(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-20
(45)【発行日】2024-11-28
(54)【発明の名称】電子モジュールの冷却システム
(51)【国際特許分類】
H01L 23/473 20060101AFI20241121BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
H01L23/46 Z
H05K7/20 N
(21)【出願番号】P 2021569205
(86)(22)【出願日】2020-05-21
(86)【国際出願番号】 GB2020051245
(87)【国際公開番号】W WO2020234600
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2023-05-01
(32)【優先日】2019-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2019-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】520018266
【氏名又は名称】アイスオトープ・グループ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ICEOTOPE GROUP LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エドマンズ,ニール
(72)【発明者】
【氏名】マッテソン,ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】ロングハースト,ネイサン
(72)【発明者】
【氏名】アモス,デイビッド
【審査官】栗栖 正和
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-018857(JP,A)
【文献】国際公開第2019/048864(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0177007(US,A1)
【文献】米国特許第07724524(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/473
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子モジュー
ル内に収容された複数の電子デバイスを冷却するためのシステムであって、
前記電子モジュールのハウジングであって、複数の電子デバイスが前記ハウジング内に収容されるハウジングと、
前記電子モジュールの前記ハウジング内に配置された熱交換器と、
前記複数の電子デバイスのうちの第1の電子デバイスと
前記熱交換器との間で第1の液体冷却剤を循環させるように構成された第1の冷却循環装置であって、
前記電子モジュールの前記ハウジングは前記第1の液体冷却剤を収容し、前記第1の電子デバイスは、熱が
前記第1の液体冷却剤と接触している前記第1の電子デバイス
の表面から前記第1の液体冷却剤に伝達されるように前記第1の液体冷却剤に
接触している、第1の冷却循環装置と、
前記複数の電子デバイスのうちの第2の電子デバイスと前記熱交換器との間で第2の液体冷却剤を循環させるように構成された第2の冷却循環装置であって、前記第2の電子デバイスは、熱が前記第2の電子デバイスから前記第2の液体冷却剤に伝達されるように前記第2の液体冷却剤に熱的に結合されている、第2の冷却循環装置と
を備え、
前記第1の冷却循環装置および前記第2の冷却循環装置は、熱が前記熱交換器を介して前記第1の液体冷却剤から前記第2の液体冷却剤に伝達されるように、少なくとも前記熱交換器を介して熱的に結合さ
れ、
前記熱交換器は、熱界面によって分離された少なくとも第1のチャンバおよび第2のチャンバを備え、前記熱交換器は、熱が前記熱界面を通じて前記第1の液体冷却剤から前記第2の液体冷却剤に伝達されるように、少なくとも前記第1のチャンバを通る前記第1の液体冷却剤の流れ、および少なくとも前記第2のチャンバを通る前記第2の液体冷却剤の流れのために構成される、システム。
【請求項2】
前記第2の冷却循環装置は冷却システムをさらに備え、前記第2の冷却循環装置は、前記複数の電子デバイスのうちの前記第2の電子デバイス、前記熱交換器、および前記冷却システムの間で前記第2の液体冷却剤を循環させるように構成され、熱が、前記冷却システムによって前記第2の液体冷却剤から除去される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第2の冷却循環装置は、第2の液体冷却剤供給設備に接続され、前記第2の冷却循環装置は、前記第2の液体冷却剤供給設備から受け取った前記第2の液体冷却剤を前記複数の電子デバイスのうちの前記第2の電子デバイスと前記熱交換器との間で循環させ、前記第2の液体冷却剤供給設備に戻すように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の液体冷却剤に少なくとも部分的に浸漬される、請求項1~
3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の冷却循環装置は堰をさらに備え、前記堰は、
基部および前記基部から延在する保持壁であって、前記基部および前記保持壁は、前記第1の液体冷却剤の一部を維持するための容積を画定する、基部および保持壁と、
前記第1の液体冷却剤が前記容積に流入する入口と
を備え、
前記入口を通って前記容積内に十分な前記第1の液体冷却剤が流れることにより、前記第1の液体冷却剤が
前記第1の電子デバイスの前記表面と接触するように前記保持壁から溢れ出て、
溢れ出た前記第1の液体冷却剤を、前記電子モジュールの前記ハウジング内に収容されており、かつ前記堰の外部にある第1の液体冷却剤と
前記第1の冷却循環装置に循環されるように合流
させる、請求項
4に記載のシステム。
【請求項6】
前記入口は、前記容積内に流入する前記第1の液体冷却剤を導くためのノズル装置をさらに備える、請求項
5に記載のシステム。
【請求項7】
前記堰は、前記堰の前記容積内で前記基部および/または前記保持壁から延在する突出部をさらに備える、請求項
5または
6に記載のシステム。
【請求項8】
前記堰は、ヒートシンクとして作用するように前記第1の電子デバイスの表面に結合される、請求項
5~
7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の冷却循環装置は、
前記第1の冷却循環装置を巡って前記第1の液体冷却剤を循環させるように構成されたポンプをさらに備える、請求項1~
8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の冷却循環装置は、前記電子モジュールの前記ハウジング内に収容され且
つ堰の外側にある第1の液体冷却剤を受け入れるように配置されたポンプ入口をさらに備える、請求項
9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1の冷却循環装置は、
前記第1の液体冷却剤を前記ポンプから前記熱交換器に、前記熱交換器か
ら堰の入口にそれぞれ輸送するように構成された少なくとも第1のパイプおよび第2のパイプをさらに備える、請求項
9または
10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第2の冷却循環装置は、前記第2の電子デバイスを前記第2の液体冷却剤に熱的に結合するように構成された冷却モジュールをさらに備える、請求項1~
11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記冷却モジュールはコールドプレートを備え、前記コールドプレートは、
コールドプレートハウジングであって、前記コールドプレートハウジングの表面が、前記コールドプレートハウジングに熱的に結合された前記第2の電子デバイスを冷却するための熱界面を提供するように構成されている、コールドプレートハウジングと、
前記コールドプレートハウジング内の、前記コールドプレートハウジングの表面に近接した少なくとも1つのチャネルであって、前記少なくとも1つのチャネルは、前記第2の電子デバイスからコールドプレートハウジングの表面を通じて受け取られる熱が前記第2の液体冷却剤に伝達されるように、前記第2の液体冷却剤が前記チャネルを通って流れるように構成されている、少なくとも1つのチャネルと
を備える、請求項
12に記載のシステム。
【請求項14】
第2の冷却循環装置は、前記コールドプレート、前記熱交換器およ
び冷却システムの間で前記第2の液体冷却剤を輸送するように構成された複数の導管をさらに備える、請求項
13に記載のシステム。
【請求項15】
電子モジュールのハウジング内に収容された複数の電子デバイスを冷却するための方法であって、
第1の冷却循環装置を巡って第1の液体冷却剤を循環させるステップであって、前記複数の電子デバイスのうちの第1の電子デバイスと熱交換器との間で第1の液体冷却剤を循環させることを含み、
前記熱交換器は前記電子モジュールのハウジング内に配置され、前記電子モジュールの前記ハウジングは前記第1の液体冷却剤を収容し、前記第1の電子デバイスは、熱が
前記第1の液体冷却剤と接触している前記第1の電子デバイス
の表面から前記第1の液体冷却剤に伝達されるように前記第1の液体冷却剤に
接触している、第1の液体冷却剤を循環させるステップと、
第2の冷却循環装置を巡って第2の液体冷却剤を循環させるステップであって、前記複数の電子デバイスのうちの第2の電子デバイスと前記熱交換器との間で第2の液体冷却剤を循環させることを含み、前記第2の電子デバイスは、熱が前記第2の電子デバイスから前記第2の液体冷却剤に伝達されるように前記第2の液体冷却剤に熱的に結合されている、第2の液体冷却剤を循環させるステップと
を含み、
前記第1の冷却循環装置および前記第2の冷却循環装置は、熱が前記熱交換器を介して前記第1の液体冷却剤から前記第2の液体冷却剤に伝達されるように、少なくとも前記熱交換器を介して熱的に結合さ
れ、
前記熱交換器は、熱界面によって分離された少なくとも第1のチャンバおよび第2のチャンバを備え、前記熱交換器は、熱が前記熱界面を通じて前記第1の液体冷却剤から前記第2の液体冷却剤に伝達されるように、少なくとも前記第1のチャンバを通る前記第1の液体冷却剤の流れ、および少なくとも前記第2のチャンバを通る前記第2の液体冷却剤の流れのために構成される、方法。
【請求項16】
前記第2の冷却循環装置は冷却システムをさらに備え、前記第2の冷却循環装置を巡って前記第2の液体冷却剤を循環させるステップは、前記複数の電子デバイスのうちの前記第2の電子デバイス、前記熱交換器、および前記冷却システムの間で前記第2の液体冷却剤を循環させることを含み、熱が、前記冷却システムによって前記第2の液体冷却剤から除去される、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の冷却循環装置は、第2の液体冷却剤供給設備をさらに備え、前記第2の冷却循環装置を巡って前記第2の液体冷却剤を循環させるステップは、前記第2の液体冷却剤供給設備から前記第2の液体冷却剤を受け取ることと、前記第2の液体冷却剤を前記複数の電子デバイスのうちの前記第2の電子デバイスと前記熱交換器との間で循環させて、次いで、前記第2の液体冷却剤供給設備に戻すこととを含む、請求項
15に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の電子デバイスは、前記第1の液体冷却剤に少なくとも部分的に浸漬される、請求項
15~
17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の冷却循環装置は堰をさらに備え、前記堰は、
基部および前記基部から延在する保持壁であって、前記基部および前記保持壁は、前記第1の液体冷却剤の一部を維持するための容積を画定する、基部および保持壁と、
前記第1の液体冷却剤が前記容積に流入する入口と
を備え、
前記入口を通って前記容積内に十分な前記第1の液体冷却剤が流れることにより、前記第1の液体冷却剤が
前記第1の電子デバイスの前記表面と接触するように前記保持壁から溢れ出て、
溢れ出た前記第1の液体冷却剤を、前記電子モジュールの前記ハウジング内に収容されており、かつ前記堰の外部にある第1の液体冷却剤と
前記第1の冷却循環装置に循環されるように合流
させる、請求項
15~
18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記第2の冷却循環装置は、前記第2の電子デバイスを前記第2の液体冷却剤に熱的に結合するように構成された冷却モジュールをさらに備える、請求項
15~
19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
冷却モジュールはコールドプレートを備え、前記コールドプレートは、
コールドプレートハウジングであって、前記コールドプレートハウジングの表面が、前記コールドプレートハウジングに熱的に結合された前記第2の電子デバイスを冷却するための熱界面を提供するように構成されている、コールドプレートハウジングと、
前記コールドプレートハウジング内の、前記コールドプレートハウジングの表面に近接した少なくとも1つのチャネルであって、前記少なくとも1つのチャネルは、前記第2の電子デバイスから前記コールドプレートハウジングの表面を通じて受け取られる熱が前記第2の液体冷却剤に伝達されるように、前記第2の液体冷却剤が前記チャネルを通って流れるように構成されている、少なくとも1つのチャネルと
を備える、請求項
15~
20のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術分野
本開示は、電子モジュールに収容された複数の電子デバイスを冷却するシステムに関する。システムは、電子モジュール内の第1の電子デバイスを冷却するように構成された第1の冷却循環装置と、電子モジュール内の第2の電子デバイスを冷却するように構成された第2の冷却循環装置とを備える。第1の冷却循環装置内を循環する冷却剤は、熱交換器を介して第2の冷却循環装置内を循環する冷却剤に熱を伝達することによって冷却される。さらに、電子モジュールに収容された複数の電子デバイスを冷却する方法を説明する。
【0002】
本開示はまた、ラック内に設置するように構成された電子モジュールを冷却するためのシステムに関する。本開示は、電子モジュールのための液冷式システムの設置方法、および設置方法に使用するためのキットをさらに検討する。
【背景技術】
【0003】
本開示の背景
コンピュータ、サーバ、またはデータ処理に使用される他のデバイス(ITまたは情報技術と称される)内には、集積回路(IC)と呼ばれるいくつかの電子デバイスがある。集積回路内の電子デバイスは、中央処理装置(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、グラフィックス処理装置(GPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)などを含むことができる。これらのデバイスの各々は、使用時に熱を発生させる。デバイスを正しい動作のために最適な温度に維持するために、この熱をデバイスから外方に伝達することが重要である。ITの処理能力が増大し、したがってコンピュータ、サーバ、または他のIT内の電子デバイスの数が増加するにつれて、電子デバイスによって生成される十分な熱を除去するという課題が増大する。
【0004】
通常はプリント回路基板(PCB)上に実装される電子デバイスは、通常、ケースまたはシャーシ内に収容または封入されて、電子モジュールを形成する。例えば、コンピュータサーバは、多くの場合、ラックに搭載され、必要なIT設備を提供するためにともに接続された複数の電子モジュールを備える。シャーシ内の電子デバイスを適切な温度に維持するために、各ケースまたはシャーシから熱を除去する方法が必要である。
【0005】
空気を各ケースまたはシャーシの上または中に通すことによって電子モジュールを冷却することが一般的である。空気の流れは、筐体内部から周囲環境へといくらかの熱を除去するのに十分であり得る。この冷却方法は、最近まで、ほぼ大量生産のITおよびサーバ機器にのみ使用されてきた。しかしながら、同じ性能に対する技術的サイズが縮小するにつれて、フットプリントが縮小しても電子デバイスによって生成される熱が増加していることが分かっている。このように、ITシステムのピーク性能は、空冷式システムによって電子モジュールを冷却するという制限によって抑制されてきた。
【0006】
したがって、電子モジュールを冷却するためのより複雑なシステムおよび方法が提案されている。場合によっては、液体冷却が使用されており、液体冷却において、液体冷却剤が、電子デバイスに結合されたヒートシンクの上に流されるか、またはヒートシンクに近接して流される。次いで、熱を、電子デバイスから外方に、液体冷却剤から熱を除去することができる領域または要素に伝達することができる。液体冷却は、場合によっては、電子デバイスまたは構成要素から外方への熱のより効率的な伝達を提供することができ、したがって、空冷式システムよりも大きな冷却能を提供することができる。しかしながら、先行技術の液体冷却システムは、設置が複雑で費用がかかる、カスタマイズされたシステムを必要とすることが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、従来技術のシステムのこれらの欠点を克服する、電子モジュールを冷却するためのシステム、さらにはそのようなシステムを冷却する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の要約
この背景に対して、電子モジュールのハウジング内に収容された複数の電子デバイスを冷却するためのシステムおよび方法が提供される。特に、システムは、各々がそれぞれの第1の液体冷却剤および第2の液体冷却剤を循環させる第1の冷却循環装置および第2の冷却循環装置、または第1の冷却ループおよび第2の冷却ループを備える。冷却循環システムの各々は、電子モジュール内の複数のデバイスの電子デバイスを冷却するために使用される。一方、第2の冷却循環装置は、熱交換器を介して第1の液体冷却剤と第2の液体冷却剤との間で熱交換することによって、第1の冷却循環システム内を循環する冷却剤を冷却するようにさらに構成される。第1の冷却循環装置および第2の冷却循環装置は、異なる効率を有することができ、したがって、第2の冷却循環装置によって提供されるより効率的な冷却を使用して、第1の液体冷却剤を冷却することができる。さらに、より効率的な第2の冷却循環装置は、(比較的多くの熱を生成する)特定の高出力電子デバイスに集中することができる。第1の液体冷却剤は、電子モジュール内の環境全体のために概してより低い温度を維持するために使用することができる。
【0009】
好ましい例では、第2の冷却循環装置は、複数の電子デバイスのうちの特定の電子デバイスに熱的に結合することができるコールドプレートを備えることができる。比較すると、第1の冷却循環システムは、電子モジュール内のリザーバに部分的に収容された第1の液体冷却剤を循環させることができ、いくつかの電子デバイスは、第1の液体冷却剤のリザーバに少なくとも部分的に浸漬される。さらに、第1の冷却循環システム内に堰または浴槽のヒートシンクを含めることによって、後述するように、記載されているシステムおよび方法にさらなる利点を提供することができる。
【0010】
第1の態様では、電子モジュールのハウジング内に収容された複数の電子デバイスを冷却するためのシステムであって、
複数の電子デバイスのうちの第1の電子デバイスと熱交換器との間で第1の液体冷却剤を循環させるように構成された第1の冷却循環装置であって、第1の電子デバイスは、熱が第1の電子デバイスから第1の液体冷却剤に伝達されるように第1の液体冷却剤に熱的に結合されている、第1の冷却循環装置と、
複数の電子デバイスのうちの第2の電子デバイスと熱交換器との間で第2の液体冷却剤を循環させるように構成された第2の冷却循環装置であって、第2の電子デバイスは、熱が第2の電子デバイスから第2の液体冷却剤に伝達されるように第2の液体冷却剤に熱的に結合されている、第2の冷却循環装置と
を備え、
第1の冷却循環装置および第2の冷却循環装置は、熱が熱交換器を介して第1の液体冷却剤から第2の液体冷却剤に伝達されるように、少なくとも熱交換器を介して熱的に結合されている、システムが説明される。
【0011】
電子デバイスは、中央処理装置(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、グラフィックス処理装置(GPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)などを含む集積回路(IC)を含む任意の発熱デバイスまたは構成要素であってもよい。デバイスはともに接続されて、サーバもしくは他のコンピュータ処理機能、または他のITを形成してもよい。
【0012】
電子モジュールまたはサーバモジュールは、コンピュータサーバの一部を形成するモジュールであってもよい。電子モジュールは、電子デバイスの各々が搭載されるシャーシまたはハウジングを有してもよい。電子モジュールは、ラック内に搭載または設置するように構成されてもよい。例えば、電子モジュールは、標準的なサーバラック(1RU(1ラックユニット)または1OU(1オープンユニット)として知られている)に適合するために必要な業界標準寸法に準拠することができる。このようなユニットは、ブレードサーバと呼ばれることがある。
【0013】
システムは、第1の冷却循環装置および第2の冷却循環装置(または第1の冷却ループおよび第2の冷却ループ)を備える。冷却循環装置は、電子モジュールを通るそれぞれの第1の冷却剤および第2の冷却剤の流れのための構成を提供する。
【0014】
具体的には、第1の冷却循環装置は、少なくとも第1の電子発熱デバイス(第1の液体冷却剤によって当該デバイスから熱が吸収される)から熱交換器へと第1の液体冷却剤を循環させるかまたは流す。熱交換器において第1の液体冷却剤から熱を除去することができる。
【0015】
第2の冷却循環装置は、少なくとも第2の電子発熱デバイス(第2の液体冷却剤によって当該デバイスから熱が吸収される)から熱交換器へと第2の液体冷却剤を循環させるかまたは流す。熱交換器において、第1の液体冷却剤からの熱は、第2の液体冷却剤によって受け取られる。
【0016】
場合によっては、第2の冷却循環装置を閉じてもよい(換言すれば、液体冷却剤は、ループ内で再循環およびリサイクルされる)が、これは常にそうであるとは限らない。代替的な場合には、第2の冷却循環装置は、液体冷却剤が受け入れられ、既述の経路の周りを流れ、次いで排液系に送られる開ループを表すことができる。例えば、熱交換器を通過した後、第2の冷却循環装置内の第2の液体冷却剤は、(電子モジュールに戻る前に冷却システムを通過することによって)冷却されるか、または補充される(例えば、第2の液体冷却剤が、施設給水設備などの施設規模の冷却剤供給設備の一部である場合)。
【0017】
有益なことに、既述のシステムは、2つの冷却循環装置のハイブリッドシステムである。そのようなハイブリッドシステムを使用することにより、特に高温の構成要素(少なくとも第2の電子デバイスを対象とする第2の冷却循環装置)を対象とする、より高性能でより効率的な冷却構成、ならびに他のデバイスを冷却するためのさらなる冷却構成の使用が可能になる。しかしながら、単純に2つの完全に別個の冷却システムを並列に使用するよりも、本発明者らは、より高性能の冷却装置の戻り流を使用して、他方のより性能の低い冷却装置から熱を除去することもできることを認識した。ある程度まで、第1の冷却循環装置は、第2の冷却循環装置と入れ子になっていると考えることができる。
【0018】
任意選択的に、第1の液体冷却剤は誘電性液体であり、第2の液体冷却剤は水である。本明細書では液体冷却剤という用語が使用されているが、任意の適切な流体冷却剤が使用されてもよいことが理解されよう。
【0019】
任意選択的に、第2の冷却循環装置は冷却システムをさらに備え、第2の冷却循環装置は、複数の電子デバイスのうちの第2の電子デバイス、熱交換器、および冷却システムの間で第2の液体冷却剤を循環させるように構成され、熱が、冷却システムによって第2の液体冷却剤から除去される。好ましくは、冷却システムは、電子モジュールの外部にあるように配置される。言い換えれば、第2の冷却循環装置は閉ループを形成し、電子モジュールから受け取った第2の液体冷却剤は、第2の電子デバイスを冷却するために電子モジュールに戻される前に、冷却システムによって冷却される。
【0020】
あるいは、第2の冷却循環装置は、第2の液体冷却剤供給設備に接続され、第2の冷却循環装置は、第2の液体冷却剤供給設備から受け取った第2の液体冷却剤を複数の電子デバイスのうちの第2の電子デバイスと熱交換器との間で循環させ、第2の液体冷却剤供給設備に戻すように構成される。言い換えれば、第2の冷却循環装置は開ループであり、第2の液体冷却剤は、施設レベルの供給設備から供給され、絶えず補充される。例えば、第2の液体冷却剤供給設備は給水設備であってもよく、そこから水が(第2の液体冷却剤として)受け取られ、第2の冷却循環装置を通って循環され、次いで第2の冷却循環装置を施設排水路へと出ることができる。
【0021】
好ましくは、熱交換器は、熱界面によって分離された少なくとも第1のチャンバおよび第2のチャンバを備え、熱交換器は、熱が熱界面を通じて第1の液体冷却剤から第2の液体冷却剤に伝達されるように、少なくとも第1のチャンバを通る第1の液体冷却剤の流れ、および少なくとも第2のチャンバを通る第2の液体冷却剤の流れのために構成される。熱交換器は、第1の液体冷却剤および第2の液体冷却剤の間で熱を交換するように構成された専用の要素である。第1の液体冷却剤および第2の液体冷却剤の各々は、熱交換器の1つまたは複数の専用のチャンバを通過することができ、熱は、チャンバ間の熱界面を介して第1の液体冷却剤から第2の液体冷却剤に通過することができる。熱交換器は、任意の適切な設計であってもよく、熱交換の効率を改善するために、複数のチャンバおよび複数の熱界面を提供することができる。熱界面の表面積を増加させ、第1の液体冷却剤と第2の液体冷却剤との間の熱交換の効率を促進するために、熱界面にフィンまたは他の突出物を設けることができる。任意選択的に、熱交換器はプレート熱交換器である。
【0022】
好ましくは、熱交換器は、電子モジュールのハウジング内に配置される。特に、熱交換器は、電子モジュール内に収容される。これにより、少なくとも第1の液体冷却剤を電子モジュール内に完全に保持することができる。これにより、電子モジュールへの接続および電子モジュールからの接続の複雑さが低減される。これはまた、電子モジュールを密閉モジュールとして提供することを可能にし、これは、第2の液体冷却剤が誘電体である場合に有利であり得、モジュールから放出されると人間に有害であり得、漏れまたは紛失の場合に交換するのに費用がかかる可能性がある。
【0023】
任意選択的に、第1の冷却循環装置は、電子モジュールのハウジング内に完全に収容される。言い換えれば、第1の冷却循環装置は、通常動作時に第1の液体冷却剤が電子モジュールのハウジングの範囲から出ないように配置される。
【0024】
第1の冷却循環装置は、第2の液体冷却剤が最も低温である、第2の冷却冷却剤が第2の電子デバイスに循環する前の第2の冷却循環装置の部分において、第2の冷却循環装置から少なくとも部分的に断熱することができる。第1の冷却循環装置は、第1の冷却循環装置および第2の冷却循環装置が熱的に結合される熱交換器を除いて、第2の冷却循環装置から少なくとも部分的に断熱することができる。言い換えれば、第2の冷却循環装置の(言い換えると、第2の電子デバイスから熱を受け取った後の)戻り流は、第1の液体冷却剤を冷却するために使用される。これは、第2の電子デバイスにおける冷却能(またはより具体的には、温度勾配)を最大化するために、第2の電子デバイスに到達する前に第2の液体冷却剤の温度を上昇させることを回避する。
【0025】
任意選択的に、電子モジュールのハウジングは、第1の液体冷却剤を収容し、第1の電子デバイスは、第1の液体冷却剤に少なくとも部分的に浸漬される。言い換えれば、第1の冷却循環装置は、浸漬冷却装置である。熱は、第1の液体冷却剤に少なくとも部分的に浸漬されている第1の電子デバイスの表面から第1の液体冷却剤に直接伝達することができる。第2の電子デバイスを含む第2の冷却循環装置の部分もまた、第1の液体冷却剤に少なくとも部分的に浸漬されてもよい。
【0026】
対照的に、第2の冷却循環装置は、冷却モジュールおよび熱交換器を通じて第2の液体冷却剤を循環させるように構成することができ、冷却モジュールは、冷却モジュールの搭載面において第2の電子デバイスに搭載される。このため、第2の冷却モジュールの搭載面を介して、第2の電子デバイスと第2の液体冷却剤との間で間接的に熱が交換される。第2の冷却循環装置の一部を形成する冷却モジュールについては、下記により詳細に説明する。
【0027】
好ましい例では、第1の冷却循環装置は堰を備え、堰は、
基部および基部から延在する保持壁であって、基部および保持壁は、第1の液体冷却剤の一部を維持するための容積を画定する、基部および保持壁と、
第1の液体冷却剤が容積に流入する入口と
を備え、
入口を通って容積内に十分な第1の液体冷却剤が流れることにより、第1の液体冷却剤が保持壁から溢れ出て、電子モジュールのハウジング内に収容されており、かつ堰の外部にある第1の液体冷却剤と合流する。
【0028】
基部および保持壁は、第1の冷却剤がそこから溢れ出ることができる容器または「浴槽」を提供することができる。堰は、第1の電子デバイスのヒートシンクとして機能するために、第1の電子デバイスの表面に結合することができる。したがって、堰は、液体冷却剤を発熱電子デバイスに対して維持または保持するための容積を提供する。代替的または付加的に、堰は、電子デバイス内の他の構成要素と比較して、および/または電子モジュールのハウジングのキャビティ内の第1の冷却剤の液位と比較して上昇したPCB上に搭載されてもよい。このようにして、第1の液体冷却剤は、堰から溢れ出ると、第1の電子デバイスおよび電子モジュール内に収容されたいくつかの他の電子デバイスまたは構成要素の上を流れるように作用する。
【0029】
堰は、第1の冷却循環装置を通って循環する第1の液体冷却剤の流れを導くように構成することができる。言い換えれば、堰は、堰から溢れ出る第1の液体冷却剤が電子モジュール内に収容された特定の電子デバイスの上へとまたはその上で流れるように構成することができる。有利には、堰を第1の冷却循環装置に含めることによって、液体冷却剤を、最も熱が発生する1つまたは複数の場所により効果的に適用することができる。したがって、より少ない冷却剤を使用することができる。冷却剤は高価で重いため、冷却剤の量を減らすことにより、可撓性、効率および信頼性を向上させることができる(例えば、冷却剤の漏れが起こりにくく、容積中の冷却剤が、システム内の他の構成要素の障害によって引き起こされる瞬間的な温度変化に耐えることができるため、)。
【0030】
堰に関して、第1の液体冷却剤を維持または保持するための容積は、基部および保持壁(一体であってもよく、または分離していてもよい)によって画定することができる。基部は、電子デバイス(より具体的には、電子デバイスの伝熱面)の上部に搭載することができ、伝熱面から熱を伝達する堰の部分である。基部は、典型的には、容積を画定する平坦面を有する(また、基部自体が平坦な形状であってもよい)。基部(特に、容積を画定するその表面)を通って伝達される(典型的には伝導された)熱は、容積内に維持された液体冷却剤に伝達される。保持壁は、基部から延在する。
【0031】
堰の1つの効果は、堰の容積内に維持された冷却剤の液位をその容積の外部よりも高くし(少なくとも冷却モジュールが電子デバイスおよび/または回路基板の平面を水平にして動作する場合)、冷却モジュールの容器内の冷却剤の量を保持壁の高さよりも低くすることである。
【0032】
有利には、ヒートシンクは、容積内で基部(またはあまり好ましくないが、保持壁から)から延在する突出部(ピンおよび/またはフィンなど)を有する。突出部は、液体冷却剤を基部の表面上の所定の点から外方に(例えば、電子デバイスの最も高温の部分と一致して)半径方向に広げることができる。特に、突出部は、非線形パターンに形成することができる。
【0033】
好ましくは、堰への入口は、容積内に流入する第1の液体冷却剤を導くためのノズル装置をさらに備える。ノズル装置は、1つまたは複数のノズル(押し込み式であってもよい)を備えることができ、その各々は、流れるまたは圧送される第1の液体冷却剤を堰の容積のそれぞれの部分、特に堰の基部の一部に導く。1つまたは複数のノズルは各々、基部の中、保持壁の中、または容積の上部の上に配置されて、第1の液体冷却剤を容積に流入させることができる。例えば、各ノズルは、最大温度または閾値レベルを超える温度を有する電子デバイスの伝熱面の一部(すなわち、デバイスの最も高温な部分の1つ)に隣接する堰の容積のそれぞれの部分に、流れるまたは圧送される液体冷却剤を導くことができる。最も好ましくは、ノズル装置は、流れるまたは圧送される液体冷却剤を堰の基部に垂直な方向に導く。これにより、冷却剤を容積内に直接押し込むことができ、熱放散を改善することができる。
【0034】
好ましくは、第1の冷却循環装置は、第1の冷却循環装置を巡って第1の液体冷却剤を循環させるように構成されたポンプをさらに備える。ポンプは、電子モジュール内に収容された液体冷却剤のリザーバから第1の液体冷却剤を受け取るように構成することができ、少なくとも第1の電子デバイスは、少なくとも部分的に浸漬される。次いで、ポンプは、受け取った第1の液体冷却剤を電子モジュールの別の領域、例えば熱交換器に移動させ、次いで堰の入口に移動させることができる。ポンプは、第1の液体冷却剤に少なくとも部分的に浸漬することができ、それによって第1の液体冷却剤はポンプの冷却も支援する。
【0035】
第1の冷却循環装置は、電子モジュールのハウジング内に収容され且つ堰の外側にある第1の液体冷却剤を受け入れるように配置されたポンプ入口をさらに備えることができる。言い換えれば、電子モジュール内に収容された第1の液体冷却剤は、ポンプ入口によって受け入れられ、ポンプに送ることができる。
【0036】
好ましくは、第1の冷却循環装置は、第1の液体冷却剤をポンプから熱交換器に、熱交換器から堰の入口にそれぞれ輸送するように構成された少なくとも第1のパイプおよび第2のパイプをさらに備える。
【0037】
好ましくは、第2の冷却循環装置は、第2の電子デバイスを第2の液体冷却剤に熱的に結合するように構成された冷却モジュールをさらに備える。冷却モジュールは、第2の電子デバイスから第2の液体冷却剤への効率的な熱伝達のための特定の構成要素であり得る。冷却モジュールは、冷却モジュールの搭載面を介して第2の電子デバイスに搭載することができ、その結果、熱は、第2の電子デバイスから搭載面を通じて第2の液体冷却剤に伝達される。
【0038】
好ましくは、冷却モジュールはコールドプレートを備え、コールドプレートは、
コールドプレートハウジングであって、コールドプレートハウジングの表面が、コールドプレートハウジングに熱的に結合された第2の電子デバイスを冷却するための熱界面を提供するように構成されている、コールドプレートハウジングと、
コールドプレートハウジング内の、コールドプレートハウジングの表面に近接した少なくとも1つのチャネルであって、少なくとも1つのチャネルは、第2の電子デバイスからコールドプレートハウジングの表面を通じて受け取られる熱が第2の液体冷却剤に伝達されるように、第2の液体冷却剤がチャネルを通って流れるように構成されている、少なくとも1つのチャネルと
を備える。
【0039】
有利には、コールドプレートは、電子モジュール内の特定の電子デバイスを冷却するための効率的かつ効果的な機構を提供する。コールドプレートは、それが熱的に結合されている第2の電子デバイスに高性能冷却を提供する。したがって、電子モジュール内の1つまたは複数の最も高温の構成要素にコールドプレートを結合して、これらの構成要素に最大の冷却能を提供することができる。
【0040】
任意選択的に、コールドプレートハウジングの表面は、第2の電子デバイスの表面に直接結合されてもよい。あるいは、ハウジングは、さらなる界面または構成要素によって結合されてもよい。それにもかかわらず、コールドプレートおよび第2の電子デバイスは、第2の電子デバイスから第2の液体冷却剤への効果的かつ効率的な熱伝達を促進するために熱的に結合される。
【0041】
第2の冷却循環装置の一部として、2つ以上のコールドプレートを電子モジュール内に配置することができる。2つ以上のコールドプレートを第2の冷却循環装置内に並列または直列に配置することができ、または3つ以上のコールドプレートが使用される場合、並列構成と直列構成との組み合わせを実施することができる。
【0042】
好ましくは、第2の冷却循環装置は、コールドプレートと熱交換器との間で第2の液体冷却剤を輸送するとともに、電子モジュールの外部にある任意の冷却システムまたは冷却剤供給設備に接続するように構成された複数の導管を備える。
【0043】
第2の態様では、電子モジュールのハウジング内に収容された複数の電子デバイスを冷却するための方法であって、
第1の冷却循環装置を巡って第1の液体冷却剤を循環させるステップであって、複数の電子デバイスのうちの第1の電子デバイスと熱交換器との間で第1の液体冷却剤を循環させることを含み、第1の電子デバイスは、熱が第1の電子デバイスから第1の液体冷却剤に伝達されるように第1の液体冷却剤に熱的に結合されている、第1の液体冷却剤を循環させるステップと、
第2の冷却循環装置を巡って第2の液体冷却剤を循環させるステップであって、複数の電子デバイスのうちの第2の電子デバイスと熱交換器との間で第2の液体冷却剤を循環させることを含み、第2の電子デバイスは、熱が第2の電子デバイスから第2の液体冷却剤に伝達されるように第2の液体冷却剤に熱的に結合されている、第2の液体冷却剤を循環させるステップと
を含み、
第1の冷却循環装置および第2の冷却循環装置は、熱が熱交換器を介して第1の液体冷却剤から第2の液体冷却剤に伝達されるように、少なくとも熱交換器を介して熱的に結合されている、方法が説明される。
【0044】
言い換えれば、本方法は、第1の冷却循環装置を巡って第1の液体冷却剤を循環させるステップと、第2の冷却循環装置を巡って第2の液体冷却剤を循環させるステップとを含むことができる。第1の冷却循環装置および第2の冷却循環装置の各々は、少なくともそれぞれの第1の電子デバイスおよび第2の電子デバイスを冷却するように構成される。さらに、第2の冷却循環装置は、第2の液体冷却剤が熱交換器において第1の液体冷却剤から伝達される熱を受け取るように構成される。有利には、このハイブリッド冷却システムは、最も高温の構成要素(第1の電子デバイスを標的とする第2の冷却循環装置)に関して高性能冷却システムの利点を提供するが、その後、電子モジュール内の他の構成要素を冷却するためのさらなる冷却システムを使用する。特に、電子モジュール内のすべての構成要素に目標とする冷却システム(第2の冷却循環装置によって提供されるものなど)を搭載することは実際的ではない場合があり、したがって、第1の冷却循環装置は、残りの構成要素に追加の冷却システムを提供し、電子モジュール内の全般的な環境の温度を低下させることができる。さらに、高性能の第2の冷却循環装置の戻り流自体を利用して、第1の冷却システムから熱を除去することもできる。
【0045】
システムに関して上述した特徴は、電子モジュールのハウジングに収容された複数の電子デバイスを冷却するための方法の使用においても開示されると考えることができることが理解されよう。
【0046】
特に、好ましくは、第2の冷却循環装置は冷却システムをさらに備え、第2の冷却循環装置を巡って第2の液体冷却剤を循環させるステップは、複数の電子デバイスのうちの第2の電子デバイス、熱交換器、および冷却システムの間で第2の液体冷却剤を循環させることを含み、熱が、冷却システムによって第2の液体冷却剤から除去される。冷却システムは、電子モジュールの外部にあってもよく、第2の液体冷却剤から外方に熱を伝達するように構成されてもよい。例えば、冷却システムは、さらなる(第3の)冷却剤液体または媒体に熱を伝達するための熱交換器を備えることができる。
【0047】
あるいは、第2の冷却循環装置は、第2の液体冷却剤供給設備をさらに備え、第2の冷却循環装置を巡って第2の液体冷却剤を循環させるステップは、第2の液体冷却剤供給設備から第2の液体冷却剤を受け取ることと、第2の液体冷却剤を複数の電子デバイスのうちの第2の電子デバイスと熱交換器との間で循環させて、次いで、第2の液体冷却剤供給設備に戻すこととを含む。例えば、第2の液体冷却剤は水であってもよく、第2の冷却循環装置は施設給水設備に接続されてもよい。水が第2の冷却循環装置を通って循環されると、それは排水システムに入ることができる(したがって、第2の冷却循環装置を通って再循環されない)。
【0048】
熱交換器は、熱界面によって分離された少なくとも第1のチャンバおよび第2のチャンバを備えることができ、熱交換器は、熱が熱界面を通じて第1の液体冷却剤から第2の液体冷却剤に伝達されるように、少なくとも第1のチャンバを通る第1の液体冷却剤の流れ、および少なくとも第2のチャンバを通る第2の液体冷却剤の流れのために構成される。熱交換器は、第1の液体冷却剤および第2の液体冷却剤の間で効率的に熱を伝達するように構成された特定の要素である。熱交換器は、それを通る第1の液体冷却剤および第2の液体冷却剤の流れを可能にし、それらの間で熱を交換するための任意の適切な設計であってもよい。任意選択的に、熱交換器はプレート熱交換器である。
【0049】
好ましくは、熱交換器は、電子モジュールのハウジング内に配置されるか、またはその中に収容される。有益なことに、これは、第1の液体冷却剤が電子モジュールから出ることを回避する。これは、電子モジュールのハウジングにおける接続の複雑さを低減するとともに、第1の液体冷却剤の漏れまたは損失のリスクも低減する。
【0050】
好ましくは、第1の冷却循環装置および第2の冷却循環装置は、第2の冷却循環装置の戻り流において熱交換器を介して熱的に結合される。言い換えると、第1の冷却循環装置および第2の冷却循環装置は、(第2の冷却循環装置の始動時に最も低温の第2の液体冷却剤が見出されると考える場合)第2の電子デバイスから熱を受け取った後に第2の液体冷却剤が熱交換器を通過するように、熱交換器を介して熱的に結合される。第1の冷却循環装置は、熱交換器の前に、第2の冷却循環装置から少なくとも部分的に断熱することができる。これは、第2の液体冷却剤と第2の電子デバイスとの間に可能な限り最大の温度勾配を提供する。
【0051】
好ましくは、電子モジュールのハウジングは、第1の液体冷却剤を収容し、第1の電子デバイスは、第1の液体冷却剤に少なくとも部分的に浸漬される。言い換えれば、電子デバイスのハウジングは、少なくとも第1の電子デバイスが少なくとも部分的に浸漬される第1の液体冷却剤のリザーバを収容する。したがって、熱は、第1の液体冷却剤に少なくとも部分的に浸漬されている第1の電子デバイスの表面から第1の液体冷却剤に直接伝達される。
【0052】
好ましくは、第1の冷却循環装置は堰を備えることができる。堰は、
基部および基部から延在する保持壁であって、基部および保持壁は、第1の液体冷却剤の一部を維持するための容積を画定する、基部および保持壁と、
第1の液体冷却剤が容積に流入する入口と
を備え、
入口を通って容積内に十分な第1の液体冷却剤が流れることにより、第1の液体冷却剤が保持壁から溢れ出て、電子モジュールのハウジング内に収容されており、かつ堰の外部にある第1の液体冷却剤と合流する。
【0053】
有利には、堰は、電子モジュール内の第1の液体冷却剤の流れを促進するように作用する。堰は、第1の冷却循環装置を通って特定の電子構成要素へと循環する第1の液体冷却剤の流れを導くようにさらに構成することができる。
【0054】
特に好ましい例では、堰の基部は、第1の電子デバイスに熱的に結合することができる。このようにして、堰は、第1の電子デバイスのための効果的なヒートシンクとして作用する。堰はまた、堰が結合される第1の電子デバイスの周りに配置された発熱構成要素を冷却することができる第1の液体冷却剤の流れを維持する。
【0055】
入口は、容積内に流入する第1の液体冷却剤を導くためのノズル装置をさらに備える。ノズル装置は、1つまたは複数のノズルを備える。
【0056】
堰は、堰の容積内で基部および/または保持壁から延在する突出部をさらに備えることができる。
【0057】
本方法は、第1の冷却循環装置内にポンプを設けるステップをさらに含むことができ、ポンプは、第1の冷却循環装置を巡って第1の液体冷却剤を循環させるように構成される。第1の冷却循環装置は、電子モジュールのハウジング内に収容され且つ堰の外側にある第1の液体冷却剤を受け入れるように配置されたポンプ入口をさらに備えることができる。
【0058】
本方法は、第1の液体冷却剤をそれぞれポンプから熱交換器に、および、熱交換器から堰の入口に輸送するように構成された複数のパイプを、第1の冷却循環装置内に設けるステップをさらに含むことができる。
【0059】
好ましくは、方法は、第2の電子デバイスを第2の液体冷却剤に熱的に結合するように構成された冷却モジュールを第2の冷却循環装置内に設けるステップを含む。冷却モジュールは、第2の電子デバイスの表面に搭載または結合されてもよい。冷却モジュールは、冷却モジュールを介して、第2の電子デバイスから第2の液体冷却剤への熱の間接的な伝達のための機構を提供することができる(言い換えれば、第2の液体冷却剤は、第2の電子デバイスの表面と直接接触せず、代わりに、第2の電子デバイスから冷却モジュールの一部を通じて熱が伝達されて、第2の液体冷却剤において受け取られる)。冷却モジュールは、より高い冷却能を提供し、他の様態で第1の冷却循環装置によって提供され得るよりも効率的な、第2の電子デバイスの冷却を支援することができる。
【0060】
好ましい例では、第2の冷却循環装置内に冷却モジュールは設けるステップは、コールドプレートを設けることを含み、コールドプレートは、
コールドプレートハウジングであって、コールドプレートハウジングの表面が、コールドプレートハウジングに熱的に結合された第2の電子デバイスを冷却するための熱界面を提供するように構成されている、コールドプレートハウジングと、
コールドプレートハウジング内の、コールドプレートハウジングの表面に近接した少なくとも1つのチャネルであって、少なくとも1つのチャネルは、第2の電子デバイスからコールドプレートハウジングの表面を通じて受け取られる熱が第2の液体冷却剤に伝達されるように、第2の液体冷却剤がチャネルを通って流れるように構成されている、少なくとも1つのチャネルと
を備える。
【0061】
第2の冷却循環装置内に並列または直列に配置することができる2つ以上のコールドプレートを設けることができる。コールドプレートハウジングの表面は、第2の電子デバイスの表面に直接結合されてもよく、または、効率的な熱伝達を促進するためにインターフェースを介して結合されてもよい。
【0062】
方法は、第2の冷却循環装置内に、コールドプレート、熱交換器および冷却システムの間で第2の液体冷却剤を輸送するように構成された複数の導管またはパイプを設けるステップをさらに含むことができる。
【0063】
またさらなる態様では、ラック(またはサーバラック)に設置するように構成された、電子モジュール(またはサーバモジュール)を冷却するためのシステムが説明される。システムは、電子モジュール内に搭載された少なくとも第1のコールドプレートおよび第2のコールドプレート(またはコールドプレートモジュールもしくはコールドプレートアセンブリ)を備え、当該コールドプレートを通じて、液体冷却剤(例えば水、または誘電性流体であってもよい)が冷却ループ内で循環する。第1のコールドプレートおよび第2のコールドプレートは各々、冷却ループの別個の並列分岐上に配置される。液体冷却剤がコールドプレートを通って循環する間、熱は、コールドプレートに熱的に結合された1つまたは複数の電子デバイスから第1のコールドプレートおよび第2のコールドプレートの各々を通過する液体冷却剤に伝達される。冷却システムは、冷却ループ内を循環する液体から外方に熱を除去するかまたは熱を伝達するために、冷却ループ内に接続される。液体冷却剤は、電子モジュールのシャーシまたはハウジングの外部または内部のいずれに配置されてもよい。
【0064】
さらなる態様では、電子モジュールのモジュールハウジング内に搭載された第1のコールドプレートおよび第2のコールドプレートを備える、ラックに設置するように構成された電子モジュールを冷却するためのシステムがある。各コールドプレートはハウジングを備え、ハウジングの表面は、それに熱的に結合された電子デバイスを冷却するための熱界面を提供するように構成される。各コールドプレートは、熱界面によって受け取られる熱が液体冷却剤に伝達されるように液体冷却剤が流れるように構成された、ハウジング内にあり、表面に近接する少なくとも1つのチャネルをさらに含む。システムの第1のコールドプレートおよび第2のコールドプレートは、冷却ループ内で並列に結合され、冷却ループは液体冷却剤を循環させるように構成される。
【0065】
好ましくは、システムは、冷却システムであって、冷却システムは、液体冷却剤から熱を除去するように構成されている、冷却システムと、冷却ループ内を循環する液体冷却剤を第1のコールドプレートおよび第2のコールドプレートならびに冷却システムの間で移送するために、第1のコールドプレートおよび第2のコールドプレートならびに冷却システムに結合された複数の導管とをさらに備える。導管は、パイプまたは配管であってもよく、これは、電子モジュール内の構成要素の周りに導管を配置することを可能にするために、好ましくは可撓性である。パイプは、電子モジュール内の構成要素の既存の構成内での配置を助けるために、空孔のサイズまたは直径が小さくてもよい(例えば、2~20mm、より好ましくは3~10mm)。これはまた、モジュールハウジングまたはシャーシ内の既存の孔、開口部または開口を通るパイプまたはチューブの貫通を可能にするのにも有益である。冷却システムは少なくとも、液体冷却剤から別の冷却媒体(第2の液体冷却剤、または空気など)に熱を伝達するための熱交換器を備えることができる。冷却システムは、電子モジュールのハウジングまたはシャーシ内に配置されてもよく、またはモジュールの外部に配置されてもよい。
【0066】
好ましくは、複数の導管は少なくとも、第1のコールドプレートに結合された第1の入力導管と、第2のコールドプレートに結合された第2の入力導管と、第1の入力導管および第2の入力導管が並列に結合されている供給導管と、第1のコールドプレートに結合された第1の出力導管と、第2のコールドプレートに結合された第2の出力導管と、第1の出力導管および第2の出力導管が並列に結合された受け入れ導管とを備える。言い換えれば、複数の導管は少なくとも、冷却ループの第1の並列分岐および第2の並列分岐(それぞれ第1の入力導管および第1の出力導管、ならびに、第2の入力導管および第2の出力導管)を形成する導管と、冷却ループの並列分岐に液体冷却剤を供給しまたは受け取るための2つのさらなる導管とを含む。
【0067】
第1の入力導管および第2の入力導管ならびに供給導管の間の結合、ならびに第1の出力導管および第2の出力導管ならびに受け入れ導管との間の結合は、両方ともモジュールハウジング内に配置されてもよい。この場合、供給導管および受け入れ導管は、モジュールハウジングの壁の開口部を通過するように配置される。あるいは、第1の入力導管および第2の入力導管ならびに供給導管の間の結合、ならびに第1の出力導管および第2の出力導管ならびに受け入れ導管との間の結合は、モジュールハウジングの外部に配置されてもよい。この場合、第1の入力導管および第2の入力導管ならびに第1の出力導管および第2の出力導管は、モジュールハウジングの壁の開口部を通過するように配置される。
【0068】
任意選択的に、システムは、第1の入力導管および第2の入力導管を供給導管に結合するための、および/または第1の出力導管および第2の出力導管を受け入れ導管に結合するためのマニホールドをさらに備える。任意選択的に、システムは、供給導管を複数の導管のうちの第1のさらなる導管に結合するための、および/または受け入れ導管を複数の導管のうちの第2のさらなる導管に結合するためのマニホールドを備える。マニホールドは、導管を接合または結合するためのユニットであってもよい。有益なことに、マニホールドは、より堅牢な結合を提供することができる。マニホールドは、入力導管および供給導管、ならびに出力導管および受け入れ導管を結合するための単一のユニット(適切な仕切りを有する)であってもよい。しかしながら、各々が冷却ループの供給側および受け入れ側に関連付けられた2つのマニホールドが使用されてもよい。
【0069】
システムは、第1の入力導管および第2の入力導管ならびに/または第1の出力導管および第2の出力導管をマニホールドに接続するための少なくとも1つのコネクタを備えることができる。システムは、供給導管および/または受け入れ導管をマニホールドに接続するための少なくとも1つのコネクタを備えることができる。導管をマニホールドに接続するために、任意のタイプの適切なコネクタを使用することができる。一例では、設置者による直接的な手動操作を必要とする、滴りのない手動コネクタが使用される。さらなる例では、ブラインドメイトコネクタが使用されてもよく、これは、コネクタをともに嵌合してシールするための特定の操作を必要としない押し込み式コネクタである。手動で接続された滴りのないコネクタは、開口部または開口がある場合はいつでもチューブがモジュールハウジングから出ることができるため、既存のITと有利に接続することができる。ブラインドメイトコネクタは、各電子モジュールに特注のブラケットを必要とするが、より容易な嵌合を提供することができる。
【0070】
一例では、システムは、マニホールドをモジュールハウジングに固定するためのブラケットを備えることができる。さらなる例では、システムは、マニホールドをラックに固定するためのブラケットを備えることができる。電子モジュールへのマニホールドのラックへの搭載は、ラック内で利用可能なスペースおよびシステムの要件に従って選択することができる。マニホールドの電子モジュールへの接続は、導管間の接続部上での動きおよび歪みを低減することができる。しかしながら、マニホールドのラックへの接続は、よりコンパクトであり得、強打されるかまたは偶発的な損傷に遭遇する可能性が低い。
【0071】
特定の有利な例では、マニホールドは、電子モジュールに接続されたケーブルを通すためにラック内に画定されたダクト内で、ラックに搭載されてもよい。上述したように、電子モジュールおよびラックは、典型的には、業界標準に準拠している。一般に、ラックは、個々の電子モジュールに接続する前に、電子ケーブルおよびデータケーブルを収容または通過させることができる後方キャビティ、部分またはダクトを含む。このキャビティまたはダクトは、内部に搭載された1つまたは複数のマニホールドを収容するために使用することができる。これにより、より堅牢なシステムが提供され、マニホールドはダクトによって保護され、部分的に封入される。ダクトの壁はまた、マニホールドのための適切な固定点を提供する(特に、ダクトは、典型的には、ケーブルの貫通または固定のための孔の既存の開口を含むため)。
【0072】
好ましくは、システムは、第3のコールドプレートを備え、第3のコールドプレートは、冷却ループ内の第1のコールドプレートまたは第2のコールドプレートのいずれかと直列に結合される。実際、システムは、4つ以上または任意の数のコールドプレートを備えることができる。特に、システムは、冷却ループの各並列分岐上に2つ以上のコールドプレートを含むことができる。例えば、冷却ループの第1の並列分岐は、単一の第1のコールドプレートを含むことができ、冷却ループの第2の並列分岐は、第2のコールドプレートおよび第3のコールドプレートを含むことができ、第2のコールドプレートおよび第3のコールドプレート自体は直列に配置される。3つ以上のコールドプレートを、冷却ループの各並列分岐上に直列に配置することができる。
【0073】
さらに、冷却ループの3つ以上の並列分岐が電子モジュール内に配置されてもよく、各並列分岐は、その上に接続された1つまたは複数のコールドプレートを有する。冷却ループの特定の並列分岐上に2つ以上のコールドプレートが配置される場合、追加のコールドプレートは所与の分岐上に直列に配置することができる。
【0074】
有利には、記載されているシステムは、例えば、個別にもしくはグループで、並列もしくは直列に、または両方の混合として、コールドプレートを通る液体冷却剤の循環を可能にすることができる。
【0075】
さらなる態様では、ラック内に設置するように構成された電子モジュールを冷却するための方法であって、冷却ループを巡って液体冷却剤を循環させるステップを含み、第1のコールドプレートおよび第2のコールドプレートが冷却ループ内で並列に結合され、第1のコールドプレートおよび第2のコールドプレートが電子モジュールのモジュールハウジング内に収容される、方法が説明される。第1のコールドプレートおよび第2のコールドプレートの各々は、ハウジングであって、ハウジングの表面は、ハウジングに熱的に結合された電子デバイスを冷却するための熱界面を提供するように構成されている、ハウジングと、ハウジング内の、表面に近接している少なくとも1つのチャネルであって、熱界面によって受け取られる熱が液体冷却剤に伝達されるように液体冷却剤が当該チャネルを流れるように構成されている、少なくとも1つのチャネルとを備える。冷却のためのシステムに関して本開示内で言及されている特徴の各々は、この本態様の冷却のための方法によって実施することができる。
【0076】
本開示に記載の冷却システムは、ラック(またはサーバラック)に設置するように構成されたタイプの典型的または標準的な電子モジュール(またはサーバモジュール)内に収めることができる。特に、説明した冷却システムは、有利には、既存の電子モジュール(またはサーバラック内のサーバモジュールのパネル)に後付けすることができる。記載されている冷却システムは、一般的な、または大量生産されたサーバモジュール内で典型的な空冷式システムなどの既存の冷却システムに置き換えるために使用することができる。そのような空冷システムは、一般に、サーバモジュールのシャーシ内に空冷式ヒートシンクを含み、これは、取り外して、本開示の冷却システムの一部として説明されるコールドプレートと交換することができる。したがって、「フットプリント」(すなわち、サーバモジュールの平面内の各コールドプレートの寸法、例えば50mm×50mm~150mm×150mm)は、この種のサーバモジュールにおいて使用される典型的な空冷式ヒートシンクと同じまたは同様であってもよい。
【0077】
有利には、液冷式コールドプレートに基づく本開示の冷却システムは、交換が意図されている空冷式システムよりも効率的であり、より大きな冷却能を提供する。電子モジュールまたはサーバモジュールのためのより効率的な冷却システムを提供することにより、より多数の構成要素を特定の電子モジュールに含めることが可能になり(したがって、空間効率が改善され)、および/または電子モジュール内の構成要素をより高い電力性能率で動作させることが可能になる。特に、記載されているコールドプレート(および冷却システム)を使用すると、記載されているシステムが熱を除去するのにより効果的であるため、電子モジュール内の構成要素(CPUなど)をより高い速度でより長く動作させることができる。したがって、説明した冷却システムを提供することにより、従来技術のシステムに見られる十分な冷却の課題の結果として、コンピューティング性能および電子モジュールまたはサーバモジュール内のスペースの使用に現在課されている制限のいくつかが取り除かれる。
【0078】
したがって、本開示に記載の冷却システムを、代替の冷却システムを以前に利用していた既存の電子モジュール内に後付けすることが特に有益である。このように、またさらなる態様では、ラックに設置するように構成された電子モジュールのための液冷式システムを設置する方法であって、電子モジュールのモジュールハウジング内に収容された空冷式ヒートシンクを取り外すステップと、空冷式ヒートシンクの以前の位置において、モジュールハウジング内にコールドプレートを搭載するステップと、入力導管をコールドプレートの入口冷却ポートに結合するステップと、出力導管をコールドプレートの出口冷却ポートに結合するステップと、液体冷却剤流体ループを巡って循環する液体冷却剤が少なくとも入力導管、コールドプレート、および出力導管を通過するように、入力導管と出力導管とを液体冷却剤流体ループ内で接続するステップとを含む、方法が提供される。第1のコールドプレートおよび第2のコールドプレートの各々は、ハウジングであって、ハウジングの表面は、ハウジングに熱的に結合された電子デバイスを冷却するための熱界面を提供するように構成されている、ハウジングと、ハウジング内の、表面に近接している少なくとも1つのチャネルであって、熱界面によって受け取られる熱が液体冷却剤に伝達されるように液体冷却剤が当該チャネルを流れるように構成されている、少なくとも1つのチャネルと、液体冷却剤を少なくとも1つのチャネルに移送するための、ハウジングの外部に延在する入口冷却剤ポートと、液体冷却剤を少なくとも1つのチャネルから移送するための、ハウジングの外部に延在する出口冷却剤ポートとを備えることができる。この方法に従って2つ以上のコールドプレートを取り付けることができることが理解されよう。特に、2つ以上の空冷式ヒートシンクを電子モジュールから取り外し、それぞれの2つ以上のコールドプレートと交換することができる。2つ以上のコールドプレートは、(上記の態様で説明したように)冷却ループ内に並列に嵌合して配置することができ、または代替的に、冷却ループ内に直列に配置することができる。
【0079】
好ましくは、方法は、モジュールハウジングの壁の開口部を通過するように入力導管および出力導管を配置するステップをさらに含む。
【0080】
好ましくは、液体冷却剤流体ループ内で入力導管と出力導管とを接続するステップは、入力導管をマニホールドの第1の出口ポートに結合することと、出力導管をマニホールドの第1の入口ポートに結合することと、液体冷却剤を熱交換器からマニホールドに移送するために、供給導管をマニホールドの第2の入口ポートに結合することと、液体冷却剤をマニホールドから熱交換器に移送するために、受け入れ導管をマニホールドの第2の出口ポートに結合することとを含むことができる。
【0081】
任意選択的に、本方法は、マニホールドをラックに固定するステップをさらに含む。一例では、マニホールドをラックに固定するステップは、電子モジュールに接続されたケーブルを通すために、ラック内に画定されたダクト内にマニホールドを固定することを含む。
【0082】
方法は、供給導管と受け入れ導管との間に熱交換器を接続するステップをさらに含むことができ、熱交換器は液体冷却剤から外方に熱を伝達するように構成される。この方法はまた、供給導管と受け入れ導管との間にポンプを接続するステップを含んでもよく、ポンプは液体冷却剤流体ループを巡って液体冷却剤を循環させるように構成される。
【0083】
あるいは、例えば、マニホールドが冷却ループ内に存在しない場合、熱交換器は、入力導管と出力導管との間に接続されてもよい。同様に、ポンプは、入力導管と出力導管との間に接続されてもよい。この例は、冷却ループ全体が電子モジュールのモジュールハウジング内に存在する場合に使用することができる。したがって、ポンプ、冷却システム(または熱交換器)、およびコールドプレートはすべてモジュールハウジング内にある。冷却システムは、冷却ループ内の液体冷却剤から外方に、別の媒体(ハウジングを通過するように配置された第2の冷却ループなどに熱を伝達するために使用することができる。
【0084】
なおまたさらなる態様では、上述の設置する方法において使用するためのキットが開示される。キットは、少なくとも1つのコールドプレートと、入力導管として使用するための第1のパイプと、第2の導管として使用するための第2のパイプとを備えることができる。キットは、例えば、他の態様に関連して上述した構成要素のいずれかを含み得る。各構成要素に関して上述したオプション、特性、および利点は、この態様に適用される。
【0085】
好ましくは、コールドプレートの入口冷却剤ポートおよび出口冷却剤ポートは各々、独立して回転する流体コネクタを備え、それによって、それぞれの冷却剤ポートに結合された第1のパイプまたは第2のパイプの方向の調整を可能にする。
【0086】
好ましくは、コールドプレートは、少なくとも1つのチャネル内に配置されたピンおよび/またはフィンをさらに備える。任意選択的に、ピンおよび/またはフィンは、熱界面を提供するように構成されたハウジングの表面の近位にある少なくとも1つのチャネルの底面から、熱界面を提供するように構成されたハウジングの表面の遠位にある少なくとも1つのチャネルの上面まで延在するように構成される。
【0087】
好ましくは、キットは、液体冷却剤流体ループ内で入力導管および出力導管を接続するためのマニホールドをさらに備え、マニホールドは、出力導管に結合するための第1の入口ポートと、入力導管に結合するための第1の出口ポートと、供給導管を通してマニホールドにおいて液体冷却剤を受け取るための第2の入口ポートと、受け入れ導管を通じてマニホールドから液体冷却剤を移送するための第2の出口ポートとを備える。任意選択的に、例えば、それぞれ、入力導管を供給導管に結合するため、および出力導管を受け入れ導管に結合するために、2つの別個のマニホールドを設けることができ、2つのマニホールドは適切なポートを有する。
【0088】
任意選択的に、マニホールドは、ラックに固定されるように構成され、より好ましくは、電子モジュールに接続するためのケーブルを通すためにラック内に画定されたダクト内で、ラックに固定される。
【0089】
キットは、熱交換器および/またはポンプをさらに備えることができる。熱交換器および/またはポンプは、冷却ループの構成に応じて、供給導管と受け入れ導管との間の接続のため、または供給導管と受け入れ導管との間の接続のためのものであってもよい。
【0090】
またさらなる例では、ラックに設置するように構成された電子モジュールを冷却するためのシステムであって、第1の液体冷却剤が循環される第1の冷却ループであって、第1の冷却剤ループは、少なくとも1つのコールドプレートを備える、第1の冷却ループと、第2の液体冷却剤が循環される第2の冷却ループと、第1の液体冷却剤から第2の液体冷却剤へ熱を伝達するための冷却システムとを備え、第1の冷却剤ループおよび冷却システムは、電子モジュールのハウジング内に収容される、システムが存在する。
【0091】
第1の冷却ループおよび第2の冷却ループは、それぞれ第1の冷却循環装置および第2の冷却循環装置と考えることができる。有益なことに、記載されている構成は、少なくとも1つのコールドプレートを通って循環する第1の液体冷却剤を完全に電子モジュール内に保持することを可能にする(すなわち、電子モジュールのハウジングまたはシャーシ内に封入される)。このように、電子モジュールがラックから設置されるかまたは取り外されると、第1の冷却剤ループへの接続または接続切断は必要とされず、第1の冷却剤ループは設置プロセス全体を通して「閉ループ」である。したがって、高価で時には有毒な冷却剤流体の漏れまたは損失のリスクを低減または回避することができる。さらに、異なる種類の冷却剤流体(例えば、より高価な誘電性液体)を第1の液体冷却剤として使用することができ、第2のより豊富に利用可能な流体(例えば、水)を第2の液体冷却剤として使用することができる。第2の液体冷却剤として水を使用することは、大流量を可能にし、冷却能を増加させるのに役立つことができるが、有利には、記載されている構成は、第2の液体冷却剤を、シャーシ内に収容された任意の電気構成要素または電子デバイスから離して維持することができる。
【0092】
好ましくは、各コールドプレートは、ハウジングであって、ハウジングの表面は、ハウジングに熱的に結合された電子デバイスを冷却するための熱界面を提供するように構成されている、ハウジングと、ハウジング内の、表面に近接している少なくとも1つのチャネルであって、熱界面によって受け取られる熱が第1の液体冷却剤に伝達されるように第1の液体冷却剤が当該チャネルを流れるように構成されている、少なくとも1つのチャネルとを備える。
【0093】
任意選択的に、第1の冷却剤ループは、電子モジュールのハウジング内に搭載された第1のコールドプレートおよび第2のコールドプレートを備え、第1のコールドプレートおよび第2のコールドプレートは、第1の冷却ループ内で並列に結合される。
【0094】
好ましくは、第1の冷却ループは、第1の冷却ループを巡って第1の液体冷却剤を循環させるためのポンプをさらに備え、ポンプは、電子モジュールのハウジングまたはシャーシ内に収容される。
【0095】
好ましくは、冷却システムは熱交換器である。任意選択的に、冷却システムは第1の冷却システムであり、第2の冷却ループは、第2の液体冷却剤から外方に熱を伝達するための第2の冷却システムをさらに備える。
【0096】
好ましくは、第2の冷却ループは、第2の冷却ループを巡って第2の液体冷却剤を循環させるためのポンプをさらに備える。
【0097】
以下の番号が付けられた項は、例示的な例のみを示す。
1.ラックに設置するように構成された電子モジュールを冷却するためのシステムであって、
電子モジュールのモジュールハウジング内に搭載された第1のコールドプレートおよび第2のコールドプレートを備え、各コールドプレートは、
ハウジングであって、ハウジングの表面は、ハウジングに熱的に結合された電子デバイスを冷却するための熱界面を提供するように配置されている、ハウジングと、
ハウジング内の、表面に近接する少なくとも1つのチャネルであって、熱界面によって受け取られる熱が液体冷却剤に伝達されるように、液体冷却剤が流れるように構成された少なくとも1つのチャネルとを備え、
第1のコールドプレートおよび第2のコールドプレートは、冷却ループ内で並列に結合され、冷却ループは、液体冷却剤を循環させるように構成されている、システム。
【0098】
2.冷却システムであって、冷却システムは、液体冷却剤から熱を除去するように構成されている、冷却システムと、冷却ループ内を循環する液体冷却剤を第1のコールドプレートおよび第2のコールドプレートならびに冷却システムの間で移送するために、第1のコールドプレートおよび第2のコールドプレートならびに冷却システムに結合された複数の導管とをさらに備える、項1に記載のシステム。
【0099】
3.冷却システムが、液体冷却剤からさらなる冷却媒体に熱を伝達するための熱交換器を備える、項2に記載のシステム。
【0100】
4.複数の導管は少なくとも、
第1のコールドプレートに結合された第1の入力導管と、
第2のコールドプレートに結合された第2の入力導管と、
第1の入力導管および第2の入力導管が並列に結合されている供給導管と、
第1のコールドプレートに結合された第1の出力導管と、
第2のコールドプレートに結合された第2の出力導管と、
第1の出力導管および第2の出力導管が並列に結合された受け入れ導管と
を含む、項2または3に記載のシステム。
【0101】
5.第1の入力導管および第2の入力導管ならびに供給導管の間の結合が、モジュールハウジング内に配置されており、
第1の出力導管および第2の出力導管ならびに受け入れ導管の間の結合は、モジュールハウジング内に配置され、
供給導管および受け入れ導管は、モジュールハウジングの壁の開口部を通過するように構成されている、項4に記載のシステム。
【0102】
6.第1の入力導管および第2の入力導管ならびに供給導管の間の結合が、モジュールハウジングの外部に配置されており、
第1の出力導管および第2の出力導管ならびに受け入れ導管の間の結合は、モジュールハウジングの外部に配置され、
第1の入力導管および第2の入力導管ならびに第1の出力導管および第2の出力導管は、モジュールハウジングの壁の開口部を通過するように構成されている、項4に記載のシステム。
【0103】
7.第1の入力導管および第2の入力導管を供給導管に結合するための、および/または第1の出力導管および第2の出力導管を受け入れ導管に結合するためのマニホールドをさらに備える、項4または6に記載のシステム。
【0104】
8.第1の入力導管および第2の入力導管ならびに/または第1の出力導管および第2の出力導管をマニホールドに接続するための少なくとも1つのコネクタをさらに備える、項7に記載のシステム。
【0105】
9.供給導管を複数の導管のうちの第1のさらなる導管に結合するための、および/または受け入れ導管を複数の導管のうちの第2のさらなる導管に結合するためのマニホールドをさらに備える、項4~6のいずれか一項に記載のシステム。
【0106】
10.供給導管および/または受け入れ導管をマニホールドに接続するための少なくとも1つのコネクタをさらに備える、項9に記載のシステム。
【0107】
11.マニホールドをモジュールハウジングに固定するためのブラケットをさらに備える、項7~10のいずれか一項に記載のシステム。
【0108】
12.マニホールドをラックに固定するためのブラケットをさらに備える、項7~11のいずれか一項に記載のシステム。
【0109】
13.マニホールドは、電子モジュールに接続されたケーブルを通すためにラック内に画定されたダクト内で、ラックに固定されるように構成されている、項12に記載のシステム。
【0110】
14.第3のコールドプレートをさらに備え、第3のコールドプレートは、冷却ループ内の第1のコールドプレートまたは第2のコールドプレートのいずれかと直列に結合される、項1~13のいずれか一項に記載のシステム。
【0111】
15.ラックに設置するように構成された電子モジュールを冷却するための方法であって、
冷却ループを巡って液体冷却剤を循環させるステップを含み、第1のコールドプレートおよび第2のコールドプレートが冷却ループ内で並列に結合され、第1のコールドプレートおよび第2のコールドプレートが電子モジュールのモジュールハウジング内に収容され、さらに、第1のコールドプレートおよび第2のコールドプレートの各々が、
ハウジングであって、ハウジングの表面は、ハウジングに熱的に結合された電子デバイスを冷却するための熱界面を提供するように構成されている、ハウジングと、
熱界面によって受け取られる熱が液体冷却剤に伝達されるように、液体冷却剤が流れるように構成された、ハウジング内の、表面に近接する少なくとも1つのチャネルと
を備える、方法。
【0112】
16.ラックに設置するように構成された電子モジュールのための液冷式システムを設置する方法であって、
電子モジュールのモジュールハウジング内に収容された空冷式ヒートシンクを取り外すステップと、
空冷式ヒートシンクの以前の位置において、モジュールハウジング内にコールドプレートを搭載するステップであって、コールドプレートは、
ハウジングであって、ハウジングの表面は、ハウジングに熱的に結合された電子デバイスを冷却するための熱界面を提供するように構成されている、ハウジングと、
ハウジング内の、表面に近接する少なくとも1つのチャネルであって、熱界面によって受け取られる熱が液体冷却剤に伝達されるように、液体冷却剤が流れるように構成された少なくとも1つのチャネルと、
液体冷却剤を少なくとも1つのチャネルに移送するための、ハウジングの外部に延在する入口冷却剤ポートと、
少なくとも1つのチャネルから液体冷却剤を移送するための、ハウジングの外部に延在する出口冷却剤ポートと
を備える、コールドプレートを搭載するステップと、
入力導管をコールドプレートの入口冷却ポートに結合するステップと、
出力導管をコールドプレートの出口冷却ポートに結合するステップと、
液体冷却剤流体ループを巡って循環する液体冷却剤が少なくとも入力導管、コールドプレート、および出力導管を通過するように、液体冷却剤流体ループ内で入力導管と出力導管とを接続するステップと
を含む、方法。
【0113】
17.モジュールハウジングの壁の開口部を通過するように入力導管および出力導管を配置するステップをさらに含む、項16に記載の方法。
【0114】
18.液体冷却剤流体ループ内で入力導管と出力導管とを接続するステップは、
入力導管をマニホールドの第1の出口ポートに結合することと、
出力導管をマニホールドの第1の入口ポートに結合することと、
液体冷却剤を熱交換器からマニホールドに移送するために、供給導管をマニホールドの第2の入口ポートに結合することと、
液体冷却剤をマニホールドから熱交換器に移送するために、受け入れ導管をマニホールドの第2の出口ポートに結合することと
を含む、項16または17に記載の方法。
【0115】
19.マニホールドをラックに固定するステップをさらに含む、項18に記載の方法。
20.マニホールドをラックに固定するステップは、電子モジュールに接続されたケーブルを通すために、ラック内に画定されたダクト内にマニホールドを固定することを含む、項19に記載の方法。
【0116】
21.方法は、供給導管と受け入れ導管との間に熱交換器を接続するステップをさらに含み、
熱交換器は液体冷却剤から外方に熱を伝達するように構成される、項18~20のいずれか一項に記載の方法。
【0117】
22.方法は、供給導管と受け入れ導管との間にポンプを接続するステップをさらに含み、ポンプは液体冷却剤流体ループを巡って液体冷却剤を循環させるように構成される、項18~21のいずれか一項に記載の方法。
【0118】
23.方法は、入力導管と出力導管との間に熱交換器を接続するステップをさらに含み、熱交換器は液体冷却剤から外方に熱を伝達するように構成される、項16または17のいずれか一項に記載の方法。
【0119】
24.方法は、入力導管と出力導管との間にポンプを接続するステップをさらに含み、ポンプは液体冷却剤流体ループを巡って液体冷却剤を循環させるように構成される、項16、17または23に記載の方法。
【0120】
25.項16~24の設置する方法において使用するためのキットであって、
コールドプレートと、
入力導管として使用するための第1のパイプと、
第2の導管として使用するための第2のパイプと
を備える、キット。
【0121】
26.コールドプレートの入口冷却剤ポートおよび出口冷却剤ポートは各々、独立して回転する流体コネクタを備え、以て、それぞれの冷却剤ポートに結合された第1のパイプまたは第2のパイプの方向の調整を可能にする、項25に記載のキット。
【0122】
27.コールドプレートは、少なくとも1つのチャネル内に配置されたピンおよび/またはフィンをさらに備える、項25または26に記載のキット。
【0123】
28.ピンおよび/またはフィンは、熱界面を提供するように構成されたハウジングの表面の近位にある少なくとも1つのチャネルの底面から、熱界面を提供するように構成されたハウジングの表面の遠位にある少なくとも1つのチャネルの上面まで延在するように構成される、項27に記載のキット。
【0124】
29.キットは、液体冷却剤流体ループ内で入力導管および出力導管を接続するためのマニホールドをさらに備え、マニホールドは、
出力導管に結合するための第1の入口ポートと、
入力導管に結合するための第1の出口ポートと、
供給導管を通してマニホールドにおいて液体冷却剤を受け取るための第2の入口ポートと、
受け入れ導管を通じてマニホールドから液体冷却剤を移送するための第2の出口ポートと
を備える、項25~28のいずれか一項に記載のキット。
【0125】
30.マニホールドは、電子モジュールへの接続のためのケーブルを通すためにラック内に画定されたダクト内で、ラックに固定されるように構成されている、項29に記載のキット。
【0126】
31.供給導管と受け入れ導管との間の接続のための熱交換器をさらに備える、項29または30に記載のキット。
【0127】
32.キットは、供給導管と受け入れ導管との間の接続のためのポンプをさらに備え、ポンプは液体冷却剤流体ループを巡って液体冷却剤を循環させるように構成される、項29~31のいずれか一項に記載のキット。
【0128】
33.入力導管と出力導管との間の接続のための熱交換器をさらに備える、項25~29のいずれか一項に記載のキット。
【0129】
34.キットは、供給導管と受け入れ導管との間の接続のためのポンプをさらに備え、ポンプは液体冷却剤流体ループを巡って液体冷却剤を循環させるように構成される、項25~29または33のいずれか一項に記載のキット。
【0130】
図面の簡単な説明
本開示は、多くの方法で実践することができ、ここで、好ましい実施形態を、単なる例示として、添付の図面を参照して以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【
図1】記載されているシステムによって冷却される複数の電子デバイスを収容する電子モジュールハウジングの平面図である。
【
図3】
図1および
図2の電子モジュールの第2の異なる斜視図である。
【
図4A】第2の冷却循環装置の第1の例の概略図である。
【
図4B】第2の冷却循環装置の第2の例の概略図である。
【
図5】ラックに搭載された複数の電子モジュールの概略図である。
【
図9】第1の冷却循環装置内の堰のさらなる図である。
【
図10】第1の冷却循環装置内の堰のさらなる例を示す図である。
【
図11】第1の冷却循環装置内の堰のまたさらなる例を示す図である。
【
図12A】例示的なコールドプレートの概略斜視図である。
【
図13B】システムのまたさらなる例の概略図である。
【
図14】例示的なコールドプレートが内部に搭載された例示的な電子モジュールまたはブレードサーバの平面図である。
【
図15】2つの例示的なコールドプレートが内部に搭載された電子モジュールまたはブレードサーバの第2の例の斜視図である。
【
図16】
図15の電子モジュールまたはブレードサーバの第2の例の平面図である。
【
図17】例示的なコールドプレートが内部に搭載された電子モジュールまたはブレードサーバの第3の例の平面図である。
【
図18】例示的なコールドプレートが内部に搭載された電子モジュールまたはブレードサーバの第4の例の平面図である。
【
図19】例示的なコールドプレートが内部に搭載された電子モジュールまたはブレードサーバの第5の例の平面図である。
【
図20】例示的なコールドプレートが内部に搭載された電子モジュールまたはブレードサーバの第6の例の平面図である。
【
図21】マニホールドを含む、例示的なコールドプレートが内部に搭載された電子モジュールまたはブレードサーバの第7の例の平面図である。
【
図22】マニホールドを含む、例示的なコールドプレートが内部に搭載された電子モジュールまたはブレードサーバの第8の例の平面図である。
【
図23】本開示による単一ラックサーバ冷却システムの一例の概略図である。
【
図24】本開示による単一ラックサーバ冷却システムのさらなる例の概略図である。
【
図25】本開示によるマルチサーバ冷却システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0132】
図面において、同様の部分は同様の参照符号によって示されている。図面は原寸に比例して描かれていない。
【0133】
好ましい実施形態の詳細な説明
液体冷却剤の2つの協働する循環ループを含むハイブリッド冷却システムを有する電子モジュール100が説明される。最初に
図1を参照すると、一般的なサーバラック(図示せず)内に収まるように適切な寸法および外側コネクタを有する、モジュールまたはサーバブレードであってもよい電子モジュール100の好ましい実施形態が示されている。同じ電子モジュール100が
図2および
図3に示されており、これらの図は各々がモジュールの異なる斜視図を示している。
【0134】
電子モジュールは、外側ハウジングまたは筐体110を有し、基部、壁および蓋を有し、シール可能であってもよい。ハウジング内には、複数の電子デバイス(または発熱構成要素)が搭載されている。場合によっては、構成要素は、ハウジングの基部、蓋、または壁に接続され得るプリント回路基板(PCB)120上に搭載されてもよい。記載されているシステムは、電子デバイスによって発生した熱を電子モジュール内から除去することを目的としている。
【0135】
第1の冷却循環装置(または第1の冷却ループ)は、電子モジュール内に搭載された複数の電子デバイスのうちの特定の電子デバイスを冷却するために使用される。第2の冷却循環装置(または第2の冷却ループ)は、他の発熱構成要素を冷却するために使用される。例えば、第2の冷却循環装置は、より大きな冷却能を提供され得、したがって、第1の冷却循環装置によって冷却される構成要素よりも大量の熱を生成する特定の構成要素を冷却するために使用することができる。
【0136】
図1、
図2、および
図3に示す例では、電子モジュールは、浸漬冷却を提供する第1の冷却循環装置(または第1の冷却ループ)を有する。第1の冷却循環装置は、電子モジュールのハウジング110内に完全に収容される。特に、第1の液体冷却剤は、電子モジュールのシール可能なハウジング内に収容され、それにより、冷却されるべきいくつかの構成要素115が第1の液体冷却剤に少なくとも部分的に浸漬される。電子モジュールのハウジングの容積に収容される第1の液体冷却剤は、第1の液体冷却剤のリザーバと考えることができる。
【0137】
第1の液体冷却剤のリザーバからの第1の液体冷却剤は、ポンプ入力190において収集または受け取られる。ポンプ入力190は、ポンプ185に向かう液体冷却剤の流れを改善するように成形されてもよい。ポンプ185は、第1の冷却循環装置(または第1の冷却ループ)を通じて第1の液体冷却剤を移動させる。ポンプ185を通過した第1の液体冷却剤は、パイプ195を通って熱交換器170に移動し、そこで冷却される。特に、下記に説明するように、第1の冷却剤流体内に保持された熱は、第2の冷却剤流体に伝達することができ、第2の冷却剤流体もまた熱交換器に通される。理解されるように、熱交換器に入る第1の液体冷却剤は、熱交換器から出る第1の液体冷却剤よりも高い温度にある。
【0138】
図1、
図2および
図3の例では、パイプ200が熱交換器に接続されて、熱交換器170から出力される第1の冷却流体を搬送する。パイプ200の遠位端には、1つまたは複数の出口またはノズル205a、205bがある。
図1、
図2、および
図3の特定の例では、出口またはノズル205aは各々、堰202a、202bへの入口を形成する。堰はヒートシンクとして作用し、第1の冷却循環装置の一部である。堰は、
図6~
図11に関してさらに詳細に後述される。
【0139】
第1の冷却流体は、電子モジュール100のハウジング110の容積内に収容された第1の液体冷却剤のリザーバ内に収集されるまで、出口またはノズル205a、205bから外方に堰202a、202bを通過する。このようにして、熱交換器を通過したより低温の第1の冷却流体は、ハウジング110内の第1の冷却流体の槽またはリザーバに再導入され、リザーバに部分的に浸漬された電子構成要素を冷却することができる。具体的には、冷却された第1の液体冷却剤は、電子デバイス(冷却剤が接触している第1の電子デバイスを含む)の表面から熱を吸収する。最終的に、第1の液体冷却剤は、再びポンプ入力において収集され、それによって第1の冷却循環装置(または第1の冷却ループ)を流れ終わる。
【0140】
図1、
図2および
図3は、第2の冷却循環装置も示す。第2の冷却循環装置は、各々が1つまたは複数の電子デバイス130a、130bに搭載された1つまたは複数のコールドプレート125a、125bを組み込んでいる。理想的には、電子デバイス130a、130bは、より高性能の冷却を必要とする。コールドプレート125a、125bは、第2の冷却流体(水など)を通過させることができるモジュールまたはチャンバである。所与の電子デバイスに結合されたコールドプレートの搭載面を介して熱を伝導することによって、電子デバイス130a、130bからコールドプレート内の第2の冷却剤流体に熱を伝達することができる。第2の冷却循環装置のコールドプレート125a、125bは、
図12A、
図12Bおよび
図12Cに関して下記により詳細に説明される。
【0141】
図1、
図2および
図3の第2の冷却循環装置は、並列に接続された2つのコールドプレートを有する。特に、電子モジュールへの第2の冷却剤流体入力を受け入れるために、単一の入力導管135がハウジングの壁の入口145に接続されている。入口145は、簡易着脱コネクタを含む任意の適切なタイプのコネクタであり得るコネクタを備える。遠位端において、単一の入力導管135は入力マニホールド150に接続され、入力マニホールドには2つのさらなる入力導管140a、140bが接続される。さらなる入力導管140a、140bは各々、それぞれのコールドプレート125a、125bに接続されている。このようにして、第2の冷却剤流体は、電子モジュール内のコールドプレート125a、125bの各々に、並列に輸送することができる。次いで、
図12A、
図12Bおよび
図12Cに関連して下記に説明するように、第2の液体冷却剤がコールドプレートを通過する。
【0142】
出力導管155a、155bは、それぞれのコールドプレート125a、125bの各々に接続されている。出力導管155a、155bは、コールドプレート125a、125bの各々から並列に出力された第2の液体冷却剤を受け入れる。出力導管155a、155bは、出力マニホールド160に接続され、出力マニホールド160には、第2の液体冷却剤を出力マニホールド160から外方に輸送するための単一の出力導管165も接続されている。
【0143】
単一の出力導管165は、第1の冷却循環装置に関して上述した熱交換器170に接続されている。熱交換器170は、全体が電子モジュールのハウジング110内に配置される。
図1、
図2、および
図3の特定の例では、熱交換器170はプレート熱交換器であり、ハウジング110の壁に接続されている。しかしながら、他の適切なタイプの熱交換器(下記にさらに説明する)が使用されてもよく、電子モジュール内のどこにでも(また、あまり好ましくないが電子モジュールの外部にも)配置することができる。
【0144】
熱交換器170は、第1の冷却剤流体と第2の冷却剤流体との間の熱交換を可能にすると同時に、2つの液体冷却剤の分離(混合ではない)を維持する任意の適切なタイプのものであってもよい。例えば、熱交換器は、第1の液体冷却剤が流れる第1のチャンバを有することができ、第1のチャンバは、第2の冷却剤流体が流れる第2のチャンバから分離されている。第1のチャンバおよび第2のチャンバを分離する1つまたは複数の壁は、熱を伝達することができる熱界面として作用する。特に、熱は、熱界面にわたる温度勾配の結果として、より高温の液体冷却剤(この例では、通常動作下の第2の液体冷却剤)から、より低温の液体冷却剤(この例では、通常動作下の第1の液体冷却剤)に伝達することができる。当業者によって想定され得るように、3つ以上のチャンバを熱交換器内に含めることができ、異なる液体冷却剤が流れるチャンバを分離するために2つ以上の熱界面を設けることができる。熱交換器は、熱交換を促進するために熱界面にフィンまたは他の特徴部を備えることができる。
【0145】
図1、
図2および
図3に戻ると、熱交換器170に接続された出力パイプ175は、熱交換器を通過した第2の液体冷却剤を受け取るように構成される。理解されるように、熱交換器170から出る第2の液体冷却剤は、熱交換器170内で第1の液体冷却剤から熱が吸収される結果として、熱交換器170に入る第2の液体冷却剤よりも高い温度になる。出力パイプ175は、電子モジュールのハウジング110の壁の出口180に接続されている。出口180は、簡易着脱コネクタを含む任意の適切なタイプのコネクタであり得るコネクタを備える。
【0146】
図1、
図2および
図3には示されていないが、入口145および出口180は各々、冷却システムまたは第2の液体冷却剤供給設備に(例えば、必要に応じて入口145および出口180に接続されたさらなるパイプによって)接続されてもよい。これについては、
図4Aおよび
図4Bに関連して下記にさらに詳細に説明する。
【0147】
理解されるように、電子モジュール内の異なるデバイスは、他の構成要素とは異なる量の熱を生成する可能性があり、したがって異なる冷却速度を必要とする。したがって、本発明は、電子モジュール内のすべての電子デバイスに効果的かつ効率的な冷却をもたらす冷却システムを提供する。特に、第2の冷却循環装置は、最も高温の構成要素の高性能冷却を提供することができる一方で、第1の冷却循環装置は、電子モジュール内の他の構成要素の冷却を提供することができる。特定の以前のシステムは、電子モジュール内の第1の冷却ループおよび第2の冷却ループの使用を記載しているが(例えば、米国特許第7,724,524号明細書に記載されているように)、本出願における第1の冷却循環装置および第2の冷却循環装置間で熱を交換するための熱交換器の使用は、冷却の全体的な効率を改善する。対照的に、従来技術のシステムでは、冷却は、第1の冷却剤のリザーバを第2の冷却剤によって冷却されたコールドプレートに曝露することによって制限され得る。
【0148】
図4Aおよび
図4Bは、電子モジュール100がラック400内に接続されているときの第1の冷却循環装置および第2の冷却循環装置の概略図を示す。電子モジュール内の第1の冷却循環装置および第2の冷却循環装置の構成は、
図4Aおよび
図4Bの両方の例について同じであり、
図1、
図2および
図3の第1の冷却循環装置および第2の冷却循環装置と整列する(
図4Aおよび
図4Bの第1の冷却循環システムの例では単一の堰202のみを設けることを除く)。しかしながら、電子モジュールに低温の第2の液体冷却剤を供給するための装置は、
図4Aおよび
図4Bの2つの例において異なる。
【0149】
共通の態様を最初に考慮すると、
図4Aおよび
図4Bは、電子モジュール100のハウジング内で第1の液体冷却剤401を循環させるためのポンプ入口190、ポンプ185、熱交換器170、および堰202を有する、上記の第1の冷却循環システムを示す。
図4Aおよび
図4Bは、上述の第2の冷却循環装置をさらに示す。この構成では、第2の液体冷却剤402は、入口145を通り、かつ並列に配置された2つのコールドプレート125a、125bに冷却剤を供給するための導管を通って電子モジュール100内に受け入れられる。コールドプレート125a、125bを通過した後、第2の液体冷却剤は様々な導管を通って熱交換器170に輸送され、そこで、第1の液体冷却剤から第2の液体冷却剤に熱が伝達される。熱交換器170から、第2の液体冷却剤は、出口180を介して電子モジュールから排出される。入口145および出口180は各々、電子モジュール100が搭載されているサーバラック400の入口405または出口410のマニホールドにそれぞれ接続することができる。
【0150】
図4Aの例では、冷却システム450は、第2の冷却循環装置の一部として接続される。特に、電子モジュールの出口180から出て出口マニホールド410に通された第2の液体冷却剤は、冷却システム450に入力される。冷却システム450は、熱交換器455およびポンプ460を備える。熱は、第2の液体冷却剤から外方に熱交換器455においてさらなる冷却媒体470に伝達され、冷却された第2の液体冷却剤は、入口マニホールド405および電子モジュール100の入口145に圧送し戻される。さらなる冷却媒体470は、例えば、空気、またはさらなる液体冷却剤であってもよい。
【0151】
図4Bの例では、第2の冷却循環装置は、施設レベルの提供により、より低温の第2の液体冷却剤を提供され得る。特に、第2の液体冷却剤は水であり、施設レベルで主給水設備490から供給される。電子モジュールから受け取られる、より高温の第2の液体冷却剤は、施設レベルで主排水路495に通すことができる。
【0152】
図5は、
図4Aのラック400に搭載された
図1、
図2、および
図3の例によるいくつかの電子モジュール100の例を示す。ここで、第2の冷却循環装置は、ラックレベル冷却システム450に接続されている。特に、ラック400内の電子モジュール100の各々に供給される二次液体冷却剤を冷却するために使用される(
図4Aに関連して上述したような)単一の冷却システム450を用いて、いくつかの電子モジュールが並列に接続される。
【0153】
図5に示すようにラック400内に搭載された複数の電子モジュールの第2の冷却循環装置には、
図4Bに示す水道によって供給される施設レベル冷却水システムなどの施設レベル冷却システムに接続することによって、より低温の第2の液体冷却剤を供給することもできることが理解されよう。
【0154】
ここで、
図6~
図11を参照して、第1の冷却循環システムの堰をより詳細に説明する。堰は、第1の冷却循環装置内の第1の液体冷却剤の流れを方向付けて増大させるための特定の利点を提供する。堰を使用することにより、第1の液体冷却剤は、電子モジュール、およびその中に搭載された任意の電子デバイスの特定の領域の上または中を流れるように導くことができる。いくつかの例では、堰の基部は、第1の電子デバイス(または別の電子デバイス)に結合することができ、したがって、結合されたデバイスのヒートシンクとして作用することができる。さらに、堰の使用は、下記にさらに説明するように、電子モジュールで必要とされる第1の液体冷却剤の液位を低減することを可能にする。
【0155】
最初に
図6を参照すると、第1の冷却循環システムにおいて使用するための堰または堰ヒートシンクの第1の実施形態が示されている。
図7を参照すると、
図6の実施形態の分解図が示されている。堰600は、マウント610、および、マウント610に固定された平面基板615から構成された基部と、平面基板615に取り付けられた保持壁620と、突出部(ピンの形態で示されている)625と、基板615をマウント610に取り付ける固定ねじ630とを備える。このようにして、平面基板615は、第1の電子デバイス635であってもよい高温構成要素上に直接位置する。したがって、熱は、第1の電子デバイス635から、突出部625が設けられた平面基板615および保持壁620によって画定される容積に伝達される。
【0156】
堰ヒートシンク600は、例えばダイカスト、ロストワックス鋳造、射出成形金型(MIM)、積層造形または鍛造によって単一の構成要素から作製することができる。また、ヒートシンクは、材料のブロックから機械加工されてもよく、またはスカイビングされてもよい。堰ヒートシンク600は、金属または他の熱伝導体などの熱伝導性である任意の材料から形成されてもよい。いくつかの例は、アルミニウム、銅または炭素を含んでもよい。
【0157】
図6および
図7には、パイプ640およびノズル645における堰への入口も示されている。第1の液体冷却剤は、ノズル645を介して堰ヒートシンク600に送達される。ノズル645は、基板615の平面に対して垂直に冷却剤を導くように配置される。これにより、液体冷却剤のジェットまたは流れは、基板615およびヒートシンク600の保持壁620によって画定される容積内に直接押し込まれる。その結果、熱放散が向上する。これは、空冷式システムなど、冷却剤がヒートシンク基板の平面に平行な方向にヒートシンクの上を流れるように誘導されるシステムと比較して特に当てはまる。
【0158】
図6および
図7に示す例では、ノズル645は、基板615および保持壁620によって画定される容積の中心に冷却剤を直接送達する。この例では、その容積の中心は、高温構成要素635に隣接する(および直上にある)基板615の領域の最も高温の部分に対応する。これにより、最も低温の冷却剤が堰ヒートシンクの最も高温の領域に接触するように導かれるように、逆方向の流れが提供される。冷却剤は、最も高温の部分から外方に半径方向に移動する。
【0159】
図8を参照すると、動作時の
図6の堰ヒートシンクの断面図が示されている。前の図面に示されたものと同じ特徴は、同じ参照符号によって識別される。矢印は、基板615およびヒートシンク600の保持壁620によって画定される容積内に第1の液体冷却剤805を提供し、ヒートシンク1の外部に第1の液体冷却剤810を提供するための、パイプ640内の冷却剤の流れを示す。前述したように、ノズル645から出る第1の液体冷却剤は、容積の中心(基板615の表面領域の中心に対応する)に向かって導かれ、そこから外方に保持壁620に向かって半径方向に移動する。十分な第1の液体冷却剤が、ノズル645を介して容積内に圧送され、それにより、保持壁620から溢れ出て810、堰ヒートシンク600の外部の残りの第1の液体冷却剤815と合流する。
【0160】
側壁として作用する保持壁620は、冷却剤の複数の異なる液位を可能にする。堰ヒートシンク600の容積内の第1の液体冷却剤805は比較的高い液位にあり、電子モジュール内の複数の他の電子デバイス(この図には示されていない)を少なくとも部分的に浸漬する液体冷却剤815はより低い液位にある。これにより、同じ高さにあるすべての構成要素をカバーする他の同様のシステムよりも大幅に少ない液体冷却剤を使用することが可能になる。
【0161】
これにより、いくつかの利点が実現される。第一に、第1の液体冷却剤として誘電性冷却剤が使用される場合、使用される第1の液体冷却剤は少なくなる。これには2つの主な利点がある、すなわち、誘電冷却剤は高価であり得、したがってコストを大幅に削減することができ、誘電液体冷却剤は典型的には非常に重く、したがって電子モジュールの重量を低減することができる。さらに、より少ない液体冷却剤を使用することによって、電子モジュール100をより容易に設置および/または持ち上げることができる。また、電子モジュール100を設置することにより、必要なインフラストラクチャを少なくすることができる。さらに、電子モジュール100は、相当に多くの一次液体冷却剤を使用するシステムである同様のデバイスよりも取り扱いが容易である。容器110の大部分の中の第1の液体冷却剤815の液位は、容器の上部に近くない。その結果、構成要素の保守または交換時の漏出が起こりにくくなる。漏れのリスクも低減される。
【0162】
保持壁630は、堰効果を生み出し、第1の液体冷却剤の流れを促進する。相対的に低い液位にある冷却剤815は、電子モジュール100内の電子デバイス(第1の電子デバイス、および任意の他の電子デバイス)を冷却する。第1の電子デバイスおよび任意の他の電子デバイスは、第1の液体冷却剤に完全に浸漬される必要はない。堰ヒートシンク600内に保持された第1の液体冷却剤はまた、ポンプ185または他の構成要素の障害の場合に、第1の冷却循環装置の冷却にいくらかの冗長性を提供することができる。
【0163】
次に
図9を参照すると、ノズル装置を示す、
図7の実施形態の上面図が示されている。前述のように、ノズル645はパイプ640に結合されている。ノズル645は、基板615(この図には示されていない)の表面領域の中心に面するように位置付けられる。冷却剤の半径方向の流れが、この図に矢印で示されている。
【0164】
ノズル640の代替的な位置が可能である。ここで、
図6の実施形態のノズル装置の第1の変形例の上面図が示されている
図10を参照して、および
図6の実施形態のノズル装置の第2の変形例の上面図が示されている
図11を参照して、いくつかのそのような位置について説明する。最初に
図10を参照すると、ノズル645は中心から外れて示されている。このような配置は、第1の電子デバイスの最も高温の部分(図示せず、堰ヒートシンク600が結合され得る)が基板615の中心に隣接しない場合に設けられ得る。
図11を参照すると、2つのノズルが示されている。2つのノズル645は、第1の電子デバイスの最も高温の部分(図示せず、堰ヒートシンク600が結合され得る)の2つに隣接して基板615(図示せず)の表面領域の上に位置付けられている。
【0165】
突出部625(ピンおよび/またはフィンとしての)は、堰ヒートシンク600の残りの部分と一体に形成されてもよく、または別個の構成要素から作製されてもよい。突出部625は、所定の位置に公差嵌め、接着またはろう付けすることができる。付加的または代替的に、保持壁620は、例えば押出成形または組立板金部品によって、ヒートシンク600の残りの部分と一体的に形成されるか、または別個に作製されてもよい。次いで、保持壁620は、公差フィッティング、適所に接着、ろう付けまたは溶接することができる。
【0166】
次に、
図12A~
図12Cを参照して、第2の冷却循環装置のコールドプレートをより詳細に説明する。コールドプレートは、コールドプレートが結合される特定の電子デバイスの高性能で効率的な冷却を提供するための特定の利点を有する。したがって、第2の冷却循環装置、より具体的にはコールドプレートは、最大量の熱を生成する電子モジュール内の電子デバイスに結合することができる。このように電子モジュール内のすべての電子デバイスを冷却することは実際的ではないが、第2の冷却循環装置の一部としてコールドプレートを使用することにより、第1の冷却循環システムによって電子モジュールの全容積を冷却する負担を軽減することができる集中冷却が可能になる。したがって、第1の冷却循環装置および第2の冷却循環装置は、電子モジュールのための特に効率的かつ効果的な冷却システムを提供するように協働する。
【0167】
第2の冷却循環装置内のコールドプレートのさらなる利点は、第2の液体冷却剤がいかなる電子デバイスとも直接接触しない、閉鎖された密閉システムを提供することである。これにより、(例えば、誘電性液体ではなく)低コストで容易に入手可能な水を第2の液体冷却剤に使用することが可能になる。第2の冷却循環装置が施設給水設備および排水路、または電子モジュールの外部の強力なポンプシステムに接続されている場合、第2の冷却循環装置を通る水の大きなスループットが可能であり、第2の冷却循環装置の潜在的な冷却能がさらに増加する。
【0168】
一般的に、本明細書では、ハウジング(一体的に形成されてもよい)を備えるコールドプレートであって、ハウジングの表面(典型的には平面)が、ハウジングに熱的に結合された電子デバイスを冷却するための熱界面(伝導面と呼ばれる場合がある)を提供するように構成されている、コールドプレートが説明される。コールドプレートは、ハウジング内にあり、表面に近接する少なくとも1つのチャネルをさらに備える。1つまたは複数のチャネルは、内部チャンバ(または複数のチャンバ)、容積、または液体冷却剤(例えば、水、水系冷却剤、水、または、鉱油もしくは誘電性流体などの比熱容量の高い液体代替物を本質的に含む冷却剤)を収容するための他の空間から形成されてもよい。1つまたは複数のチャネルは、熱界面によって受け取られる熱が液体冷却剤に伝達されるように、液体冷却剤がそれを通って流れるように配置構成される。任意選択的に、各々が冷却剤ポートから延在する複数の並列なチャネルを設けることができる。下記にさらに説明するように、ピンおよび/またはフィンが、好ましくは、少なくとも1つのチャネル内に配置される。
【0169】
コールドプレートはまた、液体冷却剤を少なくとも1つのチャネルにおよび/または少なくとも1つのチャネルから移送するために、ハウジングの外部に延在する冷却剤ポートを備える。冷却剤ポートは、コネクタ、結合部、ジョイント、または他の同様の構造であってもよい。入口および出口冷却剤ポートが設けられてもよい。冷却剤ポートにおよび/または冷却剤ポートから液体冷却剤を移送するために、パイプ、ホースまたはチューブ(好ましくは可撓性)などの少なくとも1つの導管を冷却剤ポートに結合することができる。有利には、コールドプレートは、冷却システム全体にわたって液体冷却剤が実質的に液体状態(すなわち、単相液冷)のままであるように構成される。
【0170】
最初に
図12Aを参照すると、第2の冷却循環装置の冷却モジュールとして使用するためのコールドプレート(またはコールドプレートアセンブリ)1200の一実施形態が概略的に示されている。特に、コールドプレートは、電子モジュールまたはサーバブレード(または同様のモジュール)における使用に有利である。コールドプレートアセンブリは、コールドプレートハウジング1210(好ましくは一体的に作製される)と、コールドプレートの入口/出口ポートを形成するコネクタ1220a、1220bと、入口/出口導管1225(ここではパイプまたはチューブである)とを備える。コールドプレート1200の固定点1230も示されている。これらの固定点は、典型的なサーバシャーシ内の空冷式ヒートシンクに見られるものを有益に複製することができ、コールドプレートをサーバブレードに後付けすることを可能にする。
【0171】
好ましい例では、
図12Aに示すように、複数の冷却剤ポート1220a、1220bが使用される。そして、コールドプレート1200に液体冷却剤を移送するための第1の液体冷却剤ポート1220aと、コールドプレート1200から液体冷却剤を移送するための第2の液体冷却剤ポート1220aとが設けられている。
図12Aの例では、冷却剤ポート1220a、1220bは、独立して回転する流体コネクタ(またはスイベルジョイントまたはスイベルエルボコネクタ、これらの用語は、本明細書において同義的に使用される)に結合され、それによって冷却剤ポート1220a、1220bに結合された入口/出口導管1225a、1225bの方向の調整を可能にする。したがって、このタイプのコネクタは、動作のためにコールドプレートアセンブリを構成または設置するのに特に有用である。スイベルジョイントは、コールドプレートの配置の柔軟性を高めることができる。これにより、ユニットまたはシステムに任意の他の変更を加える必要なしに、サーバまたは他のコンピュータシステムなどの既存の電子モジュールへのコールドプレートの後付けをより容易に可能にすることができる。コールドプレートは、例えば、空冷式ヒートシンクの代わりに嵌合するように構成されてもよい。
【0172】
好ましくは、コールドプレートが結合される電子デバイス(第2の電子デバイスなど)に熱界面を提供するように構成された表面は、コールドプレートハウジングの底面(例えば、
図12Aのコールドプレートハウジング1210の図示されていない下面)である。次いで、冷却剤ポート1220a、1220bは、有利には、底面の反対側のハウジング1210の上面に設けられる。好ましい実施形態では、冷却剤ポートは、ハウジングの上面に垂直な方向に延在する。次いで、スイベルジョイントは、冷却剤ポートを異なる方向に、典型的にはハウジングの上面により平行に延伸することができる。有益なことに、スイベルジョイントは、パイプの方向をハウジングの上面に垂直な軸の周りで調整することを可能にする。特に、スイベルジョイントは、パイプの方向を、特にハウジングの上面に垂直な軸の周りで、少なくとも90度、180度、270度、好ましくは360度まで(360度を含む)調整することを可能にすることができる。したがって、スイベルコネクタは、冷却剤ポートの完全な回転自由度を可能にすることができる。
【0173】
原則として、単一の冷却剤ポートは、チャネルへの液体冷却剤の入口とチャネルからの液体冷却剤の出口の両方を提供することができる。好ましい実施形態では、
図12Aに示すように、複数の冷却剤ポートが使用される。このとき、冷却剤ポートは、液体冷却剤を少なくとも1つのチャネルに移送するための第1の冷却剤ポートである。コールドプレートは、少なくとも1つのチャネルから液体冷却剤を移送するための第2の冷却剤ポートを備えてもよい。
【0174】
コールドプレートのハウジング、およびコールドプレート上のポートの配置構成は、コールドプレートを通る冷却剤の流れ、およびコールドプレートが結合される第2の電子デバイスの部分への冷却剤の流れを促進するのに有益な任意の形状をとることができる。いくつかの例では、ハウジングは細長く、第1の冷却剤ポートおよび第2の冷却剤ポートは、伸長方向に沿ってハウジングの対向する両方の端部に配置され、これにより、熱界面表面にわたる液体冷却剤の流れを促進し、および/またはコールドプレートの柔軟な配置を助けることができる。付加的または代替的に、第2の冷却剤ポートは、(第1の冷却剤ポートと同様に)スイベルジョイントを含んでもよく、それによって第2の冷却剤ポートに結合されたパイプの方向の調整を可能にする。各々がスイベルジョイントを有する2つの冷却剤ポートを設けることにより、コールドプレートをともに結合する可能性を含む、冷却システム内でコールドプレートを結合する改善された方法を可能にすることができる。
【0175】
図12Bを参照すると、
図12Aの例による例示的なコールドプレートの上面内部(平面)図が示されている。この図では、明確にするために蓋およびノズルが取り外されている。
【0176】
図12Bには、冷却剤入口ポート1225a、冷却剤出口または排出ポート1225b、冷却剤流路1235、およびピン1240が示されている。冷却剤入口ポート1225aと冷却剤出口または排気ポート1225bとの間に流路が形成されており、この流路を通って、コールドプレートが使用されているときに第2の液体冷却剤が流れることができることが分かる。この構成、特にピン1240の構成は、冷却剤の流れをコールドプレート内の全方向に分配し、冷却剤がコールドプレート全体に均一に広がることを可能にする。
【0177】
図12Cを参照すると、コネクタがポート1225a、1225b、コールドプレート基部1245に結合された、
図12Bの実施形態の側面(断面)図が示されている。コールドプレート蓋1250も示されている。基部プレート1245および蓋1250は、
図12Aに示すコールドプレートハウジング1210を共に形成することができる。
図12Cに示されるように、ピン1240は、基部1245および蓋1250に接続される。これにより、チャネル106を通過する液体冷却剤の流れがピン109をショートカットまたは迂回することがないようにすることができる。このようにして、ピン109は、冷却剤の流れをコールドプレート内に導くことができる。
【0178】
基部プレート1245は、第2の電子デバイスが結合され得る熱界面を提供することができる。特に、コールドプレート1200は、コールドプレートの基部プレート125が第2の電子デバイスの表面と直接接触した状態で、電子デバイス(例えば、
図1、
図2、および
図3に示すような、第2または第3の電子デバイス130a、130b)に搭載することができる。このようにして、熱は、電子デバイスの表面から、基部プレート1245によって提供される熱界面を通って、コールドプレート内を流れる液体冷却剤に伝達することができる。
【0179】
本明細書に開示される特徴のすべては、そのような特徴および/またはステップの少なくともいくつかが相互に排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせにおいて組み合わせることができる。特に、本発明の好ましい特徴は、本発明のすべての態様に適用可能であり、任意の組み合わせで使用することができる。同様に、必須ではない組み合わせで記載されている特徴は、別個に(組み合わせではなく)使用されてもよい。
【0180】
特に、上記の
図1~
図4Bは、1つまたは複数の堰が第1の冷却循環システム内に組み込まれ、1つまたは複数のコールドプレートが第2の冷却循環装置内に組み込まれる本発明の特定の好ましい実施形態を説明しているが、これらの構成要素は必ずしも必要ではない。特に、その最も一般的な形態では、本明細書に記載の概念は、第1および第2の協働する冷却循環システム(または冷却ループ)の使用であり、それにより、第1の冷却循環装置および第2の冷却循環装置の両方が各々、電子モジュール内の異なる電子デバイスを冷却し、さらに、第2の冷却循環装置は、第1の冷却循環システムを冷却するために使用される。
【0181】
この最も一般的な概念は、
図13Aおよび
図13Bに示されている。
図13Aおよび
図13Bの例は、以下の第1の共通の特徴、すなわち、複数の電子デバイスのうちの第1の電子デバイス1320と熱交換器1330との間で第1の液体冷却剤を循環させるように構成された第1の冷却循環システム(点線)を示す。
図13Aおよび
図13Bの特定の例では、ポンプ1325が第1の冷却循環システムの一部を形成するものとして示されているが、これは必須ではなく、循環は他の機構(対流など)によって行われてもよい。
図13Aおよび
図13Bの第1の冷却循環システムにおいて、第1の電子デバイス1320は、熱が第1の電子デバイス1320から第1の液体冷却剤に伝達されるように、循環する第1の液体冷却剤に熱的に結合されている(システムの使用時)。
【0182】
図13Aおよび
図13Bの例は、以下の第2の共通の特徴を示す、すなわち、第2の冷却循環装置(太線)は、複数の電子デバイスのうちの第2の電子デバイス1335(および並列な第3の電子デバイス1340)と熱交換器1330との間で第2の液体冷却剤を循環させるように構成される。第2の電子デバイス1335および第3の電子デバイス1340は、熱が第2の電子デバイス1335および第3の電子デバイス1340から第2の液体冷却剤に伝達されるように、(システムの使用時に)第2の冷却循環装置を循環する第2の液体冷却剤に熱的に結合される。
【0183】
図13Aおよび
図13Bの例は、以下の第3の共通の特徴を示す、すなわち、第1の冷却循環装置および第2の冷却循環装置は、熱交換器1330を介して熱的に結合される。言い換えると、第1の液体冷却剤および第2の液体冷却剤が各々、熱交換器1330を通過するとき、熱は、熱交換器1330内の熱界面を介して第1の液体冷却剤から第2の液体冷却剤に伝達される。
【0184】
さらに、
図13Aは、第2の冷却循環装置の一部としての冷却システムを示し、
図13Bは、第2の冷却循環装置が水道および排水路に接続されていることを示す。これは、
図4Aおよび
図4Bに関して上述した第2の冷却循環装置のこれらの部分に相当する。
【0185】
したがって、第2の冷却循環装置内の第2の液体冷却剤への熱伝達によって、第1の冷却循環装置内の第1の液体冷却剤から熱が除去されて外方に伝達されるシステムが示されている。熱伝達は、主に、第1の冷却循環装置からの熱の効率的な除去を提供する専用の熱交換器1330において行われる。記載されているシステムは、(第2の冷却循環装置による)電子モジュールの特定の構成要素の効率的な冷却を可能にするとともに、(第1の冷却循環装置による)電子モジュールの全容積の冷却も可能にする。記載されているシステムは、業界標準のサーバブレードまたはシャーシ内で使用することができるようにさらにコンパクトであり、閉ループの第1の冷却循環装置、および、第2の冷却循環装置の簡易着脱機構の結果として、一般的なサーバラックにより容易に設置することができる。
【0186】
このように、記載されているシステムは、電子モジュール内の的を絞った冷却と容積の冷却とのハイブリッド構成を利用する効率的で適応可能なシステムを記載する。
【0187】
電子モジュール内の2つのコールドプレートの特定の構成が上記の
図1~
図4Bに示されているが、様々なコールドプレート構成が可能であることが理解されよう。さらに、コールドプレートの異なる構成、および関連する循環システムのラック(またはサーバ)への接続は、いくつかの利点を提供することができる。ここで、ラックに設置するように構成された電子モジュールを冷却するための様々なシステム、ならびに電子モジュールのための液冷式システムを設置する方法について説明する。記載されている構成の各々は、少なくとも1つのコールドプレート(
図12A、
図12Bおよび
図12Cに関して上述したような)を組み込んでおり、特に第2の冷却循環装置内への組み込みに関して、上述の実施形態と組み合わせることができる。
【0188】
図14は、コールドプレートアセンブリ1401が配置された電子モジュール(またはサーバモジュール)の平面図を示す。電子モジュールは、既存のラックサーバシステムに搭載するタイプのものである。コールドプレートアセンブリ1401は、以前の空冷式ヒートシンクモジュールの代わりに設置されてもよい。有利には、コールドプレートアセンブリは、空冷式ヒートシンクモジュールと同じフットプリントに設置することができる。したがって、コールドプレートアセンブリは、一般的に使用される空冷式ヒートシンクモジュールと同じまたは類似のフットプリントまたは寸法を有する。
【0189】
コールドプレートアセンブリ1401は、電子モジュール1410のハウジングまたはシャーシ(またはサーバシャーシ)1420内に搭載される。サーバシャーシ1420は、例えば、確立された業界標準に準拠する1RUサーバシャーシであってもよい。コールドプレートモジュール1401の基部プレートは、ハウジング内に搭載された電子デバイスに熱的に結合されるように構成される。コールドプレートモジュールは、モジュールハウジング1420の基部を形成する基板(またはプリント回路基板)1425に向けて搭載することができる。入力導管1430は、コールドプレートの入口ポート1435に結合されている。出力導管1440は、コールドプレートの出口ポート1445に接続されている。コールドプレートアセンブリに関連する新規な特徴に加えて、図示された電子モジュールはまた、標準的な電子モジュールで典型的であろう様々な他の特徴、特に、(モジュールがラック内に搭載されているときに見た場合に、電子モジュールの前面にある)電気またはデータ接続のための入口/出口ポート1450(USB、QSFPおよびイーサネット(登録商標)ポートを含む)、および(モジュールがラック内に搭載されているときに見た場合に、電子モジュールの後部にある)モジュールハウジング内のキャビティを空冷するためのファン1455を示す。モジュールハウジングは、様々な電子構成要素またはデバイス1460(RAMチップ等)を収容することができる。
【0190】
使用時には、コールドプレートアセンブリ1401ならびに入口導管1430および出口導管1440は、冷却システムおよびポンプ(
図14には図示せず)と共に冷却ループ内に接続される。冷却ループを巡って液体冷却剤が循環される。具体的には、液体冷却剤は、入力導管1430を通じてコールドプレートアセンブリ1401に通される。液体冷却剤は、
図12A、
図12Bおよび
図12Cに関連して上述したように、コールドプレートハウジングに熱的に結合された電子デバイスから液体冷却剤に伝達される熱を受け取るために、コールドプレートアセンブリのハウジング内のチャネルを通過する。したがって、コールドプレートアセンブリ1401を出る液体冷却剤は、コールドプレートアセンブリ1401に入る液体冷却剤よりも高い温度を有する。
【0191】
コールドプレートアセンブリ1401を出る液体冷却剤は、出口導管1440を通って受け入れられる。次いで、液体冷却剤は、出力導管1440を通じて冷却システムおよびポンプに移送される(図示せず、組み合わせユニットを含んでもよい)。冷却システムには、液体冷却剤から第2の冷却媒体に熱を伝達するための熱交換器が設けられる。第2の冷却媒体は、例えば空気であってもよく、または第2の液体冷却剤が循環している第2の冷却ループであってもよい。冷却システムは、液体冷却剤の温度を低下させ、または液体冷却剤を冷却する。液体冷却剤冷却ループは、大規模冷却設備(建造物冷却水ループなど)の一部として形成されてもよい。別の例では、液体冷却ループは、サーバモジュール、またはサーバモジュールが接続されているラックに局所的なより小さいループとして形成されてもよい。液体冷却ループは、局所的な規定および要件に従って構成することができる。
【0192】
冷却システムにおける冷却後、冷却された液体冷却剤は、次に、冷却ループを巡って、入力導管1430を通ってコールドプレートモジュール1401にさらに循環され、それによって冷却ループを流れ終わる。
【0193】
当業者によって理解されるように、様々な他の構成要素が冷却ループ内に含まれてもよい(スイッチ、バルブ、マニホールド、または追加のポンプなど)。下記に説明するように、追加のコールドプレートアセンブリも冷却ループ内に含まれてもよい。記載されている冷却ループは、例示を目的として提供されており、限定的であるとは考えられない。
【0194】
図15は、2つのコールドプレートアセンブリ1401a、1401bが配置された電子モジュール(またはサーバモジュール)1510のさらなる例を説明する。同じ例が、
図16に平面図で示されている。電子モジュール1510は、基板1425、入力/出力ポート1450、およびファン1455を有するモジュールハウジング1420を備える。コンピュータRAM1460およびコンデンサ1565を含む電気構成要素が、モジュールハウジング1520内に収容される。
【0195】
第1のコールドプレートアセンブリ1401aの蓋には、第1の入口ポート1435aおよび第1の出口ポート1445aが設けられている。同様に、第2のコールドプレートアセンブリ1401bの蓋には、第2の入口ポート1435bおよび第2の出口ポート1445bが設けられている。第1の入力導管1430aおよび第2の入力導管1430bがそれぞれの第1の入口ポート1435aおよび第2の入口ポート1435bに取り付けられ、第1の出力導管1440aおよび第2の出力導管1440bがそれぞれの第1の出口ポート1445aおよび第2の出口ポート1445bに取り付けられる。第1のコールドプレートアセンブリ1401aおよび第2のコールドプレートアセンブリ1401bは、並列構成において冷却ループ内に配置される。したがって、単一の供給導管1550が、第1の入口導管1430aおよび第2の入口導管1430bの両方に接続される。同様に、単一の受け入れ導管1555が、第1の出力導管1440aおよび第2の出力導管1440bの両方に接続される。供給導管1550は、例えば、第1の入力導管および第2の入力導管によって提供される並列管路に「分割」されると考えることができる。
【0196】
供給導管1550を第1の入口導管1430aおよび第2の入口導管1430bに接続するため、および/または第1の出力導管1440aおよび第2の出力導管1440bを受け入れ導管1555に接続するために、少なくとも1つの結合部1570a、1570bが設けられる。この例では、結合部1570a、1570bは、モジュールハウジング1420の外部に存在する。したがって、第1の入力導管1430aおよび第2の入力導管1430bならびに第1の出力導管1440aおよび第2の出力導管1440bは、ハウジング1420の壁の開口部1480を通過して、電子モジュール内のキャビティの内部と外部との間で液体冷却剤を移送するように構成されている。有利には、開口部1480は、
図15に示すように、例えば既存のPCIEカードスロットなど、典型的なサーバモジュールの後部に設けられた開口である。
【0197】
図3および
図4に示すように、入力導管1430a、1430bおよび出力導管1440a、1440bは、モジュールハウジング内に配置された電気構成要素1565、1460の周りに配置されている。有益には、導管は、狭い直径(または空孔サイズサイズ)を有する可撓性の配管またはパイプによって提供される。したがって、導管を電気構成要素の周りにより容易に嵌合することができる。さらに、配管は、モジュールハウジングの壁の典型的に設けられた、または既存の開口(例えば、電気もしくはデータポートのもの、またはデータカードなどの構成要素のものなど)を通過するように配置することができる。
【0198】
コールドプレートアセンブリ1401a、1401bの記載されている特性は、電気構成要素がモジュールハウジング内に既に設置されており、既存の構成要素が移動または再配置されないことが望ましいため、例えば空冷式ヒートシンクの代わりに、コールドプレートアセンブリが後付けされる場合に特に有用である。このように、コールドプレートアセンブリを後付けするとき、整備士は、(コールドプレートアセンブリの寸法の結果として)前の冷却デバイスのフットプリント内にコールドプレートモジュールを有利に嵌合することができ、さらに、導管に使用される可撓性の狭い配管は、各コールドプレートアセンブリへのポートにあるスイベルノズルと共に、設置業者が、サーバシャーシを通って既存の構成要素を巡る配管の最も自然なルートを評価し適用することを可能にすることができる。
【0199】
使用時には、液体冷却剤は、結合部1570aを介して供給導管1550を通じて第1の入力導管1430aおよび第2の入力導管1430bに通される。ここから、第1のコールドプレートアセンブリ1401aおよび第2のコールドプレートアセンブリ1401bは、冷却ループの別個の第1の並列分岐および第2の並列分岐の一部を形成する。液体冷却剤は、それぞれの第1の入力導管および第2の入力導管のために第1のコールドプレートおよび第2のコールドプレートの各々の入口ポート1435a、1435bを通って入力されるように、第1の入力導管1430aおよび第2の入力導管1430bの各々を並列に通って循環される。次いで、液体冷却剤は、各コールドプレートの内側チャネルを通過し、熱的に結合された電子デバイスから伝達される熱を受け取り、その後、出口ポート1445a、1445bを通ってコールドプレートを出る。次いで、液体冷却剤は、第1の出力導管1440aおよび第2の出力導管1440bの各々に移送されて、結合部1570bにおいて受け入れ導管1555につながる。
【0200】
使用時には、供給導管1550および受け入れ導管1555は、
図14の例に関して上述したように、冷却ループを完成させるために冷却システムおよび/またはポンプに接続される。冷却システムは、液体冷却剤から熱を除去するように作用し、したがって、元々は電気構成要素から伝達されていた熱を、冷却ループから除去する。
【0201】
図17は、4つのコールドプレートアセンブリを含む電子モジュール1710のさらなる例の平面図を示す。第1のコールドプレートアセンブリ1401aおよび第2のコールドプレートアセンブリ1401b、さらには第3のコールドプレートアセンブリ1401cおよび第4のコールドプレートアセンブリ1401dの構成は各々、
図15および
図16に示す第1のコールドプレートアセンブリおよび第2のコールドプレートアセンブリの構成と同様である。
【0202】
より詳細には、第1のコールドプレートアセンブリ1401aおよび第2のコールドプレートアセンブリ1401bは、
図15および
図16に関して説明したものと同様の構成(ただし、電子モジュールの基板1425上の第1のコールドプレートアセンブリ1401aおよび第2のコールドプレートアセンブリ1401bの位置は、第1の入力導管1430aおよび第2の入力導管1430bならびに第1の出力導管1440aおよび第2の出力導管1440bを形成する配管の構成を最適化するために、
図15および
図16のものとは異なる)で、液体冷却剤ループ内で並列に接続される。この例では、供給導管および受け入れ導管は、第1の供給導管1550aおよび第1の受け入れ導管1555aを表す。
【0203】
第3のコールドプレート1401cおよび第4のコールドプレート1401dも設けられている。第3のコールドプレートおよび第4のコールドプレート、第3の入力導管1430cおよび第4の入力導管1430d、ならびに第3の出力導管1440cおよび第4の出力導管1440dから成るシステムは、それぞれ第1のコールドプレートおよび第2のコールドプレート、第1の入力導管および第2の入力導管、ならびに第1の出力導管および第2の出力導管から成るシステムと同等である。したがって、第3のコールドプレートアセンブリ1401cおよび第4のコールドプレートアセンブリ1401dは、液体冷却剤ループ内で並列に接続される。第3の入力導管1430cおよび第4の入力導管1430dは、第2の供給導管1550bに結合され、そこから液体冷却剤を受け取る。同様に、第3の出力導管1440cおよび第4の出力導管1440dは、第2の受け入れ導管1555bに結合され、そこに液体冷却剤を移送する。
【0204】
図17に示される第1の供給導管1550aおよび第2の供給導管1550bは、液体冷却ループ内で並列に接続され得る。換言すれば、冷却ループの冷却システムからの単一の出力は、各々が第1の供給導管1550aおよび第2の供給導管1550bに接続するように分割され得る。同様に、第1の受け入れ導管1555aおよび第2の受け入れ導管1555bは、第1の受け入れ導管および第2の受け入れ導管が単一の実体として冷却システムの入力へと進むように接合するように、並列に接続されることができる。
【0205】
代替例では、第1の供給導管1550aおよび第2の供給導管1550bならびに第1の受け入れ導管1555aおよび第2の受け入れ導管1555bは、各々が冷却システムを有する別個のそれぞれの第1の冷却ループおよび第2の冷却ループに接続されてもよい。これは、第1の供給導管1550aおよび第2の供給導管1550bならびに第1の受け入れ導管1555aおよび第2の受け入れ導管1555bが直列に配置される上記の構成よりも大きな冷却能を提供し得る。しかしながら、それはまた、より複雑なインフラストラクチャを必要とし、よりコストがかかる可能性がある。
図17の例(および本明細書に示す他の例)に示す装置に接続された冷却ループの特定の構成は、特定のサーバ設備の冷却要件およびインフラストラクチャに従って選択することができる。
【0206】
図18は、第1のコールドプレートアセンブリ1401aおよび第2のコールドプレートアセンブリ1401bが搭載された電子モジュール1810を示す。この例では、第1のコールドプレートおよび第2のコールドプレートは、
図15および
図16とほぼ同じ方法で配置された第1の入力導管1430aおよび第2の入力導管1430bと、第1の出力導管1440aおよび第2の出力導管1440bと、結合部1570a、1570bと、供給導管1550および受け入れ導管1555とを有する冷却ループ内に並列に配置される。しかしながら、この例では、第1の入力導管1430aおよび第2の入力導管1430bが供給導管1555に結合され、第1の出力導管1440aおよび第2の出力導管1440bが受け入れ導管1555に結合される結合部1570a、1570bは、モジュールハウジング1420内に配置される。この場合、供給導管1550および受け入れ導管1555は、モジュールハウジング内の開口部を通過するように配置される。
【0207】
図15および
図16の配置と比較して、この構成は、モジュールハウジングの壁を貫通しなければならないパイプまたはチューブが少なくなるという利点がある。しかしながら、第1の冷却アセンブリおよび第2の冷却アセンブリを通る液体冷却剤の概して効率的な流れを維持するために、供給導管および受け入れ導管は、典型的には、第1の入力導管および第2の入力導管ならびに第1の出力導管および第2の出力導管の各々よりも大きい空孔サイズまたは直径を有するチューブによって提供される。したがって、いくつかのシナリオでは、各導管の貫通の配置においてより大きな柔軟性を可能にするため、モジュールハウジング内に結合部を配置すること(
図15および
図16の例に示すように)が好ましい場合がある。
【0208】
図19は、第1のコールドプレート1401aおよび第2のコールドプレート1401bを収容する電子モジュールハウジング1910の平面図を示す。しかしながら、前の例と比較して、第1のコールドプレート1401aおよび第2のコールドプレート1401bは、冷却ループ内に直列に配置されている。このように、第1の入力導管1430aは第1のコールドプレートの第1の入口ポート1435aに接続され、第2の出力導管1440bは第2のコールドプレートの出口ポート1440bに接続されているが、前述のように、この場合、第1の出口ポート1445aはリンク導管1915を介して第2の入口ポート1435bに直接結合されている。第1の入力導管1430aおよび第2の出力導管1440bは、モジュールハウジング1420の壁の開口を通過するように配置される。第1の入力導管1430aおよび第2の出力導管1440bは、続いて前述のように冷却ループに接続される。
【0209】
使用中、液体冷却剤は、第1の入力導管1430aを通って移送され、第1のコールドプレート1401aの入口ポート1435aにおいて受け入れられる。液体冷却剤は、第1のコールドプレートのチャネルを通過し、第1のコールドプレートに熱的に結合された電子デバイスから伝達される熱を受け取る。次いで、液体冷却剤は、第1の出口ポート1445aを介して第1のコールドプレートから出て、リンク導管1915を通って第2のコールドプレート1401bの入口ポート1435aに移送される。次いで、液体冷却剤は、第2のコールドプレートのチャネルをさらに通過し、第2のコールドプレートに熱的に結合された電子デバイスから伝達される熱を受け取る。次いで、液体冷却剤は、第2の出口ポート1445bを介して第2のコールドプレートから外方に、第2の出力導管1440bへと通される。液体冷却剤は、冷却ループ内の冷却システムに向かってさらに循環される。
【0210】
図19の直列接続されたコールドプレートでは、液体冷却剤は、第1のコールドプレートに入る前の第1の温度(すなわち、第1の入力導管1430a内)、第1のコールドプレートから出た後であって第2のコールドプレートに入る前の第2の温度(すなわち、リンク導管1915内)、および第2のコールドプレートから出た後の第3の温度(すなわち、第2の出力導管1440b内)を有する。第1の温度は第2の温度よりも低くなり、第2の温度は第3の温度よりも低くなる。言い換えれば、液体冷却剤は、各コールドプレートのチャネル内で伝達される熱を考慮すると、追加のコールドプレートを通過するにつれて徐々に高温になる。
【0211】
電子デバイスからコールドプレートのチャネル内の液体冷却剤への熱の伝達効率は、電子デバイスと液体冷却剤との間の温度勾配(または温度差)に依存する。したがって、液体冷却剤の温度がより高く、したがって電子デバイスの動作温度に近い場合、電子デバイスから液体冷却剤への熱伝達(すなわち、冷却)の効率が低下する可能性がある。したがって、
図19に示すコールドプレートの直列構成では、第1のコールドプレート1401aに熱的に結合された電子デバイスは、第2のコールドプレート1401bに熱的に結合された電子デバイスよりも効率的に冷却され得る。しかしながら、コールドプレートモジュールの直列構成はよりコンパクトであり、導管として機能するために必要なパイプおよびチューブがより少ない。さらに、最大限可能な冷却効率は、所与の電子モジュール内のすべての電子デバイスに必要とされない場合がある。したがって、直列構成の一連のコールドプレートモジュールは、冷却される各電子デバイスに十分な冷却を提供するように選択することができる。
【0212】
図19に記載されている第1のコールドプレートと第2のコールドプレートとの間の冷却効率の差は、例えば、
図15、
図16、
図17および
図18の例に示されているように、冷却ループ内に並列にコールドプレートの各々を設けることによって効果的に克服することができる。並列構成では、各コールドプレートを循環する液体冷却剤の温度は同じである。したがって、冷却ループの各並列分岐内に取り付けられた各コールドプレートは、所与の温度で動作する電子デバイスに対して同じ潜在的な冷却効率を有する。
【0213】
それにもかかわらず、説明した並列構成は、並列構成を達成するためにより多くの導管(パイプまたはチューブ)および結合部が必要とされるため、特に特定の電子モジュールまたはサーバブレード内により多くのコールドプレートが追加されるため、(特に冷却システムが後付けされる場合に)サーバブレード内に設置するのがより煩雑になる可能性がある。並列に配置されたコールドプレートモジュールにサービスするために、モジュールハウジングの壁の既存の開口または開口部を通してより多くの導管を貫通させる必要があり得る。したがって、場合によっては、特定の電子モジュールの特定のスペースの考慮事項および冷却要件に応じて、コールドプレートモジュールの並列構成よりもコールドプレートモジュールの直列配置が好ましい場合がある。
【0214】
これを念頭に置いて、
図20は、電子モジュール2010内に設置された液体冷却システムのさらなる例を示す。この例では、冷却ループの2つの並列分岐が、電子モジュール内に搭載されたコールドプレートを通って循環する。冷却ループの第1の分岐には、第1のコールドプレート、第2のコールドプレート、および第3のコールドプレートが直列に配置されている。冷却ループの第2の分岐には、第4のコールドプレートおよび第5のコールドプレートが直列に配置されている。第1の分岐上の各コールドプレート(第1のコールドプレート、第2のコールドプレートおよび第3のコールドプレート)のフットプリントおよび容積は、第2の分岐上の各コールドプレート(第4のコールドプレートおよび第5のコールドプレート)のフットプリントおよび容積よりも小さい。より大きいコールドプレート(第4のコールドプレートおよび第5のコールドプレート)の冷却能は、電子デバイスから液体冷却剤への熱の伝達のためのより大きい表面積を提供するため、より小さいコールドプレート(第1のコールドプレート、第2のコールドプレートおよび第3のコールドプレート)の冷却能よりも大きくすることができる。しかしながら、冷却能は、冷却ループの各分岐を通る液体冷却剤の流量によって一部制限される(冷却ループは、コールドプレートの接続のための導管を形成するパイプの空孔サイズまたは直径によって決定され得る)。
【0215】
図20の特定の液体冷却システムは、第1のコールドプレート1401aと、第2のコールドプレート1401bと、第3のコールドプレート1401cと、第4のコールドプレート1401dと、第五のコールドプレート1401eとを備える。各コールドプレートは、それぞれの入口ポートおよび出口ポートを有する。供給導管350は、冷却ループの2つの並列分岐に分割する前に、冷却システムから受け取られる液体冷却剤のための通路を提供する。供給導管からの第1の分岐において、第1の入力導管1430aは、液体冷却剤を第1のコールドプレートの入口ポート1435aに移送するように配置され、第1のリンク導管1915aは、液体冷却剤を第1のコールドプレートの第1の出口ポート1445aから第2のコールドプレートの第2の入口ポート1435bに移送するように配置され、第2のリンク導管1915bは、液体冷却剤を第2のコールドプレートの第2の出口ポート1445bから第3のコールドプレートの第3の入口ポート1435aに移送するように配置され、第1の出力導管1440aは、液体導管を第3のコールドプレートの出口ポート1445cから受け入れ導管1555との結合部1570bに移送するように配置される。(第1の分岐に並列に配置される)供給導管からの第2の分岐において、第2の入力導管1430bは、液体冷却剤を第4のコールドプレートの入口ポート1435dに移送するように配置され、第3のリンク導管1915cは、液体冷却剤を第4のコールドプレートの出口ポート1445dから第5のコールドプレートの入口ポート1435eに移送するように配置され、第2の出力導管1440bは、液体冷却剤を第5のコールドプレートの出口ポート1445eから受け入れ導管1555との結合部に移送するように配置される。
【0216】
使用時には、冷却ループの各分岐を巡って液体冷却剤が循環される。比較的低温の液体冷却剤が供給導管によって各分岐の入力導管に供給され、比較的高温の液体冷却剤が各分岐の各出力導管から受け入れ導管において受け入れられる。液体冷却剤を循環させ、液体冷却剤から外方に熱を伝達するために、ポンプおよび冷却システム(上述)を冷却ループ内の受け入れ導管と供給導管との間に配置することができる。
【0217】
理解されるように、コールドプレートおよび冷却ループの任意の数の構成を、概説した例に基づいて配置することができる。冷却ループの3つ以上の並列分岐を電子モジュール内に配置することができ、冷却ループの各分岐に任意の数のコールドプレートを直列に配置することができる。特定の配置が、特定の電子モジュールの冷却要件に従って、かつ電子モジュールの空間および構成の制限を考慮して(特に、記載されている冷却システムを既存の電子モジュールに後付けする場合)選択される。特定の配置は、これらの要件および制約を考慮して電子モジュールの効率的な冷却を最適化するように(例えば、設置業者によって)選択することができる。
【0218】
図21は、電子モジュール2110内に設置された冷却システムのさらなる例の平面図を示す。電子モジュール2110は、ラック2100内に搭載されて示されている。この例では、第1のコールドプレート1401aおよび第2のコールドプレート1401bは、冷却ループ内に並列に配置される。モジュールハウジング1420の境界内で、第1の入力導管1430aおよび第2の入力導管1430b、第1の出力導管1440aおよび第2の出力導管1440bならびに第1のコールドプレートおよび第2のコールドプレートの構成は、
図15および
図16の例に関して上述したものと同じである。しかしながら、この例では、第1のマニホールド2120aおよび第2のマニホールド2120bが電子モジュールの外部に設けられている。第1のマニホールド2120aは第1の入力導管1430aおよび第2の入力導管1430bに結合されており、第2のマニホールド2120bは第1の出力導管1440aおよび第2の出力導管1440bに結合されている。各々が
図15および
図16に関して上述した供給導管および受け入れ導管と同様の機能を冷却ループ内に有する供給源および受け入れ導管が、それぞれ第1のマニホールドおよび第2のマニホールドに接続されることが理解されよう。
図21では、供給導管および受け入れ導管は見えず、入力導管および出力導管内の液体冷却剤の流れの方向に対して垂直なマニホールドに接続されている(すなわち、供給導管および受け入れ導管を通る液体冷却剤の流れは、
図21の電子モジュールの面内/面外となる。)。
【0219】
各マニホールドは、導管に液体冷却剤を供給するための通路またはチャネルを有するユニットを提供する。マニホールド内の通路またはチャネルは、マニホールドを通る液体冷却剤の流量に対する制限を回避するために、導管よりも広い直径または空孔サイズを有することができる。マニホールドユニットは剛性にされ、(例えば、
図15および
図16の結合部1570a、1570bに関して示すように)可撓性配管間の単純な結合よりも容易な電子モジュールまたはラックへの固定を可能にする。さらに、入力導管および出力導管をそれぞれの供給導管および受け入れ導管に結合する点として剛性マニホールドを設けることは、結合部の歪みを低減し、したがって液体冷却剤の漏れまたは液体冷却ループ内の圧力の低下を防止するのに役立つ。最後に、説明したマニホールドの使用は、導管間の分離可能な接続を可能にし、したがって冷却システムの様々な構成要素の配置の柔軟性を可能にするため、冷却システムの設置および嵌合に役立つ。
【0220】
マニホールドは、
図21の例ではモジュールハウジングの後部に接続されているブラケット2130によって支持することができる。別の例では、ブラケットはラックに接続されてもよい。
【0221】
第1の入力導管および第2の入力導管の各々は、コネクタ2125a、2125b、より具体的にはブラインドメイトコネクタを使用して第1のマニホールドに接続または結合されるが、他のタイプのコネクタも使用されてもよい。ブラインドメイトコネクタは、「押し込み式」である、言い換えれば、コネクタプラグをソケットにスライドまたはスナップ嵌めすることによる嵌合動作を有する。したがって、コネクタは、レンチなどの工具を使用せずにより容易に嵌合される。さらに、嵌合時に導管を提供する配管またはパイプにトルクを加える必要はない(これにより、冷却システム内の導管の配置をより大きく制御することが可能になる)。さらに、ブラインドメイトコネクタは、嵌合時に小さな位置ずれに対する復元力を可能にする自己整列機構を有する。したがって、このタイプのコネクタは、特に空冷式ヒートシンクシステムの代わりに既存の電子モジュールに設置される場合に、冷却システムの嵌合をより容易にする。
【0222】
図22は、電子モジュール2200内に設置された冷却システムのさらなる例の平面図を示す。この例もまた、マニホールドを含むが、
図21に示されるものと比較してさらに別の構成にある。
図22の冷却システムは、冷却ループ内に並列に配置された第1のコールドプレート1401aおよび第2のコールドプレート1401bを備える。第1のコールドプレート1401aおよび第2のコールドプレート1401b、第1の入力導管1430aおよび第2の入力導管1430b、第1の出力導管1440aおよび第2の出力導管1440b、ならびに供給導管1550および受け入れ導管1555の配置は、
図15および
図16の例に関して上述したものと同一である。
【0223】
図22の例では、供給導管1550および受け入れ導管1555は各々、それぞれの第1のマニホールド2120aおよび第2のマニホールド2120bに接続されている。マニホールドは、前述のように、供給導管および受け入れ導管を冷却ループ内へと接続することができる。
図21に関して上述したマニホールドと同様に、マニホールド2120a、2120bは、導管に液体冷却剤を供給するための通路またはチャネルを有するユニットまたは要素である。それらは剛性であってもよく、上記で概説した様々な利点を提供する。
【0224】
供給導管および受け入れ導管は、コネクタ2225a、2225bを介してマニホールドに接続することができる。上記コネクタは、例えば、設置中に手動接続(またはラックから電子モジュールを取り外すための手動接続切断)を必要とする手動コネクタであってもよい。そのようなコネクタは、他のタイプのコネクタよりも設置が比較的容易であり、複雑度が低い。したがって、このタイプの滴りのない手動コネクタは、説明した冷却システムを既存の電子モジュールに後付けする場合に特に有用であり得る。
【0225】
図22の例では、第1のマニホールド2120aおよび第2のマニホールド2120bはラック2100によって支持されている。より具体的には、第1のマニホールド2120aおよび第2のマニホールド2120bは、電気ケーブルおよびデータケーブルを収容するための典型的なラックに設けられたダクト(または通路またはキャビティ)2101内に搭載されている。ダクト2101は、内部に搭載された第1のマニホールド2120aおよび第2のマニホールド2120bがコンパクトかつ確実に収容されるように、電子モジュール2100の後部に隣接するキャビティを提供する。有益なことに、マニホールド2120a、2120bを収容するためのこの構成は、マニホールドの支持のために追加のブラケットまたはインフラストラクチャを必ずしも設ける必要はなく、依然としてマニホールドを定位置に確実かつ強固に取り付ける。
【0226】
図21および
図22に関して上述したマニホールドは、冷却ループの入口部分および出口部分の各々について別個のマニホールドユニットとして示されていることに留意されたい。入力部分および出口部分の両方は、内部に適切な仕切りを有する単一のマニホールドユニットによってサービスされてもよいことが理解されよう。それにもかかわらず、特に冷却システムを既存のサーバブレードに後付けする場合、入力部分および出口部分の各々に対する別個のマニホールドは、マニホールドの配置構成にさらなる柔軟性を提供するのに有益であり得る。
【0227】
上述したコールドプレート装置がその一部を形成する冷却ループについて上述した。
図23は、例として、冷却ループ全体の特定の構成の概略図を示す。
図23は、電子モジュールまたはサーバシャーシ2300、本開示による第1のコールドプレート2320aおよび第2のコールドプレート2320b、水冷ループ2330(これは、上記の例を参照して説明したように、コールドプレートを通って循環する「冷却ループ」である)、第1のマニホールド2340aおよび第2のマニホールド2340b、液体冷却ループ2330内の液体冷却剤からヒートシンク2380に熱を伝達するための熱交換器2360(または冷却システム)を備える冷却分配ユニット(CDU)2350を示す。施設レベルポンプ2370が、冷却ループ2330内のすべてのコールドプレート2320a、2320bに冷却剤を分配するために使用される。電子モジュールまたはサーバシャーシ2300はラック2310内に搭載されてもよく、マニホールド2340a、2340bはラックに搭載され、他のサーバ(図示せず)に、および、他のサーバから冷却剤を導くためにも使用される。マニホールドは、
図22に示すように、電子ケーブルおよびデータケーブルの格納および通過のためにラックのダクト内に搭載することができる。
【0228】
図23では、ポンプおよび熱交換器がユニット(CDU)内に示されているが、代わりに、別個の冷却システム(または熱交換器)およびポンプが冷却ループ2330内に実装されてもよいことが理解されよう。
【0229】
図24は、上記の例で説明した1つまたは複数のコールドプレートがその一部を形成することができる冷却ループの代替例を示す。
図24は、本開示による第1のコールドプレート2420aおよび第2のコールドプレート2420bと、第1の冷却ループ2430(これは、上記の例を参照して説明したように、コールドプレートを通って循環する「冷却ループ」である)と、熱交換器2465、第1のポンプ2475、第2の冷却ループ2435、第1のマニホールド2440aおよび第2のマニホールド2440bを備える冷却システムと、ヒートシンク2480および施設レベルポンプ2470に熱を伝達するための熱交換器2460を備える冷却分配ユニット(CDU)2450とを備える、ラック2410に搭載された電子モジュール2400の概略図を示す。
【0230】
この例では、第1の冷却ループ2430(または上記の
図13~
図22に関して説明した「冷却ループ」)は、コールドプレート2420a、2420bを通って循環し、電子モジュール2400のシャーシ内に完全に収容される。第1の冷却ループ2430は、同じくシャーシ内に収容されたポンプ2475によって循環される。第1の冷却ループ2430は、ここでは第1の冷却ループ内を循環する液体冷却剤から第2の冷却ループ2435内を循環する冷却媒体(例えば、水、または別の液体冷却剤)へ熱を伝達するための熱交換器2465を備える冷却システムに接続されている。このようにして、第1の冷却ループ2430から熱が除去される。この例の冷却システムもまた、電子モジュール2400のシャーシ内に収容される。
【0231】
第2の冷却ループ2435は、熱交換器と冷却分配ユニットとの間を循環する。循環は、CDU内のポンプ2470によって行われてもよい。第2の冷却ループ2435は、施設レベル冷却ループ(すなわち、建造物水冷却ループ)であってもよい。あるいは、それは、例えば、電子モジュール、電子モジュールのラック、モジュールが収容されているサーバルームに対して局所的であり得る。第2の冷却ループは、ラック2410に搭載されたマニホールド2440a、2440bを通過することができる。代替形態では、マニホールドを電子モジュールに搭載することができる。
【0232】
CDUにおいて、熱は、熱交換器2460を介して第2の冷却ループ2435から伝達される。熱はヒートシンク2480に伝達される。ヒートシンク2480は、空冷式ヒートシンクを表すことができることが理解されよう。あるいは、ヒートシンク2480は、液体冷却剤が循環されるさらなる(第3の)冷却ループの一部を形成することができる。これは、第2の冷却ループが電子モジュールの特定のラックに局所的であり、第3の冷却ループが施設レベル冷却ループ(建造物水冷却ループなど)である場合に適切であり得る。
【0233】
当業者には理解されるように、
図14~
図24に関して上述したような電子モジュールは、ラックに嵌合するように構成される。特に、各ラックは、複数の電子モジュールを収容することができる。このようにして、電子モジュールのバンクが形成され、例えば、各々がサーババンク内にサーバを提供する。したがって、個々の電子モジュールに関して上述した冷却システムは、ラックまたは1つまたは複数のラック内の複数の電子モジュールにサービスすることができるより大きな冷却システムの一部を形成する。
【0234】
図25は、各々が冷却システムを設置された複数の電子モジュールを備える例示的な冷却システムの概略図を示す。
図25は、ラック2510内に搭載されたサーバシャーシまたは電子モジュール2500を示す。複数のラックが設けられてもよく、その各々は最大42個の電子モジュール2500を収容することができる。この例では、水冷ループ2530がすべての電子モジュール2500にわたって設けられている。冷却ループ2530は、単一の冷却剤分配ユニット(CDU)2550を使用して冷却される。CDU 2550は、熱交換器2560および施設レベルポンプ2570を備え、ヒートシンク2580に熱が伝達される。ヒートシンク2580自体が空冷されてもよい。あるいは、ヒートシンク2580は、第2の冷却剤ループ(図示せず)の一部を形成してもよい。いずれの場合も、熱交換器は、冷却ループ2530内を循環する液体冷却剤からの熱の伝達を助ける。したがって、単一のポンプ2570を、複数(さらには数百)の電子モジュール2500を有するシステムにおいて使用することができる。
【0235】
図25に示すサーバシャーシまたは電子モジュール2500の各々は、
図23により詳細に示すサーバシャーシまたは電子モジュール2300による冷却ループによって構成されることに留意されたい。しかしながら、
図25の電子モジュール2500の各々は、代わりに、
図24に示される電子モジュール2400による構成を有してもよいことが理解されよう。特に、
図25の各電子モジュール2500は、
図24の図示の電子モジュール2400に従って、冷却システム(少なくとも、第2の冷却ループ2435に熱を伝達するための熱交換器2465を備える)と、電子モジュールまたはサーバシャーシの本体内のポンプ2475とを含むことができる。
【0236】
要約すると、一連の利益が、本開示による実施形態によって提供される。これらは、高密度用途(例えば、複数のラック内の1Uサイズのサーバ)および超高密度用途における電子機器冷却のためのコールドプレートにおいて特に有利である。特定の利点は、既存の電子モジュールまたはサーバラックシステムに後付けすることを特に適切にする、説明した冷却システムの適応性および構成によって提供される。さらに、記載されているシステムは、複雑なカスタマイズなしに、標準的または典型的なサーバシャーシまたはサーバラックに適用することができる。
【0237】
さらに、
図14~
図25のコールドプレートについて説明した構成のいずれも、
図1~
図4Bに関して上述したように、第1の冷却循環装置および第2の冷却循環装置に適用することができる。特に、説明した第1の冷却循環装置は、第1の冷却循環装置と第2の冷却循環装置との間で熱を伝達するための適切な熱交換器170を追加して、
図14~
図25を参照して説明した、記載されているコールドプレート構成のいずれか(第2の冷却循環装置として実装される)と組み合わせることができる。
【0238】
様々な記載されている実施形態のいくつかの組み合わせが当業者によって想定され得る。本明細書に開示される特徴のすべては、そのような特徴および/またはステップの少なくともいくつかが相互に排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせにおいて組み合わせることができる。特に、本発明の好ましい特徴は、本発明のすべての態様に適用可能であり、任意の組み合わせで使用することができる。同様に、必須ではない組み合わせで記載されている特徴は、別個に(組み合わせではなく)使用されてもよい。