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特許7591142FinFET構造体を有する分割ゲート不揮発性メモリセル、HV、及び論理デバイス、並びにその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-19
(45)【発行日】2024-11-27
(54)【発明の名称】FinFET構造体を有する分割ゲート不揮発性メモリセル、HV、及び論理デバイス、並びにその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20241120BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20241120BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20241120BHJP
   H10B 41/40 20230101ALI20241120BHJP
   H01L 29/78 20060101ALI20241120BHJP
   H10B 41/30 20230101ALI20241120BHJP
【FI】
H01L29/78 371
H10B41/40
H01L29/78 301M
H10B41/30
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023525482
(86)(22)【出願日】2021-01-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-14
(86)【国際出願番号】 US2021014245
(87)【国際公開番号】W WO2022093298
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】202011193113.X
(32)【優先日】2020-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】17/152,441
(32)【優先日】2021-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500147506
【氏名又は名称】シリコン ストーリッジ テクノロージー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SILICON STORAGE TECHNOLOGY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン、チュンミン
(72)【発明者】
【氏名】シン、レオ
(72)【発明者】
【氏名】リウ、シアン
(72)【発明者】
【氏名】ドー、ナン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、グオ シャン
【審査官】脇水 佳弘
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0176459(US,A1)
【文献】米国特許第10312247(US,B1)
【文献】特開2017-152541(JP,A)
【文献】特表2019-517155(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0162339(US,A1)
【文献】特開平03-120873(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 41/00
H10B 43/00
H01L 21/336
H01L 29/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリデバイスであって、
複数のフィンを含む上面を有する半導体基板であって、前記フィンの各々は、上向きに延在し、第1及び第2の側面を含み、前記第1及び第2の側面は、互いに反対を向き、かつ頂面で終端する、半導体基板と、
前記複数のフィンのうちの第1及び第2のフィンに形成されたメモリセルであって、
前記第1のフィンの前記頂面及び反対向きの側面に沿って、前記第1のフィンのソース領域と前記第1のフィンの第1のドレイン領域との間に延在する第1のチャネル領域と、
前記第1のフィンの前記頂面及び反対向きの側面に沿って、前記第1のフィンの前記第1のドレイン領域と前記第1のフィンの第2のドレイン領域との間に延在する第2のチャネル領域と、
前記第2のフィンの前記頂面及び反対向きの側面に沿って、前記第2のフィンのソース領域と前記第2のフィンの第1のドレイン領域との間に延在する第3のチャネル領域と、
前記第2のフィンの前記頂面及び反対向きの側面に沿って、前記第2のフィンの前記第1のドレイン領域と前記第2のフィンの第2のドレイン領域との間に延在する第4のチャネル領域と、
前記第1のフィンと前記第2のフィンとの間に配設され、前記第1のチャネル領域の第1の部分、及び前記第3のチャネル領域の第1の部分に沿って延在する浮遊ゲートと、
前記浮遊ゲートに沿って延在し、前記浮遊ゲートから絶縁される制御ゲートと、
前記浮遊ゲートに横方向に隣接する第1の部分、及び前記浮遊ゲートの上方に配設される第2の部分を有する、消去ゲートであって、前記消去ゲートの前記第1の部分は、前記第1及び第2のフィンの前記頂面に沿って延在し、前記第1及び第2のフィンの前記頂面から絶縁され、前記第1のチャネル領域の第2の部分及び前記第3のチャネル領域の第2の部分に沿って延在し、前記第1のチャネル領域の第2の部分及び前記第3のチャネル領域の第2の部分から絶縁される、消去ゲートと、
前記第2のチャネル領域及び前記第4のチャネル領域に沿って延在する、ワード線ゲートであって、前記ワード線ゲートは、前記第1及び第2のフィンの前記第1及び第2の側面並びに前記頂面に沿って延在し、前記第1及び第2のフィンの前記第1及び第2の側面並びに前記頂面から絶縁され、前記第1のドレイン領域から前記第1のフィンの前記第2のドレイン領域までの前記第2のチャネル領域の導電性を制御し、前記第1のドレイン領域から前記第2のフィンの前記第2のドレイン領域までの前記第4のチャネル領域の導電性を制御する、ワード線ゲートと、を含む、メモリセルと、
前記複数のフィンのうちの第3のフィンに形成された高電圧(HV)デバイスであって、
前記第3のフィンの前記頂面及び反対向きの側面に沿って、前記第3のフィンのHVソース領域と前記第3のフィンのHVドレイン領域との間に延在するHVチャネル領域と、
前記HVチャネル領域に沿って延在するHVゲートであって、前記HVゲートは、前記第3のフィンの前記第1及び第2の側面並びに前記頂面に沿って延在し、前記第3のフィンの前記第1及び第2の側面並びに前記頂面から絶縁される、HVゲートと、を含む、高電圧(HV)デバイスと、
前記複数のフィンのうちの第4のフィンに形成された論理デバイスであって、
前記第4のフィンの前記頂面及び反対向きの側面に沿って、前記第4のフィンの論理ソース領域と前記第4のフィンの論理ドレイン領域との間に延在する論理チャネル領域と、
前記論理チャネル領域に沿って延在する論理ゲートであって、前記論理ゲートは、前記第4のフィンの前記第1及び前記第2の側面並びに前記頂面に沿って延在し、前記第4のフィンの前記第1及び第2の側面並びに前記頂面から絶縁される、論理ゲートと、を含む、論理デバイスと、を備える、メモリデバイス。
【請求項2】
前記消去ゲートは、前記浮遊ゲートの上縁に面するノッチを含む、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項3】
前記第1及び第2のフィンは、前記第3及び第4のフィンよりも高い、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項4】
前記論理ゲートは、金属材料を含み、前記論理ゲートが、高K絶縁材料によって前記第4のフィンの前記第1及び第2の側面並びに前記頂面から絶縁されている、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項5】
前記浮遊ゲート、前記ワード線ゲート、前記制御ゲート、前記消去ゲート、及び前記HVゲートは各々、ポリシリコン材料を含む、請求項に記載のメモリデバイス。
【請求項6】
メモリデバイスを形成する方法であって、
半導体基板の上面に複数のフィンを形成するステップであって、前記フィンの各々は、上向きに延在し、第1及び第2の側面を含み、前記第1及び第2の側面は、互いに反対を向き、かつ頂面で終端する、形成するステップと、
前記複数のフィンのうちの第1及び第2のフィンにメモリセルを形成し、前記複数のフィンのうちの第3のフィンに高電圧(HV)デバイスを形成し、かつ前記複数のフィンのうちの第4のフィンに論理デバイスを形成するステップと、を含み、前記形成するステップは、
前記第1のフィンと前記第2のフィンとの間に浮遊ゲートを形成するステップと、
前記浮遊ゲートの上方に、前記浮遊ゲートから絶縁される制御ゲートを形成するステップと、
前記第1のフィン、前記第2のフィン、前記第3のフィン、及び前記第4のフィンの上方に導電性材料の層を形成するステップと、
前記導電性材料の層の一部分を選択的に除去するステップであって、
前記第1及び第2のフィンの上方の前記導電性材料の層の残っている部分としてのワード線ゲートと、
前記第1及び第2のフィンの上方の前記導電性材料の層の残っている部分としての消去ゲートであって、前記制御ゲートは、前記ワード線ゲートと前記消去ゲートとの間に配設される、消去ゲートと、
前記第3のフィンの上方の前記導電性材料の層の残っている部分としてのHVゲートと、
前記第4のフィンの上方の前記導電性材料の層の残っている部分としてのダミーゲートとを残す、選択的に除去するステップと、
前記消去ゲートに隣接して前記第1のフィン内にソース領域を形成するステップと、
前記ワード線ゲートに隣接して前記第1のフィン内に第1のドレイン領域を形成するステップと、
前記ワード線ゲートと前記制御ゲートとの間で前記第1のフィン内に第2のドレイン領域を形成するステップであって、前記第1のフィンの第1のチャネル領域は、前記第1のフィンの前記頂面及び反対向きの側面に沿って、前記第1のフィンの前記ソース領域と前記第1のフィンの前記第2のドレイン領域との間に延在し、前記第1のフィンの第2のチャネル領域は、前記第1のフィンの前記頂面及び反対向きの側面に沿って、前記第1のフィンの前記第1のドレイン領域と前記第1のフィンの前記第2のドレイン領域との間に延在する、形成するステップと、
前記消去ゲートに隣接して前記第2のフィン内にソース領域を形成するステップと、
前記ワード線ゲートに隣接して前記第2のフィン内に第1のドレイン領域を形成するステップと、
前記ワード線ゲートと前記制御ゲートとの間で前記第2のフィン内に第2のドレイン領域を形成するステップであって、前記第2のフィンの第1のチャネル領域は、前記第2のフィンの前記頂面及び反対向きの側面に沿って、前記第2のフィンの前記ソース領域と前記第2のフィンの前記第2のドレイン領域との間に延在し、前記第2のフィンの第2のチャネル領域は、前記第2のフィンの前記頂面及び反対向きの側面に沿って、前記第2のフィンの前記第1のドレイン領域と前記第2のフィンの前記第2のドレイン領域との間に延在する、形成するステップと、
前記HVゲートに隣接して前記第3のフィン内にソース領域及びドレイン領域を形成するステップであって、前記第3のフィンのチャネル領域は、前記第3のフィンの前記頂面及び反対向きの側面に沿って、前記第3のフィンの前記ソース領域と前記ドレイン領域との間に延在する、形成するステップと、
前記ダミーゲートに隣接して前記第4のフィン内にソース領域及びドレイン領域を形成するステップであって、前記第4のフィンのチャネル領域は、前記第4のフィンの前記頂面及び反対向きの側面に沿って、前記第4のフィンの前記ソース領域と前記ドレイン領域との間に延在する、形成するステップと、
前記ダミーゲートを、金属で形成された論理ゲートに置き換えるステップと、によって行われ
前記消去ゲートの部分は、前記第1及び第2のフィンの前記頂面に沿って延在し、前記第1及び第2のフィンの前記頂面から絶縁され、前記第1のフィンの前記第1のチャネル領域の部分及び前記第2のフィンの前記第1のチャネル領域の部分に沿って延在し、前記第1のフィンの前記第1のチャネル領域の部分及び前記第2のフィンの前記第1のチャネル領域の部分から絶縁され、
前記ワード線ゲートは、前記第1のフィンの前記頂面及び反対向きの側面に沿って延在し、前記第1のフィンの前記頂面及び反対向きの側面から絶縁されるように、前記第1のフィンを包み込み、前記第1のフィンの前記第1のドレイン領域から前記第1のフィンの前記第2のドレイン領域までの前記第1のフィンの前記第2のチャネル領域の導電性を制御し、
前記ワード線ゲートは、前記第2のフィンの前記頂面及び反対向きの側面に沿って延在し、前記第2のフィンの前記頂面及び反対向きの側面から絶縁されるように、前記第2のフィンを包み込み、前記第2のフィンの前記第1のドレイン領域から前記第2のフィンの前記第2のドレイン領域までの前記第2のフィンの前記第2のチャネル領域の導電性を制御する、方法。
【請求項7】
前記導電性材料の層が、ポリシリコンである、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記HV線ゲートは、前記第3のフィンの前記頂面及び反対向きの側面に沿って延在し、前記第3のフィンの前記頂面及び反対向きの側面から絶縁されるように、前記第3のフィンを包み込み、
前記論理ゲートは、前記第4のフィンの前記頂面及び反対向きの側面に沿って延在し、前記第4のフィンの前記頂面及び反対向きの側面から絶縁されるように、前記第4のフィンを包み込む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記複数のフィンは第5及び第6のフィンを更に含み
前記第4のフィンは前記第5のフィンと前記第6のフィンとの間に配設されており、
前記第4のフィンは前記第5のフィンから第1の距離だけ離れており、
前記第4のフィンは前記第6のフィンから前記第1の距離だけ離れており、
前記第1のフィンは前記第2のフィンから第2の距離だけ離れており、
前記第2の距離は前記第1の距離よりも大きい、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記複数のフィンは第7及び第8のフィンを更に含み
前記第3のフィンは前記第7のフィンと前記第8のフィンとの間に配設されており、
前記第3のフィンは前記第7のフィンから第3の距離だけ離れており、
前記第3のフィンは前記第8のフィンから前記第3の距離だけ離れており、
前記第2の距離は前記第3の距離よりも大きい、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
この特許出願は、2020年10月30日に出願された「Split Gate Non-volatile Memory Cells,HV And Logic Devices With FINFET Structures,And Method Of Making Same」と題する中国特許出願第202011193113.X号、及び2021年1月19日に出願された「Split Gate Non-volatile Memory Cells,HV And Logic Devices With FINFET Structures,And Method Of Making Same」と題する米国特許出願第17/152,441号に対して優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、いずれも同じ半導体基板上に形成される、不揮発性フラッシュメモリセルアレイ、高電圧デバイス、及び論理デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
スプリットゲート型不揮発性メモリデバイスは、当技術分野において周知である。例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,927,994号は、分割ゲート不揮発性メモリセルを開示している。図1は、半導体基板110に形成されたかかる分割ゲートメモリセルの一例を例証する。ソース領域112及びドレイン領域113は、基板110内の拡散領域として形成され、間に基板110のチャネル領域114を画定する。メモリセルは、4つの導電性ゲート:チャネル領域114の第1の部分及びソース領域112の一部分の上方に配設され、チャネル領域114の第1の部分及びソース領域112の一部分から絶縁される浮遊ゲート115と、浮遊ゲート115の上方に配設され、浮遊ゲート115から絶縁される制御ゲート(結合ゲートとも呼ばれる)116と、ソース領域112の上方に配設され、ソース領域112から絶縁される消去ゲート117と、チャネル領域114の第2の部分の上方に配設され、チャネル領域114の第2の部分から絶縁される選択ゲート(ワード線ゲートとも呼ばれる)118とを含む。導電性接点119が形成されて、ドレイン領域113に電気的に接続することができる。チャネル領域114は半導体基板の平面に沿って形成されるため、デバイスの幾何形状が小さくなるにつれて、チャネル領域の総面積(例えば、幅)も小さくなる。これにより、ソース領域とドレイン領域との間の電流の流れが低減し、とりわけ、メモリセルの状態を検出するためのより高感度のセンス増幅器が必要になる。
【0004】
リソグラフィ・サイズが縮小し、それによってチャネル幅が狭くなるという問題は、全ての半導体デバイスに影響を与えるので、Fin-FET型の構造体が提案された。Fin-FET型の構造体において、半導体材料のフィン形部材が、ソース領域をドレイン領域に接続する。このフィン形部材は、上に延在し、頂面で終端する2つの側面を有する。そして、ソース領域からドレイン領域への電流が、その2つの側面及び頂面に沿って流れ得る。したがって、チャネル領域の幅が増大し、これにより電流の流れが増大する。しかしながら、チャネル領域の幅は、チャネル領域を2側面及び頂面に「折り畳み」、それにより、チャネル領域の「占有面積」を減少させることによって、より多くの半導体の実スペースを犠牲にすることなく、増大する。かかるFin-FETを使用する不揮発性メモリセルが既に開示されており、そこでは、浮遊ゲート及び選択ゲートは、フィン形部材の頂面及び2つの側面を取り囲んでいる。先行技術のFin-FET型不揮発性メモリ構造体のいくつかの例(ただし、ゲートの数及び構成は、上記の図1の平面例から変化するが)としては、米国特許第7,423,310号、同第7,410,913号、同第8,461,640号、同第9,985,042号、及び同第10,468,428号が挙げられる。フィン形部材に論理デバイスを形成することも提案されている。例として、米国特許第9,972,630号及び同第10,312,247号を参照されたい。
【0005】
しかしながら、メモリデバイスの同じ基板上にFinFETメモリセル、FinFET論理デバイス、及びFinFET HV(高電圧)デバイスを形成するための改良された技術が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
改良されたメモリデバイスは、
複数のフィンを含む上面を有する半導体基板であって、フィンの各々は、上向きに延在し、第1及び第2の側面を含み、第1及び第2の側面は、互いに反対を向き、かつ頂面で終端する、半導体基板と、
複数のフィンのうちの第1及び第2のフィンに形成されたメモリセルであって、
第1のフィンの頂面及び反対向きの側面に沿って、第1のフィンのソース領域と、第1のフィンの第1のドレイン領域との間に延在する第1のチャネル領域と、
第1のフィンの頂面及び反対向きの側面に沿って、第1のフィンの第1のドレイン領域と、第1のフィンの第2のドレイン領域との間に延在する第2のチャネル領域と、
第2のフィンの頂面及び反対向きの側面に沿って、第2のフィンのソース領域と、第2のフィンの第1のドレイン領域との間に延在する第3のチャネル領域と、
第2のフィンの頂面及び反対向きの側面に沿って、第2のフィンの第1のドレイン領域と、第2のフィンの第2のドレイン領域との間に延在する第4のチャネル領域と、
第1のフィンと第2のフィンとの間に配設され、第1のチャネル領域の第1の部分、及び第3のチャネル領域の第1の部分に沿って延在する浮遊ゲートと、
浮遊ゲートに沿って延在し、浮遊ゲートから絶縁される制御ゲートと、
浮遊ゲートに横方向に隣接する第1の部分と、浮遊ゲートの上方に配設される第2の部分とを有する消去ゲートと、
第2のチャネル領域及び第4のチャネル領域に沿って延在するワード線ゲートであって、第1及び第2のフィンの第1及び第2の側面並びに頂面に沿って延在し、第1及び第2のフィンの第1及び第2の側面並びに頂面から絶縁される、ワード線ゲートと、を含む、メモリセルと、
複数のフィンのうちの第3のフィンに形成された高電圧(high voltage、HV)デバイスであって、
第3のフィンの頂面及び反対向きの側面に沿って、第3のフィンのHVソース領域と第3のフィンのHVドレイン領域との間に延在するHVチャネル領域と、
HVチャネル領域に沿って延在するHVゲートであって、HVゲートは、第3のフィンの第1及び第2の側面並びに頂面に沿って延在し、第3のフィンの第1及び第2の側面並びに頂面から絶縁される、HVゲートと、を含む、HVデバイスと、
複数のフィンのうちの第4のフィンに形成された論理デバイスであって、
第4のフィンの頂面及び反対向きの側面に沿って、第4のフィンの論理ソース領域と第4のフィンの論理ドレイン領域との間に延在する論理チャネル領域と、
論理チャネル領域に沿って延在する論理ゲートであって、論理ゲートは、第4のフィンの第1及び第2の側面並びに頂面に沿って延在し、第4のフィンの第1及び第2の側面並びに頂面から絶縁される、論理ゲートと、を含む、論理デバイスと、を含む。
【0007】
メモリデバイスを形成する方法は、
半導体基板の上面に複数のフィンを形成するステップであって、フィンの各々は、上向きに延在し、第1及び第2の側面を含み、第1及び第2の側面は、互いに反対を向き、かつ頂面で終端する、形成するステップと、
複数のフィンのうちの第1及び第2のフィンにメモリセルを形成し、複数のフィンのうちの第3のフィンに高電圧(HV)デバイスを形成し、かつ複数のフィンのうちの第4のフィンに論理デバイスを形成するステップと、を含み、形成するステップは、
第1のフィンと第2のフィンとの間に浮遊ゲートを形成するステップと、
浮遊ゲートの上方に、浮遊ゲートから絶縁される制御ゲートを形成するステップと、
第1のフィン、第2のフィン、第3のフィン、及び第4のフィンの上方に導電性材料の層を形成するステップと、
導電性材料の層の一部分を選択的に除去して、
第1及び第2のフィンの上方の導電性材料の層の残っている部分としてのワード線ゲートと、
第1及び第2のフィンの上方の導電性材料の層の残っている部分としての消去ゲートであって、制御ゲートは、ワード線ゲートと消去ゲートとの間に配設される、消去ゲートと、
第3のフィンの上方の導電性材料の層の残っている部分としてのHVゲートと、
第4のフィンの上方の導電性材料の層の残っている部分としてのダミーゲートと、を残すステップと、
消去ゲートに隣接して第1のフィン内にソース領域を形成するステップと、
ワード線ゲートに隣接して第1のフィン内にドレイン領域を形成するステップであって、第1のフィンのチャネル領域は、第1のフィンの頂面及び反対向きの側面に沿って、第1のフィンのソース領域と第1のフィンのドレイン領域との間に延在する、形成するステップと、
消去ゲートに隣接して第2のフィン内にソース領域を形成するステップと、
ワード線ゲートに隣接して第2のフィン内にドレイン領域を形成するステップであって、第2のフィンのチャネル領域は、第2のフィンの頂面及び反対向きの側面に沿って、第2のフィンのソース領域と第2のフィンのドレイン領域との間に延在する、形成するステップと、
HVゲートに隣接して第3のフィン内にソース領域及びドレイン領域を形成するステップであって、第3のフィンのチャネル領域は、第3のフィンの頂面及び反対向きの側面に沿って、第3のフィンのソース領域とドレイン領域との間に延在する、形成するステップと、
ダミーゲートに隣接して第4のフィン内にソース領域及びドレイン領域を形成するステップであって、第4のフィンのチャネル領域は、第4のフィンの頂面及び反対向きの側面に沿って、第4のフィンのソース領域とドレイン領域との間に延在する、形成するステップと、
ダミーゲートを、金属で形成された論理ゲートに置き換えるステップと、によって行われる。
【0008】
メモリデバイスを形成する方法は、
半導体基板の上面に複数のフィンを形成するステップであって、フィンの各々は、上向きに延在し、第1及び第2の側面を含み、第1及び第2の側面は、互いに反対を向き、かつ頂面で終端する、形成するステップと、
複数のフィンのうちの第1及び第2のフィンにメモリセルを形成し、複数のフィンのうちの第3のフィンに高電圧(HV)デバイスを形成し、かつ複数のフィンのうちの第4のフィンに論理デバイスを形成するステップと、を含み、形成するステップは、
第1のフィンと第2のフィンとの間に浮遊ゲートを形成するステップと、
浮遊ゲートの上方に、浮遊ゲートから絶縁される制御ゲートを形成するステップと、
第1のフィン、第2のフィン、第3のフィン、及び第4のフィンの上方に導電性材料の層を形成するステップと、
導電性材料の層の一部分を選択的に除去して、
第1及び第2のフィンの上方の導電性材料の層の残っている部分としてのワード線ゲートと、
第1及び第2のフィンの上方の導電性材料の層の残っている部分としての消去ゲートであって、制御ゲートは、ワード線ゲートと消去ゲートとの間に配設される、消去ゲートと、
第3のフィンの上方の導電性材料の層の残っている部分としてのHVゲートと、
第4のフィンの上方の導電性材料の層の残っている部分としてのダミーゲートと、を残すステップと、
消去ゲートに隣接して第1のフィン内にソース領域を形成するステップと、
ワード線ゲートに隣接して第1のフィン内に第1のドレイン領域を形成するステップと、
ワード線ゲートと制御ゲートとの間で第1のフィン内に第2のドレイン領域を形成するステップであって、第1のフィンの第1のチャネル領域は、第1のフィンの頂面及び反対向きの側面に沿って、第1のフィンのソース領域と第1のフィンの第2のドレイン領域との間に延在し、第1のフィンの第2のチャネル領域は、第1のフィンの頂面及び反対向きの側面に沿って、第1のフィンの第1のドレイン領域と第1のフィンの第2のドレイン領域との間に延在する、形成するステップと、
消去ゲートに隣接して第2のフィン内にソース領域を形成するステップと、
ワード線ゲートに隣接して第2のフィン内に第1のドレイン領域を形成するステップと、
ワード線ゲートと制御ゲートとの間で第2のフィン内に第2のドレイン領域を形成するステップであって、第2のフィンの第1のチャネル領域は、第2のフィンの頂面及び反対向きの側面に沿って、第2のフィンのソース領域と第2のフィンの第2のドレイン領域との間に延在し、第2のフィンの第2のチャネル領域は、第2のフィンの頂面及び反対向きの側面に沿って、第2のフィンの第1のドレイン領域と第2のフィンの第2のドレイン領域との間に延在する、形成するステップと、
HVゲートに隣接して第3のフィン内にソース領域及びドレイン領域を形成するステップであって、第3のフィンのチャネル領域は、第3のフィンの頂面及び反対向きの側面に沿って、第3のフィンのソース領域とドレイン領域との間に延在する、形成するステップと、
ダミーゲートに隣接して第4のフィン内にソース領域及びドレイン領域を形成するステップであって、第4のフィンのチャネル領域は、第4のフィンの頂面及び反対向きの側面に沿って、第4のフィンのソース領域とドレイン領域との間に延在する、形成するステップと、
ダミーゲートを、金属で形成された論理ゲートに置き換えるステップと、によって行われる。
【0009】
本発明の他の目的及び特徴は、明細書、特許請求の範囲、添付図面を精読することによって明らかになるであろう。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】従来の不揮発性メモリセルの横断面図である。
図2A】半導体基板の上面にフィンを形成する工程を示す(行方向沿いの)側面断面図である。
図2B】半導体基板の上面にフィンを形成する工程を示す(行方向沿いの)側面断面図である。
図2C】半導体基板の上面にフィンを形成する工程を示す(行方向沿いの)側面断面図である。
図2D】半導体基板の上面にフィンを形成する工程を示す(行方向沿いの)側面断面図である。
図2E】半導体基板の上面にフィンを形成する工程を示す(行方向沿いの)側面断面図である。
図3A】基板のメモリセル領域内に形成されたフィンを示す側面断面図である。
図3B】基板のHVデバイス領域内に形成されたフィンを示す側面断面図である。
図3C】基板の論理デバイス領域内に形成されたフィンを示す側面断面図である。
図4A】基板のメモリセル領域内に形成されたフィンを示す平面図である。
図4B】基板のHVデバイス領域内に形成されたフィンを示す平面図である。
図4C】基板の論理デバイス領域内に形成されたフィンを示す平面図である。
図5A】本発明のスプリットゲート不揮発性メモリセルを形成する工程を示す(行方向沿いの)側面断面図である。
図7A】本発明のスプリットゲート不揮発性メモリセルを形成する工程を示す(行方向沿いの)側面断面図である。
図8A】本発明のスプリットゲート不揮発性メモリセルを形成する工程を示す(行方向沿いの)側面断面図である。
図5B】本発明のHVデバイスを形成する工程を示す(行方向沿いの)側面断面図である。
図7B】本発明のHVデバイスを形成する工程を示す(行方向沿いの)側面断面図である。
図8B】本発明のHVデバイスを形成する工程を示す(行方向沿いの)側面断面図である。
図5C】本発明の論理デバイスを形成する工程を示す(行方向沿いの)側面断面図である。
図7C】本発明の論理デバイスを形成する工程を示す(行方向沿いの)側面断面図である。
図8C】本発明の論理デバイスを形成する工程を示す(行方向沿いの)側面断面図である。
図6A】本発明のスプリットゲート不揮発性メモリセルを形成するステップを示す平面図である。
図6B】本発明のHVデバイス内のフィンを示す平面図である。
図6C】本発明の論理デバイスを形成する際のフィンを示す平面図である。
図9A】本発明のスプリットゲート不揮発性メモリセルを形成する工程を示す(列方向のフィンに沿った)側面断面図である。
図10A】本発明のスプリットゲート不揮発性メモリセルを形成する工程を示す(列方向のフィンに沿った)側面断面図である。
図11A】本発明のスプリットゲート不揮発性メモリセルを形成する工程を示す(列方向のフィンに沿った)側面断面図である。
図12A】本発明のスプリットゲート不揮発性メモリセルを形成する工程を示す(列方向のフィンに沿った)側面断面図である。
図13A】本発明のスプリットゲート不揮発性メモリセルを形成する工程を示す(列方向のフィンに沿った)側面断面図である。
図14A】本発明のスプリットゲート不揮発性メモリセルを形成する工程を示す(列方向のフィンに沿った)側面断面図である。
図15A】本発明のスプリットゲート不揮発性メモリセルを形成する工程を示す(列方向のフィンに沿った)側面断面図である。
図16A】本発明のスプリットゲート不揮発性メモリセルを形成する工程を示す(列方向のフィンに沿った)側面断面図である。
図17A】本発明のスプリットゲート不揮発性メモリセルを形成する工程を示す(列方向のフィンに沿った)側面断面図である。
図18A】本発明のスプリットゲート不揮発性メモリセルを形成する工程を示す(列方向のフィンに沿った)側面断面図である。
図19A】本発明のスプリットゲート不揮発性メモリセルを形成する工程を示す(列方向のフィンに沿った)側面断面図である。
図20A】本発明のスプリットゲート不揮発性メモリセルを形成する工程を示す(列方向のフィンに沿った)側面断面図である。
図9B】本発明のHVデバイスを形成する工程を示す(列方向のフィンに沿った)側面断面図である。
図10B】本発明のHVデバイスを形成する工程を示す(列方向のフィンに沿った)側面断面図である。
図11B】本発明のHVデバイスを形成する工程を示す(列方向のフィンに沿った)側面断面図である。
図12B】本発明のHVデバイスを形成する工程を示す(列方向のフィンに沿った)側面断面図である。
図13B】本発明のHVデバイスを形成する工程を示す(列方向のフィンに沿った)側面断面図である。
図14B】本発明のHVデバイスを形成する工程を示す(列方向のフィンに沿った)側面断面図である。
図15B】本発明のHVデバイスを形成する工程を示す(列方向のフィンに沿った)側面断面図である。
図16B】本発明のHVデバイスを形成する工程を示す(列方向のフィンに沿った)側面断面図である。
図17B】本発明のHVデバイスを形成する工程を示す(列方向のフィンに沿った)側面断面図である。
図18B】本発明のHVデバイスを形成する工程を示す(列方向のフィンに沿った)側面断面図である。
図19B】本発明のHVデバイスを形成する工程を示す(列方向のフィンに沿った)側面断面図である。
図20B】本発明のHVデバイスを形成する工程を示す(列方向のフィンに沿った)側面断面図である。
図9C】本発明の論理デバイスを形成する工程を示す(列方向のフィンに沿った)側面断面図である。
図10C】本発明の論理デバイスを形成する工程を示す(列方向のフィンに沿った)側面断面図である。
図11C】本発明の論理デバイスを形成する工程を示す(列方向のフィンに沿った)側面断面図である。
図12C】本発明の論理デバイスを形成する工程を示す(列方向のフィンに沿った)側面断面図である。
図13C】本発明の論理デバイスを形成する工程を示す(列方向のフィンに沿った)側面断面図である。
図14C】本発明の論理デバイスを形成する工程を示す(列方向のフィンに沿った)側面断面図である。
図15C】本発明の論理デバイスを形成する工程を示す(列方向のフィンに沿った)側面断面図である。
図16C】本発明の論理デバイスを形成する工程を示す(列方向のフィンに沿った)側面断面図である。
図17C】本発明の論理デバイスを形成する工程を示す(列方向のフィンに沿った)側面断面図である。
図18C】本発明の論理デバイスを形成する工程を示す(列方向のフィンに沿った)側面断面図である。
図19C】本発明の論理デバイスを形成する工程を示す(列方向のフィンに沿った)側面断面図である。
図20C】本発明の論理デバイスを形成する工程を示す(列方向のフィンに沿った)側面断面図である。
図21A】本発明のスプリットゲート不揮発性メモリセルを示す(列方向に沿ったフィン間の)側面断面図である。
図21B】本発明のHVデバイスを示す(列方向に沿ったフィン間の)側面断面図である。
図21C】本発明の論理デバイスを示す(列方向に沿ったフィン間の)側面断面図である。
図22A】本発明のスプリットゲート不揮発性メモリセルを示す平面図である。
図22B】本発明のHVデバイスを示す平面図である。
図22C】本発明の論理デバイスを示す平面図である。
図23】本発明の第1の代替実施形態におけるメモリセル領域の平面図である。
図24】本発明の第2の代替実施形態におけるメモリセル領域の側面断面図である。
図25】本発明の第2の代替実施形態におけるメモリセル領域の側面断面図である。
図26】本発明の第3の代替実施形態におけるメモリセル領域の側面断面図である。
図27】本発明の第3の代替実施形態におけるメモリセル領域の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明は、同じ半導体基板10上に、不揮発性メモリセルと、高電圧(HV)デバイス(例えば、論理デバイスよりも高い電圧で動作するように設計されたデバイス)と、論理デバイスとを有するメモリデバイス、及びそのようなメモリデバイスの形成に関する。
【0031】
メモリデバイスを形成するプロセスは、基板10の上面10a内に複数のフィンを形成することによって開始する。フィンの形成は、シリコン半導体基板10の頂面10a上に二酸化シリコン(酸化物)層12を形成することによって開始する。酸化物層12に窒化シリコン(窒化物)層14を形成する。窒化物層14にハードマスク材料16を形成する。ハードマスク材料16にフォトレジスト18を形成する。次いで、フォトレジスト18をパターニングする。このパターニングは、フォトレジスト18の一部を選択的に露出させ、フォトレジスト18の一部を選択的に除去して、下層材料の選択部分(すなわち、この場合には、ハードマスク材料16のストリップ)を露出させる。得られる構造体が図2Aに示されている。
【0032】
図2B(フォトレジスト18除去後)に示すように、エッチングを実行して、ハードマスク材料16の露出部分を除去し、ハードマスク材料16の垂直ストリップを残す。ハードマスク材料ストリップ16の側部に沿って窒化物スペーサ20が形成される。スペーサの形成は、当該技術分野において既知であり、構造体の輪郭上に材料を堆積した後、異方性エッチングプロセスが行われ、その結果、この材料は、構造体の水平面からは除去され、構造体の垂直配向面上においては(上面が丸みを帯びた状態で)大部分がそのまま残存する。窒化物スペーサ20は、窒化物を堆積した後、異方性窒化物エッチングを行い、ハードマスクストリップ16の垂直側壁上に窒化物スペーサ20を残すことによって形成される。図2Cに示されるように、ハードマスクストリップ16を除去するためにエッチングが行われる。
【0033】
1つ以上のエッチングが行われて、窒化物スペーサ20の下にない窒化物層14、酸化物層12の一部分及び基板10の上部分を除去し、これにより、図2Dに示すように、基板10内に延在するトレンチ22の形成をもたらし、隣接するトレンチ22間に基板10の薄いフィン構造体10b(本明細書では「フィン」10bと呼ばれる)が残る。これらのエッチングはまた、窒化物スペーサ20を除去する。図2Eに示すように、絶縁材24(例えば、酸化物)が、構造体の上方に形成され(酸化物24でトレンチ22を充填することを含む)、続いて、酸化物平坦化、例えば、化学機械研磨(CMP)が行われ、窒化物14の頂部の上方の酸化物24の任意の部分が除去される。各フィン10bは上向きに延びており、2つの反対向きの側面10c及び10dを有し、これらの側面は上向きに延びて頂面10eで終端する。
【0034】
フィン10aは、基板10の3つの領域(メモリセル領域2、HVデバイス領域4、論理デバイス領域6)全てに同時に形成される。しかしながら、ピッチ、例えば、隣接するフィン10bの表面間のピッチ(例えば、側面10c間の距離)、及び/又は隣接するフィン10b間の間隔Sは、3つの領域間で異なる。具体的には、図3A図3Cに示すように、メモリセル領域2におけるピッチP1及び間隔S1は、HVデバイス領域4におけるピッチP2及び間隔S2よりもそれぞれ大きく、論理デバイス領域6におけるピッチP3及び間隔S3よりもそれぞれ大きい。トレンチ22の深さは、メモリセル領域2、HVデバイス領域4、及び論理デバイス領域6において同じであってもよく、この場合、フィン10bは全て同じ高さを有する。あるいは、メモリセル領域2内のトレンチ22は、HVデバイス領域4及び論理デバイス領域6内のトレンチよりも深くすることができ、したがって、フィン10bは、メモリセル領域2内でより高くてもよい。図2Bに示されるストリップ16が、メモリセル領域2内では、HVデバイス領域4及び論理デバイス領域6内のストリップ16よりも大きい幅を有し、かつ更に離れて離隔されるように、フォトレジスト18をパターニングすることによって、ピッチP1及び間隔S1がメモリセル領域2においてより大きくされる。スペーサ20がより厚くなると、フィン10aの厚さも増加し、また、より大きなピッチP1、P2、P3をもたらす。ピッチP2及びP3は、互いに等しくすることができるが、等しくなくてもよい。同様に、間隔S2及びS3は、互いに等しくてもよいが、等しくなくてもよい。好ましくは、フィン10bは、図4A図4Cの平面図に示すように、列方向C-Cに延在し、メモリセル領域2、HVデバイス領域4、及び論理デバイス領域6において互いに平行である。
【0035】
フォトレジストが構造体上に形成され、メモリセル領域2内の1つ置きのフィン10bの間の酸化物24の部分を露出させるようにパターニングされ(すなわち、所与のフィンの片側の酸化物24だけが露出されたままである)、HVデバイス領域4及び論理デバイス領域6はフォトレジストで覆われたままである。酸化物エッチングは、メモリセル領域2内の酸化物24の露出部分を窪ませ(影響を受けたフィン10bの側面10c/10dを露出させ)、1つ置きのフィン10b間の酸化物24内に孔22aを作成する(すなわち、孔22aは、所与のフィンの片側のみに形成される)。フォトレジストを除去した後、絶縁層25(例えば、酸化物)が、フィン10bの露出されていた側面10c/10d上に形成される(例えば、酸化物堆積又は熱酸化によって)。孔22aは、材料堆積と、窒化物層14をストップ層として用いた化学機械研磨(chemical mechanical polish、CMP)と、図5A図5C図6A図6Cに示されるように、窒化物14の頂部の下の導電性材料を窪ませるためのエッチバックを行い、メモリセル領域2内の隣接するフィン10b間に導電性材料26の第1のブロックを残すことによって、導電性材料で充填される。導電性材料26の第1のブロックは、ドープされたポリシリコン又はドープされたアモルファスシリコンであり得る。
【0036】
エッチングを使用して、窒化物層14を除去する。窒化物層14を除去することによって残された酸化物24内の空隙を充填すると共に、導電性材料26の第1のブロックを覆うように、酸化物が構造体上に堆積される。ストップとして導電性材料26の第1のブロックを使用して、CMPが実行される。これにより、フィン10bの頂部は酸化物24で覆われたままとなる。図7A図7Cに示すように、絶縁層28が構造体上に形成される。好ましくは、絶縁層28はONO層であり、酸化物-窒化物-酸化物副層を有することを意味する。
【0037】
導電性材料30の層(導電層30)は、構造体の上方に、すなわち絶縁層28の上方に形成される。好ましくは、導電性材料30の層は、ドープされたポリシリコン又はドープされたアモルファスシリコンである。フォトレジストが導電材料30の層の上に形成され、水平/行方向に延在するフォトレジストのストリップを残すようにパターニングされる。図8A図8C(行方向に沿った図)及び図9A図9C(列方向に沿った図)に示すように、メモリセル領域2では、導電層30のストリップ(及びその下の絶縁層28の残っている部分)を除いて、構造体から導電材料30の層及び絶縁層28を除去するために、エッチングが1回以上行われる。導電性材料30のストリップは、(列方向に直交する)行方向に延在する。好ましくは、導電性材料30のストリップの下にある、導電性材料26の第1のブロックの部分は、フィン10bの頂部より上にわずかに延びている。
【0038】
絶縁スペーサ32/34(例えば、ON(oxide and nitride)(それぞれ、酸化物及び窒化物))が導電性材料30のストリップの側壁に沿って形成される。絶縁(ON)スペーサ32/34は、酸化物堆積、窒化物堆積、次いで、窒化物異方性エッチング及び酸化物異方性エッチングによって形成される。この段階にて、HVデバイス領域4及び論理デバイス領域6内への注入は別々に実行することができる(すなわち、他の領域をフォトレジストで覆うことによって1つの領域のみに注入する)。次に、フォトレジストが構造体の上方に形成され、HVデバイス領域4及び論理デバイス領域6から完全に除去され、メモリセル領域2の一部分から除去される。結果として、導電性材料30のストリップの第1の側のスペーサ32/34、並びにフィン10bの隣接部分、導電性材料26及び酸化物24の第1のブロックを覆うフォトレジスト36のストリップが残る。次に、図10A図10Cに示すように、HVデバイス領域4及び論理デバイス領域6内のフィン10b間の酸化物24の頂面24aと、メモリセル領域2内の、フォトレジスト36のストリップの下及び導電性材料26の第1のブロックの下の酸化物24の部分を除く、フィン10b間の酸化物24の頂面24aを窪ませるためにエッチングが行われる。
【0039】
フォトレジスト36のストリップが除去された後、絶縁層38が構造体上に形成される(例えば、HTO堆積及びアニール処理によって形成される酸化物層)。次に、フォトレジスト40が構造体の上方に形成され、部分的に除去され、HVデバイス領域4及び論理デバイス領域6は完全に覆われたままであり、導電性材料30のストリップの第1の側のスペーサ32/34と、フィン10bの隣接部分と、導電性材料26及び酸化物24の第1のブロックとを覆うフォトレジスト40のストリップが残る。次に、図11A図11Cに示すように、エッチングを行って、導電性材料30のストリップの第2の側(第1の側の反対側)に隣接する導電性材料26の第1のブロックの露出部分と、絶縁層38の露出部分とを除去する。
【0040】
フォトレジスト40が除去された後、絶縁スペーサ42(例えば、HTO堆積などの酸化物堆積、アニール処理、及び異方性エッチングによって作成られた酸化物スペーサ)が、導電性材料30のストリップの側壁に隣接するスペーサ34に沿って形成される。次に、フォトレジスト44が構造体に形成され、選択的に除去され、図12A図12Cに示されるように、HVデバイス領域4及び論理デバイス領域6は完全に覆われたままであり、導電性材料30のストリップの第2の側のスペーサ32/34、並びにフィン10b及び酸化物24の隣接部分を覆うフォトレジスト44のストリップが残る。
【0041】
その後、絶縁層38及び絶縁スペーサ42の露出部分を除去するためにエッチングが実行される。フォトレジスト44が除去された後、絶縁層46が形成される(例えば、HTO堆積及びアニール処理によって形成されるトンネル酸化物)。その後、フォトレジスト48が、構造体上に形成され、HVデバイス領域4及びメモリセル領域2を完全に覆うが、論理デバイス領域6を露出させるように、部分的に除去される。エッチングを用いて、フィン10bの上部を露出させるように、絶縁層38及び絶縁層46が除去される。次に、論理デバイス領域6内のフィン10bの露出部分上に絶縁層50が形成され、図13A図13Cに示す構造体が得られる。絶縁層50は、酸化物、酸窒化物、及び/又は他の誘電体材料とすることができる。絶縁層38及び絶縁層46を除去し、それらを絶縁層50で置き換えることにより、以下で更に説明するように、異なる厚さ及び/又は組成を選択することによって、構成要素の個々の調整が可能になる。
【0042】
フォトレジスト48の除去後、構造体の上方に導電性材料52の層を形成する。好ましくは、導電性材料52の層は、ポリシリコンで形成される。導電性材料52の層にドーパントを注入するための、任意選択の注入ステップが実行されてもよい。化学機械研磨(CMP)を使用して、導電性材料52の層の頂面を平坦化することができる。導電性材料52の層の頂面を更に窪ませるために、任意選択でエッチングを使用することができる。導電性材料52の層の上方にハードマスク層54が形成される。好ましくは、ハードマスク層54は、図14A図14Cに示すように、複数のサブ層(例えば、酸化物層54a及び窒化物層54b)を含む。ハードマスク層54は、メモリセル領域2、HVデバイス領域4、及び論理デバイス領域6内のハードマスク層54の部分を除去して、導電性材料52の下にある層の部分を露出されたままにするために、フォトリソグラフィステップを使用してパターニングされる。次に、図15A~15Cに示すように、異方性エッチングを用いて、導電性材料52の層の露出部分を除去する。
【0043】
スペーサ56は、材料堆積及び異方性エッチングによって、構造体の側面に形成される。このとき、メモリセル領域2、HV素子領域4、及び論理素子領域6のそれぞれについて、注入を行うことができる(すなわち、他の領域をフォトレジストで覆い、注入を行うことによって)。フィン10bの上部は除去され、エピタキシャル膜(図示せず)によって置き換えられる。これは、フィン10bの頂面の露出部分を下げるためのエッチングと、後続するエピタキシャル成長とを含む。PMOSデバイス及びNMOSデバイスの両方がエピタキシャル膜上に形成される場合、置き換えは2回行われる。1回は、PMOSデバイスに対して(NMOSデバイスがフォトレジストによって覆われた状態で)行われ、NMOSデバイスのために再度行われる(PMOSデバイスがフォトレジストによって覆われた状態で)。絶縁スペーサ58は、材料堆積及び異方性エッチングによって構造体の側面上に形成される。絶縁スペーサ58は、単一材料のスペーサであってもよいし、酸化物及び窒化物の堆積と、後続する窒化物異方性エッチング及び酸化物異方性エッチングとによって形成されるONなどの複数材料のスペーサであってもよい。次に、フィン10bの他の部分の導電型とは異なる導電型を有する、フィン10bの露出領域内のソース/ドレイン領域を形成するために、1回以上の注入が実行される。具体的には、図16A図16Cに示すように、1回以上の注入により、メモリセル領域2内にソース領域62及びドレイン領域64が形成され、HVデバイス領域4内にソース領域66及びドレイン領域68が形成され、論理デバイス領域6内にソース領域70及びドレイン領域72が形成される。
【0044】
コンタクトエッチングストップ層74が構造体に形成される。酸化物76(例えば、層間絶縁膜(inter-layer dielectric、ILD)酸化物)が構造体の上方に形成され、コンタクトエッチングストップ層74を研磨ストップとして使用して、化学機械研磨(CMP)平坦化にかけられる。酸化物76及びハードマスク層54を窪ませるためにエッチングが使用される。追加の酸化物層(図示せず)が、(好ましくは、高アスペクト比プロセス-HARPを使用して)構造上に堆積される。次に、図17A図17Cに示すように、化学機械研磨を用いて構造体を平坦化する。結果として、追加の酸化物層が除去され、導電性材料52の層の頂面が露出される。
【0045】
構造体はフォトレジストで覆われ、フォトレジストは部分的に除去されて論理領域6を露出させる。論理領域6内の導電性材料52の層を除去するためにエッチングが使用され(すなわち、論理領域6内の導電性材料52の層のこれらの部分は、ダミーゲートとして機能し、このエッチングによって除去される)、下にある絶縁層50の部分を露出させる。エッチングを用いて絶縁層50の露出部分を除去し、論理領域6内のフィン10bの一部分を露出させる。次に、高K金属ゲート(high K metal gate、HKMG)層が構造体の上方に形成され、導電材料52の層及び絶縁層50のダミーゲートの除去によって残された空隙を充填する。HKMG層は、導電性金属層80の下に、高K材料の(すなわち、限定はされないが、HfO2、ZrO2、TiO2、Ta2O5、又は他の適切な材料等の酸化物の誘電率Kを超える誘電率Kを有する)絶縁層78を備える。ストップとして酸化物76を使用する化学機械研磨が実行される。この結果得られた構造体を、図18A図18C(フォトレジスト除去後)に示す。酸化物82を構造体の上方に形成する。酸化物82は、フォトリソグラフィによってパターンニングされて、様々な構成要素まで下方に延びるコンタクトホールが形成される。コンタクトホールは導電性材料で充填されて、様々な構成要素と電気的に接触する、酸化物82/76を貫通して延びるコンタクト84を形成する。最終構造体を図19A図19Cに示す。
【0046】
メモリセル領域2内に形成されるメモリセル90は、図20A(フィン10bに沿った断面図)、図21A(フィン10b間の断面図)、図22A(平面図)に最も良く示されている。メモリセル90は、一対のフィン10b上に形成される。フィン10bの各々は、ソース領域62及びドレイン領域64を含み、フィン10bのチャネル領域92がそれらの間に延在する。チャネル領域92は、フィン10bの側面10c/10d及び頂面10eに沿って延在する。ワード線ゲート52aは、ドレイン領域64に隣接するフィン10bの頂面及び側面10c/10d/10eを包み込む導電性材料52の層の残っている部分である(すなわち、ワード線ゲート52aは、その中のチャネル領域92のその部分の導電性を制御するために、フィン10bの3つの表面10c/10d/10eの全てに沿って延在する部分を有する)。浮遊ゲート26aは、一対のフィン10bの間に配設された導電性材料の第1のブロック26の残っている部分であり、したがって、(これらのフィン表面に沿って延在するチャネル領域92の部分の導電性を制御するために)一方のフィン10bの側面10c及び他方のフィン10bの側面10dに沿って延在する。制御ゲート30aは、浮遊ゲート26aの上方に配設され、浮遊ゲート26aから絶縁される導電性材料30のストリップの部分である。消去ゲート52bは、浮遊ゲート26aに横方向に隣接し(消去ゲートの第1の部分)、浮遊ゲート26aの上方に部分的に配設される(消去ゲートの第2の部分)導電性材料52の層の残っている部分であり、ソース領域62に隣接する。消去ゲート52bは、消去効率を高めるために、浮遊ゲート26aの上縁部に面するノッチ53を含む。好ましくは、上にメモリセル90が形成される2つのフィン10bの2つのチャネル領域92は、並列に動作される。図は単一のメモリセル90を示しているが、複数のメモリセル90が、一対のフィン10bに沿って端から端まで形成され、メモリセル90の列を形成し、図に示されるフィン10bに平行に延びる他のフィンに沿って、メモリセルの他の列が形成されることを理解されたい。
【0047】
HVデバイス領域4内に形成される高電圧デバイス94は、図20B(フィン10bに沿った断面図)、図21B(フィン10b間の断面図)、及び図22B(平面図)に最も良く示されている。高電圧デバイス94はフィン10bに沿って形成され、フィン10bは、HVソース領域66及びHVドレイン領域68を含み、これらの間には、フィン10bのHVチャネル領域96が延在する。HVチャネル領域96は、HVソース領域及びHVドレイン領域66/68間のフィン10bの側面10c/10d及び頂面10eに沿って延在する。HVゲート52cは、HVソース領域及びHVドレイン領域66/68間のフィン10bの頂面及び側面10c/10d/10eを包み込む導電性材料52の層の残っている部分として形成される(すなわち、HVゲート52cは、その中のHVチャネル領域96の導電性を制御するために、3つの表面10c/10d/10eの全てに沿って延在する部分を有する)。図22Bに最も良く示されているように、複数の高電圧デバイス94は、共通のHVゲート52cを共有することができ、それによって、複数の高電圧デバイス94は並列に動作する。
【0048】
論理デバイス領域6内に形成される論理デバイス98は、図20C(フィン10bに沿った断面図)、図21C(フィン10b間の断面図)、及び図22C(平面図)に最も良く示されている。論理デバイス98はフィン10bに沿って形成され、フィン10bは、論理ソース領域70及び論理ドレイン領域72を含み、これらの間には、フィン10bの論理チャネル領域100が延在する。論理チャネル領域100は、論理ソース領域及び論理ドレイン領域70/72間のフィン10bの側面10c/10d及び頂面10eに沿って延在する。論理ゲート80aは、論理ソース領域及び論理ドレイン領域70/72間のフィン10bの頂面及び側面10c/10d/10eを包み込む導電性金属層80の残っている部分として形成される(すなわち、論理ゲート80aは、その中の論理チャネル領域100の導電性を制御するために、3つの表面10c/10d/10eの全てに沿って延在する部分を有する)。図22Cに最も良く示されているように、複数の論理デバイス98は、共通の論理ゲート80aを共有することができ、それによって、複数の論理デバイス98は並列に動作する。
【0049】
上記メモリデバイス及びその形成方法は、多くの利点を有する。論理ゲート80aが、フィン10bの頂面及び側面10c/10d/10eを包み込むことによって、論理デバイス98のサイズを縮小することができる(すなわち、チャネル領域100が、フィン10bの頂面及び側面10c/10d/10eに沿って折り畳まれるため)。HVゲート52cが、フィン10bの頂面及び側面10c/10d/10eを包み込むことによって、HVデバイス94のサイズを縮小することができる(すなわち、チャネル領域96が、フィン10bの頂面及び側面10c/10d/10eに沿って折り畳まれるため)。ワード線ゲート52aが、フィン10bの頂面及び側面10c/10d/10eを包み込むことによって、ワード線ゲート52aのパフォーマンスが向上し、メモリセル90のサイズを縮小することが可能になる(すなわち、チャネル領域92が、一対のフィン10bの頂面及び側面10c/10d/10eに沿って折り畳まれるため)。消去ゲート52bの底面は平坦であり(すなわち、フィン10bを包み込まない)、これにより、浮遊ゲート26aと消去ゲート52bとの間の容量結合が低減されて消去効率が向上し、消去ゲート52bとソース領域62との間の容量結合が低減され、絶縁破壊電圧が増大する。メモリセル90及び高電圧デバイス94は、大部分が論理デバイス金属ゲート形成の前に形成されるので、メモリセル及び高電圧デバイスを形成するために使用される熱工程は、論理デバイスに悪影響を及ぼさない。メモリセル領域2内のフィン10bのピッチ及び間隔は、メモリセルの比較的大きな構成要素をより良好に収容するためには、より大きく、一方、より小さいピッチ及び間隔の場合、より多数の論理デバイス98及び高電圧デバイス94をフィン10b上に形成することを可能にする。
【0050】
製造プロセスを簡略化するために、ワード線ゲート52a、消去ゲート52b、及び高電圧ゲート52cは全て、同じ導電性材料層から形成され、この層は、最終的に金属論理ゲート80aと置き換えられるダミー材料として、論理デバイス領域6においても使用される。論理領域6から導電性材料層52を除去する間、メモリセル領域2及びHVデバイス領域4はフォトレジストによって保護される。1つ置きのフィン10b(すなわち、1つ飛ばしのフィン10b)の間に浮遊ゲート26aを形成することによって、浮遊ゲート間の結合が回避される。論理ゲート80aに金属を使用することにより、パフォーマンスが向上する。ワード線ゲート52a、消去ゲート52b、制御ゲート30a、及びHVゲート52cにポリシリコンを使用することにより、より良好な耐性及び電子トンネル制御が得られる。浮遊ゲート26aは、絶縁層25によってフィン10bから絶縁され、ワード線ゲート52aは、絶縁層46によってフィン10bから絶縁され、消去ゲート52bは、絶縁層46によってフィン10bから絶縁され、HVゲート52cは、絶縁層38/46によってフィン10bから絶縁され、論理ゲート80aは、絶縁層78によってフィン10bから絶縁される。これらの絶縁層の各々を別々に形成することによって、浮遊ゲート26a、ワード線ゲート52a、消去ゲート52b、HVゲート52c、及び論理ゲート80aのパフォーマンスを、絶縁層25、46、42、38、及び78に対して異なる厚さ及び/又は組成を選択することによって、個々に調整することができる。メモリセル90は、2つのフィン10b上に形成される。浮遊ゲート26aのプログラミング状態が、2つのフィン10b上の2つのチャネル領域92の導電性を制御し、これらは、より良い精度のために2つのチャネル領域92において検出される電流を足し合わせることができるように、並列に動作される。HVデバイス94はそれぞれ、複数のフィン10b上に形成することができ、それにより、複数のチャネル領域96を、より高い電流の用途のために並列に動作させることができる。論理デバイス98についても同様である。
【0051】
図23は、第1の代替実施形態を示す。浮遊ゲート26aの最終的な長さよりも長い長さを有する(図5A及び図6Aに関して上述した)導電性材料26の第1のブロックを形成する代わりに、導電性材料26の第1のブロックは、図23に示すように、浮遊ゲート26aの所望の長さを有するように最初から形成される。このようにすることによって、図11Aに関して上述した導電性材料26の第1のブロックのエッチングを省略することができる。
【0052】
図24図25は、第2の代替実施形態を示す。図10Aに関して上述したフォトレジスト36の形成が省略されており、したがって、消去ゲートの最終的な位置における酸化物24の頂面24aも同様に窪まされる(図24参照)。その後、導電性材料52の層が図14A及び図15Aに関して上述したように形成されると、図25に示すように、フィン10bの周りで、消去ゲート52bが下向きに延在する(すなわち、消去ゲート52bがフィン10bを包み込み、消去ゲート52bの一部が、フィン表面10c/10d/10eに沿って延在する)。この実施形態の利点は、少なくとも1つのマスキング工程を回避できることである。
【0053】
図26図27は、第3の代替実施形態を示す。この実施形態は、図15Aに関して上述したメモリセル領域2内の構造体と同じ構造体から出発するが、ハードマスク層54がパターニングされて、導電性材料のストリップ30(ワード線ゲート側)に隣接する導電性材料の層52の部分が更に露出される点で異なる。図26に示すように、導電性材料の層52のエッチングにより、導電性材料のストリップ30と、導電性材料の層52の残っている部分(ワード線ゲート側)との間にギャップGが形成される。次に、メモリセル領域2に対する上述の処理工程の後に得られる構造体が図27に示されている。ワード線ゲート52aが制御ゲート30aから更に離隔され、別のドレイン領域102が、ワード線ゲート52aと制御ゲート30aとの間のフィン10b内に形成されている。この実施形態によれば、各メモリセルは、2つのフィン10bにわたる4つのチャネル領域、すなわち、ソース領域62からドレイン領域102(この実施形態では、第1のフィンの第1のドレイン領域)まで延在する第1のフィン10bの第1のチャネル領域92aと、(第1の)ドレイン領域102からドレイン領域64(この実施形態では、第1のフィンの第2のドレイン領域)まで延在する第1のフィン10bの第2のチャネル領域92bと、ソース領域62からドレイン領域102(この実施形態では、第2のフィンの第1のドレイン領域)まで延在する第2のフィン10bの第3のチャネル領域92aと、第2のドレイン領域102からドレイン領域64(この実施形態では、第2のフィンの第2のドレイン領域)まで延在する第2のフィン10bの第4のチャネル領域92bとを含む。ワード線ゲート52aは、第2及び第4のチャネル領域92bを包み込み、それらの導電性を制御する。ワード線ゲート52aは、第1のメモリトランジスタを構成する。浮遊ゲート26a、制御ゲート30a、及び消去ゲート52bは、第2のメモリトランジスタを構成する。メモリセルを、それぞれ独立して動作可能な2つのトランジスタに分割することによって、同じ列を共有する選択されていないセルからのサブ閾値リーク電流のより良好な制御が可能になり、高温読み取りパフォーマンス、及び関連するメモリの区分けが改善される。
【0054】
本発明は、上記で説明し、本明細書で例証した実施形態に限定されるものではなく、それらの実施形態によって裏付けられる任意の特許請求の範囲内に属する任意及び全ての変形例を包含することが理解されよう。例えば、本明細書で本発明に言及することは、いかなる特許請求項又は特許請求項の用語の範囲を限定することも意図しておらず、代わりに、単に、1つ以上の特許請求項によって網羅され得る1つ以上の特徴に言及するものである。上述の材料、プロセス、及び数値例は単に代表的なものであり、いずれの請求項も限定するものと見なされるべきではない。例えば、浮遊ゲートは、ポリシリコンではなく、非晶質シリコンで形成され得る。更に、全ての方法ステップを、例証した厳密な順序で実行する必要はない。最後に、単一層の材料をそのような又は同様の材料の複数層として形成することができ、逆もまた同様である。
【0055】
本明細書で使用される、「の上方に(over)」及び「に(on)」という用語は共に、「上に直接」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)及び「上に間接的に」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を包括的に含むことに留意されるべきである。同様に、「隣接した」という用語は、「直接隣接した」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)、及び「間接的に隣接した」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を含み、「に取り付けられた」は、「に直接取り付けられた」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)、及び「に間接的に取り付けられた」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を含み、「電気的に結合された」は、「直接電気的に結合された」(中間材料又は要素がそれらの間で要素を電気的に接続していない)、及び「間接的に電気的に結合された」(中間材料又は要素がそれらの間で要素を電気的に接続している)を含む。例えば、「基板の上方に」要素を形成することは、中間材料/要素が介在せずに直接基板にその要素を形成することも、1つ以上の中間材料/要素が介在して間接的に基板にその要素を形成することも含み得る。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図15C
図16A
図16B
図16C
図17A
図17B
図17C
図18A
図18B
図18C
図19A
図19B
図19C
図20A
図20B
図20C
図21A
図21B
図21C
図22A
図22B
図22C
図23
図24
図25
図26
図27