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特許7591238健康行動に関する提案システム、健康行動に関する提案方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-20
(45)【発行日】2024-11-28
(54)【発明の名称】健康行動に関する提案システム、健康行動に関する提案方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20241121BHJP
【FI】
G16H20/00
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022183759
(22)【出願日】2022-11-16
(65)【公開番号】P2024072734
(43)【公開日】2024-05-28
【審査請求日】2024-05-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521016003
【氏名又は名称】たしかにプラス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100157428
【弁理士】
【氏名又は名称】大池 聞平
(72)【発明者】
【氏名】深谷 泰亮
【審査官】鹿野 博嗣
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-005297(JP,A)
【文献】特開2012-103955(JP,A)
【文献】特開2022-130109(JP,A)
【文献】特開2016-071716(JP,A)
【文献】玉田 雄基、佐藤 哲司,ユーザのアクティビティに基づいた健康支援システムの提案,第7回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム (第13回日本データベース学会年次大会) [online],日本,電子情報通信学会データ工学研究専門委員会 日本データベース学会 情報処理学会データベースシステム研究会,2015年03月04日,[検索日:2024年5月28日] インターネット<URL:http://db-event.jpn.org/deim2015/paper/100.pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに対し、健康に有益な健康行動に関する提案を行う提案システムであって、
選択理論心理学の5つの基本的欲求の全部又は一部からなる複数の欲求、又は、前記5つの基本的欲求の全部又は一部に類する複数の欲求について、ユーザの欲求強さの情報を取得するユーザ情報取得部と、
前記ユーザ情報取得部により取得されたユーザの欲求強さに応じて、ユーザに対し健康行動に関する提案を行う行動提案部とを備えている、提案システム。
【請求項2】
前記行動提案部は、複数の健康行動の分野からユーザにより選択された分野に応じて、ユーザに対し前記健康行動に関する提案を行う、請求項1に記載の提案システム。
【請求項3】
前記健康行動に関する提案は、健康行動の提案と、健康行動の実行方法の提案を含む、請求項1又は2に記載の提案システム。
【請求項4】
ユーザが健康行動の目標を設定するための目標設定部をさらに備え、
前記行動提案部は、ユーザの選択肢として前記複数の健康行動の分野を表示する画面において、前記目標設定部の情報処理に伴って設定された前記健康行動の目標も表示する、請求項2に記載の提案システム。
【請求項5】
前記健康行動に関する提案から所定の期間経過後に、前記健康行動の実行による前記ユーザへの効果を評価する効果評価部をさらに備え、
前記効果評価部は、ユーザの健康状態に関する項目の測定結果を取得した後、前記ユーザに対し前記測定結果の自己評価を行わせ、
前記自己評価の結果は、前記健康行動に関する提案の再設定の要否をユーザが入力する画面で表示される、請求項1に記載の提案システム。
【請求項6】
ユーザに対し、健康に有益な健康行動に関する提案を行う提案方法であって、
コンピュータが、
選択理論心理学の5つの基本的欲求の全部又は一部からなる複数の欲求、又は、前記5つの基本的欲求の全部又は一部に類する複数の欲求について、ユーザの欲求強さの情報を取得するユーザ情報取得ステップと、
前記ユーザ情報取得ステップにおいて取得されたユーザの欲求強さに応じて、ユーザに対し健康行動に関する提案を行う行動提案ステップとを実行する、提案方法。
【請求項7】
ユーザに対し、健康に有益な健康行動に関する提案を行うためのプログラムであって、
コンピュータに、
選択理論心理学の5つの基本的欲求の全部又は一部からなる複数の欲求、又は、前記5つの基本的欲求の全部又は一部に類する複数の欲求について、ユーザの欲求強さの情報を取得するユーザ情報取得ステップと、
前記ユーザ情報取得ステップにおいて取得されたユーザの欲求強さに応じて、ユーザに対し健康行動に関する提案を行う行動提案ステップとを実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに対して健康行動に関する提案を行う提案システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
健康を維持又は増進するためには、健康に有益な健康行動(ジョギング、サプリメントの摂取など)の習慣化が有効である。しかし、健康行動を習慣化することは容易ではなく、多くの人は、せっかく健康行動を始めたとしても途中で挫折してしまう。
【0003】
特許文献1には、生活習慣改善に関するアドバイスを行う生活習慣改善支援装置が記載されている。この装置は、利用者の内的状態データを入力する入力部と、内的状態データに対応する生活習慣改善アドバイスを有するアドバイス情報を格納するアドバイス格納部と、内的状態データから生活習慣改善アドバイスを呼び出すアドバイス検索部と、アドバイス検索部からの生活習慣改善アドバイスを出力する出力部とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-305988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、アメリカ人の精神科医ウィリアム・グラッサー博士が提唱した選択理論心理学においては、「人間は遺伝子に組み込まれた“5つの基本的欲求”を満たすために行動している」と説明されている。この選択理論心理学では、「生存」、「愛・所属」、「力」、「自由」及び「楽しみ」の5つの基本的欲求によって、人は内側から動機づけられるものと考えられている。それに対し、本願発明者は、これらの5つの基本的欲求を利用することで、ユーザにとって習慣化しやすい健康行動に関する提案が可能になると考えた。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ユーザにとって習慣化しやすい健康行動に関する提案を行うことが可能な提案システムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するべく、第1の発明は、ユーザに対し、健康に有益な健康行動に関する提案を行う提案システムであって、選択理論心理学の5つの基本的欲求の全部又は一部からなる複数の欲求、又は、5つの基本的欲求の全部又は一部に類する複数の欲求について、ユーザの欲求強さの情報を取得するユーザ情報取得部と、ユーザ情報取得部により取得されたユーザの欲求強さに応じて、ユーザに対し健康行動に関する提案を行う行動提案部とを備えている。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、行動提案部は、複数の健康行動の分野からユーザにより選択された分野に応じて、ユーザに対し健康行動に関する提案を行う。
【0009】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、健康行動に関する提案は、健康行動の提案と、健康行動の実行方法の提案を含む。
【0010】
第4の発明は、第2の発明において、ユーザが健康行動の目標を設定するための目標設定部をさらに備え、行動提案部は、ユーザの選択肢として複数の健康行動の分野を表示する画面において、目標設定部の情報処理に伴って設定された健康行動の目標も表示する。
【0011】
第5の発明は、第1の発明において、健康行動に関する提案から所定の期間経過後に、健康行動の実行によるユーザへの効果を評価する効果評価部をさらに備え、効果評価部は、ユーザの健康状態に関する項目の測定結果を取得した後、ユーザに対し測定結果の自己評価を行わせ、自己評価の結果は、健康行動に関する提案の再設定の要否をユーザが入力する画面で表示される。
【0012】
第6の発明は、ユーザに対し、健康に有益な健康行動に関する提案を行う提案方法であって、選択理論心理学の5つの基本的欲求の全部又は一部からなる複数の欲求、又は、5つの基本的欲求の全部又は一部に類する複数の欲求について、ユーザの欲求強さの情報を取得するユーザ情報取得ステップと、ユーザ情報取得ステップにおいて取得されたユーザの欲求強さに応じて、ユーザに対し健康行動に関する提案を行う行動提案ステップとを実行する。
【0013】
第7の発明は、ユーザに対し、健康に有益な健康行動に関する提案を行うためのプログラムであって、コンピュータに、選択理論心理学の5つの基本的欲求の全部又は一部からなる複数の欲求、又は、5つの基本的欲求の全部又は一部に類する複数の欲求について、ユーザの欲求強さの情報を取得するユーザ情報取得ステップと、ユーザ情報取得ステップにおいて取得されたユーザの欲求強さに応じて、ユーザに対し健康行動に関する提案を行う行動提案ステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、選択理論心理学の5つの基本的欲求からなる複数の欲求、又は、5つの基本的欲求の全部又は一部に類する複数の欲求について、ユーザの欲求強さの情報を取得して、その取得したユーザの欲求強さに応じて、ユーザに対し健康行動に関する提案がなされる。そのため、ユーザへの提案は、ユーザを内側から動機づけるものとなり、ユーザにとって習慣化しやすい。本発明によれば、ユーザにとって習慣化しやすい健康行動に関する提案を行うことが可能な提案システムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本実施形態に係る提案システムの概略構成図である。
図2図2(a)は、基本的欲求の強さの調査に用いる質問を表示する画面であり、図2(b)は、基本的欲求の調査結果を表す。
図3図3は、目標設定処理及び行動決定処理のフローチャートである。
図4図4(a)は、目標設定処理において理想健康状態を導き出すための質問を表示する画面であり、図4(b)は、目標設定処理において目標入力箇所を表示する画面であり、図4(c)は、目標設定処理において健康行動の分野を選択するための画面である。
図5図5(a)~(c)は、健康行動又は健康行動の実行方法の少なくとも一方の提案を行う画面である。
図6図6は、効果評価処理のフローチャートである。
図7図7(a)は、効果評価処理において評価入力箇所を表示する画面であり、図7(b)は、効果評価処理において第1-3入力箇所を表示する画面である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の一例であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0017】
[提案システムの概要]
本実施形態に係る提案システム(以下、「本システム」と言う。)10は、ユーザの健康に有益な健康行動に関する提案として、ユーザに合致する確率が高い提案を行うことが可能なシステムである。健康行動に関する提案は、健康行動の提案と、健康行動の実行方法(進め方)の提案を含む。
【0018】
本システム10では、精神科医ウィリアム・グラッサー博士が提唱した選択理論心理学の5つの基本的欲求についての調査結果を利用して、ユーザに対し、健康行動に関する提案を行う。ここで、選択理論心理学において、基本的欲求とは、「その人が本来持っている欲求」である。5つの基本的欲求は、生存の欲求、愛・所属の欲求、力の欲求、自由の欲求、及び、楽しみの欲求から構成されている。
【0019】
また、本システム10は、ユーザにとっての理想の健康状態(以下、「理想健康状態」と言う。)を参照して健康行動の目標(以下、「健康目標」と言う。)を設定(更新)したり、健康行動に関する提案から所定の期間経過後に、健康行動の実行によるユーザへの効果を評価したりするようにも構成され、健康行動の効果確認などを行う健康管理ツールでもある。本システム10では、健康行動の実行によるユーザへの効果の評価結果によっては、健康目標、健康行動の分野、健康行動又は健康行動の実行方法の再設定が可能である。
【0020】
[提案システムの構成]
本システム10は、例えば、その運用事業者(サービス提供者)により管理されるホストコンピュータ11で動作するホスト側プログラム、及び、運用事業者により管理される管理者WEBサイトからユーザの情報処理端末(以下、「ユーザ端末」と言う。)5にダウンロードされるユーザ側プログラムを使用するシステムである。本システム10の動作は、ホスト側プログラム及びユーザ側プログラムにより実現される。ユーザ端末5は、携帯端末又はパーソナルコンピューターなどである。
【0021】
本システム10では、ホスト側プログラムによってホストコンピュータ11側で所定の情報処理が行われ、ユーザ側プログラムによってユーザ端末5側で情報処理が行われる。そして、ホストコンピュータ11及びユーザ端末5が、それぞれの情報処理に伴ってインターネット6を介して互いに通信を行うことで、ユーザ端末5の画面上には、ユーザに提示する情報が表示される。また、ユーザ端末5に対するユーザの操作に応じて、ユーザ端末5の表示情報が変化する。なお、本システム10において、全てのプログラムをホストコンピュータ11で動作させてもよいし、全て又は一部のプログラムをクラウド上で動作させてもよい。
【0022】
図1に示すように、本システム10は、ユーザ情報取得部21、目標設定部22、行動提案部23、及び、効果評価部24を備えている。ユーザ情報取得部21、目標設定部22、行動提案部23、及び、効果評価部24は、ホストコンピュータ11のCPUがホスト側プログラムを実行及び解釈することによって実現される機能ブロックである。本システム10は、ユーザの情報などを格納するためのデータベース20を、ホストコンピュータ11側に備えている。
【0023】
ユーザ情報取得部21は、ユーザの登録処理などを行う部分である。本システム10では、ユーザが、管理者WEBサイトを介してユーザ登録を行うことができる。ユーザ登録の際に、ユーザ端末5の画面5aには、登録情報(氏名、性別、年齢、住所、身長、体重、喫煙習慣、喫煙本数など)の入力箇所に加え、ユーザが健康目標を入力するための入力箇所も設けられる(図示省略)。この入力箇所は、回答内容を自由に文字入力することができる自由入力形式となっており、例えばユーザは「運動不足を解消したい」などの健康目標を文字入力することが可能である。
【0024】
ユーザによる登録情報及び健康目標の入力が完了すると、登録情報及び健康目標は、ユーザ端末5からホストコンピュータ11へ送信される。そして、ホストコンピュータ11では、ユーザ情報取得部21が、受信した登録情報及び健康目標をデータベース20に記録する。データベース20では、ユーザ毎に、登録情報とともに、5つの基本的欲求の強さ、及び、履歴情報(健康目標の設定履歴、健康行動の分野の選択履歴、健康行動に関する提案の履歴及びその採用履歴、健康行動の評価結果の履歴)などが記録される。
【0025】
また、ユーザ情報取得部21は、選択理論心理学に基づく多数の質問に対するユーザの回答を利用して、選択理論心理学の5つの基本的欲求の各々について、ユーザの欲求強さの調査を行うことにより、各基本的欲求に対するユーザの欲求強さの情報も取得する。なお、ユーザ情報取得部21は、本システム10で欲求強さの調査を行わずに、別サービスの調査にてユーザに提供された欲求の強さを、ユーザに入力させる等の方法によって、ユーザの欲求強さの情報を取得するようにしてもよい。
【0026】
目標設定部22は、ユーザが健康行動の目標を設定するための情報処理を行う部分である。目標設定部22は、ユーザにとっての理想健康状態を明らかにした後、ユーザが健康行動の目標を設定することができるように構成されている。
【0027】
行動提案部23は、ユーザ情報取得部21により取得されたユーザの欲求強さに応じて、ユーザに対し健康行動に関する提案を行う部分である。行動提案部23は、複数の健康行動の分野(健康行動の大項目)からユーザにより選択された分野に応じて、ユーザに対し健康行動に関する提案を行う。なお、健康行動とは、食事、睡眠又は運動などに関する改善を行う行動である。健康行動としては、サプリメントの摂取、食生活を改善する行動、睡眠時間を改善する行動、運動不足を解消する行動、体力を増強する行動などが挙げられる。
【0028】
効果評価部24は、健康行動に関する提案から所定の期間経過後のタイミングなど、定期的に、健康行動の実行によるユーザへの効果を評価するための部分である。効果評価部24は、客観的評価結果と主観的評価結果を取得するように構成されている。
【0029】
[提案システムの動作]
次に、本システム10の動作について説明を行う。
【0030】
<基本的欲求を調査する際の動作>
まず、ユーザが持つ各基本的欲求の強さを調査する際の本システム10の動作について説明を行う。選択理論心理学では、複数の質問を通して、基本的欲求の強さとして、「その人が本来持っている欲求の高さ」について点数付けを行うことが可能である。本システム10では、ユーザ端末5において画面5a上のアイコン選択などの所定の操作が行われると、ユーザ情報取得部21による欲求調査処理が開始される。
【0031】
欲求調査処理では、ユーザ端末5の画面5aに、5つの基本的欲求の強さについて点数付けを行うための複数の質問が順番に提示される。ユーザ端末5の画面5aでは、図2(a)に示すように、質問に対し、複数の選択肢からユーザが1つを選んで回答可能となっている。本実施形態では、何れの質問に対しても、「よくあてはまる」、「まあまあ当てはまる」、「どちらともいえない」、「あまりあてはまらない」、及び「全く当てはまらない」の5つの選択肢を用いて、ユーザが5段階で回答可能である。
【0032】
ユーザに提示される各質問は、選択理論心理学の考えに基づいて予め準備された質問である。各質問は、5つの基本的欲求のうち1つ又は複数の基本的欲求に対応付けられている。欲求調査処理では、例えば、各質問に対応付けられた基本的欲求に対し、ユーザによる5段階の回答に基づいて点数が付与される。そして、全ての質問に対するユーザの回答が終了した後に、各基本的欲求について、全ての質問で付与される点数の合計が、欲求強さとして算出されると共に、各基本的欲求の強さがユーザに対応付けてデータベース20に記録される。ユーザ端末5の画面5aには、基本的欲求の調査結果として、図2(b)の太線にて示すように、ユーザの各基本的欲求の強さが表示される。
【0033】
また、5つの基本的欲求は、生存の欲求の「安全・安定」「健康」の2項目、愛・所属の欲求の「愛」「所属」の2項目、力の欲求の「達成」「承認」「貢献」「競争」の4項目、自由の欲求の「解放」「変化」「自分らしさ」の3項目、及び、楽しみの欲求の「ユーモア」「好奇心」「学習・成長」「創造性」の4項目の15項目に細分化することも可能である。健康行動に関する提案を導き出すにあたっては、15項目の各々の欲求強さを用いることもできる。
【0034】
ここで、欲求調査処理の調査で用いられる質問を例示すると、愛・所属(所属)と自由(解放)に対応付けられた質問「休日は友達とワイワイ過ごすよりも一人で過ごしたい」、楽しみ(ユーモア)と生存(健康)に対応付けられた質問「趣味のために寝るのが遅くなり寝不足になることがある」、生存(健康)に対応付けられた質問「夢中になると、食事するのも忘れて熱中してしまう」、力(承認)に対応付けられた質問「皆の前で表彰されると嬉しい」、力(達成)の強さに対応付けられた質問「自分で決めたことは何としても最後までやり遂げたい」、自由(解放)と力(貢献)に対応付けられた質問「給料が高い仕事より、人のためになる仕事がしたい」、自由(変化)と楽しみ(好奇心)に対応付けられた質問「経験したことがないことにチャレンジしていきたい」、力(競争)の強さに対応付けられた質問「試合には必ず勝ちたい」、楽しみ(学習・成長)に対応付けられた質問「自分が成長できる仕事を選びたい」、生存(安全・安定)と自由(変化)の強さに対応付けられた質問「ルーチンワークを続けるのは苦手だ」、愛・所属(愛)に対応付けられた質問「好きな人とできるだけ長く一緒にいたい」、力(達成)と自由(自分らしさ)に対応付けられた質問「失敗しても良いから自分のやり方でやりたい」などを挙げることができる。
【0035】
<健康行動に関する提案を行う際の動作>
次に、図3のフローチャートを参照しながら、ユーザに対し、ユーザの健康に有益な健康行動又は健康行動の実行方法の提案を行う際の本システム10の動作について説明を行う。
【0036】
この動作では、まず健康目標を設定するための目標設定処理が実行される。目標設定処理では、例えば、ユーザの理想健康状態を明らかにするための第1処理、及び、ユーザが健康目標を設定(更新)するための第2処理が行われる。そして、目標設定処理の終了後に、ユーザがこれから実行する健康行動、又は、健康行動の実行方法を決めるための行動決定処理が実行される。行動決定処理では、ユーザが健康行動の分野を選択するための第3処理、及び、ユーザに対して健康行動の分野に属する健康行動又は健康行動の実行方法を提案するための第4処理が行われる。以下、詳細に説明を行う。
【0037】
本システム10では、ユーザ端末5において所定の操作が行われると、目標設定部22による目標設定処理が開始され、目標設定部22がまず第1処理を実行する。第1処理では、ユーザ端末5の画面5aにおいて、図4(a)に示すように、理想健康状態を導き出すための質問26が提示されると共に、質問26に対する回答入力箇所27が表示される(ステップST1)。その際、データベース20に格納された健康目標25(ユーザ登録時に入力した健康目標)も表示される。
【0038】
なお、回答入力箇所27は、図4(a)では選択肢形式であるが、自由入力形式であってもよい。図4(a)では、「あなたにとっての理想の健康状態とは?」との質問26に対する回答入力箇所27に、複数の回答候補(例えば、筋骨逞しい状態、年老いても健康に生活できる状態)の選択肢が表示される。そして、ユーザの回答(例えば回答候補の選択)が完了すると、ユーザの理想健康状態として、ユーザの回答内容がデータベース20に記録される(ステップST2)。なお、理想健康状態を明らかにするための質問の数は、2つ以上であってもよい。また、図4(a)の理想健康状態を直接問う質問以外に、「好きな異性にどんな風に見られたい?」といった願望に関する質問を用いて、理想健康状態を明らかにしてもよい。なお、図4において選択肢の左側の円内の黒点は、ユーザにより選択されたことを表す。この点は図5及び図7でも同じである。
【0039】
第1処理が終了すると、目標設定部22は第2処理を実行する。第2処理では、ユーザ端末5の画面5aにおいて、図4(b)に示すように、ユーザが健康目標を再設定するための目標入力箇所30が表示される(ステップST3)。その際、現時点の健康目標25、及び、ステップST2の回答内容(ユーザの理想健康状態)28も表示される。図4(b)では目標入力箇所30は、自由入力形式であるが、選択肢形式であってもよい。第2処理による表示画面によって、ユーザは、ユーザ登録時に入力した健康目標25、及び、自身の理想健康状態28を見ながら、自身の理想(願望)に近づくことができるような目標として、ユーザ登録時よりも具体的な健康目標を入力することが可能となる。
【0040】
図4(b)の場合、例えば、「100歳になっても自分の足で歩きたい」といった回答が考えらえる。そして、目標入力箇所30への入力(例えば健康目標の文字入力)が完了すると、その入力内容がユーザの健康目標として設定(更新)され、データベース20に記録される(ステップST4)。データベース20では、目標入力箇所30への入力内容を含む健康目標の履歴が格納される。以上により、目標設定処理は終了する。
【0041】
目標設定処理が終了すると、行動提案部23による行動決定処理が実行される。行動提案処理では、行動提案部23がまず第3処理を実行する。第3処理では、ユーザ端末5の画面5aにおいて、図4(c)に示すように、ユーザの選択肢として、複数の健康行動の分野(例えば、ダイエット、睡眠改善、認知機能改善、長生きなど)から、1つ又は複数の分野を選択するための分野入力箇所29が表示される(ステップST5)。その際、更新後の健康目標25、及び、自身の理想健康状態28も表示される。そして、ユーザによる健康行動の分野の選択が完了すると、その選択内容がデータベース20に記録される(ステップST6)。
【0042】
第3処理が終了すると、行動提案部23は第4処理を実行する。第4処理では、行動提案部23が、データベースに蓄積したデータ又は人工知能などを利用した情報処理により、ステップST6でユーザにより選択された健康行動の分野に対して、ユーザの5つの基本的欲求の強さから、健康行動に関する提案を導き出す(ステップST7)。そして、ユーザ端末5の画面5aにおいて、図5に示すように、ユーザへの提案内容として、健康行動又は健康行動の実行方法の少なくとも一方が提案される(ステップST8)。図5(a)では、健康行動及び健康行動の実行方法の提案箇所31に、複数の健康行動が選択肢形式で表示され、図5(b)及び図5(c)では、提案箇所31に、複数の健康行動の実行方法が選択肢形式で表示されている。なお、提案箇所31には、健康行動及び健康行動の実行方法の両方を表示してもよい。
【0043】
なお、健康行動に関する提案と共に、ユーザの健康行動の継続を実現させるための付加コメント32を表示してもよいし、ユーザが健康行動を継続することを助ける付加機能を提供してもよい。付加コメント32としては、例えばユーザのモチベーションを高めるための動機付けコメント、ユーザが健康行動を継続するためのアドバイスとなるアドバイスコメントが挙げられる。付加機能については、例えば付加機能の参加又は利用を希望するかを選択するための入力箇所33が表示される
【0044】
健康目標が「ダイエット」の場合を例にして、基本的欲求に応じてどのような健康行動又は健康行動の実行方法が提案されるのかを説明する。なお、データベースに蓄積したデータを利用した情報処理により、健康行動に関する提案を導き出す場合は、「ダイエット」の例で示すような各提案内容に対し基本的欲求を対応付けてデータベース化することにより、健康行動に関する提案の導出を実現することができる。データベースの構築では、例えば、実際になされた提案(健康行動に関する提案)に対し、その提案に合致したユーザにおいて最も強い基本的欲求の対応付けがなされる。データベース化は、全ての健康行動の分野で行う。
【0045】
また、人工知能を利用した情報処理により、健康行動に関する提案を導き出す場合は、「ダイエット」の例で示すような健康行動に関する各提案内容に対し、その提案内容に合致したユーザの欲求強さの情報(5つの基本的欲求の強さ、又は、5つの基本的欲求を細分化した15項目の欲求強さ)を対応付けしたビッグデータを構築し、そのビッグデータを学習用データとして機械学習を行うことにより、5つの基本的欲求の強さ(又は15項目の欲求強さ)から、ユーザに合致する確率が高い提案(健康行動に関する提案)を導出できる学習済みモデルを実現することができる。この場合、ビッグデータの構築では、例えば、実際になされた健康行動がユーザに合致したか否かを判定する判定処理を経て、健康行動に関する提案内容に対する、欲求強さの情報の対応付けがなされる。判定処理の判定には、健康行動の継続期間が所定の期間より長い場合、後述する客観的評価結果が所定値よりも優れている場合、及び、後述する主観的評価結果が所定値よりも優れている場合(満足度が所定値よりも高い場合)などの条件が成立する場合に、実際になされた健康行動がユーザに合致したと判定する。また提案内容に対する、欲求強さの情報の対応付けに人工知能を利用してもよい。なお、学習用データの作成、及び、機械学習による学習済みモデルの作成は、全ての健康行動の分野で行う。
【0046】
生存の欲求が強い人には、規則正しい生活、十分な睡眠、及び、適度な運動が必要となるため、健康行動として「早寝早起」、「寝る3時間前までに食事を終わらせる」、「食べる量を減らす」、「就寝時間を1時間早くする」、「適度な運動を行う」、及び「駅では階段を使う」等の提案がなされる(図5(a)参照)。
【0047】
愛・所属の欲求が強い人には、恋人や友達を意識した行動が有効であるため、健康行動の実行方法として「友達と一緒にダイエットしよう」、「ダイエットの会に参加しよう」、「健康行動についてSNSでシェアしよう」等の提案がなされる(図5(b)参照)。図5(b)では、付加コメント32として「2kg痩せたらもっとモテるのでは」との動機付けコメントが表示されている。
【0048】
力の欲求が強い人には、達成、承認、貢献、競争欲求を煽る行動が有効であるため、健康行動の実行方法として「痩せる目標を設定しよう」、「みんなの前で2kg痩せると宣言しよう」、「同僚とダイエット対決をしよう」等の提案がなされる(図5(c)参照)。図5(c)では、付加機能として、登録ユーザを対象にした健康行動の達成ランキングに参加するか否か、及び、目標達成時にスタンプを付与する機能を利用するか否かを選択するための入力箇所33が表示されている。
【0049】
自由の欲求が強い人には、一人で自分のペースでできて、且つ、インセンティブがある行動が有効であるため、健康行動として「毎日、筋トレ、ウォーキング及び1食抜きから選んだ健康行動を実行しよう」等の提案がなされ、健康行動の実行方法として「昨日と違う健康行動を本システムがリコメンド」等の提案がなされる(図示省略)。この場合、付加コメント32として「焦らずマイペースで進めよう」などのアドバイスコメントを表示してもよい。また、付加機能として、1kg痩せるごとにポイントを還元する機能を利用するか否かを選択するための入力箇所33を表示してもよい。
【0050】
楽しみの欲求が強い人には、楽しくて薀蓄があり、自分で考える行動が有効であるため、健康行動として「ファスティング」、「食べる回数を減らす」等の提案がなされ、健康行動の実行方法として「本システムから多くの健康行動の提示を受けて選ぶ」等の提案がなされる(図示省略)。この場合、付加コメント32として、「世界にはこんな健康法もあるって知っていた?」、「新しい健康行動を創ってみよう」などのコメントを表示してもよい。
【0051】
ユーザ端末5では、画面5a上に提示された健康行動又は健康行動の実行方法から、ユーザが実行すると決めたものを選択することができる。ユーザ端末5にて健康行動又は健康行動の実行方法の選択がなされると、ユーザにより選択(採用)された健康行動又は健康行動の実行方法がデータベース20に記録される(ステップST9)。以上により、健康行動決定処理は終了する。
【0052】
<健康行動を評価する際の動作>
次に、図6のフローチャートを参照しながら、健康行動の実行によるユーザへの効果を評価する際の本システム10の動作について説明を行う。
【0053】
本システム10では、健康行動の開始から所定の期間置き(例えば1ヵ月置き)に、健康行動の実行によるユーザへの効果について、評価の実行を促すコメント、又は、評価を実行するための操作画面が、ユーザ端末5に表示される。そして、ユーザ端末5において所定の操作が行われると、効果評価部24による効果評価処理が開始される。
【0054】
なお、効果評価処理では、ユーザの健康状態に関する測定項目(以下、「健康項目」と言う。)の測定結果などにより健康行動の効果として客観的評価結果を取得するための第1評価処理、及び、健康行動の効果についてユーザが主観的評価(自己評価)を行うための第2評価処理が行われる。
【0055】
効果評価処理が開始されると、まず効果評価部24が第1評価処理を実行する。第1評価処理では、ユーザが選択した健康行動の分野又は健康行動に対応する健康項目の測定結果の入力箇所が表示される。例えば、健康行動の分野がダイエットの場合、健康項目の測定結果として、ユーザの体重の入力箇所が表示される(ステップST11)。そして、ユーザの入力(例えば測定結果の入力)が完了すると、客観的な健康行動の評価結果(客観的評価結果)として、ユーザの入力内容がデータベース20に記録される(ステップST12)。
【0056】
なお、健康項目の測定結果としては、別途に行った健康診断の結果を入力できるようにしてもよいし、ウェアラブルデバイス(例えば、スマートウォッチなど)から健康項目の測定結果(例えば、睡眠時間など)を自動的に取得するようにしてもよい。
【0057】
第1評価処理が終了すると、効果評価部24は第2評価処理を実行する。第2評価処理では、ユーザ端末5の画面5aにおいて、図7(a)に示すように、第1評価処理で得られた客観的評価結果34(例えば、ユーザの健康項目の測定結果)が表示されると共に、その客観的評価結果34に対してユーザによる主観的評価を入力するための評価入力箇所35が表示される(ステップST13)。例えば、評価入力箇所35は、画面5aに表示される主観的評価用の質問36に対して回答する方法でなされる。
【0058】
主観的評価用の質問36としては、「今のままの生活を続けると10年後にあなたの健康状態はどのようになりますか?」、「健康目標に対する現在の自身の満足度は何点ですか?」又は「あなたが健康ではなくなると、家族はどうなりますか?」といった質問が用いられる。
【0059】
評価入力箇所35へのユーザの入力(例えば質問36への回答)が完了すると、主観的な健康行動の評価結果(主観的評価結果)として、ユーザの入力内容がデータベース20に記録される(ステップST14)。そして、ユーザ端末5の画面5aでは、図7(b)に示すように、客観的評価結果34及び主観的評価結果37(評価入力箇所35への入力内容)が表示されると共に、再設定の要否の入力箇所41~43として、健康目標の再設定の要否を入力可能な第1入力箇所41、健康行動の分野の再設定の要否を入力可能な第2入力箇所42、及び、健康行動又は健康行動の実行方法の再設定の要否を入力可能な第3入力箇所43が表示される(ステップST15)。
【0060】
ステップST16にて第1入力箇所41の入力が「要」の場合、ステップST3に移行して(ステップST17)、目標設定部22により、ユーザが健康目標を再設定するための目標入力箇所30が表示される。その際、これまでの健康目標の履歴も表示される。この場合、ステップST3の終了後は、図3のフローチャートに従って、健康行動の分野の再設定、及び、健康行動又は健康行動の実行方法の再設定も行われる。
【0061】
ステップST18にて第2入力箇所42の入力が「要」の場合、ステップST5に移行して(ステップST19)、行動提案部23により、分野入力箇所29で表示される。その際、これまでの健康行動の分野の履歴も表示される。この場合、ステップST5の終了後は、図3のフローチャートに従って、健康行動又は健康行動の実行方法の再設定も行われる。
【0062】
ステップST20にて第3入力箇所43の入力が「要」の場合、ステップST8に移行して(ステップST21)、行動提案部23により、前回同様の提案内容として、健康行動に関する提案が選択肢形式でなされる。
【0063】
[実施形態の効果等]
本実施形態では、選択理論心理学の5つの基本的欲求について、ユーザの欲求強さの情報を取得して、その取得したユーザの欲求強さに応じて、ユーザに対し健康行動に関する提案がなされる。そのため、ユーザへの提案は、ユーザを内側から動機づけるものとなり、ユーザにとって習慣化しやすい。本実施形態によれば、ユーザにとって習慣化しやすい健康行動に関する提案を行うことが可能な提案システム10を実現することができる。特に、健康行動に関する提案の導出に人工知能を利用する場合に、学習用データのパラメータとして健康行動の継続期間、客観的評価結果又は主観的評価結果などを用いることで、提案内容がユーザに合致する確度を高めることができる。また人工知能を利用する場合、5つの基本的欲求のうち最も強い基本的欲求から提案内容を導出するのではなく、5つの基本的欲求の強さのバランスから、ユーザに合致する確率が高い提案内容の導出を実現することができる。
【0064】
また、本実施形態では、健康行動後に、健康行動の実行によるユーザへの効果について客観的評価及び主観的評価を行う。ここで、健康行動の継続には、ユーザの決断が必要である。主観的評価は、ユーザ自身が変わることの決断のきっかけになる。従って、健康行動に関する提案をさらに継続しやすくなる。
【0065】
また、本実施形態では、健康行動の実行によるユーザへの効果の評価結果を見ながら、健康目標や健康行動などの再設定が可能である。そのため、より具体的な健康目標の設定を行うことができると共に、仮に健康行動に関する提案内容がユーザに合致しなかった場合でも、最終的にユーザに合致する提案内容にてユーザが健康行動を実行できるようになる。
【0066】
[その他の実施形態]
上述の実施形態において、行動提案部23は、複数の欲求における欲求強さのバランスに応じて、ユーザに対し健康行動に関する提案を行うように構成されていてもよい。
【0067】
上述の実施形態において、ユーザ情報取得部21は、選択理論心理学の5つの基本的欲求の一部についての調査結果を利用して、ユーザに対し健康行動に関する提案を行うようにしてもよいし、選択理論心理学の5つの基本的欲求に類する複数の欲求(例えば、選択理論心理学とは表記されていないが、選択理論心理学の基本的欲求に類似している複数の欲求、又は、上述の15項目の内容)についての調査結果を利用して、ユーザに対し健康行動に関する提案を行うようにしてもよい。
【0068】
上述の実施形態において、人工知能を利用した情報処理により健康行動に関する提案を導き出す場合に、回答入力箇所27に対する回答結果を学習用データのパラメータとして利用してもよい。この場合、学習用データにおいて、回答入力箇所27に対する回答結果も対応付けられる。
【0069】
上述の実施形態において、ユーザ情報取得部21、目標設定部22、行動提案部23、及び、効果評価部24のうち一部が、ユーザ端末5側の機能ブロックであってもよい。
【0070】
上述の実施形態において、健康行動に関する提案に数値目標が含まれる場合は、健康項目の測定結果に応じて、2回目以降の健康行動等の提案において数値目標の変更提案がなされるようにしてもよい。例えば、健康行動の分野が「ダイエット」の場合に、数値目標と体重の測定結果との差分に基づいて、痩せる目標値の変更提案がなされるようにしてもよい。健康行動の分野が「運動」の場合に、運動強度の変更提案がなされるようにしてもよい。また、目標値や運動強度の変更値を算出するために、健康診断の標準値との差分を利用してもよい。
【0071】
上述の実施形態において、健康行動に関する提案後のユーザの行動管理として、例えば毎日、健康行動を行ったか否かの入力を求める行動確認画面を表示してもよい。またユーザの行動管理の方法は、5つの基本的欲求の強さに応じて異ならせてもよい。例えば力の欲求の強い人は、健康行動のチェックによって達成感を感じられるため、上述の行動確認画面の表示を行い、自由の欲求の強い人には、上述の行動確認画面の表示は行わない。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、ユーザに対して健康行動を提案する提案システム等に適用可能である。
【符号の説明】
【0073】
5 ユーザ端末
10 提案システム
11 ホストコンピュータ
21 ユーザ情報取得部
22 目標設置部
23 行動提案部
24 効果評価部
25 データベース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7