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▶ エーエーシー マイクロテック(チャンヂョウ)カンパニー リミテッドの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-19
(45)【発行日】2024-11-27
(54)【発明の名称】同軸スピーカー
(51)【国際特許分類】
   H04R 9/06 20060101AFI20241120BHJP
   H04R 1/24 20060101ALI20241120BHJP
【FI】
H04R9/06 A
H04R1/24 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022572288
(86)(22)【出願日】2022-08-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-13
(86)【国際出願番号】 CN2022115649
(87)【国際公開番号】W WO2024044922
(87)【国際公開日】2024-03-07
【審査請求日】2023-02-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517409583
【氏名又は名称】エーエーシー マイクロテック(チャンヂョウ)カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】No.3 changcao road, Hi-TECH Industrial Zone, Wujin District, Changzhou City, Jiangsu Province, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【弁理士】
【氏名又は名称】大行 尚哉
(74)【代理人】
【識別番号】100087859
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 秀治
(72)【発明者】
【氏名】任璋
(72)【発明者】
【氏名】鐘志威
【審査官】大野 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-109945(JP,A)
【文献】特開平11-136797(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 9/06
H04R 1/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、
前記フレームの下方に固定された磁気回路系と、
前記フレームの内側に固定された第1振動系と、
前記フレームの外側に固定され且つ前記第1振動系を取り囲んで設けられた第2振動系と、を備え、
前記第1振動系は、前記第2振動系と同軸に設けられ、前記第1振動系は、第1振動板と、前記第1振動板を振動させて音を発するように駆動する第1ボイスコイルと、を有し、
前記第2振動系は、第2振動板と、前記第2振動板を振動させて音を発するように駆動する第2ボイスコイルと、を有し、
前記磁気回路系には、第1磁気ギャップ及び第1磁気ギャップの外側に位置する第2磁気ギャップが設けられ、
前記第1ボイスコイルは、少なくとも一部が前記第1磁気ギャップ内に挿設され、
前記第2ボイスコイルは、少なくとも一部が前記第2磁気ギャップ内に挿設されており、
前記第1ボイスコイルと電気的に接続され、平板状である第1回路基板と、
前記第1回路基板を支持するインサートと、
前記インサート内に嵌設されて、前記第1回路基板と外部回路とを接続する第1端子と、をさらに備え、
前記第1回路基板は、前記第1ボイスコイルの前記第1振動板から離れた面に当接しており
前記第1回路基板は、前記インサートの頂部に積層された第1固定端と、前記第1ボイスコイルの下端を弾性的に支持する第2固定端と、前記第1固定端と前記第2固定端とを接続する弾性接続部と、前記第2固定端に設けられたパッド部と、を備え、前記パッド部は、前記第1ボイスコイルの内側に位置し、前記第1ボイスコイルはリード線を含み、前記リード線は、前記パッド部に溶接されおり、前記弾性接続部は、前記第1回路基板の長軸方向に沿って連続するS字状に屈曲して延びている、
ことを特徴とする同軸スピーカー。
【請求項2】
前記磁気回路系は、導磁部材を備え、
前記導磁部材は、第1貫通孔を形成するように囲う平板状の第1底壁と、前記第1底壁から折り曲げて延びて形成された一対の第1側壁と、を有し、一対の前記第1側壁は対向設置されており、
前記第1回路基板は、一対の前記第1側壁の間に設置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の同軸スピーカー。
【請求項3】
2つの前記第1側壁は、2つの前記第1側壁のうちの一方の前記第1側壁の同軸スピーカーの振動方向と直交する方向における投影の一部が他方の前記第1側壁の外に落ちるように、部分的にずらして配置されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の同軸スピーカー。
【請求項4】
前記磁気回路系は、前記第1底壁の前記第1振動板に近い側に積層された第1磁石鋼と、前記第1底壁の他方側に積層された第2磁石鋼と、前記第2磁石鋼を載置する磁気ボウルと、をさらに備え、
前記磁気ボウルは、第2貫通孔を形成するように囲う第2底壁と、前記第2底壁の前記第2貫通孔から離れた側から折り曲げて延びて形成された第2側壁と、を有し、
前記第1磁石鋼と前記導磁部材の第1側壁との間に、前記第1磁気ギャップが形成され、
前記第1磁石鋼、第1底壁、第2磁石鋼と前記磁気ボウルの第2側壁との間に、前記第2磁気ギャップが形成される、
ことを特徴とする請求項2に記載の同軸スピーカー。
【請求項5】
前記インサートは、前記磁気ボウルの第2貫通孔から延びて前記導磁部材の第1貫通孔を通って一対の前記第1側壁の間まで延びる
ことを特徴とする請求項4に記載の同軸スピーカー。
【請求項6】
前記第1ボイスコイルは、角丸矩形である
ことを特徴とする請求項5に記載の同軸スピーカー。
【請求項7】
前記インサートは、第1階段部と、前記第1階段部に位置する第2階段部と、を有し、
前記第2磁石鋼は、前記第1階段部に部分的に積層して設けられ、
前記導磁部材の第1底壁は、前記第2階段部に部分的に積層して設けられる、
ことを特徴とする請求項4に記載の同軸スピーカー。
【請求項8】
前記同軸スピーカーは、支持フレームと、前記第2振動系と前記支持フレームとを接続する弾性アセンブリと、をさらに備え、
前記弾性アセンブリは、第2回路基板と、前記第2回路基板に接続された支持振動板とを有し、
前記第2ボイスコイルは、前記第2回路基板と電気的に接続されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の同軸スピーカー。
【請求項9】
前記磁気ボウルは、前記第2側壁の前記第2底壁から離れた一端から折り曲げて延びて形成された延出壁をさらに有し、
前記延出壁は、前記支持フレームに固定接続されている、
ことを特徴とする請求項に記載の同軸スピーカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気音響変換分野に関し、特に、同軸スピーカーに関する。
【背景技術】
【0002】
同軸スピーカーとは、高音スピーカーユニットと低音スピーカーユニットとが集積され、高音スピーカーユニットと低音スピーカーユニットとが同軸に配置されたスピーカーである。同軸スピーカーの高音スピーカーユニットと低音スピーカーユニットの音源は、同軸スピーカーの正面にあることもできるし、すなわち2つのスピーカーユニットの発音方向が同じであってもよいし、同軸スピーカーの表裏にあることもできるし、すなわち2つのスピーカーユニットの発音方向が異なっていてもよい。
【0003】
関連技術における同軸スピーカーの高音スピーカーユニットは、一般的に低音スピーカーユニットの内側に位置し、高音スピーカーユニットにおける高音ボイスコイルのリード線は端子に直接接続され、この端子を介して外部回路と接続されるが、同軸スピーカーの使用過程において、高音ボイスコイルは高音振動板と接着固定されているだけであり、支持不足により振動が比較的不安定であり、また、高音ボイスコイルのリード線は直接端子に溶接され、高音ボイスコイルの振動過程において、引っ張りにより端子から切り離されやすいため、同軸スピーカーの性能が不安定になっている。
【0004】
従って、上記技術的課題を解決するために、新たな同軸スピーカーを提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、コンパクトで安定な構成でありながら、受話器機能を兼ね備えた同軸スピーカーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に提供される同軸スピーカーは、フレームと、前記フレームの下方に固定された磁気回路系と、前記フレームの内側に固定された第1振動系と、前記フレームの外側に固定され且つ前記第1振動系を取り囲んで設けられた第2振動系と、を備え、前記第1振動系は、前記第2振動系と同軸に設けられ、前記第1振動系は、第1振動板と、前記第1振動板を駆動してそれを振動させて発音する第1ボイスコイルと、を有し、前記第2振動系は、第2振動板と、前記第2振動板を駆動してそれを振動させて発音する第2ボイスコイルと、を有し、前記磁気回路系には、第1磁気ギャップ及び第1磁気ギャップの外側に位置する第2磁気ギャップが設けられ、前記第1ボイスコイルは、少なくとも一部が前記第1磁気ギャップ内に挿設され、前記第2ボイスコイルは、少なくとも一部が前記第2磁気ギャップ内に挿設され、前記同軸スピーカーは、前記第1ボイスコイルと電気的に接続され、平板状である第1回路基板と、前記第1回路基板を支持するインサートと、前記インサート内に嵌設されて、前記第1回路基板と外部回路とを接続する第1端子と、をさらに備え、前記第1回路基板は、前記第1ボイスコイルの前記第1振動板から離れた面に当接している。
【0007】
好ましくは、前記磁気回路系は、導磁部材を備え、 前記導磁部材は、第1貫通孔を形成するように囲う平板状の第1底壁と、前記第1底壁から折り曲げて延びて形成された一対の対向設置される第1側壁と、を有し、前記第1回路基板は、一対の前記第1側壁の間に設置されている。
【0008】
好ましくは、前記2つの第1側壁は、2つの第1側壁のうちの一方の第1側壁の同軸スピーカーの振動方向と直交する方向における投影部分が他方の前記第1側壁の外に落ちるように、部分的にずらして配置されている。
【0009】
好ましくは、前記磁気回路系は、前記第1底壁の前記第1振動板に近い側に積層された第1磁石鋼と、前記第1底壁の他方側に積層された第2磁石鋼と、前記第2磁石鋼を載置する磁気ボウルと、をさらに備え、前記磁気ボウルは、第2貫通孔を形成するように囲う第2底壁と、前記第2底壁の前記第2貫通孔から離れた側から折り曲げて延びて形成された第2側壁と、を有し、前記第1磁石鋼と前記導磁部材の第1側壁との間に、前記第1磁気ギャップが形成され、前記第1磁石鋼、第1底壁、第2磁石鋼と前記磁気ボウルの第2側壁との間に、前記第2磁気ギャップが形成される。
【0010】
好ましくは、前記インサートは、前記磁気ボウルの第2貫通孔から延びて前記導磁部材の第1貫通孔を通って一対の前記第1側壁の間まで延び、前記第1回路基板は、前記インサートの頂部に積層された第1固定端と、前記第1ボイスコイルの下端を弾性的に支持する第2固定端と、前記第1固定端と前記第2固定端とを接続する弾性接続部と、を備える。
【0011】
好ましくは、前記第1ボイスコイルは、角丸矩形であり、前記第1回路基板の弾性接続部は、長軸方向に沿って屈曲して延びる。
【0012】
好ましくは、前記第1回路基板は、前記第2固定端に設けられたパッド部をさらに備え、前記パッド部は、前記第1ボイスコイルの内側に位置し、前記第1ボイスコイルはリード線を備え、前記リード線は前記パッド部に溶接される。
【0013】
好ましくは、前記インサートは、第1階段部と、前記第1階段部に位置する第2階段部と、を有し、前記第2磁石鋼は、前記第1階段部に部分的に積層して設けられ、前記導磁部材の第1底壁は、前記第2階段部に部分的に積層して設けられる。
【0014】
好ましくは、前記同軸スピーカーは、支持フレームと、前記第2振動系と前記支持フレームとを接続する弾性アセンブリと、をさらに備え、前記弾性アセンブリは、第2回路基板と、前記第2回路基板に接続された支持振動板とを有し、前記第2ボイスコイルは、前記第2回路基板と電気的に接続されている。
【0015】
好ましくは、前記磁気ボウルは、前記第2側壁の前記第2底壁から離れた一端から折り曲げて延びて形成された延出壁をさらに有し、前記延出壁は、前記支持フレームに固定接続されている。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る同軸スピーカーは、関連技術と比較して、フレームと、前記フレームの下方に固定された磁気回路系と、前記フレームの内側に固定された第1振動系と、前記フレームの外側に固定され且つ前記第1振動系を取り囲んで設けられた第2振動系と、を備え、前記第1振動系は、前記第2振動系と同軸に設けられ、前記第1振動系は、第1振動板と、前記第1振動板を駆動してそれを振動させて発音する第1ボイスコイルと、を有し、前記第2振動系は、第2振動板と、前記第2振動板を駆動してそれを振動させて発音する第2ボイスコイルと、を有し、前記磁気回路系には、第1磁気ギャップ及び第1磁気ギャップの外側に位置する第2磁気ギャップが設けられ、前記第1ボイスコイルは、少なくとも一部が前記第1磁気ギャップ内に挿設され、前記第2ボイスコイルは、少なくとも一部が前記第2磁気ギャップ内に挿設され、前記同軸スピーカーは、前記第1ボイスコイルと電気的に接続され、平板状である第1回路基板と、前記第1回路基板を支持するインサートと、前記インサート内に嵌設されて、前記第1回路基板と外部回路とを接続する第1端子と、をさらに備え、前記第1回路基板は、前記第1ボイスコイルの前記第1振動板から離れた面に当接している。本発明の同軸スピーカーは、リング状の低音振動系を設けることにより低音音響効果を提供し、低音振動系の内側に高音振動系を設け、高音音響効果を提供し、低音、高音で同軸全帯域スピーカーを形成し、高品質な音響効果を提供するとともに、平板状の第1回路基板の設計により第1振動板がさらに支持されるとともに振幅が増加し、この第1振動系は受話器機能としても利用可能となり、1つのデバイスの多様な用途の展開を実現した。
【図面の簡単な説明】
【0017】
以下、本発明の実施例における技術案をより明確に説明するために、実施例の説明で用いる必要がある図面を簡単に紹介するが、以下の説明は、本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労働を伴わずに、これらの図面から他の図面を取得することができることは明らかである。
図1図1は、本発明に係る同軸スピーカーを示す斜視構成図である。
図2図2は、図1に示す同軸スピーカーの別の角度の斜視構成図である。
図3図3は、図1に示す同軸スピーカーの部分分解図である。
図4図4は、図1に示す同軸スピーカーにおける一部部品の分解図である。
図5図5は、図1に示す同軸スピーカーの分解図である。
図6図6は、図1に示す同軸スピーカーにおける他の一部部品の分解図である。
図7図7は、図1のA―A線に沿った断面図である。
図8図8は、図1のB―B線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施例における技術案について、本発明の実施例における図面を参照して明確かつ完全に説明するが、当然のことながら、記載された実施例は、すべての実施例ではなく、本発明の一部の実施例のみである。本発明の実施例に基づいて、創造的な工夫なしに当業者によって得られる他の全ての実施例は、本発明の保護範囲に属するものとする。
【0019】
図1~8を参照して、本発明に提供される同軸スピーカー100は、フレーム(Frame)1と、前記フレーム1に固定された磁気回路系2と、前記フレーム1の内側に固定された第1振動系3と、前記フレーム1の外側に固定された第2振動系4と、インサート5と、第1回路基板6と、支持フレーム7と、弾性アセンブリ8と、前記第1振動系3と第2振動系4の上方に蓋設された蓋体9と、を備え、前記第2振動系4が、前記第1振動系3の外側を取り囲み、前記第1振動系3と同軸に設けられている。
【0020】
前記フレーム1の外周は略矩形状をなし、内側壁11と、前記内側壁11に対向して設けられた外側壁12と、前記内側壁11と前記外側壁12とを繋ぐ頂壁13と、を有し、前記第1振動系3は、フレームの内側壁11に固定され、前記第2振動系4は、フレームの外側壁12に固定され、前記蓋体9は、前記頂壁13に部分的に当接している。
【0021】
前記磁気回路系2は、導磁部材21と、前記導磁部材21の一方側に設けられた第1磁石鋼22と、前記導磁部材21の他方側に設けられた第2磁石鋼23と、前記第2磁石鋼23を載置する磁気ボウル24と、前記第1磁石鋼22の上方に蓋設された磁極芯25と、を備える。前記導磁部材21は、第1貫通孔211を形成するように囲む平板状の第1底壁212と、前記第1底壁212から折り曲げて延びて形成された一対の対向設置される第1側壁213とを備え、前記第1回路基板6は、一対の前記第1側壁213の間に設けられている。図5に示すように、2つの前記第1側壁213は、2つの第1側壁213のうちの一方の第1側壁213の同軸スピーカー100の振動方向と直交する方向における投影部分が他方の前記第1側壁213の外に落ちるように、部分的にずらして配置されている。前記第1磁石鋼22は、前記第1底壁212の前記第1振動系3に近い側に積層され、前記第2磁石鋼23は、前記第1底壁212の前記第1振動系3から離れた側に積層され、前記第1磁石鋼22は、前記第2磁石鋼23と同軸に正対して設けられている。前記第1磁石鋼22、第2磁石鋼23は、前記同軸スピーカー100の振動方向に沿って着磁され、かつ、前記第1磁石鋼22、第2磁石鋼23は同極に対向して設置されている。前記第1磁石鋼22の前記第2振動系4の表面に近い外縁には、タンジェンシャル面221が設けられ、前記第1磁石鋼22には、第1スルーホール222が設けられ、前記第2磁石鋼23には、第2スルーホール231が設けられ、前記第1側壁213は、前記第1スルーホール222内まで延びている。
【0022】
前記磁気ボウル24の下面は、前記インサート5の下面と面一である。前記磁気ボウル24は、第2貫通孔241を形成するように囲む第2底壁242と、前記第2底壁242の前記第2貫通孔241から離れた側から折り曲げて延びて形成された第2側壁243と、前記第2側壁243の前記第2底壁242から離れた一端から折り曲げて延びて形成された延出壁244と、を有し、前記延出壁244は、前記支持フレーム7に固定接続されている。前記第1磁石鋼22、磁極芯25と前記導磁部材21の第1側壁213との間には、前記第1磁気ギャップ26が形成され、前記第1磁石鋼22、第1底壁212、第2磁石鋼23と前記磁気ボウル24の第2側壁243との間には、前記第2磁気ギャップ27が形成され、前記第2磁気ギャップ27は、前記第1磁気ギャップ26の外側に囲んで設けられている。
【0023】
前記磁極芯25には、第3スルーホール251が設けられ、前記第1側壁213は、さらに前記第3スルーホール251内まで延びている。
【0024】
前記第1振動系3は、第1振動板31と、前記第1振動板31を駆動してそれを振動させて発音する第1ボイスコイル32と、を有し、前記第1ボイスコイル32は、角丸矩形であり、前記第1ボイスコイル32は、少なくとも一部が前記第1磁気ギャップ26内に挿設され、前記第1ボイスコイル32は、リード線310を備え、前記第1振動板31は、高音発音に使用することができ、受話器として動作することもでき、その発音方向が振動方向に沿って上向きとなっている。前記第1振動板31は、第1ドーム311と、前記第1ドーム311を囲むように設けられた第1サラウンド(Surround、エッジ)312と、を有し、前記第1ドーム311は、前記第1サラウンド312の上方に設けられた第1ドーム部3111と、前記第1サラウンド312の下方に設けられた第2ドーム部3112と、を含み、前記第1ドーム部3111は平板状構造であり、前記第2ドーム部3112は、中空環状構造である。前記第1サラウンド312は中空環状構造であるとともに、振動方向に沿って下向きに凹んだ構造であり、前記第1サラウンド312の外縁には、第1固定部313が設けられ、内縁には第2固定部314が設けられ、前記第1固定部313は、前記フレーム1の頂壁13及び一部の内側壁11に貼り合わせられ、且つ、前記第1固定部313の前記フレーム1の頂壁13に貼り合わせられた部分が前記頂壁13と前記蓋体9との間に挟持され、前記第1ドーム部3111は、前記第2固定部314の上面に貼り合わせられ、前記第2ドーム部3112は、前記第2固定部314の下面に貼り合わせられ、前記第2固定部314と前記第1ボイスコイル32との間に挟設される。
【0025】
前記第2振動系4は、第2振動板41と、前記第2振動板41を駆動してそれを振動させて発音する第2ボイスコイル42と、前記第2振動板41と前記第2ボイスコイル42とを接続するボイスコイルボビン43と、を有し、前記第2ボイスコイル42は、角丸矩形であり、前記第2ボイスコイル42は、少なくとも一部が前記第2磁気ギャップ27内に挿設され、前記第2振動板41は、低音発音に使用することができ、その発音方向が振動方向に沿って上向きとなっている。前記第2振動板41は、第2サラウンド411と、前記第2サラウンド411を囲んで前記第2サラウンド411と間隔を置いて設けられた第3サラウンド412と、を有する。前記第2サラウンド411、第3サラウンド412は、いずれも中空環状構造であり、前記第2サラウンド411は、振動方向に沿って上向きに突起した構成であり、前記第3サラウンド412は、振動方向に沿って下向きに凹んだ構成である。前記ボイスコイルボビン43は、前記第2サラウンド411、第3サラウンド412と前記第2ボイスコイル42とを接続する。前記第2サラウンド411は、前記第1振動板31に近い一端が前記フレーム1の外側壁12又は/及び前記第1磁石鋼22に固定され、前記第3サラウンド412は、第3固定部4121を含む。
【0026】
前記インサート5は、前記磁気ボウル24の第2貫通孔241から延び、第2磁石鋼23の第2スルーホール231、前記導磁部材21の第1貫通孔211を順次通過して、一対の前記第1側壁213の間まで延びている。前記インサート5は、第1階段部51と、前記第1階段部51上に位置する第2階段部52と、を有し、前記第2磁石鋼22は、前記第1階段部51に部分的に積層して設けられ、前記導磁部材21の第1底壁212は、前記第2階段部52に部分的に積層して設けられる。前記インサート5内には、前記第1回路基板6と外部回路とを接続する第1端子91が設けられ、前記第1端子91は、第1回路基板6に接続され、前記第1ボイスコイル32は、前記第1端子91を介して前記第1回路基板6と電気的に接続される。前記インサート5には、それを貫通するリーク通路53が設けられている。
【0027】
前記第1回路基板6は、前記インサート5に支持固定され、前記第1回路基板6は、前記第1ボイスコイル32の前記第1振動板31から離れた表面に当接している。前記第1回路基板6は、前記インサート5の頂部に積層された第1固定端61と、前記第1ボイスコイル32の下端を弾性的に支持する第2固定端62と、前記第1固定端61と前記第2固定端62とを接続する弾性接続部63と、前記第2固定端62に設けられたパッド部64と、を備え、前記パッド部64は、前記第1ボイスコイル32の内側に位置し、前記第1ボイスコイル32のリード線310は、前記パッド部64に溶接されている。前記第1回路基板6の弾性接続部63は、第1回路基板6のモーメントアームの長さを増加するために、長軸方向に沿って連続するS字状に屈曲して延び、第1ボイスコイル32を弾性的に支持するとともに第1ボイスコイル32の振幅をさらに増加させることができ、2つの前記第1側壁213は、第1側壁213の外側に前記弾性接続部63を位置させる空間を形成できるように、部分的にずらして設置されている。
【0028】
支持フレーム7は、環状のスチールリングであり、前記第3サラウンド412の第3固定部4121は、前記支持フレーム7に固定接続され、具体的には、第3固定部4121は前記支持フレーム7の上面及び一部の外側面を覆う。
【0029】
弾性アセンブリ8は、前記ボイスコイルボビン43と前記支持フレーム7とを接続し、前記弾性アセンブリ8は、第2回路基板81と、前記第2回路基板81に接続された支持振動板82と、を備え、前記第2ボイスコイル42は、前記第2回路基板81と電気的に接続している。具体的には、前記同軸スピーカー100は、前記第2回路基板81に接続された第2端子92をさらに備え、前記第2ボイスコイル42は、前記第2端子92を介して前記第2回路基板81と電気的に接続されている。本実施例では、弾性アセンブリ8の数は2つであり、同軸スピーカー100の短軸方向に設置されているが、他の実施例においては状況に応じて定められる。
【0030】
前記ボイスコイルボビン43は、ボビン平板部431と、前記ボビン平板部431の一端から前記第2回路基板81に向かって折り曲げて延び、前記第2回路基板81に接続された第1延出部432と、前記ボビン平板部431の他端から前記第2ボイスコイル42に向かって折り曲げて延び、前記第2ボイスコイル42に接続された第2延出部433と、を有する。前記ボビン平板部431は、一端が第2サラウンド411に接続され、他端が第3サラウンド412に接続されている。
【0031】
蓋体9には、第1振動板31、第2振動板41が音を放音するための通音孔90が設けられている。
【0032】
本発明に係る同軸スピーカーは、関連技術と比較して、フレームと、前記フレームの下方に固定された磁気回路系と、前記フレームの内側に固定された第1振動系と、前記フレームの外側に固定され且つ前記第1振動系を取り囲んで設けられた第2振動系と、を備え、前記第1振動系は、前記第2振動系と同軸に設けられ、前記第1振動系は、第1振動板と、前記第1振動板を駆動してそれを振動させて発音する第1ボイスコイルと、を有し、前記第2振動系は、第2振動板と、前記第2振動板を駆動してそれを振動させて発音する第2ボイスコイルと、を有し、前記磁気回路系には、第1磁気ギャップ及び第1磁気ギャップの外側に位置する第2磁気ギャップが設けられ、前記第1ボイスコイルは、少なくとも一部が前記第1磁気ギャップ内に挿設され、前記第2ボイスコイルは、少なくとも一部が前記第2磁気ギャップ内に挿設され、前記同軸スピーカーは、前記第1ボイスコイルと電気的に接続され、平板状である第1回路基板と、前記第1回路基板を支持するインサートと、前記インサート内に嵌設されて、前記第1回路基板と外部回路とを接続する第1端子と、をさらに備え、前記第1回路基板は、前記第1ボイスコイルの前記第1振動板から離れた面に当接している。本発明の同軸スピーカーは、リング状の低音振動系を設けることにより低音音響効果を提供し、低音振動系の内側に高音振動系を設け、高音音響効果を提供し、低音、高音で同軸全帯域スピーカーを形成し、高品質な音響効果を提供するとともに、平板状の第1回路基板の設計により第1振動板がさらに支持されるとともに振幅が増加し、この第1振動系は受話器機能としても利用可能となり、1つのデバイスの多様な用途の展開を実現した。
【0033】
上記は、本発明の実施形態に過ぎなく、当業者にとっては、本発明の創造思想から逸脱することなく改良を行うことができるが、これらはいずれも本発明の保護範囲に属する。
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