(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-19
(45)【発行日】2024-11-27
(54)【発明の名称】流体送達システム
(51)【国際特許分類】
A61M 5/145 20060101AFI20241120BHJP
A61M 5/168 20060101ALI20241120BHJP
【FI】
A61M5/145 502
A61M5/168 500
(21)【出願番号】P 2022536933
(86)(22)【出願日】2020-09-10
(86)【国際出願番号】 EP2020075268
(87)【国際公開番号】W WO2021129958
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2023-09-01
(32)【優先日】2019-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508286762
【氏名又は名称】アシスト・メディカル・システムズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100113376
【氏名又は名称】南条 雅裕
(74)【代理人】
【識別番号】100179394
【氏名又は名称】瀬田 あや子
(74)【代理人】
【識別番号】100185384
【氏名又は名称】伊波 興一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100137811
【氏名又は名称】原 秀貢人
(72)【発明者】
【氏名】バタリロ ズボニミール
(72)【発明者】
【氏名】エドマン ダイエター
(72)【発明者】
【氏名】シーベルトセン ジャン
【審査官】星名 真幸
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05551488(US,A)
【文献】特表2004-518271(JP,A)
【文献】特開2001-123961(JP,A)
【文献】特開平09-308686(JP,A)
【文献】特表2016-514021(JP,A)
【文献】特開平07-250897(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/145
A61M 5/168
A61M 5/142
A61M 5/19
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体送達システム(100;200;300)であって、
[1]少なくとも一の流体を供給するための少なくとも一の供給ステーション(10;310)、
[2]以下を備える、前記少なくとも一の流体を加圧するための加圧ユニット(20):
[2―1]チャンバ(31)と前記チャンバに収容されているピストン(32)とを備えるパンプモジュール(30);
ここで前記ピストンはプランジャ(34)を有しており、前記プランジャは、前記チャンバの内壁と協同して第一(35)と第二(36)の体積可変副チャンバを規定する;
および
[2―2]前記ピストンを前記チャンバ内で往復させるための、前記ピストンに接続された駆動ユニット(M);
[3]前記少なくとも一の流体を前記第一と第二の体積可変副チャンバに供給するために、前記少なくとも一の供給ステーションおよび前記パンプモジュールと流体連通している入口流体回路(40)、ここで、前記入口流体回路(40)は、
前記少なくとも一の供給ステーション(10)と流体連通する第一の入口流体経路(41);
ここで、前記第一の入口流体経路(41)は供給ステーションバルブ(11)を備える;
および
前記供給ステーションバルブ(11)の下流の、第二の入口流体経路(42)および第三の入口流体経路(43);
ここで、前記第二および第三の入口流体
経路は、前記第一の体積可変副チャンバ(35)および前記第二の体積可変副チャンバ(36)とそれぞれ流体連通し、前記第二の入口流体経路(42)は第一の入口流体回路チェックバルブ(45)を備え、前記第三の入口流体経路(43)は第二の入口流体回路チェックバルブ(47)を備える;
を備える;
[4]前記第一と第二の体積可変副チャンバのどちらか一方から前記少なくとも一の流体を放出するために、前記パンプモジュールと流体連通している出口流体回路(50);
ここで前記出口流体回路は前記入口流体回路から分離しており、前記出口流体回路(50)は、前記第一の体積可変副チャンバ(35)および前記第二の体積可変副チャンバ(36)とそれぞれ流体連通する第一の出口流体経路(51)および第二の出口流体経路(52)を備え、前記第一の出口流体経路(51)は第一の出口流体回路チェックバルブ(55)を備え、前記第二の出口流体経路(52)は第二の出口流体回路チェックバルブ(56)を備える;
[5]前記第一と第二の体積可変副チャンバを流体的に連絡させる再循環流体回路(60;260)、
および
[6]前記第一と第二の体積可変副チャンバの間で双方向に、前記少なくとも一の流体の通過を統御するためのアクチュエータ(70;270);
ここで前記アクチュエータは能動バルブでありかつ前記再循環流体回路の一部である;
を備える流体送達システム。
【請求項2】
請求項1に記載された流体送達システム(100;300)であって、
前記再循環流体回路(60)およびそれに関連付けられた前記アクチュエータ(70)が、前記チャンバ(31)の外部にある
ことを特徴とする流体送達システム。
【請求項3】
請求項1に記載された流体送達システム(100;300)であって、
前記再循環流体回路(60)が、前記第一の入口流体回路
チェックバルブ(45)の下流で前記第二の入口流体経路(42)と、前記第二の入口流体回路
チェックバルブ(47)の下流で前記第三の入口流体
経路(43)と、それぞれ流体的に連絡する
ことを特徴とする流体送達システム。
【請求項4】
請求項1に記載された流体送達システム(200)であって、
前記再循環流体回路(60)および前記アクチュエータ(270)が、前記チャンバ(31)の内部に収容され、前記ピストン(32)の前記プランジャ(34)と一体化している
ことを特徴とする流体送達システム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載された流体送達システム(100;200;300)であって、
前記流体送達システムが注入システムであり、前記少なくとも一の流体が液体薬、薬品、または診断に有効な造影剤から選択される医療用流体である
ことを特徴とする流体送達システム。
【請求項6】
請求項1に記載の流体送達システム(100;200;300)を操作する方法であって、
前記方法は、前記流体送達システムの外への前記少なくとも一の流体の送達が行われていないときに、前記第一と第二の体積可変副チャンバ内部の流体圧力を平衡させるべく、前記第一と第二の体積可変副チャンバの間で双方向に、前記少なくとも一の流体の通過を制御するために前記アクチュエータを操作するステップを備える
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は流体送達の分野に関連する。より具体的には、本開示は流体送達システムであって、少なくとも一の流体を所定および所望の操作条件下で送達させるシステムに関連する。さらに具体的に、本開示は少なくとも一の医療用流体を注入するための注入システムに関連する。
【背景技術】
【0002】
本開示の背景は、以下にその文脈に関連する技術の議論とともに紹介される。しかし、この議論が文書、行為、人工物等に言及したとしても、その議論された技術が本開示に関する分野における先行技術の一部または共通の技術常識であることを示唆または意味しない。
【0003】
液体組成物を注入または輸液により投与するための送達システムは、当該技術分野において知られる。
【0004】
例えば医療分野において、液体薬または診断に有効な造影剤は患者の体内に、一般的には治療および/または分析される体の部分または患者の人体器官に達する患者の血管内に注入または点滴される(例えばX線、CT、MRIまたは超音波検査のような走査検査の間)。いくつかの特定の応用において、注入される液体組成物は液体キャリア中に均質に分散された微粒子の懸濁液を含むかもしれず、その均質性はその送達の間終始保つことを要求される。典型的には、液体組成物には気体入り微小胞の水性懸濁液を含み、微小胞はすなわち界面活性剤で安定化された気体/液体境界面により画されたマイクロバブル、または有形の物質的外被により画されたマイクロバルーンである。
【0005】
治療に有効な医薬または診断に有効な物質を制御可能に投与するための動力注入器および機械的に補助された輸液システムは、当該技術分野においてよく知られる。典型的には、そのような装置はシリンジを持つ自動注入器を含み、注入器は注入可能な液体とシリンジの筒の内部で移動できその先端を通して液体を発射するピストンとを収容し、シリンジの先端と注入用針またはカテーテルとに連結した管を通じて患者の中に液体を注入する。注入のパラメータを制御するために、ピストンは所望の速度で連続的にまたは選ばれた間隔でピストンを押す電気機械的装置により駆動され、その結果医薬の量が正確に決められた条件下で患者の体に送達される。例えば、診断目的で造影剤を静脈内に投与する場合(X線、CT、MRIまたは超音波検査の間)、注入の速度とモードを正確に制御することができ、体内の循環または特定の器官の調査に使用される撮像方法および検出システムの要求に適合する。
【0006】
動力注入器が、シリンジ筒の中に蓄えられた液体組成物の均質性をその投与の間制御することは重要であり、この態様は注入可能な製剤が、シリンジ内で時間の経過につれて沈殿、癒合または分離しがちな有効粒子の懸濁液または分散液である場合、より重要となる。実際、製剤の投与中に重力または他の原因によりキャリア液体から粒子がささやかに分離するだけでも、注入結果の再現性と信頼性に重大な影響を与えうる。
【0007】
EP 1,035,882B1およびWO 2107/114706は、注入の間シリンジ内容物を均質に保つ方法および手段を開示する。詳細には、これらの文献は注入または輸液により液体キャリアに均質に分散された微粒子の懸濁液を患者に投与する方法を開示し、その手段は前記懸濁液を含むシリンジと前記懸濁液を患者に注入するための動力駆動のピストンとを備える注入システムである。これらの方法によれば、シリンジの中に含まれる懸濁液は回転または振動の動きの条件下で、重力または浮力による微粒子の分離を防ぎ、前記粒子を損傷することまたはその分散を阻害することなく懸濁液の均質性を維持する。
【0008】
WO 2016/033351は、ダブルアクションの輸液パンプを備えた輸液システムについて開示する。パンプはシリンダとシリンダ内部に収容された往復ピストンとを含み、往復ピストンはシリンダの第一のパンプチャンバを第二のパンプチャンバから分離する。往復モーターは往復ピストンと連結し、第一と第二のパンプチャンバは往復モーターの操作を通じ、往復ピストンを往復させることで充填と排気の状態を交互にし、往復の速度を変化させることで第一と第二のパンプチャンバ間の連続的な流体の放出物を供給する。流体源とカテーテルは、任意にダブルアクションの輸液パンプに連結される。カテーテルはカテーテルの末端部近くに一以上の輸液ポートを含み、一以上の輸液ポートは、ダブルアクションの輸液パンプからの連続的な流体の放出物を受け取り発射する。
【0009】
DE 10 2011 120 105は、開口部のある容器を有する装置を開示し、その中に可動式ピストンが配置されている。ピストンロッドはピストンをずらすために、容器内に備えられる。容器は各チャンバに分割される。弾力性のある密封要素が容器の開口部を閉じるために備えられる。二つの入口ダクトは媒体の供給ラインおよびチャンバとそれぞれ連絡されている。二つの出口ダクトは媒体の供給ラインおよびチャンバとそれぞれ連絡されている。
【0010】
医療応用と異なる技術分野でも、組成物を特定かつ所定の条件下で送達することが、同様に求められうる。
【0011】
例えば、接着剤は適切な操作条件が保証されたとき、例えば接着剤の成分の所定の均質性が達成されたときにのみ送達されることが求められうる。それゆえ、所定の環境で接着剤に応用するための専用の送達システムは、前記所望の均質性が得られたときのみ接着剤が実際に送達されることを保証し、その結果効率が良く正確な接着剤の機能が保証される。
【0012】
例えば、利用の直前に行われる塗料用組成物またはコーティング用組成物の調整プロセスにおいても、例えば自動車、航空機、住宅備品産業においても、所望の均質性を保証することが求められる。
【0013】
さらに可能な応用について、送達システムは所定の組成物の送達をその特定の性質のしきい値が達成されたときのみ、例えば所定の温度に達したときのみ開始することが求められうる。その結果、前記送達システムは前記温度が効果的に得られ、さらに、適正な(典型的には遅い)熱分配が前記組成物内で起こっていることを保証することとなる。
【0014】
上記で言及した態様は、最終送達/適用ステップが行われる前に混合または振盪のステップを行うことが求められる伝統的産業(製薬、化学、自動車、航空機産業のような)にのみ応用されるわけではない。実際、細胞/生物学的な応用でも、続くステップに移行する前に所定の条件が維持されまたは達成されることが求められうる。例えば、細胞培養液を含む多くの実験がウシ血清を用い、その天然の構成状態を保つため使用前に注意深く旋回することにより規則正しく混合することが典型的に求められる。
【0015】
出願人は、流体の適正な使用のために要求される、特定かつ所定の流体の性質を満たす流体を送達するために、流体送達システムの性能を進歩させる必要性を理解している。
【0016】
言い換えれば出願人は、送達される特定の流体のために要求される送達条件を満足させかつ保証することができる流体送達システムを供給する必要性を理解し、同時に、使用とその製造プロセスの容易さに関しては、前記送達システムが正確で、効果的で、信頼できかつ簡潔であることを保証する必要性を理解している。
【0017】
さらに出願人は、もし必要なら流体送達システムが十分に高い流体圧力に達し、十分に高い流速で流体を送達することができる流体送達システムを供給する必要性を理解し、一方前記十分に高い流体圧力および流速が最終的に達成されうることを保証するために、前記送達システムを複雑な構造で解決する必要を避け、または少なくとも十分制限することの必要性を理解している。
【発明の概要】
【0018】
本開示の簡単な概要は、ここでその基本的な理解が与えられるよう述べられている;しかし、この概要の唯一の目的は、本開示のいくつかの概念を以下のより詳細な説明の準備として簡単な形で紹介することであって、その重要な要素を識別することやその範囲を画することと解釈してはならない。
【0019】
所定の流体の事前に定義された送達条件が、流体が送達され始める前に達成されることを保証するために、出願人は流体を流体送達システムの内部で適切に再循環させることで、その所望の能率および質を保証することができると見出した。
【0020】
さらに出願人は、外部に送達される前に流体送達システムの内部で流体の向きを適切に切り替えることで、流体送達システムの内部で圧力を均等化させ、流体の循環を容易に統御すること、また高圧が生じたときに不可避な技術的制約を減少することに有利に貢献することを見出した。
【0021】
さらに出願人は、外部に送達される前に流体を流体送達システムの内部で再循環させることで、圧力脈動の危険を、特に流体送達手順の開始時に、顕著に減少させまたは完全に取り除きさえするのに有利であることを見出した。
【0022】
出願人はまた、外部に送達される前に流体を流体送達システムの内部で再循環させることで、流体送達システムの遅延時間を顕著に減少させまたは完全に除去さえするのに有利であることを見出した。このことは本説明の以下で詳細を説明する。
【0023】
それゆえ本開示の一態様は、以下を備える流体送達システムを提供する:
[1]流体を供給するための少なくとも一の供給ステーション、
[2]以下を備える前記流体を加圧するための加圧ユニット:
[2-1]チャンバとその中に収容されているピストンとを備えるパンプモジュール;
ここで前記ピストンはプランジャを有しており、前記プランジャは前記チャンバの内壁と協同して第一と第二の体積可変副チャンバを規定する;
および
[2-2]前記ピストンを前記チャンバ内で往復させるための、前記ピストンに接続された駆動ユニット;
[3]前記流体を前記第一と第二の体積可変副チャンバに供給するために、前記少なくとも一の供給ステーションおよび前記パンプモジュールと流体連通している入口流体回路、
[4]前記第一と第二の体積可変副チャンバのどちらか一方から前記流体を放出するために、前記パンプモジュールと流体連通している出口流体回路;
ここで前記出口流体回路は前記入口流体回路から分離している;
[5]前記第一と第二の体積可変副チャンバを流体的に連絡させる再循環流体回路、
および
[6]前記第一と第二の体積可変副チャンバの間で双方向に、前記流体の通過を統御するためのアクチュエータ;
ここで前記アクチュエータは前記再循環流体回路の一部である。
【0024】
本開示のさらなる態様は、流体送達システムを操作する方法を提供し、
前記流体送達システムはパンプモジュールを備える加圧ユニットを備え;
ここで前記パンプモジュールは、チャンバとその中で往復するピストンとを備え;
ここで前記ピストンはプランジャを有しており;
ここで前記プランジャは、前記チャンバの内壁と協同して第一と第二の体積可変副チャンバを規定し;
前記流体送達システムは、前記第一と第二の体積可変副チャンバを流体的に連絡させるための再循環流体回路およびそれに関連付けられたアクチュエータをさらに備え;
前記方法は、前記流体送達システムの外への前記流体の送達が行われていないときに、前記第一と第二の体積可変副チャンバ内部の流体圧力を平衡させるべく、前記第一と第二の体積可変副チャンバの間で双方向に、流体の通過を制御するために前記アクチュエータを操作するステップを備える。
【0025】
本開示のさらなる態様は、流体送達システムを操作する方法を提供し、
前記流体送達システムは、パンプモジュールを備える加圧ユニットを備え;
ここで前記パンプモジュールは、チャンバとその中で往復するピストンとを備え;
ここで前記ピストンはプランジャを有しており;
ここで前記プランジャは、前記チャンバの内壁と協同して第一と第二の体積可変副チャンバを規定し;
前記流体送達システムは、前記第一と第二の体積可変副チャンバを流体的に連絡させるための再循環流体回路およびそれに関連付けられたアクチュエータをさらに備え、
前記方法は、以下の各ステップを備える:
流体を少なくとも一の供給ステーション(10)から前記第一と第二の体積可変副チャンバへ供給するステップ、
前記チャンバ内で前記ピストンを軸方向に移動させるステップ、
前記チャンバ内で前記ピストンを軸方向に複数回移動させる間、前記第一の体積可変副チャンバから前記第二の体積可変副チャンバへ前記再循環流体回路を通して、そして逆も同様に、前記流体を循環させるために前記アクチュエータを操作するステップ、
および
前記アクチュエータを閉鎖し、前記流体を前記流体送達システムの外へ送達するステップ。
【0026】
より具体的には、本開示の一以上の態様は、独立請求項の中で述べられており、その有利な特徴は従属請求項の中で述べられており、前記請求項の全ての表現は参照によりここに逐語的に組み込まれる(いずれか特定の態様を参照して与えられるいずれかの有利な特徴は、他のそれぞれの態様に準用する)。
【0027】
本開示の解決策は、さらなる特徴とその利点と同様に、単に非制限的な指示の方法で与えられ、添付図面と共に読まれる以下の詳細な説明を参照することで最も理解される(ここで単純化の目的で、相当する要素は等しいか同様の参照で示され、その説明は繰り返さず、またそれぞれの実体の名称は、価値、内容、表現のようにその型やその属性を一般的に示すために使われる)。この点で図面は必ずしも縮尺に従って描かれていないこと(いくつかの細部は誇張および/または単純化されうる)、および特に示されていない限り、図面はここで概念的に描かれる構造および手順を単に説明するために使われることが、はっきり意図されている。詳細には:
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本開示の一実施形態による流体送達システムの略図を示す。
【
図2】本開示のさらなる一実施形態による別の流体送達システムの略図を示す。
【
図3】本開示のさらなる一実施形態による別の流体送達システムの略図を示す。
【
図4-6】
図1に示された流体送達システムの操作ステップの略図を示す。
【
図7-8】
図2に示された流体送達システムの操作ステップの略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1に関して、本開示の一実施形態による流体送達システム100の略図が示されている。流体送達システム100は、供給ステーション10に収容されている流体を送達するために使用され、前記流体は流体送達システムが実施される特定の技術分野に基づき性質が異なる。
【0030】
例えば、流体送達システム100が医療分野で用いられる注入システムの場合、供給ステーション10に収容され患者の血管系に注入される流体は造影剤であるかもしれず、前記造影剤は走査検査、例えばCT、MRIまたは超音波検査の間、患者の内部で標的(体)の特徴(例えば人体の構造または器官)のコントラストを高めるために投与される。特に、画像応用において(ここで患者内部の画像表現は外科的技術を使うことなく非侵襲的方法で作成される)、造影剤の使用は標的の特徴をより顕著にする。結果として、造影剤が無ければ他の近傍の特徴(例えば周辺組織)からより区別の付きにくい標的の特徴は、有利に強調される。これは診断応用における臨床医の仕事を著しく容易に、特に病変の特定および/または特徴描写、医療行為に対する進展や反応のモニタリングを容易にする。例えば、CT応用において造影剤には、ジアトリゾ酸、イオキサグル酸、イオパミドール、イオヘキソール、イオキシラン、イオプロミドまたはイオジキサノールを含むヨウ素ベースの造影剤がありえる。イオパミドールを含む商用の造影剤の例には、Bracco Diagnostics Inc.(登録商標)が製造するISOVUE(登録商標)がある。
【0031】
本開示の一実施形態によれば、流体送達システム100は、連続的な注入/輸液モードでおよび/またはボーラス投与として、超音波造影剤(USCA)を送達するために構成されている。特に、流体送達システム100は液体組成物を送達するために使用され、前記液体組成物は液体キャリア、望ましくは水性液体キャリア中に均質に分散された微粒子の懸濁液を含み、前記微粒子は少なくとも一の生理学的に許容されるハロゲン化気体を含む封入された純粋気体または混合気体を包含する。このハロゲン化気体はCF4、C2F6、C3F8、C4F8、C4F10、C5F12、C6F14またはSF6の中から選択されることが望ましい。混合気体はまた、空気、酸素、窒素、ヘリウム、キセノンまたは二酸化炭素のような気体を包含しうる。多くの場合前記微粒子(マイクロバブルまたはマイクロバルーン)は、窒素または空気を少なくとも一のペルフルオロ化気体と、1から99%の間で変化する比率で混合する混合物を包含する。造影超音波検査(CEUS)応用に使用される商用の造影剤の例には、Bracco Suisse(登録商標)が製造するSonoVue(登録商標)(六フッ化硫黄マイクロバブル)がある。
【0032】
医療分野についてさらに、供給ステーション10に収容され患者の血管系内に注入される流体には、生理学的なまたは等張の溶液(例えば塩化ナトリウム)を含む塩類溶液がありうる。あるいは前記流体は、液体薬または薬品でありうる。
【0033】
上記ですでに言及したように、本開示の送達システム100は、医療/診断分野に必ずしも関連しない多くの技術分野における流体送達のために使用されうる。例えば、供給ステーション10に収容される流体は、接着剤、塗料、コーティング剤、または送達の特性(例えば温度)が適正に達成/制御される必要のある物質/製剤でありうる。
【0034】
流体送達システム100は加圧ユニット20を備え、前記加圧ユニットは特定の送達の利用に関する要求に基づいて事前に定められた、所定の圧力および流速で流体送達システムから出ていくよう(そしてそのように送達されるよう)流体を操作する。詳しくは、加圧ユニット20はパンプモジュール30および駆動ユニットMを備え、前記駆動ユニットはその操作のためにパンプモジュールに関連付けられる。パンプモジュール30はチャンバ31を備え、前記チャンバの中でピストン32が駆動ユニットMによって往復させられる(すなわち前後に移動する-両矢印Aを見よ)。図に示された実施形態によれば、チャンバ31は円筒(例えばシリンジ筒のような)として表されている。しかし目的に合った他の異なる構成が、同様に想定されうる。ピストン32はピストンロッド33およびプランジャ34を備え、前記プランジャは前記ピストンロッドに対し実質上垂直に配置され、径方向の拡張は前記チャンバの径方向の拡張すなわちプランジャの幅に実質上一致する。それゆえチャンバ31の内壁と協同して、プランジャ34はプランジャの片側(
図1の実施形態におけるプランジャの左側)に第一の副チャンバ35を、プランジャの反対側(
図1の実施形態におけるプランジャの右側)に第二の副チャンバ36を規定する。流体送達システムの操作の間、ピストン32は前後に動かされ(両矢印Aを見よ)、このように前記第一と第二の副チャンバ35、36の全体の体積は連続的かつ交互に変化し、こうしてこれらの副チャンバは体積可変副チャンバとなる。例えば、ピストン32が
図1の右に動かされると、第一の副チャンバ35の体積は増加し、一方第二の副チャンバ36の体積は減少する;反対に、ピストン32が
図1の左に動かされると、第二の副チャンバ36の体積は増加し、一方第一の副チャンバ35の体積は減少する。
図1に示された実施形態によれば、プランジャ34はピストンロッド33の軸端に備え付けられる(すなわち駆動ユニットMに接続された軸端の反対の軸端に)。あるいは、プランジャ34はピストンロッド33の長手方向の延長に沿って別の位置に、ただしチャンバ31の両方のベース壁(base wall)31a、31bが密閉を保ったままピストンロッド33がベース壁を通って軸方向に動くことができる条件で備え付けてもよい(図には示されない実施形態)。
【0035】
本開示の流体送達システム100はさらに、供給ステーション10およびパンプモジュール30と流体連通している入口流体回路40を備える。入口流体回路40は、流体(供給ステーション10に収容されている)を第一の体積可変副チャンバ35および第二の体積可変副チャンバ36へ供給する流体経路を備え、チャンバ31は送達される適切な体積の流体で充填される(矢印B)。
【0036】
詳細には、入口流体回路40は供給ステーション10と流体連通する第一の入口流体経路41を備え、前記第一の入口流体経路41は供給ステーションバルブ11を含み、前記バルブは前記流体が供給ステーション10から放出されるようにする。供給ステーションバルブ11は流体送達システムによって操作される能動バルブであって、本説明の以下で詳細が説明される。
【0037】
供給ステーションバルブ11の下流で、入口流体回路40は第二の入口流体経路42および第三の入口流体経路43に分岐し、それぞれ第一の副チャンバ35および第二の副チャンバ36と流体連通する。第一の副チャンバ35には第一の入口ポート44が備え付けられ、第二の入口流体経路42を第一の副チャンバ35に流体連通させる。同様に、第二の副チャンバ36には第二の入口ポート46が備え付けられ、第三の入口流体経路43を第二の副チャンバ36に流体連通させる。
【0038】
第一の入口ポート44の上流で、第二の入口流体経路42には第一の入口流体回路バルブ45が備え付けられ、第二の入口流体経路42を通して第一の副チャンバ35に流体を流す。本開示の実施形態によれば、第一の入口流体回路バルブ45はチェックバルブ、すなわち一方通行バルブであり、バルブを通し流体を一方向のみに、具体的には供給ステーション10から第一の副チャンバ35へ流し、それにより供給ステーション10へ流体が逆流することを防ぐ。
【0039】
同様に、第二の入口ポート46の上流で、第三の入口流体経路43には第二の入口流体回路バルブ47が備え付けられ、第三の入口流体経路43を通して第二の副チャンバ36に流体を流す。本開示の実施形態によれば、第二の入口流体回路バルブ47はチェックバルブ、すなわち一方通行バルブであり、逆流を防いでバルブを通し流体を一方向のみに、具体的には供給ステーション10から第二の副チャンバ36へ流し、バルブにより供給ステーション10へ流体が逆流することを防ぐ。
【0040】
望ましくは、第一と第二の入口流体回路バルブ45、47は、ボールチェックバルブであり、その中でボールがバルブ本体の内部に存在し流体の流れを制御する。
【0041】
流体送達システム100はさらに、入口流体回路40から分離している出口流体回路50を備える。出口流体回路50は、パンプモジュール30と流体連通し、また第一の出口流体経路51および第二の出口流体経路52を備え、流体送達システム100が流体をチャンバ31から放出し、流体送達システムの外へ送達できるようにする(矢印Bを見よ)。詳細には、第一の副チャンバ35には第一の出口ポート53が備え付けられ、第一の出口流体経路51を第一の副チャンバ35に流体連通させる。同様に、第二の副チャンバ36には第二の出口ポート54が備え付けられ、第二の出口流体経路52を第二の副チャンバ36に流体連通させる。本開示の以下で詳細に説明されるように、操作中に出口流体回路50の第一と第二の出口流体経路51、52は、第一の副チャンバ35と第二の副チャンバ36のどちらか一方から流体を放出する。
【0042】
第一の出口ポート53の下流で、第一の出口流体経路51には第一の出口流体回路バルブ55が備え付けられ、第一の出口流体経路51を通して第一の副チャンバ35から流体を放出する。本開示の実施形態によれば、第一の出口流体回路バルブ55はチェックバルブ、すなわち一方通行バルブであり、逆流を防いでバルブを通し流体を一方向のみに流し、具体的には第一の副チャンバ35から放出し、バルブにより前記第一の副チャンバ35へ流体が逆流することを防ぐ。
【0043】
同様に、第二の出口ポート54の下流で、第二の出口流体経路52には第二の出口流体回路バルブ56が備え付けられ、第二の出口流体経路52を通して第二の副チャンバ36から流体を放出する。本開示の実施形態によれば、第二の出口流体回路バルブ56はチェックバルブ、すなわち一方通行バルブであり、バルブを通し流体を一方向のみに流し、具体的には第二の副チャンバ36から放出し、バルブにより前記第二の副チャンバ36へ流体が逆流することを防ぐ。
【0044】
望ましくは第一と第二の出口流体回路バルブ55、56は、バネ仕掛けのチェックバルブであり、その中でバネ部品はチェックバルブの機能に対する重力の効果を除去することにより、バルブの操作を助けるように使用される。さらに望ましくは、第一と第二の出口流体回路バルブ55、56は、バネ仕掛けのボールチェックバルブである。
【0045】
本開示によれば、流体送達システム100はさらに、前記第一と第二の体積可変副チャンバ35、36を流体的に連絡させる再循環流体回路60を備え、前記再循環流体回路60は前記第一と第二の体積可変副チャンバ35、36の間で双方向に流体の通過を統御するアクチュエータ70と協同する。再循環流体回路60は追加の流体回路であり、すなわち第一と第二の体積可変副チャンバ35、36の間を直接流体連通させるさらなる流体経路である。それゆえ本開示において、再循環流体回路または追加の流体回路または再循環流体経路の用語は、お互い同義であって流体送達システムの同じ構成要素を指すことを意味する。
【0046】
図1に示される実施形態によれば、再循環流体回路60はチャンバ31の外部にあり、入口流体回路40の離れた支流を副チャンバ35、36の入口ポートの上流かつ入口流体回路バルブ45、47の下流で流体的に連絡している。詳細には、再循環流体回路60の第一の軸端61は、入口流体回路40の第二の入口流体経路42と、第一の入口流体回路バルブ45の下流で流体的に連絡している。同様に、再循環流体回路60の第二の軸端62は、入口流体回路40の第三の入口流体経路43と、第二の入口流体回路バルブ47の下流で流体的に連絡している。
【0047】
アクチュエータ70は流体送達システムによって操作される能動バルブであって、本開示の以下で詳細に説明される。望ましくは、アクチュエータ70は電気機械的に駆動されるバルブであって、流体送達システム100のプロセッサPによって自動的に制御および操作される。図に模式的に示されるように、プロセッサPはアクチュエータ70、駆動ユニットMおよび供給ステーションバルブ11を制御および操作する。言い換えれば、プロセッサPは制御ユニットであり、流体送達システムのいくつかの構成要素を操作者によって選択された所定の送達(注入)プロトコルに従って支配し作動させる。
【0048】
図2に示される別の実施形態によれば、流体送達システム200はチャンバ31の内部に位置する再循環流体回路260およびアクチュエータ270を備える。特に再循環流体回路260およびアクチュエータ270の両方がピストン32のプランジャ34と一体化、すなわちプランジャ部品の内部に統合されている。詳細には、再循環流体回路260は、プランジャの厚みの内部に得られる流体通路を備え、副チャンバ35、36の間の流体連通を保証する。言い換えれば、再循環流体回路260は、プランジャ内に備えられたダクト(貫通穴)であり、前記ダクトの直径(径方向の拡張)はプランジャの拡張(長さ)より著しく小さい。
【0049】
図2に示される前記別の実施形態によれば、アクチュエータ270は再循環流体回路260の内部に配置されていて、流体送達システム200のプロセッサPにより自動的に制御および操作されている。
【0050】
図3に示される別の実施形態によれば、流体送達システム300は追加の供給ステーション310を備え、供給ステーション10に蓄えられるのと同じ流体を収容する。
図1に示される実施形態と同様に、入口流体回路40は追加の第一の入口流体経路341を備え、追加の供給ステーション310を入口流体回路40の第二の入口流体経路42に流体的に連絡させる。さらに、前記追加の第一の入口流体経路341は追加の供給ステーションバルブ311を備え、流体が追加の供給ステーション310から放出できるようにする。追加の供給ステーションバルブ311は流体送達システムによって操作される能動バルブであって、本説明の以下で詳細が説明される。追加の供給ステーションには、第一の供給ステーションが故障した場合に予備の解決策を流体送達システムに備えることが、または流体送達システムの自律性を増すために、同様に第一の供給ステーション10が流体を使い尽くしたときの流体送達の連続性を保証するために、流体の供給源を備えることが想定される。
【0051】
本開示の第一の実施形態(
図1に示される)による送達システムの操作は、
図4から
図6を参照して以下で説明される。
【0052】
供給ステーション10は、流体送達システム100により送達(矢印B)されるべき流体(図示されていない)を収容する。
【0053】
最初の開始ステップとして、本開示による送達方法は、第一と第二の副チャンバ35、36を送達される流体で充填するステップを備える。前記充填するステップを行うために、プロセッサPは供給ステーションバルブ11を開き、再循環流体回路60のアクチュエータ70を閉鎖し、およびチャンバ31内部のピストン32を移動させるための駆動ユニットMを作動させ、それらにより前記流体は供給ステーション10を出て入口流体回路40を通して流れることができる。詳細には、ピストン32が軸方向に第一の方向(例えば
図4の矢印C)へ移動するとすぐに、ピストンの軸方向の移動により第一の副チャンバ(例えば副チャンバ35)の体積が増加してその中に負圧が生じ、入口流体回路40の第一の入口流体経路41および第二の入口流体経路42を通して、つまり対応する第一の入口流体回路バルブ(例えば第一の入口流体回路バルブ45)を通して流体が流れ、そうして流体が前記第一の副チャンバに入り充填する。同時に、ピストンの軸方向の移動により第二の副チャンバ(例えば副チャンバ36)の体積が減少して、その内部に含まれる空気が、反対側の第二の入口流体回路バルブ(例えば第二の入口流体回路バルブ47)が持つ通気手段を通して送達システムからプライミング(prime away)される。続いて、第二の副チャンバを充填し第一の副チャンバをプライミングするために、プロセッサPはピストンの移動を逆転させるよう駆動ユニットMを作動させ、ピストンが軸方向に第一の方向と反対の第二の方向(例えば
図5の矢印D)へ移動する。アクチュエータ70はピストンが移動する間閉鎖を維持するので、ピストンの軸方向の移動により第二の副チャンバ(例えば副チャンバ36)の体積が増加しその中に負圧が生じ、入口流体回路40の第一の入口流体経路41を通して、つまり対応する第二の入口流体回路バルブ(例えば第二の流体回路バルブ47)を通して流体が流れ、そうして流体が前記第二の副チャンバに入り充填する。同時に、ピストンの軸方向の移動により第一の副チャンバ(例えば副チャンバ35)の体積が減少して、その内部にいまだ含まれる空気が、対応する第一の入口流体回路バルブ(例えば第一の入口流体回路バルブ45)が持つ通気手段を通して送達システムからプライミングされる。プライミングするステップの間、一部の流体が送達システムから出て、出口流体回路50のプライミング(priming)もまた行われる。
【0054】
あるいは、流体送達システムの空気のプライミングは、流体回路バルブとは分離した専用の通気手段(図に示されない)によって行われる。一実施形態によれば、専用の通気手段は流体送達システムの各バルブと関連付けられる。さらなる実施形態によれば、唯一の専用の通気手段が流体送達システムによって所有される。望ましくは、前記唯一の専用の通気手段は再循環流体回路のアクチュエータに関連付けられる。
【0055】
チャンバ31が流体で充填され、送達システムのプライミングが完了するとすぐに、プロセッサPは供給ステーションバルブ11を閉じ、再循環流体回路60のアクチュエータ70を開放し、一方駆動ユニットMは作動させたままピストン32をチャンバ31の内部で軸方向に移動させ続ける。
【0056】
あるいは、プロセッサPは再循環流体回路60のアクチュエータ70を開放し、一方供給ステーションバルブ11を開放したままにする。
【0057】
ピストン32がチャンバ31のベース壁31aの方へ移動する間(
図4の矢印Cを見よ)、プランジャ34の移動は第一の副チャンバ35の体積の増加と、第二の副チャンバ36の対応する体積の減少をもたらす。さらに、アクチュエータ70は手順のこの段階では開放状態であるので、第二の副チャンバ36の中に最初に収容されていた流体は、プランジャ34によりチャンバ31の外へ第二の入口ポート46を通じて押し出され、それから再循環流体回路60の中に流れ、開放されたアクチュエータ70を通過して、第一の入口ポート44を通って第一の副チャンバ35に入る。
【0058】
指摘しなければならないのは、第二の副チャンバ36に収容されプランジャ34に押し出された流体は、供給ステーション10の中に逆流することも、出口流体回路50の第二の出口流体経路52を通ることもできないことである。実際、供給ステーションバルブ11は閉じられており、第一と第二の入口流体回路バルブ45、47は両方とも一方通行バルブであり、流体を供給ステーション10からチャンバ31に流すことはできるが、その逆はできず、それにより副チャンバ36から放出された流体が入口流体回路40の第一と第二の入口流体経路41、42を通して逆流することを防いでいる。さらに、第二の出口流体回路バルブ56は、第二の副チャンバ36から放出された流体が前記バルブ(望ましくは、第二の出口流体回路バルブ56はバネ仕掛けのボールチェックバルブである)の内部弾性に打ち勝つ十分な高圧であるときのみ自動的に開くので、アクチュエータ70が開放状態のときは、第二の副チャンバ36から放出された流体は第二の出口流体回路バルブ56の内部弾性に打ち勝つ十分な力を持たず、従って流体は流体送達システム100の外部に送達されず、逆に第二の副チャンバ36から放出された流体は第一の副チャンバ35を再度充填する。
【0059】
ピストン32がその第一の終端に到達、すなわちプランジャ34が第一の方向(
図4における右方向-矢印Cを見よ)への軸方向の移動を完了し、チャンバ31のベース壁31aの近傍に達し、その結果第二の副チャンバ36が実質上少ない体積の流体しか収容せず、一方第一の副チャンバ35は大きい体積の流体を収容するとすぐに、プロセッサPはピストンの軸方向の移動を逆転させる(
図5における左方向-矢印Dを見よ)ように駆動ユニットMを作動させる。チャンバ31内でのピストン32の逆移動の間、上記で述べたのと同じ操作状態が依然適用される、すなわちアクチュエータ70は開放状態に維持され、供給ステーションバルブ11は閉鎖状態に維持される。
【0060】
プランジャの逆方向への軸方向の移動は、第二の副チャンバ36の体積の増加と、第一の副チャンバ35の対応する体積の減少をもたらす。アクチュエータ70が開放状態にあるおかげで、第一の副チャンバ35の内部に最初に収容されていた流体は、プランジャ34によりチャンバ31の外へ第一の入口ポート44を通じて押し出され、それから再循環流体回路60の中に流れ、開放されたアクチュエータ70を通り、第二の入口ポート46を通過して第二の副チャンバ36に入る。
【0061】
第一の方向(
図4の右方向-矢印Cを見よ)へのピストンの移動に関する上記で与えられた考えは、第二の方向つまり第一の方向の反対(
図5の左方向-矢印Dを見よ)へのピストンの移動にも依然適用される。それゆえ、第一の副チャンバ35に収容されプランジャ34に押し出された流体は、供給ステーション10の中に逆流することも、出口流体回路50の第一の出口流体経路51を通ることもできない。実際、供給ステーションバルブ11は閉じられており、第一と第二の入口流体回路バルブ45、47は両方とも一方通行バルブであり、流体を供給ステーション10からチャンバ31に流すことはできるが、その逆はできず、それにより第一の副チャンバ35から放出された流体が入口流体回路40の第一と第二の入口流体経路41、42を通して逆流することを防いでいる。さらに、第一の出口流体回路バルブ55は、第一の副チャンバ35から放出された流体が前記バルブ(望ましくは、第一の出口流体回路バルブ55はバネ仕掛けのボールチェックバルブである)の内部弾性に打ち勝つ十分な高圧であるときのみ自動的に開くので、アクチュエータ70が開放状態のときは、第一の副チャンバ35から放出された流体は第一の出口流体回路バルブ55の内部弾性に打ち勝つ十分な力を持たず、従って流体は流体送達システム100の外部に送達されず、逆に第一の副チャンバ35から放出された流体は第二の副チャンバ36を再度充填する。
【0062】
ピストン32がその第二の終端に到達、すなわちプランジャ34が第二の方向(
図5における左方向-矢印Dを見よ)への軸方向の移動を完了し、チャンバ31のベース壁31bの近傍に達し、その結果第一の副チャンバ35が実質上少ない体積の流体しか収容せず、一方第二の副チャンバ36は大きい体積の流体を収容するとすぐに、プロセッサPはピストンの軸方向の移動を再び逆転させる(
図6における右方向-矢印Cを見よ)ように駆動ユニットMを作動させ、それにより流体送達システム100のチャンバ31の新たな充填/放出サイクルを始める。もちろん、送達される特定の流体の要求および送達システムが実施される特定の応用の要求に従った、任意の回数のサイクルが準備されうる。
【0063】
上記から明らかなように、本開示の流体送達システムは、流体の連続的かつあらかじめ決められた動き(例えば体積、ピストン速度に関して)を流体送達システムから出ていく前に可能にする。上記ですでに述べたように、本開示のこの態様は、ある特定の流体の性質(例えば組成物の均質性、温度、粘度、混合、流動性)が、流体の送達が始まる前に達成されおよび/または維持される必要がある場合に、特に有利となる。実際、本開示による流体送達システムは、流体送達システム100が送達していないとき、すなわち流体送達システムから流体が全く出ていかないときに、チャンバ31に導入された流体が第一と第二の副チャンバ35、36の間で充填/放出が交互にされることにより連続的に再循環されることを可能にする。再循環流体回路60およびそれに関連付けられたアクチュエータ70のおかげで、2つの副チャンバ間での流体の再循環およびその再分配が、その中の圧力を平衡させるのに貢献している。この態様は特に有利であり、なぜなら少なくとも送達システムがまだシステムの外に流体を送達していない最初の段階で、制限された(低い)圧力下でシステムを操作できるからであり、それによりもしシステムが高圧下で操作されるよう要求される場合に、実施に必要な技術的な制約を限定できるからである。
【0064】
さらに、本開示による送達方法は、チャンバ31内に収容されている流体の送達開始のステップ(すなわち流体送達システムの外への)を備えている。前記ステップを行うために、プロセッサPは再循環流体回路60のアクチュエータ70を閉鎖し、供給ステーションバルブ11を開放する。それゆえ、流体の送達(流体が送達システムを出ていく―矢印Bを見よ)の間、供給ステーションバルブ11は開放状態を維持する。なぜなら副チャンバを新しい流体で再度充填することが、ピストンの正確な機能に、そして結果として送達システム全体の正確な機能に衝撃を与えうる流体の摂動を避けるために重要だからである。アクチュエータ70を閉鎖することで、いかなる流体も再循環流体回路60を通して流れることができなくなるため(一方上記ですでに述べたように、第一と第二の入口流体回路バルブ45、47は供給ステーション10へ流体を逆流させない)、プランジャ34を第一の方向(矢印C)および第二の反対の方向(矢印D)へ押すことで、流体が第二の出口ポート54および第一の出口ポート53からそれぞれ出ていくことが可能となる。それゆえ、流体が第二の出口ポート54を通過するように押されるとき(矢印C)、流体は出口流体回路50の第二の出口流体経路52の中へ流れ、それから第二の出口流体回路バルブ56を通過する。なぜなら手順のこの段階においてアクチュエータ70は閉鎖しているため、流体圧力は十分高く前記第二の出口流体回路バルブ56の内部弾性に打ち勝つからである。同様に、流体が第一の出口ポート53を通過するように押されるとき(矢印D)、流体は出口流体回路50の第一の出口流体経路51の中へ流れ、それから第一の出口流体回路バルブ55を通過する。なぜなら手順のこの段階においてアクチュエータ70は閉鎖しているため、流体圧力は十分高く前記第一の出口流体回路バルブ55の内部弾性に打ち勝つからである。結果として、第一と第二の副チャンバ35、36から連続して流体を放出することにより、流体は最終的に送達される(矢印B)。実際、第一と第二の出口流体回路バルブ55、56は一方通行バルブであるので、流体は加圧下の経路を通して逆流することができず、そうして強制的に送達される(矢印B)。
【0065】
上記で言及したように、流体を送達するステップの間(矢印B)、供給ステーションバルブ11は開放を維持しているので、新しい流体が二つの副チャンバに交互に入ることができ、ピストンがチャンバ31内で軸方向に移動している間は望まれない摂動効果は起こらない。送達のステップの間にシステムに入る新しい流体がアクチュエータ70と再循環流体回路60を通過しなくても、新しい流体は直接には送達されないことに注意すべきである。実際、新しい流体は負圧である副チャンバに入り、一方システムによって送達される流体は加圧された副チャンバ内に収容されていた流体である。それゆえ送達される前に、新しい流体はピストンの軸方向の移動のおかげでそれぞれの副チャンバ内で持続的に移動および混合しており、それにより流体がシステムから最終的に出ていく前に、所望の送達条件が達成されることを保証している。
【0066】
上記ですでに言及したように出願人は、再循環流体回路60およびそれに関連付けられたアクチュエータ70を通し流体を流すことによるチャンバ31内での流体の再循環が、流体が送達されているときに、特に流体送達手順の開始時に、圧力脈動の危険を顕著に減少させまたは完全に取り除きさえすることを見出した。実際、本開示による流体送達システムは、再循環流体回路60とアクチュエータ70の存在のおかげで、ピストン32が移動を開始するときに起こる圧力降下または圧力スパイクを適切に制御することができる。実際本開示によれば、流体送達システムはチャンバ31内での流体の再循環がすでに開始しているときに流体の送達(流体送達システムの外へ)を開始するので、それゆえピストンがチャンバ31内ですでに移動しているときに送達が開始することとなる。これが意味するのは明らかに、流体の送達の開始はピストンの移動の開始と同時ではないことであり、なぜなら流体の再循環が行われるようピストンがすでにチャンバ31内で軸方向に移動しているときに、流体の送達が開始するからである。
【0067】
さらに上記ですでに言及したように出願人は、再循環流体回路60およびそれに関連付けられたアクチュエータ70を通し流体を流すことによるチャンバ31内での流体の再循環が、流体送達システムの遅延時間を顕著に減少させまたは完全に除去さえすることも見出した。遅延時間は、流体送達システムが流体の送達を準備するために不可避に要求する技術的時間である。実際、プロセッサPが駆動ユニットMに電流を供給するよう指示してすぐに、典型的には前記電流は電磁場を高め、それがギアにトルクを発生させるローター磁石を作動させ、それによりピストンが移動を開始する。ピストンが移動を開始したとき、流体の圧力は高くなり始め、第一と第二の出口流体回路バルブ55、56に設定された圧力しきい値に達し打ち勝つために、さらに追加の時間を要する。これらの時間の合計が「遅延時間」と呼ばれ、それはとても無視できず、それにより流体送達システムの外への流体の送達に、不可避に遅延を引き起こす。再循環流体回路60およびそれに関連付けられたアクチュエータ70の存在のおかげで、本開示の流体送達システム100は前記遅延時間に克服または減少させることを可能とする。なぜならチャンバ31内で流体の再循環を行うためにピストン32が流体送達に十分先立って移動を開始するからである。それゆえ、プロセッサPが流体の送達(矢印B)を開始するためにアクチュエータ70を閉鎖してすぐに、流体の圧力は速やかに上昇し、第一と第二の出口流体回路バルブ55、56に設定された圧力しきい値に速やかに打ち勝つ。結果として、プロセッサPが送達の開始を命令した直後にシステムにより流体が送達される。
【0068】
図2に示された別の送達システム200の操作は、
図7および
図8を参照して以下に詳細が開示され、前記操作は
図1の流体送達システム100に関して上記で開示された方法の各ステップと実質的に同じである。
【0069】
最初の開始ステップとして、本開示による送達方法は、第一と第二の副チャンバ35、36を送達される流体で充填するステップを備える。前記充填するステップを行うために、プロセッサPは供給ステーションバルブ11を開き、再循環流体回路260のアクチュエータ270を閉鎖し、およびチャンバ31内部のピストン32を移動させるための駆動ユニットMを作動させ、それらにより前記流体は供給ステーション10を出て入口流体回路40を通して流れることができる。詳細には、ピストン32が軸方向に第一の方向(例えば
図7の矢印C)へ移動するとすぐに、ピストンの軸方向の移動により第一の副チャンバ(例えば副チャンバ35)の体積が増加してその中に負圧が生じ、入口流体回路40の第一の入口流体経路41および第二の入口流体経路42を通して、つまり対応する第一の入口流体回路バルブ(例えば第一の入口流体回路バルブ45)を通して流体が流れ、そうして流体が前記第一の副チャンバに入り充填する。同時に、ピストンの軸方向の移動により第二の副チャンバ(例えば副チャンバ36)の体積が減少して、その内部に含まれる空気が、反対側の第二の入口流体回路バルブ(例えば第二の入口流体回路バルブ47)が持つ通気手段を通して送達システムからプライミングされる。続いて、第二の副チャンバを充填し第一の副チャンバをプライミングするために、プロセッサPはピストンの移動を逆転させるよう駆動ユニットMを作動させ、ピストンが軸方向に第一の方向と反対の第二の方向(例えば
図8の矢印D)へ移動する。アクチュエータ270はピストンが移動する間閉鎖を維持するので、ピストンの軸方向の移動により第二の副チャンバ(例えば副チャンバ36)の体積が増加しその中に負圧が生じ、対応する第二の入口流体回路バルブ(例えば第二の入口流体回路バルブ47)を流体が通過することができ、そうして流体が前記第二の副チャンバに入り充填する。同時に、ピストンの軸方向の移動により第一の副チャンバ(例えば副チャンバ35)の体積が減少して、その内部にいまだ含まれる空気が、対応する第一の入口流体回路バルブ(例えば第一の入口流体回路バルブ45)が持つ通気手段を通して送達システムからプライミングされる。プライミングするステップの間、一部の流体が送達システムから出て、出口流体回路50のプライミングもまた行われる。
【0070】
チャンバ31が流体で充填され、送達システムのプライミングが完了するとすぐに、プロセッサPは供給ステーションバルブ11を閉じ、再循環流体回路260のアクチュエータ270を開放し、一方駆動ユニットMは作動させたままピストン32をチャンバ31の内部で軸方向に移動させ続ける。
【0071】
アクチュエータ270は、ピストン32が第一の方向に進むとき(
図7の矢印Cを見よ)、流体が(再循環流体回路260を通って流れ)第二の方向、つまり第一の方向の反対に移動(
図7の矢印Eを見よ)できるようにデザインされている。それゆえ、プランジャ34の移動は第一の副チャンバ35の体積の増加と、第二の副チャンバ36の対応する体積の減少をもたらし、一方第二の副チャンバ36の中に最初に収容されていた流体は、再循環流体回路260およびそれに関連付けられたアクチュエータ270を通過して、第一の副チャンバ35に入る。
【0072】
図1の流体送達システム100に関して上記で説明したように、
図2の流体送達システム200の別の実施形態においても、第二の副チャンバ36に収容されプランジャ34に押し出された流体は、供給ステーション10の中に逆流することも、出口流体回路50の第二の出口流体経路52を通ることもできない。実際、第一と第二の入口流体回路バルブ45、47は両方とも一方通行バルブであり、流体を供給ステーション10からチャンバ31に流すことはできるが、その逆はできず、それにより副チャンバ36から放出された流体が入口流体回路40の第二と第三の入口流体経路42、43を通して逆流することを防いでいる。さらに、第二の出口流体回路バルブ56は、第二の副チャンバ36から放出された流体が前記バルブ(望ましくは、第二の出口流体回路バルブ56はバネ仕掛けのボールチェックバルブである)の内部弾性に打ち勝つ十分な高圧であるときのみ自動的に開くので、アクチュエータ270が開放状態のときは、第二の副チャンバ36から放出された流体は第二の出口流体回路バルブ56の内部弾性に打ち勝つ十分な力を持たず、従って流体は流体送達システム200の外部に送達されず、逆に第二の副チャンバ36から放出された流体は第一の副チャンバ35を再度充填する。
【0073】
ピストン32がその第一の終端に到達、すなわちプランジャ34が第一の方向(
図7における右方向-矢印Cを見よ)への軸方向の移動を完了し、チャンバ31のベース壁31aの近傍に達し、その結果第二の副チャンバ36が実質上少ない体積の流体しか収容せず、一方第一の副チャンバ35は大きい体積の流体を収容するとすぐに、プロセッサPはピストンの軸方向の移動を逆転させる(
図8における左方向-矢印Dを見よ)ように駆動ユニットMを作動させる。チャンバ31内でのピストン32の逆移動の間、上記で述べたのと同じ操作状態が依然適用される、すなわちアクチュエータ270は開放状態に維持され、供給ステーションバルブ11は閉鎖状態に維持される。
【0074】
上記に示したように、アクチュエータ270は、ピストン32が第二の方向に進むとき(
図8の矢印Dを見よ)、流体が(再循環流体回路260を通って流れ)第一の方向、つまり第二の方向の反対に移動(
図8の矢印Fを見よ)できるようにデザインされている。それゆえ、プランジャ34の移動は第二の副チャンバ36の体積の増加と、第一の副チャンバ35の対応する体積の減少をもたらし、一方第一の副チャンバ35の中に最初に収容されていた流体は、再循環流体回路260およびそれに関連付けられたアクチュエータ270を通過して、第二の副チャンバ36に入る。
【0075】
第一の方向(
図7の右方向-矢印Cを見よ)へのピストンの移動に関する上記で与えられた考えは、第二の方向つまり第一の方向の反対(
図8の左方向-矢印Dを見よ)へのピストンの移動にも依然適用される。それゆえ、第一の副チャンバ35に収容されプランジャ34に押し出された流体は、供給ステーション10の中に逆流することも、出口流体回路50の第一の出口流体経路51を通ることもできない。実際、第一と第二の入口流体回路バルブ45、47は両方とも一方通行バルブであり、流体を供給ステーション10からチャンバ31に流すことはできるが、その逆はできず、それにより第一の副チャンバ35から放出された流体が入口流体回路40の第二と第三の入口流体経路42、43を通して逆流することを防いでいる。さらに、第一の出口流体回路バルブ55は、第一の副チャンバ35から放出された流体が前記バルブ(望ましくは、第一の出口流体回路バルブ55はバネ仕掛けのボールチェックバルブである)の内部弾性に打ち勝つ十分な高圧であるときのみ自動的に開くので、アクチュエータ270が開放状態のときは、第一の副チャンバ35から放出された流体は第一の出口流体回路バルブ55の内部弾性に打ち勝つ十分な力を持たず、従って流体は流体送達システム200の外部に送達されず、逆に第一の副チャンバ35から放出された流体は第二の副チャンバ36を再度充填する。
【0076】
ピストン32がその第二の終端に到達、すなわちプランジャ34が第二の方向(
図8における左方向-矢印Dを見よ)への軸方向の移動を完了し、チャンバ31のベース壁31bの近傍に達し、その結果第一の副チャンバ35が実質上少ない体積の流体しか収容せず、一方第二の副チャンバ36は大きい体積の流体を収容するとすぐに、プロセッサPはピストンの軸方向の移動を再び逆転させる(
図7における右方向-矢印Cを見よ)ように駆動ユニットMを作動させ、それにより流体送達システム200のチャンバ31の新たな充填/放出サイクルを始める。もちろん、送達される特定の流体の要求および送達システムが実施される特定の応用の要求に従った、任意の回数のサイクルが準備されうる。
【0077】
前記別の実施形態による送達方法は、チャンバ31内に収容されている流体の送達開始のステップ(すなわち流体送達システムの外へ流体が出ていくようにする)を備えている。前記ステップを行うために、プロセッサPは再循環流体回路260のアクチュエータ270を閉鎖し、供給ステーションバルブ11を開放する。流体の送達(流体が送達システムを出ていく―矢印Bを見よ)の間、供給ステーションバルブ11は開放状態を維持する。なぜなら副チャンバを新しい流体で再度充填することが、ピストンの正確な機能に、そして結果として送達システム全体の正確な機能に衝撃を与えうる流体の摂動を避けるために重要だからである。アクチュエータ270を閉鎖することで、いかなる流体も再循環流体回路260を通して流れることができなくなるため(一方上記ですでに述べたように、第一と第二の入口流体回路バルブ45、47は供給ステーション10へ流体を逆流させない)、プランジャ34を第一の方向(矢印C)および第二の反対の方向(矢印D)へ押すことで、流体が第二の出口ポート54および第一の出口ポート53からそれぞれ出ていくことが可能となる。それゆえ、流体が第二の出口ポート54を通過するように押されるとき(矢印C)、流体は出口流体回路50の第二の出口流体経路52の中へ流れ、それから第二の出口流体回路バルブ56を通過する。なぜなら手順のこの段階においてアクチュエータ270は閉鎖しているため、流体圧力は十分高く前記第二の出口流体回路バルブ56の内部弾性に打ち勝つからである。同様に、流体が第一の出口ポート53を通過するように押されるとき(矢印D)、流体は出口流体回路50の第一の出口流体経路51の中へ流れ、それから第一の出口流体回路バルブ55を通過する。なぜなら手順のこの段階においてアクチュエータ270は閉鎖しているため、流体圧力は十分高く前記第一の出口流体回路バルブ55の内部弾性に打ち勝つからである。結果として、第一と第二の副チャンバ35、36から連続して流体を放出することにより、流体は最終的に送達される(矢印B)。
【0078】
[修正形態]
局所的および特定の要求を満たすために、当業者は多くの論理的および/または物理的な修正および変更を本開示に適用することができる。より具体的には、本開示は一以上の実施形態に関するある程度の特色で説明されているにもかかわらず、他の実施形態と同様に形と詳細において多くの省略、代替および変更が可能であると理解されるべきである。特に本開示の異なった実施形態は、上記の説明で明らかにされた、より綿密な理解を与える特定の詳細(数値のような)なしに実施されうる。逆に、不必要な詳細で説明を不明瞭にしないために、よく知られた特徴が省かれまたは単純化されていることもありうる。さらに、本開示のいずれかの実施形態に関して説明された特定の各要素および/または方法の各ステップは、一般的なデザインの選択として他のいずれかの実施形態に取り入れられうることも明示的に意図されている。いずれにせよ、いずれの数値も「約(about)」の用語により修正して(すでになされてなければ)読まれるべきであり、いずれの数値の範囲もその範囲内(端点を含む)の連続上で取りうるいずれの数値をも明示的に特定するものとして意図されるべきである。さらに、序数詞または他の修飾語は同じ名前を持つ要素と区別するためのラベルとして単に用いられており、それ自身によっていかなる優先順位、優先度または順序を暗示するものではない。「含む(include)」、「備える(comprise)」、「有する(have)」、「収容する(contain)」および「伴う(involve)」(およびそのいずれの形)の用語も、制限のない網羅的でない意味を意図すべきであり(すなわち列挙された項目に制限されない);「基づく(based on)」、「従属する(dependent on)」、「~による(according to)」、「~の関数である(function of)」(およびそのいずれの形)の用語も非排他的な関係を意図すべきであり(すなわちさらなる変数を伴いうる);「一の(a/an)」の用語も(明示的にそれ以外の表示がない限り)一以上を意図すべきであり;「~の手段で(means for)」(またはいずれのミーンズ・プラス・ファンクション(means-plus-function)の形)の用語も、関連する機能を実行するために適合または構成されたいずれの構造をも意図すべきである。
【0079】
上記で開示したように、再循環流体回路のアクチュエータおよび供給ステーションバルブは、両方ともプロセッサPにより制御される能動バルブであり、一方流体送達システムの残りのバルブはプロセッサPにより作動させられる必要のないチェックバルブである。さらなる実施形態(図に示されない)によれば、本開示の流体送達システムの安全性および信頼性を高めるために、流体送達システムのすべてのバルブがプロセッサPにより制御される能動メカニカルクランプとなっている。詳細には、上記能動メカニカルクランプはメカニカルゲートであって、前記流体回路を形作る適切な配管の外面に放射状に作動させることによって流体回路を開閉する。
【0080】
本発明の一実施形態(図に示されない)によれば、供給ステーションの体積は流体送達システムのチャンバの体積より顕著に大きい。この態様が特に有利になるのは、多数回の送達(例えば注入)が流体の容器の頻繁な交換を必要とせずに行われうることを保証するから、さらに流体送達システムの全体のサイズを有利に最小化でき、それによってより融通が利き、より扱いやすく、(必要なら)携帯に適し、そしてより安価にもなることを保証するからである。
【0081】
さらなる実施形態によれば、送達される特定の流体とは独立に、送達される流体の体積がかなり大きくても、パンプモジュールのチャンバの体積は最小の体積にすることができる。例えば、送達される流体の大きな体積は、前記流体のむしろ小さい体積のチャンバを使って、前記チャンバ内のピストンの軸方向の往復速度を増すことにより得ることができる。
【0082】
さらなる実施形態によれば、本開示の流体送達システムの操作方法は、所定の応用のために送達される流体の量(体積)を計算するステップを備え、続いて副チャンバの体積が前記計算された送達される流体の体積に実質的に等しくなるよう副チャンバを規定するために、ピストンを軸方向に移動させるステップを備える。この態様が特に重要なのは、少ない量の流体が送達される必要がある(すなわち流体送達システムのチャンバ体積より少ない)、従ってピストンが一方向に軸方向を移動している間にそのような少量を送達するのが望ましいときであり、それによりピストンの逆方向への移動およびそれに伴いうる送達の摂動/遅延を避ける。
【0083】
あるいは、計算するステップは流体送達システムのプロセッサによっては行われない。なぜなら送達されるよう計算された体積は、オフラインで計算され入力送達データとしてプロセッサに与えられるからである。それゆえ、送達するステップが開始される直前に、前記計算された体積に対応する副チャンバの体積を規定するために、ピストンが軸方向に移動する。
【0084】
さらなる実施形態によれば、本開示の流体送達システムの操作方法は、二つの異なる流体を混合するステップ、および前記二つの流体の得られた混合物を続いて送達するステップを備える。例えば、
図3の流体送達システムは、二つの供給ステーションを備え、二つの異なる流体を供給するために使われうる。流体送達システムが医療分野で応用される場合、例えば造影剤が第一の供給ステーションから供給され、塩類溶液が第二の供給ステーションから供給されることがありうる。それゆえ、パンプモジュールのチャンバを充填するステップは、所定量の第一の流体(例えば造影剤)が第一の副チャンバに入り、所定量の第二の流体(例えば塩類溶液)が第二の副チャンバに入るようにすることで行われる。これは対応する第一と第二の供給ステーションバルブを開き、一方最初は再循環流体回路のアクチュエータを閉鎖状態に維持することで達成される。その結果、ピストンの前後の並進移動のおかげで、負圧が第一と第二の副チャンバ内のどちらか一方に生じ、それによりそれぞれの流体がそれぞれの副チャンバに入ることが可能となり、そして入口流体回路、第一と第二の副チャンバおよび出口流体回路のプライミングも、上記ですでに開示したように可能となる。所望の量の第一と第二の流体がパンプモジュールのチャンバに入ってすぐに、プロセッサは第一と第二の供給ステーションバルブを閉じ、再循環流体回路のアクチュエータを開放する。その結果、第一の流体の第一の副チャンバから第二の副チャンバ内への再循環並びに第二の流体の第二の副チャンバから第一の副チャンバ内への再循環(ピストンの逆移動による)が可能となり、それにより第一の流体を第二の流体と混合し、送達されるべき所望の混合物が最終的に得られる。指摘できるのは、本実施形態によれば、高濃度の造影剤(例えばISOVUE(登録商標)-370)を第一の流体、塩類溶液を第二の流体として使うことができ、高濃度の造影剤を塩類溶液と適切に混合することによって、結果として流体送達システムは、異なる濃度の大量の造影剤を単一のタイプの高濃度造影剤から出発することで供給できるようになることである。このことが本開示の非常に有利な特徴であるのは、プロセッサ(または制御ユニット)は第一と第二の流体の体積を計算するようプログラムされうるからであり、前記流体は治療される特定の患者に(例えば、患者の年齢、体重、性別、人種、臨床状態、…を考慮に入れて)並びに行われる特定の検査に(CTやMRや超音波のような走査検査の類型、検査する体の部位、…)最も適合する所望の濃度の混合物を得るために、混合される必要がある。
【0085】
以下は、本開示の好ましい各態様および各実施形態である。
1.流体送達システム(100;200;300)であって、
[1]少なくとも一の流体を供給するための少なくとも一の供給ステーション(10;310)、
[2]以下を備える、前記少なくとも一の流体を加圧するための加圧ユニット(20):
[2―1]チャンバ(31)と前記チャンバに収容されているピストン(32)とを備えるパンプモジュール(30);
ここで前記ピストンはプランジャ(34)を有しており、前記プランジャは、前記チャンバの内壁と協同して第一(35)と第二(36)の体積可変副チャンバを規定する;
および
[2―2]前記ピストンを前記チャンバ内で往復させるための、前記ピストンに接続された駆動ユニット(M);
[3]前記少なくとも一の流体を前記第一と第二の体積可変副チャンバに供給するために、前記少なくとも一の供給ステーションおよび前記パンプモジュールと流体連通している入口流体回路(40)、
[4]前記第一と第二の体積可変副チャンバのどちらか一方から前記少なくとも一の流体を放出するために、前記パンプモジュールと流体連通している出口流体回路(50);
ここで前記出口流体回路は前記入口流体回路から分離している;
[5]前記第一と第二の体積可変副チャンバを流体的に連絡させる再循環流体回路(60;260)、
および
[6]前記第一と第二の体積可変副チャンバの間で双方向に、前記少なくとも一の流体の通過を統御するためのアクチュエータ(70;270);
ここで前記アクチュエータは前記再循環流体回路の一部である;
を備える流体送達システム。
2.実施形態1に記載された流体送達システム(100;200;300)であって、
前記入口流体回路(40)が第一の入口流体経路(41)を備え;
ここで前記第一の入口流体経路は前記少なくとも一の供給ステーション(10)と流体連通する;
ことを特徴とする流体送達システム。
3.実施形態2に記載された流体送達システム(100;200;300)であって、
前記第一の入口流体経路(41)は供給ステーションバルブ(11)を備える
ことを特徴とする流体送達システム。
4.実施形態3に記載された流体送達システム(100;200;300)であって、
前記供給ステーションバルブ(11)の下流で前記入口流体回路(40)が第二の入口流体経路(42)および第三の入口流体経路(43)を備え;
ここで前記第二および第三の入口流体経路は前記第一の体積可変副チャンバ(35)および前記第二の体積可変副チャンバ(36)とそれぞれ流体連通する;
ことを特徴とする流体送達システム。
5.実施形態4に記載された流体送達システム(100;200;300)であって、
前記第二の入口流体経路(42)は第一の入口流体回路バルブ(45)を備え、前記第三の入口流体経路(43)は第二の入口流体回路バルブ(47)を備える
ことを特徴とする流体送達システム。
6.実施形態1に記載された流体送達システム(100;200;300)であって、
前記出口流体回路(50)が第一の出口流体経路(51)および第二の出口流体経路(52)を備え;
ここで前記第一および第二の出口流体経路は前記第一の体積可変副チャンバ(35)および前記第二の体積可変副チャンバ(36)とそれぞれ流体連通する;
ことを特徴とする流体送達システム。
7.実施形態6に記載された流体送達システム(100;200;300)であって、
前記第一の出口流体経路(51)は第一の出口流体回路バルブ(55)を備え、前記第二の出口流体経路(52)は第二の出口流体回路バルブ(56)を備える
ことを特徴とする流体送達システム。
8.実施形態1に記載された流体送達システム(100;300)であって、
前記再循環流体回路(60)およびそれに関連付けられた前記アクチュエータ(70)が、前記チャンバ(31)の外部にある
ことを特徴とする流体送達システム。
9.実施形態8に記載された流体送達システム(100;300)であって、
前記再循環流体回路(60)が、前記第一の入口流体回路バルブ(45)の下流で前記第二の入口流体経路(42)と、前記第二の入口流体回路バルブ(47)の下流で前記第三の入口流体回路(43)と、それぞれ流体的に連絡する
ことを特徴とする流体送達システム。
10.実施形態1に記載された流体送達システム(200)であって、
前記再循環流体回路(60)および前記アクチュエータ(270)が、前記チャンバ(31)の内部に収容されている
ことを特徴とする流体送達システム。
11.実施形態10に記載された流体送達システム(200)であって、
前記再循環流体回路(260)および前記アクチュエータ(270)が、前記ピストン(32)の前記プランジャ(34)と一体化している
ことを特徴とする流体送達システム。
12.実施形態11に記載された流体送達システム(200)であって、
前記再循環流体回路(260)が、前記プランジャ(34)の厚みの内部に得られる流体通路を備え;
ここで前記流体通路は、前記第一と第二の体積可変副チャンバ(35,36)の間の流体連通を保証するための通路である;
ことを特徴とする流体送達システム。
13.実施形態1~12のいずれかに記載された流体送達システム(100;200;300)であって、
前記アクチュエータ(70;270)を制御および作動させるプロセッサ(P)を備える
ことを特徴とする流体送達システム。
14.実施形態1~13のいずれかに記載された流体送達システム(100;200;300)であって、
前記供給ステーションバルブ(11)を制御および作動させるプロセッサ(P)を備える
ことを特徴とする流体送達システム。
15.実施形態1~14のいずれかに記載された流体送達システム(100;200;300)であって、
前記駆動ユニット(M)を制御および操作するプロセッサ(P)を備える
ことを特徴とする流体送達システム。
16.実施形態1に記載された流体送達システム(300)であって、
追加の供給ステーション(310)および追加の供給ステーションバルブ(311)を備える
ことを特徴とする流体送達システム。
17.実施形態13に記載された流体送達システム(100;200;300)であって、
前記アクチュエータ(70;270)および前記供給ステーションバルブ(11)が、両方前記プロセッサ(P)により作動させられる能動バルブである
ことを特徴とする流体送達システム。
18.実施形態13に記載された流体送達システム(100;200;300)であって、
前記流体送達システムの全てのバルブ(70;270;11;45;47;55;56)が、前記プロセッサ(P)により作動させられる能動メカニカルクランプである
ことを特徴とする流体送達システム。
19.実施形態1~18のいずれかに記載された流体送達システム(100;200;300)であって、
前記供給ステーション(10;310)の体積が、前記流体送達システムの前記チャンバ(31)の体積より顕著に大きい
ことを特徴とする流体送達システム。
20.実施形態1~19のいずれかに記載された流体送達システム(100;200;300)であって、
前記流体送達システムが注入システムであり、前記少なくとも一の流体が液体薬、薬品、または診断に有効な造影剤から選択される医療用流体である
ことを特徴とする流体送達システム。
21.流体送達システム(100;200;300)を操作する方法であって、
前記流体送達システムは、パンプモジュール(30)を備える加圧ユニット(20)を備え;
ここで前記パンプモジュールは、チャンバ(31)と前記チャンバ内で往復するピストン(32)とを備え;
ここで前記ピストンはプランジャ(34)を有しており;
ここで前記プランジャは、前記チャンバの内壁と協同して第一と第二の体積可変副チャンバ(35;36)を規定し;
前記流体送達システムはさらに、前記第一と第二の体積可変副チャンバを流体的に連絡させるための再循環流体回路(60;260)およびそれに関連付けられたアクチュエータ(70;270)を備え;
前記方法は、前記流体送達システムの外への前記流体の送達が行われていないときに、前記第一と第二の体積可変副チャンバ内部の流体圧力を平衡させるべく、前記第一と第二の体積可変副チャンバの間で双方向に、前記少なくとも一の流体の通過を制御するために前記アクチュエータを操作するステップを備える
方法。
22.流体送達システム(100;200;300)を操作する方法であって、
前記流体送達システムは、パンプモジュール(30)を備える加圧ユニット(20)を備え;
ここで前記パンプモジュールは、チャンバ(31)と前記チャンバ内で往復するピストン(32)とを備え;
ここで前記ピストンはプランジャ(34)を有しており;
ここで前記プランジャは、前記チャンバの内壁と協同して第一と第二の体積可変副チャンバ(35;36)を規定し;
前記流体送達システムは、前記第一と第二の体積可変副チャンバを流体的に連絡させるための再循環流体回路(60;260)およびそれに関連付けられたアクチュエータ(70;270)をさらに備え;
前記方法は、以下の各ステップ:
前記少なくとも一の流体を少なくとも一の供給ステーション(10)から前記第一と第二の体積可変副チャンバへ供給するステップ、
前記チャンバ内で前記ピストンを軸方向に移動させるステップ、
前記チャンバ内で前記ピストンを軸方向に複数回移動させる間、前記第一の体積可変副チャンバから前記第二の体積可変副チャンバへ前記再循環流体回路を通して、そして逆も同様に、前記少なくとも一の流体を循環させるために前記アクチュエータを操作するステップ、
および
前記アクチュエータを閉鎖し、前記少なくとも一の流体を前記流体送達システムの外へ送達するステップ;
を備える方法。
23.実施形態22に記載された操作する方法であって、
ここで前記少なくとも一の流体を前記第一と第二の体積可変副チャンバ(35;36)の間で循環させるステップが、前記少なくとも一の流体を前記流体送達システムの外へ送達するステップが行われるまで、連続して繰り返される
方法。
24.実施形態22に記載された操作する方法であって、
ここで前記供給するステップは、送達される前記少なくとも一の流体で前記第一と第二の体積可変副チャンバ(35;36)を充填するステップ
を備える方法。
25.実施形態24に記載された操作する方法であって、
ここで前記充填するステップは以下の各ステップ:
前記少なくとも一の供給ステーション(10)に関連付けられた供給ステーションバルブ(11)を開放するステップ、
前記再循環流体回路(60;260)の前記アクチュエータ(70;270)を閉鎖するステップ、
および
前記チャンバ(31)内で前記ピストン(32)を往復させるために前記加圧ユニット(20)の駆動ユニット(M)を作動させるステップ;
を備える方法。
26.実施形態24に記載された操作する方法であって、
前記流体送達システムの外に空気をプライミングするステップをさらに備え;
ここで前記プライミングするステップは前記充填するステップと同時に行われる;
方法。
27.実施形態22に記載された操作する方法であって、
以下の各ステップ:
送達される前記少なくとも一の流体の体積を計算するステップ、
および
副チャンバ(35;36)を規定するために前記ピストン(32)を軸方向に移動させるステップ;
ここで前記副チャンバの体積は、前記計算された送達される流体の体積に実質的に等しい;
をさらに備える方法。
28.実施形態27に記載された操作する方法であって、
副チャンバ(35;36)を規定するために前記ピストン(32)を軸方向に移動させるステップが前記流体を前記流体送達システムの外へ送達するステップの直前に行われ;
ここで前記副チャンバの体積は、前記計算された送達される流体の体積に実質的に等しい;
方法。
29.実施形態22に記載された操作する方法であって、
以下の各ステップ:
送達される前記少なくとも一の流体の体積を入力送達データとして供給するステップ、
および
副チャンバ(35;36)を規定するために前記ピストン(32)を軸方向に移動させるステップ;
ここで前記副チャンバの体積は、計算された送達される流体の体積に実質的に等しい;
をさらに備える方法。
30.実施形態22~29のいずれかに記載された操作する方法であって、
ここで前記各ステップが前記流体送達システム(100;200;300)のプロセッサ(P)により支配されている
方法。
31.実施形態22~30のいずれかに記載された操作する方法であって、
第一の流体を供給ステーション(10)から、および第二の流体を追加の供給ステーション(310)から供給するステップをさらに備え;
ここで前記第一の流体は前記第二の流体と異なり;
前記第一の流体は前記第一の体積可変副チャンバ(35)へ、前記第二の流体は前記第二の体積可変副チャンバ(36)へ供給される;
方法。
32.実施形態31に記載された操作する方法であって、
前記第一と第二の流体を前記第一と第二の体積可変副チャンバ(35;36)内で混合するステップ
をさらに備える方法。
33.実施形態32に記載された操作する方法であって、
前記混合するステップを通して得られた前記第一と第二の流体の混合物を送達するステップをさらに備え;
ここで前記送達するステップは前記混合するステップに続いて行われる;
方法。