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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-20
(45)【発行日】2024-11-28
(54)【発明の名称】保持装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20241121BHJP
   H02N 13/00 20060101ALI20241121BHJP
   B25J 15/06 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H02N13/00 D
B25J15/06 S
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020095839
(22)【出願日】2020-06-02
(65)【公開番号】P2021190601
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-01-27
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【弁理士】
【氏名又は名称】田邊 淳也
(72)【発明者】
【氏名】岐部 太一
【審査官】杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-220497(JP,A)
【文献】特開2017-224710(JP,A)
【文献】特開2015-82384(JP,A)
【文献】特開2014-150104(JP,A)
【文献】特開2016-207979(JP,A)
【文献】国際公開第2020/054682(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H02N 13/00
B25J 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に略垂直な第1の表面と、前記第1の表面とは反対側に位置する第2の表面と、を有する板状部材と、
前記板状部材に配置された第1のヒータと、
前記板状部材の外周側に配置される外側部材であって、前記第1の表面と同じ側に位置し、かつ、前記第1の方向に略垂直な第3の表面と、前記第3の表面とは反対側に位置する第4の表面と、を有する外側部材と、
前記外側部材に配置された第2のヒータと、
前記外側部材の前記第4の表面側に位置するように配置される第5の表面を有するとともに、冷却機構を有するベース部材と、
前記板状部材と前記ベース部材とを接合する接合部と、
を備え、前記板状部材の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置であって、
前記板状部材と前記外側部材との間に介在するように前記ベース部材から突出する凸部であって、熱伝導率が前記板状部材を形成する材料および前記外側部材を形成する材料の熱伝導率より高い材料により形成された凸部を備え
前記第1の方向において、前記凸部における前記第3の表面側の先端は、前記第1のヒータより前記第4の表面側に位置している
ことを特徴とする保持装置。
【請求項2】
請求項1に記載の保持装置において、
前記第1の方向において、前記凸部における前記第3の表面側の先端は、前記第2のヒータより前記第3の表面側に位置している、
ことを特徴とする、保持装置。
【請求項3】
請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の保持装置において、
前記外側部材は、前記凸部よりも前記第3の表面側に位置し、かつ、前記板状部材側に延出する延出部を有し、
前記第1の方向視で、前記凸部における前記第3の表面側の先端は、前記延出部の輪郭線内に位置している、
ことを特徴とする、保持装置。
【請求項4】
請求項に記載の保持装置において、
前記板状部材と前記外側部材とは前記延出部を介して一体形成されている、
ことを特徴とする、保持装置。
【請求項5】
請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の保持装置において、
前記ベース部材は、冷媒を流すための冷媒流路を有し、前記第1の方向視で、前記凸部と前記冷媒流路とが重なっている、
ことを特徴とする、保持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術は、対象物を保持する保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば半導体製造装置において、ウェハを保持する保持装置として、静電チャックが用いられる。静電チャックは、例えば、板状のセラミックス部材と板状のベース部材とが接合層により接合された構成を有する。静電チャックは、内部電極を有しており、内部電極に電圧が印加されることにより発生する静電引力を利用して、セラミックス部材の表面(以下、「吸着面」という)にウェハを吸着して保持する。
【0003】
このような静電チャックの中には、上記板状のセラミックス部材が、円板状の板状部材と、当該板状部材の周囲を囲むように配置された円環状の外側部材とを備えて構成されたものがある(例えば、特許文献1参照)。板状部材には、吸着面に配置されるウェハを加熱するためのヒータが配置されており、外側部材には、該外側部材上に配置されるフォーカスリングを加熱するためのヒータが配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-207979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
板状部材と外側部材とを備える上述の静電チャックでは、板状部材と外側部材との間の熱伝達により、板状部材のヒータによる熱制御と外側部材のヒータによる熱制御との少なくとも一方の精度が低下するおそれがある。
【0006】
なお、このような課題は、静電引力を利用してウェハを保持する静電チャックに限らず、第1のヒータが配置された板状部材と、その外側に配置され、かつ、第2のヒータが配置された外側部材と、板状部材に接合されるベース部材と、を備える保持装置に共通の課題である。
【0007】
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。第1の方向に略垂直な第1の表面と、前記第1の表面とは反対側に位置する第2の表面と、を有する板状部材と、前記板状部材に配置された第1のヒータと、前記板状部材の外周側に配置される外側部材であって、前記第1の表面と同じ側に位置し、かつ、前記第1の方向に略垂直な第3の表面と、前記第3の表面とは反対側に位置する第4の表面と、を有する外側部材と、前記外側部材に配置された第2のヒータと、前記外側部材の前記第4の表面側に位置するように配置される第5の表面を有するとともに、冷却機構を有するベース部材と、前記板状部材と前記ベース部材とを接合する接合部と、を備え、前記板状部材の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置であって、前記板状部材と前記外側部材との間に介在するように前記ベース部材から突出する凸部であって、熱伝導率が前記板状部材を形成する材料および前記外側部材を形成する材料の熱伝導率より高い材料により形成された凸部を備え、前記第1の方向において、前記凸部における前記第3の表面側の先端は、前記第1のヒータより前記第4の表面側に位置している、ことを特徴とする保持装置。そのほか、本発明は、以下の形態としても実現可能である。
【0009】
(1)本明細書に開示される保持装置は、第1の方向に略垂直な第1の表面と、前記第1の表面とは反対側に位置する第2の表面と、を有する板状部材と、前記板状部材に配置された第1のヒータと、前記板状部材の外周側に配置される外側部材であって、前記第1の表面と同じ側に位置し、かつ、前記第1の方向に略垂直な第3の表面と、前記第3の表面とは反対側に位置する第4の表面と、を有する外側部材と、前記外側部材に配置された第2のヒータと、前記外側部材の前記第4の表面側に位置するように配置される第5の表面を有するとともに、冷却機構を有するベース部材と、前記板状部材と前記ベース部材とを接合する接合部と、を備え、前記板状部材の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置であって、前記板状部材と前記外側部材との間に介在するように前記ベース部材から突出する凸部であって、熱伝導率が前記板状部材を形成する材料および前記外側部材を形成する材料の熱伝導率より高い材料により形成された凸部を備える。本保持装置では、板状部材と外側部材との間には、熱伝達率が相対的に高い凸部が介在している。このため、板状部材と外側部材との一方の部材から生じた熱は、優先的に凸部に吸収されることにより、他方の部材に伝達され難くなる。これにより、本保持装置によれば、板状部材と外側部材との間の熱伝達を抑制することができる。
【0010】
(2)上記保持装置において、前記第1の方向において、前記凸部における前記第3の表面側の先端は、前記第2のヒータより前記第3の表面側に位置している、構成としてもよい。本保持装置によれば、凸部の先端が、第2のヒータより第4の表面側に位置している構成に比べて、板状部材と外側部材との間の熱伝達を、より効果的に抑制することができる。
【0011】
(3)上記保持装置において、前記第1の方向において、前記凸部における前記第3の表面側の先端は、前記第1のヒータより前記第4の表面側に位置している、構成としてもよい。本保持装置によれば、凸部の先端が、第1のヒータより第3の表面側に位置している構成に比べて、例えば凸部の存在に起因して板状部材の第1の表面における温度分布に温度特異点が生じることを抑制することができる。
【0012】
(4)上記保持装置において、前記外側部材は、前記凸部よりも前記第3の表面側に位置し、かつ、前記板状部材側に延出する延出部を有し、前記第1の方向視で、前記凸部における前記第3の表面側の先端は、前記延出部の輪郭線内に位置している、構成としてもよい。本保持装置によれば、延出部を備えない構成に比べて、凸部による吸熱効果が第1の表面や第3の表面に直接影響することに起因して温度特異点が生じることを抑制することができる。
【0013】
(5)上記保持装置において、前記板状部材と前記外側部材とは前記延出部を介して一体形成されている、構成としてもよい。本保持装置によれば、板状部材と外側部材との配置ずれ等に起因して凸部による吸熱効果が低減することを抑制することができる。
【0014】
(6)上記保持装置において、前記ベース部材は、冷媒を流すための冷媒流路を有し、前記第1の方向視で、前記凸部と前記冷媒流路とが重なっている、構成としてもよい。本保持装置によれば、第1の方向視で凸部と冷媒流路とが重ならない構成に比べて、凸部による吸熱効果を効果的に向上させることができる。
【0015】
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば静電チャック、ヒータや真空チャック等の保持装置、それらの製造方法等の形態で実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態における静電チャック100の外観構成を概略的に示す斜視図である。
図2】第1実施形態における静電チャック100のXZ断面構成を概略的に示す説明図である。
図3】第1実施形態における静電チャック100のXY平面構成を概略的に示す説明図である。
図4】第2実施形態における静電チャック100aのXZ断面構成を概略的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
A.第1実施形態:
A-1.静電チャック100の構成:
図1は、第1実施形態における静電チャック100の外観構成を概略的に示す斜視図であり、図2は、第1実施形態における静電チャック100のXZ断面構成を概略的に示す説明図であり、図3第1実施形態における静電チャック100のXY平面構成を概略的に示す説明図である。なお、図3では、ベース部材20の一部の構成が仮想線で示されている。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向といい、Z軸負方向を下方向というものとするが、静電チャック100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。なお、静電チャック100は、特許請求の範囲における保持装置に相当する。上下方向は、特許請求の範囲における第1の方向に相当する。
【0018】
静電チャック100は、対象物(例えばウェハW)を静電引力により吸着して保持する装置であり、例えば半導体製造装置の真空チャンバー内でウェハWを固定するために使用される。なお、真空チャンバー内において静電チャック100の上方には、シャワーヘッド(図示せず)が配置されており、シャワーヘッドは、静電チャック100に保持されたウェハWに向けてプラズマガスを噴出する。
【0019】
静電チャック100は、全体として、円柱状の形状に形成されており、以下、静電チャック100の径方向を、単に「チャック径方向」ということがある。静電チャック100は、所定の配列方向(本実施形態では上下方向(Z軸方向))に並べて配置された内側セラミックス部材10およびベース部材20を備える。内側セラミックス部材10とベース部材20とは、内側セラミックス部材10の下面(以下、「内側セラミックス接合面S2」という)とベース部材20の上面(以下、「ベース側接合面S3」という)の内側部分(以下、「ベース内側接合面S3A」という)とが上記配列方向に対向するように配置されている。
【0020】
静電チャック100は、さらに、内側セラミックス部材10の周囲を囲むように配置される外側セラミックス部材60およびフォーカスリング70を備える。外側セラミックス部材60とベース部材20とは、外側セラミックス部材60の下面(以下、「外側セラミックス接合面S6」という)とベース部材20のベース側接合面S3の外側部分(以下、「ベース外側接合面S3B」という)とが上記配列方向に対向するように配置されている。フォーカスリング70は、外側セラミックス部材60の上面(以下、「支持面S5」という)に配置される。
【0021】
静電チャック100は、さらに、内側セラミックス部材10および外側セラミックス部材60とベース部材20との間に配置されている接合層(接着層)30を備える。接合層30は、内側セラミックス部材10の内側セラミックス接合面S2とベース部材20のベース内側接合面S3Aとの間に配置されている円形状の内側接合層30Aと、外側セラミックス部材60の外側セラミックス接合面S6とベース部材20のベース外側接合面S3Bとの間に配置されている環状の外側接合層30Bとを備える。内側セラミックス部材10は、特許請求の範囲における板状部材に相当し、内側セラミックス接合面S2は、特許請求の範囲における第2の表面に相当する。ベース部材20のベース側接合面S3は、特許請求の範囲における第5の表面に相当する。外側セラミックス部材60は、特許請求の範囲における外側部材に相当し、支持面S5は、特許請求の範囲における第3の表面に相当し、外側セラミックス接合面S6は、特許請求の範囲における第4の表面に相当する。
【0022】
内側セラミックス部材10は、例えば円形平面の板状部材であり、セラミックスにより形成されている。内側セラミックス部材10の外周面の下側部分には、チャック径方向外側に張り出したフランジ部12が全周にわたって形成されている。換言すれば、内側セラミックス部材10の下側部分(フランジ部12が形成されている部分)の直径は、内側セラミックス部材10の上側部分の直径より大きい。内側セラミックス部材10の上側部分の直径は、図2に示すように、ウェハWの直径より若干小さい。このため、内側セラミックス部材10の吸着面S1に配置されたウェハWは、当該ウェハWの周縁部が、全周にわたって内側セラミックス部材10の上面(以下、「吸着面S1」という)からチャック径方向外側にはみ出した状態になる。このため、シャワーヘッドからのプラズマガスが接合層30に侵入することが抑制される。内側セラミックス部材10の上側部分の直径は、例えば50mm以上、500mm以下程度であり、内側セラミックス部材10の厚さは、例えば2mm以上、10mm以下程度である。
【0023】
内側セラミックス部材10の形成材料としては、種々のセラミックスが用いられ得るが、強度や耐摩耗性、耐プラズマ性、後述するベース部材20の形成材料との関係等の観点から、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ、Al)または窒化アルミニウム(AlN)を主成分とするセラミックスが用いられることが好ましい。なお、ここでいう主成分とは、含有割合(重量割合)の最も多い成分を意味する。
【0024】
内側セラミックス部材10の内部には、導電性材料(例えば、タングステンやモリブデン等 以下同じ)により形成された一対の内部電極40が設けられている。一対の内部電極40に電源(図示せず)から電圧が印加されると、静電引力が発生し、この静電引力によってウェハWが内側セラミックス部材10の吸着面S1に吸着固定される。内側セラミックス部材10の吸着面S1は、特許請求の範囲における第1の表面に相当する。
【0025】
また、内側セラミックス部材10の内部には、導電性材料により形成された抵抗発熱体で構成された内側ヒータ50が設けられている。内側ヒータ50に電源(図示せず)から電圧が印加されると、内側ヒータ50が発熱することによって内側セラミックス部材10が温められ、内側セラミックス部材10の吸着面S1に保持されたウェハWが温められる。これにより、ウェハWの温度制御が実現される。なお、内側ヒータ50は、内側セラミックス部材10の吸着面S1をできるだけ満遍なく温めるため、例えばZ方向視で略同心円状に配置されている。内側ヒータ50は、特許請求の範囲における第1のヒータに相当する。
【0026】
ベース部材20は、例えば内側セラミックス部材10より径が大きい円形平面の板状部材であり、アルミニウム合金により形成されている。ベース部材20の直径は、例えば220mm以上、550mm以下程度であり、ベース部材20の厚さは、例えば20mm以上、40mm以下程度である。
【0027】
ベース部材20の形成材料としては、内側セラミックス部材10の形成材料の熱伝導率より高い熱伝導率を有する材料であることが好ましい。例えば、金属材料やセラミックスとアルミニウム合金とから構成された複合材料等であってもよい。具体的には、ベース部材20の形成材料は、炭化ケイ素(SiC)を主成分とする多孔質セラミックスに、アルミニウムを主成分とするアルミニウム合金を溶融して加圧浸透させた複合材料であってもよい。複合材料に含まれるアルミニウム合金は、Si(ケイ素)やMg(マグネシウム)を含んでいてもよいし、性質等に影響の無い範囲でその他の元素を含んでいてもよい。
【0028】
また、上述したベース部材20のベース内側接合面S3Aは、ベース部材20の下面S4に略平行な円形の平面であり、該ベース内側接合面S3Aの直径は、内側セラミックス部材10の内側セラミックス接合面S2(フランジ部12)の直径より小さい。また、ベース部材20のベース外側接合面S3Bは、ベース部材20のベース内側接合面S3Aに略平行であり、Z軸方向視で、ベース内側接合面S3Aの周囲を囲む環状の平面である。ベース外側接合面S3Bの内径は、ベース内側接合面S3Aの直径より大きくなっており、ベース内側接合面S3Aとベース外側接合面S3Bとの間には、溝25が形成されている。溝25は、Z軸方向視で、ベース内側接合面S3Aの全周を囲む円環状の溝である。溝25の下端は、後述する冷媒流路21,23よりも下面S4に近い側(下側)まで伸びている。これにより、冷媒流路21,23同士の間での伝熱が抑制されている。なお、ベース外側接合面S3Bは、ベース内側接合面S3Aよりベース部材20の下面S4に近い位置(ベース内側接合面S3Aより下方の位置)に形成されている。
【0029】
なお、ベース内側接合面S3Aとベース外側接合面S3Bとの間には、ベース内側接合面S3Aより1段低く、かつ、ベース外側接合面S3Bより1段高い位置に環状の第1の段差部22が形成されている。また、ベース外側接合面S3Bの周縁部には、ベース外側接合面S3Bより1段低い位置に環状の第2の段差部24が形成されている。
【0030】
ベース部材20の内部には第1の冷媒流路21と第2の冷媒流路23とが形成されている。第1の冷媒流路21は、内側セラミックス部材10の真下に位置しており、第1の冷媒流路21に冷媒(例えば、フッ素系不活性液体や水等)が流されると、ベース部材20の中央部が冷却される。これにより、内側接合層30Aを介したベース部材20と内側セラミックス部材10との間の伝熱により内側セラミックス部材10が冷却され、内側セラミックス部材10の吸着面S1に保持されたウェハWが冷却される。第2の冷媒流路23は、外側セラミックス部材60の真下に位置しており、第2の冷媒流路23に冷媒が流されると、ベース部材20の外周側が冷却される。これにより、外側接合層30Bを介したベース部材20と外側セラミックス部材60との間の伝熱により外側セラミックス部材60が冷却され、外側セラミックス部材60の支持面S5に支持されたフォーカスリング70が冷却される。これにより、ウェハWの温度制御とフォーカスリング70の温度制御とが個別に実現される。冷媒流路21,23は、特許請求の範囲における冷却機構に相当する。
【0031】
外側セラミックス部材60は、例えば円環平面の板状部材であり、内側セラミックス部材10と同一のセラミックスにより形成されている。図2に示すように、外側セラミックス部材60の外径は、ベース部材20の外径と略一致する。外側セラミックス部材60の内周面の上側部分には、チャック径方向内側に延出した延出部62が全周にわたって形成されている。延出部62は、第1の延出部62Aと第2の延出部62Bとを有する。
【0032】
第1の延出部62Aは、ベース外側接合面S3Bよりもチャック径方向内側に延出している。第2の延出部62Bは、第1の延出部62Aよりも上側に位置し、かつ、第1の延出部62Aよりもさらにチャック径方向内側に延出している。外側セラミックス部材60の第2の延出部62Bが形成されている部分の内径は、内側セラミックス部材10の上側部分の直径より大きく、内側セラミックス部材10の下側部分の直径より小さい。外側セラミックス部材60の第1の延出部62Aが形成されている部分の内径は、内側セラミックス部材10の下側部分の直径、および、ウェハWの直径より大きい。このように、Z軸方向視で、外側セラミックス部材60の第2の延出部62Bと内側セラミックス部材10のフランジ部12とは全周にわたって重なっている。このため、シャワーヘッドからのプラズマガスが接合層30に侵入することが抑制されている。外側セラミックス部材60の第1の延出部62Aが形成されている部分の内径は、ベース部材20の溝25の外径と略同一である。これにより、内側セラミックス部材10と外側セラミックス部材60との間には、溝25からの第2の延出部62Bに至るまで直線状に延びる空間が形成されている(図2参照)。
【0033】
外側セラミックス部材60の内部には、導電性材料により形成された一対の内部電極63が設けられている。一対の内部電極63に電源から電圧が印加されると、静電引力が発生し、この静電引力によってフォーカスリング70が外側セラミックス部材60の支持面S5に吸着固定される。
【0034】
また、外側セラミックス部材60の内部には、導電性材料により形成された抵抗発熱体で構成された外側ヒータ65が設けられている。外側ヒータ65に電源から電圧が印加されると、外側ヒータ65が発熱することによって外側セラミックス部材60が温められ、外側セラミックス部材60の支持面S5に支持されたフォーカスリング70が温められる。これにより、ウェハWの内、内側セラミックス部材10の吸着面S1からはみ出した周縁部の温度制御が実現される。なお、外側ヒータ65は、外側セラミックス部材60の支持面S5をできるだけ満遍なく温めるため、例えばZ方向視で略同心円状に配置されている。外側ヒータ65は、特許請求の範囲における第2のヒータに相当する。
【0035】
フォーカスリング70は、例えば円環平面の板状部材であり、内側セラミックス部材10の吸着面S1に保持されたウェハWの周囲を囲むように配置される。フォーカスリング70は、例えば石英等の耐熱性の高い材質により形成されている。
【0036】
接合層30は、例えば、有機系接着剤を含んでいる。接合層30に含まれる有機系接着剤として、シリコーン系樹脂やアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等の種々の有機系接着剤が用いられ得るが、比較的耐熱性が高く、かつ、柔らかいシリコーン系樹脂を主成分とする有機系接着剤が用いられることが好ましい。なお、ここでいう主成分とは、接合層30に含まれる接着成分(有機系接着剤)における含有割合(重量割合)の最も多い成分である。接合層30には、接着成分の他に、粉末成分(例えばアルミナやシリカ、炭化ケイ素、窒化ケイ素等)や添加剤(カップリング剤等)が含まれていてもよい。接合層30の厚さは、例えば0.1mm以上、2.0mm以下程度である。
【0037】
内側セラミックス部材10の内側セラミックス接合面S2とベース部材20の第1の段差部22との間に形成される環状の空間には、環状の第1の保護材82が配置されている。また、後述の凸部90と外側接合層30Bとの間に形成される環状の空間には、環状の第2の保護材84が配置されている。さらに、ベース部材20の第2の段差部24と外側セラミックス部材60との間に形成される環状の空間には、環状の第3の保護材86が配置されている。各保護材82,84,86は、耐ガス腐食性の材料により形成されており、各接合層30へのプラズマガスの侵入を抑制する。
【0038】
A-2.内側セラミックス部材10と外側セラミックス部材60とを断熱するための構成:
静電チャック100は、内側セラミックス部材10と外側セラミックス部材60とを断熱するための構成を備える。すなわち、図2に示すように、静電チャック100は、凸部90を備える。凸部90は、少なくとも次の第1の要件((1)かつ(2))を満たしている。
<第1の要件>
(1)凸部90は、チャック径方向(第1の方向に直交する方向)において内側セラミックス部材10と外側セラミックス部材60との間に介在するようにベース部材20から突出している。
(2)凸部90は、熱伝導率が内側セラミックス部材10を形成する材料の熱伝導率より高く、かつ、外側セラミックス部材60を形成する材料の熱伝導率より高い材料により形成されている。
具体的には、凸部90は、ベース部材20のベース外側接合面S3Bにおける内縁側からベース内側接合面S3Aよりも上側(支持面S5側)に向かって直線状に突出するように形成されている。凸部90のZ軸方向視での形状は、ベース部材20のベース内側接合面S3Aの全周を囲む環状(円環状)である。凸部90は、ベース部材20と同一材料により形成されており、凸部90とベース部材20とは一体形成されている。
【0039】
凸部90は、さらに、次の第2の要件を満たしている。
<第2の要件>
Z軸方向において、凸部90の上端(支持面S5側の先端)は、外側ヒータ65より支持面S5側に位置している。
具体的には、凸部90は、Z軸方向視で、外側ヒータ65よりもチャック径方向内側であって、かつ、溝25よりもチャック径方向外側に位置している。凸部90の上端は、外側ヒータ65より上側に位置している。なお、凸部90の上端は、0.5mm以上、外側ヒータ65よりも上側に位置していることが好ましい。また、凸部90の上端は、内部電極63より下側に位置している。
【0040】
凸部90は、さらに、次の第3の要件を満たしている。
<第3の要件>
Z軸方向において、凸部90の上端は、内側ヒータ50より外側セラミックス接合面S6側に位置している。
具体的には、凸部90は、Z軸方向視で、内側ヒータ50よりもチャック径方向外側に位置している。凸部90の上端は、内側ヒータ50より下側に位置している。
【0041】
凸部90は、さらに、次の第4の要件を満たしている。
<第4の要件>
Z軸方向視で、凸部90の上端は、外側セラミックス部材60の延出部62の輪郭線L内に位置している。
具体的には、本実施形態では、図3に示すように、Z軸方向視で、凸部90の上端の全体が延出部62に覆われている。凸部90の上端は、外側セラミックス部材60における第1の延出部62Aの下面にZ軸方向で対向している。
【0042】
なお、本実施形態では、凸部90は、Z軸方向視で、ベース部材20における第1の冷媒流路21と第2の冷媒流路23との間に配置されている。また、凸部90の外周面と外側セラミックス部材60の内周面との間に空間が形成されている。また、凸部90の上端と外側セラミックス部材60における延出部62の下面との間に空間が形成されている。これにより、凸部90の存在により吸着面S1等における温度分布の温度特異点が生じることを効果的に抑制できる。
【0043】
A-3.本実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態の静電チャック100は、凸部90を備える。凸部90は、チャック径方向において内側セラミックス部材10と外側セラミックス部材60との間に介在するようにベース部材20から突出している。また、凸部90は、熱伝導率が内側セラミックス部材10を形成する材料の熱伝導率より高く、かつ、外側セラミックス部材60を形成する材料の熱伝導率より高い材料により形成されている(第1の要件)。すなわち、内側セラミックス部材10と外側セラミックス部材60との間には、熱伝導率が相対的に高い凸部90が介在している。このため、内側セラミックス部材10と外側セラミックス部材60との一方の部材から生じた熱は、優先的に凸部90に吸収されることにより、他方の部材に伝達され難くなる。これにより、本実施形態によれば、内側セラミックス部材10と外側セラミックス部材60との間の熱伝達を抑制することができる。
【0044】
具体的には、本実施形態では、内側ヒータ50の発熱と第1の冷媒流路21の吸熱とによって、内側セラミックス部材10の吸着面S1における温度分布が所定の分布(例えば略均一)になるように温度制御される。また、外側ヒータ65の発熱と第2の冷媒流路23の吸熱とによって、外側セラミックス部材60の支持面S5の温度が所定の温度(例えば吸着面S1の温度よりも高い温度)になるように温度制御される。ここで、仮に、凸部90を備えない構成では、外側セラミックス部材60から生じた熱が内側セラミックス部材10に伝達されやすい。このため、外側セラミックス部材60からの伝熱が影響して、吸着面S1における温度制御を精度よく行うことが困難になるおそれがある。また、内側セラミックス部材10への伝熱により、外側セラミックス部材60の支持面S5の温度を所定の温度にするのが困難になったり、支持面S5における温度制御のための電力量が増大したりするおそれがある。これに対して、本実施形態では、凸部90の断熱効果により内側セラミックス部材10と外側セラミックス部材60との間の熱伝達が抑制されるため、吸着面S1における温度制御と支持面S5における温度制御とを、互いに独立かつ精度良くに行うことができる。
【0045】
本実施形態では、Z軸方向において、凸部90の上端は、外側ヒータ65より支持面S5側に位置している(第2の要件)。これにより、凸部90の上端が、外側ヒータ65より下側に位置している構成に比べて、内側セラミックス部材10と外側セラミックス部材60との間の熱伝達を、より効果的に抑制することができる。具体的には、吸着面S1における温度制御が、外側ヒータ65の発熱によって影響を受けることを抑制できる。
【0046】
本実施形態では、Z軸方向において、凸部90の上端は、内側ヒータ50より外側セラミックス接合面S6側に位置している(第3の要件)。ここで、仮に、凸部90の上端が内側ヒータ50より上側に位置している構成では、凸部90が吸着面S1に近接することに起因して、凸部90自体が吸着面S1における低温の温度特異点になったり、凸部90による吸熱効果が過度に影響して吸着面S1に低温の温度特異点を生じさせたりするおそれがある。これに対して、本実施形態では、凸部90の上端を内側ヒータ50より下側に配置することにより、凸部90による吸着面S1の温度分布への影響が、内側ヒータ50による吸着面S1の温度分布への影響より低減されるため、凸部90の存在に起因して吸着面S1における温度分布に温度特異点が生じることを抑制することができる。
【0047】
本実施形態では、Z軸方向視で、凸部90の上端は、外側セラミックス部材60の延出部62の輪郭線L内に位置している(第4の要件)。これにより、延出部62を備えない構成に比べて、凸部90による吸熱効果が吸着面S1や支持面S5に直接影響することに起因して温度特異点が生じることを抑制することができる。
【0048】
B.第2実施形態:
図4は、第2実施形態における静電チャック100aのXZ断面構成を概略的に示す説明図である。第2実施形態の静電チャック100aの構成の内、上述した第1実施形態の静電チャック100と同一の構成(処理)については、同一符号を付すことによって、その説明を省略する。
【0049】
上記第1実施形態では、内側セラミックス部材10と外側セラミックス部材60とは別体であったが、第2実施形態では、内側セラミックス部材10aと外側セラミックス部材60aとは一体である。具体的には、図4に示すように、内側セラミックス部材10aと外側セラミックス部材60aとは、延出部64(第2の延出部64B)を介して一体形成されている。このため、内側接合層30Aや外側接合層30Bの内周面に面する空間は、静電チャック100の外部空間に連通しておらず、閉塞空間になっている。このため、上記第1実施形態における第1の保護材82や第2の保護材84を備える必要がない。また、内側セラミックス部材10aと外側セラミックス部材60aとの配置ずれや外気の流入等に起因して凸部90による吸熱効果が低減することを抑制することができる。
【0050】
ベース部材20aには、冷媒流路21aが形成されており、Z軸方向視で、凸部90の少なくとも一部は、冷媒流路21aに重なっている。本実施形態では、Z軸方向視で、凸部90の全体が冷媒流路21aに重なっている。これにより、Z軸方向視で凸部90と冷媒流路21aとが重ならない構成に比べて、凸部90による吸熱効果を効果的に向上させることができる。
【0051】
なお、第2実施形態では、ベース部材20aには、溝25が形成されていない。ベース部材20aは、共通の冷媒流路21aによって、ベース部材20a全体を冷却する構成である。
【0052】
C.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
【0053】
上記実施形態における各部材の構成は、あくまで一例であり、各部材の構成は他の構成に変更可能である。例えば、上記実施形態において、内側セラミックス部材10は、円形平面の板状部材に限定されず、例えば多角形(矩形など)平面の板状部材でもよい。また、外側セラミックス部材60は、円環平面の板状部材に限定されず、例えば矩形環平面の板状部材でもよく、さらには、環状の板状部材でなくてもよく、例えば、内側セラミックス部材10の外周形状に応じた円弧状部材でもよい。要するに、外側セラミックス部材60は、内側セラミックス部材10から離間した位置において内側セラミックス部材10の外周に沿って配置されたものであればよい。また、内側セラミックス部材10と外側セラミックス部材60とが接合層等によって接合されていてもよい。
【0054】
上記実施形態において、内側セラミックス部材10,10aは、フランジ部12を有しない構成であってもよい。
【0055】
上記実施形態では、外側セラミックス部材60,60aは、フォーカスリング70の全体を支持する構成であったが、外側セラミックス部材60,60aは、フォーカスリング70の少なくとも一部を支持する構成であればよい。
【0056】
上記実施形態では、接合部として、接着剤による接合層30を例示したが、例えば締結部材による接合等、他の接合手段により内側セラミックス部材10,10a(外側セラミックス部材60,60a)とベース部材20,20aとが接合された構成であってもよい。
【0057】
上記実施形態では、第1のヒータとして、内側ヒータ50を例示したが、第1のヒータは、第1の方向において互いに異なる位置に配置される複数のヒータを備える構成(例えば上下2層のそれぞれに配置されたヒータ(サブヒータとメインヒータ))であってもよい。この場合、凸部における第3の表面側の先端は、複数のヒータのうち、第4の表面に最も近いヒータよりも第4の表面側に位置してもよい。
【0058】
上記実施形態では、内側セラミックス部材10,10aの内部に一対の内部電極40が設けられた双極方式が採用されているが、内側セラミックス部材10,10aの内部に1つの内部電極40が設けられた単極方式が採用されてもよい。また、上記実施形態では、外側セラミックス部材60,60aの内部に一対の内部電極63が設けられた双極方式が採用されているが、外側セラミックス部材60,60aの内部に1つの内部電極63が設けられた単極方式が採用されてもよい。内側セラミックス部材10,10aと外側セラミックス部材60,60aの少なくとも一方は、内部電極40,63を備えない構成であってもよい。
【0059】
上記第1実施形態において、凸部90は、第2の要件から第4の要件の少なくとも1つを満たさなくてもよい。例えば、凸部90の上端が、内側ヒータ50よりも上側に位置していてもよいし、外側ヒータ65より下側に位置してもよい。また、上記各実施形態において、凸部90は、直線状に延びた形状に限らず、例えばクランク状に曲がった形状であってもよい。また、凸部90は、ベース部材20のベース内側接合面S3Aの外周の一部分の外側だけに形成された構成であってもよいし、環状に形成されていてもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、冷却機構として、冷媒流路21,23,21aがベース部材20,20aの内部に形成された構成を例示したが、これに限らず、例えばベース部材が、冷媒流路を有しておらず、かつ、板状部材より熱伝導率が高い材料により形成されているとともに、図示しない放熱機構に接触して配置される構成などであってもよい。また、上記第1実施形態において、ベース部材20は、第1の冷媒流路21が形成された中央部分と第2の冷媒流路23が形成された外側部分とが別体である構成であってもよい。
【0061】
上記実施形態における各部材を形成する材料は、あくまで一例であり、各部材が他の材料により形成されてもよい。例えば、上記実施形態において、凸部90の形成材料は、ベース部材20の形成材料とは異なってもよい。要するに、凸部は、熱伝導率が板状部材を形成する材料および外側部材を形成する材料の熱伝導率より高い材料により形成されていればよい。なお、各部材の熱伝導率の特定方法は次の通りである。外側セラミックス部材60,60aおよび内側セラミックス部材10,10aの熱伝導率は、例えば公知のレーザフラッシュ法を用いて特定が可能である。具体的には、レーザフラッシュ法では、試料の一方の表面にレーザ光を瞬間的(フラッシュ状)に照射して加熱し、試料の反対の表面側の温度挙動から試料の熱的特性(熱拡散率および比熱容量)を測定する。そして、該熱的特性と、試料の既知の密度とを用いて、試料の熱伝導率を算出して特定する。ベース部材20,20aの熱伝導率も、同様に、例えばレーザフラッシュ法を用いて特定が可能である。接合層30を形成する接着剤の熱伝導率は、例えばレーザフラッシュ法やホットワイヤ法を用いて特定が可能である。なお、外側セラミックス部材60,60aおよび内側セラミックス部材10,10aの熱伝導率は、例えば10W/m・K以上、40W/m・K以下であり、ベース部材20,20aの熱伝導率は、例えば15W/m・K以上、250W/m・K以下である。
【0062】
本発明は、静電引力を利用してウェハWを保持する静電チャック100に限らず、第1のセラミックス部材と、該第1のセラミックス部材の外周に沿って配置された第2のセラミックス部材と、ベース部材とを備え、第1のセラミックス部材の表面上に対象物を保持する他の保持装置(例えば、真空チャックやヒータ等)にも適用可能である。
【符号の説明】
【0063】
10,10a:内側セラミックス部材 12:フランジ部 20,20a:ベース部材 21,23,21a:冷媒流路 22:第1の段差部 24:第2の段差部 25:溝 30:接合層 30A:内側接合層 30B:外側接合層 40,63:内部電極 50:内側ヒータ 60,60a:外側セラミックス部材 62,64:延出部 62A:第1の延出部 62B,64B:第2の延出部 65:外側ヒータ 70:フォーカスリング 82,84,86:保護材 90:凸部 100,100a:静電チャック S1:吸着面 S2:内側セラミックス接合面 S3:ベース側接合面 S3A:ベース内側接合面 S3B:ベース外側接合面 S4:下面 S5:支持面 S6:外側セラミックス接合面 W:ウェハ
図1
図2
図3
図4