(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-19
(45)【発行日】2024-11-27
(54)【発明の名称】デュアルポート空気圧コネクタ
(51)【国際特許分類】
A61F 9/007 20060101AFI20241120BHJP
A61M 39/10 20060101ALI20241120BHJP
【FI】
A61F9/007 130F
A61M39/10 100
A61M39/10 130
(21)【出願番号】P 2022522743
(86)(22)【出願日】2020-10-26
(86)【国際出願番号】 IB2020060031
(87)【国際公開番号】W WO2021084402
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2023-10-16
(32)【優先日】2019-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100165995
【氏名又は名称】加藤 寿人
(72)【発明者】
【氏名】ダリル アナクレト
【審査官】望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-513426(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 9/007
A61M 39/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術用コンソールのインターフェース構成要素に結合されるように構成された空気圧デュアルポートコネクタ(PDPC)であって、
シャフトであって、
第1の遠位端及び第1の近位端を有する第1のコネクタチャネルであって、
前記第1の遠位端において、前記第1のコネクタチャネルが、手術用ツールに結合された第1のチューブに結合されるように構成されており、
前記第1の近位端において、前記第1のコネクタチャネルが、前記インターフェース構成要素の第1のインターフェースチャネルに結合されるように構成されている、第1のコネクタチェネルと、
第2の遠位端及び第2の近位端を有する第2のコネクタチャネルであって、
前記第2の遠位端において、前記第2のコネクタチャネルが、前記手術用ツールに結合された第2のチューブに結合されるように構成されており、
前記第2の近位端において、前記第2のコネクタチャネルが、前記インターフェース構成要素の第2のインターフェースチャネルに結合されるように構成されており、
前記手術用コンソールが、それぞれ、前記第1のインターフェースチャネル及び前記第2のインターフェースチャネルを介して、前記第1のコネクタチャネル及び前記第2のコネクタチャネルに加圧ガスを供給するように構成されており、
前記加圧ガスが、前記第1のチューブ及び前記第2のチューブを介して移動し、前記手術用ツールに到達して作動させる、第2のコネクタチャネルと、
を含むシャフトと、
前記PDPCを前記インターフェース構成要素に結合するように構成された1つ以上の第1の機構と、
を備
え、
前記第1のコネクタチャネルが、第1のオスカップリングとして、近位方向に前記シャフトを超えて延びており、
前記第1のオスカップリングが、前記第1のインターフェースチャネルの遠位端に関連付けられた第1のメスカップリングに挿入されるように構成されており、
前記第2のコネクタチャネルが、第2のオスカップリングとして、近位方向に前記シャフトを超えて延びており、
前記第2のオスカップリングが、前記第2のインターフェースチャネルの遠位端に関連付けられた第2のメスカップリングに挿入されるように構成されており、
前記第2のオスカップリングが、前記第1のオスカップリングから外側に、かつ前記第1のオスカップリングを越えて、延びており、
前記PDPCが、前記第1のオスカップリングの側面から延びるオスキーイング機構をさらに備え、前記オスキーイング機構は、前記インターフェース構成要素に結合されるように構成されている、空気圧デュアルポートコネクタ(PDPC)。
【請求項2】
コアであって、前記コアの遠位端が前記シャフトの前記近位端に結合されている、コア、を更に備える、請求項
1に記載のPDPC。
【請求項3】
前記コアが、前記インターフェース構成要素を受容するための第1の開口部を備え、
前記1つ以上の第1の機構が、
ロック開口部と、
前記1つ以上の第1の機構の前記ロック開口部の周りに画定されたフレームと、
第1の平面と、
を備え、
前記コアが、少なくとも前記フレームのベースを受容するための第2の開口部を備え、
前記フレームが前記インターフェース構成要素を受容することができるように、前記第1の平面が完全に押されたときに、前記1つ以上の第1の機構の前記ロック開口部が前記コアの前記第1の開口部と整列し、
前記フレームが、前記第1の平面が解放されたときに前記インターフェース構成要素を所定の位置にロックするように構成されている、請求項
2に記載のPDPC。
【請求項4】
前記1つ以上の第1の機構が、第2の平面を含み、
前記第2の平面が柔軟であり、
前記第1の平面が押されて前記第2の平面を屈曲させるときに、前記第2の平面が前記コアの一部に接触し、
前記第1の平面を解放することにより、前記第2の平面を後方に屈曲させ、且つ前記1つ以上の第1の機構を、前記コアの前記第1の開口部が前記
1つ以上の第1の機構の前記ロック開口部ともはや整列しない位置までスライドして戻す、請求項
3に記載のPDPC。
【請求項5】
手術用コンソールのインターフェース構成要素に結合されるように構成された空気圧デュアルポートコネクタ(PDPC)であって、
シャフトであって、
第1の遠位端及び第1の近位端を有する第1のコネクタチャネルであって、
前記第1の遠位端において、前記第1のコネクタチャネルが、手術用ツールに結合された第1のチューブに結合されるように構成されており、
前記第1の近位端において、前記第1のコネクタチャネルが、前記インターフェース構成要素の第1のインターフェースチャネルに結合されるように構成されている、第1のコネクタチェネルと、
第2の遠位端及び第2の近位端を有する第2のコネクタチャネルであって、
前記第2の遠位端において、前記第2のコネクタチャネルが、前記手術用ツールに結合された第2のチューブに結合されるように構成されており、
前記第2の近位端において、前記第2のコネクタチャネルが、前記インターフェース構成要素の第2のインターフェースチャネルに結合されるように構成されており、
前記手術用コンソールが、それぞれ、前記第1のインターフェースチャネル及び前記第2のインターフェースチャネルを介して、前記第1のコネクタチャネル及び前記第2のコネクタチャネルに加圧ガスを供給するように構成されており、
前記加圧ガスが、前記第1のチューブ及び前記第2のチューブを介して移動し、前記手術用ツールに到達して作動させる、第2のコネクタチャネルと、
を含むシャフトと、
前記PDPCを前記インターフェース構成要素に結合するように構成された1つ以上の第1の機構と、
を備え、
1つ以上の開口部を有するカバーであって、前記シャフトの前記1つ以上の第1の機構が前記カバーの前記1つ以上の開口部にロックされるように構成されている、カバーを更に備える、請求項1に記載のPDPC。
【請求項6】
前記カバーが、前記インターフェース構成要素のメスキーイング機構に結合されるように構成されているオスキーイング機構を備え、
前記オスキーイング機構及び前記メスキーイング機構が、前記第1のコネクタチャネルが前記第1のインターフェースチャネルと整列され、且つ前記第2のコネクタチャネルが前記第2のインターフェースチャネルと整列されるように、前記PDPCと前記インターフェース構成要素とを整列するように構成されている、請求項
5に記載のPDPC。
【請求項7】
前記カバーが、前記インターフェース構成要素のオスキーイング機構に結合されるように構成されているメスキーイング機構を備え、
前記オスキーイング機構及び前記メスキーイング機構が、前記第1のコネクタチャネルが前記第1のインターフェースチャネルと整列され、且つ前記第2のコネクタチャネルが前記第2のインターフェースチャネルと整列されるように、前記PDPCと前記インターフェース構成要素とを整列するように構成されている、請求項
6に記載のPDPC。
【請求項8】
前記シャフトが、1つ以上の第2の機構を備え、
前記カバーが、前記シャフトの1つ以上の第2の機構に結合されるように構成された1つ以上の機構を備える、請求項
5に記載のPDPC。
【請求項9】
前記1つ以上の第2の機構が、前記シャフトの周りに配置されたリップを備える、請求項
8に記載のPDPC。
【請求項10】
前記カバーが、タブを備え、
前記タブが、前記インターフェース構成要素にロックするときに前記PDPCを回転させるためのグリップとして使用されるように構成されている、請求項
8に記載のPDPC。
【請求項11】
前記タブの内側区画に配置されている無線周波数識別(RFID)タグを更に備える、請求項
10に記載のPDPC。
【請求項12】
前記シャフトの長手方向軸が、前記第1のコネクタチャネル及び前記第2のコネクタチャネルの長手方向軸に対して平行であり、且つそれらから等距離にある、請求項1に記載のPDPC。
【請求項13】
前記1つ以上の第1の機構が、長方形であり、且つラッチを含む、請求項1に記載のPDPC。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、発明者がDaryl Anacletoである、2019年10月30日に出願された「DUAL PORT PNEUMATIC CONNECTOR」と題する米国仮特許出願第62/927,854号明細書の優先権の利益を主張するものであり、あたかも本明細書に十分且つ完全に記載されているかのように、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、手術システム用のデュアルポート空気圧コネクタに関する。
【背景技術】
【0003】
硝子体網膜処置は、視力を回復し、維持し、及び向上させるために行われる、様々な外科手術を含み得る。硝子体網膜処置は、眼の後部の多くの深刻な症状の治療に適切であり得る。硝子体網膜処置は、加齢性黄斑変性症(AMD)、糖尿病性網膜症及び糖尿病性硝子体出血、黄斑円孔、網膜剥離、網膜上膜、CMV網膜炎、並びに他の多くの眼疾患等の症状を治療し得る。
【0004】
硝子体は、眼の中心部を満たす、通常は透明なゲル状の物質である。それは眼の容積の約2/3を占めることがあり、出生前に形成され、形作られる。眼の後部に悪影響を及ぼすある特定の問題に対しては、硝子体切除又は硝子体の外科的除去が必要であり得る。硝子体の除去には、振動する微小なカッターにより、硝子体ゲルを制御された方法で除去する、小さなギロチンのような働きをする硝子体切除装置(「カッター」又は「硝子体カッター」とも呼ばれる)が必要になる可能性がある。カッターには、1つ以上の空気圧バルブ(駆動バルブとも呼ばれる)を含む空気圧式硝子体切除機(手術用コンソール)によって動力が供給される。例えば、カッターは、手術用コンソールの2つの出力ポートに交互に向けられる加圧ガスによって動力が供給され得る。場合によっては、出力ポートは、各々が出力ポートの1つに取り付けられている個別のポートコネクタを有する2つの個別のチューブを介して、カッターに結合される。しかしながら、場合によっては、手術用デバイス上でポートコネクタ用に利用可能なスペースは限られた量しかない。したがって、そのような限られたスペースに2つのポートコネクタ用のスペースを提供することは、各ポートコネクタがより狭い空気チャネルで構成され得、その結果、各ポートコネクタを通る空気の流れが少なくなることを意味し得る。加えて、2つのポートコネクタを手術用コンソールに結合するのは面倒な場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、概して、手術システム用のデュアルポート空気圧コネクタに関する。
【0006】
特定の実施形態は、手術用のインターフェース構成要素に結合されるように構成された空気圧デュアルポートコネクタ(PDPC)を提供し、PDPCは、第1の遠位端及び第1の近位端を有する第1のコネクタチャネルを有するシャフトを備える。第1のコネクタチャネルの第1の遠位端は、手術用ツールに結合された第1のチューブに結合されるように構成されている。第1の近位端において、第1のコネクタチャネルは、インターフェース構成要素の第1のインターフェースチャネルに結合されるように構成されている。
【0007】
PDPCはまた、第2の遠位端及び第2の近位端を有する第2のコネクタチャネルを備える。第2の遠位端において、第2のコネクタチャネルは、手術用ツールに結合された第2のチューブに結合されるように構成されている。第2の近位端において、第2のコネクタチャネルは、インターフェース構成要素の第2のインターフェースチャネルに結合されるように構成されている。手術用コンソールは、それぞれ、第1のインターフェースチャネル及び第2のインターフェースチャネルを介して、第1のコネクタチャネル及び第2のコネクタチャネルに加圧ガスを供給するように構成されている。加圧ガスは、第1のチューブ及び第2のチューブを介して移動し、手術用ツールに到達して作動させる。PDPCは、PDPCをインターフェース構成要素に結合するように構成された1つ以上の第1の機構を更に備える。
【0008】
以下の説明及び関連する図面は、1つ以上の実施形態の特定の例示的な特徴を詳述する。
【0009】
添付図面は、本開示の特定の実施形態の例のみを描いており、したがって、本開示の範囲を限定するものと見なすべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、特定の実施形態による、空気圧駆動式眼科用手術機の手術用コンソールの一実施形態を示す。
【
図2A】
図2Aは、特定の実施形態による、空気圧駆動式硝子体切除機の空気圧システムの概略を示す。
【
図2B】
図2Bは、特定の実施形態による、空気圧駆動式硝子体切除機の空気圧システムの概略を示す。
【
図3】
図3、特定の実施形態による、手術用プローブの切断デバイスを示す。
【
図4A】
図4Aは、特定の実施形態による、例示的な空気圧デュアルポートコネクタ(「PDPC」)の様々な図を示す。
【
図4B】
図4Bは、特定の実施形態による、例示的な空気圧デュアルポートコネクタ(「PDPC」)の様々な図を示す。
【
図4C】
図4Cは、特定の実施形態による、例示的な空気圧デュアルポートコネクタ(「PDPC」)の様々な図を示す。
【
図4F】
図4Fは、特定の実施形態による、
図4A~
図4CのPDPCがロックされるように構成されたインターフェース構成要素を示す。
【
図5A】
図5Aは、特定の実施形態による、PDPCの異なる図を示す。
【
図5B】
図5Bは、特定の実施形態による、PDPCの異なる図を示す。
【
図5C】
図5Cは、特定の実施形態による、PDPCの異なる図を示す。
【
図5D】
図5Dは、特定の実施形態による、
図5A~
図5CのPDPCがロックされるように構成されたインターフェース構成要素を示す。
【
図6A】
図6Aは、特定の実施形態による、PDPCの例示的な3次元図を示す。
【
図6B】
図6Bは、特定の実施形態による、
図6AのPDPCのコア及びロック機構の異なる図を示す。
【
図6C】
図6Cは、特定の実施形態による、
図6AのPDPCのコア及びロック機構の異なる図を示す。
【
図6E】
図6Eは、特定の実施形態による、
図6Dのインターフェース構成要素のシャフトがPDPCに完全に挿入されているときの、
図6AのPDPCを示す。
【
図6F】
図6Fは、特定の実施形態による、ロック機構がPDPCを
図6Dのインターフェース構成要素にロックしたときの、
図6AのPDPCを示す。
【
図7A】
図7Aは、特定の実施形態による、インターフェース構成要素に結合されたPDPCの例示的な3次元図を示す。
【
図7D】
図7Dは、特定の実施形態による、
図7Aのインターフェース構成要素にロックされている、
図7AのPDPCの断面図を示す。
【
図7E】
図7Eは、特定の実施形態による、
図7AのPDPCのロック機構が押されたときに移動する方向を指す矢印を示す。
【
図8A】
図8Aは、特定の実施形態による、インターフェース構成要素に結合されたPDPCの例示的な3次元図を示す。
【
図9A】
図9Aは、特定の実施形態による、シャフト及びカバーを有するPDPCの様々な図を示す。
【
図9B】
図9Bは、特定の実施形態による、シャフト及びカバーを有するPDPCの様々な図を示す。
【
図9C】
図9Cは、特定の実施形態による、インターフェース構成要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
理解を促進するために、各図面に共通する同一の要素は、可能な限り同一の参照符号を使用して示している。一実施形態の要素及び特徴は、更なる説明を伴わずに他の実施形態に有益に組み込むことができるように企図されている。
【0012】
本発明の特徴は、ある特定の実施形態及び以下の図面に対して論じる場合があるが、本発明の実施形態は全て、本明細書で論じる有利な特徴のうちの1つ以上を含むことができる。言いかえれば、ある特定の有利な特徴を有するものとして1つ以上の実施形態を論じる場合があるが、本明細書で論じる様々な他の実施形態に従って、このような特徴のうちの1つ以上を使用してもまたよい。同様に、デバイス、器具、又は方法の実施形態として例示的な実施形態を以下で論じる場合があるが、様々なデバイス、器具、及び方法において、このような例示的な実施形態を実装することができることを理解されたい。
【0013】
図1は、空気圧駆動式眼科用手術機の手術用コンソール101の一実施形態を示している。手術用コンソール101は、1つ以上の空気圧ツール103を駆動するように構成されてもよい。ツール103は、例えば、剪刀、硝子体切除装置、鉗子、及び、注入又は抽出モジュールを含んでもよい。他のツール103もまた使用してよい。手術中、
図1の空気圧駆動式眼科用手術機は、外科医が硝子体切除等の様々な眼の外科的処置を行うことを支援するように動作してもよい。窒素等の圧縮ガスが、手術用コンソール101を通して動力を供給して、ツール103を動かすようにしてもよい。手術用コンソール101は、ユーザに情報を表示するためのディスプレイ109を含んでもよい(ディスプレイはまた、ユーザ入力を受信するためのタッチスクリーンを組み込んでもよい)。手術用コンソール101はまた、(例えば、洗浄/吸引機能を支援する)フルイディクスモジュール105と、ツール103に結合する(例えば、ツール103に取り付けられた空気圧ライン及びチューブを通して結合する)ためのPDPC107とを含んでもよい。
【0014】
図2A及び
図2Bは、空気圧駆動式硝子体切除機の空気圧システムの概略を示している。
図2A及び
図2Bに見られるように、空気圧システムは、圧力源209(例えば、ガスシリンダ又は壁面出口ガス供給源などの調整された圧力源)を出力ポートA213(「ポートA」)及び出力ポートB215(「ポートB」)に結合する、空気圧バルブ217を含んでもよい。ポートA及びポートBは、PDPC107を介してツール103に結合することができる。いくつかの実施形態では、空気圧バルブ217は、コントローラ205によって制御されてもよい。いくつかの実施形態では、圧力源209の圧力もまた、コントローラ205か、又は別個のコントローラ(例えば、手術用コンソール101の内部にある)によって調整されてもよい。コントローラ205は、(例えば、ガス消費量を低減するための低圧と、切断速度を速くするための高圧との間のバランスを取るように、及び/又は、利用可能な切断速度のダイナミックレンジを増大させるように)圧力を調整してもよい。いくつかの実施形態では、空気圧システムの構成要素は、1つ以上のマニホルド(例えば、アルミニウム等の金属から機械加工される)、又はマニホルドプレート内に組み込まれてもよい。マニホルドは、気密であってもよいし、様々な取り付け具及び継手を含んでもよいし、比較的高いガス圧に耐え得ることができてもよい。マニホルドは、個々の部品として製造されてもよいし、又は、単一の部品として製造されてもよい。様々な実施形態では、(例えば、マニホルド内の)空気圧システムの構成要素は、手術用コンソール101の内部に組み込まれてもよい。
【0015】
バルブ217は、コントローラ205からの制御信号によって指示されるとおりに、バルブ217を2つの位置(例えば、
図2A及び
図2Bを参照)のうちの1つに移動させるように動作するソレノイドを含んでもよい。第1の位置において、空気圧バルブ217は、加圧ガスが出力ポートB215まで空気圧バルブ217を通過して、空気圧動力をプローブカッター225に供給する一方で、排気ポート227を通してポートAから加圧ガスを排出できるようにしてもよい。第2の位置において、空気圧バルブ217は、加圧ガスをポートAに供給し、排気ポート227を通して加圧ガスをポートB215から排出してもよい。この位置において、加圧ガスは、ポートAを通過して、空気圧動力をツール103(例えば、プローブカッター225)に供給してもよい。したがって、空気圧バルブ217が第1の位置にあるとき、デュアルチャンバ223のうちの第1のチャンバ229は充填されてよく、一方、第2のチャンバ231は排出されてもよい。空気圧バルブ217が第2の位置にある場合、第2のチャンバ231は充填されてもよい一方で、第1のチャンバ229は排出されてもよい。特定の実施形態では、プローブカッター225は、ダイヤフラム221によって移動させてもよく、それは順に、加圧ガスがポートA及びBに、並びにデュアルチャンバ223のそれぞれのチャンバに交互に向けられるのに従って振動する。
図2A及び
図2Bに示されるように、プローブカッター225は、チューブ219を介してポートA及びBに取り付けられてもよい。しかしながら、他の実施形態では、各ポートに対して別個のチューブを使用することもできる。
図2Aに示されている空気圧システムでは、単一の圧力センサ211のみが使用されているが、
図2Bに示されている空気圧システムでは、2つの圧力センサ212a及び212bが使用されていることに留意されたい。また、特定の態様では、遮断バルブを空気圧バルブ217に結合して、空気圧バルブ217に加圧ガスを供給するか、又は空気圧バルブ217への加圧ガスの流れを止めてもよい。
【0016】
図3に見られるように、プローブカッター225は、切断デバイスとして作用してもよい。プローブカッター225は、カッターポート301を備えた外側チューブ303の内部で往復運動することができる。プローブカッター225が前後に移動するときに、プローブカッター225は、プローブカッター225の尖った先端によりカッターポート301を交互に開閉してもよい。外側チューブ303を通るプローブカッター225の各サイクルは、プローブカッター225が閉じているときに、カッターポート301内で硝子体等の素材を切断してもよい。
【0017】
上述のように、特定の場合では、手術用コンソール101は、手術用コンソール101上に、各々がプローブカッター225にガス加圧を供給するための別個の出力ポートに(例えば、一方はポートAに、他方はポートBに)取り付けられた、2つの別個の空気圧ポートコネクタを備えてもよい。しかしながら、論じたように、2つの別個の空気圧ポートコネクタを使用することにより、特定の欠点が生じる場合がある。したがって、本明細書に記載の実施形態は、
図1で空気圧デュアルポートコネクタ107として示されるPDPCに関する。
図4~
図9は、PDPCの様々な可能な構成を示している。PDPC自体がよりコンパクトであるため、PDPCを利用することでより多くの空気の流れが可能になり、それによって、その中の2つの空気チャネルに対してより多くのスペースを割り当てることが可能になる。PDPCを組み立てることもまた、面倒でなくなる。
図2A及び
図2Bは、空気圧システムの一例のみを示していることに留意されたい。しかしながら、ポートA及びBなどの2つ以上のポートを介して加圧ガスを供給するように構成された任意の他の空気圧システムは、本開示のこの範囲内にある。
【0018】
図4Aは、コア412及びカバー408を有するPDPC400の例示的な3次元図を示している。コア412は、継手415、オスカップリング410、及びシャフト402の組み合わせを指す。
図4A~
図4Hの例では、継手415は、円筒形である。示されるように、オスカップリング410は、継手415から近位方向に延びている。継手415及びオスカップリング410は、以下に説明するように、手術用コンソール101のインターフェース構成要素の開口部に適合する。シャフト402は、継手415から遠位方向に延びている。本明細書では、構成要素の遠位端は、手術用コンソール101から離れて向く端部を指し、一方、構成要素の近位端は、手術用コンソール101により近い端部を指すことに留意されたい。2つの空気圧コネクタチャネル404及び406は、シャフト402内に配置されている。それらの遠位端において、特定の実施形態では、コネクタチャネル404及び406は、プローブカッターに結合されている、
図2A及び
図2Bに示されるチューブ219などの単一のチューブに取り付けられてもよい。特定の他の実施形態では、コネクタチャネル404及び406の各々は、別個のチューブに結合されてもよい。
【0019】
それらの近位端において、コネクタチャネル404及び406は、手術用コンソール101に固定的に結合され得るコンソールインターフェース構成要素(「インターフェース構成要素」)のインターフェースチャネルに結合する。インターフェースチャネルは、コネクタチャネル404及び406をポートA及びBに直接又は間接的に接続する。特定の実施形態では、インターフェースチャネルは、
図2A及び
図2Bに示される第1及び第2のチャネルと同じであり、特定の他の実施形態では、インターフェースチャネルは、第1及び第2のチャネルに結合されているが、それらと同じではない。コネクタチャネル406は、シャフト402、継手415、及びインターフェース構成要素の開口部に適合するオスカップリング410を通って延びている。インターフェース構成要素の開口部は、2つのインターフェースチャネルのうちの1つをコネクタチャネル406に露出する。インターフェース構成要素はまた、他のインターフェースチャネルをコネクタチャネル404に露出する。
【0020】
上述のように、その遠位端において、シャフト402は、1つ以上のチューブ(例えば、
図2A及び
図2Bのチューブ219)に接続する。シャフト402はまた、その各側面上にグリップ420を備える。グリップ420は、コネクタ400を手術用コンソール101のインターフェース構成要素に接続してロックしようとするときに、ユーザがシャフト420上を容易につかむことを可能にする。継手415は、継手415の周りに配置されたシーリングOリング414を備える。シーリングOリング414は、継手415がインターフェース構成要素に結合された後に、継手415の外面と手術用コンソール101のインターフェース構成要素の内面との間のギャップを密封するのに役立つ。同様に、オスカップリング410は、オスカップリング410の周りに配置されたシーリングOリング416を備える。シーリングOリング416はまた、密封目的に使用される。
【0021】
コア412は、円筒形であり、且つ2つのロック機構409a~409b(総称して「ロック機構409」と呼ばれる)を備えるカバー408に結合されている。ロック機構409は、その動作が以下で更に説明される回転ロック機構である。カバー408はまた、タブ418を備える。タブ418は、コネクタ400を回転させてそれをインターフェース構成要素にロックするときに、ユーザがグリップとして使用することができる。特定の実施形態では、タブ418は、中空区画を含んでもよく、無線周波数識別(RFID)タグは、中空区画に配置され得る。
【0022】
図4Bは、PDPC400の例示的な2次元図を示している。
【0023】
図4Cは、PDPC400の別の例示的な3次元図を示している。より具体的には、
図4Cは、インターフェース構成要素のインターフェースチャネルに流体結合されるように構成されている、コネクタチャネル406及び404の近位端を示している。特定の実施形態では、PDPC400は、シャフト406に対して平行であり、シャフト406の中心である長手方向軸の周りを回転するように構成されている。
【0024】
図4Dは、PDPC400の例示的な断面図を示している。示されるように、カバー408は、
図4Eでより詳細に示される圧入ロック機構を介してコア412に結合されている。継手415とカバー408との間には、タブ418内部の中空区画に配置されたRFIDタグの代わりに、又はそれに加えて、RFIDタグを格納するための区画を提供するギャップ422が存在する。コア412がカバー408にロックされると、それらは分離不可能になることができ、且つ互いに対して(例えば、並進的に)移動できなくなり得る(ただし、それらは依然として互いに対して回転することができる)。いくつかの実施形態では、圧入ロック機構は、コア412及びカバー408が反対方向に移動するのを防止することができ、一方、カバー408のバリア427はまた、コア412が互いに向かって移動する(例えば、継手415がタブ418に向かって移動する)のを防止することができる。より具体的には、バリア427は、ロック機構409a及び409bが配置されているカバー408の内径と比較してカバー408の内径が小さいカバー408の内側部分を指す。
【0025】
図4Eは、圧入ロック機構を使用してカバー408及びコア412をロックすることを可能にする、カバー408及びコア412の構成要素又は一部分の拡大図を示している。
図4Eの例では、シャフト402は、カバー408の開口部に柔軟に挿入することができる、エッジを備えたリップ424を備える。リップ424がカバー408の開口部に完全に挿入されると、リップ424のエッジは、コア412とカバー408の分離を防止するなどのために、カバー408のエッジ425及び426に対して配置される。
【0026】
図4Fは、手術用コンソール101に固定的に結合され得る、インターフェース構成要素430を示している。PDPC400は、インターフェース構成要素430に適合してロックされるように構成されている。示されるように、インターフェース構成要素430は、インターフェース構成要素430を手術用コンソール101のねじ山付き開口部にねじ込むことを可能にする、ねじ山付きシャフト432を備える。インターフェース構成要素430はまた、インターフェースチャネル431及び428を備える。それらの近位端(
図4Fに示される端部)において、インターフェースチャネル431及び428は、直接的又は間接的のいずれかで、ポートA及びBに流体結合されている。それらの遠位端において、インターフェースチャネル431及び428は、PDPC400のコネクタチャネル406及び404に流体結合されている。インターフェース構成要素430はまた、ロック機構434a及び434b並びにハウジング436を含む円形ベース433を備える。ハウジング436は、PDPC400の継手415を受容するように構成及びサイズ決めされている。ベース433はまた、インターフェースチャネル431及び428の遠位端へのインターフェースを提供する。ベース433とシャフト432との間には、インターフェース構成要素430が緩んだ場合に、インターフェース構成要素430がその場所で回転するのを防止する、六角形の形状の継手442が存在する。PDPC400のオスカップリング410を受容するために、ベース433はまた、円筒形空洞の形態の開口部を備える。ロック機構434a~434bはまた、ロック機構409a~409bにロックされるように構成されている。例えば、ユーザは、継手415をハウジング436に挿入し、且つPDPC400を回転させてロック機構434a~434bをロック機構409a~409bにロックすることによって、PDPC400及びインターフェース構成要素430を結合することができる。
【0027】
図4Gは、一緒に結合されたPDPC400及びインターフェース構成要素430を示している。示されるように、PDPC400のロック機構409a、及びインターフェース構成要素430の434aのロック機構は、互いにロックされている。より具体的には、示されるように、ロック機構409aの先端411a(例えば、F字形状の先端)及びロック機構434aの先端435aは、互いにロックされている。特定の実施形態では、先端409a及び435aは、比較的柔軟であり(例えば、プラスチック、ポリカーボネートから作製される)、それによって、先端409a及び435aが、回転ロック手順中に互いに通過して移動することを可能にする。
【0028】
図4Hは、互いにロックされたPDPC400及びインターフェース構成要素430の例示的な断面図を示している。示されるように、インターフェース構成要素430は、オスカップリング410を受容した円筒形の開口部444を備える。また、インターフェースチャネル431とインターフェースするコネクタチャネル406、及びインターフェースチャネル428とインターフェースするコネクタチャネル404も示されている。
【0029】
図5Aは、シャフト502及びカバー508を備えたコア512を有するPDPC500の例示的な3次元図を示している。カバー508は、2つのロック機構509a~509b(総称して「ロック機構」と呼ばれる)を備える。2つの空気圧コネクタチャネル504及び506は、シャフト502内に配置されている。シャフト502はまた、PDPC500を手術用コンソール101のインターフェース構成要素にロックするときに、ユーザがシャフト502をより容易に回転させることを可能にする、溝及び突起部を備えたグリップ520を備える。
【0030】
図5Bは、継手515を含むコア512、継手515から延びるオスカップリング510、及びシャフト502を備えるPDPC500の分解図を示している。継手515が溝を有するいくつかの実施形態では、継手515は、シーリングOリングを使用することができる。示されるように、継手515は、継手515の外径よりも大きい外径を備えた円形平面を指す、内面501を含む。示されるように、丸いRFIDタグ503はまた、カバー508によって覆われている内面501の側面に取り付けられている。継手515及びオスカップリング510は、以下に説明するように、手術用コンソール101のインターフェース構成要素の開口部に適合する。コネクタチャネル506及び504は、コネクタチャネル406及び404と同様の方法で動作するように構成されている。PDPC500はまた、ロック機構509a及び509bを含むカバー508を備える。
【0031】
図5Cは、PDPC500の別の例示的な3次元図を示している。より具体的には、
図5Cは、継手515の近位端を含む、PDPC500の近位端を示している。示されるように、継手は、外側シェル505及び内側シェル550を含む、オスカップリング510を含んだ。内側シェル550は、コネクタチャネル506の延長部である。外側シャフト505と内側シェル505との間には、シーリングOリング507が存在する。特定の実施形態では、PDPC500は、両方のシャフト504及び506に対して平行であり、且つ両方のシャフト504及び506から等距離にある長手方向軸の周りを回転するように構成されている。
【0032】
図5Dは、手術用コンソール101に固定的に結合され得る、インターフェース構成要素530を示している。PDPC500は、インターフェース構成要素530に適合してロックされるように構成されている。示されるように、インターフェース構成要素530は、インターフェース構成要素530を手術用コンソール101のねじ山付き開口部にねじ込むことを可能にする、ねじ山付きシャフト532を備える。インターフェース構成要素530はまた、インターフェースチャネル531及び528を備える。
【0033】
それらの近位端(
図5Dに示される端部)において、インターフェースチャネル531及び528は、直接的又は間接的のいずれかで、ポートA及びBに流体結合されている。それらの遠位端において、インターフェースチャネル531及び528は、PDPC500のコネクタチャネル506及び504に流体結合されている。インターフェース構成要素530はまた、ロック機構534a及び534b並びにハウジング536を含む円形ベース533を備える。ハウジング536は、PDPC500の継手515を受容するように構成及びサイズ決めされている。ベース533はまた、インターフェースチャネル531及び528の遠位端へのインターフェースを提供する。PDPC500のオスカップリング510を受容するために、ベース533はまた、円筒形空洞の形態の開口部を備える。ベース533とシャフト532との間には、インターフェース構成要素530がその場所で回転するのを防止する六角形の形状の継手542が存在する。ロック機構534a~534bはまた、ロック機構509a~509bにロックされるように構成することができる。例えば、ユーザは、継手515をハウジング536に挿入し、且つPDPC500を回転させてロック機構534a~534bをロック機構509a~509bにロックすることによって、PDPC500及びインターフェース構成要素530を結合することができる。
【0034】
図5Eは、一緒に結合されたPDPC500及びインターフェース構成要素530を示している。示されるように、PDPC500のロック機構509a、及びインターフェース構成要素530の534aのロック機構は、互いにロックされている。より具体的には、示されるように、ロック機構509aの先端511a(例えば、F字形の先端)及びロック機構534aの先端535aは、互いにロックされている。
【0035】
図5Fは、一緒に結合されたPDPC500及びインターフェース構成要素530の断面図を示している。示されるように、コネクタチャネル506及び504は、それぞれ、インターフェースチャネル531及び528に流体結合されている。
【0036】
図6Aは、シャフト602を備えたコア612を有するPDPC600の例示的な3次元図を示している。シャフト602は、コア612から遠位方向に外向きに延びている。コア612は、ロック機構621を含み、押されたときにロックを解除するため、PDCP600は、インターフェース構成要素630に挿入されて結合され得る。いったんPDPC600がインターフェース構成要素630に完全に挿入されると、ユーザは、ロック機構621を解放することができ、それにより、PDPC600をインターフェース構成要素630にロックさせることができる。PDPC600をインターフェース構成要素630から分離するために、ユーザは、ロック機構621を再度押してロックを解除し、次いでPDPC600を遠位方向に引っ張って、それをインターフェース構成要素630から分離する。2つの空気圧コネクタチャネル604及び606は、シャフト602内に配置されている。コネクタチャネル604及び606は、オスカップリングの形態で、遠位方向にシャフト602を超えて延びている。オスカップリングが溝を有するいくつかの実施形態では、オスカップリングは、シーリングOリングを使用することができる。それらの遠位端において、特定の実施形態では、コネクタチャネル604及び606は、単一のチューブ又は別個のチューブに取り付けられてもよい。それらの近位端において、コネクタチャネル604及び606は、インターフェース構成要素630のインターフェースチャネル631及び628に結合されている。インターフェース構成要素630は、インターフェース構成要素630を手術用コンソール101内にねじ込むために使用される、ねじ山付きインターフェース構成要素632を備える。
【0037】
図6Bは、コア612及びロック機構621の分解図を示している。示されるように、ロック機構621は、曲面651及びフレーム654を備える。
図6Bの例では、フレーム654は、平面651に対して垂直である。フレーム654は、コア612の開口658と整列するように構成された開口652を有する。フレーム654は、コア612の開口660によって受容されるように構成されたフレームベース659を備える。示されるように、ロック機構621は、平面651が開口部656内に配置され、且つフレーム654がコア612の開口部656内に挿入されるように、コア612の開口部656内にスライドするように構成され、それによって、フレーム654の開口部652をコア612の開口部658と整列させることが可能になる。コア612の開口部660は、フレームのフレームベース659を受容するための2つの平行な平面間の開口部である。
図6Bはまた、インターフェースチャネル631及び628の遠位端に結合されるように構成されている、コネクタチャネル606及び604の近位端(
図6Bに示される端部)を示している。
【0038】
図6Cは、一緒に結合されたコア612及びロック機構621の上面図を示している。
【0039】
図6Dは、ロック機構621が押されたときの、PDPC600及びインターフェース構成要素630の断面図を示している。示されるように、コネクタチャネル606は、シャフト602から延びている。
図6Dはまた、コネクタチャネル606の近位端657を示している。平面651に加えて、ロック機構621はまた、先端655を有する第2の平面653を備える。示されるように、ロック機構621を押すことにより、第2の平面653の先端655がコア612の一部分に押し付けられ、それによって、第2の平面653を平面651に向かってわずかに曲げる。第2の平面653は弾性材料から作製されているため、ロック機構621を解放する(すなわち、それを押すのを止める)ことにより、
図6Fに示されるように、第2の平面653を、第2の平面653が曲がっていないその静止位置に跳ね返らせる。
【0040】
ロック機構651を押すことによりまた、フレーム654の開口部652がコア612の開口部658と整列され、それによって、挿入構成要素630のシャフト662をPDPC600の開口部658内に挿入することが可能になる。インターフェースチャネル631及び628は、少なくとも部分的に、シャフト662の長さに沿って延びている。示されるように、シャフト662は、ロック機構621が作動されるときに(例えば、ロック機構621がPDPC600をインターフェース構成要素630にロックするときに)、ロック機構621のフレーム654のフレームベース659を収容するように構成されている溝661を含む。
【0041】
図6Eは、シャフト662がPDPC600内に完全に挿入されたときのPDPC600を示している。この状態では、インターフェースチャネル631及び628の遠位端は、コネクタチャネル606及び604の近位端に流体結合されている。シャフト662がPDPC600に入るためには、ロック機構621を押す必要がある。
図6Eでの矢印は、ロック機構621が押されたときに、ロック機構621及び第2の平面653が移動する方向を指している。
【0042】
図6Fは、ロック機構621がPDPC600をインターフェース構成要素630にロックしたときのPDPC600を示している。示されるように、
図6Fに示される状態では、ロック機構621はもはや押されておらず、その結果、フレームベース659が溝661に挿入される。フレームベース659が溝661に挿入されると、PDPC600はもはや、インターフェース構成要素630から引き出されたり、誤って分離されたりすることはない。
【0043】
図7Aは、インターフェース構成要素730に結合されたPDPC700の例示的な3次元図を示している。PDPC700は、コネクタチャネル706及びコネクタチャネル704を含むコアシャフト702を備える。示されるように、コネクタチャネル706及び704は、オスカップリングの形態で、シャフトを超えて遠位方向及び近位方向の両方で延びている。それらの近位端において、コネクタチャネル706及び704は、インターフェースチャネル731及び728に結合されるように構成されている。オスカップリングが溝を有するいくつかの実施形態では、オスカップリングは、シーリングOリングを使用することができる。シャフト702はまた、2つのロック機構721a及び721b(総称して「ロック機構721」と呼ばれる)を備える。ロック機構721は、長方形であり、且つシャフト702に沿って部分的に延びている。ロック機構721の各々は、少なくとも部分的に、シャフト702に沿って近位方向に延びている。それらの先端において、ロック機構721a及び721bは、インターフェース構成要素730のラッチ上に留め金で留めるように構成されたラッチ723a及び723bを含む。シャフト702の周りには、RFIDタグを収容するためのリング703が配置されている。加えて、リング703は、ユーザがコンソールに触れるのを防止するための滅菌バリアガードとして使用することができる。
【0044】
図7Bは、PDPC700及びリング703の分解図を示している。
【0045】
図7Cは、PDPC700及びリング703の2次元図を示している。
図7Cは、ラッチ723a及び723bを示している。
【0046】
図7Dは、インターフェース構成要素730にロックされているPDPC700の断面図を示している。示されるように、この状態では、ラッチ723a及び723bは、それぞれ、ラッチ727a及び727bに留め金で留められている。この状態では、ロック機構721a及び721bがそれぞれ、シャフト702の側面上の長手方向ギャップ725a及び725bに向かって押されない限り、PDPC700をインターフェース構成要素730から分離することはできない。ロック機構721a及び721bを完全に押すことにより、
図7Fに示されるように、PDPC700をインターフェース構成要素730から分離することが可能になる。ロック状態では、コネクタチャネル706及び704の近位端は、インターフェースチャネル731及び728の遠位端に流体結合されている。
【0047】
図7Eは、ロック機構721a及び721bが押されたときに移動する方向を指す矢印を示している。
【0048】
図7Fは、インターフェース構成要素730から分離された後のPDPC700を示している。
【0049】
図8Aは、インターフェース構成要素830に結合されたPDPC800の例示的な3次元図を示している。示されるように、PDPC800は、オスカップリングの形態で遠位方向にシャフトを超えて延びている、2つのコネクタチャネル806及び804を含むシャフト802を備える。オスカップリングが溝を有するいくつかの実施形態では、オスカップリングは、シーリングOリングを使用することができる。シャフト802はまた、ロック機構821a及び821bを備える。ロック機構821a及び821bは、開口部833a及び833bにロックするように構成された、ラッチ823a及び823bを含む。例えば、
図8Aは、インターフェース構成要素830の開口部833aにロックされたロック機構821aのラッチ823aを示している。
【0050】
図8Bは、PDPC800の片側上のロック機構821aを示している。ロック機構821aは、シャフト802の中心に向かって押されるように構成されている。PDPC700と同様に、PDPC800はまた、ロック機構821a及び821bを押すことができるギャップを備える。シャフト802はまた、ユーザがシャフト802をより容易に保持することを可能にするグリップ部分809a及び809bを備える。
【0051】
図8Cは、PDPC800の上面断面図を示している。示されるように、PDPC800は、ロック機構821a及び821bとシャフト802との間にギャップ825a及び825bを備える。
【0052】
図9Aは、シャフト902及びカバー908を有するPDPC900の分解図を示している。カバー908は、インターフェース構成要素に結合するように構成されたオスキーイング機構910を備える。カバー908はまた、PDPC900がカバー908に結合されてロックされることを可能にするための2つの開口部909a~909bを備える。シャフト902は、2つのロック機構921a~921b(総称して「ロック機構921」と呼ばれる)を備える。ロック機構921a及び921bは、それぞれ、開口909a及び909bにロックするように構成されたラッチ923a及び923bを含む。2つのコネクタチャネル904及び906は、シャフト902内に配置されている。コネクタチャネル906は、オスカップリングの形態で、近位方向にシャフト902を超えて延びている。オスカップリングが溝を有するいくつかの実施形態では、オスカップリングは、シーリングOリングを使用することができる。シャフト902はまた、その各側面にグリップ920を備える。グリップ920は、PDPC900を手術用コンソール101のインターフェース構成要素にロックするときに、ユーザがシャフト902をより容易に回転させることを可能にする。グリップ920は、シャフト902の平坦なセグメントを指す。それらの遠位端において、コネクタチャネル904及び906は、プローブカッターの1つ以上のチューブに結合されるように構成されている。
【0053】
図9Bは、カバー908に結合されたシャフト902を備えたPDPC900の3次元図を示している。
図9Bは、カバー908の開口部909aにロックされたロック機構921aのラッチ923aを更に示している。
【0054】
図9Cは、手術用コンソール101に固定的に結合され得るインターフェース構成要素930を示している。PDPC900は、インターフェース構成要素930に適合してロックされるように構成されている。PDPC900がインターフェース構成要素930に挿入されると、ラッチ923a及び923bが屈曲する。インターフェース構成要素930は、内部にアンダーカットを含む。いったんラッチ923a及び923bがアンダーカットに到達すると、ラッチ923a及び923bは、PDPC900を解放して所定の位置に保持することができる。示されるように、ラッチ923a及び923bは、平坦な背面を備えたランプ様形状である。そのため、ランプが押されたときに下に屈曲し、圧力がかかっていないときに上に屈曲することができる。平坦な背面により、例えば、インターフェース構成要素930のアンダーカットと90度の角度をなし、それによって、PCPD900を所定の位置に保持することができる。
【0055】
インターフェース構成要素930は、手術用コンソール101に固定的に結合されるように構成されている。例えば、構成要素930は、手術用コンソール101にネジで取り付けられるようにドリルで開けられたスロットを有し得る。インターフェース構成要素930はまた、インターフェースチャネル933及び928を含む。それらの遠位端(ボウル形状のインターフェース構成要素930の開口部に面するように
図9Cに示されている端部)において、インターフェースチャネル933及び928は、PDPC900のコネクタチャネル906及び904の近位端に流体結合されるように構成されている。それらの近位端において、インターフェースチャネル933及び928は、直接的又は間接的のいずれかで、ポートA及びBに流体結合されている。
【0056】
PDPC900からコネクタチャネル906のオスカップリング951を受容するために、インターフェース構成要素930はまた、円筒形空洞(例えば、メスカップリング)931の形態の開口部を備える。円筒形空洞931は、コネクタチャネル928の遠位端上にある。インターフェース構成要素930はまた、PDPC900のオスキーイング機構910に結合するためのメスキーイング機構919を備える。メスキーイング機構919及びオスキーイング機構910は、総称して「キーイング機構」と呼ばれる。キーイング機構は、インターフェースチャネル933及び928がそれぞれ、コネクタチャネル904及び906に整列されるように、インターフェース構成要素930をPDPC900と整列させる。キーイング機構が結合されると、それらにより、インターフェース構成要素930及びPDPC900の互いに対する回転を防止する。
【0057】
図9Dは、カバー908に結合されたシャフト902を備えたPDPC900の3次元図を示している。
図9Bは、オスキーイング機構910を更に示している。PDPCのいずれか1つの1つ以上の機能は、他のPDPCの機能と組み合わせることができることに留意されたい。そのため、特定のPDPCに関して示されている機能は、PDPCに限定されるものではなく、他のPDPCと組み合わせて使用することができる。また、ここでのロック機構とは、PDPCをインターフェース構成要素に結合するように構成された機構を指すことに留意されたい。特定の実施形態では、PDPCをインターフェース構成要素に結合することは、2つの構成要素を互いにロックすることを含んでもよく、その結果、PDPCを引っ張っても2つの構成要素は分離されない(例えば、
図5~
図8、及び
図4の特定の実施形態)。特定の他の実施形態では、2つの構成要素を結合することは、2つの構成要素を互いにロックすることを含んでもよく、その結果、十分な力でPDPCを引っ張ると、2つの構成要素が分離される(例えば、
図9、及び
図4の特定の実施形態)。
【0058】
前述の説明は、当業者が本明細書に記載の様々な実施形態を実践できるようにするために提供されている。これらの実施形態に対する様々な修正形態は、当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義する一般的な原理は、他の実施形態に適用され得る。したがって、特許請求の範囲は、本明細書に示す実施形態に限定されることを意図されるものではなく、特許請求の範囲の文言に一致する全範囲が認められるべきである。
なお、本開示には以下の態様も含まれる。
〔態様1〕
手術用コンソールのインターフェース構成要素に結合されるように構成された空気圧デュアルポートコネクタ(PDPC)であって、
シャフトであって、
第1の遠位端及び第1の近位端を有する第1のコネクタチャネルであって、
前記第1の遠位端において、前記第1のコネクタチャネルが、手術用ツールに結合された第1のチューブに結合されるように構成されており、
前記第1の近位端において、前記第1のコネクタチャネルが、前記インターフェース構成要素の第1のインターフェースチャネルに結合されるように構成されている、第1のコネクタチェネルと、
第2の遠位端及び第2の近位端を有する第2のコネクタチャネルであって、
前記第2の遠位端において、前記第2のコネクタチャネルが、前記手術用ツールに結合された第2のチューブに結合されるように構成されており、
前記第2の近位端において、前記第2のコネクタチャネルが、前記インターフェース構成要素の第2のインターフェースチャネルに結合されるように構成されており、
前記手術用コンソールが、それぞれ、前記第1のインターフェースチャネル及び前記第2のインターフェースチャネルを介して、前記第1のコネクタチャネル及び前記第2のコネクタチャネルに加圧ガスを供給するように構成されており、
前記加圧ガスが、前記第1のチューブ及び前記第2のチューブを介して移動し、前記手術用ツールに到達して作動させる、第2のコネクタチャネルと、
を含むシャフトと、
前記PDPCを前記インターフェース構成要素に結合するように構成された1つ以上の第1の機構と、
を備える、空気圧デュアルポートコネクタ(PDPC)。
〔態様2〕
前記第1のコネクタチャネルが、第1のオスカップリングとして、近位方向に前記シャフトを超えて延びており、
前記第1のオスカップリングが、前記第1のインターフェースチャネルの遠位端に関連付けられた第1のメスカップリングに挿入されるように構成されている、態様1に記載のPDPC。
〔態様3〕
前記第2のコネクタチャネルが、第2のオスカップリングとして、近位方向に前記シャフトを超えて延びており、
前記第2のオスカップリングが、前記第2のインターフェースチャネルの遠位端に関連付けられた第2のメスカップリングに挿入されるように構成されている、態様2に記載のPDPC。
〔態様4〕
コアであって、前記コアの遠位端が前記シャフトの前記近位端に結合されている、コア、を更に備える、態様3に記載のPDPC。
〔態様5〕
前記コアが、前記インターフェース構成要素を受容するための第1の開口部を備え、
前記1つ以上の第1の機構が、
ロック開口部と、
前記1つ以上の第1の機構の前記ロック開口部の周りに画定されたフレームと、
第1の平面と、
を備え、
前記コアが、少なくとも前記フレームのベースを受容するための第2の開口部を備え、
前記フレームが前記インターフェース構成要素を受容することができるように、前記第1の平面が完全に押されたときに、前記1つ以上の第1の機構の前記ロック開口部が前記コアの前記第1の開口部と整列し、
前記フレームが、前記第1の平面が解放されたときに前記インターフェース構成要素を所定の位置にロックするように構成されている、態様4に記載のPDPC。
〔態様6〕
前記1つ以上の第1の機構が、第2の平面を含み、
前記第2の平面が柔軟であり、
前記第1の平面が押されて前記第2の平面を屈曲させるときに、前記第2の平面が前記コアの一部に接触し、
前記第1の平面を解放することにより、前記第2の平面を後方に屈曲させ、且つ前記1つ以上の第1の機構を、前記コアの前記第1の開口部が前記第1の1つ以上の機構の前記ロック開口部ともはや整列しない位置までスライドして戻す、態様5に記載のPDPC。
〔態様7〕
1つ以上の開口部を有するカバーであって、前記シャフトの前記1つ以上の第1の機構が前記カバーの前記1つ以上の開口部にロックされるように構成されている、カバーを更に備える、態様1に記載のPDPC。
〔態様8〕
前記カバーが、前記インターフェース構成要素のメスキーイング機構に結合されるように構成されているオスキーイング機構を備え、
前記オスキーイング機構及び前記メスキーイング機構が、前記第1のコネクタチャネルが前記第1のインターフェースチャネルと整列され、且つ前記第2のコネクタチャネルが前記第2のインターフェースチャネルと整列されるように、前記PDPCと前記インターフェース構成要素とを整列するように構成されている、態様7に記載のPDPC。
〔態様9〕
前記カバーが、前記インターフェース構成要素のオスキーイング機構に結合されるように構成されているメスキーイング機構を備え、
前記オスキーイング機構及び前記メスキーイング機構が、前記第1のコネクタチャネルが前記第1のインターフェースチャネルと整列され、且つ前記第2のコネクタチャネルが前記第2のインターフェースチャネルと整列されるように、前記PDPCと前記インターフェース構成要素とを整列するように構成されている、態様8に記載のPDPC。
〔態様10〕
前記シャフトが、1つ以上の第2の機構を備え、
前記カバーが、前記シャフトの1つ以上の第2の機構に結合されるように構成された1つ以上の機構を備える、態様7に記載のPDPC。
〔態様11〕
前記1つ以上の第2の機構が、前記シャフトの周りに配置されたリップを備える、態様10に記載のPDPC。
〔態様12〕
前記カバーが、タブを備え、
前記タブが、前記インターフェース構成要素にロックするときに前記PDPCを回転させるためのグリップとして使用されるように構成されている、態様10に記載のPDPC。
〔態様13〕
前記タブの内側区画に配置されている無線周波数識別(RFID)タグを更に備える、態様12に記載のPDPC。
〔態様14〕
前記シャフトの長手方向軸が、前記第1のコネクタチャネル及び前記第2のコネクタチャネルの長手方向軸に対して平行であり、且つそれらから等距離にある、態様1に記載のPDPC。
〔態様15〕
前記1つ以上の第1の機構が、長方形であり、且つラッチを含む、態様1に記載のPDPC。