(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-20
(45)【発行日】2024-11-28
(54)【発明の名称】撮像装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 23/60 20230101AFI20241121BHJP
G03B 11/04 20210101ALI20241121BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20241121BHJP
H04N 23/50 20230101ALI20241121BHJP
【FI】
H04N23/60
G03B11/04 B
H04N7/18 E
H04N23/50
(21)【出願番号】P 2020204652
(22)【出願日】2020-12-10
【審査請求日】2023-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】ニデックプレシジョン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久保 浩一
【審査官】門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-182140(JP,A)
【文献】特開2009-282072(JP,A)
【文献】特開2007-104253(JP,A)
【文献】特開2019-056248(JP,A)
【文献】国際公開第2016/136054(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/094107(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222-5/257
H04N 23/00
H04N 23/40-23/76
H04N 23/90-23/959
H04N 7/18
G03B 11/04
G03B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の送信機によって制御される撮像装置であって、
撮像素子に光を取り込む開口部が形成されるハウジングと、
前記ハウジングに設けられ、前記開口部を開放する開位置と前記開口部を閉塞する閉位置とに移動するカバーと、
前記ハウジング内において互いに基板の向きを変えて配置され、前記送信機からの信号を受信する複数の無線通信モジュールと、
前記無線通信モジュールの受信信号に基づいて、前記カバーを開位置と閉位置とに移動させるカバー制御部と、
を有し、
前記カバー制御部は、
前記カバーが閉位置に移動した状態のもとで、前記複数の無線通信モジュールの何れか1つの受信信号強度が閾値を上回る場合に、前記カバー
を閉位置から開位置に移動させる、
撮像装置。
【請求項2】
外部の送信機によって制御される撮像装置であって、
撮像素子に光を取り込む開口部が形成されるハウジングと、
前記ハウジングに設けられ、前記開口部を開放する開位置と前記開口部を閉塞する閉位置とに移動するカバーと、
前記ハウジング内において互いに基板の向きを変えて配置され、前記送信機からの信号を受信する複数の無線通信モジュールと、
前記無線通信モジュールの受信信号に基づいて、前記カバーを開位置と閉位置とに移動させるカバー制御部と、
を有し、
前記カバー制御部は、
前記カバーが開位置に移動した状態のもとで、前記複数の無線通信モジュールの何れか1つの受信信号強度が閾値を上回る場合に、前記カバー
を開位置から閉位置に移動させる、
撮像装置。
【請求項3】
前記カバー制御部は、
前記カバーが閉位置に移動した状態のもとで、前記複数の無線通信モジュールの何れか1つの受信信号強度が閾値を上回る場合に、前記カバーを閉位置から開位置に移動させ、
前記カバーが開位置に移動した状態のもとで、前記複数の無線通信モジュールの全ての受信信号強度が閾値を下回る場合に、前記カバーを開位置から閉位置に移動させる、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記カバー制御部は、
前記カバーが閉位置に移動した状態のもとで、前記複数の無線通信モジュールの何れか1つの受信信号強度が閾値を上回る場合に、前記カバーを閉位置から開位置に移動させ、
前記カバーが開位置に移動した状態のもとで、前記複数の無線通信モジュールの何れか1つの受信信号強度が閾値を下回る場合に、前記カバーを開位置から閉位置に移動させる、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記複数の無線通信モジュールとして、第1無線通信モジュールと第2無線通信モジュールとを備え、
前記第1無線通信モジュールと前記第2無線通信モジュールとは、互いに前記基板を直交させる向きに配置される、
請求項1~
4の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
撮像素子に光を取り込む開口部が形成されるハウジングと、
前記ハウジングに設けられ、前記開口部を開放する開位置と前記開口部を閉塞する閉位置とに移動するカバーと、
前記ハウジング内において互いに基板の向きを変えて配置され、外部の送信機からの信号を受信する複数の無線通信モジュールと、
前記無線通信モジュールの受信信号に基づいて、前記カバーを開位置と閉位置とに移動させるカバー制御部と、
を有する撮像装置、を制御するプログラムであって、
前記カバー制御部に、
前記カバーが閉位置に移動した状態のもとで、前記複数の無線通信モジュールの何れか1つの受信信号強度が閾値を上回る場合に、前記カバー
を閉位置から開位置に移動させるステップ、を実行させる、
プログラム。
【請求項7】
撮像素子に光を取り込む開口部が形成されるハウジングと、
前記ハウジングに設けられ、前記開口部を開放する開位置と前記開口部を閉塞する閉位置とに移動するカバーと、
前記ハウジング内において互いに基板の向きを変えて配置され、外部の送信機からの信号を受信する複数の無線通信モジュールと、
前記無線通信モジュールの受信信号に基づいて、前記カバーを開位置と閉位置とに移動させるカバー制御部と、
を有する撮像装置、を制御するプログラムであって、
前記カバー制御部に、
前記カバーが開位置に移動した状態のもとで、前記複数の無線通信モジュールの何れか1つの受信信号強度が閾値を上回る場合に、前記カバー
を開位置から閉位置に移動させるステップ、を実行させる、
プログラム。
【請求項8】
前記カバー制御部に、
前記カバーが閉位置に移動した状態のもとで、前記複数の無線通信モジュールの何れか1つの受信信号強度が閾値を上回る場合に、前記カバーを閉位置から開位置に移動させるステップと、
前記カバーが開位置に移動した状態のもとで、前記複数の無線通信モジュールの全ての受信信号強度が閾値を下回る場合に、前記カバーを開位置から閉位置に移動させるステップと、を実行させる、
請求項
6に記載のプログラム。
【請求項9】
前記カバー制御部に、
前記カバーが閉位置に移動した状態のもとで、前記複数の無線通信モジュールの何れか1つの受信信号強度が閾値を上回る場合に、前記カバーを閉位置から開位置に移動させるステップと、
前記カバーが開位置に移動した状態のもとで、前記複数の無線通信モジュールの何れか1つの受信信号強度が閾値を下回る場合に、前記カバーを開位置から閉位置に移動させるステップと、を実行させる、
請求項
6に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置およびこれを制御するプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
介護施設、病院、工場、店舗等の様々な場所には、防犯や防災等の観点から監視カメラが設置されている(特許文献1および2参照)。また、撮像装置である監視カメラを運用する際には、被写体となる個人のプライバシーを保護することが求められている。そこで、監視カメラを常時作動させることなく、音声等によって録画を要する状況が検出された場合にのみ、監視カメラを作動させる技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-105612号公報
【文献】特開2010-278548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、監視カメラを運用する際の設定として、被写体である人物に無線タグ等の送信機を所持させ、対象となる人物が所定の撮影エリアに進入した場合に撮影を行うことが考えられる。この場合には、無線タグと通信可能な無線通信モジュールを監視カメラに取り付けることにより、無線通信モジュールの受信信号強度を用いて撮影エリアにおける人物の進入を判定することが可能である。
【0005】
しかしながら、無線通信モジュールは指向性を有することから、人物が所持する無線タグの接近経路によっては、無線通信モジュールの受信信号強度が適切に増加しない場合が想定される。つまり、対象となる人物が撮影エリアに進入していた場合であっても、無線通信モジュールの受信信号強度が十分に増加せずに、監視カメラを適切に動作させることが困難になる虞がある。
【0006】
本発明の目的は、送信機から送信される信号に基づいて、撮像装置を適切に動作させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態の撮像装置は、外部の送信機によって制御される撮像装置であって、撮像素子に光を取り込む開口部が形成されるハウジングと、前記ハウジングに設けられ、前記開口部を開放する開位置と前記開口部を閉塞する閉位置とに移動するカバーと、前記ハウジング内において互いに基板の向きを変えて配置され、前記送信機からの信号を受信する複数の無線通信モジュールと、前記無線通信モジュールの受信信号に基づいて、前記カバーを開位置と閉位置とに移動させるカバー制御部と、を有する。前記カバー制御部は、前記カバーが閉位置に移動した状態のもとで、前記複数の無線通信モジュールの何れか1つの受信信号強度が閾値を上回る場合に、前記カバーを閉位置から開位置に移動させる。
本発明の他実施形態の撮像装置は、外部の送信機によって制御される撮像装置であって、撮像素子に光を取り込む開口部が形成されるハウジングと、前記ハウジングに設けられ、前記開口部を開放する開位置と前記開口部を閉塞する閉位置とに移動するカバーと、前記ハウジング内において互いに基板の向きを変えて配置され、前記送信機からの信号を受信する複数の無線通信モジュールと、前記無線通信モジュールの受信信号に基づいて、前記カバーを開位置と閉位置とに移動させるカバー制御部と、を有する。前記カバー制御部は、前記カバーが開位置に移動した状態のもとで、前記複数の無線通信モジュールの何れか1つの受信信号強度が閾値を上回る場合に、前記カバーを開位置から閉位置に移動させる。
【0008】
本発明の一実施形態のプログラムは、撮像素子に光を取り込む開口部が形成されるハウジングと、前記ハウジングに設けられ、前記開口部を開放する開位置と前記開口部を閉塞する閉位置とに移動するカバーと、前記ハウジング内において互いに基板の向きを変えて配置され、外部の送信機からの信号を受信する複数の無線通信モジュールと、前記無線通信モジュールの受信信号に基づいて、前記カバーを開位置と閉位置とに移動させるカバー制御部と、を有する撮像装置、を制御するプログラムである。前記プログラムは、前記カバー制御部に、前記カバーが閉位置に移動した状態のもとで、前記複数の無線通信モジュールの何れか1つの受信信号強度が閾値を上回る場合に、前記カバーを閉位置から開位置に移動させるステップ、を実行させる。
本発明の他実施形態のプログラムは、撮像素子に光を取り込む開口部が形成されるハウジングと、前記ハウジングに設けられ、前記開口部を開放する開位置と前記開口部を閉塞する閉位置とに移動するカバーと、前記ハウジング内において互いに基板の向きを変えて配置され、外部の送信機からの信号を受信する複数の無線通信モジュールと、前記無線通信モジュールの受信信号に基づいて、前記カバーを開位置と閉位置とに移動させるカバー制御部と、を有する撮像装置、を制御するプログラムである。前記プログラムは、前記カバー制御部に、前記カバーが開位置に移動した状態のもとで、前記複数の無線通信モジュールの何れか1つの受信信号強度が閾値を上回る場合に、前記カバーを開位置から閉位置に移動させるステップ、を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数の無線通信モジュールの何れか1つの受信信号強度が閾値を上回る場合に、レンズカバーの位置を変化させる。これにより、送信機から送信される信号に基づいて、撮像装置を適切に動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】(A)~(C)は、本発明の一実施の形態である撮像装置の一例を示す斜視図である。
【
図2】(A)は撮像装置の平面図であり、(B)は
図2(A)のa-a線に沿う撮像装置の断面図である。
【
図3】撮像装置の制御系の一例を示すブロック図である。
【
図4】通信距離と受信信号強度との関係を示す図である。
【
図5】(A)~(C)は、無線通信モジュールの受信姿勢を示す図である。
【
図6】受信姿勢と受信信号強度との関係を示す図である。
【
図7】撮影制御の実行手順の一例を示すフローチャートである。
【
図8】(A)および(B)は、無線タグの移動経路および受信信号強度の推移の一例を示した図である。
【
図9】(A)および(B)は、無線タグの移動経路および受信信号強度の推移の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0012】
[撮像装置の構造]
図1(A)~(C)は、本発明の一実施の形態である撮像装置10の一例を示す斜視図である。なお、
図1(A)~(C)には、撮像装置10のレンズカバー11が開位置Poから閉位置Pcに移動する過程が示されている。また、
図2(A)は撮像装置10の平面図であり、
図2(B)は
図2(A)のa-a線に沿う撮像装置10の断面図である。
【0013】
図1(A)に示すように、監視カメラや防犯カメラ等として用いられる撮像装置10は、略直方体形状のハウジング12を有している。また、
図2(A)および(B)に示すように、撮像装置10のハウジング12には、CCD等のイメージセンサである撮像素子13が収容されるとともに、この撮像素子13に対して被写体からの光を集めるレンズ14が収容されている。さらに、ハウジング12には、レンズ14を介して撮像素子13に光を取り込む開口部15が形成されるとともに、この開口部15を開閉するレンズカバー(カバー)11が移動自在に設けられている。なお、開口部15を開閉するレンズカバー11は、レンズバリアやシャッター等とも呼ばれている。
【0014】
図1(A)~(C)に示すように、ハウジング12に設けられるレンズカバー11は、開口部15を開放する開位置Poと、開口部15を閉塞する閉位置Pcと、に移動自在である。
図1(A)に示すように、レンズカバー11を開位置Poに移動させることにより、開口部15からレンズカバー11が離れるため、ハウジング12の開口部15は開放される。これにより、ハウジング12の開口部15からレンズ14を露出させることができ、被写体からの光をレンズ14に取り込むことができる。また、
図1(C)に示すように、レンズカバー11を開位置Poに移動させることにより、ハウジング12の開口部15はレンズカバー11によって閉塞される。これにより、レンズカバー11によってレンズ14を覆うことができ、ハウジング12内のレンズ14を保護することができる。
【0015】
図2(A)および(B)に示すように、ハウジング12には、2つの無線通信モジュール21,22が収容されている。各無線通信モジュール21,22は、アンテナを備えたプリント基板(基板)21a,22aと、プリント基板21a,22aに搭載される集積回路部品21b,22bと、を有している。なお、集積回路部品21b,22bには、無線通信回路部や各種制御部等が組み込まれている。また、第1無線通信モジュール21のプリント基板21aは、ハウジング12の正面板部12aや背面板部12bに対してほぼ平行に配置されており、第2無線通信モジュール22のプリント基板22aは、ハウジング12の平面板部12cや底面板部12dに対してほぼ平行に配置されている。このように、第1無線通信モジュール21のプリント基板21aと、第2無線通信モジュール22のプリント基板22aとは、互いに直交する向きに配置されている。つまり、第1および第2無線通信モジュール21,22は、互いにプリント基板21a,22aの向きを変えてハウジング12内に配置されている。
【0016】
図示する撮像装置10は、所定の撮影実行条件が成立した場合に、レンズカバー11を開いて撮影を開始する機能を有している。この撮影実行条件としては、ICタグ等の無線タグ40が所定範囲に近づいたこと、スマートフォン等の携帯端末から送信される録画信号を受信したこと、リモコンから送信される赤外線を受信したこと、所定内容の音声がマイク42によって検出されたこと等が設定されている。なお、
図1(A)に示すように、撮像装置10には、撮影時に点灯するランプ23、メモリーカード48が挿入されるカードスロット24、および電源ケーブルが接続される電源ポート25等が設けられている。
【0017】
[撮像装置の制御系]
図3は撮像装置10の制御系30の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、撮像装置10は、CPUやメモリ等によって構成される制御ユニット31を有している。この制御ユニット31には、撮影実行条件および撮影停止条件の成立を判定する条件判定部32、撮像装置10の電源モードを制御する電源制御部33、レンズカバー11の開閉を制御するカバー制御部34、および撮像素子13や画像処理部35等からなる撮像系36を制御する撮影制御部37が設けられている。また、制御ユニット31には、無線タグ40や携帯端末からの信号を受信する2つの無線通信モジュール21,22が接続されている。さらに、制御ユニット31には、リモコンからの赤外線を受信する赤外線受信部41が接続されており、音声を検出するマイク42が接続されている。
【0018】
ハウジング12の開口部15を開閉するレンズカバー11には、リンク機構43を介してアクチュエータ44が連結されている。このアクチュエータ44には駆動回路部45が接続されており、駆動回路部45には制御ユニット31が接続されている。また、撮像素子13にはISP等の画像処理部35が接続されており、画像処理部35には制御ユニット31が接続されている。なお、画像処理部35には、データを保存するメモリ46が接続されている。このメモリ46には、撮影された画像データが一時的に記録されたり、画像認識に使用される特徴データ等が記録されたりしている。さらに、制御ユニット31には、電源電力を生成する電源回路部47が接続されており、メモリーカード48が挿入されるカードスロット24が接続されている。なお、メモリーカード48には、撮影された動画や静止画が記録される。
【0019】
なお、撮像装置10には、電源モードとして、撮影停止中の「待機モード」と撮影実行中の「稼働モード」とが設定されている。待機モードとは、撮像装置10の消費電力を抑制する電源モードであり、例えばメモリ以外に対する給電を停止させる電源モードである。また、稼働モードとは、撮像装置10の各種機能を発揮させる電源モードであり、例えば全ての電子部品に対して給電が行われる電源モードである。後述するように、所定の撮影実行条件が成立した場合には、電源モードが待機モードから稼働モードに切り替えられる一方、所定の撮影停止条件が成立した場合には、電源モードが稼働モードから待機モードに切り替えられる。
【0020】
[無線通信モジュールの受信信号強度]
以下、撮像装置10が撮影を開始する撮影実行条件として、撮像装置10の無線通信モジュール21,22に対し、外部の無線タグ(送信機)40が所定範囲に近づいたこと、を例に挙げて説明する。つまり、被写体である対象人物に無線タグ40を所持させ、対象人物が所定の撮影エリアに進入した場合に、撮像装置10によって撮影が開始されることを例に挙げて説明する。前述したように、撮像装置10には無線タグ40と通信可能な無線通信モジュール21,22が設けられている。このため、撮像装置10は、無線通信モジュール21,22の受信信号強度に基づいて、無線タグ40を所持した人物が所定の撮影エリアに進入したか否かを判定し、動画や静止画等の撮影を行っている。なお、無線通信モジュール21,22と無線タグ40との間の無線通信方式として、例えばBluetooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)を用いることが可能である。
【0021】
ここで、
図4は通信距離と受信信号強度との関係を示す図である。なお、受信信号強度は、無線通信モジュール21,22に入力される受信信号の強度を示す数値であり、RSSI(Received Signal Strength Indicator)と呼ばれている。
図4に示すように、通信距離が長くなるほど、つまり無線タグ40が無線通信モジュール21,22から離れるほどに、無線通信モジュール21,22の受信信号強度は弱くなって減少する一方、通信距離が短くなるほど、つまり無線タグ40が無線通信モジュール21,22に近づくほどに、無線通信モジュール21,22の受信信号強度は強くなって増加する。
【0022】
このため、撮像装置10は、受信信号強度が所定の閾値Xaを上回る場合に、人物が撮影エリアに進入したと判定して撮影を開始する一方、受信信号強度が閾値Xaよりも小さな閾値Xbを下回る場合に、人物が撮影エリアから離れたと判定して撮影を停止する。つまり、矢印A1で示すように、受信信号強度が閾値Xaを上回ってから閾値Xbを下回るまでは、撮影実行条件が成立することから撮像装置10によって撮影が実行される。一方、受信信号強度が閾値Xbを下回ってから閾値Xaを上回るまでは、撮影停止条件が成立することから撮像装置10による撮影が停止される。
【0023】
ところで、
図4に符号αで示すように、無線タグ40と無線通信モジュール21,22との距離が同じ「Da」であったとしても、無線通信モジュール21,22の受信信号強度には所定のバラツキが生じていた。この受信信号強度のバラツキについては、後述するように、無線通信モジュール21,22の受信姿勢が1つの要因であると考えられる。
【0024】
次いで、無線通信モジュール21,22の受信姿勢による受信信号強度の変化について説明する。
図5(A)~(C)は無線通信モジュール21,22の受信姿勢1~3を示す図であり、
図6は受信姿勢1~3と受信信号強度との関係を示す図である。
図6には、
図5に示した受信姿勢1~3毎に100回の受信試験を行い、この試験によって得られた受信信号強度の分布状況が示されている。なお、
図5(A)~(C)に示すように、受信姿勢1~3において、無線通信モジュール21,22と無線タグ40との距離は「Db(例えば3m)」に固定されている。
【0025】
図5(A)に示すように、無線通信モジュール21,22が受信姿勢1である場合には、
図6に実線L1で示した受信信号強度が得られる結果となった。また、
図5(B)に示すように、無線通信モジュール21,22が受信姿勢2である場合には、
図6に一点鎖線L2で示した受信信号強度が得られ、
図5(C)に示すように、無線通信モジュール21,22が受信姿勢3である場合には、
図6に破線L3で示した受信信号強度が得られる結果となった。このように、無線通信モジュール21,22は指向性を有しており、受信姿勢によって受信信号強度が変化していると考えられる。すなわち、撮像装置10の設置箇所や無線タグ40の接近経路によっては、検出される受信信号強度にバラツキが生じることから、人物等が撮影エリアに進入したか否かの適切な判定が困難になる虞がある。
【0026】
そこで、本実施形態の撮像装置10は、無線タグ(送信機)40からの信号を受信する無線通信モジュールとして、プリント基板21a,22aの向きを変えて配置される2つの無線通信モジュール21,22を有している。これにより、後述するように、撮影エリアに対する進入判定に用いられる受信信号強度を安定させることができるため、撮像装置10の設置箇所や無線タグ40の接近経路による影響を受け難くすることができ、人物等が撮影エリアに進入したことを適切に判定することができる。
【0027】
なお、本実施の形態では、無線通信モジュール21,22の受信姿勢として、撮像装置10の設置環境において適切にレンズカバー11を作動させることが可能な受信姿勢1と受信姿勢3とが選択されている。また、撮像装置10が設置される他の環境においては、無線通信モジュール21,22の受信姿勢として、他の組み合わせが選択されてもよいことは言うまでもない。
【0028】
[撮影制御]
続いて、撮影実行条件が成立して撮影が開始された後に、撮影停止条件が成立して撮影が停止されるまでの撮影制御について説明する。
図7は撮影制御の実行手順の一例を示すフローチャートである。また、制御ユニット31によって撮影制御を実行するため、本発明の一実施の形態であるプログラムは、制御ユニット31の図示しない記憶装置に保存されている。このプログラムに従い、制御ユニット31の条件判定部32、電源制御部33、カバー制御部34および撮影制御部37は、後述する各ステップを実行する。なお、
図7に示したフローチャートは、電源モードが待機モードに制御された状態であり、レンズカバー11が閉位置Pcに移動した状態であり、かつ撮像系36による撮影が停止された状態のもとで実行が開始される。
【0029】
図7に示すように、ステップS10では、第1無線通信モジュール21の受信信号強度R1が、所定の閾値Xaを上回るか否かが判定される。ステップS10において、受信信号強度R1が閾値Xaを上回ると判定された場合には、無線タグ40が所定範囲内に接近していることから撮影実行条件が成立したと判定される。一方、ステップS10において、受信信号強度R1が閾値Xa以下であると判定された場合には、ステップS11に進み、第2無線通信モジュール22の受信信号強度R2が、閾値Xaを上回るか否かが判定される。ステップS11において、受信信号強度R2が閾値Xaを上回ると判定された場合には、無線タグ40が所定範囲内に接近していることから撮影実行条件が成立したと判定される。なお、ステップS11において、受信信号強度R2が閾値Xa以下であると判定された場合には、撮影実行条件が未成立であることから、ステップS10に戻り、再び受信信号強度R1が閾値Xaを上回るか否かが判定される。
【0030】
前述したように、ステップS10において、受信信号強度R1が閾値Xaを上回ると判定された場合や、ステップS11において、受信信号強度R2が閾値Xaを上回ると判定された場合には、無線タグ40が所定範囲内に接近していることから撮影実行条件が成立したと判定される。すなわち、レンズカバー11が閉じられた状態のもとで、受信信号強度R1,R2の何れか一方が閾値Xaを上回った場合には、撮影実行条件が成立したと判定される。このように、撮影実行条件が成立したと判定されると、ステップS12に進み、電源モードが待機モードから稼働モードに切り替えられる。続いて、ステップS13では、レンズカバー11が閉位置Pcから開位置Poに移動し、ステップS14では、撮像系36による撮影が開始される。
【0031】
続いて、撮影実行条件の成立によって撮影が開始されると、ステップS15に進み、撮影停止条件が成立するか否かが判定される。ステップS15では、第1無線通信モジュール21の受信信号強度R1が、所定の閾値Xbを下回るか否かが判定される。ステップS15において、受信信号強度R1が閾値Xbを下回ると判定された場合には、ステップS16に進み、第2無線通信モジュール22の受信信号強度R2が、閾値Xbを下回るか否かが判定される。ステップS16において、受信信号強度R2が閾値Xbを下回ると判定された場合には、無線タグ40が所定範囲を越えて離れていることから撮影停止条件が成立したと判定される。なお、ステップS15において、受信信号強度R1が閾値Xb以上であると判定された場合や、ステップS16において、受信信号強度R2が閾値Xa以上であると判定された場合には、撮影停止条件が未成立であることから、ステップS14に戻り、撮像装置10による撮影を維持したまま、再び受信信号強度R1,R2が閾値Xbを下回るか否かが判定される。
【0032】
前述したように、ステップS15において、受信信号強度R1が閾値Xbを下回ると判定され、かつ、ステップS16において、受信信号強度R2が閾値Xbを下回ると判定された場合には、無線タグ40が所定範囲を越えて離れていることから撮影停止条件が成立したと判定される。つまり、レンズカバー11が開かれた状態のもとで、受信信号強度R1,R2の双方が閾値Xbを下回った場合には、撮影停止条件が成立したと判定される。このように、撮影停止条件が成立したと判定されると、ステップS17に進み、撮像系36による撮影が停止される。続いて、ステップS18では、レンズカバー11が開位置Poから閉位置Pcに移動し、ステップS19では、電源モードが稼働モードから待機モードに切り替えられる。
【0033】
[まとめ]
これまで説明したように、本実施形態の撮像装置10は、無線タグ(送信機)40からの信号を受信する無線通信モジュールとして、プリント基板21a,22aの向きを変えて配置される2つの無線通信モジュール21,22を有している。これにより、無線通信モジュール21,22が指向性を有する場合であっても、撮像装置10の設置箇所や無線タグ40の接近経路による影響を受け難くすることができる。このため、受信信号強度に基づき人物等が撮影エリアに進入したことを適切に判定することができ、レンズカバー11や撮像系36を適切なタイミングで動作させることができる。
【0034】
ここで、
図8および
図9は、無線タグ40の移動経路および受信信号強度の推移の一例を示した図である。
図8および
図9には、介護施設において施設利用者Uが生活する居室50に撮像装置10を設置した例が示されている。この場合において、無線タグ40は従業員Wによって所持されており、従業員Wが居室50に入った場合に撮影が開始され、従業員Wが居室50から出た場合に撮影が停止される設定となっている。
【0035】
図8(A)に示すように、従業員Wが矢印C1に沿って入室した場合には、
図8(B)に示すように、第1無線通信モジュール21の受信信号強度R1が、第2無線通信モジュール22の受信信号強度R2よりも、早いタイミングで増加している。一方、
図9(A)に示すように、従業員Wが矢印C2に沿って入室した場合には、
図9(B)に示すように、第2無線通信モジュール22の受信信号強度R2が、第1無線通信モジュール21の受信信号強度R1よりも、早いタイミングで増加している。つまり、従業員Wの移動経路によって、受信信号強度R1,R2の立ち上がり特性が変化している。
【0036】
前述したように、撮影を開始する撮影実行条件は、受信信号強度R1,R2の何れか一方が閾値Xaを上回ることである。このため、
図8(B)に示した例では、従業員Wが距離d1aまで近づいたときに、受信信号強度R1が閾値Xaを上回るため(符号a1)、レンズカバー11が開かれて撮影が開始される。また、
図9(B)に示した例では、従業員Wが距離d2aまで近づいたときに、受信信号強度R2が閾値Xaを上回るため(符号b1)、レンズカバー11が開かれて撮影が開始される。このように、プリント基板21a,22aの向きを互いに変えて配置される2つの無線通信モジュール21,22を有することから、従業員Wの移動経路が変化した場合であっても、適切なタイミングでレンズカバー11を開いて撮影を開始することができる。
【0037】
ここで、撮像装置10に対し、無線通信モジュールとして、第2無線通信モジュール22だけが設けられており、かつ従業員Wが矢印C1に沿って入室した場合には、
図8(B)に示すように、従業員Wが撮影エリアの境界(距離Dc)を越えて更に距離d1bまで近づいたときに、受信信号強度R2が閾値Xaを上回るため(符号a2)、レンズカバー11が開かれて撮影が開始される。すなわち、撮像装置10に対して2つの無線通信モジュール21,22を設けることにより、
図8(B)に白抜きの矢印で示すように、撮影開始のタイミングを適切に早めることができる。
【0038】
また、撮像装置10に対し、無線通信モジュールとして、第1無線通信モジュール21だけが設けられており、かつ従業員Wが矢印C2に沿って入室した場合には、
図9(B)に示すように、従業員Wが撮影エリアの境界(距離Dc)を越えて更に距離d2bまで近づいたときに、受信信号強度R1が閾値Xaを上回るため(符号b2)、レンズカバー11が開かれて撮影が開始される。すなわち、撮像装置10に対して2つの無線通信モジュール21,22を設けることにより、
図9(B)に白抜きの矢印で示すように、撮影開始のタイミングを適切に早めることができる。
【0039】
その後、従業員Wが退室する際には、受信信号強度R1,R2の双方が閾値Xbを下回ることで撮影停止条件が成立する。このため、
図8(B)に示した例では、従業員Wが距離d1cまで離れたときに、受信信号強度R1,R2が閾値Xbを下回るため(符号a3)レンズカバー11が閉じられて撮影が停止される。また、
図9(B)に示した例では、従業員Wが距離d2cまで離れたときに、受信信号強度R1,R2が閾値Xbを下回るため(符号b3)、レンズカバー11が閉じられて撮影が停止される。なお、撮影停止時にはレンズカバー11によってレンズ14が覆われるため、撮像装置10が撮影停止状態であることを視覚的に認識することができ、プライバシー保護の観点から居室50で生活する施設利用者Uに対して安心感を与えることができる。また、レンズカバー11には赤色等の着色が施されており、レンズカバー11によってレンズ14が覆われていることを施設利用者Uは明確に認識することができる。
【0040】
前述した
図7のフローチャートに沿って説明したように、ステップS10,S11において、レンズカバー11が閉じられた状態のもとで、受信信号強度R1,R2の何れか一方が閾値Xaを上回った場合には、撮影実行条件が成立したと判定される。このように、撮影実行条件が成立したと判定されると、ステップS13に進み、レンズカバー11を閉位置Pcから開位置Poに移動させ、続くステップS14では、撮像系36によって撮影を開始させる。つまり、制御ユニット31に格納されるプログラムは、カバー制御部34に対し、複数の無線通信モジュール21,22の何れか1つの受信信号強度が閾値Xaを上回る場合に、レンズカバー11の位置を変化させるステップを実行させる。すなわち、制御ユニット31に格納されるプログラムは、カバー制御部34に対し、レンズカバー11が閉位置Pcに移動した状態のもとで、複数の無線通信モジュール21,22の何れか1つの受信信号強度が閾値Xaを上回る場合に、レンズカバー11の位置を閉位置Pcから開位置Poに変化させるステップ、つまりレンズカバー11を閉位置Pcから開位置Poに移動させるステップを実行させている。
【0041】
また、ステップS15,S16において、レンズカバー11が開かれた状態のもとで、受信信号強度R1,R2の双方が閾値Xbを下回った場合には、撮影停止条件が成立したと判定される。このように、撮影停止条件が成立したと判定されると、ステップS17に進み、撮像系36による撮影を停止させ、続くステップS18では、レンズカバー11を開位置Poから閉位置Pcに移動させる。すなわち、制御ユニット31に格納されるプログラムは、カバー制御部34に対し、レンズカバー11が開位置Poに移動した状態のもとで、複数の無線通信モジュール21,22の全ての受信信号強度が閾値Xbを下回る場合に、レンズカバー11を開位置Poから閉位置Pcに移動させるステップを実行させている。
【0042】
前述の説明では、レンズカバー11が開位置Poに移動した状態のもとで、受信信号強度R1,R2の双方が閾値Xbを下回る場合に、撮影停止条件が成立したと判定しているが、これに限られることはなく、受信信号強度R1,R2の一方が閾値Xbを下回る場合に、撮影停止条件が成立したと判定しても良い。すなわち、制御ユニット31に格納されるプログラムは、カバー制御部34に対し、レンズカバー11が開位置Poに移動した状態のもとで、複数の無線通信モジュール21,22の何れか一方の受信信号強度が閾値Xbを下回る場合に、レンズカバー11を開位置Poから閉位置Pcに移動させるステップを実行させても良い。
【0043】
また、前述の説明では、撮像装置10に無線タグ40が近づくことで受信信号強度R1,R2が増加した場合に、レンズカバー11を開いて撮影を開始させる一方、撮像装置10から無線タグ40が離れることで受信信号強度R1,R2が減少した場合に、レンズカバー11を閉じて撮影を停止させているが、これに限られることはない。例えば、受信信号強度R1,R2の増減によるレンズカバー11の開閉動作を、前述の説明とは逆に設定しても良い。つまり、撮像装置10に無線タグ40が近づくことで受信信号強度R1,R2が増加した場合に、レンズカバー11を閉じて撮影を停止させる一方、撮像装置10から無線タグ40が離れることで受信信号強度R1,R2が減少した場合に、レンズカバー11を開いて撮影を開始させても良い。
【0044】
前述したように、受信信号強度R1,R2の増加に伴い、レンズカバー11を閉じて撮影を停止させる場合であっても、制御ユニット31に格納されるプログラムは、カバー制御部34に対し、複数の無線通信モジュール21,22の何れか1つの受信信号強度が閾値Xaを上回る場合に、レンズカバー11の位置を変化させるステップを実行させる。すなわち、制御ユニット31に格納されるプログラムは、カバー制御部34に対し、レンズカバー11が開位置Poに移動した状態のもとで、複数の無線通信モジュール21,22の何れか1つの受信信号強度が閾値Xaを上回る場合に、レンズカバー11の位置を開位置Poから閉位置Pcに変化させるステップ、つまりレンズカバー11を開位置Poから閉位置Pcに移動させるステップを実行させる。
【0045】
また、受信信号強度R1,R2の減少に伴い、レンズカバー11を開いて撮影を開始する場合において、制御ユニット31に格納されるプログラムは、カバー制御部34に以下のステップを実行させる。つまり、制御ユニット31に格納されるプログラムは、カバー制御部34に対し、レンズカバー11が閉位置Pcに移動した状態のもとで、複数の無線通信モジュール21,22の全ての受信信号強度が閾値Xbを下回る場合に、レンズカバー11を閉位置Pcから開位置Poに移動させるステップを実行させる。また、前述したステップに限られることはなく、制御ユニット31に格納されるプログラムは、カバー制御部34に対し、レンズカバー11が閉位置Pcに移動した状態のもとで、複数の無線通信モジュール21,22の何れか一方の受信信号強度が閾値Xbを下回る場合に、レンズカバー11を閉位置Pcから開位置Poに移動させるステップを実行させても良い。
【0046】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。前述の説明では、撮像装置10を制御する送信機として無線タグ40を使用しているが、これに限られることはなく、スマートフォンやタブレット等の携帯端末を送信機として使用しても良い。なお、前述の説明では、無線タグ40を人物に所持させているが、これに限られることはなく、工場の搬送ロボット等に無線タグ40を搭載しても良い。さらに、リモコンから送信される赤外線に基づいて、撮像装置10の撮影実行や撮影停止を制御しても良く、マイク42によって検出された音声に基づいて、撮像装置10の撮影実行や撮影停止を制御しても良い。
【0047】
前述の説明では、ハウジング12内に2つの無線通信モジュール21,22を収容しているが、これに限られることはなく、ハウジング12内に3つ以上の無線通信モジュールを収容しても良い。このように、3つ以上の無線通信モジュールを設ける場合であっても、ハウジング12内には互いにプリント基板の向きを変えて無線通信モジュールが配置される。また、図示する例では、無線通信モジュール21,22のプリント基板21a,22aが互いに直交する向きに配置されているが、これに限られることはなく、プリント基板21aの延長面とプリント基板22aの延長面とのなす角度が90°以外に設定されていても良い。つまり、無線通信モジュール21,22を配置する際に、プリント基板21a,22aの向きを互いに変えるということは、プリント基板21a,22aが互いに平行になっていなければ良い。また、前述の説明では、プログラムを撮像装置10内の記憶装置に保存しているが、これに限られることはなく、撮像装置10と通信可能な他の記憶装置に保存しても良い。
【0048】
なお、本実施形態の撮像装置10は、撮像素子13の前にレンズ14を配置した構造を有しているが、これに限られることはない。例えば、他の実施形態の撮像装置として、レンズ14が省略されたレンズレス構造を採用しても良い。このようなレンズレス構造の撮像装置においては、レンズ14の代わりに透過フィルムなどを用いることができる。そして、レンズカバー11は、単に「カバー」と呼ばれることもある。
【符号の説明】
【0049】
10 撮像装置
11 レンズカバー(カバー)
12 ハウジング
13 撮像素子
15 開口部
21 無線通信モジュール(第1無線通信モジュール)
21a プリント基板(基板)
22 無線通信モジュール(第2無線通信モジュール)
22a プリント基板(基板)
34 カバー制御部
40 無線タグ(送信機)
R1 受信信号強度
R2 受信信号強度
Xa 閾値
Xb 閾値