(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-20
(45)【発行日】2024-11-28
(54)【発明の名称】収容体
(51)【国際特許分類】
B65D 21/02 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
B65D21/02 210
(21)【出願番号】P 2024134273
(22)【出願日】2024-08-09
(62)【分割の表示】P 2023095295の分割
【原出願日】2023-06-09
【審査請求日】2024-08-09
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000010054
【氏名又は名称】岐阜プラスチック工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡村 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】山本 博邦
【審査官】矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0315515(US,A1)
【文献】中国実用新案第213229492(CN,U)
【文献】米国特許第11155382(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0236255(US,A1)
【文献】特開2010-111401(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2005-0031322(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0144670(US,A1)
【文献】米国特許第06585942(US,B1)
【文献】欧州特許出願公開第02703310(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2022/0054216(US,A1)
【文献】特開2013-203435(JP,A)
【文献】米国特許第05098676(US,A)
【文献】中国実用新案第208715710(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2005/0224494(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102007032382(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋体と容器とを備えた合成樹脂製の収容体であって、
前記収容体は積み重ね可能に構成され、
前記蓋体の天面には、連結部が回動可能に設けられ、
前記容器には、前記収容体の前記蓋体の前記連結部が係合して連結可能な被係合部が設けられ、
前記連結部は、前記蓋体の天面に設けられた収容部に収容可能であり、前記天面から上方へ立ち上がるように回動させて、前記連結部の裏面側から突出した係合部を前記被係合部に連結可能であり、
前記連結部の係合部は、前記被係合部の係止孔に係止可能な係止爪を備え、
前記連結部の係止爪は、前記係合部から下方へ突出しており、前記被係合部の係止孔は上方へ開口しており、
前記連結部の係合部は、前記前記被係合部の係止孔の上端側に側方から係止し、前記連結部の係止爪は、前記被係合部の係止孔に上方から挿入されて係止し、
前記蓋体の天面の外周に、前記天面から上方へ突出した凸部が設けられ、
前記連結部が前記収容部に収容された状態で、前記連結部の一部は、前記蓋体の天面よりも上方へ突出すると共に、前記凸部と横並びに配置され、
前記収容部の縁部には凹部が設けられ、
前記蓋体の天面の外周に、前記天面から上方へ突出した凸部が設けられ、
前記凸部の一部には、凹部が設けられ、
前記蓋体の天面の外周に、前記天面から上方へ突出した凸部が設けられ、
前記収容体を積み重ねた際に、上側の前記収容体の脚部が、下側の前記収容体の天面の凸部の内側に配置され、
前記被係合部は、上側と下側が開口し、
前記蓋体の天面の外周に、前記天面から上方へ突出した凸部が設けられ、
前記連結部は、薄肉部と、前記薄肉部よりも厚い厚肉部とを備え、
前記連結部が前記収容部に収容された状態で、前記連結部の厚肉部は、前記蓋体の天面よりも上方へ突出すると共に、前記凸部と横並びに配置され、
前記収容体を積み重ねた際に、前記連結部を前記被係合部に連結させた状態で、
前記連結部の上方の凹部には、指を入れる空間が有り、
前記蓋体が開かないように固定するバックルを備える、ことを特徴とする収容体。
【請求項2】
前記連結部には、凹部が設けられている、ことを特徴とする請求項
1に記載の収容体。
【請求項3】
前記蓋体の天面には、ハンドルと、前記ハンドルを収容する収容部と、が設けられており、
前記ハンドルを前記収容部に収容した状態で、前記ハンドルは、前記蓋体の天面と面一又は前記蓋体の天面よりも低い、ことを特徴とする請求項
1に記載の収容体。
【請求項4】
前記蓋体の天面の外周に、前記天面から上方へ突出した凸部が設けられ、
前記蓋体の天面には、ハンドルと、前記ハンドルを収容する収容部と、が設けられており、
前記ハンドルを収容する収容部には、前記凸部が設けられていない、ことを特徴とする請求項
1に記載の収容体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、収容体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、様々な物を収容する合成樹脂製の収容体が知られているが、例えば、特許文献1に開示されている収容体は、蓋体と容器とを備えており、容器内部に収容物を収容し、蓋体を閉じて持ち運びができる。ただ、収容体を積み重ねて連結できないため、持ち運びが不便であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、上記問題に鑑み、本願発明は、収容体を積み重ねて連結して、持ち運べる収容体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本願発明の請求項1に係る収容体は、蓋体と容器とを備えた合成樹脂製の収容体であって、前記収容体は積み重ね可能に構成され、前記蓋体の天面には、連結部が回動可能に設けられ、前記容器には、前記収容体の前記蓋体の前記連結部が係合して連結可能な被係合部が設けられていることを特徴とする。
【0006】
上記特徴によれば、連結部を被係合部に係合させれば、段積みされた収容体を連結固定して、容易に持ち運ぶことが出来る。
【0007】
更に、本願発明の請求項2に係る収容体は、前記連結部は、前記蓋体の天面に設けられた収容部に収容可能であり、前記天面から上方へ立ち上がるように回動させて、前記被係合部に連結可能であることを特徴とする。
【0008】
上記特徴によれば、収容体を積み重ねて固定する際は、連結部を立ち上げるように回動させて使用でき、一方、連結部を使用しない時は天面の収容部に収容できて邪魔になることはない。
【0009】
更に、本願発明の請求項3に係る収容体は、前記連結部には、ベルトを挿通可能な挿通孔が設けられていることを特徴とする。
【0010】
上記特徴によれば、ベルトを使用して収容体を持ち運ぶことができ、利便性が高い。
【0011】
更に、本願発明の請求項4に係る収容体は、前記蓋体の天面には、ハンドルが設けられており、前記ハンドルの把持部には、リブが設けられ、前記リブの先端は、湾曲していることを特徴とする。
【0012】
上記特徴によれば、把持部は、リブによって補強されており、リブの先端は湾曲しているので、把持部を人が把持しやすくなっている。
【0013】
更に、本願発明の請求項5に係る収容体は、前記ハンドルは、前記把持部を覆うカバー部材を備えることを特徴とする。
【0014】
上記特徴によれば、人が把持部を握っても手が痛くなりにくい。
【発明の効果】
【0015】
本願発明の収容体によれば、積み重ねて連結して、持ち運べる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】(a)は、収容体の平面図、(b)は、収容体の右側面図、(c)は、収容体の左側面図である。
【
図3】(a)は、連結部の裏面側の斜視図、(b)は、連結部の側面図、(c)は、連結部の表面側の斜視図である。
【
図4】(a)は、ハンドルの分解斜視図、(b)は、ハンドルの分解平面図である。
【
図5】(a)は、ハンドルの平面図、(b)は、A―A断面図である。
【
図7】段積みされた収容体を連結した状態の斜視図である。
【符号の説明】
【0017】
100 蓋体
130 天面
200 容器
400 連結部
500 被係合部
800 収容体
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本願発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、本明細書において、「上方」とは収容体の天面を上にして水平面上に載置した際に、鉛直方向における上方に向く方向のことであり、「下方」とは鉛直方向における下方に向く方向のことである。
【0019】
まず、
図1及び
図2には、本願発明の収容体800を示す。なお、
図1は、収容体800の全体斜視図、
図2(a)は、収容体800の平面図、
図2(b)は、収容体800の右側面図、
図2(c)は、収容体800の左側面図である。なお、
図2では、ハンドルと右側の連結部を取り外して示している。
【0020】
図1及び
図2に示すように、収容体800は、全体が合成樹脂から構成された略直方体形状をしており、蓋体100と容器200とを備えている。蓋体100は、後辺101側のヒンジ110によって容器200と連結固定され、ヒンジ110を中心に回動して、容器200を開閉できる。そして、容器200の内部に任意の収容物を収容した状態で蓋体100を閉じ、前辺102側のバックル120によって蓋体100が開かないように、蓋体100を固定する。その状態で、ハンドル300を立ち上げて手で持てば、収容体800を持ち運ぶことができる。
【0021】
また、蓋体100は、平坦な天面130を備え、天面130の外周には、天面130から上方へ突出した凸部131が設けられている。この凸部131は、後述するように、天面130の上に収容体800を段積みした際に、上側の収容体800の容器200の外周が凸部131に当接するので、段積み時の位置決めに利用できる。なお、後述するハンドル300が収納される収容部140には、凸部131が無く、開口しているので、ハンドル300を持ち上げやすい。また、収容部140の外側に凸部131を設けてもよい。凸部131の一部には凹部132が設けられており、収容体800の持ち運びに利用するベルト等を掛けてもズレることはない。
【0022】
また、蓋体100の天面130には、天面130から下方へ窪んだ収容部140が設けられている。収容部140は、ハンドル300を収容できる大きさに構成されており、ハンドル300を回動可能に固定する軸受け部141が設けられている。
【0023】
また、蓋体100の長辺である前辺102側には、蓋体100が開かないように固定するためのバックル120を配置しているが、一方、前辺102の両側の短辺である側辺103側には、連結部400が配置されている。後述するように、段積みした収容体800を連結部400によって連結固定し、収容体800を持ち運ぶと、下側の収容体800の重量によって、連結部400には負荷がかかる。一方で、バックル120には、下側の収容体800の容器200の重量によって、負荷がかかる。そこで、負荷がかかる連結部400の位置と、負荷がかかるバックル120の位置を、蓋体100の異なる辺に分散させることで、蓋体100の一部に負荷が集中せず、蓋体100の破損や、蓋体100が不用意に開いてしまうことを防止している。なお、前辺102の両側の側辺103側に、連結部400が配置されているが、これに限定されず、前辺102側に、連結部400を配置してもよい。
【0024】
また、蓋体100の天面130には、天面130から下方へ窪んだ収容部150が設けられている。収容部150は、連結部400を収容できる大きさに構成されており、連結部400を回動可能に固定する軸部151が設けられている。また、収容部150の平坦な底面152には、底面152から上方へ突出した凸部153が設けられており、凸部153は連結部400の挿通孔430に挿入可能に構成されている。後述するように、収容体800を段積みした状態で、下側の収容体800の連結部400を上方へ回動させて被係合部500に係合させる際に、凸部153は、段積みされた上側の収容体800の位置がズレることを防止するため、上下に連結し易い。また、収容部150の縁部には凹部154が設けられており、凹部154に指を入れることで、収容部150に収容された連結部400を上方へ引き上げやすくなっている。
【0025】
また、容器200の長辺側となる前壁202には、蓋体100を固定するためのバックル120を回動可能に取り付けているが、前壁202の両側の短辺側となる側壁203には、連結部400を係合させる被係合部500が設けられている。被係合部500は、側壁203から内側に窪んだ凹部204に設けられ、被係合部500の上端部510には、下方へ凹んだ係止孔520が形成されている。なお、被係合部500の上端部510に合わせて横向きの金型の割線が設けられ、そこから上側が横スライド、下側が下向きの金型で構成されるため、比較的簡単な金型構造にできる。また、凹部204の下側は開口しており、係止孔520の下側も開口しており、両方が下側に開口していることで、成形金型が簡単な構造にできる。そのため、横スライドと下金型が交わる位置の係止孔520の上端に細いリブが形成される。
【0026】
次に、
図3には、連結部400を示す。なお、
図3(a)は、連結部400の裏面側の斜視図、
図3(b)は、連結部400の側面図、
図3(c)は、連結部400の表面側の斜視図である。
【0027】
図3に示すように、連結部400は、合成樹脂や金属等で構成された板状の部材であり、薄肉部410と、薄肉部410よりも厚い厚肉部420とを備える。厚肉部420には、蓋体100の収容部150の軸部151に連結される軸孔421が設けられている。連結部400の軸孔421に、蓋体100の軸部151を連結固定することで、連結部400は軸部151を中心に回動できる。そして、
図1及び
図2に示すように、連結固定された連結部400が収容部150に収容された状態では、薄肉部410が天面130と面一となり、厚肉部420も天面130の凸部131と面一となっている。そのため、収容体800の段積み状態において、荷崩れをより防止することができる。また、厚肉部420は天面130の凸部131より窪む又は突出してもよい。なお、これに限定されず、連結部400が収容部150に収容された状態で、薄肉部410が天面130よりも少し上方へ突出する、又は、薄肉部410が天面130よりも少し下方へ窪む状態であってもよい。なお、薄肉部410には、ヒケ対策の凹部411(肉盗み)が設けてある。また、厚肉部420にも、ヒケ対策の凹部(肉盗み)を設けてもよい。
【0028】
また、連結部400の中央辺りには、表側から裏側へ貫通した挿通孔430が設けられている。この挿通孔430には、後述するようにベルトを挿通させることが出来る。また、
図1及び
図2に示すように、連結部400が収容部150に収容された状態では、収容部150の凸部153が連結部400の挿通孔430に挿入されている。なお、挿通孔430は横孔になっているので、挿通させたベルトがズレにくい。また、横孔の挿通孔430の縦幅よりも、挿通孔430の上側の樹脂幅が厚いため、挿通孔430周辺の破損を防止している。特に、横孔の挿通孔430の縦幅は、横孔の外周の肉厚と同等及び3倍以内とすることが好ましい。
【0029】
また、連結部400の裏面側から、係合部440が突出するように設けられている。この係合部440は、容器200の被係合部500の上端部510に係合可能に構成されている。さらに、係合部440の先端には、下方へ突出した係止爪441が設けられている。この係止爪441は、容器200の被係合部500の係止孔520に係止するもので、連結部400が被係合部500により強力に係合して連結できる。なお、係合部440を挿通孔430の両側に設けることで、挿通孔430を連結部400の中心に設けることができるため、挿通孔430に通したベルトが中心になり、収容体800を持ち上げた際のバランスがよい。また、連結部400の幅は、収容体800の短辺の半分以上、より好ましくは、2/3以上とするのがよい。また、連結部400は、180°回動可能に構成されている。そのため、段積みする際に、連結部400を180°回動させて外側へ配置することで、段積みの邪魔になりにくい。
【0030】
次に、
図4及び
図5には、ハンドル300を示す。
図4(a)は、ハンドル300の分解斜視図、
図4(b)は、ハンドル300の分解平面図、
図5(a)は、ハンドル300の平面図、
図5(b)は、A―A断面図である。
【0031】
図4に示すように、ハンドル300は、合成樹脂や金属等で構成された略コ字状の部材であり、人の手で握れるように構成された把持部310と、把持部310の両側のアーム部320とを備える。アーム部320の先端には軸部321が設けられている。蓋体100の収容部140の軸受け部141(
図2参照)に、軸部321を連結固定することで、ハンドル300は軸受け部141を中心に回動できる。そして、
図1に示すように、連結固定されたハンドル300が収容部140に収容された状態では、ハンドル300の把持部310やアーム部320が天面130と面一となっている。なお、これに限定されず、ハンドル300が収容部140に収容された状態で、ハンドル300が天面130よりも少し上方へ突出する、又は、ハンドル300が天面130よりも少し下方へ窪む状態であってもよい。
【0032】
また、把持部310にはリブ330が設けられており、リブ330によって把持部310は補強されている。具体的には、リブ330は、把持部310の平坦な底部311に対して直角に立設されており、下端リブ331と中央リブ332と上端リブ333とを備える。また、底部311の表側と裏側の両方にリブ330が設けられている。そして、ハンドル300を合成樹脂等で射出成形する場合は、リブ330が底部311に対して直角に設けられているので、金型を表側と裏側から上下抜きできる。また、後述するカバー部材350を利用せずに、人が把持部310を直接把持する場合であっても、リブ330の先端334は湾曲しているので、把持部310を人が把持しやすくなっている。さらに、
図4(b)に示すように、把持部310の下辺312全体も、平面視で湾曲しているので、把持部310を把持しやすくなっている。また、把持部310の上端313は、面状になっているので、把持部310を人が把持しやすくなっている。なお、リブ330は、
図4に示すような形状に限定されず、把持部310を補強できるのであれば、任意の形状であってもよい。なお、カバー部材350を離型する際のエジェクタピンで押す部分を増肉している為、その増肉部分が干渉しない様に、把持部310には凹部319を設けている。
【0033】
また、ハンドル300は、カバー部材350を備えている。カバー部材350は、合成樹脂や金属等で構成された略コ字状の部材であり、把持部310を覆うことが出来るように構成されている。具体的には、カバー部材350は、平坦な表面部351と裏面部352と、相対する表面部351と裏面部352とを連結する下面部353とを備える。表面部351と裏面部352には、内側に突出した固定爪354が設けられている。また、下面部353の反対側の上側は、開口355となっている。なお、カバー部材350は任意の素材で構成してもよいが、把持部310と同じ素材で構成するのが好ましい。
【0034】
そして、カバー部材350を把持部310に取り付ける際は、
図4に示すように、把持部310の下側を、カバー部材350の開口355へ嵌め入れる。すると、
図5に示すように、カバー部材350が、把持部310を外側から覆うように取り付けられる。把持部310のリブ330は、カバー部材350で覆われているので、人が把持部310を握っても手が痛くなりにくい。また、固定爪354が把持部310の一部(例えば、中央リブ332)に係合するので、カバー部材350は把持部310から外れないようにしっかりと取り付けられる。
【0035】
また、
図5(b)に示すように、カバー部材350の表面部351と裏面部352の内面はリブ330に接触しているので、人がカバー部材350を握った際に、カバー部材350が変形し難く、把持し易い。また、下面部353は、リブ330の先端334と同様に湾曲しているので、人がカバー部材350を把持しやすくなっている。さらに、下面部353の内面はリブ330の先端334に接触しているので、人がカバー部材350を握った際に、カバー部材350が変形し難く、把持し易い。また、
図5(a)に示すように、カバー部材350の下面部353全体も、平面視で湾曲しているので、カバー部材350を把持しやすくなっている。また、略コ字状のカバー部材350を把持部310の下側から嵌め入れるようにして取り付ける構成なので、カバー部材350を人が握って力を加えても、カバー部材350が把持部310から外れにくい。なお、カバー部材350は任意で取り付けるもので、ハンドル300はカバー部材350を備えてなくてもよい。
【0036】
次に、
図6から
図8に、段積みされた収容体800を連結する態様を示す。なお、
図6は、段積みする前の収容体800の斜視図、
図7は、段積みされた収容体800を連結した状態の斜視図、
図8は、
図7に示すBーB断面図である。
【0037】
図6に示すように、収容体800を段積みする際は、下側の収容体800の連結部400を、天面130から上方へ立ち上がるように回動させておく。なお、被係合部500に干渉しないように、連結部400は被係合部500よりも外側に回動させておく。その状態で、上側の収容体800を、下側の収容体800の天面130上に載置する。その後、
図7及び
図8に示すように、下側の収容体800の連結部400を、上側の収容体800の被係合部500へ向けて回動させて、連結部400を被係合部500に係合させる。すると、上側の収容体800と下側の収容体800が連結された状態となる。そして、上側の収容体800のハンドル300を立ち上げて把持すれば、段積みされた収容体800を、容易に持ち運ぶことが出来る。また、収容体800を連結しない時は、連結部400を収容部150に収容できるので、邪魔になることはない。なお、上側の収容体800の連結部400を立ち上げて、連結部400の挿通孔430にベルト900等を挿通させてもよい。ベルト900によって収容体800を持ち運ぶことができ、利便性が高い。
【0038】
また、
図8に示すように、連結部400の係止爪441が被係合部500の係止孔520に係合しているので、連結部400と被係合部500との連結がより強固になっている。また、被係合部500は、容器200の凹部204に設けられているので、連結部400を被係合部500に連結させた際に、連結部400が側方へ飛び出にくく、収まりが良い。さらに、連結状態で、連結部400は、収容体800の側面から突出していないため、連結部400等の破損防止につながる。また、連結状態を解除する場合は、連結状態で、連結部400の上方の凹部204に指を入れる空間が有るため、その空間に指を入れて、連結部400を外側に回動させることで連結を容易に解除できる。なお、本願発明の収容体800は、蓋体100と容器200を備えた略直方体形状のボックスの態様をしているが、これに限定されず、蓋体と容器を備え、任意の収容物を収容できる態様であれば、バケツやコンテナなど、任意の態様であってもよい。また、収容体800の底面に脚部を設けてもよい。
【0039】
なお、本願発明の収容体は、上記の実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせもその権利範囲に含むものである。
【要約】
【課題】
本願発明は、収容体を積み重ねて連結して、持ち運べる収容体を提供する。
【解決手段】
蓋体100と容器200とを備えた合成樹脂製の収容体800であって、収容体800は積み重ね可能に構成され、蓋体100の天面130には、連結部400が回動可能に設けられ、容器200には、収容体800の蓋体100の連結部400が係合して連結可能な被係合部500が設けられていることを特徴とする。
【選択図】
図1