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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-20
(45)【発行日】2024-11-28
(54)【発明の名称】アイロン装置およびスチーマー
(51)【国際特許分類】
   D06F 75/26 20060101AFI20241121BHJP
   D06F 75/18 20060101ALI20241121BHJP
   D06F 75/08 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
D06F75/26
D06F75/18
D06F75/08
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021070703
(22)【出願日】2021-04-19
(65)【公開番号】P2022165343
(43)【公開日】2022-10-31
【審査請求日】2023-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】易 佳
(72)【発明者】
【氏名】竹中 寛
(72)【発明者】
【氏名】庭山 晃一
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0225858(US,A1)
【文献】特開2019-141699(JP,A)
【文献】特開2013-255833(JP,A)
【文献】実開昭57-179397(JP,U)
【文献】特開2021-053259(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 75/26
D06F 75/18
D06F 75/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
掛け面を有するベースと、
前記ベースを加熱するヒータと、
前記掛け面に対して前記掛け面が向く第1方向の反対の第2方向側に位置し、前記掛け面以外の前記ベースの少なくとも一部および前記ヒータを覆い、前記ベースとともに構造体を構成した外殻と、
前記構造体に設けられ、前記構造体の外部に露出した照明対象領域と、
前記外殻の内側に配置され、前記照明対象領域を照明する複数種類の色の光を選択的に出射可能な照明装置と、
前記ベースの温度に応じて異なる前記色の前記光が同一の前記照明対象領域を照明するように前記照明装置を制御する制御部と、
を備え、
前記照明対象領域は、前記構造体の前記ベースに設けられた、
アイロン装置。
【請求項2】
前記ベースは、前記掛け面の外縁部の反対側の一面を有し、
前記外殻は、前記ベースおよび前記ヒータを覆った覆部と、前記覆部に対して前記第2方向側に位置するとともに前記覆部との間に空間を形成したハンドルと、を有し、
前記照明対象領域は、前記一面に設けられた、請求項1に記載のアイロン装置。
【請求項3】
前記構造体は、前記第1方向と直交する第3方向側の一端部と、前記一端部の反対側の他端部と、前記第1方向および前記第3方向と直交する第4方向に互いに離間し前記一端部と前記他端部とに亘った二つの側部と、を有し、
前記照明対象領域は、前記一端部、前記他端部、および二つの前記側部のうち前記他端部を除く前記一端部と二つの前記側部とに設けられた、
請求項1または2に記載のアイロン装置。
【請求項4】
掛け面を有するベースと、
前記ベースを加熱するヒータと、
前記掛け面に対して前記掛け面が向く第1方向の反対の第2方向側に位置し、前記掛け面以外の前記ベースの少なくとも一部および前記ヒータを覆い、前記ベースとともに構造体を構成した外殻と、
前記構造体に設けられ、前記構造体の外部に露出した照明対象領域と、
前記外殻の内側に配置され、前記照明対象領域を照明する複数種類の色の光を選択的に出射可能な照明装置と、
前記ベースの温度に応じて異なる前記色の前記光が同一の前記照明対象領域を照明するように前記照明装置を制御する制御部と、
を備え、
前記構造体は、前記第1方向と直交する第3方向側の一端部と、前記一端部の反対側の他端部と、前記第1方向および前記第3方向と直交する第4方向に互いに離間し前記一端部と前記他端部とに亘った二つの側部と、を有し、
前記照明対象領域は、前記一端部、前記他端部、および二つの前記側部のうち前記他端部を除く前記一端部と二つの前記側部とに設けられた、
アイロン装置。
【請求項5】
前記ベースは、前記掛け面の外縁部の反対側の一面を有し、
前記外殻は、前記ベースおよび前記ヒータを覆った覆部と、前記覆部に対して前記第2方向側に位置するとともに前記覆部との間に空間を形成したハンドルと、を有し、
前記照明対象領域は、前記一面、または、前記覆部における前記掛け面と前記ハンドルとのうち前記掛け面寄りの位置、に設けられた、請求項4に記載のアイロン装置。
【請求項6】
前記温度を検出する温度センサを備え、
前記制御部は、前記温度センサが検出した前記ベースの温度に応じて異なる前記色の前記光が同一の前記照明対象領域を照明するように前記照明装置を制御する、請求項1~のうちいずれか一つに記載のアイロン装置。
【請求項7】
前記照明装置が出射した前記光を前記照明対象領域に導く導光部材を備え、
前記照明装置は、前記照明対象領域よりも前記第2方向に配置された、
請求項1~のうちいずれか一つに記載のアイロン装置。
【請求項8】
前記ベースに対する前記ヒータの加熱の開始を指示する開始操作、前記加熱の終了を指示する終了操作、および前記ヒータの温度の設定を指示する温度設定操作を受け付ける操作部を備え、
前記制御部は、前記操作部が前記開始操作を受け付けてから前記終了操作を受け付けるまでの間、前記ベースの温度に応じて異なる前記色の前記光が同一の前記照明対象領域を照明するように前記照明装置を制御する、請求項1~のうちいずれか一つに記載のアイロン装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記操作部が前記開始操作を受け付けてから前記終了操作を受け付けるまでの前記間、前記ベースの温度に応じて異なる前記色の前記光が同一の前記照明対象領域を照明するように前記照明装置を制御した後、前記操作部が前記終了操作を受け付けた場合、前記操作部が前記終了操作を受け付けてから、前記温度が前記ベースの設定可能な温度のうち最も低い温度よりも低い規定の温度以下になるまでの間、前記光が前記照明対象領域を照明するように前記照明装置を制御する、請求項に記載のアイロン装置。
【請求項10】
前記照明装置から出射された前記光が前記構造体の外側における前記掛け面の周囲を照明する、請求項1~のうちいずれか一つに記載のアイロン装置。
【請求項11】
前記照明対象領域は、光反射性の反射膜によって構成された、請求項1~10のうちいずれか一つに記載のアイロン装置。
【請求項12】
掛け面を有するベースと、
前記ベースを加熱するヒータと、
前記掛け面に対して前記掛け面が向く第1方向の反対の第2方向側に位置し、前記掛け面以外の前記ベースの少なくとも一部および前記ヒータを覆い、前記ベースとともに構造体を構成した外殻と、
前記構造体に設けられ、前記構造体の外部に露出した照明対象領域と、
前記外殻の内側に配置され、前記照明対象領域を照明する複数種類の色の光を選択的に出射可能な照明装置と、
前記ベースの温度に応じて異なる前記色の前記光が同一の前記照明対象領域を照明するように前記照明装置を制御する制御部と、
を備え、
前記外殻は、前記ベースおよび前記ヒータを覆った覆部と、前記覆部に対して前記第2方向側に位置するとともに前記覆部との間に空間を形成したハンドルと、を有し、
前記覆部は、光透過性の光透過部を有し、
前記光透過部の外面は、前記照明対象領域であり、
前記照明装置は、前記光透過部と前記第1方向と直交する方向で対向した、
アイロン装置。
【請求項13】
掛け面を有するベースと、
前記ベースを加熱するヒータと、
前記掛け面に対して前記掛け面が向く第1方向の反対の第2方向側に位置し、前記掛け面以外の前記ベースの少なくとも一部および前記ヒータを覆い、前記ベースとともに構造体を構成した外殻と、
前記構造体に設けられ、前記構造体の外部に露出した照明対象領域と、
前記外殻の内側に配置され、前記照明対象領域を照明する光を出射する複数の光源を有した照明装置と、
前記ベースの温度に応じて異なる点灯形態で前記光が同一の前記照明対象領域を照明するように前記複数の光源を制御する制御部と、
を備え、
前記照明対象領域は、前記構造体の前記ベースに設けられた、
アイロン装置。
【請求項14】
掛け面を有するベースと、
前記ベースを加熱するヒータと、
前記掛け面に対して前記掛け面が向く第1方向の反対の第2方向側に位置し、前記掛け面以外の前記ベースの少なくとも一部および前記ヒータを覆い、前記ベースとともに構造体を構成した外殻と、
前記構造体に設けられ、前記構造体の外部に露出した照明対象領域と、
前記外殻の内側に配置され、前記照明対象領域を照明する光を出射する複数の光源を有した照明装置と、
前記ベースの温度に応じて異なる点灯形態で前記光が同一の前記照明対象領域を照明するように前記複数の光源を制御する制御部と、
を備え、
前記構造体は、前記第1方向と直交する第3方向側の一端部と、前記一端部の反対側の他端部と、前記第1方向および前記第3方向と直交する第4方向に互いに離間し前記一端部と前記他端部とに亘った二つの側部と、を有し、
前記照明対象領域は、前記一端部、前記他端部、および二つの前記側部のうち前記他端部を除く前記一端部と二つの前記側部とに設けられた、
アイロン装置。
【請求項15】
掛け面を有するベースと、
前記ベースを加熱するヒータと、
前記掛け面に対して前記掛け面が向く第1方向の反対の第2方向側に位置し、前記掛け面以外の前記ベースの少なくとも一部および前記ヒータを覆い、前記ベースとともに構造体を構成した外殻と、
前記構造体に設けられ、前記構造体の外部に露出した照明対象領域と、
前記外殻の内側に配置され、前記照明対象領域を照明する光を出射する複数の光源を有した照明装置と、
前記ベースの温度に応じて異なる点灯形態で前記光が同一の前記照明対象領域を照明するように前記複数の光源を制御する制御部と、
を備え、
前記外殻は、前記ベースおよび前記ヒータを覆った覆部と、前記覆部に対して前記第2方向側に位置するとともに前記覆部との間に空間を形成したハンドルと、を有し、
前記覆部は、光透過性の光透過部を有し、
前記光透過部の外面は、前記照明対象領域であり、
前記照明装置は、前記光透過部と前記第1方向と直交する方向で対向した、
アイロン装置。
【請求項16】
請求項1~15のうちいずれか一つに記載のアイロン装置と、
液体を貯留するタンクと、前記ヒータと、を有し、前記液体を前記ヒータの熱によって気化させることによりスチームを発生させ、前記スチームを噴出するスチーム発生装置と、
を備えるスチーマー。
【請求項17】
前記照明装置は、前記外殻と前記タンクとの間に配置された、請求項16に記載のスチーマー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイロン装置およびスチーマーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、掛け面を有するベースをヒータによって加熱するアイロン装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3084082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種のアイロン装置では、使用者がベースの温度を認識しやすければ有益である。
【0005】
そこで、本発明が解決する課題の一つは、使用者にベースの温度を認識させやすいアイロン装置およびスチーマーを得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態に係るアイロン装置は、掛け面を有するベースと、前記ベースを加熱するヒータと、前記掛け面に対して前記掛け面が向く第1方向の反対の第2方向側に位置し、前記掛け面以外の前記ベースの少なくとも一部および前記ヒータを覆い、前記ベースとともに構造体を構成した外殻と、前記構造体に設けられ、前記構造体の外部に露出した照明対象領域と、前記外殻の内側に配置され、前記照明対象領域を照明する複数種類の色の光を選択的に出射可能な照明装置と、前記ベースの温度に応じて異なる前記色の前記光が同一の前記照明対象領域を照明するように前記照明装置を制御する制御部と、を備える。
【0007】
前記アイロン装置では、例えば、前記ベースは、前記掛け面の外縁部の反対側の一面を有し、前記外殻は、前記ベースおよび前記ヒータを覆った覆部と、前記覆部に対して前記第2方向側に位置するとともに前記覆部との間に空間を形成したハンドルと、を有し、前記照明対象領域は、前記一面、または、前記覆部における前記掛け面と前記ハンドルとのうち前記掛け面寄りの位置、に設けられている。
【0008】
前記アイロン装置では、例えば、前記構造体は、前記第1方向と直交する第3方向側の一端部と、前記一端部の反対側の他端部と、前記第1方向および前記第3方向と直交する第4方向に互いに離間し前記一端部と前記他端部とに亘った二つの側部と、を有し、前記照明対象領域は、前記一端部、前記他端部、および二つの前記側部のうち前記他端部を除く前記一端部と二つの前記側部とに設けられている。
【0009】
前記アイロン装置は、例えば、前記温度を検出する温度センサを備え、前記制御部は、前記温度センサが検出した前記ベースの温度に応じて異なる前記色の前記光が同一の前記照明対象領域を照明するように前記照明装置を制御する。
【0010】
前記アイロン装置は、例えば、前記照明装置が出射した前記光を前記照明対象領域に導く導光部材を備え、前記照明装置は、前記照明対象領域よりも前記第2方向に配置されている。
【0011】
前記アイロン装置は、例えば、前記ベースに対する前記ヒータの加熱の開始を指示する開始操作、前記加熱の終了を指示する終了操作、および前記ヒータの温度の設定を指示する温度設定操作を受け付ける操作部を備え、前記制御部は、前記操作部が前記開始操作を受け付けてから前記終了操作を受け付けるまでの間、前記ベースの温度に応じて異なる前記色の前記光が同一の前記照明対象領域を照明するように前記照明装置を制御する。
【0012】
前記アイロン装置では、例えば、前記制御部は、前記操作部が前記終了操作を受け付けてから、前記温度が前記ベースの設定可能な温度のうち最も低い温度よりも低い規定の温度以下になるまでの間、前記光が前記照明対象領域を照明するように前記照明装置を制御する。
【0013】
前記アイロン装置では、例えば、前記照明装置から出射された前記光が前記構造体の外側における前記掛け面の周囲を照明する。
【0014】
前記アイロン装置では、例えば、前記照明対象領域は、光反射性の反射膜によって構成されている。
【0015】
前記アイロン装置では、例えば、前記外殻は、前記ベースおよび前記ヒータを覆った覆部と、前記覆部に対して前記第2方向側に位置するとともに前記覆部との間に空間を形成したハンドルと、を有し、前記覆部は、光透過性の光透過部を有し、前記光透過部の外面は、前記照明対象領域であり、前記照明装置は、前記光透過部と前記第1方向と直交する方向で対向している。
【0016】
本発明の実施形態に係るアイロン装置は、掛け面を有するベースと、前記ベースを加熱するヒータと、前記掛け面に対して前記掛け面が向く第1方向の反対の第2方向側に位置し、前記掛け面以外の前記ベースの少なくとも一部および前記ヒータを覆い、前記ベースとともに構造体を構成した外殻と、前記構造体に設けられ、前記構造体の外部に露出した照明対象領域と、前記外殻の内側に配置され、前記照明対象領域を照明する光を出射する複数の光源を有した照明装置と、前記ベースの温度に応じて異なる点灯形態で前記光が同一の前記照明対象領域を照明するように前記複数の光源を制御する制御部と、を備える。
【0017】
本発明の実施形態に係るスチーマーは、前記アイロン装置と、液体を貯留するタンクと、前記ヒータと、を有し、前記液体を前記ヒータの熱によって気化させることによりスチームを発生させ、前記スチームを噴出するスチーム発生装置と、を備える。
【0018】
前記スチーマーでは、例えば、前記照明装置は、前記外殻と前記タンクとの間に配置されている。
【発明の効果】
【0019】
以上のアイロン装置およびスチーマーによれば、使用者にベースの温度を認識させやすい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、第1実施形態のスチーマーを例示的に示す側面図であって、スチーマーが載置台に載置された状態の図である。
図2図2は、第1実施形態のスチーマーを例示的に示す側面図である。
図3図3は、第1実施形態のスチーマーを例示的に示す断面図であって、X-Z平面での断面図である。
図4図4は、第1実施形態のスチーマーを例示的に示す斜視図であって、前方斜め上方からの視線での斜視図である。
図5図5は、第1実施形態のスチーマーを例示的に示す斜視図であって、前方斜め下方からの視線での斜視図である。
図6図6は、第1実施形態のスチーマーを例示的に示す斜視図であって、後方斜め上方からの視線での斜視図である。
図7図7は、第1実施形態のスチーマーを例示的に示す平面図である。
図8図8は、第1実施形態のスチーマーを例示的に示す背面図である。
図9図9は、第1実施形態のスチーマーの一部を例示的に示す断面図であって、Y-Z平面での断面図である。
図10図10は、第1実施形態のスチーマーを例示的に示す斜視図であって、スチーマーの内部構成の一部が示された斜視図である。
図11図11は、第1実施形態のスチーマーの一部を例示的に示す断面図であって、Y-Z平面での断面図である。
図12図12は、第1実施形態のスチーマーを例示的に示す斜視図であって、照明対象領域が照明された状態の斜視図である。
図13図13は、第1実施形態のスチーマーの構成を示すブロック図である。
図14図14は、第1実施形態のスチーマーの制御部が実行する照明装置の制御の一例を示すフローチャートである。
図15図15は、第2実施形態のスチーマーを例示的に示す斜視図であって、照明対象領域が照明された状態の斜視図である。
図16図16は、第2実施形態のスチーマーの一部を例示的に示す断面図であって、Y-Z平面での断面図である。
図17図17は、第3実施形態のスチーマーを例示的に示す側面図である。
図18図18は、第3実施形態のスチーマーの一部を例示的に示す断面図であって、Y-Z平面での断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に図面を参照して実施形態について詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0022】
以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。それら同様の構成要素には共通の符号が付与されるとともに、重複する説明が省略される。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合がある。また、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0023】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態のスチーマー1を例示的に示す側面図であって、スチーマー1が載置台2に載置された状態の図である。
【0024】
図1に示されるスチーマー1は、皺伸ばし対象物の皺を当該皺伸ばし対象物に当てられた掛け面12aや噴出させるスチームによって伸ばすことができる。皺伸ばし対象物は、例えば衣服等の布である。スチーマー1は、コードレスタイプであり、バッテリを搭載している。スチーマー1は、載置台2に載置された状態で載置台2を介して商用電源と接続され、商用電源によってバッテリが充電される。なお、スチーマー1は、上記に限定されない。例えば、スチーマー1は、コード付きであってもよい。スチーマー1は、皺伸ばし装置とも称される。
【0025】
本実施形態では、便宜上、互いに直交する三方向が定義されている。X方向は、スチーマー1の前後方向の前方と一致し、Y方向は、スチーマー1の幅方向に沿い、Z方向は、スチーマー1の上下方向(高さ方向)の上方と一致する。なお、以後では、スチーマー1の幅方向を左右方向とも称する。また、以後の説明では、特に言及しない限り、前後方向、幅方向、および上下方向は、スチーマー1の、前後方向、幅方向、および上下方向である。
【0026】
図2は、第1実施形態のスチーマー1を例示的に示す側面図である。図3は、第1実施形態のスチーマー1を例示的に示す断面図であって、X-Z平面での断面図である。
【0027】
図2および図3に示されるように、スチーマー1は、アイロン装置10と、スチーム発生装置11と、を備える。
【0028】
図4は、第1実施形態のスチーマー1を例示的に示す斜視図であって、前方斜め上方からの視線での斜視図である。図5は、第1実施形態のスチーマー1を例示的に示す斜視図であって、前方斜め下方からの視線での斜視図である。図6は、第1実施形態のスチーマー1を例示的に示す斜視図であって、後方斜め上方からの視線での斜視図である。図7は、第1実施形態のスチーマー1を例示的に示す平面図である。図8は、第1実施形態のスチーマー1を例示的に示す背面図である。図9は、第1実施形態のスチーマー1の一部を例示的に示す断面図であって、Y-Z平面での断面図である。
【0029】
図3図9に示されるように、アイロン装置10は、ベース12と、ヒータ13(図3)と、本体部14と、を備える。
【0030】
図3図5、および図9に示されるように、ベース12は、板状に形成されている。ベース12は、下端面である掛け面12aと、上端面12bと、周面12cと、を有する。掛け面12aは、下方すなわちZ方向の反対方向を向く。掛け面12aは、略三角形に形成されている。上端面12bは、上方すなわちZ方向を向く。周面12cは、掛け面12aと上端面12bとに亘って設けられた面である。周面12cは、掛け面12aの外縁部12iの反対側の面(領域)である第1面12dと、第1面12dから上端面12bに向かって上方に延びた第2面12eと、を含む。別の言い方をすると、第1面12dは、第2面12eに対して上下方向と交差する方向に張り出している。第1面12dは、帯状に形成されている。第1面12dは、ベース12および本体部14の外部に露出している。Z方向の反対方向は、第1方向の一例であり、Z方向は、第2方向の一例である。第1面12dは、一面の一例である。
【0031】
また、ベース12は、前端部12fと、後端部12gと、二つの側部12hと、を有する。前端部12fは、Z方向と直交するX方向側の一端部である。X方向は、第3方向の一例である。前端部12fは、二つの側部12hの前端部を接続した頂部(角部)である。後端部12gは、前端部12fの反対側の他端部である。すなわち、後端部12gは、X方向の反対方向側の他端部である。後端部12gは、幅方向に延びている。後端部12gは、後辺部とも称される。二つの側部12hは、前端部12fと後端部12gの幅方向の両端部とに亘っている。二つの側部12hは、後端部12gに向かうにつれて互いに幅方向に離間するように形成されている。すなわち、二つの側部12hは、Z方向およびX方向と直交するY方向に互いに離間している。側部12hは、掛け面12aの外縁部12i(図5図9)と、第1面12dと、を含む。
【0032】
また、ベース12には、スチームを吐出する複数のスチーム噴出口12j(図5)が設けられている。スチーム噴出口12jは、二つの側部12hに沿って並べられている。
【0033】
また、ベース12は、複数の要素の組み合わせによって構成されている。図3および図9に示されるように、例えば、ベース12は、基部材15と、反射膜16と、を含む。基部材15は、掛け面12aと上端面12bとを含む。基部材15は、アルミニウム等の金属材料によって構成されている。反射膜16は、基部材15における掛け面12aの外縁部12iの反対側の面に重ねられている。すなわち、反射膜16は、基部材15における掛け面12aの外縁部12iの反対側の面を覆っている。なお、図3および図9等において、反射膜16の厚さの表現は省略されている。反射膜16の表面は、第1面12dを構成している。反射膜16は光反射性を有する。反射膜16の光の反射率は、基部材15の光の反射率よりも大きい。反射膜16は、例えば、ニッケルやボロンによって構成されている。反射膜16は、例えばメッキ処理によって作られる。
【0034】
図3および図9に示されるように、ヒータ13は、ベース12に固定されている。ヒータ13は、少なくとも一部がベース12に埋設されている。ヒータ13は、例えばシーズヒータである。ヒータ13は、電力が供給されることにより発熱してベース12を加熱する。
【0035】
また、図3に示されるように、ベース12には、温度センサ17と、リミッター18とが取り付けられている。温度センサ17は、ベース12に接触しており、ベース12の温度を検出する。温度センサ17が検出する温度は、掛け面12aの温度とみなすことができる。温度センサ17は、例えばサーミスタによって構成されている。リミッター18は、ベース12の温度が規定の閾値に達した場合にヒータ13への電力の供給を遮断する。リミッター18は、安全装置とも称される。
【0036】
図10は、第1実施形態のスチーマー1を例示的に示す斜視図であって、スチーマー1の内部構成の一部が示された斜視図である。図3図9、および図10に示されるように、本体部14は、外殻19と、操作部20と、表示部21と、照明装置22と、導光部材23(図9図10)と、回路基板24(図3)と、を有する。
【0037】
外殻19は、掛け面12aに対して掛け面12aが向く方向(下方)の反対方向側(上方側)に位置してベース12およびヒータ13を覆っている。外殻19は、掛け面12a以外のベース12の少なくとも一部(一例として一部)を覆っている。なお、外殻19は、掛け面12a以外のベース12の全部を覆っていてもよい。外殻19は、ベース12とネジ等の結合具によって結合(固定)されている。外殻19は、カバーとも称される。
【0038】
図2図8に示されるように、外殻19は、覆部19aと、ハンドル19bと、を有する。覆部19aは、ベース12およびヒータ13を覆っている。覆部19aは、前端部19cと、後端部としての後壁部19dと、二つの側壁部19eと、上壁部19fと、を有する。前端部19cは、Z方向およびZ方向の反対方向と直交するX方向側の一端部である。前端部19cは、二つの側壁部19eの前端部を接続した頂部(角部)である。後壁部19dは、前端部19cの反対側の端部である。二つの側壁部19eは、前端部19cと後壁部19dの幅方向の両端部とに亘っている。二つの側壁部19eは、後壁部19dに向かうにつれて互いに幅方向に離間するように形成されている。すなわち、二つの側壁部19eは、Z方向およびX方向と直交するY方向に互いに離間している。上壁部19fは、二つの側壁部19eの上端部と後壁部19dの上端部とに亘って設けられて、二つの側壁部19eの上端部と後壁部19dの上端部とを接続している。また、外殻19の内側には、遮熱壁25が設けられている。遮熱壁25は、上下方向と直交する方向に延びて、覆部19aの内側を、下領域と、下領域の上方側に位置する上領域と、に仕切っている。遮熱壁25の下方側にベース12およびヒータ13が配置されている。遮熱壁25は、ベース12およびヒータ13の熱を遮る。遮熱壁25は、前端部19c、二つの側壁部19e、および後壁部19dに接続されている。図9に示されるように、遮熱壁25には、二つのスリット25aが設けられている。二つのスリット25aは、二つの側壁部19eに沿って延びるとともに、遮熱壁25を上下方向に貫通している。遮熱壁25は、遮熱カバーとも称される。また、覆部19aとベース12との間には、外部に開口した開口部19gが形成されている。この開口部19gから第1面12dが外部に露出する。
【0039】
図3図8に示されるように、ハンドル19bは、覆部19aに対して上方側すなわちZ方向側に位置するとともに覆部19aとの間に空間26(図3)を形成している。具体的には、ハンドル19bは、覆部19aの前端部19cから延びている。図3に示されるように、ハンドル19bは、覆部19aから上方かつ後方に延びる筒状の第1部分19hと、第1部分19hから覆部19aの上壁部19fに沿って後方に延びる筒状の第2部分19iと、を有する。第2部分19iの後端部は閉じられている。空間26は、ハンドル19bと覆部19aとの間において、幅方向に開放されるとともに、後方に開放されている。
【0040】
また、図3に示されるように、外殻19は、複数の部材の組み合わせによって構成されている。例えば、外殻19は、第1構成部材27と、第2構成部材28と、第3構成部材29と、を有する。第1構成部材27は、例えば、前端部19cのうち下端部を含む一部と、二つの側壁部19eのうち下端部の一部と、後壁部19dのうち下端部を含む一部と、遮熱壁25と、を含む。第2構成部材28は、前端部19cのうち上端部を含む一部と、ハンドル19bの一部と、を含む。第3構成部材29は、後壁部19dのうち上端部を含む一部と、二つの側壁部19eのうち上端部を含む一部と、上壁部19fと、ハンドル19bの一部と、を含む。第1構成部材27は、例えば耐熱性を有する合成樹脂材料によって構成されている。第2構成部材28および第3構成部材29は、例えば合成樹脂材料によって構成されている。
【0041】
図2図9に示されるように、外殻19とベース12とは、構造体30を構成している。構造体30は、前端部30aと、後端部30bと、二つの側部30cと、を有する。前端部30aは、Z方向およびZ方向の反対方向と直交するX方向側の一端部である。前端部30aは、ベース12の前端部12fと、外殻19の前端部19cと、を含む。後端部30bは、前端部30aの反対側の端部である。後端部30bは、ベース12の後端部12gと、外殻19の後壁部19dと、を含む。二つの側部30cは、幅方向すなわちY方向に互いに離間し、前端部30aと後端部30bとに亘っている。二つの側部30cは、ベース12の二つの側部12hと、外殻19の二つの側壁部19eと、を含む。Y方向は、第4方向の一例である。
【0042】
図3に示されるように、操作部20は、ハンドル19bの上部に設けられている。操作部20は、例えばボタンにより構成され、使用者による操作を受け付ける。例えば、操作部20は、ヒータ13への電力の供給の開始を指示する電源ON操作や、ヒータ13への電力の供給の停止を指示する電源OFF操作、ベース12の温度の設定操作等を受け付ける。電源ON操作は、ベース12に対するヒータ13の加熱の開始を指示する開始操作であり、電源OFF操作は、ベース12に対するヒータ13の加熱の終了を指示する終了操作である。
【0043】
表示部21は、ハンドル19bの上部に設けられている。表示部21は、ベース12の温度等についての現在の設定状態を表示する。表示部21は、例えば、LED等の光源の光を用いて設定状態を表示する。
【0044】
次に、スチーム発生装置11について説明する。図3に示されるように、スチーム発生装置11は、ベース12と、ヒータ13と、タンク31と、切替機構32と、を備える。ベース12およびヒータ13は、アイロン装置10と共用(兼用)されている。ベース12には、スチーム噴出口12jと流路を介して通じた気化室が設けられている。気化室は、スチーム噴出口12jと流路を介して通じている。
【0045】
タンク31は、水等の液体を貯留する。図3および図9に示されるように、タンク31は、前端部31aと、後壁部19dと、二つの側壁部31bと、上壁部19f,31cと、下壁部としての遮熱壁25と、を有する。前端部31aは、覆部19aの内側で覆部19aの前端部19cに重ねられている。すなわち、前端部31aは、覆部19aの前端部19cの内面に重ねられている。前端部19c,31aには、注液口が設けられており、注液口は、蓋45(図2)によって開閉される。前端部31aは、二つの側壁部31bの前端部を接続した頂部(角部)である。後壁部19dは、タンク31と覆部19aとで共用されている。二つの側壁部31bは、前端部31aと後壁部19dの幅方向の両端部とに亘っている。二つの側壁部31bは、後壁部19dに向かうにつれて互いに幅方向に離間するように形成されている。すなわち、二つの側壁部31bは、Y方向に互いに離間している。上壁部31cは、ハンドル19bの下端部の内側に配置されている。上壁部19fは、タンク31と覆部19aとで共用されている。遮熱壁25は、タンク31と覆部19aとで共用されている。以上から分かるように、タンク31と覆部19aとは、互いに共用している部分を有する。タンク31内と気化室とは、流路を介して通じている。
【0046】
図3に示されるように、切替機構32は、タンク31内と気化室との間の流路を開閉する弁33と、弁33を操作する操作部34と、を有する。弁33は、例えば、ニードル33aを有したニードルバルブである。弁33は、上記流路を開放する開弁状態と、上記流路を閉塞する閉弁状態とに操作部34によって切り替え可能である。弁33には、パイプ35を介してタンク31内の液体が流入する。弁33が開弁状態の場合には、タンク31内の液体が弁33を通過して気化室へ滴下(供給)される。気化室に供給された液体は、ヒータ13の熱がベース12を介して伝達されて、気化してスチームとなる。すなわち、スチーム発生装置11は、ヒータ13の熱によって液体を気化させてスチームとする。スチームは、気化室からスチーム噴出口12j(図5)へ流れて、スチーム噴出口12jから噴出される。このように、スチーム発生装置11は、液体をヒータ13の熱によって気化させることによりスチームを発生させ、スチームを噴出する。一方、弁33が閉弁状態の場合には、タンク31内の液体は気化室に供給されず、スチームは噴出されない。
【0047】
操作部34は、例えば、操作ボタン36と、ロッド37と、シール部材38と、コイルばね39と、を有する。操作ボタン36は、ハンドル19bの上部に設けられている。操作ボタン36は、弁33を開弁状態にするスチームON位置と弁33を閉弁状態するスチームOFF位置とに上下方向に往復動可能に設けられている。ロッド37は、操作ボタン36から下方に延び、操作ボタン36と一体に上下方向に移動する。ロッド37の一部は、タンク31の上壁部31cに設けられた凹状部31dに入れられている。また、ロッド37には、凹状部31dに入れられロッド37と一体に移動する支持部材40が設けられている。支持部材40の直径は、ロッド37の直径よりも大きい。支持部材40には、シール部材38が嵌められている。支持部材40は、シール部材38を支持している。シール部材38は、支持部材40と凹状部31dとの間に介在し、ロッド37および支持部材40と一体に移動する。ロッド37は、不図示の連結部材によってニードル33aと連結されている。コイルばね39は、凹状部31dの底部と支持部材40との間に介在して、支持部材40を上方に押す。上記構成では、操作ボタン36の移動に伴いニードル33aが上位置または下位置に切り替わり、弁33が開弁状態と閉弁状態とに切り替わる。
【0048】
図9に示されるように、照明装置22は、外殻19の内側に二つ配置されている。二つの照明装置22は、外殻19の二つの側壁部19eと、タンク31の二つの側壁部31bとの間に配置されている。各照明装置22は、照明対象領域であるベース12の第1面12dよりも上方に配置されている。
【0049】
照明装置22は、第1面12dを照明する複数種類の色の光を選択的に出射可能である。図3に示されるように、照明装置22は、光源として、互いに出射する光の色が異なる複数のLED(Light Emitting Diode)50と、LED50が実装された基板51と、を有する。なお、図3では、LED50の一部の図示が省略されている。複数のLED50は、例えば、赤色LED50A、緑色LED50B、青色LED50Cを含む。また、照明装置22は、赤色LED50A、緑色LED50B、青色LED50Cを含むLEDユニット52を複数有する。複数のLEDユニット52は、前後方向に一例に並べられている。このような構成では、比較的広範囲を照明可能である。照明装置22は、赤色LED50A、緑色LED50B、青色LED50Cの各色を選択的に出射できるとともに、赤色LED50A、緑色LED50B、青色LED50Cの各発光量を調整することにより、上記以外の様々な色を出射することができる。なお、照明装置22は、LED50と蛍光体との組み合わせによって、出射する色が設定されてもよい。照明装置22は、一例として、第1面12dに向けて、すなわち下方に光を出射する。LED50は、光源の一例である。なお、光源は、LED50に限られない。
【0050】
図9に示されるように、導光部材23は、外殻19の内側に二つ配置されている。二つの導光部材23は、外殻19の二つの側壁部19eと、タンク31の二つの側壁部31bとの間に配置されている。
【0051】
図11は、第1実施形態のスチーマー1の一部を例示的に示す断面図であって、Y-Z平面での断面図である。図11に示されるように、導光部材23は、外殻19の側壁部19eに重ねられた壁部23aと、タンク31の側壁部31bに重ねられた壁部23bと、を有する。導光部材23は、照明装置22が出射した光を第1面12dに導く。導光部材23は、光反射性の反射部材によって構成されている。例えば、導光部材23は、アルミニウム製の板部材によって構成されている。
【0052】
図12は、第1実施形態のスチーマー1を例示的に示す斜視図であって、照明対象領域が照明された状態の斜視図である。図12では、照明対象領域に照明された光が網目状のハッチングで示されている。
【0053】
照明装置22から出射された光は、図12に示されるようにベース12の第1面12dを照明する。このときの光の経路を図9を参照しながら説明する。図9中の矢印Lは、光の進む方向の一例を示している。図9に示されるように、照明装置22から出射された光は、外殻19の側壁部19eとタンク31の側壁部31bとの間であって導光部材23の二つの壁部23a,23bの間を進み、遮熱壁25のスリット25aを通過して第1面12dに到達する。すなわち、照明装置22から出射された光は、第1面12dを照明する。このとき、照明装置22から出射された光の一部は、第1面12dに向けて直線的に進み第1面12dに到達し、照明装置22から出射された光の一部は、導光部材23で反射しながら第1面12dに進む。また、照明装置22から出射された光の一部は、構造体30の開口部19gから構造体30の外部に進み、構造体30の外側における掛け面12aの周囲を照明する。すなわち、照明装置22が出射された光が構造体30の外側における掛け面12aの周囲に進むように、光の通路53(光路)が形成されている。これにより、掛け面12aが皺伸ばし対象に重ねられた状態においては、照明装置22から出射された光の一部が、構造体30の外側における掛け面12aの周囲に位置する皺伸ばし対象を照明する。
【0054】
図3に示されるように、回路基板24は、ハンドル19b内に配置されている。回路基板24上には、電子回路60が形成されている。
【0055】
図13は、第1実施形態のスチーマー1の構成を示すブロック図である。図13に示されるように、電子回路60は、制御部61と、ヒータ駆動回路62と、照明駆動回路63と、表示駆動回路64と、を有する。制御部61は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサと、記憶部と、を有したマイクロコンピュータである。記憶部は、例えば、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、を含む。プロセッサは、記憶部に記憶されたプログラムに従って動作する。
【0056】
制御部61は、ヒータ駆動回路62を介してヒータ13を制御する。制御部61は、照明駆動回路63を介して照明装置22を制御する。制御部61は、表示駆動回路64を介して表示部21を制御する。また、制御部61には、温度センサ17と、操作部20とが接続されている。制御部61には、温度センサ17が検出したベース12の温度を示す電気信号と、操作部20から出力される電気信号とが入力される。
【0057】
次に、制御部61が実行する制御について説明する。まずは、ヒータ13の制御について説明する。制御部61は、操作部20が使用者の電源ON操作を受け付けた場合、温度センサ17が検出するベース12の温度が温度設定操作によって設定された温度になるように、ヒータ13への電力の供給を制御する。また、制御部61は、設定された温度が表示されるように表示部21を制御する。ここで、設定される温度は、低温度、中温度、高温度の3つである。低温度、中温度、高温度は、それぞれ、規定の範囲内の温度である。低温度は、例えば、100℃を超えかつ140℃以下の範囲であり、中温度は、140℃を超えかつ180℃以下の範囲であり、高温度は、180℃を超えかつ220℃以下の範囲である。なお、設定温度の数および範囲は、上記に限定されない。
【0058】
使用者は、ベース12が加熱された状態にて、ハンドル19bを把持してスチーマー1の掛け面12aを皺伸ばし対象に押し当てた状態で、スチーマー1を掛け面12aに沿って移動させる。これにより、皺が伸びる。また、使用者によって操作ボタン36がスチームON位置に操作されると、スチーム噴出口12jからスチームが噴出される。このスチームによっても皺伸ばし対象の皺が伸びる。
【0059】
次に、制御部61が実行する照明装置22の制御について、図14を参照しながら説明する。図14は、第1実施形態のスチーマー1の制御部61が実行する照明装置22の制御の一例を示すフローチャートである。当該照明装置22の制御は、電源ON操作があった場合に開始される。電源ON操作がされた時点では、照明装置22は光を出射していない。
【0060】
制御部61は、温度センサ17が検出したベース12の温度を温度センサ17から取得する(S1)。次に、制御部61は、ベース12の温度が低温度かを判定する(S2)。制御部61は、ベース12の温度が低温度であると判定した場合には(S2:Yes)、照明装置22が低温度を示す第1色の光を出射するように、照明装置22を制御する(S3)。これにより、第1面12dに第1色の光が照射される。第1色は、例えば緑色である。このときの照明装置22の点灯形態(連続点灯、点滅点灯)は、一例として連続点灯である。制御部61は、ベース12の温度が中温度であると判定した場合には(S4:Yes)、照明装置22が中温度を示す第2色の光を出射するように、照明装置22を制御する(S5)。これにより、第1面12dに第2色の光が照射される。第2色は、例えばオレンジ色である。このときの照明装置22の点灯形態(連続点灯、点滅点灯)は、一例として連続点灯である。制御部61は、ベース12の温度が高温度であると判定した場合には(S6:Yes)、照明装置22が高温度を示す第3色の光を出射するように、照明装置22を制御する(S7)。これにより、第1面12dに第3色の光が照射される。第3色は、例えば赤色である。このときの照明装置22の点灯形態(連続点灯、点滅点灯)は、一例として連続点灯である。制御部61は、ベース12の温度が、低温度、中温度、および高温度のいずれでもないと判定した場合には(S2:No、S4:No、S6:No)、S1に戻る。
【0061】
また、制御部61は、S3,S5,S7の処理を実行すると、S8に進む。S8では、制御部61は、操作部20からの信号に基づいて電源OFF操作があったかを判定する。制御部61は、電源OFF操作はないと判定した場合には(S8:No)、S1に戻る。
【0062】
制御部61は、電源OFF操作があったと判定した場合には(S8:Yes)、S9以降の処理を行う。S9~S15の処理は、S1~S7の処理と同様である。すなわち、制御部61は、温度センサ17が検出したベース12の温度を温度センサ17から取得する(S9)。次に、制御部61は、ベース12の温度が低温度かを判定する(S10)。制御部61は、ベース12の温度が低温度であると判定した場合には(S10:Yes)、照明装置22が低温度を示す第1色の光を出射するように、照明装置22を制御する(S11)。これにより、第1面12dに第1色の光が照射される。制御部61は、ベース12の温度が中温度であると判定した場合には(S12:Yes)、照明装置22が中温度を示す第2色の光を出射するように、照明装置22を制御する(S13)。これにより、第1面12dに第2色の光が照射される。制御部61は、ベース12の温度が高温度であると判定した場合には(S14:Yes)、照明装置22が高温度を示す第3色の光を出射するように、照明装置22を制御する(S15)。これにより、第1面12dに第3色の光が照射される。
【0063】
制御部61は、ベース12の温度が、低温度、中温度、および高温度のいずれでもないと判定した場合には(S10:No、S12:No、S14:No)、S16に進み、ベース12の温度が規定の温度以下に下がったかを判定する。規定の温度は、ベース12の設定可能な温度のうち最も低い温度(一例として、100℃超)よりも低い温度(一例として40℃)である。制御部61は、ベース12の温度が、低温度、中温度、および高温度のいずれでもなく(S10:No、S12:No、S14:No)、かつ、ベース12の温度が規定の温度以下に下がっていないと判定した場合(S16:No)、すなわち、ベース12の温度が低温度を下回りかつ規定の温度よりも高い場合には、照明装置22が第4色の光を出射するように、照明装置22を制御する(S17)。これにより、第1面12dに第4色の光が照射される。第4色は、第1~第3色とは異なる色であり、例えば黄色や青である。なお、このとき、別例として、制御部61は、第3色で照明装置22が点滅点灯するように照明装置22を制御してもよい。また、第1~第4色は、上記以外であってもよい。また、第1~第4色の各色で照明装置22が点滅点灯するようにしてもよい。制御部61は、ベース12の温度が規定の温度以下に下がったと判定した場合には(S16:Yes)、照明装置22が光の出射を終了するように、照明装置22を制御する(S18)。なお、規定の温度は、上記の40℃に限定されない。規定の温度は、ベース12の設定可能な温度のうち最も低い温度よりも低い温度であればよい。
【0064】
以上から分かるように、本実施形態では、制御部61は、操作部20が電源ON操作(開始操作)を受け付けてから電源OFF操作(終了操作)を受け付けるまでの間、ベース12の温度に応じて異なる色の光が同一の照明対象領域である第1面12dを照明するように照明装置22を制御する。また、制御部61は、操作部20が電源OFF操作(終了操作)を受け付けてから、ベース12の温度がベース12の設定可能な温度のうち最も低い温度よりも低い規定の温度以下になるまでの間、光が第1面12dを照明するように照明装置22を制御する。
【0065】
以上のように、本実施形態では、アイロン装置10は、ベース12と、ヒータ13と、外殻19と、照明対象領域(一例として第1面12d)と、照明装置22と、制御部61と、備える。ベース12は、掛け面12aを有する。ヒータ13は、ベース12を加熱する。外殻19は、掛け面12aに対して掛け面12aが向く下方(Z方向の反対方向、第1方向)の反対の上方(Z方向、第2方向)側に位置し、掛け面12a以外のベース12の少なくとも一部およびヒータ13を覆い、ベース12とともに構造体30を構成している。第1面12dは、構造体30に設けられ、構造体30の外部に露出している。照明装置22は、外殻19の内側に配置され、第1面12dを照明する複数種類の色の光を選択的に出射可能である。制御部61は、ベース12の温度に応じて異なる色の光が同一の照明対象領域(一例として第1面12d)を照明するように照明装置22を制御する。
【0066】
このような構成によれば、ベース12の温度に応じて異なる色の光が同一の照明対象領域(第1面12d)を照明するので、ベース12の温度に応じて異なる色の光が異なる照明対象領域を照明する構成に比べて、照明対象領域(第1面12d)に当たる光が何を表すものなのかを使用者が覚えやすかったり理解しやすかったりする。よって、本実施形態によれば、使用者にベース12の温度を認識させやすい。また、上記構成では、ベース12の温度に応じて照明対象領域(第1面12d)を照明する光の色が変わる。色の変化は視覚的に認識しやすいので、使用者へのベース12の温度を知らせやすい。
【0067】
また、本実施形態では、ベース12は、掛け面12aの外縁部12iの反対側の第1面12d(一面)を有する。外殻19は、ベース12およびヒータ13を覆った覆部19aと、覆部19aに対して上方側(第2方向側)に位置するとともに覆部19aとの間に空間26を形成したハンドル19bと、を有する。照明対象領域は、第1面12dに設けられている。
【0068】
このような構成によれば、照明対象領域が、掛け面12aに比較的に近い第1面12dに設けられているので、照明対象領域に照射される光が掛け面12aを含むベース12の温度を表すということを使用者が連想しやすい。よって、ベース12の温度を使用者に知らせやすい。
【0069】
また、本実施形態では、構造体30は、前端部30a(一端部)と、後端部30b(他端部)と、二つの側部30cと、を有する。前端部30aは、下方すなわちZ方向の反対方向(第1方向)と直交する前方すなわちX方向(第3方向)側の端部である。後端部30bは、前端部30aの反対側の端部である。二つの側部30cは、Z方向およびX方向と直交する幅方向すなわちY方向(第4方向)に互いに離間し前端部30aと後端部30bとに亘っている。照明対象領域(第1面12d)は、前端部30a、後端部30b、および二つの側部30cのうち後端部30bを除く前端部30aと二つの側部30cとに設けられている。
【0070】
このような構成によれば、構造体30の全周のうち広い部分が照明されるので、使用者が、照明された照明対象領域(第1面12d)を見やすい。
【0071】
また、本実施形態では、アイロン装置10は、ベース12の温度を検出する温度センサ17を備える。制御部61は、温度センサ17が検出したベース12の温度に応じて異なる色の光が同一の照明対象領域(第1面12d)を照明するように照明装置22を制御する。
【0072】
このような構成によれば、ベース12の温度を検出する温度センサ17を備えるので、ベース12の正確な温度を得ることができる。
【0073】
なお、温度センサ17が照明装置22の制御に用いるベース12の温度は、温度センサ17が検出したものに限られない。例えば、温度センサ17が照明装置22の制御に用いるベース12の温度は、制御部61が、算出したものであってもよい。例えば、制御部61は、ヒータ13へ供給した電力量とベース12の温度との関係を示す式やテーブルに基づいて、ヒータ13の温度を算出してもよい。
【0074】
また、本実施形態では、アイロン装置10は、照明装置22が出射した光を照明対象領域(第1面12d)に導く導光部材23を備える。照明装置22は、照明対象領域(第1面12d)よりも上方すなわちZ方向の反対方向(第2方向)に配置されている。
【0075】
このような構成によれば、照明装置22が、照明対象領域(第1面12d)よりも上方すなわちZ方向の反対方向に配置されているので、照明装置22をベース12から離間させやすい。よって、照明装置22にベース12の熱が伝わるのを抑制しやすい。したがって、照明装置22の寿命が短くなるのを抑制しやすい。
【0076】
また、本実施形態では、アイロン装置10は、操作部20を備える。操作部20は、ベース12に対するヒータ13の加熱の開始を指示する開始操作(電源ON操作)、加熱の終了を指示する終了操作(電源OFF操作)、およびヒータ13の温度の設定を指示する温度設定操作を受け付ける。制御部61は、操作部20が開始操作を受け付けてから終了操作を受け付けるまでの間、ベース12の温度に応じて異なる色の光が同一の照明対象領域を照明するように照明装置22を制御する。
【0077】
このような構成によれば、操作部20が開始操作を受け付けてから終了操作を受け付けるまでの間、ベース12の温度に応じて異なる色の光が同一の照明対象領域を照明するので、アイロン装置10の使用中に使用者がベース12の温度を認識することができる。
【0078】
また、本実施形態では、制御部61は、操作部20が終了操作を受け付けてから、ベース12の温度がベース12の設定可能な温度のうち最も低い温度よりも低い規定の温度以下になるまでの間、光が照明対象領域を照明するように照明装置22を制御する。
【0079】
このような構成によれば、加熱の終了を指示する終了操作(電源OFF操作)を受けて、ヒータ13による加熱が終了した後であっても、ベース12の温度がベース12の設定可能な温度のうち最も低い温度よりも低い規定の温度以下になるまでの間、光が照明対象領域を照明するので、使用者が、ヒータ13による加熱が終了した後であっても、ベース12の温度を認識しやすい。
【0080】
また、本実施形態では、照明装置22から出射された光が構造体30の外側における掛け面12aの周囲を照明する。
【0081】
このような構成によれば、掛け面12aが皺伸ばし対象に重ねられた状態においては、照明装置22から出射された光の一部が、構造体30の外側における掛け面12aの周囲に位置する皺伸ばし対象を照明するので、使用者がより一層、ベース12の温度を認識しやすい。
【0082】
また、本実施形態では、照明対象領域は、光反射性の反射膜16によって構成されている。
【0083】
このような構成によれば、設計時に照明対象領域の反射率の調整がしやすい。したがって、基部材15の光の反射率が比較的小さい場合であっても、照明対象領域の反射率を大きくしやすい。
【0084】
また、本実施形態では、スチーマー1は、アイロン装置10と、スチーム発生装置11と、を備える。スチーム発生装置11は、液体を貯留するタンク31と、ヒータ13と、を有し、液体をヒータ13の熱によって気化させることによりスチームを発生させる。
【0085】
このような構成によれば、スチームを発生させる場合でも、ベース12の温度に応じて異なる色の光が同一の照明対象領域を照明する。よって、スチームを発生させる場合でも、使用者がベース12の温度を認識しやすい。
【0086】
また、本実施形態では、照明装置22は、外殻19とタンク31との間に配置されている。
【0087】
このような構成によれば、照明装置22が外殻19とタンク31とによって保護されやすい。
【0088】
なお、上記構成では、制御部61は、低温度、中温度、および高温度の各温度範囲において、ベース12の温度が規定の温度(以後、安定温度とも称する)に近づくにしたがい、点灯させるLED50の個数を徐々に増やしてもよい。この場合、ベース12の温度が安定温度に近づくにしたがい、照明装置22が明るくなる。また、制御部61は、ベース12の温度が各温度範囲において安定温度になるまでの間はLED50を点滅点灯させ、ベース12の温度が各温度範囲において安定温度になった場合にLED50を連続点灯させてもよい。ここで、LED50の点灯個数、LED50の連続点灯、LED50の点滅点灯は、LED50の点灯形態の一例である。すなわち、制御部61は、ベース12の温度に応じて異なる点灯形態で光が同一の照明対象領域を照明するように複数のLED50(光源)を制御してもよい。このような構成によれば、詳細な温度をLED50によって表すことができる。
【0089】
<第2実施形態>
図15は、第2実施形態のスチーマー1を例示的に示す斜視図であって、照明対象領域が照明された状態の斜視図である。図15では、照明対象領域に照明された光が網目状のハッチングで示されている。図16は、第2実施形態のスチーマー1の一部を例示的に示す断面図であって、Y-Z平面での断面図である。
【0090】
図15および図16に示されるように、本実施形態は、第1実施形態に対して、アイロン装置10の照明装置22の光の照明対象領域が主に異なる。本実施形態では、覆部19aの各壁に光透過性を有した光透過部70が設けられており、この光透過部70の外面70aが照明対象領域である。光透過部70は、例えば光透過性の合成樹脂材料によって構成されている。光透過部70は、覆部19aの前端部19cおよび二つの側壁部19eに亘って設けられており、上面視で略U字状をなしている。外面70aは、帯状に形成されている。光透過部70は、覆部19aにおける掛け面12aとハンドル19bとのうち掛け面12a寄りの位置に設けられている。すなわち、外面70aは、覆部19aにおける掛け面12aとハンドル19bとのうち掛け面12a寄りの位置に設けられている。
【0091】
照明装置22から出射された光は、外殻19の側壁部19eとタンク31の側壁部31bとの間であって導光部材23の二つの壁部23a,23bの間を通って光透過部70の内面に到達し、光透過部70を通って光透過部70の外面70aからアイロン装置10の外部に進む。すなわち、照明装置22から出射された光は、光透過部70の外面70aを光透過部70の内面側から照射する。
【0092】
以上のように、本実施形態では、覆部19aは、光透過性の光透過部70を有する。照明対象領域である光透過部70の外面70aは、覆部19aにおける掛け面12aとハンドル19bとのうち掛け面12a寄りの位置に設けられている。
【0093】
このような構成によれば、照明対象領域(外面70a)が、掛け面12aに比較的に近い位置に設けられているので、照明対象領域(外面70a)に照射される光が掛け面12aを含むベース12の温度を表すということを使用者が連想しやすい。よって、ベース12の温度を使用者に知らせやすい。
【0094】
また、本実施形態では、照明対象領域である光透過部70の外面70aが外殻19に設けられ、照明装置22が外殻19内に配置されているので、照明対象領域(外面70a)と照明装置22とを近づけやすい。すなわち、照明対象領域(外面70a)と照明装置22との間の距離を短くしやすい。これにより、光照射対象領域(外面70a)に照射される光の強度を強くしやすい。よって、使用者が光照射対象領域(外面70a)に照射される光を認識しやすい。
【0095】
<第3実施形態>
図17は、第3実施形態のスチーマー1を例示的に示す側面図である。図18は、第3実施形態のスチーマー1の一部を例示的に示す断面図であって、Y-Z平面での断面図である。
【0096】
本実施形態は、第2実施形態のスチーマー1に対して照明装置22の位置が主に異なる。本実形態では、照明装置22は、覆部19a内において上下方向と直交する方向に光透過部70と並べられている。すなわち、照明装置22は、光透過部70の内面と対向している。
【0097】
照明装置22から出射された光は、光透過部70に向かって進み、光透過部70の内面に到達し、光透過部70を通って光透過部70の外面70aからアイロン装置10の外部に進む。すなわち、照明装置22から出射された光は、光透過部70の外面70aを光透過部70の内面側から照射する。
【0098】
以上のように、本実施形態では、覆部19aは、光透過性の光透過部70を有する。光透過部70の外面70aは、照明対象領域である。照明装置22は、光透過部70と下方すなわちZ方向の反対方向(第1方向)と直交する方向で対向している。
【0099】
このような構成によれば、照明装置22と光照射対象領域(外面70a)とをより一層近づけやすいので、光照射対象領域(外面70a)に照射される光の強度をより一層強くしやすい。よって、使用者が光照射対象領域(外面70a)に照射される光をより一層認識しやすい。
【0100】
なお、上記の各実施形態では、照明装置22が出射する光の色が4種類(4色)の例が示されたが、これに限定されない。照明装置22が出射する光の色の種類は、2種類(2色)以上であればよい。
【0101】
<第4実施形態>
本実施形態のスチーマー1は、第1実施形態のスチーマー1と同様の構成を備える。ただし、本実施形態のスチーマー1は、アイロン装置10における照明装置22の複数のLED50が互いに同色の光を出射する。すなわち、複数のLED50が出射する光は、単色である。複数のLED50は、例えば、赤色LED50A、緑色LED50B、または青色LED50Cである。
【0102】
また、本実施形態の制御部61は、ベース12の温度に応じて異なる点灯形態で光が同一の照明対象領域(例えば、第1面12d)を照明するように複数のLED50を制御する。
【0103】
一例として、LED50の点灯形態は、点灯するLED50の個数を含む。この場合、制御部61は、ベース12の温度に応じて異なる個数のLED50を点灯させる。例えば、制御部61は、ベース12の温度が低温度の場合には、第1個数のLED50を点灯させ、ベース12の温度が中温度の場合には、第1個数とは異なる第2個数のLED50を点灯させ、ベース12の温度が高温度の場合には、第1個数および第2個数とは異なる第3個数のLED50を点灯させる。第1個数、第2個数、および第3個数は、第1個数、第2個数、第3個数の順で、個数が多くなってもよいし個数が少なくなってもよい。なお、点灯させる50の個数の関係は、上記以外であってもよい。
【0104】
また、上記の例において、制御部61は、低温度、中温度、および高温度の各温度範囲において、ベース12の温度が規定の温度である安定温度に近づくにしたがい、点灯させるLED50の個数を徐々に増やしてもよい。また、制御部61は、ベース12の温度が各温度範囲において安定温度になるまではLED50を点滅点灯させ、ベース12の温度が各温度範囲において安定温度になった場合にLED50を連続点灯させてもよい。
【0105】
以上のように、本実施形態では、照明装置22は、外殻19の内側に配置されている。照明装置22は、照明対象領域(例えば、第1面12d)を照明する光を出射する複数のLED50(光源)を有する。制御部61は、ベース12の温度に応じて異なる点灯形態で光が同一の照明対象領域を照明するように複数のLED50を制御する。
【0106】
このような構成によれば、ベース12の温度に応じて異なる点灯形態のLED50から出射された光が同一の照明対象領域(第1面12d)を照明するので、ベース12の温度に応じて異なる色の光が異なる照明対象領域を照明する構成に比べて、照明対象領域(第1面12d)に当たる光が何を表すものなのかを使用者が覚えやすかったり理解しやすかったりする。よって、本実施形態によれば、使用者にベース12の温度を認識させやすい。
【0107】
また、本実施形態では、複数のLED50は、互いに同色の光を出射する。
【0108】
このような構成によれば、光の色の異なるLED50を用いる場合に対して色の削減をすることができる。
【0109】
なお、本実施形態の上記構成は、第2および第3実施形態に適用されてもよい。
【0110】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0111】
1…スチーマー、10…アイロン装置、11…スチーム発生装置、12…ベース、12a…掛け面、12d…第1面(照明対象領域、一面)、12i…外縁部、13…ヒータ、16…反射膜、17…温度センサ、19…外殻、19a…覆部、19b…ハンドル、20…操作部、22…照明装置、23…導光部材、30…構造体、30a…前端部(一端部)、30b…後端部(他端部)、30c…側部、50…LED(光源)、61…制御部、70…光透過部、70a…外面(光照射対象領域)。
図1
図2
図3
図4
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