IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ノバルティス アーゲーの特許一覧

特許7591092乾癬性関節炎患者における構造的損傷の進行を阻害するためのIL-17アンタゴニストの使用
<>
  • 特許-乾癬性関節炎患者における構造的損傷の進行を阻害するためのIL-17アンタゴニストの使用 図1
  • 特許-乾癬性関節炎患者における構造的損傷の進行を阻害するためのIL-17アンタゴニストの使用 図2A
  • 特許-乾癬性関節炎患者における構造的損傷の進行を阻害するためのIL-17アンタゴニストの使用 図2B
  • 特許-乾癬性関節炎患者における構造的損傷の進行を阻害するためのIL-17アンタゴニストの使用 図2C
  • 特許-乾癬性関節炎患者における構造的損傷の進行を阻害するためのIL-17アンタゴニストの使用 図3
  • 特許-乾癬性関節炎患者における構造的損傷の進行を阻害するためのIL-17アンタゴニストの使用 図4A
  • 特許-乾癬性関節炎患者における構造的損傷の進行を阻害するためのIL-17アンタゴニストの使用 図4B
  • 特許-乾癬性関節炎患者における構造的損傷の進行を阻害するためのIL-17アンタゴニストの使用 図5A
  • 特許-乾癬性関節炎患者における構造的損傷の進行を阻害するためのIL-17アンタゴニストの使用 図5B
  • 特許-乾癬性関節炎患者における構造的損傷の進行を阻害するためのIL-17アンタゴニストの使用 図6
  • 特許-乾癬性関節炎患者における構造的損傷の進行を阻害するためのIL-17アンタゴニストの使用 図7
  • 特許-乾癬性関節炎患者における構造的損傷の進行を阻害するためのIL-17アンタゴニストの使用 図8
  • 特許-乾癬性関節炎患者における構造的損傷の進行を阻害するためのIL-17アンタゴニストの使用 図9
  • 特許-乾癬性関節炎患者における構造的損傷の進行を阻害するためのIL-17アンタゴニストの使用 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-19
(45)【発行日】2024-11-27
(54)【発明の名称】乾癬性関節炎患者における構造的損傷の進行を阻害するためのIL-17アンタゴニストの使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 39/395 20060101AFI20241120BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20241120BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20241120BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20241120BHJP
【FI】
A61K39/395 U ZNA
A61P19/02
A61P29/00
A61P17/06
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023087736
(22)【出願日】2023-05-29
(62)【分割の表示】P 2021087382の分割
【原出願日】2015-09-08
(65)【公開番号】P2023109973
(43)【公開日】2023-08-08
【審査請求日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】62/048,512
(32)【優先日】2014-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504389991
【氏名又は名称】ノバルティス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100141195
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 恵美子
(72)【発明者】
【氏名】ムポフ,ステファ-ド
(72)【発明者】
【氏名】リチャーズ,ハノ
(72)【発明者】
【氏名】リゴズィオ,グレゴリー
【審査官】春田 由香
(56)【参考文献】
【文献】特許第7288927(JP,B2)
【文献】国際公開第2013/077907(WO,A1)
【文献】Gottlieb, A. et al.,AB0738 Secukinumab Reduces Hscrp Levels in Subjects with Moderate-To-Severe Plaque Psoriasis and Concomitant Psoriatic Arthritis: A Sub-Analysis from the Phase 3 Erasure Study,Annals of the Rheumatic Diseases [online],2014年06月10日,Vol.73,p.1047-1048,[retrieved on 2019-9-3], Retrieved from the Internet:<URL: https://ard.bmj.com/content/73/Suppl_2/1047.2>, <https://ard.bmj.com/content/73/Suppl_2/1047.2.info>
【文献】Schett, G. et al.,Structural damage in rheumatoid arthritis, psoriatic arthritis, and ankylosing spondylitis: traditional views, novel insights gained from TNF blokade, and concepts for the future,Arthritis Research & Therapy,2011年,Vol.13, Suppl.1,S4,doi:10.1186/1478-6354-13-S1-S4
【文献】田村 直人 ほか,乾癬性関節炎,炎症と免疫,2011年,第19巻,第4号,p.383-388
【文献】吉野 景子,よく使う整形外科の薬剤ファイル(第19回) 今月の薬剤 鎮痛薬 慢性疼痛治療薬 総説,整形外科看護,2014年07月,第19巻, 第7号,p.728-729
【文献】Mease, P.,SP0147 Non-anti-TNF biologics in PSA,Annals of the Rheumatic Diseases,2013年,Vol.71, Suppl.3,p.36
【文献】Gottlieb, A. B. et al.,Secukinumab Shows Substantial Improvement In Both Psoriasis Symptoms and Physical Functioning In Moderate-To-Severe Plaque Psoriasis Patients With Psoriatic Arthritis: A Subanalysis Of a Phase 3, Multicenter, Double-Blind, Placebo-Controlled Study,2013 ACR/ARHP Annual Meeting [online],2013年,Abstract Number: 319,[retrieved on 2019-9-3], Retrieved from the Internet:<URL:https://acrabstracts.org/abstract/secukinumab-shows-substantial-improvement-in-both-psoriasis-symptoms-and-physical-functioning-in-moderate-to-severe-plaque-psoriasis-patients-with-psoriatic-arthritis-a-subanalysis-of-a-phase-3-mult/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 39/00-39/44
A61K 45/00-45/08
A61K 31/00-31/80
PubMed
医中誌WEB
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セクキヌマブを含む、乾癬性関節炎における構造的損傷の進行を阻害するための医薬組成物であって、
75mgから300mgの用量のセクキヌマブが患者に月1回皮下投与され、
van der Heijde乾癬性関節炎修正総シャープスコア(mTSS)に従う構造的損傷の進行が、前記セクキヌマブの月1回皮下投与により阻害され
前記患者がTNFアルファアンタゴニストを以前に投与されたことがある、医薬組成物。
【請求項2】
セクキヌマブが75mg、150mg、または300mgの用量で月1回皮下投与される、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記患者が、以前に投与されたTNFアルファアンタゴニストに対して不十分な反応を有した、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
セクキヌマブを含む、乾癬性関節炎における構造的損傷の進行を阻害するための医薬組成物であって、
75mgから300mgの用量のセクキヌマブが患者に月1回皮下投与され、
乾癬性関節炎が、少なくとも一つの疾患修飾抗リウマチ薬(DMARD)またはTNFアルファ阻害薬により十分制御されなかった、医薬組成物であって、
前記DMARDがメトトレキセート(MTX)、スルファサラジン、シクロスポリン、又はレフルノミドである、医薬組成物
【請求項5】
セクキヌマブが75mg、150mg、または300mgの用量で月1回皮下投与される、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記患者が、TNFアルファアンタゴニストよる以前の治療に対する不十分な反応を有した請求項4又は5に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、その全体として参照により本明細書に組み込まれる、2014年9月10日
に出願した米国仮特許出願第62/048,512号明細書の優先権を主張するものであ
る。
【0002】
技術分野
本開示は、IL-17アンタゴニスト、例えば、セクキヌマブを用いて乾癬性関節炎(
psoriatic arthritis)(PsA)患者(例えば、生物製剤、例えば、TNFアルファ阻
害薬による治療を以前に受けた患者及び生物製剤による治療を以前に受けなかった患者)
における構造的損傷の進行を阻害する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
PsAは、末梢関節、結合組織及び軸性骨格を侵す慢性、全身性炎症性疾患であり、皮
膚及び爪の乾癬に関連する可能性がある(Boehncke and Menter (2013), Am J Clin Derm
atol;14:377-88; Gladman et al. (2005) Ann Rheum Dis;64(Suppl 2):ii14-17)。Ps
Aは、滑膜炎、付着部炎、指炎、脊椎炎、ぶどう膜炎及び炎症性腸疾患を含む、多面性疾
患である。伝統的な疾患修飾抗リウマチ薬(DMARD)は、メトトレキセート(MTX
)、スルファサラジン、シクロスポリン及びレフルノミドを含み、多くの患者に対して不
十分である。その理由は、これらの薬物は、確定疾患を部分的に制御するのみであるから
である(Mease PJ (2008) Psoriatic Arthritis. In: Klippel et al, eds. Primer on R
heumatic Diseases. 13th ed. New York: Springer Science, p. 170-192)。腫瘍壊死因
子(TNF)阻害薬は、近年PsAの管理を改善した(Mease (2013) Curr Opin Rheumat
ol.;25:287-96; Mease and Armstrong (2014)Drugs 2014a; 74:423-41; Gossec et al.
(2012) Ann Rheum Dis; 71:4-12; Menter et al. (2011) J Am Acad Dermatol 2011;65:1
37-74)が、すべての患者がこれらの薬剤に反応又は耐えたとは限らず(すなわち、PsA
患者の約40%)、多くが身体機能の著しい障害、障害及び生活の質の低下を経験し続け
ている(Boehncke and Menter (2013) Am J Clin Dermatol 2013;14:377-88; Gladman et
al. (2005) Ann Rheum Dis.;64(Suppl 2):ii14-7)。
【0004】
PsAを有する患者の約3分の2は、様々な程度の障害を伴う進行性及び可逆性構造的
損傷(例えば、びらん、関節腔狭小化(JSN)、骨溶解、関節強直など)を経験する。
PsAの発症の2年以内に、患者のほぼ50%が≧1びらんを示し、10年間のフォロー
アップ後に55%が≧5関節の変形を発現する(Kavanaugh et al (2014) Ann. Rheum. D
is. 73:1000-1006)。いくつかの療法がTNFの投薬を受けたことがない患者における構
造的損傷を防ぐことが示された(例えば、ウステキヌマブ、例えば、Kavanaugh et al. (
2014)、前出)が、現在のところ、事前のTNF曝露を有するPsA患者(すなわち、T
NF不十分反応者[TNF-IR])における構造的損傷の進行を防ぐ生物製剤は存在し
ない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のことに照らして、特にTNF-IRであるPsA患者について、PsAに随伴す
る構造的損傷の進行を阻害する新たな療法を開発する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ますます多くの証拠がPsAの病因におけるインターロイキン17Aの関与を示唆して
いる。インターロイキン17A産生細胞のレベルの増加が、患者の循環及び関節並びに乾
癬性皮膚プラークに見いだされ(Jandus (2008) Arthritis Rheum;58:2307-17; Kagami (
2010) J Invest Dermatol;130:1373-83; Lin (2011) J Immunol;187:490-500; Noordenbo
s (2012) Arthritis Rheum;64:99-109)、疾患活動性及び構造的損傷の尺度と相関するこ
とが示された(Menon et al. (2014) Arthritis Rheumatol.;66:1272-81)。さらに、構
造的損傷に対するインターロイキン17Aの阻害の効果は以前に示されなかったが、第2
相試験で、インターロイキン17Aリガンド(McInnes et al. (2014) Ann Rheum Dis 20
14;73:349-56)又は受容体(Mease et al. (2014) N Engl J Med; 370:2295-306)の阻害
がPsAの徴候及び症状を改善することが実証された。
【0007】
セクキヌマブ(AIN457)は、インターロイキン17A活性を阻害する高親和性完
全ヒトモノクローナル抗ヒト抗体である。最近のPsA概念実証(PoC)試験(AIN
457A2206)(実施例1)において、セクキヌマブは、その主要な有効性エンドポ
イント(実薬対プラセボにおける6週目のACR20反応者の割合)を満たさなかった。
しかし、改善された投与レジメンを用いたより大規模な試験(実施例2)は、セクキヌマ
ブがPsAの徴候及び症状の両方を治療するのに高度に有効であることを現在示している
。さらに、X線写真データ(実施例3~4)は、事前のTNF阻害薬療法状態(TNFの
投薬を受けたことがない対事前のTNF治療)又は併用メトトレキセート投与にかかわら
ず、PsA患者における構造的損傷の進行の有意な阻害を示す最初の生物製剤であること
を示している。我々の知る限りでは、セクキヌマブは、TNFアルファアンタゴニストに
よる治療を以前に受けたPsA患者(例えば、TNF-IR患者)における構造的損傷の
進行の阻害を示す最初の生物製剤である。例えば、アンタゴニスト性抗IL-12/23
p40モノクローナル抗体である、ウステキヌマブを用いたPsA試験では、事前のTN
Fアルファアンタゴニスト曝露を有する患者における関節損傷のX線写真上の進行の阻害
は、示されなかった。IL-23は、IL-17を産生する高度に病原性のヘルパーT細
胞(Th17/Th(IL-17))へのナイーブCD4(+)T細胞の分化を誘導する
ので、セクキヌマブが事前のTNFアルファアンタゴニスト曝露を有する患者における関
節損傷のX線写真上の進行を阻害するのに対して、ウステキヌマブは、阻害しなかったと
いう事実は、予想されないことである。
【0008】
したがって、本明細書で開示するのは、IL-17アンタゴニストを、それを必要とす
る患者に投与することを含む、PsA患者における構造的損傷の進行を阻害する方法であ
る。また本明細書で開示するのは、IL-17アンタゴニストを、それを必要とする患者
に投与することを含む、PsA患者における活動性PsAの徴候及び症状を低減し、Ps
A患者における構造(例えば、骨及び/又は関節)損傷の進行を阻害し、且つ/又はPs
A患者における身体機能を改善する方法である。開示した使用、方法及びキットのいくつ
かの実施形態において、患者は、生物製剤の投薬を受けたことがない(biologic-naive)
。開示した使用、方法及びキットのいくつかの実施形態において、患者は、生物製剤経験
済み(biologic-experienced)である。開示した使用、方法及びキットのいくつかの実施
形態において、患者は、TNFアルファアンタゴニストによる治療を以前に受けなかった
。開示した使用、方法及びキットのいくつかの実施形態において、患者は、TNFアルフ
ァアンタゴニストによる治療を以前に受けた。開示した使用、方法及びキットのいくつか
の実施形態において、患者は、TNFアルファアンタゴニストによる以前の治療に対する
不十分な反応を有した(TNF不十分反応者(TNF-IR))。開示した使用、方法及
びキットのいくつかの実施形態において、構造的損傷の進行の阻害は、van der
Heijde乾癬性関節炎修正総シャープスコア(modified total Sharp score)(mT
SS)により測定される。開示した使用、方法及びキットのいくつかの実施形態において
、構造的損傷の進行の阻害は、びらん及び関節腔狭小化(JSN)スコアにより測定され
る。開示した使用、方法及びキットのいくつかの実施形態において、びらん、関節腔狭小
化、ペンシルインカップ現象、関節拡大(joint widening)、関節狭小化(joint narrow
ing)、亜脱臼、骨増殖、骨溶解及び/又は関節強直の進行が阻害される。いくつかの実
施形態において、開示した方法は、DMARD、例えば、メトトレキセート(MTX)を
患者に投与することをさらに含む。開示した使用、方法及びキットのいくつかの実施形態
において、IL-17アンタゴニストを0、2及び4週目に隔週で約10mg/kgで患
者に静脈内(i.v.)投与し、その後、8週目に開始して月1回(4週ごとに)約75
mg、約150mg又は約300mgで患者に皮下(s.c.)投与する。開示した使用
、方法及びキットのいくつかの実施形態において、IL-17アンタゴニストを0、1、
2及び3週目に週1回約75mg、約150mg又は約300mgで患者にs.c.投与
し、その後は4週目に開始して月1回(4週ごとに)約75mg、約150mg又は約3
00mgで患者にs.c.投与する。開示した使用、方法及びキットのいくつかの実施形
態において、患者は、随伴性乾癬(例えば、随伴性の中等度から重度の尋常性乾癬)を有
する。開示した使用、方法及びキットのいくつかの実施形態において、構造的損傷の進行
の阻害は、≦0.5のmTSSのベースラインからの変化と定義される。開示した使用、
方法及びキットのいくつかの実施形態において、構造的損傷の進行の阻害は、≦0.3の
びらんスコアのベースラインからの変化と定義される。開示した使用、方法及びキットの
いくつかの実施形態において、構造的損傷の進行の阻害は、≦0.2のJSNスコアのベ
ースラインからの変化と定義される。開示した使用、方法及びキットのいくつかの実施形
態において、患者は、患者がTNFアルファアンタゴニストの投与を以前に受けたことに
基づいて治療に選択される。開示した使用、方法及びキットのいくつかの実施形態におい
て、IL-17抗体、例えば、セクキヌマブを液体医薬組成物(例えば、凍結乾燥体から
再構成された又は凍結乾燥体から再構成されなかった、好ましくは凍結乾燥体から再構成
されなかった)として投与する。
【0009】
開示した使用、方法及びキットのいくつかの実施形態において、IL-17アンタゴニ
ストは、IL-17抗体又はその抗原結合断片である。開示した使用、方法及びキットの
いくつかの実施形態において、IL-17抗体又はその抗原結合断片は、a)Leu74
、Tyr85、His86、Met87、Asn88、Val124、Thr125、P
ro126、Ile127、Val128、His129を含むIL-17のエピトープ
に結合するIL-17抗体又はその抗原結合断片、b)Tyr43、Tyr44、Arg
46、Ala79、Asp80を含むIL-17のエピトープに結合するIL-17抗体
又はその抗原結合断片、c)2つの成熟IL-17タンパク質鎖を有するIL-17ホモ
二量体のエピトープに結合し、前記エピトープが1本の鎖上のLeu74、Tyr85、
His86、Met87、Asn88、Val124、Thr125、Pro126、I
le127、Val128、His129及び他の鎖上のTyr43、Tyr44、Ar
g46、Ala79、Asp80を含む、IL-17抗体又はその抗原結合断片、d)2
つの成熟IL-17タンパク質鎖を有するIL-17ホモ二量体のエピトープに結合し、
前記エピトープが1本の鎖上のLeu74、Tyr85、His86、Met87、As
n88、Val124、Thr125、Pro126、Ile127、Val128、H
is129及び他の鎖上のTyr43、Tyr44、Arg46、Ala79、Asp8
0を含む、約100~200pMのKを有し、約23~約35日のin vivo半減
期を有する、IL-17抗体又はその抗原結合断片、並びにe)i)配列番号8として示
されるアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変ドメイン(V)、ii)配列番号1
0として示されるアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン(V)、iii
)配列番号8として示されるアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVドメイン及び配列番
号10として示されるアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVドメイン、iv)配列番号
1、配列番号2及び配列番号3として示される超可変領域を含む免疫グロブリンVドメ
イン、v)配列番号4、配列番号5及び配列番号6として示される超可変領域を含む免疫
グロブリンVドメイン、vi)配列番号11、配列番号12及び配列番号13として示
される超可変領域を含む免疫グロブリンVドメイン、vii)配列番号1、配列番号2
及び配列番号3として示される超可変領域を含む免疫グロブリンVドメイン並びに配列
番号4、配列番号5及び配列番号6として示される超可変領域を含む免疫グロブリンV
ドメイン、viii)配列番号11、配列番号12及び配列番号13として示される超可
変領域を含む免疫グロブリンVドメイン並びに配列番号4、配列番号5及び配列番号6
として示される超可変領域を含む免疫グロブリンVドメイン、ix)配列番号14とし
て示されるアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖、x)配列番号15として示されるア
ミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖、又はxi)配列番号14として示されるアミノ酸
配列を含む免疫グロブリン軽鎖及び配列番号15として示されるアミノ酸配列を含む免疫
グロブリン重鎖を含むIL-17抗体又はその抗原結合断片からなる群から選択される。
開示した使用、方法及びキットのいくつかの実施形態において、IL-17抗体又はその
抗原結合断片は、セクキヌマブである。
【0010】
本明細書でさらに開示するのは、約75mg~約300mgのセクキヌマブ(例えば、
約150mg~約300mg、例えば、約75mg、約150mg、約300mg)を月
1回患者に投与することを含み、TNFアルファアンタゴニストによる治療を以前に受け
た、PsA患者における構造的損傷の進行を阻害する方法である。
【0011】
本明細書でさらに開示するのは、約75mg~約300mg(例えば、約150mg~
約300mg、例えば、約75mg、約150mg、約300mg)のセクキヌマブを月
1回患者に投与することを含み、TNFアルファアンタゴニストによる治療を以前に受け
た、PsA患者における構造的損傷の進行を阻害する方法である。
【0012】
本明細書でさらに開示するのは、約75mg~約300mg(例えば、約150mg~
約300mg、例えば、約75mg、約150mg、約300mg)のセクキヌマブを月
1回患者に投与することを含み、TNFアルファアンタゴニストによる治療を以前に受け
たことに基づいて治療に選択される、PsA患者における構造的損傷の進行を阻害する方
法である。
【0013】
本明細書でさらに開示するのは、患者がTNFアルファアンタゴニストによる治療を以
前に受けたことに基づいて約75mg~約300mg(例えば、約150mg~約300
mg、例えば、約75mg、約150mg、約300mg)のセクキヌマブを月1回患者
に選択的に投与することを含む、PsA患者における構造的損傷の進行を阻害する方法で
ある。
【0014】
本明細書でさらに開示するのは、0、1、2及び3週目における初期投与とその後の4
週目に開始する月1回の投与により、約150mg~約300mg(例えば、約150m
g~約300mg、例えば、約75mg、約150mg、約300mg)のセクキヌマブ
を患者に皮下注射により投与することを含む、PsA患者における構造的損傷の進行を阻
害する方法である。いくつかの実施形態において、患者は、TNFアルファアンタゴニス
トによる治療を以前に受けた。
【0015】
本明細書でさらに開示するのは、0、2及び4週目に静脈内注射によって約10mg/
kgのセクキヌマブを患者に投与し、その後、8週目に開始して皮下注射によって約15
0mg又は約300mgのセクキヌマブを患者に投与することを含む、PsA患者におけ
る構造的損傷の進行を阻害する方法である。いくつかの実施形態において、患者は、TN
Fアルファアンタゴニストによる治療を以前に受けた。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】AIN457F2306試験デザインを示す図である。
図2A】米国リウマチ学会(ACR)反応のベースラインから24週目まで(プラセボ対照期)、及びベースラインにおいてセクキヌマブに無作為化された被験者については52週目までの時間的推移を示す図である。ACR反応基準の20%の改善を有する被験者(ACR20)の割合の時間的推移を示す。欠測データを24週目まで非反応者として帰属させ、観測データを24週目から52週目まで報告した。P<0.05、**P<0.01及び***P<0.001対プラセボ。
図2B】米国リウマチ学会(ACR)反応のベースラインから24週目まで(プラセボ対照期)、及びベースラインにおいてセクキヌマブに無作為化された被験者については52週目までの時間的推移を示す図である。ACR反応基準の50%の改善を有する被験者(ACR50)の割合の時間的推移を示す。欠測データを24週目まで非反応者として帰属させ、観測データを24週目から52週目まで報告した。P<0.05、**P<0.01及び***P<0.001対プラセボ。
図2C】米国リウマチ学会(ACR)反応のベースラインから24週目まで(プラセボ対照期)、及びベースラインにおいてセクキヌマブに無作為化された被験者については52週目までの時間的推移を示す図である。ACR反応基準の70%の改善を有する被験者(ACR70)の割合の時間的推移を示す。欠測データを24週目まで非反応者として帰属させ、観測データを24週目から52週目まで報告した。P<0.05、**P<0.01及び***P<0.001対プラセボ。
図3図3A-Bは、修正総シャープスコア(vdH-mTSS)のベースラインから24週目までの(プラセボ対照期)平均変化、及びベースラインからベースラインにおいてセクキヌマブに無作為化された被験者についての52週目までの平均変化を示す図である。24週目(図3A)および52週目(図3B)におけるvdH-mTSSのベースラインからの平均変化を示す。24週目における統計解析は、欠測データの線形外挿を用いた、ノンパラメトリックANCOVAモデルを用いて評価した。52週目までのデータは、ベースラインのみにおいてセクキヌマブに無作為化された被験者を表す。P<0.05対プラセボ。
図4A】生物製剤の投薬を受けたことがない被験者および生物製剤経験済み被験者における24週目までのACR反応を示す図である(非反応者帰属解析)。ACR反応基準の20%、50%及び70%の改善を有する被験者(それぞれACR20、ACR50及びACR70)の割合の時間的推移を、a)生物製剤の投薬を受けたことがない被験者(図4A)および生物製剤経験済み被験者(図4B)について示す。欠測データを非反応者として帰属させた。P<0.05、**P<0.01、***P<0.001対プラセボ。プラセボ群における反応者が存在しなかったため、生物製剤を経験した被験者における24週目のACR70反応についてプラセボとの統計的比較は、可能でなかった。
図4B】生物製剤の投薬を受けたことがない被験者および生物製剤経験済み被験者における24週目までのACR反応を示す図である(非反応者帰属解析)。ACR反応基準の20%、50%及び70%の改善を有する被験者(それぞれACR20、ACR50及びACR70)の割合の時間的推移を、a)生物製剤の投薬を受けたことがない被験者(図4A)および生物製剤経験済み被験者(図4B)について示す。欠測データを非反応者として帰属させた。P<0.05、**P<0.01、***P<0.001対プラセボ。プラセボ群における反応者が存在しなかったため、生物製剤を経験した被験者における24週目のACR70反応についてプラセボとの統計的比較は、可能でなかった。
図5A】併用MTXを用いた又は用いない被験者における24週目までのACR反応の時間的推移を示す図である(非反応者帰属解析)。ACR反応基準の20%、50%及び70%の改善を有する被験者(それぞれACR20、ACR50及びACR70)の割合の24週目までの時間的推移を、併用メトトレキセート治療を受けた被験者(図5A)及び併用MTXを受けなかった被験者(図5B)について示す。欠測データを非反応として帰属させた。P<0.05、**P<0.01、***P<0.001対プラセボ。
図5B】併用MTXを用いた又は用いない被験者における24週目までのACR反応の時間的推移を示す図である(非反応者帰属解析)。ACR反応基準の20%、50%及び70%の改善を有する被験者(それぞれACR20、ACR50及びACR70)の割合の24週目までの時間的推移を、併用メトトレキセート治療を受けた被験者(図5A)及び併用MTXを受けなかった被験者(図5B)について示す。欠測データを非反応として帰属させた。P<0.05、**P<0.01、***P<0.001対プラセボ。
図6】セクキヌマブ75mg及び150mgが24週目にvdH-mTSSにより測定された関節構造的損傷の進行を阻害するのにプラセボよりも優れていることを示す図である。全集団(FAS)。‡P<0.05対プラセボ。24週目における欠測値は、線形外挿により帰属させた。
図7】総vdH-mTSSスコアの24週目の累積分布プロットを示す図である。
図8】総vdH-mTSS進行の時間的推移を示す図である。
図9図9A-Bは、セクキヌマブがvdH-mTSSにより測定されたTNFの投薬を受けたことがない反応者(図9A)及びTNF不十分反応者(図9B)の両方における構造的損傷の有意な阻害を示すことを示す図である。
図10図10A-Bは、ベースラインから24週目まで(図10A)及び24週目から52週目まで(図10B)の2つの期間中のX線完了者(すなわち、ベースライン、16/24週目及び52週目にX線測定を受けた患者)のmTSSの平均(+標準偏差)変化を示す図である。IV、静脈内;mTSS、修正総シャープスコア;SC、皮下;SD、標準偏差。
【発明を実施するための形態】
【0017】
発明の詳細な説明
IL-17アンタゴニスト、例えば、セクキヌマブを用いて乾癬性関節炎(PsA)患
者における構造的損傷(例えば、骨及び/又は関節)を阻害する方法を提供することが本
開示の目的である。
【0018】
「を含む(comprising)」という用語は、「を含む(including)」並びに「からなる
」を含み、例えば、X「を含む(comprising)」組成物は、Xからもっぱらなっていても
よく又は別のもの、例えば、X+Yを含んでいてもよい。
【0019】
本明細書で用いているように、「構造的損傷の進行を阻害する」という語句は、「構造
的損傷の進行を妨げる」と同義であり、PsAに随伴する骨及び/又は関節損傷を低減す
ること、消失させること又は進行を遅らせることを意味するために用いられる。そのよう
な骨及び/又は関節損傷は、例えば、びらん、関節腔狭小化(JSN)、ペンシルインカ
ップ現象、拡大、狭窄、亜脱臼、骨増殖、骨溶解及び/又は関節強直を含む。PsA患者
における構造的損傷の進行を測定するための様々なX線写真採点法、例えば、修正Ste
inbrockerシャープ採点法、mTSS(vdH-mTSSとも呼ばれる)及びR
atingenスコアが存在する(例えば、van der Heijde (2005) Ann. Rheum. Dis. 6
4:ii61-ii64参照)。いくつかの実施形態において、mTSS(vdH-mTSSとも呼
ばれる)は、PsA患者における構造的損傷の進行を評価するために用いられる。いくつ
かの実施形態において、構造的損傷の進行の阻害は、<0.57、≦0.5、≦0.3、
≦0.25、≦0.20、≦0.15、≦0.13、≦0.10、≦0.05又は≦0.
02のvdH-mTSSのベースラインからの変化と定義され、この効果の長期間の維持
を含み得る。ベースラインからの変化は、あらゆる所定の時点、例えば、治療の開始後2
4週、治療の開始後52週に測定することができる。いくつかの実施形態において、構造
的進行の阻害は、ベースラインからの≦0.5のmTSSの変化と定義される。
【0020】
構造的損傷の進行の阻害は、特定の種類の骨及び関節損傷(例えば、びらん、関節腔狭
小化(JSN)、ペンシルインカップ現象、拡大、狭窄、亜脱臼、骨増殖、骨溶解及び/
又は関節強直)を解析することによっても評価することができる。いくつかの実施形態に
おいて、びらんの放射線撮像を用いてPsA患者における構造的損傷の進行を評価する。
いくつかの実施形態において、構造的損傷の進行の阻害は、<0.35、≦0.30、≦
0.25、≦0.2、≦0.15、≦0.1、≦0.08、≦0.05、≦0.03のび
らんスコアのベースラインからの変化と定義される。いくつかの実施形態において、JS
Nの放射線撮像を用いてPsA患者における構造的損傷の進行を評価する。いくつかの実
施形態において、構造的損傷の進行の阻害は、<0.23、≦0.20、≦0.15、≦
0.10、≦0.05又は≦0.02のJSNスコアのベースラインからの変化と定義さ
れる。
【0021】
放射線撮像に加えて、骨及び/又は関節構造の変化を視覚化するのに有用な他の方法は
、MRI及び超音波、例えば、パワードプラ・グレイスケール超音波(PDUS)を含む
。骨及び/又は関節構造の変化を評価するために用いられる採点システムは、医師により
選択される視覚化モードに依存し、PDUSが適用される場合、例えば、OMERACT
-EULAR複合PDUSスコアを用いて、滑膜の活動を評価することができる。
【0022】
数値xに関する「約」という用語は、例えば、+/-10%を意味する。数の範囲又は
数を列挙したものの前に用いられる場合、「約」という用語は、系列における各数に適用
され、例えば、「約1~5」という語句は、「約1~約5」と解釈すべきであり、又は例
えば、「約1、2、3,4」という語句は、「約1、約2、約3,約4、等」と解釈すべ
きである。
【0023】
「実質的に」という語は、「完全に」を除外しない。例えば、Yを「実質的に含まない
」組成物は、Yを完全に含まないことがあり得る。必要な場合、「実質的に」という語は
、本開示の定義から除くことができる。
【0024】
「抗体」という用語は、本明細書で用いているように、全抗体を指す。天然に存在する
「抗体」は、ジスルフィド結合により相互に連結された少なくとも2つの重(H)鎖及び
2つの軽(L)鎖を含む糖タンパク質である。各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書におい
てVと略記する)及び重鎖定常領域から構成されている。重鎖定常領域は、3つのドメ
インCH1、CH2及びCH3から構成されている。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書
においてVLと略記する)及び軽鎖定常領域から構成されている。軽鎖定常領域は、1つ
のドメインCLから構成されている。V及びV領域は、フレームワーク領域(FR)
と呼ばれているより保存的である領域により散在させられている超可変領域又は相補性決
定領域(CDR)と呼ばれている超可変の領域にさらに細分することができる。各V
びVは、次の順序でアミノ末端からカルボキシ末端へと配列している3つのCDR及び
4つのFRから構成されている:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR
3、FR4。重及び軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含む。抗体の
定常領域は、免疫系の様々な細胞(例えば、エフェクター細胞)及び古典的補体系の第1
成分(C1q)を含む宿主組織又は因子への免疫グロブリンの結合を媒介し得る。開示し
た方法、レジメン、キット、工程、使用及び組成物のいくつかの実施形態において、IL
-17又はIL-17受容体に対する抗体、好ましくはIL-17に対する抗体、例えば
、セクキヌマブを用いる。
【0025】
抗体の「抗原結合断片」という用語は、本明細書で用いているように、抗原(例えば、
IL-17)に特異的に結合する能力を保持している抗体の断片(単鎖を含む)を指す。
抗体の抗原結合機能は、全長抗体の断片により果たされ得ることが示された。抗体の「抗
原結合断片」という用語に含まれる結合断片の例としては、V、V、CL及びCH1
ドメインからなる一価断片であるFab断片、ヒンジ領域におけるジスルフィド架橋によ
り連結されている2つのFab断片を含む二価断片であるF(ab)2断片、V及びC
H1ドメインからなるFd断片、抗体の一本の腕のV及びVドメインからなるFv断
片、VドメインからなるdAb断片(Wardら、1989 Nature 341巻、544-546頁)並びに
単離CDRなどがある。具体例としての抗原結合部位は、配列番号1~6及び11~13
(表1)に示されているセクキヌマブのCDR、好ましくは重鎖CDR3などである。さ
らに、Fv断片の2つのドメインV及びVは、別個の遺伝子によりコードされるが、
それらは、V及びV領域が一対になって一価分子を形成している単一タンパク質鎖(
単鎖Fv(scFv)として公知である、例えば、Birdら、1988 Science 242巻、423-42
6頁、及びHustonら、1988 Proc. Natl. Acad. Sci. 85巻、5879-5883頁参照)として調製
されることを可能にする合成リンカーにより組換え法により連結することができる。その
ような単鎖抗体も「抗原結合断片」という語句の範囲内に含まれるものとする。単鎖抗体
及び他の抗原結合断片は、当業者に公知の従来技術を用いて得られる。
【0026】
「単離抗体」は、本明細書で用いているように、異なる抗原特異性を有する他の抗体を
実質的に含まない抗体を指す(例えば、IL-17に特異的に結合する単離抗体は、IL
-17以外の抗原に特異的に結合する抗体を実質的に含まない)。「モノクローナル抗体
」又は「モノクローナル抗体組成物」という用語は、本明細書で用いているように、単一
分子組成の抗体分子の製剤を指す。「ヒト抗体」という用語は、本明細書で用いているよ
うに、フレームワーク及びCDR領域の両方がヒト由来の配列に由来する可変領域を有す
る抗体を含むものとする。「ヒト抗体」は、ヒト、ヒト組織又はヒト細胞により産生され
る必要はない。本開示のヒト抗体は、ヒト配列によりコードされないアミノ酸残基(例え
ば、in vitroでのランダム若しくは部位特異的突然変異誘発により、抗体遺伝子
のin vivoでの組換え時に結合部位におけるN-ヌクレオチドの付加により、又は
in vivoでの体細胞突然変異により導入された突然変異)を含み得る。開示した工
程及び組成物のいくつかの実施形態において、IL-17抗体は、ヒト抗体、単離抗体及
び/又はモノクローナル抗体である。
【0027】
「IL-17」という用語は、以前はCTLA8として公知であったIL-17Aを指
し、様々な種(例えば、ヒト、マウス及びサル)の野生型IL-17A、IL-17Aの
多形変異体及びIL-17Aの機能的等価体を含む。本開示によるIL-17Aの機能的
等価体は、好ましくは野生型IL-17A(例えば、ヒトIL-17A)との少なくとも
約65%、75%、85%、95%、96%、97%、98%又はさらには99%の全配
列同一性を有し、ヒト皮膚線維芽細胞によるIL-6の産生を誘導する能力を実質的に保
持している。
【0028】
「K」という用語は、特定の抗体-抗原相互作用の解離速度を指すものとする。「K
」という用語は、本明細書で用いているように、KとKとの比(すなわち、K
)から得られ、モル濃度(M)として表される、解離定数を指すものとする。抗体の
値は、例えば、表面プラスモン共鳴又はバイオセンサーシステム(例えば、Biac
ore(登録商標))を用いて決定することができる。いくつかの実施形態において、I
L-17抗体若しくはその抗原結合断片、例えば、セクキヌマブは、約100~250p
MのKでヒトIL-17に結合する。
【0029】
「親和力」という用語は、単一抗原部位における抗体と抗原との間の相互作用の強さを
指す。各抗原部位内で、抗体の「腕」の可変領域は、多数の部位において抗原と弱い非共
有結合力により相互作用する。相互作用が大きいほど、親和力が強い。例えば、ELIS
A、ウエスタンブロット及びRIAなどの様々な種のIL-17に対する抗体の結合親和
力を評価するための標準的アッセイが当技術分野で公知である。抗体の結合速度論(例え
ば、結合親和力)もビアコア(Biacore(登録商標))解析などの当技術分野で公
知の標準的アッセイにより評価することができる。
【0030】
当技術分野で公知及び本明細書で述べる方法により測定されるこれらのIL-17機能
特性(例えば、生化学的、免疫化学的、細胞、生理学的又は他の生物学的活性又は同類の
もの)の1つ又は複数のものを「阻害する」抗体は、抗体が存在しない場合(又は無関係
の特異性の対照抗体が存在する場合)に認められるものと比較して特定の活性の統計的に
有意な低下に関連すると理解される。IL-17活性を阻害する抗体は、例えば、測定パ
ラメーターの少なくとも約10%、少なくとも50%、80%又は90%の統計的に有意
な低下をもたらし、開示した方法及び組成物の特定の実施形態において、用いるIL-1
7抗体は、IL-17機能活性の95%、98%又は99%以上を阻害し得る。
【0031】
「IL-6を阻害する」は、本明細書で用いているように、初代ヒト皮膚線維芽細胞か
らのIL-6の産生を減少させるIL-17抗体又はその抗原結合断片(例えば、セクキ
ヌマブ)の能力を指す。初代ヒト(皮膚)線維芽細胞におけるIL-6の産生は、IL-
17に依存する(Hwangら、(2004) Arthritis Res Ther、6巻、R120-128頁)。要するに
、ヒト皮膚線維芽細胞は、種々の濃度のIL-17結合性分子又はFc部を有するヒトI
L-17受容体の存在下で組換えIL-17により刺激される。キメラ抗CD25抗体S
imulect(登録商標)(バシリキシマブ)は、陰性対照として好都合に用いること
ができる。16時間の刺激後に上清を採取し、ELISAによりIL-6についてアッセ
イする。IL-17抗体若しくはその抗原結合断片、例えば、セクキヌマブは、上述のよ
うに試験するとき、すなわち、ヒト皮膚線維芽細胞におけるhu-IL-17により誘導
されたIL-6の産生に対する前記阻害活性を測定したとき、約50nM以下(例えば、
約0.01~約50nM)のIL-6の産生(1nMのヒトIL-17の存在下で)の阻
害に関するIC50を一般的に有する。開示した方法、使用及びキットのいくつかの実施
形態において、IL-17抗体若しくはその抗原結合断片、例えば、セクキヌマブ及びそ
の機能性誘導体は、約20nM以下、より好ましくは約10nM以下、より好ましくは約
5nM以下、より好ましくは約2nM以下、より好ましくは約1nM以下の上で定義した
IL-6の産生の阻害に関するIC50を有する。
【0032】
「誘導体」という用語は、特に示さない限り、アミノ酸配列変異体、並びに本開示によ
るIL-17抗体若しくはその抗原結合断片、例えば、セクキヌマブの、例えば、指定の
配列(例えば、可変ドメイン)の共有結合性修飾(例えば、ペグ化、脱アミド化、ヒドロ
キシル化、リン酸化、メチル化等)を定義するために用いる。「機能性誘導体」は、開示
したIL-17抗体と同様の定性的生物学的活性を有する分子を含む。機能性誘導体は、
本明細書で開示したIL-17抗体の断片及びペプチド類似体を含む。断片は、本開示に
よるポリペプチドの、例えば、指定の配列の配列内の領域を含む。本明細書で開示したI
L-17抗体の機能性誘導体(例えば、セクキヌマブの機能性誘導体)は、好ましくは本
明細書で開示したIL-17抗体及びその抗原結合断片のV及び/又はV配列(例え
ば、表1のV及び/又はV配列)と少なくとも約65%、75%、85%、95%、
96%、97%、98%若しくはさらには99%の全配列同一性を有するV及び/又は
ドメインを含み、ヒトIL-17に結合する又は例えば、IL-17誘導ヒト皮膚線
維芽細胞のIL-6産生を阻害する能力を実質的に保持する。
【0033】
「実質的に同じ」という語句は、関連するアミノ酸又はヌクレオチド配列(例えば、V
又はVドメイン)が特定の参照配列と比較して同じであるか又は微小な差を有する(
例えば、保存的アミノ酸置換による)ことを意味する。微小な差は、指定の領域(例えば
、V又はVドメイン)の5アミノ酸配列における1又は2置換などのわずかなアミノ
酸の変化を含む。抗体の場合、第2の抗体は、同じ特異性を有し、同じものの親和力の少
なくとも50%を有する。本明細書で開示した配列と実質的に同じ(例えば、少なくとも
約85%の配列同一性)配列も本出願の一部である。いくつかの実施形態において、誘導
IL-17抗体(例えば、セクキヌマブの誘導体、例えば、セクキヌマブバイオシミラー
抗体)の配列同一性は、開示した配列に対して約90%以上、例えば、90%、91%、
92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれより高い値
であり得る。
【0034】
天然ポリペプチド及びその機能性誘導体に関する「同一性」は、本明細書においては、
配列を整列させ、最大パーセントの同一性を達成するために、必要な場合にギャップを導
入した後、配列同一性の一部として保存的置換を考慮せずに、対応する天然ポリペプチド
の残基と同じである候補配列におけるアミノ酸残基の百分率と定義する。N又はC末端延
長も挿入も同一性を低下させると解釈しないものとする。整列の方法及びコンピュータプ
ログラムは、周知である。同一性のパーセントは、標準的整列アルゴリズム、例えば、Al
tshulら((1990) J. Mol. Biol.、215巻、403-410頁)により記載されたBasic Lo
cal Alignment Search Tool(BLAST)、Needlemanらの
アルゴリズム((1970) J. Mol. Biol.、48巻、444-453頁)又はMeyersらのアルゴリズム
((1988) Comput. Appl. Biosci.、4巻、11-17頁)により求めることができる。一組のパ
ラメーターは、ギャップペナルティ12、ギャップ延長ペナルティ4、フレームシフトギ
ャップペナルティ5を有するBlosum 62スコアリングマトリックスであってもう
よい。2つのアミノ酸又はヌクレオチド配列の間の同一性のパーセントは、PAM120
重み付き残基表、12のギャップ長ペナルティ及び4のギャップペナルティを用いたAL
IGNプログラム(version2.0)に組み込まれたE. Meyers及びW. Millerのア
ルゴリズム((1989) CABIOS、4巻、11-17頁)を用いて求めることもできる。
【0035】
「アミノ酸(単数又は複数)」は、すべての天然に存在するL-α-アミノ酸を指し、
また例えば、D-アミノ酸を含む。「アミノ酸配列変異体」という語句は、本開示による
配列と比較してそれらのアミノ酸配列の若干の差を有する分子を指す。例えば、指定の配
列の本開示による抗体のアミノ酸配列変異体は、ヒトIL-17に結合する、又は、例え
ば、IL-17誘導性ヒト皮膚線維芽細胞のIL-6の産生を阻害する能力を依然として
有する。アミノ酸配列変異体は、置換変異体(少なくとも1つのアミノ酸残基が除去され
、本開示によるポリペプチドにおける同じ位置におけるその位置に挿入された異なるアミ
ノ酸を有するもの)、挿入変異体(本開示によるポリペプチドにおける特定の位置におけ
るアミノ酸に直接隣接して挿入された1つ又は複数のアミノ酸を有するもの)、欠失変異
体(本開示によるポリペプチドにおける1つ又は複数のアミノ酸が除去されたもの)を含
む。
【0036】
本明細書で用いているように、「月1回」は、文脈上指示され得るように、30日又は
4週間を意味するように用いる。
【0037】
本明細書で用いているように、「生物製剤の投薬を受けたことがない」という語句は、
生物剤、例えば、ウステキヌマブ、TNFアルファ阻害薬等による治療を以前に受けなか
ったPsA患者を意味する。本明細書で用いているように、「生物製剤経験済み」という
語句は、PsA用生物剤、例えば、ウステキヌマブ、TNFアルファ阻害薬等による治療
を以前に受けたPsA患者を意味する。本明細書で用いているように、「TNFアンタゴ
ニストによる治療を以前に受けなかった」及び「TNFの投薬を受けたことがない」とい
う語句は、PsA用のTNFアルファ阻害薬による治療を以前に受けなかったPsA患者
を意味する。本明細書で用いているように、「TNFアンタゴニストによる治療を以前に
受けた」及び「TNF経験」という語句は、TNFアルファ阻害薬(例えば、インフリキ
シマブ、エタネルセプト、アダリムマブ、セルトリズマブ、ゴリムマブ)による治療を以
前に受けたPsA患者を意味する。それは、TNFアルファ阻害薬治療に不応性であった
又は不十分な反応を有していた患者、並びに安全性又は忍容性のためにTNFアルファ阻
害薬による治療を中止した患者を含む。「TNFアンタゴニストによる以前の治療に不十
分な反応を有していた」、「TNF不十分反応者」及び「TNF-IR」という語句は、
PsA用のTNFアルファ阻害薬(例えば、インフリキシマブ、エタネルセプト、アダリ
ムマブ、セルトリズマブ、ゴリムマブ)による治療を以前に受けたが、その症状(例えば
、皮膚及び/又は関節症状)がTNFアルファ阻害薬によって十分に制御されていなかっ
た患者(例えば、抗TNF薬剤の承認済み用量を用いた少なくとも4週間、少なくとも8
週間、少なくとも3カ月、少なくとも14週間又は少なくとも4カ月の治療にもかかわら
ず活動性PsAを有する患者)を意味する。開示した方法、キット、IL-17アンタゴ
ニスト及び使用のいくつかの実施形態において、患者は、生物製剤の投薬を受けたことが
ない、生物製剤経験済み、TNFの投薬を受けたことがない、TNF経験済み又はTNF
-IRである。
【0038】
本明細書で用いているように、患者に関して「選択する」及び「選択される」は、特定
の患者があらかじめ定められた基準を有することに基づいて(それにより)特定の患者が
患者のより大きい群から特に選択されることを意味するために用いられる。同様に、「選
択的に治療する」は、特定の疾患を有し、個々の患者があらかじめ定められた基準を有す
ることに基づいて患者のより大きい群から特別に選択される、患者に治療を提供すること
を意味する。同様に、「選択的に投与する」は、個々の患者があらかじめ定められた基準
を有することに基づいて(により)患者のより大きい群から特別に選択される患者に薬物
を投与することを意味する。選択する、選択的に治療する及び選択的に投与するとは、患
者が、患者が特定の疾患を有することに単に基づいて標準治療レジメンを提供されるので
はなく、患者の個人歴(例えば、事前の治療的介入、例えば、生物製剤による事前の治療
、例えば、TNFアルファアンタゴニストによる事前の治療)及び/又は生物学に基づい
て個別治療を提供されることを意味する。選択するは、治療の方法に関連して本明細書で
用いているように、特定の基準を有する患者の偶発的な治療を意味するのではなく、患者
が特定の基準を有することに基づいて患者に対する治療を施行する意図的な選択を意味す
る。したがって、選択的治療/投与は、患者の治療歴及び/又は生物学を問わず、所定の
疾患を有するすべての患者に特定の薬物を提供する、標準的治療/投与と異なっている。
【0039】
本明細書で用いているように、「患者がTNFアンタゴニストによる治療を以前に受け
たことに基づいて患者を治療に選択する」などは、特定の患者のTNFアンタゴニストへ
の事前の曝露に基づいて、特定のPsA患者をPsA患者のより大きい群から選択するこ
とを意味するように用いる。開示した方法、キット、IL-17アンタゴニスト及び使用
のいくつかの実施形態において、患者がTNFアルファアンタゴニストの投与を以前に受
けたことに基づいてPsA患者をIL-17アンタゴニスト(例えば、セクキヌマブ)に
よる治療に選択する。
【0040】
本明細書で用いているように、「DMARD」は、疾患修飾抗リウマチ薬、例えば、メ
トトレキセートを意味する。
【0041】
本明細書で用いているように、「活動性PsA」は、>3腫脹及び>3圧痛関節と定義
される、活動性乾癬性関節炎を意味する。いくつかの実施形態において、治療すべき患者
は、活動性PsAを有する。
【0042】
本明細書で用いているように、「随伴性乾癬」を有する患者は、尋常性乾癬をさらに有
するPsA患者を意味する。開示した方法、キット、IL-17アンタゴニスト及び使用
のいくつかの実施形態において、患者は、随伴性乾癬、例えば、随伴性の中等度から重度
の尋常性乾癬を有する。臨床医は、通常、中等度から重度の乾癬を、>10の皮膚疾患の
QOL評価指標(DLQI)を有することに加えて、乾癬面積の>10の体表面積(BS
A)及び>10の(PASI)の重症度指数を有する患者と定義する(例えば、Mrowietz
et al. (2011) Arch. Dermatol. Res. 303:1-10参照)。
【0043】
IL-17アンタゴニスト
様々な開示した方法、キット、及び方法は、IL-17アンタゴニスト、例えば、IL
-17結合性分子(例えば、可溶性IL-17受容体、IL-17抗体又はその抗原結合
断片、例えば、セクキヌマブ)又はIL-17受容体結合性分子(例えば、IL-17受
容体抗体又はその抗原結合断片)を利用する。いくつかの実施形態において、IL-17
アンタゴニストは、IL-17結合性分子、好ましくは、IL-7抗体又はその抗原結合
断片である。
【0044】
1つの実施形態において、IL-17抗体又はその抗原結合断片は、超可変領域CDR
1、CDR2及びCDR3を含む少なくとも1つの免疫グロブリン重鎖可変ドメイン(V
)を含み、前記CDR1は、アミノ酸配列配列番号1を有し、前記CDR2は、アミノ
酸配列配列番号2を有し、前記CDR3は、アミノ酸配列配列番号3を有する。1つの実
施形態において、IL-17抗体又はその抗原結合断片は、超可変領域CDR1’、CD
R2’及びCDR3’を含む少なくとも1つの免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン(VL’
)を含み、前記CDR1’は、アミノ酸配列配列番号4を有し、前記CDR2’は、アミ
ノ酸配列配列番号5を有し、前記CDR3’は、アミノ酸配列配列番号6を有する。1つ
の実施形態において、IL-17抗体又はその抗原結合断片は、超可変領域CDR1-x
、CDR2-x及びCDR3-xを含む少なくとも1つの免疫グロブリン重鎖可変ドメイ
ン(V)を含み、前記CDR1-xは、アミノ酸配列配列番号11を有し、前記CDR
2-xは、アミノ酸配列配列番号12を有し、前記CDR3-xは、アミノ酸配列配列番
号13を有する。
【0045】
1つの実施形態において、IL-17抗体又はその抗原結合断片は、少なくとも1つの
免疫グロブリン(Ig)Vドメイン及び少なくとも1つの免疫グロブリンVドメイン
を含み、a)Ig Vドメインは、(例えば、順に)i)超可変領域CDR1、CDR
2及びCDR3(前記CDR1は、アミノ酸配列配列番号1を有し、前記CDR2は、ア
ミノ酸配列配列番号2を有し、前記CDR3は、アミノ酸配列配列番号3を有する)又は
ii)超可変領域CDR1-x、CDR2-x及びCDR3-x(前記CDR1-xは、
アミノ酸配列配列番号11を有し、前記CDR2-xは、アミノ酸配列配列番号12を有
し、前記CDR3-xは、アミノ酸配列配列番号13を有する)を含み、b)Ig V
ドメインは、(例えば、順に)超可変領域CDR1’、CDR2’及びCDR3’(前記
CDR1’は、アミノ酸配列配列番号4を有し、前記CDR2’は、アミノ酸配列配列番
号5を有し、前記CDR3’は、アミノ酸配列配列番号6を有する)を含む。
【0046】
1つの実施形態において、IL-17抗体又はその抗原結合断片は、以下を含む。a)
配列番号8として示されるアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変ドメイン(V
、b)配列番号10として示されるアミノ酸配列を含むIg軽鎖可変ドメイン(V)、
c)配列番号8として示されるアミノ酸配列を含むIg Vドメイン及び配列番号10
として示されるアミノ酸配列を含むIg Vドメイン、d)配列番号1、配列番号2及
び配列番号3として示される超可変領域を含むIg Vドメイン、e)配列番号4、配
列番号5及び配列番号6として示される超可変領域を含むIg Vドメイン、f)配列
番号11、配列番号12及び配列番号13として示される超可変領域を含むIg V
メイン、g)配列番号1、配列番号2及び配列番号3として示される超可変領域を含むI
g Vドメイン並びに配列番号4、配列番号5及び配列番号6として示される超可変領
域を含むIg Vドメイン、又はh)配列番号11、配列番号12及び配列番号13と
して示される超可変領域を含むIg Vドメイン並びに配列番号4、配列番号5及び配
列番号6として示される超可変領域を含むIg Vドメイン。
【0047】
参照を容易にするために、Kabat定義に基づく、X線解析により測定した、またC
hothia及び共同研究者のアプローチを用いたセクキヌマブモノクローナル抗体の超
可変領域のアミノ酸配列を下の表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
好ましい実施形態において、定常領域ドメインも好ましくは、例えば、「Sequences of
Proteins of Immunological Interest」、Kabat E.A.ら、US Department of Health and
Human Services、Public Health Service、National Institute of Healthに記載されて
いる適切なヒト定常領域ドメインを含む。セクキヌマブのVLをコードするDNAを配列
番号9に示す。セクキヌマブのVをコードするDNAを配列番号7に示す。
【0050】
いくつかの実施形態において、IL-17抗体又はその抗原結合断片(例えば、セクキ
ヌマブ)は、配列番号10の3つのCDRを含む。他の実施形態において、IL-17抗
体又はその抗原結合断片は、配列番号8の3つのCDRを含む。他の実施形態において、
IL-17抗体又はその抗原結合断片は、配列番号10の3つのCDR及び配列番号8の
3つのCDRを含む。配列番号8及び配列番号10のCDRは、表1に見いだすことがで
きる。
【0051】
いくつかの実施形態において、IL-17抗体又はその抗原結合断片は、配列番号14
の軽鎖を含む。他の実施形態において、IL-17抗体又はその抗原結合断片は、配列番
号15の重鎖を含む。他の実施形態において、IL-17抗体又はその抗原結合断片は、
配列番号14の軽鎖及び配列番号15の重領域を含む。いくつかの実施形態において、I
L-17抗体又はその抗原結合断片は、配列番号14の3つのCDRを含む。他の実施形
態において、IL-17抗体又はその抗原結合断片は、配列番号15の3つのCDRを含
む。他の実施形態において、IL-17抗体又はその抗原結合断片は、配列番号14の3
つのCDR及び配列番号15の3つのCDRを含む。配列番号14及び配列番号15のC
DRは、表1に見いだすことができる。
【0052】
超可変領域は、好ましくはヒト由来のものであるが、あらゆる種類のフレームワーク領
域と会合させることができる。適切なフレームワーク領域は、Kabat E.A.ら、前出に記載
されている。好ましい重鎖フレームワークは、ヒト重鎖フレームワーク、例えば、セクキ
ヌマブ抗体の重鎖フレームワークである。それは、順に、例えば、FR1(配列番号8の
アミノ酸1~30)、FR2(配列番号8のアミノ酸36~49)、FR3(配列番号8
のアミノ酸67~98)及びFR4(配列番号8のアミノ酸117~127)領域からな
る。X線解析によるセクキヌマブの確定超可変領域を考慮に入れると、他の好ましい重鎖
フレームワークは、順に、FR1-x(配列番号8のアミノ酸1~25)、FR2-x(
配列番号8のアミノ酸36~49)、FR3-x(配列番号8のアミノ酸61~95)及
びFR4(配列番号8のアミノ酸119~127)領域からなる。同様に、軽鎖フレーム
ワークは、順に、FR1’(配列番号10のアミノ酸1~23)、FR2’(配列番号1
0のアミノ酸36~50)、FR3’(配列番号10のアミノ酸58~89)及びFR4
’(配列番号10のアミノ酸99~109)領域からなる。
【0053】
1つの実施形態において、IL-17抗体又はその抗原結合断片、例えば、セクキヌマ
ブは、少なくともa)順に超可変領域CDR1、CDR2及びCDR3を含む可変ドメイ
ン並びにヒト重鎖の定常部又はその断片を含む免疫グロブリン重鎖又はその断片(前記C
DR1は、アミノ酸配列配列番号1を有し、前記CDR2は、アミノ酸配列配列番号2を
有し、前記CDR3は、アミノ酸配列配列番号3を有する)、又はb)順に超可変領域C
DR1’、CDR2’及びCDR3’を含む可変ドメイン並びにヒト軽鎖の定常部又はそ
の断片を含む免疫グロブリン軽鎖又はその断片(前記CDR1’は、アミノ酸配列配列番
号4を有し、前記CDR2’は、アミノ酸配列配列番号5を有し、前記CDR3’は、ア
ミノ酸配列配列番号6を有する)を含むヒトIL-17抗体である。
【0054】
1つの実施形態において、IL-17抗体又はその抗原結合断片は、a)順に超可変領
域CDR1、CDR2及びCDR3を含む第1のドメイン(前記CDR1は、アミノ酸配
列配列番号1を有し、前記CDR2は、アミノ酸配列配列番号2を有し、前記CDR3は
、アミノ酸配列配列番号3を有する)、並びにb)順に超可変領域CDR1’、CDR2
’及びCDR3’を含む第2のドメイン(前記CDR1’は、アミノ酸配列配列番号4を
有し、前記CDR2’は、アミノ酸配列配列番号5を有し、前記CDR3’は、アミノ酸
配列配列番号6を有する)、並びにc)第1のドメインのN末端及び第2のドメインのC
末端又は第1のドメインのC末端及び第2のドメインのN末端に結合しているペプチドリ
ンカーを含む抗原結合部位を含む単鎖抗体又はその抗原結合断片から選択される。
【0055】
或いは、開示した方法に用いるIL-17抗体又はその抗原結合断片は、配列により本
明細書に示したIL-17抗体の誘導体(例えば、セクキヌマブのペグ化異形)を含み得
る。或いは、開示した方法に用いるIL-17抗体又はその抗原結合断片のV又はV
ドメインは、本明細書に示したV又はVドメイン(例えば、配列番号8及び10に示
すもの)と実質的に同じであるV又はVドメインを有し得る。本明細書で開示したヒ
トIL-17抗体は、配列番号15として示されているものと実質的に同じである重鎖及
び/又は配列番号14として示されているものと実質的に同じである軽鎖を含み得る。本
明細書で開示したヒトIL-17抗体は、配列番号15を含む重鎖及び配列番号14を含
む軽鎖を含み得る。本明細書で開示したヒトIL-17抗体は、a)配列番号8に示され
ているものと実質的に同じアミノ酸配列を有する可変ドメイン及びヒト重鎖の定常部を含
む1つの重鎖並びにb)配列番号10に示されているものと実質的に同じアミノ酸配列を
有する可変ドメイン及びヒト軽鎖の定常部を含む1つの軽鎖を含み得る。
【0056】
或いは、開示した方法に用いるIL-17抗体又はその抗原結合断片は、本明細書に示
した参照IL-17抗体のアミノ酸配列変異体であり得る。本開示はまた、セクキヌマブ
のV又はVドメイン(例えば、軽鎖のCys97)の1つ又は複数のアミノ酸残基、
一般的に少数のみの(例えば、1~10個)が、例えば、対応するDNA配列の突然変異
、例えば、部位特異的突然変異誘発により変化しているIL-17抗体又はその抗原結合
断片(例えば、セクキヌマブ)を含む。誘導体及び変異体のすべてのそのような事例にお
いて、IL-17抗体又はその抗原結合断片は、約50nM以下、約20nM以下、約1
0nM以下、約5nM以下、約2nM以下又はより好ましくは約1nM以下の前記分子の
濃度で約1nM(=30ng/ml)ヒトIL-17の活性を50%阻害し、前記阻害活
性は、国際公開第2006/013107号パンフレットの実施例1に記載されているよ
うにヒト皮膚線維芽細胞におけるhu-IL-17により誘導されるIL-6産生に基づ
いて測定される。
【0057】
いくつかの実施形態において、IL-17抗体又はその抗原結合断片、例えば、セクキ
ヌマブは、Leu74、Tyr85、His86、Met87、Asn88、Val12
4、Thr125、Pro126、Ile127、Val128、His129を含む成
熟ヒトIL-17のエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、IL-17抗
体、例えば、セクキヌマブは、Tyr43、Tyr44、Arg46、Ala79、As
p80含む成熟ヒトIL-17のエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、
IL-17抗体、例えば、セクキヌマブは、2つの成熟ヒトIL-17鎖を有するIL-
17ホモ二量体のエピトープに結合し、前記エピトープは、1つの鎖上のLeu74、T
yr85、His86、Met87、Asn88、Val124、Thr125、Pro
126、Ile127、Val128、His129及び他の鎖上のTyr43、Tyr
44、Arg46、Ala79、Asp80を含む。これらのエピトープを定義するのに
用いた残基番号付けスキームは、1つが成熟タンパク質の最初のアミノ酸である残基(す
なわち、23アミノ酸N末端シグナルペプチドを欠き、グリシンから始まるIL-17A
)に基づいている。未熟IL-17Aの配列は、Swiss-ProtエントリーQ16
552に示されている。いくつかの実施形態において、IL-17抗体は、約100~2
00pMのKを有する。いくつかの実施形態において、IL-17抗体は、約0.67
nMヒトIL-17Aの生物活性のインビトロ中和に関して約0.4nMのIC50を有
する。いくつかの実施形態において、皮下(s.c.)投与されたIL-17抗体の絶対
的生物学的利用能は、約60~約80%の範囲、例えば約76%を有する。いくつかの実
施形態において、例えば、セクキヌマブなどのIL-17抗体は、約4週間(例えば、約
23~約35日、約23~約30日、例えば、約30日)の消失半減期を有する。いくつ
かの実施形態において、IL-17抗体(例えば、セクキヌマブ)は、約7~8日のT
axを有する。
【0058】
開示した方法に用いる特に好ましいIL-17抗体若しくはその抗原結合断片は、ヒト
抗体、特に国際公開第2006/013107号パンフレットの実施例1及び2に記載さ
れているセクキヌマブである。セクキヌマブは、免疫媒介炎症性状態の治療の臨床試験に
現在供されているIgG1/カッパイソ型の組換え高親和性完全ヒトモノクローナル抗ヒ
トインターロイキン17A(IL-17A、IL-17)抗体である。セクキヌマブ(例
えば、国際公開第2006/013107号パンフレット及び国際公開第2007/11
7749号パンフレット参照)は、IL-17に対する非常に高い親和性、すなわち、約
100~200pMのK及び約0.4nMの約0.67nMヒトIL-17Aの生物学
的活性のin vitro中和のIC50を有する。したがって、セクキヌマブは、約1
:1のモル比で抗原を阻害する。この高い結合親和性のため、セクキヌマブが治療応用に
特に適する抗体となっている。さらに、セクキヌマブが、PsAのような生涯にわたる慢
性障害を治療する場合の特別に優れた特性である、投与の間に長い期間をおくことが可能
である、非常に長い半減期(約4週間)を有することが確認された。
【0059】
開示した方法、キット及びレジメンに用いる他の好ましいIL-17アンタゴニストは
、それらの全体として参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,767,20
6号明細書(国際公開第08054603号パンフレット)に記載されているブロアダル
マブ及び他のアンタゴニスト並びに米国特許第8,057,794号明細書、第8,00
3,099号明細書、第8,110,191号明細書及び第7,838,638号明細書
並びに米国特許出願公開第20120034656号明細書及び第2011002729
0号明細書に記載されているIL-17抗体である。
【0060】
治療の方法及びIL-17アンタゴニストの使用
開示したIL-17アンタゴニスト、例えば、IL-17結合性分子(例えば、IL-
17抗体又はその抗原結合断片、例えば、セクキヌマブ)又はIL-17受容体結合性分
子(例えば、IL-17抗体又はその抗原結合断片)は、in vitro、ex vi
voで用いることができ、又は医薬組成物に組み込み、個体(例えば、ヒト患者)にin
vivoで投与して、PsA患者、例えば、TNF阻害薬による治療を以前に受けなか
ったPsA患者(TNFの投薬を受けたことがない患者)及びTNF阻害薬による治療を
以前に受けたPsA患者、例えば、TNF阻害薬による治療を受けたが、それに対する不
十分な反応(例えば、失敗又は望ましい反応に満たない)を有していた患者(TNF-I
R患者)における構造的損傷の進行を阻害することができる。
【0061】
IL-17アンタゴニスト、例えば、IL-17結合性分子(例えば、IL-17抗体
若しくはその抗原結合断片、例えば、セクキヌマブ)又はIL-17受容体結合性分子(
例えば、IL-17受容体抗体若しくはその抗原結合断片)は、薬学的に許容される担体
と混合した場合、医薬組成物として用いることができる。そのような組成物は、IL-1
7アンタゴニストに加えて、担体、様々な希釈剤、充填剤、塩、緩衝剤、安定化剤、可溶
化剤及び当技術分野で周知の他の物質を含んでいてもよい。担体の特性は、投与経路に依
存する。開示した方法に用いる医薬組成物は、特定の標的障害の治療のための追加の治療
薬も含んでいてもよい。例えば、医薬組成物は、抗炎症薬も含んでいてもよい。そのよう
な追加の因子/薬剤は、IL-17結合性分子との相乗効果を産生するために又はIL-
17アンタゴニスト、例えば、IL-17結合性分子(例えば、IL-17抗体若しくは
その抗原結合断片、例えば、セクキヌマブ)又はIL-17受容体結合性分子(例えば、
IL-17受容体抗体若しくはその抗原結合断片)により引き起こされる副作用を最小限
にするために医薬組成物に含めることができる。
【0062】
開示した方法に用いる医薬組成物は、従来の方法で製造することができる。1つの実施
形態において、医薬組成物は、凍結乾燥体として提供する。即時投与のために、それを適
切な水性担体、例えば、滅菌注射用水又は滅菌緩衝生理食塩水に溶解する。ボーラス注射
ではなく注入による投与のためにより大きい容積の溶液を調製することが望ましいと考え
られる場合、ヒト血清アルブミン又は患者自身のヘパリン加血液を調合時に生理食塩水に
混入することが好都合であり得る。過剰なそのような生理的に不活性なタンパク質の存在
により、注入溶液とともに用いられる容器及びチューブの壁上への吸着による抗体の損失
が予防される。アルブミンを用いる場合、適切な濃度は、生理食塩溶液の0.5から4.
5重量%である。他の製剤は、液体又は凍結乾燥製剤を含む。
【0063】
抗体、例えば、IL-17に対する抗体は、一般的に非経口投与の準備が整った水性の
形で又は投与前の前に適切な希釈剤で再構成するための凍結乾燥体として製剤化される。
開示した方法及び使用のいくつかの実施形態において、IL-17アンタゴニスト、例え
ば、IL-17抗体、例えば、セクキヌマブを凍結乾燥体として製剤化する。適切な凍結
乾燥製剤は、皮下投与を可能にするために少量の液体(例えば、1ml)で再構成するこ
とができ、低レベルの抗体凝集を有する溶液となり得る。製品HERCEPTIN(商標
)(トラツズマブ)、RITUXAN(商標)(リツキシマブ)、SYNAGIS(商標
)(パリビズマブ)等を含む、医薬品の有効成分としての抗体の使用は、現在広く知られ
ている。医薬品用への抗体の精製の技術は、当技術分野で周知である。治療上有効量のI
L-17アンタゴニスト、例えば、IL-17結合性分子(例えば、IL-17抗体若し
くはその抗原結合断片、例えば、セクキヌマブ)又はIL-17受容体結合性分子(例え
ば、IL-17受容体抗体若しくはその抗原結合断片)を静脈内、皮膚又は皮下注射する
場合、IL-17アンタゴニストは、発熱物質不含有の非経口で許容できる溶液の形態で
ある。静脈内、皮膚又は皮下注射用の医薬組成物は、IL-17アンタゴニストに加えて
、塩化ナトリウム、リンゲル液、デキストロース、デキストロース及び塩化ナトリウム、
乳酸加リンゲル液などの等張性賦形剤又は当技術分野で公知の他の賦形剤を含み得る。
【0064】
適切な用量は、例えば、用いられる特定のIL-17アンタゴニスト、例えば、IL-
17結合性分子(例えば、IL-17抗体若しくはその抗原結合断片、例えば、セクキヌ
マブ)又はIL-17受容体結合性分子(例えば、IL-17受容体抗体若しくはその抗
原結合断片)、宿主、投与方法並びに治療される状態の性質及び重症度並びに患者が受け
た以前の治療の性質によって異なる。最終的には、医療提供者が個々の患者を治療するた
めのIL-17アンタゴニストの量を決定する。いくつかの実施形態において、医療提供
者は、低用量のIL-17アンタゴニストを投与し、患者の反応を観察することができる
。他の実施形態において、患者に投与するIL-17アンタゴニストの初回用量(単数又
は複数)は、高く、次いで、再発の徴候が発生するまで用量を下方調節する。患者にとっ
て最適な治療効果が得られるまで、より高い用量のIL-17アンタゴニストを投与する
ことができ、一般的に用量をさらに増加させない。
【0065】
本開示の治療の方法又は使用の一部を実施するに際して、治療上有効量のIL-17ア
ンタゴニスト、例えば、IL-17結合性分子(例えば、IL-17抗体若しくはその抗
原結合断片、例えば、セクキヌマブ)又はIL-17受容体結合性分子(例えば、IL-
17受容体抗体若しくはその抗原結合断片)を患者、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト)
に投与する。開示した方法がIL-17アンタゴニスト(例えば、セクキヌマブ)を用い
るPsA患者の治療を提供すると理解されるが、これは、患者をIL-17アンタゴニス
トにより最終的に治療すべきである場合、そのようなIL-17アンタゴニスト療法が必
然的に単剤療法であることを排除しない。実際、患者がIL-17アンタゴニストによる
治療に選択される場合、IL-17アンタゴニスト(例えば、セクキヌマブ)は、本開示
の方法に従って、単独で、又はPsA患者を治療するための他の薬剤及び療法と併用して
、例えば、免疫抑制薬、疾患修飾抗リウマチ薬(DMARD)(例えば、MTX)、疼痛
管理薬(例えば、トラマドール又はパラセタモール)、ステロイド(例えば、プレドニゾ
ン)、非ステロイド抗炎症薬(NSAID)、サイトカインアンタゴニスト、骨同化作用
薬、骨抗吸収薬及びそれらの組合せ(例えば、2剤及び3剤療法)などの少なくとも1つ
の追加のPsA薬と併用して投与することができる。1つ又は複数の追加の薬剤と併用投
与する場合、IL-17アンタゴニストを他の薬剤と同時に又は連続的に投与することが
できる。連続的に投与する場合、担当医は、他の薬剤と併用してIL-17アンタゴニス
トを投与する適切な順序並びに共送達のための適切な用量を決定する。
【0066】
PsA患者の治療のためのセクキヌマブとの併用に有用な非ステロイド抗炎症薬及び疼
痛管理薬は、プロピオン酸誘導体、酢酸誘導体、エノール酸誘導体、フェナム酸誘導体、
Cox阻害薬、例えば、ルミラコキシブ、イブプロフェン、フェノプロフェン、ケトプロ
フェン、フルルビプロフェン、オキサプロジン、インドメタシン、スリンダク、エトドラ
ク、ケトロラク、ナブメトン、アスピリン、ナプロキセン、バルデコキシブ、エトリコキ
シブ、MK0966;ロフェコキシブ、アセトミノフェン(acetominophen)、セレコキ
シブ、ジクロフェナク、トラマドール、ピロキシカム、メロキシカム、テノキシカム、ド
ロキシカム、ロルノキシカム、イソキシカム、メファナム酸、メクロフェナム酸、フルフ
ェナム酸、トルフェナム(tolfenamic)、バレデコキシブ、パレコキシブ、エトドラク、
インドメタシン、アスピリン、イブプロフェン、フィロコキシブを含む。PsA患者の治
療のための、IL-17アンタゴニスト、例えば、セクキヌマブとの併用に有用なDMA
RDは、メトトレキセート(MTX)、抗マラリア薬(例えば、ヒドロキシクロロキン及
びクロロキン)、スルファサラジン、レフルノミド、アザチオプリン、シクロスポリン、
金塩、ミノサイクリン、シクロホスファミド、D-ペニシラミン、ミノサイクリン、オー
ラノフィン、タクロリムス、ミオクリシン、クロラムブシルを含む。PsA患者の治療の
ための、IL-17アンタゴニスト、例えば、セクキヌマブとの併用に有用なステロイド
(例えば、グルココルチコイド)は、プレドニゾロン、プレドニゾン、デキサメタゾン、
コルチゾール、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、ベタメタゾン、
トリアムシノロン、ベクロメタソーム(beclometasome)、フルドロコルチゾン、デオキ
シコルチコステロン、アルドステロンを含む。
【0067】
PsA患者の治療のための、IL-17アンタゴニスト、例えば、セクキヌマブとの併
用に有用な生物学的薬剤は、アダリムマブ(Humira(登録商標))、エタネルセプ
ト(Enbrel(登録商標))、インフリキシマブ(Remicade(登録商標);
TA-650)、セルトリズマブペゴル(Cimzia(登録商標);CDP870)、
ゴリムマブ(Simponi(登録商標);CNTO148)、アナキナス(Kiner
et(登録商標))、リツキシマブ(Rituxan(登録商標);MabThera(
登録商標))、アバタセプト(Orencia(登録商標))、トシリズマブ(RoAc
temAS/Actemra(登録商標))、インテグリンアンタゴニスト(TYSAB
RI(登録商標)(ナタリズマブ))、IL-1アンタゴニスト(ACZ885(イラリ
ス)、AnakinAS(Kineret(登録商標)))、CD4アンタゴニスト、さ
らなるIL-17アンタゴニスト(LY2439821、RG4934、AMG827、
SCH900117、R05310074、MEDI-571、CAT-2200)、I
L-23アンタゴニスト、IL-20アンタゴニスト、IL-6アンタゴニスト、TNF
アルファアンタゴニスト(例えば、TNFアルファアンタゴニスト又はTNFアルファ受
容体アンタゴニスト、例えば、ペグスネルセプト等)、BLySアンタゴニスト(例えば
、アタシセプト、Benlysta(登録商標)/LymphoStat-B(登録商標
)(ベリムマブ))、P38阻害薬、CD20アンタゴニスト(オクレリズマブ、オファ
ツムマブ(Arzerra(登録商標)))、インターフェロンガンマアンタゴニスト(
ホントリズマブ)を含む。
【0068】
IL-17アンタゴニスト、例えば、セクキヌマブは、非経口的に、例えば、前肘若し
くは他の末梢静脈に静脈内に、筋肉内に又は皮下に好都合に投与される。本開示の医薬組
成物を用いる静脈内(i.v.)療法の継続期間は、治療される疾患の重症度並びに個々
の患者の状態及び個人的反応によって異なる。本開示の医薬組成物を用いる皮下(s.c
.)療法も考えられる。医療提供者は、本開示の医薬組成物を用いる、i.v.又はs.
c.療法の適切な継続期間及び療法の施行の時期を決定する。PsA患者を治療するため
の好ましい投与及び治療レジメン(誘導及び維持計画の両方を含む)は、用量及びレジメ
ンに関連するので参照により本明細書に組み込まれる、PCT出願番号PCT/米国特許
出願公開第2011/064307号明細書に提示されている。
【0069】
一実施形態において、IL-17アンタゴニスト(例えば、セクキヌマブ)を0、2及
び4週目に隔週で約10mg/kgで患者に静脈内(i.v.)投与し、その後、8週目
に開始して月1回約75mg~約300mg(例えば、約75mg、約150mg、約3
00mg)で患者に皮下(s.c.)投与する。この方法で、患者に0、2及び4週目に
約10mg/kgをi.v.投与し、次いで患者に8、12、16、20週目等に約75
mg~約300mg(例えば、約75mg、約150mg、約300mg)のIL-17
アンタゴニスト(例えば、セクキヌマブ)をs.c.投与する。
【0070】
別の実施形態において、IL-17アンタゴニスト(例えば、セクキヌマブ)を0、1
、2及び3週目に約75mg~約300mg(例えば、約75mg、約150mg、約3
00mg)で患者にs.c.投与し、その後、4週目に開始して月1回(4週ごとに)約
75mg~約300mg(例えば、約75mg、約150mg、約300mg)で患者に
s.c.投与する。この方法で、患者に0、1、2、3、4、8、12、16、20週目
等に約75mg~約300mg(例えば、約75mg、約150mg、約300mg)の
IL-17アンタゴニスト(例えば、セクキヌマブ)をs.c.投与する。
【0071】
或いは、IL-17アンタゴニスト、例えば、IL-17結合性分子(例えば、IL-
17抗体又はその抗原結合断片、例えば、セクキヌマブ)又はIL-17受容体結合性分
子(例えば、IL-17抗体又はその抗原結合断片)は、負荷投与レジメンなしに患者に
投与することができ、例えば、セクキヌマブを4週ごとに(月1回)約75mg~約30
0mg(例えば、約75mg、約150mg、約300mg)で患者にs.c.投与する
ことができる。この方法で、患者に0、4、8、12、16、20週目等に約75mg~
約300mg(例えば、約75mg、約150mg、約300mg)のIL-17アンタ
ゴニスト(例えば、セクキヌマブ)をs.c.投与する。
【0072】
特定の患者、例えば、IL-17アンタゴニスト、例えば、IL-17結合性分子(例
えば、IL-17抗体若しくはその抗原結合断片、例えば、セクキヌマブ)又はIL-1
7受容体結合性分子(例えば、IL-17受容体抗体若しくはその抗原結合断片)による
治療に対して不十分な反応を示す患者について用量の増加が必要であり得る(例えば、導
入及び/又は維持相中)ことは、理解されよう。したがって、セクキヌマブのs.c.用
量は、約75mg~約300mg(s.c.)より大きい、例えば、約80mg、約10
0mg、約125mg、約175mg、約200mg、約250mg、約350mg、約
400mg等であり得る。同様に、i.v.用量は、約10mg/kgより大きい、例え
ば、約11mg/kg、12mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/
kg、30mg/kg、35mg/kg等であり得る。特定の患者、例えば、有害事象又
はIL-17アンタゴニスト(例えば、セクキヌマブ)による治療に対して有害反応を示
す患者について用量の減少が必要であり得る(例えば、導入及び/又は維持相中)ことも
、理解されよう。したがって、セクキヌマブの用量は、約75mg~約300mg(s.
c.)未満、例えば、約25mg、約50mg、約80mg、約100mg、約125m
g、約175mg、約200mg、250mg等であり得る。同様に、i.v.用量は、
約10mg/kg未満、例えば、約9mg/kg、8mg/kg、5mg/kg、4mg
/kg、3mg/kg、2mg/kg、1mg/kg等であり得る。いくつかの実施形態
において、IL-17アンタゴニスト、例えば、IL-17結合性分子(例えば、IL-
17抗体又はその抗原結合断片、例えば、セクキヌマブ)又はIL-17受容体結合性分
子(例えば、IL-17受容体抗体又はその抗原結合断片)は、例えば、s.c.送達さ
れる75mg又は150mgの初回用量で患者に投与することができ、次いで、医師によ
り判断される通りに、必要な場合に用量を150mg又は300mgに増量する。
【0073】
いくつかの実施形態において、用いられる用量は、個々の患者ごとに指示される。例え
ば、いくつかの実施形態において、生物製剤(例えば、TNFアルファアンタゴニスト)
による治療に以前に失敗した、又は生物製剤(例えば、TNFアルファアンタゴニスト)
に対して以前に不十分に反応した、随伴性の中等度から重度尋常性乾癬を有する患者には
、好ましくは300mgの用量のIL-17抗体(セクキヌマブ)を投与する。
【0074】
投与の時期は、一般的にセクキヌマブの初回投与の当日(「ベースライン」としても公
知である)から測定する。しかし、医療提供者は、表2に示すように、投与計画を明らか
にするために異なる命名慣例をしばしば用いている。
【0075】
【表2】
【0076】
特に、0週目は、一部の医療提供者により1週目と呼ばれることがあり、一方、0日目
は、一部の医療提供者により1日目と呼ばれることがある。したがって、同じ当初計画に
言及していながら、異なる医師が例えば、3週目/21日目に、3週目/22日目に、4
週目/21日目に、4週目/22日目に投与を行うと指定する可能性がある。一貫性を期
すために、投与の最初の週は、本明細書で0週目と呼ぶものとし、一方、投与の最初の日
は、1日目と呼ぶものとする。しかし、この命名規則は、単に一貫性を期すために用いる
ものであり、限定的と解釈すべきでなく、すなわち、医師が特定の週を「1週目」又は「
2週目」と呼ぶかどうかを問わず、週1回の投与は、IL-17抗体の週1回の投与の規
定である。さらに、好ましい投与レジメンにおいて、抗体は、0、1、2、3、4、8、
12、16、20週目等に投与される。ある提供者は、このレジメンを5週間にわたる週
1回及び次に8週目に開始する、その後の月1回(又は4週ごと)の抗体の投与と呼ぶ可
能性があり、一方、他の提供者は、このレジメンを4週間にわたる週1回及び次に4週目
に開始する、その後の月1回(又は4週ごと)の抗体の投与と呼ぶ可能性がある。それに
もかかわらず、この異なる命名規則が同じレジメンを特定していることは、当業者により
十分に理解される。0、1、2、3及び4週目の週1回の投与とその後の4週ごとの投与
は、0、1、2及び3週目の週1回の投与とその後の4週目に開始する、4週ごとの投与
と同じレジメンであることは、当業者により十分に理解される。
【0077】
したがって、本明細書で開示するのは、IL-17アンタゴニストを、それを必要とす
る患者に投与することを含む、PsA患者における構造的損傷の進行を阻害する方法であ
る。また本明細書で開示するのは、IL-17アンタゴニストを、それを必要とする患者
に投与することを含む、PsA患者における活動性PsAの徴候及び症状を低減し、Ps
A患者における構造(例えば、骨及び/又は関節)損傷の進行を阻害し、PsA患者にお
ける身体機能を改善する方法である。上記の方法のいくつかの実施形態において、患者は
、生物製剤の投薬を受けたことがない。開示した使用、方法及びキットのいくつかの実施
形態において、患者は、生物製剤経験済みである。開示した使用、方法及びキットのいく
つかの実施形態において、患者は、TNFアルファアンタゴニストによる治療を以前に受
けなかった。開示した使用、方法及びキットのいくつかの実施形態において、患者は、T
NFアルファアンタゴニストによる治療を以前に受けた。開示した使用、方法及びキット
のいくつかの実施形態において、患者は、TNFアルファアンタゴニストによる以前の治
療に不十分な反応を有していた(TNF不十分反応者(TNF-IR))。開示した使用
、方法及びキットのいくつかの実施形態において、構造的損傷の進行の阻害は、van
der Heijde乾癬性関節炎修正総シャープスコア(mTSS)により測定される
。開示した使用、方法及びキットのいくつかの実施形態において、構造的損傷の進行の阻
害は、びらん及び関節腔狭小化(JSN)スコアにより測定される。開示した使用、方法
及びキットのいくつかの実施形態において、びらん、関節腔狭小化、ペンシルインカップ
現象、関節拡大、関節狭小化、亜脱臼、骨増殖、骨溶解及び/又は関節強直の進行が阻害
される。いくつかの実施形態において、開示した方法は、DMARD、例えば、MTXを
患者に投与することをさらに含む。開示した使用、方法及びキットのいくつかの実施形態
において、IL-17アンタゴニストを0、2及び4週目に隔週で約10mg/kgで患
者に静脈内(i.v.)投与し、その後は8週目に開始して月1回約75mg、約150
mg又は約300mgで患者に皮下(s.c.)投与する。開示した使用、方法及びキッ
トのいくつかの実施形態において、IL-17アンタゴニストを0、1、2及び3週目に
週1回約75mg、約150mg又は約300mgで患者にs.c.投与し、その後は4
週目に開始して月1回約75mg、約150mg又は約300mgで患者にs.c.投与
する。開示した使用、方法及びキットのいくつかの実施形態において、患者は、随伴性乾
癬を有する。開示した使用、方法及びキットのいくつかの実施形態において、構造的損傷
の進行の阻害は、≦0.5のmTSSのベースラインからの変化と定義される。開示した
使用、方法及びキットのいくつかの実施形態において、構造的損傷の進行の阻害は、≦0
.3のびらんスコアのベースラインからの変化と定義される。開示した使用、方法及びキ
ットのいくつかの実施形態において、構造的損傷の進行の阻害は、≦0.2のJSNスコ
アのベースラインからの変化と定義される。開示した使用、方法及びキットのいくつかの
実施形態において、患者は、患者がTNFアルファアンタゴニストによる治療を以前に受
けたことに基づいて治療に選択される。いくつかの実施形態において、TNFアルファア
ンタゴニストによる治療を以前に受けたことに基づいて患者にIL-17アンタゴニスト
(セクキヌマブ)を選択的に投与する。
【0078】
開示した使用、方法及びキットのいくつかの実施形態において、IL-17アンタゴニ
ストは、IL-17抗体又はその抗原結合断片である。開示した使用、方法及びキットの
いくつかの実施形態において、IL-17抗体又はその抗原結合断片は、a)Leu74
、Tyr85、His86、Met87、Asn88、Val124、Thr125、P
ro126、Ile127、Val128、His129を含むIL-17のエピトープ
に結合するIL-17抗体又はその抗原結合断片、b)Tyr43、Tyr44、Arg
46、Ala79、Asp80を含むIL-17のエピトープに結合するIL-17抗体
又はその抗原結合断片、c)2つの成熟IL-17タンパク質鎖を有するIL-17ホモ
二量体のエピトープに結合し、前記エピトープが1本の鎖上のLeu74、Tyr85、
His86、Met87、Asn88、Val124、Thr125、Pro126、I
le127、Val128、His129及び他の鎖上のTyr43、Tyr44、Ar
g46、Ala79、Asp80を含む、IL-17抗体又はその抗原結合断片、d)2
つの成熟IL-17タンパク質鎖を有するIL-17ホモ二量体のエピトープに結合し、
前記エピトープが1本の鎖上のLeu74、Tyr85、His86、Met87、As
n88、Val124、Thr125、Pro126、Ile127、Val128、H
is129及び他の鎖上のTyr43、Tyr44、Arg46、Ala79、Asp8
0を含む、約100~200pMのKを有し、約23~約35日のin vivo半減
期を有する、IL-17抗体又はその抗原結合断片、並びにe)i)配列番号8として示
されるアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変ドメイン(V)、ii)配列番号1
0として示されるアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン(V)、iii
)配列番号8として示されるアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVドメイン及び配列番
号10として示されるアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVドメイン、iv)配列番号
1、配列番号2及び配列番号3として示される超可変領域を含む免疫グロブリンVドメ
イン、v)配列番号4、配列番号5及び配列番号6として示される超可変領域を含む免疫
グロブリンVドメイン、vi)配列番号11、配列番号12及び配列番号13として示
される超可変領域を含む免疫グロブリンVドメイン、vii)配列番号1、配列番号2
及び配列番号3として示される超可変領域を含む免疫グロブリンVドメイン並びに配列
番号4、配列番号5及び配列番号6として示される超可変領域を含む免疫グロブリンV
ドメイン、viii)配列番号11、配列番号12及び配列番号13として示される超可
変領域を含む免疫グロブリンVドメイン並びに配列番号4、配列番号5及び配列番号6
として示される超可変領域を含む免疫グロブリンVドメイン、ix)配列番号14とし
て示されるアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖、x)配列番号15として示されるア
ミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖、又はxi)配列番号14として示されるアミノ酸
配列を含む免疫グロブリン軽鎖及び配列番号15として示されるアミノ酸配列を含む免疫
グロブリン重鎖を含むIL-17抗体又はその抗原結合断片からなる群から選択される。
開示した使用、方法及びキットのいくつかの実施形態において、IL-17抗体又はその
抗原結合断片は、セクキヌマブである。
【0079】
本明細書でさらに開示するのは、約75mg~約300mgのセクキヌマブを月1回患
者に投与することを含み、TNFアルファアンタゴニストによる治療を以前に受けた、P
sA患者における構造的損傷の進行を阻害する方法である。
【0080】
本明細書でさらに開示するのは、0、1、2及び3週目における初期投与とその後の4
週目に開始する月1回の投与により、約150mg又は約300mgのセクキヌマブを患
者に皮下注射により投与することを含む、TNFアルファアンタゴニストによる治療を以
前に受けた、PsA患者における構造的損傷の進行を阻害する方法である。
【0081】
本明細書でさらに開示するのは、0、2及び4週目に静脈内注射によって約10mg/
kgのセクキヌマブを患者に投与し、その後、8週目に開始して皮下注射によって約15
0mg又は約300mgmのセクキヌマブを患者に投与することを含む、TNFアルファ
アンタゴニストによる治療を以前に受けた、PsA患者における構造的損傷の進行を阻害
する方法である。
【0082】
本明細書でさらに開示するのは、TNFアルファアンタゴニストによる治療を以前に受
けた、PsA患者における構造的損傷の進行を阻害するための薬剤の製造に用いるIL-
17アンタゴニスト(例えば、セクキヌマブ)である。
【0083】
本明細書でさらに開示するのは、約75mg~約300mgのセクキヌマブを月1回患
者に投与することを含み、TNFアルファアンタゴニストによる治療を以前に受けたこと
に基づいて治療に選択される、PsA患者における構造的損傷の進行を阻害する方法であ
る。
【0084】
本明細書でさらに開示するのは、約75mg~約300mgのセクキヌマブを月1回患
者に選択的に投与することを含み、TNFアルファアンタゴニストによる治療を以前に受
けたことに基づいて治療に選択される、PsA患者における構造的損傷の進行を阻害する
方法である。
【0085】
本明細書でさらに開示するのは、容器を含むように処方され、各容器が単位用量当たり
少なくとも約75mg~約300mg(例えば、約75mg、約150mg、約300m
g)のIL-17アンタゴニスト(例えば、セクキヌマブ)の送達を可能にするのに十分
な量のIL-17アンタゴニストを有する、PsA患者(例えば、TNFアルファアンタ
ゴニストによる治療を以前に受けたPsA患者)における構造的損傷の進行を阻害するた
めの薬剤の製造に用いるIL-17アンタゴニスト(例えば、セクキヌマブ)である。
【0086】
本明細書でさらに開示するのは、容器を含むように処方され、各容器が単位用量当たり
少なくとも約75mg~約300mg(例えば、約75mg、約150mg、約300m
g)のIL-17アンタゴニスト(例えば、セクキヌマブ)の皮下送達を可能にするのに
十分な量のIL-17アンタゴニストを有する、PsA患者(例えば、TNFアルファア
ンタゴニストによる治療を以前に受けた患者)における構造的損傷の進行を阻害するため
の薬剤の製造に用いるIL-17アンタゴニスト(例えば、セクキヌマブ)である。
【0087】
本明細書でさらに開示するのは、容器を含むように処方され、各容器が単位用量当たり
少なくとも約10mg/kgの送達を可能にするのに十分な量のIL-17アンタゴニス
トを有する、PsA患者(例えば、TNFアルファアンタゴニストによる治療を以前に受
けた患者)における構造的損傷の進行を阻害するための薬剤の製造に用いるIL-17ア
ンタゴニスト(例えば、セクキヌマブ)である。
【0088】
本明細書でさらに開示するのは、単位用量当たり約10mg/kgの静脈内送達を可能
にする用量で処方されている、PsA患者(例えば、TNFアルファアンタゴニストによ
る治療を以前に受けた患者)における構造的損傷の進行を阻害するための薬剤の製造に用
いるIL-17アンタゴニスト(例えば、セクキヌマブ)である。
【0089】
本明細書で用いているように、「[指定の用量]の[投与経路]送達を可能にする投薬
量で処方された」という語句は、指定の投与経路(例えば、s.c.又はi.v.)によ
り所望の用量のIL-17アンタゴニスト、例えば、IL-17抗体、例えば、セクキヌ
マブを供給するために所定の医薬組成物を用いることができることを言うために用いられ
る。例として、所望の皮下用量が300mgである場合、臨床医は、150mg/mlの
濃度を有する2mlのIL-17抗体製剤、300mg/mlの濃度を有する1mlのI
L-17抗体製剤、600mg/mlの濃度を有する0.5mlのIL-17抗体製剤等
を用いることができる。そのような各場合において、これらのIL-17抗体製剤は、I
L-17抗体の皮下送達を可能にするのに十分に高い濃度である。皮下送達は、一般的に
約2ml未満の容積、好ましくは約1ml以下の容積の送達を必要とする。
【0090】
本明細書で用いているように、「[指定された用量]の送達を可能にするのに十分な量
のIL-17アンタゴニストを有する容器」は、所定の容器(例えば、バイアル、ペン、
注射器)が所望の用量を供給するために用いることができる容積のIL-17アンタゴニ
スト(例えば、医薬組成物の一部としての)をその中に配置したことを意味する。例とし
て、所望の用量が150mgである場合、臨床医は、75mg/mlの濃度を有するIL
-17抗体製剤を含む容器(例えば、薬剤充填済み注射器又は自動注入装置)から2ml
を、150mg/mlの濃度を有するIL-17抗体製剤を含む容器(例えば、薬剤充填
済み注射器又は自動注入装置)から1mlを、300mg/mlの濃度を有するIL-1
7抗体製剤を含む容器(例えば、薬剤充填済み注射器又は自動注入装置)から0.5ml
などを用いることができる。そのようなそれぞれの場合に、これらの容器(例えば、薬剤
充填済み注射器又は自動注入装置)は、所望の150mgの用量の送達を可能にするのに
十分な量のIL-17アンタゴニストを有する。
【0091】
本明細書で開示するのは、容器を含むように処方され、各容器が単位用量当たり少なく
とも約150mg~約300mgのIL-17アンタゴニスト(例えば、セクキヌマブ)
の送達を可能にするのに十分な量のIL-17アンタゴニストを有する、患者におけるP
sAの治療のための薬剤の製造のためのIL-17アンタゴニスト(例えば、セクキヌマ
ブ)である。
【0092】
本明細書で開示するのは、容器を含むように処方され、各容器が単位用量当たり少なく
とも約10mg/kgの送達を可能にするのに十分な量のIL-17アンタゴニスト(例
えば、セクキヌマブ)を有する、患者におけるPsAの治療のための薬剤の製造のための
IL-17アンタゴニスト(例えば、セクキヌマブ)である。
【0093】
本明細書で開示するのは、単位用量当たり約10mg/kgの静脈内送達を可能にする
用量で処方されている、患者におけるPsAの治療のための薬剤の製造のためのIL-1
7アンタゴニスト(例えば、セクキヌマブ)である。
【0094】
本明細書で開示するのは、単位用量当たり約150mg~約300mgのIL-17ア
ンタゴニストの皮下送達を可能にする用量で処方されている、PsAの治療のための薬剤
の製造のためのIL-17アンタゴニスト(例えば、セクキヌマブ)である。
【0095】
キット
本開示は、PsA患者における構造的損傷(例えば、骨及び関節)を予防するためのキ
ットも含む。そのようなキットは、IL-17アンタゴニスト、例えば、IL-17結合
性分子(例えば、IL-17抗体若しくはその抗原結合断片、例えば、セクキヌマブ)又
はIL-17受容体結合性分子(例えば、IL-17受容体抗体若しくはその抗原結合断
片)(例えば、液体若しくは凍結乾燥剤形の)又はIL-17アンタゴニストを含む医薬
組成物(上述の)を含む。さらに、そのようなキットは、IL-17アンタゴニストを投
与する手段(例えば、自動注入装置、注射器及びバイアル、前充填注射器、前充填ペン)
及び使用説明書を含み得る。これらのキットは、封入されたIL-17アンタゴニスト、
例えば、IL-17結合性分子、例えば、IL-17抗体、例えば、セクキヌマブと例え
ば、組み合わせて送達するためのPsAを治療するための追加の治療薬(上で述べた)を
含み得る。そのようなキットは、PsA患者(例えば、TNFの投薬を受けたことがない
及び/又はTNF-IR PsA患者)における構造的損傷の進行を阻害するためのIL
-17アンタゴニスト(例えば、IL-17抗体、例えば、セクキヌマブ)の投与に関す
る取扱説明書も含み得る。そのような取扱説明書は、封入されたIL-17アンタゴニス
ト、例えば、IL-17結合性分子、例えば、IL-17抗体、例えば、セクキヌマブと
ともに使用するための用量(例えば、10m/kg、75mg、150mg、300mg
)、投与経路(例えば、i.v.又はs.c.)及び投与レジメン(例えば、0、2及び
4週目に隔週で約10mg/kgをi.v.投与し、その後は8週目に開始して月1回約
75mg、約150mg若しくは約300mgでs.c.投与する;又は0、1、2及び
3週目に週1回約75mg、約150mg又は約300mgでs.c.投与し、その後は
4週目に開始して月1回約75mg、約150mg若しくは約300mgで患者にs.c
.投与する)を提供し得る。
【0096】
「投与する手段」という語句は、事前充填注射器、バイアル及び注射器、ペン型注射器
、自動注入装置(例えば、その中に注射器を備える)、点滴静注及びバッグ、ポンプ等を
含むが、これらに限定されない、患者に薬物を全身投与するための利用可能な器具又は容
器を示すために用いられる。そのような物品を用いて、患者が薬物を自己投与する(すな
わち、自身のために薬物を投与する)ことができ又は医師が薬物を投与することができる
【0097】
本明細書で開示するのは、IL-17アンタゴニスト(例えば、IL-17結合性分子
、例えば、IL-17抗体又はその抗原結合断片、例えば、セクキヌマブ)を含む、Ps
A患者における構造的損傷の進行を阻害するのに用いるキットである。いくつかの実施形
態において、キットは、IL-17アンタゴニストを患者に投与する手段をさらに含む。
いくつかの実施形態において、キットは、IL-17アンタゴニスト(例えば、IL-1
7結合性分子、例えば、IL-17抗体又はその抗原結合断片、例えば、セクキヌマブ)
を0、2及び4週目に隔週で約10mg/kgで患者(TNFの投薬を受けたことがない
及び/又はTNF経験)に静脈内(i.v.)投与すべきであり、その後は8週目に開始
して月1回約75mg~約300mg(例えば、約75mg、約150mg又は約300
mg)で患者に皮下(s.c.)投与すべきであることを示す、IL-17アンタゴニス
トの投与に関する取扱説明書をさらに含む。いくつかの実施形態において、キットは、I
L-17アンタゴニスト(例えば、IL-17結合性分子、例えば、IL-17抗体又は
その抗原結合断片、例えば、セクキヌマブ)を0、1、2及び3週目に週1回約75mg
~約300mg(例えば、約75mg、約150mg又は約300mg)で患者にs.c
.投与すべきであり、その後は4週目に開始して月1回約75mg~約300mg(例え
ば、約75mg、約150mg又は約300mg)で患者にs.c.投与すべきであるこ
とを示す、IL-17アンタゴニストの投与に関する取扱説明書をさらに含む。
【0098】
一般
開示した方法、治療、レジメン、使用及びキットの好ましい実施形態において、IL-
17アンタゴニストは、IL-17結合性分子である。好ましい実施形態において、IL
-17結合性分子は、IL-17抗体又はその抗原結合断片である。開示した方法、治療
、レジメン、使用及びキットの好ましい実施形態において、IL-17抗体又はその抗原
結合断片は、IL-17抗体又はその抗原結合断片は、a)Leu74、Tyr85、H
is86、Met87、Asn88、Val124、Thr125、Pro126、Il
e127、Val128、His129を含むIL-17のエピトープに結合するIL-
17抗体又はその抗原結合断片、b)Tyr43、Tyr44、Arg46、Ala79
、Asp80を含むIL-17のエピトープに結合するIL-17抗体又はその抗原結合
断片、c)2つの成熟IL-17タンパク質鎖を有するIL-17ホモ二量体のエピトー
プに結合し、前記エピトープが1本の鎖上のLeu74、Tyr85、His86、Me
t87、Asn88、Val124、Thr125、Pro126、Ile127、Va
l128、His129及び他の鎖上のTyr43、Tyr44、Arg46、Ala7
9、Asp80を含む、IL-17抗体又はその抗原結合断片、d)2つの成熟IL-1
7タンパク質鎖を有するIL-17ホモ二量体のエピトープに結合し、前記エピトープが
1本の鎖上のLeu74、Tyr85、His86、Met87、Asn88、Val1
24、Thr125、Pro126、Ile127、Val128、His129及び他
の鎖上のTyr43、Tyr44、Arg46、Ala79、Asp80を含む、IL-
17結合性分子が約100~200pMのKを有する、及び約23~約35日のin
vivo半減期を有する、IL-17抗体又はその抗原結合断片、並びにe)i)配列番
号8として示されるアミノ酸配列を含む免疫グロブリン(Ig)重鎖可変ドメイン(V
)、ii)配列番号10として示されるアミノ酸配列を含むIg軽鎖可変ドメイン(V
)、iii)配列番号8として示されるアミノ酸配列を含むIg Vドメイン及び配列
番号10として示されるアミノ酸配列を含むIg Vドメイン、iv)配列番号1、配
列番号2及び配列番号3として示される超可変領域を含むIg Vドメイン、v)配列
番号4、配列番号5及び配列番号6として示される超可変領域を含むIg Vドメイン
、vi)配列番号11、配列番号12及び配列番号13として示される超可変領域を含む
Ig Vドメイン、vii)配列番号1、配列番号2及び配列番号3として示される超
可変領域を含むIg Vドメイン並びに配列番号4、配列番号5及び配列番号6として
示される超可変領域を含むIg Vドメイン、viii)配列番号11、配列番号12
及び配列番号13として示される超可変領域を含むIg Vドメイン並びに配列番号4
、配列番号5及び配列番号6として示される超可変領域を含むIg Vドメイン、ix
)配列番号14として示されるアミノ酸配列を含むIg軽鎖、x)配列番号15として示
されるアミノ酸配列を含むIg重鎖、又はxi)配列番号14として示されるアミノ酸配
列を含むIg軽鎖及び配列番号15として示されるアミノ酸配列を含むIg重鎖を含むI
L-17抗体又はその抗原結合断片からなる群から選択される。
【0099】
開示した使用、方法及びキットの好ましい実施形態において、IL-17抗体又はその
抗原結合断片は、IgGイソ型のヒト抗体である。好ましい実施形態において、抗体又
はその抗原結合断片は、セクキヌマブである。好ましい実施形態において、IL-17抗
体、例えば、セクキヌマブは、液体医薬組成物(例えば、凍結乾燥体から再構成された又
は凍結乾燥体から再構成されなかった)として投与する。
【0100】
本開示の1つ又は複数の実施形態の詳細は、上の添付の説明に示されている。本明細書
で述べたものと類似の方法及び材料又は同等のものを本開示の実施又は試験に用いること
ができるが、好ましい方法及び材料をこれから述べる。本開示の他の特徴、目的及び利点
は、説明及び特許請求の範囲から明らかとなる。本明細書及び添付の特許請求の範囲にお
いて、単数形は、文脈上明らかに別途示されない限り、複数の指示対象を含む。別途定義
されない限り、本明細書で用いたすべての技術及び科学用語は、本開示が属する分野の技
術者により一般的に理解されているのと同じ意味を有する。本明細書で引用したすべての
特許及び刊行物は、参照により組み込まれる。以下の実施例は、本開示の好ましい実施形
態をより十分に例示するために示す。これらの実施例は、添付の特許請求の範囲により定
義されている、開示した患者事項(patient matter)の範囲を限定すると解釈すべきでは
ない。
実施例
【実施例1】
【0101】
概念実証PsA試験CAIN4572206
実施例1.1-試験デザインCAIN4572206
これは、臨床試験のための現在提唱されている分類基準(CASPAR)に基づく活動
性PsAの診断を有する患者の治療のための10mg/kgのAIN457の反復投与(
3週間おきに2回の注入)の無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同概念実証試験であ
った。以下の基準を満たす中等度から重度のPsAを有する患者を登録した:(i)乾癬
性関節炎の診断のCASPAR基準(Taylor Wetら(2006年) Arthritis Rheum、54巻、26
65~73頁);少なくとも3つの末梢関節の腫脹及び圧痛について修正を伴う、(ii)P
GA≧40、(iii)炎症性疼痛≧40、(iv)疾患が、最大耐量で少なくとも3カ
月間投与された少なくとも1つのDMARDで制御不十分である、(v)RF≦100I
U且つ陰性CCP ELISA試験。有効性の評価は、OMERACT8コンセンサスに
従った以下の適格評価ドメインに基づいていた:1.末梢関節障害(68/68関節数を
用いたACR反応基準、関節数に含めるべきDIP関節を用いるPsARC(Cleggら(19
96年) Arthritis Rheum、39巻、2013~20頁)、すなわち78/76関節数);DAS2
8;2.皮膚評価(PASIスコア)(Feldman及びKrueger(2005年) Ann. Rheum. Dis.
、64巻、ii65~ii68頁);3.疼痛(VAS);4.機能:SF36身体的側面;5.V
ASによる患者全般評価(PGA);及び6.HAQ。
【0102】
圧痛78関節数及び腫脹76関節数
足の遠位趾節間関節及び手の手根中手骨を68圧痛及び66腫脹関節の通常のACR関
節数に加えて、それぞれ78及び76関節数とした。したがって、圧痛について評価した
関節は、遠位趾節間、近位趾節間及び手の中手指節関節、及び足の中足指節関節、手根中
手骨及び手関節(別個に数えた)、肘、肩、肩峰鎖骨、胸鎖、股、膝、距骨-脛骨並びに
中足根関節を含んでいた。股関節を除くこれらのすべてを腫脹について評価する。関節の
圧痛及び腫脹は、存在(1)又は非存在(0)と採点するものとする。ACR採点システ
ムにおける他の個々の要素、患者疼痛のVASスコア、患者全般評価、医師全般評価、健
康評価質問票(HAQ)並びに急性期反応物質、C反応性タンパク質(CRP)又は赤血
球沈降速度(ESR)は、慢性関節リウマチの標準試験に用いられている方法から変更し
ない。ACR20、50又は70反応を達成するために、圧痛及び腫脹関節数並びに個々
の要素(患者疼痛のVASスコア、医師及び患者全般評価、障害尺度(HAQ)及び急性
期反応物質(ESR又はCRP))の5スコアのうちの3つのそれぞれ少なくとも20%
、50%又は70%の改善。
【0103】
ACR及びPsARCに加えて、圧痛及び腫脹についての以下の28関節の評価に基づ
いてDAS28を計算する:中手指節I~V(10)、母指の指節間(2)、手の近位指
節間II~V(8)、手根(2)、肘(2)、肩(2)及び膝(2)。
【0104】
ACR20、ACR50、ACR70反応者の定義
以下の3つの条件に当てはまる場合、及び場合にのみ、被験者は、ACR20反応者と
定義される:1.被験者が圧痛関節の数の≧20%の改善を有する(68関節に基づく)
;2.被験者が腫脹関節の数の≧20%の改善を有する(66関節に基づく);3.被験
者が以下の5つのドメインの3つの≧20%の改善を有する:
・患者全般評価(VASスケール(0~100)上で測定)
・医師全般評価(VASスケール(0~100)上で測定)
・疼痛(VASスケール(0~100)上で測定)
・障害(健康評価質問票により測定)
・急性期反応物質(CRPにより測定)
【0105】
ACR50及びACR70反応者は、それぞれ≧50%及び≧70%の改善により同様
な方法で定義する。
【0106】
PsARC反応者の定義
被験者が以下の4つの因子のうちの2つの改善(少なくとも1つの因子が関節数である
)を有し、残りの因子の悪化がない場合、及び場合にのみ、被験者は、PsARC反応者
と定義される:
・患者全般評価(0~100VASスケール、少なくとも20単位の減少と定義される
改善)、
・医師全般評価(0~100VASスケール、少なくとも20単位の減少と定義される
改善)、
・圧痛78関節数(少なくとも30%の減少と定義される改善)、
・腫脹76関節数(少なくとも30%の減少と定義される改善)。
4つの反応者の定義のそれぞれに適合する被験者の割合を治療群及び時点別に要約する。
時間に対するこれらの割合のプロットを示す。
【0107】
DAS28スコア
DAS28スコアは、以下の式を用いて求める:DAS28=0.56*√(圧痛28
)+0.28√(腫脹28)+0.36*loge(CRP+1)+0.014*GH+
0.96、ここで圧痛28=圧痛関節数(28関節に基づく)、腫脹28=腫脹関節数(
28関節に基づく)、CRP=C反応性タンパク質(mg/Lで測定)及びGH=患者全
般評価(VASスケール(0~100)上で測定)である。
【0108】
疼痛強度の患者の評価
疼痛の患者の評価は、無痛から耐え難い疼痛までに及ぶ100mm VASを用いて行
った。治験責任医師の施設においてスケールの左端からのmm単位の距離を測定し、値を
eCRFに入力した。
【0109】
疾患活動性の患者の全般評価
疾患活動性の患者の全般評価は、「この1週間にあなたの健康全般はどの程度深刻な影
響を受けましたか」という質問の後に、深刻でないから非常に深刻までに及ぶ100mm
VASを用いて行った。治験責任医師の施設においてスケールの左端からのmm単位の
距離を測定し、値をeCRFに入力した。
【0110】
疾患活動性の医師の全般評価
疾患活動性の医師の全般評価は、「疾患があなたの患者に影響を与えるすべての状態を
考慮して、彼又は彼女の今日の状態がどの程度良好であるかについてスケール上に線を引
いてください」という質問の後に、無疾患活動性から最大疾患活動性までに及ぶ100m
m VASを用いて行った。客観性を向上させるために、医師は、当該患者に関する彼自
身の評価を実施するときに、疾患活動性の特定の患者の全般評価を知っていてはならない
。次いで、治験責任医師は、スケールの左端からのmm単位の距離を測定し、値をeCR
Fに入力した。
【0111】
C反応性タンパク質(CRP)
炎症の存在を明らかにし、その重症度を判定し、治療に対する反応をモニターするため
に、この評価のための血液を得た。この試験の結果は非盲検試験担当者によるものであり
得るので、中央施設からの結果は、スクリーニング及びベースラインのみのために提供す
る。治療期間中に収集された試料からのCRP結果は、データベースロックの後にのみ明
らかにした。
【0112】
赤血球沈降速度(ESR)
炎症性疾患の診断に有用であり、疾患活動性及び治療に対する反応をモニターするのに
用いられる、ESRを測定するために血液を得た。ESRは、中央施設により供給された
標準キットを用いて現地で測定した。
【0113】
疾患活動性スコア28(DAS28)及び寛解状態にある患者
DAS28は、記載されたように計画された評価に従って実施する(Aletaha D、Smole
n J(2005年) Clin. Exp. Rheumatol、23巻(5 Suppl 39)、S100~S108頁、Aletahaら(2005
年) Arthritis Rheum.、52巻(9号)、2625~36頁)。寛解状態(DAS28≦2.6)に
ある患者の割合は、6及び24週目/試験の終了時に測定した。
【0114】
Mastricht強直性脊髄炎付着部スコア(MASES)
Mastricht強直性脊髄炎付着部スコア(MASES)(Heuft-Dorenbosch Lら
(2003年) Ann Rheum Dis、62巻、127~32頁、Gladman DD(2007年) Curr Rheumatol Rep、
9巻、455~60頁)は、Mander指標から構築され、13部位の評価を含む。MASE
S指標に含まれる付着部炎部位は、第1肋軟骨、第7肋軟骨、上後腸骨棘、上前腸骨棘、
腸骨稜(上記のすべてを両側評価)、第5腰椎棘突起、近位アキレス(両側)である。
【0115】
SPARCC(SpAカナダ研究コンソーシアム)
SPARCC(SpAカナダ研究コンソーシアム)(Maksymowychら(2003年) J. Rheum
atology、30巻、1356~63頁)は、上腕骨の内側及び外側上顆、棘上窩付着部、近位アキ
レス、大転子、大腿骨の内側及び外側顆、足底筋膜の付着部、膝蓋の大腿四頭筋付着部、
膝蓋の下極、脛骨結節の18付着部位を評価する。
【0116】
Leeds指炎評価尺度(LDI)
Leeds指炎評価尺度(LDI)(Helliwellら(2005年) J Rheumatol、32巻、1745
~50頁)は、指炎を定義する10%の最小差を用いる、罹患指の周囲の長さと反対側の手
又は足の指の周囲の長さとの比の基礎尺度である。周囲長の比に、二値スコア(圧痛に対
して1、非圧痛に対して0)であるLDIの修正を用いた圧痛スコアを乗ずる。両側が罹
患していると考えられる場合、数を表に示されているデータと比較する。この修正は、L
DI基礎と呼び、本試験に適用する。LDIは、指周囲長を測定するための器具を必要と
する(www.rehaboutlet.com、Miami、FL、USAから入手可
能)。
【0117】
乾癬の面積及び重症度指標(PASI)
PASI(Feldman及びKrueger(2005年) Ann. Rheum. Dis.、64巻、ii65~ii68頁)は
、4か所の体表部位(頭部、体幹並びに上及び下肢)における乾癬の範囲並びにプラーク
紅斑、落屑及び厚さの程度を評価するものである。PASIスコアは、紅斑、落屑及び厚
さによる罹患した体表面積の程度並びにこれらの尺度の重症度からなる。スコアの範囲は
、0(疾患なし)から72(最大疾患)までである。
【0118】
実施例1.2-セクキヌマブはPsAの徴候及び症状を改善する
CAIN4572206では、PsAの治療の新規な標的であるインターロイキン17
Aを阻害するセクキヌマブの安全性及び予備的有効性を評価した。CASPAR基準を満
たしていた活動性PsAを有する42例の患者を3週間おきに行われたセクキヌマブ(1
0mg/kg)又はプラセボの2回の注射を受けるように2:1に無作為化した。主要な
有効性エンドポイントは、実薬対プラセボにおける6週目におけるACR20反応者の割
合であった(片側p<0.01)。35例(83.3%)の患者(セクキヌマブ投与25
例、プラセボ投与10例)が試験を完了した。5例の患者(セクキヌマブ4例、プラセボ
1例)は、プロトコール違反のため有効性解析から除外し、7例(セクキヌマブ3例、プ
ラセボ4例)は、有効性の欠如又は同意の撤回のため早期に試験を中止した。以下のパラ
メーターを含む人口統計及びベースライン特性は、群間で均衡が保たれていた:平均値±
SD SJC(セクキヌマブ対プラセボ):8.3±5.6対9.5±5.4;TJC2
3.5±19.4対22.6±11.0;DAS28 4.8±1.2対4.8±1.2
;MASES 3.0±4.1対3.4±2.3。共存性乾癬、事前のTNFi曝露及び
DMARDSとの併用薬が、それぞれセクキヌマブ投与の23例、11例及び21例の患
者に、プラセボ投与の11例、5例及び10例の患者に存在していた。セクキヌマブ対プ
ラセボ投与でのACR20反応者は、6週目に39%対23%(P=0.27)、12週
目に39%対15%、28週目に43%対18%であった。セクキヌマブ対プラセボ投与
でのACR50及びACR70反応者は、6週目にそれぞれ17%対8%及び9%対0%
であった。6週目におけるCRPの減少は、セクキヌマブ投与(ベースライン対6週目に
おける中央値[範囲]:4.9[0.3、43.0]対3.0[0.2、15.2])で
プラセボ投与(6.2[1.3、39.7]対5.0[0.8、29.6])より大きか
った。
【0119】
有害事象(AE)の総発生率は、セクキヌマブ26件(93%)対プラセボ11件(7
9%)で同等であった。7重篤なAEは、4例のセクキヌマブ患者及びプラセボにおける
1例に報告された。感染は、セクキヌマブ投与の16例(57%)の患者及びプラセボ投
与の7例(50%)で報告された。結論として、患者は、28週目まで臨床的スコア及び
CRPレベルの迅速且つ持続的改善を示したが、主要エンドポイントは満たされなかった
。セクキヌマブの安全性プロファイルは、好ましいものであった。
【実施例2】
【0120】
PsAにおけるAIN457F2306(FUTURE1)試験のセクキヌマブ結果
実施例2.1: FUTURE1の概要
この二重盲検第3相試験において、606例の被験者をi.v.セクキヌマブ10mg
/kg(0、2、4週目)とそれに続く4週ごとのs.c.セクキヌマブ150mg(セ
クキヌマブ10mg/kg i.v.→150mg s.c.)若しくは75mg(セク
キヌマブ10mg/kg i.v.→75mg s.c.)又は同じ投与計画によるプラ
セボに無作為化した(1:1:1)。主要エンドポイントは、24週目における米国リウ
マチ学会反応基準の20%の改善(ACR20)であった。
【0121】
24週目におけるACR20反応率は、セクキヌマブ10mg/kg i.v.→15
0mg s.c.(50.0%)及びセクキヌマブ10mg/kg i.v.→75mg
s.c(50.5%)でプラセボ(17.3%;P<0.001)と比べて有意に高く
、1週目という早期に有意な改善が認められた。ACR50及びACR70反応率もセク
キヌマブでより高かった。改善は、生物製剤の投薬を受けたことがない被験者及び生物製
剤に対する以前の不十分な反応を有していた被験者の両方に認められた。セクキヌマブは
、プラセボと比較して24週目におけるX線写真上の疾患の進行を有意に阻害した(P<
0.05)。24週目におけるセクキヌマブによる有意な改善は、皮膚乾癬、付着部炎、
指炎、疾患活動性スコア、身体機能及び生活の質についても観察された。改善は、52週
目まで持続した。セクキヌマブは、一般的に忍容性が良好であり、予想しない安全性所見
は認められなかった。
【0122】
セクキヌマブは、X線写真上の進行を含む、乾癬性関節炎の重要な臨床ドメインの迅速
、有意且つ持続的な改善をもたらし、この疾患の状況においてインターロイキン17Aが
治療標的として妥当であることが確認された。
【0123】
実施例2.2: FUTURE1の詳細な考察
被験者は、18歳以上であり、乾癬性関節炎の分類基準[CASPAR](Taylor et
al. (2006) Arthritis Rheum 2006;38:727-35)に従った乾癬性関節炎の診断並びに非ス
テロイド抗炎症薬、疾患修飾抗リウマチ薬及び/又はTNF阻害薬による治療にもかかわ
らず、3つ以上の圧痛関節及び3つ以上の腫脹関節を有すると定義される、活動性疾患を
有していた。用量が安定していた場合、併用経口コルチコステロイド(1日当たり≦10
mgプレドニゾン又は同等品)及びメトトレキセート(1週当たり≦25mg)は、許容
した。以前にTNF阻害薬の投与を受けた被験者(生物製剤経験済み)は、不十分反応を
経験又は安全性若しくは忍容性に関する理由のため治療を中止していなければない。
【0124】
重要な除外基準は、TNF阻害薬以外の生物学的免疫調節薬による事前の療法;3種の
異なるTNF阻害薬による治療;乾癬性関節炎以外の活動性炎症性疾患;無作為化の前の
2週間における活動性感染、又は持続性、慢性若しくは再発性感染の病歴を含んでいた。
【0125】
4週間のスクリーニング期間の後、被験者を2つのセクキヌマブ治療群又はプラセボの
1つに1:1:1の比で無作為化した。試験デザインを図1に示す。セクキヌマブ治療被
験者は、ベースライン(0週目)並びに2及び4週目に10mg/kgの静脈内投与を受
け、続いてセクキヌマブ150mg(セクキヌマブ10mg/kg i.v.→150m
g s.c.)又は75mg(セクキヌマブ10mg/kg i.v.→75mg s.
c.)のその後4週ごとの皮下投与を受けた。プラセボ群における被験者は、同じ静脈内
及び皮下投与計画に従って治療を受けた。16週目に、すべての被験者を圧痛及び腫脹関
節数のベースラインからの少なくとも20%の改善と定義される、反応者、又は非反応者
と分類した(盲検法で)。プラセボを投与した被験者は、16週目(非反応者)又は24
週目(反応者)から4週ごとの皮下セクキヌマブ150mg又は75mgの投与を受ける
ように再無作為化した(1:1)。被験者を事前のTNF阻害薬曝露に従って層別化し、
被験者の約70%が生物製剤の投薬を受けたことがないことが要求された。
【0126】
有効性及び安全性評価は、52週目まで各治験来院時に実施した。主要有効性エンドポ
イントは、24週目における米国リウマチ学会反応基準の20%の改善(ACR20;Fe
lson et al. Arthritis Rheum 1995;38:727-35)を達成する被験者の割合であった。24
週目における副次的有効性評価には、ACR50反応;ベースラインにおいて乾癬に罹患
した少なくとも3%の体表面積を有する被験者のサブグループにおける乾癬の面積及び重
症度指標(Psoriasis Area-and-Severity Index)ス
コアの75%及び90%の改善(PASI 75及びPASI 90;Weisman et al. J
Dermatolog Treat. 2003;14:158-65);ベースラインにおいてこれらの特性を有する被
験者における指炎(指炎関節数により評価)及び付着部炎(4ポイント付着部炎指数によ
り評価)の存在;C反応性タンパク質を用いる28関節疾患活動性スコア(DAS28-
CRP;Wells et al. Ann Rehum Dis 2009;68:954-60)のベースラインからの変化;3
6項目簡易型健康調査票(Medical Outcomes Study 36-It
em Short-Form Health Survey)(SF-36)versi
on 2[Ware et al. Med Care 1992;30:473-83]を用いて評価した生活の質;健康評
価質問票障害指数(Health Assessment Questionnaire
Disability Index)(HAQ-DI;Fries et al. Arthritis Rheum
1980:23:137-45)を用いて評価した身体機能を含めた。X線写真上の進行は、van
der Heijde乾癬性関節炎修正総シャープスコア(mTSS、vdH-mTSS
;van der Heijde et al. Arthritis Rheum 2005;52:49-60)を用いて評価した。手/手
首及び足のX線写真上の評価は、ベースライン時、16又は24週目(反応に応じて)及
び52週目に実施した。画像は、中央で2人の独立判定者により評価された。探索的有効
性評価には、24週目におけるACR70反応率並びにびらん及び関節腔狭小化のX線写
真上の評価、並びに経時的及び24週目を超える各有効性エンドポイントの評価を含めた
。以前の生物製剤療法に基づく事前に指定されたサブグループ解析は、重要な有効性エン
ドポイントについて実施した。薬物動態学的測定を含む、いくつかの他の探索的評価を実
施したが、本明細書では述べない。
【0127】
安全性は、有害事象、重篤な有害事象並びに通常の血液学的及び臨床検査値により評価
した。国立がん研究所の有害事象共通用語規準(Common Terminology
Criteria for Adverse Events)、version 4.
0を用いて、有害事象の重症度を等級付けた。潜在的な主要有害心イベントは、独立専門
家委員会によって判定された。
【0128】
600例の被験者の標本の大きさは、0.05の両側第I種過誤アルファでACR20
反応率の27%の改善を検出する99%の検出力を有すると推定された。24週目におけ
る有効性評価のために、統計解析では、2値変数については非反応者データ帰属を、連続
変数については混合効果反復測定モデルを、X線写真上のデータについては線形外挿を用
い、多重性を調整するための既定義階層仮説検定戦略に従った。観測データは、特に示さ
ない限り、24週目の後に報告する。安全性解析には、治験薬の少なくとも1回の投与を
受けた、試験に無作為化されたすべての被験者を含めた。
【0129】
合計817例の被験者をスクリーニングし、そのうちの606例が無作為化を受け(試
験アーム当たりn=202)、553例(91.3%)の被験者が24週間の評価期間を
完了し、515例(85.0%)が52週間の試験期間を完了した。
【0130】
ベースライン背景情報、疾患特性及び事前又は併用薬物使用は、試験群にわたって同様
であった(表3)。無作為化被験者の約半数(53.6%)が体表面積の少なくとも3%
を罹患させた乾癬を有し、53.4%が指炎を有し、61.4%が付着部炎を有していた
。被験者の約3分の2(70.5%)が生物製剤の投薬を受けたことがなく、59.4%
が併用メトトレキセートの投与を受けた。
【0131】
24週目に、プラセボと比較してセクキヌマブ10mg/kg i.v.→150mg
s.c.及びセクキヌマブ10mg/kg i.v.→75mg s.c.の投与を受
けたより高い割合の被験者がACR20反応を達成し(50.0%及び50.5%対17
.3%;P<0.001;表4)、1週目という早期に有意な改善が観察された。ACR
50及びACR70反応も24週目にセクキヌマブでプラセボと比べて有意に高かった(
表4;図2)。プラセボと比べて両用量のセクキヌマブによる有意な改善は、PASI7
5及びPASI90反応、DAS28-CRP、SF-36身体的側面スコア及びHAQ
-DIスコアのベースラインからの変化並びに指炎及び付着部炎を有する被験者の割合を
含む、24週目におけるすべての他の事前に規定された副次的エンドポイントについて観
察された(表4)。24週目までセクキヌマブ用量の間に臨床的反応に関する有意な差は
なかった。
【0132】
【表3】
【0133】
【表4-1】
【0134】
【表4-2】
【0135】
両セクキヌマブ治療群の被験者は、プラセボ治療被験者と比較して24週目におけるm
TSSのベースラインからの変化により測定したとき、有意に少ないX線写真上の進行を
経験した。改善は、52週目まで維持された(図3)。
【0136】
プラセボと比べてセクキヌマブによる24週目における改善は、事前の生物製剤への曝
露にかかわらず、観察された。反応の大きさは、生物製剤の投薬を受けたことがない被験
者でより高かったが、ACR反応率は、生物製剤の投薬を受けたことがない及び生物製剤
経験済み被験者の両方においてプラセボと比べて両用量のセクキヌマブでより高かった(
図4)。プラセボと比べてセクキヌマブによるACR反応の有意な改善は、併用メトトレ
キセートの使用の有り無し両方で観察され、同様な反応が両集団で観察された(図5)。
【0137】
セクキヌマブ治療による臨床的恩恵は、治療の52週目まで維持されていた(表5)。
52週目において、観測解析を用いたACR20、ACR50及びACR70反応率は、
それぞれセクキヌマブ10mg/kg i.v.→150mg s.c.で69.5%、
50.0%及び28.2%であり、セクキヌマブ10mg/kg i.v.→75mg
s.c.で66.9%、38.4%及び25.6%であった(図5)。
【0138】
【表5】
【実施例3】
【0139】
PsA試験AIN457F2306(FUTURE1)X線写真上の結果の24及び52
週目要約
中等度から重度のPsAを有する606例の成人をプラセボ(PBO)又は2つのセク
キヌマブ治療アーム:セクキヌマブ10mg/kg i.v.とそれに続く75mg s
.c.(10IV→75SC)若しくは150mg s.c.(10IV→150SC)
の1つに無作為化した。すべての患者を16週目における関節反応について評価した(圧
痛及び腫脹関節数の≧20%の改善に基づいて)。PBO治療患者は、16週目(非反応
者)又は24週目(反応者)にセクキヌマブ75又は150mg s.c.に無作為化し
た。van der Heijde総修正シャープスコア(vdH-mTSS、mTSS
)並びにびらん及び関節腔狭小化(JSN)スコアをベースライン、16/24週目(反
応に応じて)及び52週目において判定した。ベースラインから24週目までのX線写真
上の進行に対するセクキヌマブの効果は、ノンパラメトリックANCOVAモデルを用い
、16週目にX線評価を受けた患者については線形外挿により評価した。探索的解析によ
り、構造的進行を有さない(≦0.5のmTSSのベースラインからの変化と定義)患者
の割合及びこの効果の経時的維持を評価した。mTSS、びらん及びJSNスコアのベー
スラインからの変化は、患者がTNF阻害薬による事前の治療を受けたか、セクキヌマブ
単剤療法を受けたか、又は併用メトトレキセート(MTX、表6)の投与を受けたかを問
わず、セクキヌマブ治療患者がPBO治療患者と比較してベースラインから24週目まで
の統計学的に有意に少ない進行を有していたことを実証するものであった。関節構造的損
傷の阻害は、セクキヌマブにより52週目まで持続した。セクキヌマブに切り替えたPB
O患者の解析により、有効性の付加的な支持をもたらす、患者がセクキヌマブに切り替え
られた24週目から52週目までの期間(-0.03の平均低下)と比べてベースライン
から24週目まで(0.48の平均増加)についてPOB群のmTSSのベースラインか
らのより大きい平均変化が示された。16/24週目及び52週目の両方においてX線を
受けた患者(X線完了者)の解析により、24週目から52週目までの期間と比べて無作
為化から24週目まで無進行(X線完了者における≦0.5の閾値を用いた)を経験した
患者の割合は、セクキヌマブ群で一貫して高く、それぞれ10IV→75SCで92.3
%対85.8%であり、10IV→150SCで82.3%対85.7%であった。PB
Oに最初に無作為化された患者において、75.7%が無作為化から24週目まで無進行
を有し、これは、セクキヌマブによる実薬治療後の24週目から52週目までの期間に8
6.8%に増加した(P<0.05)。≦0.5の閾値は、測定値の誤差の範囲内にあり
、PsAについて臨床的に意味があると考えられ、X線写真上の進行の阻害を定量化する
ためにPsAにおける生物製剤の他の試験により用いられている(Mease et al. (2009)
)。
【0140】
【表6】
【0141】
これらの結果は、セクキヌマブによるX線写真上の恩恵が、事前の抗TNF曝露にかか
わらず、24週目まで観察されたことを実証している。24週目から52週目までは、X
線写真上の進行の持続的阻害は、セクキヌマブを用いることによって、NTFアルファ阻
害薬の投薬を受けたことがないサブグループにおいてNTFアルファ阻害薬不十分反応者
であった患者よりも大きい程度に観察された。
【実施例4】
【0142】
PsA患者におけるセクキヌマブによる構造的損傷の阻害の追加解析(FUTURE1)
24週目及び52週目における関節構造的損傷に対するセクキヌマブの効果を判定する
ためにさらなる解析を実施した。図6に示すように、最大解析対象集団(FAS)におい
て24週目におけるびらんスコア、関節腔狭小化スコア(75mg)及びvan der
Heijde修正総シャープスコア(mTSS、vdH-mTSS)のプラセボと比べ
てセクキヌマブ75mg及び150mgの両方による有意な改善があった。
【0143】
「S曲線」とも呼ばれる、総vdH-mTSSスコアの累積分布プロット(図7)は、
平均値を動かす外れ値が存在するかどうかを示す、個々の患者データを示す。灰色の円は
、プラセボ患者を表し、10mg/kg-150又は-75群より多くのこれらの患者が
ベースラインからの大きい変化(構造的損傷の進行を示唆する)を有していたことがわか
る。2つの主要な外れ値(プラセボで1つ、セクキヌマブで1つ)は、全体的結果を変化
させず、結果がこの時間中に大きい進行を有する少数のプラセボ患者によって動かされな
いことを暗示する。
【0144】
図8に示すように、10mg/kg→150mg及び75mg群は、プラセボと比較し
て総vdH-mTSS進行の低下を経時的に示した。24週目までに、すべてのプラセボ
患者が75又は150mg s.c.のセクキヌマブに切り替えられたことに注意するこ
と。これらのプラセボ切替え患者におけるベースラインからの変化は、24週目に変化し
始めている。これは、表7にも示されている。したがって、セクキヌマブのs.c.治療
(負荷用量有り又は無し)は、PsAに随伴する構造的損傷の進行を阻害すると思われる
【0145】
図9に24週目にTNF-IR(図9A)及びTNFの投薬を受けたことがない(図9
B)患者においてvdH-mTSSにより測定した構造的損傷の阻害の解析を示す。10
mg/kg→150mg及び75mg群の両方(別個又はプールした)がプラセボと比較
してベースラインからの平均変化の低下を経時的に示した。特に、セクキヌマブは、TN
Fの投薬を受けたことがない及びTNF-IR PsA患者の両方(枠囲い)における構
造的損傷の有意な阻害を示す。これは、表8にも示されている。我々の知る限りでは、セ
クキヌマブは、TNFアルファアンタゴニストによる治療を以前に受けたPsA患者(例
えば、TNF-IR患者)における構造的損傷の進行の阻害を示す最初の生物製剤である
。セクキヌマブは、併用MTX治療にかかわらず、患者における構造的損傷の有意な阻害
も示す(表9)。
【0146】
X線完了者は、ベースライン、16又は24及び52週目においてX線評価を受けた患
者と定義した。X線完了者の数は、10IV→150SC群で175例(86.6%)、
10IV→75SC群で169例(83.7%)、プラセボ群で152例(75.3%)
であった。24週目のエンドポイントへの線形外挿の適用を受けた患者の数は、10IV
→150SC群で55例、10IV→75SC群で40例、プラセボ群で109例であっ
た。X線完了者からのデータは、1年までのセクキヌマブによる持続的治療効果を実証す
るものであった(図10)。セクキヌマブに切り替えられたプラセボ患者の24週目(非
反応者についての線形外挿を含む)と52週目の間のmTSSの平均変化(図10B)は
、-0.03であったのに対して、プラセボ期間(ベースラインから24週目まで[図1
0A])では0.48であったことから、セクキヌマブによるX線写真上の疾患の進行の
阻害が示される(図10)。
【0147】
X線完了者からのデータは、高い割合のセクキヌマブ患者が無作為化から24週目まで
及び24週から52週目まで無進行を経験した。10IV→150SCセクキヌマブ群で
は、患者の82.3%が無作為化から24週目まで無進行を示し、患者の85.7%が2
4週目から52週目まで無進行を示した。10IV→75SCセクキヌマブ群における無
進行を示した患者の割合は、それぞれ92.3%及び85.8%であった。無構造進行を
有するプラセボ治療患者の割合は、75.7%(無作為化から24週目まで)からセクキ
ヌマブ治療後の86.8%(24週目から52週目まで)に有意に増加した(P<0.0
5)。
【0148】
ここに報告したFUTURE1試験の1年結果は、セクキヌマブによる抗IL-17A
療法がPsAを有する患者におけるX線写真上の疾患の進行を阻害することを実証するも
のである。24週目に認められた治療のX線写真上の恩恵は、1年まで持続し、事前の抗
TNF治療に無関係に認められた。改善は、併用メトトレキセート療法を受けている患者
並びにメトトレキセートの投薬を受けたことがなかった患者においても認められた。プラ
セボ治療患者における関節構造的損傷の進行は、セクキヌマブ治療に切り替えることによ
って阻害されたことから、遅延治療は、依然として有益であり、セクキヌマブの負荷レジ
メンは、この結果を達成するために必ずしも必要でないことがわかる。さらに、探索的解
析により、高い割合のセクキヌマブ治療患者が無構造進行を経験したことが示された。
【0149】
最近の系統的レビューで、PsAにおける構造的損傷に対するTNF遮断薬の阻害効果
が強調された(Goulabchand et al (2014) Ann Rheum Dis 73:414-9)。しかし、一部の
患者における抗TNF治療の失敗、効果の欠如及び不耐性は、別の作用機序を有する療法
の緊急の満たされていない必要性がある(Mease et al (2014) Drugs 74:423-41; Saad e
t al (2009) Arthritis Res Ther 11:R52; Fagerli et al (2013) Ann Rheum Dis 72:184
0-4)。この目的を達成するために、本試験の結果は、IL-17Aの選択的阻害がPs
Aを有する患者に有益であることを示しており、さらなる治療の機会をもたらし得る。
【0150】
【表7】
【0151】
【表8】
【0152】
【表9】
【実施例5】
【0153】
臨床試験CAIN457F2312(FUTURE2):セクキヌマブは皮下投与レジメ
ンを用いた第3相無作為化多施設二重盲検プラセボ対照試験において活動性PsAを改善
する:24週目結果
目的は、活動性PsAを有する患者におけるFUTURE2(NCT01752634
)無作為化二重盲検プラセボ(PBO)対照第3相試験におけるセクキヌマブのs.c.
負荷及び維持投与の有効性及び安全性を評価することであった。
【0154】
活動性PsAを有する397例の成人をベースライン(0週目)、1、2、3、4週目
における及びその後4週ごとのs.c.セクキヌマブ(300、150若しくは75mg
)又はPBOに無作為化した。無作為化は、抗TNF療法への事前の曝露を満たした。主
要エンドポイントは、24週目におけるACR20反応であった。副次的エンドポイント
には、PASI75/90、C反応性タンパク質を用いる疾患活動性スコア28(DAS
28-CRP)、簡易型36項目身体的側面サマリー(SF-36PCS)、健康評価質
問票障害指数(HAQ-DI)、ACR50、指炎及び付着部炎を含めた。主要及び副次
的エンドポイントは、多重性について調整するために階層的試験分析に含めた。
【0155】
24週目に、ACR20反応は、セクキヌマブ300、150及び75mgでPBOよ
りも有意に大きく、それぞれ54.0%、51.0%及び29.3%対15.3%であっ
た(セクキヌマブ300及び150mgについてP<0.0001;75mgについてP
<0.05対PBO)。セクキヌマブ300及び150mgはまた、PBOと比べてPA
SI75/90スコア及びDAS28-CRPの有意な改善を含め、副次的エンドポイン
トを改善した(表10)。治療中に発生したAEsの曝露調整率(セクキヌマブへの最大
曝露:372日)は、セクキヌマブ(プールした)及びプラセボ治療被験者でそれぞれ1
00患者・年当たり222.2及び309.3例であった。重篤なAEのそれぞれの率は
、7.8及び8.8であった。
【0156】
セクキヌマブ300及び150mg s.c.は、PsAの徴候及び症状の臨床的に有
意な改善を実証した。セクキヌマブの安全性プロファイルは、以前に報告されたものと一
致していた。
【0157】
【表10】


本発明は以下の態様を含み得る。
[1]
IL-17アンタゴニストを、それを必要とする患者に投与することを含む、PsA患者における構造的損傷の進行を阻害する方法。
[2]
前記患者が生物製剤の投薬を受けたことがない、請求項1に記載の方法。
[3]
前記患者が生物製剤経験済みである、請求項1に記載の方法。
[4]
前記患者がTNFアルファアンタゴニストによる治療を以前に受けなかった、請求項1に記載の方法。
[5]
前記患者がTNFアルファアンタゴニストによる治療を以前に受けた、請求項1に記載の方法。
[6]
前記患者が前記TNFアルファアンタゴニストによる以前の治療に対する不十分な反応を有した(TNF不十分反応者(TNF-IR))、請求項5に記載の方法。
[7]
前記構造的損傷の進行の阻害がvan der Heijde乾癬性関節炎修正総シャープスコア(mTSS)により測定される、上記請求項のいずれかに記載の方法。
[8]
前記構造的損傷の進行の阻害がびらん及び関節腔狭小化(JSN)スコアにより測定される、上記請求項のいずれかに記載の方法。
[9]
びらん、関節腔狭小化、ペンシルインカップ現象、関節拡大、関節狭小化、亜脱臼、骨増殖、骨溶解及び/又は関節強直の進行が阻害される、上記請求項のいずれかに記載の方法。
[10]
前記患者にDMARD、例えば、メトトレキセートをさらに投与することをさらに含む、上記請求項のいずれかに記載の方法。
[11]
前記患者が随伴性乾癬を有する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
[12]
前記構造的損傷の進行を阻害することが≦0.5のmTSSのベースラインからの変化と定義される、上記請求項のいずれかに記載の方法。
[13]
前記構造的損傷の進行を阻害することが≦0.3のびらんスコアのベースラインからの変化と定義される、上記請求項のいずれかに記載の方法。
[14]
前記構造的損傷の進行を阻害することが≦0.2のJSNスコアのベースラインからの変化と定義される、上記請求項のいずれかに記載の方法。
[15]
前記IL-17アンタゴニストがIL-17抗体又はその抗原結合断片である、上記請求項のいずれかに記載の方法。
[16]
前記IL-17抗体又はその抗原結合断片が、
a)Leu74、Tyr85、His86、Met87、Asn88、Val124、Thr125、Pro126、Ile127、Val128、His129を含むIL-17のエピトープに結合するIL-17抗体又はその抗原結合断片、
b)Tyr43、Tyr44、Arg46、Ala79、Asp80を含むIL-17のエピトープに結合するIL-17抗体又はその抗原結合断片、
c)2つの成熟IL-17タンパク質鎖を有するIL-17ホモ二量体のエピトープに結合するIL-17抗体又はその抗原結合断片(前記エピトープは、1本の鎖上のLeu74、Tyr85、His86、Met87、Asn88、Val124、Thr125、Pro126、Ile127、Val128、His129及び他の鎖上のTyr43、Tyr44、Arg46、Ala79、Asp80を含む)、
d)2つの成熟IL-17タンパク質鎖を有するIL-17ホモ二量体のエピトープに結合するIL-17抗体又はその抗原結合断片(前記エピトープは、1本の鎖上のLeu74、Tyr85、His86、Met87、Asn88、Val124、Thr125、Pro126、Ile127、Val128、His129及び他の鎖上のTyr43、Tyr44、Arg46、Ala79、Asp80を含む)であって、約100~200pMのK を有し、約23~約35日のin vivo半減期を有する、IL-17抗体又はその抗原結合断片、並びに
e)
i)配列番号8として示されるアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変ドメイン(V )、
ii)配列番号10として示されるアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン(V )、
iii)配列番号8として示されるアミノ酸配列を含む免疫グロブリンV ドメイン及び配列番号10として示されるアミノ酸配列を含む免疫グロブリンV ドメイン、
iv)配列番号1、配列番号2及び配列番号3として示される超可変領域を含む免疫グロブリンV ドメイン、
v)配列番号4、配列番号5及び配列番号6として示される超可変領域を含む免疫グロブリンV ドメイン、
vi)配列番号11、配列番号12及び配列番号13として示される超可変領域を含む免疫グロブリンV ドメイン、
vii)配列番号1、配列番号2及び配列番号3として示される超可変領域を含む免疫グロブリンV ドメイン並びに配列番号4、配列番号5及び配列番号6として示される超可変領域を含む免疫グロブリンV ドメイン、
viii)配列番号11、配列番号12及び配列番号13として示される超可変領域を含む免疫グロブリンV ドメイン並びに配列番号4、配列番号5及び配列番号6として示される超可変領域を含む免疫グロブリンV ドメイン、
ix)配列番号14として示されるアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖、
x)配列番号15として示されるアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖、又は
xi)配列番号14として示されるアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖及び配列番号15として示されるアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖
を含むIL-17抗体又はその抗原結合断片
からなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
[17]
前記IL-17抗体又はその抗原結合断片がセクキヌマブである、請求項16に記載の方法。
[18]
セクキヌマブを0、2及び4週目に隔週で約10mg/kgで患者に静脈内(i.v.)投与し、その後、8週目に開始して月1回約150mg又は約300mgで前記患者に皮下(s.c.)投与する、請求項17に記載の方法。
[19]
セクキヌマブを0、1、2、3及び4週目に週1回約150mg又は約300mgで、その後、4週ごとに約150mg又は約300mgで患者にs.c.投与する、請求項17に記載の方法。
[20]
セクキヌマブを月1回約150mg又は約300mgで患者にs.c.投与する、請求項17に記載の方法。
[21]
前記患者がTNFアルファアンタゴニストアルファによる治療を以前に受けなかったことに基づいて、前記患者にIL-17アンタゴニストを選択的に投与する、請求項1から2、4又は7から20に記載の方法。
[22]
前記患者がTNFアルファアンタゴニストによる治療を以前に受けたことに基づいて、前記患者にIL-17アンタゴニストを選択的に投与する、請求項1、3又は5から20のいずれか一項に記載の方法。
[23]
4週ごとに約150mg~約300mgの用量のセクキヌマブを患者に皮下投与することを含む、PsA患者における構造的損傷の進行を阻害する方法。
[24]
0、1、2及び3週目における初期投与とその後の4週目に開始する月1回の投与により、約150mg~約300mgの用量のセクキヌマブを患者に皮下注射により投与することを含む、PsA患者における構造的損傷の進行を阻害する方法。
[25]
前記用量が約300mgであり、前記患者が随伴性の中等度から重度の尋常性乾癬を有する又はTNFアルファアンタゴニストによる以前の治療に対する不十分な反応を有した、請求項23又は24のいずれかに記載の方法。
[26]
前記用量が約150mgであり、前記患者が随伴性の中等度から重度の尋常性乾癬を有さず、かつ、患者がTNFアルファアンタゴニストによる治療を以前に受けなかった、請求項23又は24のいずれかに記載の方法。
[27]
前記患者にDMARD、例えば、メトトレキセートをさらに投与することをさらに含む、請求項23から26のいずれかに記載の方法。
[28]
セクキヌマブを液体医薬組成物として投与する、請求項17から27のいずれかに記載の方法。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
【配列表】
0007591092000001.app