IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サンヴィタ メディカル エルエルシーの特許一覧

特許7591520皮下検体センサアプリケータ及び連続的測定システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-20
(45)【発行日】2024-11-28
(54)【発明の名称】皮下検体センサアプリケータ及び連続的測定システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/1473 20060101AFI20241121BHJP
   A61B 5/1486 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
A61B5/1473
A61B5/1486
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021568432
(86)(22)【出願日】2019-05-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-07
(86)【国際出願番号】 US2019032114
(87)【国際公開番号】W WO2020231405
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2022-05-11
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519226517
【氏名又は名称】サンヴィタ メディカル コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ピーターソン トーマス エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】スコット ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】フロリンディ アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】カエディング ステン ピー.
(72)【発明者】
【氏名】デレモナシェ マウロ
【審査官】後藤 昌夫
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0198034(US,A1)
【文献】特表2013-523216(JP,A)
【文献】特表2017-525516(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0290546(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00-5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦軸(L1)を有するアプリケータモジュール(15)と、センサモジュール(160)と、を有する測定システム(10)であって、
前記アプリケータモジュール(15)は、
アプリケータ本体(22)を形成しアプリケータハウジング室(28)を画定するアプリケータ周壁(25)と、近位本体端部(24)に隣接する内側を向いているアプリケータハウジング保持アーム(30)と、前記近位本体端部(24)に配設された近位外側本体フランジ部(27)と、前記アプリケータ周壁(25)に設けられ前記縦軸(L1)方向に細長いカム壁面(32)と、を有するアプリケータハウジング(21)と、
ボタン室(58)とボタン保持アーム(60)とを画定し、前記アプリケータハウジング(21)が該ボタン室(58)内に部分的に収容される、展開ボタン(50)と、
前記展開ボタン(50)が使用準備の整った準備位置にあるときに、前記ボタン室(58)内に完全に配設され固定され、且つ、前記アプリケータハウジング室(28)内に部分的に配設される、挿入アセンブリ(100)と、
を有し、
前記挿入アセンブリ(100)は、
前記ボタン保持アーム(60)と相互作用し前記ボタン室(58)内に前記挿入アセンブリ(100)を固定するアセンブリハウジング係止スロット(130)を有する挿入アセンブリハウジング(110)であって、アセンブリハウジング室(118)及び前記挿入アセンブリハウジング(110)内に形成されるアセンブリハウジング保持アーム(120)を画定し、前記アセンブリハウジング保持アーム(120)は、外側を向いていて前記アプリケータハウジング(21)の前記カム壁面(32)と係合するハウジングアームフック面(121)を有し、前記アセンブリハウジング保持アーム(120)は、前記展開ボタン(50)が作動するときに、前記アプリケータハウジング(21)と相互作用して前記準備位置から展開位置に移動する、挿入アセンブリハウジング(110)と、
前記アセンブリハウジング室(118)内に配設された付勢要素(149)と、
針アセンブリ(140)と、
を有し、
該針アセンブリ(140)は、
針(155)と、
針本体(142)であって、該針本体(142)に形成され、外側を向いている針保持アームフック面(151)を有する針本体保持アーム(150)と、該針本体(142)に形成された針収容部(154)と、を有する針本体(142)と、
を含み、
前記挿入アセンブリ(100)の前記挿入アセンブリハウジング(110)は、前記針本体保持アーム(150)と相互作用する針アセンブリ係止スロット(132)を備え、
前記針(155)は、針軸(L2)を画定する前記針本体(142)を越えて所定距離で前記縦軸(L1)に平行に延在し、前記付勢要素(149)は、前記針本体(142)と前記挿入アセンブリハウジング(110)に対して位置決めされ、前記付勢要素(149)は、前記展開ボタン(50)が前記準備位置にあるときは圧縮状態にあり、前記展開ボタン(50)が前記展開位置にあるときは比較して圧縮されていない状態にあり、
前記センサモジュール(160)は、
前記展開ボタン(50)が作動されることを介して前記針(155)を収容するように適合された下ハウジング開口部(176)と、動力アクチュエータ(175)と、を有するセンサ下ハウジング(170)であって、前記アプリケータハウジング保持アーム(30)によって前記アプリケータハウジング(21)に解放可能に接続される、該センサ下ハウジング(170)と、
前記針(155)が延在するハウジング上部開口部(206)を備える上ハウジング上部(205)を有するセンサ上ハウジング(200)であって、前記挿入アセンブリハウジング(110)に対して取り外し可能に保持され前記センサ下ハウジング(170)から間隔がある、該センサ上ハウジング(200)と、
前記センサ上ハウジング(200)内に配設され、前記展開ボタン(50)が前記展開位置にあるときに前記動力アクチュエータ(175)による付勢張力が提供されるように構成された回路電源スイッチ(240)を備える電子回路(230)と該電子回路(230)に電気的に結合するセンサ(250)とを有する電気センサアセンブリ(220)であって、該センサ(250)は前記展開ボタン(50)が前記準備位置にあるときに前記針(155)内に一時的に配設される、該電気センサアセンブリ(220)と、
を有し、
前記測定システム(10)は、
前記センサ下ハウジング(170)に溶接される非粘着側を備える片面粘着パッド(14)を更に有し、
ユーザ又は患者の皮下に前記センサ(250)を挿入するために、前記展開ボタン(50)がユーザ又は患者により1回操作されて、前記準備位置から前記展開位置に移動するのに伴い、前記測定システム(10)が、前記センサモジュール(160)を単一ユニットとして組付けることと、前記センサ(250)を皮下に挿入することと、前記針アセンブリ(140)を引き戻すことと、前記電気センサアセンブリ(220)の前記回路電源スイッチ(240)をオンにすることと、前記アプリケータモジュール(15)から前記センサモジュール(160)を解放することと、前記患者の皮膚面から前記アプリケータモジュール(15)を解放することと、を、実質的に同時に実施する、測定システム。
【請求項2】
前記アプリケータハウジング(21)は、前記近位本体端部(24)に隣接して近位内側本体フランジ部(26)を有する、
請求項1に記載の測定システム。
【請求項3】
前記展開ボタン(50)は、
前記ボタン室(58)と閉じたボタン遠位端(53)と前記ボタン保持アーム(60)とを画定するボタンの細長い本体(52)を有し、
前記ボタン保持アーム(60)は、ある所定の距離で前記閉じたボタン遠位端(53)から開いたボタン近位端(54)に向かって前記ボタン室(58)内で延在する、
請求項1に記載の測定システム。
【請求項4】
前記挿入アセンブリハウジング(110)は、
前記アセンブリハウジング室(118)を画定するアセンブリ周壁(111)を有するアセンブリハウジング本体(112)と、
閉じたハウジング近位端(114)と、
前記閉じたハウジング近位端(114)に凹んだハウジング底部(115)と、
開いたハウジング遠位端(113)と、
前記アセンブリ周壁(111)に形成され前記閉じたハウジング近位端(113)に向かって延在する前記アセンブリハウジング保持アーム(120)と、
前記アセンブリ周壁(111)に形成され、前記閉じたハウジング近位端(113)に向かってそれを越えて延在し、内側を向いているハウジングフィンガフック面(125)を有し、前記センサ上ハウジング(200)を保持する、複数のハウジング保持フィンガ(124)と、
前記アセンブリハウジング係止スロット(130)と、
前記針アセンブリ係止スロット(132)と、
を有する、
請求項1に記載の測定システム。
【請求項5】
前記付勢要素(149)は、前記挿入アセンブリハウジング(110)の凹んだハウジング底部(115)に対して一端に位置する、
請求項1に記載の測定システム。
【請求項6】
前記針本体(142)は、
針本体周壁(141)と、
針本体上部(145)を形成する閉じた針本体遠位端(143)と、
開いた針本体近位端(144)と
を有し、
前記針本体保持アーム(150)は前記針本体周壁(141)に形成され、
それによって前記外側を向いている針保持アームフック面(151)が前記閉じた針本体遠位端(143)に隣接して配置され、
前記針本体(142)は、
前記針本体上部(145)に形成された針収容部(154)を更に有し、
前記針(155)は、前記針本体遠位端(143)に隣接して固定され、前記開いた針本体近位端(144)を越えて所定の距離だけ前記針本体周壁(141)に並行に延在し、
前記付勢要素(149)は、前記開いた針本体近位端(144)を介して前記閉じた針本体遠位端(143)に反して配置される、
請求項1に記載の測定システム。
【請求項7】
前記センサ下ハウジング(170)は、下ハウジング底部(172)から前記アプリケータハウジング室(28)に向かって所定の距離だけ上方に延在する複数の下ハウジング係止要素(174)を有し、
前記センサ上ハウジング(200)は、上ハウジング係止凹部(210)を有し、
前記上ハウジング係止凹部(210)は、前記センサモジュール(160)を形成するために前記センサ下ハウジング(170)と前記センサ上ハウジング(200)とが結合されて前記皮膚上で展開されるときに、前記下ハウジング係止要素(174)と係合するように構成されている、請求項1に記載の測定システム。
【請求項8】
前記センサ下ハウジング(170)は、
下ハウジング壁(172)に下ハウジング係止凹部(178)を有し、
前記展開ボタン(50)が前記準備位置にあるときに、前記アプリケータハウジング保持アーム(30)が前記下ハウジング係止凹部(178)に係合する、
請求項1に記載の測定システム。
【請求項9】
前記センサ上ハウジング(200)は、
上記上ハウジング上部(205)の周にハウジング上部フランジ部(208)を形成する上記上ハウジング上部(205)から延在する上ハウジング壁(207)を有し、
前記上ハウジング壁(207)は、
上記センサ下ハウジング(170)の複数の下ハウジング係止要素(174)へ対となって接続するように適合される複数の上ハウジング係止凹部(210)を有する、
請求項1に記載の測定システム。
【請求項10】
前記電気センサアセンブリ(220)は、
前記電子回路(230)と前記回路電源スイッチ(240)との間に結合されたバッテリ(235)を有する、
請求項1に記載の測定システム。
【請求項11】
前記センサモジュール(160)と無線通信するためのソフトウェアを有する電子装置(902)を更に備える、
請求項1に記載の測定システム。
【請求項12】
(a)アプリケータハウジング室(28)とアプリケータハウジング保持アーム(30)とを画定するアプリケータハウジング(21)と、
(b)ボタン室(58)とボタン保持アーム(60)とを画定する展開ボタン(50)と、
(c)挿入アセンブリハウジング(110)であって、アセンブリハウジング室(118)と、該挿入アセンブリハウジング(110)に形成され前記アプリケータハウジング(21)の第1面部凹部(33)と係合するアセンブリハウジング保持アーム(120)であって外側を向いているハウジングアームフック面(121)を有するアセンブリハウジング保持アーム(120)と、を画定する挿入アセンブリハウジング(110)と、
(d)付勢要素(149)と、
(e)針本体(142)と該針本体(142)に固定して取り付けられた針(155)とを有し、該針(155)が針軸(L2)を画定する前記針本体(142)を越えて所定距離延在する、針アセンブリ(140)と、
(f)動力アクチュエータ(175)と、前記針(155)を受けるように適合される下ハウジング開口部(176)と、前記アプリケータハウジング保持アーム(30)が係合する下ハウジング係止凹部(178)と、を備えるセンサ下ハウジング(170)と、
(g)ハウジング上部開口部(206)を備える上ハウジング上部(205)を備えるセンサ上ハウジング(200)と、
(h)前記展開ボタン(50)が展開位置にあるときに前記動力アクチュエータ(175)による付勢張力が提供されるように構成された回路電源スイッチ(240)を備える電子回路(230)と、該電子回路(230)に電気的に結合するセンサ(250)と、を備える電気センサアセンブリ(220)と、
のそれぞれを形成することと、
閉じたハウジング近位端(114)とハウジング近位端開口部(116)と針アセンブリ係止スロット(132)とを有する前記挿入アセンブリハウジング(110)、の前記アセンブリハウジング室(118)内に前記付勢要素(149)を配設することと、
前記針本体(142)が前記付勢要素(149)と接触するように前記アセンブリハウジング室(118)内に前記針アセンブリ(140)を挿入し、その後、前記針(155)が前記閉じたハウジング近位端(114)を越えて且つ前記ハウジング近位端開口部(116)を介して延在するように、前記針アセンブリ(140)が有する針本体保持アーム(150)が前記挿入アセンブリハウジング(110)の前記針アセンブリ係止スロット(132)に係止するまで、前記付勢要素(149)を圧縮するように前記アセンブリハウジング室(118)に前記針本体(142)を押すことと、
前記展開ボタン(50)の前記ボタン保持アーム(60)が、前記挿入アセンブリハウジング(110)が有するアセンブリハウジング係止スロット(130)に係止するまで、前記針アセンブリ(140)と、前記付勢要素(149)と、前記挿入アセンブリハウジング(110)と、を前記展開ボタン(50)の前記ボタン室(58)内に挿入することと、
前記針アセンブリ(140)の前記針(155)が前記センサ上ハウジング(200)の上ハウジング上部開口部(206)を介して延在するように、前記センサ上ハウジング(200)を前記針アセンブリ(140)と前記付勢要素(149)とを備える前記挿入アセンブリハウジング(110)に取り付けることと、
前記センサ(250)が前記針(155)内に位置するように、前記電気センサアセンブリ(220)を前記センサ上ハウジング(200)に挿入することであって、前記挿入アセンブリハウジング(110)と、前記付勢要素(149)と、前記針アセンブリ(140)と、前記センサ上ハウジング(200)と、前記電気センサアセンブリ(220)は、挿入アセンブリ(100)を形成する、前記挿入することと、
前記センサ下ハウジング(170)を、前記アプリケータハウジング(21)が有する開いた近位本体端部(24)に取り付けることと、
前記アセンブリハウジング保持アーム(120)が、前記アプリケータハウジング(21)が有する前記第1面部凹部(33)に引っ掛かるまで、前記アプリケータハウジング(21)が有するアプリケータ周壁(25)が前記挿入アセンブリハウジング(110)を介してスライドするように、前記アプリケータハウジング(21)の一部を所定の距離だけ前記ボタン室(58)に挿入することと、
を更に含む、
測定システム(10)を作成する方法。
【請求項13】
片面粘着テープ(14)のパッド開口部(14a)が前記針軸(L2)と整列するように、該パッド開口部(14a)を備える該片面粘着テープ(14)を前記アプリケータハウジング(21)の前記開いた近位本体端部(24)に取り付けること、
を更に含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[背景]
1.発明の分野
本発明は、概して、連続的な検体の測定に関する。より詳細には、本発明は、皮下挿入可能検体センサ、自動挿入アセンブリ、及び読取装置を有する検体測定システムに関する。
【0002】
2.従来技術の説明
連続的検体測定装置は、患者の皮膚に埋め込むために開発されている。連続的測定システムは、典型的には、皮下又は皮下脂肪層に挿入される超小型埋め込み型センサを用い、組織液中の検体レベルを検査する。送信機が、例えば、モニタへ有線にて、又は、センサから無線モニタへ電波により無線にて、検体レベルについて情報を送信する。これらの装置は、典型的には、3~7日の使用日数の間埋め込まれ、患者のグルコース値をリアルタイムで測定する。
【0003】
そのような装置の一つが、Thomas H. Peterson等による国際公開番号WO2018/118061に開示されている。連続的グルコース測定システム及び方法が開示される。このシステム及び方法は、皮膚を通して皮下組織内にセンサを挿入するための自動挿入アセンブリを有し、センサを備える自動挿入ハウジングが挿入後に皮膚上に残る。また、このシステム及び方法は、挿入後にセンサハウジングに取り付け可能なセンサハウジングカバーを有し、このセンサハウジングカバーは、電子モジュールとバッテリを備える。このシステム及び方法は、センサハウジングカバーアセンブリの電子モジュールと通信するための無線通信が装備される電子装置も有し、この電子装置はセンサからの入力信号を受信し、入力信号を検体データに変換し、検体データを電子装置のユーザインターフェース上に表示し、呼び出すためにデータを保存し、データの報告を作成及び/又は送信するように、構成される。
【0004】
Vivek Rao等による米国特許出願公開番号2018/0235520では、被験者の体液中の検体レベルを感知するために、皮膚センサのような生体内検体センサの少なくとも一部を挿入する、システム、装置及び方法が提供される。アプリケータが皮膚表面に対して位置決めされ、鋭利物の一部及び生体内検体センサが被験者の体内で位置決めされるように、力がアプリケータに付与される。特に、本明細書では、早まった急な引きを防ぎ、及び/又は不適切なセンサ挿入の可能性を低減するように設計されたアプリケータの実施形態が開示される。また、センサ用の挿入経路を作成するように構成され得る、角度のある鋭利物を有する鋭利なモジュールを含むアプリケータの実施形態も開示される。
【0005】
Vivek Rao等による米国特許出願公開番号2016/0058344では、生体内検体センサのアセンブリと後続の送り出しに関する、システム、装置、及び方法が提供される。センサ電子機器を有するアプリケータは、鋭利物及び検体センサを有するアセンブリを含むトレイに挿入される。この挿入により、アセンブリがセンサ電子機器と結合し、引き返すことのできるセンサ制御装置がアプリケータ内で保持されて形成される。アプリケータは、その後、ユーザの検体レベルを測定するためにユーザの体の適切な位置に配置され得る。
【0006】
Thomas H. Peterson等による米国特許出願公開番号2016/0058344の装置は、生体内センサの皮下埋め込み用の装置である。この装置は、薬剤送出能力を有する連続グルコースモニタリングのための自動挿入アセンブリであって、このアセンブリは、事前解放位置に保持される鋭利部を有する針展開機構を含む展開ボタンと、その上部端内に展開ボタンが移動可能に受容されるハウジング本体とを有する。ハウジング本体は、ルーメンと、ルーメン内に配設され、ルーメンからセンサ展開アセンブリの一部である回路基板まで延在する、センサと、を含むセンサ展開アセンブリを有する。センサ展開アセンブリが鋭利部に嵌合接続し、ここで、鋭利物は、センサ展開アセンブリを超えて延在する。センサ展開アセンブリは、鋭利物に固定して取付けられていないセンサと、ハウジング本体の下側端内に解放可能に受容されるセンサハウジングとを含む。鋭利物が、センサハウジング内で、且つ、センサハウジングの底部のセンサ開口の真上で、センサ展開アセンブリ凹部内に延在する。
【0007】
Vivek Rao等による米国特許番号10,213,139は、生体内検体センサのアセンブリ及び後続の送り出し用の、システム、装置、並びに方法を開示する。センサ電子機器を有するアプリケータは、鋭利部と検体センサとを有するアセンブリを含むトレイに挿入される。この挿入により、アセンブリがセンサ電子機器と結合し、アプリケータの中に保持された引き返すことのできるセンサ制御装置が形成される。アプリケータは、その後、ユーザの分解物レベルを測定するためにユーザの体の適切な場所に設置され得る。
【0008】
Manuel L. Donnay等による米国特許番号10,010,280は、被験者の皮膚内に医療用機器を挿入する装置と、医療用機器を挿入する方法とを開示する。実施形態は、略筒状のスリーブを露出するために略筒状のキャップを自動挿入から取り除くことと、センサ部品を保持する略筒状のコンテナからカバーを取り除くことと、自動挿入にセンサ部品を嵌め込むことと、を含む。
【0009】
Gary a. Stafford による米国特許番号9,788,771は、生体の皮膚内に経皮的センサを配置する自動センサ自動挿入を開示する。この発明の局面によると、センサ挿入速度のような挿入の特徴は、ユーザにより変えられてもよい。幾つかの実施形態では、挿入速度は、駆動バネ圧縮量を変更することで変えられる。バネ圧縮量は、連続した設定値の範囲から選択してもよく、及び/又は、有限の数の離散設定値から選択してもよい。この自動挿入器の使用に関連する方法も含有される。
【0010】
Gary a. Stafford による米国特許番号9,750,444は、電子機器ユニットとオンボディ検体測定装置内の検体センサとの間の電気通信を可能にするための圧縮性相互接続を提供するシステム及び方法を開示する。他の実施形態では、新しい相互接続を利用することにより、オンボディ検体測定装置のZ高さを低減するシステム及び方法が提供される。
【0011】
Louis Pace等による米国特許番号9,402,570では、オンボディ検体センサユニットと関連する装置が開示される。これら装置は、梱包及び/又は積荷システム、アプリケータ、及びオンボディセンサ自体の要素のいずれかを含む。また、関連するオンボディ検体センサユニットに対して、及び/又はその中で、電気化学検体センサを接続する様々な方法も開示される。このコネクタアプローチは、エンドユーザがそれらをまとめるまで離れた状態に保たれる個別の電子機器アセンブリとセンサ要素の組み立てを容易にするために、独自のセンサと補助要素の配置の使用を様々に伴う。
【0012】
John Mastrototaroによる米国特許第5,299,571は、生体内センサの埋め込みのための装置を開示する。この装置は、ハウジング、ハウジングから延在するデュアルルーメンチューブ、及び、チューブの一方のルーメン内に収容される生体内センサとを含む。針は、チューブの他方のルーメン内に収容され、皮膚を通してチューブを挿入するために用いられる。埋め込み後、針は取り外され、フレキシブルチューブ及びセンサは、皮膚の下に残される。
【0013】
米国特許出願公開番号2010/0022863(2010年、Mogensen等)は、経皮的センサ用の自動挿入器を開示する。この自動挿入器は、針ユニット及びセンサハウジングを含む。針ユニットは針ハブ及びキャリア本体を有する。センサハウジング及び針ハブは解除可能に接続され、それらが接続されるとき、挿入針が、センサに沿って(例えば、センサを完全に、又は、部分的に包囲して)取り付けられる。キャリア本体は、後退位置と前進位置との間で、ハウジングに対する移動を案内する。解除されるとき、針ユニット及びセンサハウジングは、ばねユニットにより、針及びセンサが皮下に配置される前進位置に押される。ハウジングの脚部で上方に湾曲する部分が、患者の皮膚への約30度の挿入角度を設定する。
【0014】
米国特許出願公開番号2012/0226122(2012年、Meuniot等)は、検体センサ用の自動挿入装置を開示する。この装置は、皮下脂肪層の上方に配置されるハウジング、ブレードシャトル(blade shuttle)、及び、センサシャトルを有する。ばねが、ブレードシャトルとセンサシャトルとの間で圧縮される。ブレードシャトル及びセンサシャトルは、皮下脂肪層に向かって移動する。ばね力がばねにより解放されるとき、ブレードシャトルは、皮下脂肪層に向かって移動して皮下脂肪層を突き刺し、皮下脂肪層への経路を生成する。検体センサは、ブレードシャトルにより生成される経路内へ、ブレードシャトルを追うことでセンサシャトルにより埋め込まれる。ブレードシャトルは、その後、皮下脂肪層から後退し、検体センサを脂肪層に残す。
【0015】
米国特許出願公開番号2013/0256289(2013年、Hardvary等)は、診断装置を開示する。この診断装置は、装置内で測定手段に固定して接続される診断要素の皮内配置のための、部分的に引き込み可能な中空ガイド針を有する。これは、皮膚内への配置後に、ガイド針を取り外し、診断要素を測定手段に接続する必要性を排除する。
【0016】
[発明の概要]
本開示において、「実質的に同時に」という用語は、患者の皮膚内で皮下にセンサを挿入するために挿入アプリケータがユーザ/患者によって動かされるときに本発明の皮下センサ挿入アプリケータ内で発生する個々の作用(すなわち、センサモジュールを単一ユニットとして組み立てること、センサを皮下に挿入すること、針アセンブリを引っ込めること、電子センサアセンブリへの電源スイッチをオンにすること、アプリケータモジュールからセンサモジュールを解放することと、そして、皮膚の表面からアプリケータモジュールを解放すること)が、センサ挿入過程の中で人間により感知されないことを意味する。
【0017】
本発明の目的は、全てを含み単一使用の連続的な検体測定システムを提供することである。
本発明は、センサモジュールが挿入後に皮膚上に残される、皮膚を介して皮下組織にセンサを挿入するためのアプリケータモジュールと、このセンサモジュールとの通信用に無線通信を具備する、例えばスマートフォンなどのような電子表示装置と、を含む、連続的な検体測定システム及び方法を提供することにより、これら及び他の目的を達成する。この電子表示装置は、センサからの入力信号を受け、入力信号をアナライトデータに変換し、電子機器のユーザインターフェースにこのアナライトデータを表示し、リコール用にデータを保存し、且つ、データの報告を作成及び/又は送信するように、構成される。様々なセンサと、針と、電子表示装置が、Thomas H. Peterson等による国際特許出願公開番号WO2018/118061に開示され、この公報は、その全体が本明細書に参考として組み込まれる。
【0018】
一実施形態において、包括的な単一使用の皮下検体センサアプリケータ及び測定システムが開示される。本システムは、自動挿入モジュールとセンサモジュールとを含む。自動挿入モジュールは、アプリケータハウジングと、アプリケータハウジングがボタン室内に部分的に収容される、展開ボタンと、展開ボタンが初期の搭載位置にあるときに、ボタン室内に完全に固定配設され、且つ、アプリケータハウジング室内に部分的に配設される、プレロードされた挿入アセンブリと、を含む。プレロードされた挿入アセンブリは、挿入アセンブリハウジングと、アセンブリハウジング室内に配設された付勢要素と、アセンブリハウジング室内に配設される針アセンブリとを含む。付勢要素は、針アセンブリとアセンブリハウジング底部との間で圧縮状態である。センサモジュールは、アプリケータハウジングに取り外し可能に接続されるセンサ下ハウジングと、挿入アセンブリハウジングに対して取り外し可能に保持され前記センサ下ハウジングから間隔があるセンサ上ハウジングと、センサ上ハウジング内に配設さる電気センサアセンブリと、を含む。ここで、(a)電気センサアセンブリは、電源スイッチを備える電子回路と該電子回路に電気的に結合するセンサとを有し、(b)センサは、アプリケータシステムが初期のプレロード位置にあるときに、針アセンブリの針内に一時的に配設される。
【0019】
本発明の他の局面では、アプリケータハウジングは、アプリケータハウジング室を画定する細長いアプリケータ本体と、近位アプリケータハウジング端に隣接する近位内側本体フランジ部とアプリケータハウジング保持アームと、を有する。
【0020】
他の実施形態において、展開ボタンは、ボタン室と閉じたボタン遠位端とを画定するボタンの細長い本体を有し、ボタン保持アームは、ある所定の距離で閉じたボタン遠位端から開いたボタン近位端に向かってボタン室内で延在する。
【0021】
一実施形態において、アセンブリハウジングは、アセンブリハウジング室を画定するアセンブリ周壁を備えるアセンブリハウジング本体と、閉じたハウジング近位端と、閉じたハウジング近位端に凹んだハウジング底部と、開いたハウジング遠位端と、アセンブリ周壁に形成され前記閉じたハウジング近位端に向かって延在するアセンブリハウジング保持アームと、アセンブリ周壁に形成され、閉じたハウジング近位端に向かってそれを越えて延在し、内側を向いているハウジングフィンガフック面を備える、複数のハウジング保持フィンガと、ボタン室内に前記プレロードされた挿入アセンブリを固定するために、ボタン保持アームと相互作用するアセンブリハウジング係止スロットと、針本体保持アームと相互作用する針アセンブリ係止スロットと、を有する。
【0022】
一実施形態において、付勢要素は、アセンブリハウジングの凹んだハウジング底部に対して一端に位置する。
一実施形態において、針アセンブリは、針本体周壁を備える針本体と、針本体上部を形成する閉じた針本体遠位端と、開いた針本体近位端とを有する。ここで、針本体保持アームは針本体周壁に形成され、それによって外側を向いている針保持アームフック面が閉じた針本体遠位端に隣接して配置され、針アセンブリは、針本体上部に形成された針収容部を更に有し、針は、針遠位端に隣接して固定され、開いた針本体近位端を越えて所定の距離だけ針本体周壁に並行に延在し、付勢要素は、開いた針本体近位端を介して閉じた針本体遠位端に反して配置される。外側を向いている針は、自動挿入アプリケータの中心軸からオフセットする。
【0023】
一実施形態において、センサ下ハウジングは、下ハウジング底部から前記アプリケータハウジング室に向かって所定の距離だけ上方に延在する複数の下ハウジング係止要素を有する。
【0024】
一実施形態において、センサ下ハウジングは、下ハウジング壁に下ハウジング係止凹部を有し、展開ボタンが初期のプレロード位置にあるときに、アプリケータハウジング保持アームが下ハウジング係止凹部に係合する。
【0025】
一実施形態において、センサ上ハウジングは、上記上ハウジング上部の周にハウジング上部フランジ部を形成する上記上ハウジング上部から延在する上ハウジング周壁を有する。上ハウジング周壁は、上記センサ下ハウジングの複数の係止要素へ対となって接続するように適合される複数の上ハウジング係止凹部を有する。
【0026】
一実施形態において、電気センサアセンブリは、電子回路と電源スイッチとの間に結合された電源を有する。
自動挿入アセンブリの他の実施形態において、センサハウジングの底面は、センサの埋め込み中に患者に接着するように構成される。一実施形態において、例えば、センタ展開係止機構は、センサハウジングの内側底面から上方に延在する、弾力性のある展開キャッチを備える1つ以上の穴を含む。ここで、弾力性のある展開キャッチは、センサ展開アセンブリの中で1つ以上の穴の展開キャッチ面を係合するように付勢される。
【0027】
自動挿入アセンブリの他の実施形態において、患者における皮下に埋め込まれるとき、センサは、約4mmから約7mmで患者の中に延在するセンサ上の電極システムの作用電極を有する。他の実施形態において、患者に皮下に埋め込まれるとき、センサは、約2mmから約10mmで患者の中に延在するセンサ上の電極システムの作用電極を有する。
【0028】
本発明の他の局面は、皮下検体センサを形成するために使用される多層薄膜基板アセンブリを対象とする。一実施形態において、基板アセンブリは、電気的に絶縁性の材料から作られる基層を有する。基層は、基層近位端部と、基層遠位端部と、基層近位端部と基層遠位端部との間で長手方向に延在する基層中間部と、を備える基層基板を有する。
【0029】
第1金属化層は、基層基板上に配設され、基層基板に沿って長手方向に延在する少なくとも1つの回路を画定する。各回路は、基層近位端部と基層遠位端部それぞれに形成される導電性の接触パッドと、基層近位端部の導電性の接触パッドを基層遠位端部の導電性のパッドに電気的に結合する導電性のトレースと、を有する。
【0030】
中間層は、基層の上に配設される。中間層は、第2近位端部と、第2遠位端部と、第2中間部とを備える電気的に絶縁性の材料から作られる中間層基板を有する。中間層は、基層と整列し、側壁を備える複数の中間層貫通開口を有する。中間層貫通開口それぞれは、基層の回路の導電性の接触パッドのそれぞれ1つと連通する。
【0031】
第2金属化層は、中間層と貫通開口の側壁上に配設される。第2金属化層は、少なくとも2つの回路を画定し、第2金属化層の各回路は、第2近位端部と第2遠位端部に形成される導電性の接触パッドと、中間層第2近位端部の導電性の接触パッドを中間層遠位端部の導電性のパッドと電気的に結合する導電性のトレースと、を有する。回路の1つは、複数の中間層貫通開口により基層の回路に電気的に結合される。
【0032】
電気的に絶縁性の材料から作られる上層は、中間層上に配設される。上層は、中間層近位端部の導電性の接触パッドそれぞれと合う複数の接触開口と、中間層遠位端部の導電性の接触パッドそれぞれと合う複数のセンサ開口部と、を有する。これにより、基板近位端部と、基板遠位端部と、基板近位端部と基板遠位端部との間に長手方向に延在するアセンブリ中間部と、を備える基板アセンブリが生成される。第2遠位端部の導電性の接触パッドのそれぞれは、各電極を形成するために電極薬剤を受けるように適合され、第2近位端部の導電性の接触パッドのそれぞれは、電気的接点を受けるように生成される。
【0033】
他の実施形態において、多層薄膜基板アセンブリは、複数の中間層を有する。
他の実施形態において、基層と、第1金属化層の回路と、中間層と、中間層回路と、上層は、基板近位端部から基板遠位端部まで基板アセンブリに弓状の形状を共に提供する。
【0034】
基板アセンブリの他の実施形態において、基層、中間層、及び上層それぞれの電気的に絶縁性の材料は、スピンして形成され熱硬化性のポリイミドである。
一実施形態において、例えば、基層と中間層は約10ミクロンの厚さを有する。基板アセンブリの他の実施形態において、上層は、中間層の厚さの約5倍の厚さを有する。基板アセンブリの他の実施形態において、上層は約55ミクロンの厚さを有する。基板アセンブリの他の実施形態において、センサアセンブリは約75ミクロンの厚さを有する。更に他の実施形態において、基板遠位端部及びアセンブリ中間部のそれぞれは約279ミクロンの幅を有する。
【0035】
基板アセンブリの他の実施形態において、第1金属化層は、約900オングストロームから約1500オングストロームの範囲内の厚さを有する。
基板アセンブリの他の実施形態において、第1金属化層及び第2金属化層のそれぞれは金を有する。他の実施形態において、第1金属化層及び第2金属化層は、それぞれ、基層基板及び中間層基板に配設されるクロムの層を有し、クロム層の上部に金の層が配設される。他の実施形態において、第2金属化層は中間層基板に対して配設されるクロム層を有し、クロム層の上に金の層が配設され、金層の上にプラチナ層が配設される。
【0036】
基板アセンブリの他の実施形態において、基層は、基層近位端部及び基層遠位端部にて各回路用のそれぞれ導電性のパッドを含む少なくとも2つの回路を有する。中間層は、中間層近位端部と該中間層遠位端部にて各第2層回路用の導電性のパッドを有する少なくとも2つの第2層回路を有する。一実施形態において、例えば、基層の第1金属化層は、中間層遠位端部にて導電性のパッドと整列し合う、基層遠位端部に少なくとも2つの他の導電性の接触パッドを有する。
【0037】
本発明の他の局面は、皮下検体センサとして使用する電気化学センサアセンブリに向けられる。一実施形態において、電極アセンブリは、基層近位端部と、基層遠位端部と、基層近位端部と基層遠位端部との間における基層中間部と、を画定する電気的に絶縁性の材料の基層基板を備える基層を有する。基層はまた、基層基板上に配設され、基層基板に沿って長手方向に延在する少なくとも1つの回路を画定する、第1金属化層を有する。各回路は、基層近位端部と基層遠位端部のそれぞれに形成された導電性の接触パッドを有する。導電性のトレースは、基層近位端部の導電性の接触パッドを基層遠位端部の導電性のパッドに電気的に結合する。
【0038】
中間層は、基層上に配設置され、電気的に絶縁性の材料の中間層基板を有する。中間層基板は、中間層近位端部と、中間層遠位端部と、中間層中間部とを有する。中間層は、基層と整列し、側壁を有する複数の第2層貫通開口を有する。複数の第2層貫通開口のそれぞれは、基層の少なくとも1つの回路の導電性の接触パッドのそれぞれ1つと連通する。第2金属化層は、中間層基板と第2層貫通開口の側壁の上に配設される。第2金属化層は、少なくとも2つの回路を画定し、第2層回路のそれぞれは、中間層近位端部と中間層遠位端部それぞれに形成される導電性の接触パッドと、中間層近位端部の導電性の接触パッドを中間層遠位端部の導電性のパッドに電気的に結合する導電性のトレースと、を有する。少なくとも2つの第2層回路のうちの1つは、複数の第2層貫通開口により基層の少なくとも1つの回路に電気的に結合される。
【0039】
電気的に絶縁性の材料の上層は中間層上に配設される。上層は、中間層近位端部の各導電性の接触パッドと合う複数の接触開口と、中間層遠位端部の各導電性の接触パッドと合う複数のセンサ穴と、を有する。これにより、基板近位端部と、基板遠位端部と、基板近位端部と基板遠位端部との間で長手方向に延在するアセンブリ中間部と、を備える基板アセンブリが生成される。
【0040】
検出層は、少なくとも1つの第1採用電極を形成するために、中間層遠位端部に形成された少なくとも1つの導電性の接触パッドに配設される。参照層は、中間層遠位端部に形成された少なくとも1つの導電性の接触パッドに配設され、参照電極を形成する。他の実施形態において、対向電極と少なくとも1つの第2作用電極(特定の検体を測定するためではなく、サンプル内の干渉によって生じた背景電流を測定するために使用されるので、ブランク電極とも呼ばれる)が更に含まれる。更に他の実施形態において、他の特定の検体を測定するために適合した1つ以上の他の作用伝教がある。一実施形態において、この少なくとも第1作用電極はグルコース測定電極である。
【0041】
一実施形態において、検出層は3つの被覆層を有する。ベース被覆層は金属化パッド上に直接配設され、PHEMA、グルコースオキシダーゼ、及び/又はグルコース脱水素酵素を含む作用電極を形成する。第2被覆層は、PHEMAと、グルコースに対する透過性が実質無いかほとんどないが、酸素に対しては実質的に高い透過性を有する材料から作られる複数の微小球と、を含む。第3被覆層は第2被覆層の上に配設され、第3被覆層は、PHEMAと、検出層から過酸化水素が放出することを回避する材料と、を含む。一実施形態において、微小球はポリジメチルシロキサンから作られる。一実施形態において、第3被覆層はカタラーザを含む。
【0042】
他の実施形態において、ベース被覆層はPHEMA、グルコースオキシダーゼ、及び/又はグルコース脱水素酵素、そして、第2被覆層の微小球の量よりは少ない量の微小球を含む。
【0043】
電気化学センサアセンブリの他の実施形態において、基層と、少なくとも1つの回路と、中間層と、少なくとも1つの第2層回路と、上層と、は、共に、基板近位端部から基板遠位端部まで基板アセンブリに弓状の形状を供給する。
【0044】
電気化学センサアセンブリの一実施形態において、基層基板と、中簡素基板と、上層基板とのそれぞれは、スピン形成されるものであるとともに熱硬化性のポリイミドである。
【0045】
電気化学センサアセンブリの他の実施形態において、基層基板及び中間層基板のそれぞれは、約10ミクロンの厚さを有する。他の実施形態において、上層は、中間層基板の厚さの約5倍の厚さを有する。他の実施形態において、上層は約55ミクロンの厚さを有する。他の実施形態において、センサアセンブリは約75ミクロンの厚さを有する。他の実施形態において、基板遠位端部及びアセンブリ中間部のそれぞれは約279ミクロンの幅を有する。
【0046】
電気化学センサアセンブリの他の実施形態において、第1金属化層は、約900オングストロームから約1,500オングストロームの範囲内の厚さを有する。一実施形態において、第1金属化層と第2金属化層はそれぞれ金を有する。他の実施形態において、第1金属化層と第2金属化層はそれぞれ、基層基板と中間層基板に対して配設されるクロム層を含む。クロム層の上面には、金の層が配設される。
【0047】
電気化学センサアセンブリの他の実施形態において、第2金属化層は、中間層基板に対して配設されるクロム層と、クロム層の上に配設される金層と、欽宗の上に配設されるプラチナ層と、を有する。
【0048】
電気化学センサアセンブリの他の実施形態において、基層は少なくとも2つの回路を有し、中間層遠位端部にて検出層を備える1導電性のパッドが作用電極回路を形成し、中間層遠位端部の第2導電性のパッドはブランク電極を形成する。
【0049】
電気化学センサアセンブリの他の実施形態において、基層は少なくとも2つの回路を有し、中間層は、それぞれの遠位端部と近位端部の各回路用にそれぞれの導電性のパッドを備える少なくとも2つの回路を有する。他の実施形態において、基層の第1金属化層は、中間層遠位端部の導電性のパッドと整列して合う基層遠位端部の少なくとも2つの他の導電性の接触パッドを含む。
【0050】
本発明の他の実施形態において、連続的グルコース測定システムの開示がある。本システムは、自動挿入アセンブリと、センサハウジングカバーアセンブリと、電子機器とを有する。自動挿入アセンブリは、自動挿入ハウジングと、皮膚を介して皮下組織内に皮下センサを展開するために、展開ボタンが第1位置から第2位置にスライド可能であるように、自動挿入ハウジング内に配設された展開ボタンと、展開ボタンからセンサ展開アセンブリを収容して捕らえるセンサハウジングと、を有する。センサ展開アセンブリは皮下センサを有する。センサハウジングカバーアセンブリは、皮下センサの挿入後にセンサハウジングへの取付用に構成され、このカバーアセンブリは、皮下センサへの電子結合用に位置決めされ、センサからの入力信号に基づき演算データを保存及び送信できる、電子モジュールを有する。電子機器は、センサハウジングカバーアセンブリの電子モジュールとの通信用に無線通信を装備する。この電子装置は、センサからの入力信号を受信し、入力信号を検体データに変換し、検体データを電子装置のユーザインターフェース上に表示し、呼び出すためにデータを保存し、データの報告を作成及び/又は送信する、電子回路及びソフトウェアを有する。
【0051】
他の実施形態において、連続的なグルコース測定システムのセンサは、ベース電気回路を備える基層と、中間電気回路を備える中間層と、を有する。中間層は、中間電気回路の一部をベース電気回路の一部と電気的に接続する、基層に対する開口を有する。
【0052】
他の実施形態において、センサを皮下に挿入する方法が開示される。本方法は、包括的な単一使用の皮下検体センサアプリケータと、センサモジュールと結合した自動挿入モジュールを含む測定システムとを提供することを含む。ここで、本システムは、患者の皮膚に前記システムを配置する前にユーザが前記システムのいかなる部分も組付ける必要が無く、また、本システムの作動や皮下に前記センサを挿入する前後いずれかのときに、ユーザがセンサモジュール内で電子回路に動力を供給するためにシステムを操作する必要が無いため、システムは、予め組付けられ、プレロードされ、使用準備が整っている。本方法は、前記システムを前記患者の皮膚に対して配置することと、前記自動挿入アセンブリを作動させることと、を更に含む。この作動工程により、単体としてセンサモジュールを自動で組付けることと、皮下にセンサを埋め込むことと、針アセンブリを引き戻すことと、電気センサアセンブリに電源スイッチをオンにすることと、アプリケータモジュールからセンサモジュールを解放することと、皮膚の表面からアプリケータモジュールを自動的に解放することと、をアプリケータシステムが実質的に同時に行う。患者の皮膚に対して単体としてセンサモジュールを自動で組付けることと、皮下にセンサを埋め込むことと、電子回路に自動で動力を供給することと、組付けられたセンサモジュールと患者の皮膚から前記自動挿入モジュールを自動的に分離すること。
【0053】
一実施形態において、前記提供工程は、前記配置工程の前にアプリケータハウジングの底部から粘着テープカバーを取り除くことを含む。
一実施形態において、作動工程は、展開ボタンがアプリケータハウジング上の第2位置に係止中に、針が展開ボタン内に置かれたアセンブリハウジングの中に完全に引き戻る間に、センサを含む針が、皮膚を貫通し、センサを展開したままでセンサを挿入するように、展開ボタンを前記アプリケータハウジング上の初期のプレロード位置から動物の皮膚にむかって押圧することを含む。
【0054】
他の実施形態において、提供工程は、粘着パッドのパッド開口部が針の針軸と整列するように、配置工程前に、パッド開口部を備える両面粘着パッドを自動挿入モジュールのアプリケータハウジングのひらいた近位本体端部に取り付けることを含む。
【0055】
他の実施形態において、包括的な単一使用の皮下検体センサアプリケータと測定システムを作る方法が開示される。本方法は、(a)アプリケータハウジング室とアプリケータハウジング保持アームとを画定するアプリケータハウジングと、(b)ボタン室とボタン保持アームとを画定する展開ボタンと、(c)アセンブリハウジングであって、アセンブリハウジング室と、アセンブリハウジングに形成され、外側を向いているハウジングアームフック面を備えるアセンブリハウジング保持アームと、を画定するアセンブリハウジングと、(d)付勢要素と、(e)針本体と該針本体に固定して取り付けられた針とを有し、該針が針軸を画定する前記針本体を越えて所定距離延在する、針アセンブリと、(f)動力アクチュエータと、前記針を受けるように適合される下ハウジング開口部と、を有するセンサ下ハウジングと、(g)ハウジング上部開口部を備える上ハウジング上部を有するセンサ上ハウジングと、(h)電源スイッチを有する電子回路と、該電子回路に電気的に結合するセンサと、を備える電気センサアセンブリと、のそれぞれを形成することを含む。本方法は、この形成することに続いて、アセンブリハウジングのアセンブリハウジング室内に付勢要素を配設することと、針本体が付勢要素と接触するようにアセンブリハウジング室内に針アセンブリを挿入し、その後、針が閉じたハウジング近位端を越えて且つハウジング近位端開口部を介して延在するように、針本体保持アームがアセンブリハウジングの針アセンブリ係止スロットに係止するまで、付勢要素を圧縮するように前記アセンブリハウジング室に針本体を押すことと、展開ボタンのボタン保持アームがアセンブリハウジングのアセンブリハウジング係止スロットに係止するまで、結合された針アセンブリと、付勢要素と、アセンブリハウジングとを展開ボタンのボタン室内に挿入することと、針アセンブリの針がセンサ上ハウジングの上ハウジング上部開口部を介して延在するように、センサ上ハウジングを針アセンブリと付勢要素とを含むアセンブリハウジングに取り付けることと、センサが針内に位置するように、電気センサアセンブリをセンサ上ハウジングに挿入することと、を含む。アセンブリハウジングと、付勢要素と、針アセンブリと、前記センサ上ハウジングと、電気センサアセンブリは、プレロードされた挿入アセンブリを形成する。本方法は、更に、センサ下ハウジングをアプリケータハウジングの開いた近位本体端部に取り付けることと、アセンブリハウジング保持アームがアプリケータ本体周壁の遠位アプリケータハウジングノッチに引っ掛かるまで、アプリケータハウジングの開いた遠位本体端部でのアプリケータ本体周壁が前記アセンブリハウジングと展開ボタンとの間でスライドするように、アプリケータハウジングの一部を所定の距離だけボタン室に挿入することを更に含む。
【0056】
一実施形態において、本方法は、片面粘着テープのパッド開口部が前記針軸と整列するように、該パッド開口部を備える該片面粘着テープを前記アプリケータハウジングの前記開いた近位本体端部に取り付けることを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0057】
図1】本発明の一実施形態の前方斜視図であり、使用準備の整った皮下センサアプリケータを示す。
図1B図1のアプリケータの底部斜視図であり、粘着パッドを示す。
図2図1のアプリケータの前方平面図である。
図3図1のアプリケータの左側平面図である。
図4図1のアプリケータの分解組立図である。
図5】アプリケータの展開ボタンの一実施形態の前方斜視図である。
図6図5の展開ボタンの前方平面図である。
図7】線F7-F7に沿った図5の展開ボタンの断面図である。
図8】線F8-F8に沿った図5の展開ボタンの断面図。
図9図5の展開ボタンの上面図である。
図10図5の展開ボタンの下面図である。
図11図4のアプリケータのアプリケータハウジングの一実施形態の前方斜視図である。
図12図11のアプリケータハウジングの前方平面図である。
図13】線F13-F13に沿った図11のアプリケータハウジングの断面図である。
図13A図13のカム壁面の一実施形態の拡大図である。
図13B図13の針アセンブリハウジングストップ38の拡大図である。
図14】線F14-F14に沿った図11のアプリケータハウジングの断面図である。
図15図11のアプリケータハウジングの上面図である。
図16図11のアプリケータハウジングの下面図である。
図17図4のアプリケータのセンサ下ハウジングの一実施形態の前方斜視図である。
図18図17のセンサ下ハウジングの前方平面図である。
図19】線F19-F19に沿った図17のセンサ下ハウジングの断面図である。
図20】線F20-F20に沿った図17のセンサ下ハウジングの断面図である。
図20A】センサ下ハウジングの内底部の角度の付いた斜視図であり、図20に示される動力アクティベータの一実施形態を示す。
図21図17のセンサ下ハウジングの上面図である。
図22図17のセンサ下ハウジングの下面図である。
図23図4のアプリケータの挿入アセンブリハウジングの一実施形態の前方斜視図である。
図24図23の挿入アセンブリハウジングの前方平面図である。
図25】線25-25に沿った図23の挿入アセンブリハウジングの断面図である。
図26】線26-26に沿った図23の挿入アセンブリハウジングの断面図である。
図27図23の挿入アセンブリハウジングの上面図である。
図28図23の挿入アセンブリハウジングの下面図である。
図29図23の挿入アセンブリハウジングの下面斜視図である。
図30】アプリケータの針アセンブリの一実施形態の前方斜視図である。
図31図30の針アセンブリの前方平面図である。
図32】線F32-F32に沿った図30の針アセンブリの断面図である。
図33】線F33-F33に沿った図30の針アセンブリの断面図である。
図34図30の針アセンブリの上面図である。
図35図30の針アセンブリの下面図である。
図36】電気センサアセンブリの一実施形態を含むセンサ上ハウジングの一実施形態の前方、上方、斜視図である。
図36A図36の自動挿入アセンブリの分解組立図である。
図37図36のセンサ上ハウジングと電気センサアセンブリの後方、下方斜視図である。
図38図36のセンサ上ハウジングの前方、上方、斜視図である。
図38A】上ハウジング保持凹部の拡大図である。
図39図38のセンサ上ハウジングの前方平面図である。
図40】線F40-F40に沿った図38のセンサ上ハウジングの断面図である。
図41】線F41-F41に沿った図38のセンサ上ハウジングの断面図である。
図42図37に示す電気センサアセンブリの電子回路の一実施形態の後方、斜視、下面図である。
図43図42に示す電子回路の前方、斜視、上面図である。
図44】電源スイッチを示すF44で描写される領域において図42の電子回路の拡大、斜視、下面図である。
図45】電気センサアセンブリのセンサの一実施形態の後方、斜視図である。
図46図45のセンサの前方斜視図である。
図47図46のセンサの拡大正面図である。
図48図1の線F48-F48に沿った図1のアプリケータシステムの左側断面図であり、使用準備の整ったアプリケータシステムを図示する。
図49図1の線F49-F49に沿った図1のアプリケータシステムの前方断面図である。
図50A】50Aとして画定された範囲において図49のアプリケータシステムの拡大図であり、挿入アセンブリハウジング係止スロットに係合した外側を向いているボタン保持アームを示す。
図50B】F50Bとして画定された範囲において図49のアプリケータシステムの拡大図である。
図51図48のアプリケータシステムの左側断面図であり、様々な保持アームの接触を解放するちょうど前に部分的に展開されたアプリケータシステムを図示する。
図52】F52として画定された範囲内における、図51のアプリケータシステムの拡大断面図であり、完全展開及び針本体の解放の直前の、外側を向いている針保持アームフック面を図示する。
図53図51のアプリケーションシステムの前方断面図である。
図54】F54として画定された範囲内における、図53のアプリケータシステムの拡大断面図であり、完全展開及びセンサモジュールの解放の直前の、内側を向いているアプリケータハウジング保持アームを図示する。
図55図48のアプリケータシステムの左側断面図であり、挿入アセンブリハウジング内に後退した針アセンブリと共に完全に展開したアプリケータシステムを図示する。
図56】F56として画定された範囲内における、図55のアプリケータシステムの拡大断面図であり、閉じたボタン遠位端に対する針本体を図示する。
図57】完全に展開された図55のアプリケータシステムの前方断面図である。
図58】F58として画定された範囲内における、図57のアプリケータシステムの拡大断面図であり、センサ下ハウジング係止凹部から完全に解放され内側を向いているアプリケータハウジング保持アームを図示する。
図59】アセンブリハウジング保持アーム及びアプリケータハウジングの細長いカム壁面の使用準備の整った配向の拡大断面図である。
図60】アセンブリハウジング保持アーム及びアプリケータハウジングの細長いカム壁面の完全展開配向の拡大断面図である。
図61】完全に展開したセンサアプリケータシステムの右側平面図であり、展開し且つアプリケータモジュールから分離したセンサモジュールを図示する。
図62図61の完全に展開したセンサアプリケータの前方平面図である。
図63】本発明の鋭利物の一実施形態の斜視図であり、鋭利先端と、鋭利開領域と、鋭利本体の一部とを図示する。
図64図64の鋭利部の端斜視図であり、鋭利開領域による画定された凹んだ穴を図示する。
図65】本発明の連続的測定システムの一実施形態の斜視図であり、センサアプリケータと表示モジュールを図示する。
図66】使用中の本発明の連続的測定システムの模式図である。
図67】多層センサの一実施形態の斜視図である。
図68図67の多層センサの拡大斜視図であり、基層、中間層、及び上層を図示する。
図69図67のセンサの平面図であり、電気接触部とセンサ端部を丸で囲った基層を示す。
図70図69の電気接点部の拡大図である。
図71図69のセンサ端部の拡大図である。
図72図67のセンサの平面図であり、電気接点部とセンサ端部回路を備える中間層だけを図示する。
図73図72の電気接点部の拡大図である。
図74図72のセンサ端部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
[発明の詳細な説明]
本開示は、本明細書に記載される特定の実施形態に限定されない。これら実施形態は変更可能であり、これら特定の実施形態を記載するために使用される用語は、限定的に解釈されない。
【0059】
本発明は図1~74に図示される。図1は、使用準備の整った皮下センサアプリケータ10の一実施形態の前方斜視図である。図1Bはアプリケータ10の底部斜視図であり、粘着パッドカバー12を備える片面粘着パッド14を示す。図示の通り、粘着パッドカバー12は、粘着層13の位置を示す目的のためだけに透明であるが、粘着パッドカバー12は不透明であってもよい。図示の通り、粘着パッド14の粘着層13は、アプリケータハウジング21の外側ハウジングフランジ部27、及び針軸L2(図32~33に図示)と整列する粘着パッド開口部14aと整列する。片面粘着パッド14の非粘着側は、センサ下ハウジング170の下ハウジング底部172(図22に図示)に溶接により結合される。図2及び図3は、それぞれ、アプリケータ10の正面平面図と左側平面図であり、センサアプリケータ10の中心を通して延在する縦軸L1を示す。使用準備の整った皮下センサアプリケータ10は、アプリケータハウジングアセンブリ20と展開ボタンアセンブリ40とを含む。他の同様な装置に関する本発明の特徴的な点は、使用準備の整った皮下センサアプリケータ10が完全に組み立てられ、ユーザが使用する前に構造的な構成要素を結合する必要が無い、ということである。ユーザは、単に、使用準備の整った皮下センサアプリケータ10をその梱包から取り出し、アプリケータハウジング20の底部の粘着テープ14から粘着テープカバー12を取り外して近位外側本体フランジ部27と整列する粘着部を露出し、ユーザの皮膚又は患者の皮膚の上の予め決められた位置に皮下センサアプリケータを配置し、展開ボタンアセンブリ40を押す。展開ボタンアセンブリ40を一回押すことで、センサモジュール160(図示無し、図3及び61~62参照)が皮膚上に展開され、検体センサが皮膚の中において皮下で展開され、電子回路への電力が自動的にオンとなる。ユーザは、アプリケータにセンサモジュールを組付ける必要は無く、展開ボタンアセンブリをセンサモジュールから取り外したり、センサの皮下挿入後にセンサモジュール内の電子回路を駆動するために何か他の作業をしたりするのに、アプリケータ上の構造を操作する必要もない。
【0060】
図4に進み、アプリケータ10の拡大前方斜視図が図示される。アプリケータ10は、アプリケータモジュール15と組み立てられていないセンサモジュール160とを含む。アプリケータモジュール15は、プレロードされた挿入アセンブリ100を含むボタン展開アセンブリ40と、アプリケータハウジングアセンブリ20とを含む。
【0061】
プレロードされた挿入アセンブリ100は、挿入アセンブリハウジング110と、針アセンブリ140と、付勢要素149と、電気センサアセンブリ220とを含む。針アセンブリ140が準備位置又はコック位置にあるように、針アセンブリ140及び付勢要素149は、付勢要素149を引っ張った状態に圧縮して、挿入アセンブリハウジング110内に配設され、挿入アセンブリハウジング110は、展開ボタン50内でロックされる。針アセンブリ140が準備位置又はコック位置にあるときに、センサ250の一部が針アセンブリ140の針155内に取り外し可能に配置されるように、電気センサアセンブリ220は、挿入アセンブリハウジング110の下方端又は近位端で挿入アセンブリハウジング110によりとらえられる。
【0062】
アプリケータハウジングアセンブリ20は、アプリケータハウジング21とアプリケータハウジング21によりとらえられるセンサ下ハウジング170とを有し、このセンサ下ハウジング170は、センサアプリケータシステムが展開されるとアプリケータハウジング21から解放される。図1~3に示すように、挿入アセンブリハウジング110の一部がアプリケータハウジング21内にあり、且つ、アプリケータハウジング21の一部が展開ボタン50内にあるように、展開ボタンアセンブリ40は、アプリケータハウジングアセンブリ20に結合される。これら様々な、組付けられる構造用構成要素が個別にここで説明される。
【0063】
図5~10に進み、展開ボタン50の様々な図が図示される。図5は、展開ボタン50の前方、左側、斜視図である。展開ボタン50は、細長いボタン本体52と、閉じたボタン遠位端53と、開いているボタン近位端54に配設された任意のボタン本体フランジ56とを有する。細長いボタン本体52は、ボタン室58を画定する周壁57を有する。図6は、図5の展開ボタンの前方平面図である。図5~10から明らかなとおり、細長いボタン本体52は、幅BWよりも長い長さBLを有する。長さBLは約1.5インチ(3.8cm)であるが、この寸法には限らない。幅BWは約1.25インチ(3.2cm)であるが、この寸法には限らない。ボタン室は約1.4インチ(3.5cm)の深さBDを有するが、この寸法に限らない。図5~6と8に示されるように、細長いボタン本体52の側面には、ユーザ/患者の皮膚上に設置するときにユーザの指と親指で展開ボタン50を握りやすいように、隆起又は溝59を有してもよい。
【0064】
図7は、線F7-F7に沿った図5の展開ボタンの断面図である。ボタン室58内では、複数の任意の細長いスペーサ70が、閉じたボタン遠位端53から開いたボタン近位端54に向かって所定の距離で延在する。ボタン室58内にはまた、周壁57の内側に沿って、閉じたボタン遠位端53から開いたボタン近位端54に向かって所定の距離で延在する、任意のスペーサ壁72がある。スペーサ壁72は、複数の細長いスペーサ70とスペーサ壁72との間に空間が生成されるように、ボタン室58内部に位置している。この空間は、製造中の組立てを簡易化するために提供されるだけである。
【0065】
図8は、線F8-F8に沿った図5の展開ボタンの断面図である。複数の任意の細長いスペーサ70及び任意のスペーサ壁72に加えて、少なくとも一対の外側を向いているボタン保持アーム60がある。ボタン保持アーム60は、閉じたボタン遠位端53に接続され、複数の細長いスペーサ70とスペーサ壁72との間に生成された空間内にて所定の距離でボタン室58内部で延在する。ボタン保持アーム60は、ボタン室58の中心に向かって撓み、且つその本来の位置に戻り得るように、弾力性がある。保持アームの端には、ボタン保持アームフック構造61がある。図7と8に示される通り、閉じたボタン遠位端53は、そのように所望される場合、皮下検体センサアプリケータシステム10を駆動するときに人差し指を置けるように、外面に任意の凹部53aを有する。
【0066】
図9は、展開ボタン50の上面図である。この図では、一対の任意の閉じた端ポート53bが図示され、この任意の閉じた端ポート53bを通して見下ろすと、ボタン保持アーム60のフック構造61が見える。開口部53bは、パーツを射出成形するときに使用した鋳型の結果である。
【0067】
図10は、展開ボタン50の下面図である。この図では、ボタン保持アーム60及び任意のボタンフランジ56を含め、複数の細長いスペーサ70とスペーサ壁72との関係がより明確に図示される。
【0068】
図11~16に進み、アプリケータハウジング21の構造が説明される。図11は、アプリケータハウジング21の前方、左側、斜視図であり、図12は、アプリケータハウジング21の前方平面図である。アプリケータハウジング21は、アプリケータハウジング室28を画定するアプリケータ周壁25により形成されるアプリケータの細長い本体22と、開いた遠位本体端部23と、開いた近位本体端部24と、近位内側本体フランジ部26(図15に図示)と、近位外側本体フランジ部27とを有する。近位外側本体フランジ部27は、アプリケータ10の重要な特徴である。フランジの目的は、メカニズムの展開力を利用して、固体均一圧力を粘着テープに受動的に付与することである。展開力の3~5lbsの合力は、ユーザ/患者の皮膚に粘着テープの感圧性接着剤(PSA)をしっかりと固定するために意図的に使用される。これは、ユーザのためのメカニズムの全体的な統合された受動性を達成する本発明の重要な局面である。センサ及びアプリケータがそれぞれ同時に挿入されたり解放されたりした後に、ユーザは、ユーザ/患者の皮膚に粘着テープを固定するために粘着テープに圧力を与える必要がない。アプリケータハウジング21はまた、アプリケータ周壁25内に形成された内側を向いているアプリケータハウジング保持アーム30も含む。アプリケータハウジング保持アーム30は、アプリケータ周壁25からアプリケータハウジング室28の中に所定の角度で延在し、開いた近位本体端部24付近で終わる。アプリケータハウジング保持アーム30は、アーム30が周壁25に向かって押し戻されるのに十分な柔軟性がある。複数のスペーサスロット39は、展開ボタン50の複数の細長いスペーサ70を収容するために十分な所定の距離で、アプリケータの細長い本体22の開いた遠位本体端部23から延在する。
【0069】
図13は、線F13-F13に沿った図11のアプリケータハウジングの断面図である。内側を向いているアプリケータハウジング保持アーム30の他に、アプリケータ周壁25の内面に沿って2つの他の特徴がある。これらの特徴は、細長いカム壁面32及びアプリケータアセンブリハウジングストップ38を含む。図13Aは、範囲F13Aにより画定されたカム壁面32の拡大図である。見て取れるように、上面部32aは、第1面部凹部33と、第1面部凹部33から離れてカム壁面32に沿って延在し且つアプリケータハウジング室28に向かって傾く第1傾斜面34aと、第1傾斜面34から離れてカム壁面32に沿って延在し且つアプリケータハウジング室28から離れて傾く第2傾斜面34bとを有する。カム面36は、中央面部32bに沿って第2傾斜面34aから離れて延在し、アプリケータハウジング室28から更に離れて傾斜する。カム面36は、第2面部凹部35を有する下面部32cのところで終端する。図13Bは、範囲F13Bにより画定された挿入アセンブリハウジングストップ38の拡大図である。挿入アセンブリハウジングストップ38は、展開ボタン50が作動されるときの展開ハウジングアセンブリ40の動きの終点を生成するように位置する。図14は、線F14-F14に沿った図11のアプリケータハウジングの断面図である。この図は、保持アームフック端30aを有する内側を向いているアプリケータハウジング保持アーム30を図示し、開いた近位本体端部24に向かって所定の角度で延在する保持アーム30を示す。
【0070】
図15は、アプリケータハウジング21の上面図である。この図は、保持アームフック端30aだけでなく近位内側本体フランジ部26も示す。図16にて、近位内側本体フランジ部26は、フランジ部凹部26aを備える。この凹部は、開いた近位本体端部24とセンサ下ハウジング200との間にコプレーナ面を提供する目的で、センサ下ハウジング200を収容するように設計され、内側をむいているアプリケータハウジング保持アーム30は、皮下検体センサアプリケータシステムが展開されるまでセンサ下ハウジング200を保持する。
【0071】
図17~22に移り、センサ下ハウジング170の一実施形態の様々な図が図示される。図17及び18は、それぞれ、センサ下ハウジング170の前方、左側斜視図と前方平面図である。センサ下ハウジング170は、下ハウジング底部172と、下ハウジング底部172から上向きに延在し下ハウジング室184を画定する下ハウジング壁173と、下ハウジング壁173から離れるように直交方向に延在する周囲の底部フランジ171とを有する。下ハウジング壁173の少なくとも2つの対向する位置に、内側を向き、且つ、アプリケータシステム10の展開後にセンサ上ハウジング200と電気センサアセンブリ220とを保持するために使用される、下ハウジング係止要素174が存在する。また、下ハウジング壁173の少なくとも2つの対向する位置に、アプリケータシステム10の展開前にアプリケータハウジング21の開いた近位本体端部24でセンサ下ハウジング170を保持するアプリケータハウジング保持アーム30を受ける下ハウジング保持凹部178がある。また、周囲の底部フランジ171に複数の任意のフランジノッチ182も図示される。このノッチは無くても良く、アプリケータハウジング21へのセンサ下ハウジング170の組付けの簡易化に使用されるだけであり、本発明の本質的な局面ではない。動力アクチュエータ175が下ハウジング底部172から下ハウジング室182の中に向かって延在し、これにより、センサアプリケータシステム10が展開するときにセンサ上及び下ハウジング170、200が結合すると、電源スイッチが電気センサアセンブリ220に接触する。この実施形態において、動力アクチュエータ175は、下ハウジング底部172から下ハウジング室184の中に向かって傾斜した断面形状を有するように弾力がある。これは図20Aに図示される。センサ上及び下ハウジング170、200の結合により、電源スイッチ240が動力アクチュエータ175を押すようにセンサアプリケータシステムが展開されると、この傾斜した形状により、電子回路230上の電源スイッチ240(図44に図示)に動力アクチュエータ175による付勢張力が提供される。そして、この傾斜した形状は、電源スイッチ240に対する付勢張力を維持する。
【0072】
図19及び20は、線F19-F19に沿った図17のセンサ下ハウジング170の断面図と、線F20-F20に沿った図17のセンサ下ハウジング170の断面図である。これらの図は、内側を向いている下ハウジング係止要素174と、下ハウジング保持凹部178と、動力アクチュエータ175とを示すより明確な図である。
【0073】
図21及び22は、それぞれ、下センサハウジング170の上平面図及び下平面図である。この実施形態では、通気口176a、176b、及びセンサ開口部176cの3つの開口部176がある。センサ開口部176cは、センサアプリケータが展開するときに皮下センサ250を収容するためである。開口部176a及び176bは任意であり、トラップした水分をセンサハウジング170から取り除くのに患者の皮膚に風を送ることができる。
【0074】
図23~29に進み、挿入アセンブリハウジング110の一実施形態の様々な図が図示される。図23及び24は、挿入アセンブリハウジング110の前方斜視図及び前方平面図である。挿入アセンブリハウジング110は、アセンブリハウジング本体112と、開いたハウジング遠位端113と、閉じたハウジング近位端114と、アセンブリハウジング底部115と、アセンブリハウジング室118を画定するアセンブリ周壁111とを有する。アセンブリ周壁111は、挿入アセンブリハウジング110が展開ボタン50に組付けられるときに外側を向いているボタン保持アーム60を収容し、開いたハウジング遠位端113から間隔を置いた、アセンブリハウジング係止スロット130を有する。挿入アセンブリハウジング110が展開ボタン50内に挿入され保持されると、それは、展開ボタン50内で係止されたままとなり、展開ボタン50と共に常に動く。
【0075】
アセンブリ周壁111はまた、複数のアセンブリハウジング保持アーム120も有する。保持アーム120それぞれは、外側を向いているハウジングアームフック面121を備える。保持アーム120は、細長いカム壁面の第1面部凹部33内に留まり、アプリケータハウジング21内で挿入アセンブリハウジング110を係止する。これは、挿入アセンブリハウジング110のアセンブリ周壁111のアセンブリハウジング係止スロット130に係止されている展開ボタン50のボタン保持アーム60によって、展開ボタン50をアプリケータハウジング21に効果的に係止する。センサアプリケータシステムの展開中は、アセンブリハウジング保持アーム120それぞれは、使用準備の整っているときの第1面部凹部33から展開配向時の第2面部凹部35に細長いカム壁面に沿ってスライドする。
【0076】
アセンブリ周壁111の他の局面は、複数のハウジング保持フィンガ124を有することである。保持フィンガ124それぞれは、内側を向いているフィンガフック面125を有する。保持フィンガ124それぞれは、アセンブリハウジング底部115の下方に延在し、センサアプリケータシステム10が使用準備の整った配向にあるときにセンサ上ハウジング200を保持する。周壁111はまた、閉じたハウジング近位端114から開いたハウジング遠位端113に向かって所定の距離で延在する針アセンブリ係止スロット132も有する。針アセンブリ係止スロット132は、アプリケータハウジング21のアプリケータアセンブリハウジングストップ38を収容するためであり、センサアプリケータシステム10が皮下センサ250を挿入するように展開されると、針アセンブリ140(後に記載)と相互作用することとなる。
【0077】
図25及び26に進み、それぞれ、線F25-F25とF26-F26に沿った挿入アセンブリハウジング110の断面図が図示される。これらの図に図示されるとおり、アセンブリハウジング底部115は、センサ上ハウジング200を収容するように凹んでいる。複数のハウジング保持フィンガ124は、センサアプリケータシステム10の作動により解放されるまで、センサ上ハウジング200をこの凹んだハウジング底部115内で保持する。
【0078】
図27及び28は、挿入アセンブリハウジング110の上面図及び下面図である。これらの図において、アセンブリハウジング保持アーム120の外側を向いているハウジングアームフック面121は、アプリケータハウジング21の細長いカム壁面32と係合するために、アセンブリ周壁111の周囲を越えて延在することが、明確に図示されている。また、これらの図は、針アセンブリ140の針155を収容するためのハウジング近位端開口部116の存在も図示する。また、少なくとも一つの任意のアセンブリハウジングレール117も図示される。このアセンブリハウジングレール117も、開いたハウジング遠位端113と閉じたハウジング近位端114との間でアセンブリ周壁111の主部に沿って、且つアセンブリ周壁111の周を越えて、延在する。この任意のレール117は、含まれる場合、アプリケータハウジング21内での挿入アセンブリハウジング110の整列を簡易化するために、対応するアプリケータハウジング溝29内に配設される。図29は、アセンブリハウジング底部115と、アセンブリハウジング保持アーム120と、ハウジング保持フィンガ124と、針アセンブリ係止スロット132との構造上の関係を可視化するための、挿入アセンブリハウジング110の底部斜視図である。
【0079】
図30~35に進み、針アセンブリ140の一実施形態の様々な図が図示される。図30及び31は、針アセンブリ140の前方斜視図及び前方平面図である。針アセンブリ140は、針本体142と、針本体142に固定して取り付けられる針壁155a(図示無し)を備える管状針155とを有する。ここで、管状針155は、針軸L2(図32、32に図示)を画定する。
【0080】
図32及び33は、それぞれ、線32-32に沿った図30の針アセンブリの断面図、及び線33-33に沿った図30の針アセンブリの断面図である。針155は、挿入アセンブリハウジング110のハウジング近位端開口部116と整列して位置する。針本体142は、閉じた針本体遠位端143と、開いた針本体近位端144と、針本体上部145と、針本体保持アーム150と、針収容部154とを有する。針155は、針遠位端157と針近位端158とを備える針本体156を形成する針壁155aを有する。針遠位端157は、針本体142の針収容部154に固定される。より詳細には、針はしっかりした耐久力のある針収容部154に固定される。使用可能な止着部材はUVエポキシである。取り外される針壁の部分はセンサ250と厳密に整列する必要があるので、この固定は重要である。針近位端158は針鋭利部159を有する。
【0081】
針155は、針壁155aの一部が取り外される針解放領域156aを有する。針解放領域156aは、針近位端158から所定の距離だけ延在する。針解放領域156aは、センサ150を皮下に展開した後に、センサ150を収容し針155を引き戻すのに必要である。図32は、針本体保持アーム150の構造を示す。ここで、この保持アーム150は、針本体保持アーム150がリラックス状態にあるときに針本体周壁141を越えて延在する、外側を向いている針保持アームフック面151を有する。針本体保持アーム150は、柔軟であり、針本体周壁141に向かって且つその中に圧縮されるように構成される。図33は、針本体142の針収容部154の一実施形態を示す。針収容部154は、付勢要素149が閉じた針本体遠位端143と挿入アセンブリハウジング110の閉じたハウジング近位端114との間に留まる範囲を画定するように構成される。針アセンブリ140が挿入アセンブリハウジング110のアセンブリハウジング室118の内側に組付けられるとき、付勢要素149は圧縮状態にあり、針本体保持アーム150は、展開ボタンアセンブリ40が皮下にセンサ250を挿入するために展開されるときのアプリケータハウジング21のアプリケータアセンブリハウジングストップ38との干渉によって解放されるまで、挿入アセンブリハウジング110の針アセンブリ係止スロット132の中に位置しそれにより保持される。アプリケータアセンブリハウジングストップ38が針本体142の中に針本体保持アーム150を押すと、付勢要素149は、針アセンブリ140を開いたハウジング遠位端113に向かってスライドさせるあまり圧縮されていない状態に移り、結果、針155をセンサ上ハウジング200から離れて退かせることとなる。
【0082】
図34及び35は、針アセンブリ140の上面図及び下面図である。これらの図は、針本体142に対する針本体保持アーム150の位置を図示する。針本体側溝146も図示され、この側溝146は、(a)アセンブリハウジング係止スロット130から展開ボタン50の外側を向いているボタン保持アーム60の不慮の離脱を防止するため、(b)センサ250を皮下組織内に埋め込んだ後に、針本体142が展開ボタン上部55に向かって滑り上がるときに針本体142との考え得る干渉を防止するため、という2つの理由で含まれる。下面図では、針本体上部145の内側上面に対する付勢要素149の相対位置を示すのに、付勢要素149の外形149aが図示される。
【0083】
図36及び37に進み、電気センサアセンブリ220を含むセンサ上ハウジング200の一実施形態の前方、上方、斜視図と後方、底部斜視図が図示される。電気センサアセンブリ220は、電子回路230とセンサ250とを含む。図36は、センサ上ハウジング200の下に所定の距離だけ延在する皮下センサ250を示す。図37は、センサ上ハウジング200内に留まる電気センサアセンブリ220を示す。電気センサアセンブリ220がセンサ上ハウジング200内に組付けられた後、ポッティング化合物215がセンサ上ハウジング200に自動分注機(図示無し)により付与される。ポッティング化合物215は、電子回路230の下に染み込み、ポッティング化合物215が駆動スイッチ240(図44に図示)のベースで均一となりセンサ上ハウジング200と電子回路保持部209まで内周まで広がり渡るまで注がれる。ポッティング化合物は、通常、防水性材料であり、好ましくは2パート速硬化材料である。図36A図36の分解組立図であり、電気センサアセンブリ220とセンサ上ハウジング200とを示す。
【0084】
図38、38A、39は、それぞれ、センサ上ハウジング200の前方斜視図、上ハウジング保持凹部の拡大図、センサ上ハウジング200の前方平面図である。センサ上ハウジング200は、上ハウジング上部205と、上ハウジング上部開口部206と、上ハウジング上部205から離れるように直角に延在し、上ハウジング室212(図40、41に図示)を画定する、周方向の上ハウジング壁207と、周方向の上ハウジング壁207を直角に越えて上ハウジング上部205から延在するするハウジング上部フランジ部208とを有する。周方向の上ハウジング壁207はまた、ハウジング上部フランジ部208に隣接する上ハウジング係止凹部210を含む。上ハウジング係止凹部210は、センサモジュール160を形成するために結合されてユーザの皮膚上で展開されるときに、対応する下ハウジング係止要素174との係合を係止るように位置する。周方向の上ハウジング壁207の内側には、電子回路230を上ハウジング室212内に保持する少なくとも一つの電子回路保持部209がある。
【0085】
図40及び41は、それぞれ、線F40-F40に沿った図38のセンサ上ハウジングの断面図、及び、線F41-F41に沿った図38のセンサ上ハウジングの断面図である。管状上ハウジング針ガイド211が上ハウジング上部開口部206から下りる。上ハウジング針ガイド211は、ガイド遠位端211aとガイド近位端211bとを有する。更に、針ガイド211は所定距離だけ延在するので、結果、センサ上ハウジング200がセンサ下ハウジング170と結合すると、上ハウジング針ガイド211のガイド近位端211bが下ハウジング底部172より更に進んでは延在しない。ガイド近位端211bはセンサ250を収容するために取り除かれる部分211cを有する。センサ250は、この部分211cの中に位置する屈曲部を有し、センサ250の一部が針155の針解放領域内に位置する。図41は、上ハウジング係止凹部210を示す、線F41-F41に沿った図38のセンサ上ハウジングの断面図である。
【0086】
図42及び43に進み、センサ250を除いた電子回路230が図示される。図42は底部斜視図であり、図43は上部斜視図である。図43は、電子回路230に電力を送るバッテリ235をはっきりと示す。図42は、正常なオフ位置にある回路電源スイッチ240を示す。図44は、図42に画定された範囲F44の拡大図である。回路電源スイッチ240は、電子回路230の電子部品の上方付近にて円錐台形状である。回路電源スイッチ240は、電子回路230上に配置され、センサアプリケータシステムの作動及び展開中にセンサ上ハウジング200とセンサ下ハウジング170が結合すると、センサ下ハウジング170の動力アクチュエータ175と結合する。結合すると、動力アクチュエータ175が回路電源スイッチ240に押し付けられ、その後、バッテリ232からの動力が電子回路230とセンサ250につながる。この動きが発生すると、センサモジュール160は自動的に電源が入る。つまり、この動きは、センサアプリケータシステム10が展開され、ユーザの皮膚上にセンサモジュール160が展開され、センサが皮下に埋め込まれると、自動的に発生する。電子回路230はまた、例えば、後に記載される装置のように電子装置902とのセンサや他データの無線通信用の送信機(図示無し)など、電子部品を含む。
【0087】
図45及び46は、それぞれ、センサ250の一実施形態の正面図と背面図である。センサ250は、センサ遠位端260と、センサ中間部270と、センサ近位部280とを有する。センサ遠位端260は、電子回路230に電気的に結合する複数の接触パッド262を有する。センサ中間部270の一部と共にセンサ近位部280は、ユーザ/患者の皮膚内で皮下に埋め込まれる。複数の電極282は、センサ近位部280にて露出しており、複数の電極282の少なくとも一つは、例えばグルコースなど、検体を測定するように構成される。複数の電極282の他もそのように構成されると、1つ以上の検体が測定され得る。この実施形態において、センサ250は、センサ近位部280がセンサ遠位端260に対して横断、好ましくは直角であるように、屈曲部を有する。
【0088】
図47は、見る者から離れて且つ図の平面の方に延在するセンサ遠位端260と共にセンサ近位部280と複数の電極282とを示す、センサ250の拡大、背面図である。見て取れるように、センサ250のこの実施形態は、センサ近位部280側に沿ってたんこぶのように現れている1つ以上の摩擦面284を有する。これら「たんこぶ」は、針解放領域156aの針壁155aの内面と接触する。センサ近位部280と針壁155aとの間の摩擦接触とセンサ250の大きさにより、センサ近位部280やセンサ250のいかなる部分も損傷することなく、針155がユーザの皮膚を貫通し、センサ近位部280を皮下に埋め込むことができ、その後、センサ近位部280を埋め込んだまま針155を引き戻すことができる。
【0089】
図48~62に進み、全てを含み使用準備の整ったセンサアプリケータシステム10の操作が記載される。図48及び49は、使用準備の整った状態のアプリケータシステム10の断面図である。図48は、図1の線F48-F48に沿った図1のアプリケータシステム10の左側断面図であり、使用準備の整った状態のアプリケータシステム10を示す。図示の通り、センサアプリケータシステム10は、使用準備が整って梱包され全てを含む。よって、ユーザは、自動挿入器に「センサモジュール」を組付ける必要が無く、センサモジュールを作動する(つまり、電子回路やセンサを動かす)のにセンサモジュールに電源を物理的に接続する必要もない。この全てを含む使用準備の整った位置において、針アセンブリ140は、一度展開した針155を戻すのに使う位置エネルギーを蓄える圧縮状態にある付勢要素149と共に、挿入アセンブリハウジング110内部で結合される。センサ上ハウジング200は、挿入アセンブリハウジング110の閉じた近位端114にて保持される。針155は、センサ下ハウジング170に向かって上ハウジング針ガイド211を介して延在する。ここで、針近位端158は、センサ下ハウジング170のセンサ開口部176cと直接整列しその付近に配置される。図49は、図1の線F49-F49に沿った図1のアプリケータシステムの正面断面図である。この図は、挿入アセンブリハウジング110のアセンブリハウジング係止スロット130に係合した展開ボタン50の外側を向いているボタン保持アームを示す。これは、図49のF50Aにより画定された領域内の拡大図である図50Aにてより明らかに図示される。この図は、センサ下ハウジング170をアプリケータハウジング21に保持するために、ハウジング係止凹部178に結合された内側を向いているアプリケータハウジング保持アーム30も図示する。これは、図49のF50bにより画定された領域内の拡大図である図50Bによりはっきりと図示される。
【0090】
図51及び53は、針155が引き戻される前で、且つ、上及び下ハウジング、200が互いに結合する前に、センサ250の埋め込み完了直前の展開配向にあるアプリケータシステム10の断面図である。この目的は、関連する保持アームと様々な構成要素の対応する係止凹部の空間関係を示すことである。実質的に同時に、センサモジュール160は完成するところであり、針155及びセンサ250はユーザの皮下組織内にあり、針アセンブリ140は自動的に引き戻されるところであり、センサモジュール160はアプリケータハウジング21から解放されるところである。図51は、図48のアプリケータシステムの左側断面図であり、フル展開に僅かに満たない部分的に展開されたアプリケータシステムを示す。図52は、図51のF52により画定された領域内の拡大図であり、針本体保持アーム150がアプリケータアセンブリハウジングストップ38と接触するところを示す。図53は、図51のアプリケータシステムの正面断面図であり、挿入アセンブリハウジング110の閉じたハウジング近位端114が内側を向いているアプリケータハウジング保持アーム30と接触するところを示す。図54は、図53のF54により画定された領域内の拡大図である。
【0091】
図55及び57は、センサ250の埋め込み完了時の展開配向にあるアプリケータシステム10の断面図である。図55は、図48のアプリケータシステムの左側断面図であり、挿入アセンブリハウジング110内に引き戻された針アセンブリ140と共に完全展開したアプリケータシステム10を示す。図示の通り、センサ上ハウジング170はセンサ下ハウジング200と結合し、針アセンブリ140は、解放された付勢要素149の運動エネルギーにより動かされた。ここで、針本体上部145は、展開ボタン上部55と接触する。図56は、図55のF56により画定された領域内の拡大図である。図55は、針本体上部145と展開ボタン上部55との接触をより鮮明に図示する。図57は、フル展開された図55のアプリケータシステム10の正面断面図である。この図にて、閉じたハウジング近位端114が内側を向いているアプリケータハウジング保持アーム30と接触し、その更に最も進んだところで、保持アーム30をセンサ下ハウジング170から離れるように完全に押し、今形成されたセンサモジュール160がアプリケータモジュール15から解放される。図58は、図57のF58により画定された領域内の拡大図であり、保持アーム30がどのようにセンサ下ハウジング170から解放されるかをより鮮明に示す。
【0092】
図59及び60は、アセンブリハウジング保持アーム120及びアプリケータハウジング21の細長いカム壁面32の使用準備の整った配向並びに完全展開配向の断面図である。使用準備の整った配向では、カム壁面32の第1傾斜面34aにより生成された抵抗力に打ち勝つのに、展開ボタン50に対する十分な力が必要とされる。第1傾斜面34aにより、アセンブリハウジング保持アーム120がカム壁面32の第2傾斜面34bに到達するまで、アセンブリハウジング保持アーム120はアセンブリハウジング室118に向かって押されて付勢される(つまり、第1傾斜面34aに乗って/に沿ってスライドして)。付勢された腕120の力と結合した展開ボタン50に付与された初期力により、アセンブリハウジング保持アーム120が細長いカム壁面32の第2面部凹部35に到達するまで、アセンブリハウジング保持アーム120が第2傾斜面34bとアプリケータハウジング室28から離れて(つまり外側に)傾斜し続けるカム面36に沿って従いながら、展開ボタンは、他の力を必要とすることなくその完全展開位置まで移動し続ける。この時点で、センサモジュール160が完全に展開するので、展開ボタンアセンブリ50の下向きの移動が止まる。
【0093】
図61及び62は、完全展開したセンサアプリケータシステム10の右側平面図及び前方平面図であり、センサ250がユーザ/患者の皮膚内にて皮下で展開した状態で、アプリケータモジュール15から展開及び分離したセンサモジュール160を図示する。
【0094】
針/鋭利部
図63及び64は、本発明の針/鋭利部300の一実施形態の斜視図である。針/鋭利部300は、鋭利本体302と、鋭利開領域304と、鋭利先端306とを有する。鋭利本体302は、長手方向に延在し、囲まれた管301をそれを通して画定する、鋭利部300の円環部である。
【0095】
鋭利開領域304を画定するために所定距離だけ鋭利物300に沿って管状壁303の一部を取り除くのに、有線EDM加工操作やレーザ操作が使用される。これにより、鋭利物300の全高310が低減する。有線EDM加工操作やレーザ操作は両方とも、筒状管や平たい楕円の管に実施できる。鋭利開領域304は、鋭利開領域304の長さに沿う管状壁303と共に長手方向に延在する環の一部であり、鋭利先端306から鋭利本体302に覆われていない凹んだ穴314を画定する。凹んだ穴314は、連続的測定センサ250を収容する大きさである。
【0096】
CGMシステム
図65及び66を参照し、本発明のCGMシステム1000の一実施形態が図示される。CGMシステム100は、皮下検体センサアプリケータ10と、無線通信用に備えられる電子機器900、902とを有する。センサ下ハウジング170の底部にだけ溶接される粘着パッド14はまた、粘着パッド14の反対側に粘着層を持ち、この粘着層は、患者の皮膚にアプリケータモジュール15を粘着取付するために、アプリケータハウジング21の近位外側本体フランジ部27の底部と重なる。これは図1Bに図示される。
【0097】
図66は、センサ250を皮下組織内に挿入した後に使用中にシステム1000の一実施形態を示す。示される通り、図66は、電子機器902、902’、患者の腕にある送信機1004(センサ下ハウジング170、センサ上ハウジング200、及び電気センサアセンブリ220を含むセンサモジュール160である)の一例を示す。送信機1004は、(患者内に皮下的に展開された)連続的測定センサ250から電子機器902に検体測定データを通信する。このデータは、ユーザインターフェース918にてユーザに表示される。
【0098】
システム1000はまた、送信機1004との無線通信用に備えられた電子機器902にインストールされたシステムソフトウェアを含む。任意で、システム1000は、電子機器902と無線通信できるキャリブレーション用検体ストリップリーダ906(図示無し)を利用する。ソフトウェアを有するスマートフォンが図示されているが、これらの電子機器としては、スマートファンサイズの専用リーダ/メーターであってもよく、又は、キャリブレーション用に、血糖計と統合された専用の連続的グルコース測定計器を含む統合計器であってもよいと、解釈される。電子機器902の例は、コンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、データロガー、時計、自動車情報/エンターテインメントシステム、又は他の電子機器を含む。無線通信は、無線周波(RF)通信、Wi-Fi、ブルートゥース(BlueTooth)、近接通信(NFC)、センサ無線、モバイルボディエリアネットワーク(MBAN)、又は他の無線通信プロトコルを介してもよい。ストリップリーダ906を採用する本実施形態において、ストリップリーダ906は、統合されたBLE(ビーエルイー、BlueTooth Low energy)を有し、電子機器902に無線でキャリブレーションデータを送り、新しいキャリブレーションデータポイントを使用する患者の意志に関して患者に質問する。
【0099】
一実施形態において、送信機1004は、ブルートゥース・ロー・エナジー(BLE)のような無線PAN(WPAN)を使用して電子機器902と通信する。他の実施形態では、通信において、数センチから数メートルの範囲内で一般的に効果的な他の無線通信プロトコルを使用してもよい。幾つかの実施形態では、例えば、システムソフトウェアは、携帯電話などにインストールされたアンドロイド(Android)及び/又はアップル(Apple)ソフトウェアプラットフォームを使って通信するように構成され、最大30フィート(約9.2メートル)までの領域を有する。
【0100】
一実施形態において、送信機1004は、電力を節約し、標準的なブルートゥース(Bluetooth)BLEプロトコルを介して作動するように設計される。例えば、連続的測定センサ250からのセンサ読み出しは、送信機1004から5分毎に送信され、センサ読み出しは、ユーザの電子機器902によって受信後にユーザに迅速に表示される。一般的には、送信機1004は、1回か2回試みた後に電子機器902と良好に接続する。
【0101】
一実施形態において、システム100は、他の装置からの望まない通信を回避するために、ユニバーサリー・ユニーク・アイデンティファイア(universally unique identifier、UUID)フィルタを使用する。特に、地下鉄、コンサート、又は他の公共の場所等、密度の高い地域にユーザがいる場合、電子機器902付近には複数の装置が存在し検出され得ると予想される。
【0102】
一実施形態において、システム1000は、別のストリップリーダから無線で取得したキャリブレーションデータを利用する。例えば、グルコースについての指片読み出しが行われ、その後、キャリブレーション用にシステム1000に手動又は自動で入力される。一実施形態において、システム1000のソフトウェアアプリは、任意の計器から取得したワンポイントキャリブレーション値をユーザがマニュアルで入力する手段を有する。例えば、ユーザは、別のストリップリーダを使って取得した100mg/dlのキャリブレーション読み出しを入力するために、電子機器902のインターフェースを使用する。キャリブレーションデータを入力後、ユーザは、キャリブレーションデータを承認、却下、又は手動で再入力できる。他実施形態において、システムソフトウェアは、外部の計器からBLEキャリブレーション情報を受信する。システム1000がキャリブレーションデータを受信した後、ユーザは、このキャリブレーションデータを承認、却下、又はユーザインターフェースに手動で再入力できる。
【0103】
本システムソフトウェアは、ユーザインターフェース918を提供し、その一例は、タッチ感知表示スクリーンである。一実施形態において、ユーザインターフェース918は、無線強度とバッテリ強度用のインジケータ910aを備えるメインスクリーン909を有する。他のインジケータ910bは、検体濃度(例えば、グルコース濃度)をmg/dL(1デシリットルあたりのミリグラム)やmmol/L(1リットルあたりのミリモル)などの単位で表示する。インジケータ910cは、検体濃度(例えばグルコース)が増加中、減少中、又は変化無いかをユーザに通信するために、グルコースの傾向を示す矢印を表示する。一実施形態において、傾向を示す矢印のインジケータ901cはまた、相対的な変化率も知らせる。
【0104】
一実施形態において、例えば、所定値以上の絶対値を有する変化率(例えば、3mg/dL/分以上)は、2つの縦に配向した矢印(上又は下)として表示され、所定値未満の絶対値を有する第2所定領域の変化率(例えば、2~3mg/dL/分)は1つの縦に配向した矢印(上又は下)として表示され、第2所定領域未満の絶対値を有する第3所定領域の変化率(例えば、1~2mg/dL/分)は、水平に45度傾いた矢印(上又は下)として表示され、第3所定領域の絶対値未満の絶対値を有する第4所定領域の変化率(例えば、1mg/dL/分以下)は、定常状態を示すのに水平矢印として表示される。一実施形態において、変化率は、以下の計算式を用いて5つの連続データポイントに基づいて演算される。
【0105】
【数1】
【0106】
一実施形態において、検体(例えば、グルコース)濃度は、送信機1004からのデータにより毎分更新され、メインスクリーン909に表示される。任意で、送信されたデータは、電子機器902が領域の外にあったり、又はその間に受信不可能であったりする場合、送信機1004内で更新及び保存される。一実施形態において、送信機1004よる各送信は、所定の数の前のデータポイント(例えば、5)を含み、電子機器902がその間に受信不可能な場合に欠落データを埋め合わせる。
【0107】
メインスクリーン909はまた、検体濃度対時間のプロット911を表示する。一実施形態において、Y軸(検体濃度)は、プロットされたデータの最小値より10%低い最小Y軸値と、プロットされたデータの最大値より10%高い最大Y軸値とで自動的にスケーリングするように構成される。X軸は、ユーザが選択した時間枠を表示するように構成され得る。
【0108】
メインスクリーン909はまた、プロット911で表示されたデータを含むデータのマクロ時間尺912を表示する。マクロ時間尺912で表示されたデータの一部は、強調され、且つ、プロット911に表示されたデータに対応する。例えば、マクロ時間尺912は、3時間、6時間、12時間、24時間、3日間、又は1週間に渡って検体濃度データを表示するように構成されてもよい。したがって、プロット911で表示されるデータは、マクロ時間尺912で表示されるデータのサブセットである。一実施形態において、マクロ時間尺912の強調領域913は、ユーザインターフェース918の能動素子である。例えば、強調領域913を真ん中でタッチしたり左右にドラッグしたりすることで、プロット911のデータが選定され移動する。同様に、左縁913aや右縁913bで強調領域913をタッチしたり、左右にドラックしたりすることで、強調領域913は、時間軸に沿って拡張されたり縮小されたりする。強調領域913の大きさや位置が調整されると、プロット911は、強調領域913の同じ最小時間と最大時間との間のデータを表示するように自動的に更新される。メインスクリーン909はまた、アクティブなサービスアイコン915も表示する。アクティブなサービスアイコン915を選択すると、キャリブレーションやカスタマイズ用のインジケータ910がサービススクリーンに表示される。例えば、サービススクリーンは、上方域と下方域、警報限界値、表示ユニット、デバイスペアリング設定、時間枠、X軸時間域などを設定するインジケータ910を含む。例えば、ユーザは、マクロ時間尺912とプロット911で表示されるデータの時間範囲を設定するために、サービススクリーンにアクセスする。キャリブレーションアイコンを選択することで、検体データを較正するために使用されるキャリブレーションスクリーンが開く。幾つかの実施形態において、サービススクリーンは、使用説明書や使用説明書にアクセスするリンクを含む。
【0109】
例えば、最大及び最小濃度/制御限界値用のユーザが設定した値又は初期値は、それぞれ、破線916a、916bとしてプロット911に表示され、水平に延在する。一実施形態において、ユーザが設定した制御限界値は警報されない。デフォルトの制御限界値は、上側及び下側の警報限界値と上側及び下側の報告可能な領域限界を提供する。結果、最大値916aより大きい又は最小値916bより小さい読み出しは、ユーザへの振動や可聴アラートなど、警告される。一実施形態において、最大濃度限界値916aは510mg/dLの初期値を有し、最小濃度限界値916bは90mg/dLの初期値を有する。
【0110】
幾つかの実施形態において、システムソフトウェアは、医療従事者への報告書を生成するように構成されてもよい。例えば、アイコンをタッチすることで、目標域の上下の時間や、警報報告、CGM値や、予測されるA1C及びeAG値、時間あたりの検体測定など、クラウド経由で医療従事者へ転送され得る報告書や構成が開く。
【0111】
一実施形態において、システム1000により、ユーザは、別のグルコースストリップリーダからのワンポイントキャリブレーション値を手動で入力できる。例えば、ユーザは、テストストリップ測定から得られるような100mg/dlを入力する。キャリブレーション値を入力した後、患者は、キャリブレーションデータを承認、却下、又は手動でユーザインターフェースに再入力する。
【0112】
他の実施形態では、システム1000は、BLEや他の無線通信プロトコルを介してストリップリーダからキャリブレーション情報を受信するように構成される。
【0113】
幾つかの実施形態において、設定及びユーザ設定(preferences)は、ロックされてもよく、パスワードや、生体情報や、設定及びユーザ設定メニューを解除するキーの役割をする他の情報を入力することによってのみアクセス可能であってもよい。
【0114】
一実施形態において、システム1000は、以下の一般的な変数ラベルを使って一般的なデータ演算を実施する。
A0=(M*X+B)-(N*Y+C)
A1=A0+キャリブレーション調整
A2=A1/18.018018
X=((チャンネル0>*0.000494)-1)*1000
Y=((チャンネル1>*0.000494)-1)*1000
一般的な変数は以下のように定義される。
【0115】
A0は、mg/dLでの未較正のCGM値である。
A1は、mg/dLでの較正済みの表示されるCGM値である。
A2は、mmol/Lでの較正済みの表示されるCGM値である(代替部)。
【0116】
Xは、チャンネル0(センサ信号チャンネル)のmV読取出力である。
Mは、チャンネル0の傾斜補正係数である。
Bは、チャンネル0のオフセット補正係数である。
【0117】
Yは、チャンネル1(ブランク信号チャンネル)のmv読取出力である。
Nは、チャンネル1用の傾斜補正係数である。
Cは、チャンネル1用のオフセット補正係数である。
【0118】
一実施形態において、M、B、N、及びC変数の値は、電子機器902に保存される。一実施形態において、値A0、A1、X、及びYは、データタイムスタンプと共にSqlite(エスキューライト)データベースに保存される。例えば、日付、チャンネル-0-値、チャンネル-1-値、演算した-グルコース値、演算-グルコース-値-キャリブレーション、そしてデバイスーid、である。任意に、別のデータベースは、日付、入力した-キャリブレーション値、そしてデバイス-idなどのタイムスタンプを有する、患者が入力したキャリブレーションデータを含む。
【0119】
一実施形態において、所定の最大限界値(例えば、500mg/dLや27.7mmol/L)よりも大きいA1やA2の値(プロット911にて患者に表示される値)は、「報告範囲超え」など、ユーザインターフェース918に表示されるエラーメッセージとなる。同様に、所定の最小限界値(例えば、40gm/dLや2.2mmol/L)に満たないA1やA2の値は、「報告範囲未満」など、ユーザに表示されるエラーメッセージとなる。
【0120】
送信機1004と電子機器902との通信は安全である。例えば、送信機1004と電子機器902との間では、BLEサポートセキュリティ管理プロトコルが利用される。SMPは、暗号化と認証、ペアリングとボンディング、デバイスID検証用の鍵生成、データ署名、暗号化、送信機1004と電子機器902の入力/出力性能に基づくペアリング方法を含む、ペアリング、認証、及びデバイス間の暗号化を管理するための手順と挙動を画定する。
【0121】
一実施形態において、電子機器902は、送信機1004と無線で通信するように構成された腕時計である。このような実施形態において、システムソフトウェアは、腕時計として構成された電子機器902’のユーザインターフェース918上に3つのスクリーンを含む。第1スクリーンは、最新の検体濃度と測定単位を表示する。例えば、グルコース濃度は、mg/dLやmmol/Lにてインジケータ910bにより表示され、5分毎に更新される。傾向を示す矢印インジケータ910cは、上述したように、相対変化率を示す。
【0122】
第2スクリーンは、最新のグルコース濃度及び測定単位を表示する。第2スクリーンは、前の1時間の検体濃度データを使ったプロット911を表示し、Y軸はグルコース濃度であり、X軸は時間である。上限値及び下限値916a、916bは、破線で表示される。第3スクリーンは、24時間の取得データを使ったマクロ時間尺912を表示する。
【0123】
センサ構造
図67は、連続測定センサ250を生成するために試薬の堆積の準備ができている多層センサアセンブリ500の一実施形態の斜視図である。この実施形態では、この多層センサアセンブリ500は、参照電極534と、ブランク電極又は第2作用電極533と、対向電極532と、第1作用電極530とを有する。電極530、532、533、534は、基板遠位端部502に形成され、基板近位端部501にて導電性接触パッド503及びアセンブリ中間部530を介して電気的に連通する。多層センサ基板500は、グルコース測定センサのような皮下検体センサを形成するのに役に立つ。
【0124】
検出層(図示無し)が、第1及び第2作用電極530、533それぞれの上に形成される。検出層は、ベース被覆層と、第2被覆層と第3又は上部被覆層との、3つの被覆層からできる。ベース被覆層は、ポリ2-ヒドロキシエチルメタクリラート(poly-2-hydroxyethyl methacrylate、PHEMA)を含み、基板遠位端部502のそれぞれの穴の底部で露出した金属上に直接配設される被覆である。グルコースを測定する第1作用電極に特有であるのが、グルコースオキシダーゼ及び/又はグルコース脱水素酵素もまた含まれる。第2作用電極又はブランク電極は、酵素を含まず、サンプル内の背景雑音及び/又は干渉を測定するだけに使用される。これは、第1作用電極が、皮下組織内のグルコースの量により駆動される一部を含む総電流だけでなく、背景騒音及び/又は干渉導出電流も有するからである。第2作用電極又はブランク電極から導出された電流を第1作用電極から差し引くアルゴリズムを使用することで、より正確にグルコースを測定できる。第2被覆層は、ベース被覆層に直接配設され、PHEMAとポリジメチルシロキサン(PDMS)からの複数の微小球を含む。PDMSは、グルコースに対する透過性が実質無いかほとんど無い材料であるが、酸素に対しては実質的に高い透過性を有する。第3被覆層又は上部被覆層は、第2被覆層に直接配設され、PHEMAとカタラーゼを含む。カタラーゼは、検出層からの過酸化水素が周辺環境に放出することを回避する材料である。この場合、周辺皮下組織である。参照電極534に関して、銀-塩化銀(AgCl)層が穴の底部で金属上に生成され、その後、AgCl層がヒドロゲル膜により被覆される。対向電極532は、ヒドロゲル膜のみにより被覆された穴の底部に金属を有する。
【0125】
図68を参照して、斜視拡大図は、基層510と、中間層550と、上層580とを示し、これらが多層センサ基板500を構成する。本明細書での「中間層」は、基層510と中間層550との間に他の層がある場合に、干渉する電気的に絶縁性の層を有することなく、上層580に隣接する層を意味する。基層510は、電気的に絶縁性であり、基板近位端部514と、基板遠位端部516と、基板近位端部514と基板遠位端部516との間の基板中間部518とを有する。基板金属化層520は、基層510上に配設され、基層510に沿って長手方向に延在する少なくとも一つの回路552を画定する。各回路552は、基板近位端部514に形成された導電性の接触パッド524と、基板遠位端部516に形成された導電性の接触パッド526と、基板近位端部514の導電性の接触パッド524を基板遠位端部516の導電性のパッド526と電気的に結合する導電性のトレース528と、を有する。
【0126】
中間層550もまた電気的に絶縁性であり、基層510上に配設され、中間層近位端部554と、中間層遠位端部556と、中間層中間部558とを有する。中間層550は、基層520に対応する大きさ及び形状を有し、基層510と整列する。中間層550は、電極材や試薬を受けるように適合された中間層遠位端部556にて導電性の接触パッド560を有し、それぞれ電極を形成する。中間層近位端部554の導電性の接触パッド562それぞれは、電気的接点を受けるように適合される。
【0127】
上層580もまた電気的に絶縁性であり、中間層550上に配設される。上層580は、中間層550及び基層510に対応する大きさ及び形状を有する。上層580は、上層近位端部582と、上層遠位端部584と、上層中間部586とを有し、上層580は、基層510及び中間層550と整列する。上層580は、基板近位端部501上の接触開口590及び基板遠位端部502上のセンサ穴592を含む、複数の開口を有する。接触開口590及びセンサ穴592は、それぞれ、中間層550の導電性の接触パッド560及び562と合う。基層510と、中間層550と、上層580とは、基層510上の回路552及び中間層550上の回路572と共に製造され、例えば図42に示されるように、基板近位端部501と、基板遠位端部502と、基板近位端部501 と基板遠位端部502との間で長手方向に延在するアセンブリ中間部503と、を有する多層センサ基板500を生成する。基板遠位端部502及びアセンブリ中間部503はそれぞれ、約279ミクロンの幅を有す。
【0128】
図69~71を参照して、基層510は図44の平面図で図示され、 基板近位端部514は図70に拡大して表示され、基板遠位端部516は図71に拡大して表示される。基層510は、電気的に絶縁性であり、基板近位端部514と、基板遠位端部516と、基板近位端部514と基板遠位端部516との間に延在し基板近位端部514と基板遠位端部516とを接続する基板中間部518と、を有する、基層基板512を備える。一実施形態において、基層基板512は、ポリイミドから作られ、7.5μmから12.5μmまでの厚さを有する。例えば、基層基板512は、約10μmの厚さを有する。以下により詳細に記載する一実施形態において、基層基板512は、ガラス板上でポリイミドをスピンコーティングして形成され、その後、リソグラフィ処理が続く。
【0129】
基板金属化層520は、基層基板512に直接配設され、基層近位端部514から基層遠位端部516まで基層基板512に沿って長手方向に延在する少なくとも一つの回路を画定する。図示される一実施形態において、基板金属化層520は、2つの回路522を画定する。回路522a、522bはそれぞれ、基板近位端部514に形成される導電性の接触パッド524a、524bを有する。回路522aは、基板遠位端部516に形成される、導電性の接触パッド526a1-526a2を有する。回路522bは、遠位端部516に導電性の接触パッド526bを有する。回路522a、522bはそれぞれ、基板近位端部514の導電性の接触パッド524a1-524a2、524bを基板遠位端部516のそれぞれ導電性のパッド526a、526bと電気的に結合する導電性トレース528(528a及び528b)を有する。例えば、回路522aはセンサアセンブリ500の作用電極530用に構成され、回路522bはセンサアセンブリ500のブランク電極533用に構成される(図67に図示)。
【0130】
接触パッド526a1-526a2のそれぞれは、中間層基板552の貫通穴564に合わせた大きさだけというよりも、中間金属化層550の1つ以上の接触パッド562に対応する大きさ及び形状を有する。この構成の利点は、接触パッド526a1-526a2により、以下に記載されるスピンコーティング過程により発生する接触パッド562に生じる応力が低下することである。この応力は、中間金属化層570の接触パッド562の割れにつながる。一実施形態において、例えば、接触パッド526a1は、中間金属化層570の接触パッド562aの実質的に下にあるような大きさ及び形状であるが、貫通穴564cではない。接触パッド526a2は、中間金属化層570の接触パッド562b、562c及び貫通穴564dの実質的に下にあるような大きさ及び形状である。
【0131】
一実施形態において、基板金属化層520は、全体の厚みが1200±300A(オングストローム)である。例えば、基板金属化層520は、基層基板512上に直接それに対向してクロムの第1の部分(200±150A)を堆積し、金の第2の部分(1000±150A)をそのクロム上に直接堆積し、クロムの第3の部分(200±150A)をその金の上に直接堆積して、形成される。つまり、基板金属化層520は、約900オングストロームから約1500オングストロームの範囲の厚さを有する。他の導電性の材料、及びその厚さは、センサアセンブリ500の使用目的に応じて、基板金属化層520用として許容される。
【0132】
図72~74を参照して、中間層550は、図72の平面図にて図示される。第2近位端部554は図73にて拡大して表示され、第2遠位端部556は図74に拡大して表示される。中間層550は、電気的に絶縁性であり、基層510に対して延在する側壁を備える複数の中間層貫通開口564を画定する、中間層基板552を有する。ここで、中間層貫通開口564はそれぞれ、基層510の回路552の導電性の接触パッド524、526と電気的に連通する。一実施形態において、中間層基板552は、以下に説明するように、例えば、多層センサ基板500を作成する方法600により、基層510及び基板金属化層520にスピンコーティングされるポリイミドから作られる。一実施形態において、中間層基板552は、約10μmのような、7.5μmから12.5μmの厚さを有する。
【0133】
中間金属化層570は、中間層基板552及び貫通開口564の側壁に直接配設され、少なくとも2つの中間層回路572を画定する。中間層回路572それぞれは、中間層近位端部554に形成された導電性の接触パッド560と、中間層遠位端部556に形成された導電性の接触パッド562と、中間層近位端部554の接触パッド560を中間層近位端部556の導電性の接触パッド562と電気的に結合する導電性のトレース574と、を有する。そして、少なくとも1つ以上の他の導電性の560、562が貫通開口564と電気接触する。少なくとも1つ以上の追加の導電性のパッド560、562は、貫通開口564により又はそれを介して基層回路552に電気的に結合する。例えば、中間金属化層570は、上面550aと、貫通開口564の側壁と、基板金属化層520の一部とに堆積され、基板金属化層520と各接触パッド560、562との間の電気的導通を生成する。
【0134】
図73に示される中間層近位端部554の一実施形態において、例えば、中間層回路572aは接触パッド560bを含み、中間層回路572bは接触パッド560cを含む。接触パッド560a、560dは、中間層回路572a、572bから隔離される。接触パッド560a(例えば、作用電極130用)は2つの貫通開口564aを画定し、接触パッド560b(例えば、ブランク電極133用)は2つの貫通開口564bを画定し、それぞれは、接触パッド524a及び接触パッド524bにて基板金属化層520との電気的連通を有する(図70参照)。
【0135】
図74に示される中間層遠位端部556の一実施形態において、例えば、中間層回路572aは接触パッド562aを含み、中間層回路572bは接触パッド562cを含む。接触パッド562b、562dは中間層回路572a、572bから隔離される。中間層基板552は、接触パッド526b(図71に図示)にて基板金属化層520への電気的導通を有する接触パッド562b(例えば、ブランク電極133用)にて貫通開口564cを有する。中間層基板552は、接触パッド526a2(図71に図示)と電気的導通を有する接触パッド562dと共に開口564dを画定する。接触パッド562d、562bは中間層回路572a、572bから隔離される。接触パッド562a(つまり、参照電極134)は、3つの接触パッド部562a1と、562a2と、562a3とに細分化される。参照電極534は細分化され、Ag/AgClの割れ、及び接触パッド562aからの剥離を防ぐ。これは、本特許において、センサ500が皮下へ埋め込まれる場合の明確な利点である。
【0136】
多層センサアセンブリ500の利点は、皮下組織を貫通する幅の小さいセンサを構成する能力であり、これは、全ての導電性のトレースを単一の基板上に並んで配置することで達成できる、多層センサアセンブリ500は、トレース用に複数の層を利用するので、これにより、各層を1つ又は2つの回路トレースに各層を限定することで幅を小さくできる。
【0137】
本発明の好ましい実施形態が本明細書に記載されるが、上記記載は単なる例示にすぎない。本明細書に開示される発明の更なる変更は、各技術分野の当業者であれば思いつくであろう。このような変更は全て、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の範囲内であるとみなされる。
図1
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13-13B】
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図20A
図21-22】
図23
図24
図25
図26
図27-28】
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図36A
図37
図38-38A】
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49-50B】
図51-52】
図53-54】
図55-56】
図57-58】
図59
図60
図61
図62
図63
図64
図65
図66
図67
図68
図69
図70
図71
図72
図73
図74