(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-19
(45)【発行日】2024-11-27
(54)【発明の名称】消去ゲートがワード線ゲートの上方に配設されたスプリットゲート2ビット不揮発性メモリセル及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H10B 41/30 20230101AFI20241120BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20241120BHJP
H01L 29/788 20060101ALI20241120BHJP
H01L 29/792 20060101ALI20241120BHJP
【FI】
H10B41/30
H01L29/78 371
(21)【出願番号】P 2023519475
(86)(22)【出願日】2021-01-20
(86)【国際出願番号】 US2021014246
(87)【国際公開番号】W WO2022071979
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-05-23
(31)【優先権主張番号】202011056431.1
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(32)【優先日】2021-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500147506
【氏名又は名称】シリコン ストーリッジ テクノロージー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SILICON STORAGE TECHNOLOGY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン、チュンミン
(72)【発明者】
【氏名】リウ、シアン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、グオ シャン
(72)【発明者】
【氏名】シン、レオ
(72)【発明者】
【氏名】ドー、ナン
【審査官】脇水 佳弘
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0355824(US,A1)
【文献】特表2018-508987(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0176460(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106206588(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 41/00
H01L 21/336
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリセルを形成する方法であって、
第1の導電型を有する半導体基板に第1の絶縁層を形成するステップと、
前記第1の絶縁層に第1の導電層を形成するステップと、
前記第1の導電層に第2の絶縁層を形成するステップと、
前記第2の絶縁層に第2の導電層を形成するステップと、
前記第2の導電層に第3の絶縁層を形成するステップと、
前記第3の絶縁層、前記第2の導電層、及び前記第2の絶縁層を通って延在するトレンチを形成するステップと、
前記トレンチの側壁に沿って複数の絶縁スペーサを形成するステップ
であって、前記複数の絶縁スペーサは前記第1の導電層上に配設される、形成するステップと、
前記複数の絶縁スペーサの間の前記第1の導電層を通して前記トレンチを延在させるステップと、
前記トレンチ内にワード線ゲートを形成するステップであって、前記ワード線ゲートは、前記基板の上方に垂直に配設され、かつ前記基板から絶縁される、形成するステップと、
前記トレンチの前記側壁に沿って前記複数の絶縁スペーサのうちの1つを除去するステップと、
前記複数の絶縁スペーサのうちの1つを前記除去するステップの後に、前記トレンチ内に消去ゲートを形成するステップであって、前記消去ゲートは、前記ワード線ゲートの上方に垂直に配設され、かつ前記ワード線ゲートから絶縁される、形成するステップと、
前記第2の導電層の第1の部分及び第2の部分をそれぞれの第1の結合ゲート及び第2の結合ゲートとして維持しながら、前記第2の導電層の部分を除去し、前記第1の導電層の第1の部分及び第2の部分をそれぞれの第1の浮遊ゲート及び第2の浮遊ゲートとして維持しながら、前記第1の導電層の部分を除去するステップと、
前記基板内に、前記第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する第1の領域及び第2の領域を形成するステップであって、前記第1の領域は前記第1の浮遊ゲートに隣接し、前記第2の領域は前記第2の浮遊ゲートに隣接し、前記基板内の連続したチャネル領域は前記第1の領域と前記第2の領域との間に延在する、形成するステップと、を含み、
前記第1の浮遊ゲートは、前記基板の上方に配設され、かつ前記基板から絶縁され、前記ワード線ゲートに横方向に隣接し、かつ前記ワード線ゲートから絶縁され、
前記第2の浮遊ゲートは、前記基板の上方に配設され、かつ前記基板から絶縁され、前記ワード線ゲートに横方向に隣接し、かつ前記ワード線ゲートから絶縁され、
前記消去ゲートは、前記第1の浮遊ゲートのエッジに面する第1のノッチと、前記第2の浮遊ゲートのエッジに面する第2のノッチとを含み、
前記第1の結合ゲートは、前記第1の浮遊ゲートの上方に配設され、かつ前記第1の浮遊ゲートから絶縁され、
前記第2の結合ゲートは、前記第2の浮遊ゲートの上方に配設され、かつ前記第2の浮遊ゲートから絶縁される、方法。
【請求項2】
前記ワード線ゲートは、前記第1の浮遊ゲート及び前記第2の浮遊ゲートに横方向に隣接して配設され、かつ前記第1の浮遊ゲート及び前記第2の浮遊ゲートから絶縁され、
前記消去ゲートは、前記第1の結合ゲート及び前記第2の結合ゲートに横方向に隣接して配設され、かつ前記第1の結合ゲート及び前記第2の結合ゲートから絶縁される、請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の浮遊ゲートは、前記第1の領域の上方に部分的に配設され、かつ前記第1の領域から絶縁され、前記第2の浮遊ゲートは、前記第2の領域の上方に部分的に配設され、かつ前記第2の領域から絶縁される、請求項
1に記載の方法。
【請求項4】
前記ワード線ゲートと前記基板との間の絶縁体は、前記第1の浮遊ゲート及び前記第2の浮遊ゲートと前記基板との間の絶縁体より薄い、請求項
1に記載の方法。
【請求項5】
前記消去ゲートと前記第1の浮遊ゲート及び前記第2の浮遊ゲートとの間の絶縁体は、前記ワード線ゲートと前記第1の浮遊ゲート及び前記第2の浮遊ゲートとの間の絶縁体より薄い、請求項
1に記載の方法。
【請求項6】
メモリセルを形成する方法であって、
第1の導電型を有する半導体基板に第1の絶縁層を形成するステップと、
前記第1の絶縁層に第1の導電層を形成するステップと、
前記第1の導電層に第2の絶縁層を形成するステップと、
前記第2の絶縁層に第2の導電層を形成するステップと、
前記第2の導電層に第3の絶縁層を形成するステップと、
前記第2の導電層の第1の部分及び第2の部分をそれぞれの第1の結合ゲート及び第2の結合ゲートとして維持しながら、前記第2の導電層の部分を除去し、前記第1の導電層の第1の部分及び第2の部分をそれぞれの第1の浮遊ゲート及び第2の浮遊ゲートとして維持しながら、前記第1の導電層の部分を除去するステップと、
前記基板の上方に垂直に配設され、かつ前記基板から絶縁され、前記第1の浮遊ゲートと前記第2の浮遊ゲートとの間に横方向に配設されたワード線ゲートを形成するステップと、
前記ワード線ゲートの上方に垂直に配設され、かつ前記ワード線ゲートから絶縁され、前記第1の結合ゲートと前記第2の結合ゲートとの間に横方向に配設された消去ゲートを形成するステップと、
前記基板内に、前記第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する第1の領域及び第2の領域を形成するステップであって、前記第1の領域は、前記第1の浮遊ゲートに隣接し、前記第2の領域は、前記第2の浮遊ゲートに隣接し、前記基板内の連続したチャネル領域は、前記第1の領域と前記第2の領域との間に延在する、形成するステップと、
前記第2の導電層の部分を前記除去するステップの後に、かつ前記第1の導電層の部分を前記除去するステップの前に、前記第1の結合ゲート及び前記第2の結合ゲートの側壁に沿って複数の絶縁スペーサを形成するステップであって、前記複数の絶縁スペーサは前記第1の導電層上に配設される、形成するステップと、
前記消去ゲートを前記形成するステップの前に、前記第1の結合ゲートの側壁の1つに沿って、及び前記第2の結合ゲートの側壁の1つに沿って、前記複数の絶縁スペーサのうちの1つを除去するステップと、を含み、
前記第1の浮遊ゲートは、前記基板の上方に配設され、かつ前記基板から絶縁され、
前記第2の浮遊ゲートは、前記基板の上方に配設され、かつ前記基板から絶縁され、
前記消去ゲートは、前記第1の浮遊ゲートのエッジに面する第1のノッチ及び前記第2の浮遊ゲートのエッジに面する第2のノッチを含み、
前記第1の結合ゲートは、前記第1の浮遊ゲートの上方に配設され、かつ前記第1の浮遊ゲートから絶縁され、
前記第2の結合ゲートは、前記第2の浮遊ゲートの上方に配設され、かつ前記第2の浮遊ゲートから絶縁される、方法。
【請求項7】
前記ワード線ゲートは、前記第1の浮遊ゲート及び前記第2の浮遊ゲートに横方向に隣接して配設され、かつ前記第1の浮遊ゲート及び前記第2の浮遊ゲートから絶縁され、
前記消去ゲートは、前記第1の結合ゲート及び前記第2の結合ゲートに横方向に隣接して配設され、かつ前記第1の結合ゲート及び前記第2の結合ゲートから絶縁される、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の浮遊ゲートは、前記第1の領域の上方に部分的に配設され、かつ前記第1の領域から絶縁され、前記第2の浮遊ゲートは、前記第2の領域の上方に部分的に配設され、かつ前記第2の領域から絶縁される、請求項
6に記載の方法。
【請求項9】
前記ワード線ゲートと前記基板との間の絶縁体は、前記第1の浮遊ゲート及び前記第2の浮遊ゲートと前記基板との間の絶縁体より薄い、請求項
6に記載の方法。
【請求項10】
前記消去ゲートと前記第1の浮遊ゲート及び前記第2の浮遊ゲートとの間の絶縁体は、前記ワード線ゲートと前記第1の浮遊ゲート及び前記第2の浮遊ゲートとの間の絶縁体より薄い、請求項
6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本特許出願は、「Split-Gate,2-Bit Non-volatile Memory Cell With Erase Gate Disposed Over Word Line Gate,And Method Of Making Same」と題する2020年9月30日に出願された中国特許出願第202011056431.1号、及び「Split-Gate,2-Bit Non-volatile Memory Cell With Erase Gate Disposed Over Word Line Gate,And Method Of Making Same」と題する2021年1月19日に出願された米国特許出願第17/152,696号の優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、不揮発性メモリアレイに関し、より詳細には、複数の浮遊ゲート及び複数の結合ゲート、並びに、ワード線ゲート及び消去ゲートを有する、スプリットゲート2ビットメモリセルに関する。
【背景技術】
【0003】
スプリットゲート不揮発性フラッシュメモリセルは周知である。例えば、米国特許第6,747,310号は、間にチャネル領域を画定するソース領域及びドレイン領域と、チャネル領域の一部分の上方にある選択ゲートと、チャネル領域の他方の部分の上方にある浮遊ゲートと、ソース領域の上方にある消去ゲートと、を有する、かかるメモリセルを開示する。これらのメモリセルは、共通ソース領域及び共通消去ゲートをシェアする対で形成され、各メモリセルは、ソース領域とドレイン領域との間に延在する基板内に独自のチャネル領域を有する(すなわち、各メモリセル対には、2つの別個のチャネル領域が存在する)。所定列内のメモリセル用の全ての制御ゲートを接続する線は、垂直方向に走る。消去ゲートと選択ゲートとを接続する線、及びソース線も同様である。メモリセルの各行のドレイン領域を接続するビット線は、水平方向に走る。
【0004】
各メモリセルは、単一ビットの情報(浮遊ゲートのプログラミング状態に基づく)を記憶する。各セル(ソース、ドレイン、選択ゲート、制御ゲート、及び消去ゲート)の電極数及び各メモリコール対の2つの別個のチャネル領域を前提とすると、各種の線が全てこれらの電極に接続されているアーキテクチャ及びアレイレイアウトを構成し、形成することは、特に、限界寸法が縮小し続けているため、実現が過度に複雑かつ困難であり得る。
【0005】
1つの解決手段とは、ソース領域をなくして、両方のメモリセルに単一の連続したチャネル領域及び共通ワード線ゲートをシェアさせることである。このことは米国特許第8,780,625号に開示されている。しかしながら、この構成では、とりわけ、消去ゲートの不在等により性能が制限される。米国特許第10,658,027号は、単一の連続したチャネル領域及び共通消去ゲートを開示しているが、チャネル領域の部分の導電性を制御するように位置決めされたワード線ゲートを欠いている。米国特許第9,972,632号は、共通ワード線ゲート及び消去ゲートを有する単一の連続したチャネル領域を開示している。しかしながら、この構成は、ドレイン領域への高い結合比及び消去トンネリング効率を高める形状の欠如によって消去効率が損なわれる可能性があるため、理想的ではない。
【発明の概要】
【0006】
上述の問題及び必要性は、メモリデバイスによって解決及び満たされ、このメモリデバイスは、第1の導電型の半導体材料の基板と、基板内で離間し、第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する第1の領域及び第2の領域であって、基板内のチャネル領域が、第1の領域と第2の領域との間に延在し、チャネル領域は、第1の領域と第2の領域との間で連続している、第1の領域及び第2の領域と、第1の領域に隣接したチャネル領域の第1の部分の上方に配設され、かつ第1の部分から絶縁された第1の浮遊ゲートと、第2の領域に隣接したチャネル領域の第2の部分の上方に配設され、かつ第2の部分から絶縁された第2の浮遊ゲートと、第1の浮遊ゲートの上方に配設され、かつ第1の浮遊ゲートから絶縁された第1の結合ゲートと、第2の浮遊ゲートの上方に配設され、かつ第2の浮遊ゲートから絶縁された第2の結合ゲートと、第1のチャネル領域部分と第2のチャネル領域部分との間のチャネル領域の第3の部分の上方に配設され、かつ第3の部分から絶縁されたワード線ゲートと、ワード線ゲートの上方に配設され、かつワード線ゲートから絶縁された消去ゲートと、を備える。
【0007】
メモリセルを形成する方法は、第1の導電型を有する半導体基板に第1の絶縁層を形成するステップと、第1の絶縁層に第1の導電層を形成するステップと、第1の導電層に第2の絶縁層を形成するステップと、第2の絶縁層に第2の導電層を形成するステップと、第2の導電層に第3の絶縁層を形成するステップと、第3の絶縁層、第2の導電層及び第2の絶縁層を通って延在するトレンチを形成するステップと、トレンチの側壁に沿って複数の絶縁スペーサを形成するステップと、複数の絶縁スペーサの間の第1の導電層を通してトレンチを延在させるステップと、トレンチ内にワード線ゲートを形成するステップであって、ワード線ゲートは、基板の上方に垂直に配設され、かつ基板から絶縁される、形成するステップとトレンチ内に消去ゲートを形成するステップであって、消去ゲートは、ワード線ゲートの上方に垂直に配設され、かつワード線ゲートから絶縁される、形成するステップと、第2の導電層の第1の部分及び第2の部分をそれぞれの第1の結合ゲート及び第2の結合ゲートとして維持しながら、第2の導電層の部分を除去し、第1の導電層の第1の部分及び第2の部分をそれぞれの第1の浮遊ゲート及び第2の浮遊ゲートとして維持しながら、第1の導電層の部分を除去するステップと、基板内に、第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する第1の領域及び第2の領域を形成するステップであって、第1の領域は、第1の浮遊ゲートに隣接し、第2の領域は、第2の浮遊ゲートに隣接し、基板内の連続したチャネル領域は、第1の領域と第2の領域との間に延在する、形成するステップと、を含む。第1の浮遊ゲートは、基板の上方に配設され、かつ基板から絶縁され、ワード線ゲートに横方向に隣接し、かつワード線ゲートから絶縁される。第2の浮遊ゲートは、基板の上方に配設され、かつ基板から絶縁され、ワード線ゲートに横方向に隣接し、かつワード線ゲートから絶縁される。第1の結合ゲートは、第1の浮遊ゲートの上方に配設され、かつ第1の浮遊ゲートから絶縁される。第2の結合ゲートは、第2の浮遊ゲートの上方に配設され、かつ第2の浮遊ゲートから絶縁される。
【0008】
メモリセルを形成する方法は、第1の導電型を有する半導体基板に第1の絶縁層を形成するステップと第1の絶縁層に第1の導電層を形成するステップと、第1の導電層に第2の絶縁層を形成するステップと、第2の絶縁層に第2の導電層を形成するステップと、第2の導電層に第3の絶縁層を形成するステップと、第2の導電層の第1の部分及び第2の部分をそれぞれの第1の結合ゲート及び第2の結合ゲートとして維持しながら、第2の導電層の部分を除去し、第1の導電層の第1の部分及び第2の部分をそれぞれの第1の浮遊ゲート及び第2の浮遊ゲートとして維持しながら、第1の導電層の部分を除去するステップと、基板の上方に垂直に配設され、かつ基板から絶縁され、第1の浮遊ゲートと第2の浮遊ゲートとの間に横方向に配設されたワード線ゲートを形成するステップと、ワード線ゲートの上方に垂直に配設され、かつワード線ゲートから絶縁され、第1の結合ゲートと第2の結合ゲートとの間に横方向に配設された消去ゲートを形成するステップと、基板内に、第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する第1の領域及び第2の領域を形成するステップであって、第1の領域は、第1の浮遊ゲートに隣接し、第2の領域は、第2の浮遊ゲートに隣接し、基板内の連続したチャネル領域は、第1の領域と第2の領域との間に延在する、形成するステップと、を含む。第1の浮遊ゲートは、基板の上方に配設され、かつ基板から絶縁される。第2の浮遊ゲートは、基板の上方に配設され、かつ基板から絶縁される。第1の結合ゲートは、第1の浮遊ゲートの上方に配設され、かつ第1の浮遊ゲートから絶縁される。第2の結合ゲートは、第2の浮遊ゲートの上方に配設され、かつ第2の浮遊ゲートから絶縁される。
【0009】
本発明の他の目的及び特徴は、明細書、特許請求の範囲、添付図面を精読することによって明らかになるであろう。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1A】本発明の2ビットメモリセルを形成するステップを示す側断面図である。
【
図1B】本発明の2ビットメモリセルを形成するステップを示す側断面図である。
【
図1C】本発明の2ビットメモリセルを形成するステップを示す側断面図である。
【
図1D】本発明の2ビットメモリセルを形成するステップを示す側断面図である。
【
図1E】本発明の2ビットメモリセルを形成するステップを示す側断面図である。
【
図1F】本発明の2ビットメモリセルを形成するステップを示す側断面図である。
【
図2】本発明の最終的な2ビットメモリセル構造体を示す側断面図である。
【
図3A】本発明の2ビットメモリセルの代替の実施形態を形成するステップを示す側断面図である。
【
図3B】本発明の2ビットメモリセルの代替の実施形態を形成するステップを示す側断面図である。
【
図3C】本発明の2ビットメモリセルの代替の実施形態を形成するステップを示す側断面図である。
【
図3D】本発明の2ビットメモリセルの代替の実施形態を形成するステップを示す側断面図である。
【
図3E】本発明の2ビットメモリセルの代替の実施形態を形成するステップを示す側断面図である。
【
図3F】本発明の2ビットメモリセルの代替の実施形態を形成するステップを示す側断面図である。
【
図4】本発明の2ビットメモリセルの最終的な代替の実施形態を示す側断面図である。
【
図5】本発明の2ビットメモリセルアレイを動作させるために使用される制御回路を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、スプリットゲート2ビットメモリセルのメモリセル設計、アーキテクチャ、及び製造方法に関する。
図1A~
図1Fを参照すると、2ビットメモリセルを制作するプロセスにおけるステップの断面図が示されている。単一の2ビットメモリセルの形成のみが図に示されているが、複数のそのような2ビットメモリセルのアレイが、そのような2ビットメモリセルのアレイを含むメモリデバイスを形成するときに同時に形成されることを理解されたい。このプロセスは、半導体材料(例えば、単結晶シリコン)の基板10の上面10aに第1の絶縁層12(例えば、二酸化シリコンの層であり、本明細書では酸化物層12とも称される)を形成するステップから始まる。その後、第1の導電層14(例えば、ポリシリコン(本明細書では「ポリ」とも称される)又はアモルファスシリコン)が酸化物層12に形成される。次いで、第2の絶縁層16が、ポリ層14に形成される。好ましくは、第2の絶縁層16はONO層であり、酸化物-窒化物-酸化物の副層を有することを意味する。第2の導電層18(例えば、ポリシリコン又はアモルファスシリコン)は、第2の絶縁層16に形成される。第3の絶縁層20(例えば、本明細書では「窒化物」と称される窒化シリコン)が、第2の導電層18に形成される。フォトレジスト材料(図示せず)が構造体にコーティングされ、フォトレジスト材料の選択された部分を露出させるフォトリソグラフィマスキングステップが行われる。フォトレジストの部分が除去されるように、フォトレジストが現像される。残ったフォトレジストをマスクとして使用して、構造体をエッチングする。具体的には、第3の絶縁層20、第2の導電層18、及び第2の絶縁層16は、(導電層14をエッチストップとして使用して)異方性エッチングされ、第3の絶縁層20、第2の導電層18、及び第2の絶縁層16を通って延在するトレンチ22を残す。(フォトレジスト除去後に)結果として得られた構造体を
図1Aに示す。
【0016】
絶縁スペーサ24/26(例えば、ON(oxide and nitride)(酸化物及び窒化物))がトレンチ22の側壁に沿って形成される。スペーサの形成は、当該技術分野において既知であり、構造体の輪郭の上方に材料を堆積した後、異方性エッチングプロセスが行われ、その結果、この材料は、構造体の水平面からは除去され、構造体(丸みを帯びた上面を有する)の垂直配向面においては大部分がそのまま残存する。絶縁(ON)スペーサ24/26は、酸化物堆積、窒化物堆積、次いで、窒化物異方性エッチング及び酸化物異方性エッチングによって形成される。次いで、酸化物スペーサ28が、酸化物堆積とそれに続く酸化物異方性エッチングによってトレンチ22内に形成される。次いでに、異方性エッチングが行われ、
図1Bに示すように、酸化物スペーサ28間に位置する領域の下の導電層14の露出部分を除去し、トレンチ22を深くする。この時点で、(トレンチ22の底部の酸化物層12を通して、その下にある基板10の部分(以下で更に説明するように、最終的にチャネル領域のワード線部分になる)内へ)注入が行われ得る。
【0017】
次に、酸化物スペーサ30が、酸化物堆積及び異方性酸化物エッチングによって、トレンチ22の側壁に沿って(導電層14の露出した側壁に沿って含む)形成される。このスペーサ形成、特にトレンチ22の底部の酸化物層12の部分を除去する異方性酸化物エッチングは、酸化物スペーサ30間の基板表面10aの部分を露出されたままにする。酸化物層32は、好ましくは熱酸化によって、トレンチ22の底部における基板表面10aのこの露出部分に形成される。また、好ましくは、酸化物層32は、酸化物層12の厚さより薄い厚さを有する。導電性材料の第1のブロック34が、材料堆積、第3の絶縁層20をストップ層として使用する化学機械研磨(chemical mechanical polish、CMP)、及びエッチバックによって、トレンチ22の内側の酸化物層32に形成される。好ましくは、導電性材料の第1ブロック34は、ポリシリコンで形成され、導電性材料の第1のブロック34の上面は、導電層14の上面より下にある。導電性材料の第1のブロック34は、導電層14に横方向に隣接し、かつ導電層14から絶縁されている。導電性材料の第1のブロック34にポリシリコンが使用される場合、導電性材料の第1のブロック34をドープするために注入を行うことができる。この結果得られた構造体を
図1Cに示す。
【0018】
酸化物エッチング(例えば、ウェットエッチング)を用いて、酸化物スペーサ30の上部(導電性材料のブロック34の上)及び酸化物スペーサ28の全てを除去する。次いで、酸化物層36が、酸化物堆積によって、構造体の上方に形成される。導電性材料の第2のブロック38が、第3の絶縁層20をストップとして使用して、材料堆積及び化学機械研磨(CMP)によって、トレンチ22の内側の酸化物層36に形成される。好ましくは、導電性材料の第2ブロック38は、ポリシリコンで形成される。この結果得られた構造体を
図1Dに示す。
【0019】
フォトレジスト材料40がこの構造体にコーティングされ、フォトリソグラフィマスキングステップが行われて、フォトレジスト材料の選択された部分が露出する。フォトレジスト材料40は、フォトレジスト材料40の部分が除去されるように現像される(導電性材料の第2のブロック38の上方、及び導電性材料の第2のブロック38に隣接する第3の絶縁層20の部分の上方のフォトレジスト材料40を除く)。残りのフォトレジスト材料40をマスクとして使用して、
図1Eに示すように、第3の絶縁層20、第2の導電層18、第2の絶縁層16、及び導電層14の露出部分を除去するように、構造体がエッチングされる。フォトレジスト40が除去された後、スペーサ42(例えば、窒化物)が、堆積及び異方性エッチングによって構造体の側面に沿って形成される。次いで、注入が行われて、スペーサ42に横方向に隣接し、それぞれのスペーサ42の下に延在し、かつそれぞれの隣接する導電層14の下に部分的に延在する、ドレイン領域44a及び44bを基板10内に形成する。ドレイン領域44a/44bは、後述するチャネル領域46の近傍の基板10とは異なる導電型を有する基板の第1の領域及び第2の領域である。例えば、チャネル領域46はP型導電性とすることができ、ドレイン領域44a/44bはN型導電性とすることができ、逆もまた同様である。最終構造を
図1Fに示す。
【0020】
最後的な2ビットメモリセル50は
図2に最もよく示されており、そこでは、連続したチャネル領域46が、離間した第1のドレイン(ビット線)領域44a及び第2のドレイン領域44bによって基板10内に画定され、かつ離間した第1のドレイン(ビット線)領域44a及び第2のドレイン領域44bの間に延在している。第1の浮遊ゲート14a(導電層14から残っている材料の第1のブロック)は、(その導電性を制御するために)第1のドレイン領域44aに隣接するチャネル領域46の第1の部分の上方に配設され、かつ第1の部分から絶縁されており、好ましくは、第1の浮遊ゲート14aは、酸化物層12のそれぞれの残りの部分によって、第1のドレイン領域44aの上方に部分的に配設され、かつ第1のドレイン領域44aから絶縁されている。第1の結合ゲート18a(導電層18から残っている材料の第1のブロック)は、第2の絶縁層16のそれぞれの残りの部分によって、(浮遊ゲート14aに電圧結合するために)第1の浮遊ゲート14aの上方に配設され、かつ第1の浮遊ゲート14aから絶縁されている。第2の浮遊ゲート14b(導電層14から残っている材料の第2のブロック)は、(その導電性を制御するため)第2のドレイン領域44bに隣接するチャネル領域46の第3の部分の上方に配設され、かつ第3の部分から絶縁され、好ましくは、第2の浮遊ゲート14bは、酸化物層12のそれぞれの残りの部分によって第2のドレイン領域44bの上方に部分的に配設され、かつ第2のドレイン領域44bから絶縁されている。第2の結合ゲート18b(導電層18から残っている材料の第2のブロック)は、第2の絶縁層16のそれぞれの残りの部分によって、(浮遊ゲート14bに電圧結合するために)第2の浮遊ゲート14bの上方に配設され、かつ第2の浮遊ゲート14bから絶縁されている。導電性材料の第1のブロック34は、(その導電性を制御するため)にチャネル領域46の第2の部分の上方に垂直に配設され、かつ第2の部分から絶縁されたワード線ゲートであり、第1の浮遊ゲート14a及び第2の浮遊ゲート14bに横方向に隣接している。導電性材料の第2のブロック38は、ワード線ゲート34の上方に垂直に配設され、かつワード線ゲート34から絶縁され、第1の結合ゲート18a及び第2の結合ゲート18bに横方向に隣接し、かつ第1の結合ゲート18a及び第2の結合ゲート18bから絶縁された消去ゲートであり、ワード線ゲート34からの絶縁は酸化物層36によって提供され、第1の結合ゲート18a及び第2の結合ゲート18bからの絶縁は酸化物層36及びスペーサ24/26によって提供される。消去ゲート38は、第1の浮遊ゲート14a及び第2の浮遊ゲート14bのうちの1つのそれぞれのエッジ14cにそれぞれ面するノッチ38aを含む。絶縁ブロック20a及び20b(第3の絶縁層20から残っている材料のブロック)は、第1の結合ゲート18a及び第2の結合ゲート18bの上方に配設されている。
【0021】
以下の表1は、2ビットメモリセル50のプログラム、読み出し、消去動作のための例示的な動作電圧及び電流を示している。
表1
【表1】
【0022】
第1の浮遊ゲート14aを電子でプログラミングすると、第1のビット(すなわち、ビット1)の情報を格納し、第2の浮遊ゲート14bを電子でプログラミングすると、第2のビット(すなわち、ビット2)の情報を格納する。第1の浮遊ゲート14aをプログラムするために、約4.5Vの電圧が消去ゲート38に印加され、10.5Vの電圧が、第1の浮遊ゲート14aに容量結合された第1の結合ゲート18aに印加される。約IVの電圧がワード線ゲート34に印加され、それによって、ワード線ゲート34の下のチャネル領域46の部分がオンになる。約4.5Vの電圧が第2の浮遊ゲート14bに容量結合された第2の結合ゲート18bに印加され、第2の浮遊ゲート14bの下のチャネル領域46の部分がオンになる。約4.5Vの電圧が第1のドレイン領域44aに印加され、約-1μAの電流が第2のドレイン領域44bに供給される。電子は、第2のドレイン領域44bから第1のドレイン領域44aに向かって移動し、消去ゲート38及び第1の結合ゲート18aによって第1の浮遊ゲート14aに容量結合された正の電圧のために、第1の浮遊ゲート14aに注入される。第2の浮遊ゲート14bは、表1のビット2に対する電圧の組合せを使用して同様にプログラムされる。
【0023】
第1の浮遊ゲート14a及び第2の浮遊ゲート14bを消去するために、約8.5ボルトの電圧が消去ゲート38に印加され、約-7Vの負の電圧が第1の結合ゲート18a及び第2の結合ゲート18bに印加され、それによって、電子が絶縁層36を通って第1の浮遊ゲート14a及び第2の浮遊ゲート14bから消去ゲート38にトンネリングする。それぞれのエッジ14cに面するノッチ38aは、このトンネリングの効率を高める。
【0024】
第1の浮遊ゲート14aを読み出すために、Vccがワード線ゲート34に印加され、それによって、ワード線ゲート34の下のチャネル領域46の部分がオンになる。Vblrの電圧が第2のドレイン領域44bに印加され、ゼロボルトが第1のドレイン領域44aに印加される。約4.5Vの電圧が、第2の浮遊ゲート14bに容量結合された第2の結合ゲート18bに印加される(第2の浮遊ゲート14bの下のチャネル領域46の部分がオンになる)。第1の浮遊ゲート14aが消去された場合、電流がチャネル領域46を通って流れることになる(すなわち、消去状態では、第1の浮遊ゲート14aは、消去後の第1の浮遊ゲート14aの正の電荷及びワード線ゲート34からの小さい電圧結合により、第1の浮遊ゲート14aに正の電圧を有することになり、したがって、第1の浮遊ゲート14aの下のチャネル領域46の部分がオンになる)。電流は、消去状態として感知される。第1の浮遊ゲート14aがプログラムされている(すなわち、第1の浮遊ゲート14aの下のチャネル領域の部分がオンになるのを防止するのに十分な電子でプログラムされている)場合、電流は低減されるか、又はチャネル領域46を通って流れないことになる。低電流又はゼロ電流は、プログラムされた状態として感知される。第2の浮遊ゲート14bは、表1のビット2に対する電圧の組合せを使用して同様に読み出される。
【0025】
2ビットメモリセル50には多くの利点がある。ワード線ゲートの下の絶縁体(すなわち、酸化物層32)は、特に高速用途のためのより高い性能のために、第1の浮遊ゲート14a及び第2の浮遊ゲート14bの下の絶縁体(すなわち、酸化物層12)よりはるかに薄くすることができる。第1の浮遊ゲート14a及び第2の浮遊ゲート14bと消去ゲート38との間の絶縁体(すなわち、酸化物層36)は、第1の浮遊ゲート14a及び第2の浮遊ゲート14bとワード線ゲート34との間の絶縁体(すなわち、酸化物スペーサ30)より薄くすることができる。消去ゲート38と第1の浮遊ゲート14a及び第2の浮遊ゲート14bとの間の電圧結合比が比較的低いため(消去ゲート38(ノッチ38aを有する)のコーナー領域のみが第1の浮遊ゲート14a及び第2の浮遊ゲート14bのコーナー領域(エッジ14cを有する)に近接しているため)、消去性能が向上する。構造体を画定するために必要なフォトリソグラフィマスキングステップは2つだけであり、1つはトレンチ22を形成するためのものであり、1つは導電層18及び14をエッチングして第1の結合ゲート18a及び第2の結合ゲート18b並びに第1の浮遊ゲート14a及び第2の浮遊ゲート14bの形成を完了するためのものである。ワード線ゲート34及び消去ゲート38の両方は、第1の浮遊ゲート14a及び第2の浮遊ゲート14bに自己整合される。
【0026】
図3A~
図3Fは、2ビットメモリセルを形成するための代替的な実施形態を示しており、この実施形態は、トレンチ22を形成する場合に、
図3Aに示すように(フォトレジスト除去後に)追加のトレンチ52が同様に形成される(トレンチ22の各側に1つずつ)ことを除いて、
図1Aに示す構造体と同様の構造体から開始する。2つのトレンチ52をそれらの間のトレンチ22とともに形成することにより、スタック構造体S1及びS2がもたらされ、各々が、導電層14の上方の第2の絶縁層16のブロックの上方の第2の導電層18のブロックの上方の第3の絶縁層20のブロックを有する。酸化物スペーサ24、窒化物スペーサ26、及び酸化物スペーサ28が、
図1Bに関して上述したのと同じ処理ステップを使用して、スタック構造体S1及びS2の側壁に沿って形成され、その結果、
図3Bに示す構造体が得られる。次いで、マスキングステップを用いて、スタック構造体S1及びS2の外側に面する側壁の酸化物スペーサ28を除いて、スタック構造体S1及びS2をフォトレジストで覆う。次いで、エッチングを用いて、スタック構造体S1及びS2の外側に面する側壁上の酸化物スペーサ28を除去する。フォトレジストを除去した後、導電層14の露出部分(すなわち、スタック構造体S1及びS2によって保護されていない部分)がエッチングによって除去され、その結果、
図3Cの構造体が得られる。この時点で、(スタック構造体S1とS2との間の酸化物層12を通して、下にある基板10の部分(これは、以下で更に記載するように、最終的にチャネル領域のワード線部分になる)内への)注入が行われ得る。
【0027】
次に、酸化物スペーサ30が、酸化物堆積及び異方性酸化物エッチングによって、スタック構造体S1/S2の側壁に沿って(導電層14の露出した側壁に沿って含む)形成される。このスペーサ形成、特に、トレンチ22の底部における酸化物層12の部分を除去する異方性酸化物エッチングは、酸化物層12の露出部分を除去する。酸化物層32は、好ましくは、熱酸化によって、トレンチ22の底部における基板表面10aの露出部分に形成される。また、好ましくは、酸化物層32は、酸化物層12の厚さより薄い厚さを有する。導電層54(例えば、ポリシリコン又はアモルファスシリコン)が構造体に形成される。導電層に対して(第3の絶縁層20をストップ層として用いて)CMPが行われる。次いで、エッチングを用いて、導電層54の上面を、好ましくは、導電層14の上面より低くする。導電層54にポリシリコンが使用される場合、導電層54をドープするために注入を行うことができる。この結果得られた構造体を
図3Dに示す。
【0028】
酸化物エッチング(例えば、ウェットエッチング)を用いて、酸化物スペーサ30の上部部分(導電層54の上)及び酸化物スペーサ28の全てを除去する。次いで、酸化物層56が、酸化物堆積によって構造体の上方に形成される。導電層58が、酸化物層56に形成される。好ましくは、導電層58はポリシリコンで形成される。次いで、第3の絶縁層20をストッパとして使用して、化学機械研磨(CMP)が行われる。この結果得られた構造体を
図3Eに示す。
【0029】
フォトレジスト材料が構造体にコーティングされ、露出され、選択的に除去されて、スタック構造体S1及びS2の上及び間の領域は覆われるが、スタック構造体S1及びS2の外側の領域(すなわち、
図3Eのスタック構造体S2の右側の領域及びスタック構造体S1の左側の領域)は露出される。次いで、エッチングを行って、スタック構造体S1/S2の外側の導電層58、酸化物層56、及び導電層54の部分を除去する。フォトレジストを除去した後、スペーサ42(例えば、窒化物)が、堆積及び異方性エッチングによって構造体の側面に形成される。次いで、スペーサ42に横方向に隣接し、それぞれのスペーサ42の下に延在し、かつそれぞれの隣接する導電層14の下に部分的に延在する基板10内に、第1のドレイン領域44a及び第2のドレイン領域44bを形成するために、注入が行われる。最終構造を
図3Fに示す。
【0030】
代替実施形態の最終2ビットメモリセル62が
図4に最もよく示されており、消去ゲート58a(第1及び第2の浮遊ゲート14a/14bのそれぞれのエッジ部14cに面するノッチ58bを有する)が導電層58の残りの部分であり、ワード線ゲート54aが導電層54の残りの部分であり、消去ゲート58aを第1の浮遊ゲート14a及び第2の浮遊ゲート14bから分離するトンネル酸化物が酸化物層56であることを除いて、基本的に
図2に示す構造体と同じ構造体を有する。
【0031】
この代替的な実施形態の追加の利点には、第1の結合ゲート18a及び第2の結合ゲート18bの水平寸法が1つのリソグラフィステップによって画定され、それによって、第1の結合ゲート18a及び第2の結合ゲート18bの寸法ばらつきを低減することができることが含まれる。
【0032】
好ましくは(必須ではないが)、同じ基板10に形成された(
図5に示すように)制御回路96は、上述のように表1の電圧を印加することによって、本明細書に記載の2ビットメモリセル50又は62のメモリアレイ98をプログラムし、読み出し、消去するように構成されている。
【0033】
本発明は、上で説明され、本明細書において図示した実施形態に限定されるものではなく、添付の請求の範囲にあるあらゆる全ての変形例も包含することが理解されよう。例えば、本明細書における本発明への言及は、特許請求の範囲又は特許請求項の用語の限定を意図するものではなく、代わりに特許請求の範囲の1つ以上によって網羅され得る1つ以上の特徴に言及するにすぎない。上で説明した材料、プロセス、及び数値の実施例は、単に例示的なものであり、特許請求の範囲を限定するものとみなされるべきではない。更に、特許請求及び明細書を見てわかるように、全ての方法のステップを例示又は請求した正確な順序で実施する必要はなく、むしろ任意の順序で本発明のメモリセルの適切な形成が可能である。最後に、単一層の材料をそのような又は同様の材料の複数層として形成することができ、逆もまた同様である。
【0034】
本明細書で使用される、「の上方に(over)」及び「に(on)」という用語はともに、「上に直接」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)及び「上に間接的に」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を包括的に含むことに留意されるべきである。同様に、「隣接した」という用語は、「直接隣接した」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)、及び「間接的に隣接した」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を含み、「に取り付けられた」は、「に直接取り付けられた」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)、及び「に間接的に取り付けられた」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を含み、「電気的に結合された」は、「直接電気的に結合された」(中間材料又は要素がそれらの間で要素を電気的に接続していない)、及び「間接的に電気的に結合された」(中間材料又は要素がそれらの間で要素を電気的に接続している)を含む。例えば、「基板の上方に」要素を形成することは、中間材料/要素が介在せずに直接基板にその要素を形成することも、1つ以上の中間材料/要素が介在して間接的に基板にその要素を形成することも含み得る。