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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-20
(45)【発行日】2024-11-28
(54)【発明の名称】棒状ライト
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/17 20200101AFI20241121BHJP
   H05B 45/20 20200101ALI20241121BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20241121BHJP
   H05B 47/165 20200101ALI20241121BHJP
   F21L 4/00 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
H05B47/17
H05B45/20
H05B47/105
H05B47/165
F21L4/00 415
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2024020683
(22)【出願日】2024-02-14
(62)【分割の表示】P 2022169186の分割
【原出願日】2016-12-12
(65)【公開番号】P2024050914
(43)【公開日】2024-04-10
【審査請求日】2024-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】511166644
【氏名又は名称】株式会社ルイファン・ジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】都 茂樹
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-204246(JP,A)
【文献】特開2015-165485(JP,A)
【文献】特開2013-235838(JP,A)
【文献】米国特許第6213623(US,B1)
【文献】特開2012-43601(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/17
H05B 45/20
H05B 47/105
H05B 47/165
F21L 4/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光部と、
前記発光部を発光させる発光パターンの一つであって複数の色のデフォルトの発光順序を定めるデフォルトパターンと、前記発光パターンに固有に対応付けられた発光色を示す識別色を記憶する記憶部と、
前記複数の色の中から1つの色を推薦色として設定する設定部と、
前記発光部を発光させる複数の色を、前記デフォルトパターンで示される発光順序で切り替える第1ボタンと、
前記推薦色で前記発光部を発光させるための入力を受け付ける第2ボタンと、
前記発光部を発光させる複数の色を、前記デフォルトパターンで示される発光順序とは逆順に切り替える第3ボタンと、
前記第1ボタン、前記第2ボタン、および前記第3ボタンが設けられる把持部と、
前記第1ボタンに対するユーザからの第1所定入力に応じて、前記デフォルトパターンで示される発光順序に従い、前記複数の色のうちいずれか1つの色で前記発光部を発光させ発光制御部と、を備え、
前記第1ボタン、前記第2ボタン、および前記第3ボタンは押下型のボタンであり、
前記第1ボタンは、所定時間以上継続しない押下である短押しと、前記短押しよりも長い所定時間以上継続した押下である長押しを検出可能なボタンであり、第1所定入力は前記短押しまたは前記長押しであり、
前記第2ボタンは、所定時間以上継続しない押下である短押しと、前記短押しよりも長い所定時間以上継続した押下である長押しを検出可能なボタンであり、第1所定入力は前記短押しまたは前記長押しであり、
前記設定部は、前記第1ボタンの前記第1所定入力を検出したこと、又は前記第1ボタンと前記第3ボタン双方の前記第1所定入力を検出したことを契機として、前記発光パターンを設定し、前記発光部が発光しているときに、前記第2ボタンの前記第1所定入力を検出した場合、そのとき前記発光部が発光している発光色を前記推薦色として、前記記憶部に記憶し、
前記発光制御部は、前記発光部が発光している場合に、前記発光パターンに関わらず、前記第2ボタンの前記第1所定入力を検出して、前記設定部により前記記憶部に記憶された前記推薦色で前記発光部を発光させる
ことを特徴とする棒状ライト
【請求項2】
前記第3ボタンは、所定時間以上継続しない押下である短押しと、前記短押しよりも長
い所定時間以上継続した押下である長押しを検出可能なボタンであり、第1所定入力は前
記短押しまたは前記長押しであり、
前記発光制御部は、前記第3ボタンに対するユーザからの前記第1所定入力に応じて、
前記デフォルトパターンで示される発光順序の逆順に従って、前記複数の色のうちいずれ
か1つの色で前記発光部を発光させることを特徴とする請求項1に記載の棒状ライト
【請求項3】
前記発光部における発光色には、赤、青、紺、白、橙、緑、紫、桃が含まれる請求項1
に記載の棒状ライト
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棒状ライトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯型ライトであって、ライト本体の特定方向への振り動作による変位に応じて、特定方向への振り動作に関連付けられた発光色へ変更する携帯型ライトがある(特許文献1参照)。
【0003】
一方で、棒状ライトであって、所定の順番で色選択ボタンを押下するごとに色表示ボタンに表示される色が変化し、色表示ボタンを押下すると、色表示ボタンに表示された色で光源部を発光させる棒状ライトもある(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-4690号公報
【文献】特開2015-204246号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1の携帯型ライトの場合、特定の振り動作をしなければ、所望の色に変更できないとともに、その特定の振り動作と発光色の対応関係を記憶しておかないと所望の発光色に変更できないユーザにとって使い勝手が悪いという問題がある。
【0006】
また、上記特許文献2に示す棒状ライトの場合、色表示ボタンに表示される所望の色になるまで、場合によっては複数回色選択ボタンを押下しないと、所望の色での発光ができないという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は上記問題に鑑みて成されたものであり、従来よりも簡単に所望の色で発光させることができる棒状ライトを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る発光装置は、発光部と、発光部を発光させる複数の色の発光順序を定める所定の順序を示す情報を記憶する記憶部と、発光部を発光させる複数の色を、所定の順序で切り替える第1ボタンと、複数の色の中から1つの色を推薦色として設定する設定部と、推薦色で発光部を発光させるための入力を受け付ける第2ボタンと、第1ボタンに対するユーザからの第1所定入力に応じて、所定の順序に従って、複数の色のうちいずれか1つの色で発光部を発光させ、第2ボタンに対するユーザからの第1所定入力に応じて所定の順序に関わらず推薦色で発光部を発光させる発光制御部と、を備える。
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る発光制御方法は、発光部と、発光部を発光させる複数の色の発光順序を定める所定の順序を示す情報を記憶する記憶部と、第1ボタンと、第2ボタンとを備える発光装置の発光制御方法であって、複数の色の中から1つの色を推薦色として設定する設定ステップと、第1ボタンに対するユーザからの第1所定入力に応じて、所定の順序に従って、複数の色のうちいずれか1つの色で発光部を発光させる第1発光制御ステップと、第2ボタンに対するユーザからの第1所定入力に応じて、所定の順序に関わらず推薦色で発光部を発光させる第2発光制御ステップとを含む。
【0010】
上記装置において、発光部を発光させる複数の色を、所定の順序とは逆順に切り替える第3ボタンを備え、発光制御部は、第2ボタンに対するユーザからの第1所定入力に応じて、所定の順序の逆順に従って、複数の色のうちいずれか1つの色で発光部を発光させることとしてもよい。
【0011】
上記装置において、設定部は、さらに、複数の色の中からユーザの所望する発光順序を示す発光パターンを設定し、記憶部は、さらに、発光パターンを示す情報を記憶し、発光装置は、さらに、発光パターンと、所定の順序とのいずれかを選択する選択部を備え、発光制御部は、選択部において選択されている発光パターンで示される発光順序または所定の順序のいずれかで示される順序に従い、第1ボタンに対するユーザからの入力又は第2ボタンに対するユーザからの第1所定入力に従って、複数の色の中のうちいずれか1つの色で発光部を発光させることとしてもよい。
【0012】
上記装置において、記憶部は、発光パターン及び所定の順序それぞれを示す発光色を示す情報記憶し、選択部は、発光部が発光していない場合であって、第3ボタン又は第1ボタン及び第3ボタン双方に対する第2所定入力があったときには、発光パターンで示される発光順序又は所定の順序で示される発光順序の中から発光順序の選択を開始し、発光制御部は、発光順序の選択中において、発光パターンまたは所定の順序のいずれかを示す発光色を発光部に発光させるとともに、第1ボタンに対するユーザからの入力に従って、発光パターンまたは所定の順序のいずれかを示す発光色を切り替え、選択部は、発光順序の選択中において、第1ボタン又は第3ボタンに対するユーザからの第2所定入力があった場合に、その時に発光部が発光している発光色に対応する発光パターンまたは所定の順序を、発光制御の発光順序として選択することとしてもよい。
【0013】
上記装置において、選択部は、発光順序の選択中において、第1ボタン及び第3ボタン双方に対する第2所定入力に従って、その時に発光部が発光している発光色に対応する発光パターンを記憶部から削除することとしてもよい。
【0014】
上記装置において、設定部は、発光装置が発光していない場合であって、第3ボタン又は第1ボタン及び第3ボタン双方に対する第2所定入力があったときには、発光パターンの設定を開始し、発光パターンの設定中に、設定部は、第1ボタンに対するユーザからの第1所定入力に従って、発光部を発光させている発光色を発光パターンの1つの発光色として記憶し、発光パターンの設定中に、発光制御部は、第3ボタンに対するユーザからの第1所定入力に従って、発光部を発光させている発光色を切り替え、発光パターンの設定中に、設定部は、第1ボタン又は第3ボタンに対するユーザからの第2所定入力に従って、それまでに記憶した発光色を、記憶した順序を発光順序とした発光パターンを記憶部に記憶することとしてもよい。
【0015】
上記装置において、発光装置は、棒状ライトであることとしてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一態様に係る棒状ライトは、特定のボタンに対して特定の色を設定することによって、ボタンの押下一つで所望の色の発光を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】発光装置の外観を示す外観図である。
図2】発光装置の機能構成例を示すブロック図である。
図3】発光装置が保持する発光パターン情報のデータ構成例を示すデータ概念図である。
図4】発光装置の動作例を示すフローチャートである。
図5】発光装置の動作であって、発光制御に係る動作例を示すフローチャートである。
図6】発光装置の動作であって、発光パターンの選択、設定処理に係る動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施態様に係る発光装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
<実施の形態>
<構成>
図1は、発光装置100の外観を示す外観図である。図1に示すように発光装置100は一例として棒状ライトである。
【0020】
発光装置100は、図1に示すように、発光部120と、把持部140とが、接続部130を介して接続されて成る。
【0021】
発光部120は、発光する機能を有する。発光部120は、発光部120自身が発光することしてもよいし、あるいは、接続部130部分に発光体を設け、そこから投射された光が、発光部120を透過して発光するという態様をとってもよい。発光部120は、例えば、筒状の透明なプラスチック内部に、光を透過かつ拡散する装飾シートを設け、接続部130部分に設けられた様々な色で発光する発光体からの光を拡散して、周囲に光を投光する構成であってもよい。発光体としては、発光ダイオードやLEDなどである。また、あるいは、発光部120は、筒状の透明な樹脂内部にLEDシートをその発光面を外部に向けて設けた構成により実現することとしてもよい。
【0022】
接続部130は、発光部120と、把持部140とを接続する接続部材である。接続部130は、例えば、ねじ止め構造や、係止部材等により発光部120と把持部とを接続する構成であってもよい。発光部120と把持部140とを接続する手法としては、様々な従来の態様を用いてもよい。
【0023】
把持部140は、ユーザが発光装置100を把持する部材である。把持部140は、ユーザが発光装置100を把持可能に構成されていればどのような形態をとってもよい。把持部140は、接続部130とは、一体に成型されることとしてもよい。
【0024】
把持部140は、第1ボタン111と、第2ボタン112と、第3ボタン113とを備える。第1ボタン111、第2ボタン112、第3ボタン113とは、例えば、プラスチックなどの樹脂により構成され、押下可能に構成されている。図1には図示していないが、第1ボタン111、第2ボタン112、第3ボタン113各々は、それぞれ、発光装置100の発光や発光のための制御に係る操作を受け付けるものである。ここでは、各ボタンは、押下型のボタンであるとしているが、これはその限りではなく、各ボタンは、ユーザからの入力を受け付ける機能を有するものであればよい。例えば、各ボタンは、タッチセンサにより実現されてもよい。
【0025】
把持部140は、発光装置100を動作させるための電源(図示せず)を内部に有する。把持部140は、当該電源を取り外し可能に構成され、電源カバー150を外すことによって、電源の出し入れを実現できる。電源カバー150は、把持部140に対して取り付け自在に構成される。電源カバー150の把持部140への取り付け方は、どのような取り付け方であってもよく、例えば、把持部140に対してねじ止めにより取り付けられてもよいし、あるいは、例えば、鉤爪型の部材により係合してもよい。
【0026】
図2は、発光装置100の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、発光装置100は、第1ボタン111と、第2ボタン112と、第3ボタン113と、発光部120と、発光制御部121と、設定部122と、選択部123と、記憶部124とを備える。
【0027】
第1ボタン111は、ユーザが押下可能なボタンである。第1ボタン111は、短押し(所定時間以上継続しない押下)と、長押し(所定時間以上継続した押下)の双方を検出可能なボタンである。
【0028】
第2ボタン112は、ユーザが押下可能なボタンである。第2ボタン112は、短押し(所定時間以上継続しない押下)と、長押し(所定時間以上継続した押下)の双方を検出可能なボタンである。
【0029】
第3ボタン113は、ユーザが押下可能なボタンである。第3ボタン113は、短押し(所定時間以上継続しない押下)と、長押し(所定時間以上継続した押下)の双方を検出可能なボタンである。
【0030】
発光部120は、複数の色の中から指定された色で発光する。発光部120は、例えば、発光ダイオードやLEDにより実現される。発光部120は、発光制御部121からの指示に従って、発光する。
【0031】
発光制御部121は、発光部120の発光制御を行う機能を有する。発光制御部121は、発光部120が発光しているとき、発光していないとき、発光パターンの設定中、発光パターンの選択中など様々な状況において、第1ボタン111に対する短押し、長押し、第2ボタン112に対する短押し、長押し、第3ボタン113に対する短押し、長押しの押下内容に応じた発光部120の発光処理を行う機能を有する。発光制御部121は、発光部120を発光させている場合に、選択されている発光パターンに関わらず、第2ボタン112の押下を検出して、設定部122により記憶部124に設定された推薦色で発光部120を発光させる。発光制御部121による発光処理の詳細については、図4図6に示すフローチャートを参照して後述する。
【0032】
設定部122は、発光パターンの設定を行う機能を有する。第1ボタン111又は第1ボタン111と第3ボタン113双方の長押しを検出したことを契機として、発光パターンの設定処理を実行する。設定部122による発光パターンの設定処理の詳細については、図6に示すフローチャートを参照して後述する。
【0033】
また、設定部122は、発光部120の発光中に発光パターンの順序に関わらずユーザの所望する色で発光させるための推薦色を設定する機能を有する。設定部122は、発光部120が発光しているときに、ユーザからの第2ボタン112の長押しを検出した場合には、そのとき発光部120が発光している発光色を推薦色として、記憶部124に記憶する。
【0034】
選択部123は、記憶部124に記憶されている発光パターンのうち、用いる発光パターンを選択する機能を有する。選択部123は、第1ボタン111又は第1ボタン111と第3ボタン113双方の長押しを検出したことを契機として、発光パターンの選択処理を実行する。選択部123による発光パターンの選択処理の詳細については、図6に示すフローチャートを参照して後述する。
【0035】
発光制御部121、設定部122、選択部123各々は、プロセッサにより実現され、当該プロセッサが記憶部124に記憶されているプログラムを実行することにより、上述の発光制御、設定処理、選択処理を実現する。なお、発光制御部121、設定部122、選択部123は、1つのプロセッサにより実現されてもよいし、複数のプロセッサにより実現されてもよい。
【0036】
記憶部124は、発光装置100が動作上必要とする各種プログラムやデータを記憶する機能を有する記憶媒体である。記憶部124は、例えば、HDD、SSD、フラッシュメモリ、RAM、ROM等により実現される。記憶部124は、発光制御に係る発光制御プログラム、発光パターンの設定に係る設定プログラム、発光パターンの選択に係る選択プログラムなどのプログラムや、設定した発光パターンを示す発光パターン情報300、推薦色として設定した発光色を記憶している。
以上が発光装置100の構成である。
【0037】
<データ>
図3は、発光装置100の記憶部124に記憶されている発光パターン情報300のデータ構成例を示すデータ概念図である。
【0038】
図3に示すように、発光パターン情報300は、パターン名称301と、発光順序302とが対応付けられた情報である。発光パターン情報300は、発光装置100の発光部120に発光する発光色を規定する情報である。
【0039】
パターン名称301は、発光パターンを発光装置100が一意に特定可能な識別情報である。ここでは、パターン名称301は、わかりやすくするために名称で示しているが、パターン名称301は、他の発光パターンと区別できればよく、数字や記号などであらわされてもよい。
【0040】
発光順序302は、発光部120を発光させる発光色の順番を示す情報である。発光順序302は、発光の順番を示す番号と、その番号に対応付けられる色を示しており、例えば、発光パターンの一つであるデフォルトパターンの場合には、「赤、紺、白、橙、緑、紫、桃、…」という順序を順方向として、発光装置100を発光することを示している。発光装置100は、順方向で発光する場合には、デフォルトパターンの場合であれば、上述の順番で発光し、逆順で発光する場合には、デフォルトパターンに桃以降の色が設定されていないとして、「赤、桃、紫、緑、橙、白、紺、赤、…」というように発光する。また、発光順序として番号に対して色が設定されないこともあり、その場合、図3の例では、「-」で示している。この発光順序は、先頭色の色である1番の色と、発光順序の最後の色はループしている。即ち、図8に示すように、発光パターンの一つであるメモリーパターン1の場合であれば、発光部120が発光しているときに第1ボタン111を短押しするごとに、「白、緑、青、白、緑、青、白、…」というように発光色が変更される。
【0041】
識別色303は、発光パターンを選択する際に、ユーザが現在どの発光パターンを選択しようとしているのかを認識させるために、各発光パターンに固有に対応付けられた発光色を示す情報である。即ち、発光パターンを選択する際に、例えば、赤色が発光している場合には、メモリーターン1が選択状態にあることを示す。
【0042】
<動作>
ここから、発光装置100の動作を説明する。図4は、発光装置100の動作例を示すメインフローチャートである。図4に示すフローチャートは、発光装置100が発光していない状態から開始する処理である。
【0043】
発光装置100は、第1ボタン111、第2ボタン112、第3ボタン113の少なくとも1つに対する入力があるか否かを、いずれかのボタンがユーザにより押下されたか否かに応じて判定する(ステップS401)。入力があった場合には(ステップS401のYES)、ステップS402に移行し、入力がない場合には(ステップS401のNO)、入力があるまで待機する。
【0044】
入力が、第1ボタン111の長押しであった場合には(ステップS402のYES)、発光制御部121は、ステップS403に示す発光制御処理を開始する。発光制御処理の詳細については、後述する。発光制御部121が発光制御処理を終了すると、ステップS401に戻る。
【0045】
入力が、第1ボタン111に対する長押しではなく(ステップS402のNO)、第1ボタン111と第3ボタン113双方の長押しであった場合には(ステップS404のYES)には、設定部122又は選択部123は、ステップS406に示す発光パターンの設定/選択処理を開始する。発光パターンの設定/選択処理の詳細については、後述する。発光パターンの設定/選択処理を終了すると、ステップS401に戻る。
【0046】
入力が、第1ボタン111と第3ボタン113との双方の長押しでなくとも(ステップS404のNO)、第3ボタン113に対する長押しであった場合には(ステップS405のYES)にも、設定部122又は選択部123による、発光パターンの設定/選択処理を開始する。
【0047】
それ以外の場合には(ステップS405のNO)には、何らかの操作を行うための入力ではないので、ステップS401に戻る。
【0048】
以上が、発光装置100の動作のメインフローチャートの説明である。
【0049】
ここから、メインフローチャートに含まれる発光制御処理について説明する。
【0050】
図5は、図4のメインフローチャート中のステップS403で示される発光制御処理の詳細を示すサブフローチャートである。
【0051】
発光装置100の第1ボタン111が長押しされたことを受けて、図5に示すように、発光制御部121は、記憶部124に記憶されている選択中の発光パターンに関する情報から、選択されている発光パターンを特定する。そして、発光制御部121は、特定した発光パターンの先頭色(発光順序の1番目の発光色)で発光部120を発光させる(ステップS501)。
【0052】
設定部122は、第2ボタン112が長押しされたか否かを、第2ボタン112が所定時間(例えば、3秒)以上押下されていたか否かに基づいて判定する(ステップS502)。第2ボタン112が長押しされていた場合には(ステップS502のYES)、設定部122は、その時に発光部120が発光している発光色を、推薦色として記憶部124に設定して(ステップS503)、ステップS502に戻る。
【0053】
第2ボタン112が長押しされていなかった場合には(ステップS502のNO)、発光制御部121は、第1ボタン111が短押しされているか否かを、第1ボタン111が押下され、その押下時間が所定時間以上になっていないことに基づいて判定する(ステップS504)。第1ボタン111が短押しされていた場合には(ステップS504のYES)、発光制御部121は、発光部120を発光させている発光色を、選択状態にある発光パターンの発光順序で示される次の色の発光色に切り替えて(ステップS505)、ステップS502に戻る。
【0054】
第1ボタン111の短押しがなかった場合には(ステップS504のNO)、発光制御部121は、第3ボタン113が短押しされているか否かを判定する(ステップS506)。第3ボタン113が短押しされていた場合には(ステップS506のYES)、発光制御部121は、発光部120を発光させている発光色を、選択状態にある発光パターンの発光順序の逆順での次の色(順方向で1つ前の色)の発光色に切り替えて(ステップS507)、ステップS502に戻る。
【0055】
第3ボタン113の短押しがなかった場合には(ステップS506のNO)、発光制御部121は、第2ボタン112が短押しされているか否かを判定する(ステップS508)。第2ボタン112が短押しされていた場合には(ステップS508のYES)、記憶部124において、推薦色として設定されている発光色で発光部120を発光させ、ステップS502に戻る。
【0056】
第2ボタン112の短押しがなかった場合には(ステップS508のNO)、発光制御部121は、第1ボタン111が長押しされているか否かを判定する(ステップS510)。第1ボタン111が長押しされていなかった場合には(ステップS510のNO)、ステップS502に戻り、第1ボタン111が長押しされていた場合には(ステップS510のYES)、発光制御部121は、発光部120による発光を停止させて(ステップS511)、発光制御処理を終了する。
【0057】
以上が、発光装置100の発光制御に係る処理である。
【0058】
最後に、発光パターンの設定、選択処理についての動作を説明する。図6は、図4のメインフローチャート中のステップS406における発光パターン設定/選択処理の詳細を示すサブフローチャートである。
【0059】
発光パターンの設定/選択処理を開始すると、発光制御部121は、押下されたボタンの内容(第3ボタン113の長押し(図4、ステップS404参照)、第1ボタン111と第3ボタン113双方の長押し(図4、ステップS405参照))に応じて、それぞれに対応付けられた発光色で発光部120を点滅させる(ステップS601)。
【0060】
選択部123は、第2ボタン112の短押しがあったか否かを判定する(ステップS602)。
【0061】
第2ボタン112の短押しがあった場合には(ステップS602のYES)、選択部123は、選択状態にある発光パターンを別の発光パターンに変更する。当該変更に応じて、発光制御部121は、変更後の発光パターンに対応する発光色で発光部120を発光させる。
【0062】
選択部123は、第1ボタン111又は第3ボタン113のいずれかの長押しがあったか否かを判定する(ステップS604)。
【0063】
第1ボタン111又は第3ボタン113のいずれかの長押しがあった場合には(ステップS604のYES)、その時に発光部120が発光している発光色に対応する発光パターンを選択した発光パターン(使用する発光パターン)として、記憶部124に登録して(ステップS605)、処理を終了する。
【0064】
第1ボタン111又は第3ボタン113のいずれかの長押しがなかった場合には(ステップS604のNO)、設定部122は、第1ボタン111と第3ボタン113双方の長押しがあったか否かを判定する(ステップS606)。第1ボタン111と第3ボタン113双方の長押しがなかった場合には(ステップS606のNO)、ステップS602に戻り、第1ボタン111と、第3ボタン113双方の長押しがあった場合には(ステップS606のYES)、そのとき発光部120が発光している発光色に対応する発光パターンの発光順序の情報を、記憶部124の発光パターン情報300から削除して(ステップS607)、終了する。
【0065】
ステップS602において、第2ボタンの短押しがなかった場合に(ステップS602のNO)、第1ボタンの短押し、第3ボタンの短押し、第3ボタンの長押しのいずれかの入力に基づいて、発光パターンの設定を開始する。
【0066】
まず、発光制御部121は、第3ボタン113の短押しがあったか否かを判定する(ステップS608)。第3ボタン113の短押しがあった場合には(ステップS608のYES)、発光制御部121は、発光部120に発光させている発光色を発光パターン情報300のデフォルトパターンで示される発光順序の順に従って、発光色を切り替えて(ステップS609)、ステップS608に戻る。
【0067】
第3ボタン113の短押しがなかった場合には(ステップS608)、設定部122は、第1ボタン111の短押しがあったか否かを判定する(ステップS610)。第1ボタン111の短押しがあった場合には(ステップS610のYES)、設定部122は、発光部120が発光している発光色を発光パターンの次の発光色として記憶部124に記憶し(ステップS611)、ステップ608に戻る。
【0068】
第1ボタン111の短押しがなかった場合には(ステップS610のNO)、設定部122は、第3ボタン113の長押しがあったか否かを判定する(ステップS612)。
【0069】
第3ボタン113の長押しがあった場合には(ステップS612)、その時点で、これまでにステップS611を経由した際に登録した発光色を、その登録した順序と同じ順番を発光順序とした発光パターンを、発光パターン情報300に新たに登録して(ステップS613)、終了する。第3ボタン113の長押しがなかった場合には(ステップS612のNO)、ステップS608に戻る。
【0070】
<まとめ>
発光装置100によれば、発光部120が所望の色で発光しているときに、第2ボタン112を長押しするだけで、推薦色として登録することができ、以降においては、使用している発光パターンの発光順序に関わりなく、第2ボタン112を短押しするだけで、いつでもユーザの望むタイミングで、推薦色で発光部120を発光させることができる。また、所望の色で発光しているときに第2ボタン112を長押しするだけで、新たに推薦色の登録しなおしも容易に行うことができる。さらには、発光装置100は、ユーザの所望の順序で発光する発光パターンを設定し、その発光パターンで発光色を切り替えて発光させたり、複数の発光パターンを登録して、その中から使用するものを自由に選択できたりするなどの多くの機能を、少ない入力数(ボタン数)で実現することができる。
【0071】
<補足>
上記実施の形態に係る装置は、上記実施の形態に限定されるものではなく、他の手法により実現されてもよいことは言うまでもない。以下、各種変形例について説明する。
【0072】
(1)上記実施の形態においては、特に示さなかったが、発光装置100の発光制御部121は、発光部120を発光させる際に、常時発光、グラデーション発光、明滅発光等、様々な態様で発光させることとしてもよい。この場合、発光装置100は、3つのボタンの押下の組み合わせなどにより、その発光態様を変更できる構成をとってもよい。
【0073】
(2)上記実施の形態においては、特に示していないが、推薦色で発光しているときに、第1ボタン111又は第3ボタン113の押下があった場合には、発光制御部121は、推薦色の前の色の発光に戻る構成を備えてもよい。
【0074】
(3)上記実施の形態において、各ボタン(第1ボタン111、第2ボタン112、第3ボタン113)に対する入力として短押しと、長押しとの2種類を提示しているが、これは、これに限定されるものではない。例えば、所定時間以内に2回押下することを検出し、その2回の押下をトリガとして、上述した何れかの処理のトリガとしてもよい。また、上記実施の形態に示した、短押しと長押しとを入れ替えても同様に動作させることができる。即ち、上述した第1所定入力を短押し、第2所定入力を長押しとしてもよいし、第1所定入力を長押し、第2所定入力を短押しとしてもよい。
【0075】
(4)上記実施の形態においては、推薦色として一色のみを設定する例を説明したが、推薦色は一色に設定する例を説明したが、これはその限りではない。推薦色は何色設定することとしてもよい。
【0076】
当該構成を実現するために発光装置100は、2つ目、3つ目の第2ボタン112を備える構成としてもよい。そして、2つ目の第2ボタン112を長押しして2色目の推薦色を設定し、3つ目の第2ボタン112を長押しして3色目の推薦色を設定する。各第2ボタン112の押下されたボタンの短押しに応じて、対応付けられた推薦色を発光部120が発光する構成としてもよい。
【0077】
あるいは、第2ボタン112と、第1ボタン111とを同時に長押しして、2色目の推薦色を設定し、第2ボタン112と、第3ボタン113とを同時に長尾押しして、3色目の推薦色を設定することとしてもよい。そして、第1ボタン111と第2ボタン112とを同時に短押しすることで、2色目の推薦色で発光部120を発光させ、第2ボタン112と第3ボタン113とを同時に短押しすることで、3色目の推薦色で発光部120を発光させる構成としてもよい。
【0078】
(5)上記実施の形態においては、発光装置における推薦色を設定する手法として、装置のプロセッサが発光制御プログラム等を実行することにより、設定することとしているが、これは装置に集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって実現してもよい。また、これらの回路は、1または複数の集積回路により実現されてよく、上記実施の形態に示した複数の機能部の機能を1つの集積回路により実現されることとしてもよい。LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIなどと呼称されることもある。
【0079】
また、上記発光制御プログラムは、プロセッサが読み取り可能な記録媒体に記録されていてよく、記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記発光制御プログラムは、当該発光制御プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記プロセッサに供給されてもよい。本発明は、上記発光制御プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0080】
なお、上記発光制御プログラムは、例えば、Action Script、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Objective-C、Java(登録商標)などのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装できる。
【0081】
(6)上記実施の形態に示した構成や、各補足に示した構成は、適宜組み合わせて実現することとしてもよい。
【符号の説明】
【0082】
100 発光装置
111 第1ボタン
112 第2ボタン
113 第3ボタン
120 発光部
121 発光制御部
122 設定部
123 選択部
124 記憶部
130 接続部
140 把持部
150 電源カバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6