(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-20
(45)【発行日】2024-11-28
(54)【発明の名称】流体浄化装置
(51)【国際特許分類】
A61L 9/20 20060101AFI20241121BHJP
C02F 1/32 20230101ALI20241121BHJP
C02F 1/72 20230101ALI20241121BHJP
A61L 9/00 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
A61L9/20
C02F1/32
C02F1/72 101
A61L9/00 C
(21)【出願番号】P 2021044091
(22)【出願日】2021-03-17
【審査請求日】2023-10-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000226242
【氏名又は名称】日機装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】鳥井 信宏
【審査官】壷内 信吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-187799(JP,A)
【文献】特開2002-273420(JP,A)
【文献】特開2016-203095(JP,A)
【文献】特開2011-104490(JP,A)
【文献】特開2013-230344(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2006-0106948(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 9/00-9/22
C02F 1/20-1/26,1/30-1/38
C02F 1/70-1/78
B01D 53/73,53/86-53/90,53/94,53/96
B01J 21/00-38/74
B01J 10/00-12/02,14/00-19/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に延びる流路を区画する筐体と、
前記流路内に前記軸方向に間隔をあけて配置される複数の回転体と、
前記流路内に向けて前記軸方向に紫外光を照射する光源と、を備え
、
前記複数の回転体のそれぞれは、各回転体の回転軸が前記軸方向となるように設けられ、前記回転軸から径方向に延びる複数の羽根を有し、前記複数の羽根に光触媒が含まれ、各回転体に含まれる前記複数の羽根の枚数が互いに異なる、流体浄化装置。
【請求項2】
軸方向に延びる流路を区画する筐体と、
前記流路内に前記軸方向に間隔をあけて配置される複数の回転体と、
前記流路内に向けて前記軸方向に紫外光を照射する光源と、を備え、
前記複数の回転体のそれぞれは、各回転体の回転軸が前記軸方向となるように設けられ、前記回転軸から径方向に延びる複数の羽根を有し、前記複数の羽根に光触媒が含まれ、各回転体の回転速度および回転方向の少なくとも一方が互いに異なる、流体浄化装置。
【請求項3】
前記光源は、前記紫外光を照射するLEDと、前記LEDの裏側に設けられるヒートシンクとを含み、前記ヒートシンクが前記LEDよりも前記流路の上流側に配置される、請求項1
または2に記載の流体浄化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流体に紫外光を照射して流体を浄化する装置が知られている。また、光触媒を利用して流体を浄化する装置が知られている。例えば、光触媒を有する回転体を設け、回転体の外側に回転軸と平行に紫外線ランプを配置する構成や、回転体の中心軸に紫外線ランプを配置する構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
回転体の外側に紫外線ランプを配置する場合、回転体の全体に均一に紫外線を照射するためには紫外線ランプの本数を増やす必要があり、コストの増加や装置の大型化につながる。回転体の中心軸に紫外線ランプを配置する場合、流体の流れを利用して回転体を回転させるため、流体の流れを生成するために別途ポンプなどが必要となり、コストの増加や装置の大型化につながる。
【0005】
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で流体浄化装置の処理能力を向上させる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様の流体浄化装置は、軸方向に延びる流路を区画する筐体と、回転体の回転軸が軸方向となるように流路内に設けられ、回転軸から径方向に延びる複数の羽根を有し、複数の羽根に光触媒が含まれる回転体と、流路内に向けて軸方向に紫外光を照射する光源と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、簡易な構成で流体浄化装置の処理能力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態に係る流体浄化装置の構成を概略的に示す図である。
【
図2】
図1の流体浄化装置の構成を概略的に示す斜視図である。
【
図3】紫外光が照射される羽根によって流体が浄化される様子を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、説明の理解を助けるため、各図面における各構成要素の寸法比は、必ずしも実際の発光素子の寸法比と一致しない。
【0010】
図1は、実施の形態に係る流体浄化装置10の構成を概略的に示す図である。流体浄化装置10は、筐体12と、複数の回転体14a,14b,14c,14dと、光源16とを備える。
【0011】
流体浄化装置10は、筐体12の内部を流れる流体に光源16から紫外光18を照射して流体を浄化する。複数の回転体14a~14dのそれぞれの羽根20a,20b,20c,20dには光触媒が含まれており、光触媒に紫外光18を照射することで、光触媒を活性化して流体を浄化する。流体浄化装置10の処理対象となる流体は、例えば、大気などの気体である。流体浄化装置10の処理対象となる流体は、水などの液体であってもよい。
【0012】
筐体12は、処理対象となる流体が流れる流路22を区画する。筐体12は、第1端部24および第2端部26を有し、第1端部24から第2端部26に向けて軸方向に延びる。筐体12は、筒状に形成され、例えば円筒形状を有する。筐体12は、アルミニウムやステンレスなどの金属材料、または、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素樹脂材料から構成される。筐体12は、流路22に露出する内面28を有する。筐体12の内面28は、アルミニウムやPTFEなどの紫外光反射率が高い材料で構成されてもよい。筐体12の内面28は、光触媒を含んでもよい。
【0013】
複数の回転体14a~14dは、流路22内に設けられる。複数の回転体14a~14dは、共通する回転軸30を有する。回転軸30は、流路22の中央付近において軸方向に延びる。複数の回転体14a~14dは、軸方向に間隔をあけて配置される。図示する例では、四つの回転体14a~14dが設けられており、第1回転体14a、第2回転体14b、第3回転体14cおよび第4回転体14dが上流側から下流側に順に並んでいる。なお、回転体14a~14dの数は4つに限られず、3以下であってもよいし、5以上であってもよい。
【0014】
複数の回転体14a~14dのそれぞれは、複数の羽根20a~20dを有する。複数の回転体14a~14dは、回転軸30を回転させるモータなどの駆動機構32によって回転し、流路22内に流体の流れFを生成する。複数の回転体14a~14dの回転方向は共通であり、例えば、矢印Rで示されるように、光源16から見たときに時計回りとなる方向である。複数の回転体14a~14dの回転によって生成される流体の流れFは、筐体12の第1端部24から第2端部26に向かう。したがって、第1端部24が流体の流れFの上流側であり、第2端部26が流体の流れFの下流側である。
【0015】
光源16は、複数の回転体14a~14dよりも上流側に設けられる。光源16は、例えば、筐体12の第1端部24に設けられる固定部材34に取り付けられる。固定部材34は、筐体12の内面28から径方向内側に延びる。固定部材34には、流体を通過させるための貫通孔36が設けられる。光源16は、流路22内に向けて紫外光18を軸方向に照射する。光源16は、流路22を流れる流体に紫外光18を照射するとともに、複数の回転体14a~14dのそれぞれが有する複数の羽根20a~20dに向けて紫外光18を照射する。
【0016】
光源16は、複数のLED38と、基板40と、ヒートシンク42とを含む。複数のLED38は、紫外光18を出力するよう構成される。複数のLED38は、基板40の実装面上にアレイ状に並べられ、軸方向に紫外光18を照射するように配置される。複数のLED38、例えば円形の基板40の実装面上に等間隔となるように二次元アレイ状に配置される。光源16は、複数のLED38のそれぞれから出力される紫外光18の照射方向を軸方向に平行化するためのリフレクタまたはレンズをさらに備えてもよい。
【0017】
複数のLED38は、例えば、殺菌効率の高い波長である260nm~290nm付近の紫外光を発するよう構成される。複数のLED38は、複数の回転体14a~14dの羽根20a~20dに設けられる光触媒を活性化する効率の高い波長を有する紫外光を発するよう構成されてもよい。複数のLED38は、例えば、酸化チタンの活性化効率の高い280nm~380nm程度の紫外光を発するよう構成されてもよい。複数のLED38は、殺菌効率の高い260nm~290nm程度の第1紫外光を発する第1LEDと、光触媒の活性化効率の高い300nm~380nm程度の第2紫外光を発する第2LEDとを含んでもよい。例えば、第1LEDと第2LEDが基板40の実装面上に交互に配置されてもよい。
【0018】
ヒートシンク42は、複数のLED38の裏側に設けられ、基板40の裏面に設けられる。ヒートシンク42は、複数のLED38よりも流路22の上流側に設けられる。ヒートシンク42は、光源16を固定する固定部材34よりも上流側に設けられる。ヒートシンク42は、例えば、貫通孔36を通過して流路22に流入する流体の流れFによって冷却される。
【0019】
図2は、
図1の流体浄化装置10の構成を概略的に示す斜視図である。
図2では、筐体12の内部構成を見やすくするため、筐体12および固定部材34を軸方向に半分に切断し、筐体12および固定部材34の右半分を省略している。
【0020】
複数のLED38は、基板40の実装面上において等間隔に二次元アレイ状に配置されている。複数のLED38は、基板40の中央付近の回転軸30と対向する箇所には設けられておらず、複数の回転体14a~14dの羽根20a~20dと対向する箇所に設けられている。これにより、流体が通過する羽根20a~20dが回転する領域に向けて紫外光18を効率的に照射できる。なお、複数のLED38は、基板40の中央付近に追加的に設けられてもよい。
【0021】
複数の回転体14a~14dは、それぞれが有する羽根20a~20dの枚数が異なるように構成される。具体的には、光源16に近い上流側の第1回転体14aが有する羽根20aの枚数が少なく、光源16から遠い下流側の第4回転体14dが有する羽根20dの枚数が多い。上流側に位置する第1回転体14aの羽根20aの枚数を少なくすることで、下流側に位置する回転体14b~14dの羽根20b~20dにより多くの紫外光18を照射できる。
【0022】
第1回転体14aは、流路22の最上流に設けられ、光源16に最も近い位置に設けられる。第1回転体14aは、回転軸30から径方向外側に延びる複数の第1羽根20aを有する。複数の第1羽根20aは、回転軸30の周りに周方向に間隔をあけて設けられる。図示する例において、第1回転体14aは、4枚の第1羽根20aを有する。
【0023】
第2回転体14bは、第1回転体14aと第3回転体14cの間に設けられる。第2回転体14bは、第1回転体14aよりも下流側であって、第3回転体14cよりも上流側に設けられる。第2回転体14bは、回転軸30から径方向外側に延びる複数の第2羽根20bを有する。複数の第2羽根20bは、回転軸30の周りに周方向に間隔をあけて設けられる。第2回転体14bが有する第2羽根20bの枚数は、第1回転体14aが有する第1羽根20aの枚数よりも多い。図示する例において、第2回転体14bは、5枚の第2羽根20bを有する。
【0024】
第3回転体14cは、第2回転体14bと第4回転体14dの間に設けられる。第3回転体14cは、第2回転体14bよりも下流側であって、第4回転体14dよりも上流側に設けられる。第3回転体14cは、回転軸30から径方向外側に延びる複数の第3羽根20cを有する。複数の第3羽根20cは、回転軸30の周りに周方向に間隔をあけて設けられる。第3回転体14cが有する第3羽根20cの枚数は、第2回転体14bが有する第2羽根20bの枚数よりも多い。図示する例において、第3回転体14cは、6枚の第3羽根20cを有する。
【0025】
第4回転体14dは、流路22の最下流に設けられ、光源16に最も遠い位置に設けられる。第4回転体14dは、回転軸30から径方向外側に延びる複数の第4羽根20dを有する。複数の第4羽根20dは、回転軸30の周りに周方向に間隔をあけて設けられる。第4回転体14dが有する第4羽根20dの枚数は、第3回転体14cが有する第3羽根20cの枚数よりも多い。図示する例において、第4回転体14dは、7枚の第4羽根20dを有する。
【0026】
つづいて、流体浄化装置10の動作について説明する。駆動機構32を動作させて複数の回転体14a~14dを回転させる。複数の回転体14a~14dは、流体の流れFを生じさせるファンとして動作し、第1端部24から第2端部26に向かう流体の流れFを生成する。駆動機構32の動作中に光源16を点灯させ、光源16から流路22内に向けて軸方向に紫外光18を照射する。紫外光18は、複数の回転体14a~14dのそれぞれの羽根20a~20dに照射される。羽根20a~20dに含まれる光触媒は、紫外光18によって活性化する。活性化した光触媒は、流体に含まれる有機物分子などを分解し、流体から有機物を除去する。紫外光18は、流体に含まれる微生物などを殺菌する。これにより、流体浄化装置10を通過する流体が浄化される。
【0027】
図3は、紫外光18が照射される羽根20aによって流体が浄化される様子を模式的に示す図である。
図3は、矢印Rで示される方向に回転する第1回転体14aを示す。第1回転体14aが有する第1羽根20aの表面には光触媒が含まれており、光源16からの紫外光18によって活性化された状態となっている。第1回転体14aが回転すると、回転する第1羽根20aによって流体が引き込まれ、第1羽根20aの表面に沿った流体の流れFが生成される。その結果、羽根20aの表面にて活性化した光触媒と流体が接触する時間を長くすることができ、光触媒による浄化効果を高めることができる。
【0028】
本実施の形態によれば、流体が流れる軸方向に紫外光18を照射することで、紫外光18が流体に作用する時間を長くすることができる。これにより、軸方向に沿って複数のLEDを配置する場合よりも少ない数のLEDで、流体に効率的に紫外光を照射できる。
【0029】
本実施の形態によれば、光触媒が含まれる羽根20a~20dに紫外光18を照射することで、光触媒作用を利用して流体を浄化できる。その結果、光触媒を利用せずに紫外光18を照射するだけの構成に比べて流体を効率的に浄化できる。また、軸方向に間隔をあけて複数の回転体14a~14dを配置することで、光触媒による浄化性能を高めることができる。
【0030】
本実施の形態によれば、上流側の回転体14aが有する羽根20aの枚数を少なくすることで、下流側の回転体14b~14dが有する羽根20b~20dに紫外光18が届きやすくなる。また、上流側に比べて下流側の回転体14b~14dが有する羽根の枚数を多くすることで、下流側の回転体14b~14dに届く紫外光18を受ける羽根20b~20dの面積を増やすことができ、光触媒による浄化性能を高めることができる。
【0031】
以上、本発明を実施例に基づいて説明した。本発明は上述の実施の形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、また、そうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。
【0032】
上述の実施の形態では、複数の回転体14a~14dの回転方向を共通とした。別の実施の形態では、複数の回転体14a~14dの回転方向を異ならせてもよい。複数の回転体14a~14dは、光源16から見て時計回りに回転する右回り回転体と、光源16から見て反時計回りに回転する左回り回転体とを含んでもよい。例えば、第1回転体14aおよび第3回転体14cが右回りであり、第2回転体14bおよび第4回転体が左回りであってもよい。回転軸30が右回りである場合、左回り回転体と回転軸30の間には、回転軸30の回転方向と左回り回転体の回転方向を逆向きにするための歯車等の反転機構が設けられてもよい。複数の回転体14a~14dの回転方向を異ならせることで、各回転体14a~14dの羽根20a~20dが軸方向に重なり続けることを防ぐことができる。その結果、下流側の回転体14b~14dが有する羽根20b~20dに紫外光18が届きやすくなる。
【0033】
上述の実施の形態では、複数の回転体14a~14dの回転速度を共通とした。別の実施の形態では、複数の回転体14a~14dの回転速度を互いに異ならせてもよい。例えば、上流側から下流側に向けて回転体14a~14dの回転速度を徐々に減少させるようにしてもよい。例えば、第1回転体14aの回転速度を1とした場合、第2回転体14bの回転速度を0.9とし、第3回転体14cの回転速度を0.8とし、第4回転体14dの回転速度を0.7としてもよい。逆に、上流側から下流側に向けて回転体14a~14dの回転速度を徐々に増加させるようにしてもよい。例えば、第1回転体14aの回転速度を1とした場合、第2回転体14bの回転速度を1.1とし、第3回転体14cの回転速度を1.2とし、第4回転体14dの回転速度を1.3としてもよい。各回転体14a~14dを回転軸30の間には、回転速度を調整するための歯車等の変速機構が設けられてもよい。複数の回転体14a~14dの回転速度をずらすことで、各回転体14a~14dの羽根20a~20dが軸方向に重なり続けることを防ぐことができる。その結果、下流側の回転体14b~14dが有する羽根20b~20dに紫外光18が届きやすくなる。
【0034】
なお、複数の回転体14a~14dの回転方向のみを異ならせてもよいし、複数の回転体14a~14dの回転速度のみを互いに異ならせてもよいし、複数の回転体14a~14dの回転方向および回転速度の双方を異ならせてもよい。また、複数の回転体14a~14dの回転方向および回転速度の少なくとも一方を異ならせる場合、複数の回転体14a~14dのそれぞれが有する羽根20a~20dの枚数は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0035】
上述の実施の形態では、複数の回転体14a~14dを用いる場合について示した。別の実施の形態では、流体浄化装置10が一つの回転体14aのみを備えてもよい。
【0036】
以下、本発明のいくつかの態様について説明する。
【0037】
本発明の第1の態様は、軸方向に延びる流路を区画する筐体と、回転体の回転軸が前記軸方向となるように前記流路内に設けられ、前記回転軸から径方向に延びる複数の羽根を有し、前記複数の羽根に光触媒が含まれる回転体と、前記流路内に向けて前記軸方向に紫外光を照射する光源と、を備える流体浄化装置である。第1の態様によれば、流路が延びる軸方向に紫外光を照射することで、流路を流れる流体に紫外光が作用する時間を長くすることができ、紫外光の照射による流体の浄化効率を高めることができる。また、回転体の羽根に光触媒を含めることで、紫外光の照射により光触媒を活性化させ、活性化された光触媒を利用して流体を浄化できる。回転体の羽根に光触媒を含めることで、流体が光触媒と作用する時間を長くすることができ、浄化能力を高めることができる。
【0038】
本発明の第2の態様は、前記軸方向に間隔をあけて配置される複数の回転体を備え、前記複数の回転体のそれぞれは、各回転体の回転軸が前記軸方向となるように前記流路内に設けられ、前記回転軸から径方向に延びる複数の羽根を有し、前記複数の羽根に光触媒が含まれる、第1の態様に記載の流体浄化装置である。第2の態様によれば、複数の回転体を軸方向に直列的に配置することで、流体が光触媒と作用する時間を長くすることができ、浄化能力を高めることができる。
【0039】
本発明の第3の態様は、前記複数の回転体のそれぞれは、各回転体に含まれる前記複数の羽根の枚数が互いに異なる、第2の態様に記載の流体浄化装置である。第2の態様によれば、複数の回転体のそれぞれが有する複数の羽根の枚数を異ならせることで、下流側の回転体の羽根に紫外光が届きやすくなる。これにより、光触媒を利用した浄化能力をより高めることができる。
【0040】
本発明の第4の態様は、前記複数の回転体のそれぞれは、各回転体の回転速度および回転方向の少なくとも一方が互いに異なる、第2または第3の態様に記載の流体浄化装置である。第3の態様によれば、複数の回転体の回転速度および回転方向の少なくとも一方を異ならせることで、複数の回転体の羽根が軸方向に重なり続けることを防止し、下流側の回転体の羽根に紫外光が届きやすくなる。これにより、光触媒を利用した浄化能力をより高めることができる。
【0041】
本発明の第5の態様は、前記光源は、前記紫外光を照射するLEDと、前記LEDの裏側に設けられるヒートシンクとを含み、前記ヒートシンクが前記LEDよりも前記流路の上流側に配置される、第1から第4のいずれか一つの態様に記載の流体浄化装置である。第5の態様によれば、ヒートシンクをLEDよりも流路の上流側に配置することで、流路内に引き込まれる流体の流れを利用してヒートシンクを効率的に冷却できる。これにより、LEDを効率的に冷却することができ、より高強度の紫外光を流路内に照射できる。その結果、浄化能力をより高めることができる。
【符号の説明】
【0042】
10…流体浄化装置、12…筐体、14a,14b,14c,14d…回転体、16…光源、18…紫外光、20a,20b,20c,20d…羽根、22…流路、30…回転軸、38…LED、42…ヒートシンク。