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特許7591225情報提供システム、提供情報生成装置及び情報提供方法
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  • 特許-情報提供システム、提供情報生成装置及び情報提供方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-20
(45)【発行日】2024-11-28
(54)【発明の名称】情報提供システム、提供情報生成装置及び情報提供方法
(51)【国際特許分類】
   B07C 7/04 20060101AFI20241121BHJP
   A23N 15/00 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
B07C7/04
A23N15/00 F
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2024054370
(22)【出願日】2024-03-28
【審査請求日】2024-03-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501220570
【氏名又は名称】アクセリア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(74)【代理人】
【識別番号】100181722
【弁理士】
【氏名又は名称】春田 洋孝
(72)【発明者】
【氏名】長田 直之
(72)【発明者】
【氏名】大森 淳
(72)【発明者】
【氏名】藤本 一聖
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-146247(JP,A)
【文献】特開2021-107268(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07C 1/00-99/00
A23N 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像範囲内に無造作に位置している仕分対象となる複数の対象物を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置が前記複数の対象物をまとめて撮像することによって得られた画像データに基づいて、前記複数の対象物の仕分け作業を容易にするための情報である仕分情報を生成する提供情報生成装置と、
前記提供情報生成装置によって生成された前記仕分情報をリアルタイムに前記複数の対象物に投影する投影装置と、
を備える情報提供システム。
【請求項2】
前記提供情報生成装置は、
前記画像データに撮像されている前記複数の対象物を複数のグループに分類し、グループ毎に異なる態様を示す情報を含む前記仕分情報を生成する、
請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記提供情報生成装置は、
前記画像データに撮像されている前記複数の対象物を少なくともサイズに応じて複数のグループに分類する、
請求項2に記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記提供情報生成装置は、
前記画像データ上において、グループ毎に異なる色となるように各グループに属する前記複数の対象物を示す情報の色付けを行うことによって前記仕分情報を生成する、
請求項2又は3に記載の情報提供システム。
【請求項5】
前記複数の対象物は、水が貯められた貯水部、又は、対象物を搬送するための搬送装置上に位置し、
前記投影装置は、前記貯水部、又は、前記搬送装置上に位置している前記複数の対象物に前記仕分情報を投影する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報提供システム。
【請求項6】
前記投影装置は、
前記仕分情報として、前記複数の対象物のサイズを示すサイズ情報と、前記複数の対象物を分類したグループを示す情報とを対応付けて前記複数の対象物に投影する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報提供システム。
【請求項7】
前記対象物は、農作物である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報提供システム。
【請求項8】
撮像装置の撮像範囲内に無造作に位置している仕分対象となる複数の対象物がまとめて撮像された画像データを取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記画像データに基づいて、前記複数の対象物の仕分け作業を容易にするための情報である仕分情報を生成する生成部と、
前記生成部によって生成された前記仕分情報を、前記仕分情報を前記複数の対象物に投影する投影装置にリアルタイムに送信する通信部と、
を備える提供情報生成装置。
【請求項9】
撮像範囲内に無造作に位置している仕分対象となる複数の対象物を撮像し、
前記複数の対象物をまとめて撮像することによって得られた画像データに基づいて、前記複数の対象物の仕分け作業を容易にするための情報である仕分情報を生成し、
生成された前記仕分情報をリアルタイムに前記複数の対象物に投影する、
情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供システム、提供情報生成装置及び情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、収穫した農作物を人手で仕分けする作業が行われている。この場合、農作物のサイズを人が目視により確認して重量等の等級に仕分けしている。人が目視により確認して重量等の等級に仕分けする場合、人によって分類サイズが異なってしまうことも考える。従来、撮影画像を用いて農作物を選別する農作物選別装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2022-102614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の農作物選別装置では、農作物の輪郭と輪郭の内部領域の面積とに基づいて農作物の大きさ等級を演算して農作物を選別している。しかしながら、このような農作物選別装置は、農作物を選別する機構を備える必要があるため、従来の構成である農作物を搬送する搬送機構の後に新たな構成を追加する必要がある。農作物を選別する機構は、選別する種類が増えるにしたがって装置が大規模になってしまうという問題がある。したがって、簡易な構成で仕分け作業を容易にする技術が求められている。なお、このような問題は、農作物の仕分け作業に限らず、仕分けが必要となる作業全般に共通する問題である。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、簡易な構成で仕分け作業を容易にすることができる技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様1は、仕分対象となる1つ以上の対象物を撮像する撮像装置と、前記撮像装置が撮像することによって得られた画像データに基づいて、前記1つ以上の対象物の仕分け作業を容易にするための情報である仕分情報を生成する提供情報生成装置と、前記提供情報生成装置によって生成された前記仕分情報を前記1つ以上の対象物に投影する投影装置と、を備える情報提供システムである。
【0007】
本発明の態様2は、態様1の情報提供システムにおいて、前記提供情報生成装置は、前記画像データに撮像されている前記1つ以上の対象物を複数のグループに分類し、グループ毎に異なる態様を示す情報を含む前記仕分情報を生成する。
【0008】
本発明の態様3は、態様2の情報提供システムにおいて、前記提供情報生成装置は、前記画像データに撮像されている前記1つ以上の対象物を少なくともサイズに応じて複数のグループに分類する。
【0009】
本発明の態様4は、態様2又は3の情報提供システムにおいて、前記提供情報生成装置は、前記画像データ上において、グループ毎に異なる色となるように各グループに属する前記1つ以上の対象物を示す情報の色付けを行うことによって前記仕分情報を生成する。
【0010】
本発明の態様5は、態様1から4のいずれか1つの情報提供システムにおいて、前記1つ以上の対象物は、水が貯められた貯水部、又は、対象物を搬送するための搬送装置上に位置し、前記投影装置は、前記貯水部、又は、前記搬送装置上に位置している前記1つ以上の対象物に前記仕分情報を投影する。
【0011】
本発明の態様6は、態様1から5のいずれか1つの情報提供システムにおいて、前記投影装置は、前記仕分情報として、前記1つ以上の対象物のサイズを示すサイズ情報と、前記1つ以上の対象物を分類したグループを示す情報とを対応付けて前記1つ以上の対象物に投影する。
【0012】
本発明の態様7は、態様1から6のいずれか1つの情報提供システムにおいて、前記対象物は、農作物である。
【0013】
本発明の態様8は、仕分対象となる1つ以上の対象物が撮像された画像データを取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記画像データに基づいて、前記1つ以上の対象物の仕分け作業を容易にするための情報である仕分情報を生成する生成部と、前記生成部によって生成された前記仕分情報を、前記仕分情報を前記1つ以上の対象物に投影する投影装置に送信する通信部と、を備える提供情報生成装置である。
【0014】
本発明の態様9は、仕分対象となる1つ以上の対象物を撮像し、撮像することによって得られた画像データに基づいて、前記1つ以上の対象物の仕分け作業を容易にするための情報である仕分情報を生成し、生成された前記仕分情報を前記1つ以上の対象物に投影する、情報提供方法である。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、簡易な構成で仕分け作業を容易にすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態における情報提供システムの構成例を示す図である。
図2】実施形態における提供情報生成装置の具体的な構成を示す図である。
図3】画像処理部222による処理後の画像を示す図である。
図4】実施形態における情報提供システムが行う処理の流れを示すフローチャートである。
図5】実施形態における画像処理部の処理を説明するための図である。
図6】実施形態における投影装置による投影後の処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0018】
図1は、実施形態における情報提供システム100の構成例を示す図である。情報提供システム100は、仕分け対象となる対象物の仕分け作業を容易にするための情報(以下「仕分情報」という。)を提供するシステムである。仕分け対象となる対象物とは、少なくともサイズに応じて仕分けが必要となる物であり、例えば農作物等である。仕分情報は、例えば仕分け作業を行う人物(以下「作業者」という。)が対象物のサイズを視認可能な情報であり、例えば対象物の大きさの情報や、対象物の等級を示す情報等である。対象物の大きさの情報は、対象物の具体的な大きさを示す情報(面積がどのくらいか等)であり、対象物の等級を示す情報は、例えば対象物が大、中、小等のいずれかであるかを示す情報である。
【0019】
情報提供システム100では、対象物の大きさの情報、又は対象物の等級を示す情報の少なくともいずれかを作業者に提供する。例えば、情報提供システム100は、対象物の大きさの情報、又は対象物の等級を示す情報の少なくともいずれかを、対象物にマッピングすることで作業者に提供する。これにより、作業者は、対象物を見るだけで、対象物をどのサイズに分類すればよいのかを把握することができる。以下、上記処理を実現するための具体的な構成について説明する。なお、以下の説明では、農作物としてカブを仕分けする状況を例に説明する。
【0020】
情報提供システム100は、撮像装置10と、提供情報生成装置20と、投影装置30を備える。仕分け対象となる対象物が農作物である場合、情報提供システム100は搬送装置50と、貯水部60等を備える。
【0021】
搬送装置50は、農作物を搬送する装置である。搬送装置50は、少なくとも搬送部51と、洗浄装置52で構成される。搬送部51は、農作物であるカブVを、洗浄装置52を介して貯水部60に搬送する。搬送部51は、例えばベルトコンベヤーである。洗浄装置52は、カブVについた汚れ(例えば、泥等)を洗浄する。洗浄装置52により洗浄されたカブVは、搬送部51により貯水部60に搬送される。
【0022】
貯水部60は、カブVを浮かせるための水で満たされる。作業者は、貯水部60に浮いているカブVをサイズに応じて分類する。
【0023】
撮像装置10は、貯水部60内を撮像する。例えば、撮像装置10は、貯水部60に浮いているカブVを撮像する。撮像装置10は、例えばカメラである。撮像装置10は、貯水部60内を撮影可能な位置に設置される。例えば、撮像装置10は、貯水部60の真上に設置される。撮像装置10によって撮像された画像データは、提供情報生成装置20に出力する。撮像装置10は、リアルタイムに貯水部60に浮いているカブVを撮像し、撮像するたびに生成された画像データを提供情報生成装置20に出力する。
【0024】
提供情報生成装置20は、撮像装置10から出力された画像データに対して画像処理を行うことによって、仕分情報を生成する。提供情報生成装置20は、生成した仕分情報を制御情報として投影装置30に出力する。
【0025】
投影装置30は、提供情報生成装置20から出力された制御情報に応じて、仕分情報を貯水部60内に投影する。投影装置30は、例えばプロジェクタである。投影装置30が投影する情報は、撮像装置10の位置で撮像された画像データに基づく。そのため、撮像装置10と投影装置30との位置が離れている場合や、異なる向きを向いている場合には、仕分情報が正しい位置に投影されない可能性が高い。そこで、投影装置30は、撮像装置10と並んで配置されることが望ましい。投影装置30が正しい位置に仕分情報を投影することによって、貯水部60に浮いているカブVに仕分情報を投影することができる。
【0026】
図2は、実施形態における提供情報生成装置20の具体的な構成を示す図である。提供情報生成装置20は、通信部21、制御部22及び記憶部23を備える。
【0027】
通信部21は、他の装置との間で通信を行う。例えば、通信部21は、撮像装置10及び投影装置30との間で通信を行う。通信部21は、撮像装置10から画像データを受信する。通信部21は、制御情報を投影装置30に送信する。
【0028】
制御部22は、提供情報生成装置20全体を制御する。制御部22は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサやメモリを用いて構成される。制御部22は、プログラムを実行することによって、取得部221、画像処理部222及び生成部223の機能を実現する。
【0029】
取得部221、画像処理部222及び生成部223のうち一部または全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)、FPGAなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置などの非一時的な記憶媒体である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0030】
取得部221、画像処理部222及び生成部223の機能の一部は、予め提供情報生成装置20に搭載されている必要はなく、追加のアプリケーションプログラムが提供情報生成装置20にインストールされることで実現されてもよい。
【0031】
取得部221は、通信部21によって受信された画像データを取得する。取得部221は、取得した画像データを記憶部23に保存する。
【0032】
画像処理部222は、記憶部23に保存されている画像データに対して画像処理を行う。具体的には、画像処理部222は、物体検出の技術により画像データに撮像されているカブVを検出する。さらに画像処理部222は、セグメンテーションの技術により、検出したカブVの領域及びカブVの位置情報を抽出してサイズ推定を行う。例えば、画像処理部222は、Yolact-Edgeの技術を用いて上記処理を実現してもよい。なお、画像処理部222が行う物体検出及びセグメンテーションの技術は、上記に限らず既存の他の手法が用いられてもよい。
【0033】
さらに画像処理部222は、推定したサイズに応じてカブVを分類する。例えば、画像処理部222は、サイズに応じて、カブVを3種類(大、中、小)のグループに分類する。なお、サイズの分類は、これに限らず、さらに細かい種類に分類されてもよい。画像処理部222は、分類した各グループを区別できるように、グループ毎に異なる色で色付けする。例えば、画像処理部222は、セグメンテーションの技術により抽出したカブVの領域及びカブVの位置情報に基づいて、カブVを示す情報をグループに対応した色で色付けする。カブVを示す情報は、例えば円形である。なお、カブVを示す情報は、円形に限定されず、作業者が見ることによってグループに分類可能な図形であればどのような図形であってもよい。さらに、カブVを示す情報は、作業者が見ることが可能な大きさであればどのような大きさであってもよい。
【0034】
なお、投影装置30で投影することを踏まえ、画像処理部222は、白色の背景の画像に対して、グループ毎に異なる色で色付けしたカブVを示す情報をカブVの位置情報に基づいて配置する。これにより、画像処理部222は、画像データ内に撮像されているカブVを示す情報が色付けされた画像を生成することができる。ここでは一例として、カブVを示す情報を配置する画像の背景色を白色としたが、投影対象によって適宜変更されてもよい。なお、画像処理部222は、推定したサイズの情報も含めてもよい。
【0035】
以上の処理により、画像処理部222は図3に示す画像を生成する。図3は、画像処理部222による処理後の画像を示す図である。図3には、複数のカブVを示す情報inf1と、カブVのサイズを示すサイズ情報とが示されている。さらに、グループ毎に異なる色(図3では、異なるテクスチャで表現)で示されていることがわかる。図3に示すように、色付けによりグループを判別することができるため、カブVを示す情報inf1の大きさはグループによらず同じ大きさであってもよいし、グループ毎に大きさを異ならせてもよい。
【0036】
生成部223は、画像処理部222により生成された画像を用いて制御情報を生成する。例えば、生成部223は、画像処理部222により生成された画像における情報inf1とサイズ情報の位置を示す位置情報と、情報inf1及びサイズ情報とを含む仕分情報を生成する。生成部223は、生成した仕分情報を制御情報として通信部21を介して投影装置30に送信する。
【0037】
記憶部23には、画像データ231が記憶されている。記憶部23は、磁気記憶装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。
【0038】
図4は、実施形態における情報提供システム100が行う処理の流れを示すフローチャートである。なお、図4の説明において、必要に応じて図5を用いて説明を行う。図5は、実施形態における画像処理部222の処理を説明するための図である。
撮像装置10は、貯水部60内を撮像する(ステップS101)。撮像装置10は、撮像することによって得られた画像データを提供情報生成装置20に出力する(ステップS102)。提供情報生成装置20の通信部21は、撮像装置10から出力された画像データを受信する(ステップS103)。取得部221は、通信部21によって受信された画像データを取得し、取得した画像データを記憶部23に保存する。
【0039】
画像処理部222は、記憶部23に画像データが保存されると、記憶部23に保存された画像データを読み出す。画像処理部222が読み出した画像データを図5(A)に示す。図5(A)には一例として、3つのカブVが撮像されている。画像処理部222は、読み出した画像データに対して画像処理を行う。これにより、まず画像処理部222は、セグメンテーションの技術により、画像データに撮像されているカブVの領域を示す情報inf及びカブVの位置情報を取得する。次に、画像処理部222は、取得したカブVの領域を示す情報infに基づいてカブVのサイズ情報を取得する。画像処理部222が取得したカブVの領域を示す情報infと、カブVのサイズ情報を図5(B)に示す。図5(B)に示すように、画像処理部222による画像処理により、カブVの領域を示す情報infと、サイズ情報が取得されていることがわかる。
【0040】
次に画像処理部222は、取得したカブVのサイズ情報に基づいて、各カブVを複数のグループに分類する。この際、画像処理部222は、分類したグループ毎に、各グループを識別するために用いられるカブVを示す情報inf1を異なる色で色付けする。カブVの分類結果を図5(C)に示す。図5(C)に示すように、3つのカブVが2つのグループに分類されていることがわかる。その後、画像処理部222は、図5(D)に示すように、特定の背景色(例えば、白色)の画像に対して、グループ毎に異なる色で色付けしたカブVを示す情報inf1をカブVの位置情報に基づいて配置する。なお、画像処理部222は、図5(D)に示すように、サイズ情報も配置してもよい。画像処理部222は、画像処理後の画像を生成部223に出力する。
【0041】
生成部223は、画像処理部222から出力された画像処理後の画像におけるカブVを示す情報inf1とサイズ情報の位置を示す位置情報と、カブVを示す情報inf1及びサイズ情報とを含む仕分情報を生成する(ステップS104)。生成部223は、生成した仕分情報を制御情報として通信部21を介して投影装置30に送信する(ステップS105)。投影装置30は、提供情報生成装置20から送信された制御情報を受信する。投影装置30は、受信した制御情報で示される仕分情報を貯水部60内に投影する(ステップS106)。
【0042】
図6は、実施形態における投影装置30による投影後の処理を説明するための図である。図6に示すように、貯水部60に浮いている各カブVに対してカブVを示す情報inf1とサイズ情報が投影されている。貯水部60にカブVを示す情報inf1とサイズ情報が投影されることで、作業者はどのカブVが同一グループであるのかを容易に判断できる。なお、図6では、説明の簡単化のため、全てのカブVに対してカブVを示す情報inf1が投影されているが、一部のカブVを示す情報inf1がカブVに投影されていなくてもよい。これは、貯水部60に浮いているカブVは水の流れにより動いてしまうことがあるためである。本発明では、全てのカブVに対してカブVを示す情報inf1が投影されていなくても、一部のカブVに対してカブVを示す情報inf1が投影されていたり、投影されたカブVを示す情報inf1の位置により容易にグループ分けができるため、全てのカブVに対してカブVを示す情報inf1が投影されている必要はない。
【0043】
以上のように構成された情報提供システム100によれば、仕分対象となる対象物を撮像する撮像装置10と、撮像装置10が撮像することによって得られた画像データに基づいて、対象物の仕分け作業を容易にするための情報である仕分情報を生成する提供情報生成装置20と、提供情報生成装置20によって生成された仕分情報を対象物に投影する投影装置30と、を備える。
【0044】
このように、情報提供システム100では、従来の構成で搬送されてきた対象物である農作物に対して仕分情報が投影される。したがって、従来の構成である搬送装置50の後に新たな構成を追加する必要がない。追加される構成としても撮像装置10と投影装置30であり、従来の構成である搬送装置50に対しては何も構成を追加する必要がないため、特に構成を変更する必要が生じない。さらに、仕分情報は農作物に投影されるため、分類する種類が増えたとしても農作物に投影される仕分情報が増えるだけであり、装置の規模としては何も変わらない。したがって、作業者は、農作物を見ることによって分類すべきグループを容易に把握することができる。そのため、簡易な構成で仕分け作業を容易にすることが可能になる。
【0045】
さらに情報提供システム100では、提供情報生成装置20が、画像データに撮像されている1つ以上の対象物を複数のグループに分類し、グループ毎に異なる態様を示す情報を含む仕分情報を生成する。このように、対象物である農作物に投影される情報がグループ毎に異なる態様(グループ毎に異なる色)であるため、作業者は、農作物を見ることによって分類すべきグループを容易に把握することができる。そのため、簡易な構成で仕分け作業を容易にすることが可能になる。
【0046】
さらに情報提供システム100では、提供情報生成装置20が、画像データに撮像されている1つ以上の対象物を少なくともサイズに応じて複数のグループに分類する。これにより、同じ等級の農作物を同一のグループに分類することができる。そのため、簡易な構成で仕分け作業を容易にすることが可能になる。
【0047】
さらに情報提供システム100では、提供情報生成装置20が、画像データ上において、グループ毎に異なる色となるように各グループに属する1つ以上の対象物を示す領域の色付けを行うことによって仕分情報を生成する。このように画像処理によって各グループに属する農作物を示す領域の色付けが行われる。そのため、投影装置30では、提供情報生成装置20からの指示に応じて仕分情報を投影すればよい。したがって既存の投影装置30を使用することができる。
【0048】
さらに情報提供システム100では、1つ以上の対象物が、水が貯められた貯水部60に位置し、投影装置30が、貯水部60に位置している1つ以上の対象物に仕分情報を投影する。これにより、洗浄後の農作物が貯水部60に位置している状態で仕分情報の投影が行われる。そのため、作業者は、搬送装置50によって搬送されてきた農作物をその場ですぐに仕分けすることができる。
【0049】
さらに情報提供システム100では、投影装置30が、仕分情報として、1つ以上の対象物のサイズを示すサイズ情報と、1つ以上の対象物を分類したグループを示す情報(例えば、対象物を示す領域の色付け)とを対応付けて1つ以上の対象物に投影する。これにより、色の情報だけでなく、サイズの情報も踏まえて仕分けすることができる。したがって、色の判断がつきづらい場合であっても、サイズの情報に基づいて容易に農作物を仕分けすることができる。
【0050】
<変形例1>
上述した実施形態では、貯水部60に浮いている農作物に対して仕分情報を投影する構成を示した。これに対して、農作物によっては、貯水部60に搬送する必要がない農作物もある。貯水部60に搬送する必要がない農作物としては、例えばジャガイモなどがあげられる。この場合、投影装置30は、貯水部60に位置している農作物ではなく、搬送装置50の搬送部51上に位置している農作物に仕分情報を投影するように構成されてもよい。このように構成される場合、撮像装置10及び投影装置30は、搬送装置50の搬送部51上を撮像し、搬送装置50の搬送部51上で搬送される農作物に投影可能な位置に配置される。これにより、貯水部60に搬送されない農作物に対しても適用することができる。
【0051】
<変形例2>
上述した実施形態では、提供情報生成装置20が、対象物である農作物をサイズに基づいてグループ分けする構成を示した。提供情報生成装置20は、サイズ以外の情報を用いて農作物をグループ分けしてもよい。サイズ以外の情報としては、例えば重量の情報が用いられてもよい。なお、提供情報生成装置20は、農作物に応じてグループ分けに使用する情報を変更してもよい。
【0052】
<変形例3>
上述した実施形態では、提供情報生成装置20が、グループ毎に異なる色で色付けを行う構成を示した。提供情報生成装置20は、グループ毎に異なる態様となるように、投影装置30で投影させることができれば色以外の情報で各グループを示してもよい。例えば、提供情報生成装置20は、グループ毎に異なるマーク(例えば、星、ハート等)を農作物に投影させるように仕分情報を生成してもよいし、グループ毎に異なる形状(例えば、丸、三角、四角等)の情報を農作物に投影させるように仕分情報を生成してもよい。
【0053】
<変形例4>
農作物によっては、色が投影されづらい農作物も考えられる。例えば、緑の野菜に対して緑色で投影しても作業者は判断できないことが想定される。そこで、提供情報生成装置20は、対象となる農作物に応じて投影する色を分けるように構成されてもよい。
【0054】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0055】
10…撮像装置, 20…提供情報生成装置, 21…通信部, 22…制御部, 23…記憶部, 30…投影装置, 100…情報提供システム, 221…取得部, 222…画像処理部, 223…生成部
【要約】
【課題】仕分け作業を簡便にすること。
【解決手段】仕分対象となる1つ以上の対象物を撮像する撮像装置と、撮像装置が撮像することによって得られた画像データに基づいて、1つ以上の対象物の仕分け作業を容易にするための情報である仕分情報を生成する提供情報生成装置と、提供情報生成装置によって生成された仕分情報を1つ以上の対象物に投影する投影装置と、を備える情報提供システム。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6