(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-20
(45)【発行日】2024-11-28
(54)【発明の名称】フラップレス駐車場精算システム
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20241121BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20241121BHJP
G07F 17/24 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
G07B15/00 M
G07B15/00 N
G06Q50/10
G07F17/24
(21)【出願番号】P 2019206502
(22)【出願日】2019-11-14
【審査請求日】2022-08-10
【審判番号】
【審判請求日】2024-01-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000004651
【氏名又は名称】日本信号株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福島 壮
【合議体】
【審判長】伊藤 隆夫
【審判官】北元 健太
【審判官】野崎 大進
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-317098(JP,A)
【文献】特開2018-190039(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B15/00-15/06
G06Q50/10-50/26
G07F17/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の種類の契約のうちいずれか一の種類の契約を行った利用者の車両の車番が
それぞれ該一の種類と対応付けてデータベースに格納されており、前記データベースに格納されている車番と駐車場で撮影した車両の車番が一致した場合、前記車両の駐車時間に応じた駐車料金の精算処理を免除するフラップレス駐車場精算システムであって、
前記車両が入庫した車室に設けられた端末装置において、前記データベースに格納されていた当該車番
、該車番に対応す
る前記
一の種類
、及び該車番の車両に対する前記精算処理の免除を報知するフラップレス駐車場精算システム。
【請求項2】
前記駐車場に設置された前記駐車料金を徴収する精算機での前記精算処理を免除する
請求項1に記載のフラップレス駐車場精算システム。
【請求項3】
前記データベースに格納される車番は、前記駐車場を定期利用する車両の車番である
請求項1又は請求項2に記載のフラップレス駐車場精算システム。
【請求項4】
前記データベースに格納される車番は、前記駐車場を車庫とする貸出車両の車番である
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のフラップレス駐車場精算システム。
【請求項5】
前記データベースに格納される車番は、前記駐車場の提携先により登録された車番である
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のフラップレス駐車場精算システム。
【請求項6】
前記報知は、前記駐車時間に応じた前記精算処理が免除された車両が駐車している車室の前記端末装置において、精算機での精算処理が不要であることを表示することにより行われる
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のフラップレス駐車場精算システム。
【請求項7】
前記精算処理が免除された車両の駐車料金を、精算機を介さずにキャッシュレス決済する
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のフラップレス駐車場精算システム。
【請求項8】
前記報知は、前記駐車時間に応じた前記精算処理が免除された車両が駐車している車室の前記端末装置において、出庫可能を表示することにより行われる
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のフラップレス駐車場精算システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラップレス駐車場精算システムに関する。
【背景技術】
【0002】
駐車場の駐車料金を精算する発明として、例えば特許文献1に開示された駐車管理システムがある。この駐車管理システムは、駐車エリア内の車両を撮影して車両の車番を認識し、認識した車番と入場時刻を駐車エリアの番号に対応付けて記憶する。駐車管理システムは、駐車料金の精算のときには、利用者が料金精算装置で入力した駐車エリアの番号に対応付けられている入場時刻と現在時刻から駐車時間を求めて駐車料金を算出して表示する。駐車管理システムは、利用者が料金精算装置で駐車料金の精算を行うと、精算時刻を駐車エリアに対応付けて記憶する。駐車管理システムは、駐車エリアの映像から駐車エリアの車両の出場を判定すると、出場した車両が駐車していた駐車エリアに対応付けて記憶されている精算時刻を基にして正規の出場か不正な出場かを判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された駐車管理システムにおいては、例えば後払いの契約や月極契約をした利用者などの料金精算装置で精算処理を行う必要がない利用者についても、料金精算装置で駐車エリアを入力する必要がある。後払いの契約や月極契約をした利用者が駐車エリアの番号を間違えて入力した場合、間違えて入力された番号に基づいて精算の処理が行われてしまう。
【0005】
本発明は、予め定められた利用者については精算機での精算処理を免除することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、契約を行った利用者の車両の車番がデータベースに格納されており、前記データベースに格納されている車番と駐車場で撮影した車両の車番が一致した場合、前記車両の駐車時間に応じた駐車料金の精算処理を免除するフラップレス駐車場精算システムであって、前記車両が入庫した車室に設けられた端末装置において、前記データベースに格納されていた当該車番に対応する車両の前記契約の種類とともに前記精算処理の免除を報知するフラップレス駐車場精算システムを、第1の態様として提供する。
【0007】
第1の態様のフラップレス駐車場精算システムによれば、予め定められた利用者については精算機での精算処理を免除することができる。また、第1の態様のフラップレス駐車場精算システムによれば、駐車時間に応じた精算処理を免除されていることを予め定められた車両の乗員に知らせることができる。
【0008】
第1の態様のフラップレス駐車場精算システムにおいて、前記駐車場に設置された前記駐車料金を徴収する精算機での前記精算処理を免除する、という構成を第2の態様として採用してもよい。
【0009】
第2の態様のフラップレス駐車場精算システムによれば、予め定められた利用者については駐車場での駐車時間に応じた精算処理を免除することができる。
【0012】
また、本発明は、第1の態様から第2の態様のいずれか一の態様において、前記データベースに格納される車番は、前記駐車場を定期利用する車両の車番である、という構成を第3の態様として採用してもよい。
【0013】
第3の態様のフラップレス駐車場精算システムによれば、駐車場を定期利用する車両について、駐車時間に応じた精算処理を免除することができる。
【0014】
また、本発明は、第1の態様から第3の態様のいずれか一の態様において、前記データベースに格納される車番は、前記駐車場を車庫とする貸出車両の車番である、という構成を第4の態様として採用してもよい。
【0015】
第4の態様のフラップレス駐車場精算システムによれば、貸出車両について、駐車時間に応じた精算処理を免除することができる。
【0016】
また、本発明は、第1の態様から第4の態様のいずれか一の態様において、前記データベースに格納される車番は、前記駐車場の提携先により登録された車番である、という構成を第5の態様として採用してもよい。
【0017】
第5の態様のフラップレス駐車場精算システムによれば、提携先により登録された車両の乗員について、駐車時間に応じた精算処理を免除することができる。
【0018】
また、本発明は、第1の態様から第5の態様のいずれか一の態様において、前記報知は、前記駐車時間に応じた前記精算処理が免除された車両が駐車している車室において、精算機での精算処理が不要であることを表示することにより行われる、という構成を第6の態様として採用してもよい。
【0019】
第6の態様のフラップレス駐車場精算システムによれば、駐車時間に応じた精算処理を免除されていることを予め定められた車両の乗員に知らせることができる。
【0020】
また、本発明は、第1の態様から第6の態様のいずれか一の態様において、前記精算処理が免除された車両の駐車料金を、精算機を介さずにキャッシュレス決済する、という構成を第7の態様として採用してもよい。
【0021】
第7の態様のフラップレス駐車場精算システムによれば、精算機での精算処理を行わずに車両を出庫させることができる。
【0022】
また、本発明は、第1の態様から第7の態様のいずれか一の態様において、前記報知は、前記駐車時間に応じた前記精算処理が免除された車両が駐車している車室において、出庫可能を表示することにより行われる、という構成を第8の態様として採用してもよい。
【0023】
第8の態様のフラップレス駐車場精算システムによれば、精算処理を行わずに出庫できることを車両の乗員に知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明に係るフラップレス駐車場精算システム1の一例を示した図。
【
図5】車番認識装置50の構成を示したブロック図。
【
図7】実施形態の動作例を説明するためのシーケンス図。
【
図8】実施形態の動作例を説明するためのシーケンス図。
【
図9】実施形態の動作例を説明するためのシーケンス図。
【
図10】実施形態の動作例を説明するためのシーケンス図。
【
図11】端末装置30が表示する画面の一例を示す図。
【
図12】端末装置30が表示する画面の一例を示す図。
【
図13】端末装置30が表示する画面の一例を示す図。
【
図14】端末装置30が表示する画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[実施形態]
(実施形態の構成)
図1は、本発明に係るフラップレス駐車場精算システム1の一例を示した図である。通信網2は、データ通信などの通信サービスを提供する通信網である。通信網2は、インターネットや固定電話網、移動体通信網などを含む。駐車場3は、車両を駐車する車室4を時間貸しで提供する駐車場であり、車室4
1~車室4
5を有する。本実施形態では、駐車場3は、所謂フラップレス式の駐車場であるが、フラップ式の駐車場であってもよい。フラップレス駐車場精算システム1は、車室4
1~車室4
5を時間貸し又は月極契約で提供し、時間貸しについては利用時間に応じて精算処理を行うシステムである。なお、説明の便宜上、車室4
1~車室4
5の各々を区別する必要がない場合は車室4と称する。
【0026】
駐車場3においては、精算機40と車番認識装置50が設置され、車室4への車両の入庫や車室4からの車両の出庫を検知する端末装置301~端末装置305が車室41~車室45に設置されている。なお、説明の便宜上、端末装置301~端末装置305の各々を区別する必要がない場合は端末装置30と称する。
【0027】
端末装置30は、例えば所定の高さの柱状の装置であり、ディスプレイ装置や、警告音を放音するスピーカ、車室4を撮影するカメラを有する。端末装置30の設置位置は、車室4に進入する車両の車番と車両の乗員を撮影可能な位置であればよく、例えば車室4の前方又は後方に設置される。
【0028】
車番認識装置50は、車室4に入庫した車両の車番を認識する装置であり、同じ駐車場内に設置されている複数の端末装置30に接続されている。車番認識装置50は、端末装置30がカメラでの撮影により得た映像を取得し、取得した映像内の車両の車番を公知の方法で認識する。
【0029】
精算機40は、車室4の利用料金の精算を行う装置である。精算機40は、同じ駐車場内に設置されている複数の端末装置30と車番認識装置50に接続されている。精算機40は、通信網2を介して管理装置20と通信を行う。
【0030】
管理装置20は、精算機40での精算処理が免除されている車両の車番や車室4から不正に出庫した車両の車番を管理する装置である。管理装置20は、通信網2を介して精算機40と通信を行う。
【0031】
テナントチェッカ60は、駐車場3と提携した提携先の店舗に設置される装置である。テナントチェッカ60は、精算機40が発行する駐車券に記録された情報を読み取り、駐車場3の利用料金の精算に係る情報を管理装置20へ送信する。
【0032】
図2は、端末装置30の構成を示したブロック図である。通信部305は、精算機40や車番認識装置50と通信を行う通信インターフェースである。カメラ306は、撮像素子を有しており、少なくとも設置されている車室4を撮影範囲とする。ディスプレイ303は、液晶ディスプレイであり、各種情報を表示する。スピーカ307は、制御部301から出力される信号に対応した音声や警告音を出力する。記憶部302は、不揮発性メモリであり、端末装置30が設置されている車室4を識別する車室IDと、制御部301が実行するプログラムを記憶する。制御部301は、CPU(Central Processing Unit)を有し、記憶部302に記憶されているプログラムを実行して各部を制御し、通信部305を介して精算機40や車番認識装置50と通信を行う。
【0033】
図3は、精算機40の構成を示したブロック図である。通信部405は、端末装置30や車番認識装置50と通信を行う通信インターフェースである。カメラ404は、撮像素子を有しており、利用者の顔を撮影する。発券部408は、駐車券を発行する。発券部408が発行する駐車券には、例えば、車室4に付された車室IDが記録される。タッチパネル403は、液晶ディスプレイなどの表示装置と、表示装置の表示面において指の接触を検出するセンサとを組み合わせた装置である。スピーカ407は、制御部401から出力される信号に対応した音声を出力する。精算部406は、車室4の利用料金の精算に係る紙幣や硬貨の入出金を行う。記憶部402は、不揮発性メモリであり、制御部401が実行するプログラムを記憶する。また、記憶部402は、車室4に関する情報を管理する管理テーブルを記憶する。
【0034】
図4は、管理テーブルの一例を示す図である。管理テーブルの各レコードは、一の車室4に対応している。各レコードは、車室4に関する情報として、車室4に付された車室ID、車室4への車両の入庫日時、車室4からの車両の出庫日時、車室4に入庫した車両の車番などを格納する。
【0035】
制御部401は、CPUを有し、記憶部402に記憶されているプログラムを実行する。プログラムを実行している制御部401は、通信部405を介して端末装置30や車番認識装置50と通信を行う。また、制御部401は、タッチパネル403が検出した指の位置と、タッチパネル403に表示されている画面に応じてユーザの操作を特定し、特定した操作に応じて各部の制御や精算処理などの各種処理を実行する。
【0036】
図5は、車番認識装置50の構成を示したブロック図ある。通信部505は、端末装置30や精算機40と通信を行う通信インターフェースである。記憶部502は、不揮発性メモリを有し、制御部501が実行するプログラムを記憶する。制御部501は、CPUを有し、記憶部502に記憶されているプログラムを実行する。プログラムを実行中の制御部501は、車室4に入庫した車両の車番を端末装置30から送られる映像を解析して認識し、認識した車番を精算機40へ送信する。
【0037】
図6は、管理装置20の構成を示したブロック図ある。通信部205は、通信網2を介したデータ通信を行う通信インターフェースである。ディスプレイ装置203は、例えば液晶ディスプレイであり、管理装置20を操作するためのGUI画面や各種情報を表示する。操作部204は、キーボードやマウスなどの入力装置である。
【0038】
記憶部202は、ハードディスク装置を有し、精算機40での精算が免除された利用者の車両の車番を格納する車番データベースを記憶する。車番データベースに格納される車番は、例えば、駐車場3の利用について後払いの契約を行った利用者の車両の車番、駐車場3の利用について定期利用の月極契約をした利用者の車両の車番、テナントチェッカ60が設置されている店舗を利用した利用者の車番などである。また、記憶部202は、制御部201が実行するプログラムを記憶する。制御部201は、CPUを有し、記憶部202に記憶されているプログラムを実行する。制御部201は、通信部205を介して精算機40と通信を行う。
【0039】
(実施形態の動作例)
次に実施形態の動作例について説明する。
図7は、フラップレス駐車場精算システム1の動作を説明するためのシーケンス図である。
【0040】
端末装置301は、カメラ306で車室41を撮影し、カメラ306で撮影している車室41の映像を車番認識装置50へ送信している。駐車場3の利用について月極契約をしている利用者の車両が車室41に進入すると、端末装置301は、カメラ306で撮影している車室41の映像を解析し、車室41への車両の進入を公知の技術を用いて判定する(ステップSA1)。端末装置301は、車両が車室41へ進入したと判定すると、撮影した車両の映像を車番認識装置50へ送信する(ステップSA2)。
【0041】
車番認識装置50は、車室41に進入した車両の車番を端末装置301から送信される映像を解析して認識する(ステップSA3)。車番認識装置50は、映像から認識した車番を端末装置301へ送信する(ステップSA4)。端末装置301は、車番認識装置50から送信された車番を受信すると、車両が進入した車室41の車室番号及び車番認識装置50から受信した車番を含む入庫メッセージを精算機40へ送信する(ステップSA5)。
【0042】
精算機40は、端末装置301から送信された入庫メッセージを受信する。精算機40は、記憶部402に格納されている管理テーブルにおいて、受信した入庫メッセージに含まれている車室IDが格納されているレコードの情報を更新する。具体的には、精算機40は、受信した車室IDが格納されているレコードにおいて、入庫メッセージを受信した日時を入庫日時のセルに格納する(ステップSA6)。
【0043】
また、精算機40は、受信した入庫メッセージに含まれている車室IDが格納されているレコードにおいて、車番メッセージに含まれている車番を車番のセルに格納する(ステップSA7)。
【0044】
次に駐車場3の利用について月極契約をしている利用者の車両が車室4
1から出庫するときの動作例について、
図8を用いて説明する。
【0045】
駐車場3の利用について月極契約をしている利用者は、精算機40を操作せずに車両を車室4A1から出庫させる。利用者の車両が車室4A1から出庫すると、端末装置301は、カメラ306で撮影している車室41の映像を解析し、車両の車室41からの出庫を公知の技術を用いて判定する(ステップSB1)。端末装置301は、車両が車室41から出庫したと判定すると、車両が出庫した車室41の車室IDを含む出庫メッセージを精算機40へ送信する(ステップSB2)。
【0046】
精算機40は、端末装置301から送信された出庫メッセージを受信する。精算機40は、記憶部402に格納されている管理テーブルにおいて、受信した出庫メッセージに含まれている車室IDが格納されているレコードの情報を更新する。具体的には、精算機40は、受信した車室IDが格納されているレコードにおいて、出庫メッセージを受信した日時を出庫日時のセルに格納する(ステップSB3)。
【0047】
次に精算機40は、更新したレコードに含まれている車番を含む問い合わせメッセージを管理装置20へ送信する(ステップSB4)。この問い合わせメッセージを受信した管理装置20は、受信した問い合わせメッセージに含まれている車番が車番データベースに格納されているか判定する(ステップSB5)。
【0048】
管理装置20は、問い合わせメッセージに含まれている車番が車番データベースに格納されている場合、精算処理を免除する車両であることを示すメッセージを精算機40へ送信し、問い合わせメッセージに含まれている車番が車番データベースに格納されていない場合、精算処理を免除する車両ではないことを示すメッセージを精算機40へ送信する(ステップSB6)。
【0049】
精算機40は、管理装置20から送信されたメッセージが精算処理を免除する車両であることを示す場合、車室41の車室IDが格納されているレコードの内容を履歴として記憶する(ステップSB7)。次に精算機40は、当該レコードに格納されている入庫日時、出庫日時及び車番を消去する(ステップSB8)。このように、駐車場3を利用する車両の車番が予め車番データベースに登録された車番である場合、利用者は、精算機40での精算処理を行うことなく車両を車室4から出庫させることができる。
【0050】
なお、精算機40は、管理装置20から送信されたメッセージが精算処理を免除する車両ではないことを示す場合、車室41の車室IDが格納されているレコードの内容を不正出庫の履歴として記憶した後、当該レコードに格納されている入庫日時、出庫日時及び車番を消去する。
【0051】
次に、テナントチェッカ60が設置されている店舗を利用することにより駐車場3の利用者が駐車料金の精算処理を免除される場合の動作例について、
図9と
図10を用いて説明する。
【0052】
駐車場3を一時利用する利用者が車室4
2に車両を入庫させると、
図7と同じ動作が行われ、管理テーブルにおいては、車両が入庫した車室4
2の車室IDが格納されたレコードに入庫日時と車室4
2に入庫した車両の車番が格納される(
図9:ステップSC1~ステップSC7)。
【0053】
車室42に車両を入庫させた利用者は、精算機40において駐車券を発行する操作を行う。具体的には、利用者は、タッチパネル403において車室42の車室IDを入力し、駐車券の発行を指示する操作を行う。精算機40は、この操作が行われると、入力された車室IDが格納されている管理テーブルのレコードから車番を取得し、取得した車番が記録された駐車券を発券部408から発行する(ステップSC8)。
【0054】
駐車券を受け取った利用者は、テナントチェッカ60が設置された店舗を利用した場合、駐車券を店員に手渡す。店員は、利用者から受け取った駐車券をテナントチェッカ60に挿入する。テナントチェッカ60は、挿入された駐車券に記録されている車番を取得し(ステップSC9)、読み取った車番を管理装置20へ送信する(ステップSC10)。店員は、記録されている情報が読み取られた駐車券を利用者に返却する。管理装置20は、テナントチェッカ60から送信される車番を受信し、受信した車番を車番データベースに格納する(ステップSC11)。
【0055】
駐車券を返却された利用者は、精算機40を操作せずに車両を車室4
2から出庫させる。利用者の車両が車室4
2から出庫すると、端末装置30
2は、カメラ306で撮影している車室4
2の映像を解析し、車両の車室4
2からの出庫を公知の技術を用いて判定する(
図10:ステップSD1)。端末装置30
2は、車両が車室4
2から出庫したと判定すると、車両が出庫した車室4
2の車室IDを含む出庫メッセージを精算機40へ送信する(ステップSD2)。
【0056】
精算機40は、端末装置302から送信された出庫メッセージを受信する。精算機40は、記憶部402に格納されている管理テーブルにおいて、受信した出庫メッセージに含まれている車室IDが格納されているレコードの情報を更新する。具体的には、精算機40は、受信した車室IDが格納されているレコードにおいて、出庫メッセージを受信した日時を出庫日時のセルに格納する(ステップSD3)。
【0057】
次に精算機40は、更新したレコードに含まれている車番を含む問い合わせメッセージを管理装置20へ送信する(ステップSD4)。この問い合わせメッセージを受信した管理装置20は、受信した問い合わせメッセージに含まれている車番が車番データベースに格納されているか判定する(ステップSD5)。
【0058】
管理装置20は、問い合わせメッセージに含まれている車番が車番データベースに格納されている場合、精算処理を免除する車両であることを示すメッセージを精算機40へ送信し、問い合わせメッセージに含まれている車番が車番データベースに格納されていない場合、精算処理を免除する車両ではないことを示すメッセージを精算機40へ送信する(ステップSD6)。ここで管理装置20は、上述したステップSC8~ステップSC10の動作により、車室42に入庫した車両の車番が車番データベースに格納されているため、精算処理を免除する車両であることを示すメッセージを精算機40へ送信する。
【0059】
精算機40は、管理装置20から送信されたメッセージが精算処理を免除する車両であることを示す場合、車室42の車室IDが格納されているレコードの内容を履歴として記憶する(ステップSD7)。次に精算機40は、当該レコードに格納されている入庫日時、出庫日時及び車番を消去する(ステップSD8)。このように、駐車場3を利用する車両の車番が予め車番データベースに登録された車番である場合、利用者は、精算機40での精算処理を行うことなく車両を車室4から出庫させることができる。
【0060】
なお、精算機40は、管理装置20から送信されたメッセージが精算処理を免除する車両ではないことを示す場合、車室42の車室IDが格納されているレコードの内容を不正出庫の履歴として記憶した後、当該レコードに格納されている入庫日時、出庫日時及び車番を消去する。
【0061】
[変形例]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。なお、上述した実施形態及び以下の変形例は、各々を組み合わせてもよい。
【0062】
本発明においては、車番データベースには、カーシェアリングにて貸し出される貸出車両の車番を格納してもよい。また、本発明においては、駐車場3の駐車料金の精算をクレジットカードで行う利用者の車両の車番を車番データベースに格納してもよい。この場合、車番データベースに車番が格納されている車両の駐車料金については、当該車両の使用者のクレジットカードの番号を予め管理装置20に登録し、登録された番号を用いてキャッシュレスで駐車料金の精算を行うようにしてもよい。この変形例によれば、例えば、時間貸しで駐車場3を利用する利用者についても、精算機40での操作を行うことなく、車両を車室4から出庫させることができる。
【0063】
本発明においては、精算機40での精算処理を免除されている利用者の車両が車室4に入庫した場合、精算処理が免除されていることを端末装置30で報知してもよい。具体的には、精算機40は、車室4
1に入庫した車両の車番を管理テーブルに格納した後、格納した車番を含む問い合わせメッセージを管理装置20へ送信する。精算機40は、問い合わせメッセージへの応答として、精算処理を免除する車両であることを示すメッセージを受信すると、車室4
1にある端末装置30
1へ報知メッセージを送信する。端末装置30
1は、この報知メッセージを受信すると、精算処理が不要であり、精算処理を行わなくても出庫が可能であること示すメッセージをディスプレイ303で表示し、精算処理を行わなくても出庫が可能であることを説明する音声をスピーカ307から出力する。例えば、入庫した車両の車番が、定期利用の月極契約をした車両の車番である場合、
図11に例示した画面を表示し、入庫した車両の車番が、カーシェア車両の車番である場合、
図12に例示した画面を表示してもよい。この変形例によれば、駐車時間に応じた精算処理を免除されていることを、精算処理を免除されている利用者に知らせることができる。
【0064】
本発明においては、駐車場3に駐車可能な車両を、月極契約をした利用者の車両やカーシェアリングの貸出車両のみとする場合、精算機40が精算部406を備えていない構成、即ち、駐車場3において精算を行う装置が設置されていない構成であってもよい。
【0065】
駐車場3に駐車可能な車両を、月極契約をした利用者の車両やカーシェアリングの貸出車両のみとする場合、上述した動作例において精算機40が行った処理を車番認識装置50が行うようにし、駐車場3に精算機40を設置しない構成としてもよい。
【0066】
本発明においては、端末装置30は、車両が車室4に進入したと判定した後、車番認識装置50から車番を受信した場合、車両の車室4への入庫を認識したことを報知する画面として、例えば、
図13に例示する画面を表示してもよい。
【0067】
本発明においては、テナントチェッカ60から受信した車番を管理装置20が車番データベースに格納した場合、当該車番の車両が入庫している車室4の端末装置30で、
図14に例示する画面を表示してもよい。
【0068】
上述した実施形態においては、利用者が精算機40を操作するための入力デバイスはタッチパネル403であるが、タッチパネル403に替えて複数のボタンを入力デバイスとして精算機40に設け、利用者は、ボタンを押下することにより精算機40を操作する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0069】
1…フラップレス駐車場精算システム、3…駐車場、4…車室、20…管理装置、30…端末装置、40…精算機、50…車番認識装置、60…テナントチェッカ、201…制御部、202…記憶部、205…通信部、301…制御部、302…記憶部、303…ディスプレイ、305…通信部、306…カメラ、307…スピーカ、401…制御部、402…記憶部、403…タッチパネル、404…カメラ、405…通信部、406…精算部、407…スピーカ、408…発券部、501…制御部、502…記憶部、505…通信部