(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-20
(45)【発行日】2024-11-28
(54)【発明の名称】建物の基礎施工方法、建物の建築方法、および建物の土台構造物
(51)【国際特許分類】
E02D 27/00 20060101AFI20241121BHJP
E02D 27/01 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
E02D27/00 B
E02D27/00 D
E02D27/01 C
(21)【出願番号】P 2024098508
(22)【出願日】2024-06-19
【審査請求日】2024-06-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517138982
【氏名又は名称】有限会社鉄骨屋
(73)【特許権者】
【識別番号】523290403
【氏名又は名称】株式会社リコネクト
(74)【代理人】
【識別番号】100112689
【氏名又は名称】佐原 雅史
(74)【代理人】
【識別番号】100128934
【氏名又は名称】横田 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100210572
【氏名又は名称】長谷川 太一
(72)【発明者】
【氏名】川瀬 正人
【審査官】荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-094443(JP,A)
【文献】特開2002-348883(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 27/00
E02D 27/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の基礎を構築する基礎施工方法であって、
水平方向に広がる前記基礎構築面の上方に、該基礎構築面とは間隔をあけて前記水平方向に延在するように土台を配置するとともに、前記土台から下方に延びる土台支持治具によって該土台を前記基礎構築面上に支持する土台配置工程と、
前記土台から下方に延びるように該土台にアンカーを設置するアンカー設置工程と、
前記土台と前記基礎構築面との間の領域となる立ち上がり部領域において、前記アンカーの周囲に、立ち上がり部鉄筋を配筋する配筋工程と、
前記立ち上がり部領域にコンクリートを打設することで該立ち上がり部領域に立ち上がり部を形成し、該立ち上がり部内に前記立ち上がり部鉄筋および前記アンカーを埋設し、該立ち上がり部と前記土台とが一体となって構成された前記基礎を構築する基礎構築工程と、
を備え、
前記アンカー設置工程では、前記アンカーとして、上部領域が高さ方向に延びるとともに下部領域が前記上部領域に対して湾曲または屈曲するJ型アンカーまたはL型アンカーを用いるとともに、前記下部領域が前記上部領域から前記土台の延在方向となる土台長さ方向に向かって湾曲または屈曲するように、前記アンカーを設置
し、
前記土台は、前記立ち上がり部と接触する下側フランジ、該下側フランジに対して上方に配置された上側フランジ、および該下側フランジと該上側フランジとを接続するウェブによって構成された断面H型をなす構造材であり、
前記アンカー設置工程よりも前において、前記土台における前記上側フランジと前記下側フランジとの間に補強部材を設ける補強工程をさらに備え、
前記補強部材は、
前記土台における前記上側フランジに対して下側から接触するように対向配置される上側フランジ対向板部と、
前記土台における前記下側フランジに対して上側から接触するように対向配置される下側フランジ対向板部と、
前記上側フランジ対向板部と前記下側フランジ対向板部とを接続し、かつ、前記土台における前記ウェブに対して接触するように対向配置されるウェブ対向板部と、
前記ウェブ対向板部から該ウェブ対向板部の板厚方向に立設され、かつ前記上側フランジ対向板部と前記下側フランジ対向板部とを、前記土台長さ方向に一致する該上側フランジ対向板部および該下側フランジ対向板部の板幅方向の中途位置で接続する接続板部と、
を有し、
前記アンカー設置工程では、該アンカーにおける前記上部領域を前記土台の前記下側フランジおよび前記補強部材の前記下側フランジ対向板部に挿通させるとともに、前記上部領域を前記補強部材に固定し、かつ、前記接続板部を挟んで前記板幅方向の両側において一つずつ前記アンカーを設置する建物の基礎施工方法。
【請求項2】
前記補強工程では、前記ウェブ対向板部の板厚寸法が、
前記上側フランジ対向板部および前記
下側フランジ対向板部の各々の板厚寸法にくらべて小さくなっている前記補強部材を用いる請求項
1に記載の建物の基礎施工方法。
【請求項3】
前記補強工程では
、前記接続板部の板厚寸法が
、前記上側フランジ対向板部および前記下側フランジ対向板部の
各々の板厚寸法にくらべて小さくなっている前記補強部材を用
いる請求項
1に記載の建物の基礎施工方法。
【請求項4】
前記アンカー設置工程では、前記接続板部を挟んで前記下側フランジ対向板部の板幅方向の両側に設置される前記アンカーの下部領域同士が、互いに離れる側に湾曲または屈曲するように前記アンカーを設置する請求項
1に記載の建物の基礎施工方法。
【請求項5】
前記補強部材の前記下側フランジ対向板部には、前記アンカーをそれぞれ挿通させるアンカー用貫通孔が、前記接続板部を挟んで前記土台長さ方向に一致する前記下側フランジ対向板部の板幅方向の両側に一つずつ形成されており、
二つの前記アンカー用貫通孔における中心同士の距離を孔間距離dと定義し、
前記土台に前記アンカーを設置した状態において前記アンカーを前記土台幅方向から見た際に、該アンカーにおける前記上部領域の中心から前記下部領域の先端までの前記土台長さ方向の距離を前記アンカーの最大幅寸法wと定義したとき、
前記アンカー設置工程でw>d/2を満足させる請求項
4に記載の建物の基礎施工方法。
【請求項6】
請求項
1から5のいずれか一項に記載の基礎施工方法と、
前記土台の上部に柱または梁を設置する柱設置工程と、
を備え、
前記補強工程では、前記補強部材を、前記ウェブを挟んで該ウェブの両側にそれぞれ設け、
前記柱設置工程では、前記補強部材の前記上側フランジ対向板部、および前記土台における前記上側フランジにボルトを挿通させ、該ボルトによって前記土台に前記柱または前記梁を固定する建物の建築方法。
【請求項7】
水平方向に広がる基礎構築面の上方において該基礎構築面に支持され、かつ該基礎構築面から立設されるコンクリートからなる立ち上がり部に接触することで該立ち上がり部とともに建物における基礎を構成するための土台構造物であって、
前記立ち上がり部の上面に設けられた設置姿勢において、前記水平方向に延在する土台本体と、
前記設置姿勢において前記土台本体から下方に延びるように該土台本体に設置されており、該設置姿勢で前記立ち上がり部内に埋設されて前記基礎を構成するアンカーと、
を備え、
前記設置姿勢となる前記アンカーは、前記設置姿勢において高さ方向に延びる上部領域、および前記上部領域に対して前記土台本体の延在方向
となる土台長さ方向に向かって湾曲または屈曲する下部領域によって構成されたJ型アンカーまたはL型アンカーであ
り、
前記土台本体は、前記立ち上がり部と接触する下側フランジ、該下側フランジに対して上方に配置された上側フランジ、および該下側フランジと該上側フランジとを接続するウェブによって構成された断面H型をなす構造材であり、
前記土台本体における前記上側フランジと前記下側フランジとの間に設けられる補強部材をさらに備え、
前記補強部材は、
前記土台本体における前記上側フランジに対して下側から接触するように対向配置される上側フランジ対向板部と、
前記土台本体における前記下側フランジに対して上側から接触するように対向配置される下側フランジ対向板部と、
前記上側フランジ対向板部と前記下側フランジ対向板部とを接続し、かつ、前記土台本体における前記ウェブに対して接触するように対向配置されるウェブ対向板部と、
前記ウェブ対向板部から該ウェブ対向板部の板厚方向に立設され、かつ前記上側フランジ対向板部と前記下側フランジ対向板部とを、前記土台長さ方向に一致する該上側フランジ対向板部および該下側フランジ対向板部の板幅方向の中途位置で接続する接続板部と、
を有し、
前記アンカーの前記上部領域は、
前記土台本体の前記下側フランジおよび前記補強部材の前記下側フランジ対向板部に挿通されるとともに、該上部領域が前記補強部材に固定され、
前記アンカーは、前記接続板部を挟んで前記板幅方向の両側において一つずつ設けられている土台構造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の基礎を構築する基礎施工方法、これを含む建築方法、および建物の土台構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に建物のコンクリート基礎を構築する場合には、地面に捨てコンクリートを打設し、その上に鉄筋がコンクリート内に埋設されるようにしてコンクリートを打設して立ち上がり部を形成する。この立ち上がり部からは上方にアンカーが突出するように設けられる。その後立ち上がり部の上に土台を載置して土台にアンカーを挿通させ、ナットによって締め付けることで立ち上がり部に土台を固定し基礎を完成させるようにしている。
【0003】
ところでこのような一般的な工法では作業に手間を要するため、工期の短縮を目的として例えば特許文献1に記載の工法が提案されている。特許文献1に記載された工法では、土台を地面から浮かせた状態で地面に支持し、地面と土台との間に鉄筋を配筋するとともに土台から下方に突出するようにアンカーを吊り下げ、その後、鉄筋およびアンカーを埋設するように地面と土台との間にコンクリートを打設して立ち上がり部を形成し、この立ち上がり部と土台とが一体となった基礎を構築するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで特許文献1の工法では、土台に予め吊り下げるアンカーは、上部領域に対して下部領域が湾曲したJ型アンカーとなっているが、このアンカーの下部領域は、上部領域から土台の幅方向の外側に向かって湾曲するように設けられている。このためアンカーがコンクリートに埋設された状態では、アンカーの下部領域から立ち上がり部の幅方向端面までの距離を十分に確保することが難しい。したがってアンカーによって、立ち上がり部への土台の固定力を十分に得ることができない可能性がある。
【0006】
そこで本発明は、工期の短縮を図りつつも、強固な基礎を構築することが可能な建物の基礎施工方法、これを備えた建物の建築方法、および建物の土台構造物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る建物の基礎施工方法は、建物の基礎を構築する方法であって、水平方向に広がる前記基礎構築面の上方に、該基礎構築面とは間隔をあけて前記水平方向に延在するように土台を配置するとともに、前記土台から下方に延びる土台支持治具によって該土台を前記基礎構築面上に支持する土台配置工程と、前記土台から下方に延びるように該土台にアンカーを設置するアンカー設置工程と、前記土台と前記基礎構築面との間の領域となる立ち上がり部領域において、前記アンカーの周囲に、立ち上がり部鉄筋を配筋する配筋工程と、前記立ち上がり部領域にコンクリートを打設することで該立ち上がり部領域に立ち上がり部を形成し、該立ち上がり部内に前記立ち上がり部鉄筋および前記アンカーを埋設し、該立ち上がり部と前記土台とが一体となって構成された前記基礎を構築する基礎構築工程と、を備え、前記アンカー設置工程では、前記アンカーとして、上部領域が高さ方向に延びるとともに下部領域が前記上部領域に対して湾曲または屈曲するJ型アンカーまたはL型アンカーを用いるとともに、前記下部領域が前記上部領域から前記土台の延在方向となる土台長さ方向に向かって湾曲または屈曲するように、前記アンカーを設置する。
【0008】
上記基礎施工方法では、前記土台は、前記立ち上がり部と接触する下側フランジ、該下側フランジに対して上方に配置された上側フランジ、および該下側フランジと該上側フランジとを接続するウェブによって構成された断面H型をなす構造材であり、前記アンカー設置工程よりも前において、前記土台における前記上側フランジと前記下側フランジとの間に補強部材を設ける補強工程をさらに備え、前記補強部材は、前記土台における前記上側フランジに対して下側から接触するように対向配置される上側フランジ対向板部と、前記土台における前記下側フランジに対して上側から接触するように対向配置される下側フランジ対向板部と、前記上側フランジ対向板部と前記下側フランジ対向板部とを接続し、かつ、前記土台における前記ウェブに対して接触するように対向配置されるウェブ対向板部と、を有し、前記アンカー設置工程では、該アンカーにおける前記上部領域を前記土台の前記下側フランジおよび前記補強部材の前記下側フランジ対向板部に挿通させるとともに、前記上部領域を前記補強部材に固定してもよい。
【0009】
上記基礎施工方法において前記補強工程では、前記ウェブ対向板部の板厚寸法が、一対の前記フランジ対向板部の各々の板厚寸法にくらべて小さくなっている前記補強部材を用いてもよい。
【0010】
上記基礎施工方法において前記補強工程では、前記ウェブ対向板部から該ウェブ対向板部の板厚方向に立設され、かつ前記上側フランジ対向板部と前記下側フランジ対向板部とを、前記土台長さ方向に一致する該上側フランジ対向板部および該下側フランジ対向板部の板幅方向の中途位置で接続する接続板部をさらに有するとともに、該接続板部の板厚寸法が前記上側フランジ対向板部および前記下側フランジ対向板部の板厚寸法にくらべて小さくなっている前記補強部材を用い、前記アンカー設置工程では、前記接続板部を挟んで前記板幅方向の両側において一つずつ前記アンカーを設置してもよい。
【0011】
上記基礎施工方法において前記アンカー設置工程では、前記接続板部を挟んで前記下側フランジ対向板部の板幅方向の両側に設置される前記アンカーの下部領域同士が、互いに離れる側に湾曲または屈曲するように前記アンカーを設置してもよい。
【0012】
上記基礎施工方法において、前記補強部材の前記下側フランジ対向板部には、前記アンカーをそれぞれ挿通させるアンカー用貫通孔が、前記接続板部を挟んで前記土台長さ方向に一致する前記下側フランジ対向板部の板幅方向の両側に一つずつ形成されており、二つの前記アンカー用貫通孔における中心同士の距離を孔間距離dと定義し、前記土台に前記アンカーを設置した状態において前記アンカーを前記土台幅方向から見た際に、該アンカーにおける前記上部領域の中心から前記下部領域の先端までの前記土台長さ方向の距離を前記アンカーの最大幅寸法wと定義したとき、前記アンカー設置工程でw>d/2を満足させてもよい。
【0013】
本発明の一態様に係る建物の建築方法は、上記の基礎施工方法と、前記土台の上部に柱または梁を設置する柱設置工程と、を備え、前記補強工程では、前記補強部材を、前記ウェブを挟んで該ウェブの両側にそれぞれ設け、前記柱設置工程では、前記補強部材の前記上側フランジ対向板部、および前記土台における前記上側フランジにボルトを挿通させ、該ボルトによって前記土台に前記柱または前記梁を固定する。
【0014】
本発明の一態様に係る建物の土台構造物は、水平方向に広がる基礎構築面の上方において該基礎構築面に支持され、かつ該基礎構築面から立設されるコンクリートからなる立ち上がり部に接触することで該立ち上がり部とともに建物における基礎を構成するための土台構造物であって、前記立ち上がり部の上面に設けられた設置姿勢において、前記水平方向に延在する土台本体と、前記設置姿勢において前記土台本体から下方に延びるように該土台本体に設置されており、該設置姿勢で前記立ち上がり部内に埋設されて前記基礎を構成するアンカーと、を備え、前記設置姿勢となる前記アンカーは、前記設置姿勢において高さ方向に延びる上部領域、および前記上部領域に対して前記土台本体の延在方向に向かって湾曲または屈曲する下部領域によって構成されたJ型アンカーまたはL型アンカーである。
【発明の効果】
【0015】
上記の建物の基礎施工方法、これを備えた建物の建築方法、および建物の土台構造物によれば、工期の短縮を図りつつ強固な基礎を構築することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態に係る土台構造物の平面図である。
【
図2】上記土台構造物を土台幅方向からみた斜視図であって、
図1のA部を拡大して示す図である。
【
図3】上記土台構造物を含む基礎を土台長さ方向からみた断面図であって、
図1のB-B断面図である。
【
図4】上記土台構造物を含む基礎を土台幅方向からみた側面図であって、
図1のC矢視図である。なお本図では、鉄筋の記載は省略している。
【
図5】上記組み立て構造材における構造材用ジョイント部材を角ナットの側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(土台構造物の全体構成)
土台構造物100は、建物における基礎200を構成するための構造物である。
図1に示すように、本実施形態の土台構造物100は、自身とともに基礎200を構成するコンクリートによって形成された立ち上がり部210と一体となって、立ち上がり部210によって下方から支持されている。具体的に土台構造物100は、
図2に示すように水平方向に延在する土台本体(土台)1と、土台本体1に設けられるアンカー2および補強部材3と、を備えている。
(土台本体)
【0018】
土台本体1は、断面H型をなす構造材、すなわちH型鋼によって構成されており、水平面上に広がって建物の形状に対応するように例えば枠状をなしている。そして土台本体1は、自身の板厚方向が高さ方向D1に一致する板状の上側フランジ10および下側フランジ11と、これら上側フランジ10と下側フランジ11とを接続するとともに自身の板厚方向が水平方向に一致するように設けられた板状のウェブ12と、を有している。土台本体1が立ち上がり部210に設置された設置姿勢において、下側フランジ11の下面は、後述するように立ち上がり部210の上面に接触する。
【0019】
(アンカー)
アンカー2は、土台本体1における下側フランジ11に挿通されて下側フランジ11から下方に延びるように設けられている。すなわちアンカー2は、
図3に示すように下側フランジ11を貫通するアンカー挿通孔11aに挿通されており、アンカー2の上端は下側フランジ11から上方に突出している。アンカー2は、高さ方向D1に真っすぐに延びる棒状をなす上部領域20、および上部領域20に対して土台本体1の延在方向(以下、土台長さ方向D2とする)に向かって湾曲(または屈曲)する棒状をなす下部領域21によって構成されている(
図2も参照)。上部領域20の上端の外周面には雄ネジ20aが形成されており、アンカー2はいわゆるJ型またはL型のアンカー(アンカーボルト)となっている。
【0020】
そしてアンカー2は、土台長さ方向D2に間隔をあけて配置されて下側フランジ11から垂下されている。本実施形態においてアンカー2は、詳しく後述するように建物を構成する柱300の下方に設けられている。すなわちアンカー2は、高さ方向D1から見て柱300と重なる位置に配置されており、複数設けられた柱300の各々の下方において土台長さ方向D2に近接して並ぶように対をなして設けられている。これら対をなす二つのアンカー2の下部領域21同士は、土台長さ方向D2に互いに離れる側に、各々のアンカー2における上部領域20から湾曲するように設けられている。
【0021】
すなわち
図4に示すように、各々の柱300の下方で土台長さ方向D2に並ぶ二つのアンカー2のうち、土台長さ方向D2の一方側のアンカー2Aの下部領域21Aは、上部領域20Aに対して土台長さ方向D2の一方側に湾曲して延び、土台長さ方向D2の他方側のアンカー2Bの下部領域21Bは、上部領域20Bに対して土台長さ方向D2の他方側に湾曲して延びている。さらに、これらアンカー2A、2Bの組は、土台長さ方向D2に直交する土台幅方向D3に間隔をあけて、土台本体1のウェブ12を挟んで対をなして設けられている。よって本実施形態においては、各々の柱300の下方には4つのアンカー2が設けられている。
【0022】
(補強部材)
補強部材3は、土台本体1における上側フランジ10、下側フランジ11、およびウェブ12によって囲まれる領域Xに設けられている。本実施形態では、ウェブ12を挟んで土台幅方向D3の両側の領域Xにそれぞれ補強部材3が設けられていることで対をなしている(
図3参照)。これら対をなす補強部材3は、各々の柱300の下方に、かつ上記四つのアンカー2の上方に設けられている。すなわち補強部材3の略全体(一部であってもよい)が、高さ方向D1から見て柱300と重なる位置に配置されている。
【0023】
各々の補強部材3は例えば鋼製であって、鋳造によって一体的に成形された鋳物となっている。具体的に補強部材3は、上側フランジ対向板部30と、下側フランジ対向板部31と、ウェブ対向板部32と、接続板部33とを有している。
【0024】
上側フランジ対向板部30は、土台本体1における上側フランジ10に対して下側から、自身の表面が接触するように対向配置されている。また上側フランジ対向板部30には自身を板厚方向、すなわち高さ方向D1に貫通するボルト孔30aが形成されている。このボルト孔30aは、上側フランジ対向板部30において土台長さ方向D2に一致する自身の板幅方向に間隔をあけて、詳しく後述する接続板部33を挟んで一対形成されている。
【0025】
各々のボルト孔30aには、上側フランジ10を貫通するボルト挿通孔10aを通じてボルト310が一つずつ挿通されており、ボルト310に螺合する後述する角ナット403によって上側フランジ対向板部30と上側フランジ10とが固定されている。上側フランジ対向板部30の板厚寸法t1は、例えば12mmとなっている。なお上側フランジ対向板部30は上側フランジ10に対してボルト310とともに溶接により固定されてもよい。
【0026】
下側フランジ対向板部31は、土台本体1における下側フランジ11に対して上側から、自身の表面が接触するように対向配置されている。下側フランジ対向板部31は、上側フランジ対向板部30と略同一の形状、サイズ、構造を有しており、かつ、上側フランジ対向板部30と土台長さ方向D2、および土台幅方向D3に略同じ位置に配置されている。下側フランジ対向板部31には自身を板厚方向、すなわち高さ方向D1に貫通するアンカー用貫通孔31aが形成されている。このアンカー用貫通孔31aは、下側フランジ対向板部31において土台長さ方向D2に一致する自身の板幅方向に間隔をあけて、詳しく後述する接続板部33を挟んで一対形成されていることで、接続板部33を挟んで土台長さ方向D2の両側に一つずつ配置されている。これらアンカー用貫通孔31aは、上側フランジ対向板部30のボルト孔30aと対応するように、このボルト孔30aと土台長さ方向D2、および土台幅方向D3に略同じ位置に設けられている。
【0027】
また各々のアンカー用貫通孔31aは、対応する下側フランジ11のアンカー挿通孔11aに対して土台長さ方向D2、および土台幅方向D3に略同じ位置に設けられており、アンカー2の上端を挿通させている。そしてアンカー2の雄ネジ20aに対して下側フランジ対向板部31の上側からナット320を螺合させることで、高さ方向D1に、土台本体1の下側フランジ11および補強部材3の下側フランジ対向板部31に対してアンカー2を固定し、下側フランジ11から下方に延びるように土台本体1にアンカー2が垂下された状態となっている。
【0028】
ここで土台長さ方向D2に並ぶ二つのアンカー用貫通孔31aにおける中心O1同士の距離を孔間距離dと定義し、土台本体1にアンカー2を設置した状態においてアンカー2を土台幅方向D3から見た際に、アンカー2における上部領域20の中心軸線O2から下部領域21の先端21xまでの土台長さ方向D2の距離をアンカー2の最大幅寸法wと定義したとき、w>d/2を満足している。
【0029】
(ウェブ対向板部)
ウェブ対向板部32は、上側フランジ対向板部30と下側フランジ対向板部31とを接続し、かつ、土台本体1のウェブ12に対して自身の表面が接触するように対向配置されている。よってウェブ対向板部32は、自身から上側フランジ対向板部30と下側フランジ対向板部31を土台幅方向D3に突出させており、上側フランジ対向板部30および下側フランジ対向板部31とともにウェブ対向板部32を土台長さ方向D2から見た場合には、これらの部材が全体として略U字状をなしている(
図3参照)。
【0030】
またウェブ対向板部32には、自身を板厚方向、すなわち土台幅方向D3に貫通するボルト孔32aが形成されている(
図3参照)。ボルト孔32aは、高さ方向D1に間隔をあけて対をなして形成され、かつ、これら対をなすボルト孔32aの組は、土台長さ方向D2に、詳しく後述する接続板部33を挟んで両側にさらに対をなして設けられている。よってボルト孔32aは、ウェブ対向板部32において合計四か所に設けられている。ウェブ対向板部32は、ウェブ12を貫通するボルト挿通孔12a(
図3参照)を通じて、ボルト孔32aに挿通されるボルト330によってウェブ12に固定されている。本実施形態においては、ウェブ12を挟んで土台幅方向D3の両側に配置される二つの補強部材3におけるウェブ対向板部32同士が、ボルト330およびこれに螺合するナット340によってウェブ12を挟持した状態で互いに固定されている。なおボルト330による固定に加えて、ウェブ対向板部32はウェブ12に対して溶接により固定されてもよい。
【0031】
またウェブ対向板部32は、上側フランジ対向板部30および下側フランジ対向板部31に比べて板厚寸法が小さくなっており、ウェブ対向板部32の板厚寸法t2は、例えば4.5mm以上6.0mm以下となっている(
図3参照)。すなわちウェブ対向板部32の板厚寸法t2は上側フランジ対向板部30および下側フランジ対向板部31の板厚寸法t1の3/8倍以上1/2倍以下となっている。
【0032】
(接続板部)
接続板部33は、ウェブ対向板部32から、ウェブ対向板部32の板厚方向に一致する土台幅方向D3に立設されており、自身の板厚方向が土台長さ方向D2に一致するように配置されている。接続板部33は、上側フランジ対向板部30と下側フランジ対向板部31とを、土台長さ方向D2に一致する上側フランジ対向板部30および下側フランジ対向板部31の板幅方向の中途位置(ちょうど中間の位置)で接続している。また接続板部33は、上側フランジ対向板部30および下側フランジ対向板部31と略同じ突出寸法で、ウェブ対向板部32から土台幅方向D3に突出している。接続板部33の板厚寸法t3は、フランジ対向板部30、31の板厚寸法t1にくらべて小さくなっている。接続板部33の板厚寸法t3は、例えば4.5mm以上6.0mm以下となっている。すなわち接続板部33の板厚寸法t3はフランジ対向板部30、31の板厚寸法t1の3/8倍以上1/2倍以下となっており、本実施形態では接続板部33の板厚寸法t3はウェブ対向板部32の板厚寸法t2と同一となっている。
【0033】
(基礎施工方法)
次に
図3および
図4を参照し、上述した構成の土台構造物100を使用して建物の基礎200を構築する基礎施工方法について詳しく説明する。
はじめに、地面に捨てコンクリートを打設することで水平方向に広がる基礎構築面Mを形成する工程(支持面形成工程)を実行する。その後、土台構造物100を基礎構築面M上に支持する工程(土台配置工程)を実行する。この工程では、基礎構築面Mの上方に基礎構築面Mと高さ方向D1に間隔をあけて土台本体1を配置し、基礎構築面Mと土台本体1の下側フランジ11の下面との間に土台支持治具Gを設け、この土台支持治具Gによって土台構造物100を基礎構築面M上に支持する。
【0034】
土台支持治具Gは高さ方向D1に伸縮可能な構造を有しており、土台構造物100を基礎構築面M上に支持する際には、土台本体1の上側フランジ10の上面が水平となるように(水平面上に配置されるように)土台支持治具Gの長さを調整する。
【0035】
ここで土台構造物100を基礎構築面M上に支持する工程(土台配置工程)の後(前でもよい)に、補強部材3を土台本体1に設置する工程(補強工程)を実行する。この工程では、土台本体1の上側フランジ10と下側フランジ11との間の領域Xに補強部材3を設ける。補強部材3は土台本体1のウェブ12を挟んで両側の領域Xにそれぞれ設けられる。
【0036】
その後、土台本体1にアンカー2を設置する工程(アンカー設置工程)を実行する。この工程は、上記補強工程の後に実行されればよく、上記土台配置工程の後(前でもよい)に実行される。この工程では、アンカー2を、土台本体1の下側フランジ11におけるアンカー挿通孔11a、および補強部材3の下側フランジ対向板部31におけるアンカー用貫通孔31aに挿通させ、補強部材3における下側フランジ対向板部31の上側からアンカー2の雄ネジ20aにナット320を螺合させ、アンカー2の上部領域20を補強部材3に固定することで土台本体1からアンカー2が下方に延びるように土台本体1からアンカー2を垂下させる。またこの際、上述のようにアンカー2の下部領域21が上部領域20から土台長さ方向D2に向かって湾曲するようにアンカー2を土台本体1に設置する。なおアンカー2と土台支持治具Gとは互いに干渉しない位置において土台本体1に設けられる。
【0037】
次に鉄筋を配筋する工程(配筋工程)を実行する。すなわち、土台本体1と基礎構築面Mとの間の領域となる立ち上がり部領域S(
図2参照)においてアンカー2の周囲に立ち上がり部鉄筋205を配筋する。立ち上がり部鉄筋205は、土台長さ方向D2に延びる複数の主筋205aと、これら主筋205aを外側から囲むように環状に設けられた複数の帯筋205bとによって構成されている。
【0038】
その後、建物の基礎200を構築する工程(基礎構築工程)を実行する。この工程では、立ち上がり部領域Sを土台幅方向D3の両側から挟み込むようにして、立ち上がり部領域Sの土台幅方向D3の両側にそれぞれ型枠Kを設置し、これら型枠K同士の間にコンクリートを打設することで立ち上がり部210を形成する。型枠Kはその後撤去される。これにより立ち上がり部210の上面に土台構造物100が設けられ、これらが一体となって構成された基礎200が構築される。この際、アンカー2、立ち上がり部鉄筋205、および土台支持治具Gは立ち上がり部210内に埋設されることで基礎200の一部となる。
【0039】
このようにして基礎200を構築した後に、土台本体1の上側フランジ10に対して上側から柱300を設置する工程(柱設置工程)を実行し、最終的に建物を建築する。柱300を設置する工程では、ボルト310を補強部材3の上側フランジ対向板部30のボルト孔30a、および土台本体1の上側フランジ10のボルト挿通孔10aに対して下側から挿通させるとともに柱300に設けられた後述する角ナット403に螺合させ、柱300を土台本体1に柱300を固定する。
【0040】
ここでこの柱300は高さ方向D1に延びる筒状をなし、高さ方向D1に一致する自身の長手方向の端面300aに端部開口300xを形成している。本実施形態において柱300は、自身の長手方向に直交する断面が四角形状(正方形状)をなす角型鋼管柱となっている。そして柱300の端面300aには、端部開口300xを閉塞するようにジョイント部材400が突き合わせ溶接によって接合されている。
【0041】
ところで
図5に示すようにジョイント部材400は、高さ方向D1から見て四角形状(正方形状)をなして柱300における端面300aおよび端部開口300x(
図3,
図4参照)を覆う板状のベース体402と、ベース体402上に設けられた角ナット403と、ベース体402上で角ナット403の自転を規制するナット自転規制体404と、角ナット403をベース体402上に保持するナット保持体405とを備えている。角ナット403は、ベース体402における四つの隅部の近傍においてベース体402に形成された貫通孔402aに対応する位置にそれぞれ配置され、ベース体402の面方向となる土台長さ方向D2および土台幅方向D3へベース体402に対して若干の移動が許容された状態で設けられている。ジョイント部材400が柱300に接合された状態では、角ナット403は柱300の内側の空間に配置されるようになっている。
【0042】
そして土台本体1に柱300を設置する際には、補強部材3の上側フランジ対向板部30におけるボルト孔30a、および土台本体1の上側フランジ10におけるボルト挿通孔10aに挿通された各々のボルト310を、このジョイント部材400の対応する角ナット403に螺合させる。
【0043】
(作用効果)
以上説明した本実施形態の土台構造物100、および土台構造物100を用いた基礎200の施工方向によれば、事前にアンカー2を設置した土台構造物100を準備し、土台構造物100の下方にコンクリートを打設して立ち上がり部210を形成することで、土台構造物100と立ち上がり部210とを一体とすることにより、容易に基礎200を構築できる。これに加え、土台本体1に設けられたアンカー2は、土台本体1において土台長さ方向D2に湾曲するように設けられている。このため、立ち上がり部210に埋設された際のアンカー2の周囲のコンクリートの量を確保でき、立ち上がり部210への土台構造物100の固定力を十分に得ることが可能となる。この結果、工期の短縮を図りつつも、強固な基礎を構築することが可能となる。
【0044】
さらには、柱300をアンカー2の上方に設けるとともに、補強部材3を用いて柱300とアンカー2とを土台長さ方向D2に同じ位置で土台本体1に設けている。このため、強度が要求される部分を補強部材3で補強しつつ、柱300およびアンカー2を集約して土台本体1に設けることができ、設置作業の容易化を図り工期の短縮につながる。
【0045】
また補強部材3では、ウェブ対向板部32の板厚寸法t2が、上側フランジ対向板部30および下側フランジ対向板部31の板厚寸法t1にくらべて小さくなっているため、高さ方向D1に柱300およびアンカー2から土台本体1に作用する荷重を受ける上側フランジ対向板部30および下側フランジ対向板部31については板厚を大きくして強度を確保できる一方、柱300およびアンカー2から作用する荷重が比較的小さいウェブ対向板部32については板厚を小さくして補強部材3の重量を抑えることができる。さらには、ウェブ対向板部32の板厚寸法t2を薄くすることで、ボルト310およびナット320の設置スペースを大きく確保することができる。
【0046】
また補強部材3では、同様に接続板部33の板厚寸法t3が上側フランジ対向板部30および下側フランジ対向板部31の板厚寸法t1にくらべて小さくなっているため、必要な強度を確保しつつも補強部材3の重量を抑えることができ、かつ、ボルト310、330およびナット320、340の設置スペースを大きく確保することができる。
【0047】
仮に複数の板を溶接によって接合して補強部材3を形成した場合には、溶接ビードが形成されてしまう。この場合、溶接ビードへのボルト310、330およびナット320、340の干渉を回避するためには補強部材3の寸法を大きくしなければならない。しかし本実施形態では補強部材3が鋳物となっているため、溶接ビードは存在せず、補強部材3のコンパクト化が可能である。
【0048】
さらに補強部材3の接続板部33を挟んで下側フランジ対向板部31の板幅方向の両側に設置されるアンカー2(2A、2B)の下部領域21(21A、21B)同士が、互いに離れる側に湾曲するようにアンカー2が設置されている。このため、アンカー2の下部領域21周りのコンクリート量を、各々のアンカー2において確保することができ、十分な支持力を発生させることができる。
【0049】
そして本実施形態では、各々の補強部材3において土台長さ方向D2に近接配置されたアンカー2(2A、2B)のアンカーの最大幅寸法wと、下側フランジ対向板部31におけるアンカー用貫通孔31aにおける中心O1同士の孔間距離dとが「w>d/2」を満足するため、アンカー2(2A、2B)同士を土台長さ方向D2に同じ側に湾曲するように誤って設置することができなくなり、施工ミスを回避することができる。
【0050】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、上記実施形態おける各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0051】
例えば柱300に代え、土台構造物100の上側に、高さ方向D1から見てアンカー2と重なる位置に梁を設けてもよい。
【0052】
また土台長さ方向D2に近接するアンカー2同士は、必ずしも土台長さ方向D2に逆側に湾曲するように設けられなくともよい。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明の建物の基礎施工方法、これを備えた建物の建築方法、および建物の土台構造物によれば、工期の短縮を図りつつ強固な基礎を構築することが可能である。
【符号の説明】
【0054】
1…土台本体(土台)
2(2A、2B)…アンカー
3…補強部材
10…上側フランジ
11…下側フランジ
11a…アンカー挿通孔
12…ウェブ
20(20A、20B)…上部領域
21(21A、21B)…下部領域
30…上側フランジ対向板部
31…下側フランジ対向板部
31a…アンカー用貫通孔
32…ウェブ対向板部
33…接続板部
100…土台構造物
200…基礎
205…立ち上がり部鉄筋
210…立ち上がり部
300…柱
403…角ナット
D1…高さ方向
D2…土台長さ方向
D3…土台幅方向
G…土台支持治具
K…型枠
M…基礎構築面
S…立ち上がり部領域
【要約】
【課題】工期の短縮を図りつつ強固な基礎を構築することが可能な建物の基礎施工方法、建物の建築方法、および建物の土台構造物を提供する。
【解決手段】
土台支持治具Gによって土台本体1を基礎構築面M上に支持する土台配置工程と、土台本体1から下方に延びるように土台本体1にアンカー2を設置するアンカー設置工程と、アンカー2の周囲に立ち上がり部鉄筋を配筋する配筋工程と、立ち上がり部領域に立ち上がり部210を形成して立ち上がり部210と土台本体1とが一体となった基礎200を構築する基礎構築工程とを備え、アンカー設置工程では、アンカー2として、上部領域20が高さ方向D1に延び、下部領域21が上部領域20に対して湾曲または屈曲するJ型アンカーまたはL型アンカーを用いるとともに、下部領域21が上部領域20から土台長さ方向D2に向かって湾曲または屈曲するようにアンカー2を設置する。
【選択図】
図4