(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-19
(45)【発行日】2024-11-27
(54)【発明の名称】キャプチャシステム
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20241120BHJP
G07C 5/00 20060101ALI20241120BHJP
B60R 1/20 20220101ALI20241120BHJP
【FI】
H04N7/18 J
H04N7/18 U
G07C5/00 Z
B60R1/20 100
(21)【出願番号】P 2022558597
(86)(22)【出願日】2021-03-31
(86)【国際出願番号】 JP2021013929
(87)【国際公開番号】W WO2022208772
(87)【国際公開日】2022-10-06
【審査請求日】2023-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】弁理士法人青海国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】旭 伸隆
【審査官】川俣 郁子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-129530(JP,A)
【文献】特開2011-257849(JP,A)
【文献】特開2008-154192(JP,A)
【文献】特開2013-244955(JP,A)
【文献】特開2019-114902(JP,A)
【文献】特開2019-047447(JP,A)
【文献】特開2006-013739(JP,A)
【文献】特開2020-013070(JP,A)
【文献】特開2015-230519(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R1/00-1/04
1/08-1/31
9/00-11/06
21/00-21/13
21/34-21/38
G07C1/00-15/00
H04N5/222-5/257
5/91-5/956
7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車外の環境を動画として撮像することが可能であり、かつ車両に搭載された撮像装置に有線または無線で接続される制御装置と、
ユーザインターフェースと、
表示装置と、
を備え、
前記制御装置は、
1つまたは複数のプロセッサと、
前記プロセッサに接続される1つまたは複数のメモリと、
を有し、
前記プロセッサは、前記メモリに含まれるプログラムと協働し、
前記車両がイグニッションオンされてからイグニッションオフされるまでの時間であって現在を含む時間である対象時間において、所定タイミングと前記所定タイミングを含む所定時間とを指定する入力を、前記ユーザインターフェースを通じて取得することと、
前記撮像装置によって撮像された
前記対象時間中の第1の動画のうち、
前記対象時間中の前記所定タイミングと前記所定時間とによって特定される時間帯の動画を切り出した第2の動画を
、前記車両の走行中に前記表示装置に表示させることと、
前記時間帯のうち、所定時点を指定する入力を、前記ユーザインターフェースを通じて取得することと、
前記指定された前記所定時点の静止画を前記第2の動画から生成することと、
を含む処理を実行する、キャプチャシステム。
【請求項2】
前記プロセッサは、生成された前記静止画を、前記制御装置と通信が可能な所定の通信端末に送信すること、を含む処理を実行する、請求項1に記載のキャプチャシステム。
【請求項3】
前記撮像装置は、ドライブレコーダであり、
前記表示装置は、ナビゲーション装置に設けられ、
前記プロセッサは、前記第2の動画を前記ドライブレコーダから取得して前記ナビゲーション装置に送信する、ことを含む処理を実行する、請求項1に記載のキャプチャシステム。
【請求項4】
前記撮像装置は、先進運転支援システムで用いられる撮像装置である、請求項1に記載のキャプチャシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のキャプチャシステムと、前記撮像装置とを搭載した、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャプチャシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、車載カメラにより連続的に撮影された風景画像の撮影開始から撮影終了までの撮影時間をバーのように表示する技術が開示されている。かかる技術では、バー上の位置を利用者により指示可能なスライダによって指示された撮影時刻の風景画像が表示装置に表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、走行中の車両の搭乗者は、車外において関心を示す物事、景色または動植物などを発見する場合がある。当該搭乗者が運転者以外であれば、当該搭乗者は、発見した物事等の写真を撮ることを試みることがある。しかし、車両が走行中であるため、発見した物事等の位置から車両が遠ざかってしまい、意図する写真が撮れないおそれがある。また、当該搭乗者が運転者であれば、そもそも写真を撮ることはできない。このようなことから、搭乗者が関心を示す車外の物事等のイメージをデータとして残すことができることが望まれる。
【0005】
そこで、本発明は、搭乗者が関心を示す車外の物事等のイメージをデータとして残すことが可能なキャプチャシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一実施形態に係るキャプチャシステムは、
車外の環境を動画として撮像することが可能であり、かつ車両に搭載された撮像装置に有線または無線で接続される制御装置と、
ユーザインターフェースと、
表示装置と、
を備え、
前記制御装置は、
1つまたは複数のプロセッサと、
前記プロセッサに接続される1つまたは複数のメモリと、
を有し、
前記プロセッサは、前記メモリに含まれるプログラムと協働し、
前記車両がイグニッションオンされてからイグニッションオフされるまでの時間であって現在を含む時間である対象時間において、所定タイミングと前記所定タイミングを含む所定時間とを指定する入力を、前記ユーザインターフェースを通じて取得することと、
前記撮像装置によって撮像された前記対象時間中の第1の動画のうち、前記対象時間中の前記所定タイミングと前記所定時間とによって特定される時間帯の動画を切り出した第2の動画を、前記車両の走行中に前記表示装置に表示させることと、
前記時間帯のうち、所定時点を指定する入力を、前記ユーザインターフェースを通じて取得することと、
前記指定された前記所定時点の静止画を前記第2の動画から生成することと、
を含む処理を実行する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、搭乗者が関心を示す車外の物事等のイメージをデータとして残すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態にかかるキャプチャシステムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、車両の一例を示す透視側面図である。
【
図3】
図3は、車両の車室内の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、制御装置の機能を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、ドライブレコーダの動作の流れを説明するフローチャートである。
【
図6】
図6は、制御装置の動作と搭乗者の動作との関連を説明するフローチャートである。
【
図7】
図7は、制御装置の動作と搭乗者の動作との関連を説明するフローチャートである。
【
図8】
図8は、第2実施形態にかかるキャプチャシステムの構成を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、第3実施形態にかかるキャプチャシステムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す具体的な寸法、材料、数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0010】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態にかかるキャプチャシステム1の構成を示すブロック図である。キャプチャシステム1は、車両10に適用される。車両10は、エンジン車、電気自動車、あるいは、ハイブリッド車などである。
図2は、車両10の一例を示す透視側面図である。
図3は、車両10の車室内の一例を示す図である。以下、
図1~
図3を参照してキャプチャシステム1の各要素を説明する。
【0011】
ドライブレコーダ20は、車両10に搭載される。ドライブレコーダ20は、例えば、フロントガラスよりも車室内側から車両10の前方を撮像可能に設置される。
【0012】
ドライブレコーダ20は、撮像装置22および第1記憶装置24を有する。撮像装置22は、車外の環境を動画として撮像することが可能となっている。撮像装置22は、撮像方向が車両10の前方となるように配置される。
【0013】
第1記憶装置24は、撮像装置22によって撮像された動画を、撮像された時刻と関連付けて記憶する。第1記憶装置24は、所定の記憶容量を有する。所定の記憶容量は、例えば、10分の動画を記憶可能な容量とする。なお、記憶容量は、例示した容量に限らず、任意の時間の動画を記憶可能な容量であってもよい。第1記憶装置24は、撮像された動画を、常時連続して記憶していく。第1記憶装置24は、記憶された動画のデータ容量が第1記憶装置24の記憶容量に到達すると、記憶された動画のうち最も古いデータを削除して、最も新しいデータを記憶していく。
【0014】
キャプチャシステム1は、ナビゲーション装置26を備える。ナビゲーション装置26は、車両10に搭載される。ナビゲーション装置26は、例えば、インストルメントパネルにおける運転席と助手席との間に配置される。
【0015】
ナビゲーション装置26は、表示装置28を有する。表示装置28は、ナビゲーションのための地図を表示することができる。また、表示装置28は、後述するが、ドライブレコーダ20によって取得された動画の一部を表示することができる。
【0016】
キャプチャシステム1は、ユーザインターフェース30を備える。ユーザインターフェース30は、車両10に搭載される。ユーザインターフェース30は、例えば、ナビゲーション装置26の上方に配置される。ユーザインターフェース30は、マイクおよびスピーカを有する。ユーザインターフェース30は、車両10の搭乗者からの音声による入力を受け付ける。また、ユーザインターフェース30は、搭乗者に対して音声による出力を行う。搭乗者は、運転者に限らず、助手席または後部席などに搭乗する運転者以外の者を包含する。
【0017】
キャプチャシステム1は、第2記憶装置32を備える。第2記憶装置32は、例えば、SDメモリカードなどのフラッシュメモリである。車両10は、第2記憶装置32を収容可能なスロット34を備える。スロット34は、例えば、ナビゲーション装置26の下方に配置される。第2記憶装置32は、スロット34に収容されることでデータを記憶することができる。第2記憶装置32は、スロット34から取り出し可能となっている。
【0018】
キャプチャシステム1は、制御装置40を備える。制御装置40は、車両10に搭載される。制御装置40は、例えば、スロット34の下方であり、助手席寄りに配置される。
【0019】
制御装置40は、1つまたは複数のプロセッサ42と、プロセッサ42に接続される1つまたは複数のメモリ44とを備える。メモリ44は、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAMを含む。制御装置40のプロセッサ42は、メモリ44に含まれるプログラムと協働して、キャプチャシステム1全体を制御する。また、制御装置40は、ドライブレコーダ20に有線または無線で接続される。制御装置40の動作については、後に詳述する。
【0020】
制御装置40は、バッファ46を備える。バッファ46は、第1記憶装置24に記憶された動画の一部を、一時的に記憶することができる。
【0021】
ところで、走行中の車両10の搭乗者は、車外において関心を示す物事、景色または動植物などを発見する場合がある。当該搭乗者が運転者以外であれば、当該搭乗者は、発見した物事等の写真を撮ることを試みることがある。しかし、車両10が走行中であるため、発見した物事等の位置から車両10が遠ざかってしまい、意図する写真が撮れないおそれがある。また、当該搭乗者が運転者であれば、そもそも写真を撮ることはできない。このようなことから、搭乗者が関心を示す車外の物事等のイメージをデータとして残すことができることが望まれる。
【0022】
そこで、キャプチャシステム1において、搭乗者は、発見した物事等の位置から車両10が遠ざかってしまった場合、所定タイミングと所定時間とを指定する入力を、ユーザインターフェース30に対して行う。
【0023】
所定タイミングは、例えば、ユーザインターフェース30に対して搭乗者が入力を行うタイミングである。所定時間は、例えば、当該所定タイミングから過去に遡る時間を示す。つまり、搭乗者は、所定タイミングと所定時間とによって特定される時間帯に、当該物事等を発見した時点が含まれるように、所定タイミングと所定時間とを指定する。例えば、搭乗者は、ユーザインターフェース30に対して「今から2分前までの動画を見せて」と音声で入力を行う。この例において、所定タイミングは、「今」である。所定時間は、「2分」である。
【0024】
制御装置40のプロセッサ42は、所定タイミングと所定時間とを指定する入力を、ユーザインターフェース30を通じて取得することができる。
【0025】
制御装置40のプロセッサ42は、撮像装置22によって撮像された第1の動画のうち、所定タイミングと所定時間とによって特定される時間帯の動画を切り出した第2の動画を表示装置28に表示させる処理を実行する。
【0026】
具体的には、制御装置40は、第1記憶装置24に記憶された第1の動画のうち、所定タイミングと所定時間とによって特定される時間帯の第2の動画を第1記憶装置24から取得する。制御装置40は、取得された当該時間帯の第2の動画を、バッファ46に記憶させるとともに、表示装置28に表示させる。または、制御装置40は、所定タイミングと所定時間との入力に応じて、第1記憶装置24に記憶された第1の動画をバッファ46に記憶させる。その後、制御装置40は、バッファ46に記憶させた第1の動画のうち、当該時間帯の第2の動画を切り出す。制御装置40は、切り出された第2の動画をバッファ46に記憶させるとともに、表示装置28に表示させてもよい。
【0027】
搭乗者は、表示された当該時間帯の動画を見て、目的とされる物事等が表示されている部分を探す。搭乗者は、当該時間帯の動画の中から当該物事等を見つけると、当該時間帯のうち当該物事等が表示されている所定時点を指定する。
【0028】
制御装置40のプロセッサ42は、当該時間帯のうち、所定時点を指定する入力を、ユーザインターフェース30を通じて取得することができる。
【0029】
制御装置40のプロセッサ42は、指定された所定時点の静止画を、当該時間帯の第2の動画から生成する処理を実行する。制御装置40は、生成された静止画を表示装置28に表示させる。
【0030】
キャプチャシステム1によれば、搭乗者が指定した所定時点の静止画が生成されるため、搭乗者が関心を示す車外の物事等のイメージをデータとして残すことが可能となる。また、搭乗者は、事後的に、生成された所定時点の静止画を見ることで、当該物事等を再度視認することができる。
【0031】
また、搭乗者は、「今から1分前までの動画を見せて」または「今から3分前までの動画を見せて」などのように、入力する所定時間を任意に変更してもよい。つまり、所定時間は、固定された時間に限らず、任意な時間で指定されてもよい。
【0032】
また、所定タイミングは、ユーザインターフェース30に対して搭乗者が入力を行うタイミングに限らない。所定タイミングは、ユーザインターフェース30に対して搭乗者が入力を行うタイミングよりも過去の任意のタイミングであってもよい。例えば、搭乗者は、「今から1分前の時点から前の2分間分の動画を見せて」などのように入力してもよい。また、所定タイミングが過去の任意のタイミングとされる場合、所定タイミングの指定方法は、現在の時刻を基準とした相対的な指定方法に限らず、絶対的な時刻を指定する指定方法であってもよい。例えば、搭乗者は、「9時から2分前までの動画を見せて」などのように入力してもよい。
【0033】
また、所定タイミングは、所定タイミングと所定時間とによって特定される時間帯における終了時刻に相当する態様に限らない。所定タイミングは、当該時間帯における開始時刻に相当するように指定されてもよい。例えば、搭乗者は、「今から3分前の時点から後の2分間分の動画を見せて」などのように入力してもよい。また、所定タイミングは、当該時間帯における中央の時刻に相当するように指定されてもよい。例えば、搭乗者は、「今から2分前の時点の前後の2分間分の動画を見せて」などのように入力してもよい。
【0034】
また、搭乗者は、所定時間の指定を省略して、所定タイミングを指定してもよい。この場合、制御装置40は、所定時間に関して、予め設定された時間が指定されたものと解釈してもよい。例えば、搭乗者が「9時の動画を見せて」というような入力を行い、予め設定された所定時間が10分であるとする。この例において、制御装置40は、8時55分から9時5分までの時間帯の動画を表示装置28に表示させてもよい。
【0035】
このように、搭乗者は、所定タイミングと所定時間との指定を種々の方法で行うことができる。このため、制御装置40は、搭乗者の意図する適切な時間帯の動画を表示装置28に表示させることができる。その結果、制御装置40は、搭乗者による所定時点を指定する労力を低減させることができる。
【0036】
また、関心を示す物事等を発見した搭乗者が運転者以外の者であれば、当該時間帯の動画の確認を、車両10の走行中に行うことが可能である。このため、制御装置40は、搭乗者が所望する静止画の生成を、車両10の走行中に遅滞なく実行することが可能である。
【0037】
また、関心を示す物事等を発見した搭乗者が運転者であれば、当該物事等の位置から車両10が遠ざかり、車両10の走行が停止された後に、搭乗者は、所定タイミングと所定時間とを指定する入力を行ってもよい。この場合、搭乗者は、当該物事等を発見した大凡の時刻を覚えておき、覚えておいた時刻が当該時間帯に含まれるように、所定タイミングと所定時間とを指定してもよい。
【0038】
制御装置40は、通信部48を備える。通信部48は、通信端末50と、Bluetoothなどの近距離無線通信を行うことができる。通信端末50は、例えば、スマートフォンまたはタブレット端末などである。制御装置40は、近距離無線通信によって通信端末50に静止画を送信することができる。
【0039】
また、通信部48は、インターネットまたは電話網などのネットワーク52に接続することができる。通信端末50は、ネットワーク52に接続することもできる。制御装置40は、ネットワーク52を通じて通信端末50に静止画を送信することもできる。
【0040】
すなわち、制御装置40のプロセッサ42は、生成された所定時点の静止画を、制御装置40と通信が可能な通信端末50に送信することができる。静止画が通信端末50に送信されると、搭乗者は、通信端末50の表示装置を通じて静止画を視認することができる。
【0041】
また、クラウドサーバ54は、ネットワーク52に接続することができる。制御装置40は、ネットワーク52に接続されるクラウドサーバ54に静止画を送信することができる。静止画がクラウドサーバ54に送信されると、搭乗者は、クラウドサーバ54から搭乗者のパーソナルコンピュータなどに静止画をダウンロードして視認することができる。
【0042】
また、制御装置40は、生成された静止画を第2記憶装置32に記憶させることもできる。静止画が第2記憶装置32に記憶されると、搭乗者は、第2記憶装置32をスロット34から取り出して、第2記憶装置32を読み取り可能な他の機器において、静止画を視認することができる。
【0043】
なお、静止画の送信後、制御装置40は、バッファ46に記憶させていた当該時間帯の動画および静止画を削除してもよい。
【0044】
図4は、制御装置40の機能を示すブロック図である。制御装置40のプロセッサ42は、メモリ44に含まれるプログラムと協働して、動画表示制御部60、静止画生成部62および送信制御部64として機能する。
【0045】
動画表示制御部60は、所定タイミングと所定時間とを指定する入力を、ユーザインターフェース30を通じて取得する。第1記憶装置24は、撮像装置22によって撮像された動画を常時連続して記憶する。動画表示制御部60は、第1記憶装置24に記憶された動画のうち、所定タイミングと所定時間とによって特定される時間帯の動画を第1記憶装置24から取得する。動画表示制御部60は、取得された当該時間帯の動画を表示装置28に表示させる。なお、動画表示制御部60は、所定タイミングと所定時間との入力に応じて、第1記憶装置24に記憶された動画を取得してもよい。その後、動画表示制御部60は、取得した動画のうち、当該時間帯の動画を切り出して、切り出された動画を表示装置28に表示させてもよい。
【0046】
静止画生成部62は、当該時間帯のうち、所定時点を指定する入力を、ユーザインターフェース30を通じて取得する。静止画生成部62は、指定された当該所定時点の静止画を、当該時間帯の動画から生成する。静止画生成部62は、生成された静止画を表示装置28に表示させる。
【0047】
送信制御部64は、生成された当該所定時点の静止画を、制御装置40と通信が可能な通信端末50に送信する。送信制御部64は、生成された当該所定時点の静止画を、クラウドサーバ54に送信してもよい。送信制御部64は、生成された当該所定時点の静止画を、第2記憶装置32に記憶させてもよい。
【0048】
図5は、ドライブレコーダ20の動作の流れを説明するフローチャートである。車両10がIG-ONされると、ドライブレコーダ20は、
図5の一連の処理を開始する。ドライブレコーダ20は、所定の終了条件を満たしていなければ(S10におけるNO)、動画を撮像して(S11)第1記憶装置24に記憶する(S12)ことを繰り返す。所定の終了条件は、例えば、車両10がIG-OFFされたこととするが、この例に限らず、任意に設定することができる。所定の終了条件が満たされると(S10におけるYES)、ドライブレコーダ20は、一連の処理を終了する。
【0049】
図6および
図7は、制御装置40の動作と搭乗者の動作との関連を説明するフローチャートである。
図6の「A」は、
図7の「A」に繋がる。
【0050】
図6で示すように、搭乗者は、関心を示す物事等を発見すると、所定タイミングおよび所定時間を指定する入力を行う(S20)。例えば、搭乗者は、ユーザインターフェース30に対して「今から2分前までの動画を見せて」と音声で入力を行う。
【0051】
ステップS20の入力が行われると、制御装置40の動画表示制御部60は、ユーザインターフェース30を通じて、所定タイミングおよび所定時間の入力を取得する(S21)。次に、動画表示制御部60は、ドライブレコーダ20の第1記憶装置24から、所定タイミングと所定時間とによって特定される時間帯の動画を取得する(S22)。動画表示制御部60は、取得した時間帯の動画をバッファ46に記憶させる(S23)。次に、動画表示制御部60は、取得した時間帯の動画をナビゲーション装置26に送信して、当該時間帯の動画を表示装置28に表示させる(S24)。
【0052】
当該時間帯の動画が表示装置28に表示されると、搭乗者は、表示された動画を確認する(S25)。搭乗者は、表示されている動画において、目的の物事等を発見すると、当該物事等が表示されている所定時点を指定する入力を行う(S26)。例えば、搭乗者は、ユーザインターフェース30に対して「今の所」と音声で入力を行う。
【0053】
ステップS26の入力が行われると、制御装置40の静止画生成部62は、ユーザインターフェース30を通じて、所定時点を指定する入力を取得する(S27)。次に、静止画生成部62は、当該所定時点を指定する入力に応じて、表示装置28に表示させている動画を一時停止させる。そして、制御装置40は、一時停止された状態で表示されている画像を、静止画として生成する(S28)。
【0054】
静止画生成部62は、生成された静止画をバッファ46に記憶させる(S29)。次に、静止画生成部62は、生成された静止画を表示装置28に表示させる(S30)。次に、静止画生成部62は、搭乗者に対して静止画の内容の確認を要求する(S31)。例えば、静止画生成部62は、「この画像でよいですか?」というような音声をユーザインターフェース30から出力させる。
【0055】
ユーザインターフェース30を通じて確認の要求が出力されると、搭乗者は、表示装置28に表示された静止画の内容を確認する(S32)。確認後、搭乗者は、確認結果の入力を行う(S33)。例えば、搭乗者は、ユーザインターフェース30に対して「OK」と音声で入力を行う。なお、静止画が目的の画像ではない場合、搭乗者は、静止画の生成を再度実行させる入力を行ってもよい。
【0056】
ステップS33の入力が行われると、静止画生成部62は、ユーザインターフェース30を通じて確認結果の入力を取得する(S34)。取得された確認結果が肯定的であれば(S35におけるYES)、静止画生成部62は、
図7のステップS40の処理に進む。取得された結果が否定的であれば(S35におけるNO)、静止画生成部62は、一時停止させていた動画の表示を再開させ、ステップS25以降の処理を繰り返す。
【0057】
図7で示すように、ステップS40において、制御装置40の送信制御部64は、送信方法の提示を行う(S40)。例えば、送信制御部64は、「画像の送信方法を指定してください」というような音声をユーザインターフェース30から出力させる。また、送信制御部64は、「Bluetoothで通信端末50に送信、電子メールで通信端末50に送信、クラウドサーバ54に送信、または、フラッシュメモリに記憶させることが可能です」というような具体的な送信方法を提示してもよい。
【0058】
ユーザインターフェース30を通じて送信方法の提示が出力されると、搭乗者は、送信方法の確認を行う(S41)。確認後、搭乗者は、送信方法の入力を行う(S42)。例えば、搭乗者は、ユーザインターフェース30に対して「Bluetooshで送信」などのように、音声で入力を行う。
【0059】
ステップS42の入力が行われると、送信制御部64は、ユーザインターフェース30を通じて、送信方法の入力を取得する(S43)。次に、送信制御部64は、ステップS28で生成された静止画を、ステップS43で取得された送信方法に従って送信を行い(S44)、一連の処理を終了する。
【0060】
Bluetoothでの送信が指定された場合、送信制御部64は、通信部48においてBluetoothの機能をオンさせる。送信制御部64は、通信可能な範囲内に存在する通信端末50の一覧を表示装置28に表示させる。搭乗者は、表示された通信端末50の一覧のうち、搭乗者の通信端末50を選択する入力を行う。制御装置40は、選択された通信端末50に、Bluetoothで静止画を送信する。
【0061】
電子メールでの送信が指定された場合、送信制御部64は、ネットワーク52を通じて、予め登録されている電子メールアドレスに静止画を送信する。なお、制御装置40は、ユーザインターフェース30を通じて、送信先の電子メールアドレスの入力を促してもよい。
【0062】
クラウドサーバ54に送信する指定が行われた場合、送信制御部64は、ネットワーク52を通じて、予め登録されているクラウドサーバ54に静止画を送信する。搭乗者は、クラウドサーバ54に送信された静止画を、搭乗者のパーソナルコンピュータなどにダウンロードすることが可能である。
【0063】
フラッシュメモリに記憶する指定が行われた場合、送信制御部64は、静止画を第2記憶装置32に記憶させる。搭乗者は、第2記憶装置32を車両10のスロット34から取り出すことができる。第2記憶装置32を読み取り可能な他の機器に第2記憶装置32が収容されると、搭乗者は、第2記憶装置32が収容された機器の表示装置を通じて静止画を視認することができる。
【0064】
以上のように、第1実施形態のキャプチャシステム1では、撮像装置22で撮像された動画のうち、所定タイミングと所定時間との入力により特定された時間帯の動画が表示装置28に表示される。そして、第1実施形態のキャプチャシステム1では、当該時間帯の動画から、搭乗者によって指定された所定時点の静止画が生成される。
【0065】
したがって、第1実施形態のキャプチャシステム1によれば、搭乗者が関心を示す車外の物事等のイメージをデータとして残すことが可能となる。
【0066】
また、比較例として、撮像装置22によって撮像された動画から、例えば、ランドマークなどに基づいて複数の静止画を自動生成する態様が挙げられる。この比較例では、生成された静止画の数が多くなり、生成された複数の静止画から所望の静止画を探し出す負担が大きくなる。また、この比較例では、静止画が自動生成されるため、偶発的に発見された物事等の静止画を的確に取得することができない。
【0067】
これに対し、第1実施形態のキャプチャシステム1では、撮像された動画のうち、搭乗者によって指定された時間帯の動画が切り出される。そして、切り出された動画の中から、搭乗者が、目的の物事等が表示されている部分を探し出す。このため、第1実施形態のキャプチャシステム1では、目的の部分を探し出す負担を軽減させることができる。また、第1実施形態のキャプチャシステム1では、搭乗者が意図するピンポイントの所定時点の静止画が生成されるため、複数の静止画の中から静止画を探し出す負担を回避することができる。また、第1実施形態のキャプチャシステム1では、搭乗者によって指定された所定時点の静止画が生成されるため、搭乗者の意図した静止画を搭乗者の意思で取得することができる。このため、第1実施形態のキャプチャシステム1では、偶発的に発見された物事等の静止画を的確に取得することができる。
【0068】
また、第1実施形態において、撮像装置22および第1記憶装置24は、ドライブレコーダ20に設けられ、表示装置28は、ナビゲーション装置26に設けられる。つまり、撮像装置22、第1記憶装置24および表示装置28は、車両10に一般的に搭載されるドライブレコーダ20およびナビゲーション装置26を利用することができる。このため、第1実施形態のキャプチャシステム1を車両10に容易に導入することができる。
【0069】
(第2実施形態)
図8は、第2実施形態にかかるキャプチャシステム100の構成を示すブロック図である。キャプチャシステム100のユーザインターフェース130は、ナビゲーション装置26に設けられる。キャプチャシステム100は、ユーザインターフェース130の設置場所以外については、第1実施形態のキャプチャシステム1と同様の構成となっている。
【0070】
ユーザインターフェース130は、例えば、表示装置28の前面に配置されるタッチパネルなどである。また、ユーザインターフェース130は、ナビゲーション装置26の各種のボタンまたはスイッチなどであってもよい。例えば、搭乗者は、表示装置28に表示された動画の再生、一時停止、巻き戻しまたは早送りなどを、タッチパネル、ボタンまたはスイッチなどを通じて入力してもよい。また、ユーザインターフェース130は、ナビゲーション装置26に内蔵されるマイクまたはスピーカであってもよい。
【0071】
第2実施形態のキャプチャシステム100では、第1実施形態と同様に、搭乗者が関心を示す車外の物事等のイメージをデータとして残すことが可能となる。
【0072】
また、第2実施形態のキャプチャシステム100では、ユーザインターフェース130がナビゲーション装置26に設けられるため、車両10に搭載する部品点数を低減することができる。
【0073】
(第3実施形態)
図9は、第3実施形態にかかるキャプチャシステム200の構成を示すブロック図である。第3実施形態では、ドライブレコーダ20が省略されている。第3実施形態では、撮像装置222が車両10に搭載されている。撮像装置222は、例えば、フロントガラスよりも車室内側から車両10の前方を撮像可能に設置される。撮像装置222は、車外の環境を動画として撮像することが可能となっている。撮像装置222は、撮像方向が車両10の前方となるように配置される。撮像装置222は、例えば、先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driver-Assistance Systems)の撮像装置を利用してもよい。
【0074】
第3実施形態では、第1記憶装置224が制御装置40に内蔵されている。撮像装置222は、撮像した動画を制御装置40に逐次送信する。第1記憶装置224は、撮像装置222から受信した動画を、受信した時刻と関連付けて記憶する。第1記憶装置224は、記憶された動画のデータ容量が第1記憶装置224の記憶容量に到達すると、記憶された動画のうち最も古いデータを削除して、最も新しいデータを記憶していく。キャプチャシステム200は、撮像装置222と第1記憶装置とが別の装置に分かれて設置されていること以外については、第1実施形態のキャプチャシステム1と同様の構成となっている。
【0075】
第3実施形態のキャプチャシステム200では、第1実施形態と同様に、搭乗者が関心を示す車外の物事等のイメージをデータとして残すことが可能となる。
【0076】
また、第3実施形態のキャプチャシステム200では、ドライブレコーダ20自体が設置されなくとも、ドライブレコーダ20と同様の機能を実現することができる。
【0077】
以上、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0078】
例えば、撮像装置22、第1記憶装置24、表示装置28、ユーザインターフェース30および制御装置40のすべてが、同一のユニット内に設けられてもよい。
【0079】
また、第1実施形態の制御装置40は、切り出された動画、および、生成された静止画をバッファ46に記憶させていた。しかし、制御装置40は、切り出された動画、および、生成された静止画を、第2記憶装置32に記憶させてもよい。
【0080】
また、各実施形態および変形例の各々の特徴は、適宜組み合わされてもよい。
【符号の説明】
【0081】
1、100、200:キャプチャシステム 10:車両 20:ドライブレコーダ 22、222:撮像装置 24、224:第1記憶装置 26:ナビゲーション装置 28:表示装置 30、130:ユーザインターフェース 40:制御装置 42:プロセッサ 44:メモリ 50:通信端末