形状ガイド領域の曲率軸に関して同軸に配置される偏向ラインガイドデバイスは非常に大きな構造高さを占有する。しかし、それは、ガイド装置を含む機械又は機器の設置面に対してガイド装置の変位を制限することが多く、機械又は機器の適用範囲を制限してしまう。
【発明の概要】
【0004】
本発明の課題は、上記の一般的な種類のガイド装置又はそれを有する機械若しくは機器を、場合によってはガイド装置を含む機械又は機器の対地間隔に関して空間条件が制限されてもガイド装置のC形状ガイド領域がその曲率軸を中心としてより大きな回転角にわたって変位可能となるように、かつラインガイドデバイスの長手範囲がより大きな場合でも高いレベルの動作の滑らかさが担保されるように、改善することである。
【0005】
その課題は、請求項1に記載の、ラインガイドデバイスを有するガイド装置によって、及び請求項15に記載の、ガイド装置を含む機械又は機器によって達成される。有利な構成が、従属請求項に記載される。
【0006】
本発明によると、ガイド装置は、ラインガイドデバイスの偏向領域に配置される偏向軸を有する偏向デバイスを有し、偏向軸を中心としてラインガイドデバイスの偏向領域がガイドされる。その場合、偏向デバイスは、好ましくは偏向領域に内部で結合される。このように、偏向デバイスはラインガイドデバイスの種々の又は好ましくは全ての変位位置においてラインガイドデバイスの偏向領域に配置され、ラインガイドデバイスは偏向デバイスの周囲に偏向され、すなわち、偏向領域においてそれに対抗する状態でガイドされる。さらに、偏向デバイスは、その軸がガイド装置のC形状弓状ガイド領域の曲率軸との角度、すなわち、0度ではない角度を含むように、ラインガイドデバイスに対して傾斜して又は好ましくは横断して配置される。さらに、ラインガイドデバイスは、その横方向境界の一方がC形状弓状ガイド領域の凸状湾曲曲率の外部に対向するように配置される。この場合、ラインガイドデバイスの側部境界は、好ましくはラインガイドデバイスの上側及び下側ラン並びに偏向領域の連続する側部境界となることにより、上側及び下側ランの相互に対向する面に横断して、又は特に垂直に延在する。この構成において、ガイド装置は、ラインガイドデバイスの位置をその案内によってその長手方向の向きに関して決定する。ラインガイドデバイスは、ガイド装置のC字アークによってラインガイドデバイスの長手範囲に関してC形状円弧形状にガイドされる。
【0007】
本発明による構造は、ラインガイドデバイス又はガイド装置とともにラインガイドデバイスに関して特に低い構造高さを与える。これは、上側及び下側ランを有するラインガイドデバイスがガイド装置のC形状アークのガイド領域に関していわば「側部にある」ためであり、従来の構成とは逆に、ラインガイドデバイスは、ガイド装置のC形状アークに対向する側部境界の一方とともに配置されるためである。したがって、構造高さは、ここでは、C形状アークの曲率軸に対して径方向における構造高さである。このように、ガイド装置は、機械又は機器の設置面に向かう方向においてさらに変位可能となり、すなわち、変位がその面によって阻害されない。この場合、設置面は、一般的に建物、すなわち、建造物の部屋の床である。
【0008】
さらに、結果としてラインガイドデバイスの異なる変位位置においても好ましくは常に偏向領域に配置され及び偏向デバイスの周囲に偏向デバイスに対抗する状態でガイドされるラインガイドデバイスに配置されるラインガイドデバイスの偏向領域における偏向デバイスの構成は、結果として特にラインガイドデバイスの上側及び下側ランが相互に接触すること(それにより、ガイド装置のC形状アークの周囲範囲が長い場合であっても又はラインガイドデバイスの全長が長い場合であっても、それらがラインガイドデバイスの変位の際に滑らかな走行と干渉し得る)を防止する、ラインガイドデバイスの比較的近接して安定的な案内効果を与える。
【0009】
本発明の背景において全般に、ガイド装置のC字アークの形状のガイド領域を「ガイド装置のC字アーク」又は「C字アーク」と略す。本発明の背景において全般に、用語「偏向領域」は、ラインガイドデバイスの偏向領域を記すのに使用される。
【0010】
したがって、C字アークの曲率軸は、C字アークの回転軸に対応する。したがって、曲率軸は、C字アークの中心に存在する。したがって、円弧形状であるC字アークの場合、曲率軸又は回転軸はC字アークの中心点軸に対応し、したがってそれはC字アークの中心点にかつC字アークの主軸に垂直に配置される。
【0011】
ラインガイドデバイスは、例えば、多数の個々のチェーンリンクがともにヒンジ接続され、隣接リンクが旋回軸を中心として相互に対して旋回可能であるエネルギーガイドチェーンに関して使用されるようなリンクチェーンの形態であってもよく、空間的偏向がそのような旋回動作によって担保される。そのようなチェーンリンクは、一般的に、2つの横方向に相互に離間された側部、並びにラインガイドデバイスの内部断面をともに画定する上側バー及び下側バーを備える。側部及び横断バーが、それぞれ個々の構成要素の形態であってもよいし、例えば、横断バー及び横断バー上などに形成された2つの側部を含むU字形状部品を構成することによって相互に一体的に接続されてもよい。この場合、チェーンリンクは、好ましくは、ただしそれに制限されることなく、そのヒンジ要素によって設けられるヒンジ軸を中心として旋回可能となる。例示として、ラインガイドデバイスの個々のチェーンリンクが、ボールジョイントの態様で又は他の何らかの態様でヒンジ接続によってともにヒンジ接続されてもよい。ラインガイドデバイスは、例えば、複数のヒンジ相互接続されたチューブ部分を有する関節状チューブの形態又は態様であってもよい。ただし、ラインガイドデバイスは、概略として、一体構造のものであってもよいし、複数の長手部分を含んでいてもよく、その各々は、複数の相互に横方向に離間されたサイドプレート又は内部断面の側部境界の対、及び結果としてラインガイドデバイス自体を有する。したがって、例えば、構成は、ラインガイドデバイスの全長にわたって延在するバンドに取外し可能に固定され又はそれに一体的に形成された開放可能な又は小分けされた横断バーを有するU字形状チェーンリンクを設けてもよい。上記無端バンドは、横断バーの機能をさらに実現し、ラインガイドデバイスの内部断面又は受容空間を仕切ることができ、ラインガイドデバイスの部分の側部部品が無端バンド上に直接形成されてもよい。ラインガイドデバイスは、例えば、変形可能なチューブ又はホース、例えば、スリットチューブ又はホースの形態であってもよい。スリット又は対応する他の材料開口部若しくは材料弱化部は、ラインガイドデバイスの所望の柔軟性又は屈曲性を与え、この場合、ラインガイドデバイスの隣接部分の空間偏向性はその柔軟性又は屈曲性によって担保される。したがって、ラインガイドデバイスの部分の「偏向性」は、一般的に、本発明の背景において上記部分間の特定の画定された旋回ヒンジ領域の提供に限定されない。したがって、空間偏向性は、いずれの場合にも本発明によると、ラインガイドデバイスの長手方向に垂直に及び/又は横断して担保される。ここで「垂直な」は、上側ランから下側ランに向かう方向又はその逆を記すのに用いられる。したがって、相互に対して空間的に偏向可能なラインガイドデバイスの隣接部分は、概して好ましくは、相互に対して所定の角度の少なくとも2つの方向に関して相互に対して空間的に偏向可能であり、その方向は、好ましくは相互に対して垂直である。
【0012】
ラインガイドデバイスは、例えば円形断面のものであってもよく、すなわち、例えば、それはこれに限定されることなく円形断面又は矩形断面のチューブの形状であり得る。
【0013】
本発明によるガイド装置は、ガイド装置のC字アークの曲率軸が重力方向に対して30度~150度、好ましくは45度~135度、又は特に60度~120度、特に好ましくは約90度の角度で配置される場合に、特に好適である。重力方向は、通常は同時に、ガイド装置を含む機械又は機器のための設置室又は領域のZ方向である。そして、本発明による有利な効果は、特に有益である。
【0014】
好ましくは、特に偏向ローラの形態での偏向デバイスの軸及び結果としてラインガイドデバイスの偏向領域の偏向軸は、ガイド装置のC字アークの曲率軸に対して30度~150度又は45度~135度の角度、好ましくは60度~120度の角度で、特に好ましくは約90度の角度で配置される。それは、ガイド装置のC字アークにおいてその構成によりラインガイドデバイスの安定的な空間位置を与え、ラインガイドデバイスはC字アークのガイド面に対して「側部にある」。したがって、これは、ラインガイドデバイスの変位の際に、ラインガイドデバイスの上側ランがその下側ランに接触するのを防止する。さらに、それは、ラインガイドデバイス及び結果としてラインガイドデバイスを含むガイド装置に比較的低い構造高さを与える。それは、特に、C字アークの曲率軸が重力の方向、すなわち、ガイド装置を含む機械又は機器の設置領域のZ軸に対して所定の角度となる場合、特に、C字アークの曲率軸が重力に対して横断的に又は好ましくは90度で配置される場合でもある。
【0015】
好ましくは、ガイド装置のC形状ガイド領域は、ラインガイドデバイスの長手範囲の50%以上又は75%以上にわたって、好ましくは85%以上にわたって、さらに好ましくはラインガイドデバイスの全長手範囲にわたって延在する。ラインガイドデバイスの用語「全長手範囲」は、ラインガイドデバイスの2つの対向端部の相互に対して最大間隔を有するラインガイドデバイスの変位状態又は構成において、すなわち、例えば、ラインガイドデバイスの2つの対向端部における2つの接続デバイスが相互から最大間隔にある場合にラインガイドデバイスの長さを記すのに用いられる。このように、ラインガイドデバイスは、ガイド装置のC字アークの構成に対するその全長にわたって適合可能であり、その場合、好ましくはガイド装置によって指定の長手範囲にわたってC字アークにおいてもガイドされる。
【0016】
それは、ガイド装置の弓形状変位及び結果としてその上に配置された(ラインガイドデバイスにおいてラインによって供給を受ける)消費機器が特に容易に可能となることを規定する。任意選択的に、例えば、他の用途の状況について、ガイド装置のC字アークは、ラインガイドデバイスの全長手範囲の一部のみにわたって、例えば、30%以上又は50%以上、特に75%超又は85%以上にわたって延在してもよい。
【0017】
好ましくは、ガイド装置のC形状ガイド領域は、90度以上若しくは120度以上にわたって又は180度以上まで延在する。
【0018】
ガイド装置のC形状弓状ガイド領域は、好ましくは、上側ランの少なくとも一部及び下側ランの少なくとも一部にわたって、好ましくは上側ランの全高さ範囲及び/又は下側ランの全高さ範囲にわたって高さに関して延在する。上側及び下側ランの「高さ」は、この場合、上側及び下側ランが相互に重畳される関係で配置され、又は高さにおいて相互に離間される方向によって規定される。それはガイド装置のC字アークによるラインガイドデバイスの良好かつ効率的な案内に供することになり、ラインガイドデバイスの上側ラン及び下側ランの双方がC字アークによって横方向に、すなわち、ラインガイドデバイスの長手範囲に対して横断方向に又は垂直方向にガイド可能となる。
【0019】
好ましくは、ガイド装置のC形状ガイド領域は、レールの形態であり、構造的に簡素で、同時に機械的に安定的な構成となる。レールは、好ましくは、ラインガイドデバイスの上側ラン及び下側ランがそれに横方向に対抗し得るように、ラインガイドデバイスの高さにわたって延在する。レールは、この場合、多部品構成のものとなり得るが、一体のものであってもよい。ガイド装置によってガイドされるラインガイドデバイスは、この場合、レールに対して横方向に対抗する。
【0020】
本発明によると、ラインガイドデバイスのそれぞれの端部領域は、好ましくは張力を受けるように、それぞれの接続デバイスに概して接続される。接続デバイスは、ラインガイドデバイスにおいてガイドされる単数又は複数のラインのための歪軽減手段をそれぞれ含み得る。接続デバイスの1つは、好ましくはラインガイドデバイスの巻込み部材に固定され、又はそのような巻込み部材とともに可動であり若しくはそのような巻込み部材の一部である。巻込み部材に接続されたラインガイドデバイスの端部は、その動作によって変位される。接続デバイスの一方又は他方は、好ましくはラインガイドデバイスに対して固定点を構成し、好ましくは、張力を受けるようにガイド装置のための機械又は機器のホルダに固定され、又はそれに接続される。それぞれの固定は、好ましくは、ともに固定された部品が相互に対して位置可変とならないように実施される。可動接続要素に配置又は固定されるラインガイドデバイスのランを、本発明の背景では「上側ラン」といい、ラインガイドデバイスの他方のランを「下側ラン」という。
【0021】
好ましくは、ガイド装置のC形状ガイド領域は、ラインガイドデバイスの2つの端部領域の相互からの最大間隔でのその変位状態においてラインガイドデバイスの長手範囲の少なくとも50%又は特に好ましくは75%以上、90%以上若しくは100%にわたって延在する。このように、C字アークは、C字アークの曲率軸を中心として最大サイズのものとなる角度範囲によって変位可能である。このように、変位の際にラインガイドデバイスの上側ラン及び下側ランが相互に無用に接触することなく、例えばラインガイドデバイスはガイド装置のC字アークによって画定される弓状位置において非常に正確に保持可能であるので、対応する機械又は機器の適用範囲が拡大される。この場合、ラインガイドデバイスは、好ましくは、ガイド装置の全長の25%以上若しくは50%以上、特に好ましくはその全長の75%以上若しくは90%以上、又は特に100%にわたってガイド装置のC形状ガイド領域に対抗する。ラインガイドデバイスは、上記領域に緩く、又はただし利用可能な領域に関して所定量の力でも対抗し得る。
【0022】
概略として、本発明によると、ラインガイドデバイスは、偏向デバイスの周囲にそれに緩く対抗する状態でガイドされ得る。ラインガイドデバイスはまた、ラインガイドデバイスの偏向領域に対してその長手方向に偏向デバイスに関して力の付加により偏向デバイスに関してガイドされ得る。それにより、ラインガイドデバイスは、その長手方向において偏向デバイスによっていわば張力がかけられることになるので、ラインガイドデバイスの部分の撓みをさらに減少させつつ、ラインガイドデバイスに対してさらに向上した案内効果を担保する。偏向デバイスは、場合によってはラインガイドデバイスの偏向領域に対して一定の力で対抗し得る。
【0023】
概略として、本発明によると、少なくとも、例えば、ラインガイドデバイスの変位移動の50%以上若しくは75%以上にわたって、又は特に好ましくは恒久的にラインガイドデバイスの範囲の長手方向におけるラインガイドデバイスの変位動作全体を通じて、偏向デバイスは、ラインガイドデバイスのある又は所定の変位位置にある間に、好ましくは緩く又は任意選択的に力の影響下でラインガイドデバイスの偏向領域に対抗している。したがって、偏向デバイスは、ラインガイドデバイスの偏向領域における偏向ローラの位置を変更するために上記デバイスによってラインガイドデバイスの変位中に、ラインガイドデバイスが偏向デバイスの周囲にそれに対抗する状態でガイドされるように、好ましくは恒久的に位置決めされる。ラインガイドデバイスの変位の際に、その偏向領域がそれによって安定化される。特に、一方で、そのように、ラインガイドデバイスは、ラインガイドデバイスのある又は所定の変位位置にある間に、又は特に好ましくは恒久的にラインガイドデバイスの変位動作全体を通じて、長手方向に張力がかけられてもよく、好ましくは同時にガイド装置のC字アークに抗して横方向に力を受ける。それにより、ラインガイドデバイスの位置は特に正確に規定され、例えば、その部分の撓みが効果的に防止される。所定の張力の付加は、ラインガイドデバイスの任意の長手方向の遊びが張力の付加によって除去又は排除される場合には既に担保されている。この場合には、そのような長手方向の遊びは、例えば、例えばリンクチェーンの場合などのラインガイドデバイスの隣接部分間のジョイント接続における遊びのために、又はデバイスのジョイント領域の弾性的伸張のために発生し得る。好ましくは、力は、その力によってラインガイドデバイスがその長手方向に遊びなしとなるように付加される。
【0024】
好ましくは、偏向デバイスは、複数のラインガイドデバイスが設けられる場合であっても、ラインガイドデバイスの各偏向領域に設けられる。
【0025】
全般に本発明による好適な実施形態によると、偏向デバイスは、ラインガイドがそれに関して偏向される偏向ローラの形態である。その場合、偏向ローラは、好ましくは、その回転軸(「スピンドル」ともいう)を中心として回転自在となる。複数の偏向ローラも、ホルダ上に弓状構成で設けられてもよい。ただし、他の偏向デバイスも考えられ、例えば、ラインガイドデバイスは偏向部品にわたって摺動的に移動されてもよい。ガイド装置上に複数のラインガイドデバイスがある場合には、好ましくは、それらのラインガイドデバイスの各々についての偏向デバイスが偏向ローラの形態となる。偏向ローラの形態の構成は、構造上簡素であり、正確なラインガイドデバイスを可能とし、場合によっては、ラインガイドデバイスの偏向領域においてその長手方向で偏向デバイスに関して力が付加される場合に低摩耗実施形態も提供する。
【0026】
好ましくは、ラインガイドデバイスの長手方向における偏向デバイスの位置を変更するためのデバイスが設けられ、それはラインガイドデバイスのその長手方向における偏向領域での変位の際に偏向デバイスを位置決めし、すなわち、ラインガイドデバイスの変位位置から独立してラインガイドデバイスの偏向領域におけるその位置において偏向デバイスを保持する。その場合、偏向デバイスは、偏向領域に対して緩く対抗することになり、又は偏向領域に対するラインガイドデバイスの長手方向における力を受けることになる。上記デバイスは、好ましくは、少なくとも、ラインガイドデバイスのある若しくは所定の変位位置にある間又は特に好ましくは恒久的にラインガイドデバイスの変位動作全体を通じて、その範囲の長手方向において、偏向デバイスがラインガイドデバイスの偏向領域に対して、場合によっては力の作用下で対抗するように、設計される。付加される力によって、ラインガイドデバイスは、その空間的構成がガイド装置によって、特に偏向デバイスとの相互作用によっても、さらに良好に画定されるようにある程度予応力を与えられ、ラインガイドデバイスの部分の無用な撓みがより大きく防止される。これは、ラインガイドデバイスの変位の際に、ラインガイドデバイスの部分が、ラインガイドデバイスの他の部分を含むガイド装置の他の部分と無用な態様で接触しないこと又は撓み下がらないこと(これはラインガイドデバイスの滑らかな動作に悪影響を与え又は摩耗を増加させ得る)を保証する。
【0027】
好ましくは、偏向デバイスは、ラインガイドデバイスの、より具体的には、ガイド装置のC形状ガイド領域の長手方向の変位の際に位置可変となり、これにより、ラインガイドデバイスの偏向領域及びその空間的構成全体が安定化され得る。ガイド装置の変位の際に、好ましくは、偏向デバイスは、ガイド装置に対してガイド装置のC形状ガイド領域の長手方向に変位される。
【0028】
好適な実施形態によると、偏向デバイスは、ラインガイドデバイスによって強制的に変位可能であり、したがって、ラインガイドデバイスへの所与の結合によるラインガイドデバイスの変位の際に、偏向デバイスの位置を変化させるための更なるデバイスを要することなく、ラインガイドデバイスとともに変位される。
【0029】
代替的に、好ましくは、偏向領域において位置決めするための、場合によっては偏向領域に対してラインガイドデバイスの長手方向に偏向デバイスに関して力を付加するためのデバイスは、アクチュエータ手段によって動作されるデバイスの形態であってもよく、アクチュエータは、例えば、弾力的作用によって、電動モータ手段によって、液圧的又は空圧的に作動可能である。アクチュエータは、ラインガイドデバイスとは異なる。偏向デバイスは、アクチュエータの作動によって偏向領域に対抗する力を受け得る。このように、偏向デバイスの位置は、自己調整モードで設定され得る。アクチュエータは、ガイド装置、例えば、そのC字アークに、場合によっては位置決めするため又は力を付加するために支持当接の形態で実装可能である。偏向デバイスは、それがラインガイドデバイスの変位動作によってその偏向領域において位置決めされるような構成のものであってもよく、その目的のため、例えば、ラインガイドデバイスにおいてそれとともに位置を変更するために結合され得るので、追加のアクチュエータは不要となり得る。
【0030】
好ましくは、その変位の際にラインガイドデバイスに接触し又は接触し得るガイド装置、特に、そのC字アークの領域には、ラインガイドデバイスがガイド装置のガイド領域に接触する場合に摺動摩擦抵抗を低減するために摺動摩擦低減面が装備される。
【0031】
好ましくは、偏向デバイスは、軸受によってその長手軸を中心として回転自在に実装される。軸受は、ガイド装置のC形状ガイド領域に長手方向に変位可能に保持可能である。これは構造的に簡素な構成を与え、これは、偏向デバイスの位置の変化によって、ラインガイドデバイスの変位の際に常にラインガイドデバイスの偏向領域に存在することを保証する。これはまた、偏向ローラ軸受の長手方向変位の際に、ラインガイドデバイスがC字アークに対して横方向に対抗し得ることを簡素な態様で保証する。さらに、その構造は、構造的構成及びガイド装置の変位の際の摩耗の最小化の観点で特に有利である。
【0032】
偏向デバイスは、好ましくは、ラインガイドデバイスの上部に少なくともその高さの一部を越えて突出するので、少なくとも上側ランの高さの一部及び/又は下側ランの高さの一部にわたって延在する。上側及び下側ランの「高さ」は、それぞれ、上側及び下側ランからそれぞれ対向ランに向かう方向におけるその範囲である。ラインガイドデバイスに関する偏向デバイスの突出領域は、ラインガイドデバイスがラインガイドデバイスの横断方向において、すなわち、ガイド装置に向かう方向又はガイド装置から離れる方向において偏向デバイスにおけるその位置において安定化され、偏向デバイスからの意図しない離間を防止するように、すなわち、例えば、偏向デバイスからの横方向下向きの滑りに対抗してそれを固定するように固定されることを意味する。したがって、偏向デバイスは、特に好ましくは、ガイド装置のC形状ガイド領域の反対側であるラインガイドデバイスの側において上側及び/又は下側ランを少なくとも部分的に越えた高さにおいて、上側及び/又は下側ランの高さに関して、好ましくは10%以上又は20%以上、特に好ましくは30%以上又は50%以上だけ突出する。追加的に又は場合によっては代替的に、偏向デバイスは、好ましくは、ガイド装置のC形状ガイド領域に向かうラインガイドデバイスの側において、上側及び/又は下側ランを少なくとも部分的に越える高さに関して、上側及び/又は下側ランの高さに関して好ましくは10%以上又は20%以上、特に好ましくは30%以上又は50%以上だけ突出し、それにより、ラインガイドデバイスは偏向領域においてガイド装置から離間され、それにより、その走行特性が向上する。
【0033】
好ましくは、ラインガイドデバイスの上側及び/又は下側ランのためのサポートデバイスが提供され、それはそれぞれ他方のランに向かう方向にそれぞれのランの偏向領域の外部において上側及び/又は下側ランを支持し、その長手方向におけるラインガイドデバイスのより均一な変位をもたらす。したがって、それぞれのランを支持するサポートデバイスの領域は、好ましくは、それぞれ上側ランと下側ランの間に配置される。代替的又は追加的に、サポートデバイスは、上側ランの上面及び/又は下側ランの下面に配置されてもよい。複数のサポートデバイスが、ラインガイドデバイスの長さにわたって分散配置されてもよい。所与のサポートデバイスは、好ましくは、上側ラン及び下側ランの双方に対抗し得る。弓状ガイド装置の曲率軸又は回転軸は重力の方向に垂直に配置されない場合、ラインガイドデバイスの走行特性もサポートデバイスによって特に向上する。サポートデバイスは、例えば、それぞれの回転可能ローラの形態、又は場合によってはサポートデバイスのホルダに対して位置可変でないデバイスの形態であってもよいし、他の何らかの適宜の態様で構成されてもよく、上側及び/又は下側ランにそれぞれ対抗し得る。
【0034】
サポートデバイスは、ガイド装置及び/又は対向面のC形状ガイド領域と反対側においてもそれぞれの支持しているランを超えた高さにおいて少なくとも部分的に突出してもよく、それに関して、偏向デバイスに関する説明に対応して注意が向けられる。このように、ラインガイドデバイスがガイド装置の所与の変位位置において重力の方向に関してその下部に配置され、すなわち、例えばその6時の位置にある場合、ラインガイドデバイスはそれを横断する方向においてその突出領域によりサポートデバイスによって支持される。
【0035】
サポートデバイスは、ガイド装置、特にそのC字アークにそれぞれ配置され得る。
【0036】
好ましくは、ラインガイドデバイスはガイド装置のC字アークによってガイドされ、機械又は機器上のガイド装置のためのホルダはガイド装置の反対側となるラインガイドデバイスの側に配置される。ホルダは、好ましくは、C形状ホルダ部分を有する。ガイド装置は、好ましくは、ホルダに対してその長手方向に変位可能である。したがって、ラインガイドデバイスは、ガイド装置のC字アークとC形状ホルダ部分との間に、少なくともその長手範囲の一部、例えば、25%以上又は50%以上にわたって少なくとも任意の変位位置に配置され得る。このように、一方では、2つの対向配置されたC字アークによってラインガイドデバイスが保護され、他方では、ラインガイドデバイスの長手範囲に延在するホルダのC形状領域がガイド装置の弓形状変位を可能とすることができ、この場合、上記アークはそれぞれ好ましくは円弧の形態である。
【0037】
特に好ましくは、一方ではガイド装置がそのホルダに対して変位可能となり、他方では機械又は機器上のガイド装置のためのホルダ領域もホルダのC字アークにおいて変位可能となるように、ガイド装置の保持領域はホルダ部分の長手方向におけるC形状ホルダ部分においてガイド装置の長手方向に変位可能となり、それにより、ガイド装置の可能な全体変位移動がラインガイドデバイスの長手方向に増長される。
【0038】
ガイド装置のホルダがC字アークの形態、とりわけ円弧の一部分の形態である場合には、ホルダのC字アーク領域は、好ましくは、30度以上、45度以上又は60度以上、おそらくは90度以下にわたって延在する。
【0039】
そのC形状ホルダに対するガイド装置の変位を含む、ガイド装置のC字アークの全体回転角は、ガイド装置上に配置された1又は2以上のラインガイドデバイスの上側ラン及び下側ランが相互に接触することなく、好ましくは120度以上、180度以上又は195度以上である。それは、特に、ガイド装置の変位位置において、ガイド装置がホルダに対して最大限変位されている状態で、ガイド装置の自由端が12時位置と4時位置の間、例えば、3時位置に配置され、ガイド装置が反時計回りに変位され、すなわち、変位動作中のラインガイドデバイスが12時位置を通ることにより上部に、すなわち、12時位置を通って変位される場合にも当てはまり得る。
【0040】
好ましくは、ラインガイドデバイスは、その変位移動全体にわたって、常にガイド装置、特にC字アークに対してその側部境界の一方の少なくとも一領域に対抗する。好ましくは、ラインガイドデバイスは、その変位移動全体にわたって、常にガイド装置、特にそのC字アークに対してその側部境界の一方の長手範囲全体に対抗する。したがって、好ましくは、ラインガイドデバイスの変位位置の全体にわたって、ガイド装置に対抗するその2つの側部境界の一方のみかつ同じものが常に存在する。それは常にラインガイドデバイスについての正確な位置を与え、それはより良好でかつより均一なその変位特性も保証する。ラインガイドデバイスがガイド装置に常に対抗していることは、例えば、ラインガイドデバイスにおける偏向デバイスの適切な位置決めによって保証され得る。
【0041】
特に好ましくは、ガイド装置のC形状ガイド領域又はガイド装置全体は、円弧の一部分の形態である。したがって、その長手方向におけるガイド装置の変位の際に、上記弓形状変位におけるガイド装置の端部領域及びガイド装置によって実施又は説明される変位移動の端部領域の包絡線は、その円弧状アーク上に存在することになる。これにより、ガイド装置の端部領域に実装されたデバイス又はガイド装置の2つの対向端部領域に実装された2つのデバイスの変位移動も、それぞれ円弧上に存在する。それは、C字アークの曲率軸上に配置される被検査若しくは処理物品又は身体、例えば、患者を異なる空間方向から検出又は処理可能とするために、例えば、最適な幾何形状を担保する。このように、例えば、患者の検査における医療診断が改善され得る。一方で、任意選択的に、概略として本発明によると、ガイド装置のC字アークは非円形弓状構成のものであってもよく、例えば、楕円又は他のアーク形状の一部分の形態であってもよい。
【0042】
好ましくは、ガイド装置のC形状ガイド領域又は特に好ましくはガイド装置は、一平面内で、その変位移動全体にわたって、ラインガイドデバイスに対して、そのガイド領域に関して配置される。ガイド装置の曲率軸を中心としてガイド装置及びそれとともにそのC字アークの変位の際に、結果としてガイド装置又はC字アークは一平面内で移動される。これは、例えば、C字アークX線又はMRI装置の場合のように、特に、例えば、ガイド装置の中心又はその曲率軸上に配置された患者などの物体が少なくとも1つ以上のラインガイドデバイスを有するデバイスによって検査される場合に特に有利である。そして、検査され又は場合によっては処理される領域を有する物体又は人間は、好ましくは、ガイド装置の曲率軸とC字アークの交点に配置される。一方、ある使用の状況については、ガイド装置のC字アークは異なる構成のものであってもよく、例えば、螺旋又は渦巻の一部の形態であってもよく、その場合、好ましくは、螺旋又は渦巻のピッチはC字アークの半径よりも大幅に小さく、例えば、5分の1以下又は10分の1以下である。
【0043】
好ましくは、ガイド装置は第1及び第2の接続デバイスを有し、第1の接続デバイスはラインガイドデバイスの第1の端部領域に接続され、第2の接続デバイスはラインガイドデバイスの第2端部領域に接続される。ラインガイドデバイスの第1及び第2端部領域は、好ましくは、力伝達関係においてそれぞれの接続デバイスにそれぞれ接続される。2つの接続デバイスの一方、例えば、第1の接続デバイスは、好ましくは、ガイド装置に固定接続され、又は全般にラインガイドデバイスの変位の際に、ガイド装置の長手方向において位置可変には接続されるのではなく、好ましくは恒久的にそこに接続される。他方の接続デバイス、例えば、第2の接続デバイスは、好ましくは、ガイド装置に対して位置可変であり、例えば、それに関して又はラインガイドデバイスに対してラインガイドデバイスの変位の際に、特に、ガイド装置及び/又はラインガイドデバイスの長手範囲に関して位置可変となる。第1及び/又は第2の接続デバイスの領域において又はその領域内で、ラインガイドデバイスにおける内部断面又は受容空間においてガイドされるホース、ケーブルなどのような単数又は複数のラインに対して歪軽減手段を与えることができる。
【0044】
特に好適な実施形態では、第1のラインガイドデバイスに加えてガイド装置は(少なくとも)第2のラインガイドデバイスを有し、両ラインガイドデバイス、すなわち、第1及び第2のラインガイドデバイスは第1の接続デバイスにおいて第1の端部領域でそれぞれ接続され、両ラインガイドデバイスは第2の接続デバイスに第2の端部領域でそれぞれ接続され、第1の接続デバイスから開始する第1のラインガイドデバイスはガイド装置のC字アークの第1の端部領域に向かう方向に延在し、第1の接続デバイスから開始する第2のラインガイドデバイスはガイド装置のC字アークの第2の端部領域に向かう方向に延在する。したがって、第1及び第2のラインガイドデバイスは、相互に対向する関係で、すなわち、ループ形状構成でガイド装置に配置される。したがって、そのC字アークの長手範囲の方向にガイド装置の変位の際に、2つのラインガイドデバイスの一方、例えば、第1のラインガイドデバイスが、その延長した第1の位置に向かう方向に変位され、したがって、第1の位置では、ラインガイドデバイスの下側ランがラインガイドデバイスの変位動作に関して最大長となり、反対側のラン、すなわち、上側ランが最小長となる。第1のラインガイドデバイスの変位状態を、ここでは変位状態lmaxという。したがって第1のラインガイドデバイスが変位状態lmaxとなるガイド装置の変位位置では、変位位置が正確に反転され、すなわち、第2のラインガイドデバイスの下側ランが最小長で変位位置(変位状態)lmaxにあり、上側ランが最大長となる。したがって、第1及び第2のラインガイドデバイスは閉ループを実質的に構成し、2つのラインガイドデバイスはガイド装置の他の端部又は端部領域にそれぞれ延在する。その場合、第1及び第2のラインガイドデバイスは、好ましくは、2つのラインガイドデバイスのそれぞれの変位位置に応じて同じガイド装置によってガイドされ、結果としてガイド装置の所定の領域が、特にその上側ランに関して第1又は第2のラインガイドデバイスの一部分をガイドし得る。第1及び第2ラインガイドデバイスに対する共通のガイド装置の提供は、さらに、小さな空間しか占有しない構造的に特に簡素な構造という有利な効果を有する。任意選択的に-あまり好適ではないが-、第1及び第2のラインガイドデバイスに対して別個のガイド領域又は別個のガイド装置を設けることも可能であり、それらは、例えば、ガイド装置の径方向構成に関して、曲率軸に対して高さ方向変位を有し、すなわち、曲率軸に対して異なる径方向間隔で配置される。任意選択的に、第1及び第2のガイド装置は、それぞれ第1及び第2のラインガイドデバイスに対して、相互に対する横方向の変位も伴い得るものであり、すなわち、例えば、ガイド装置(具体的には、第1のラインガイドデバイスのガイド装置)の曲率軸の異なる部分に配置され、すなわち、それらは曲率軸の長手方向に関して連続して配置され得る。任意選択的に、ガイド装置において3個以上のラインガイドデバイスを設けることも可能である。
【0045】
ガイド装置における第1及び第2のラインガイドデバイスの構成は、多数のケーブル又はホースなどのラインが第1の接続デバイスから第2の接続デバイスにガイドされ得ることを意味する。これは、例えば、ラインに搬送される媒体をガイド装置の端部領域における例えば消費機器などの技術的デバイスに充分に供給するために、第1のラインガイドデバイスにおけるラインのための受容空間が既に占有され、更なるラインを第1の接続デバイスから第2の接続デバイスにガイドする必要がある場合に有利となる。
【0046】
ラインガイドデバイス、ガイド装置及び/又は機械若しくは機器の特徴に関して、2つ以上のラインガイドデバイスを有する実施形態に関して、注意は、全体として、場合によってはそれぞれのラインガイドデバイスが延在するそれぞれ異なる方向を考慮して、本発明に関する説明の他の部分に向けられる。それは、1つのラインガイドデバイスのみを有する構成に関する説明の部分に関しても、それと矛盾せず、詳細に関連する背景から異なるものが関与しない限り、それぞれのラインガイドデバイスが延在するそれぞれ異なる方向を考慮して、対応して当てはまる。それは、例えば、サポートデバイス又は他のデバイスなどの本発明の背景で説明される更なるデバイスに関しても当てはまる。
【0047】
1つのラインガイドデバイスのみを備える構成についても、2つ以上のラインガイドデバイスの構成に関する説明が、それと矛盾しない限り、対応して当てはまる。
【0048】
特に好ましくは、両ラインガイドデバイスの2つの偏向デバイスは、ラインガイドデバイスの2つの偏向領域における共通のデバイスによって位置決めされ、及び/又はその偏向領域に対する2つのラインガイドデバイスの長手方向の力を受ける。好ましくは、その場合、偏向デバイスは、偏向ローラの形態である。偏向デバイスの共通の位置決めデバイスは、ラインガイドデバイスの変位移動全体にわたって、2つのラインガイドデバイスに対して、好ましくは常にそれらの設定点又は目標位置に配置されることを保証する。それは、特に、ラインガイドデバイスの変位動作における動作の滑らかさに悪影響を与え得る、ラインガイドデバイスの部分の無用な位置変化、例えば、その部分の撓みを回避する。構造的に特に簡素な態様において、ラインガイドデバイスの偏向デバイス、例えば、その偏向ローラの軸は、スペーサによって相互に対して所定の間隔で保持され得る。スペーサは、剛性を有し得る。このように、2つのラインガイドデバイスの構成の全長は偏向デバイスの位置によって画定され、ラインガイドデバイスの各々はその偏向領域において偏向デバイスの一方の周囲に、それに対抗してガイドされる。2つのラインガイドデバイスがループ形状構成に配置される場合には、偏向デバイスのためのスペーサもループ状に配置されてもよく、その場合、スペーサは浮遊関係で実装されてもよく、ラインガイドデバイスの変位によって巻き込まれ得る。スペーサは、剛性を有し得る。ラインガイドデバイスの偏向領域における偏向デバイスの位置決めに関して、上記説明にさらに注意が向けられ、例えば、力を連携して異なる方向に付加する偏向デバイスの位置決めのアクチュエータを、ここでは偏向デバイスに結合するアクチュエータも設けることもできる。アクチュエータは、例えば、2つの偏向デバイス間又は偏向ローラ間に配置されてもよく、それに対して及び/又は軸受若しくはホルダに対して、2つの偏向ローラを相互から離間する方向に、それらが2つの偏向ローラを相互に対して一定の間隔で保持するように、分離力をかけることができ、このようにそれを2つのラインガイドデバイスの2つの偏向領域に位置決めすることができ及び/又は偏向領域に対して力をラインガイドデバイスの長手方向において偏向デバイスに付加することもできる。
【0049】
任意選択的に、別個の偏向デバイスが、ラインガイドデバイスの偏向領域の各々に対して設けられてもよい。それぞれのラインガイドデバイスの偏向領域にそれぞれの偏向デバイスを位置決めするために、2つの(又は一般的には複数の)偏向デバイスの各々に対して別個のアクチュエータを設けることも任意選択的に可能である。
【0050】
少なくとも1つ又は少なくとも2つのラインガイドデバイスの構成におけるそれぞれの偏向領域のための偏向デバイスの変位及び偏向デバイスの周囲に偏向されるラインガイドデバイスのそれぞれの偏向領域における偏向デバイスの位置決めは、異なる態様で実施可能である。それは、特に、ロープ形状構成における2つのラインガイドデバイスの構成に関して当てはまり、2つのラインガイドデバイスの2つの偏向領域はガイド装置の対向端部領域に配向され、好ましくはラインガイドデバイスの長手方向に一定の間隔で配置される。好適な実施形態を以降に説明する。
【0051】
第1の好適な実施形態U-Iによると、少なくとも1つの又は少なくとも2つの偏向デバイスは、そこで偏向されたラインガイドデバイスによって積極的にガイドされ、すなわち、偏向デバイスは、ループ構成に配置された2つのラインガイドデバイスの少なくとも1つ又は好ましくは2つの端部領域の単数又は複数の端部領域の移動によってその位置に必然的に変更される。ループ構成に配置された2つのラインガイドデバイスの場合、偏向領域に配置された2つの偏向デバイスは、ループ内に配置されたスペーサによってそれらの設定点又は目標位置に、すなわち、対向配置された偏向領域間に保持可能となる。スペーサは、少なくとも実質的に剛性を有し得る。スペーサは、場合によっては、その長手方向における力の付加の下で弾性的に圧縮可能であってもよく、2つの対向偏向領域に対して内部から対抗してそこに力を付加する。スペーサは、その長手方向においてガイド装置に関して自在に位置可変であり得る。この場合、2つのラインガイドデバイスの2つの端部領域は、好ましくは接続デバイスに配置され、又は力伝達関係においてそこに固定される。接続デバイスは、ガイド装置に固定されて力を伝達することができるので、巻込み部材において作用することができ、又は単数若しくは複数のラインガイドデバイスの単数若しくは複数の端部領域及びそれとともにその偏向領域が巻込み部材の位置の変化によって移動されるようにガイド装置の巻込み部材に力伝達関係で結合され得る。
【0052】
更に好適な実施形態U-IIによると、単数又は複数のラインガイドデバイスの少なくとも1つ又は少なくとも2つの偏向デバイスは、ラインガイドデバイスの変位の際に、単数又は複数の偏向領域において単数又は複数の偏向デバイスを位置決めするために、適宜のドライブによるモータ手段によって駆動される。モータドライブは、好ましくは、その位置変動とともにそれぞれの偏向領域の偏向デバイスに直接作用する。モータドライブは、好ましくは、電子制御される。モータドライブの作動は、単数又は複数の偏向領域がラインガイドデバイスの長手方向におけるガイド装置の位置の変化と同期してドライブによって変位されるように、ガイド装置の検出された位置の変化に応じて実行され得る。したがって、ガイド装置の位置又は位置の変化を特定して対応する測定値をドライブの制御に送信する検出デバイスがあることが理解されるはずである。ガイド装置の位置に関する測定値検出は、例えば、ガイド装置の電動モータなどのドライブの作動の検出によって実行され得る。したがって、単数又は複数のラインガイドデバイスの単数又は複数の端部領域は、浮遊状態で又は力伝達のない状態でガイド装置に接続され得る。例示として、ドライブは、その長手方向の位置においてガイド装置に可変に保持可能であり、駆動力によってガイド装置の長手方向におけるその位置を変化させることができる。ドライブは、機械又は機器の他のデバイスに実装されてもよく、位置又は長さが可変であり、例えば、ガイド装置に対する位置の変化とともにそれを適切に位置決めするための偏向デバイスに結合する作動要素を有していてもよい。
【0053】
更なる好適な実施形態U-IIIによると、単数又は複数のラインガイドデバイスの少なくとも1つ又は少なくとも2つの偏向デバイスの設定点又は目標位置が、閉ループ再調整の態様で設定可能となる。その目的のため、例えば、センサ手段による力のピックアップが、巻込み部材、単数若しくは複数のラインガイドデバイスの固定点及び/又は単数若しくは複数のラインガイドデバイスの一部分において実行されてもよく、ラインガイドデバイスのそれぞれの偏向領域における偏向デバイスが適宜のドライブによって閉ループ再調整でその設定点又は目標位置に変位される。力のピックアップは、力を加えずに実行され、すなわち、ゼロの力作用を有し、したがって閉ループ制御モードで調整される。
【0054】
更なる好適な実施形態U-IVでは、少なくとも1つ又は少なくとも2つの偏向デバイスが、ラインガイドデバイスのそれぞれの偏向領域におけるそれらの設定点又は目標位置にスプリング予応力状態でスプリングデバイスによって位置決めされる。スプリング予応力のためのスプリングデバイスは、偏向デバイスにそれぞれ結合されてもよく、それぞれの偏向領域に対してそれに予応力を加えることができ、又は好ましくはラインガイド長手方向においてスプリングによって力によって作動され得る。構成がラインガイドデバイスを有する場合には、スプリング予応力デバイスの支持当接部が、例えば、ガイド装置又はそのC字アークに配置されてもよく、好ましくはそれに対して固定配置される。ループ構成に配置され、したがってガイド装置のC字アークの対向端部に延在する2つのラインガイドデバイスがある場合には、両対向偏向領域又はその偏向デバイスを係合し、スプリング力によって、それをその設定点若しくは目標位置において保持し、又はその離間方向の力で作用するスプリング応力デバイスが設けられてもよい。例えば、各々がガイド装置又はそのC字アークの支持当接部を有する別個のスプリング予応力デバイスを偏向領域の各々に関して設けることも可能である。
【0055】
本発明は、ラインガイドデバイスを含む、本発明によるガイド装置を備える機械又は機器、特に、C字アームX線又はC字アームMRIユニットをさらに含む。概略として、それぞれの機械又は機器は、診断デバイスなどの医療デバイスであり得るが、それぞれこれに限定されることなく材料処理又は加工のための機械又はデバイスでもあってもよい。
【0056】
好ましくは、機械又は機器はガイド装置のためのホルダを有し、ガイド装置はホルダに対してその長手方向に変位可能である。本発明によると全般に、1つ、2つ又は場合によってはそれ以上のラインガイドデバイスがC字弓形状構成要素によって2つの対向面上でガイド装置のC字アークの反対側に囲まれるように、ガイド装置によってガイドされる単数又は複数のラインガイドデバイスの少なくとも1つ、2つ又は場合によってはそれ以上がC形状構成要素によってガイド装置のC字アークの反対側に囲まれる。特に、C字アークの形態の構成において単数又は複数のラインガイドデバイスに関するガイド装置のC字アークの反対側となるC形状構成要素は、好ましくは、機械若しくは機器におけるガイド装置のためのホルダ若しくはホルダの一部となり、それに接続され、又は単数若しくは複数のラインガイドデバイスを包含するハウジングの一部となる。概略として、ハウジングは、完全に閉塞され得るが、部分的に開放されていてもよい。例えばホルダ部品などのC形状構成要素に対するガイド装置の変位とともに、伸縮動作が行われてもよく、より正確には伸縮動作は弓状構成を伴う。ガイド装置に対するホルダの観点で、ガイド装置のC字アーク及びホルダの弓状ホルダ領域又はC字アークは、この場合、同心アーク、特に同心円弧の形態となり得る。
【0057】
ガイド装置と反対側のC形状構成要素は、好ましくは、単数又は複数のラインガイドデバイスの長手範囲にわたって15%以上若しくは25%以上又は場合によってはさらに50%以上にわたって延在し、これはその完全に伸長した状態において単数又は複数のラインガイドデバイスのそれぞれの最大長を意味するものとする。
【0058】
概略として、本発明によると、ガイド装置は、特にそのC字アークにおいて、キャリッジ上に配置されてもよく、ガイド装置はキャリッジに対してその長手方向において変位可能に配置される。ガイド装置は、この場合、キャリッジに固定されてもよい。キャリッジは、同様にガイド装置に対する機械又は機器のホルダ上に配置されてもよく、キャリッジはホルダに対してその長手方向に又はガイド装置の長手方向に変位可能であり得る。キャリッジの構成は、ガイド装置のC字アークとホルダとの間に、好ましくは単数又は複数のラインガイドデバイスが配置される間隔が存在することを規定する。さらに、その構成は、単数又は複数のラインガイドデバイスに配置された単数又は複数のラインによって媒体を供給される、ガイド装置に配置された消費機器又は技術的デバイスが、より大きな弓状領域にわたって、場合によっては両C字アークの全長にわたって変位可能とされることを規定し、それは機械又は機器の使用面積を拡大する。
【0059】
概略として、本発明によると、ガイド装置のC字アークの軸は、好ましくは、重力の方向に、すなわち、ガイド装置を含む機械又は機器の設置領域のZ軸に対して横断して又は垂直に配置される。C字アークの軸(すなわち、曲率軸)は、好ましくは、重力の方向に対して30度~150度、好ましくは45度~135度、特に好ましくは60度~120度又は約90度の角度を伴い得る。この構成とともに、本発明によるガイド装置の有利な効果が、特に重要となる。
【0060】
2つのラインガイドデバイスの2つの第1の端部領域に対する(又は場合によっては3個以上のラインガイドデバイスに対しても)接続デバイスは、好ましくは、単数又は複数のラインガイドデバイスに関して固定点を構成し、好ましくは長手方向に変位可能でない関係において又は特に好ましくは固定的にガイド装置に対するホルダに実装される。ラインガイドデバイスの2つ以上の端部領域は、この場合、共通の構成要素に、ただし場合によっては好ましくは相互に対して位置可変でない複数の構成要素に固定され得る。それぞれのラインガイドデバイスの端部領域をそれぞれ直接固定又は保持する接続デバイスの接続要素は相互から離間して配置されてもよく、この場合、その間隔は好ましくはガイド装置及びそれとともにラインガイドデバイスの変位の際に変化しない。2つの接続要素は、ホルダ又は一般的には、例えば、フランジ若しくはカラーなどの機械若しくは機器の1つの同じ構成要素上に、又は機械若しくは機器の種々の構成要素上にも配置され得る。対応する検討が、それとは独立して又はそれと組み合わせて、例えば、その変位に対してラインガイドデバイスの巻込み部材において配置され得る他方の(第2の)接続デバイスの2つの接続要素についても当てはまる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【
図1A】第1の変位位置におけるラインガイドデバイスを有する本発明によるガイド装置の模式図を示す。
【
図1B】第2の変位位置におけるラインガイドデバイスを有する本発明によるガイド装置の模式図を示す。
【
図1C】第3の変位位置におけるラインガイドデバイスを有する本発明によるガイド装置の模式図を示す。
【
図2A】2つのラインガイドデバイスを有する本発明によるガイド装置の模式図を側面図で示す。
【
図2B】2つのラインガイドデバイスを有する本発明によるガイド装置の模式図を平面図で示す。
【
図2C】2つのラインガイドデバイスを有する本発明によるガイド装置の模式図を斜視図で示す。
【
図3A】2つのラインガイドデバイスを有する本発明によるガイド装置の更なる実施形態の模式図を側面図で示す。
【
図3B】2つのラインガイドデバイスを有する本発明によるガイド装置の更なる実施形態の模式図を平面図で示す。
【
図3C】2つのラインガイドデバイスを有する本発明によるガイド装置の更なる実施形態の模式図を斜視図で示す。
【
図4A】単数又は複数のラインガイドデバイスのそれぞれの偏向領域におけるその目標位置での単数又は複数の偏向デバイスの設定に関する種々の実施形態U-Iの模式図を示す。
【
図4B】単数又は複数のラインガイドデバイスのそれぞれの偏向領域におけるその目標位置での単数又は複数の偏向デバイスの設定に関する種々の実施形態U-IIの模式図を示す。
【
図4C】単数又は複数のラインガイドデバイスのそれぞれの偏向領域におけるその目標位置での単数又は複数の偏向デバイスの設定に関する種々の実施形態U-IIIの模式図を示す。
【
図4D】単数又は複数のラインガイドデバイスのそれぞれの偏向領域におけるその目標位置での単数又は複数の偏向デバイスの設定に関する種々の実施形態U-IVの模式図を示す。
【
図5A】本発明によるガイド装置並びに第1のアセンブリによるラインガイドデバイスを有する機械又は機器の一部を示す。
【
図5B】本発明によるガイド装置並びに第2のアセンブリによるラインガイドデバイスを有する機械又は機器の一部を示す。
【発明を実施するための形態】
【0062】
以下に、本発明を例示により、実施形態によって図面を参照して説明する。例示による実施形態の全ての特徴は、本発明の全体的な背景において相互に独立して開示されているものとみなされる。同一の構成要素は、種々の図面において同じ符号で示される。
【0063】
ここでは例示としてC字アームX線デバイス又はC字アームMRIデバイスの形態の本発明による機械又は機器1は、少なくとも1つのそのようなラインガイドデバイス10(
図1~5参照)を有するラインガイドデバイスのためのガイド装置5を含む。ラインガイドデバイス10は、ホース、ケーブルなどの少なくとも1本のライン12を受容するための、その長手方向に延在する連続自由内部断面11を有する。ラインガイドデバイス10は、その長手方向に連続して配置されるとともに相互に対して空間的に偏向され得る複数の部分13を有する。ラインガイドデバイス10は下側ラン14、上側ラン15及びそれらを接続する偏向領域16を備える構成で配置され、偏向領域16は偏向軸16aを有し、それを中心としてラインガイドデバイス10が偏向される。ラインガイドデバイス10は2つの側部境界17a、17bを有し、その横方向の相互に対する間隔はラインガイドデバイス10の幅を決定し、側部境界は上側ラン15及び下側ラン14の相互に対向する上面15a及び下面14aに少なくとも略垂直に配置される。ガイド装置5は、少なくともその長手部分により又はその全長にわたって構成され、それによってラインガイドデバイス10をその長手方向にガイドし、C形状ガイド領域6はC字アークの曲率軸6aを有し、
凹状アーク内部曲率6c及び
凸状アーク外部曲率6dを有する。
【0064】
ガイド装置5の端部領域には、単数又は複数のラインガイドデバイス10、100によってガイドされるラインの供給を受ける例えば消費機器などの技術的デバイス75を固定するためのホルダ76が設けられ、ラインは接続点1aから機械又は機器から供給を受ける。
【0065】
本発明の主題によると、
図1~5に示すように、ガイド装置5は偏向軸20aを有する偏向デバイス20を有し、ラインガイドデバイス10の偏向領域16は偏向デバイス20の周囲にガイドされる。偏向デバイス20の軸20aはガイド装置5のC形状ガイド領域6の曲率軸6aに対する角度、ここでは90度の角度を含む。ガイド装置のC形状ガイド領域の曲率軸6aに対するラインガイドデバイス10についての偏向デバイス20の偏向軸20aの角度は、ここでは90度である。この場合、曲率軸6aは回転軸に対応し、それを中心としてガイド装置が回転可能となる。
【0066】
ラインガイドデバイス10の側部境界17aの一方は、ガイド装置5のC形状ガイド領域6の凸状湾曲外面(凸状アーク外部曲率)6dに対向配置される。ラインガイドデバイス10の側部境界17a(及び好ましくはその一方の側部境界のみ)は、その長手範囲の少なくとも一部にわたって、ここでは、変位移動全体又は変位移動のその2つの終端点間でのラインガイドデバイスの変位全体、すなわち、一方の変位方向及び他方の変位方向における最大変位にわたって、ラインガイドデバイスの変位においてガイド装置のC形状ガイド領域の凸状湾曲外面に対抗する。この場合、ラインガイドデバイスは、50%以上、75%以上又は90%以上にわたって、好ましくは少なくとも概ね、例えば、偏向デバイスにおけるラインガイドデバイスの領域の範囲で、実際にはその全長にわたって、ガイド装置のC字アークに横方向に対抗し得る。この構成では、ガイド装置は、ラインガイドデバイスの側部境界にのみ対抗し、すなわち、例えば、上側ランの上面又は下側ランの下面には対抗せず、これは摩擦及び構造的複雑さを低減し、それはこの場合にもおそらくは当てはまり得る。
【0067】
説明する構造は、ラインガイドデバイス10を有するガイド装置5の構造高さが低く、すなわち、ガイドのC字アークの曲率軸又はガイド装置の回転軸に関する径方向範囲が短いものとなることを意味する。このように、ガイドは機械又は機器の設置面Aの方向にさらに変位可能であり、又は設置面は、ラインガイドデバイスを有するガイド装置の、設置面に向かってそれを越える、すなわち、3時の位置U3に向かう方向において6時の位置U6を越える変位を阻害しない。さらに、これにより、ラインガイドデバイスが「逆さ」となり、すなわち、12時の位置U12となる場合に、ラインガイドデバイスが「横向きに」置かれ、すなわち、ガイド装置において横方向に支持されても、上側ランが垂れ下がることを防止し、それにより従来の場合であり得るように上側ランが下側ランと接触してしまうことはない。
【0068】
ガイド装置5のC形状ガイド領域6は、ここでは、ラインガイドデバイスの両変位方向において相互に対してラインガイドデバイス10の2つの端部領域10a、10bの最大間隔におけるその変位状態でのラインガイドデバイス10の長手範囲の50%以上、より正確には100%にわたって延在する。
【0069】
ここで、ラインガイドデバイス10の長手方向に偏向デバイス20の位置を変化させるためのデバイス25が設けられ、それはラインガイドデバイス10の変位位置とは独立してラインガイドデバイス10の偏向領域16のその位置に偏向デバイス20を位置決めする。これは、ここでは、偏向デバイス20がガイド装置に配置及び固定されることによりガイド装置が偏向デバイス20を偏向領域16に位置決めすることで達成される。位置決めを設定するために、偏向デバイスは、その長手方向においてガイド装置に対して例えば手動で変位可能であり、ガイド装置に対するその設定点又は目標位置に、より正確にはガイド装置に固定され得る。ただし、偏向デバイス20の位置決めは、他の態様で実行されてもよく、したがって代替の実施形態では、例えば、偏向デバイスが偏向領域においてアクチュエータによって位置決めされてもよく、その場合、アクチュエータは、例えば、ガイド装置及び/又はラインガイドデバイスの変位位置に応じて作動される。
【0070】
偏向デバイス20は、軸受21によって変位可能に実装される。軸受21は、ここでは、ガイド装置のC形状ガイド領域に長手方向に変位可能に保持される。偏向デバイス20は、ここでは、回転可能な偏向ローラの形態である。
【0071】
偏向デバイス20は、ここでは、その高さの一部にわたって、上側ラン及び下側ランに関して、例示される実施形態では、それぞれ、その高さの約25%だけラインガイドデバイス10を越えて突出する。その目的のため、偏向ローラの形態の偏向デバイスはチャネル形状の径方向外面を有し、それを中心として、それによりラインガイドデバイスはチャネル内に配置されるようにラインガイドデバイスが偏向される。
【0072】
サポートデバイス28が、それぞれ他方のランに向かう方向において偏向領域の外部で上側ラン及び/又は下側ランを支持するために、ラインガイドデバイスの上側ラン及び/又は下側ランに対してさらに設けられる。この構成では、サポートデバイスは、上側及び下側ランの双方に、場合によっては上側ラン又は下側ランのみに対抗し、その場合、別個のサポートデバイスがそれぞれの他方のランに対して設けられてもよい。サポートデバイスは、ここでは回転可能なサポートローラの形態である。サポートデバイスは、サポートデバイスが高さに関して対抗するそれぞれのランを越えて、例えば、ガイド装置のC字アークと反対側に又はここでは両側に約20%だけ突出する。このように、ラインガイドデバイスの目標位置は、ガイド装置のC字アークの回転軸の構成が重力の方向に垂直となる状態で、ただし、特にそれに対して傾斜した位置、すなわち、垂直でない角度においても、さらに安定化される。サポートローラは、偏向ローラのように設計され得る。
【0073】
ラインガイドデバイス10は常に、ガイド装置5に対して、少なくともその側部境界17aの一方の領域により、その変位移動全体にわたって、ここでは実際には側部境界の長手範囲全体にわたって対抗する。
【0074】
ガイド装置5のC形状ガイド領域(C字アーク)6は、円弧の形態である。ガイド装置のC字弓状ガイド領域(C字アーク)6は、一平面内に配置される。
【0075】
ガイド装置5は第1の接続デバイス30及び第2の接続デバイス35を有し、第1の接続デバイス30はラインガイドデバイス10の第1の端部に接続され、第2の接続デバイス35はラインガイドデバイス10の第2の端部に接続される。この構成では、第1の接続デバイス30はガイド装置5及び結果としてそのC形状ガイド領域6に対しても位置可変であり、例えば、ガイド装置に対する機械又は機器のホルダ上に配置され又はそれに固定され、ガイド装置はホルダに対して変位可能である。この構成では、第1の接続デバイス30は、ラインガイドデバイスの変位に関して固定点を構成する。第2の接続デバイス35は、ガイド装置5及びそのC字アークに対して固定配置され、より正確には、それはガイド装置5に固定される。したがって、第2の接続デバイス35は、その変位の際にラインガイドデバイス10に対する巻込み部材となる。
【0076】
単数又は複数のガイドされるラインが第1の接続デバイス30から機械又は機器の接続点1aに適切にガイドされること(図面には不図示)が理解されるはずである。
【0077】
ガイド装置5は、ここでは、第1のラインガイドデバイス10に加えて、第2のラインガイドデバイス100を有し、両ラインガイドデバイス10、100は、それぞれ、第1の接続デバイス30に第1の端部で接続され、両ラインガイドデバイス10、100は、それぞれ、第2の接続デバイス35にその第2の端部で接続される。第1のラインガイドデバイス10は、第1の接続デバイス30から、ガイド装置5のC形状ガイド領域6の第1の端部に向かう方向に延在する。第2のラインガイドデバイス100は、第1の接続デバイス30から、ガイド装置5のC形状ガイド領域6の第2の端部に向かう方向に延在する。上記第1及び第2の端部はガイド装置の端部となり、それらはその長手方向において対向関係にある。したがって、2つのラインガイドデバイス10、100は、ループ形成して配置される。
【0078】
第1のラインガイドデバイス10に関する説明は、偏向デバイスに関する説明的記載を含め、2つのラインガイドデバイス10、100が延在する異なる方向を考慮して、ここでは第2のラインガイドデバイス100についても対応して当てはまる。
【0079】
接続デバイス30、35の一方又はここでは双方が2つのラインガイドデバイス10、100に対して別個の接続要素を有し、2つの接続要素はそれぞれの接続デバイスにおいて相互に対して隣接配置され得る。接続要素において又はその領域には、それぞれの接続要素に接続されるラインガイドデバイスによってガイドされるラインのためのそれぞれの歪軽減手段が設けられる。
【0080】
2つのラインガイドデバイス10、100の2つの偏向デバイス20、120は、ラインガイドデバイス10、100の2つの偏向領域16、116において共通のデバイスによって位置決めされる。共通デバイスは、ガイド装置であり、より正確にはそのC字アークである。2つの偏向デバイス20、120は、それぞれの偏向領域に対抗して2つのラインガイドデバイス10、100の長手方向の力を受ける。その目的のため、最も単純な場合では、偏向デバイスは、偏向領域に力をかけるような態様でその嵌合の際に位置決めされてから、例えばガイド装置においてその位置に固定される。
【0081】
図4は、単数又は複数のラインガイドデバイスのそれぞれの偏向領域におけるその目標位置での単数又は複数の偏向デバイスの位置決めに関する種々の構成U-I~U-IVの模式図を示す(
図4A~4D)。実施形態は、ループ構成で配置された2つのラインガイドデバイス10をガイド装置5が有するものとしてそれぞれ示す。対応する実施形態が、1つのみのラインガイドデバイスを有するガイド装置としても実施可能であることが理解されるはずである。
【0082】
第1の実施形態U-I(
図4A)では、2つの偏向デバイス420が、それにおいて偏向されたラインガイドデバイス410によって積極的にガイドされ、ループ構成で配置された2つのラインガイドデバイスの、可動接続デバイスにおいてともに搬送される2つの端部の端部領域の変位によってそれらの位置が強制的に変えられる。2つの偏向デバイスは、2つのラインガイドデバイスのループ内に配置される。2つの偏向デバイスは、剛性スペーサ415によって相互に対してそれらの目標位置又は設定点位置に保持されるので、ラインガイドデバイスの変位の際に、偏向領域においてそれらそれぞれの目標位置に配置される。したがって、ラインガイドデバイスの一方向の変位の際に、スペーサはラインガイドデバイスとともに移動する。
【0083】
実施形態U-II(
図4B)では、単数又は複数のラインガイドデバイス410の2つの偏向デバイス420は、ラインガイドデバイスの変位の際に単数又は複数の偏向領域において単数又は複数の偏向デバイスを位置決めするために、適宜のドライブ430によるモータ手段によって駆動される。モータドライブ(ドライブ)430は、位置変化とともに、それぞれの偏向領域の偏向軸420aによって偏向デバイス420に直接作用する。モータドライブは、ここではガイド装置のドライブの動作パラメータの検出によって、ガイド装置の検出された位置変化に応じて制御構成432によって電子制御される。偏向デバイス420の各々に別個のドライブ430がその位置変化に対して関連付けられ、場合によっては共通のドライブが適宜の結合機構によって設けられてもよい。ドライブは、ここではガイド装置5において位置可変に保持される。
【0084】
実施形態U-III(
図4C)では、偏向デバイス420の目標位置は、ラインガイドデバイス410の偏向領域416において閉ループ再調整モードで設定される。その目的のため、巻込み部材438、ラインガイドデバイスの少なくとも一方若しくは双方の固定点及び/又はラインガイドデバイスの少なくとも一方若しくは双方の一部分にセンサ力ピックアップ437が設けられる。ラインガイドデバイス410のそれぞれの偏向領域416における偏向デバイス420は、その閉ループ再調整により、適宜のドライブ440によってその目標位置に変位される。共通のドライブが2つの偏向デバイスに対して設けられてもよいし、別個のドライブがその目的のために設けられてもよく、それらは閉ループ調整モードでそれぞれ作動される。その構成では、一方又は両方のラインガイドデバイスの単数又は複数の端部領域に対する接続デバイスが設けられてもよく、それはガイド装置に結合されず、一般に本発明による場合となり得る。
【0085】
実施形態U-IV(
図4D)では、偏向軸420aを有する少なくとも1つ又は少なくとも2つの偏向デバイス420は、ラインガイドデバイス410のそれぞれの偏向領域416においてそれらの目標位置にスプリングデバイス450によってスプリング予応力状態で位置決めされる。スプリング予応力のためのスプリングデバイスは、偏向デバイスにそれぞれ結合してもよく、それぞれの偏向領域に対して偏向デバイスに予応力を与えてもよく、又は好ましくは偏向デバイスがラインガイド長手方向にスプリング作用による力を受けるようにしてもよい。スプリングデバイスのための支持当接のそれぞれの構成及びラインガイドデバイスの変位の方向に応じて、スプリング要素は引張りスプリング又は圧縮スプリングの形態となり得る。2つのラインガイドデバイス410がループ構成で配置される場合には、スプリング応力デバイスは対向配置された両偏向領域416を係合させ、それらをそれらの目標位置に保持することができ、又はそれらに応じて偏向領域の離間方向に相互から離れるスプリング力で作用し得る。
【0086】
機械又は機器1(
図5A,5B)はガイド装置のためのホルダ50を有し、ガイド装置5がホルダ50に関してその長手方向に変位可能である。実施形態ではホルダ50にも固定され、ここでは円弧の一部分の形態であるC形状部分(C字アーク)51が、ガイド装置と反対側のラインガイドデバイス10の側に設けられる。2つのC字アーク6、51は、曲率軸6aを中心として相互に対して同心配置される。
【0087】
ガイド装置5は、ここではキャリッジ60に実装され、装置5の長手方向においてそれに関して変位可能である。キャリッジ60もホルダ50に、より具体的にはそのC字アークに実装され、ホルダ50のC字アークにおいてその長手方向にも変位可能となる。したがって、ガイド装置5及びホルダ50は径方向において相互から離間され、単数又は複数のラインガイドデバイス10、100はその間隔領域に配置される。
【0088】
ガイド装置のC字アーク6は、約180度にわたって延在する。ホルダのC字アークは、約90度にわたって延在する。
図1A及び1Cに示すように、ガイドされるラインの供給を受ける技術的デバイス75が配置されるガイド装置5の端部領域は、結果として約280度にわたって自在に変位可能となり、ラインガイドデバイスを有するガイド装置はそのために特に適切なものとなる。
【0089】
ガイド装置5は、C形状ガイド領域6の曲率軸6aが重力の方向に対して所定の角度で、ここでは90度の角度で配置されるように、機械又は機器1に実装される。したがって、重力の方向は、ガイド装置のC字アーク6の主軸にある。ガイド装置は、ここでは、重力の方向に対する曲率軸又は回転軸の角度変化を以て旋回可能であり、例示の実施形態では、旋回軸はガイド装置のためのホルダ50の保持領域の中心を通過して延在する。C字アーク51を有するホルダ50は、ガイド装置5とともに機械又は機器及びそれとともにそこに配置された単数又は複数のラインガイドデバイス10、100にも旋回可能に保持される。単数又は複数のラインガイドデバイス10、100の空間位置はその旋回動作によっても変化し、ガイド装置の本発明による構成は単数又は複数のラインガイドデバイスを異なる空間構成において特に好適な態様で正確な位置に安定化させ、低レベルの摩耗でのラインガイドデバイスの良好な動作特性を保証する。
【0090】
さらに、及び場合によってはそれとは独立して又はそれと組み合わせて、ガイド装置を保持するホルダ50は、それにより、
図1に示すように、ガイド装置の主平面に関して主平面から又は主平面に傾斜されるように、
図1に示すようなガイド装置の構成の平面(すなわち、図面の用紙の平面)に対して傾斜される平面内にガイド装置5とともに傾斜されてもよい。