(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-19
(45)【発行日】2024-11-27
(54)【発明の名称】新無線ジャミング検出
(51)【国際特許分類】
H04W 12/12 20210101AFI20241120BHJP
H04W 24/04 20090101ALI20241120BHJP
H04W 56/00 20090101ALI20241120BHJP
H04K 3/00 20060101ALI20241120BHJP
【FI】
H04W12/12
H04W24/04
H04W56/00 130
H04K3/00
(21)【出願番号】P 2023561615
(86)(22)【出願日】2022-03-29
(86)【国際出願番号】 EP2022058274
(87)【国際公開番号】W WO2022214358
(87)【国際公開日】2022-10-13
【審査請求日】2023-11-13
(32)【優先日】2021-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】523067768
【氏名又は名称】テリット シンテリオン ドイチュラント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フォルカー ブロイアー
【審査官】桑江 晃
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-175195(JP,A)
【文献】特開2020-150539(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0083794(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04K 3/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ユーザ装置に影響を与えるジャミング状況を検出する方法であって、前記ユーザ装置が、所与のエリアにおいて新無線帯域幅で動作する新無線ネットワーク(RN)のベースノードと通信するように適合されており、前記新無線ネットワークが、前記ユーザ装置に同期信号を提供するための特定のキャリア設計を使用し、前記特定のキャリア設計が、セル固有の参照信号が使用されないが、同期信号ブロックの少なくとも1つがセル定義の同期信号ブロックである複数の同期信号ブロックをブロードキャストするために複数のサブキャリア間隔を実装し、前記ユーザ装置が、前記所与のエリア内にあり、この所与のエリア内に新無線が展開されている旨の表示に更にアクセスすることができ、
前記方法が、前記ユーザ装置が:
- 前記新無線帯域幅を測定するステップを含み、発見した同期信号ブロックを復号するのに十分なエネルギーを測定した帯域で検出した場合に:
- 前記新無線帯域幅で少なくとも同期信号ブロックを復号しようと試みるステップ、
- 復号が不可能で、このエリアに新無線が展開されている旨の表示が存在する場合に、前記ユーザ装置がジャミング状況の影響を受けていると結論付けるステップ、
- 少なくとも1つの同期信号ブロックの復号が可能な場合に、セル定義の同期信号ブロックが復号されていることをチェックするステップ、
- セル定義の同期信号ブロックが復号されていない場合に、前記新無線帯域幅の一部が高い受信信号強度表示を示しているかどうかを検証するステップ、
- 前記新無線帯域幅の一部が高い受信信号強度表示を示している場合に、前記ユーザ装置がジャミング状況の影響を受けていると結論付けるステップを含む方法。
【請求項2】
前記新無線帯域幅の一部が信号復号に十分である必要がある高い受信信号強度エネルギーを示しているかどうかを検証するステップに続いて、高い受信信号強度エネルギーを示す前記新無線帯域幅のこの部分が同期信号ブロックを隠すのに十分な帯域幅を有することを検証した後に、前記ユーザ装置がジャミング状況の影響を受けていると結論付けるステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ユーザ装置が、ジャミング状況が検出されると、ジャミングに関する信頼度レジスタを監視し、前記方法が、次の周波数帯域を検索するステップと、前記方法を次の周波数帯域に適用しながら同じ結果が得られる場合に前記信頼度レジスタを増加させるステップとを更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
スキャンした帯域のいずれかが完全にアクセス可能である場合に、前記信頼度レジスタがゼロにリセットされる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記方法が更に、
-セル定義の同期信号ブロックが復号される場合に、セルにアクセスするためのアクセス情報を含む第1のシステム情報ブロックが示されているかどうかをチェックし、
-前記セル定義の同期信号ブロックに第1のシステム情報ブロックSIB1表示が存在しない場合に、キャンプに使用し得る新無線セルを示す記憶されているシステム情報が利用可能であるかどうかをチェックし、
-利用可能である場合に、示した前記新無線セルをスキャンし、
-これらの示された前記新無線セルをスキャンしながら、新無線に現在のジャミング検出方法を適用することによって、更なるジャミング状況がある場合にこれを検出すること含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
キャンプに使用し得る新無線セルを示し、以前のキャンプ無線アクセス技術を使用して受信されたチェック済みの記憶されているシステム情報が、RAT間セル再選択のための周波数をリストする、NR測定にも使用し得るRAT間再選択システム情報を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記RAT間再選択システム情報がSIB24システム情報ブロックを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
キャンプに使用し得る新無線セルを示し、新無線セルで受信されたチェック済みの記憶されているシステム情報が、セル再選択のための周波数をリストする、NR測定にも使用し得るRAT内再選択システム情報を提供する、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記RAT内再選択システム情報が、SIB4及びSIB5のシステム情報の少なくとも1つを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
記憶されているシステム情報が少なくともセカンダリセルグループを示しているかどうかをチェックするステップと、更なるスキャンのためにのみ前記セカンダリセルグループに属するセルを破棄するステップとを更に含む、請求項5乃至9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
少なくともセカンダリセルグループを示す前記記憶されているシステム情報が、LTEにおけるSIB2、NRにおけるSIB26aのシステム情報ブロックの少なくとも1つを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
所与のエリアにおいて新無線帯域幅で動作する新無線ネットワーク(RN)のベースノードと通信するように適合されたユーザ装置であって、前記新無線ネットワークが、前記ユーザ装置に同期信号を提供するための特定のキャリア設計を使用し、前記特定のキャリア設計が、セル固有の参照信号が使用されないが、同期信号ブロックの少なくとも1つがセル定義の同期信号ブロックである複数の同期信号ブロックをブロードキャストするために複数のサブキャリア間隔を実装し、
前記ユーザ装置が、通信に影響を与えるジャミング状況を検出するための請求項1乃至11のいずれか一項の方法を実行するように適合され、
前記ユーザ装置が、少なくとも、前記新無線帯域幅を測定する測定モジュールと、前記新無線帯域幅で受信した同期信号ブロックを復号する復号モジュールと、前記ユーザ装置がジャミング状況の影響を受けていると結論付けるために、結果として実行されるステップに従って実行される測定及び復号に応じて、請求項1乃至11の少なくとも一項に記載の方法のステップを実行するための処理モジュールとを有するユーザ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ユーザ装置に影響を与えるジャミング状況を検出する方法に関し、上記ユーザ装置は、所与のエリアにおいて新無線帯域幅で動作する新無線ネットワーク(RN)のベースノードと通信するように適合されており、新無線ネットワークは、特定のキャリア設計を使用して同期信号をユーザ装置に提供し、上記特定のキャリア設計は、セル固有の参照信号が使用されないが、同期信号ブロックの1つがセル定義の参照信号ブロックである複数の同期信号ブロックをブロードキャストするために複数のサブキャリア間隔を実装する。
【0002】
本発明は、また、ジャミング状況を検出するための上記方法を実装するユーザ装置にも関する。
【背景技術】
【0003】
本発明はジャミング検出に関する。そのような検出は、その第1のものが、例えば危険な状況の場合に自動車がネットワークに頼って必要な動作を評価する自動車分野である多くのリアルタイムアプリケーションにとって非常に重要である。
【0004】
5Gの分野で既に主張されている主要な側面は、5Gのジャミング検出、特に3G/4G用に開発されたものに適用することができる。ただし、5Gには以前の解決策よりも正確に対処する必要がある特定の側面がある。具体的には5G広帯域展開、特にFR1の上位周波数範囲(すなわち3GHz以上)であるが、FR2周波数範囲及び5Gで利用可能なアーキテクチャオプションにとっても重要であり、その中でも非スタンドアロンアーキテクチャ(NSA)は特定の問題を引き起こす。
【0005】
したがって、5GはLTEと比較して異なり、従来の、すなわち4Gシステムと比較してジャミング検出にもいくつかの違いがある。具体的にはジャミング検出解決策はアイドルモードと新しい5G非アクティブモードには適応していない。
【0006】
5Gの基本の1つは、LTEと比較してクリーンなキャリア設計であることに留意する必要がある。これは、キャリア設計にセル固有の参照信号が存在しないことを意味する。セル固有の参照信号はLTE及びUMTSに常に存在し、主にジャミング検出に使用される。
【0007】
実際、デバイスはノイズをはるかに上回る搬送波のエネルギーを検出し、UMTS又はLTEの参照シンボルを測定及び識別するのに十分なはずである。デバイスがそのように検出され得るジャミング状況にある場合はそうではない。
【0008】
5Gでは、セル固有の参照信号がないため、測定はそれぞれがP-SCH及びS-SCH同期信号を含む同期信号ブロックSSBを介してのみ行うことができる。
【0009】
同期チャネルを介してジャミングを検出することは一般的な形式で知られており、WO2013072493で既に特許請求されている。
【0010】
ただし、ジャミング又は非ジャミングにマッピングされるブールステートメントP-SCH/S-SCH検出可能/検出不可能は5Gには適用されない。
【0011】
新無線5Gは、具体的には複数の帯域部を使用する広帯域展開において、時間及び周波数領域において2つ以上のSSブロックを提供する。周波数では、それらは参照信号として機能する。これは特に、複数のサブキャリア間隔(SCS)展開を含む広帯域展開の場合である。時間領域では、それらは様々なビーム方向の基準として機能する。これは、ユーザ装置が周波数領域の一部で妨害されている間に、P-SCH及びS-SCHがユーザ装置で受信可能になることを意味する。
【0012】
時間領域で検出可能であることは、そのようなジャミングの問題を生じさせず、帯域の一部のジャミングの場合と同様に、全てのSSBが妨害されることになり、ある特定のビームを妨害するにはビーム掃引のタイミング及び方向に関する知識が必要になる。したがって、時間領域では、ジャミング攻撃は全てのビームをマスクすることになる。
【0013】
ただし、周波数領域では、SSブロックは同じ一般的な意味を持たない。周波数帯域の一部が妨害されていても、SSブロックの1つでP-SCH及びS-SCHを受信することが常に可能になる。したがって、従来技術の解決策でジャミングを検出することはできなくなる。
【0014】
従来技術では、同期チャネルSCHを受信できないという事実はジャミングを示している。しかし、5Gではこの方法は上手くいかない。
【0015】
更に、5GはLTEと比較して異なり、特別な新しい属性がアーキテクチャオプションである。実際、5Gはスタンドアロン技術として、又は非スタンドアロン技術として別の技術と組み合わせて展開されることがある。
【0016】
非スタンドアロン展開オプションは、これまでに存在したものとは異なる。また、LTEのジャミング評価又はSAのジャミング評価は、誤った報告や評価につながることがあるため部分的にのみ適用可能である。
【0017】
アーキテクチャオプションが3GPP(登録商標)規格TR38.801(第7.2章)で開示されており、アーキテクチャオプション3及び7は、アーリードロップ及びレイトドロップとしても知られる非スタンドアロンNSAアーキテクチャオプションである。
【0018】
アンダーレイオーバーレイオプション又は階層セル構造は以前から既に存在しており、ジャミングに関してもよく理解されているが、NSAアーキテクチャは本質的に異なる。それは、同じ又は異なる技術の2つの独立した無線アクセス技術RATから構成されない。NSAアーキテクチャは2つのRATで構成されており、そのうちの1つだけが必要な登録機能を提供する。
【0019】
一般に、1つのマスタノード及び1つの「セカンダリ」ノードが存在する。第1/マスタノードがLTEか5Gかに関係なく、マスタノードは、デバイスの登録に必要な全てのシグナリングを管理し含むノードである。これには、必要なSIB又は必要なSIBを見つける場所の表示を提供すること、MME又はAMFが4G又は5Gを意味するかどうかに関係なく、コアネットワークに登録できることが含まれる。更に、MME又はAMFに向けて上記NAS(非アクセス層シグナリング)を維持するのはマスタノードであり、したがって、ネットワークに向けて上記デバイスを登録するための方法である。
【0020】
セカンダリノードは、LTEかNRかに関係なく、登録情報、すなわちNRのMIB/及びコアセット1を超えるシステム情報を提供することはない。これは、SIB1表示が存在しないこと、又はこの表示が対象のセルにSIB1が存在しないことを示していることを意味する。したがって、5Gセルはキャンプには使用できず、NSA展開ではスループットを向上させるノードでしかない、すなわちアクセス及び割り当ては別のノードを介して行われる。
【0021】
実際、専用モードでトラフィックを増加させるためにNSA5Gセルを使用するLTEセル、又はトラフィックを増加させるためにセカンダリNRセルを使用するNRセルである可能性がある。後のシナリオでは、マスタセルがFR1にあり、セカンダリセルがFR2にある可能性がある。セカンダリセルが専用モードでのトラフィックオフロードに使用されるこれらのシナリオでは、デバイスは5Gセルにキャンプすることができなくなる。現在のトラフィックオフロードやキャリアアグリゲーションに使用されているセルとは異なる。実際、これらの3G/4Gコンセプトでは、低速のユーザはこれらのレガシーセルにキャンプすることを強制又は指示される。4Gで使用されるキャリアアグリゲーションでは、2つの本格的なセルが一緒に、スループットを最大化するために1つのユーザ装置にサービスを提供する一方、デバイスは上記2つのセルのいずれかにアイドル状態でキャンプする可能性がある。ただし、NSA展開では、デバイスはマスタセルにアイドル又は非アクティブ状態でキャンプすることができるのみで、そのようなNSA展開は、登録情報を提供する必要がないか又はセカンダリノードでSIBをブロードキャストする。
【0022】
登録に必要な全ての制御情報は、マスタノード、すなわち非アクセス層NASシグナリング及びSIBプロビジョニング経由でのみ提供される。
【0023】
デバイスが接続モードになると、新無線基地局を介してデータ接続が設定され、プライマリeNBを介して又は直接LTEネットワークコアに配信が行われる。接続すると機能するが、アクセスしたりキャンプしたりしない。
【0024】
LTEとNRの緊密な相互作用は、主要な側面の1つである。したがって、非スタンドアロンアーキテクチャもジャミング検出の要件で分析される必要がある。
【0025】
セカンダリセルが、例えばMIB以外のSIBを提供せず、せいぜい「SIB1が存在しない」ことを示すNSA展開を考慮すると、妨害する必要はない。ここで、全ての5Gフレームが受信されるとしても、5Gセルはキャンプ用ではないため、プライマリセルが利用できなくなりコアネットワークに接続されなくなるとすぐに又は上記プライマリセルが妨害される場合にデバイスはアクセス又はキャンプすることができなくなる。そのようなジャミングは、プライマリベースセルから受信したものを分析することによってユーザ装置によって検出されるという利点がある。
【0026】
ただし、ユーザ装置側では、接続すること、又は既にこのセルにキャンプ中である場合にはキャンプし続けることができずに、非スタンドアロン5Gセルからデータを受信する。
【0027】
これまでジャミングはSA展開の場合に効率的な個別の各技術についてのみ考慮及び評価されていた。この場合、各技術は個別に評価される。したがって、NSAの場合、セカンダリノードはそれ自体が接続性を提供できないため、セカンダリノードの評価を回避することができる。
【0028】
したがって、妨害されているか否かに関係なく、状況を変化させることはない。すなわちジャミングの目的は通信をブロックすることであり、NSAアーキテクチャではセカンダリノードをブロックする必要はない。マスタノードが妨害されるとき、セカンダリノードはそれ自体が接続を開くことができない。したがって、測定及び復号はジャミング検出レベル/信頼度を高めることはない。また、ユーザ装置は、5Gで信号を受信するとき、非スタンドアロンセルを含む任意の5Gセルへの接続試行を継続することになり、NSAセルであり、その後次の5Gセルをアドレス指定することに遭遇しない限り、復号を続けることになる。
【0029】
本発明の方法は、セル定義の同期信号ブロックを含む、同期信号ブロックが新無線で通常受信される状況にも対処する。上で述べたように、これは、上記セルがNSAセルである可能性があるため、キャンプには必ずしも十分ではないことを意味する。すなわち、セル定義ブロックはSIB1が存在しないことに関する情報を提供するだけである。対照的に、5Gスタンドアロンセルは、SIB1及びコアセット#0に情報を提供する少なくとも1つのセル定義の同期信号ブロックセルを提供し、UEが登録して接続を設定できるようにする。
【0030】
事前知識なしに利用可能な全ての5Gセルをスキャンし評価するプロセスは、非常に電力と時間を消費し、結論や信頼度の導出を不必要に遅らせることがある。
【0031】
したがって、当技術分野では、5Gドメインにおけるジャミングを検出及び評価するための更に別の有利な解決策が望ましいことになる。
【発明の概要】
【0032】
本発明は、5Gで遭遇する様々な特定の展開及びアーキテクチャにおいてジャミングを検出できるようにすることを目的とする。
【0033】
本発明は、その最も広い意味で、プリアンブルに記載の方法として定義され、上記ユーザ装置は、所与のエリアに存在し、この所与のエリアに新無線が展開されている旨の表示に更にアクセスすることができ、
上記方法は、ユーザ装置が:
- 新無線帯域幅を測定するステップを含み、発見した同期信号ブロックを復号するのに十分なエネルギーを測定した帯域で検出した場合に:
- 新無線帯域幅で少なくとも同期信号ブロックを復号しようと試みるステップ、
- 復号が不可能で、このエリアに新無線が展開されている旨の表示が存在する場合に、ユーザ装置がジャミング状況の影響を受けていると結論付けるステップ、
- 少なくとも1つの同期信号ブロックの復号が可能な場合に、セル定義の同期信号ブロックが復号されたことをチェックするステップ、
- セル定義の同期信号ブロックが復号されていない場合かつ新無線帯域幅の一部が高い受信信号強度表示を示す場合に、ユーザ装置がジャミング状況の影響を受けていると結論付けるステップ
を含む。
【0034】
本発明は、SSブロックにマッピングされた5G用の「参照信号」のどのコンテンツが妨害されているかを識別する。妨害されているか否かの決定は、受信した帯域幅部分に関連する復号結果に依存する。
【0035】
実際、本発明は、検索時間を軽減するためにある帯域にSSブロックを提供するのに使用される分散した位置の数が限られているためにCD-SSBのみを妨害することが容易であるという事実に基づいている。SSブロックは、全NR帯域幅に応じてある特定のラスター内で使用可能である。多くの場合、オペレータはそれを更に制限するが、どのSSブロックがCD-SSブロックであるかという厳密な規則はない。それは中間にある可能性があるが、必ずしもいつでもというわけではない。いずれの場合でも、妨害器がどの周波数領域がCD-SSブロックが位置する周波数領域であるかを判断することが実現可能である。そのようなジャミング状況は、しばらくすると全てのキャンプユーザに影響を及ぼす。実際、アイドルモードでは、アクセスして接続するためのシステム情報、すなわちSIBを時々、また状態がアイドルからアクティブに変化するとき、すなわちユーザ装置が通話を発信する場合にも再度読み出す必要がある。そのような場合、ユーザ装置はまずアクセス情報が変化したかどうか又はまだ有効であるかどうかをチェックする必要があることになる。これは、SIB1の表示を含むマスタ情報ブロックMIB及び第1のシステム情報ブロックそれ自体SIB1をチェックすることを意味する。これは、セルがしばらく前にアクセス可能であったときに高確率でCD-SSB検出の失敗及びジャミングをもたらすことになる。しかしながら、そのような状況は従来技術の方法では検出されなかった。
【0036】
本発明は、MIBを搬送するPBCHが復号可能な同期信号ブロックで復号可能であるが、SIB1に関連する必要な情報を含まない一方、最も重要なSSBが欠落していることを検出することができる。本発明を用いない従来技術の解決策では、SSブロックを検出したり、PBCHを復号したりする可能性は、誤った決定となるジャミングなしの決定をもたらすことになる。
【0037】
CD-SSBが見つからない場合、本発明に係る次の問題は、セルのある帯域幅部分がマスクされたかどうか、すなわち上記SSブロックのようにより多くのエネルギーを含むが復号できないことである。そこで本物のCD-SSBは、この高エネルギー帯域幅部分にあることが待望される。その場合、ジャミングの可能性が非常に高く、ジャミング状況が検出される。
【0038】
そうでない場合、これは5Gセルの誤った構成である可能性がある。NSA動作に使用される5GセルでもCD-SSBを提供することになり、これはSIB1が存在しないことを示すことになる。したがって、そのようなネットワーク全体の誤った構成は起こりそうにない。すなわち、CD-SSBのない5Gセルがあるため、ジャミングの可能性があるか、検出した異常状態をとにかく考慮し、新帯域を検索するものとする。
【0039】
本発明によれば、セル定義の同期信号ブロックCD-SSBが見つかった場合、ユーザ装置は指定どおりに動作するものとする。
【0040】
本発明のジャミング方法は、同期信号が復号可能かどうかだけでなく、受信した構造のコンテンツは何であるか及びセル定義ブロックを含むことになる帯域幅部分がマスクされているかどうかも考慮する。この方法は、4Gに適用される既存の方法と比較して強化されたものである。既存の方法では、ユーザ装置が妨害される可能性があるが、通常のジャミングルーチンはそれに気付かない。
【0041】
本発明によれば、サブキャリアのコンテンツが考慮されて、必要なSIB1表示情報を含むセル定義の同期信号ブロックが良好に受信されているかどうかを判定する。この場合、残りの最小システム情報RMSIが利用可能であり、ユーザ装置は対象の5Gセルに接続及びキャンプすることができる。SIB1の不在を示すCD-SSB、すなわちNSAアーキテクチャからCD-SSBを受信した場合に、それ以上の知識がなくても他の5Gセルが検索されることがあり、このセルは、それ自体が接続を設定するのに適していないとして更なるジャミング評価において破棄される。
【0042】
ここで、ユーザ装置が新無線における任意のデバイス、モジュール、ハンドセット、又は無線通信可能なデバイスを指すことに留意されたい。
【0043】
有利な特徴によれば、この方法は、新無線帯域幅の一部が信号復号に十分である必要がある高い受信信号強度エネルギーを示すかどうかを検証するステップに続いて、高い受信信号強度を示す新無線帯域幅のこの部分が同期信号ブロックを隠すのに十分な帯域幅を有することを検証した後に、ユーザ装置がジャミング状況の影響を受けていると結論付けるステップを更に含む。
【0044】
SSブロック又は5G信号の復号に十分な信号強度は、ユーザ装置の信号復号の最低要件を含むTS38.101から取得することができる。SSブロックを隠すのに十分な帯域幅は、上記周波数範囲で使用される最小サブキャリア間隔(SCS)×240によって計算することができ、サブキャリアはSSブロックのSCS幅である。これにより、測定した広帯域エネルギーが5G SSブロック信号/サブキャリアに対応していることを検証することが可能になる。
【0045】
このステップは、強化された妨害器がSSブロックの幅に対応する帯域の一部のみを汚染し、他の理由があり得る狭帯域スパイクに起因する、すなわち妨害器に起因しないジャミング検出の失敗を回避することがあるため、ジャミング状況の検出の責任を強化する。
【0046】
有利な特徴によれば、上記ユーザ装置は、ジャミング状況が検出されると、ジャミングに関する信頼度レジスタを監視し、上記方法は更に、次の周波数帯域を検索するステップと、この方法を次の周波数帯域に適用しながら同じ結果が得られる場合に信頼度レジスタを増加させるステップとを含む。
【0047】
信頼度レジスタの実装により、ジャミング状況の検出の責任を強化することが可能になる。そのような信頼度は、全ての帯域及び周波数の評価が終了しない限り、早期の決定に使用することができる。
【0048】
更に有利な特徴によれば、スキャンした帯域のいずれかが完全にアクセス可能である場合に、信頼度レジスタはゼロにリセットされる。
【0049】
したがって、信頼度レジスタを使用すると、ジャミング状況の検出と関連するアクションが発生した場合にそれをキャンセルすることも可能になる。
【0050】
本発明の方法は、セル承認の直接接続及びキャンプに対するジャミング状況を検出することができる。非スタンドアロンアーキテクチャを実装する他の5Gセルの場合、MIBは非スタンドアロン5Gセルによって提供され、セル定義のSSBが復号されることになるが、SIB1のようなアクセス情報が存在しないことを示すことになる。したがって、非スタンドアロン5Gセルはキャンプには適さないことになり、LTEセルであろうと5Gセルであろうと、プライマリセルで実行されるジャミング状況のみをジャミングについて評価する必要がある。セカンダリセルが接続を設定することができないとき、ジャミングの目標は達成されることになるため、妨害されているか否かにかかわらず、セカンダリノードの状況はジャミングの評価に変化をもたらさない。これは、セル定義の同期信号ブロックCD-SSBが存在するが、SIB1がシグナリングされていないため、NASシグナリングが不可能であり、必須のSIB1復号情報もないことを意味する。結果として、SIB1で示されることになる更なるSIBは存在しないため、セルにアクセスするための手段がない。
【0051】
この目的のために、本発明の方法は、以下のステップを更に含むという利点がある:
-セル定義の同期信号ブロックが復号される場合に、セルにアクセスするためのアクセス情報を含む第1のシステム情報ブロックが示されているかどうかをチェックするステップ、
-第1のシステム情報ブロックSIB1表示がセル定義の同期信号ブロックに存在しない場合に、キャンプに使用され得る新無線セルを示す記憶されているシステム情報が利用可能かどうかをチェックするステップ、
-yesの場合に、示された新無線セルをスキャンするステップ、
-これらの示された新無線セルをスキャンしながら、新無線に現在のジャミング検出方法を適用することによって、更なるジャミング状況がある場合に検出するステップ。
【0052】
そのような更なるステップにより、対象セルの5Gアーキテクチャオプション及び関連する以前に受信したシステム情報を考慮したジャミング評価が可能になる。本発明によれば、更なるジャミング評価のために特定の技術又は技術の周波数のセットを考慮するかどうかの評価は、利用可能な情報、すなわち、LTEにおけるブロックSIB24の存在により示されることになるスタンドアロンが展開されているかどうか、又は追加のデータパイプのために接続モードで指示される測定のみを設定すべきかどうかに依存する。
【0053】
関連する以前に受信したシステム情報によって、セカンダリセルの検索を制限することが可能になる。そのようなアーキテクチャにおいて全てのセカンダリセルを検索することはジャミング検出にひどい遅延をもたらすことになるため有利である。
【0054】
したがって、この方法は更にNSAアーキテクチャオプションも考慮する。上記セルに存在するか存在しない、又は前のセルから受信した特定の情報によって、デバイス及びジャミング手順は、二次技術又は周波数範囲のセルの検索及び分析を控え、LTE又は5G無線セルのいずれであれ、キャンプのみに適しているマスタ/プライマリセルでのみジャミング検出を評価する。
【0055】
したがって、本発明は、5Gの規格化で導入された非スタンドアロンアーキテクチャにも機能する、改善されたジャミング検出を可能にする。
【0056】
技術及び帯域の数が増加しているため、ジャミングもスマートな方法で最適化する必要がある。これは、本発明が、適切なキャンプセル及び登録セルとして機能し得るセルが妨害されているかどうかを検証するだけで行うことであるが、これは、LTE-NRの緊密な相互作用のための新しいアーキテクチャでは、もはやどんな状況でも当てはまらない。本発明によれば、ユーザ装置は、記憶されているSIB情報を用いて、キャンプしている現在のPLMNの検索に集中するものとする。
【0057】
同じことは、特にセカンダリNRセルがFR2からのものであり、かかるNSAシナリオでのみ使用されるNR-NRシナリオにも当てはまる。したがって、上記セルはキャンプには適しておらず、接続モードにおいてデータパイプとしてのみ機能する。事前知識なしにFR2セルを検索し復号しようとすると、ジャミング検出にかなりの遅延が生じることになる。
【0058】
本発明は、ジャミング検出のために評価する必要がある技術及び周波数を導出するために、記憶されているシステム情報を考慮した新しいジャミング検出手順である。記憶されている情報を使用することにより、ジャミング検出はLTE-NR又はNR-NRに関する新しいアーキテクチャオプションに適応される。ジャミング評価はより迅速かつ効率的に行われ、誤ったジャミング表示が回避される。一般に、5Gの非スタンドアロン又は依存型ネットワークアーキテクチャによるジャミング状況を、本発明を用いて検出することができる。スキャンすべきセルと周波数の選択によって、セル定義の同期信号ブロックが存在しないことによってジャミングが検出されない場合に、ジャミング評価はアーキテクチャのマスタセル、すなわち登録通信、結果的にはキャンプを担当するセルのみに基づいている。デバイスが非スタンドアロンであるかどうか、又は他のRATもスタンドアロンキャリアと認識できるかどうかにかかわらず、いくつかの指標が評価され記憶される。
【0059】
特定の特徴によれば、キャンプに使用され得る新無線セルを示し、以前のキャンプ無線アクセス技術を用いて受信されたチェック済みの記憶されているシステム情報は、RAT間セル再選択のための周波数をリストする、NR測定にも使用され得るRAT間再選択システム情報を含む。
【0060】
LTE-NRの緊密な相互作用の場合、これは、RAT間再選択システム情報を含む以前のレガシーRAT LTEである。この特徴によって、この再選択情報がレガシーセルから受信されたものであるものの、新無線再選択のためにスキャンすべきセル及び周波数のリストの選択が可能になる。そのようなリストには、スタンドアロン5Gセルとそれらの場所が含まれる。これによって、ユーザ装置は、以前にキャンプしていたレガシーセルではなく、スタンドアロンのNRセルを検索して見つけることが可能になる。したがって、本発明の第1のステップに従って、ジャミング検出のために評価する必要がある隣接5Gセル及び技術を導出することが可能になる。
【0061】
有利には、RAT間再選択システム情報は、SIB24システム情報ブロックを含む。
【0062】
3GPP規格化で定義されているそれらのシステム情報には、新無線でのキャンプに適したセルが展開されているNRスタンドアロン周波数がリストされている。これによって、プライマリセルへの基礎となる接続を必要としない5Gセルに接続するセルの検索を制限することができる。
【0063】
別の特徴によれば、キャンプに使用され得る新無線セルを示し、新無線セルで受信されたチェック済みの記憶されているシステム情報は、セル再選択のための周波数をリストする、アイドル状態又は非アクティブ状態のNR測定にも使用され得るRAT内再選択システム情報を提供する。
【0064】
そのようなRAT内NR再選択セルリストによって、同じRAT内で周波数を変更することができる。これは、プライマリセルがNRセルである場合に適用される。これは、FR1の展開された異なるNR周波数間、すなわち容量又はカバレッジの理由で低いFR1周波数範囲から高い3.5GHz範囲への切り替え、及びオフロード目的での2つの周波数範囲FR1とFR2のセル間の切り替えに適用されるという利点を有する。
【0065】
有利には、RAT内再選択システム情報は、SIB4及びSIB5のシステム情報の少なくとも1つを含む。
【0066】
それらの規格化されたシステム情報ブロックは、利用可能な場合にNR内のスタンドアロンセルのリストを与える。それらのセルは、更なるジャミング検出のためにスキャンされるという利点を有する。
【0067】
別の特徴によれば、この方法は更に、記憶されているシステム情報が少なくともセカンダリセルグループを示すかどうかをチェックするステップと、更なるスキャンのためにのみセカンダリセルグループに属するセルを破棄するステップとを含む。
【0068】
この特徴によって、プライマリセルを必要とするセルへの接続試行を回避することができる、すなわち非スタンドアロンセルの検索を回避することができる。これによって、利用できない可能性があるプライマリセルに頼ることになるセカンダリセルの情報を検索及び復号しようとするためのエネルギーと時間の損失が回避される。これによって、NSA及びSA動作用に設定された周波数をスキャンできるようになる一方、NSAのみの周波数/セルは除外される。実際、そこにリストされているセル及び技術は、次のセルの検索のため、更にジャミング評価のために破棄される。
【0069】
有利には、少なくともセカンダリセルグループを示す記憶されているシステム情報は、以下のシステム情報の少なくとも1つを含む:LTEの場合、SIB2、SIB26a。
【0070】
それらのシステム情報は、規格化された定義によるセカンダリセルグループを含む。SIB26は規格上、NRセカンダリセルグループ、すなわちEN-DCを示すものと定義される。SIB2は、セカンダリセルグループに適したセルのLTE周波数を示すものと定義される。
【0071】
本発明はまた、所与のエリアにおいて新無線帯域幅で動作する新無線ネットワーク(RN)のベースノードと通信するように適合されたユーザ装置に関し、新無線ネットワークは同期信号をユーザ装置に提供するために特定のキャリア設計を使用し、上記特定のキャリア設計は、セル固有の参照信号が使用されないが、同期信号ブロックの少なくとも1つがセル定義の同期信号ブロックである複数の同期信号ブロックをブロードキャストするために複数のサブキャリア間隔を実装し、
上記ユーザ装置は、通信に影響を与えるジャミング状況を検出するための先行する請求項の1つの方法を実行するように適合され、
上記ユーザ装置は、少なくとも、新無線帯域幅を測定する測定モジュールと、新無線帯域幅で受信した同期信号ブロックを復号する復号モジュールと、ユーザ装置がジャミング状況の影響を受けていると結論付けるために、結果として実行されるステップに従って実行される測定及び復号に応じて、先行する請求項の少なくとも1つに記載の方法のステップを実行するための処理モジュールとを有する。
【0072】
上述及び関連する目的の達成のために、1つ以上の実施形態が、以下に完全に記述され、特に特許請求の範囲で指摘される特徴を備える。
【図面の簡単な説明】
【0073】
以下の記述及び添付図面はいくつかの例示的な態様を詳細に示しているが、実施形態の原理が用いられ得る種々の方法のほんの一部しか示していない。他の利点及び新規な特徴は、図面と併せて考慮することにより以下の詳細な説明から明らかとなり、開示される実施形態は、そのような全ての側面及びそれらの均等物を含むことが意図される。
【0074】
【
図2】新無線通信における広帯域展開で観察される複数のサブキャリアによる5Gフレーム放射を示し、放射された基地局信号に対する妨害器の動作を示す図。
【
図3】利用可能な帯域幅に応じたいくつかの帯域について異なるサブキャリア間隔を有するユーザ装置の帯域幅部分割り当てを示し、ユーザ装置側における妨害器の動作も示す図。
【
図5】非スタンドアロンセルの実装を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0075】
本発明をより完全に理解するために、添付の図面を参照して本発明を詳細に説明する。詳細な説明では、本発明の好ましい実施形態として考えられるものを例示し説明する。当然のことながら、本発明の範囲から逸脱することなく、形態又は詳細における様々な修正及び変更を容易に行うことができることを理解されたい。したがって、本発明は、本明細書に示し説明した正確な形態及び詳細に限定されないこと、また、本明細書に開示及び以下に特許請求する本発明の全体に限定されるものではないことを意図している。異なる図面において、同じ要素は同じ参照番号で示されている。明確にするために、本発明の理解に役立つ要素及びステップのみを図面に示し説明する。
【0076】
図1は、TS38.300で定義されている同期信号及び物理ブロードキャストチャネル(PBCH)ブロックSSBの時間周波数構造を模式的に示している。同期信号及びPBCHブロックSSBは、プライマリ同期信号PSS及びセカンダリ同期信号SSSから構成される。
【0077】
ポーラ符号化が、その独自の専用測定参照信号DMRSを有する物理ブロードキャストチャネルPBCHに使用される。PBCHシンボルが、その独自の周波数多重化された復調参照信号DMRSを搬送する。したがって、セル固有の参照信号が存在しないため、PSS及びSSSに加えて、上記信号DMRSもブロードキャスト評価、したがって5Gにおけるジャミング評価に使用することができる。実際、3つの信号は全て測定に使用できるが、DMRSが役割を果たす場合、復号はPBCH/MIB上でのみ行われる。これらの参照信号DMRSは、測定評価部分、復号部分、及び妨害されているか否かにかかわらず受信した場合の結論に使用することができる。この結論はPBCHの復号コンテンツに依存するためである。
【0078】
図2は、新無線で通信する基地局の所与のセルからの5Gフレーム放射を模式的に示している。
【0079】
搬送波の周波数スパンで複数のSSBが送信される。
【0080】
実際、新無線5Gは、次のいずれかの理由で複数のSSブロックを提供する:
- ユーザ装置に異なる帯域幅部分(BWP)を割り当てる広帯域展開。これは、デバイスが帯域の一部を受信するだけでよく、この帯域幅部分BWPは異なるサブキャリア間隔を有することさえあることを意味する。測定を容易にし、デバイスにとって測定を単純化するために、放射された搬送波に存在する全てのSCSに対しても、SSブロックが参照として提供される可能性がある(TS38.300の6.10章)。
- 隣接セル測定。セル固有の参照信号を回避すること(クリーンキャリア設計)で、専用モードでのスループットが非常に高くなる。ただし、これらの測定基準が存在しないと、隣接セル測定、特に周波数間測定に影響が生じる。測定のために特定の帯域部を受信する必要があるため、NR内のモビリティが複雑になる。したがって、好ましくは放射される搬送波に存在する各SCSに少なくとも1回、いくつかのSSブロックを提供すると、モビリティオプションが簡単になり、消費電力が少なくなる。
- LTE-NR及びNR-NRの緊密な相互作用のためのRAT間又はシステム間測定。多くのチップセットは、異なるサブキャリア間隔を有する搬送波を動作させる又は分析することができず、可能な場合、同じSCS内の隣接セル測定のために留まるよりも複雑で電力を消費する。これは、LTEが15kHzの固定SCSを有する従来のRATとは大きく異なる。
【0081】
したがって、これらのいずれかの理由により、周波数領域にはいくつかのSSBブロックが存在することになるが、全てがセルを定義する役割を果たすわけではない。
【0082】
SSブロック周波数分布に関するTS38.300 5.2.4で定義されているように、搬送波の周波数スパン内で複数のSSBを送信することができる。現実的なシナリオでは、隣接セルの測定及びBWP割り当てを容易にするために2つ以上のSSBが使用される。様々な周波数位置で送信されるSSBの物理セル識別子PCIは一意である必要はないが、少なくとも1つのセル定義の同期信号ブロックCD-SSBが存在する。
【0083】
様々な周波数位置で送信されるSSBのPCIは一意である必要はない。すなわち、周波数領域内の様々なSSBは様々なPCIを有する可能性があり、これは様々なセルを定義することを意味する。実際、SSBが残りの最小システム情報RMSIと関連付けられる場合、SSBはセル定義SSB(CD-SSB)と称される。PCellが、同期ラスター上にあるCD-SSBに常に関連付けられる。これは、5Gセルの放射には少なくともセル定義SSBが含まれることを意味する。少なくとも1つのセルは、CD-SSBのコンテンツから分かるNSAセル又はSAセルである可能性がある。5G SAセルの場合、上記CD-SSBは、SIB1の存在及び復号に必要な表示を含み、NSAセルの場合、それはSIB1の不在を示す。
SSブロックは、最小システム情報セットである残りの最小システム情報RMSIを含む場合にセル定義である。
【0084】
RMSIはマスタ情報ブロックMIBで構成され、TS38.331に従う次の情報を含むため、RMSIが提供されないと、ユーザ装置はセルにアクセスすることができない。
【0085】
【0086】
MIBに関しては、3GPP TS38.331に従って次の定義が適用される。ssb-SubcarrierOffsetフィールドは、このセルがSIB1を提供しないことを示すことがある。pdcch-ConfigSIB1は、SIB1に共通の検索スペース及び必要なPDCCHパラメータを決定する。フィールドssb-SubcarrierOffsetがSIB1が存在しないことを示した場合、フィールドpdcch-ConfigSIB1は、UEがSIB1を含むSS/PBCHブロックを見つけ得る周波数位置又はネットワークがSIB1を含むSS/PBCHブロックを提供しない周波数範囲を示す(TS 38.213[13]参照)。
【0087】
マスタ情報ブロックMIBのコンテンツがなければ、セル取得が不可能である。
【0088】
高度なジャミング攻撃は、関連信号のみをマスクすることになる。FR2及び高FR1帯域での更に優れたジャミング攻撃では、妨害器は帯域幅全体を完全にマスクすることができないことがあり、むしろ敏感な部分に集中する。これは、おそらく中央のSSBにあるCD-SSBのみを妨害することを意味する。ただし、必要なデータを示すハンドセット又はアプリケーションによって、その存在を早期に評価することもできる。
【0089】
従来とは対照的に、PBCHにプライマリ同期チャネルP-SCH及びセカンダリ同期チャネルS-SCHを含む同期信号ブロックは周波数領域内に数回含まれることがあり、新無線における同期信号ブロックの全てがセル定義SSブロックCD-SSBであるわけではない。セルの放射には、利用可能な帯域幅に応じていくつかの帯域に使用されるサブキャリア間隔SCSに応じて、異なる幅のSSBが含まれることもある。
【0090】
セル定義SSBは、定義されたセルへの接続に必要とされる第1のシステム情報ブロックSIB1が存在する場所の表示を含む規格で定義されるように、少なくとも残りの最小システム情報RMSI、SAセルの場合はそれが位置する場所を含み、NSAセルの場合はそれが存在しないことを示す。これはPBCHがRMSIを含むことを意味する。すなわちSIB1の存在と位置を明確にする。このシステム情報に関するそのような表示がなければ、ユーザ装置はセルを取得することができない。SIB1自体はSSBにはなく、SIB1が存在するかどうか、存在する場合はどこで見つけられるかという情報に過ぎない。これは特許請求の範囲では「SIB1存在表示」と表される。
【0091】
周波数幅はサブキャリアで与えられ、サブキャリア間隔に応じて、周波数領域のブロックの様々な帯域幅が占有される可能性がある。これは、4つのSSBが5Gセルによって放射される
図2に見られる。SSブロックは常に240個のサブキャリアを必要とするため、サブキャリア間隔ごとにSSブロックの帯域幅占有率が異なることになる。
【0092】
したがって、5Gでは、
図2に破線の四角で示されているように、妨害器は、セル全体を妨害するためにセル定義のSSブロックCD-SSBを含む帯域幅部分JFBをマスクするだけでよい。そのようなSSブロックは、3GHz未満の周波数では15kHzのSCSで送信され、3GHzでは30kHzで送信される可能性が高く、これは帯域幅が約4MHz又は8MHzであることを意味する。FR2、すなわち6GHz超では、最小サブキャリア間隔は定義から120kHzであり、したがってSSブロックのFR2の帯域幅は約28MHzになる。
【0093】
時間領域及び周波数は、当然ながらサブキャリア間隔や他の様々な上位層パラメータに応じて変化する可能性がある。
【0094】
状況やカバレッジに応じて、様々なサブキャリア間隔が採用される。例えば、屋外及びマクロカバレッジ、屋外及びスモールセル、屋内広帯域及びミリ波(規格で定義されているFR2スペクトル)は、通常5~500MHzの異なる帯域幅サイズを有することになり、例えば、状況及びカバレッジに応じて、FR1では15~60kHz、FR2では120kHz~480kHzであり得る様々なサブキャリア間隔を実装することになる。
【0095】
図3は、
図2に放射が開示されている基地局のセルから受信した信号の、規格(TS38.300)で定義されているユーザ装置側の帯域幅部分BWP割り当てを示している。ここで、SSBはいくつかのフレームに現れる可能性があり、サブフレーム内の全ての発生はセルからの様々なビームに関連しており、同じセルから来る時間の一定の周期性を有することがわかる。時間領域に加えて、周波数領域でもジャミング評価にとって興味深いいくつかの出現が存在する可能性がある。
【0096】
そのような展開では、BWP1及び2の重複する周波数領域にCD-SSBを有し、BWP3に追加のSSブロックを有することは合理的となる。
【0097】
BWPを様々なパターンで示す。BWP1は薄い点領域で示され、BWP2は濃い点領域で示され、BWP3は中間の点領域で示される。
【0098】
ハーフフレーム中に、様々なSSBが様々な空間方向に、すなわち基地局のセルのカバレッジエリアに広がる様々なビームを使用して送信されることがある。
【0099】
ここでも、ジャミング行為が、限られた周波数帯域JFBをカバーする破線の四角によって示されている。BWP1とBWP2の重複部分にある第3のSSBが隠されている。
【0100】
図4は本発明の方法のフローチャートである。第1のステップS1において、ユーザ装置は5G帯域5G_Mを測定する。第2のステップS2において、ユーザ装置は、帯域E(5G)のエネルギーがSSBを復号するのに十分であるかどうかを検出する。エネルギーが少なくとも同期ブロックを復号するのに十分でない場合(ケースN)、ステップS3において、新無線が上記帯域に展開されていないと結論付けられる。次に、測定したエネルギーが十分である場合、ステップS4において、少なくとも発見した同期信号ブロックの復号を試みる。
【0101】
復号が不可能な場合(ケースN)、ユーザ装置は、ステップS5において5Gが上記帯域に展開されるべきである旨の表示I(5G)があるかどうかを検証する。この知識は、ユーザ装置が以前のキャンプから、又は受信した対応するシステム情報から、又はデバイスに記憶されているNRの展開情報から得ていることがある。
【0102】
そうでない場合(ケースN)、ユーザ装置はジャミングの可能性が低いと結論付け、したがってジャミングがない状況NO(JAM)が検出される。
【0103】
ステップS4において復号が不可能であり、ステップS5において5Gがこの帯域に展開されている旨の表示I(5G)がある場合、ユーザ装置はジャミングの可能性が高いと結論付け、したがってジャミング状況JAMが検出される。
【0104】
次に、ステップS6において、少なくとも1つのSSBを復号できる場合(ケースY)、ユーザ装置は、セル定義の同期信号ブロックSSBが復号されていることをチェックする。
【0105】
そうでない場合(ケースN)、ユーザ装置は、ステップS7において、帯域幅部分BWPの1つが高い受信信号強度インジケータRSSIを示すかどうかをチェックする。
【0106】
yesの場合(ケースY)、ユーザ装置はジャミングの可能性が高いと結論付け、ジャミング状況JAMが検出される。
【0107】
そうでない場合(ケースN)、ユーザ装置は、ジャミングの可能性が低いと結論付け、ジャミングがないことNO(JAM)が検出される。
【0108】
ステップS6においてyesの場合(ケースY)、アクセス情報が利用可能であれば、ユーザ装置は、セル定義のSSB又は以前に記憶されたシステム情報で、5Gセルに接続するための手順を遂行することができる。
【0109】
ステップS6において、非スタンドアロンセルが、そのセルによって送信されるSSB中にセル定義SSBを提供することができるが、上記セル定義SSBにはSIB1表示が存在しないか、又はこの表示によればこのセルにはSIB1が存在しないことに留意されたい。そのような場合、ステップS6はいつでもケースYに落ちる。
【0110】
したがって、ステップS8において、ユーザ装置は、セル定義SSBに第1のシステム情報ブロックSIB1表示、又はRMSIが存在するかをチェックする。第1のシステム情報ブロックSIB1表示が見つかった場合、SIB1にアクセスし、ユーザ装置は更にステップS9において所与のセルへの接続C(C)に進み、正常に動作しキャンプする。
【0111】
セルに対してアクセス情報、すなわちSIB1が存在しない場合、ステップS10において、ユーザ装置は、以前に受信したシステム情報が記憶されている場合はそれを読み出し、接続及びキャンプが可能な5Gセル及び周波数のリストを取得する。次に、ユーザ装置はこれらのセル及び周波数をスキャンし、他のセルを使用して方法の第1のステップを再度実行する。
【0112】
有利には、ステップS11において、セカンダリセルグループに関する更なるシステム情報が読み出される。そのようなグループには、再選択に使用できる非スタンドアロンセルがリストされる。次に、ユーザ装置は、セカンダリセルグループにリストされているセルを、更にスキャンすべきセルから除外する。ここで、固定デバイスも常に同じ隣接セルのセットを参照することになるため、記憶されている相対情報を使用できることに留意されたい。ただし、TS38.331によれば、システム情報は3時間後に更新する必要がある。
【0113】
ステップS10において、5Gとの接続及びキャンプに適したセル及び周波数のリストが記憶されていない場合、LTEについてのみジャミング評価を実行する必要があるか、既に行われている場合には、ステップS12において上記LTE結果をジャミングについての結論を下すために使用し、したがって検出することができる。
【0114】
図5は、非スタンドアロンアーキテクチャを模式的に示している。そのようなアーキテクチャでは、コアネットワークCNが、データD及び制御データCDの通信のために、LTE又は新無線タイプであり得るプライマリ基地局PBSに接続される。全てのアクセス情報SIB1などを含む制御データCDは、プライマリ基地局によって通信される。これは、ユーザ装置UEがプライマリ基地局及びこのセルへの接続を介して全てのアクセス情報CDを受信することを意味する。新無線タイプのセカンダリ基地局SBSは、データDのブースタとしてのみ使用される。ユーザ装置がセカンダリ基地局SBSに直接接続したり、このセカンダリ基地局にキャンプしたりすることはできない。このアーキテクチャはレガシーコアネットワークに頼っているため、NextGen Coreを必要としない。したがって、5Gエアインターフェイスの早期利用が可能になる。同じ無線アーキテクチャは、レイトドロップと呼ばれる5Gコアにも存在するが、この概説したNSAアーキテクチャと同じ原理を有する。
【0115】
ジャミングに関して、ジャミングをプライマリ基地局PBSで検出することができることを意味し、かかるアーキテクチャにはこれで十分となる。
【0116】
通常、ジャミングは技術及びキャリアごとに評価されるため、たとえプライマリ基地局PBSでジャミングが検出されたとしても、単純なアルゴリズムでは利用可能な他のセルや後の技術(すなわちNR)を進めることになるため、ユーザ装置が更に全てのセカンダリセルを検索する可能性がある。これによってエネルギーの損失が発生し、ユーザ装置のジャミングについての最終的な結論が遅れる。デフォルトでは、セカンダリセルは単独ではアクセスできないため、ジャミングの信頼度にも寄与しない。
【0117】
本発明は、かかる状況における更なる一連のステップを提案する。本発明がもたらす利点を実際に見て評価するために、接続時にLTE及びNR対応のデバイスのシーケンスは次のとおりである。
【0118】
ユーザ装置は、以下を含むシステム情報SIB2のコンテンツを読み出すことにより、TS36.331 Rel.-15に従ってLTEを開始する又はLTEでキャンプ中である。
【0119】
【0120】
ここで、「upperLayerIndication」とは、ユーザ装置が5G機能を提供するカバレッジエリアに入ったことを上位層に示すものである。
【0121】
したがって、ユーザ装置が、この手順の結果として、進化型ユニバーサル地上無線アクセス(LTE)-新無線デュアル接続、すなわちE-UTRA NRデュアル接続又は略して(EN-DC)で動作するように構成されている場合、このupperLayerIndicationは、ユーザ装置がこのフィールドをSIB2から受信したかのように上位層に転送される。それ以外の場合、ユーザ装置は上位層にこのフィールドが存在しないことを示す。
【0122】
NRに接続されている又はキャンプしている場合には、別のシステム情報も復号され、読み出されるという利点がある。これは、以下を含むシステム情報ブロックSIB26aである。
SystemInformationBlockType26aフィールドの説明:
bandListENDC=upperLayerIndicationの上位層への転送のためのサービングセルとのEN-DC動作でSCG(セカンダリセルグループ)として構成され得るNR帯域のリスト。
【0123】
これは、示されている全ての5G周波数がセカンダリセルグループとして機能する5G帯域を指すことを意味する。このリストは、非スタンドアロンアーキテクチャオプションが実装されている場合に存在する。したがって、SIB26aにリストされているセル/周波数はキャンプの対象とはならない。しかしながら、これらのセル/周波数が、以下に開示されるSIB24のような他のシステム情報に現れる可能性がある。
【0124】
上位層表示とは逆に、TS36.331に従ってLTEで提供されるSIB24がキャンプに使用され得るNR周波数を示す:
SystemInformationBlockType24
【0125】
IE SystemInformationBlockType24には、RAT間セル再選択に関連する情報(すなわち、セル再選択に関連するNR周波数及びNR隣接セルに関する情報)が含まれており、NRアイドル/非アクティブ測定にも使用することができる。IEには、周波数に共通のセル再選択パラメータが含まれる。
【0126】
これは、ジャミング検出の場合に、ユーザ装置が、SIB2上位層情報に示されている全ての周波数及び関連セルを破棄できることを意味する。ユーザ装置は、スタンドアロンセルとして機能することができるため、このシステム情報SIB24に存在する周波数に関するジャミング評価を行うだけでよく、これはキャンプに適していることを意味する。また、SIB2とSIB24の両方に出現する場合は、スキャンする必要がある。
【0127】
SIB24が存在しない場合、SIB2のみが5Gについての上位層表示を有する。実際、SIB24表示が存在しない場合、キャンプ可能な5Gセルが存在しないため、上記公衆陸上移動体ネットワークPLMNの更なるジャミング評価に5Gを関与させる必要はない。そのような場合、デバイスは有益にはLTE及び存在する他のセルのみを評価し、5Gでのジャミング評価測定及び復号試行をスキップすべきである。
【0128】
LTEでジャミングが発生した場合のシステム情報を記憶しているLTEのユーザ装置が、LTE解析後に本発明に係る5Gのジャミング評価を実行する。このジャミング評価は更に、5Gをジャミングか否かについて更に解析すべきかどうかに関係なく、特にSIB2及びSIB24に関連する記憶されているシステム情報に依存する。非スタンドアロンアーキテクチャのみが存在する場合、更なる解析の必要性は無用である。本発明の方法は、NSAセル及びSAセルが存在する場合に、評価を5Gスタンドアロンセルに制限することを可能にする。
【0129】
上記は、具体的には規格に規定されているアーキテクチャオプション3(SIB2及びSIB24)に関係する。一般に、LTEで提供されるSIB、又は以下の情報が追加で使用されるNRで提供されるSIB情報(セカンダリセルグループのSIB26a以外)であるマスタ無線技術の各SIBが使用される。
【0130】
TS38.331 Rel.-15では、次のことがわかる:
NR-DC又はNE-DCが設定されている場合、これには、NR又はE-UTRA SCG設定全体が含まれる。
【0131】
ここで、これは規格化されたシステム情報を使用して、セカンダリセルとして使用されると想定される全ての周波数を識別できることを意味する。したがって、隣接セル情報リストに含まれないセルはキャンプ対象ではなく、ジャミング評価から除外できることを意味する。
【0132】
事前知識がなければ、すなわち記憶されている情報がなく、本発明がなければ、ユーザ装置は、SIB1スタンドアロン表示が存在しないセルを、キャンプに適しておらずセカンダリセルとしてのみ機能するものとして廃棄することになる。しかし、考えられる利用可能な全ての5G帯域に対してそのようなスキャンを実行するには時間がかかる。本発明は、適切なキャンプセルとして示される帯域でのスキャンを制限することを可能にする。したがって、スキャンは、接続の設定とその帯域への登録に適した帯域に限定される。
【0133】
現在サービスを提供している周波数/セルが妨害されている場合にマスタセル/PCELLとして機能し得る適切な周波数間候補は、SIB4によって示される。したがって、本発明では、デバイスがNRにキャンプし妨害されている間、デバイスはSIB4によってキャンプに適していると示される他のNRセル又はEUTRAセルのみを測定するものとし、EN-DC又はE-UTRAN新無線-デュアル接続(NR-DC)又は新無線デュアル接続(NR-NR)にのみ示された他の帯域を破棄するものとする。それらの帯域、特に高帯域の帯域、すなわちFR2及び上部FR1部分を破棄する理由は、キャンプできることに関連する情報を提供しないことがあるためである。
【0134】
SIB4情報要素
SIB4は、周波数間セル再選択に関連する情報(すなわち、セル再選択に関連する他のNR周波数及び周波数間隣接セルに関する情報)を含み、NRアイドル/非アクティブ測定にも使用することができる。IEには、周波数に共通のセル再選択パラメータ及びセル固有の再選択パラメータが含まれる。
【0135】
本発明の方法は、存在するがセカンダリセルグループであることのみを意図するセルのスキャンを回避するために、すなわちデータ転送用であるが接続設定やキャンプには適していない接続モードの場合に、以前に記憶されたシステム情報に基づいて、新無線に限定されないが新無線でのジャミング状況を評価することを可能にする。
【0136】
本発明の方法は、隣接セル及び技術に関する記憶されているシステム情報を考慮して、評価する必要があるセル、又はジャミング評価中に破棄され得るセルを導出する。これによって、従来の広帯域妨害器評価器と同様に、高度なジャミング攻撃に対するより高速で堅牢なジャミング検出手順がもたらされる。
【0137】
本発明によって、マスタセルのみが非スタンドアロンアーキテクチャについて評価されることが可能になり、ジャミング検出手順を、スタンドアロン展開又は非スタンドアロン展開を示す記憶されている情報に依存させる。
【0138】
特に隣接セル情報及びアーキテクチャに関連した情報、すなわちNRのセルのSCG制限又は特にNRの上位層表示及びSIB26aのコンテンツは、それらの周波数のスキャンを控え、適切な隣接セルとして、すなわちNRにキャンプしている場合にNR隣接セルのためのLTEのSIB24によって又はNR及びEUTRA隣接セルのためのSIB4及びSIB5によって示されるものにのみ焦点を当てるために使用される。
【0139】
したがって、本発明は更に、5G非スタンドアロン展開のためのジャミング検出解決策を提案するが、本発明の第1のステップはスタンドアロンセルに関連するジャミング検出に焦点を当てている。また、本発明によって、デバイスはキャンプ可能でないことを示す全ての5Gセルを測定及び復号しないため、時間及びエネルギーを節約することも可能になる。これによって、そのようなセルが存在する場合に、SIB24を含むLTEにおける隣接セルシグナリングも考慮したはるかに高速かつ簡単な分析がもたらされる。
【0140】
以上の詳細な説明において、例示により、本発明が実施される特定の実施形態を示す添付図面が参照される。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施することができるように十分詳細に記載される。したがって、以上の詳細な説明は、限定的な意味で受け取られるべきではなく、本発明の範囲は、請求項が権利を得ることができる全範囲の同等物とともに、適切に解釈された、添付の請求項によってのみ定義される。