(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-19
(45)【発行日】2024-11-27
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲームシステム、ゲーム装置およびゲーム処理方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20241120BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20241120BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/69 500
A63F13/55
(21)【出願番号】P 2023099235
(22)【出願日】2023-06-16
【審査請求日】2023-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001276
【氏名又は名称】弁理士法人小笠原特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【氏名又は名称】石原 盛規
(72)【発明者】
【氏名】松浦 龍平
(72)【発明者】
【氏名】毛利 志朗
(72)【発明者】
【氏名】足助 重之
(72)【発明者】
【氏名】中尾 一
(72)【発明者】
【氏名】正木 絢乃
【審査官】池田 剛志
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-043540(JP,A)
【文献】特開2018-051195(JP,A)
【文献】特開2019-000171(JP,A)
【文献】特開2016-220847(JP,A)
【文献】特開2020-166726(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112121433(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98,
9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置のコンピュータに、オンラインまたはオフラインによるマルチプレイゲームを実行させるゲームプログラムであって、
前記コンピュータに、
第1のプレイヤによる操作入力に基づいて、仮想空間内において第1のプレイヤキャラクタを制御させ、
第1のプレイヤによる操作入力に基づいて、前記仮想空間内に第1のアイテムを出現させ、
前記第1のプレイヤキャラクタと前記第1のアイテムとの接触に基づいて、前記
第1のプレイヤキャラクタに前記第1のアイテムを取得させ、
前記第1のアイテムの出現から所定時間経過以降、他のプレイヤが操作する他のプレイヤキャラクタと前記第1のアイテムとの接触に基づいて前記他のプレイヤキャラクタに前記第1のアイテムを取得させ
、
出現した前記第1のアイテムを、前記第1のプレイヤキャラクタの移動に応じて追従移動させ、前記所定時間経過以降、当該追従移動を止めさせる、ゲームプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータに、
前記第1のアイテムを、前記第1のプレイヤキャラクタの上方に出現させ、前記第1のプレイヤキャラクタの横方向の移動に応じて前記第1のアイテムを横方向に追従移動させる、請求項
1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータに、
操作入力に基づいて、操作装置の所定のキーを所定時間押し続ける操作が行われた場合に、前記第1のアイテムを出現させる、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータに、
前記第1のプレイヤキャラクタがゲーム中にアイテムを取得した場合に、所定の条件を満たしていた場合に当該アイテムを保持アイテムとして保持させ、
前記保持アイテムを保持している場合に、操作入力に基づいて当該保持アイテムを前記第1のアイテムとして出現させる、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
情報処理装置のコンピュータに、オフラインによるマルチプレイゲームを実行させるゲームプログラムであって、
前記コンピュータに、
第1のプレイヤによる操作入力に基づいて、仮想空間内において第1のプレイヤキャラクタを制御させ、
第1のプレイヤによる操作入力に基づいて、前記仮想空間内に第1のアイテムを出現させ、
前記第1のプレイヤキャラクタと前記第1のアイテムとの接触に基づいて、前記第1のプレイヤキャラクタに前記第1のアイテムを取得させ、
前記第1のアイテムの出現から所定時間経過以降、他のプレイヤが操作する他のプレイヤキャラクタと前記第1のアイテムとの接触に基づいて前記他のプレイヤキャラクタに前記第1のアイテムを取得させ、
前記他のプレイヤによる操作入力に基づいて、前記仮想空間内に第2のアイテムを出現させ、
前記第2のアイテムの出現から所定時間経過以降、前記第1のプレイヤキャラクタと前記第2のアイテムとの接触に基づいて前記第1のプレイヤキャラクタに前記第2のアイテムを取得させる、ゲームプログラム。
【請求項6】
情報処理装置のコンピュータに、オンラインによるマルチプレイゲームを実行させるゲームプログラムであって、
前記コンピュータに、
第1のプレイヤによる操作入力に基づいて、仮想空間内において第1のプレイヤキャラクタを制御させ、
第1のプレイヤによる操作入力に基づいて、前記仮想空間内に第1のアイテムを出現させ、
前記第1のプレイヤキャラクタと前記第1のアイテムとの接触に基づいて、前記第1のプレイヤキャラクタに前記第1のアイテムを取得させ、
前記第1のアイテムの出現から所定時間経過以降、他のプレイヤが操作する他のプレイヤキャラクタと前記第1のアイテムとの接触に基づいて前記他のプレイヤキャラクタに前記第1のアイテムを取得させ、
前記第1のアイテムの出現から前記所定時間経過までは当該第1のアイテムの情報を前記他のプレイヤが操作する他の情報処理装置へ送信させず、
前記第1のアイテムの出現から前記所定時間経過以降、当該第1のアイテムが取得されていなかった場合に、当該第1のアイテムの位置を示す情報を前記他の情報処理装置へ送信させる、ゲームプログラム。
【請求項7】
前記コンピュータに、
前記他の情報処理装置から第2のアイテムの位置に関する情報を受信した場合に、前記仮想空間内の当該位置に前記第2のアイテムを配置させ、
前記第1のプレイヤキャラクタと前記第2のアイテムとの接触に基づいて前記第1のプレイヤキャラクタに前記第2のアイテムを取得させる、請求項
6に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
プロセッサを備え、オンラインまたはオフラインによるマルチプレイゲームを実行するゲームシステムであって、
前記プロセッサは、
第1のプレイヤによる操作入力に基づいて、仮想空間内において第1のプレイヤキャラクタを制御し、
第1のプレイヤによる操作入力に基づいて、前記仮想空間内に第1のアイテムを出現させ、
前記第1のプレイヤキャラクタと前記第1のアイテムとの接触に基づいて、前記
第1のプレイヤキャラクタに前記第1のアイテムを取得させ、
前記第1のアイテムの出現から所定時間経過以降、他のプレイヤが操作する他のプレイヤキャラクタと前記第1のアイテムとの接触に基づいて前記他のプレイヤキャラクタに前記第1のアイテムを取得させ
、
出現した前記第1のアイテムを、前記第1のプレイヤキャラクタの移動に応じて追従移動させ、前記所定時間経過以降、当該追従移動を止めさせる、ゲームシステム。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記第1のアイテムを、前記第1のプレイヤキャラクタの上方に出現させ、前記第1のプレイヤキャラクタの横方向の移動に応じて前記第1のアイテムを横方向に追従移動させる、請求項
8に記載のゲームシステム。
【請求項10】
プロセッサを備え、オフラインによるマルチプレイゲームを実行するゲームシステムであって、
前記プロセッサは、
第1のプレイヤによる操作入力に基づいて、仮想空間内において第1のプレイヤキャラクタを制御し、
第1のプレイヤによる操作入力に基づいて、前記仮想空間内に第1のアイテムを出現させ、
前記第1のプレイヤキャラクタと前記第1のアイテムとの接触に基づいて、前記第1のプレイヤキャラクタに前記第1のアイテムを取得させ、
前記第1のアイテムの出現から所定時間経過以降、他のプレイヤが操作する他のプレイヤキャラクタと前記第1のアイテムとの接触に基づいて前記他のプレイヤキャラクタに前記第1のアイテムを取得させ、
前記他のプレイヤによる操作入力に基づいて、前記仮想空間内に第2のアイテムを出現させ、
前記第2のアイテムの出現から所定時間経過以降、前記第1のプレイヤキャラクタと前記第2のアイテムとの接触に基づいて前記第1のプレイヤキャラクタに前記第2のアイテムを取得させる、ゲームシステム。
【請求項11】
プロセッサを備え、オンラインによるマルチプレイゲームを実行するゲームシステムであって、
前記プロセッサは、
第1のプレイヤによる操作入力に基づいて、仮想空間内において第1のプレイヤキャラクタを制御し、
第1のプレイヤによる操作入力に基づいて、前記仮想空間内に第1のアイテムを出現させ、
前記第1のプレイヤキャラクタと前記第1のアイテムとの接触に基づいて、前記第1のプレイヤキャラクタに前記第1のアイテムを取得させ、
前記第1のアイテムの出現から所定時間経過以降、他のプレイヤが操作する他のプレイヤキャラクタと前記第1のアイテムとの接触に基づいて前記他のプレイヤキャラクタに前記第1のアイテムを取得させ、
前記第1のアイテムの出現から前記所定時間経過までは当該第1のアイテムの情報を前記他のプレイヤが操作する他の情報処理装置へ送信せず、
前記第1のアイテムの出現から前記所定時間経過以降、当該第1のアイテムが取得されていなかった場合に、当該第1のアイテムの位置を示す情報を前記他の情報処理装置へ送信する、ゲームシステム。
【請求項12】
前記プロセッサは、
前記他の情報処理装置から第2のアイテムの位置に関する情報を受信した場合に、前記仮想空間内の当該位置に前記第2のアイテムを配置し、
前記第1のプレイヤキャラクタと前記第2のアイテムとの接触に基づいて前記第1のプレイヤキャラクタに前記第2のアイテムを取得させる、請求項
11に記載のゲームシステム。
【請求項13】
プロセッサを備え、オンラインまたはオフラインによるマルチプレイゲームを実行するゲーム装置であって、
前記プロセッサは、
第1のプレイヤによる操作入力に基づいて、仮想空間内において第1のプレイヤキャラクタを制御し、
第1のプレイヤによる操作入力に基づいて、前記仮想空間内に第1のアイテムを出現させ、
前記第1のプレイヤキャラクタと前記第1のアイテムとの接触に基づいて、前記
第1のプレイヤキャラクタに前記第1のアイテムを取得させ、
前記第1のアイテムの出現から所定時間経過以降、他のプレイヤが操作する他のプレイヤキャラクタと前記第1のアイテムとの接触に基づいて前記他のプレイヤキャラクタに前記第1のアイテムを取得させ
、
出現した前記第1のアイテムを、前記第1のプレイヤキャラクタの移動に応じて追従移動させ、前記所定時間経過以降、当該追従移動を止めさせる、ゲーム装置。
【請求項14】
プロセッサを備え、オフラインによるマルチプレイゲームを実行するゲーム装置であって、
前記プロセッサは、
第1のプレイヤによる操作入力に基づいて、仮想空間内において第1のプレイヤキャラクタを制御し、
第1のプレイヤによる操作入力に基づいて、前記仮想空間内に第1のアイテムを出現させ、
前記第1のプレイヤキャラクタと前記第1のアイテムとの接触に基づいて、前記第1のプレイヤキャラクタに前記第1のアイテムを取得させ、
前記第1のアイテムの出現から所定時間経過以降、他のプレイヤが操作する他のプレイヤキャラクタと前記第1のアイテムとの接触に基づいて前記他のプレイヤキャラクタに前記第1のアイテムを取得させ、
前記他のプレイヤによる操作入力に基づいて、前記仮想空間内に第2のアイテムを出現させ、
前記第2のアイテムの出現から所定時間経過以降、前記第1のプレイヤキャラクタと前記第2のアイテムとの接触に基づいて前記第1のプレイヤキャラクタに前記第2のアイテムを取得させる、ゲーム装置。
【請求項15】
プロセッサを備え、オンラインによるマルチプレイゲームを実行するゲーム装置であって、
前記プロセッサは、
第1のプレイヤによる操作入力に基づいて、仮想空間内において第1のプレイヤキャラクタを制御し、
第1のプレイヤによる操作入力に基づいて、前記仮想空間内に第1のアイテムを出現させ、
前記第1のプレイヤキャラクタと前記第1のアイテムとの接触に基づいて、前記第1のプレイヤキャラクタに前記第1のアイテムを取得させ、
前記第1のアイテムの出現から所定時間経過以降、他のプレイヤが操作する他のプレイヤキャラクタと前記第1のアイテムとの接触に基づいて前記他のプレイヤキャラクタに前記第1のアイテムを取得させ、
前記第1のアイテムの出現から前記所定時間経過までは当該第1のアイテムの情報を前記他のプレイヤが操作する他の情報処理装置へ送信せず、
前記第1のアイテムの出現から前記所定時間経過以降、当該第1のアイテムが取得されていなかった場合に、当該第1のアイテムの位置を示す情報を前記他の情報処理装置へ送信する、ゲーム装置。
【請求項16】
情報処理装置のコンピュータに、オンラインまたはオフラインによるマルチプレイゲームを実行させるゲーム処理方法であって、
前記コンピュータに、
第1のプレイヤによる操作入力に基づいて、仮想空間内において第1のプレイヤキャラクタを制御させ、
第1のプレイヤによる操作入力に基づいて、前記仮想空間内に第1のアイテムを出現させ、
前記第1のプレイヤキャラクタと前記第1のアイテムとの接触に基づいて、前記
第1のプレイヤキャラクタに前記第1のアイテムを取得させ、
前記第1のアイテムの出現から所定時間経過以降、他のプレイヤが操作する他のプレイヤキャラクタと前記第1のアイテムとの接触に基づいて前記他のプレイヤキャラクタに前記第1のアイテムを取得させ
、
出現した前記第1のアイテムを、前記第1のプレイヤキャラクタの移動に応じて追従移動させ、前記所定時間経過以降、当該追従移動を止めさせる、ゲーム処理方法。
【請求項17】
情報処理装置のコンピュータに、オフラインによるマルチプレイゲームを実行させるゲーム処理方法であって、
前記コンピュータに、
第1のプレイヤによる操作入力に基づいて、仮想空間内において第1のプレイヤキャラクタを制御させ、
第1のプレイヤによる操作入力に基づいて、前記仮想空間内に第1のアイテムを出現させ、
前記第1のプレイヤキャラクタと前記第1のアイテムとの接触に基づいて、前記第1のプレイヤキャラクタに前記第1のアイテムを取得させ、
前記第1のアイテムの出現から所定時間経過以降、他のプレイヤが操作する他のプレイヤキャラクタと前記第1のアイテムとの接触に基づいて前記他のプレイヤキャラクタに前記第1のアイテムを取得させ、
前記他のプレイヤによる操作入力に基づいて、前記仮想空間内に第2のアイテムを出現させ、
前記第2のアイテムの出現から所定時間経過以降、前記第1のプレイヤキャラクタと前記第2のアイテムとの接触に基づいて前記第1のプレイヤキャラクタに前記第2のアイテムを取得させる、ゲーム処理方法。
【請求項18】
情報処理装置のコンピュータに、オンラインによるマルチプレイゲームを実行させるゲーム処理方法であって、
前記コンピュータに、
第1のプレイヤによる操作入力に基づいて、仮想空間内において第1のプレイヤキャラクタを制御させ、
第1のプレイヤによる操作入力に基づいて、前記仮想空間内に第1のアイテムを出現させ、
前記第1のプレイヤキャラクタと前記第1のアイテムとの接触に基づいて、前記第1のプレイヤキャラクタに前記第1のアイテムを取得させ、
前記第1のアイテムの出現から所定時間経過以降、他のプレイヤが操作する他のプレイヤキャラクタと前記第1のアイテムとの接触に基づいて前記他のプレイヤキャラクタに前記第1のアイテムを取得させ、
前記第1のアイテムの出現から前記所定時間経過までは当該第1のアイテムの情報を前記他のプレイヤが操作する他の情報処理装置へ送信させず、
前記第1のアイテムの出現から前記所定時間経過以降、当該第1のアイテムが取得されていなかった場合に、当該第1のアイテムの位置を示す情報を前記他の情報処理装置へ送信させる、ゲーム処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ゲーム等の情報処理に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、或るプレイヤが出したアイテムを他のプレイヤが取得した場合に、再度アイテムを出すことができるゲームがあった。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アイテムの取得や他者への受け渡しを簡易な操作でできるゲームが求められていた。
【0005】
それ故に、本発明の目的は、アイテムを他者に取得されることなく自分で取得することと、アイテムを自分で取得せずに他者へ受け渡すことの両方を、簡易な操作で実現することができるゲームプログラム、ゲームシステム、ゲーム装置およびゲーム処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、例えば以下のような構成例が挙げられる。
【0007】
第1の構成例は、情報処理装置のコンピュータに、オンラインまたはオフラインによるマルチプレイゲームを実行させるゲームプログラムであって、コンピュータに、第1のプレイヤによる操作入力に基づいて、仮想空間内において第1のプレイヤキャラクタを制御させ、第1のプレイヤによる操作入力に基づいて、仮想空間内に第1のアイテムを出現させ、第1のプレイヤキャラクタと第1のアイテムとの接触に基づいて、プレイヤキャラクタに第1のアイテムを取得させ、第1のアイテムの出現から所定時間経過以降、他のプレイヤが操作する他のプレイヤキャラクタと第1のアイテムとの接触に基づいて他のプレイヤキャラクタに前記第1のアイテムを取得させる。
【0008】
上記した第1の構成例によれば、プレイヤは、アイテムを出現させてから所定時間経過するまでは自分だけこのアイテムを取得できる一方で、所定時間の間にアイテムを取得しないことによって他のプレイヤにアイテムを譲る(渡す)こともできる。
【0009】
第2の構成例は、第1の構成例において、コンピュータに、出現した第1のアイテムを、第1のプレイヤキャラクタの移動に応じて追従移動させ、所定時間経過以降、当該追従移動を止めさせる。
【0010】
上記した第2の構成例によれば、プレイヤキャラクタが移動する場合にアイテムが追従移動するので、プレイヤキャラクタがアイテムを取得し易くなる。
【0011】
第3の構成例は、第2の構成例において、コンピュータに、第1のアイテムを、第1のプレイヤキャラクタの上方に出現させ、第1のプレイヤキャラクタの横方向の移動に応じて第1のアイテムを横方向に追従移動させる。
【0012】
上記した第3の構成例によれば、プレイヤキャラクタはジャンプ等による上方への移動によってアイテムを取得できる一方で、他のプレイヤにアイテムを譲る(渡す)場合においてもプレイヤキャラクタの横方向の移動を妨げないようにできる。
【0013】
第4の構成例は、第1の構成例において、コンピュータに、操作入力に基づいて、操作装置の所定のキーを所定時間押し続ける操作が行われた場合に、第1のアイテムを出現させる。
【0014】
上記した第4の構成例によれば、プレイヤが所定のキーを誤って押して、意図せずにアイテムを出現させることを防止できる。
【0015】
第5の構成例は、第1の構成例において、コンピュータに、第1のプレイヤキャラクタがゲーム中にアイテムを取得した場合に、所定の条件を満たしていた場合に当該アイテムを保持アイテムとして保持させ、保持アイテムを保持している場合に、操作入力に基づいて当該保持アイテムを第1のアイテムとして出現させる。
【0016】
第6の構成例は、第1の構成例において、コンピュータに、オフラインで前記マルチプレイゲームを実行させ、他のプレイヤによる操作入力に基づいて、仮想空間内に第2のアイテムを出現させ、第2のアイテムの出現から所定時間経過以降、第1のプレイヤキャラクタと第2のアイテムとの接触に基づいて第1のプレイヤキャラクタに第2のアイテムを取得させる。
【0017】
上記した第6の構成例によれば、オフラインマルチプレイにおいて、プレイヤ間で相互にアイテムの受け渡しができる。
【0018】
第7の構成例は、第1の構成例において、コンピュータに、オンラインでマルチプレイゲームを実行させ、第1のアイテムの出現から所定時間経過までは当該第1のアイテムの情報を他のプレイヤが操作する他の情報処理装置へ送信させず、第1のアイテムの出現から所定時間経過以降、当該第1のアイテムが取得されていなかった場合に、当該第1のアイテムの位置を示す情報を他の情報処理装置へ送信させる。
【0019】
上記した第7の構成例によれば、オンラインマルチプレイにおいて、取得可能な状態のアイテムの情報のみを他の情報処理装置へ送信することで、他の情報処理装置では取得可能かどうかを考慮することなくアイテムを取得することができる。
【0020】
第8の構成例は、第7の構成例において、コンピュータに、他の情報処理装置から第2のアイテムの位置に関する情報を受信した場合に、仮想空間内の当該位置に前記第2のアイテムを配置させ、第1のプレイヤキャラクタと第2のアイテムとの接触に基づいて第1のプレイヤキャラクタに第2のアイテムを取得させる。
【0021】
上記した第8の構成例によれば、オンラインマルチプレイにおいて、プレイヤ間で相互にアイテムの受け渡しができる。
【発明の効果】
【0022】
本実施形態によれば、アイテムを他者に取得されることなく自分で取得することと、アイテムを自分で取得せずに他者へ受け渡すことの両方を、簡易な操作で実現することができるゲームプログラム、ゲームシステム、ゲーム装置およびゲーム処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本体装置2に左コントローラ3および右コントローラ4を装着した状態の一例を示す図
【
図2】本体装置2の内部構成の一例を示すブロック図
【
図3】本体装置2と左コントローラ3および右コントローラ4との内部構成の一例を示すブロック図
【
図4】オンラインマルチプレイ時の画面例を説明するための図
【
図5】オンラインマルチプレイ時のアイテムの出現等について説明するための図
【
図6】オフラインマルチプレイ時の画面例を説明するための図
【
図7】オンラインマルチプレイ時のアイテムの出現等について説明するための図
【
図8】DRAM85に記憶される各種データの例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、一実施形態について説明する。
【0025】
[情報処理システムのハードウェア構成]
【0026】
以下、本実施形態の一例に係る情報処理システム(ゲームシステム、ゲーム装置)について説明する。本実施形態におけるゲームシステム1の一例は、本体装置(情報処理装置;本実施形態ではゲーム装置本体として機能する)2と左コントローラ3および右コントローラ4とを含む。本体装置2は、左コントローラ3および右コントローラ4がそれぞれ着脱可能である。つまり、ゲームシステム1は、左コントローラ3および右コントローラ4をそれぞれ本体装置2に装着して一体化された装置として利用できる。また、ゲームシステム1は、本体装置2と左コントローラ3および右コントローラ4とを別体として利用することもできる。以下では、本実施形態のゲームシステム1のハードウェア構成について説明し、その後に本実施形態のゲームシステム1の制御について説明する。
【0027】
図1は、本体装置2に左コントローラ3および右コントローラ4を装着した状態の一例を示す図である。
図1に示すように、左コントローラ3および右コントローラ4は、それぞれ本体装置2に装着されて一体化されている。本体装置2は、ゲームシステム1における各種の処理を実行する装置である。本体装置2は、ディスプレイ12を備える。左コントローラ3および右コントローラ4は、ユーザが入力を行うための操作部を備える装置である。
【0028】
また、本体装置2は、スピーカを備えており、スピーカから効果音等の音が出力される。
【0029】
また、本体装置2は、本体装置2が左コントローラ3と有線通信を行うための左側端子と、本体装置2が右コントローラ4と有線通信を行うための右側端子を備える。
【0030】
また、本体装置2は、スロットを備える。スロットは、本体装置2のハウジングの上側面に設けられる。スロットは、所定の種類の記憶媒体を装着可能な形状を有する。所定の種類の記憶媒体は、例えば、ゲームシステム1およびそれと同種の情報処理装置に専用の記憶媒体(例えば、専用メモリカード)である。所定の種類の記憶媒体は、例えば、本体装置2で利用されるデータ(例えば、アプリケーションのセーブデータ等)、および/または、本体装置2で実行されるプログラム(例えば、アプリケーションのプログラム等)を記憶するために用いられる。
【0031】
左コントローラ3および右コントローラ4は、それぞれ、各種操作ボタン等を備える。各種操作ボタン等は、本体装置2で実行される各種プログラム(例えば、OSプログラムやアプリケーションプログラム)に応じた指示を行うために用いられる。
【0032】
また、左コントローラ3および右コントローラ4は、それぞれ、本体装置2と有線通信を行うための端子を備える。
【0033】
図2は、本体装置2の内部構成の一例を示すブロック図である。本体装置2は、プロセッサ81を備える。プロセッサ81は、本体装置2において実行される各種の情報処理を実行する情報処理部であって、例えば、CPU(Central Processing Unit)のみから構成されてもよいし、CPU機能、GPU(Graphics Processing Unit)機能等の複数の機能を含むSoC(System-on-a-chip)から構成されてもよい。プロセッサ81は、記憶部(具体的には、フラッシュメモリ84等の内部記憶媒体、あるいは、スロット23に装着される外部記憶媒体等)に記憶される情報処理プログラム(例えば、ゲームプログラム)を実行することによって、各種の情報処理を実行する。
【0034】
本体装置2は、自身に内蔵される内部記憶媒体の一例として、フラッシュメモリ84およびDRAM(Dynamic Random Access Memory)85を備える。フラッシュメモリ84およびDRAM85は、プロセッサ81に接続される。フラッシュメモリ84は、主に、本体装置2に保存される各種のデータ(プログラムであってもよい)を記憶するために用いられるメモリである。DRAM85は、情報処理において用いられる各種のデータを一時的に記憶するために用いられるメモリである。
【0035】
本体装置2は、スロットインターフェース(以下、「I/F」と略記する。)91を備える。スロットI/F91は、プロセッサ81に接続される。スロットI/F91は、スロット23に接続され、スロット23に装着された所定の種類の記憶媒体(例えば、専用メモリカード)に対するデータの読み出しおよび書き込みを、プロセッサ81の指示に応じて行う。
【0036】
プロセッサ81は、フラッシュメモリ84およびDRAM85、ならびに上記各記憶媒体との間でデータを適宜読み出したり書き込んだりして、上記の情報処理を実行する。
【0037】
本体装置2は、ネットワーク通信部82を備える。ネットワーク通信部82は、プロセッサ81に接続される。ネットワーク通信部82は、ネットワークを介して外部の装置と通信(具体的には、無線通信)を行う。本実施形態においては、ネットワーク通信部82は、例えばWi-Fiの規格に準拠した方式により無線LANに接続して、外部装置(他の本体装置2)とインターネット通信等を行う。また、ネットワーク通信部82は、他の本体装置2と近距離無線通信(例えば、赤外線通信)を行うこともできる。
【0038】
本体装置2は、コントローラ通信部83を備える。コントローラ通信部83は、プロセッサ81に接続される。コントローラ通信部83は、左コントローラ3および/または右コントローラ4と無線通信を行う。本体装置2と左コントローラ3および右コントローラ4との通信方式は任意であるが、本実施形態においては、コントローラ通信部83は、左コントローラ3との間および右コントローラ4との間で、Bluetooth(登録商標)の規格に従った通信を行う。
【0039】
プロセッサ81は、上述の左側端子17、右側端子21、および下側端子27に接続される。プロセッサ81は、左コントローラ3と有線通信を行う場合、左側端子17を介して左コントローラ3へデータを送信するとともに、左側端子17を介して左コントローラ3から操作データを受信する。また、プロセッサ81は、右コントローラ4と有線通信を行う場合、右側端子21を介して右コントローラ4へデータを送信するとともに、右側端子21を介して右コントローラ4から操作データを受信する。また、プロセッサ81は、クレードルと通信を行う場合、下側端子27を介してクレードルへデータを送信する。このように、本実施形態においては、本体装置2は、左コントローラ3および右コントローラ4との間で、それぞれ有線通信と無線通信との両方を行うことができる。また、左コントローラ3および右コントローラ4が本体装置2に装着された一体型装置または本体装置2単体がクレードルに装着された場合、本体装置2は、クレードルを介してデータ(例えば、画像データや音声データ)を据置型モニタ等に出力することができる。
【0040】
本体装置2は、タッチパネル13の制御を行う回路であるタッチパネルコントローラ86を備える。タッチパネルコントローラ86は、タッチパネル13とプロセッサ81との間に接続される。タッチパネルコントローラ86は、タッチパネル13からの信号に基づいて、例えばタッチ入力が行われた位置を示すデータを生成して、プロセッサ81へ出力する。
【0041】
また、ディスプレイ12は、プロセッサ81に接続される。プロセッサ81は、(例えば、上記の情報処理の実行によって)生成した画像および/または外部から取得した画像をディスプレイ12に表示する。
【0042】
本体装置2は、コーデック回路87およびスピーカ(具体的には、左スピーカおよび右スピーカ)88を備える。コーデック回路87は、スピーカ88および音声入出力端子25に接続されるとともに、プロセッサ81に接続される。コーデック回路87は、スピーカ88および音声入出力端子25に対する音声データの入出力を制御する回路である。
【0043】
本体装置2は、電力制御部97およびバッテリ98を備える。電力制御部97は、バッテリ98およびプロセッサ81に接続される。また、図示しないが、電力制御部97は、本体装置2の各部(具体的には、バッテリ98の電力の給電を受ける各部、左側端子17、および右側端子21)に接続される。電力制御部97は、プロセッサ81からの指令に基づいて、バッテリ98から上記各部への電力供給を制御する。
【0044】
また、バッテリ98は、下側端子27に接続される。外部の充電装置(例えば、クレードル)が下側端子27に接続され、下側端子27を介して本体装置2に電力が供給される場合、供給された電力がバッテリ98に充電される。
【0045】
図3は、本体装置2と左コントローラ3および右コントローラ4との内部構成の一例を示すブロック図である。なお、本体装置2に関する内部構成の詳細については、
図2で示しているため
図3では省略している。
【0046】
左コントローラ3は、本体装置2との間で通信を行う通信制御部101を備える。
図3に示すように、通信制御部101は、端子42を含む各構成要素に接続される。本実施形態においては、通信制御部101は、端子42を介した有線通信と、端子42を介さない無線通信との両方で本体装置2と通信を行うことが可能である。通信制御部101は、左コントローラ3が本体装置2に対して行う通信方法を制御する。すなわち、左コントローラ3が本体装置2に装着されている場合、通信制御部101は、端子42を介して本体装置2と通信を行う。また、左コントローラ3が本体装置2から外されている場合、通信制御部101は、本体装置2(具体的には、コントローラ通信部83)との間で無線通信を行う。コントローラ通信部83と通信制御部101との間の無線通信は、例えばBluetooth(登録商標)の規格に従って行われる。
【0047】
また、左コントローラ3は、例えばフラッシュメモリ等のメモリ102を備える。通信制御部101は、例えばマイコン(マイクロプロセッサとも言う)で構成され、メモリ102に記憶されるファームウェアを実行することによって各種の処理を実行する。
【0048】
左コントローラ3は、各ボタン103を備える。また、左コントローラ3は、左スティック32を備える。各ボタン103および左スティック32は、自身に対して行われた操作に関する情報を、適宜のタイミングで繰り返し通信制御部101へ出力する。
【0049】
左コントローラ3は、慣性センサを備える。具体的には、左コントローラ3は、加速度センサ104を備える。また、左コントローラ3は、角速度センサ105を備える。本実施形態においては、加速度センサ104は、所定の3軸(例えば、
図4に示すxyz軸)方向に沿った加速度の大きさを検出する。なお、加速度センサ104は、1軸方向あるいは2軸方向の加速度を検出するものであってもよい。本実施形態においては、角速度センサ105は、所定の3軸(例えば、
図4に示すxyz軸)回りの角速度を検出する。なお、角速度センサ105は、1軸回りあるいは2軸回りの角速度を検出するものであってもよい。加速度センサ104および角速度センサ105は、それぞれ通信制御部101に接続される。そして、加速度センサ104および角速度センサ105の検出結果は、適宜のタイミングで繰り返し通信制御部101へ出力される。
【0050】
通信制御部101は、各入力部(具体的には、各ボタン103、左スティック32、各センサ104および105)から、入力に関する情報(具体的には、操作に関する情報、またはセンサによる検出結果)を取得する。通信制御部101は、取得した情報(または取得した情報に所定の加工を行った情報)を含む操作データを本体装置2へ送信する。なお、操作データは、所定時間に1回の割合で繰り返し送信される。なお、入力に関する情報が本体装置2へ送信される間隔は、各入力部について同じであってもよいし、同じでなくてもよい。
【0051】
上記操作データが本体装置2へ送信されることによって、本体装置2は、左コントローラ3に対して行われた入力を得ることができる。すなわち、本体装置2は、各ボタン103および左スティック32に対する操作を、操作データに基づいて判別することができる。また、本体装置2は、左コントローラ3の動きおよび/または姿勢に関する情報を、操作データ(具体的には、加速度センサ104および角速度センサ105の検出結果)に基づいて算出することができる。
【0052】
左コントローラ3は、電力供給部108を備える。本実施形態において、電力供給部108は、バッテリおよび電力制御回路を有する。図示しないが、電力制御回路は、バッテリに接続されるとともに、左コントローラ3の各部(具体的には、バッテリの電力の給電を受ける各部)に接続される。
【0053】
図3に示すように、右コントローラ4は、本体装置2との間で通信を行う通信制御部111を備える。また、右コントローラ4は、通信制御部111に接続されるメモリ112を備える。通信制御部111は、端子64を含む各構成要素に接続される。通信制御部111およびメモリ112は、左コントローラ3の通信制御部101およびメモリ102と同様の機能を有する。したがって、通信制御部111は、端子64を介した有線通信と、端子64を介さない無線通信(具体的には、Bluetooth(登録商標)の規格に従った通信)との両方で本体装置2と通信を行うことが可能であり、右コントローラ4が本体装置2に対して行う通信方法を制御する。
【0054】
右コントローラ4は、左コントローラ3の各入力部と同様の各入力部を備える。具体的には、各ボタン113、右スティック52、慣性センサ(加速度センサ114および角速度センサ115)を備える。これらの各入力部については、左コントローラ3の各入力部と同様の機能を有し、同様に動作する。
【0055】
右コントローラ4は、電力供給部118を備える。電力供給部118は、左コントローラ3の電力供給部108と同様の機能を有し、同様に動作する。
【0056】
[本実施形態で想定するゲームについて]
次に、本実施形態にかかるゲームシステム1で実行されるゲーム処理(情報処理の一例)の概要を説明する。本実施形態で想定するゲームは、様々なオブジェクトが配置された仮想空間(ゲーム空間)内を、プレイヤ(ユーザ)の操作に応じて動作するプレイヤオブジェクト(「プレイヤキャラクタ」という場合がある)が移動してゴール地点に到達する等の所定の目的を達成するアクションゲームである。なお、本ゲームは、アクションゲームに限られず、他の種類のゲーム(ロールプレイングゲームや、サッカーゲーム等のスポーツゲームなど)であってもよい。
【0057】
[本実施形態のゲーム処理の概要]
本ゲーム処理では、複数のゲーム装置(ゲームシステム)1とサーバがインターネットを介して通信可能に接続されて、複数のプレイヤ(例えば最大4人)がそれぞれのゲーム装置1を用いて同時プレイするオンラインマルチプレイでゲームを実行できる。また、本ゲーム処理では、1つのゲーム装置1(1つの本体装置2)に複数のコントローラ(3、4)を所定数(例えば4つ)まで接続可能であり、複数のプレイヤ(例えば最大4人)が1つのゲーム装置1(1つの本体装置2)を用いて同時プレイするオフラインマルチプレイでゲームを実行できる。
【0058】
また、本ゲーム処理では、プレイヤの操作に応じて仮想空間に配置されたプレイヤキャラクタの動作等を制御し、仮想カメラで仮想空間を撮影(描画)して画面(ディスプレイ12)に表示してゲームを進行する。なお、本ゲームは、仮想空間を真横から撮影して2次元的なゲーム画像を画面に表示してプレイするゲームであるが(
図4等参照)、仮想空間を斜め上方等から撮影して3次元的なゲーム画像を画面に表示してプレイするゲームであってもよい。
【0059】
図4は、オンラインマルチプレイでゲームを実行する場合における、自分が操作するゲーム装置(「自ゲーム装置」という場合がある)の画面と他者(他のプレイヤ)が操作するゲーム装置(「他ゲーム装置」という場合がある)の画面について説明するための図である。
図5は、オンラインマルチプレイでゲームを実行する場合において、アイテムを出現させて、そのアイテムを自分(自プレイヤキャラクタ)が取得又は他者(他プレイヤキャラクタ)に渡す内容について説明するための図である。なお、以下では、一例として、2人で行うオンラインマルチプレイを挙げて説明する。
【0060】
図4(1)は、プレイヤキャラクタ200(顔にAを記載したキャラクタ)を自分のプレイヤキャラクタとするプレイヤが操作する自ゲーム装置の画面の一例である。一方で、
図4(2)は、プレイヤキャラクタ201(顔にBを記載したキャラクタ)を自分のプレイヤキャラクタとする他のプレイヤが操作する他ゲーム装置の画面の一例である。キャラクタ202は敵キャラクタであり、プレイヤキャラクタが敵キャラクタに接触するとミスとなり、ダメージを受ける。また、
図4(1)(2)に示すように、自ゲーム装置の仮想空間と他ゲーム装置の仮想空間とは、配置されるオブジェクト(プレイヤキャラクタ、敵キャラクタ、アイテム、ブロック、地面等)が対応しており、それらの位置関係も同じであるものとして説明する。ただし、オブジェクトの位置関係は必ずしも同じでなくともよい。例えば、キャラクタの位置等は、通信遅延等によりずれる場合を許容してもゲーム進行は可能であって、少なくとも配置されるアイテムが一致していればよい。
【0061】
図4(1)に示すように、自ゲーム装置の画面の左上には、自プレイヤキャラクタが保持している保持アイテムを示す保持アイテム枠203と、自プレイヤキャラクタ200が保持している保持アイテム204とが表示される。また、
図4(2)に示すように、他ゲーム装置の画面の左上には、他プレイヤキャラクタ201が保持している保持アイテムを示す保持アイテム枠203と、他プレイヤキャラクタ201が保持している保持アイテム204とが表示される。
【0062】
保持アイテム枠203は1つ表示され、保持アイテム枠203には、自分のプレイヤキャラクタの保持アイテムが表示される。本ゲームでは、一例として、様々な強さレベルが設定されたアイテムが仮想空間に出現する(又は予め配置されている)。そして、プレイヤキャラクタは、アイテムに接触して取得することによって、取得したアイテムの強さレベルに応じたパワーアップをすることができる。例えば、プレイヤキャラクタは、アイテムの種類に応じた外見(態様)に変身し、対応する能力を得ることができる。
図4(1)の保持アイテム枠203に表示された保持アイテム204の強さレベルは「中」ありこのアイテムを取得することでプレイヤキャラクタは強さレベル「中」となり、
図4(2)の保持アイテム枠203に表示された保持アイテム204の強さレベルは「強」でありこのアイテムを取得することでプレイヤキャラクタは強さレベル「強」となる。
【0063】
そして、プレイヤキャラクタが仮想空間に配置されたアイテムを取得する際に、取得するアイテムに設定された強さレベルが、プレイヤキャラクタの現在の強さレベル以下である場合には、このアイテムは取得されず保持アイテムとしてストックされる。例えば、強さレベル「強」のプレイヤキャラクタ200が、強さレベル「中」になるアイテムを取得しようとすると、このアイテムは取得されず保持アイテムとしてストックされる。また、プレイヤキャラクタが既にアイテムを取得して強さレベルが上昇している場合において、仮想空間に配置されたさらに高い強さレベルが設定されたアイテムを取得する場合には、プレイヤキャラクタの強さレベルが、取得したアイテムの強さレベルに変化すると共に、先に取得していたアイテムが保持アイテムとしてストックされる。例えば、強さレベル「中」のプレイヤキャラクタ200が、強さレベル「強」になるアイテムを取得しようとすると、プレイヤキャラクタ200の強さレベルが「強」になり、強さレベル「中」のアイテムが保持アイテムとしてストックされる。これらの場合において、保持アイテムが既に保持(取得)されている場合には、既に保持されているアイテムと、新しく保持しようとしているアイテムのうち、より強さレベルが高い方のアイテムを保持アイテムとするようにしてもよい。なお、プレイヤキャラクタは、ミスをしてダメージを受けると、強さレベルが低下する。
【0064】
次に、
図5を用いて、オンラインマルチプレイにおいて、保持アイテムを仮想空間に出現させて、そのアイテムを自プレイヤキャラクタが取得する又は他プレイヤキャラクタに渡す内容について説明する。
図5において、破線の上側(
図5(1)参照)は、
図4(1)に示した自ゲーム装置の画面(プレイヤキャラクタ200を操作する画面)の表示内容であり、破線の下側(
図5(2)参照)は、
図4(2)に示した他ゲーム装置の画面(プレイヤキャラクタ201を操作する画面)の表示内容である。また、
図5において、プレイヤキャラクタ201は移動せず、プレイヤキャラクタ200は右方向に走り出して移動している。
【0065】
まず、
図5の(a1)(a2)に示すように、自ゲーム装置の画面および他ゲーム装置の画面において、プレイヤキャラクタ200およびプレイヤキャラクタ201は止まっている。そして、
図5の(a1)の上側に示すように、自ゲーム装置(プレイヤキャラクタ200が操作されるゲーム装置)の保持アイテム枠203には、プレイヤキャラクタ200の保持アイテム204が表示されている。
【0066】
次に、
図5の(b1)(c1)に示すように、プレイヤキャラクタ200のプレイヤが各ボタン(
図3参照)に含まれるAボタン(Aキー)の長押し操作を実行した場合、
図5の(b1)(c1)の上側に示すように、自ゲーム装置の画面において、長押し操作の継続時間に応じた長さで自ゲーム装置の画面に表示された保持アイテム枠203に長押しゲージ205が表示されると共に、長押し操作の継続時間に応じた大きさでプレイヤキャラクタ200の頭上(上方)に風船206が表示される。一方、
図5の(b2)(c2)に示すように、他ゲーム装置の画面には風船206は表示されない。
【0067】
次に、
図5の(d1)に示すように、長押し操作が所定時間(例えば1.3秒間)継続されると、自ゲーム装置の画面において、長押しゲージ205が最大となり、保持アイテム枠203の保持アイテム204が消去されてプレイヤキャラクタ200の頭上(上方)にアイテム207として出現する。このような長押し操作によって、誤操作によってアイテム207を出してしまうことを抑制できるが、他の実施形態においては、長押しをせずにアイテム207を出すことができるようにしてもよい。そして、
図5の(d1)(e1)に示すように、出現したアイテム207は、所定期間(例えば1.5秒)経過するまで、発光エフェクト208が付加されると共にこのアイテムを出現させたプレイヤキャラクタ200に追従して左右方向(横方向)に移動する。また、出現したアイテム207は、このアイテムを出現させたプレイヤキャラクタ200のみが、プレイヤの操作に応じてジャンプすることによって取得(接触して取得)することができる。一方、
図5の(d2)(e2)に示すように、他ゲーム装置の画面には、発光エフェクト208が付加されたアイテム207は表示されない(出現しない)。なお、オンラインマルチプレイにおいては、この期間(
図5の(d2)(e2)参照)においてアイテム207は他ゲーム装置の画面に表示されないため、他の実施形態においては自ゲーム装置の画面において上述の追従や発光は行われないようにしてもよい。ただし、後述のオフラインマルチプレイと表現を統一していることにより、2人プレイでオンライン接続する等の、オフラインとオンラインの混合によるマルチプレイでも、同様の実施形態で発明を実施することができる。
【0068】
次に、
図5の(f1)に示すように、自ゲーム装置の画面において、アイテム207は、発光エフェクト208が付加されてから所定時間(例えば1.5秒)経過すると、プレイヤキャラクタ200に対する追従移動を終了して、終了した位置で僅かに上下移動しながら浮遊する状態となると共に、発光エフェクト208が消去される。また、
図5の(f2)に示すように、他ゲーム装置の画面(仮想空間)において、
図5の(f1)に対応する位置に、アイテム207が出現する。浮遊する状態となったアイテム207は、全てのプレイヤキャラクタが接触することによって取得できる。なお、アイテム207は、取得されたことに応じて(自ゲーム装置および他ゲーム装置の仮想空間から)消去される。
【0069】
図6は、オフラインマルチプレイでゲームを実行する場合において、複数のプレイヤが操作するゲーム装置の画面(共有の画面)について説明するための図である。
図7は、オフラインマルチプレイでゲームを実行する場合において、アイテムを出現させて、そのアイテムを出現させたプレイヤキャラクタが取得又は他プレイヤキャラクタに渡す内容について説明するための図である。なお、以下では、一例として、2人で行うオフラインマルチプレイを挙げて説明する。以下では、
図4および5を用いて説明したオンラインマルチプレイの場合と同様の内容については、説明を省略する場合がある。
【0070】
図6は、プレイヤキャラクタ200を自分のプレイヤキャラクタとするプレイヤ、および、プレイヤキャラクタ201を自分のプレイヤキャラクタとする他のプレイヤが操作するゲーム装置(1つのゲーム装置)の画面の一例である。
【0071】
図6に示すように、ゲーム装置の画面の左上には、プレイヤキャラクタ200およびプレイヤキャラクタ201が共有する保持アイテムを示す保持アイテム枠203および210が表示される。つまり、オフラインマルチプレイでは、或るプレイヤキャラクタが保持アイテムにしたアイテムを、他のプレイヤキャラクタが仮想空間に出現させることができる。また、オフラインマルチプレイでは、プレイヤキャラクタの数だけ保持アイテム枠が左右方向に整列して表示され、保持アイテム枠の数だけアイテムが保持できる。
図6では、プレイヤキャラクタが2つなので、保持アイテム枠203および210が表示されて、保持アイテム204および211が表示されている。そして、保持アイテムは、保持されたタイミングが古いものほど左側の保持アイテム枠に表示される。また、左端の保持アイテム枠だけ大きく表示され、左端の保持アイテム枠の保持アイテムから仮想空間にアイテムとして出現し、その場合には他の保持アイテムはシフトして左側の保持アイテム枠に移動する。
【0072】
次に、
図7を用いて、オフラインマルチプレイにおいて、保持アイテムを仮想空間に出現させて、そのアイテムを自プレイヤキャラクタが取得又は他プレイヤキャラクタに渡す内容について説明する。
図7において、
図5と同様に、プレイヤキャラクタ201は移動せず、プレイヤキャラクタ200は右方向に走り出して移動している。
【0073】
まず、
図7の(a)に示すように、プレイヤキャラクタ200およびプレイヤキャラクタ201は止まっている。そして、
図7の(a)の上側に示すように、保持アイテム枠203および210には、共有される保持アイテム204および211が表示されている。
【0074】
次に、
図7の(b)(c)に示すように、プレイヤキャラクタ200のプレイヤがAボタンの長押し操作をした場合、
図7の(b)(c)の上側に示すように、長押し操作の継続時間に応じた長さで、保持アイテム枠203に長押しゲージ205が表示されると共に、長押し操作の継続時間に応じた大きさでプレイヤキャラクタ200の上方に風船206が表示される。
【0075】
次に、
図7の(d)に示すように、長押し操作が所定時間(例えば1.3秒間)継続されると、長押しゲージ205が最大となり、保持アイテム枠203の保持アイテム204が消去されると共に保持アイテム211が保持アイテム枠203にシフト移動し、保持アイテム204がプレイヤキャラクタ200の頭上(上方)にアイテム207として出現する。そして、
図7の(d)(e)に示すように、出現したアイテム207は、所定期間(例えば1.5秒)経過するまで、発光エフェクト208が付加されると共にこのアイテムを出現させたプレイヤキャラクタ200に追従して左右方向(横方向)に移動する。また、出現したアイテム207は、このアイテムを出現させたキャラクタ200のみが、プレイヤの操作に応じてジャンプすることによって取得(接触して取得)することができる。
【0076】
次に、
図7の(f)に示すように、アイテム207は、発光エフェクト208が付加されてから所定時間(例えば1.5秒)経過すると、プレイヤキャラクタ200に対する追従移動を終了して、終了した位置で僅かに上下移動しながら浮遊する状態となると共に、発光エフェクト208が消去される。浮遊する状態となったアイテム207は、全てのプレイヤキャラクタが接触することによって取得できる。なお、アイテム207は、取得されたことに応じて(自ゲーム装置および他ゲーム装置の仮想空間から)消去される。
【0077】
[本実施形態の情報処理の詳細]
次に、
図8~
図13を参照して、本実施形態の情報処理について詳細に説明する。
【0078】
[使用データについて]
本ゲーム処理において用いられる各種データに関して説明する。
図8は、ゲームシステム1のDRAM85に記憶されるデータの一例を示している。
図8示すように、DRAM85には、少なくともプログラム記憶領域301とデータ記憶領域302が設けられる。プログラム記憶領域301には、ゲームプログラム401が格納される。データ記憶領域302には、ゲーム制御用データ402、画像データ408、仮想カメラ制御用データ409、操作データ410、送信用データ411、および受信データ412等が格納される。ゲーム制御用データ402には、オブジェクトデータ403が含まれる。
【0079】
ゲームプログラム401は、本ゲーム処理を実行するためのゲームプログラムである。
【0080】
オブジェクトデータ403は、仮想空間に配置されるオブジェクトのデータであり、プレイヤキャラクタ、敵キャラクタ、アイテム、地面、ブロック、岩、石、木、建物等のオブジェクトのデータである。また、オブジェクトデータ403には、オブジェクトの座標(位置)、向き、姿勢、状態等のデータが含まれる。
【0081】
画像データ408は、背景やバーチャルエフェクト等の画像データである。
【0082】
仮想カメラ制御用データ409は、仮想空間に配置される仮想カメラの動きを制御するためのデータである。具体的には、仮想カメラの位置、姿勢、画角、撮像方向等を指定するデータである。
【0083】
操作データ410は、左コントローラ3および右コントローラ4に対して行われた操作の内容を示すデータである。例えば、左コントローラ3および右コントローラ4の動きや姿勢変化、各種ボタンに対する押下状態等に対する入力状態を示すデータが含まれる。当該操作データの内容は、左コントローラ3および右コントローラ4からの信号に基づき、所定の周期で更新される。
【0084】
送信用データ411は、他のゲームシステム1に送信するためのデータであり、少なくとも、送信元を特定するための情報と、操作データ410の内容を含むデータである。送信用データ411には、マルチプレイ相手の他のゲームシステム1に送信する自プレイヤキャラクタに関するデータ(座標(位置)、姿勢、状態等を示すデータ)等が含まれる。
【0085】
受信データ412は、他のゲームシステム1から受信した送信用データを、当該他のゲームシステム1毎に(つまり、送信元が)識別可能なように記憶したデータである。受信データ412には、マルチプレイ相手の他のゲームシステム1(又はサーバ)から受信した他プレイヤ系キャラクタに関するデータ(座標(位置)、姿勢、状態等を示すデータ)等が含まれる。
【0086】
その他、DRAM85には、ゲーム処理で用いられる各種のデータが必要に応じて記憶される。
【0087】
[ゲーム処理の詳細について]
次に、フローチャートを参照して、本実施形態に係るゲーム処理の詳細を説明する。
図9~
図13は、本実施形態に係るゲーム処理の詳細を示すフローチャートの一例である。
【0088】
まず、
図9に示すように、ゲーム処理がスタートすると、ステップS100において、プロセッサ81は、ゲームプログラム401等を用いてゲーム進行処理を実行する。ゲーム進行処理には、プレイヤキャラクタの制御や、敵キャラクタ等のノンプレイキャラクタの制御、後述のアイテム処理等が含まれ、サウンド処理やフレームごとに仮想空間の描画を行う画像処理も含まれる。その後、ステップS200において、プロセッサ81は、ゲームの終了条件が成立したか否かを判定する。ゲームの終了条件は、例えば、ゲームに参加した全ての(又は1つの)プレイヤキャラクタがゴール地点に到達したという条件や、ゲームに参加した全てのプレイヤキャラクタのダメージが上限に達したという条件である。ステップS200での判定がNOの場合、処理はステップS100に戻ってゲームが継続し、この判定がYESの場合、ゲーム処理は終了する。なお、以下では、主にアイテムに関する処理について、フローチャートを用いて説明する。
【0089】
図10および
図11は、
図9のゲーム進行処理S100においてオンラインマルチプレイでゲームが実行される場合のアイテム処理のフローチャートの一例である。
【0090】
図10のステップS101において、プロセッサ81は、操作データ410に基づいて、Aボタンの長押し操作が行われたか否かを判定する。具体的には、プロセッサ81は、Aボタンの連続押下時間が所定時間(例えば0.3秒)以上になると長押し操作が行われたと判定する。ステップS101での判定がYESの場合、処理はステップS102に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS108に移る。
【0091】
ステップS102において、プロセッサ81は、保持アイテムがあるか否かを判定する。ステップS102での判定がYESの場合、処理はステップS103に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS108に移る。
【0092】
ステップS103において、プロセッサ81は、操作データ410等に基づいて、ステップS101で判定した長押し操作の実行時間に応じた大きさで、自プレイヤキャラクタの頭上に風船を表示して、風船を自プレイヤキャラクタの移動に追従して移動させる(
図5の(b1)(c1)参照)。また、プロセッサ81は、この長押し操作の実行時間に応じた長さで、長押しゲージを表示させる(
図5の(b1)(c1)参照)。その後、処理はステップS104に移る。
【0093】
ステップS104において、プロセッサ81は、操作データ410に基づいて、ステップS101で判定した長押し操作が1.3秒継続したか否かを判定する。ステップS104での判定がYESの場合、処理はステップS105に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS106に移る。
【0094】
ステップS105において、プロセッサ81は、オブジェクトデータ403等に基づいて、ステップS102で存在すると判定した保持アイテムを消去して、風船の位置にアイテムとして出現させると共に風船を消去する(
図5の(c1)(d1)参照)。また、プロセッサ81は、出現させたアイテムに発光エフェクトを付加して、自プレイヤキャラクタの頭上に表示して、このアイテムを自プレイヤキャラクタの左右移動に追従して移動させる(
図5の(d1)(e1)参照)。また、プロセッサ81は、アイテムを出現させると同時に長押しゲージを消去する。なお、
図5の(d1)(e1)を用いて説明したように、アイテムを出現させた自プレイヤキャラクタだけが、ジャンプすることで頭上の発光エフェクトが付加されたアイテムを取得することができる。その後、処理はステップS108に移る。
【0095】
ステップS106において、プロセッサ81は、操作データ410に基づいて、ステップS101で判定した長押し操作が解除されたか否かを判定する。ステップS106での判定がYESの場合、処理はステップS107に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS103に戻る。
【0096】
ステップS107において、プロセッサ81は、ステップS103で表示した風船を消去する。その後、処理はステップS108に移る。
【0097】
ステップS108において、プロセッサ81は、オブジェクトデータ403等に基づいて、自プレイヤキャラクタに追従した状態のアイテムが存在するか否かを判定する。ステップS108での判定がYESの場合、処理はステップS109に移り、この判定がNOの場合、処理は
図11のステップS121に移る。
【0098】
ステップS109において、プロセッサ81は、オブジェクトデータ403等に基づいて、ステップS108で存在すると判定したアイテム(仮想空間に存在しているアイテム)が、出現から1.5秒経過しているか否かを判定する。そして、ステップS109の処理において1.5秒経過したと判定(YES)されると、処理はステップS110に移る。
【0099】
ステップS110において、プロセッサ81は、ステップS108で存在すると判定したアイテムに付加された発光エフェクトを消去し、このアイテムの自プレイヤキャラクタに対する追従移動を終了し、終了した位置でこのアイテムを浮遊させる(
図5の(e1)(f1)参照)。また、プロセッサ81は、アイテム位置情報を他のゲーム装置に送信する。アイテム位置情報には、浮遊させたアイテムの位置および種類(強さレベル)等を示す情報が含まれている。その後、処理は
図11のステップS121に移る。
【0100】
ステップS121において、プロセッサ81は、他のゲーム装置からアイテム位置情報を受信したか否かを判定する。ステップS121での判定がYESの場合、処理はステップS122に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS123に移る。
【0101】
ステップS122において、プロセッサ81は、アイテム位置情報が示す位置に、アイテム位置情報が示す種類のアイテム(発光エフェクトが付加されていない浮遊状態のアイテム)を出現させる(
図5の(f2)参照)。その後、処理はステップS123に移る。
【0102】
ステップS123において、プロセッサ81は、自プレイヤキャラクタが何れかのアイテムに接触したか否かを判定する。ステップS123での判定がYESの場合、処理はステップS124に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS127に移る。
【0103】
ステップS124において、プロセッサ81は、所定条件が成立したか否かを判定する。所定条件は、ステップS123で接触したと判定したアイテム(取得しようとするアイテム)がもたらす強さレベルが、自プレイヤキャラクタの現在の強さレベルよりも上であるという条件である。ステップS124での判定がYESの場合、処理はステップS125に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS126に移る。
【0104】
ステップS125において、プロセッサ81は、ステップS123で接触したと判定したアイテムを自プレイヤキャラクタが取得して、自プレイヤキャラクタがこのアイテムに応じた強さと外見(態様)に変身する処理を行う。また、プロセッサ81は、アイテムを消去し、アイテム取得情報を他のゲーム装置に送信する。アイテム取得情報には、取得されたアイテムの種類(強さレベル)やアイテムを取得したプレイヤキャラクタ等を示す情報が含まれている。その後、処理はステップS127に移る。
【0105】
ステップS126において、プロセッサ81は、ステップS123で接触したと判定したアイテムを保持アイテムとしてストックし、保持アイテム枠に表示する(
図4(1)の204参照)。但し、既に保持アイテムがストックされている場合には、ステップS123で接触したと判定したアイテムはストックされない。その後、処理はステップS127に移る。なお、ステップS125において自プレイヤキャラクタがアイテムを取得する場合において、自プレイヤキャラクタが既にアイテム(取得するアイテムよりも強さレベルが低いアイテム)を取得して強さレベルが上昇していた場合には、(既に保持アイテムがストックされている状態でなければ)既に取得していたアイテムは、保持アイテムとしてストックされる。
【0106】
ステップS127において、プロセッサ81は、アイテム取得情報を他のゲーム装置から受信したか否かを判定する。ステップS127での判定がYESの場合、処理はステップS128に移り、この判定がNOの場合、処理は
図10のステップS101に戻る。
【0107】
ステップS128において、プロセッサ81は、ステップS127で受信したアイテム取得情報に基づいて、アイテムを取得した他プレイヤキャラクタがこのアイテムに応じた強さと外見(態様)に変身する処理を行う。また、プロセッサ81は、取得されたアイテムを消去する。その後、処理は
図10のステップS101に戻る。
【0108】
なお、
図4および
図5を用いて説明したオンラインマルチプレイでゲームが実行される場合において、自プレイヤキャラクタ(
図5(1)の200)により出現したアイテムを第1のアイテムと言い、他プレイヤキャラクタ(
図5(1)の201)により出現したアイテムを第2のアイテムと言ってもよい。また、
図6および
図7を用いて説明した説明したオフラインマルチプレイでゲームが実行される場合において、或るプレイヤキャラクタ(
図7の200)により出現したアイテムを第1のアイテムと言い、他プレイヤキャラクタ(
図7の201)により出現したアイテムを第2のアイテムと言ってもよい。
【0109】
図12および
図13は、
図9のゲーム進行処理S100においてオフラインマルチプレイでゲームが実行される場合のアイテム処理のフローチャートの一例である。
【0110】
図12のステップS131において、プロセッサ81は、操作データ410に基づいて、何れかのプレイヤによってAボタンの長押し操作が行われたか否かを判定する。具体的には、プロセッサ81は、Aボタンの連続押下時間が所定時間(例えば0.3秒)以上になると長押し操作が行われたと判定する。ステップS131での判定がYESの場合、処理はステップS132に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS138に移る。
【0111】
ステップS132において、プロセッサ81は、共有される保持アイテム(
図6の204等参照)があるか否かを判定する。ステップS132での判定がYESの場合、処理はステップS133に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS138に移る。
【0112】
ステップS133において、プロセッサ81は、操作データ410等に基づいて、ステップS131で判定した長押し操作の実行時間に応じた大きさで、この長押し操作を行ったプレイヤのプレイヤキャラクタの頭上(上方)に風船を表示して、風船をこのプレイヤキャラクタの移動に追従して移動させる(
図7の(b)(c)参照)。また、プロセッサ81は、この長押し操作の実行時間に応じた長さで、長押しゲージを表示させる(図の(b)(c)参照)。その後、処理はステップS134に移る。
【0113】
ステップS134において、プロセッサ81は、操作データ410に基づいて、ステップS131で判定した長押し操作が1.3秒継続したか否かを判定する。ステップS134での判定がYESの場合、処理はステップS135に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS136に移る。
【0114】
ステップS135において、プロセッサ81は、オブジェクトデータ403等に基づいて、ステップS132で存在すると判定した保持アイテムのうち最も早いタイミングでストックされた保持アイテムを消去して、風船の位置にアイテムとして出現させると共に風船を消去する(
図7の(c)(d)参照)。また、プロセッサ81は、出現させたアイテムに発光エフェクトを付加して、プレイヤキャラクタの頭上(上方)に表示して、このアイテムをプレイヤキャラクタの左右移動(横方向)に追従して移動させる(
図7の(d)(e)参照)。また、プロセッサ81は、アイテムを出現させると同時に長押しゲージを消去する。なお、
図7の(d)(e)を用いて説明したように、アイテムを出現させたプレイヤキャラクタだけが、ジャンプすることで頭上の発光エフェクトが付加されたアイテムを取得することができる。その後、処理はステップS138に移る。
【0115】
ステップS136において、プロセッサ81は、操作データ410に基づいて、ステップS131で判定した長押し操作が解除されたか否かを判定する。ステップS136での判定がYESの場合、処理はステップS137に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS133に戻る。
【0116】
ステップS137において、プロセッサ81は、ステップS133で表示した風船を消去する。その後、処理はステップS138に移る。
【0117】
ステップS138において、プロセッサ81は、オブジェクトデータ403等に基づいて、プレイヤキャラクタに追従した状態のアイテムが存在するか否かを判定する。ステップS138での判定がYESの場合、処理はステップS139に移り、この判定がNOの場合、処理は
図13のステップS151に移る。
【0118】
ステップS139において、プロセッサ81は、オブジェクトデータ403等に基づいて、ステップS138で存在すると判定したアイテム(仮想空間に存在しているアイテム)が、出現から1.5秒経過しているか否かを判定する。そして、ステップS139の処理において1.5秒経過したと判定(YES)されると、処理はステップS140に移る。
【0119】
ステップS140において、プロセッサ81は、ステップS138で判定したアイテムに付加された発光エフェクトを消去し、このアイテムのプレイヤキャラクタに対する追従移動を終了し、終了した位置でこのアイテムを浮遊させる(
図7の(e)(f)参照)。その後、処理は
図13のステップS151に移る。
【0120】
ステップS151において、プロセッサ81は、何れかのプレイヤキャラクタが何れかのアイテムに接触したか否かを判定する。ステップS151での判定がYESの場合、処理はステップS152に移り、この判定がNOの場合、処理は
図12のステップS131に戻る。
【0121】
ステップS152において、プロセッサ81は、ステップS151で接触したと判定したアイテムが、ステップS151で接触したと判定したプレイヤキャラクタが出現させたアイテムであるか否かを判定する。ステップS152での判定がYESの場合、処理はステップS153に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS154に移る。
【0122】
ステップS154において、プロセッサ81は、ステップS151で接触したと判定したアイテムについて、プレイヤキャラクタを追従する状態が終了しているか否かを判定する。ステップS154での判定がYESの場合、処理はステップS153に移り、この判定がNOの場合、処理は
図12ステップS131に戻る。
【0123】
ステップS153において、プロセッサ81は、所定条件が成立したか否かを判定する。所定条件は、ステップS151で接触したと判定したアイテム(取得しようとするアイテム)がもたらす強さレベルが、ステップS151で接触したと判定したプレイヤキャラクタの現在の強さレベルよりも上であるという条件である。ステップS153での判定がYESの場合、処理はステップS155に移り、この判定がNOの場合、処理はステップS156に移る。
【0124】
ステップS155において、プロセッサ81は、ステップS151で接触したと判定したアイテムを、ステップS151で接触したと判定したプレイヤキャラクタが取得して、このプレイヤキャラクタがこのアイテムに応じた強さと外見(態様)に変身する処理を行う。また、プロセッサ81は、アイテムを消去する。その後、処理は
図12のステップS131に戻る。
【0125】
ステップS156において、プロセッサ81は、ステップS151で接触したと判定したアイテムを保持アイテムとしてストックし、保持アイテム枠に表示する(
図6の211参照)。但し、既に全ての保持アイテム枠に保持アイテムがストックされている場合には、ステップS151で接触したと判定したアイテムはストックされない。その後、処理は
図12のステップS131に戻る。なお、ステップS155においてプレイヤキャラクタがアイテムを取得する場合において、プレイヤキャラクタが既にアイテム(取得するアイテムよりも強さレベルが低いアイテム)を取得して強さレベルが上昇していた場合には、(既に保持アイテムが上限までストックされている状態でなければ)既に取得していたアイテムは、保持アイテムとしてストックされる。
【0126】
以上に説明したように、本実施形態によれば(
図5、
図7等参照)、プレイヤは、Aボタンを長押ししてアイテムを自分のプレイヤキャラクタの頭上に出現させてから所定期間(1.5秒間)は自分のプレイヤキャラクタをジャンプ等させることで自分のプレイヤキャラクタだけがアイテムを取得することができる。このときアイテムは、オフラインマルチプレイでは、他のプレイヤにも見えているが取得できず、オンラインマルチプレイでは、他のプレイヤには見えないし取得もできない状態となっている。このことにより、自分に使うために生成した(出現させた)アイテムを横取りされる問題を抑制できる。また、その後、出現したアイテムは、オンライン、オフラインに関わらず他のプレイヤにも見える状態になって、浮遊状態になって何れのプレイヤキャラクタでも取得可能となるので、他のプレイヤキャラクタに渡すことができる。このことによって、本実施形態によれば、アイテムを他者に取得されることなく自分で取得することと、アイテムを自分で取得せずに他者へ受け渡すことの両方を、簡易な操作(Aボタンの操作)で実現することができる。すなわち、「1人プレイ」「オフラインマルチプレイ」「オンラインマルチプレイ」「オフラインとオンライン混合のマルチプレイ」のいずれの場合でも、Aボタン長押しするという1種類の操作でアイテムの取得競合を抑制した上でアイテム取得と受け渡しの両方を行うことができる。
【0127】
[変形例]
なお、上記した本実施形態では、プレイヤキャラクタがアイテムに接触することでアイテムを取得する例を挙げた。しかし、これには限られず、例えば、プレイヤキャラクタがアイテムに接触した際に所定の操作(例えばAボタン押下)をすることでアイテムを取得する構成としてもよい。
【0128】
また、上記した本実施形態では、インターネットを介して接続された複数のゲーム装置によるオンラインマルチプレイの場合を例に挙げた(
図4、
図5等参照)。しかし、インターネットを介することなく近距離無線通信等で直接接続された複数のゲーム装置によるマルチプレイについて、上記したオンラインマルチプレイの場合と同様に制御してもよい。
【0129】
また、上記した本実施形態においては、ゲーム処理にかかる一連の処理が単一のゲーム装置で実行される場合を説明した。他の実施形態においては、上記一連の処理が複数の情報処理装置からなる情報処理システムにおいて実行されてもよい。例えば、端末側装置と、当該端末側装置とネットワークを介して通信可能なサーバ側装置とを含む情報処理システムにおいて、上記一連の処理のうちの一部の処理がサーバ側装置によって実行されてもよい。更には、端末側装置と、当該端末側装置とネットワークを介して通信可能なサーバ側装置とを含む情報処理システムにおいて、上記一連の処理のうちの主要な処理がサーバ側装置によって実行され、当該端末側装置では一部の処理が実行されてもよい。また、上記情報処理システムにおいて、サーバ側のシステムは、複数の情報処理装置によって構成され、サーバ側で実行するべき処理を複数の情報処理装置が分担して実行してもよい。また、いわゆるクラウドゲーミングの構成としてもよい。例えば、ゲーム装置は、ユーザの操作を示す操作データを所定のサーバに送り、当該サーバにおいて各種ゲーム処理が実行され、その実行結果が動画・音声としてゲーム装置にストリーミング配信されるような構成としてもよい。
【0130】
以上、本実施形態および変形例について説明したが、これらの説明はあらゆる点において例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。また、本実施形態および変形例について、種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0131】
1 ゲームシステム
3、4 コントローラ
12 ディスプレイ
81 プロセッサ
85 DRAM
200、201 プレイヤキャラクタ
202 敵キャラクタ
203、210 アイテム枠
204、207、211 アイテム
206 風船