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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-20
(45)【発行日】2024-11-28
(54)【発明の名称】マッサージ機
(51)【国際特許分類】
   A61H 15/00 20060101AFI20241121BHJP
   A61H 23/02 20060101ALI20241121BHJP
   A61H 7/00 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
A61H15/00 340Z
A61H23/02 370
A61H7/00 320A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021098213
(22)【出願日】2021-06-11
(65)【公開番号】P2022189565
(43)【公開日】2022-12-22
【審査請求日】2024-04-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000136491
【氏名又は名称】株式会社フジ医療器
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大出 健太郎
【審査官】小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第204618808(CN,U)
【文献】特開2017-144049(JP,A)
【文献】特開2013-094442(JP,A)
【文献】特開2012-040175(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 15/00
A61H 23/02
A61H 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被施療者を施療する施療部と、
前記施療部を搭載する施療装置部と、
被施療者が把持可能な一対の把持部と、
前記施療装置部の両端部から延びて前記把持部に連結される一対の帯状の連結部と、
を備え、
前記把持部は、第1環状部と、第2環状部と、を有し、
前記第2環状部の少なくとも一部は、前記第1環状部よりも、前記連結部から離れており、
前記第1環状部及び前記第2環状部は、ループ状に形成され、
前記第1環状部の少なくとも一部は、前記第2環状部の内側に配置される、マッサージ機。
【請求項2】
前記第1環状部は、前記連結部を形成する帯状部材に取り付けられる第1帯状体を有し、
前記第2環状部は、前記帯状部材又は前記第1帯状体に取り付けられる第2帯状体を有する、請求項に記載のマッサージ機。
【請求項3】
前記第1環状部は、前記連結部を形成する帯状部材をループして形成され、
前記第2環状部が前記帯状部材に取り付けられる帯状体を有する、請求項に記載のマッサージ機。
【請求項4】
前記第1環状部は、前記連結部を形成する帯状部材と、前記帯状部材に両端が取り付けられる第1帯状体とで構成され、
前記第2環状部は、前記帯状部材と、前記帯状部材に両端が取り付けられる第2帯状体とで構成される、請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項5】
被施療者を施療する施療部と、
前記施療部を搭載する施療装置部と、
被施療者が把持可能な一対の把持部と、
前記施療装置部の両端部から延びて前記把持部に連結される一対の帯状の連結部と、
を備え、
前記把持部は、第1環状部と、第2環状部と、を有し、
前記第2環状部の少なくとも一部は、前記第1環状部よりも、前記連結部から離れており、
前記第2環状部は、前記連結部を形成する帯状部材をループして形成され、
前記第1環状部が前記第2環状部の内面に取り付けられる帯状体を有する、ッサージ機。
【請求項6】
前記第2環状部が囲む最大の面積は、前記第1環状部が囲む最大の面積よりも広い、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のマッサージ機。
【請求項7】
前記第2環状部の一端が前記第1環状部に接続される、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のマッサージ機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被施療者の首の後部を施療するネックマッサージャが知られている。たとえば、特許文献1の首・肩マッサージャでは、略U字形状のマッサージ体を首肩に掛けることにより、被施療者の首部の後方周囲と両肩部とに振動体でマッサージを施すことができる。
【0003】
また、一般的なネックマッサージャでは、首に掛けたマッサージャの両端を被施療者が両手で把持し、施療部を首の後部などの被施療部位に押し当てる。一方、ネックマッサージャは、首以外の被施療部位(たとえば腰部)の施療に用いることもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ネックマッサージャを把持する被施療者の手と、被施療部位との距離は、被施療部位がどこであるかによって異なってくる。たとえば、被施療部が腰部である場合での両者の距離は、被施療部が首の後部である場合よりも近くなる。そのため、被施療者は、腰部の施療の際には、ネックマッサージャを把持する手を前方に突き出す必要がある。従って、被施療部位に施療部を押し当てることが、あまり楽な姿勢ではできない虞がある。
【0006】
上記の状況を鑑みて、本発明は、楽な姿勢でしっかりと被施療部位に施療部を押し当てることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明の一の態様によるマッサージ機は、被施療者を施療する施療部と、施療部を搭載する施療装置部と、被施療者が把持可能な一対の把持部と、施療装置部の両端部から延びて把持部に連結される一対の連結部と、を備える。把持部は、第1環状部と、第2環状部と、を有する。第2環状部の少なくとも一部は、第1環状部よりも、連結部から離れている。
【0008】
本発明の更なる特徴や利点は、以下に示す実施形態によって一層明らかにされる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、楽な姿勢でしっかりと被施療部位に施療部を押し当てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】マッサージ機の斜視図
図2図1の下方から見たマッサージ機の平面図
図3A】マッサージ機の第1使用例を示す図
図3B】マッサージ機の第2使用例を示す図
図3C】マッサージ機の第3使用例を示す図
図3D】マッサージ機の第4使用例を示す図
図3E】マッサージ機の第5使用例を示す図
図4】マッサージ機の制御系を示すブロック図
図5A】把持部の第1構成例を示す概念図
図5B】把持部の第2構成例を示す概念図
図5C】把持部の第3構成例を示す概念図
図5D】把持部の第4構成例を示す概念図
図5E】把持部の第5構成例を示す概念図
図5F】把持部の第6構成例を示す概念図
図5G】把持部の第7構成例を示す概念図
図5H】把持部の第8構成例を示す概念図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
図1は、マッサージ機100の斜視図である。図2は、図1の下方Duから見たマッサージ機100の平面図である。図3Aは、マッサージ機100の第1使用例を示す図である。図3Bは、マッサージ機100の第2使用例を示す図である。図3Cは、マッサージ機100の第3使用例を示す図である。図3Dは、マッサージ機100の第4使用例を示す図である。図3Eは、マッサージ機100の第5使用例を示す図である。なお、図3A及び図3Bでは、図を見やすくするため、後述する取付部6の図示を省略している。
【0013】
なお、以下の説明において、マッサージ機100を使用する被施療者Uから見て、前側(正面側)を「前方」といい、被施療者Uから見て後側(背面側)を「後方」という。また、マッサージ機100を使用する被施療者Uから見て、鉛直上方(頭側)を「上方」といい、鉛直下方(脚側)を「下方」という。また、マッサージ機100を使用する被施療者Uから見て、右側を「右方」といい、左側を「左方」という。また、図3A図3Eにおいて、符号Fは前方を示し、符号Bは後方を示す。符号Uは上方を示し、符号Dは下方を示す。符号Rは右方を示し、符号Lは左方を示す。
【0014】
<1.マッサージ機100>
本実施形態のマッサージ機100は、図1及び図2に示すように、施療部1と、施療装置部2と、一対の連結部3L,3Rと、一対の把持部4L,4Rと、を備える。また、本実施形態のマッサージ機100は、一対の装着部5L,5Rをさらに備える。また、マッサージ機100は、一対の取付部6L,6Rをさらに備える。なお、取付部6L,6Rの詳細は後に説明する。また、以下では、一対の連結部3L,3Rを「連結部3」と総称することがあり、一対の把持部4L,4Rを「把持部4」と総称することがある。また、一対の装着部5L,5Rを「装着部5」と総称することがある。また、一対の取付部6L,6Rを「取付部6」と総称することがある。
【0015】
施療部1は、被施療者Uを施療する。本実施形態では、施療部1は、揉み玉11と、揉み玉11を駆動する駆動機構12と、を有する揉み玉装置により構成される。揉み玉装置は、被施療者Uの施療部1が当たる被施療部位に揉み玉11で押圧動作、揉み動作、叩き動作などを行う。但し、施療部1の構成は、この例示に限定されない。たとえば、施療部1は、被施療部位を押圧しつつ上下方向又は左右方向にローラーが移動するローラー装置であってもよい。或いは、施療部1は、膨縮可能なエアバッグであってもよい。若しくは、施療部1は、被施療部位に振動を伝える振動装置であってもよい。
【0016】
また、施療部1は、被施療部位との接触部分に配置される温熱ヒーター(図示省略)をさらに有してもよい。温熱ヒーターは、たとえば被施療部位との接触面上、又は、該接触面と施療部1との間などに配置でき、被施療部位を温めることができる。
【0017】
施療装置部2は、施療部1を搭載する。たとえば、施療装置部2は、筐体21と、外装部22と、網部23と、を有する。筐体21は、長手方向を有する形状であり、施療部1を保持する。外装部22は、たとえば布、人口皮革であり、施療部1及び筐体21を覆う。網部23は、通気性及び伸縮性を有するメッシュ材であり、被施療部位との接触部分における外装部22上に配置される。
【0018】
連結部3は、帯状であって、施療装置部2の両端部から延びて把持部4に連結される。たとえば、各々の連結部3は、変形可能であって、施療装置部2の長手方向における両端部からそれぞれ延びる。各々の連結部3は、たとえば布,人工皮革などの帯状部材3aにより形成される。各々の連結部3は、施療装置部2の端部と把持部4とを連結する。たとえば、左側の連結部3Lは、施療装置部2の左端部から延びる。左側の連結部3Lの一方端部は、施療装置部2の左端部に連結される。左側の連結部3Lの他方端部は、左側の把持部4Lに連結される。また、右側の連結部3Rは、施療装置部2の右端部から延びる。右側の連結部3Rの一方端部は、施療装置部2の右端部に連結される。右側の連結部3Rの他方端部は、右側の把持部4に連結される。
【0019】
把持部4には、被施療者Uが把持可能である。把持部4は、第1環状部41及び第2環状部42を有する。被施療者は、たとえばマッサージ機100で首の後方部位を施療する場合、第2環状部42を把持する(たとえば図3A参照)。また、被施療者は、たとえばマッサージ機100で腰部の後方部位を施療する場合、第1環状部41を把持する(たとえば図3B参照)。被施療部位によって把持する位置を変えることができるので、被施療者は、楽な姿勢でマッサージ機100による施療を受けることができる。把持部4の詳細な構成は、後に説明する。
【0020】
装着部5は、連結部3に配置されるとともに、施療器具200を装着可能である。なお、施療器具200は、マッサージ機100の構成要素であってもよいし、マッサージ機100の構成要素でなくてもよい。つまり、マッサージ機100は、施療器具200を予め備えてもよいし、所望の施療器具200を装着してもよい。施療器具200は、本実施形態では、ゴルフボールのような球体である。但し、施療器具200は、この例示に限定されない。好ましくは、施療器具200は、硬質であり、突起を有する形状である。或いは、施療器具200は、小型の揉み玉装置、ローラー装置、被施療部位に振動を伝える振動装置であってもよいし、膨縮可能なエアバッグであってもよい。
【0021】
本実施形態では図2に示すように、装着部5Lは連結部3Lに配置され、装着部5Rは連結部3Rに配置される。但し、この例示に限定されず、装着部5L,5Rのうち、装着部5Lのみが配置されてもよいし、装着部5Rのみが配置されてもよい。
【0022】
<2.マッサージ機100の制御系>
次に、図4を参照して、マッサージ機100の制御系の構成例を説明する。図4は、マッサージ機100の制御系を示すブロック図である。
【0023】
図4に示すように、マッサージ機100は、操作部101と、記憶部102と、制御部103と、駆動回路104と、電源部105と、をさらに備える。
【0024】
操作部101は、被施療者Uなどによる操作入力を受け付け、操作入力に基づく信号を制御部103に出力する。本実施形態では、操作部101は、施療装置部2に配置される。但し、この例示に限定されず、操作部101は、無線又は有線のコントローラであってもよい。
【0025】
記憶部102は、電力供給が停止しても記憶した情報を保持する非一過性の記憶媒体である。記憶部102は、たとえば、制御部103がマッサージ機100の各部を制御するために必要なプログラム及びデータなどを記憶している。また、記憶部102は、操作部101により指示された施療の条件などを記憶する。
【0026】
制御部103は、マッサージ機100の各部を制御する。たとえば、制御部103は、駆動回路104を介して施療部1を制御する。なお、施療器具200が電動の施療機器である場合、制御部103は、施療器具200を制御してもよい。
【0027】
電源部105は、マッサージ機100の制御部103を含む各部(たとえば施療部1)に電力を供給する。なお、施療器具200が電動の施療機器である場合、電源部105は、施療器具200に電力を供給してもよい。但し、この例示に限定されず、施療器具200には、施療部1とは別系統の電源から電力が供給されてもよい。たとえば、マッサージ機100は、電源部105とは異なる施療器具200用の電源装置を備えてもよい。
【0028】
本実施形態では、電源部105は、駆動回路1051と、バッテリー1052と、を有する。バッテリー1052は、リチウムイオン電池などの充放電可能な二次電池である。バッテリー1052は、バッテリー1052に着脱可能な電源線(図示省略)を介した外部の電力源との接続により充電可能である。充電の際、電源線は、たとえば、家庭用の電源コンセント、パーソナルコンピュータなどの情報機器のUSBポートなどに接続される。制御部103は、駆動回路1051を介して、バッテリー1052の充放電などを制御する。なお、電源部105の構成は、図4の例示に限定されない。電源部105は、外部の電力源と接続可能な電源線を含んでいてもよく、たとえば有線の電源装置であってもよい。
【0029】
<3.把持部4>
次に、図1図2及び図5A図5Hを参照して、把持部4の詳細な構成を説明する。図5Aは、把持部4の第1構成例を示す概念図である。図5Bは、把持部4の第2構成例を示す概念図である。図5Cは、把持部4の第3構成例を示す概念図である。図5Dは、把持部4の第4構成例を示す概念図である。図5Eは、把持部4の第5構成例を示す概念図である。図5Fは、把持部4の第6構成例を示す概念図である。図5Gは、把持部4の第7構成例を示す概念図である。図5Hは、把持部4の第8構成例を示す概念図である。
【0030】
前述の如く、把持部4は、第1環状部41と、第2環状部42と、を有する。本実施形態では、第1環状部41及び第2環状部42は、布、人工皮革などの帯状体で構成される。
【0031】
図5Aに示すように本実施形態では、第1環状部41は、帯状体411を有する。第2環状部42は、帯状体421を有する。帯状体411は、ループし、連結部3を形成する帯状部材3aに両端を取り付けられる。第1環状部41は、帯状部材3a及び帯状体411により形成される。帯状体421は、ループし、両端を帯状体411に取り付けられる。第2環状部42は、帯状体411及び帯状体421により形成される。これにより、第2環状部42の先端は、第1環状部41の先端よりも連結部3から離れて配置される。すなわち、第2環状部42の少なくとも一部は、第1環状部41よりも連結部3から離れる。
【0032】
この時、第2環状部42の少なくとも一端が第1環状部41に接続されるため、第1環状部41よりも連結部3から離れた第2環状部42を容易に形成することができる。また、帯状体421に使用される布、人工皮革などをより少なくすることができる。
【0033】
また、第2環状部42が囲む最大の面積は、第1環状部41が囲む最大の面積よりも広くなっている。これにより、詳細を後述するように、施療時に第2環状部42に手又は腕を斜め方向から容易に挿入することができる。
【0034】
なお、図5Bに示すように、ループして閉じられた帯状体421を帯状体411に取り付けてもよい。図5Eに示すように、ループして閉じられた帯状体421を帯状部材3aに取り付けてもよい。図5C及び図5Dに示すように、帯状体421の一端を帯状部材3aに接続して、他端を帯状体411に接続してもよい。図5Fに示すように、帯状体421の両端を帯状部材3aに接続してもよい。この時、図5C及び図5Fに示すように第1環状部41を第2環状部42の内側に形成すると、第2環状部42で囲まれる面積をより大きくすることができる。
【0035】
また、図5Gに示すように、連結部3を形成する帯状部材3aをループして第1環状部41を形成してもよい。つまり、帯状体411は、帯状部材3aと一体であってもよい。この際、帯状体421(帯状体)の両端を帯状部材3aに取付けることで、第2環状部42が形成される。これにより、把持部4の部品点数を削減できる。
【0036】
同様に、図5Hに示すように、連結部3を形成する帯状部材3aをループして第2環状部42を形成してもよい。つまり、帯状体421は、帯状部材3aと一体であってもよい。この際、帯状体411(帯状体)の両端を第2環状部42の内面に接続して第1環状部41が形成される。これにより、把持部4の部品点数を削減できるとともに、第1環状部41を第2環状部42の内側に容易に形成することができる。
【0037】
こうすれば、被施療者Uは、楽な姿勢でしっかりと身体の後方の被施療部位に施療部1を押し当てることができる。
【0038】
たとえば、被施療者Uの首、肩の後部を施療部1で施療する場合(図3Aなど参照)、被施療者Uは、首,肩の後部に施療部1を接触させて把持部4を下方に引っ張ることにより、施療部1を首、肩の後部に押し当てることができる。この際、被施療者Uは、施療装置部2が接する首、肩の後部から離れた位置(たとえば腹部、胸部下部)で把持部4を把持すると、把持部4を引っ張り易い。また、第2環状部42の少なくとも一部は、第1環状部41よりも連結部3の他方端部から遠く、つまり、より施療装置部2から遠い。従って、被施療者Uは、第2環状部42を手又は腕で引っ張ることにより、楽な姿勢でしっかりと首、肩の後部に施療部1を押し当てることができる。
【0039】
また、被施療者Uの腰部を施療部1で施療する場合(図3Bなど参照)、被施療者Uは、腰部に施療部1を接触させて把持部4を前方に引っ張ることにより、施療部1を腰部に押し当てることができる。この際、被施療者Uは、施療装置部2が接する腰部に近い位置(たとえば腹部)で把持部4を把持すると、把持部4を引っ張り易い。従って、被施療者Uは、より施療装置部2に近い第1環状部41を手又は腕で引っ張ることにより、楽な姿勢でしっかりと腰部に施療部1を押し当てることができる。
【0040】
好ましくは、第2環状部42が囲む最大の面積は、第1環状部41が囲む最大の面積よりも広い。こうすれば、第2環状部42は第1環状部41よりも広くできる。従って、被施療者Uは、手又は腕を第2環状部42の環形状に対して斜めに入れても、手又は腕を第2環状部42の内側に容易に通すことができる。但し、この例示は、第2環状部42が囲む最大の面積は第1環状部41が囲む最大の面積以下である構成を排除しない。
【0041】
また、好ましくは、第1環状部41の少なくとも一部は、第2環状部42の内側に配置される(たとえば図5A図5C図5D図5F図5G、及び図5Hなど参照)。こうすれば、第1環状部41は第2環状部42よりも外側に広がり難いので、把持部4が嵩張り難い。従って、把持部4をコンパクトにできる。但し、この例示は、第1環状部41の少なくとも一部が第2環状部42の内側に配置されない構成(たとえば図5B及び図5Eなど参照)を排除しない。
【0042】
<4.取付部6>
次に、図1図2及び図3C図3Eを参照して、取付部6の構成を説明する。
【0043】
取付部6は、各々の把持部4に配置され、被取付部材300に取付可能である。被取付部材300は、たとえば、被施療者Uのベルト(たとえば図3Cなど参照)、椅子のハンドレスト(たとえば図3Dなど参照)、ボトムス(ズボン、スカートなど)のような衣類のウエスト部分(たとえば図3Eなど参照)などである。
【0044】
好ましくは、取付部6は、把持部4に対して着脱可能である。こうすれば、把持部4を被取付部材300に接続しない場合は、取付部6を把持部4から外すことができる。従って、たとえば後述する係着部61が被施療者の意図しない箇所に係着することを防止できるので、マッサージ機100を使用する際に、取付部6が邪魔になることを防止できる。従って、被施療者Uは、快適にマッサージ機100を使用できる。但し、この例示は、取付部6が把持部4に対して着脱不能である構成を排除しない。
【0045】
取付部6は、被取付部材300に係着可能な係着部61を有する。係着部61は、本実施形態では、被取付部材300に引っ掛け可能なフック部611である。但し、この例示に限定されず、係着部61は、被取付部材300を挟むことが可能なクリップ部612であってもよいし、フック部611及びクリップ部612の両方を含んでもよい。つまり、係着部61は、たとえば、被取付部材300に引っ掛け可能なフック部611と、被取付部材300を挟むことが可能なクリップ部612と、のうちの少なくとも一方を含んでいてもよい。
【0046】
こうすれば、容易に取付部6を被取付部材300に取り付けできる。たとえば、被施療者Uの衣服の一部(ベルトなど)、椅子の手すりなどにフック部611を引っ掛けることにより、取り付けができる(図3C及び図3Dなど参照)。また、被施療者Uの衣服の一部(たとえばズボン、スカートの腰回り部分)などをクリップ部612で挟むことにより、取り付けができる(図3Eなど参照)。但し、この例示は、係着部61がフック部611及び上述のクリップ部612の両方を含まない構成を排除しない。つまり、係着部61はフック部611及び上述のクリップ部612以外の部材であってもよい。
【0047】
好ましくは、取付部6は、接続部材62と、アジャスタ部63と、をさらに有する。接続部材62は、係着部61と把持部4とを繋ぐ。アジャスタ部63は、接続部材62の長さを調節する。こうすれば、接続部材62により、被取付部材300が把持部4から離れていても、取付部6を介して容易に把持部4を被取付部材300に接続できる。さらに、アジャスタ部63によって、接続部材62を適切な長さに調節できる。たとえば、把持部4を被取付部材300に接続することで、被施療者Uが把持部4を引っ張らなくても、連結部3に適切な張力が作用するようにできる。なお、この例示は、接続部材62及びアジャスタ部63が省略される構成を排除しない。
【0048】
上記構成のマッサージ機100において、図3Aに示すように被施療者Uは施療装置部2を首に掛けて把持部4を把持して下方に引っ張る。これにより、被施療者Uの身体後方の首及び肩からなる被施療部位に施療部1が押し当てられて被施療部位の施療が行われる。この時、施療装置部2の端部から把持部4に向かう張力が連結部3に作用することにより、施療器具200は、被施療者Uに向かって押し当てられる。
【0049】
従って、マッサージ機100は、被施療者Uの後方部位だけでなく、施療器具200の押し当てによって被施療者Uの前方部位の施療もできる。たとえば、被施療者Uの鎖骨下部、胸部などの身体の前方部位に施療器具200を押し当てて前方部位の施療を行うことができる。また、把持部4の引っ張りに強弱をつければ、押圧、揉み、叩きなどに似た施療動作を行うこともできる。
【0050】
なお、上述とは逆に、施療装置部2を首の前面に掛けて施療部1が被施療者Uの前方部位を施療する場合には、施療器具200によって後方部位の施療もできる。また、施療器具200が着脱可能であるため、被施療者Uは、自身の好みに応じて、装着する施療器具200の種類、大きさ、硬さ、形状などを選択できる。よって、マッサージ機100は、被施療者Uの好みに応じた施療を身体の広い範囲に施すことができる。
【0051】
また、図3Bに示すように、被施療者Uは施療装置部2を腰に掛けて把持部4を把持して前方に引っ張る。これにより、被施療者Uの身体後方の腰からなる被施療部位に施療部1が押し当てられて被施療部位の施療が行われる。
【0052】
また、図3Cに示すように、施療装置部2を首に掛けて施療を行う際に、被施療者Uのベルトなどの被取付部材300に係着部61を係着させる。図3Cでは、ベルトにフック部611を引っ掛けている。これにより、被施療者Uが把持部4を把持しなくても、施療部1を被施療者Uの首及び肩からなる被施療部位に押し当てて、その状態を維持できる。また、上記と同様に、施療器具200により被施療者の前方部位が施療される。つまり、被施療者Uは、ハンズフリーでマッサージ機100を使用できる。この時、アジャスタ部63によって、接続部材62の長さを調節して適度な張力で連結部3を引っ張り、施療部1及び施療器具200による施療を行うことができる。
【0053】
同様に、図3Dに示すように、施療装置部2を首に掛けて施療を行う際に、椅子のハンドレストなどの被取付部材300に係着部61を係着させる。図3Dでは、ハンドレストにフック部611を引っ掛けている。これにより、上記と同様に、被施療者Uは、ハンズフリーでマッサージ機100を使用できる。
【0054】
また、図3Eに示すように、施療装置部2を首に掛けて施療を行う際に、被施療者Uの衣類(たとえばズボンのウエスト部分)の被取付部材300に係着部61を係着させる。図3Eでは、ウエスト部分をクリップ部612で挟んでいる。これにより、被施療者Uが把持部4を把持しなくても、施療部1を被施療者Uの首及び肩からなる被施療部位に押し当てて、その状態を維持できる。また、上記と同様に、施療器具200により被施療者の前方部位が施療される。つまり、被施療者Uは、ハンズフリーでマッサージ機100を使用できる。この時、アジャスタ部63によって、接続部材62の長さを調節して適度な張力で連結部3を引っ張り、施療部1及び施療器具200による施療を行うことができる。
【0055】
<5.まとめ>
上述の実施形態で説明したマッサージ機100は、被施療者Uを施療する施療部1と、施療部1を搭載する施療装置部2と、被施療者Uが把持可能な一対の把持部4と、施療装置部2の両端部から延びて把持部4と連結される一対の連結部3と、を備える。把持部4は、第1環状部41と、第2環状部42と、を有する。第2環状部42の少なくとも一部は、第1環状部41よりも、連結部3から離れている。
【0056】
この構成によれば、被施療者Uは、楽な姿勢でしっかりと身体の後方の被施療部位に施療部1を押し当てることができる。
【0057】
たとえば、被施療者Uの首、肩の後部を施療部1で施療する場合(たとえば図3Aなど参照)、被施療者Uは、首,肩の後部に施療部1を接触させて把持部4を下方に引っ張ることにより、施療部1を首、肩の後部に押し当てることができる。この際、被施療者Uは、施療装置部2が接する首、肩の後部から離れた位置(たとえば腹部、胸部下部)で把持部4を把持すると、把持部4を引っ張り易い。また、第2環状部42の少なくとも一部は、第1環状部41よりも連結部3の他方端部から遠く、つまり、より施療装置部2から遠い。従って、被施療者Uは、第2環状部42を手又は腕で引っ張ることにより、楽な姿勢でしっかりと首、肩の後部に施療部1を押し当てることができる。
【0058】
また、被施療者Uの腰部を施療部1で施療する場合(たとえば図3Bなど参照)、被施療者Uは、腰部に施療部1を接触させて把持部4を前方に引っ張ることにより、施療部1を腰部に押し当てることができる。この際、被施療者Uは、施療装置部2が接する腰部に近い位置(たとえば腹部)で把持部4を把持すると、把持部4を引っ張り易い。従って、被施療者Uは、より施療装置部2に近い第1環状部41を手又は腕で引っ張ることにより、楽な姿勢でしっかりと腰部に施療部1を押し当てることができる。
【0059】
また、第2環状部42が囲む最大の面積は、第1環状部41が囲む最大の面積よりも広くてもよい。
【0060】
この構成によれば、第2環状部42は第1環状部41よりも広くできる。従って、被施療者Uは、手又は腕を第2環状部42の環形状に対して斜めに入れても、手又は腕を第2環状部42の内側に容易に通すことができる。
【0061】
また、第1環状部41の少なくとも一部は、第2環状部42の内側に配置されてもよい。
【0062】
この構成によれば、第1環状部41は第2環状部42よりも外側に広がらないので、把持部4が嵩張り難い。従って、把持部4をコンパクトにできる。
【0063】
また、第2環状部42の一端が第1環状部41に接続されてもよい。
【0064】
この構成によれば、簡易な構成で、第1環状部41及び第2環状部42を構成できる。
【0065】
また、第1環状部41は、連結部3を形成する帯状部材3aに取り付けられる帯状体411を有してもよい。第2環状部42が帯状体421を有してもよい。帯状体421は、帯状部材3a又は帯状体411に取り付けられる。
【0066】
この構成によれば、第1環状部41よりも連結部3から離れた第2環状部42を容易に形成することができる。また、第2環状部42の少なくとも一端を第1環状部41に接続することにより、また、帯状体421に使用される布、人工皮革などをより少なくすることができる。
【0067】
或いは、第1環状部41は、連結部3を形成する帯状部材3aをループして形成されてもよい。第2環状部42が帯状体421を有してもよい。帯状体421は、帯状部材3aに取り付けられる。
【0068】
この構成によれば、把持部4の部品点数を低減できる。
【0069】
又は、第2環状部42は、連結部3を形成する帯状部材3aをループして形成されてもよい。第1環状部41が帯状体411を有してもよい。帯状体411は、第2環状部42の内面に取り付けられる。
【0070】
この構成によれば、把持部4の部品点数を削減できるとともに、第1環状部41を第2環状部42の内側に容易に形成することができる。
【0071】
また、マッサージ機100は、取付部6をさらに備えてもよい。取付部6は、各々の把持部4に配置され、被取付部材300に取付可能である。取付部6は、被取付部材300に係着可能な係着部61を有してもよい。
【0072】
この構成によれば、取付部6の係着部61を被取付部材300に係着させることにより、把持部4を被取付部材300に接続できる。たとえば、被施療者Uは、被施療者Uのベルト(図3Cなど参照)、椅子のハンドレスト(図3Dなど参照)、ボトムス(ズボン、スカートなど)のような衣類(図3Eなど参照)などの被取付部材300に、係着部61を係着できる。従って、被施療者Uが把持部4を把持しなくても、施療部1を被施療者Uに押し当てて、その状態を維持できる。つまり、被施療者Uは、ハンズフリーでマッサージ機100を使用できる。
【0073】
また、取付部6は、把持部4に対して着脱可能であってもよい。
【0074】
この構成によれば、把持部4を被取付部材300に接続しない場合は、取付部6を把持部4から外すことができる。たとえば、不要な部材に係着部61が係着することを防止できる。従って、マッサージ機100を使用する際に、取付部6が邪魔になることを防止できる。従って、被施療者Uは、快適にマッサージ機100を使用できる。
【0075】
また、係着部61は、フック部611と、クリップ部612と、のうちの少なくともどちらかを含んでもよい。フック部611は、被取付部材300に引っ掛け可能である。クリップ部612は、被取付部材300を挟むことが可能である。
【0076】
この構成によれば、容易に取付部6を被取付部材300に取り付けできる。たとえば、被施療者Uの衣服の一部(ベルトなど)、椅子の手すりなどにフック部611を引っ掛けることにより、取り付けができる(図3C及び図3Dなど参照)。また、被施療者Uの衣服の一部(たとえばズボン、スカートの腰回り部分)などをクリップ部612で挟むことにより、取り付けができる(図3Eなど参照)。
【0077】
また、取付部6は、接続部材62と、アジャスタ部63と、をさらに有してもよい。接続部材62は、係着部61と把持部4とを繋ぐ。アジャスタ部63は、接続部材62の長さを調節する。
【0078】
この構成によれば、接続部材62により、被取付部材300が把持部4から離れていても、取付部6を介して容易に把持部4を被取付部材300に接続できる。さらに、アジャスタ部63によって、接続部材62を適切な長さに調節できる。たとえば、把持部4を被取付部材300に接続することで、被施療者Uが把持部4を引っ張らなくても、連結部3に適切な張力が作用するようにできる。
【0079】
<6.その他>
以上、本発明の実施形態について説明した。なお、上述の実施形態は例示であり、その各構成要素及び各処理の組み合わせに色々な変形が可能であり、本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0080】
たとえば、上述の実施形態では、マッサージ機100は、取付部6を備える。但し、この例示は、取付部6が省略される構成を排除しない。
【符号の説明】
【0081】
100 マッサージ機
101 操作部
102 記憶部
103 制御部
104 駆動回路
105 電源部
1051 駆動回路
1052 バッテリー
1 施療部
11 揉み玉
12 駆動機構
2 施療装置部
21 筐体
22 外装部
23 網部
3,3R,3L 連結部
3a 帯状部材
4,4R,4L 把持部
41 第1環状部
411 帯状体
42 第2環状部
421 帯状体
5,5R,5L 装着部
6,6R,6L 取付部
61 係着部
611 フック部
612 クリップ部
62 接続部材
63 アジャスタ部
200 施療器具
201 磁性部材
300 被取付部材
U 被施療者
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図5H