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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-20
(45)【発行日】2024-11-28
(54)【発明の名称】車両部品取引の支援装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20241121BHJP
【FI】
G06Q30/0601 310
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023117073
(22)【出願日】2023-07-18
【審査請求日】2023-08-07
(73)【特許権者】
【識別番号】517268980
【氏名又は名称】ユニオンエタニティ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 貴史
(74)【代理人】
【識別番号】100225347
【弁理士】
【氏名又は名称】鬼澤 正徳
(72)【発明者】
【氏名】安部 哲史
(72)【発明者】
【氏名】高野 良太
【審査官】牧 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-187125(JP,A)
【文献】特開2002-183410(JP,A)
【文献】特開2004-094360(JP,A)
【文献】特開2018-073335(JP,A)
【文献】特開2002-041987(JP,A)
【文献】特開2023-072438(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0011352(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の部品の情報が当該部品のカテゴリ、車両の種別、及び前記種別の車両に対する当該部品の適合度と関連付けられて含まれる適合度情報が格納されるよう構成された適合データベースと、
車両の種別を受信するよう構成された種別受信部と、
部品のカテゴリを受信するよう構成されたカテゴリ受信部と、
前記適合度情報に基づいて車両に対する部品の適合度を算出し、算出された適合度を適合データベースに登録するよう構成された適合度算出部と、
前記適合データベースから、前記カテゴリに属し、前記種別の車両に適合する適合部品に係る2以上の適合度情報を抽出するよう構成された抽出部と、
前記適合度に基づいて並べられた前記抽出された適合度情報に係る部品の表示を指令するよう構成された表示指令部と、
を備え
前記適合データベースは、前記部品の情報に当該部品の取引に係る取引情報がさらに関連付けられた前記適合度情報を格納するよう構成され、
前記表示指令部は、前記取引情報の表示を指令するよう構成され、
前記適合度算出部は、前記適合度の算出を、前記取引情報に基づいて機械学習するよう構成され、
前記機械学習は、取引後の所定期間に返品がなかった取引に係る取引情報をより高い適合度を支持する訓練データとして扱い、取引後の所定期間に返品があった取引に係る取引情報をより低い適合度を支持する訓練データとして扱う機械学習である、
車両部品取引の支援装置。
【請求項2】
車両の部品の情報が当該部品のカテゴリ、車両の種別、及び前記種別の車両に対する当該部品の適合度と関連付けられて含まれる適合度情報が格納されるよう構成された適合データベースと、
車両の種別を受信するよう構成された種別受信部と、
部品のカテゴリを受信するよう構成されたカテゴリ受信部と、
前記適合度情報に基づいて車両に対する部品の適合度を算出し、算出された適合度を適合データベースに登録するよう構成された適合度算出部と、
前記適合データベースから、前記カテゴリに属し、前記種別の車両に適合する適合部品に係る2以上の適合度情報を抽出するよう構成された抽出部と、
前記適合度に基づいて並べられた前記抽出された適合度情報に係る部品の表示を指令するよう構成された表示指令部と、
を備え、
1の部品の画像と他の部品の画像との類似度を算出するよう構成される類似度算出部をさらに備え、
前記適合データベースは、前記部品の画像を含む前記適合度情報を格納するよう構成され、
前記適合度算出部は、車両に対する適合度が算出される被算出部品の画像と前記適合データベースに登録された前記車両に取り付け可能な所定部品の画像との類似度及び適合度情報に基づいて車両に対する前記部品の適合度を算出するよう構成される、
支援装置。
【請求項3】
前記部品と関連付けられた前記適合度及び前記部品と関連付けられた前記取引情報に基づいて前記部品の価格を算出するよう構成された価格算出部をさらに備える、
請求項2に記載の支援装置。
【請求項4】
車両の種別及び前記種別の車両から取得可能な部品が関連付けられた車両情報が格納されるよう構成された車両データベースをさらに備え、
前記表示指令部は、前記車両データベースに基づいて、前記種別受信部において受信された種別の車両から取得可能な部品の前記価格の表示を指令するよう構成される、
請求項3に記載の支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両部品取引の支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
在庫として所持している車両パーツ(車両部品)をリサイクル部品として販売したいとの要望がある一方、修理のために必要な車両部品を調達したいとの要望もある。そのため、車両部品を販売したい者と調達したい者との間で取引を行う需要がある。しかしながら、車両部品が多種多様かつ複雑であることから、専門知識を持たない者が車両部品を取引することは、容易でない。そのため、車両部品の取引は、通常、車両に関する専門的な知識を有する専門業者(部品販売業者)による仲介を受けて行われる。このような事情により、車両部品の取引を支援する手段が求められている。
【0003】
車両パーツの取引を支援する手段に関し、特許文献1は、互いに通信可能なホストコンピューター、顧客端末及び在庫会社端末を利用して顧客からの商品の発注前に該商品の適合性を判断する適合チェックシステムであり、該顧客端末内に、顧客が購入希望する商品に関係する個別データを記憶する個別データ記憶手段と、検索することが可能な商品を表示する商品表示手段と、検索された商品の商品データを前記ホストコンピューター内の在庫データ記憶手段から受信して表示する商品データ表示手段と、該検索された商品の適合チェックが必要か不要かを質問して選択させる適合チェック選択手段と、前記適合チェックが必要と選択された場合に、適合チェック請求及び前記個別データを前記在庫会社端末へ送信する適合チェック指令手段と、前記在庫会社端末から受信した適合又は不適合の旨を表示する適不適表示手段と、適合する旨の表示された商品の発注データを前記ホストコンピューター又は他のコンピューターへ送信して発注する発注手段と、を備えた適合チェックシステムを開示している。特許文献1の技術によれば、顧客が商品を検索選択し発注する前に、その商品を保有する在庫会社により顧客の選択した商品が顧客にとって適合商品か否かをチェックしてもらい得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-122458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の技術は、在庫会社による適合するか否かのチェックを発注前に行い得るにとどまる。よって、特許文献1の技術は、車両に関する専門的な知識を有する者の手を逐一煩わせることなく迅速に車両部品の取引が行えるよう支援する点において、さらなる改良の余地がある。
【0006】
本発明は係る事情にかんがみてなされたものであり、その目的は、車両に関する専門的な知識を有する者の手を逐一煩わせることなく迅速に車両部品の取引が行えるよう支援することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、車両の種別に係る情報等を用いて車両部品を検索し、自動的に算出された適合度に基づいて検索結果を並べて表示すること等によって、上記の目的を達成できることを見いだした。そして、本発明者らは、本発明を完成させるに至った。具体的に、本発明は以下のものを提供する。
【0008】
本発明は、車両の部品の情報が当該部品のカテゴリ、車両の種別、及び前記種別の車両に対する当該部品の適合度と関連付けられて含まれる適合度情報が格納されるよう構成された適合データベースと、車両の種別を受信するよう構成された種別受信部と、部品のカテゴリを受信するよう構成されたカテゴリ受信部と、前記適合度情報に基づいて車両に対する部品の適合度を算出するよう構成された適合度算出部と、前記適合度データベースから、前記カテゴリに属し、前記種別の車両に適合する適合部品に係る2以上の適合度情報を抽出するよう構成された抽出部と、前記適合度に基づいて並べられた前記抽出された適合度情報に係る部品の表示を指令するよう構成された表示指令部と、を備える、車両部品取引の支援装置を提供する。
【0009】
本発明の適合データベースには、車両に対する部品の適合度が格納される。これにより、本発明は、受信したカテゴリに属し、受信した種別の車両に適合する適合部品に係る2以上の適合度情報を適合度に基づいて並べ替えて表示できる。これにより、取引を希望する取引者は、いわゆるメーカー純正品の情報の他に、当該純正品の代替品として車両に取付け可能な代替品についての情報を得られる。よって、取引者は、車両に関する専門的な知識を有していなくても、部品販売業者による仲介を受けることなく、メーカー純正品だけでなく代替品を含めて車両部品を検討し、適合度、価格その他の条件を総合的に考慮した取引を行える。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、車両に関する専門的な知識を有する者の手を逐一煩わせることなく迅速に車両部品の取引が行えるよう支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本実施形態の車両部品取引の支援システムSにおけるハードウェア構成及びソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、適合データベース121に格納される適合度情報の一例である。
図3図3は、適合データベース121に格納される各情報の関係の一例を示す図である。
図4図4は、本実施形態のシステムSにおける商品取引処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5図5は、本実施形態の支援装置1で実行される支援処理の好ましい流れの一例を示すメインフローチャートである。
図6図6は、図5から続く図である。
図7図7は、図6から続く図である。
図8図8は、図7から続く図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下は、本発明の実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明するものである。
【0013】
<システムS>
図1は、本実施形態の車両部品取引の支援システムSにおけるハードウェア構成及びソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。以下、図1を用いて本実施形態の車両部品取引の支援システムS(システムS)におけるハードウェア構成及びソフトウェア構成の好ましい態様の一例が説明される。車両部品取引の支援システムSは、支援装置1と、支援装置1とネットワークNを介して通信するよう構成可能な購入者端末P、決済サーバD、販売者端末Vとを含んで構成される。
【0014】
〔支援装置1〕
支援装置1は、制御部11、記憶部12、及び通信部13等を備える。支援装置1の種類は、特に限定されない。該種類として、例えば、サーバ、クラウドサーバ等が挙げられる。本実施形態の支援装置1は、車両に対する部品の適合度を算出し、算出された適合度に基づく部品の表示を指令する。
【0015】
[適合度]
本開示において、車両に対する部品の「適合度」は、当該部品が当該車両に取り付けて利用可能であるかを示す指標一般を指す。「高い適合度」は、当該指標の数値としての大小等によらず、当該部品が当該車両に取り付けて利用できる蓋然性が高いこと又は実際に取り付けて利用できることを示す。「低い適合度」は、当該指標の数値としての大小等によらず、当該部品が当該車両に取り付けて利用できる蓋然性が低いこと又は実際に取り付けて利用できなかったことを示す。
【0016】
[制御部11]
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等を備える。
【0017】
制御部11は、必要に応じて記憶部12及び/又は通信部13と協働する。そして、制御部11は、支援装置1で実行される本実施形態のプログラムのソフトウェア構成要素である、類似度算出部111、種別受信部112、カテゴリ受信部113、適合度算出部114、抽出部115、価格算出部116、表示指令部117等を実現する。本実施形態のプログラムのソフトウェア構成要素それぞれが提供する機能は、後述する支援処理の好ましい流れの説明において示される。
【0018】
[記憶部12]
記憶部12は、データ及び/又はファイルが記憶される装置であって、ハードディスク、半導体メモリ、記録媒体、及びメモリカード等によるデータのストレージ部を有する。
【0019】
記憶部12は、ネットワークNを介してNAS、SAN、クラウドストレージ、ファイルサーバ及び/又は分散ファイルシステム等の記憶装置又は記憶システムとの接続を可能にする仕組みを有してもよい。
【0020】
記憶部12には、マイクロコンピューターで実行されるプログラム、適合データベース121、車両データベース122、2以上の画像の類似度を判別可能なニューラルネットワーク(類似度判別ニューラルネットワーク)、車両に対する部品の適合度を算出可能なニューラルネットワーク(適合度算出ニューラルネットワーク)、車両部品の適切な取引価格を算出可能なニューラルネットワーク(価格算出ニューラルネットワーク)等が記憶されている。
【0021】
(適合データベース121)
適合データベース121には、適合度情報が格納される。適合度情報には、車両の部品を識別可能な識別情報が当該部品のカテゴリ、車両の種別、及び前記種別の車両に対する当該部品の適合度と関連付けられて含まれる。また、適合度情報は、識別情報に係る部品の取引に係る取引情報を含むことが好ましい。取引情報が適合度情報に含まれることにより、支援装置1は、部品の価格を算出できる。
【0022】
識別情報として、例えば、各種の部品に対して一意に割り当てられた番号である部品管理番号が挙げられる。また、カテゴリとして、例えば、各種の部品を類別に区分する類別区分番号が挙げられる。適合度情報には、部品の識別に係る情報として、部品管理番号、類別区分番号の他、部品の画像、部品マイナー情報、部品本体色、部品メーカー名、部品メーカー品番、メーカー純正品番、代替品番、品名コード、部品名等が含まれていてもよい。
【0023】
種別として、例えば、車両の型式を指定する型式指定番号が挙げられる。適合度情報には、車両の識別に係る情報として、型式指定番号の他、メーカーに認定された型式名である認定型式、認定型式以外の型式名である通称型式、略式型式、及び分類型式、メーカーコード、車名コード、車名、車両タイプ、年式、グレード、エンジン型式、トランスミッション型式、エンジン仕様、並びにミッション区別等が含まれていてもよい。
【0024】
取引情報として、部品が新品であるかリサイクル品であるかの部品区分、在庫状況、品質、小売価格、数量、販売及び返品に係る情報、並びに送料に係る情報等が挙げられる。
【0025】
適合度は、車両に対して部品が適合する度合いを示すものであれば特に限定されない。適合度は、例えば、純正品及び純正品の完全な同等品を0とし、代替品において純正品との違いに応じた絶対値となる実数等で表される。適合度がこのような実数で表されることにより、適合度に関するデータベース処理及び演算処理が容易となる。
【0026】
図2は、適合データベース121に格納される適合度情報の一例である。図2に示す適合度情報では、車両の部品を識別可能な識別情報として部品管理番号「4215270500」、品名コード(部品No)「7050」、及び部品名「ドライバーシート」が含まれ、当該識別情報に、部品のカテゴリとして類別区分番号「6」、車両の種別としてメーカーコード「7」、車名コード「8100」、車名「XXX」、年式「2003年7月」、車両タイプ「3HB」、グレード「A 4WD」、外装色「銀」、カラーNo「S28」、トリムNo「FAS4」、及び型式指定番号「11683」、車両の種別「YYY」に対する適合度「0.1」、部品区分「リサイクル品」、在庫ステータス「製品化済」、備考1「手動」、備考2「全体汚れ/シワ/ヘタレ有り/破れ/穴」、更新日「2021/11/24 9:49」、並びに、取引情報としてネット価格「8000円」及び在庫店所在地「北海道」がそれぞれ対応付けられている。また、図2に示す適合度情報では、識別情報に対応付けられた部品の画像(図示せず)は、「5」枚である。
【0027】
これにより、支援装置1は、適合度情報、とりわけ、適合度情報に含まれる情報のうち車名、型式指定番号、類別区分番号に基づいて、車両に対する部品の適合度を算出できる。また、支援装置1は、識別情報に対応付けられた部品の画像に基づいて、適合度を算出できる。
【0028】
適合データベース121は、リレーショナルデータベースであることが好ましい。当該リレーショナルデータベースは、部品(パーツ)に係る情報、当該部品と対応する車両の種別(車種)に係る情報、当該部品を製造したメーカーに係る情報、当該部品の仕様(パーツ仕様)に係る情報、当該部品の状態、当該部品の購入履歴が関連付けられて格納されるデータベースであることが好ましい。なお、購入履歴は、上述の取引情報の一例である。
【0029】
図3は、適合データベース121に格納される各情報の関係の一例を示す図である。図3に示す例において、パーツに係る情報は、車種に係る情報、メーカーに係る情報、及びパーツ仕様に係る情報とそれぞれ1対1対応する。また、パーツ仕様に係る情報は、パーツの状態に係る情報と1対1対応する。そして、購入履歴に係る情報は、パーツに係る情報、車種に係る情報、メーカーに係る情報、及びパーツ仕様に係る情報と多対1対応する。
【0030】
これにより、パーツに係る情報、車種に係る情報、メーカーに係る情報、パーツ仕様に係る情報、及びパーツの状態に係る情報は、適合データベース121において、一貫性がある一組の情報として管理される。よって、支援装置1は、パーツのカテゴリ及び/又は車両の種別に基づいて、これらの情報を抽出できる。また、支援装置1は、上述の一組の情報で示されるパーツについて、複数の購入履歴を関連付けて適合データベース121に管理させることができる。これにより、支援装置1は、当該購入履歴の多寡を用いて、適合度を算出できる。
【0031】
(車両データベース122)
車両データベース122は、車両の種別及び当該種別の車両から取得可能な部品が関連付けられた車両情報が格納されるよう構成される。車両データベース122は、適合データベース121と一体に構成されていてもよく、別体に構成されていても良い。
【0032】
適合データベース121と一体に構成された車両データベース122では、車両の種別に係る情報を用いて適合度情報に含まれる部品の情報を抽出する。当該構成では、部品に係る情報が一体に構成されたデータベースで管理されることにより、データベースのコンシステンシー管理が容易となる。
【0033】
適合データベース121と別体に構成された車両データベース122には、車両の種別に係る情報と当該車両に含まれる部品とが関連付けられて格納される。当該構成では、車両から取得可能な部品を抽出する処理が適合データベース121に係る処理と独立して行われる。これにより、データベースの処理負荷が低減される。
【0034】
[通信部13]
通信部13は、支援装置1をネットワークNに接続して購入者端末P、決済サーバD、販売者端末V等と通信可能にするものであれば特に限定されない。通信部13として、例えば、携帯電話ネットワークに対応した無線装置、無線LANに接続可能なデバイス、及びイーサネット規格に対応したネットワークカード等が挙げられる。
【0035】
〔ネットワークN〕
ネットワークNの種類は、支援装置1と購入者端末P、決済サーバD、販売者端末V等とを互いに通信可能にするものであれば特に限定されない。ネットワークNの種類は、例えば、インターネット、携帯電話ネットワーク、無線LAN等である。
【0036】
〔購入者端末P〕
購入者端末Pは、例えば、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等である。購入者端末Pは、支援装置1から提供された情報を表示する処理、ユーザインタフェースを介した購入者の入力を支援装置1に提供する処理等を実行可能である。
【0037】
〔決済サーバD〕
決済サーバDは、例えば、サーバ、クラウドサーバ等が挙げられる。決済サーバDは、購入者端末P、システムS、販売者端末Vとの間における決済に係る処理を実行するよう構成されていれば、特に限定されない。決済サーバDは、例えば、クレジットカード会社のサーバである。
【0038】
〔販売者端末V〕
販売者端末Vは、例えば、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等である。販売者端末Vは、支援装置1から提供された情報を表示する処理、ユーザインタフェースを介した販売者の入力を支援装置1に提供する処理等を実行可能である。
【0039】
〔商品取引処理の流れ〕
図4は、本実施形態のシステムSにおける商品取引処理の流れの一例を示すフローチャートである。図4に示されたステップSP1に先駆けて、支援装置1は、購入者に指定された種別の車両に取付け可能な車両部品の情報を購入者端末Pに表示させる。取付け可能な車両部品の情報を購入者端末Pに表示させる処理は、後に図5から図8を用いて詳細に説明される。
【0040】
[ステップSP1:商品を注文]
続いて、ステップSP1において、購入者は、表示された情報に基づいて、支援装置1に商品(車両部品)を注文する。支援装置1は、当該注文に係る取引に対応するインスタンスを生成し、処理をステップSP2に移す。
【0041】
[ステップSP2:決済処理を要求]
ステップSP2において、支援装置1は、決済サーバDに決済処理を要求する。決済サーバDは、当該決済に係るインスタンスを生成し、決済処理を行う。決済処理は、特に限定されず、従来技術の電子取引に係る決済の処理と同様でよい。決済サーバDは、処理をステップSP3に移す。
【0042】
[ステップSP3:決済処理の結果を返す]
ステップSP3において、決済サーバDは、支援装置1に決済処理の結果を返し、当該決済に係るインスタンスを終了させる。支援装置1は、処理をステップSP4に移す。
【0043】
[ステップSP4:商品を発送するよう指示]
ステップSP4において、支援装置1は、決済処理が成功したとの結果に基づいて、商品を発送するよう販売者端末Vに指示する。販売者端末Vは、当該発送に係るインスタンスを生成し、商品を発送する処理を行う。商品を発送する処理は、特に限定されず、従来技術の通信販売に係る商品を発送する処理と同様でよい。販売者端末Vは、処理をステップSP4に移す。
【0044】
[ステップSP5:商品の発送完了を報告]
ステップSP5において、販売者端末Vは、商品の発送完了を支援装置1に報告し、当該発送に係るインスタンスを終了させる。支援装置1は、処理をステップSP6に移す。
【0045】
[ステップSP6:仮売上の確定を要求]
ステップSP6において、支援装置1は、決済サーバDに仮売上の確定を要求する。決済サーバDは、当該仮売上の確定に係るインスタンスを生成し、仮売上の確定処理を行う。仮売上の確定処理は、特に限定されず、従来技術の電子取引に係る仮売上の確定処理と同様でよい。決済サーバDは、処理をステップSP7に移す。
【0046】
[ステップSP7:決済処理の結果を返す]
ステップSP7において、決済サーバDは、支援装置1に仮売上の確定処理の結果を返し、当該仮売上の確定に係るインスタンスを終了させる。
【0047】
[ステップSP8:商品を発送する]
ステップSP8は、ステップSP4からステップSP5までの間に行われるステップである。ステップSP8において、販売者端末Vを利用する販売者は、購入者端末Pを利用する購入者に商品を発送する。商品を発送する処理は、特に限定されない。当該処理は、ネットワークNを介して商品の発送元に発送を指示する情報を送る手順、販売者端末Vを介さない各種の手法で商品の発送を指示又は実行する手順等を含む。
【0048】
〔支援処理のメインフローチャート〕
図5は、本実施形態の支援装置1で実行される支援処理の好ましい流れの一例を示すメインフローチャートである。図6は、図5から続く図である。図7は、図6から続く図である。図8は、図7から続く図である。以下は、図5から図8を用いた、本実施形態の支援装置1で実行される支援処理の好ましい流れの一例である。
【0049】
支援装置1は、適合度が算出される被算出部品の画像と最適部品の画像との類似度を算出し、算出された類似度及び適合度情報に基づいて車両に対する部品の適合度を算出する処理を実行することが好ましい。以下に示すステップS1からステップS4は、当該処理の好ましい流れの一例である。
【0050】
[ステップS1:類似度を算出するか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、類似度算出部111を実行する。そして、制御部11は、類似度算出部111により、特定の種別の車両における純正品等によって例示される最適部品と特定の部品との類似度を算出するか判別する処理を実行する(ステップS1、類似度算出要否判別ステップ)。算出すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS2に移す。算出すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS5に移す。
【0051】
類似度算出要否判別ステップは、特に限定されない。当該ステップは、例えば、購入者端末P等の端末から特定の部品(適合度が算出される被算出部品)が特定の種別の車両に取付け可能であるか尋ねられた場合に、類似度を算出すると判別する手順等を含む。また、当該ステップは、特定の種別の車両への適合度が未算出の部品がある場合に、当該部品を被算出部品として類似度を算出すると判別する手順等を含む。これにより、支援装置1は、適合度が手動登録されていない部品と車両の種別との組合せ、後述の適合度に係る機械学習が行われていない部品と車両の種別との組合せについて、適合度を自動的に登録できる。
【0052】
[ステップS2:画像を取得]
制御部11は、類似度算出部111により、ステップS1において算出対象であると判別された種別の車両に取付け可能な所定部品の画像及び被算出部品の画像を適合データベース121等から取得する処理を実行する(ステップS2、画像取得ステップ)。制御部11は、処理をステップS3に移す。
【0053】
[ステップS3:類似度を算出]
制御部11は、類似度算出部111により、ステップS2で取得された所定部品の画像及び被算出部品の画像の類似度を算出する処理を実行する(ステップS3、類似度算出ステップ)。制御部11は、処理をステップS4に移す。
【0054】
類似度算出ステップは、特に限定されない。類似度算出ステップは、上述の類似度判別ニューラルネットワークを用いて類似度を算出する手順を含むことが好ましい。部品の画像は、撮影環境、撮影のアングル、画角、ズーム等によって例示される撮影に係る諸元が一定でない場合がある。一方、類似度判別ニューラルネットワークは、撮影に係る諸元が一定でない画像間の類似度を算出可能であるよう構築される。よって、類似度判別ニューラルネットワークを用いることにより、撮影に係る諸元が一定でない画像間の類似度を算出できる。
【0055】
[ステップS4:適合度情報を更新]
制御部11は、類似度算出部111により、ステップS3で類似度が算出された被算出部品に係る適合度情報を更新する処理を実行する(ステップS4、適合度情報更新ステップ)。制御部11は、処理をステップS5に移す。適合度情報更新ステップは、ステップS3で算出された類似度に基づいて算出された適合度を含むよう、被算出部品に係る適合度情報を更新する。なお、ここでいう「算出された適合度」は、ステップS1において判別対象となった「特定の種別の車両」に「被算出部品」を取り付ける場合の適合度を指す。
【0056】
支援装置1は、車両の価値を見積り、見積もられた価値を表示する処理を実行することが好ましい。以下に示すステップS5からステップS9は、当該処理の好ましい流れの一例である。
【0057】
[ステップS5:車両の価値を見積るか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、車両の価値を見積もるか判別する処理を実行する(ステップS5、価値見積有無判別ステップ)。見積もると判別したならば、制御部11は、処理をステップS6に移す。見積もると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS10に移す。価値見積有無判別ステップは、例えば、販売者端末Vから車両の価値の見積もりに係るリクエストがあった場合に車両の価値を見積ると判別する手順等を含む。
【0058】
[ステップS6:種別を受信]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、種別受信部112を実行する。そして、制御部11は、種別受信部112により、販売者端末V等から車両の種別を受信する処理を実行する(ステップS6、種別受信ステップ)。制御部11は、処理をステップS7に移す。種別受信ステップで受信される「種別」は、特に限定されず、例えば、車両の種別に係る「型式指定番号」「車名」「グレード」「年式」等の1以上が含まれる。
【0059】
[ステップS7:取得可能な部品を抽出]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、抽出部115を実行する。そして、制御部11は、抽出部115により、ステップS6で受信された種別の車両から取得可能な1以上の部品を車両データベース122から抽出する処理を実行する(ステップS7、部品抽出ステップ)。制御部11は、処理をステップS8に移す。
【0060】
[ステップS8:価格を算出]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、価格算出部116を実行する。そして、制御部11は、価格算出部116により、ステップS7で抽出された1以上の部品それぞれの取引価格として適正な価格を算出する処理を実行する(ステップS8、車両価格算出ステップ)。制御部11は、処理をステップS9に移す。
【0061】
[ステップS9:表示を指令]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、表示指令部117を実行する。そして、制御部11は、表示指令部117により、ステップS8で算出された適正な価格の表示を販売者端末V等に指令する処理を実行する(ステップS9、価格表示指令ステップ)。制御部11は、処理をステップS10に移す。
【0062】
価格表示指令ステップは、部品の取引価格の合計を表示可能であることが好ましい。これにより、販売者等は、在庫として保有する車両の価値を、当該車両から取得可能な部品の価値も含めて見積もれる。
【0063】
支援装置1は、指定された種別の車両に適合する部品を一覧表示するよう指令する処理を実行することが好ましい。以下に示すステップS10からステップS16は、当該処理の好ましい流れの一例である。
【0064】
[ステップS10:車両部品の購入が希望されたか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、車両部品の購入が希望されたか判別する処理を実行する(ステップS10、購入希望有無判別ステップ)。希望されたと判別したならば、制御部11は、処理をステップS11に移す。希望されたと判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS17に移す。購入希望有無判別ステップは、例えば、購入者端末Pから車両部品の検索に係るリクエストがあった場合に車両部品の購入が希望されたと判別する手順等を含む。
【0065】
[ステップS11:種別を受信]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、種別受信部112を実行する。そして、制御部11は、種別受信部112により、購入者端末P等から車両の種別を受信する処理を実行する(ステップS11、種別受信ステップ)。制御部11は、処理をステップS12に移す。種別受信ステップで受信される「種別」は、特に限定されず、例えば、車両の種別に係る「型式指定番号」「車名」「グレード」「年式」等の1以上が含まれる。
【0066】
[ステップS12:カテゴリを受信]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、カテゴリ受信部113を実行する。そして、制御部11は、カテゴリ受信部113により、購入者端末P等から購入が希望される部品が属するカテゴリを受信する処理を実行する(ステップS12、カテゴリ受信ステップ)。制御部11は、処理をステップS13に移す。
【0067】
カテゴリ受信ステップにおいて受信される「カテゴリ」は、特に限定されない。カテゴリは、支援装置1からの指令によって購入者端末Pに表示されたカテゴリ一覧から選択されたカテゴリ、購入者端末Pから提供された部品名、パーツID等に基づいて支援装置1から提供された当該部品名に関連するカテゴリの候補一覧から選択されたカテゴリ等でよい。また、カテゴリ受信ステップは、購入者端末Pから提供された部品名、パーツID等を受信し、受信された部品名に基づいてカテゴリを判別する手順を含んでもよい。
【0068】
[ステップS13:適合度を算出]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、適合度算出部114を実行する。そして、制御部11は、適合度算出部114により、ステップS11で受信された種別の車両に対するステップS12で受信されたカテゴリに属する部品それぞれの適合度を算出する処理を実行する(ステップS13、適合度算出ステップ)。制御部11は、処理をステップS14に移す。
【0069】
適合度算出ステップは、特に限定されない。適合度算出ステップは、例えば、ステップS11で受信された種別に関する情報(「型式指定番号」「車名」「グレード」「年式」等)及びステップS12で受信されたカテゴリに関する情報(「類別区分番号」「パーツID」等)を検索キーとして適合データベース121を検索し、特定の車名で検索しているユーザの検索情報を元に適合度を算出する手順を含む。これにより、支援装置1は、より多くのユーザが検索している車両の種別と部品との組合せにおいては当該部品が当該種別の車両に適合するとの適合度を算出できる。
【0070】
適合度算出ステップは、純正品と算出対象となる部品との適合度情報における車名、型式指定番号、及び類別区分番号それぞれの類似度を算出し、算出された類似度に重み付けをして合計して適合度mを算出する手順を含むことが好ましい。当該手順として、例えば、車名の類似度(s1)、型式指定番号の類似度(s2)、及び類別区分番号の類似度(s3)それぞれを0(完全に適合する類似度)以上、1(全く適合しない類似度)以下の範囲で算出し、m=w1×s1+w2×s2+w3×s3の式で適合度mを算出する手順が挙げられる。ただし、w1は車名に係る所与の重みであり、w2は型式指定番号に係る所与の重みであり、w3は類別区分番号に係る所与の重みであり、w1+w2+w3=1である。また、適合度mは、値0が問題なく適合する高い適合度に相当し、値1が全く適合しない低い適合度に相当する指標である。
【0071】
また、適合度算出ステップは、適合度算出ニューラルネットワークに基づいて適合度に基づいて適合度を算出する手順を含んでもよい。これにより、支援装置1は、後述する取引情報を用いた機械学習が反映された適合度を算出できる。
【0072】
加えて、適合度算出ステップは、ステップS1からステップS4において例示した画像間の類似度に基づいて算出された適合度を用いて適合度を算出する手順を含んでもよい。これにより、支援装置1は、検索情報及び取引情報を利用できない場合であっても、適合度を算出できる。なお、適合度の算出が困難な部品についても適合度を示すべく、適合度算出ステップは、部品の適合度を当該部品の販売者に問い合わせるフォームを表示する手順を含んでもよい。
【0073】
[ステップS14:適合度情報を抽出]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、抽出部115を実行する。そして、制御部11は、抽出部115により、ステップS13で算出された適合度が所定の基準を満たす適合度情報を抽出する処理を実行する(ステップS14、抽出ステップ)。制御部11は、処理をステップS15に移す。所定の基準は、例えば、システムSの管理者によって設定された基準、適合度算出ニューラルネットワークによって定められた基準等でよい。
【0074】
支援処理は、ステップS15の価格算出ステップを含むことが好ましい。専門知識を持たない者がリサイクル品等を含む車両部品を適切な価格で取引することには、困難があり得る。支援処理が価格算出ステップを含むことにより、支援装置1は、車両部品が適切な価格で取引されるよう支援できる。
【0075】
[ステップS15:価格を算出]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、価格算出部116を実行する。そして、制御部11は、価格算出部116により、ステップS14で抽出された適合度情報に対応する車両部品の取引価格として適正な価格を算出する処理を実行する(ステップS15、価格算出ステップ)。制御部11は、処理をステップS16に移す。
【0076】
価格算出ステップは、特に限定されない。価格算出ステップは、例えば、適合データベース121に格納された取引情報に含まれる過去の取引価格に基づいて適正な価格を算出する手順を含む。また、価格算出ステップは、適合データベース121に格納された取引情報に基づく適正な取引価格算出の機械学習が行われた価格算出ニューラルネットワークを用いて適正な価格を算出する手順を含んでもよい。
【0077】
[ステップS16:表示を指令]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、表示指令部117を実行する。そして、制御部11は、表示指令部117により、ステップS14で抽出された適合度情報に係る部品を、ステップS13で算出された適合度に基づいて並べた一覧の表示を購入者端末P等に指令する処理を実行する(ステップS16、表示指令ステップ)。制御部11は、処理をステップS17に移す。
【0078】
適合度に基づく並びは、特に限定されない。当該並びは、例えば、車両に適合する度合いが高い部品から車両に適合する度合いが低い部品となる並びでよい。これにより、購入者等は、車両により適合する部品から取引の検討を進めることができる。一覧の表示は、各部品が車両に適合するか否かの情報が添えられた表示であることが好ましい。部品が車両に適合するか否かの情報は、例えば、適合度が所与の基準を満たす場合に車両に適合すると示す情報である。これにより、購入者は、車両に関する専門的な知識を有していなくとも、適合する部品を選んで購入できる。
【0079】
表示指令ステップは、ステップS15で算出された適正な価格が添えられた部品の一覧の表示を指令する手順を含むことが好ましい。これにより、購入者は、車両に関する専門的な知識を有していなくとも、購入を希望する部品を適正な価格で取引できる。
【0080】
[車両部品の販売]
ステップS16で表示された車両部品のうち1以上の車両部品を購入するリクエストを購入者端末P等から受信した場合、支援装置1は、車両部品の販売に係る処理を実行する。当該処理において、購入者は、車両部品の発送方法、決済方法等を選択する。購入者が選択すると、支援装置1の制御部11は、処理をステップS17に移す。
【0081】
支援装置1は、車両部品の取引に係る情報を蓄積し、蓄積された当該情報に基づいて適合度等に係る機械学習を行う処理を実行することが好ましい。以下に示すステップS17からステップS22は、当該処理の好ましい流れの一例である。
【0082】
[ステップS17:取引が成立したか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、車両部品の取引が成立したか判別する処理を実行する(ステップS17、取引成立判別ステップ)。成立したと判別したならば、制御部11は、処理をステップS18に移す。成立したと判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS19に移す。
【0083】
[ステップS18:取引情報を更新]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、ステップS17で成立したと判別された取引に係る情報が含まれるよう取引情報を更新する処理を実行する(ステップS18、取引成立更新ステップ)。制御部11は、処理をステップS19に移す。
【0084】
なお、取引が成立した場合において、制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、販売者端末Vに発送準備の指令を送信する。販売者が発送準備を完了すると、支援装置1は、購入者端末Pに発送完了を通知する。
【0085】
[ステップS19:返品が行われたか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、車両部品の返品が行われたか判別する処理を実行する(ステップS19、返品判別ステップ)。行われたと判別したならば、制御部11は、処理をステップS20に移す。行われたと判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS21に移す。
【0086】
[ステップS20:取引情報を更新]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、ステップS19で行われたと判別された返品に係る情報が含まれるよう取引情報を更新する処理を実行する(ステップS20、返品更新ステップ)。制御部11は、処理をステップS21に移す。
【0087】
[ステップS21:機械学習を行うか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働して、機械学習を行うか判別する処理を実行する(ステップS21、機械学習判別ステップ)。行うと判別したならば、制御部11は、処理をステップS22に移す。行うと判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS1に戻し、ステップS1からステップS22の処理を繰り返す。
【0088】
機械学習判別ステップは、システムSの管理者によって指定されたタイミング等の所定のタイミングであれば機械学習を行うと判別する手順、取引情報の更新量がシステムSの管理者によって指定された量等の所定量に達していれば機械学習を行うと判別する手順等の各種の手順を含んでよい。
【0089】
[ステップS22:機械学習を実行]
制御部11は、記憶部12と協働して、適合度算出部114を実行する。そして、制御部11は、適合度算出部114により、記憶部12に格納されたニューラルネットワークに係る機械学習を実行する処理を実行する(ステップS22、機械学習ステップ)。制御部11は、処理をステップS1に戻し、ステップS1からステップS22の処理を繰り返す。
【0090】
機械学習ステップにおける機械学習は、特に限定されない。当該機械学習は、例えば、取引後の所定期間に返品がなかった取引に係る取引情報をより高い適合度を支持する訓練データとして扱い、取引後の所定期間に返品があった取引に係る取引情報をより低い適合度を支持する訓練データとして扱う機械学習である。当該機械学習は、ニューラルネットワークを用いた機械学習に限定されず、返品がなかった取引の数cと返品があった取引rの数とを変数として用いる数式によって適合度mを算出又は修正する機械学習等であってもよい。当該数式として、例えば、m=max(0,r-c)等が挙げられる。ただし、当該数式によって求められる適合度mは、純正品の適合度を0とし、車両に適合しない度合いが高いほど大きな値を取る。
【0091】
[販売を希望する車両部品の登録]
支援処理は、販売を希望する車両部品に係る情報を適合データベース121に登録する処理を含むことが好ましい。これにより、販売者端末Vを利用する販売者等は、支援装置1を介して当該車両部品を取引できる。購入者に部品の外観を提供すべく、当該登録に係る処理は、車両部品の画像を登録する手順を含むことが好ましい。また、当該登録に係る処理は、車両部品の希望販売価格を登録する手順を含むことが好ましい。車両部品の希望販売価格を登録する手順において、支援装置1は、価格算出部116において算出された価格の表示を指令することが好ましい。これにより、販売者は、取引情報が反映された適切な希望販売価格で車両部品を出品できる。
【0092】
当該登録に係る処理は、販売者の労力を低減すべく、CSVフォーマット等の各種フォーマットのデータを介して一括で登録する手順を含むことが好ましい。また、当該登録に係る処理は、既存データを活用し、手入力による既存データとの間の矛盾を防ぎ、販売者の労力を低減すべく、支援装置1又はシステムSと異なる車両管理システムからデータを取り込む手順を含むことが好ましい。
【0093】
[適合車両の判別]
支援処理は、指定された車両部品を取り付け可能な適合車両を判別する処理を含むことが好ましい。当該処理は、例えば、指定された車両部品及び適合データベース121において当該車両部品に関連する車両の種別の組合せそれぞれについて、適合度算出ステップと同様の手順で適合度を算出し、抽出ステップと同様の手順で算出された適合度が所定の基準を満たす適合度情報を抽出する手順を含む。これにより、取引者は、車両に関する専門的な知識を有していなくても、メーカー純正品として利用可能な車種・年式等の車両だけでなくその代替品として利用可能な車両を含めて取り付け対象の車種・年式等の車両を検討し、適合度、価格その他の条件を総合的に考慮した取引を行える。また、当該処理は、上述の「販売を希望する車両部品に係る情報を登録する処理」において算出される価格に適合車両に取り付けた場合の価値を反映させることにも寄与し得る。
【0094】
[適合度情報の登録]
支援処理は、適合度情報を登録する処理を含むことが好ましい。これにより、車両への取り付けを実際に試みた上で判断された適合度等のより的確な適合度が適合データベース121に格納される。また、支援処理は、適合データベース121に格納された適合度情報を手動で更新する処理を含むことが好ましい。これにより、画像間の類似度、機械学習等によって誤って算出された適合度、取引価格等がより適切なものに修正される。
【0095】
[支援処理の効果]
本実施形態の支援処理は、受信したカテゴリに属し、受信した種別の車両に適合する適合部品に係る2以上の適合度情報を適合度に基づいて並べ替えて表示するよう指令する。これにより、購入者端末Pを利用する購入者等の取引を希望する取引者は、いわゆるメーカー純正品の情報の他に、当該純正品の代替品として車両に取り付け可能な代替品についての情報を得られる。よって、取引者は、車両に関する専門的な知識を有していなくても、部品販売業者による仲介を受けることなく、メーカー純正品だけでなく代替品を含めて車両部品を検討し、適合度、価格その他の条件を総合的に考慮した取引を行える。
【0096】
<使用例>
以下は、支援装置1の使用例の説明である。
【0097】
〔適合度情報の登録〕
支援装置1の管理者、販売者端末Vの利用者等は、特定の種別の車両に取り付けることが可能な車両部品又は取り付けることができない車両部品に係る適合度情報を、適合データベース121に登録する。また、支援装置1の管理者、販売者端末Vの利用者等は、車両部品の画像を適合データベース121に登録する。
【0098】
〔画像に基づく適合度の算出〕
支援装置1は、適合データベース121に登録された画像の類似度を算出し、算出された類似度に基づいて適合度を算出する。そして、支援装置1は、算出された適合度を適合データベース121に登録する。
【0099】
〔車両部品の価値確認〕
車両部品の販売を希望する販売者は、販売者端末Vを介して、販売を希望する車両部品の取得元となる車両の種別に係る情報を支援装置1に送信する。支援装置1は、車両データベース122に格納された情報及び適合データベース121に格納された情報を用いて、当該種別の車両から取得可能な部品それぞれの取引価格を算出する。支援装置1は、算出された価格を販売者端末Vに表示させる。販売者は、表示された価格を用いて車両部品を販売するか否かを総合的に検討し、車両部品を販売する。
【0100】
〔車両部品の検索〕
車両部品の購入を希望する購入者は、購入者端末Pを介して、当該車両部品を取り付けようとしている車両の種別に係る情報と、当該車両部品のカテゴリに係る情報とを支援装置1に送信する。支援装置1は、購入者端末Pを介して送信された情報を受信する。そして、支援装置1は、適合データベース121に格納された情報を用いて、当該種別の車両と車両部品との適合度を算出する。支援装置1は、算出された適合度を用いて並べられた当該種別の車両に取り付け可能な車両部品の一覧を購入者端末Pに表示させる。
【0101】
〔車両部品の購入〕
購入者は、購入者端末Pに表示された車両部品の一覧を用いて価格、適合度等を総合的に検討し、車両部品を購入する。支援装置1は、決済サーバD及び販売者端末Vと通信して、購入者と販売者との間における当該車両部品の取引を仲介する。支援装置1は、当該車両部品の取引が成立したとの取引情報を適合データベース121に格納する。
【0102】
〔車両部品の返品〕
購入者は、購入した車両部品の取り付けを試みる。そして、購入者は、車両に取り付けできなかった車両部品を、支援装置1を介して返品する。支援装置1は、当該車両部品が返品されたとの取引情報を適合データベース121に格納する。
【0103】
〔適合度の機械学習〕
支援装置1は、取引後の所定期間に返品がなかった取引に係る取引情報をより高い適合度を支持する訓練データとして扱い、取引後の所定期間に返品があった取引に係る取引情報をより低い適合度を支持する訓練データとして扱う機械学習を行う。これにより、支援装置1は、返品されることなく多くの数が取引された車種・部品の組み合わせについて高い適合度であると算出し、返品が多い車種・部品の組み合わせについて高い適合度であると算出できる。
【0104】
なお、本発明の思想の範疇において、当業者であれば各種の変更例及び修正例に想到し得るものである。よって、それら変更例及び修正例は、本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の実施の形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0105】
S システム
1 支援装置
11 制御部
111 類似度算出部
112 種別受信部
113 カテゴリ受信部
114 適合度算出部
115 抽出部
116 価格算出部
117 表示指令部
12 記憶部
121 適合データベース
122 車両データベース
13 通信部
N ネットワーク
P 購入者端末
D 決済サーバ
V 販売者端末

【要約】      (修正有)
【課題】車両に関する専門的な知識を有する者の手を逐一煩わせることなく迅速に車両部品の取引が行えるよう支援すること。
【解決手段】本発明の車両部品取引の支援装置1は、車両の部品の情報が当該部品のカテゴリ、車両の種別、及び種別の車両に対する当該部品の適合度と関連付けられて含まれる適合度情報が格納されるよう構成された適合データベース121と、車両の種別を受信するよう構成された種別受信部112と、部品のカテゴリを受信するよう構成されたカテゴリ受信部113と、適合度情報に基づいて車両に対する部品の適合度を算出するよう構成された適合度算出部114と、適合データベースから、カテゴリに属し、種別の車両に適合する適合部品に係る2以上の適合度情報を抽出するよう構成された抽出部115と、適合度に基づいて並べられた抽出された適合度情報に係る部品の表示を指令するよう構成された表示指令部117と、を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8