(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-20
(45)【発行日】2024-11-28
(54)【発明の名称】チップレイアウトからチップモデルを確立する方法、装置及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G06F 30/398 20200101AFI20241121BHJP
H01L 21/00 20060101ALI20241121BHJP
H01L 21/82 20060101ALI20241121BHJP
H01L 21/822 20060101ALI20241121BHJP
H01L 27/04 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
G06F30/398
H01L21/00
H01L21/82 Z
H01L27/04 Z
(21)【出願番号】P 2023569762
(86)(22)【出願日】2022-08-05
(86)【国際出願番号】 CN2022110576
(87)【国際公開番号】W WO2023024872
(87)【国際公開日】2023-03-02
【審査請求日】2023-11-09
(31)【優先権主張番号】202110964800.5
(32)【優先日】2021-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522479212
【氏名又は名称】▲蘇▼州▲貝▼克▲微▼▲電▼子股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】周 承
【審査官】三沢 岳志
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-098006(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第113168086(CN,A)
【文献】特開2014-135517(JP,A)
【文献】特開平10-177937(JP,A)
【文献】特開2010-097369(JP,A)
【文献】特開2000-114521(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0113968(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第111339724(CN,A)
【文献】槌本 尚ほか,“イオンビーム打込みによるpn接合の形成”,真空,1968年,第11巻, 第2号,pp.54-60
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/398
H01L 21/00
H01L 21/82
H01L 21/822
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チップレイアウトからチップモデルを確立する方法であって、前記方法は、
モデリング対象のチップのレイアウト内にマスクを決定し、イオン注入プロセス又は堆積プロセスを含む、前記マスクの現在位置するプロセスステップを識別するステップと、
前記プロセスステップに適応する濃度計算方法を用いて、半導体基板材料における前記マスクに対応するイオン注入材料の拡散濃度分布と
第1距離指標との相関関係を決定し、
前記第1距離指標は、イオン注入の中心位置との距離を表し、及び半導体基板材料の表面における前記マスクに対応する堆積材料の拡散濃度分布と
第2距離指標との相関関係を決定
し、前記第2距離指標は、堆積された成形物の表面から基板の表面までの距離を表すステップと、
前記相関関係に基づき、前記
マスク上のプロセス構造形状に対応する拡散モデルを確立し、前記拡散モデルと前記プロセス構造形状の組み合わせを前記モデリング対象のチップのモデリング結果とするステップ
であって、前記プロセス構造形状に対応する拡散モデルを確立することは、前記相関関係に基づき、前記プロセス構造形状における基準濃度値を決定することと、前記基準濃度値を複数の離散濃度値に分割し、前記相関関係に基づき、各前記離散濃度値の対応する離散距離をそれぞれ計算することと、各前記離散距離のサブ拡散モデルを生成し、各前記サブ拡散モデルの組み合わせを前記プロセス構造形状に対応する拡散モデルとすることと、を含むことを特徴とするチップレイアウトからチップモデルを確立する方法。
【請求項2】
モデリング対象のチップのレイアウト内にマスクを決定するステップは、
前記モデリング対象のチップ内の各部品のタイプを識別し、各部品のタイプに基づき前記各部品にマッチングするサブマスクを得、前記各部品にマッチングするサブマスクを組み合わせてモデリング対象のチップのレイアウトを形成した後に、多層マスクを自動的に生成し、前記自動的に生成された多層マスクを決定されたマスクとするステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記マスクの現在位置するプロセスステップを識別するステップは、
前記マスクが実現する機能に応じて、前記マスクに名前を付け、前記マスクの名称に対応するプロセスステップを前記マスクの現在位置するプロセスステップとするステップであって、前記プロセスステップは対応する番号を備えるステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
半導体基板材料における前記マスクに対応するイオン注入材料の拡散濃度分布と距離指標との相関関係を決定するステップは、
前記半導体基板材料におけるイオン注入中に生成される第1イオン濃度分布を計算するステップと、
イオン注入後のアニール期間に、前記半導体基板材料における拡散効果に基づき生成される第2イオン濃度分布を計算するステップであって、前記第2イオン濃度分布は拡散係数及びアニール時間と対応する関係を有するステップと、
前記第1イオン濃度分布及び前記第2イオン濃度分布に基づき、前記半導体基板材料における拡散濃度分布と
前記第1距離指標との相関関係を生成するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1イオン濃度分布は次の式で表され、
前記第2イオン濃度分布は次の式で表され、
前記拡散濃度分布と
前記第1距離指標との相関関係は次の式で表され、
ここで、C
1(x)は前記第1イオン濃度分布、C
2(x)は前記第2イオン濃度分布、C(x,t)は前記拡散濃度分布と距離指標との相関関係、xは前記
第1距離指標、tはアニール時間、Dは拡散係数、Qはイオンの注入量、Rpは平均投影範囲、ΔRpは平均投影範囲の標準偏差を表すことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
半導体基板材料の表面における前記マスクに対応する堆積材料の拡散濃度分布と距離指標との相関関係を決定するステップは、
前記半導体基板材料の表面の外部拡散濃度分布及び自己拡散濃度分布をそれぞれ計算するステップと、
前記外部拡散濃度分布及び前記自己拡散濃度分布に基づき、前記半導体基板材料の表面に堆積された後の拡散濃度分布と
前記第2距離指標との相関関係を生成するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記外部拡散濃度分布は次の式で表され、
前記自己拡散濃度分布は次の式で表され、
前記堆積された後の拡散濃度分布と
前記第2距離指標との相関関係は次の式で表され、
ここで、C
e(x,t
1)は前記外部拡散濃度分布、C
zは前記自己拡散濃度分布、C(x,t
1)は堆積された後の拡散濃度分布と距離指標との相関関係、erfcは相補誤差関数、xは前記
第2距離指標、t
1は堆積時間、Cは基板濃度、D
1は堆積時の拡散係数、C
sは有効基板表面濃度、Lは拡散長さ、C(back)は裏面の自己拡散による濃度定数を表すことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
各前記離散距離のサブ拡散モデルを生成するステップは、
前記プロセス構造形状の表面に複数の基準点を選択し、前記基準点を球心、前記離散距離を半径、前記プロセス構造形状の表面を直径面として、前記基準点に対応する半球体を生成するステップと、
各前記基準点に対応する半球体の和集合を前記離散距離のサブ拡散モデルとするステップと、を含むことを特徴とする請求項
1に記載の方法。
【請求項9】
各前記離散距離のサブ拡散モデルを生成するステップは、
前記プロセス構造形状の表面に複数の第1基準点を選択し、前記プロセス構造形状の頂点及びエッジに複数の第2基準点を選択するステップと、
前記第1基準点を端点、前記離散距離を長さ、前記プロセス構造形状の表面を垂直面として、前記第1基準点に対応する垂直線分を形成し、各前記垂直線分上の前記プロセス構造形状から離れる端点に基づき、1つ又は複数の三角形面を構成するステップと、
前記第2基準点を球心、前記離散距離を半径、前記プロセス構造形状の表面を直径面として、前記第2基準点に対応する半球体を生成するステップと、
各前記三角形面と各前記第2基準点に対応する半球体の和集合を前記離散距離のサブ拡散モデルとするステップと、を含むことを特徴とする請求項
1に記載の方法。
【請求項10】
メモリ及びプロセッサを含み、前記メモリは、前記プロセッサにより実行されると、上記請求項1~
9のいずれか1項に記載の方法を実現するコンピュータプログラムを記憶することに用いられることを特徴とするチップレイアウトからチップモデルを確立する装置。
【請求項11】
電子機器により実行されると、上記請求項1~
9のいずれか1項に記載の方法を電子機器に実現させるコンピュータ実行可能命令が記憶されることを特徴とする不揮発性コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年08月23日に中国特許庁に提出された、出願番号が202110964800.5で、名称が「EDAソフトウェアでチップの三次元拡散モデルを確立するモデリング方法」である中国特許出願の優先権を主張しており、その全内容が引用によって本願に組み込まれている。
【0002】
本願は、電気デジタルデータ処理の技術分野に関し、具体的には、チップレイアウトからチップモデルを確立する方法、装置及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
チップレイアウトをレンダリングするための従来のEDA(Electronic design automation、電子設計自動化)ソフトウェアでは、通常、チップレイアウト内の各層のマスク(又は、maskと呼ばれる)の構造のみ生成でき、又はいくつかの予め定義された規則的な形状を使用してチップの三次元モデルをシミュレートすることができる。しかしながら、チップの実際の製造過程では、プロセスの影響のため、半導体基板材料内又は表面に不規則な形状が出現することが多く、このような不規則な形状は従来のEDAソフトウェアで予想及びモデリングすることができない。その結果、従来のEDAソフトウェアがチップをモデリングする際に、得られるモデリング結果は常にチップの実際の構造と一致せず、より正確なモデリング効果を達成することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに鑑みて、本願の実施形態は、チップのモデリング結果をチップの実際の構造と一致させ、より正確なモデリング効果を達成できるチップレイアウトからチップモデルを確立する方法、装置及び記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の第1態様によれば、モデリング対象のチップのレイアウト内にマスクを決定し、前記マスクの現在位置するプロセスステップを識別するステップと、前記プロセスステップに適応する濃度計算方法を用いて、半導体基板材料内又は表面における前記マスクに対応するイオン注入材料又は堆積材料の拡散濃度分布と距離指標との相関関係を決定するステップと、前記マスク上のプロセス構造形状を識別し、前記相関関係に基づき、前記プロセス構造形状に対応する拡散モデルを確立し、前記拡散モデルと前記プロセス構造形状の組み合わせを前記モデリング対象のチップのモデリング結果とするステップと、を含むチップレイアウトからチップモデルを確立する方法を提供する。
【0006】
1つの実施形態では、モデリング対象のチップのレイアウト内にマスクを決定するステップは、前記モデリング対象のチップ内の各部品のタイプを識別し、各部品のタイプに基づき前記各部品にマッチングするサブマスクを得、前記各部品にマッチングするサブマスクを組み合わせてモデリング対象のチップのレイアウトを形成した後に、多層マスクを自動的に生成し、前記自動的に生成された多層マスクを決定されたマスクとするステップを含む。
【0007】
1つの実施形態では、前記マスクの現在位置するプロセスステップを識別するステップは、前記マスクが実現する機能に応じて、前記マスクに名前を付け、前記マスクの名称に対応するプロセスステップを前記マスクの現在位置するプロセスステップとするステップであって、前記プロセスステップは対応する番号を備えるステップを含む。
【0008】
1つの実施形態では、半導体基板材料内又は表面における前記マスクに対応するイオン注入材料又は堆積材料の拡散濃度分布と距離指標との相関関係を決定するステップは、前記プロセスステップがイオン注入プロセスである場合、前記半導体基板材料におけるイオン注入中に生成される第1イオン濃度分布を計算するステップと、イオン注入後のアニール期間に、前記半導体基板材料における拡散効果に基づき生成される第2イオン濃度分布を計算するステップであって、前記第2イオン濃度分布は拡散係数及びアニール時間と対応する関係を有するステップと、
前記第1イオン濃度分布及び前記第2イオン濃度分布に基づき、前記半導体基板材料における拡散濃度分布と、イオン注入の中心位置との距離を表す距離指標との相関関係を生成するステップと、を含む。
【0009】
1つの実施形態では、前記第1イオン濃度分布は次の式で表され、
前記第2イオン濃度分布は次の式で表され、
前記拡散濃度分布と距離指標との相関関係は次の式で表され、
ここで、C
1(x)は前記第1イオン濃度分布、C
2(x)は前記第2イオン濃度分布、C(x,t)は前記拡散濃度分布と距離指標との相関関係、xは前記距離指標、tはアニール時間、Dは拡散係数、Qはイオンの注入量、Rpは平均投影範囲、ΔRpは平均投影範囲の標準偏差を表す。
【0010】
1つの実施形態では、半導体基板材料内又は表面における前記マスクに対応するイオン注入材料又は堆積材料の拡散濃度分布と距離指標との相関関係を決定するステップは、前記プロセスステップが堆積プロセスである場合、前記半導体基板材料の表面の外部拡散濃度分布及び自己拡散濃度分布をそれぞれ計算するステップと、前記外部拡散濃度分布及び前記自己拡散濃度分布に基づき、前記半導体基板材料の表面に堆積された後の拡散濃度分布と、堆積された成形物の表面から基板の表面までの距離を表す距離指標との相関関係を生成するステップと、を含む。
【0011】
1つの実施形態では、前記外部拡散濃度分布は次の式で表され、
前記自己拡散濃度分布は次の式で表され、
前記堆積された後の拡散濃度分布と距離指標との相関関係は次の式で表され、
ここで、C
e(x,t
1)は前記外部拡散濃度分布、C
zは前記自己拡散濃度分布、C(x,t
1)は堆積された後の拡散濃度分布と距離指標との相関関係、erfcは相補誤差関数、xは前記距離指標、t
1は堆積時間、Cは基板濃度、D
1は堆積時の拡散係数、C
sは有効基板表面濃度、Lは拡散長さ、C(back)は裏面の自己拡散による濃度定数を表す。
【0012】
1つの実施形態では、前記プロセス構造形状に対応する拡散モデルを確立するステップは、
前記相関関係に基づき、前記プロセス構造形状における基準濃度値を決定するステップと、
前記基準濃度値を複数の離散濃度値に分割し、前記相関関係に基づき、各前記離散濃度値の対応する離散距離をそれぞれ計算するステップと、
各前記離散距離のサブ拡散モデルを生成し、各前記サブ拡散モデルの組み合わせを前記プロセス構造形状に対応する拡散モデルとするステップと、を含む。
【0013】
1つの実施形態では、各前記離散距離のサブ拡散モデルを生成するステップは、
前記プロセス構造形状の表面に複数の基準点を選択し、前記基準点を球心、前記離散距離を半径、前記プロセス構造形状の表面を直径面として、前記基準点に対応する半球体を生成するステップと、各前記基準点に対応する半球体の和集合を前記離散距離のサブ拡散モデルとするステップと、を含む。
【0014】
1つの実施形態では、各前記離散距離のサブ拡散モデルを生成するステップは、前記プロセス構造形状の表面に複数の第1基準点を選択し、前記プロセス構造形状の頂点及びエッジに複数の第2基準点を選択するステップと、前記第1基準点を端点、前記離散距離を長さ、前記プロセス構造形状の表面を垂直面として、前記第1基準点に対応する垂直線分を形成し、各前記垂直線分上の前記プロセス構造形状から離れる端点に基づき、1つ又は複数の三角形面を構成するステップと、前記第2基準点を球心、前記離散距離を半径、前記プロセス構造形状の表面を直径面として、前記第2基準点に対応する半球体を生成するステップと、各前記三角形面と各前記第2基準点に対応する半球体の和集合を前記離散距離のサブ拡散モデルとするステップと、を含む。
【0015】
本願の第2態様によれば、メモリ及びプロセッサを含み、前記メモリは、前記プロセッサにより実行されると、前記第1態様によるいずれか1方法を実現するコンピュータプログラムを記憶することに用いられる、チップレイアウトからチップモデルを確立する装置を提供する。
【0016】
本願の第3態様によれば、電子機器により実行されると、前記第1態様によるいずれか1方法を電子機器に実現させるコンピュータ実行可能命令が記憶される不揮発性コンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本願に係る技術的解決手段は、モデリング対象のチップのレイアウト内のマスクに対して、マスクが実際に位置するプロセスステップに応じて、適応する濃度計算方法を選択し、半導体基板材料内又は表面におけるマスクに対応するイオン注入材料又は堆積材料の拡散濃度分布と距離指標との相関関係を決定することができる。その後、マスク上のプロセス構造形状及び上記相関関係を組み合わせて、該プロセス構造形状に対応する拡散モデルを確立することができる。該拡散モデルとプロセス構造形状の組み合わせは、モデリング対象のチップのモデリング結果とすることができる。このことからわかるように、本願は、モデリング対象のチップをモデリングする際に、半導体基板材料内又は表面の実際の拡散濃度分布を考慮して、該拡散濃度分布に基づき決定された拡散モデルは実際のプロセスステップにマッチングすることができ、それにより、より正確なチップモデルを確立することができる。
【0018】
図面を参照することにより、本願の特徴及び利点をより明確に理解することができ、図面は、概略的なものであって、本願を限定するものとして理解されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本願の一実施形態におけるチップレイアウトからチップモデルを確立する方法の概略図である。
【
図2】本願の一実施形態におけるイオン注入プロセスでの濃度分布の概略図である。
【
図3】本願の一実施形態における堆積プロセスでの濃度分布の概略図である。
【
図4】本願の一実施形態における中性子拡散モデルのモデリングの概略図である。
【
図5】本願の一実施形態に係る電子装置のハードウェア構成の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本願の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下に本願の実施例の図面に参照して、本願の実施例における技術的解決手段を明確に完全に説明する。明らかに、説明される実施例は本願の一部の実施例であり、すべての実施例ではない。本願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労力をせずに得る他のすべての実施例は本願の保護の範囲に属する。
【0021】
図1を参照すると、本願の一実施形態に係るチップレイアウトからチップモデルを確立する方法は、ステップS1~ステップS3という複数のステップを含んでもよい。
【0022】
S1:モデリング対象のチップのレイアウト内にマスクを決定し、前記マスクの現在位置するプロセスステップを識別する。
【0023】
本実施形態では、研究開発者がEDAソフトウェアでモデリング対象のチップのレイアウトをレンダリングする際に、EDAソフトウェアはレイアウト内の各部品を自動的に識別し、各部品のタイプに応じて前記各部品に対応するサブマスクを得て、MOSトランジスタの場合、通常、P型基板、N型ウェル、P型ベース領域、N型高濃度ドープ拡散領域及びP型高濃度ドープ拡散領域等の多層構造が含まれてもよく、上記多層構造は多層サブマスクで構成され、その後、各部品に対応するサブマスクを組み合わせて完全なモデリング対象のチップのレイアウトを形成した後に、EDAソフトウェアは、多層マスクを自動的に生成し、該自動的に生成された多層マスクはモデリング対象のチップのレイアウトで決定されたマスクとする。
【0024】
本実施形態では、EDAソフトウェアはマスクを得た後に、マスクの機能を識別し続けることができる。マスクが実現する機能に応じて、EDAソフトウェアはマスクに自動的に名前を付けることができる。例えば、各層のマスクは、TOP層、P-セノパレータ、第1金属層、第2金属層、コンタクトホール層、N+注入層、コンデンサ誘電体層、P-埋め込み層、P型ベース領域層、ディープNウェル層、P-活性領域層、P+注入層、PAD酸化物層開口層、N型埋め込み層及びスルーホール層等の名前を付けることができる。そのうち、異なる名称はプロセスフロー中の異なるプロセスステップに対応できる。マスクの名称に対応するプロセスステップは、該マスクの現在位置するプロセスステップとすることができる。通常、プロセスフローにおいて、複数のプロセスステップがあり、これらのプロセスステップは所定の順に実行できる。これに鑑みて、プロセスフローにおけるマスクのプロセスステップの順序に従って、マスクに番号を付けることができる。番号が小さいほど、プロセスステップの実行順序が前であることを示す。
【0025】
S2:前記プロセスステップに適応する濃度計算方法を用いて、半導体基板材料内又は表面における前記マスクに対応するイオン注入材料又は堆積材料の拡散濃度分布と距離指標との相関関係を決定する。
【0026】
本実施形態では、チップの製造過程で、半導体基板材料内又は表面における不規則な形状はほとんどイオン注入や堆積により引き起こされ、従って、イオン注入や堆積による不規則な形状に対してそれぞれ三次元モデリングを行うことができる。実際の応用では、各マスクをイオン注入プロセス又は堆積プロセスに従ってグループ化することができる。例えば、N+注入層及びP+注入層等をいずれもイオン注入グループとし、第1金属層及び第2金属層等をいずれも堆積グループとする。異なるタイプのプロセスステップに対して、様々な方式で基板のモデリング対象のチップをモデリングすることができる。
【0027】
イオン注入の後に、不規則な形状が形成される原因の1つとして、半導体基板材料におけるイオンの濃度が異なることであり、濃度が大きいほど位置が高くなり(すなわち、イオン注入の中心位置に近いほど濃度が大きくなる)、濃度が小さいほど位置が低くなり(すなわち、イオン注入の中心位置から離れるほど濃度が小さくなる)、これに鑑みて、半導体基板材料におけるイオンの濃度分布を計算することにより、モデリング対象のチップに対して三次元モデリングを効果的に行うことができる。
【0028】
具体的な応用例では、マスクに対応するプロセスステップがイオン注入プロセスである場合、まずイオン注入中に、半導体基板材料における前記マスクに対応するイオン注入材料の生成された第1イオン濃度分布を計算することができる。前記第1イオン濃度分布は次の式で表すことができ、
ここで、C
1(x)は前記第1イオン濃度分布、xは半導体基板材料における現在の検出点とイオン注入の中心位置との距離を表す距離指標、Qはイオンの注入量、Rpは平均投影範囲、ΔRpは平均投影範囲の標準偏差を表す。
【0029】
実際の応用では、イオン注入後のピーク濃度は通常平均投影範囲にあり、イオンの注入量が大きいほど、該ピーク濃度は高くなる。また、イオン注入の速度が速いほど、温度が高いほど、平均投影範囲及び投影範囲の標準偏差は大きくなり、ピーク濃度は低くなる。従って、イオン注入後の第1イオン濃度分布は、イオン注入量、イオン注入速度及びイオン注入温度等に関係しており、三次元モデリングの正確性及び信頼性を確保するために、上記各パラメータの具体的な値はチップの製造メーカーによって提供できる。
【0030】
本実施形態では、イオン注入の後、時間が経つにつれて、イオンの自己作用及びイオン間の相互作用により、イオンの拡散効果は生じる。このような拡散効果はアニール中に特に顕著である。これに鑑みて、半導体基板材料におけるイオンの分布状況を正確に示すために、イオン注入後のアニール期間に、半導体基板材料における拡散効果に基づき生成される前記イオン注入材料の第2イオン濃度分布を計算することができる。該第2イオン濃度分布は拡散係数及びアニール時間と対応する関係を有する。
【0031】
具体的な応用例では、前記第2イオン濃度分布は次の式で表すことができ、
ここで、C
2(x)は前記第2イオン濃度分布、tはアニール時間、Dは拡散係数を表す。
【0032】
半導体基板材料における最終的なイオン分布状況は、上記第1イオン濃度分布及び第2イオン濃度分布の両方に決定される。本実施形態では、上記第1イオン濃度分布及び第2イオン濃度分布に基づき、半導体基板材料における最終的な拡散濃度分布と上記距離指標との相関関係を生成することができる。
【0033】
具体的には、該相関関係は次の式で表すことができ、
ここで、C(x,t)は前記拡散濃度分布と距離指標との相関関係を表す。
【0034】
なお、三次元モデリングの正確性及び信頼性を確保するために、上記アニール時間の具体的な値もチップの製造メーカーによって提供される。
【0035】
図2を参照すると、イオン注入後の第1イオン濃度分布及び最終的な拡散濃度分布の両方は距離指標が増加するにつれて減衰することができ、これはイオン注入の中心位置から離れるほど、イオンの濃度が低くなることを表す。
【0036】
別の具体的な応用例では、マスクのプロセスステップが堆積プロセスである場合、堆積後に、半導体基板材料の表面に不規則な形状が形成される原因の1つとして、外部拡散効果及び自己拡散効果により、位置によって濃度差が生じることである。これに鑑みて、本実施形態では、半導体基板材料の表面に堆積された後の堆積材料の濃度に基づき三次元モデリングを行うことができる。具体的には、該半導体基板材料の表面における堆積材料の外部拡散濃度分布及び自己拡散濃度分布をそれぞれ計算することができる。
【0037】
前記外部拡散濃度分布は次の式で表すことができ、
ここで、C
e(x,t
1)は前記外部拡散濃度分布、erfcは相補誤差関数、xは堆積された成形物の表面から基板の表面までの距離を表す距離指標、t
1は堆積時間、Cは基板濃度、D
1は堆積時の拡散係数を表す。
【0038】
堆積後に、自己拡散効果は同様に半導体基板材料の表面における堆積材料の濃度の変化を引き起こし、具体的には、自己拡散効果による自己拡散濃度分布は次の式で表すことができ、
ここで、C
zは前記自己拡散濃度分布を表し、C
sは有効基板表面濃度を表し、該有効基板表面濃度はチップの製造メーカーによって提供でき、Lは拡散長さを表し、該拡散長さは通常0.25μmとしてもよい。
【0039】
実際の応用では、半導体基板材料の表面に堆積された後の堆積材料の最終的な濃度分布状況は、上記外部拡散濃度分布及び自己拡散濃度分布の両方によって決定できる。具体的には、前記外部拡散濃度分布及び前記自己拡散濃度分布に基づき、半導体基板材料の表面に堆積された後の前記堆積材料の拡散濃度分布と距離指標との相関関係を生成することができる。該相関関係は次の式で表すことができ、
ここで、C(x,t
1)は堆積された後の拡散濃度分布と距離指標との相関関係、C(back)は裏面の自己拡散による濃度定数を表し、C(back)は通常定数であり、ここでは、1×10
15cm
-3に設定できる。
【0040】
図3を参照すると、堆積された後の拡散濃度分布は距離指標が増加するにつれて減衰することができ、最終的にC(back)で表される濃度で安定し、これは、堆積された成形物の表面から基板の表面までの距離が遠いほど、堆積された後の拡散濃度が低くなることを示す。
【0041】
S3:前記マスク上のプロセス構造形状を識別し、前記相関関係に基づき、前記プロセス構造形状に対応する拡散モデルを確立し、前記拡散モデルと前記プロセス構造形状の組み合わせを前記モデリング対象のチップのモデリング結果とする。
【0042】
本実施形態では、異なるプロセスステップに対して、半導体基板材料内又は表面における拡散濃度分布と距離指標との間の相関関係を決定した後に、該相関関係に基づき、マスク上のプロセス構造形状に対応する拡散モデルを確立することができる。
【0043】
マスク上のプロセス構造形状は直方体又は不規則な凹面体等であってもよく、ここでは、直方体を例にして、どのように上記相関関係に基づきプロセス構造形状に対応する拡散モデルを確立するかを説明する。なお、該直方体の長さ及び幅はマスク上のパラメータにより決定でき、すなわち、研究開発者の回路設計パラメータにより決定される。直方体の高さは製造プロセスにより決定され、従って、直方体の高さの具体的な値もチップの製造メーカーによって提供される。
【0044】
まず、前記相関関係に基づき、前記プロセス構造形状における基準濃度値を決定することができ、該基準濃度値は拡散濃度分布の最大値であってもよい。例えば、イオン注入プロセスの場合、該基準濃度値は
図2におけるC(M)であってもよく、ここで、Mは限りなく0に近い値であり、堆積プロセスの場合、該基準濃度値は
図3におけるC/2とC(back)との差であってもよい。異なる距離指標での拡散状況をモデリングするために、該基準濃度値を複数の離散濃度値に分割し、上記相関関係に基づき、各離散濃度値の対応する離散距離をそれぞれ算出することができる。分割して得られる最大の離散濃度値は上記基準濃度値であり、後の離散距離の計算中に、該基準濃度値を計算しなくてもよい。
【0045】
具体的には、離散濃度値の数がNであると仮定すると、イオン注入プロセスで、分割して得られる各離散濃度値(基準濃度値を除く)は以下のように表すことができる。
【0046】
堆積プロセスで、分割して得られる各離散濃度値(基準濃度値を除く)は以下のように表すことができる。
【0047】
実際の応用では、離散濃度値を拡散濃度分布としてステップS2で決定された拡散濃度分布と距離指標との相関関係に代入することができ、それにより離散濃度値の対応する離散距離を算出することができる。
【0048】
各離散濃度値の対応する離散距離に対して、離散距離のサブ拡散モデルを生成することができる。具体的には、一実施形態では、プロセス構造形状の表面に複数の基準点をランダムに選択することができる。これらの基準点は、プロセス構造形状の表面に可能な限り均一に分布することができる。基準点の数は実際のニーズに応じて設定できる。モデリング精度の要件が高いと、基準点の数を適切に増加することができ、モデリング速度の要件が高いと、基準点の数を適切に減らすことができる。
【0049】
図4を参照すると、直方体を例にし、プロセス構造形状の表面に基準点を選択した後に、基準点を球心、前記離散距離を半径、前記プロセス構造形状の表面を直径面として、前記基準点に対応する半球体を生成する。このように、各基準点は1つの半球体に対応することができ、該半球体は、イオン注入プロセス又は堆積プロセスでの拡散軌跡を表すことができる。各基準点に対応する半球体の和集合を求めることで、現在の離散距離のサブ拡散モデルを得ることができる。
【0050】
上記の方法に従って、各離散距離はそれぞれのサブ拡散モデルに対応することができ、最終的に、各サブ拡散モデルの組み合わせを該プロセス構造形状に対応する拡散モデルとすることができる。
【0051】
各層のマスクは1つ又は複数のプロセス構造形状を含み、上記の方法に従って得られる複数のプロセス構造形状に対応する拡散モデルの組み合わせは、該層マスクに基づき得られるモデリング対象のチップの三次元モデリング結果の一部とすることができる。
【0052】
上記の方法に従って、モデリング対象のチップの各層のマスクに基づき三次元モデリングを行うことにより、最終的に、モデリング対象のチップの全体の三次元モデルを得ることができる。
【0053】
一実施形態では、三次元モデルのモデリング速度を速くするために、各離散距離のサブ拡散モデルを生成する際に、基準点の選択をさらに限定することができる。具体的には、前記プロセス構造形状の表面に複数の第1基準点を選択することができ、これらの第1基準点はプロセス構造形状の頂点及びエッジに位置しなくてもよく、その後、前記プロセス構造形状の頂点及びエッジに複数の第2基準点を選択することができる。この2種の異なるタイプの基準点に対して、異なる方法で処理することができる。具体的には、第1基準点に対して、前記第1基準点を端点、前記離散距離を長さ、前記プロセス構造形状の表面を垂直面として、前記第1基準点に対応する垂直線分を形成し、各前記垂直線分上の前記プロセス構造形状から離れる端点に基づき、1つ又は複数の三角形面を構成する。例えば、プロセス構造形状から離れる端点のうち、隣接する3つの端点を三角形面の3つの頂点とすることができる。このように、3つごとの端点は1つの三角形面を形成することができる。第2基準点に対して、上記の半球体をレンダリングする過程に従って、前記第2基準点を球心、前記離散距離を半径、前記プロセス構造形状の表面を直径面として、前記第2基準点に対応する半球体を生成することができる。このように、第1基準点は、最終的に対応する複数の三角形面を得ることができ、第2基準点は、対応する複数の半球体を得ることができ、これらの三角形面と半球体の和集合は、現在の離散距離の対応するサブ拡散モデルとすることができる。同様に、各離散距離は、それぞれのサブ拡散モデルに対応することができ、これらのサブ拡散モデルの組み合わせは、プロセス構造形状に対応する拡散モデルとすることができる。
【0054】
なお、上記のイオン注入プロセス及び堆積プロセスに対して三次元モデリングを行う際に、独立変数の具体的な値は一例に過ぎず、上記の具体的な値に従ってモデリングを行わなければならないことを意味するものではない。半導体基板材料内又は表面における各層のマスクに対応するイオン注入材料又は堆積材料のモデリング方法は同じであるが、異なるマスクによって形成された具体的な構造が異なるため、それぞれの独立変数の値は異なる可能性がある。実際の応用では、合理的な計算及びモデリング過程を行うために、具体的な構造に応じて独立変数に値を割り当てる必要がある。
【0055】
本願では、モデリング対象のチップのレイアウト内の各層マスクに対して三次元モデリングを行い、モデリング対象のチップの三次元モデルを得た後に、研究開発者は、マウスを三次元モデルの任意の位置に置くことができ、マウスで現在の位置をスライドして切断した後に、該位置のXY平面の断面、XZ平面の断面及びYZ平面の断面を見ることができ、チップの各部分の包括的な検出及び検証が容易になる。
【0056】
本願では、三次元モデルの表示方法はより柔軟になることができ、例えば、EDAソフトウェアにおいて、任意の層のマスクをオフにすることで、特定の一層又は複数層のマスクに対応するイオン注入材料/堆積材料及び半導体基板材料の三次元モデルのみを表示することができる。また、イオン注入材料/堆積材料の特定の1種又は複数種の具体的な濃度での三次元モデルをさらに表示することができ、このようなモデル確認方式により、研究開発者は各層のモデルを迅速に確認することができ、検出効率が向上する。
【0057】
本願を用いると、研究開発者は、EDAソフトウェアにおいて三次元モデリングを完了することができ、該モデルはイオン注入及び堆積後のチップの各部分の位置関係を完全に表示することができ、研究開発者は、各部位を検出するだけで、チップの設計が規則を満たすか否か、製造過程で、イオン注入又は堆積により隣接する部位が拡散作用等の原因で接続される等の故障状況が発生するか否かを知ることができ、それにより歩留まりが向上する。
【0058】
このことからわかるように、本願に係る技術的解決手段は、モデリング対象のチップのレイアウト内のマスクに対して、マスクが実際に位置するプロセスステップに応じて、適応する濃度計算方法を選択し、半導体基板材料内又は表面におけるマスクに対応するイオン注入材料又は堆積材料の拡散濃度分布と距離指標との相関関係を決定することができる。その後、マスク上のプロセス構造形状及び上記相関関係を組み合わせて、該プロセス構造形状に対応する拡散モデルを確立することができる。該拡散モデルとプロセス構造形状の組み合わせは、モデリング対象のチップのモデリング結果とすることができる。このことからわかるように、本願は、モデリング対象のチップをモデリングする際に、半導体基板材料内又は表面の実際の拡散濃度分布を考慮して、該拡散濃度分布に基づき決定された拡散モデルは実際のプロセスステップにマッチングすることができ、それにより、より正確なチップモデルを確立することができる。
【0059】
本願の一実施形態は、
モデリング対象のチップのレイアウト内にマスクを決定し、前記マスクの現在位置するプロセスステップを識別するためのプロセスステップ識別ユニットと、
前記プロセスステップに適応する濃度計算方法を用いて、半導体基板材料内又は表面における前記マスクに対応するイオン注入材料又は堆積材料の拡散濃度分布と距離指標との相関関係を決定するための相関関係決定ユニットと、
前記マスク上のプロセス構造形状を識別し、前記相関関係に基づき、前記プロセス構造形状に対応する拡散モデルを確立し、前記拡散モデルと前記プロセス構造形状の組み合わせを前記モデリング対象のチップのモデリング結果とするためのモデリングユニットと、を含むチップレイアウトからチップモデルを確立するシステムをさらに提供する。
【0060】
本願の一実施形態は、メモリ及びプロセッサを含み、前記メモリは、前記プロセッサにより実行されると、上記のチップレイアウトからチップモデルを確立する方法を実現するコンピュータプログラムを記憶することに用いられる、チップレイアウトからチップモデルを確立する装置をさらに提供する。
【0061】
プロセッサは中央プロセッサ(Central Processing Unit、CPU)であってもよい。プロセッサはさらに、他の汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array、FPGA)又はその他のプログラマブル論理デバイス、離散ゲート又はトランジスタ論理デバイス、離散ハードウェアコンポーネント等のチップ、又は上記各種のチップの組み合わせであってもよい。
【0062】
メモリは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体として、非一時的ソフトウェアプログラム、非一時的コンピュータ実行可能プログラム及びモジュール、例えば本願の実施形態における方法に対応するプログラム命令/モジュールを記憶することができる。プロセッサは、メモリに記憶される非一時的ソフトウェアプログラム、命令及びモジュールを実行することにより、プロセッサの様々な機能アプリケーション及びデータ処理を実行し、すなわち、上記の方法実施形態における方法を実現する。
【0063】
メモリは、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションプログラムを記憶することができるプログラム記憶領域と、プロセッサにより作成されたデータ等を記憶することができるデータ記憶領域とを含んでもよい。また、メモリは、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、さらに、少なくとも1つの磁気ディスク記憶デバイス、フラッシュメモリデバイス、又はその他の非一時的ソリッドステートストレージデバイス等の、非一時的メモリを含んでもよい。いくつかの実施形態では、メモリは、選択可能に、プロセッサに対して遠隔に設置されるメモリを含み、これらのリモートメモリは、ネットワークを介してプロセッサに接続することができる。上記ネットワークの実例は、インターネット、企業イントラネット、ローカルエリアネットワーク、モバイル通信ネットワーク、及びその組み合わせを含むがこれらに限定されない。
【0064】
本願の一実施形態は、電子機器により実行されると、上記のチップレイアウトからチップモデルを確立する方法を電子機器に実現させるコンピュータ実行可能命令が記憶される、不揮発性コンピュータ記憶媒体をさらに提供する。
【0065】
図5は本願の実施形態に係るチップレイアウトからチップモデルを確立する方法を実行する電子機器のハードウェア構成の概略図であり、
図5に示すように、該機器は1つ又は複数のプロセッサ510及びメモリ520を含み、
図5では、1つのプロセッサ510を例にして、チップレイアウトからチップモデルを確立する方法を実行する機器は入力装置530及び出力装置540をさらに含んでもよい。
【0066】
プロセッサ510、メモリ520、入力装置530及び出力装置540はバス又はその他の方式で接続されてもよいが、
図5では、バスによる接続を例にする。
【0067】
メモリ520は、不揮発性コンピュータ可読記憶媒体として、不揮発性ソフトウェアプログラム、不揮発性コンピュータ実行可能プログラム及びモジュール、例えば本願の実施形態におけるチップレイアウトからチップモデルを確立する方法の対応するプログラム命令/モジュールを記憶することに用いることができる。プロセッサ510は、メモリ520に記憶される不揮発性ソフトウェアプログラム、命令及びモジュールを実行することにより、サーバの様々な機能アプリケーション及びデータ処理を実行し、すなわち、上記の方法実施形態のチップレイアウトからチップモデルを確立する方法を実現する。
【0068】
メモリ520は、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションプログラムを記憶することができるプログラム記憶領域と、チップレイアウトからチップモデルを確立する装置の使用に基づいて作成されたデータ等を記憶することができるデータ記憶領域とを含んでもよい。また、メモリ520は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、さらに、少なくとも1つの磁気ディスク記憶デバイス、フラッシュメモリデバイス、又はその他の不揮発性ソリッドステートストレージデバイス等の、不揮発性メモリを含んでもよい。いくつかの実施形態では、メモリ520は、選択可能に、プロセッサ510に対して遠隔に設置されたメモリを含み、これらのリモートメモリは、ネットワークを介してチップレイアウトからチップモデルを確立する装置に接続することができる。上記ネットワークの実例は、インターネット、企業イントラネット、ローカルエリアネットワーク、モバイル通信ネットワーク、及びその組み合わせを含むがこれらに限定されない。
【0069】
入力装置530は、入力された数字又は文字情報を受信し、及びチップレイアウトからチップモデルを確立する装置のユーザー設定及び機能制御に関連するキー信号入力を生成することができる。出力装置540はディスプレイスクリーン等の表示機器を含んでもよい。
【0070】
前記1つ又は複数のモジュールは前記メモリ520に記憶され、前記1つ又は複数のプロセッサ510により実行されると、上記の任意の方法実施形態のチップレイアウトからチップモデルを確立する方法を実行する。
【0071】
上記製品は本願の実施形態に係る方法を実行することができ、方法を実行するための対応する機能モジュール及び有益な効果を有する。本実施形態で詳しく説明されていない技術的詳細については、本願の実施形態に係る方法を参照できる。
【0072】
本願の実施形態に係る電子機器は、様々な形態で存在し、以下のことを含むがこれらに限定されない。
(1)移動通信機器:このような機器の特徴は、移動通信機能を備え、しかも音声、データ通信を提供することを主な目的とすることである。このような端末には、スマートフォン(例えばiPhone(登録商標))、マルチメディア携帯電話、機能性携帯電話、及び低級携帯電話などが含まれる。
(2)ハイモバイルパーソナルコンピュータ機器:このような機器はパーソナルコンピュータの範疇に属し、計算と処理機能を備え、一般には、モバイルインターネットの特性も備える。そのような端末には、PDA、MID、及びUMPC機器など、例えばiPad(登録商標)が含まれる。
(3)携帯型娯楽機器:このような機器はマルチメディアコンテンツを表示して再生することができる。このような機器には、オーディオ、ビデオプレーヤー(例えばiPod(登録商標))、携帯型ゲーム機、電子書籍、スマート玩具、携帯型カーナビゲーション機器が含まれる。
(4)サーバ:サーバはコンピューティングサービスを提供する機器であり、サーバはプロセッサ、ハードディスク、メモリ、システムバスなどを含み、サーバは汎用のコンピュータアーキテクチャと類似しているが、高信頼性のサービスを提供する必要があるため、処理能力、安定性、信頼性、安全性、拡張性、管理性などの面で要求が高い。
(5)その他のデータ相互作用機能を有する電子装置。
【0073】
上述した装置の実施形態は単に例示であり、分離部品として説明された前記ユニットは物理的に分離されてもよく、又は物理的に分離されなくてもよく、ユニットとして表示された部品は物理的なユニットでなくてもよく、すなわち1つの場所に位置してもよく、又は複数のネットワークユニットに分散されてもよい。本実施形態の解決手段の目的は、実際の必要に応じてその一部又は全部のモジュールを選択して実現することができる。
【0074】
上記の実施形態の説明により、当業者であれば明らかように、各実施形態はソフトウェアと汎用ハードウェアプラットフォームによって実現可能であり、もちろん、ハードウェアによって実現可能である。このような理解に基づいて、上記の技術的手段又は関連技術に貢献した部分は本質的に、ソフトウェア製品の形式で具現化することができ、該ソフトウェア製品は、ROM/RAM、磁気ディスク、光ディスクなどのコンピュータ可読記憶媒体に記憶することができ、各実施形態又は実施形態の一部に記載される方法を1台のコンピュータ機器(パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワーク機器などであってもよい)に実行させるためのいくつかの命令を含む。
【0075】
本願の一実施形態は、プロセッサによって実行されると、上記のチップレイアウトからチップモデルを確立する方法を実現するコンピュータプログラムをさらに提供する。
【0076】
当業者が理解できるように、上記実施態様の方法のすべて又は一部のプロセスを実現することは、コンピュータプログラムによって関連ハードウェアに命令を出すことによって行われてもよく、前記プログラムはコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよく、該プログラムは実行されると、上記各方法の実施態様のプロセスを含んでもよい。前記記憶媒体は磁気ディスク、光ディスク、読み出し専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、フラッシュメモリ(Flash Memory)、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive、略称:HDD)又はソリッドステートドライブ(Solid-State Drive、SSD)等であってもよく、前記記憶媒体は上記タイプのメモリの組み合わせをさらに含んでもよい。
【0077】
図面を参照しながら本願の実施例を説明したが、当業者は本願の趣旨及び範囲を逸脱せずに様々な変更や変形を行うことができ、このような変更や変形はいずれも添付の特許請求の範囲に定められる範囲に属する。