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特許7591089表面実装積層結合コンデンサ、およびそれを含む回路板
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  • 特許-表面実装積層結合コンデンサ、およびそれを含む回路板 図1A
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  • 特許-表面実装積層結合コンデンサ、およびそれを含む回路板 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-19
(45)【発行日】2024-11-27
(54)【発明の名称】表面実装積層結合コンデンサ、およびそれを含む回路板
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/30 20060101AFI20241120BHJP
   H01G 4/38 20060101ALI20241120BHJP
   H05K 1/18 20060101ALI20241120BHJP
【FI】
H01G4/30 201F
H01G4/30 513
H01G4/30 515
H01G4/30 516
H01G4/38 A
H01G4/30 201C
H01G4/30 201L
H01G4/30 201D
H01G4/30 201G
H01G4/30 201P
H05K1/18 K
【請求項の数】 39
(21)【出願番号】P 2023077709
(22)【出願日】2023-05-10
(62)【分割の表示】P 2019572686の分割
【原出願日】2018-06-22
(65)【公開番号】P2023100905
(43)【公開日】2023-07-19
【審査請求日】2023-05-10
(31)【優先権主張番号】62/526,744
(32)【優先日】2017-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500047848
【氏名又は名称】キョーセラ・エイブイエックス・コンポーネンツ・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】カイン,ジェフリー
【審査官】田中 晃洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-200698(JP,A)
【文献】特開2006-216622(JP,A)
【文献】特開2004-128219(JP,A)
【文献】特開2010-056202(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 4/30
H01G 4/38
H05K 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面実装結合コンデンサであって、
交互の誘電層および内部電極層の第1のセット、ならびに交互の誘電層および内部電極層の第2のセットを含む本体であって、
交互の誘電層および内部電極層の各セットが、第1の内部電極層および第2の内部電極層を含み、前記第1のセットは、長手方向において前記第2のセットから間隔を隔てられ、
各内部電極層が、上縁と、前記上縁の反対側の下縁と、前記内部電極層の本体を画定する、前記上縁と前記下縁の間を延在する2つの側縁とを含む、本体と、
前記内部電極層に電気的に接続された外部端子であって、前記結合コンデンサの上面、および前記結合コンデンサの前記上面の反対側の、前記結合コンデンサの下面に形成される、外部端子と
を備え、
前記内部電極層の主面は長手方向に延び、前記結合コンデンサの前記上面および前記下面は前記内部電極層と非平行である、表面実装結合コンデンサ。
【請求項2】
挿入損が0.1dB以下である、請求項1に記載の積層結合コンデンサ。
【請求項3】
インピーダンス差が100Ω±25%である、請求項1に記載の積層結合コンデンサ。
【請求項4】
前記コンデンサが100Ω±5%のインピーダンス差を提供する、請求項1に記載の積層結合コンデンサ。
【請求項5】
静電容量値が1ピコファラドから1マイクロファラドまでである、請求項1に記載の積層結合コンデンサ。
【請求項6】
前記第1の内部電極層または前記第2の内部電極層のうちの少なくとも一方が前記結合コンデンサの前記上面の前記外部端子と電気的に接触し、また、もう一方の前記内部電極層が、前記結合コンデンサの前記上面とは反対側の、前記結合コンデンサの前記下面の前記外部端子と電気的に接触する、請求項1に記載の積層結合コンデンサ。
【請求項7】
前記第1の内部電極層の少なくとも1つの横縁が前記第2の内部電極層の少なくとも1つの横縁と実質的に整列される、請求項1に記載の積層結合コンデンサ。
【請求項8】
前記第1の内部電極層の両方の横縁が前記第2の内部電極層の両方の横縁と実質的に整列される、請求項1に記載の積層結合コンデンサ。
【請求項9】
前記誘電層がセラミックを含む、請求項1に記載の積層結合コンデンサ。
【請求項10】
前記セラミックがチタン酸塩を含む、請求項9に記載の積層結合コンデンサ。
【請求項11】
前記内部電極層が導電性金属を含む、請求項1に記載の積層結合コンデンサ。
【請求項12】
前記導電性金属が、銀、金、パラジウム、白金、銅、すず、クロム、チタン、タングステン、またはそれらの組み合わせ、もしくはそれらの合金を含む、請求項11に記載の積層結合コンデンサ。
【請求項13】
前記導電性金属がニッケルまたはその合金を含む、請求項11に記載の積層結合コンデンサ。
【請求項14】
前記外部端子が電解めっき層である、請求項1に記載の積層結合コンデンサ。
【請求項15】
前記外部端子が無電解めっき層である、請求項1に記載の積層結合コンデンサ。
【請求項16】
前記外部端子が導電性金属を含む、請求項1に記載の積層結合コンデンサ。
【請求項17】
前記導電性金属が、銀、金、パラジウム、白金、すず、ニッケル、クロム、チタン、タングステン、またはそれらの組み合わせ、もしくはそれらの合金を含む、請求項16に記載の積層結合コンデンサ。
【請求項18】
前記導電性金属が銅またはその合金を含む、請求項16に記載の積層結合コンデンサ。
【請求項19】
前記コンデンサが0.25dB以下の挿入損を示す、請求項1に記載の積層結合コンデンサ。
【請求項20】
請求項1に記載の結合コンデンサを含む回路板。
【請求項21】
請求項1に記載の結合コンデンサを含む通信デバイス。
【請求項22】
前記デバイスが、Ethernetシステム、無線ネットワークルータ、光ファイバ通信システム、記憶デバイスを含む、請求項21に記載の通信デバイス。
【請求項23】
回路板であって、
交互の誘電層および内部電極層の第1のセット、ならびに交互の誘電層および内部電極層の第2のセットを含む本体を備える表面実装結合コンデンサであって、前記第1のセットは、長手方向において前記第2のセットから間隔を隔てられ、前記結合コンデンサが、前記結合コンデンサの上面、および前記結合コンデンサの前記上面とは反対側の、前記結合コンデンサの下面に外部端子をさらに備え、前記内部電極層の主面は長手方向に延び、前記結合コンデンサの前記上面および前記下面は前記内部電極層と非平行である、表面実装結合コンデンサ
を備え、
前記上面、または前記上面とは反対側の、前記結合コンデンサの前記下面の前記外部端子が前記回路板の表面に電気的に接続される、回路板。
【請求項24】
前記回路板が集積回路パッケージをさらに備える、請求項23に記載の回路板。
【請求項25】
前記回路板、前記結合コンデンサおよび前記集積回路パッケージが積み重ねられた配置で存在するよう、前記結合コンデンサが、前記回路板と前記集積回路パッケージの間に垂直方向に位置付けられる、請求項24に記載の回路板。
【請求項26】
前記結合コンデンサが、前記回路板および前記集積回路パッケージに直接接続される、請求項24に記載の回路板。
【請求項27】
前記結合コンデンサが、前記回路板上のボールグリッドアレイによって囲まれる、請求項23に記載の回路板。
【請求項28】
前記結合コンデンサが、
交互の誘電層および内部電極層の第1のセット、ならびに交互の誘電層および内部電極層の第2のセットを含む本体であって、
交互の誘電層および内部電極層の各セットが、第1の内部電極層および第2の内部電極層を含み、
各内部電極層が、上縁と、前記上縁の反対側の下縁と、前記内部電極層の本体を画定する、前記上縁と前記下縁の間を延在する2つの側縁とを含む、
本体を備える、請求項23に記載の回路板。
【請求項29】
前記第1の内部電極層または前記第2の内部電極層のうちの少なくとも一方が前記結合コンデンサの前記上面の前記外部端子と電気的に接触し、また、もう一方の前記内部電極層が、前記結合コンデンサの前記上面とは反対側の、前記結合コンデンサの前記下面の前記外部端子と電気的に接触する、請求項28に記載の回路板。
【請求項30】
前記第1のセットの前記第1の内部電極層と前記第2のセットの前記第2の内部電極層との間のピッチが、前記結合コンデンサの前記上面の前記外部端子のピッチ、または前記結合コンデンサの前記上面とは反対側の、前記結合コンデンサの前記下面の前記外部端子のピッチと同じである、請求項28に記載の回路板。
【請求項31】
前記ピッチが0.5mmから1.2mmまでの範囲である、請求項30に記載の回路板。
【請求項32】
前記第1の内部電極層および前記第2の内部電極層が、反対の関係でインターリーブされ、誘電層が、前記第1の内部電極層と前記第2の内部電極層との間に位置付けられる、請求項28に記載の回路板。
【請求項33】
前記コンデンサが100Ω±25%のインピーダンス差を提供する、請求項23に記載の回路板。
【請求項34】
前記コンデンサが100Ω±5%のインピーダンス差を提供する、請求項23に記載の回路板。
【請求項35】
挿入損が0.25dB以下である、請求項23に記載の回路板。
【請求項36】
挿入損が0.1dB以下である、請求項23に記載の回路板。
【請求項37】
静電容量値が1ピコファラドから1マイクロファラドまでである、請求項23に記載の回路板。
【請求項38】
請求項23に記載の回路板を備える通信デバイス。
【請求項39】
前記デバイスが、Ethernetシステム、無線ネットワークルータ、光ファイバ通信システム、記憶デバイスを含む、請求項38に記載の通信デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[001]本出願は、2017年6月29日の出願日を有する米国仮特許出願第62/52
6,744号の出願利益を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[002]積層結合コンデンサは、一般的に、複数の誘電層および内部電極層が積み重ねて
配置されて構築される。製造中、積み重ねられた誘電層および内部電極層は、押圧および焼結されて、実質的に一体型のコンデンサ本体を達成する。これらのコンデンサの性能に改良を加える試みにおいて、様々な構成および設計が、誘電層および内部電極層のために用いられてきた。
【0003】
[003]しかしながら、電子工業において、新しい性能基準を要する素早い変化が起こる
と、これらの構成は、共通して操作される。特に、様々な応用設計検討事項は、コンデンサパラメータ、および高速環境におけるコンデンサの性能を、特に、より高速かつ高密度の集積回路の観点から、再規定する必要性を作り出してきた。例えば、より大きい電流、より高密度の回路板、および費用の高騰はすべて、より優れた、およびより効率的なコンデンサの必要性を重要視することにつながっている。加えて、様々な電子コンポーネントの設計は、小型化ならびに機能性の増大に向かう一般的な業界動向によって動かされてきた。
【0004】
[004]そのため、改善された動作特徴を結合コンデンサに提供する必要性が存在する。
加えて、いくつかの応用はまた、回路板上により小さい占有面積を有することができる結合コンデンサを提供することにより恩恵を受ける。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
[005]本発明の1つの実施形態に従って、表面実装結合コンデンサが開示される。本結
合コンデンサは、交互の誘電層および内部電極層の第1のセット、ならびに交互の誘電層および内部電極層の第2のセットを含む本体を備える。交互の誘電層および内部電極層の各セットが、第1の内部電極層および第2の内部電極層を含む。各内部電極層は、上縁と、上縁の反対側の下縁と、内部電極層の本体を画定する、上縁と下縁との間に延在する2つの側縁とを含む。本結合コンデンサは、内部電極層に電気的に接続された外部端子であって、結合コンデンサの上面、および結合コンデンサの上面の反対側の結合コンデンサの下面に形成される、外部端子を含む。コンデンサは、0.25dB以下の挿入損を示す。
【0006】
[006]本発明の別の実施形態によれば、表面実装結合コンデンサを備える回路板が開示
される。表面実装結合コンデンサは、交互の誘電層および内部電極層の第1のセットと、交互の誘電層および内部電極層の第2のセットとを備える本体を備える。結合コンデンサは、結合コンデンサの上面、および結合コンデンサの上面とは反対側の、結合コンデンサの下面に外部端子をさらに備える。上面または上面とは反対側の、結合コンデンサの下面の外部端子は、回路板の表面に電気的に接続される。
【0007】
[007]本発明の他の特徴および態様は、以下により詳細に記載される。
[008]当業者にとっての本発明の最良の形態を含む、本発明の完全かつ実施可能な開示
は、添付の図面を参照して、本明細書の残りの部分においてより具体的に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】[009]本発明に従う、1行2列のパッケージ結合コンデンサの1つの実施形態の全体的な上面および側面外側斜視図である。
図1B】[0010]図1Aの結合コンデンサの側面外側斜視図である。
図1C】[0011]図1Aおよび図1Bの結合コンデンサの前面外側斜視図である。
図2】[0012]回路板、および本発明のパッケージ型結合コンデンサを含む集積回路パッケージの側面図である。
図3】[0013]回路板、および先行技術の結合コンデンサを含む集積回路パッケージの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0014]本議論は、単に例示的な実施形態の説明にすぎず、本発明の幅広い態様を制限することを目的としないことは、当業者によって理解されるものとする。
[0015]一般的に言うと、本発明は、例えば回路板の上に実装するための表面実装積層結合コンデンサを対象とする。本表面実装積層結合コンデンサは、本体内に複数の容量性素子を含む。すなわち、本積層結合コンデンサは、単一の一体型のパッケージ内に複数の容量性素子を含む。この点に関して、本積層結合コンデンサは、交互の誘電層および内部電極層の第1のセット、ならびに交互の誘電層および内部電極層の第2のセットを含む。交互の誘電層および内部電極層の各セットが、容量性素子を画定する。
【0010】
[0016]単一の一体型のパッケージ(すなわち、単一の本体)内の容量性素子の特定の配置は、いくつかの利点を提供し得る。例えば、以下にさらに論じられるように、本発明の結合コンデンサは、表面実装コンデンサとして回路板上に搭載されてもよく、回路板上により小さい接地面積を提供し得る。ひいては、これにより回路板のサイズの低減も可能にすることができる。
【0011】
[0017]図2に移ると、結合コンデンサ408は、上部表面および下部表面を有する基板(例えば、絶縁層)を含む回路板406上に搭載(例えば、表面実装)されてもよい。回路板406は、その中に画定される複数の電流経路(図示せず)を有する。結合コンデンサ408の外部端子は、回路板406の既定の電流経路とそれぞれ電気通信状態にある。加えて、結合コンデンサ408の外部端子は、一般的なはんだ技法など、当該技術分野において一般的に知られている任意の方法を使用して、回路板406に物理的に接続されてもよい。
【0012】
[0018]図2に例証されるように、集積回路パッケージ402もまた、回路板406上に設けられてもよい。集積回路パッケージ402は、ボールグリッドアレイ404を使用して回路板406に接続されてもよい。回路板は、プロセッサ400をさらに備えてもよい。プロセッサ400は、同様にボールグリッドアレイ412を使用して、集積回路パッケージ402に接続されてもよい。
【0013】
[0019]一般に、ボールグリッドアレイ404は、特定のピッチを有するように構成されてもよい。当該技術分野において一般的に知られているように、ピッチは、中心同士間の公称距離を意味している(中心間間隔とも呼ばれる)。ボールグリッドアレイ404および結合コンデンサ408の外部端子同士のピッチは、特定の回路板構成によって決定付けられ得る。1つの方向(すなわち、xまたはy方向)における外部端子同士のピッチは、他の方向(すなわち、それぞれyまたはx方向)における隣接する外部端子同士のピッチと同じであってもよい。すなわち、任意の2つの隣接する外部端子同士のピッチは、任意の他の2つの隣接する外部端子同士のピッチと実質的に同じであってもよい。
【0014】
[0020]ピッチは、約0.1mm以上、例えば約0.2mm以上、例えば約0.3mm以上、例えば約0.4mm以上、例えば約0.5mm以上、例えば約0.6mm以上、例えば約0.7mm以上、例えば約0.8mm以上、例えば約0.9mm以上、例えば約1.0m以上、であってもよい。ピッチは、約2.0mm以下、例えば約1.5mm以下、例えば約1.4mm以下、例えば約1.3mm以下、例えば約1.2mm以下、例えば約1.1mm以下、例えば約1.0mm以下、であってもよい。例えば、ピッチは、約0.2mm、約0.4mm、約0.6mm、約0.8mm、約1.0mm、約1.2mmなどであってもよい。特に、ピッチは、0.6mm、0.8mm、または1.0mmであってもよい。1つの実施形態において、ピッチは、約0.6mm、例えば0.6mm+/-10%、例えば+/-5%、例えば+/-2%、例えば+/-1%、であってもよい。別の実施形態において、ピッチは、約0.8mm、例えば0.8mm+/-10%、例えば+/-5%、例えば+/-2%、例えば+/-1%、であってもよい。さらなる実施形態において、ピッチは、約1mm、例えば1mm+/-10%、例えば+/-5%、例えば+/-2%、例えば+/-1%、であってもよい。
【0015】
[0021]同様の方法で、結合コンデンサ408の外部端子同士のピッチも、ボールグリッドアレイ404のピッチと同じピッチであってもよい。例えば、外部端子は、ボールグリッドアレイ、特に周囲のボールグリッドアレイによって典型的に用いられるように接触を行うために設けられてもよい。この点に関して、外部端子のピッチは、周囲のボールグリッドアレイのピッチと同じであってもよい。すなわち、ピッチは、周囲のボールグリッドアレイのピッチの10%以内、例えば5%以内、例えば2%以内、例えば1%以内、例えば0.5%以内、例えば0.1%以内、であってもよい。
【0016】
[0022]加えて、ボールグリッドアレイのように、外部端子は、行および/または列で設けられてもよい。すなわち、外部端子は、それらが少なくとも1つの行および少なくとも2つの列内に存在するように設けられてもよい。例えば、外部端子は、少なくとも2つの行、例えば少なくとも3つの行、例えば少なくとも4つの行内に存在してもよい。加えて、外部端子は、少なくとも2つの列、例えば少なくとも3つの列、例えば少なくとも4つの列内に存在してもよい。行および列の数は、交互の誘電層および内部電極層の異なるセットの数によって決定付けられ得る。
【0017】
[0023]加えて、ボールグリッドアレイ412は、ボールグリッドアレイ404に関して上で言及したようなピッチを有することになる。1つの実施形態において、ボールグリッドアレイ412のピッチは、ボールグリッドアレイ404および結合コンデンサ408の外部端子同士のピッチ未満であってもよい。ボールグリッドアレイ412のためのいくつかの共通ピッチは、0.1mmおよび0.2mmを含む。
【0018】
[0024]加えて、集積回路パッケージ402もまた、本明細書内で規定されるような結合コンデンサ408を使用して回路板406に接続されてもよい。この点に関して、結合コンデンサ408の内部電極層は、それらが回路板406および集積回路パッケージ402の水平平面に直交するように位置付けられ得る。言い換えると、結合コンデンサ408の内部電極層は、それらが回路板406と実質的に非平行であるように位置付けられ得る。例えば、結合コンデンサ408は、結合コンデンサ408が集積回路パッケージ402と回路板406との間に「挟まれる」ように、これらの2つの構成要素の間に位置付けられ得る。この点に関して、結合コンデンサ408は、集積回路パッケージ402および回路板406に直接接続される。例えば、結合コンデンサ408は、一般的なはんだ技法などの当該技術分野において一般的に知られている任意の方法を使用して、回路板406および/または回路パッケージ402に物理的に接続され得る。
【0019】
[0025]前述の配置で結合コンデンサを用いることにより、結合コンデンサ408は、元
々のボールグリッドアレイ404の一部の除去を可能にし得る。しかしながら、結合コンデンサ408は、図2に例証されるように、依然としてボールグリッドアレイ404に囲まれ得る。
【0020】
[0026]一方、先行技術の回路板506は、図3に例証される。回路板506は、プロセッサ500、集積回路パッケージ502、ならびにボールグリッドアレイ504および512を含む。しかしながら、図2の結合コンデンサ408のような単一の一体型のコンデンサパッケージを用いるのではなく、図3の回路板506は、複数の個別のセラミックコンデンサ508を用いる。加えて、積層セラミックコンデンサ508は、回路板506上のどこかに位置付けられ、また、ビア514を介してプロセッサ500および集積回路パッケージ502に接続される。
【0021】
[0027]しかしながら、本明細書において言及されている理由のために、単一の一体型のコンデンサを用いるこの構成は、個別の複数のセラミックコンデンサを用いる回路板と比較して、様々な利点および利益を可能にし得る。
【0022】
[0028]一般に、結合コンデンサは、AC信号を通過させ、すなわちAC信号が伝送され、その一方でDC信号を概ね阻止するために用いられ得る。すなわち結合コンデンサは、低周波数信号を阻止し、かつ、高周波数信号を伝送するために用いられ得る。一般に、結合コンデンサは、DC信号を阻止することができる低い周波数で概ね大きいインピーダンス/抵抗を有し得る。それとは逆に、結合コンデンサは、AC信号を伝送することができる高い周波数で概ね小さいインピーダンス/抵抗を有し得る。
【0023】
[0029]本発明の結合コンデンサおよび構成の1つの注目すべき利点は、本明細書において説明されている回路板内に用いられると、プロセッサから結合コンデンサまでの電気的な長さが実質的に短縮されることである。例えば、図2に例証されるように、プロセッサ400から結合コンデンサ408までの距離は、図3におけるプロセッサ500とコンデンサ508の間の距離より実質的に短い。このような方法で結合コンデンサを置くことにより、図3に例証されているビア514の除去が同じく可能である。加えて、このような方法でコンデンサを置くことにより、コンデンサを等化器窓内に存在させることができ、これは、可能な限り低くするためには望ましい。この点に関して、コンデンサを窓内に存在させることにより、信号を伝送のために浄化することができる。
【0024】
[0030]加えて、本発明の結合コンデンサおよび構成の別の注目すべき利点は、可能な限り100Ωに近いインピーダンス差を得るために、コンデンサを適合させる能力である。この点に関して、インピーダンス差は、100オームの±25%、例えば±15%、例えば±10%、例えば±5%、例えば±2%、例えば±1%、例えば±0.5%であってもよい。前述の100Ωインピーダンス差は、本発明の単純に1つの実施形態であること、また、結合コンデンサは、任意の所望のインピーダンス差を得るように構成され得ることを理解されたい。このようなインピーダンス差は、当該技術分野において一般的に知られている任意の方法を使用して計算され得る。
【0025】
[0031]さらに、本発明の結合コンデンサおよび構成の別の注目すべき利点は、挿入損を最小化する能力である。このような最小挿入損は、インピーダンス差を最小化する能力に帰属され得る。この点に関して、挿入損は、0.5dB以下、例えば0.25dB以下、例えば0.15dB以下、例えば0.1dB以下、例えば0.05dB以下であってもよい。このような挿入損は、当該技術分野において一般的に知られている任意の方法を使用して計算され得る。
【0026】
[0032]加えて、静電容量値は必ずしも制限され得ない。例えば、結合コンデンサの静電
容量は、ピコファラドまたはナノファラドの範囲であってもよい。特に、静電容量は、1,000μF以下、例えば750μF以下、例えば500μF以下、例えば250μF以下、例えば100μF以下、例えば50μF以下、例えば25μF以下、例えば10μF以下、例えば5μF以下、例えば2.5μF以下、例えば1μF以下、例えば750ナノファラド以下、例えば500ナノファラド以下、例えば250ナノファラド以下、例えば100ナノファラド以下であってもよい。静電容量は、1ピコファラド以上、例えば10ピコファラド以上、例えば25ピコファラド以上、例えば50ピコファラド以上、例えば100ピコファラド以上、例えば250ピコファラド以上、例えば500ピコファラド以上、例えば750ピコファラド以上、例えば1ナノファラド以上、例えば10ナノファラド以上であってもよい。静電容量は、当該技術分野において知られているような一般的な技法を使用して測定され得る。
【0027】
[0033]さらに、コンデンサの抵抗は必ずしも制限され得ない。例えば結合コンデンサの抵抗は、100mOhm以下、例えば75mOhm以下、例えば50mOhm以下、例えば40mOhm以下、例えば30mOhm以下、例えば25mOhm以下、例えば20mOhm以下、例えば15mOhm以下、例えば10mOhm以下、例えば5mOhm以下であってもよい。抵抗は、0.01mOhm以上、例えば0.1mOhm以上、例えば0.25mOhm以上、例えば0.5mOhm以上、例えば1mOhm以上、例えば1.5mOhm以上、例えば2mOhm以上、例えば5mOhm以上、例えば10mOhm以上であってもよい。抵抗は、当該技術分野において知られているような一般的な技法を使用して測定され得る。
【0028】
[0034]コンデンサのインダクタンスは必ずしも制限され得ない。例えば、結合コンデンサのインダクタンスは、1ナノヘンリー未満であってもよい。特に、インダクタンスは、900ピコヘンリー以下、例えば750ピコヘンリー以下、例えば500ピコヘンリー以下、例えば400ピコヘンリー以下、例えば250ピコヘンリー以下、例えば100ピコヘンリー以下、例えば50ピコヘンリー以下、例えば25ピコヘンリー以下、例えば15ピコヘンリー以下、例えば10ピコヘンリー以下、であってもよい。インダクタンスは、1フェムトヘンリー以上、例えば25フェムトヘンリー以上、例えば50フェムトヘンリー以上、例えば100フェムトヘンリー以上、例えば250フェムトヘンリー以上、例えば500フェムトヘンリー以上、例えば750フェムトヘンリー以上、であってもよい。
【0029】
[0035]本発明者らは、前述の利点は内部電極層の幅を制御することによって獲得され得ることを発見した。また、このような制御により、第1のセット内の内部電極層と、第2のセット内の内部電極層との間の間隔を同じく制御することができる。この点に関して、内部電極層の形状は、特定の動作特徴および特性が達成され得る限り、必ずしも本発明によって制限されない。1つの実施形態において、結合コンデンサは、間隔に対する特定の内部電極層幅比率を有し得る。一般に、間隔は、図1Cに例証されているように、第1のセットおよび第2のセットの内部電極層の横縁同士の間の間隔「s」として参照される。
【0030】
[0036]上に示されるように、本発明は、単一の一体型のパッケージ内に複数の容量性素子を含む積層結合コンデンサを含む。本コンデンサは、上面、および上面の反対側の下面を含む。本コンデンサはまた、上面と下面との間に延在する少なくとも1つの側面を含む。本コンデンサは、少なくとも3つの側面、例えば少なくとも4つの側面、を含んでもよい。1つの実施形態において、本コンデンサは、合計で少なくとも6つの表面(例えば、1つの上面、1つの下面、4つの側面)を含む。例えば、本コンデンサは、平行6面体形状、例えば直方体、を有し得る。
【0031】
[0037]加えて、本コンデンサは、所望の高さを有し得る。例えば、高さは、10ミクロン以上、例えば25ミクロン以上、例えば50ミクロン以上、例えば100ミクロン以上
、例えば200ミクロン以上、例えば250ミクロン以上、例えば300ミクロン以上、例えば350ミクロン以上、例えば500ミクロン以上、例えば1,000ミクロン以上、例えば2,000ミクロン以上、であってもよい。高さは、5,000ミクロン以下、例えば4,000ミクロン以下、例えば2,500ミクロン以下、例えば2,000ミクロン以下、例えば1,000ミクロン以下、例えば750ミクロン以下、例えば500ミクロン以下、例えば450ミクロン以下、であってもよい。ボールグリッドアレイによって囲まれるとき、コンデンサの高さは、ボールグリッドアレイのボールの高さ(または直径)の、10%以内、例えば7%以内、例えば5%以内、例えば3%以内、例えば2%以内、例えば1%以内、であってもよい。例えば、そのような高さは、任意のリフローの前の元の高さであってもよい。
【0032】
[0038]1つの実施形態において、コンデンサの高さは、ピッチの10%以上、例えば20%以上、例えば30%以上、例えば40%以上、例えば45%以上であってもよい。高さは、ピッチの100%未満、例えば90%以下、例えば80%以下、例えば70%以下、例えば60%以下、例えば55%以下であってもよい。
【0033】
[0039]一般に、本積層結合コンデンサは、交互の誘電層および内部電極層の第1のセット、ならびに交互の誘電層および内部電極層の第2のセットを含む。本コンデンサはまた、内部電極層に電気的に接続された外部端子であって、コンデンサの上面、およびコンデンサの上面の反対側のコンデンサの下面に形成される、外部端子を含む。
【0034】
[0040]一般に、本コンデンサは、交互の誘電層および内部電極層の少なくとも2つのセットを含む。しかしながら、本発明は、交互の誘電層および内部電極層の任意の数のセットを含んでもよく、必ずしも制限されないということが理解されるべきである。例えば、コンデンサは、交互の誘電層および内部電極層の少なくとも3つのセット、例えば少なくとも4つのセットを含み得る。
【0035】
[0041]交互の誘電層および内部電極層の第1のセットならびに交互の誘電層および内部電極層の第2のセットは、コンデンサの本体の少なくとも部分を形成し得る。誘電層および内部電極層を積み重ねた構成または層状の構成に配置することにより、本コンデンサは、積層結合コンデンサ、特に、例えば、誘電層がセラミックを含むときには、積層セラミックコンデンサと称され得る。
【0036】
[0042]交互の誘電層および内部電極層の各セットは、内部電極層と交互に配置される誘電層を備える。特に、内部電極層は、各内部電極層間に位置する誘電層と対向しかつ離間した関係でインターリーブされる第1の内部電極層および第2の内部電極層を含む。この点に関して、それぞれの内部電極層は全く別であり、また、個別の内部電極層である。しかしながら、1つの実施形態において、内部電極層同士を分離する誘電層は全く別でなくてもよい。例えば、第1のセットの内部電極層同士および第2のセットの内部電極層同士を分離する誘電層は、それが結合コンデンサの幅に沿って延在するよう、同じであってもよい。
【0037】
[0043]一般に、誘電層および内部電極層の厚さは、制限されず、性能特徴に応じて所望されるような任意の厚さであってもよい。例えば、内部電極層の厚さは、限定されるものではないが、約500nm以上、例えば約1μm以上、例えば約2μm以上~約10μm以下、例えば約5μm以下、例えば約4μm以下、例えば約3μm以下、例えば約2μm以下、であってもよい。例えば、内部電極層は、約1μm~約2μmの厚さを有し得る。
【0038】
[0044]加えて、本発明は、交互の誘電層および内部電極層のセットあたりの、またはコンデンサ全体における、内部電極層の数によって必ずしも制限されない。例えば、各セッ
トは、5以上、例えば10以上、例えば25以上、例えば50以上、例えば100以上、例えば200以上、例えば300以上、例えば500以上、例えば600以上、例えば750以上、例えば1,000以上の内部電極層を含んでもよい。各セットは、5,000以下、例えば4,000以下、例えば3,000以下、例えば2,000以下、例えば1,500以下、例えば1,000以下、例えば750以下、例えば500以下、例えば400以下、例えば300以下、例えば250以下、例えば200以下、例えば175以下、例えば150以下の内部電極層を有してもよい。また、コンデンサ全体が、前述の数の電極層を含んでもよい。
【0039】
[0045]内部電極層は、上縁、および上縁の反対側の下縁を有する。また、内部電極層は、上縁と下縁の間を延在する2つの側縁または横縁を有する。1つの実施形態において、側縁、上縁、および下縁は、内部電極層の本体を画定する。
【0040】
[0046]一般に、1つの実施形態において、上縁および下縁は、同じ寸法(例えば、長さ)を有し得る。別の実施形態において、上縁および下縁は、異なる寸法(例えば、長さ)を有し得る。側縁は、同じ寸法(例えば高さ)を有し得る。加えて、コンデンサの上面と下面の間を延在する際の内部電極層の側縁の高さは、コンデンサの高さ未満であってもよい。言い換えると、1つの実施形態において、内部電極層は、直接電気接続などの電気的な接続を形成することができ、内部電極層は外部端子と接触し、コンデンサの上面の外部端子またはコンデンサの底面の外部端子のみと接触する。
【0041】
[0047]例えば、交互の誘電層および内部電極層の各セットは、内部電極層と交互に配置される誘電層を備える。特に、内部電極層は、各内部電極層間に位置する誘電層と対向し、かつ、離間した関係でインターリーブされる第1の内部電極層および第2の内部電極層を含む。1つの実施形態において、第1の内部電極層は、第1の外部端子と電気的に接触し、一方、第2の内部電極層は、第2の外部端子と電気的に接触する。例えば、それぞれのセットの第1の内部電極層は、コンデンサの上面の外部端子と電気的に接触し、一方、それぞれのセットの第2の内部電極層は、コンデンサの下面の外部端子と電気的に接触し得る。
【0042】
[0048]それぞれのセットの各内部電極は、実質的に整列されてもよい。例えば、1つの実施形態において、第1の内部電極層の少なくとも1つの横縁は、第2の内部電極層の少なくとも1つの横縁と実質的に整列されてもよい。別の実施形態において、第1の内部電極層の少なくとも1つの横縁と、それぞれの外部端子との電気的な接触の点は、第2の内部電極層の少なくとも1つの横縁と、反対側の外部端子との電気的な接触の点と実質的に整列されてもよい。1つの実施形態において、第1の内部電極層の両方の横縁と、それぞれの外部端子との電気的な接触の点は、第2の内部電極層の両方の横縁と、反対側の外部端子との電気的な接触の点と実質的に整列されてもよい。
【0043】
[0049]実質的に整列されるとは、第1の内部電極層の側縁すなわち接触の点が、結合コンデンサの側縁からの距離に基づいて、第2の内部電極層の側縁すなわち接触の点の+/-10%以内、例えば+/-5%以内、例えば+/-4%以内、例えば+/-3%以内、例えば+/-2%以内、例えば+/-1%以内、例えば+/-0.5%以内であることを意味する。
【0044】
[0050]一般に、1つのセットの内部電極層は、別のセットの内部電極層と重畳しなくてもよい。しかしながら、一般に、所与のセット内の内部電極層は重畳してもよい。例えば、このような内部電極層は、少なくとも部分的に重畳してもよい。1つの実施形態において、内部電極層はごく部分的に重畳する。例として、それぞれのセット内の第1の内部電極層および第2の内部電極層は、少なくとも部分的に重畳してもよい。特に、1つの内部
電極層の上縁は、別の内部電極層の下縁と重畳する。第1の内部電極層がコンデンサの上面の外部端子と接触する上縁を含み、また、第2の内部電極層がコンデンサの下面の外部端子と接触する下縁を含む実例では、第1の内部電極層の下縁および第2の内部電極層の上縁は重畳する。さらに、第1の内部電極層と第2の内部電極層の重畳は、内部電極層の横縁ならびにコンデンサの上面および下面によって画定される面積に基づいて、少なくとも10%以上、例えば25%以上、例えば35%以上、例えば50%以上、例えば60%以上、例えば70%以上、例えば80%以上であってもよい。代替的に、このような百分率は内部電極層の面積に基づき得る。
【0045】
[0051]同様に、交互の誘電層および内部電極層の少なくとも2つのセットは、長手方向(すなわちコンデンサの長さ、ならびに内部電極層および誘電層の主面にわたる方向)に間隔を隔てる。明確にするために、横方向(すなわち内部電極層および誘電層の厚さにわたる方向)は、コンデンサ中の層の数によって決定付けられるコンデンサの幅として規定される。
【0046】
[0052]所与のセットまたは列内の内部電極層同士の距離および間隔は、終端の誘導形成を確実にするために特別に設計され得る。所与の列内の内部電極層同士のそのような距離は、約10ミクロン以下、例えば約8ミクロン以下、例えば約2ミクロンから約8ミクロン、であってもよい。しかしながら、そのような距離は、必ずしも制限されなくてもよいことが理解されるべきである。
【0047】
[0053]加えて、電極の隣接する隊列状スタック同士の距離は、限定されるものではないが、個別の終端が混ざらないことを確実にするために、所与の列内の隣接する内部電極層同士の距離の少なくとも2倍以上であってもよい。いくつかの実施形態において、露出された金属被覆の隣接する隊列状スタック同士の距離は、特定のスタック内の隣接する露出された電極タブ同士の距離の約4倍である。しかしながら、そのような距離は、所望の静電容量性能および回路板構成に応じて様々であってもよい。
【0048】
[0054]加えて、本明細書において言及されているように、外部端子は特定のピッチを有する。この点に関して、第1のセットおよび第2のセットの内部電極層のそれぞれの下縁およびそれぞれの上縁は、同じピッチまたは同様のピッチを有し得る。加えて、内部電極層の幅、特に電気的な接触の点における幅は、外部端子の幅と同じ幅であってもよい。別の実施形態において、例えば電気的な接触の点、または横方向の寸法に沿ったどこかの点における内部電極層の幅は、外部端子の幅未満であってもよい。
【0049】
[0055]加えて、内部電極層は、コンデンサ内の所与の方向に対称に、および/または対称的に位置付けられ得る。例えば、内部電極層は、内部電極層の本体の中心を通る垂直線(すなわち内部電極層の上縁の中心から下縁の中心まで延在する線)の周りに対称であってもよい。加えて、第1のセットおよび第2のセットの内部電極は、それらがコンデンサの本体の中心を通る垂直線(すなわち上面から下面まで延在する線)の周りに対称であるよう、コンデンサ内に対称的に位置付けられ得る。
【0050】
[0056]本発明のコンデンサはまた、上面および下面上に外部端子を含む。1つの特定の実施形態において、外部端子は、コンデンサの側面上に存在しなくてもよい。
[0057]外部端子は、少なくとも1つの第1の極性端子および少なくとも1つの第2の反対の極性端子を含む。本コンデンサは、コンデンサの上面に、少なくとも1つの、例えば少なくとも2つの、例えば少なくとも4つの、例えば少なくとも6つの、例えば少なくとも8つの、第1の極性端子および/または第2の反対の極性端子を含んでもよい。加えて、コンデンサは、コンデンサの下面に上述の数量の端子を含んでもよい。
【0051】
[0058]本コンデンサは、コンデンサの上面およびコンデンサの下面に、等しい数の第1の極性端子および/または第2の極性端子を含んでもよい。第1の極性端子の数は、コンデンサの上面における第2の反対の極性端子の数と等しくてもよい。第1の極性端子の数は、コンデンサの下面における第2の反対の極性端子の数と等しくてもよい。コンデンサの上面に存在する端子の総数は、コンデンサの下面に存在する端子の総数と等しくてもよい。コンデンサの上面および下面に存在する第1の極性端子の総数は、コンデンサの上面および下面に存在する第2の反対の極性端子の総数と等しくてもよい。
【0052】
[0059]一般に、コンデンサの上面および下面に位置する極性端子は、入れ子配置されなくてもよい。この点に関して、上面および下面における対応する極性端子は、端子位置だけオフセットされてなくてもよいが、代わりに、対向する上面または下面における別の極性端子の上または下に直接位置付けられてもよい。言い換えると、交互の誘電層および内部電極層の特定のセットに対応する、対応する極性端子は、実質的に整列されてもよい。実質的に整列されるとは、上面の極性端子の1つの横縁のコンデンサの側面からのオフセットが、下面の対応する極性端子の側縁からのオフセットの+/-10%以内、例えば+/-5%以内、例えば+/-4%以内、例えば+/-3%以内、例えば+/-2%以内、例えば+/-1%以内、例えば+/-0.5%以内であることを意味する。しかしながら、1つの実施形態において、外部端子は互いに組み合わされてもよい。
【0053】
[0060]本発明のコンデンサは、図1A図1Cに例証されるような実施形態に従ってさらに説明され得る。
[0061]図1Aは、2列1行の構成のコンデンサ10を例証する。すなわち、本コンデンサは、上面および下面の1つの次元に沿って2つの端子を含む。この点に関して、コンデンサ10は、合計して、上面に2つの外部端子12、14、および下面に2つの対応する外部端子(図示せず)を含み、上面の外部端子が、下面の外部端子に電気的に対応する。
【0054】
[0062]図1Aのコンデンサ10は、外部端子12、14、ならびに図1Cに例証されるような交互の誘電層および内部電極層110の2つのセットを含む。図1Bおよび図1Cに例証されるように、交互の誘電層および内部電極層110の各セットは、内部電極層105、115および誘電層(図示せず)を交互配置で含む。
【0055】
[0063]一般に、内部電極層105はコンデンサの上面まで延在し、また、内部電極層115はコンデンサの下面まで延在する。この延在は、外部端子の形成を補助する。この点に関して、内部電極層は、コンデンサの上面および下面に露出されてもよく、また、内部電極層の本体と外部端子の間の接続を可能にする。例えば、内部電極層105、115は誘電層の縁まで延在し、外部端子の形成を可能にする。
【0056】
[0064]内部電極層105、115の横縁または側縁は、垂直方向に整列されてもよい。すなわち、第1の内部電極層105の横縁は、第2の内部電極層115の横縁と整列されてもよい。1つの実施形態において、両方の横縁が整列され得る。別の実施形態において、第1の内部電極層105と外部端子の接触の点は、第2の内部電極層115と外部端子の接触の点と整列され得る。
【0057】
[0065]加えて、図1Aのコンデンサ10は、上面に少なくとも1つの第1の極性端子および少なくとも1つの第2の反対の極性端子を含む。図示されないが、下面は、少なくとも第1の極性端子および第2の反対の端子を含む。
【0058】
[0066]図1A図1Cに例証されるように、コンデンサは、各表面の2つの外部端子、および交互の誘電層および内部電極層の少なくとも2つのセットを含む。しかしながら、上に示されるように、本発明は、外部端子の数、および/または交互の誘電層および内部
電極層のセットの数によって制限されない。また、図1Bは、交互の誘電層および内部電極層のセット毎に11個の内部層のみを用いる。しかしながら、本発明は、セットあたり任意の数の内部電極層を含んでもよく、必ずしも制限されないということが理解されるべきである。
【0059】
[0067]一般に、本発明は、様々な利益および利点を提供する特有の構成を有するコンデンサを提供する。この点に関して、本コンデンサを構築するのに用いられる材料は、制限されることなく当該技術分野において一般的に用いられるような任意のものであってもよく、また当該技術分野において一般的に用いられる任意の方法を使用して形成されてもよいことが理解されるべきである。
【0060】
[0068]一般に、誘電層は、典型的には、約10~約40,000、いくつかの実施形態においては約50~約30,000、およびいくつかの実施形態においては約100~約20,000などの、比較的高い誘電率(K)を有する材料から形成される。
【0061】
[0069]この点に関して、誘電材料は、セラミックであってもよい。セラミックは、ウェハ(例えば、事前焼成された)、またはデバイス自体と共焼成される誘電材料など、様々な形態で提供されてもよい。
【0062】
[0070]高誘電材料のタイプの特定の例としては、例えば、NPO(COG)(最大約100)、X7R(約3,000~約7,000)、X7S、Z5U、および/またはY5V材料が挙げられる。前述の材料は、それらの産業分野で認められた定義により説明されるものであり、そのような定義の一部は、米国電子工業会(EIA)によって確立された標準分類であり、また前述の材料は、そのようなものとして、当業者によって認識されるべきであるということを理解されたい。例えば、そのような材料は、セラミックを含んでもよい。そのような材料は、チタン酸バリウムおよび関連固溶体(例えば、チタン酸バリウムストロンチウム、チタン酸バリウムカルシウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、チタン酸バリウムストロンチウムジルコン酸、チタン酸バリウムカルシウムジルコン酸など)、チタン酸鉛および関連固溶体(例えば、チタン酸ジルコニウム酸鉛、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン)、ビスマスチタン酸ナトリウムなどのペロブスカイトを含んでもよい。1つの特定の実施形態において、例えば、式BaSr1-xTiOのチタン酸バリウムストロンチウム(「BSTO」)が用いられてもよく、式中、xは、0~1、いくつかの実施形態においては、約0.15~約0.65、およびいくつかの実施形態においては、約0.25~約0.6である。他の好適なペロブスカイトは、例えば、BaCa1-xTiO(式中、xは、約0.2~約0.8、およびいくつかの実施形態においては、約0.4~約0.6である)、PbZr1-xTiO(「PZT」)(式中、xは、約0.05から約0.4の範囲にわたる)、チタン酸ジルコニウム鉛ランタン(「PLZT」)、チタン酸鉛(PbTiO)、チタン酸バリウムカルシウムジルコン酸(BaCaZrTiO)、硝酸ナトリウム(NaNO)、KNbO、LiNbO、LiTaO、PbNb2O6、PbTa、KSr(NbO)、およびNaBa(NbOKHbPOを含んでもよい。依然としてさらなる複雑なペロブスカイトは、A[B11/3B22/3]O材料を含んでもよく、式中、AはBaSr1-x(xは0~1の値であり得る)、B1は、MgZn1-y(yは0~1の値であり得る)、B2はTaNb1-zである(zは0~1の値であり得る)。1つの特定の実施形態において、誘電層は、チタン酸を含んでもよい。
【0063】
[0071]内部電極層は、当該技術分野において知られているような様々な異なる金属のいずれかから形成されてもよい。内部電極層は、導電性金属などの金属製であってもよい。材料は、貴金属(例えば、銀、金、パラジウム、白金など)、卑金属(例えば、銅、すず、ニッケル、クロム、チタン、タングステンなど)など、ならびにそれらの様々な組み合
わせを含んでもよい。スパッタされたチタン/タングステン(Ti/W)合金、ならびにクロム、ニッケル、および金のそれぞれのスパッタされた層もまた好適であり得る。1つの特定の実施形態において、内部電極層は、ニッケル、またはその合金を含んでもよい。
【0064】
[0072]外部端子は、当該技術分野において知られているような様々な異なる金属のいずれかから形成されてもよい。外部端子は、導電性金属などの金属製であってもよい。材料は、貴金属(例えば、銀、金、パラジウム、白金など)、卑金属(例えば、銅、すず、ニッケル、クロム、チタン、タングステンなど)など、ならびにそれらの様々な組み合わせを含んでもよい。1つの特定の実施形態において、外部端子は、銅、またはその合金を含んでもよい。
【0065】
[0073]外部端子は、当該技術分野において一般的に知られている任意の方法を使用して形成されてもよい。外部端子は、スパッタリング、塗装、印刷、無電解めっきまたは微細銅終端処理(FCT:fine copper termination)、電解めっき、プラズマ蒸着、高圧ガス噴霧/エアブラシなどの技法を使用して形成されてもよい。
【0066】
[0074]外部端子は、外部端子が金属の薄膜めっきであるように形成されてもよい。そのような薄膜めっきは、導電性金属などの導電材料を、内部電極層の露出部分に蒸着することによって形成されてもよい。例えば、内部電極層の前縁は、それがめっき終端の形成を可能にすることができるように露出されてもよい。
【0067】
[0075]外部端子は、約50μm以下、例えば約40μm以下、例えば約30μm以下、例えば約25μm以下、例えば約20μm以下から、約5μm以上、例えば約10μm以上、例えば約15μm以上の平均厚さを有してもよい。例えば、外部端子は、約5μm~約50μm、例えば約10μm~約40μm、例えば約15μm~約30μm、例えば約15μm~約25μmの平均厚さを有してもよい。
【0068】
[0076]一般に、外部端子は、めっき端子を備えてもよい。例えば、外部端子は、電解めっき端子、無電解めっき端子、またはそれらの組み合わせを備えてもよい。例えば、電解めっき端子は、電解めっきにより形成されてもよい。無電解めっき端子は、無電解めっきにより形成されてもよい。
【0069】
[0077]複数の層が外部端子を構成するとき、外部端子は、電解めっき端子および無電解めっき端子を含んでもよい。例えば、まず、無電解めっきが、材料の最初の層を蒸着するために用いられてもよい。次いで、めっき技法は、材料のより速い構築を可能にすることができる電気化学めっきシステムへと切り替えられてもよい。
【0070】
[0078]いずれかのめっき法を使用してめっき端子を形成するとき、コンデンサの本体から露出される内部電極層の前縁は、めっき溶液にさらされる。さらすとは、1つの実施形態において、本コンデンサは、めっき溶液に浸漬されてもよい。
【0071】
[0079]めっき溶液は、めっき終端を形成するために用いられる、導電性金属などの導電材料を含む。そのような導電材料は、前述の材料のうちのいずれか、または当該技術分野において一般的に知られているような任意のものであってもよい。例えば、めっき溶液は、めっき層および外部端子がニッケルを含むように、スルファミン酸ニッケル浴溶液または他のニッケル溶液であってもよい。代替的に、めっき溶液は、めっき層および外部端子が銅を含むように、銅酸浴または他の好適な銅溶液であってもよい。
【0072】
[0080]加えて、めっき溶液は、当該技術分野において一般的に知られているような他の添加剤を含んでもよいということが理解されるべきである。例えば、添加剤は、めっきプ
ロセスを助けることができる他の有機添加剤および媒体を含んでもよい。加えて、添加剤は、めっき溶液を所望のpHで用いるために用いられてもよい。1つの実施形態において、抵抗低減添加剤が、コンデンサ、および内部電極層の露出された前縁への、完全なめっき被覆およびめっき材料の結合を助けるために溶液で用いられてもよい。
【0073】
[0081]本コンデンサは、既定の時間量の間、めっき溶液に露出、浸水、浸漬されてもよい。そのような露出時間は、必ずしも制限されず、めっき端子を形成するのに十分なめっき材料が蒸着することを可能にするための十分な時間量であり得る。この点に関して、この時間は、交互の誘電層および内部電極層のセット内のそれぞれの内部電極層の所与の極性の内部電極層の所望の露出された隣接する前縁同士の連続的接続の形成を可能にするのに十分なものでなければならない。
【0074】
[0082]一般に、電解めっきと無電解めっきの違いは、電解めっきが、外部電源を使用することなどによって、電気的バイアスを用いることである。電解めっき溶液は、典型的には、高電流密度範囲、例えば、10~15amp/ft(定格9.4ボルト)にさらされ得る。めっき端子の形成を必要とするコンデンサへの負の接続、および同じめっき溶液内の固体材料(例えば、Cuめっき溶液内のCu)への正の接続により接続が形成され得る。すなわち、コンデンサは、めっき溶液の極性と反対の極性にバイアスされる。そのような方法を使用して、めっき溶液の導電材料は、内部電極層の露出された前縁の金属に添着される。
【0075】
[0083]コンデンサをめっき溶液に浸す、またはさらす前に、様々な前処理ステップが用いられ得る。そのようなステップは、内部電極層の前縁へのめっき材料の添着に触媒作用を及ぼすこと、添着を加速すること、および/または添着を改善することを含む様々な目的のために行われてもよい。
【0076】
[0084]加えて、めっき、または任意の他の前処理のステップの前に、最初のクリーニングステップが用いられてもよい。そのようなステップは、内部電極層の露出された縁上に形成されるいかなる酸化物の蓄積も除去するために用いられてもよい。このクリーニングステップは、内部電極または他の導電性素子がニッケルから形成されるときに酸化ニッケルのいかなる蓄積も除去することを助けるのに特に役立ち得る。構成要素クリーニングは、酸クリーナを含むものなど、プレクリーン浴への完全浸水によって達成されてもよい。1つの実施形態において、露出は、およそ約10分など、既定の時間にわたり得る。クリーニングはまた、代替的に、化学研磨またはハーパライジングステップによって達成されてもよい。
【0077】
[0085]加えて、内部電極層の露出された金属前縁を活性化するためのステップが、導電材料の蒸着を促進するために実施されてもよい。活性化は、パラジウム塩、フォトパターニングされたパラジウム有機金属前駆体(マスクまたはレーザにより)、スクリーン印刷もしくはインクジェット蒸着されたパラジウム化合物、または電気泳動パラジウム堆積物内への浸水によって達成され得る。パラジウムベースの活性化は、現下、ニッケルまたはその合金から形成された露出されたタブ部の活性化にしばしばよく作用する活性化液の単なる例として開示されることを理解されたい。しかしながら、他の活性化液もまた利用されてもよいことが理解されるべきである。
【0078】
[0086]また、前述の活性化ステップに代わって、またはそれに加えて、コンデンサの内部電極層を形成するときに、活性化ドーパントが、導電材料内に導入されてもよい。例えば、内部電極層がニッケルを含み、活性化ドーパントがパラジウムを含むとき、パラジウムドーパントが、内部電極層を形成するニッケルインクまたは組成物内へ導入され得る。そうすることにより、パラジウム活性化ステップを除去することができる。有機金属前駆
体など、上の活性化方法のうちの一部はまた、コンデンサの全体的にセラミック製の本体への添着の増大のためのガラス形成剤の共蒸着に適していることをさらに理解されたい。活性化ステップが上に説明されるように行われるとき、活性剤材料の痕跡が、しばしば、終端めっきの前後に、露出された導電性部分において残っていることがある。
【0079】
[0087]加えて、めっき後の後処理ステップも、用いられてもよい。そのようなステップは、材料の添着の強化および/または改善を含む、様々な目的のために行われてもよい。例えば、加熱(またはアニーリング)ステップが、めっきステップを実施した後に用いられてもよい。そのような加熱は、焼付、レーザサブジェクション、UV露光、マイクロ波露出、アーク溶接などにより行われてもよい。
【0080】
[0088]本明細書に示されるように、外部端子は、少なくとも1つのめっき層を備える。1つの実施形態において、外部端子は、1つのみのめっき層を備えてもよい。しかしながら、外部端子は複数のめっき層を備えてもよいことが理解されるべきである。例えば、外部端子は、第1のめっき層および第2のめっき層を備えてもよい。加えて、外部端子はまた、第3のめっき層を備えてもよい。これらのめっき層の材料は、前述したもののうちのいずれか、および当該技術分野において一般的に知られているようなものであってもよい。
【0081】
[0089]例えば、第1のめっき層などの1つのめっき層は、銅またはその合金を含んでもよい。第2のめっき層などの別のめっき層は、ニッケルまたはその合金を含んでもよい。第3のめっき層などの別のめっき層は、すず、鉛、金、または、合金などの組み合わせを含んでもよい。代替的に、最初のめっき層が、ニッケルを含み、すずまたは金のめっき層がそれに続いてもよい。別の実施形態において、銅の最初のめっき層、次いでニッケル層が形成されてもよい。
【0082】
[0090]1つの実施形態において、最初または第1のめっき層は、導電性金属(例えば、銅)であってもよい。この領域は、次いで、密閉のために抵抗体高分子材料を含む第2の層で被覆されてもよい。この領域は、次いで、抵抗性高分子材料を選択的に取り除くために研磨され、次いで、導電性の金属材料(例えば、銅)を含む第3の層で再びめっきされてもよい。
【0083】
[0091]最初のめっき層の上の前述の第2の層は、はんだバリア層、例えば、ニッケルはんだバリア層に対応し得る。いくつかの実施形態において、前述の層は、最初の無電解または電解めっきされた層(例えば、めっき銅)の上に金属(例えば、ニッケル)の追加層を電解めっきすることによって形成されてもよい。層前述のはんだバリア層のための他の例示的な材料としては、ニッケルリン、金、および銀が挙げられる。前述のはんだバリア層の上の第3の層は、いくつかの実施形態において、めっきされたNi、Ni/Cr、Ag、Pd、Sn、Pb/Sn、または他の好適なめっきされたはんだなどの導電性層に対応する。
【0084】
[0092]加えて、そのような金属めっきの上に、抵抗性合金またはより高い抵抗金属合金被覆、例えば、無電解Ni-P合金などを提供するために、金属めっきの層が形成された後に電解めっきステップが続いてもよい。しかしながら、当業者が本明細書による完全な開示により理解するような任意の金属被覆を含むことが可能であることが理解されるべきである。
【0085】
[0093]前述のステップのいずれも、バレルめっき、流動床めっきおよび/またはフロースルーめっき終端プロセスなどの、バルクプロセスとして行われてもよく、それらのすべてが当該技術分野において一般的に知られているということを理解されたい。そのような
バルクプロセスは、複数の成分が一度に処理されることを可能にして、効率的かつ迅速な終端プロセスを提供する。これは、個々の成分の処理を必要とする厚膜終端の印刷などの、従来の終端方法に関する特定の利点である。
【0086】
[0094]本明細書で説明されるように、外部端子の形成は、概して、内部電極層の露出された前縁の位置によって誘導される。そのような現象は、外部めっき端子の形成が、コンデンサ上の選択された周囲の場所における内部電極層の露出された導電性金属の構成によって決定されることから、「自己決定」と称され得る。
【0087】
[0095]薄膜めっきされた終端を形成するための上記の技術の追加の態様は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる、Ritterらに対する米国特許第7,177,137号において説明される。コンデンサ終端を形成するための追加の技術もまた、本技術の範囲内であり得ることを理解されたい。例示的な代替案は、限定されるものではないが、厚膜もしくは薄膜導電性層の両方を形成するための、めっき、磁性、マスキング、電気泳動/静電、スパッタリング、真空蒸着、印刷または他の技法による終端の形成を含む。
【0088】
[0096]本発明の結合コンデンサは多くの応用に用いられ得る。例えば、それらは、高速インタフェース(例えば高速差動インタフェース)を必要とする様々な応用に用いられ得る。これらの応用は、SerDes(すなわち並直列変換器/直並列変換器)機能またはアーキテクチャを用いる応用を含み得る。また、これらは、PCIE(すなわちPCI Express)および/またはQPI(すなわちQuickPath Interconnect)機能またはアーキテクチャを用いる応用を含み得る。これらの応用は様々な通信デバイスを含み得る。例えば、それらは、Gigabit EthernetシステムなどのEthernetシステム、無線ネットワークルータ、光ファイバ通信システムおよび記憶デバイスを含み得る。
【0089】
[0097]本発明のこれらおよび他の修正形態および変異形は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、当業者により実践され得る。加えて、様々な実施形態の態様は、全体または部分の両方において交換可能であり得ることが理解されるべきである。さらには、当業者は、先の説明は、単に例にすぎず、添付の特許請求の範囲においてそのようにさらに説明される本発明を制限することは意図されないことを理解するものとする。
図1A
図1B
図1C
図2
図3