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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-19
(45)【発行日】2024-11-27
(54)【発明の名称】装置および方法
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/40 20200101AFI20241120BHJP
   A24F 40/30 20200101ALI20241120BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/30
【請求項の数】 19
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023081365
(22)【出願日】2023-05-17
(62)【分割の表示】P 2022196127の分割
【原出願日】2015-07-31
(65)【公開番号】P2023103394
(43)【公開日】2023-07-26
【審査請求日】2023-05-18
(31)【優先権主張番号】1414331.7
(32)【優先日】2014-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【弁理士】
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】ブッフベルガー、ヘルムート
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第103783674(CN,A)
【文献】国際公開第2014/012906(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/083638(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気入り口と、
エアロゾル形成部材と
通過する空気にエアロゾルを供するように配置されたエアロゾルチェンバーと、
前記空気入り口の下流及び前記エアロゾルチェンバーの上流のプレナムチェンバーと、
エアロゾル出口と、を含み、
前記空気入り口、エアロゾルチェンバーおよびエアロゾル出口はその順番で流体連通して配置されており、
エアロゾル送出装置から前記エアロゾル形成部材に電力を供給するための電気端子をさらに備え、前記空気入り口からの空気は、前記エアロゾルチェンバーに到達する前に前記電気端子を通過するように構成されているエアロゾル送出装置。
【請求項2】
前記プレナムチェンバーを通過する間に気流を第1の方向に流し、前記エアロゾルチェンバーを通過する間に第2の方向に気流を流すように構成されており、前記第2の方向は前記第1の方向に対して垂直であることを特徴とする請求項1記載のエアロゾル送出装置。
【請求項3】
前記空気入り口とエアロゾルチェンバーとの間に、空気を空気入り口からエアロゾルチェンバーに送出するための入り口経路をさらに備え、前記入り口経路はエアロゾルチェンバーからオフセットされていることを特徴とする請求項1記載のエアロゾル送出装置。
【請求項4】
ユーザーがエアロゾル送出装置を介して吸入を開始するときの圧力変化を検出するための圧力センサをさらに備え、当該圧力センサは、圧力変化を検出するために前記プレナムチェンバーと流体連通して配置されていることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載のエアロゾル送出装置。
【請求項5】
前記プレナムチェンバーと前記圧力センサとの間の流体連通を提供する通路をさらに備え、当該通路は空気入り口から離れる方向にプレナムチェンバーから延びていることを特徴とする請求項4記載のエアロゾル送出装置。
【請求項6】
前記電気端子はプレナムチェンバーの隣に配置されていることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載のエアロゾル送出装置。
【請求項7】
前記エアロゾルチェンバーは前記入り口経路と並行であることを特徴とする請求項3又は請求項3に従属する請求項4乃至いずれか1項記載のエアロゾル送出装置。
【請求項8】
前記空気入り口は、複数の空気入り口を含むことを特徴とする請求項1乃至いずれか1項記載のエアロゾル送出装置。
【請求項9】
前記エアロゾルチェンバーは前記複数の空気入り口の間に配置されていることを特徴とする請求項記載のエアロゾル送出装置。
【請求項10】
前記複数の空気入り口はエアロゾルチェンバーを囲っていることを特徴とする請求項又は記載のエアロゾル送出装置。
【請求項11】
マウスピース出口を含むマウスピースをさらに備え、前記エアロゾル出口は、前記マウスピースで吸引されるとそれを介してエアロゾルを送出するように配置された前記マウスピース出口と流体連通していることを特徴とする請求項1乃至10いずれか1項記載のエアロゾル送出装置。
【請求項12】
ハウジングをさらに備え、前記空気入り口は前記ハウジングを通って延びていることを特徴とする請求項1乃至11いずれか1項記載のエアロゾル送出装置。
【請求項13】
前記プレナムチェンバーは、前記ハウジングと前記エアロゾルチェンバーとの間に配置されていることを特徴とする請求項12記載のエアロゾル送出装置。
【請求項14】
前記プレナムチェンバーは、前記ハウジングによって少なくとも部分的に画定されていることを特徴とする請求項12又は13記載のエアロゾル送出装置。
【請求項15】
エアロゾル送出装置は、エアロゾル送出部分と、当該エアロゾル送出部分に取り外し可能に接続されるように構成された給電部分とを備え、前記エアロゾル送出部分は、前記エアロゾルチェンバー及び前記エアロゾル出口を含むことを特徴とする請求項12乃至14いずれか1項記載のエアロゾル送出装置。
【請求項16】
請求項1に記載のエアロゾル送出装置において香味付けされたエアロゾルを発生させる方法であって、前記方法は、
空気入り口を通して空気流をプレナムチェンバーに供給することと、
記空気流によって生じる圧力変化を、前記プレナムチェンバーと圧力センサとの間で前記空気入り口から離れる方向に前記プレナムチェンバーから延びる通路を介してプレナムチェンバーと流体連通している前記圧力センサを使用して、検出することと、
前記プレナムチェンバーからエアロゾルチェンバーの中に前記空気流を送り、香味付けされたエアロゾルを発生させることと、
前記香味付けされたエアロゾルをマウスピースに送出することと、を含む方法。
【請求項17】
前記方法は、前記空気流の検出に応答して、エアロゾル形成部材の加熱を起こすことをさらに含むことを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記空気流が、前記プレナムチェンバーを通過する間に第1の方向に流れ、前記エアロゾルチェンバーに流入する間に第2の方向に流れ、前記第2の方向が前記第1の方向に対して垂直であることを特徴とする請求項16又は17記載の方法。
【請求項19】
請求項1に記載のエアロゾル送出装置を通る空気の流れを導く方法であって、この方法は、
エアロゾル送出装置の少なくとも1つの空気入り口からエアロゾル送出装置のプレナムチェンバーに空気流を送出することと、
前記プレナムチェンバーからの空気流をエアロゾルチェンバーに送出し、香味付けされたエアロゾルを発生させることと、
前記香味付けされたエアロゾルをエアロゾル送出装置のマウスピース出口に送出することと、を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はエアロゾル送出装置およびエアロゾル送出方法に関し、特に香味貯蔵部を利用するエアロゾル送出装置および方法に関するがこれらに限定されない。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル送出装置はニコチン含有凝縮エアロゾルを発生させるために使用することができる。
【0003】
吸入具の一例が下記特許文1に記載されており、これはニコチン含有スチーム/空気混合物および/またはニコチン含有凝縮エアロゾルをエタノールおよび/または水で高度に希釈されたニコチン溶液を気化させることによって発生させる吸入具部材に関する。この吸入部品は、次の部材、ハウジングと、ハウジング内に配置されたチェンバーと、周囲からチェンバーに空気を供給するための空気取り込み開口部と、高度に希釈されたニコチン溶液の一部を気化させるための気化器とを含み、この気化器はチェンバーに配置された気化またはスチーム放出面を含み、その面から発生したスチームがチェンバー上を通過し、そこで空気取り込み開口部を介して供給された空気と混ざり、これにより最終的にニコチン含有スチーム/空気混合物および/または凝縮エアロゾルを発生させる。形成されたスチーム/空気混合物または凝縮エアロゾル内の高希釈溶媒を最大限除去するためにこの吸入部品は2段階溶媒除去装置を含み、これはチェンバーと連通した凝縮物排出および貯蔵装置と凝縮器とからなり、この凝縮器を通って製せられたスチーム/空気混合物および/または凝縮エアロゾルが流れる。
【0004】
吸入部品の別の例が下記特許文献2に記載されており、これはハウジングジャケットを有するハウジングと、ユーザーの口腔内に吸入可能な媒体を送出するためのマウスピース開口部を有するマウスピースと、香水を含み、拡散によって外部と通じることが可能な香水を外部に放出し、ユーザーに香水の匂いを感じさせるための香水容器とを有し、a)ハウジングはハウジング部品を含み、b)マウスピースはハウジング部品に取り外し可能に接続され、c)ハウジングジャケットは第1ジャケット部と第2ジャケット部とを含み、d)ハウジング部品は第1ジャケット部を形成し、e)マウスピースは第2ジャケット部を形成し、そしてf)香水容器は構造的にマウスピースと組み合わされ、平面構造を有し、第2ジャケット部に平に配されるか、またはそれ自体が第2ジャケット部を形成する。
【0005】
非加熱式のタバコ風味吸入具が下記特許文献3に記載されている。この文献によると、非加熱式のタバコ風味吸入具には吸入ホルダーが設けられており、これはその中に画定された吸入ルートを有し、さらにこの吸入ルートに配置された充填体が設けられている。この充填体はタバコ粒からなり、吸入ルートと充填体が約40~約80mmAqの範囲の空気流抵抗を供する。
【0006】
別の非加熱式風味吸入具が下記特許文献3に記載されている。この文献によれば非加熱式風味吸入具には吸引ホルダーと、この吸引ホルダーに画定された上流領域および下流領域と、この下流領域は上流領域以外で吸引ホルダーの先端からマウスピース端部まで延び、そして上流領域に沿って延びた前方流れ経路を有し、吸引ホルダーの周壁に形成され、上流領域と外部を互いに連通させる外側空気導入開口部と、上流領域と下流領域との境界に取り付けられ、吸引ホルダーの長手方向軸に沿って延び、タバコの風味を放出するパウチとが設けられている。
【発明の概要】
【0007】
第1の態様に鑑み、エアロゾル送出装置が提供され、この装置は、空気入り口と、通過する空気に香味材料を放出するために配された香味貯蔵部と、通過する空気にエアロゾルを供するために配されたエアロゾルチェンバーと、エアロゾル出口とを含み、空気入り口、香味貯蔵部、エアロゾルチェンバーおよびエアロゾル出口はその順番で流体連通して配置されている。従って、香味貯蔵部がエアロゾルからのエアロゾル粒子および/または液体の凝縮物で汚染されるのを防ぐように香味付けされたエアロゾルを発生させることができ、一方でそれと同時に全ての空気量の香味付けされたエアロゾルが香味付けとエアロゾル生成の両方に付される。
【0008】
別の態様に鑑み、装置に入った空気流に空気流が装置のエアロゾル発生器に到達する前に香味を付与するように構成された装置が提供され、この装置は、それにより出口から香味付けされたエアロゾルを送出するように動作可能である。従って装置は、エアロゾル粒子および凝縮物で香味源を汚染することなく全空気量を香味付けおよびエアロゾルの発生部を通過させることによって香味付けされたエアロゾルを製することができる。
【0009】
さらに別の態様に鑑み、香味付けされたエアロゾルの発生方法が提供され、この方法は、空気流を、香味貯蔵部を通過させ香味分子および/または粒子がその空気流によって搬送されるようにして空気流に香味を付与することと、液体を空気流内に気化して香味付けされたエアロゾルを製するエアロゾル発生器内を香味分子および/または粒子を搬送する空気流を通過させてエアロゾルを発生させることと、香味付けされたエアロゾルをマウスピースに送ることとを含む。従って、香味貯蔵部がエアロゾルからのエアロゾル粒子および/または液体の凝縮物で汚染されるのを防ぐように香味付けされたエアロゾルを発生させることができ、一方でそれと同時に全ての空気量の香味付けされたエアロゾルが香味付けとエアロゾル発生の両方に付される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示は同様な要素には同じ参照符号を付した添付図面を参照してあくまで例示を目的として説明する。
図1】第1の例によるエアロゾル形成部材を含むエアロゾル送出装置の横断面図である。
図2図1に示したエアロゾル送出装置のエアロゾル送出部分の横断面図である。
図3】エアロゾル形成部材の例を示す。
図4】エアロゾル形成部材の例を示す。
図5】エアロゾル形成部材の例を示す。
図6】エアロゾル形成部材の例を示す。
図7】エアロゾル形成部材の例を示す。
図8】エアロゾルチェンバーに位置するエアロゾル形成部材の例を示す。
図9a】制御回路の例を示す。
図9b】制御回路の例を示す。
図10】別の例によるエアロゾル形成部材を含むエアロゾル送出装置の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここに記載した方法は種々の変更がなされ、別の形体を取り得るので、特定の実施態様を図面に例示として示し、ここで詳しく説明する。しかし、当然のことながら図面およびそれらの詳細な説明は開示された特定の形体に範囲を限定する意図のものではないが、その範囲は以下の特許請求の範囲に定義された精神および範囲内に入るすべての変性、均等物および変更例を網羅するものである。
【0012】
図1を参照するとエアロゾル送出装置の第1の例が示されている。エアロゾル送出装置
1はエアロゾル送出部分1’と給電部分1’’とを含む。この例ではエアロゾル送出部分1’と給電部分1’’は、これら両部分を収容する単独のハウジング2を有する1つの単一のエアロゾル送出装置1の別個の領域として配置されている。他の例ではエアロゾル送出部分1’と給電部分1’’は、所定の給電部分1’’が多くの異なるエアロゾル送出部分1’を受けられるようにおよび/または所定のエアロゾル送出部分1’が多くの異なる給電部分1’’を受けられるように取り外し自在に接続することができる。このような別の例では、ハウジング2はどちらか一方を交換できるように操作可能である、または各部分がそれ自体の対応するハウジング部を含むようにこれらの部分の分割に対応して分割されるようにしてもよい。
【0013】
エアロゾル送出装置1は繰り返し使用可能にまたは使い捨て可能に構成してもよい。エアロゾル送出部分1’と給電部分1’’が分離可能な例では、エアロゾル送出部分1’および給電部分1’’のいずれかまたは両方を繰り返し使用可能にまたは使い捨て可能に構成してもよい。
【0014】
給電部分1’’はエアロゾル送出部分1’内の1つ以上の部品に給電するための電力源を供する。本例では給電部分1’’はハウジング共にバッテリー30を有する。バッテリー30からエアロゾル送出部分1’への電力の供給は電気回路34で制御される。その他の例ではバッテリーは、スーパーキャパシタまたはウルトラキャパシタなどの容量性電力貯蔵部、スプリングまたはダイナモなどの機械的な電源または燃料電池などの化学的エネルギー源などの別の携帯型電源に代えてもよい。
【0015】
図2はエアロゾル送出部分1’をより詳しく示している。図2から分かるようにエアロゾル送出部分1’は、ハウジング2内に含まれ、一端にマウスピース3そして他端に取り付け部材を有する。取り付け部材は給電部分1’’に接続する(永久的または解除可能に)ように構成されている。図2に示すように取り付け部材はエアロゾル送出部分1’の給電部分1’’と電力を利用した任意の素子間を電気的に接続するために接続部材35を有する。
【0016】
図2に示すエアロゾル送出部分1’は、それを通る気体経路を画定し、この経路は入り口5、香味貯蔵部36、プレナムチェンバー4、エアロゾルチェンバー6(環状通路18とも言われる)、精製部材32およびマウスピース3を通って延びた出口開口部7を有する。マウスピース3で吸引することによって気体通路を通る空気の流れが促進される。このような吸引はエアロゾルの供給を受けるために吸入する際にエアロゾル送出装置1を介して空気を吸い込むユーザーによって行われる。要約すると、最初に入り口5を介してその中に取り込まれ、気体経路を通過する空気は、出口開口部7への送出のためにエアロゾルチェンバー6でエアロゾルが形成される前に香味貯蔵部36からの香味材料を捕捉する。このプロセスを以下に詳しく説明する。
【0017】
図2に示すように香味貯蔵部36は入り口経路または通路を入り口開口部5とプレナムチェンバー4の間に設けている。一部の例では単一の入り口5を設けてもよく、その他の例では複数の入り口5をハウジング2の周囲の異なる箇所に設けてもよい。香味貯蔵部によって供される入り口経路または通路は、環状の断面を有し、エアロゾルチェンバー6とこれと関連するエアロゾル形成部材10を取り囲んでいる。本例の構成において、入り口経路の内側の空気と管状の通路(エアロゾルチェンバー6)の内側のエアロゾルは反対方向に流れる。
【0018】
新鮮な空気が入り口経路内を移動すると、空気が香味貯蔵部36に亘ってまたは介して通過し、これにより貯蔵部が香味を放出する。空気に分散した香味は空気と共に下流へと引き込まれる。香味濃縮された/香味付けされた空気は、その後プレナムチェンバー4に
集められる。プレナムチェンバー4は空気がエアロゾルチェンバー6/管状通路18に均一に流れるように作用するものである。空気はエアロゾルチェンバー6に空気入り口31’を介して入る。
【0019】
以下により詳しく説明するようにエアロゾル形成部材10はエアロゾルチェンバー6を囲むチェンバー壁25を有し、液体貯蔵マトリックス26がチェンバー壁の外側に配され、エアロゾルチェンバー6はエアロゾルチェンバー入り口31’とエアロゾルチェンバー出口31’’を有する。入り口経路/香味貯蔵部36と液体貯蔵マトリックス26は、液体貯蔵マトリックス26と香味貯蔵部36の間に位置する支持部材37によって分離されている。エアロゾル形成部材10はエアロゾルを発生しやすくするために電流によって供される熱を使用する。
【0020】
本例では香味貯蔵部36はエアロゾル形成部材10の周囲に位置する。エアロゾル形成部材10の加熱エレメントによって発生する熱が主に液体貯蔵マトリックス26から供される液体を気化させるために使用されている間、その熱の一部は香味貯蔵部36を熱して温度を上昇させるために使用してもよい。この二次的なまたは廃熱はエアロゾル形成部材10と支持部材37の部品を介して熱伝導によって香味貯蔵部に伝えることができる。例えば、熱はチェンバー壁25を介して、液体貯蔵マトリックス26を介してそしてエアロゾル形成部材10および液体貯蔵マトリックス26を保持する管状支持部材37を介して伝えてもよく、これにより熱が香味貯蔵部36とそれに含まれる香味に供される。
【0021】
この伝導性熱伝達は香味貯蔵部36をその内側に香味を良好に増大させることができる温度にすることができるようにする。貯蔵部の内側に香味を放出することが主に拡散によって行われ、拡散は操作時の温度に著しく依存するので、伝導性熱伝達による香味貯蔵部中の温度の上昇量は香味の放出を増大させるようにするために必ずしも多い必要はない。伝導性熱伝達路と貯蔵部の加熱される構造の熱伝導性に加えて、温度上昇の量は装置の使用に関連する多くの要因に依存する。例えば装置を介した所定の吸い込みまたはパフの長さは加熱エレメントの作動時間に影響を与え、従って吸い込みまたはパフ中に発生する熱の合計量に影響を与える。また吸い込みまたはパフ間の時間の間隔は、その間隔が少なくとも装置の一部の部品が吸い込みまたはパフの間に完全に冷えないように著しく短い場合に総温度上昇量に影響を与える。実際には5℃~30℃の範囲の温度上昇が適すると予測され、1℃以下の上昇は香味の放出をある程度高めると予測される。装置の所定の実行を行った場合に予測される温度上昇は計算し、測定することができ、一部の例では予測された温度上昇に香味貯蔵部の風味を適合させるのが好適である。
【0022】
本例の構成は香味貯蔵部に入る唯一の気体は入り口開口部5を介して装置に導入される空気であることを規定している。香味貯蔵部36はエアロゾルチェンバー6の内部で発生した蒸気またはエアロゾルを受け取らないので、香味貯蔵部内の香味を供する部材の面はエアロゾルチェンバー6で発生した凝縮物またはエアロゾル粒子を引き込まず、これらによって詰まることがない。
【0023】
当然のことながらエアロゾルの供給を受けるために吸入した際にユーザーによって吸引される空気の全体量(典型的にはその容量は30~80mlの範囲である)はエアロゾルチェンバー6に供され、エアロゾルを発生させるために完全に使い切られる。これにより効率的にエアロゾルが形成される。
【0024】
香味貯蔵部36は、香味料キャリアーと香味材料を含む。香味料キャリアーはとしては、透過性の高度に多孔質の詰め綿または充填材を含んでもよい。本例では充填材は、香味貯蔵部36が配される入り口経路または通路の横断面を完全に満たすまたはこれに亘って延びる。他の例では香味貯蔵部36は全断面より小さい部分に亘って延びてもよい。香味貯蔵部36は既製のパックまたはカートリッジからなってもよい。一部の例では香味貯蔵部は、香味材料としてタバコまたはタバコ抽出物を含んでもよい、またはタバコまたはタバコ抽出物からなってもよい。好適なタバコは、特に乾燥発酵タバコ、再生タバコ、膨張タバコまたはこれらの混合物である。タバコは、微細刻みタバコなどの刻みタバコまたは微細粒状またはタバコ粉として存在してもよい。このような形体は、タバコに含まれる香味の放出を促す比較的な大きな表面積を供する。別の例では香味貯蔵部36は、香味料キャリアーとして不活性な詰め綿または充填材を含み、または表面が香味材でコーティングされた別の開孔不活性基材を含んでもよい。コーティングは、例えばタバコまたはタバコ煙の抽出物、濃縮物または蒸留物あるいはこのような抽出物、濃縮物または蒸留物の揮発性、芳香性または香味豊かな留分などの留分またはタバコ粉を含んでもよい。少なくともタバコの一部から抽出されるまたはこれをベースに香味の上記例のものなどの材料をタバコ派生物と称する場合がある。コーティングはこれとは別にまたは加えてメンソールまたは精油を含むことができる。
【0025】
香味物質または材料は水および/またはグリセロールに不溶の物質であってもよい。本文脈において不溶性とは20℃および1atmで1重量%未満の溶解度を表す。従って、香味貯蔵部内の空気流内に香味料を分散することによって、水またはグリセロールに溶けない香味料であってもエアロゾル送出装置によって供されるエアロゾルに効果的に含有させることができる。
【0026】
これにより入り口5を通って入る空気を香味付けすることができる。上述のように通過する空気への香味の放出は、例えばエアロゾル形成装置10から香味貯蔵部36へ余分な熱を伝える方法を利用して香味貯蔵部を加熱することによって促進されるまたは助長される。
【0027】
本例では香味貯蔵部36は、さらに流れ抵抗33として構成される。流れ抵抗33は、空気の流れに抵抗する要素として機能し、ユーザーが空気を吸い込んでいるとき(装置を介した吸入、または装置での吸い込みまたは装置でのパフとも言われる)の主圧力降下となる。流れ抵抗は特定の用途に適した圧力降下を供するように構成することができる。1つの例ではこの圧力降下は、従来の(即ち着火されるタバコ型の)タバコで予測される圧力降下に対応するまたは近似するように構成することができる。比較的大容量の香味貯蔵部36は、タバコの流量特性に実質的に対応する流量特性を供することができる。タバコ吸煙に関連する材料以外の材料のエアロゾルに香味料および/または液体懸濁液を送出するように装置が構成されている他の例では、その使用に要求されるような別の圧力降下を構成してもよい。図2に示した構成の流れ特性は実質的に直線状、即ち香味貯蔵部36に亘る圧力降下は香味貯蔵部36を通る流量に正比例する。
【0028】
図3はエアロゾル形成部材をより詳しく示している。図3に示すようにエアロゾル形成部材10aは溶液を吸い上げ、加熱するように構成された材料を含み、その材料からなるシートは溶液を吸収することができ、その後加熱して気化させ、蒸気を形成するようにすることができる。本例で使用する材料は実質的にシート状であり、2つの主要な対向面20、21を含む。シート材は開気孔構造、発泡体構造または孔の相互接続ネットワークを含んでもよく、これらは全て毛細管構造を形成する。毛細管構造によってエアロゾル形成部材10aは溶液を吸い上げるまたは吸収することができる。ここで使用する「毛細管構造」なる用語は、液体または溶液が毛管現象の結果として移動できる構造として理解されたい。
【0029】
本例のエアロゾル形成部材10aは毛細管構造を形成するために多孔性、粒状、繊維性または綿状焼結金属で作製してもよい。例えば、Bekaert(www.bekaert.com)か
らのBekipor(商標)なる焼成された繊維材料はこのカテゴリーの材料に該当する
。他の例では、エアロゾル形成部材10aは開気孔の金属製の発泡体または一群の金網またはカレンダー仕上げされた金網の層を含み、これらもまた毛細管構造を形成する。エアロゾル形成部材10aはステンレススチールから形成してもよい。さらにエアロゾル形成部材10aは、毛細管構造がシート材の2つの主要面20、21に露出するようにエアロゾル形成部材10a全体を延びた毛細管構造で形成してもよい。一部の例では主要面20、21の1つは、それに焼結または貼り付けられる金属箔またはカバーで封止されてもよい。これとは別に主要面20、21の一方または両方の領域が封止されてもよい。別の例ではエアロゾル形成部材10aは毛細管構造がエアロゾル形成部材全体を通って延びないように構成されている。別の例では薄い支持層が主要面20、21の一方または両方に焼成されてもよい。このような支持層はステンレススチール製の金網から形成してもよい。
【0030】
エアロゾル形成部材10aを形成するのに使用する材料は、充分な電気抵抗率を含むという点で加熱可能であり、これにより電流が通過すると、エアロゾル形成部材10aが毛細管構造に保持された溶液を蒸発させるまたは気化させるのに充分な温度まで熱くなる。従って、本例ではエアロゾル形成部材10aは、加熱エレメントと毛細管構造が一体化され、単一の物体またはユニットを形成するように毛細管構造で形成された加熱エレメントを含むと言える。
【0031】
シート材が溶液を吸い上げ、加熱するように構成された単独の層を含む上述の例では、シート材を同じ面に配置された加熱エレメントと芯を含むものとして説明することができる。
【0032】
加えてエアロゾル形成部材10aは例えば異なる構造/材料の複数の層を供することによって上述の構造および材料を任意に組み合わせてもよく、これらの層は例えば焼結によって接合される。
【0033】
1つのそのような例では、エアロゾル形成部材は実質的にシート状であり、複数の層から形成されるシート材を含む。例えば、エアロゾル形成部材10aは加熱エレメントとして作用する第1の加熱可能な層を含んでもよい。この第1の層は加熱されるように構成された材料から形成される。この第1の層はステンレススチールなどの金属から形成してもよい。エアロゾル形成部材10aは開気孔構造、発泡体構造または孔の相互接続ネットワークで形成された第2の層をさらに含んでもよく、これらは全て毛細管構造を形成する。毛細管構造によってエアロゾル形成部材10aは溶液を吸い上げるまたは吸収することができる。この第2の層は毛細管構造を形成するために多孔性、粒状、繊維性または柔毛性材料で作製してもよい。これとは別に第2の層は開気孔発泡体からなる布または一群の毛細管構造を形成するメッシュ層を含んでもよい。第2の層をガラス、炭素またはセラミックなどの非導電材料で作製してもよい。この第2の層は芯として作用する。第1の層(加熱エレメント)および第2の層(毛細管構造で形成された芯)は互いに重ねられ、2つの対向する主要面を有するシート材を形成し、毛細管構造が主要面の一方または両方に露出する。この例ではシート材は平行な面に配置された加熱エレメントと芯を含むものとして説明することができる。1つの例では第1の層は金属ワイヤーメッシュまたは金属箔で形成され、第2の層は第1の層上にフリットされたまたは貼り付けられたグラスファイバー構造またはファブリックで形成してもよい。
【0034】
別の例では第1の層もまた溶液の加熱および吸い上げの両方ができるように第2の層を参照して説明した毛細管構造を含んでもよい。この例では シート材は同じ面に平行に配
置された加熱エレメントと芯を含むものとして説明することができる。
【0035】
別の例ではシート材は毛細管構造を含むという点で第2の層に類似する第3の層を含む。第2および第3の層は毛細管構造がシートの両方の主要面に露出するように第1の層を挟む。
【0036】
上述の例のいずれかによるシート材は20~500μmの範囲内に通常は入る厚さまたは深さを有する。一部の例では厚さは50~200μmの範囲内に入る。厚さまたは深さはシート材の2つの主要面20、21間の距離を意味するものとして理解されるべきである。
【0037】
図3および4は広げられた状態または位置にあるエアロゾル形成部材10aを示し、図6は折り畳まれた状態または位置にあるエアロゾル形成部材10aを示している。シート材は第1または中央セクション11および中央セクション11の両側にある第2および第3セクション12、13を有する。図3の破線はセクション11、12、13間の境界を示している。第2および第3セクション12、13は、エアロゾル形成部材10aの対向する長い縁部12a、13aから第1セクション11の方へそしてその内部に延びたスロットまたはノッチ14が形成されている。図3に示す構成では第2セクション12は5つのスロット14で形成され、第3セクション13は4つのスロット14で形成されるが他の数のスロットも可能である。スロット14は図3に例示するように互いにほぼ平行であり、第2および第3セクション12、13に亘って間隔をおいて配されている。
【0038】
第1セクション11の対向する自由端は電気端子15、16として作用する。電気端子15、16は、例えば電気回路34を介してバッテリー30などの電力源に電気的に接続されるように構成され、これにより電流がエアロゾル形成部材10aを横断して通過できるようになっている。電気端子15、16は、図2に示すようにそれらがエアロゾル送出装置の接続穴(図示せず)内に入るように第1セクションから延びてもよく、接続穴は電源に電気的に接続されている。これとは別に電流がエアロゾル形成部材10aを通過できるように導電性ワイヤーを各電気端子15、16にクリップ、半田付けまたは溶接してもよい。一部の例では電気端子は第2および第3セクション12、13の隣接する縁部と一致して端子が突出しないようにする。これらの端子はクリップを介して導電性ワイヤーに接続してもよくおよび/またはワイヤーは端子に半田付けまたは溶接されてもよい。当然のことながら電気端子はあらゆる他の形状のものであってもよく、電気端子を電力源に接続するための他の好適な手段を使用することも想定される。
【0039】
電流がエアロゾル形成部材10aを通過すると、電流が図4に例示するように第1セクション11内に実質的に含まれるようにスロット14は電界17を圧縮する。図4の破線は第1、第2および第3セクション11、12、13間の境界を示す。その結果、第1セクション11が主にまたは直接的に熱せられ、第1セクションを通過する電流によって発生する熱がある程度第2および第3セクション12、13を加熱することが予測されるが第2および第3セクション12、13は相対的に加熱されないままである。第2および第3セクションに発生した、またはこれらに伝えられた熱は、それから上述のように外方に伝わり、香味貯蔵部36を僅かに加熱する。さらにまたはこれとは別に熱が、加熱された第1セクション11から生じて、チェンバー壁によって吸収される放射熱およびチェンバー壁25上で凝縮する蒸気から放出された熱の1つ以上によって香味貯蔵部に移動する。香味貯蔵部に移動する熱は、エアロゾルを発生させるために直接的に使用される熱ではないので二次熱または廃熱として考慮してもよい。
【0040】
しかしながら、本教示は第1セクション11内に熱を蓄えるためにスロットを含むエアロゾル形成部材10aに限定されない。シート材が異なる材料特性を有する不連続のセクションを含む構成の一例を図5に示す。第1セクション11は電気抵抗率が低い材料で作製され、第2のまたは第3セクション12、13は、電位差が端子15、16の間にかけられると、電流は主に第1セクションを通過するように高い電気抵抗率の材料から形成される。当然のことながら第1セクションはエアロゾル形成部材全体を延びるように毛細管
構造で形成してもよい。電気抵抗率の違いにより第2および第3セクション12、13に較べて第1セクション11は熱くなる。
【0041】
そのような実施態様の一例では、シート材がガラスまたは炭素繊維、ガラスまたは炭素繊維糸またはその他の非導電性であり不活性な繊維材料で作製された非導電性繊維ウェブまたは布を含む。繊維ウェブまたは布は毛細管構造を供し、シート材の全てのセクションを通って延びている。導電性繊維またはワイヤーが上記第1または中央セクションを加熱可能にするシート材の第1または中央セクションの繊維ウェブまたは布に組み込まれる。導電性繊維またはワイヤーはステンレススチールまたはクロムニッケルのような加熱ワイヤー合金で作製してもよい。これとは別に導電性繊維は非導電性繊維に変え、導電性ワイヤー(加熱ワイヤー)を非導電性糸に変えてもよい。
【0042】
従って、当然のことながら本教示に一致する種々の構造がエアロゾルの発生を促進させるために主に第1セクション11を加熱することができ、エアロゾル形成部材から香味貯蔵部への熱の伝導によって二次的な加熱を行うことができる。
【0043】
ここで図6を参照すると畳まれた状態または位置にあるエアロゾル形成部材10aが示されている。第2および第3セクション12、13は第1セクション11を中心に折り畳まれ、第2および第3セクション12、13が第1セクション11を囲み、通路18を形成する。第2および第3セクション12、13の領域19a、19bは、通路18が第1セクション11を中心にした方向に完全に囲まれるように重なる。第1セクション11は実質的に平面または平坦であり、通路18を横断して延びるように通路18に吊されている。
【0044】
当然のことながら第2および第3セクション12、13は管状の通路18を形成する必要がない。これとは別の実施例では第2および第3セクション12、13は、それらが楕円、正方形、矩形または任意の他の種類の多角形断面を有する経路形成するように第1セクション11を中心に折り畳まれる。
【0045】
また当然のことながら第1セクション11は平面または平坦であることに限定されない。別の例では第1セクション11は、それが蛇行または振動経路または正弦曲線の曲面を辿るように尾根および溝を有するひだを含む。尾根および溝はシート材の対向する長い縁部12a、13aに平行な方向に延びてもよい。
【0046】
図7に示す別の例では第3セクション13はエアロゾル形成部材10cが第1セクション11および第2セクション12を有するように省略されている。第2セクション12は第1セクション11から延び、第2セクション12が通路18を形成し、第1セクション11が通路18を横断して吊されるように第1セクション11を中心に折り畳まれている。これとは別に第2セクション12は、第1セクション11を部分的に囲む。例えば、第2セクション12は、エアロゾル形成部材の断面が半円形になるように第1セクションの単独の表面の周囲で延びてもよい。
【0047】
ここで図8を参照するとエアロゾル形成部材10aはエアロゾルチェンバー6に位置している。従って、エアロゾル形成部材は液体貯蔵マトリックスに隣接してまたは近接してチェンバー壁25を画定している。従って、チェンバー壁は貯蔵マトリックスを構成する構造の境界縁部に位置する。液体貯蔵マトリックス26は、溶液または液体を保持できるように毛細管構造、例えば相互接続した多孔性または開放気孔構造を含む。液体貯蔵マトリックス26は繊維材料、例えばポリエチレンまたはポリエステル繊維から形成してもよい。熱がエアロゾル形成部材からの二次熱によって香味貯蔵部35に伝導される例では液体貯蔵部を二次熱を伝導するように構成してもよい。この構成は、それ自体が熱伝導性で
ある貯蔵マトリックスによって供してもよく、または貯蔵マトリックス内またはその周囲を通過する熱伝導性部材を設けることによって供してもよい。
【0048】
チェンバー壁25によって画定されたエアロゾルチェンバー6の形はエアロゾル形成部材10aの形状に対応する。図8に示す構成では第2および第3セクション12、13は液体貯蔵マトリックス26と接触する。他の例では第2および第3セクション12、13の1つだけが液体貯蔵マトリックス26と接触する。これとは別にエアロゾル形成部材が図7に示したように第2セクション12のみを含む場合、第2セクションだけが液体貯蔵マトリックス26と接触する。当然のことながら第2および/または第3セクション12、13全体が液体貯蔵マトリックス26と接触する必要はない。例えば第2および/または第3セクションの一部のみが液体貯蔵マトリックス26と接触してもよい。そのような例では液体貯蔵マトリックス26(セクション12、13と接触しない)の表面セクションがチェンバー壁25のセクションを効果的に形成する。別の例ではエアロゾル形成部材10aはセクション12、13の外縁部を介してのみ液体貯蔵マトリックス26と接触してもよい。この例ではチェンバー壁25は完全に液体貯蔵マトリックス26によって形成される。
【0049】
当然のことながらエアロゾル形成チェンバーおよびエアロゾル形成部材は、空気がチェンバーを通過する際にエアロゾルが形成されるようにする任意の適した方法で構成してもよい。従って、別例として、繊維からなる芯に巻かれた加熱コイルの使用に基づいた所謂アトマイザーを使用してもよい。
【0050】
図8に例示するように第1セクション11はエアロゾルチェンバー6を横断して位置している。
【0051】
有利なことには液体貯蔵マトリックス26は、エアロゾル送出装置1の操作中に実質的に加熱されない第2および/または第3セクション12、13によって第1セクション11の熱から遮蔽されているので、耐熱材料で作製する必要がない。貯蔵マトリックスを介してまたは横断して伝わる二次熱は、特別な耐熱性が必要とされることのないほど充分に低いものである。
【0052】
液体貯蔵マトリックス26はエアロゾル形成部材10aによってエアロゾルに形成される溶液を保持する。溶液は第2および第3のセクション12、13の毛細管構造を介して毛細管作用によってエアロゾル形成部材10a内に吸引されるまたは吸収される。溶液はエアロゾル形成部材10aの毛細管構造、即ち第1、第2および第3セクション11、12、13を通って広がる。第1セクションが熱せられると、溶液が第1セクション11から蒸発し、凝縮すると吸入可能なエアロゾルを形成する蒸気を形成する。その後および加熱中であっても、第1セクション11は溶液を液体貯蔵マトリックス26から第2および第3セクション12、13を介して第1セクション11へ移動する毛管作用によって溶液が補充される。これを以下により詳しく説明する。
【0053】
エアロゾル形成部材10aの毛管現象は、溶液の流れを液体貯蔵マトリックス26からエアロゾル形成部材10aの方へと誘導するために液体貯蔵マトリックス26の毛管現象より大きい。毛管現象は対応する毛細管構造体の孔径および湿潤条件によって規定される。
【0054】
上述したようにエアロゾル形成部材10aを熱する電源はバッテリー30であってもよい。バッテリー30はコントローラーを含み、印刷回路板(PCB)に取り付けられた電気回路34によって調節される。例示的な回路構造を図9aおよび9bに示す。
【0055】
図9aに示すようにエアロゾル形成部材10aの電気端子15、16は、上述したようにそれぞれバッテリー30の正極および負極に電気的に接続されている。端子15、16への電流の制御は電気回路34によって行われる。この例の回路は圧力作動スイッチ40を含み、これは圧力センサー41からの信号に応答して始動する。圧力センサー41はユーザーがエアロゾル送出装置を介して吸入を開始した際の圧力の変動を検出するために配置されている。圧力センサーは、例えば圧力変化を検知するためにプレナムチェンバー4と流体連通して配置されてもよい。図9では圧力センサー41が接続部材35を介して電気回路34に接続するように示されているが、圧力センサー41を電気回路34に配置し、接続部材35を延びた経路を介してプレナムチェンバー4と圧力センサー41を流体連通させることも可能である。その後圧力センサー41からの信号がスイッチ40(直接的にまたはコントローラーを介して)始動させて端子15、16へバッテリー30から電流が流れるようにする。スイッチ40は圧力センサーからの信号に応答して始動可能なパワー・モス電界効果トランジスタスイッチング回路などの電気スイッチであってもよい。スイッチおよび任意の制御回路は、従って電気回路34のPCBに設けてもよい。
【0056】
図9bの例に示すようにバッテリー30からの端子15、16への電流の供給をユーザーが始動させるスイッチ43に応答して始動するスイッチ42を介して制御してもよい。ユーザーが始動させるスイッチは、ハウジング2の触れることができる位置にあってもよいまたはハウジングの凹部内にあってもよい。スイッチ42はユーザー始動スイッチ43に直接接続して始動させてもよい。これとは別に制御回路をユーザー始動スイッチ43の始動に応答してスイッチ42を制御するために設けてもよい。スイッチ42はユーザー始動スイッチ43からの信号に応答して始動可能なパワー・モス電界効果トランジスタスイッチング回路などの電気スイッチであってもよい。スイッチおよび任意の制御回路は、従って電気回路34のPCBに設けてもよい。
【0057】
さらにスイッチ回路は、例えば閾値温度に達したら電流の供給を停止させることができる温度センサーを使用して温度を自動的に制御するようにしてもよい。スイッチ回路は、加えてまたは別に閾値作動時間に到達したら電流の供給を停止させることができるように作動時間を自動的に制御するようにしてもよい。
【0058】
一部の例では回路34は、スイッチが端子15、16への電力の供給が必要とされることを示すために作動しているとき以外に極めて低いまたはゼロの電力を必要とするように構成してもよい。
【0059】
電流がバッテリー30からシート材を介して引き込まれると、シート材の電気抵抗がシート材の第1セクション11の温度を上昇させる。シート材がいくつかの層を含む実施態様では、加熱エレメントとして作用する導電層の抵抗が第1セクション11の温度を上昇させ、続いて第1セクション11の隣接する非導電性の第2および/または第3の層を加熱する。
【0060】
エアロゾル送出装置1の操作について図1および8を参照して説明する。使用時、ユーザーは、ユーザーがエアロゾル送出装置1を介して吸入を開始する際にエアロゾル送出装置1を手動で作動させてもよく(例えば図9bの構成を参照)またはエアロゾル送出装置1が自動的に作動するようにしてもよい(例えば図9a参照)。いずれの方法において、バッテリー30は、エアロゾル送出装置を始動させる際にエアロゾル形成部材10aの電気端子15、16の間で電位差を供し、電流が電気端子15、16の間で流れるようにして、シート材の第1セクション11の温度を上昇させる。熱は実質的にスロット14があることによりに第1セクション11内に収容されるが、当然のことながら熱は上述のように他の手段によって第1セクション内に収容されてもよい。また当然のことながら二次熱が上述のように香味貯蔵部35に送られてもよい。第1セクション11での、この温度の
上昇がシート材の第1セクション11の毛細管構造に保持された溶液を蒸発させて蒸気を形成する。蒸気は装置を介したユーザーの吸入によって生じる吸引によって入り口5、香味貯蔵部35、プレナムチェンバー4およびチェンバー入り口31’を介してエアロゾル送出装置1内に引き込まれる空気と混ざる。蒸気はエアロゾルチェンバー6内で空気と混ざり、これが起こると蒸気が凝縮し、小滴を形成し、吸引可能なエアロゾルが製せられる。
【0061】
上述の実施態様のいずれかによるエアロゾル形成部材10aは、主要面20、21の面がエアロゾルチェンバー6を通る空気流の方向に平行または実質的に位置合わせされるようにハウジングに位置する。従って、溶液がエアロゾル形成部材10aに保持され、蒸発するように加熱されると、溶液は空気流の方向に対して横方向に蒸発する。毛細管構造がシート材の両側で露出した実施態様では、溶液は図8の矢印で示すように両側から反対方向に気化される。蒸気は空気と混ざり、第2および/または第3セクション12、13によって形成された通路18内でエアロゾルを形成する。通路18はエアロゾルの流れをエアロゾル送出装置を介してユーザーの方へと導く。
【0062】
エアロゾル形成装置を始動させると、余分な蒸気がエアロゾル形成部材10aの第2および/または第3セクション12、13によって形成されたチェンバー壁6上に生じ、凝集しやすくなる。放出された凝集熱は、従って、香味貯蔵部への移送用の熱となり、凝縮物はセクション12、13の毛細管構造内に再吸収され、上述したように毛管作用によってエアロゾル形成部材10aのセクション11に再度供給される。任意のこのような凝縮熱に加えて、香味貯蔵部への二次熱または廃熱の供給を温度の高いセクション11から隣接する温度の低いセクション12、13へとエアロゾル形成部材内での伝導熱の伝達によって行ってもよい。さらに香味貯蔵部への二次熱または廃熱の供給を温度の高いセクション11から隣接する温度の低いセクション12、13への放射熱の伝達によっても行ってもよい。熱線はエアロゾルチェンバー6を横断することができ、その後セクション12、13によって形成されたチェンバー壁25で吸収される。3つの熱源は全て共にある程度活性化状態にあり、それらの相対比率は装置の構造に正確に依存する。これらの機構は共に二次熱または廃熱を供する。この廃熱は液体貯蔵マトリックス36を介してまたは周囲を通過し、香味貯蔵部36に到達してそこに含まれる香味料を加熱する。
【0063】
エアロゾル形成部材10aを始動させ、エアロゾルが通路18に形成された後、ユーザーが吸入し続けると、エアロゾルが通路18を介して引き込まれる。エアロゾルは図2に示すようにチェンバー出口31’’を介してエアロゾルチェンバー6から出る。エアロゾルはそれからハウジング2に設けられた任意のエアロゾル精製部材32を通過し、これによりエアロゾルが冷却される。精製部材32はマウスピース3に設けられた出口開口部7を介してユーザーの口に入る前にエアロゾルの流れに放出されるメンソールなどの香味剤をさらに含んでもよい。一方、シート材の第1セクション11の毛細管構造から蒸発した溶液は、上述の毛細管構造の毛細管効果および第2および/または第3セクションが液体貯蔵マトリックス26と接触することにより液体貯蔵マトリックス26から新鮮な溶液に置き換えられる。新鮮な空気が入り口開口部5、香味貯蔵部36、プレナムチェンバー4およびチェンバー入り口31’を介して通路18に入る。一部の例では圧力降下部材または流れ抵抗33がエアロゾルチェンバー6内の空気の流れを制御できるように設けられている。流れ抵抗33は単純な開口部または穴からなってもよく、ハウジング2の入り口開口部5と同一であってもよい。これとは別に流れ抵抗33は従来のタバコの流れ抵抗を供するタバコフィルターと類似の多孔性体からなってもよい。一部の例では流れ抵抗33は、香味貯蔵部内で香味を保持するまたはを提供する構造を供する上述したような材料で設けてもよい。そのような例ではこの材料は、従って、香味料の搬送および流れの制限といった2つの機能を供する。
【0064】
従って、ここではエアロゾル発生構造からの二次熱を利用して香味料源を暖めて、吸入空気がエアロゾル発生構造に到達する前に吸入空気への香味料源からの香味の分配を促すエアロゾル送出装置の作動および構造の実例が説明されている。
【0065】
図10はエアロゾル送出装置の別の例を示している。エアロゾル送出装置1はエアロゾル送出部分1’と給電部分1’’とを含む。この例ではエアロゾル送出部分1’と給電部分1’’はこれら両部分を収容する単独のハウジング2を有する1つの単一のエアロゾル送出装置1の別個の領域として配置されている。他の例ではエアロゾル送出部分1’と給電部分1’’は、所定の給電部分1’’が多くの異なるエアロゾル送出部分1’を受けられるようにおよび/または所定のエアロゾル送出部分1’が多くの異なる給電部分1’’を受けられるように取り外し自在に接続することができる。このような別の例ではハウジング2は1つの部分または部材(電力源30などの)の交換を可能にするように操作可能であってもよく、または各部分がそれ自体の対応するハウジング部を含むようにこれら部分の分割に対応して分割してもよい。
【0066】
エアロゾル送出装置1は繰り返し使用可能にまたは使い捨て可能に構成してもよい。エアロゾル送出部分1’および給電部分1’’は分離可能または開閉可能である例では、エアロゾル送出部分1’および給電部分1’’のいずれかまたは両方を繰り返し使用可能または使い捨て可能に構成してもよい。
【0067】
この例では携帯電源30(バッテリーであってもよい、または上記図1を参照して説明した他の携帯電源)は、ハウジング2の直径を全て使用せず、入り口5からプレナムチェンバー4への気体通路をその周囲(全体的に囲むまたは一部隣接して)に有する。上述の例のように、この気体経路は香味貯蔵部36に配置されている。香味貯蔵部36は図1および2を参照して説明した方法と同じように作動し、香味貯蔵部36を暖める装置が省略されている。
【0068】
上述の例のように新鮮な空気が入り口通路を移動すると、空気が香味貯蔵部36を通過し、これにより容器が香味を放出する。空気に分散した香味は空気と共に下流へと引き込まれる。香味濃縮された/香味付けされた空気は、その後プレナムチェンバー4に集められる。プレナムチェンバー4は空気がエアロゾルチェンバー6/管状通路18に均一に流れるようにする。本例の構成において、入り口経路の内側の空気および管状通路18の内側のエアロゾル(エアロゾルチェンバー6)は同じ方向に流れるが、入り口経路を通る流れの中央と管状の通路間の軸方向のオフセットとプレナムチェンバー4によって分離される。
【0069】
図10の例では香味貯蔵部36へ熱を伝えるための2つの選択肢を独立してまたは組み合わせて採用することができる。
【0070】
第1の選択肢では電流を供給する際に僅かに温度が上昇するという多くのバッテリーの特性を利用するものである。従って、携帯電力源30が電流を供給する際に温度が上昇しやすいバッテリーまたは他の電力源である場合、電力源30によって発生した熱を使用して電力源30の周囲または隣接して配置された香味貯蔵部36に熱を供給してもよい。
【0071】
第2の選択肢は、エアロゾル形成部材10からの二次熱を伝導する以外に香味貯蔵部36に熱を供する別個の発熱手段を利用することである。このような別個の発熱手段は、エアロゾル形成部材10への電流の供給と同時に香味貯蔵部36内のまたはそれに隣接する1つ以上の伝導構造を介して低い電流を供する制御回路34を設けることによって供することができる。
【0072】
上述の例のようにこの伝導性熱伝達は香味貯蔵部36をその内側に香味の放出を高めることができる温度に達することができるようにする。
【0073】
従って、ここではエアロゾル発生構造または別の熱源からの二次熱利用して香味料源を暖めて、吸入空気がエアロゾル発生構造に到達する前に吸入空気への香味料源からの香味の分配を促すエアロゾル送出装置の作動および構造の実例が説明されている。ここで示した例はコンパクトな構造を供することは明らかである。
【0074】
当然のことながらいくつかの実行例では香味源を加熱せずに代わりに香味貯蔵部を加熱せずに吸入空気をそれがエアロゾル発生構造に到達する前に香味貯蔵部を通過させてもよい。
【0075】
エアロゾル送出装置1のエアロゾル形成部材10の上述の実施態様は溶液を使用するものと説明されている。当然のことながらこの溶液はユーザーに刺激作用を与える特定の成分または物質を含んでもよい。これらの成分または物質は吸入を介して送出されるのに好適な任意の種類のものであってもよい。これらの成分または物質が保持されるまたは溶解する溶液は主に水、エタノール、グリセロール、プロピレングリコールまたは上述の溶媒の混合物からなるものであってもよい。エタノールおよび/または水などの易揮発性溶媒の充分に高度な希釈によって、そうでなければ蒸発しにくい物質であっても実質的に残渣が無く蒸発し、液体材料の熱分解を避けることができ、充分に減少させることができる。
【0076】
当然のことながら「通路」なる用語は特定の断面のものに限定されない。さらに通路はその長手方向軸を中心に完全に囲まれてもよいが、また当然のことながら通路は囲まれずにその長手方向軸に平行なセクションに沿って開いていてもよい。
【0077】
上述の実施態様のいずれかによるエアロゾル形成部材10は短絡を防ぐために酸化させるまたは非導電材料でコーティングすることも想定される。
本開示全体は種々の実施形態を例示的に示しており、これらの実施形態では特許請求された発明が実践される。本開示の利点および特徴は実施形態の単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。これらは特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助のために提供されている。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。
(条項1)
空気入り口と、
通過する空気に香味材料を放出するために配された香味貯蔵部と、
通過する空気にエアロゾルを供するために配されたエアロゾルチェンバーと、
エアロゾル出口とを含み、
空気入り口、香味貯蔵部、エアロゾルチェンバーおよびエアロゾル出口はその順番で流体連通して配置されているエアロゾル送出装置。
(条項2)
前記エアロゾル出口は、マウスピースで吸引されるとそれを介してエアロゾルを送出するためにマウスピース出口と流体連通していることを特徴とする条項1記載のエアロゾル送出装置。
(条項3)
前記エアロゾルチェンバーを通過する空気にエアロゾルを発生するように配置されたエアロゾル形成部材をさらに含むことを特徴とする条項1または2記載のエアロゾル送出装置。
(条項4)
エアロゾル形成部材は濃縮エアロゾルを発生させるように配置された加熱エレメントを含むことを特徴とする条項1、2または3記載のエアロゾル送出装置。
(条項5)
前記加熱エレメントと流体連通し、加熱エレメントに液体を送出するように配置された液体貯蔵部をさらに含み、加熱エレメントはそこからの液体を蒸発させることによってエアロゾルを発生させるように配置されていることを特徴とする条項4記載のエアロゾル送出装置。
(条項6)
香味貯蔵部は加熱エレメントと伝導熱連通していることを特徴とする条項4または5記載のエアロゾル送出装置。
(条項7)
空気入り口からエアロゾル出口への空気の流れに応答してエアロゾル形成部材を始動させるスイッチをさらに含むことを特徴とする条項3乃至6いずれか1項記載のエアロゾル送出装置。
(条項8)
香味貯蔵部は熱源と伝導熱連通していることを特徴とする条項1乃至7いずれか1項記載のエアロゾル送出装置。
(条項9)
香味貯蔵部は香味料キャリアーと香味材料とを含むことを特徴とする条項1乃至8いずれか1項記載のエアロゾル送出装置。
(条項10)
香味材料は水およびグリセロールを含む群から選択される1つ以上に不溶性であることを特徴とする条項9記載のエアロゾル送出装置。
(条項11)
香味貯蔵部はタバコまたはタバコ派生物を含むことを特徴とする条項1乃至10いずれか1項記載のエアロゾル送出装置。
(条項12)
香味料キャリアーは加熱エレメントまたは熱源と伝導熱連通していることを特徴とする条項6または8に従属する条項9、10または11記載のエアロゾル送出装置。
(条項13)
入り口の下流およびエアロゾル形成部材の上流に空気の流れに抵抗する要素としての流れ抵抗をさらに含むことを特徴とする条項1乃至12いずれか1項記載のエアロゾル送出装置。
(条項14)
流れ抵抗は香味料キャリアーを含むことを特徴とする条項9に従属する条項13記載のエアロゾル部材。
(条項15)
香味貯蔵部はエアロゾルチェンバーの周囲に少なくとも部分的に配置されていることを特徴とする条項1乃至14いずれか1項記載のエアロゾル送出装置。
(条項16)
香味貯蔵部はエアロゾルチェンバーを少なくとも部分的に囲んで配置されていることを特徴とする条項1乃至15いずれか1項記載のエアロゾル送出装置。
(条項17)
流れ抵抗は流れ抵抗を通る流れの量に比例する圧力降下を供することを特徴とする条項13乃至16いずれか1項記載のエアロゾル送出装置。
(条項18)
装置に入った空気流に、空気流が装置のエアロゾル発生器に到達する前に香味を付与するように構成された装置であって、この装置は、それにより出口から香味付けされたエアロゾルを送出するように動作可能である装置。
(条項19)
装置に空気流を入れるように構成された入り口を含むことを特徴とする条項18記載の装置。
(条項20)
空気流中にエアロゾルを発生するためのエアロゾル発生器を加熱するための電力源を含むことを特徴とする条項18または19記載の装置。
(条項21)
装置を通る空気流経路に保持された香味材料を含むことを特徴とする条項18、19または20記載の装置。
(条項22)
香味材料を加熱する熱源を含むことを特徴とする条項21記載の装置。
(条項23)
前記熱源はエアロゾル発生器であることを特徴とする条項22記載の装置。
(条項24)
香味が付与されている間に空気流が第1の方向に流れるようにし、エアロゾル発生器を介して第1の方向とは実質的に反対の方向の第2の方向に流れるように構成されていることを特徴とする条項18乃至23いずれか1項記載の装置。
(条項25)
空気流に付与するための香味料を貯蔵するように構成された香味料キャリアーを含むことを特徴とする条項18乃至24いずれか1項記載の装置。
(条項26)
前記香味料キャリアーはそれを流れる空気流を制限するように構成されていることを特徴とする条項25記載の装置。
(条項27)
香味貯蔵部内に空気流を通過させて、香味分子および/または粒子が空気流に担持されるようにして空気流に香味を付与することと、
液体を空気流中に蒸発させて香味付けされたエアロゾルを発生させるエアロゾル発生器内に、香味分子および/または粒子を担持した空気流を通過させてエアロゾルを発生させることと、
香味付けされたエアロゾルをマウスピースへ送出することと、を含む香味付けされたエアロゾルを発生させる方法。
(条項28)
前記香味付けは加熱された香味貯蔵部内に空気流を通過させることを含むことを特徴とする条項27記載の方法。
(条項29)
前記エアロゾルの発生は加熱されたエアロゾル発生器内に香味分子および/または粒子を担持した空気流を通過させることを含むことを特徴とする条項27または28記載の方法。
(条項30)
加熱されたエアロゾル発生器は加熱された香味貯蔵部を加熱することを特徴とする条項28または29記載の方法。
(条項31)
空気流の検知に応答して香味貯蔵部およびエアロゾル発生器の内の少なくとも1つの加熱を開始することを含むことを特徴とする条項27乃至30いずれか1項記載の方法。
(条項32)
空気流を香味貯蔵部内に通過させる前、通過させている間または通過させた後で空気流をエアロゾル発生器内に通過させる前に空気流を制限することを特徴とする条項27乃至31いずれか1項記載の方法。
(条項33)
添付図面のいずれかを参照して実質的にここで説明した装置。
(条項34)
添付図面のいずれかを参照して実質的にここで説明した方法。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0078】
【文献】米国特許出願明細書2011/0226236号
【文献】国際出願公開第2011/109848号パンフレット
【文献】国際出願公開第2010/095659号 パンフレット
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