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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-20
(45)【発行日】2024-11-28
(54)【発明の名称】揺動装置および植物揺動システム
(51)【国際特許分類】
   A01G 7/00 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
A01G7/00 604C
A01G7/00 601Z
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020214328
(22)【出願日】2020-12-23
(65)【公開番号】P2022100142
(43)【公開日】2022-07-05
【審査請求日】2023-08-14
(73)【特許権者】
【識別番号】302060926
【氏名又は名称】株式会社フジタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】織邊 尚子
(72)【発明者】
【氏名】滝澤 勇輝
(72)【発明者】
【氏名】北島 信行
(72)【発明者】
【氏名】菊地 のぞみ
(72)【発明者】
【氏名】童阿瑪
(72)【発明者】
【氏名】小林 紀子
【審査官】坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-244750(JP,A)
【文献】特開2002-165522(JP,A)
【文献】特開2012-53(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 7/00
A01G 9/00 - 9/02
A01H 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋内施設に設置される観葉植物に用いる揺動装置であって、
前記観葉植物に着脱可能に取り付けられる取付具と、
一端に前記取付具が接続された線材と、
前記線材の他端と接続し、前記線材を往復移動させるように駆動することで前記観葉植物を揺動させる駆動部と、
前記線材が往復移動可能に挿通される筒状の保護カバーと、を含み
前記線材は前記駆動部よりも上方に延在し、
前記保護カバーは、前記線材の前記駆動部から露出されて延在する部分を覆い、
前記取付具は前記観葉植物の上方の枝、幹、または葉に取り付けられる揺動装置。
【請求項2】
前記駆動部は、
内部に前記線材の前記他端を収容する筐体と、
前記筐体の上面から突出した凸部と、を含み、
前記凸部は、前記線材が挿通される貫通孔を含む、請求項1に記載の揺動装置。
【請求項3】
さらに、前記線材に固定される係止片を含み、
前記線材が往復移動されるときに、前記係止片は、前記貫通孔を貫通することなく前記貫通孔の開口端で係止される、請求項2に記載の揺動装置。
【請求項4】
前記線材は、前記駆動部と接続される第1の線材および前記取付具が接続される第2の線材を含み、
前記第1の線材と前記第2の線材とは、前記係止片によって連結される、請求項3に記載の揺動装置。
【請求項5】
前記保護カバーは、伸縮可能である、請求項に記載の揺動装置。
【請求項6】
前記駆動部は、前記線材の前記他端が接続されたシーソー式に揺動する揺動体を含む、請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の揺動装置。
【請求項7】
前記駆動部は、前記線材の前記他端と接続され、前記線材を巻き取る回転体を含む、請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の揺動装置。
【請求項8】
前記駆動部は、前記線材の前記他端が接続されたシリンダを含む、請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の揺動装置。
【請求項9】
屋内施設に設置される観葉植物に用いる植物揺動システムであって、
前記観葉植物を揺動する揺動装置と、
前記観葉植物の周囲環境情報を検出信号として出力するセンサ部と、
前記検出信号を判定した結果を用いて前記揺動装置の揺動を制御する制御部と、を含み、
前記揺動装置は、
前記観葉植物に着脱可能に取り付けられる取付具と、
一端に前記取付具が接続された線材と、
前記線材の他端と接続し、前記線材を往復移動させるように駆動することで前記観葉植物を揺動させる駆動部と、
前記線材が往復移動可能に挿通される筒状の保護カバーと、を含み
前記線材は前記駆動部よりも上方に延在し、
前記保護カバーは、前記線材の前記駆動部から露出されて延在する部分を覆い、
前記取付具は前記観葉植物の上方の枝、幹、または葉に取り付けられ、
前記周囲環境情報は、温度に関する情報を含み
前記検出信号が室内の温度の情報を含むと判定されたとき、前記制御部は、前記室内の温度の情報に応じて前記揺動装置の揺動の周波数を制御する植物揺動システム。
【請求項10】
さらに、電力を生成する電源部を含む、請求項に記載の植物揺動システム。
【請求項11】
さらに、音を出力するスピーカーを含む、請求項9または請求項10に記載の植物揺動システム。
【請求項12】
さらに、照明部を含む、請求項乃至請求項11のいずれか一項に記載の植物揺動システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物を揺動する揺動装置および揺動装置を含む植物揺動システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、オフィス、打ち合わせスペース、休憩スペース、またはロビーなどの屋内施設には、観葉植物が設置されることが多い。観葉植物は、無機質な屋内施設を緑化するとともに、リラックス効果を高め、屋内施設で働く人のストレスを軽減することができることが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-172305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、屋内施設に設置される観葉植物は静的なものである。そのため、動的な自然環境とは異なり、得られるリラックス効果は限定的なものとなる。さらに、人は環境に順応しやすく、たとえ観葉植物が設置されていたとしても、同じ環境または風景では、人の慣れまたは飽きによって観葉植物によるリラックス効果が低下してしまう問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑み、リラックス効果を持続させる揺動装置および植物揺動システムを提供することを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る揺動装置は、植物に着脱可能に取り付けられる取付具と、一端に取付具が接続された線材と、線材の他端と接続し、線材を往復移動させるように駆動する駆動部と、を含む。
【0007】
駆動部は、線材が挿通される貫通孔を含んでいてもよい。
【0008】
揺動装置は、さらに、線材に固定される係止片を含み、線材が往復移動されるときに、係止片は、貫通孔を貫通することなく係止されてもよい。
【0009】
線材は、第1の線材および第2の線材を含み、係止片は、第1の線材と第2の線材とを連結してもよい。
【0010】
揺動装置は、さらに、線材が往復移動可能に挿通される筒状の保護カバーを含んでいてもよい。
【0011】
保護カバーは、伸縮可能であってもよい。
【0012】
駆動部は、貫通孔の開口端を囲むように設けられた溝を含み、保護カバーの一端が、溝と嵌合されてもよい。
【0013】
駆動部は、線材の他端が接続されたシーソー式に揺動する揺動体を含んでいてもよい。また、駆動部は、線材の他端と接続され、線材を巻き取る回転体を含んでいてもよい。また、駆動部は、線材の他端が接続されたシリンダを含んでいてもよい。
【0014】
本発明の一実施形態に係る植物揺動システムは、植物を揺動する揺動装置と、植物の周囲環境情報を検出し、検出信号を出力するセンサ部と、検出信号を判定し、揺動装置の揺動を制御する制御部と、を含み、揺動装置は、植物に着脱可能に取り付けられる取付具と、一端に取付具が接続された線材と、線材の他端と接続し、線材を往復移動させるように駆動する駆動部と、を含む。
【0015】
周囲環境情報は、人の所在に関する情報、温度に関する情報、湿度に関する情報、音に関する情報、または照度に関する情報であってもよい。
【0016】
植物揺動システムは、さらに、電力を生成する電源部を含んでいてもよい。
【0017】
植物揺動システムは、さらに、音を出力するスピーカーを含んでいてもよい。
【0018】
植物揺動システムは、さらに、照明部を含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一実施形態に係る揺動装置または植物揺動システムは、密閉された空間内(例えば、屋内)の植物を揺動することができ、空間内に動的な変化を与えることができる。特に、本発明の一実施形態に係る揺動装置または植物揺動システムは、樹木などの大型の植物を揺動することができる。そのため、空間内の作業者または利用者は、植物の枝または葉の揺れによる揺らぎのある自然を室内でも感じ取ることができる。また、植物の揺動がリラックス効果を生成するため、空間内の作業者または利用者は、リラックス効果によりストレスが緩和される。その結果、作業者の作業効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態に係る植物揺動システムの斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る植物揺動システムの斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る植物揺動システムの構成を示すブロック図である。
図4】本発明の一実施形態に係る植物揺動システムの揺動装置の駆動部の構成を示す模式図である。
図5】本発明の一実施形態に係る植物揺動システムの揺動装置の駆動部と第1の保護カバーとの嵌合を説明する模式図である。
図6】本発明の一実施形態に係る植物揺動システムの揺動装置の駆動部と線材に設けられた係止片との係止を説明する模式図である。
図7】本発明の一実施形態に係る植物揺動システムの揺動装置の駆動部の構成を示す模式図である。
図8】本発明の一実施形態に係る植物揺動システムの揺動装置の駆動部の構成を示す模式図である。
図9】本発明の一実施形態に係る植物揺動システムの揺動装置の駆動部の構成を示す模式図である。
図10】本発明の一実施形態に係る植物揺動システムの揺動装置の第2の保護カバーの構成を示す模式図である。
図11】本発明の一実施形態に係る植物揺動システムの揺動装置の第2の保護カバーの構成を示す模式図である。
図12】本発明の一実施形態に係る植物揺動システムの揺動装置の係止片による線材の連結を説明する模式図である。
図13】本発明の一実施形態に係る植物揺動システムの揺動装置の駆動部と、線材に設けられた係止片との係止を説明する模式図である。
図14】本発明の一実施形態に係る植物揺動システムの斜視図である。
図15】本発明の一実施形態に係る植物様相システムの斜視図である。
図16】本発明の一実施形態に係る植物揺動システムの斜視図である。
図17】本発明の一実施形態に係る植物揺動システムの斜視図である。
図18】本発明の一実施形態に係る植物揺動システムのシステム制御装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、実施形態はあくまで一例にすぎず、当業者が、発明の主旨を保ちつつ適宜変更することによって容易に想到し得るものについても、当然に本発明の範囲に含まれる。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、または形状などが模式的に表される場合がある。しかし、図示された形状などはあくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0022】
本明細書において、説明の便宜上、「上」もしくは「上方」または「下」もしくは「下方」という語句を用いて説明するが、これらの語句は各構成の上下関係を説明しているに過ぎない。例えば、構造物(例えば、揺動装置)が設置される場合、構造物が通常設置される設置面側(床面側)を「下」または「下方」とする。
【0023】
本明細書において、各構成に付記される「第1」または「第2」などの文字は、各構成を区別するために用いられる便宜的な標識であり、特段の説明がない限り、それ以上の意味を有さない。
【0024】
本明細書および図面において、同一または類似する複数の構成を総じて表記する際には同一の符号を用い、これらの複数の構成のそれぞれを区別して表記する際には、小文字または大文字のアルファベットを添えて表記する場合がある。また、1つの構成のうちの複数の部分を区別して表記する際には、ハイフンと自然数を用いる場合がある。
【0025】
本明細書において、「プランタ」とは、植物を植栽するための容器であって、例えば、箱または鉢を含む。
【0026】
以下の各実施形態は、技術的な矛盾を生じない限り、互いに組み合わせることができる。
【0027】
<第1実施形態>
図1図4を参照して、本発明の一実施形態に係る植物揺動システム10および植物揺動システム10に含まれる揺動装置100の構成について説明する。
【0028】
[1.植物揺動システム10の構成]
図1および図2は、本発明の一実施形態に係る植物揺動システム10の斜視図である。また、図3は、本発明の一実施形態に係る植物揺動システム10の構成を示すブロック図である。なお、図1および図2の各々には、領域Pをの部分断面拡大斜視図が示されている。
【0029】
図1は、植物910として、大型の樹木に植物揺動システム10を適用した一例である。また、図2は、植物910として、中小型の観葉植物に植物揺動システム10を適用した一例である。図1および図2に示すように、植物揺動システム10は、植物910の大きさに限定されることなく、あらゆる植物910に利用することができる。
【0030】
植物揺動システム10は、揺動装置100、センサ部200、および制御部300を含む。揺動装置100およびセンサ部200は、制御部300と接続されている。換言すると、揺動装置100は、制御部300を介して、センサ部200と接続されている。揺動装置100と制御部300との接続、またはセンサ部200と制御部300との接続は、有線であってもよく、無線であってもよい。
【0031】
揺動装置100は、駆動部110、線材120、取付具130、第1の保護カバー140-1、第2の保護カバー140-2、および係止片150を含む。取付具130は、線材120の一端(以下では、「第1端」という場合がある。)に接続されている。また、線材120の他端(以下では、「第2端」という場合がある。)は、駆動部110に接続されている。揺動装置100では、取付具130が、プランタ900に植栽された植物910の枝、幹、または葉などに取り付けられ、駆動部110が、線材120を往復移動させる(揺動させる)ように駆動する。これにより、植物910が揺らされ、枝または葉の擦れる音を生成することができる。すなわち、揺動装置100による揺動によって、室内であっても、植物910があたかも風で揺らいでいるかのような効果を演出することができる。なお、線材120の他端が接続された駆動部110の構成の詳細については後述する。
【0032】
領域Pの部分断面拡大斜視図に示すように、線材120は、第1の線材121および第2の線材122を含む。線材120は、第1の線材121と第2の線材122とが係止片150によって連結されて構成されている。そのため、上述した線材120の一端は、第2の線材122の端部に対応し、線材120の他端は、第1の線材121の端部に対応している。線材120が2つに分割されることで、例えば、第1の線材121の長さを一定にし、植物910の大きさに合わせて第2の線材122の長さを調整することができる。そのため、様々な大きさの植物910に対し、植物揺動システム10を適用することができる。なお、以下では、第1の線材121と第2の線材122とを特に区別しない場合は、線材120として説明する。
【0033】
線材120は、駆動部110と取付具130とを連結し、駆動部110の駆動力を取付具130に伝達することができる。すなわち、線材120が、駆動部110の駆動によって往復移動すると、取付具130も線材120の動作に合わせて往復移動する。線材120は、金属線材であってもよく、プラスチック線材であってもよい。金属線材は耐久性に優れ、プラスチック線材は可撓性に優れる。金属線材としては、例えば、ステンレス鋼線、ピアノ線、銅線、真鍮線、硬鋼線、メッキ線、アルミ線、またはチタン線などを用いることができる。また、プラスチック線材のプラスチックとしては、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、またはポリ塩化ビニル樹脂などを用いることができる。さらに、線材120としては、炭素繊維、合成クモ糸繊維、綿糸(例えば、タコ糸など)、絹糸、または弾性糸(例えば、ゴム糸など)などを用いることもできる。
【0034】
線材120の断面形状は、円形、楕円形、または多角形のいずれであってもよい。また、第1の線材121と第2の線材122とは、材料の種類が異なっていてもよい。
【0035】
なお、図1では、各々が駆動部110に接続された2本の線材120が示されているが、駆動部110に接続する線材120の本数はこれに限られない。線材120の本数は、1本であってもよく、3本以上であってもよい。また、図1では、駆動部110の2か所の各々に、1本の線材120が接続されているが、駆動部110の1か所に、複数の線材120が接続されていてもよい。
【0036】
また、図1では、駆動部110が床上に設置されているが、駆動部110の設置場所はこれに限られない。駆動部110は、壁、天井、プランタ900内、またはプランタ900の上方に設置することができるだけでなく、植物910の枝または幹、すなわち、植物910内に設置することもできる。
【0037】
取付具130は、植物910の枝、幹、または葉などに取り付けられ、線材120と植物910とを連結することができる。取付具130は、植物揺動システム10を使用しないときには植物910から取り外すことができるように、着脱可能に植物910に取り付けられることが好ましい。取付具130としては、植物910の枝、幹、もしくは葉に引っ掛けるフック、または植物910の枝、幹、もしくは葉を挟むクランプなどを用いることができる。なお、取付具130は、線材120の一端が加工されて形成されていてもよい。
【0038】
第1の保護カバー140-1および第2の保護カバー140-2は、線材120を覆い、線材120を保護することができる。具体的には、第1の保護カバー140-1は、第1の線材121および係止片150を覆うように設けられ、第2の保護カバー140-2は、第2の線材122を覆うように設けられる。第1の保護カバー140-1および第2の保護カバー140-2が設けられていることにより、人が線材120に触れることを予防することができ、線材120の揺動時において人が触れて擦傷することを防止することができる。第1の保護カバー140-1は、線材120の揺動時においても係止片150を覆う長さであることが好ましい。また、第2の保護カバー140-2は、人の手が届く範囲よりも長い長さであることが好ましい。典型的には、第2の保護カバー140-2の長さは、第1の保護カバー140-1の長さよりも長い。さらに、第1の保護カバー140-1および第2の保護カバー140-2は、線材120の腐食を防止するだけでなく、線材120が破断したときに線材120が飛散することを防止することができる。そのため、植物揺動システム10は、劇場またはホテルなどの人の出入りの多いロビーまたはアトリウムなどに設置し、樹木などの大型の植物910を揺らすこともできる。
【0039】
なお、図1および図2の各々では、便宜上、第1の保護カバー140-1と第2の保護カバー140-2とが離れて示されているが、第1の保護カバー140-1と第2の保護カバー140-2とは、接触していてもよく、一方の端部が他方の端部を覆うように重畳していてもよい。
【0040】
第1の保護カバー140-1および第2の保護カバー140-2は筒状(以下、「筒体」という場合がある。)であって、第1の保護カバー140-1および第2の保護カバー140-2内に線材120が挿通される。線材120は、第1の保護カバー140-1または第2の保護カバー140-2によって固定されず、第1の保護カバー140-1および第2の保護カバー140-2内で往復移動することができる。第1の保護カバー140-1および第2の保護カバー140-2は、円筒状、楕円筒状、または角筒状のいずれであってもよく、第1の保護カバー140-1および第2の保護カバー140-2の形状はこれに限られない。なお、第1の保護カバー140-1の一端は、駆動部110に設けられた溝と嵌合されるが、この構成の詳細については後述する。
【0041】
係止片150は、第1の線材121と第2の線材122とを連結するとともに、線材120の移動を制限することができる。すなわち、係止片150は、線材120の移動に対するストッパーとして機能することができる。なお、係止片150は、駆動部110に設けられた貫通孔によって係止されるが、この構成の詳細については後述する。
【0042】
係止片150の形状は、例えば、環状であるが、これに限られない。係止片150は、球状、楕円球状、または多角形状などであってもよく、第1の線材121および第2の線材122の各々の端部を連結することができればよい。
【0043】
線材120が第1の線材121と第2の線材122とに分割されておらず、1本の線材で構成されている場合、係止片150は線材120に固定されていてもよい。この場合、係止片150は、線材120に固定されるが、線材120に固定される位置が変更できるように、線材120に沿って移動可能に、または線材120に着脱可能に設けられていることが好ましい。
【0044】
センサ部200は、植物揺動システム10の周囲環境情報を検出し、周囲環境情報を含む検出信号を出力することができる。周囲環境情報とは、植物揺動システム10が設置された周囲の環境に関する情報である。周囲環境情報は、例えば、人の所在に関する情報、温度に関する情報、湿度に関する情報、音に関する情報、または照度に関する情報などである。
【0045】
人の所在に関する情報を検出する場合、センサ部200として、人感センサまたは圧力センサなどを用いることができる。人感センサは、周囲の温度と人の温度との温度変化を、赤外線の光量の違いに基づき検出することができる。また、圧力センサは、人の踏力を、半導体のひずみが変換された電気信号に基づき検出することができる。このようなセンサを含むセンサ部200は、室内への人の入退室を、人の所在に関する情報として検出信号を出力することができる。また、センサ部200は、人の動きを、人の所在に関する情報として検出信号を出力してもよい。
【0046】
温度に関する情報を検出する場合、センサ部200として、温度センサなどを用いることができる。温度センサは、熱電対、金属もしくは半導体などの抵抗体の電気抵抗の変化、または所定の物体が発する赤外線の光量に基づき、温度を検出することができる。このようなセンサを含むセンサ部200は、室内の温度を、温度に関する情報として検出信号を出力することができる。
【0047】
湿度に関する情報を検出する場合、センサ部200として、湿度センサなどを用いることができる。湿度センサは、電極に挟まれた高分子の抵抗値または静電容量値の変化に基づき、湿度を検出することができる。このようなセンサを含むセンサ部200は、室内の湿度を、湿度に関する情報として検出信号を出力することができる。
【0048】
音に関する情報を検出する場合、センサ部200として、マイクロホンなどを用いることができる。マイクロホンなどを含むセンサ部200は、室内の音を、音に関する情報として検出信号を出力することができる。
【0049】
照度に関する情報を検出する場合、センサ部200として、照度センサなどを用いることができる。照度センサは、フォトダイオードなどの受光素子を含み、受光素子に入射した光を電荷に変換し、電荷量に基づき、照度を検出することができる。このようなセンサを含むセンサ部200は、室内の照度を、照度に関する情報として検出信号を出力することができる。
【0050】
センサ部200は、1つのセンサに限られず、複数のセンサを含んでいてもよい。例えば、センサ部200は、人感センサ、温度センサ、および照度センサを含んでいてもよい。また、センサ部200は、1つの位置だけでなく、複数の位置に設けられていてもよい。センサ部200が複数の位置に設けられることで、プランタ900の周囲のあらゆる方向からの情報を検出することができる。センサ部200が設置される位置は、プランタ900の側面部に限られず、プランタ900の縁部であってもよく、植物910の一部であってもよい。また、センサ部200の設置される位置は、プランタ900または植物に限られない。センサ部200は、床面に設置されてもよく、天井に設置されてもよい。
【0051】
制御部300は、センサ部200からの検出信号を受信し、揺動装置100(より具体的には、駆動部110の駆動)を制御することができる。すなわち、制御部300は、検出信号を判定し、検出信号に含まれる周囲環境情報に応じた制御信号を生成し、揺動装置100を制御することができる。
【0052】
検出信号の周囲環境情報が、人の入室または人の動きの情報を含むとき、制御部300は、揺動装置100の電源をオンにすることができる。一方、検出信号の周囲環境情報が、人の退出を含むとき、制御部300は、揺動装置100の電源をオフにすることができる。
【0053】
検出信号の周囲環境情報が、室内の温度の情報を含むとき、制御部300は、温度に応じて揺動装置100の揺動を変化させることができる。例えば、室内の温度が高いとき、揺動装置100の揺動の周波数を高くして、植物910の枝または葉を擦れる回数を増加させる。枝または葉の擦れる音が多くなることにより、人は室内においても自然の環境を感じることができ、暑さを軽減することができる。すなわち、植物揺動システム10は、涼しさの効果を演出することができる。
【0054】
検出信号の周囲環境情報が、室内の湿度の情報を含むとき、制御部300は、湿度に応じて揺動装置100の揺動を変化させることができる。同じ温度であっても、湿度が高いと、人は暑く感じる。そのため、例えば、室内の湿度が高い時、揺動装置100の揺動の周波数を高くして、植物910の枝または葉を擦れる回数を増加させる。枝または葉の擦れる音が多くなることにより、人は室内においても自然の環境を感じることができ、暑さを軽減することができる。すなわち、植物揺動システム10は、涼しさの効果を演出することができる。
【0055】
検出信号の周囲環境情報が、室内の音の情報を含むとき、制御部300は、音に応じて揺動装置100の電源をオンにすることができる。また、制御部300は、予め登録された音に応じて揺動装置100の揺動を変化させることもできる。例えば、予め揺動装置100の動作を音として登録しておき、制御部300は、登録された音に応じて揺動装置100を制御することができる。
【0056】
検出信号の周囲環境情報が、室内の照度の情報を含むとき、制御部300は、照度に応じて揺動装置100の電源をオンにし、または揺動装置100の揺動を変化させることができる。
【0057】
制御部300は、検出信号の周囲環境情報に含まれる複数の情報を組み合わせて、揺動装置100の電源をオンにし、または揺動装置100の揺動を変化させてもよい。
【0058】
なお、制御部300は、揺動装置100とは別に設けられていてもよく、揺動装置100内に設けられていてもよい。
【0059】
[2.駆動部110の構成]
図4を参照して、駆動部110の構成の詳細について説明する。
【0060】
図4は、本発明の一実施形態に係る植物揺動システム10の揺動装置100の駆動部110の構成を示す模式図である。具体的には、図4(A)は、駆動部110の構成を示す斜視図を示し、図4(B)は、駆動部110の使用状態を示す斜視図である。
【0061】
駆動部110は、揺動体111、回転軸112、およびモータ113を含む。揺動体111は、長軸方向がX軸方向に沿って配置され、回転軸112は、X軸方向に直交するY軸方向に沿って配置されている。回転軸112の一端は、揺動体111の中心に固定され、回転軸112の他端は、回転可能にモータ113に軸支されている。そのため、モータ113が駆動されると、回転軸112が回転し、回転軸112の回転に合わせて揺動体111がZX面内で回転することができる。
【0062】
揺動体111としては、例えば、平板または棒体などを用いることができる。揺動体111の断面形状は、多角形に限られない。揺動体111の形状は、円形であってもよく、楕円形であってもよい。揺動体111の両端の各々には、線材120が接続されている。そのため、揺動体111の回転に合わせて、揺動体111が線材120を引っ張り、線材120をZ軸方向に動かすことができる。
【0063】
また、回転軸112の回転方向を第1の方向(正転方向)と第2の方向(逆転方向)とに切り替える(反転させる)ことで、揺動体111をシーソー式に揺動することができる。すなわち、モータ113が回転軸112の回転方向を切り替えるように駆動することにより、シーソー式に揺動する揺動体111に接続された線材120が、周期的に、またはランダム的に往復移動を繰り返すことができる(図4(B)参照。)。換言すると、揺動体111をシーソー式に揺動することによって、線材120を揺動することができる。植物910は、線材120の揺動に合わせて繰り返し引っ張られるため、植物910が揺れて、枝または葉の擦れる音が生成される。
【0064】
モータ113は、制御部300の制御信号に基づいて回転軸112を駆動し、揺動体111をシーソー式に揺動する。制御部300の制御信号には、例えば、モータ113の電源のオンまたはオフの信号を含むことができる。また、制御部300の制御信号は、モータ113の回転方向、回転速度、回転角、または反転周波数などの信号を含んでいてもよい。
【0065】
線材120の揺動の振幅は、例えば、植物910の高さが2m以下の場合は、1mm以上100mm以下であり、3mm以上50mm以下であることが好ましく、5mm以上30mm以下であることがさらに好ましい。線材120の揺動の振幅が小さすぎる場合には、線材120の揺動によって植物910を揺らすことが難しい。また、線材120の揺動の振幅が大きすぎる場合には、植物910を傷つけることになる。そのため、線材120の揺動の振幅は、上記範囲が好ましい。植物910の高さが2mよりも大きい場合は、植物910の高さに応じて適宜設定することができる。なお、線材120の揺動の振幅は、揺動体111の長軸の長さおよびモータ113の回転角を適宜選択することによって決定することができる。
【0066】
線材120が周期的に揺動されるとき、モータ113の反転周波数は、例えば、0.1Hz以上50Hz以下であり、0.5Hz以上25Hz以下であることが好ましく、1Hz以上10Hz以下であることが好ましい。モータ113の周波数が小さすぎる場合、または大きすぎる場合には、植物910の自然な揺れを演出することが難しくなる。
【0067】
揺動体111の揺動は、モータ113の1つの回転角または反転周波数だけでなく、複数の回転角または反転周波数が組み合わせられていてもよい。複数の回転角または反転周波数が組み合わせられた揺動体111の揺動は、植物910を揺れを不規則化し、自然な風による揺れを演出することができる。制御部300は、予め登録されたモータ113の回転角または反転周波数の中からランダムに選択し、制御信号を生成してもよい。
【0068】
なお、駆動部110の構成は、上述した構成に限られない。駆動部110は、揺動体111をシーソー式に揺動し、線材120を揺動させることができる構成であればよい。
【0069】
[3.駆動部110と第1の保護カバー140-1との嵌合の構成]
図5を参照して、駆動部110と第1の保護カバー140-1との嵌合の構成について説明する。
【0070】
図5は、本発明の一実施形態に係る植物揺動システム10の揺動装置100の駆動部110と第1の保護カバー140-1との嵌合を説明する模式図である。具体的には、図5(A)および図5(B)は、それぞれ、駆動部110と第1の保護カバー140-1とが嵌合する前の状態の斜視図および断面図である。また、図5(C)および図5(D)は、それぞれ、駆動部110と第1の保護カバー140-1とが嵌合した状態の斜視図および断面図である。
【0071】
駆動部110の上面には、駆動部110の筐体から突出した凸部117が設けられている。また、凸部117には、線材120を挿通する貫通孔118および貫通孔118の周囲に同心円状の溝119が形成されている。線材120は、貫通孔118を介して、駆動部110内の揺動体111と接続される。
【0072】
凸部117は、駆動部110の筐体と一体的に形成されていてもよく、別に形成されて駆動部110の筐体に取り付けられていてもよい。また、駆動部110の上面には、凸部117が設けられなくてもよい。例えば、駆動部110の筐体を構成する部材の厚さが大きい場合には、駆動部110の上面に、凸部117を設けることなく、貫通孔118および溝119が直接形成されていてもよい。
【0073】
溝119の幅は、第1の保護カバー140-1の筒状の幅とほぼ等しい。そのため、第1の保護カバー140-1の一端を溝119に挿入することで、第1の保護カバー140-1は、溝119と嵌合することができる。また、第1の保護カバー140-1と溝119とが嵌合することにより、第1の保護カバー140-1が固定される。第1の保護カバー140-1が固定されても、貫通孔118が設けられているため、線材120は、貫通孔118を介して揺動することができる。なお、溝119は、溝の幅を調整できる機構を設けることができる。詳細は図示しないが、例えば、溝119を形成する貫通孔118側が外側に向かって狭めることで、第1の保護カバー140-1を溝119と強く嵌合させることができる。
【0074】
第1の保護カバー140-1は、第1の保護カバー140-1の一端の方向に向かうにしたがって、厚さが小さくなってもよい。また、第1の保護カバー140-1の厚さに合わせて、溝119の側壁がテーパーとなっていてもよい。
【0075】
[4.凸部117と係止片150との係止の構成]
図6を参照して、凸部117と係止片150との係止の構成について説明する。凸部117は、駆動部110によって揺動動作が伝達される線材120が貫通する。
【0076】
図6は、本発明の一実施形態に係る植物揺動システム10の揺動装置100の駆動部110と、線材120に設けられた係止片150との係止を説明する模式図である。具体的には、図6(A)および図6(B)は、それぞれ、係止片150が凸部117によって係止される前の状態の斜視図および断面図である。また、図6(C)および図6(D)は、それぞれ、係止片150が凸部117に係止された状態の斜視図および断面図である。
【0077】
係止片150の外径は、第1の保護カバー140-1の内径よりも小さく、係止片150は、第1の保護カバー140-1内において、線材120の揺動に合わせて往復移動することができる。また、係止片150の外径は、貫通孔118の開口端の開口径よりも大きい。そのため、係止片150が駆動部110の方向に移動したとき、係止片150は、貫通孔118の開口端で係止され、線材120の駆動部110の方向への移動が停止される。すなわち、係止片150は、線材120の移動を制限するストッパーとして機能することができる。駆動部110内に引き込まれる線材120は、第1の線材121であるため、線材120の最大揺動幅は、第1の線材121の長さによって決定することができる。なお、第1の線材121の長さは、最大揺動幅に加えて、第2の線材122との連結時に引き出すことができるオフセット幅を設けてもよい。
【0078】
なお、係止片150が第1の保護カバー140-1の外側に位置する場合、係止片150は、貫通孔118の開口端で係止されるのではなく、第1の保護カバー140-1の他端で係止されてもよい。この場合、第2の保護カバー140-2によって係止片150が覆われていることが好ましい。
【0079】
以上、説明したように、本実施形態に係る植物揺動システム10は、揺動装置100の線材120を揺動することにより、取付具130を介して線材120と接続された植物910を揺らすことができる。例えば、室内などの密閉された空間内で植物揺動システム10を利用すれば、空間内に動的な変化を与えることができる。そのため、空間内の作業者は、植物910の揺れによって、あたかも自然の中にいるような開放感を感じることができる。また、植物910の揺れによる枝または葉の擦れる音がリラックス効果の持続性に寄与するため、作業者のストレスが軽減され、作業者の作業効率が向上する。
【0080】
<変形例1>
図7を参照して、植物揺動システム10の揺動装置100の駆動部110の変形例である駆動部110aについて説明する。なお、以下では、駆動部110aが、上述した駆動部110と同様の構成を含む場合は、その構成の説明を省略する場合がある。
【0081】
図7は、本発明の一実施形態に係る植物揺動システム10の揺動装置100の駆動部110aの構成を示す模式図である。具体的には、図7(A)は、駆動部110aの構成を示す斜視図であり、図7(B)は、駆動部110aの使用状態を示す斜視図である。
【0082】
駆動部110aは、揺動体111a、回転軸112a、およびモータ113aを含む。揺動体111aは、長軸方向がX軸方向に沿って配置され、回転軸112aは、X軸方向に直交するZ軸方向に沿って配置されている。回転軸112aの一端は、揺動体111aの中心に固定され、回転軸112aの他端は、回転可能にモータ113aに軸支されている。そのため、モータ113aが駆動されると、回転軸112aが回転し、回転軸112aの回転に合わせて揺動体111aがXY面内で回転することができる。また、揺動体111aの両端の各々には、線材120が接続されている。そのため、揺動体111aの回転に合わせて、揺動体111aが線材120を引っ張り、線材120をZ軸方向に動かすことができる。すなわち、揺動体111aのXY面内での回転に合わせて、線材120が揺動される(図7(B)参照。)。植物910は、線材120の揺動に合わせて繰り返し引っ張られるため、植物910が揺れて、枝または葉の擦れる音が生成される。
【0083】
なお、駆動部110aの構成は、上述した構成に限られない。駆動部110aは、揺動体111aをXY面内で回転させながら、線材120を揺動させることができる構成であればよい。
【0084】
以上、説明したように、変形例1に係る駆動部110aにおいても、揺動装置100が線材120を揺動することにより、植物910を揺らすことができる。
【0085】
<変形例2>
図8を参照して、植物揺動システム10の揺動装置100の駆動部110の変形例である駆動部110bについて説明する。なお、以下では、駆動部110bが、上述した駆動部110または駆動部110aと同様の構成を含む場合は、その構成の説明を省略する場合がある。また、以下では、便宜上、複数の線材120を、第1の線材120-1および第2の線材120-2として説明する場合がある。
【0086】
図8は、本発明の一実施形態に係る植物揺動システム10の揺動装置100の駆動部110bの構成を示す模式図である。具体的には、図8(A)は、駆動部110bの内部構成を示す斜視図であり、図8(B)は、駆動部110bの使用状態を示す斜視図である。
【0087】
駆動部110bは、第1の回転体114b-1、第2の回転体114b-2、第1の回転軸112b-1、第2の回転軸112b-2、第1のモータ113b-1、および第2のモータ113b-2を含む。第1の回転体114b-1の長軸および第1の回転軸112b-1の各々は、X軸方向に沿って配置されている。第1の回転軸112b-1の一端は、第1の回転体114b-1の底面の中心に固定され、第1の回転軸112b-1の他端は、回転可能に第1のモータ113b-1に軸支されている。そのため、第1のモータ113b-1が駆動されると、第1の回転軸112b-1が回転し、第1の回転軸112b-1の回転に合わせて第1の回転体114b-1がYZ面内で回転することができる。なお、第2の回転体114b-2、第2の回転軸112b-2、および第2のモータ113b-2も同様の構成である。
【0088】
第1の回転体114b-1の回転面および第2の回転体114b-2の回転面には、それぞれ、第1の線材120-1および第2の線材120-2が接続されている。そのため、第1の回転体114b-1の回転に合わせて、第1の回転体114b-1が第1の線材120-1を巻き取り、第1の線材120-1をZ軸方向に動かすことができる。すなわち、第1の回転体114b-1のYZ平面内での回転に合わせて、第1の線材120-1が揺動される(図8(B)参照。)。なお、第2の線材120-2の揺動も同様である。
【0089】
第1の線材120-1および第2の線材120-2の揺動は、それぞれ、第1のモータ113b-1および第2のモータ113b-2の駆動によって制御される。そのため、第1の線材120-1の揺動および第2の線材120-2の揺動は独立して制御することができる。例えば、第1の線材120-1の揺動と第2の線材120-2の揺動とは、揺動の振幅、反転周波数、または位相を変えることができる。したがって、植物910は、独立制御された第1の線材120-1および第2の線材120-2の揺動に合わせた複雑な揺れが可能である。
【0090】
なお、1個のモータを用いて、第1の回転体114b-1および第2の回転体114b-2を回転させてもよい。モータと第1の回転軸112b-1または第2の回転軸112b-2との間にギアを設けることにより、第1の回転体114b-1と第2の回転体114b-2とが、同じ回転方向、または異なる回転方向となるように調整することができる。
【0091】
第1の回転体114b-1または第2の回転体114b-2に、予め線材120が巻かれていてもよい。この場合、第1の回転体114b-1または第2の回転体114b-2に巻かれた線材120を伸ばすことにより、線材120の長さを調整し、植物910に取り付ける取付具130の位置を調整することができる。
【0092】
以上、説明したように、変形例2に係る駆動部110bにおいても、揺動装置100が線材120を揺動することにより、植物910を揺らすことができる。
【0093】
<変形例3>
図9を参照して、植物揺動システム10の揺動装置100の駆動部110の変形例である駆動部110cついて説明する。なお、以下では、駆動部110cが、上述した駆動部110、駆動部110a、または駆動部110bと同様の構成を含む場合は、その構成の説明を省略する場合がある。また、以下では、便宜上、線材120を、第1の線材120-1および第2の線材120-2として説明する場合がある。
【0094】
図9は、本発明の一実施形態に係る植物揺動システム10の揺動装置100の駆動部110cの構成を示す模式図である。具体的には、図9(A)は、駆動部110cの構成を示す斜視図であり、図9(B)は、駆動部110cの使用状態を示す斜視図である。
【0095】
駆動部110cは、第1のロッド115c-1、第2のロッド115c-2、第1のチューブ116c-1、および第2のチューブ116c-2を含む。第1のロッド115c-1および第1のチューブ116c-1または第2のロッド115c-2および第2のチューブ116c-2は、いわゆるシリンダである。第1のロッド115c-1は、第1のチューブ116c-1に挿入され、Z軸方向に沿って配置されている。すなわち、第1のロッド115c-1が駆動されると、第1のロッド115c-1は、Z軸方向に沿って移動することができる。第2のロッド115c-2および第2のチューブ116c-2も同様の構成である。
【0096】
シリンダは、電動シリンダであってもよく、空気圧シリンダであってもよく、または油圧シリンダであってもよい。また、シリンダの制御は、D/A変換を用いたデジタル制御、電圧の波高値、またはPWM(Pulse Width Modulation)制御などを用いて制御することができる。
【0097】
第1のロッド115c-1および第2のロッド115c-2には、それぞれ、第1の線材120-1および第2の線材120-2が接続されている。そのため、第1のロッド115c-1の移動に合わせて、第1の線材120-1をZ軸方向に動かすことができる。すなわち、第1のロッド115c-1の揺動に合わせて、第1の線材120-1が揺動される(図9(B)参照。)。なお、第2の線材120-2の揺動も同様である。
【0098】
第1の線材120-1および第2の線材120-2の揺動は、それぞれ、第1のロッド115c-1および第2のロッド115c-2の駆動によって制御される。そのため、第1の線材120-1の揺動および第2の線材120-2の揺動は独立して制御することができる。例えば、第1の線材120-1の揺動と第2の線材120-2の揺動とは、揺動の振幅、反転周波数、または位相を変えることができる。したがって、植物910は、独立制御された第1の線材120-1および第2の線材120-2の揺動に合わせた複雑な揺れが可能である。
【0099】
以上、説明したように、変形例3に係る駆動部110cにおいても、揺動装置100が線材120を揺動することにより、植物910を揺らすことができる。
【0100】
<変形例4>
図10を参照して、植物揺動システム10の揺動装置100の第2の保護カバー140-2の変形例である第2の保護カバー140d-2の構成について説明する。なお、以下では、第2の保護カバー140d-2が、上述した第2の保護カバー140-2と同様の構成を含む場合は、その構成の説明を省略する場合がある。また、第2の保護カバー140d-2の構成は、第1の保護カバー140-1にも適用することができる。
【0101】
図10は、本発明の一実施形態に係る植物揺動システム10の揺動装置100の第2の保護カバー140d-2の構成を示す模式図である。具体的には、図10(A)および図10(B)は、それぞれ、第2の保護カバー140d-2の斜視図および断面図であり、図10(C)および図10(D)は、それぞれ、第2の保護カバー140d-2の使用状態を示す斜視図および断面図である。
【0102】
第2の保護カバー140d-2は、第1の筒体141d、第2の筒体142d、および第3の筒体143dを含む。第1の筒体141d、第2の筒体142d、および第3の筒体143dは、互いに内径および外径が異なる。すなわち、第2の保護カバー140d-2は、大きさの異なる複数の筒体が重なり組み合わされて構成されている。図10には、3個の筒体が示されているが、筒体の数は3個に限られない。筒体の数は、少なくとも2個以上であればよい。
【0103】
第1の筒体141dは、第2の筒体142dの内側に設けられている。第2の筒体142dは、第3の筒体143dの内側に設けられている。したがって、第2の筒体142dから第1の筒体141dを引き出すことにより、または第3の筒体143dから第2の筒体142dを引き出すことにより、第2の保護カバー140d-2を伸長することができる。逆に、第2の筒体142dに第1の筒体141dを引き込むことにより、または第3の筒体143dに第2の筒体142dを引き込むことにより、第2の保護カバー140d-2を縮小することができる。したがって、第2の保護カバー140d-2を伸縮することにより、第2の保護カバー140d-2の長さを調整することができる。
【0104】
なお、詳細は図示しないが、第2の保護カバー140d-2が伸長されるとき、第1の筒体141dの端部と第2の筒体142dの端部とが係合され、第1の筒体141dと第2の筒体142dとが外れないようになっていることが好ましい。第2の筒体142dの端部と第3の筒体143dの端部も同様である。
【0105】
以上、説明したように、変形例4に係る第2の保護カバー140d-2は、線材120の長さに合わせて伸縮させることができ、線材120を保護することができる。
【0106】
<変形例5>
図11を参照して、植物揺動システム10の揺動装置100の第2の保護カバー140-2の変形例である第2の保護カバー140e-2の構成について説明する。なお、以下では、第2の保護カバー140e-2が、上述した第2の保護カバー140-2または第2の保護カバー140d-2と同様の構成を含む場合は、その構成の説明を省略する場合がある。また、第2の保護カバー140e-2の構成は、第1の保護カバー140-1にも適用することができる。
【0107】
図11は、本発明の一実施形態に係る植物揺動システム10の揺動装置100の第2の保護カバー140e-2の構成を示す模式図である。具体的には、図11(A)および図11(B)は、それぞれ、第2の保護カバー140e-2の斜視図および断面図であり、図11(C)および図11(D)は、それぞれ、第2の保護カバー140e-2の使用状態を示す斜視図および断面図である。
【0108】
第2の保護カバー140e-2の一部または全部は、筒体が、山折りと谷折りとが繰り返された、いわゆる蛇腹構造を有する。第2の保護カバー140e-2は、第2の保護カバー140e-2の端部を引っ張ると伸長し、第2の保護カバー140e-2の端部を押し込むと縮小することができる。また、第2の保護カバー140e-2を柔軟性の有する部材とすることで、第2の保護カバーは140e-2は、筒体としての構造を維持しながら、自在に湾曲および伸縮することも可能である。
【0109】
以上、説明したように、変形例5に係る第2の保護カバー140e-2も、線材120の長さに合わせて伸縮させることができ、線材120を保護することができる。
【0110】
<変形例6>
図12および図13を参照して、植物揺動システム10の揺動装置100の係止片150の変形例である係止片150fの構成について説明する。なお、以下では、係止片150fが、上述した係止片150と同様の構成を含む場合は、その構成の説明を省略する場合がある。
【0111】
図12は、本発明の一実施形態に係る植物揺動システム10の揺動装置100の係止片150fの構成を示す模式図である。係止片150fは、第1の線材121fおよび第2の線材122fに着脱可能に取り付けられることができるものである。ここでは、係止片150fの形状が円錐台の形状を有する場合について説明する。円錐台には、上底および下底を貫通する挿通孔151fが設けられている。図12(A)に示すように、第1の線材121fの第1の端部123fおよび第2の線材122fの第2の端部124fの各々の外周には、ネジ部が形成されている。また、係止片150fの挿通孔151fの内周にも、ネジ部が形成されている。そのため、図12(B)に示すように、第1の端部123fおよび第2の端部124fの各々のネジ部が挿通孔151fのネジ部と螺合することによって、第1の線材121fと第2の線材122fとが連結されて1本の線材120fになるとともに、係止片150fが線材120fに固定される。すなわち、係止片150fは、線材120fの移動に対するストッパーとして機能することができるだけなく、第1の線材120f-1と第2の線材120f-2とを連結する連結具としても機能することができる。
【0112】
図13は、本発明の一実施形態に係る植物揺動システム10の揺動装置100の駆動部110と、線材120fに設けられた係止片150fとの係止を説明する模式図である。具体的には、図13(A)および図13(B)は、それぞれ、係止片150fが凸部117によって係止される前の状態の斜視図および断面図である。また、図13(C)および図13(D)は、それぞれ、係止片150fが凸部117に係止された状態の斜視図および断面図である。
【0113】
係止片150fの下底の直径は、第1の保護カバー140-1の内径よりも小さい。そのため、係止片150fは、第1の保護カバー140-1内において、線材120fの揺動ともに移動することができる。このとき、第1の保護カバー140-1は、係止片150の移動のガイドとして機能することができる。また、係止片150の上底の直径は、貫通孔118の直径よりも大きい。そのため、係止片150fは、貫通孔118を通り抜けることができず、貫通孔118の開口端で係止される。なお、係止片150fの一部が貫通孔118内に入り込んでいてもよい。
【0114】
第1の保護カバー140-1内で係止片150fが係止されることにより、線材120fの駆動部110の方向への移動が停止される。すなわち、係止片150fは、線材120fの移動を制限するストッパーとして機能することができる。また、第2の保護カバー140-2の外径が、第1の保護カバー140-1よりも小さい場合には、第2の保護カバー140-2は、第1の保護カバー140-1内に挿入される場合がある。この場合、係止片150fの下底の直径が、第2の保護カバー140-2の内径よりも大きいと、第1の保護カバー140-1内に挿入された第2の保護カバー140-2は、係止片150fの下底で停止される。すなわち、係止片150fは、第2の保護カバー140-2のストッパーとしても機能することができる。
【0115】
係止片150は、貫通孔118の開口端で係止されるのではなく、第1の保護カバー140-1の他端で係止されてもよい。この場合、係止片150の上底の直径は第1の保護カバー140-1の内径よりも小さく、係止片150の下底の直径は第1の保護カバー140-1の内径よりも大きいことが好ましい。また、係止片150が第2の保護カバー140-2によって覆われるように、第2の保護カバー140-2の内径は係止片150の下底の直径よりも大きいことが好ましい。
【0116】
図12および図13では、係止片150fは、円錐台の上底が駆動部110の方向となるように、線材120に固定されているが、円錐台の向きが逆であっても線材120fのストッパーとして機能することができる。
【0117】
なお、係止片150fの形状は、円錐台に限られない。係止片150fの形状は、円柱、楕円柱、多角柱、板状、または球であってもよい。これらの形状であっても、係止片150fは、貫通孔118を貫通することなく、貫通孔118の開口端または第1の保護カバー140-1の他端で係止される。
【0118】
変形例6に係る係止片150fによれば、駆動部110に接続された第1の線材121fに第2の線材122fを連結することができるため、線材120fの長さは、駆動部110に接続された第1の線材121fの長さに関係なく、第2の線材122fを用いて調整することができる。そのため、第1の線材121fの最大の長さ(最大揺動幅およびオフセット幅)を決定しておき、取付具130を取り付ける植物910の枝、幹、または葉などまでの長さは、第2の線材122fを用いて調整することができる。
【0119】
<第2実施形態>
図14を参照して、本発明の一実施形態に係る植物揺動システム10Aおよび植物揺動システム10Aに含まれる第1の揺動装置100A-1~第3の揺動装置100A-3の構成について説明する。なお、以下では、植物揺動システム10Aが、上述した植物揺動システム10と同様の構成を含む場合は、その構成の説明を省略する場合がある。また、第1の揺動装置100A-1~第3の揺動装置100A-3が、上述した揺動装置100と同様の構成を含む場合は、その構成の説明を省略する場合がある。
【0120】
図14は、本発明の一実施形態に係る植物揺動システム10Aの斜視図である。
【0121】
植物揺動システム10Aは、第1の揺動装置100A-1、第2の揺動装置100A-2、第3の揺動装置100A-3、センサ部200A、および制御部300を含む。第1の揺動装置100A-1、第2の揺動装置100A-2、第3の揺動装置100A-3、およびセンサ部200Aは、制御部300Aと接続されている。換言すると、第1の揺動装置100A-1、第2の揺動装置100A-2、および第3の揺動装置100A-3は、制御部300を介して、センサ部200と接続されている。
【0122】
第1の揺動装置100A-1の第1の駆動部110A-1は、天井に設置されている。第2の揺動装置100A-2の第2の駆動部110A-2は、壁に設置されている。第3の揺動装置100A-3の第3の駆動部110A-3は、プランタ900Aの内側の土の中、またはプランタ900Aの外側の床の中もしくは土の中に設置されている。すなわち、植物揺動システム10Aでは、複数の揺動装置(より具体的には駆動部)を異なる位置に配置することで、植物910を、さまざまな方向から揺動することができる。これにより、植物910を複雑に揺動することができるため、植物揺動システム10Aは、自然により近い植物910の枝または葉の揺れを再現することができる。
【0123】
図14では、植物揺動システム10Aは、プランタ900に植栽された植物910に設置されている構成を示したが、植物揺動システム10Aは、屋外の花壇などに植栽された植物910に対しても適用することができる。例えば、第3の揺動装置100A-3の第3の駆動部110A-3を花壇の土の中に設置することにより、花壇に植栽された植物910を揺動することができる。
【0124】
以上、説明したように、本実施形態に係る植物揺動システム10Aは、複数の揺動装置を配置して、植物910を複雑に揺動することができる。例えば、室内などの密閉された空間内で植物揺動システム10Aを利用すれば、空間内に動的な変化を与えることができる。そのため、空間内の作業者は、植物910の揺れによって、あたかも自然の中にいるような開放感を感じることができる。また、植物910の揺れによる枝または葉の擦れる音がリラックス効果の持続性に寄与するため、作業者のストレスが軽減され、作業者の作業効率が向上する。
【0125】
さらに、第3の揺動装置100A-3の第3の駆動部110A-3は、土の中に埋めて使用することができるため、植物揺動システム10Aは、屋内だけでなく、屋外の植物910に対しても利用することができる。
【0126】
<第3実施形態>
図15および図16を参照して、本発明の一実施形態に係る植物揺動システム10Bについて説明する。なお、以下では、植物揺動システム10Bが、上述した植物揺動システム10または植物揺動システム10Aと同様の構成を含む場合は、その構成の説明を省略する場合がある。
【0127】
図15は、本発明の一実施形態に係る植物揺動システム10Bの斜視図である。
【0128】
図15に示す植物揺動システム10Bは、揺動装置100B、センサ部200B、制御部300B、および連結部400Bを含む。揺動装置100Bは、プランタ900に植栽された植物910に接続され、植物910を揺らすことができる。また、植物揺動システム10Bは、植物910の枝、幹、または葉のいずれか2つを接続する連結部400Bを含む。連結部400Bは、線材420B、第1の取付具430B-1、第2の取付具430B-2、および保護カバー440Bを含む。第1の取付具430B-1および第2の取付具430B-2は、線材420Bの両端に設けられている。また、線材420Bは、保護カバー440Bによって覆われている。保護カバー440Bは必ずしも必要ではないが、線材420Bが人の手が届く範囲に設置される場合には、安全上の観点から、保護カバー440Bが設置されていることが好ましい。
【0129】
第1の取付具430B-1および第2の取付具430B-2には、揺動装置の駆動部が含まれてもよい。当該駆動部は、揺動装置100Bと連動して動作することができる。当該駆動部は、揺動装置100Bから無線を介して与えられた信号を用いて枝と枝とを揺動させることができる。
【0130】
第1の取付具430B-1および第2の取付具430B-2は、それぞれ、植物910の枝、幹、または葉などに取り付けられている。連結部400Bは、第1の取付具430B-1および第2の取付具430B-2の一方の揺れを他方に伝達することができる。そのため、連結部400Bは、揺動装置100Bによる揺動を植物910全体に拡散することができる。したがって、植物揺動システム10Bは、植物910の揺れを、より複雑で自然なものとすることができる。
【0131】
連結部400Bは、1つに限られず、1本の植物910に複数設けられていてもよい。
【0132】
図16は、本発明の一実施形態に係る植物揺動システム10Bの斜視図である。植物揺動システム10Bは、1本の植物910に限られず、複数本の植物910に対しても適用することができる。
【0133】
図16に示す植物揺動システム10Bは、第1の揺動装置100B-1、第2の揺動装置100B-2、第1のセンサ部200B-1、第2のセンサ部200B-2、第1の制御部300B-1、第2の制御部300B-2、および連結部400Bを含む。第1の揺動装置100B-1は、第1のプランタ900-1に植栽された第1の植物910-1に接続され、第2の揺動装置100B-2は、第2のプランタ900-2に植栽された第2の植物910-2に接続されている。そのため、第1の揺動装置100B-1および第2の揺動装置100B-2が、それぞれ、第1の植物910-1および第2の植物910-2を揺らすことができる。
【0134】
さらに、植物揺動システム10Bでは、第1の植物910-1と第2の植物910-2とが、連結部400Bによって接続されている。すなわち、第1の取付具430B-1は、第1の植物910-1の枝、幹、または葉などに取り付けられ、第2の取付具430B-2は、第2の植物910-2の枝、幹、または葉などに取り付けられている。連結部400Bは、第1の植物910-1および第2の植物910-2の一方の揺れを、他方に伝達することができる。すなわち、第1の植物910-1が揺れると、連結部400Bを介して、第2の植物910-2を揺らすことができる。
【0135】
第1の植物910-1と第2の植物910-2とを接続する連結部400Bは、1つに限られず、複数設けられていてもよい。さらに、複数の連結部400Bを用いて、複数の植物910を接続することもできる。
【0136】
また、第2の揺動装置100B-2は、第2の植物910-2に接続されていなくてもよい。植物揺動システム10Bでは、連結部400Bが設けられているため、第1の揺動装置100B-1が第1の植物910-1を揺らし、その揺れが連結部400Bを介して第2の植物910-2に伝達される。そのため、植物揺動システム10Bでは、第2の揺動装置100B-2を設けなくても、第1の揺動装置100B-1が第2の植物910-2を揺らすことができる。
【0137】
以上、説明したように、本実施形態に係る植物揺動システム10Bは、1本または複数本の植物910を連結部400Bで接続することにより、連結部400Bを介して植物910を揺らすことができ、複雑な揺れを演出することができる。例えば、室内などの密閉された空間内で植物揺動システム10Bを利用すれば、空間内に動的な変化を与えることができる。そのため、空間内の作業者は、植物910の揺れによって、あたかも自然の中にいるような開放感を感じることができる。また、植物910の揺れによる枝または葉の擦れる音がリラックス効果の持続性に寄与するため、作業者のストレスが軽減され、作業者の作業効率が向上する。
【0138】
<第4実施形態>
図17および図18を参照して、本発明の一実施形態に係る植物揺動システム10Cについて説明する。なお、以下では、植物揺動システム10Cが、上述した植物揺動システム10、植物揺動システム10A、または植物揺動システム10Bと同様の構成を含む場合は、その構成の説明を省略する場合がある。
【0139】
図17は、本発明の一実施形態に係る植物揺動システム10Cの斜視図である。また、図18は、本発明の一実施形態に係る植物揺動システム10Cのシステム制御装置800Cの構成を示すブロック図である。
【0140】
植物揺動システム10Cは、揺動装置100Cおよびシステム制御装置800Cを含む。揺動装置100Cの駆動部110Cは床面に設置され、線材120Cは、取付具130Cを介して、プランタ900に植栽された植物910の枝、幹、または葉に接続されている。また、システム制御装置800Cは、プランタ900の上方に設置されている。システム制御装置800Cは、センサ部200C、制御部300C、電源部810C、スピーカー820C、通信部830C、および照明部840Cを含み、これらがシステム制御装置800Cの筐体内に内蔵されている。また、センサ部200C、電源部810C、スピーカー820C、通信部830Cおよび照明部840Cは、制御部300Cと接続されている。
【0141】
なお、システム制御装置800Cの設置位置は、プランタ900の上方に限られない。システム制御装置800Cは、プランタ900に隣接して設置されていてもよく、プランタ900から離れて設置されていてもよい。また、システム制御装置800Cに内蔵された構成の一部は、システム制御装置800Cの外部、すなわち、プランタ900から離れて設置されていてもよい。例えば、センサ部200C、スピーカー820C、または照明部840Cは、プランタ900から離れて設置することができる。逆に、駆動部110Cがシステム制御装置800Cに内蔵されていてもよい。駆動部110Cが内蔵されたシステム制御装置800Cも、プランタ900の上方だけでなく、床上またはプランタ900から離れて設置することができる。
【0142】
電源部810Cは、電力を生成し、揺動装置100C、センサ部200C、またはスピーカー820Cの電力を供給することができる。電源部810Cは、例えば、太陽電池、バッテリ、揺動発電機、または微生物燃料電池などであるが、これに限られない。例えば、電源部810Cは、揺動装置100Cの揺動による運動エネルギーを回生エネルギーに変換して蓄積した電源装置であってもよい。なお、植物揺動システム10Cでは、別途電源が設置されていてもよく、電源部810Cが、揺動装置100C、センサ部200C、またはスピーカー820Cの電力の少なくとも一部を供給することができればよい。
【0143】
スピーカー820Cは、揺動装置100Cの揺動開始時または揺動時だけに限定されず、川の流れる音、風の音、葉音、虫の音などの自然環境で発生する音もしくはそれらを再現した音、音楽、音声、またはこれらを組み合わせた音源を出力することができる。例えば、揺動開始時または揺動時に、これらの音が出力されることによって、揺動装置100Cの揺動開始を知らせることができるとともに、季節ごとに異なる臨場感を付与することができる。
【0144】
照明部840Cは、揺動装置100Cの揺動開始時または揺動時だけに限定されず、植物910または室内を照らすことができる。例えば、揺動開始時または揺動時に、植物910または室内を照らすことによって、揺動装置100Cの揺動開始を知らせることができるとともに、照明を利用した幻想的な風景を演出することができる。
【0145】
なお、スピーカー820Cおよび照明部840Cは、揺動装置100Cの揺動開始前の予備動作として利用することもできる。例えば、センサ部200Cが人の所在に関する情報を検出した場合、揺動装置100Cの揺動開始前の予備動作として、音または光を発することができる。
【0146】
電源部810C、スピーカー820C、および照明部840Cは、制御部300Cによって制御されてもよい。すなわち、制御部300Cは、電源部810Cの電力の生成もしくは供給を制御し、スピーカー820Cの音の出力のオンもしくはオフを制御し、または照明部840Cの照明のオンもしくはオフを制御してもよい。
【0147】
通信部830Cは、スマートフォンなどの情報通信端末と通信接続することができる。例えば、通信部830Cは、情報通信端末と通信接続し、情報通信端末のユーザーを判定し、登録されたユーザーであるときに、揺動装置100Cの電源をオンにすることができる。また、通信部830Cは、情報通信端末からの要求信号を受信してもよい。要求信号に基づき、植物揺動システム10Cを制御してもよい。
【0148】
以上、説明したように、本実施形態に係る植物揺動システム10Cは、揺動装置100Cの線材120Cを揺動することにより、取付具130Cを介して線材120Cと接続された植物910を揺動することができる。例えば、室内などの密閉された空間内で植物揺動システム10Cを利用すれば、空間内に動的な変化を与えることができる。そのため、空間内の作業者は、植物910の揺れによって、あたかも自然の中にいるような開放感を感じることができる。また、植物910の揺れによる枝または葉の擦れる音がリラックス効果の持続性に寄与するため、作業者のストレスが軽減され、作業者の作業効率が向上する。
【0149】
さらに、植物揺動システム10Cでは、システム制御装置800Cの中に電源部810Cまたはスピーカー820Cが設けられているため、電力を生成し、または空間内の臨場感を高めることができる。
【0150】
本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。また、各実施形態を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除、または設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略、もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0151】
上述した各実施形態によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0152】
10、10A、10B、10C:植物揺動システム、
100、100B:揺動装置、 100A-1、100B-1:第1の揺動装置、 100A-2、100B-2:第2の揺動装置、 100A-3:第3の揺動装置、
110、110a、110b、110c、110d、110C:駆動部、 110A-1、第1の駆動部、 110A-2:第2の駆動部、 110A-3:第3の駆動部、
111、111a:揺動体、
112、112a:回転軸、 112b-1:第1の回転軸、 112b-2:第2の回転軸、
113、113a:モータ、 113b-1:第1のモータ、 113b-2:第2のモータ、
114b-1:第1の回転体、 114b-2:第2の回転体、
115c-1:第1のロッド、 115c-2:第2のロッド、
116c-1:第1のチューブ、 116c-2:第2のチューブ、
117:凸部、 118:貫通孔、 119:溝、
120、120f、120C:線材、 120-1:第1の線材、 120-2:第2の線材、 121、121f:第1の線材、 122、122f:第2の線材、 123f:第1の端部、 124f:第2の端部、
130、130C:取付具、
140-1:第1の保護カバー、
140-2、140d-2、140e-2:第2の保護カバー、
141d:第1の筒体、 142d:第2の筒体、 143d:第3の筒体、
150、150f:係止片、 151f:挿通孔、
200、200A、200C:センサ部、 200B-1:第1のセンサ部、 200B-2:第2のセンサ部、
300、300A、300C:制御部、 300B-1:第1の制御部、 300B-2:第2の制御部、
400B:連結部、 420B:線材、 430B-1:第1の取付具、 430B-2:第2の取付具、 440B:保護カバー、
800C:システム制御装置、 810C:電源部、 820C:スピーカー、 830C:通信部、 840C:照明部、
900、900A:プランタ、 900-1:第1のプランタ、 900-2:第2のプランタ、 910:植物、 910-1:第1の植物、 910-2:第2の植物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18