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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-20
(45)【発行日】2024-11-28
(54)【発明の名称】家電機器及び冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/00 20060101AFI20241121BHJP
   F25D 11/00 20060101ALI20241121BHJP
   F25D 29/00 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
F25D23/00 301P
F25D11/00 101B
F25D23/00 301N
F25D23/00 305G
F25D29/00 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022020931
(22)【出願日】2022-02-15
(65)【公開番号】P2023118155
(43)【公開日】2023-08-25
【審査請求日】2024-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】関口 禎多
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 隆介
【審査官】笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-174816(JP,A)
【文献】国際公開第2017/141441(WO,A1)
【文献】国際公開第2021/250913(WO,A1)
【文献】特開2002-318062(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 1/00 ~ 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電源に電気的に接続される電源プラグと、
前記電源プラグを介して電力が供給される第1基板と、
前記第1基板に電力線を介して接続される第2基板と、
所定の直流電圧を生成するスイッチング電源回路と、
前記第2基板の駆動に用いられる電源回路と、
制御回路と、を備えるとともに、
通信機能と、前記通信機能を用いる所定の関連機能と、を有し、
前記電源回路は、第1コンバータ及び第2コンバータを有し、
前記第1コンバータは、前記スイッチング電源回路の2次側の直流電圧を第1の直流電圧に変換し、
前記第2コンバータは、前記スイッチング電源回路の2次側の直流電圧を第2の直流電圧に変換し、
前記第1の直流電圧及び前記第2の直流電圧は、それぞれ、前記関連機能の処理を行うマイコンの駆動に用いられ、
前記通信機能のオフ指令を端末から受信した場合、前記制御回路は、前記通信機能をオフ状態に切り替えるとともに、前記第1コンバータ及び前記第2コンバータの両方をオフ状態にすることで前記関連機能もオフ状態に切り替えること
を特徴とする家電機器。
【請求項2】
前記家電機器は、通信機能と、前記通信機能を用いる一つ又は複数の関連機能と、を有し、
前記通信機能のオフ指令を端末から受信した場合、前記制御回路は、前記関連機能のうち少なくとも一つをオフ状態に切り替える提案を前記端末に対して行うこと
を特徴とする請求項1に記載の家電機器。
【請求項3】
前記家電機器は、通信機能と、前記通信機能を用いる所定の関連機能と、を有し、
前記関連機能のオン指令を端末から受信した場合、前記制御回路は、前記関連機能をオン状態に切り替えるとともに、前記通信機能もオン状態に切り替えること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の家電機器。
【請求項4】
筐体の外側に設けられたカメラユニットと、
前記カメラユニットによる撮影時に点灯する照明部と、
所定の音を発するブザーと、
前記照明部及び前記ブザーのうち少なくとも一方が実装される第3基板と、
前記カメラユニット内において、カメラモジュールと前記第2基板とを電気的に接続するフラットケーブルと、を備え、
前記第3基板と前記フラットケーブルとの間に高さ方向で隙間が設けられていること
を特徴とする請求項1に記載の家電機器である冷蔵庫。
【請求項5】
前記カメラユニットに接続される配線は、前記筐体の一方の側面付近で引き回され、
前記カメラユニットとは異なる所定の電気部品に接続される他の配線は、前記筐体の他方の側面付近で引き回されていること
を特徴とする請求項4に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
商用電源に電気的に接続される電源プラグと、
前記電源プラグを介して電力が供給される第1基板と、
前記第1基板に電力線を介して接続される第2基板と、
所定の直流電圧を生成するスイッチング電源回路と、
前記第2基板の駆動に用いられる電源回路と、
制御回路と、を備えるとともに、
通信機能と、前記通信機能を用いる所定の関連機能と、を有し、
前記電源回路は、第1コンバータ及び第2コンバータを有し、
前記第1コンバータは、前記スイッチング電源回路の2次側の直流電圧を第1の直流電圧に変換し、
前記第2コンバータは、前記スイッチング電源回路の2次側の直流電圧を第2の直流電圧に変換し、
前記第1の直流電圧及び前記第2の直流電圧は、それぞれ、前記関連機能の処理を行うマイコンの駆動に用いられ、
前記通信機能に障害が生じた場合、前記制御回路は、前記通信機能をオフ状態に切り替えるとともに、前記第1コンバータ及び前記第2コンバータの両方をオフ状態にすることで前記関連機能もオフ状態に切り替えること
を特徴とする家電機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、家電機器等に関する。
【背景技術】
【0002】
家電機器の消費電力を削減する技術として、例えば、特許文献1には、「設定操作部から機能部の作動を許可する旨の設定が行われるまでは機能部の作動を制限する」ことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-174816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、前記したように、機能部の作動を許可する旨の設定が行われるまでは機能部の作動が制限されるが、消費電力の削減においてさらに改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る家電機器は、商用電源に電気的に接続される電源プラグと、
前記電源プラグを介して電力が供給される第1基板と、
前記第1基板に電力線を介して接続される第2基板と、
所定の直流電圧を生成するスイッチング電源回路と、
前記第2基板の駆動に用いられる電源回路と
制御回路と、を備えるとともに、
通信機能と、前記通信機能を用いる所定の関連機能と、を有し、
前記電源回路は、第1コンバータ及び第2コンバータを有し、
前記第1コンバータは、前記スイッチング電源回路の2次側の直流電圧を第1の直流電圧に変換し、
前記第2コンバータは、前記スイッチング電源回路の2次側の直流電圧を第2の直流電圧に変換し、
前記第1の直流電圧及び前記第2の直流電圧は、それぞれ、前記関連機能の処理を行うマイコンの駆動に用いられ、
前記通信機能のオフ指令を端末から受信した場合、又は、前記通信機能に障害が生じた場合、前記制御回路は、前記通信機能をオフ状態に切り替えるとともに、前記第1コンバータ及び前記第2コンバータの両方をオフ状態にすることで前記関連機能もオフ状態に切り替えることとした。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態に係る冷蔵庫の正面図である。
図2】第1実施形態に係る冷蔵庫の側面図である。
図3】第1実施形態に係る冷蔵庫の左右の冷蔵室ドアが開かれた状態の正面図である。
図4】第1実施形態に係る冷蔵庫の左右の冷蔵室ドアが開かれた状態の平面図である。
図5】第1実施形態に係る冷蔵庫のカメラユニットを斜め下から見上げた場合の斜視図である。
図6A】第1実施形態に係る冷蔵庫のカメラユニットの正面図である。
図6B】第1実施形態に係る冷蔵庫における図6AのII-II線矢視断面図である。
図7】第1実施形態に係る冷蔵庫において、カメラユニットのケース内にフラットケーブルが設けられた状態の斜視図である。
図8】第1実施形態に係る冷蔵庫において、カメラユニットのケースの上蓋を取り外した状態の平面図である。
図9】第1実施形態に係る冷蔵庫の配線の引き回しに関する説明図である。
図10】第1実施形態に係る冷蔵庫のシステム構成図である。
図11】第1実施形態に係る冷蔵庫のカメラユニットの撮影結果であって、画像処理が行われていない状態の例である。
図12】第1実施形態に係る冷蔵庫のカメラユニットの撮影結果であって、画像処理が行われた状態の展開画像の例である。
図13】第1実施形態に係る冷蔵庫の回路図である。
図14】第1実施形態に係る冷蔵庫の制御回路が実行する処理のフローチャートである。
図15】第2実施形態に係る冷蔵庫の回路図である。
図16】第2実施形態に係る冷蔵庫の制御回路が実行する処理のフローチャートである。
図17A】第3実施形態に係る冷蔵庫において、カメラユニットのレンズが本来の位置からずれている場合の撮影画像の一例である。
図17B】第3実施形態に係る冷蔵庫における補正後の撮影画像の一例である。
図18】第3実施形態に係る冷蔵庫のカメラマイコンが実行する処理のフローチャートである。
図19】第1の変形例に係る冷蔵庫の制御回路が実行する処理のフローチャートである。
図20】第2の変形例に係る冷蔵庫の制御回路が実行する処理のフローチャートである。
図21】第3の変形例に係る冷蔵庫の制御回路が実行する処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
≪第1実施形態≫
図1は、第1実施形態に係る冷蔵庫100の正面図である。
冷蔵庫100(家電機器)は、食品等を低温で保存する機器であり、筐体1の他、冷蔵室ドア211,212等の各ドアと、カメラユニット3と、を備えている。筐体1は、鋼板製の外箱11と、樹脂製の内箱12(図3参照)と、の間に真空断熱材や発泡ウレタン等の断熱材(図示せず)が充填された構成であり、その内部に複数の貯蔵室を有している。図1の例では、冷蔵庫100の貯蔵室として、上から順に、冷蔵室21と、左右に並ぶ製氷室22・上段冷凍室23の他、野菜室24と、下段冷凍室25と、が設けられている。
【0008】
筐体1の前側(正面側)には、各室に対応する複数の開口10(図2参照)が設けられている。図1に示すように、冷蔵庫100は、筐体1の開口を塞ぐことで冷蔵室21を形成するフレンチ式のドアとして、左右一対の冷蔵室ドア211,212を備えている。左側の冷蔵室ドア211は、左端のヒンジ211a(図4参照)の軸を中心として回動可能になっている。なお、右側の冷蔵室ドア212についても同様である。また、冷蔵庫100は、引出し式のドアとして、図1に示す製氷室ドア221や上段冷凍室ドア231の他、野菜室ドア241や下段冷凍室ドア251を備えている。
【0009】
冷蔵庫100は、図示はしないが、圧縮機と、放熱器(凝縮器)と、キャピラリチューブ(絞り機構)と、冷却器(蒸発器)と、を備えている。そして、圧縮機、放熱器、キャピラリチューブ、及び冷却器を順次に介して冷媒が循環し、冷却器を流れる冷媒との間の熱交換で、貯蔵室の空気が冷やされるようになっている。図1に示すカメラユニット3は、少なくとも冷蔵室21(貯蔵室)を撮像するものであり、筐体1の外側(図1の例では、筐体1の上側)に設けられている。なお、カメラユニット3の撮像範囲は、製氷室22や上段冷凍室23、野菜室24、下段冷凍室25であってもよい。
【0010】
図2は、冷蔵庫100の側面図である。
図2に示すように、カメラユニット3は、本体部31と、支持部32と、を備えている。本体部31は、冷蔵室21や冷蔵室ドア211,212を撮像するものである。支持部32は、本体部31を支持するものであり、筐体1の上面に設置されている。
【0011】
本体部31の前端付近には、レンズ31a(図5も参照)が設けられている。レンズ31aは、光を屈折させてイメージセンサ31e(図6B参照)に集束させる光学素子である。このようなレンズ31aとして、例えば、魚眼レンズが用いられる。そして、冷蔵室ドア211,212(図3参照)が開かれた場合に、カメラユニット3によって冷蔵室21等(図3参照)が撮像されるように、レンズ31aが下側に臨んだ状態になっている。
【0012】
図2に示すように、レンズ31aは、筐体1の前端(筐体1の開口10)よりも前側に位置している。より好ましくは、レンズ31aは、閉状態の冷蔵室ドア211,212(図1参照)の前面よりもさらに前側に位置している。これによって、例えば、冷蔵室ドア211,212が開けられた際、レンズ31aの視野に冷蔵室21等が入りやすくなる。
【0013】
図3は、冷蔵庫100の左右の冷蔵室ドア211,212が開かれた状態の正面図である。
図3に示すように、冷蔵室21には、この冷蔵室21を所定に仕切る複数の棚板213が設けられている。左側の冷蔵室ドア211の内板211bには、食品等を収容するための複数のドアポケット211cが設けられている(右側の冷蔵室ドア212も同様)。そして、左右の冷蔵室ドア211,212が開けられると、冷蔵室21やドアポケット211c,212cの食品等が、カメラユニット3のレンズ31aの視野に俯瞰的に入るようになっている。
【0014】
また、カメラユニット3を用いて冷蔵室21等を手動で撮影する際、ユーザによって押される撮影ボタン7が、左右の冷蔵室ドア211,212にひとつずつ設けられている。図3の例では、左側の冷蔵室ドア211において、この冷蔵室ドア211のヒンジ211a(図4参照)とは反対側の面の下部に撮影ボタン7が設けられている。また、右側の冷蔵室ドア212にも同様に、撮影ボタン7が設けられている。
【0015】
図4は、冷蔵庫100の左右の冷蔵室ドア211,212が開かれた状態の平面図である。
図4に示すように、筐体1の上面には、ヒンジ211a,212aが設けられている。左側のヒンジ211aは、冷蔵室ドア211を回動自在に軸支するものである(右側のヒンジ212aも同様)。図4の例では、カメラユニット3の本体部31が前後方向に細長く延びている。
【0016】
図5は、カメラユニット3を斜め下から見上げた場合の斜視図である。
図5に示すように、カメラユニット3の本体部31は、前記したレンズ31aの他、ケース31bと、カバー31cと、を備えている。ケース31b(図4も参照)は、概ね、前後方向に細長い直方体状を呈している。ケース31bの前端付近の下面には、円形状の孔(符号は図示せず)が設けられ、この孔を介してレンズ31aが露出している。
【0017】
ケース31bにおいて、レンズ31aの後側(奥側)には、左右方向に細長い孔(符号は図示せず)が設けられ、この孔にカバー31cが嵌め込まれている。カバー31cは、カメラLED31f(図6B参照)を保護したり、カメラLED31fからの光を拡散させたりするための透光性の樹脂製部材である。
【0018】
図6Aは、カメラユニット3の正面図である。
図6Aに示すように、カメラユニット3の本体部31が支持部32の上側に設置されている。また、左右方向において、支持部32の中央付近に本体部31が設置されている。
【0019】
図6Bは、図6AのII-II線矢視断面図である。
図6Bに示すように、カメラユニット3は、前記したレンズ31a(図5も参照)やイメージセンサ31eを含むカメラモジュールM1の他、カメラ制御基板65(第2基板)と、LED基板31d(第3基板)と、を備えている。
【0020】
カメラモジュールM1は、レンズ31aと、イメージセンサ31eと、を含んで構成され、ケース31bの前端付近に設けられている。カメラ制御基板65は、カメラマイコン65a(図13参照)が実装された基板であり、ケース31bの後端付近に設けられている。
【0021】
LED基板31d(第3基板)は、カメラLED31f(照明部)やブザー31gが実装された基板である。カメラLED31fは、カメラユニット3による撮影時に点灯する光源であり、筐体1の外側に設けられている。これによって、冷蔵室21(図3参照)やドアポケット211c,212c(図3参照)が適度な明るさのもとで撮影される。カメラLED31fの下側には、透光性のカバー31cが設けられている。
【0022】
ブザー31gは、カメラユニット3による撮影時等に所定の音を発するものである。このように、カメラモジュールM1の他、カメラ制御基板65やLED基板31dが一つのケース31bに収容されることで、これらを別体で設ける場合と比べて、カメラユニット3を小型化できるとともに、配線の長さを短縮できる。
【0023】
図7は、カメラユニット3のケース31b内にフラットケーブル31hが設けられた状態の斜視図である。
なお、図7には、ケース31bの上蓋が取り外された状態を示している。カメラユニット3は、前記した構成の他に、フラットケーブル31hを備えている。フラットケーブル31hは、カメラモジュールM1とカメラ制御基板65(第2基板)とを電気的に接続する帯状のケーブルである。フラットケーブル31hは、その一端がカメラ制御基板65の接続端子651に接続され、他端がカメラモジュールM1の接続端子M11に接続され、前後方向に延びている。なお、フラットケーブル31hを保持するためのガイド(図示せず)がケース31bに設けられていてもよい。
【0024】
図8は、カメラユニット3のケース31bの上蓋を取り外した状態の平面図である。
図8の例では、前後方向において、カメラモジュールM1とカメラ制御基板65との間にLED基板31dが配置されている。また、カメラモジュールM1の上面や、カメラ制御基板65よりも高さ位置が低い箇所にLED基板31dが配置されている。そして、LED基板31d(第3基板)とフラットケーブル31hとの間に高さ方向で所定の隙間(図示せず)が設けられている。このような隙間を設けることで、フラットケーブル31hを介して伝送される信号にノイズが生じることを抑制できる。
【0025】
図9は、冷蔵庫100の配線の引き回しに関する説明図である。
なお、図9では、冷蔵庫100を上から見た模式的な平面図において、冷蔵庫100の内部に引き回されている配線を破線等で示している。
【0026】
冷蔵庫100は、前記した構成の他、無線LANユニット4と、第1基板(パワー基板62、庫内制御基板63)と、庫内制御基板63と、ヒータ84と、中継コネクタ87と、を備えている。
ここで、第1基板(パワー基板62、庫内制御基板63)は、一体基板、または独立した分割基板の何れでもよい。第1基板は、一例として、図2のような、冷蔵庫100の背面側下部の機械室内(図示せず)や、背面側中部の冷蔵室21の内箱と外箱の間や、図4のような、冷蔵庫100の天面(カメラユニット3の周辺、または、カメラユニット3の本体部31や支持部32内や、左右のヒンジ211a,212aの周辺や、無線LANユニット4の周辺等)などに配置してもよい。
一方、無線LANユニット4は、カメラユニット3で生成された撮影画像データ等をルータ51(図10参照)を介してサーバ53(図10参照)に送信する機器である。図9の例では、無線LANユニット4が筐体1の後端付近に設けられている。より詳しく説明すると、カメラユニット3の本体部31に対して横方向(図9の例では左側)にずれた所定箇所に無線LANユニット4が設けられている。
【0027】
庫内制御基板63は、少なくとも冷却制御(湿度及び温度検出の他、庫内灯、ダンパ、コンパネ300、ドアセンサ6等の制御、ヒータ84のON/OFF、通電リレー制御部200の機能等:図10図13参照)を行う庫内制御マイコン63a(図13参照)が実装された基板である。また、パワー基板62は、少なくとも冷却制御の駆動部(圧縮機やファンの制御:図示せず)やヒータ84に電源供給を行う回路が実装された基板である。
図9では、庫内制御基板63とパワー基板62を筐体1の外側に図示しているが、実際には、筐体1の内部に庫内制御基板63等が設置されている。
ヒータ84(カメラユニット3とは異なる所定の電気部品)は、結露の防止等に用いられる熱源である。ヒータ84は、冷蔵室ドア211,212の回転仕切体(図示せず)の付近に設けられている。
【0028】
図9に一点鎖線で示す配線81は、パワー基板62、庫内制御基板63とヒータ84とを接続する電力線(ノイズフィルタ回路62aを介した交流電源E1:図13参照)である。図9の例では、左側のヒンジ筒85や中継コネクタ87を介して、筐体1の左側の側面付近に配線81が引き回されている。
一方で、図9に破線で示す配線83は、パワー基板62のスイッチング電源回路62f(図13参照)のトランス74(変圧器)で絶縁された2次側の直流電圧V1を、庫内制御基板63を介して、カメラユニット3へ接続する。これは、後述するカメラ制御基板65及びカメラモジュールM1のメイン電源である。
他方で、配線83には、庫内制御基板63の庫内制御マイコン63a(図13参照)に接続される信号線77(後述説明)も含まれている。
また、図9に破線で示す配線82は、カメラユニット3と無線LANユニット4とを接続する信号線の他、庫内制御基板63で生成した直流電圧V2(図13参照)を無線LANモジュール64a(図13参照)に印加する電力線も含んでいる。
図9の例では、カメラユニット3に接続される配線82,83が、筐体1の右側の側面付近で引き回されている。これにより、筐体1の左側の側面付近における配線81の交流電源側の高周波ノイズと、筐体1の右側の側面付近における配線82,83のカメラユニット3及び無線LANユニット4側の高周波ノイズと、が相互に影響を及ぼさない(干渉させない)ような配置としている。
【0029】
このように、カメラユニット3に接続される配線82,83は、筐体1の一方の側面(例えば、右側の側面)付近で引き回されている。また、ヒータ84(電気部品)に接続される他の配線81は、筐体1の他方の側面(例えば、左側の側面)付近で引き回されている。また、パワー基板62のスイッチング電源回路62f(図13参照)のトランス74(変圧器)で絶縁された2次側の所定の直流電圧V1から供給を受けているカメラユニット3に接続される配線82,83が、交流電源E1のヒータ84等の電気部品に接続される配線81から離れた箇所に配置されている。このため、特に、無線LANユニット4の配線82等にノイズが生じることを抑制できる。
【0030】
図10は、冷蔵庫100のシステム構成図である。
図10に示すように、冷蔵庫100は、カメラユニット3と、無線LANユニット4と、ドアセンサ6と、撮影ボタン7と、制御回路8と、を備えている。
カメラユニット3は、レンズ31aやイメージセンサ31eを含むカメラモジュールM1の他に、カメラLED31fと、ブザー31gと、カメラ/通信制御SoC31kと、を備えている。イメージセンサ31eは、レンズ31aを介して入射する光を光電変換し、撮影画像データを生成する素子である。このようなイメージセンサ31eとして、例えば、CCDセンサ(Charge Coupled Device)やCMOSセンサ(Complementary Metal Oxide Semiconductor)が用いられる。
【0031】
カメラ/通信制御SoC31kは、マイコンの機能や他の応用的な機能を有する回路を1チップ上に集積し、連携して機能するよう設計された集積回路である。カメラ/通信制御SoC31kは、制御回路8との間で所定に通信を行い、イメージセンサ31eに撮影指令を出力する。これによって、イメージセンサ31eからカメラ/通信制御SoC31kに撮影画像データが入力される。
【0032】
無線LANユニット4は、サーバ53との間でデータの送受信を行う機器である。無線LANユニット4は、アンテナ(図示せず)を含む無線LANモジュール64aを備えている。無線LANモジュール64aは、カメラ/通信制御SoC31kから出力される撮影画像データをルータ51に送信する。このように、冷蔵庫100(家電機器)は、通信機能と、通信機能を用いる撮影機能(所定の関連機能)と、を有している。
【0033】
図10に示すルータ51は、通信の中継機器であり、無線LANモジュール64aから受信した撮影画像データをネットワーク52を介して、サーバ53に送信する。サーバ53は、撮影画像データについて所定の処理を行い、冷蔵庫100の識別情報に対応付けて保存する。また、サーバ53は、コンパネ300とペアリング設定したユーザの携帯端末54(端末)から冷蔵庫100の庫内画像の要求信号を受信した場合、撮影画像データを携帯端末54に送信する。このような携帯端末54として、携帯電話やスマートフォンの他、タブレットやウェアラブル端末等が用いられる。
なお、コンパネ300は、図1の左右一対の冷蔵室ドア211,212の何れかの意匠面に設けられてもよく、また図3の冷蔵室21の内側壁面の何れかに設けられてもよい。コンパネ300の設定条件に応じて、庫内制御マイコン63a(図13参照)は庫内温度を適切に制御する一方、コンパネ300には、無線LANモジュール64a(図13参照)とのペアリング設定(ON/OFF)が設けられている。
なお、複数台のカメラユニット3を搭載した冷蔵庫100群(図示せず)で各々ペアリング設定した複数のユーザー端末間で、撮影画像データを専用アプリを介して、共有することもできる。
【0034】
ドアセンサ6は、冷蔵室ドア211,212(図示せず)の開閉状態を示す所定の信号を制御回路8に出力する。なお、図10ではひとつのドアセンサ6を示しているが、実際には、左側の冷蔵室ドア211(図1参照)に対応するドアセンサ6と、右側の冷蔵室ドア212(図1参照)に対応する別のドアセンサ6と、が設けられている。
撮影ボタン7(図3も参照)は、前記したように、カメラユニット3を用いて手動で撮影する際、ユーザによって押されるボタンである。
【0035】
制御回路8は、例えば、マイコンであり、図示はしないが、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、各種インタフェース等の電子回路を含んで構成されている。そして、ROMに記憶されたプログラムを読み出してRAMに展開し、CPUが各種処理を実行するようになっている。なお、制御回路8が行う処理の詳細については後記する。
【0036】
図11は、カメラユニットの撮影結果であって、画像処理が行われていない状態の例である。
なお、図11では、紙面上側を前方とし、紙面下側を後方としている関係上、図3等に対して左右が反転している。図11の例では、左右の冷蔵室ドア211,212の両方が開かれており、冷蔵室21の他、左右のドアポケット211c,212cも撮影されている。特に、カメラユニット3(図5参照)のレンズ31aとして魚眼レンズが用いられることで、広範囲の画角で撮像できる。ただし、画像処理が行われていない状態では、図11に示すように、実際には直線状の稜線が湾曲して写る他、同じ長さの稜線であっても、カメラユニット3から遠くなるにつれて、撮影画像における画素数が少なくなる。
【0037】
図12は、カメラユニット3の撮影結果であって、画像処理が行われた状態の展開画像の例である。
例えば、図11の撮影結果に基づいて、サーバ53(図10参照)で所定の画像処理が行われることで、あたかも冷蔵室21や左右の冷蔵室ドア211,212のそれぞれを正面から見たような展開画像に変換される。このような展開画像が携帯端末54(図10参照)に表示されることで、ユーザは、冷蔵室21等にどのような食品が収容されているかを一目で把握できる。
【0038】
図13は、冷蔵庫100の回路図である。
なお、図13では、LED基板31d(図6B参照)等を適宜に省略している。
図13に示すように、冷蔵庫100は、電源プラグ61と、パワー基板62(第1基板)と、庫内制御基板63(第1基板)と、無線LAN基板64と、カメラ制御基板65(第2基板)と、カメラモジュールM1と、を備えている。
【0039】
電源プラグ61は、交流電源E1(商用電源)に電気的に接続される接続器である。電源プラグ61が壁W1のコンセントT1に差し込まれることで、電源プラグ61のプラグ刃61aを介して、交流電源E1からパワー基板62に電力が供給される。
パワー基板62(第1基板)は、交流電源E1から供給される交流電力を所定の電力に変換する回路が実装された基板である。図13の例では、パワー基板62には、ノイズフィルタ回路62aと、整流回路62bと、平滑コンデンサ62c,62dと、インバータ回路62eと、スイッチング電源回路62fと、が実装されている。
【0040】
ノイズフィルタ回路62aは、高周波ノイズ等の除去に用いられる回路であり、整流回路62bの入力側にリアクトル62gを介して接続されている。リアクトル62gは、電源投入時の突入電流の抑制等に用いられる素子であり、ノイズフィルタ回路62aと整流回路62bとの間に介在している。
【0041】
整流回路62bは、図示はしないが、ブリッジ形に接続された複数のダイオードを備え、交流電流を所定に整流する。平滑コンデンサ62c,62dは、整流回路62bの出力側の電圧(脈流状の直流電圧)を平滑化するコンデンサである。図13の例では、2つの平滑コンデンサ62c,62dの直列接続体が用いられている。なお、平滑コンデンサ62cの正極は配線71に接続され、他方の平滑コンデンサ62dの負極は配線72に接続されている。配線71,72は、整流回路62bとインバータ回路62eとを接続する電力線である。
【0042】
インバータ回路62eは、平滑コンデンサ62c,62dの直列接続体から印加される直流電圧を交流電圧に変換する電力変換器である。インバータ回路62eの出力側は、3相の配線(符号は図示せず)を介して、モータ73の三相巻線(図示せず)に接続されている。モータ73は、インバータ回路62eから出力される交流電力で駆動する。このようなモータとして、例えば、冷蔵庫100の圧縮機(図示せず)のモータが挙げられる。
【0043】
スイッチング電源回路62fは、平滑コンデンサ62c,62dの直列接続体の両端の直流電圧を降圧して、所定の直流電圧に変換する回路である。図13の例では、スイッチング電源回路62fは、トランス74(変圧器)と、スイッチング素子75と、ダイオード76と、を備えている。
【0044】
トランス74は、鉄心74aと、1次巻線74bと、2次巻線74cと、を備え、電圧変換の他、1次側・2次側を絶縁する機能も有している。トランス74において、鉄心74aの1次側には1次巻線74bが巻回され、2次側には2次巻線74cが巻回されている。図13の例では、1次巻線74bと2次巻線74cとが互いに逆極性になっている。1次巻線74bは、その一端が正側の配線71に接続され、他端が負側の配線72に接続されている。そして、スイッチング素子75が導通すると、平滑コンデンサ62c,62dの直列接続体の両端の直流電圧が1次巻線74bに印加されるようになっている。
【0045】
スイッチング素子75は、所定のデューティ比でオン・オフを繰り返すことによって、トランス74の1次側・2次側の電圧を調整するものである。このようなスイッチング素子として、例えば、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)が用いられる。そして、スイッチング素子75が所定のデューティ比でオン・オフを繰り返すことで1次巻線74bの電圧が変化し、これに伴って2次巻線74cの電圧も変化する。そして、2次巻線74cに接続されたダイオード76において電流が整流され、トランス74の2次側で所定の直流電圧V1が生成される。この直流電圧V1は、例えば、交流電源E1の電圧の実効値よりも低い所定の電圧であり、庫内制御基板63のDC/DCコンバータ63bや、カメラ制御基板65のDC/DCコンバータ65b,65cに印加される。なお、図13では図示を省略しているが、スイッチング素子75やインバータ回路62eを所定に制御するマイコンがパワー基板62に実装されている。
【0046】
庫内制御基板63(第1基板)は、庫内制御マイコン63a(制御回路)やDC/DCコンバータ63bが実装された基板である。庫内制御マイコン63a(制御回路)は、少なくとも冷却制御(圧縮機やファン等の制御:図示せず)を行う機能を有している。なお、電源プラグ61を介して電力が供給される「第1基板」は、パワー基板62と、庫内制御基板63と、を含んで構成されている。
【0047】
DC/DCコンバータ63bは、トランス74の2次側の直流電圧V1を所定の直流電圧V2に変換(例えば、降圧)する電力変換器である。DC/DCコンバータ63bの出力側の直流電圧V2は、庫内制御マイコン63aの電源電圧として用いられる他、無線LAN基板64のDC/DCコンバータ64bの入力側に印加される。
【0048】
ちなみに、図13において、庫内制御マイコン63aを示す四角枠から上向きに出ている矢印の横の「V2」は、所定の直流電圧V2が庫内制御マイコン63aの駆動に用いられることを意味している。後記するカメラマイコン65aやイメージセンサ31eについても同様である。
【0049】
図13に示すように、庫内制御マイコン63aは、信号線77を介して、カメラ制御基板65のDC/DCコンバータ65b,65cに接続されている。この信号線77は、庫内制御マイコン63aからDC/DCコンバータ65b,65cに所定のイネーブルモード(電力低減モード)の指令信号を出力するための配線である。庫内制御マイコン63a(制御回路)は、DC/DCコンバータ65b,65c(電源回路)の消費電力を低減させるイネーブルモードの指令をDC/DCコンバータ65b,65cに出力可能に構成されている。なお、イネーブルモードの詳細については後記する。
【0050】
無線LAN基板64は、無線通信を行うための基板であり、前記した無線LANユニット4(図10参照)に含まれている。図13に示すように、無線LAN基板64には、無線LANモジュール64aと、DC/DCコンバータ64bと、が実装されている。無線LANモジュール64aは、前記したように、ルータ51(図10参照)を介してサーバ53(図10参照)との間でデータの送受信を行う。このようなデータとして、カメラユニット3(図10参照)の撮影画像データが挙げられるが、これに限らない。例えば、冷蔵庫100の運転データの他、重量センサ(図示せず)の検出値等が、無線LANモジュール64aからルータ51(図10参照)を介して、サーバ53(図10参照)に送信されるようにしてもよい。前記した重量センサ(図示せず)は、冷蔵室21を所定に仕切る複数の棚板213(図3参照)や、ドアポケット211c,212c(図3参照)や、左右に並ぶ製氷室22・上段冷凍室23の他、野菜室24や下段冷凍室25(図3参照)等に収容される食品等の重量を検出する着脱式センサである。
【0051】
DC/DCコンバータ64bは、庫内制御基板63のDC/DCコンバータ63bから配線78,79を介して印加される直流電圧V2を所定の直流電圧V8に変換(例えば、降圧)する。この直流電圧V8は、無線LANモジュール64aの電源電圧として用いられる。
【0052】
カメラ制御基板65(第2基板)は、庫内制御基板63(第1基板)に電力線67を介して接続された基板である。カメラ制御基板65には、カメラマイコン65a(カメラ制御回路)が実装されている他、DC/DCコンバータ65b,65cやレギュレータ65d,65eが実装されている。カメラマイコン65aは、カメラモジュールM1を制御するマイコンである。図13の例では、カメラマイコン65aを駆動させるために高さの異なる3つの直流電圧V3,V4,V5が用いられている。これらの直流電圧V3,V4,V5は、次に説明するDC/DCコンバータ65b,65cやレギュレータ65d,65eで生成される。
【0053】
DC/DCコンバータ65b,65cは、カメラ制御基板65(第2基板)の駆動に用いられる「電源回路」である。DC/DCコンバータ65bは、スイッチング電源回路62fの2次側の直流電圧V1を所定の直流電圧V3に変換(例えば、降圧)する機能を有している。図13に示すように、DC/DCコンバータ65bは、その入力側が電力線67を介してスイッチング電源回路62fの2次側に接続され、出力側が別の配線(符号は図示せず)を介してレギュレータ65d,65eに接続されている。DC/DCコンバータ65bによる変換後の直流電圧V3は、レギュレータ65d,65eや、カメラモジュールM1のレギュレータ66bに印加される他、カメラマイコン65aの駆動にも用いられる。
【0054】
カメラ制御基板65における他方のDC/DCコンバータ65cは、スイッチング電源回路62fの2次側の直流電圧V1を所定の直流電圧V4に変換(例えば、降圧)する機能を有している。図13に示すように、DC/DCコンバータ65cは、その入力側が電力線67を介してスイッチング電源回路62fの2次側に接続され、出力側がカメラマイコン65aに接続されている。DC/DCコンバータ65cによる変換後の直流電圧V4は、カメラマイコン65aの駆動に用いられる。
【0055】
なお、カメラ制御基板65に実装される2つのDC/DCコンバータ65b,65cとして、外部からのイネーブルモードの指令が入力された場合にオン状態からオフ状態に切り替わる1チップ型のコンバータを用いるようにしてもよい。
【0056】
レギュレータ65d,65eは、直流電圧の高さを変化させる他、電圧の安定化を図る機能を有している。このようなレギュレータ65d,65eとして、例えば、3端子レギュレータが用いられる。一方のレギュレータ65dは、DC/DCコンバータ65bから印加される直流電圧V3を所定の直流電圧V5に変換(例えば、降圧)する。このレギュレータ65dの出力側は、配線を介してカメラモジュールM1に接続されている。レギュレータ65dの出力側の直流電圧V5は、イメージセンサ31eの駆動に用いられる。
【0057】
他方のレギュレータ65eは、DC/DCコンバータ65bから印加される直流電圧V3を所定の直流電圧V6に変換(例えば、降圧)する。このレギュレータ65eの出力側は、配線を介してカメラモジュールM1に接続されている。レギュレータ65eの出力側の直流電圧V6も、イメージセンサ31eの駆動に用いられる。
【0058】
カメラモジュールM1は、前記したように、冷蔵室ドア211,212(図3参照)が開かれた際、冷蔵室21等を撮像するものであり、カメラユニット3(図10参照)に含まれている。図13に示すように、カメラモジュールM1は、イメージセンサ31eと、レギュレータ31mと、を備えている。
【0059】
イメージセンサ31eは、前記したように、レンズ31a(図10参照)を介して入射する光を光電変換し、撮影画像データを生成する素子である。図13の例では、イメージセンサ31eを駆動させるために、高さの異なる3つの直流電圧V5,V6,V7が用いられている。レギュレータ31mは、DC/DCコンバータ65bから印加される直流電圧V3を所定の直流電圧V7に変換するものである。レギュレータ31mによる変換後の直流電圧V7も、イメージセンサ31eの駆動に用いられる。
ここで、電力消費(発熱量)の関係として、DC/DCコンバータ65bの方がDC/DCコンバータ65cよりも電力消費(発熱量)が小さいため、安定的な電源供給を促すために、各々独立に構成した電源として設けている。
更に、DC/DCコンバータ65bの出力ラインには、カメラモジュールM1のイメージセンサ31eのアナログ系電圧駆動時(撮像時)に常時、直流電圧V3(=V5、V6、V7)が電圧変動によって、カメラマイコン65aへのセンサ出力も変動しないように異なる複数の電源で構成されている。一方で、直流電圧V3の電圧変動が所定値を超えて電圧降下した場合、カメラマイコン65aから無線LANモジュール64aに正常な撮像データ転送が行えない(撮像失敗)ことを保護するために、次のようにしている。すなわち、直流電圧V3の電圧降下に応じて、リセット回路400からのリセット信号を無線LANモジュール64aの制御マイコン(図示せず)にリセット出力することで、強制的に無線通信を停止させるようにしている。直流電圧V3が正常値に戻り次第、リセット回路400のリセット信号を解除することで、無線通信を復帰できる構成を設けている。
【0060】
<制御回路の処理>
図14は、冷蔵庫の制御回路が実行する処理のフローチャートである(適宜、図10図13を参照)。
なお、図14の処理の主体となる「制御回路」として、例えば、図13に示す庫内制御マイコン63aが用いられてもよい。
ステップS101において制御回路8(図10参照)は、無線LANユニット4がON状態であるか否かを判定する。なお、無線LANユニット4のON・OFFは、例えば、ユーザによる携帯端末54(図10参照)の操作や、冷蔵庫100のコンパネ300(コントロールパネル端末)の操作で切り替えられる。ステップS101において無線LANユニット4がON状態である場合(S101:Yes)、制御回路8の処理はステップS102に進む。
【0061】
ステップS102において制御回路8は、カメラユニット3に給電されるようにする。具体的には、図13に示す庫内制御マイコン63a(制御回路)は、スイッチング電源回路62fの他、それぞれのDC/DCコンバータ63b,65b,65cやレギュレータ65d,65eを駆動させる。その結果、カメラマイコン65aやイメージセンサ31eに所定の電圧が印加され、カメラユニット3(図10参照)が駆動される。前記したように、無線LANユニット4はON状態であるため(S101:Yes)、カメラユニット3(図10参照)で生成された撮影画像データは、無線LANモジュール64a等を介して、サーバ53(図10参照)に送信される。
【0062】
なお、カメラユニット3への給電中(S102)、庫内制御マイコン63aから信号線77を介して、DC/DCコンバータ65b,65cにイネーブルモードのオフ信号(イネーブルモードを実行しないようにする信号)が出力されるようにしてもよい。
また、図14では省略しているが、カメラユニット3に給電されている状態で冷蔵室ドア211,212が開かれた場合、カメラマイコン65aが、カメラLED31f(図10参照)を点灯させた状態で撮影を行う(自動撮影)。また、カメラユニット3に給電されている状態で、ユーザによって撮影ボタン7(図10参照)が押された場合にも撮影が行われる(手動撮影)。
【0063】
ステップS101において無線LANユニット4がON状態でない場合(S101:No)、制御回路8の処理はステップS103に進む。つまり、無線LANユニット4がOFF状態である場合(S101:No)、制御回路8の処理はステップS103に進む。なお、図14では省略しているが、冷蔵庫100のコンパネ300(コントロールパネル端末)から無線LANユニット4のオフ指令を受信した場合、庫内制御マイコン63a(制御回路)は、無線LANモジュール64aに所定のリセット信号を出力し、無線LANユニット4をOFF状態にする。このように無線LANユニット4がOFF状態のときには、撮影画像データがサーバ53(図10参照)に送信されない状態であるため、カメラユニット3も使用されない。
【0064】
ステップS103において、冷蔵庫100のコンパネ300(コントロールパネル端末)から無線LANユニット4のオフ指令を受信した場合、制御回路8は、イネーブルモード(電力低減モード)を実行する。具体的には、図13に示す庫内制御マイコン63a(制御回路)は、信号線77を介して、カメラ制御基板65のDC/DCコンバータ65b,65cにイネーブルモードの指令信号を出力する。これによって、カメラ制御基板65のDC/DCコンバータ65b,65cがON状態からOFF状態に切り替わるため、レギュレータ65d,65eの他、カメラマイコン65aやイメージセンサ31eの消費電力量が略ゼロ(およそ0.02[W]~0.05[W])になる。つまり、イネーブルモードの実行中は、カメラ制御基板65の各回路やカメラモジュールM1がOFF状態になるため、冷蔵庫100の消費電力量を大幅に削減できる。
【0065】
なお、イネーブルモードの実行中、庫内制御マイコン63aから信号線77を介して、DC/DCコンバータ65b,65cにイネーブルモードの指令信号が出力され続けるようにしてもよい。ステップS102又はステップS103の処理を行った後、制御回路8の処理はステップS101に戻る(RETURN)。
また、カメラユニット3及び無線LANユニット4のうち少なくとも一方が用いられる際には、庫内制御マイコン63a(制御回路)が、イネーブルモードの信号を解除(オフ)するとともに、無線LANモジュール64aを駆動させるようにしてもよい。
【0066】
第1実施形態によれば、無線LANユニット4がOFF状態である場合(図14のS101:No)、イネーブルモードの指令信号が、庫内制御マイコン63aからDC/DCコンバータ65b,65cに出力される(S103)。これによって、無線LANユニット4がOFF状態のときに、カメラユニット3で電力が無駄に消費されることを防止し、ひいては、冷蔵庫100の消費電力量を大幅に低減できる。
【0067】
また、冷蔵庫100の電源プラグ61(図13参照)がコンセントT1に差し込まれていれば、庫内制御マイコン63aはほとんど常時駆動(温度制御監視、庫内コンパネでの温度設定状態監視および無線通信のON/OFF設定監視)している。したがって、庫内制御マイコン63aが、無線LANユニット4の使用状態に基づいて、庫内制御マイコン63aのON・OFFを適切なタイミングで切り替えることができる。また、庫内制御マイコン63aとDC/DCコンバータ65b,65cとを信号線77を介して接続するという簡素な構成で、冷蔵庫100の消費電力量を低減できる。
【0068】
≪第2実施形態≫
第2実施形態は、スイッチング電源回路62f(図15参照)の2次側と電力線67(図15参照)とを接続する配線88にスイッチング素子63c(図15参照)が設けられている点が、第1実施形態とは異なっている。また、第2実施形態は、庫内制御マイコン63a(図15参照)からDC/DCコンバータ65b,65c(図15参照)にイネーブルモードの指令信号を出力するための信号線が省略されている点が、第1実施形態とは異なっている。なお、その他については、第1実施形態と同様である。したがって、第1実施形態とは異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0069】
図15は、第2実施形態に係る冷蔵庫100Aの回路図である。
図15に示す冷蔵庫100Aは、第1実施形態(図13参照)で説明した構成の他に、スイッチング素子63cを備えている。スイッチング素子63cは、DC/DCコンバータ65b,65c等の電源回路への電力の供給/遮断を切り替える機能を有し、例えば、庫内制御基板63に実装されている。図15に示すように、スイッチング素子63cは、スイッチング電源回路62fの2次側と電力線67とを接続する配線88(直流電圧V1を印加するための配線)に設けられている。このようなスイッチング素子63cとして、例えば、MOSFETが用いられる。
【0070】
スイッチング素子63cのゲートには、庫内制御マイコン63aから所定の信号が入力される。そして、無線LANモジュール64aのON・OFFの状態に基づいて、スイッチング素子63cのON・OFFが庫内制御マイコン63aによって切り替えられるようになっている。
【0071】
なお、図15の例では、庫内制御マイコン63aとDC/DCコンバータ65b,65cとを接続する信号線(図13の信号線77)が特に設けられていない。第2実施形態では、DC/DCコンバータ65b,65cへの給電がスイッチング素子63cによって切り替えられるため、イネーブルモードの指令信号は特に必要ないからである。
【0072】
図16は、冷蔵庫の制御回路が実行する処理のフローチャートである(適宜、図10図15を参照)。
なお、図16の処理の主体となる「制御回路」として、例えば、図15に示す庫内制御マイコン63aが用いられる。
ステップS201において制御回路8(図10参照)は、無線LANユニット4がON状態であるか否かを判定する。ステップS201において無線LANユニット4がON状態である場合(S201:Yes)、制御回路8の処理はステップS202に進む。
【0073】
ステップS202において制御回路8は、スイッチング素子63cをON状態にする。これによって、スイッチング素子63c及び電力線67を順次に介して、DC/DCコンバータ65b,65cやレギュレータ65d,65eに電力が供給される。その結果、カメラマイコン65aやイメージセンサ31eに所定の電圧が印加され、カメラユニット3が駆動される。
【0074】
また、ステップS201において無線LANユニット4がON状態でない場合(S201:No)、制御回路8の処理はステップS203に進む。つまり、無線LANユニット4がOFF状態である場合(S201:No)、制御回路8の処理はステップS203に進む。
ステップS203において制御回路8は、スイッチング素子63cをOFF状態にする。すなわち、図15に示す庫内制御マイコン63a(制御回路)は、DC/DCコンバータ65b,65c等の電源回路の消費電力を低減させる指令として、この電源回路への給電を遮断する信号(オフ指令)をスイッチング素子63cに出力する。これによって、DC/DCコンバータ65b,65cがOFF状態になるため、レギュレータ65d,65eの他、カメラマイコン65aやイメージセンサ31eの消費電力量も略ゼロになるため、冷蔵庫100Aの消費電力量を大幅に削減できる。
【0075】
第2実施形態によれば、無線LANユニット4がOFF状態である場合(図16のS201:No)、庫内制御マイコン63aがスイッチング素子63cをOFF状態にする(S203)。これによって、無線LANユニット4がOFF状態のときに、カメラユニット3で電力が無駄に消費されることを防止し、ひいては、冷蔵庫100Aの消費電力量を低減できる。
【0076】
≪第3実施形態≫
第3実施形態は、カメラマイコン65a(図13参照)がカメラユニット3のレンズ31aのずれを打ち消すような補正を行う点が第1実施形態とは異なっているが、その他(冷蔵庫100の構成等)については、第1実施形態と同様である。したがって、第1実施形態とは異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0077】
図17Aは、カメラユニットのレンズが本来の位置からずれている場合の撮影画像の一例である。
なお、図17Aに示す矩形状の領域55は、縦・横にマトリクス状に配列された多数のイメージセンサ31e(図10参照)の電気信号に基づく撮影画像の領域である。矩形状の領域55における一つの角部(図17Aの例では、紙面左下の角部)を原点Oとして、横方向をx軸とし、縦方向をy軸とする。x軸・y軸の座標の値に基づいて、撮影画像における各画素が特定される。
【0078】
図17Aに示すように、矩形状の領域55を二等分するようなy方向の直線91と、x方向の直線92と、の交点を領域55の中心93とする。撮影画像の領域55には、レンズ31a(図10参照)を介して入射する光が反映された円形のイメージサークル56が含まれている。矩形状の領域55において、イメージサークル56の外側の黒色の部分は、光がほとんど入射しない位置のイメージセンサ31e(図10参照)の電気信号に基づくケラレ領域57である。
【0079】
図17Aの例では、イメージサークル56の直径(画素数)が、矩形状の領域55の縦方向の長さ(画素数)よりも長く、また、矩形状の領域55の横方向の長さ(画素数)よりも短くなっている。また、カメラユニット3のレンズ31aが本来の位置からずれていない場合には、イメージサークル56の中心95の位置が矩形状の領域55の中心93の位置に略一致する。
【0080】
しかしながら、例えば、カメラユニット3(図10参照)のレンズ31a(図10参照)がネジ止め等で設置される際、レンズ31aが本来の位置から若干ずれることがある。このような場合、図17Aに示すように、イメージサークル56の中心95の位置が、撮影画像の領域55の中心93の位置から若干ずれるため、その後の処理(例えば、図12のような展開画像の作成)に支障が生ずるおそれがある。そこで、第2実施形態では、イメージサークル56の中心95の位置を撮影画像(矩形状の領域55)の中心93の位置に略一致させるようにしている。なお、図17Aに示す交点94a,94b,94cや図17Bについては後記する。
【0081】
図18は、カメラマイコンが実行する処理を示すフローチャートである(適宜、図10図17Aを参照)。
なお、図18に示す一連の処理は、例えば、冷蔵庫100が実際に使用される前の検査段階で行われてもよいし、また、冷蔵庫100が実際に使用される際の初期に行われてもよい。その他にも、例えば、カメラユニット3による撮影が行われるたびに、図18に示す一連の処理が行われるようにしてもよい。また、ユーザによる携帯端末54(図10参照)の操作で所定の「設定モード」になっているとき、図18に示す一連の処理が行われるようにしてもよい。
【0082】
また、図18の「START」時には、カメラユニット3によって撮影が所定に行われるものとする。ステップS301においてカメラマイコン65a(カメラ制御回路:図13参照)は、撮影画像を読み込む。例えば、図17Aに示すような撮影画像が読み込まれる。
次に、ステップS302においてカメラマイコン65aは、イメージサークル56の縁と、撮影画像の矩形状の領域55の縁との交点94a,94b,94c(図17A参照)を特定する。カメラマイコン65aは、イメージサークル56の中心95の位置を特定するために(S303)、少なくとも3つの交点94a,94b,94c(図17A参照)を特定する。これらの交点94a,94b,94cを抽出する際、二値化処理やエッジ抽出といった所定の画像処理が行われる。
【0083】
ステップS303においてカメラマイコン65aは、イメージサークル56の中心95の位置を特定する。すなわち、カメラマイコン65a(カメラ制御回路)は、撮影画像の縁と、イメージサークル56の縁と、の交点を特定し、少なくとも3つの交点の位置に基づいて、イメージサークル56の中心95の位置を特定する。例えば、カメラマイコン65aは、3つの交点94a,94b,94c(図17A参照)のうち、交点94a,94bを結ぶ線分(図示せず)の垂直二等分線と、交点94b,94cを結ぶ線分(図示せず)の垂直二等分線と、の交点をイメージサークル56の中心95の位置として特定する。なお、前記した方法は一例であり、イメージサークル56の中心95の位置を特定する際に他の方法が用いられてもよい。
【0084】
ステップS304においてカメラマイコン65aは、イメージサークル56の中心95がずれているか否かを判定する。例えば、カメラマイコン65aは、撮影画像の矩形状の領域55の中心93と、イメージサークル56の中心95と、の間の距離(画素数)が所定値以上であるか否かに基づいて、イメージサークル56の中心95がずれているか否かを判定する。ステップS304においてイメージサークル56の中心95がずれていない場合(S304:No)、カメラマイコン65aは一連の処理を終了する(END)。この場合には、撮影画像の補正を行う必要が特にないからである。また、ステップS304においてイメージサークル56の中心95がずれている場合(S304:Yes)、カメラマイコン65aの処理はステップS305に進む。
【0085】
ステップS305においてカメラマイコン65aは、イメージサークル56の中心のずれ量を算出する。すなわち、カメラマイコン65aは、図17Bのx方向・y方向のそれぞれにおいて、矩形状の領域55の中心93の位置に対するイメージサークル56の中心95の位置のずれ量を算出する。図17Bの例では、矩形状の領域55の中心93の位置に対して、イメージサークル56の中心95の位置の位置が、x軸の正側(図17Bの紙面右側)にずれるとともに、y軸の負側(図17Bの紙面下側)にずれている。カメラマイコン65aは、ステップS305の算出結果であるずれ量を記憶してもよいし、サーバ53(図10参照)でずれ量を算出するようにしてもよい。
【0086】
図18のステップS305においてカメラマイコン65aは、撮影画像を補正する。すなわち、カメラマイコン65aは、イメージサークル56の中心95の位置のずれ量を打ち消すように撮影画像を補正する。具体例を挙げると、矩形状の領域55の中心93の位置に対して、イメージサークル56の中心95の位置が、x軸方向で+30ピクセル、y軸方向で-10ピクセルだけずれていたとする。このような場合にカメラマイコン65aは、撮影画像上でイメージサークル56の位置をx軸方向で-30ピクセルだけ移動させるとともに、y軸方向で+10ピクセルだけ移動させるように補正する。
【0087】
このように、カメラマイコン65a(カメラ制御回路)は、撮影画像の中心93の位置と、撮影画像においてレンズ31aに対応するイメージサークル56の中心95の位置と、を近づけるように、撮影画像上でイメージサークル56を移動させる補正を行う。これによって、イメージサークル56の中心95の位置が、撮影画像(矩形状の領域55)の中心93の位置に略一致する。ステップS305の処理を行った後、カメラマイコン65aは一連の処理を終了する(END)。なお、撮影画像におけるイメージサークル56の位置の補正は、カメラユニット3による撮影のたびに行われる。
【0088】
図17Bは、補正後の撮影画像を示す説明図である。
図17Bに示すように、補正後の撮影画像では、イメージサークル56の中心95の位置が、撮影画像(矩形状の領域55)の中心93の位置に略一致している。これによって、その後の画像処理(図12のような展開画像の作成等)をカメラマイコン65aが適切に行うことができる。
【0089】
第3実施形態によれば、カメラマイコン65aが、イメージサークル56(図17A)の中心95の位置を撮影画像(矩形状の領域55)の中心93の位置に一致させるように補正する。つまり、レンズ31a(図10参照)の位置のずれに起因する補正がソフトウェア的に行われるため、レンズ31aを所定のアクチュエータ(図示せず)で移動させる場合に比べて、冷蔵庫100の構成を簡素化できる他、製造コストを削減できる。
【0090】
≪変形例≫
以上、本開示に係る冷蔵庫100等について各実施形態により説明したが、これらの記載に限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。例えば、第1実施形態では、無線LANユニット4がOFF状態である場合に制御回路8がイネーブルモードを実行する処理について説明したが(図14のS101:No、S103)、これに限らない。すなわち、図19(第1の変形例)や図20(第2の変形例)や図21(第3の変形例)に示す処理を制御回路8が行うようにしてもよい。
【0091】
図19は、第1の変形例に係る冷蔵庫の制御回路が実行する処理のフローチャートである(適宜、図10も参照)。
ステップS401において制御回路8は、カメラユニット3を使用するか否かを判定する。例えば、制御回路8は、ドアセンサ6(図10参照)から制御回路8に開信号が入力された時点からの経過時間や、撮影ボタン7(図10参照)が押されたか否かに基づいて、カメラユニット3の使用(つまり、撮影)の有無を判定する。ステップS401においてカメラユニットを使用する場合(S401:Yes)、制御回路8の処理はステップS402に進む。
【0092】
ステップS402において制御回路8は、カメラユニット3に給電する。すなわち、制御回路8は、DC/DCコンバータ65b,65c(図13参照)を駆動させることで、カメラユニット3に給電する。また、ステップS401においてカメラユニット3を使用しない場合(S401:No)、制御回路8の処理はステップS403に進む。
【0093】
ステップS403において制御回路8は、イネーブルモードを実行する。すなわち、制御回路8(図13の庫内制御マイコン63a)は、信号線77を介して、DC/DCコンバータ65b,65c(図13参照)にイネーブルモードの指令信号を出力する。これによって、カメラユニット3が使用されない場合にはDC/DCコンバータ65b,65c等が停止状態になるため、冷蔵庫100の消費電力量を大幅に低減できる。特に、無線LANユニット4がON状態の期間中でも、カメラユニット3が使用されないときにはイネーブルモードが実行されるため、第1実施形態よりも冷蔵庫100の消費電力量をさらに低減できる。ステップS402又はS403の処理を行った後、制御回路8の処理は「START」に戻る(RETURN)。
なお、第2実施形態(図15参照)において、カメラユニット3が使用されない場合に制御回路8がスイッチング素子63cをOFF状態にするようにしてもよい。このような処理でも、冷蔵庫100Aの消費電力量を低減できる。
【0094】
図20は、第2の変形例に係る冷蔵庫の制御回路が実行する処理のフローチャートである(適宜、図10も参照)。
なお、図20の「START」時には、無線LANユニット4及びカメラユニット3がON状態であるものとする。
ステップS501において制御回路8は、無線LANユニット4のOFF指令を受信したか否かを判定する。例えば、ユーザの携帯端末54(図10参照)や冷蔵庫100のコンパネ300(コントロールパネル端末)の操作に基づいて、無線LANユニット4のOFF指令が送信されることがある。ステップS501において無線LANユニット4のOFF指令を受信した場合(S501:Yes)、制御回路8の処理はステップS502に進む。
【0095】
ステップS502において制御回路8は、無線LANユニット4をOFF状態にするとともに、カメラユニット3もOFF状態にする。すなわち、無線LANユニット4における通信機能のオフ指令を携帯端末54(端末:図10参照)又はコンパネ300(コントロールパネル端末)から受信した場合、制御回路8は、通信機能をオフ状態に切り替えるとともに、カメラユニット3における撮影機能(関連機能)もオフ状態に切り替える。これによって、無線LANユニット4がOFF状態のときに、カメラユニット3で電力が無駄に消費されることを防止できる。
また、ステップS501において無線LANユニット4のOFF指令を受信していない場合(S501:Yes)、制御回路8の処理はステップS502に進む。
【0096】
ステップS503において制御回路8は、無線LANユニット4に給電するとともに、カメラユニット3にも給電する。これによって、カメラユニット3で生成された撮影画像を無線LANユニット4を介して、サーバ53(図10参照)に送信される。ステップS502又はS503の処理を行った後、制御回路8の処理は「START」に戻る(RETURN)。なお、図20に示す一連の処理は、第2実施形態(図15参照)にも適用できる。
【0097】
図21は、第3の変形例に係る冷蔵庫の制御回路が実行する処理のフローチャートである(適宜、図10も参照)。
なお、図21の「START」時には、無線LANユニット4及びカメラユニット3がOFF状態であるものとする。
ステップS601において制御回路8は、カメラユニット3のON指令を受信したか否かを判定する。カメラユニット3をOFF状態からON状態に切り替える際には、例えば、冷蔵庫100のコントロールパネル(図示せず)が所定に操作される。ステップS601においてカメラユニット3のON指令を受信した場合(S601:Yes)、制御回路8の処理はステップS602に進む。
【0098】
ステップS602において制御回路8は、無線LANユニット4をON状態に切り替えるとともに、カメラユニット3をON状態に切り替える。これによって、カメラユニット3で生成された撮影画像のデータが無線LANユニット4を介してサーバ53(図10参照)に適切に送信される。このように、冷蔵庫100(家電機器)が、無線LANユニット4を用いる通信機能と、通信機能を用いるカメラユニット3の撮影機能(関連機能)と、を有する場合において、次の処理が行われるようにしてもよい。すなわち、撮影機能(関連機能)のオン指令をユーザの携帯端末54(端末:図10参照)やコントロールパネル(端末:図示せず)から受信した場合、制御回路8が、カメラユニット3の撮影機能(関連機能)をオン状態に切り替えるとともに、無線LANユニット4の通信機能もオン状態に切り替えるようにしてもよい。
【0099】
また、ステップS601においてカメラユニット3のON指令を受信していない場合(S601:No)、制御回路8の処理はステップS603に進む。
ステップS603において制御回路8は、無線LANユニット4をOFF状態で維持するとともに、カメラユニット3もOFF状態で維持する。これによって、カメラユニット3等の消費電力量を低減できる。ステップS602又はS603の処理を行った後、制御回路8の処理は「START」に戻る(RETURN)。なお、図21に示す一連の処理は、第2実施形態(図15参照)にも適用できる。
【0100】
また、各実施形態では、パワー基板62(第1基板:図13参照)と庫内制御基板63(第1基板:図13参照)とが別々に設けられる場合について説明したが、これに限らない。すなわち、パワー基板62及び庫内制御基板63の各素子が1枚の「第1基板」に実装されるようにしてもよい。
また、各実施形態では、カメラ制御基板65(図13参照)に2つのDC/DCコンバータ65b,65cと、2つのレギュレータ65d,65eと、が実装される場合について説明したが、これに限らない。すなわち、カメラ制御基板65におけるDC/DCコンバータやレギュレータの個数は、適宜に変更可能である。また、図13図15の回路図は一例であり、冷蔵庫100の仕様等に基づいて適宜に変更可能である。
【0101】
また、各実施形態では、冷蔵庫100(図1参照)の筐体1の上面にカメラユニット3が設けられる構成について説明したが、これに限らない。すなわち、筐体1の外側における別の所定位置にカメラユニット3が設けられるようにしてもよい。
【0102】
また、第1実施形態では、庫内制御マイコン63aから信号線77を介してイネーブルモードの指令信号が出力された場合、庫内制御マイコン63aが、DC/DCコンバータ65b,65cをオフ状態に切り替える処理について説明したが、これに限らない。すなわち、イネーブルモードの指令信号が出力された場合、庫内制御マイコン63aが、イネーブルモードの出力前よりも低電力でDC/DCコンバータ65b,65cを駆動させるようにしてもよい。
【0103】
また、第1実施形態では、庫内制御マイコン63a(図13参照)が無線LANモジュール64a(図13参照)にリセット信号を出力することで、無線LANモジュール64aを停止させる処理について説明したが、これに限らない。例えば、無線LANユニット4が使用されない場合には、庫内制御マイコン63aが無線LANモジュール64aにイネーブルモードの指令信号を出力することで、無線LANモジュール64aを停止させるようにしてもよい。
【0104】
また、第1実施形態では、無線LANユニット4のオフ指令を携帯端末54等から受信した場合、制御回路8が、通信機能をオフ状態に切り替えるとともに、カメラユニット3における撮影機能(関連機能)もオフ状態に切り替える処理について説明したが、これに限らない。例えば、無線LANユニット4の通信機能に障害が生じた場合、制御回路8が、通信機能をオフ状態に切り替えるとともに、カメラユニット3の撮影機能(関連機能)もオフ状態に切り替えるようにしてもよい。なお、第2実施形態についても同様のことがいえる。
【0105】
また、冷蔵庫100(家電機器)が、無線LANユニット4の通信機能と、この通信機能を用いる一つ又は複数の関連機能と、を有するようにしてもよい。このような関連機能として、例えば、カメラユニット3を用いた撮影機能の他、ドアポケット211c,212c(図3参照)等の重量センサ(図示せず)を用いた重量検出機能が挙げられる。そして、通信機能のオフ指令を携帯端末54(端末:図10参照)やコントロールパネル(端末:図示せず)から受信した場合、庫内制御マイコン63a(制御回路)が、関連機能のうち少なくとも一つをオフ状態に切り替える提案をユーザの携帯端末54やコントロールパネルに対して行うようにしてもよい。この場合において、携帯端末54やコントロールパネルを操作することで、オフ状態に切り替える機能をユーザが選択できるようにしてもよい。
【0106】
また、各実施形態では、LED基板31d(第3基板)にカメラLED31f(照明部)及びブザー31gの両方が実装される場合について説明したが(図6B参照)、これに限らない。すなわち、カメラLED31f及びブザー31gのうち少なくとも一方がLED基板31dに実装された構成であってもよい。
【0107】
また、第2実施形態では、DC/DCコンバータ65b,65cのオン・オフを切り替えるためのスイッチング素子63c(図15参照)としてMOSFETが用いられる場合について説明したが、これに限らない。すなわち、スイッチング素子63cとして、トランジスタ等の他の種類のスイッチング素子が用いられてもよい。また、スイッチング素子63cに代えて、機械式のスイッチ(図示せず)が用いられてもよい。
【0108】
また、各実施形態は適宜に組み合わせることが可能である。例えば、第1実施形態(イネーブルモード)と第3実施形態(イメージサークルの位置の補正)とを組み合わせてもよい。また、第2実施形態(スイッチング素子の制御)と第3実施形態とを組み合わせてもよい。
【0109】
また、各実施形態で説明した冷蔵庫100等は一例であり、他の形態の冷蔵庫にも適用できる。例えば、片開き式の冷蔵室ドア(図示せず)を備える冷蔵庫や、ポータブル冷蔵庫(図示せず)にも各実施形態を適用できる。
また、冷蔵庫以外の家電機器(洗濯機、掃除機、加熱調理器、空気調和機、給湯機等)にも、各実施形態を適用できる適用できる。
【0110】
また、各実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に記載したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、前記した機構や構成は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての機構や構成を示しているとは限らない。
【0111】
本明細書は、以下の技術的思想を包含する。
[付記1]
商用電源に電気的に接続される電源プラグと、
前記電源プラグを介して電力が供給される第1基板と、
前記第1基板に電力線を介して接続される第2基板と、
前記第2基板の駆動に用いられる電源回路と、を備えるとともに、
貯蔵室を有する筐体と、
前記筐体の開口を塞ぐドアと、
前記筐体の外側に設けられ、少なくとも前記貯蔵室を撮影するカメラユニットと、を備え、
前記カメラユニットは、イメージセンサと、前記イメージセンサに光を集束させるレンズと、を含むカメラモジュールを有し、
前記第1基板には、少なくとも冷却制御を行う制御回路が実装され、
前記第2基板には、前記カメラモジュールを制御するカメラ制御回路が実装されている冷蔵庫。
[付記2]
撮影画像の中心の位置と、前記撮影画像においてレンズに対応するイメージサークルの中心の位置と、を近づけるように、前記撮影画像上で前記イメージサークルを移動させる補正を行うカメラ制御回路を備える冷蔵庫。
[付記3]
商用電源に電気的に接続される電源プラグと、
前記電源プラグを介して電力が供給される第1基板と、
前記第1基板に電力線を介して接続される第2基板と、
前記第2基板の駆動に用いられる電源回路と、を備えるとともに、
前記第1基板に実装され、前記電源回路の消費電力を低減させるイネーブルモードの指令を前記電源回路に出力可能な制御回路を備える家電機器。
[付記4]
商用電源に電気的に接続される電源プラグと、
前記電源プラグを介して電力が供給される第1基板と、
前記第1基板に電力線を介して接続される第2基板と、
前記第2基板の駆動に用いられる電源回路と、を備えるとともに、
前記電源回路への電力の供給/遮断を切り替えるスイッチング素子と、
前記第1基板に実装され、前記電源回路の消費電力を低減させる指令として、前記電源回路への給電を遮断する信号を前記スイッチング素子に出力可能な制御回路と、を備える家電機器。
[付記5]
通信機能と、前記通信機能を用いる所定の関連機能と、を有する家電機器であって、
前記通信機能のオフ指令を端末から受信した場合、又は、前記通信機能に障害が生じた場合、前記通信機能をオフ状態に切り替えるとともに、前記関連機能もオフ状態に切り替える制御回路を備える家電機器。
[付記6]
通信機能と、前記通信機能を用いる一つ又は複数の関連機能と、を有する家電機器であって、
前記通信機能のオフ指令を端末から受信した場合、前記関連機能のうち少なくとも一つをオフ状態に切り替える提案を前記端末に対して行う制御回路を備える家電機器。
[付記7]
通信機能と、前記通信機能を用いる所定の関連機能と、を有する家電機器であって、
前記関連機能のオン指令を端末から受信した場合、前記関連機能をオン状態に切り替えるとともに、前記通信機能もオン状態に切り替える制御回路を備える家電機器。
【符号の説明】
【0112】
1 筐体
21 冷蔵
211,212 冷蔵室ド
3 カメラユニット
8 制御回路
10 開口
31a レンズ
31e イメージセンサ
31f カメラLED(照明部)
31d LED基板(第3基板)
31g ブザー
31h フラットケーブル
4 無線LANユニット
54 携帯端末(端末)
56 イメージサークル
61 電源プラグ
62 パワー基板(第1基板)
62f スイッチング電源回路
63 庫内制御基板(第1基板)
63a 庫内制御マイコン(制御回路)
63c スイッチング素子
64 無線LAN基板
64a 無線LANモジュール
65 カメラ制御基板(第2基板)
65a カメラマイコン(マイコン
65 DC/DCコンバータ(電源回路、第1コンバータ
65c DC/DCコンバータ(電源回路、第2コンバータ)
67 電力線
77 信号線
84 ヒータ(所定の電気部品)
93 中
95 中
94a,94b,94c 交点
100,100A 冷蔵庫(家電機器)
300 コンパネ(端末)
M1 カメラモジュール
E1 交流電源(商用電源)
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図18
図19
図20
図21