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特許7591559電池パルス加熱の耐久性試験方法およびシステムならびにデータテーブル生成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-20
(45)【発行日】2024-11-28
(54)【発明の名称】電池パルス加熱の耐久性試験方法およびシステムならびにデータテーブル生成方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/387 20190101AFI20241121BHJP
   G01R 31/374 20190101ALI20241121BHJP
   G01R 31/396 20190101ALI20241121BHJP
   G01R 31/00 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
G01R31/387
G01R31/374
G01R31/396
G01R31/00
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022509665
(86)(22)【出願日】2020-08-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-31
(86)【国際出願番号】 EP2020073981
(87)【国際公開番号】W WO2021037984
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2023-08-18
(31)【優先権主張番号】201910806603.3
(32)【優先日】2019-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】390023685
【氏名又は名称】シエル・インターナシヨネイル・リサーチ・マーチヤツピイ・ベー・ウイ
【氏名又は名称原語表記】SHELL INTERNATIONALE RESEARCH MAATSCHAPPIJ BESLOTEN VENNOOTSHAP
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100129311
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 規之
(74)【代理人】
【識別番号】100220098
【弁理士】
【氏名又は名称】宮脇 薫
(72)【発明者】
【氏名】チン,ユディ
(72)【発明者】
【氏名】ル,ラングアン
(72)【発明者】
【氏名】リ,ヤルン
(72)【発明者】
【氏名】オウヤン,ミンガオ
(72)【発明者】
【氏名】リ,ジアンチウ
【審査官】永井 皓喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-70753(JP,A)
【文献】国際公開第2019/016998(WO,A1)
【文献】特開2016-45149(JP,A)
【文献】特開2011-233244(JP,A)
【文献】特開2019-105565(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0025773(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/36
G01R 31/30
G01R 31/00
H01M 10/42
H01M 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池パルス加熱の耐久性試験方法であって、
S10、試験される電池を提供すること、前記試験される電池を温度チャンバ内に入れること、および前記温度チャンバの温度を第1の温度値に設定することと、
S20、パルス加熱時間が事前設定されたパルス持続時間に到達するまで、第1のパルスパラメータの下で前記試験される電池のパルス加熱を実施すること、および安定温度を取得することと、
S30、前記温度チャンバの前記温度を第2の温度値に調整すること、および前記第2の温度値における前記試験される電池の容量低下値を取得することと、
S40、前記事前設定されたパルス持続時間および前記容量低下値に従って、前記第1のパルスパラメータの下でパルス加熱した後の、前記安定温度における前記試験される電池の耐久性を取得することと、を含む、電池パルス加熱の耐久性試験方法。
【請求項2】
前記パルス加熱時間が前記事前設定されたパルス持続時間に到達するまで、第1のパルスパラメータの下で前記試験される電池のパルス加熱を実施すること、および安定温度を取得する前記ステップS20が、
S210、第2の時間値の間、定電流モードで第1の振幅値で充電することと、
S220、前記第2の時間値の間、定電流モードで前記第1の振幅値で放電することであって、2つの第2の時間値の合計が、パルス周期値であり、前記第1のパルスパラメータが、前記第1の振幅値および前記パルス周期値を含む、放電することと、
S230、ステップS210からS220を繰り返すこと、および前記パルス加熱時間が前記事前設定されたパルス持続時間に到達したときにパルス加熱を停止することと、を含む、請求項1に記載の電池パルス加熱の耐久性試験方法。
【請求項3】
前記事前設定されたパルス持続時間および前記容量低下値に従って、前記第1のパルスパラメータの下でパルス加熱した後の、前記安定温度における前記試験される電池の前記耐久性を取得する前記ステップS40が、
前記事前設定されたパルス持続時間および前記パルス周期値に従って、パルス加熱時間を取得することと、
前記パルス加熱時間および前記容量低下値に従って、前記第1のパルスパラメータの下でパルス加熱した後の、前記試験される電池の前記耐久性を取得することと、を含む、請求項2に記載の電池パルス加熱の耐久性試験方法。
【請求項4】
前記温度チャンバの前記温度を第2の温度値に調整すること、および前記第2の温度値における前記試験される電池の前記容量低下値を取得する前記ステップS30が、
S310、前記温度チャンバの前記温度を第2の温度値に調整すること、および第1の時間値の間、放置することと、
S320、定電流モードで第2の振幅値で、前記試験される電池の下限カットオフ電圧まで放電すること、および第4の時間値の間、放置することと、
S330、定電流モードで前記第2の振幅値で、前記試験される電池の上限カットオフ電圧まで充電すること、次に定電圧モードで、前記試験される電池の電流が第3の振幅値に減少するまで充電すること、前記第4の時間値の間、放置すること、および前記試験される電池の現在の電池放電容量値を取得することと、
S340、事前設定された時間の間、ステップS320からS330を繰り返すこと、および前記試験される電池の前記容量低下値を取得するために、平均電池放電容量値を取得することと、を含む、請求項1に記載の電池パルス加熱の耐久性試験方法。
【請求項5】
データテーブル生成方法であって、前記方法が、異なるパルス加熱パラメータの下での電池の耐久性を反映するために使用され、
試験される電池の複数のグループを提供することであって、各グループが、複数の電池を有する、提供することと、
各グループの試験される各電池を温度チャンバ内に入れること、パルス加熱時間が事前設定されたパルス持続時間に到達するまで、各グループの前記試験される電池のパルス加熱を実施すること、および前記試験される電池の安定温度を取得することと、
各温度チャンバの温度を第2の温度値に調整すること、および前記第2の温度値における試験される各電池の容量低下値を取得することと、
試験される各電池の対応するパルス加熱パラメータおよび試験される各電池の前記容量低下値に従って、ータテーブルを生成することと、を含み、
同じグループの前記試験される電池の前記対応するパルス加熱パラメータが、同じであり、一方で、異なるグループの前記試験される電池の前記対応するパルス加熱パラメータが、異なり、前記パルス加熱パラメータが、前記電池の安定温度、前記電池の充電状態、パルス周期、パルス振幅値、およびパルス持続時間を含む、データテーブル生成方法。
【請求項6】
電池パルス加熱の耐久性試験システムであって、
試験される電池に電気的に接続されており、パルス加熱時間が事前設定されたパルス持続時間に到達するまで、第1のパルスパラメータの下で前記試験される電池のパルス加熱を実施すること、および前記試験される電池の安定温度を取得することのために使用される、パルス加熱装置(100)と、
前記試験される電池に電気的に接続されており、前記パルス加熱時間が前記事前設定されたパルス持続時間に到達したときに前記パルス加熱が停止された後の、2の温度値における前記試験される電池の容量低下値を取得するために使用される、容量低下取得装置(200)と、
前記パルス加熱装置(100)および前記容量低下取得装置(200)それぞれに電気的に接続されており、前記事前設定されたパルス持続時間および前記容量低下値に従って、前記第1のパルスパラメータの下でパルス加熱した後の、前記安定温度における前記試験される電池の久性を取得するために使用される、処理装置(300)と、を含む、電池パルス加熱の耐久性試験システム。
【請求項7】
前記パルス加熱装置(100)が、
前記試験される電池を配置すること、および前記試験される電池に安定温度条件を提供することのために使用される、温度チャンバ(110)と、
前記試験される電池に電気的に接続されており、前記パルス加熱時間が前記事前設定されたパルス持続時間に到達するまで、前記第1のパルスパラメータの下での充放電パルス加熱サイクルを提供するために使用される、パルス加熱要素(120)と、を含む、請求項6に記載の電池パルス加熱の耐久性試験システム。
【請求項8】
前記パルス加熱要素(120)が、
前記試験される電池に電気的に接続されており、第2の時間値の間、第1の振幅値で前記試験される電池を充電するために使用される、充電ユニット(121)と、
前記試験される電池に電気的に接続されており、前記第2の時間値の間、定電流モードで前記第1の振幅値で前記試験される電池を放電するために使用される、放電ユニット(122)であって、2つの第2の時間値の合計が、前記パルス加熱のパルス周期値である、放電ユニット(122)と、を含む、請求項7に記載の電池パルス加熱の耐久性試験システム。
【請求項9】
前記処理装置(300)が、
前記充電ユニット(121)および前記放電ユニット(122)それぞれに電気的に接続されており、前記事前設定されたパルス持続時間および前記パルス周期値に従って、パルス加熱時間を取得するために使用される、第1の取得モジュール(310)と、
前記第1の取得モジュール(310)に電気的に接続されており、前記パルス加熱時間および前記容量低下値に従って、前記第1のパルスパラメータの下でパルス加熱した後の、前記試験される電池の前記耐久性を取得するために使用される、第1のデータ処理モジュール(320)と、を含む、請求項8に記載の電池パルス加熱の耐久性試験システム。
【請求項10】
前記容量低下取得装置(200)が、
前記試験される電池に電気的に接続されており、定電流モードで第2の振幅値で、上限カットオフ電圧まで充電すること、次に定電圧モードで、前記電池の電流が第3の振幅値に減少するまで充電すること、第4の時間値の間、放置することのために使用され、定電流モードで前記第2の振幅値を下限カットオフ電圧まで放電すること、および前記第4の時間値の間、放置することのためにさらに使用される、第1の試験モジュール(210)と、
前記第1の試験モジュール(210)に電気的に接続されており、前記試験される電池の前記容量低下値を取得するために、複数回前記試験される電池の電池容量値を取得するために使用される、第2のデータ処理モジュール(220)と、を含む、請求項6に記載の電池パルス加熱の耐久性試験システム。
【請求項11】
前記第2のデータ処理モジュール(220)が、
前記第1の試験モジュール(210)に電気的に接続されており、複数回前記試験される電池の電池放電容量値を取得すること、および平均電池放電容量値を計算することのために使用される、第2の取得ユニット(221)と、
前記第2の取得ユニット(221)に電気的に接続されており、前記試験される電池の前記電池放電容量値および前記事前設定された電池放電容量値に従って、前記試験される電池の前記容量低下値を取得するために使用される、第2の処理ユニット(222)と、を含む、請求項10に記載の電池パルス加熱の耐久性試験システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池管理の技術分野、特に、電池パルス加熱の耐久性試験方法およびシステムならびにデータテーブル生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車産業の発展に伴い、中国は、自動車の成長に関して、最大の国に成長した。世界の温暖化および石油価格の高騰の傾向の下で、新エネルギー車は、現在の自動車産業の研究開発の焦点となっている。今日、電気自動車は、新エネルギー車の開発の焦点であるが、電気自動車の性能は、リチウムイオン電池の性能に密接に依存する。リチウムイオン電池の耐久性は、電気自動車全体の性能を判断するための重要な指標である。リチウムイオン電池の耐久性は、一般に、電池の容量が初期容量の一定の割合に低下したときに必要な充電および放電のサイクル数によって判断される。
【0003】
従来のパワーバッテリーの耐久性試験は、電池を複数回充電および放電した後の電池容量の低下を検出し、それによって、電池の耐久性を反映する。しかしながら、従来のパワーバッテリーの耐久性試験では、2回の充電および放電処理の間に低温での長時間の放置が必要であり、試験期間が長くなるという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
充電および放電の2つの処理の間に低温での長時間の放置が必要であり、長い試験期間の問題を引き起こす従来のパワーバッテリー耐久性試験の問題に対処するためには、電池パルス加熱の耐久性試験の方法およびシステムならびにデータテーブル生成方法を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
電池パルス加熱の耐久性試験方法であって、
S10、試験される電池を提供すること、試験される電池を温度チャンバ内に入れること、および温度チャンバの温度を第1の温度値に設定することと、
S20、パルス加熱時間が事前設定されたパルス持続時間に到達するまで、第1のパルスパラメータの下で試験される電池のパルス加熱を実施すること、および安定温度を取得することと、
S30、温度チャンバの温度を第2の温度値に調整すること、および第2の温度値における試験される電池の容量低下値を取得することと、
S40、事前設定されたパルス持続時間および容量低下値に従って、第1のパルスパラメータの下でパルス加熱した後の、安定温度における試験される電池の耐久性を取得することと、を含む、電池パルス加熱の耐久性試験方法。
【0006】
実施形態の1つでは、パルス加熱時間が事前設定されたパルス持続時間に到達するまで、第1のパルスパラメータの下で試験される電池のパルス加熱を実施すること、および安定温度を取得するステップS20は、
S210、第2の時間値の間、定電流モードで第1の振幅値で充電することと、
S220、第2の時間値の間、定電流モードで第1の振幅値で放電することであって、2つの第2の時間値の合計が、パルス周期値であり、第1のパルスパラメータが、第1の振幅値およびパルス周期値を含む、放電することと、
S230、ステップS210からS220を繰り返すこと、およびパルス加熱時間が事前設定されたパルス持続時間に到達したときにパルス加熱を停止することと、を含む。
【0007】
実施形態の1つでは、事前設定されたパルス持続時間および容量低下値に従って、第1のパルスパラメータの下でパルス加熱した後の、安定温度における試験される電池の耐久性を取得するステップS40は、
事前設定されたパルス持続時間およびパルス周期値に従って、パルス加熱時間を取得することと、
パルス加熱時間および容量低下値に従って、第1のパルスパラメータの下でパルス加熱した後の、試験される電池の耐久性を取得することと、を含む。
【0008】
実施形態の1つでは、温度チャンバの温度を第2の温度値に調整すること、および第2の温度値における試験される電池の容量低下値を取得するステップS30は、
S310、温度チャンバの温度を第2の温度値に調整すること、および第1の時間値の間、放置することと、
S320、定電流モードで第2の振幅値で、試験される電池の下限カットオフ電圧まで放電すること、および第4の時間値の間、放置することと、
S330、定電流モードで第2の振幅値で、試験される電池の上限カットオフ電圧まで充電すること、次に定電圧モードで、試験される電池の電流が第3の振幅値に減少するまで充電すること、第4の時間値の間、放置すること、および試験される電池の現在の電池放電容量値を取得することと、
S340、事前設定された時間の間、ステップS320からS330を繰り返すこと、および試験される電池の容量低下値を取得するために、平均電池放電容量値を取得することと、を含む。
【0009】
異なるパルス加熱パラメータの下での電池の耐久性を反映するために使用される、データテーブル生成方法であって、
試験される電池の複数のグループを提供することであって、各グループが、複数の電池を有する、提供することと、
各グループの試験される各電池を温度チャンバ内に入れること、パルス加熱時間が事前設定されたパルス持続時間に到達するまで、各グループの試験される電池のパルス加熱を実施すること、および試験される電池の安定温度を取得することと、
各温度チャンバの温度を第2の温度値に調整すること、および第2の温度値における試験される各電池の容量低下値を取得することと、
試験される各電池の対応するパルス加熱パラメータおよび試験される各電池の容量低下値に従って、データテーブルを生成することと、を含み、
ここで、同じグループの試験される電池の対応するパルス加熱パラメータが、同じであり、一方で、異なるグループの試験される電池の対応するパルス加熱パラメータが、異なり、パルス加熱パラメータが、電池の安定温度、電池の充電状態、パルス周期、パルス振幅値、およびパルス持続時間を含む、データテーブル生成方法。
【0010】
電池パルス加熱の耐久性試験システムであって、
試験される電池に電気的に接続されており、パルス加熱時間が事前設定されたパルス持続時間に到達するまで、第1のパルスパラメータの下で試験される電池のパルス加熱を実施すること、および安定温度を取得することのために使用される、パルス加熱装置と、
試験される電池に電気的に接続されており、パルス加熱時間が事前設定されたパルス持続時間に到達したときにパルス加熱が停止された後の、第2の温度値における試験される電池の容量低下値を取得するために使用される、容量低下取得装置と、
パルス加熱装置および容量低下取得装置それぞれに電気的に接続されており、事前設定されたパルス持続時間および容量低下値に従って、第1のパルスパラメータの下でパルス加熱した後の、安定温度における試験される電池の耐久性を取得するために使用される、処理装置と、を含む、電池パルス加熱の耐久性試験システム。
【0011】
実施形態の1つでは、パルス加熱装置は、
試験される電池を配置すること、および試験される電池に安定温度条件を提供することのために使用される、温度チャンバと、
試験される電池に電気的に接続されており、パルス加熱時間が事前設定されたパルス持続時間に到達するまで、第1のパルスパラメータの下での充放電パルス加熱サイクルを提供するために使用される、パルス加熱要素と、を含む。
【0012】
実施形態の1つでは、パルス加熱要素は、
試験される電池に電気的に接続されており、第2の時間値の間、第1の振幅値で試験される電池を充電するために使用される、充電ユニットと、
試験される電池に電気的に接続されており、第2の時間値の間、定電流モードで第1の振幅値で試験される電池を放電するために使用される、放電ユニットであって、2つの第2の時間値の合計が、パルス加熱のパルス周期値である、放電ユニットと、を含む。
【0013】
実施形態の1つでは、処理装置は、
充電ユニットおよび放電ユニットそれぞれに電気的に接続されており、事前設定されたパルス持続時間および周期値に従って、パルス加熱時間を取得するために使用される、第1の取得モジュールと、
第1の取得モジュールに電気的に接続されており、パルス加熱時間および容量低下値に従って、第1のパルスパラメータの下でパルス加熱した後の、試験される電池の耐久性を取得するために使用される、第1のデータ処理モジュールと、を含む。
【0014】
実施形態の1つでは、容量低下取得装置は、
試験される電池に電気的に接続されており、定電流モードで第2の振幅値で、上限カットオフ電圧まで充電すること、次に定電圧モードで、電池の電流が第3の振幅値に減少するまで充電すること、第4の時間値の間、放置することのために使用され、定電流モードで第2の振幅値を下限カットオフ電圧まで放電すること、および第4の時間値の間、放置することのためにさらに使用される、第1の試験モジュールと、
第1の試験モジュールに電気的に接続されており、試験される電池の容量低下値を取得するために、複数回試験される電池の電池容量値を取得するために使用される、第2のデータ処理モジュールと、を含む。
【0015】
実施形態の1つでは、第2のデータ処理モジュールは、
第1の試験モジュールに電気的に接続されており、複数回試験される電池の電池放電容量値を取得すること、および平均電池放電容量値を計算することのために使用される、第2の取得ユニットと、
第2の取得ユニットに電気的に接続されており、試験される電池の電池放電容量値および事前設定された電池放電容量値に従って、試験される電池の容量低下値を取得するために使用される、第2の処理ユニットと、を含む。
【0016】
前述の電池パルス加熱の耐久性試験方法は、試験される電池を温度チャンバに入れること、および温度チャンバの温度を第1の温度値に設定することと、パルス加熱時間が事前設定された持続時間に到達するまで、第1のパルスパラメータの下でリチウムイオン電池のパルス加熱を実施することと、温度チャンバの温度を第2の温度値に調整すること、および第2の温度値における試験される電池の容量低下値を取得することと、事前設定されたパルス持続時間および容量低下値に従って、第1のパルスパラメータの下でパルス加熱した後の、試験される電池の耐久性を取得することと、を含む。本出願によって提供される電池パルス加熱の耐久性試験方法では、試験される電池の容量低下値を試験する前に、連続パルス加熱を行う。電池を一定時間加熱した後、電池の温度上昇および放熱は、安定した値に到達し、温度が上昇しなくなるであろう。このようなパルス加熱は、低温で長時間放置する必要がない。これにより、試験時間を大幅に短縮することができ、試験周期を短縮し、電池温度が電池の耐久性に与える影響を多数の実験で検証することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本出願の実施形態によって提供される電池パルス加熱の耐久性試験方法の流れ図である。
図2】本出願の実施形態によって提供される電池パルス加熱の耐久性試験方法の結果図である。
図3】本出願の実施形態によって提供される電池パルス加熱の耐久性試験システムの構造接続図である。
図4】本出願の実施形態によって提供される電池パルス加熱の耐久性試験システムの構造接続図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本出願の前述の目的、特徴および利点をより明白かつ容易に理解するために、本出願の特定の実装方法を、以下の添付の図面を参照することによって詳細に説明する。以下の説明では、本出願を完全に理解するために多くの詳細が提供される。しかしながら、本出願は、この説明とは異なる多くの方法で実装され得、当業者は、本出願の精神から逸脱することなく同様の修正を行うことができるので、本出願は、以下に開示される特定の実装に限定されない。
【0019】
ある要素が別の要素「上に配置されている」と言われる場合、その要素は、別の要素上に直接的に存在してもよく、または中間の要素が存在してもよいことに留意すべきである。要素が別の要素に「接続されている」とみなされる場合、その要素は、別の要素に直接的に接続されていてもよく、または同時に中間の要素が存在してもよい。
【0020】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本出願が関係する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書における本出願の詳述で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを意図しており、本出願を限定することを意図していない。本明細書で使用される「および/または」という用語は、1つ以上の関連する列挙されたアイテムのうちのいずれか、およびそれらのすべての組み合わせを含む。
【0021】
図1を参照されたい。本出願は、電池パルス加熱の耐久性試験方法を提供する。この方法は、以下を含む。
【0022】
S10、試験される電池を提供すること、試験される電池を温度チャンバ内に入れること、および温度チャンバの温度を第1の温度値に設定すること。試験される電池は、リチウムイオン電池であり得、ソフトパッケージ、正方形およびシリンダーなどの複数の形態であり得る。温度チャンバは、高温および低温の防爆温度チャンバにすることができる。オプションの実施形態では、温度チャンバは、ベル高温および低温防爆温度チャンバである。ベル高温および低温防爆温度チャンバは、チャンバ内の電池の温度の充電および放電環境を提供することができる。温度チャンバの内部は、温度センサおよび冷気出口を有してもよい。温度チャンバはまた、チャンバ内部の湿度を調整することができる。第1の温度値は、-20℃、-10℃、10℃、30℃などであり得る。
【0023】
S20、パルス加熱時間が事前設定されたパルス持続時間に到達するまで、第1のパルスパラメータの下で試験される電池のパルス加熱を実施すること、および試験される電池の安定温度を取得すること。第1のパルスパラメータは、パルス周期およびパルス振幅値を含む。プリセットパルス持続時間は、100時間にすることができる。安定温度は、電池の温度上昇および放熱が安定しているときの温度である。
【0024】
S30、温度チャンバの温度を第2の温度値に調整すること、および第2の温度値における試験される電池の容量低下値を取得すること。第2の温度値は、室温にすることができる。容量低下値は、現在の実際の放電容量と初期放電容量の比率である。
【0025】
S40、事前設定されたパルス持続時間および容量低下値に従って、第1のパルスパラメータの下でパルス加熱した後の、安定温度における試験される電池の耐久性を取得すること。耐久性は、第1のパルスパラメータの下でのパルス加熱の事前設定された期間後の第1の温度値における電池の容量低下値を反映している。オプションの実施形態では、プリセットパルス持続時間および容量低下値に従って、第1のパルスパラメータの下でパルス加熱した後の試験される電池の耐久性を取得するステップは、プリセットパルス持続時間およびパルス周期値に従って、パルス加熱時間を取得するステップ、ならびにパルス加熱時間および容量低下値に従って、第1のパルスパラメータの下でパルス加熱した後の試験される電池の耐久性を取得するステップであることができる。
【0026】
オプションの実施形態では、事前設定されたパルス持続時間および容量低下値に従って、第1のパルスパラメータの下でパルス加熱した後の試験される電池の耐久性を取得するステップの後、ステップS10からS40を繰り返して、2つの事前設定されたパルス持続時間の間、第1のパルスパラメータの下でパルス加熱した後の試験される電池の耐久性を取得することができる。
【0027】
この実施形態では、前述の電池パルス加熱の耐久性試験方法において、試験される電池の容量低下値を試験する前に、連続パルス加熱が行われる。電池を一定時間加熱した後、電池の温度上昇および放熱は、安定した値に到達し、温度が上昇しなくなるであろう。このようなパルス加熱は、低温で長時間放置する必要がない。これにより、試験時間を大幅に短縮することができ、試験周期を短縮し、電池温度が電池の耐久性に与える影響を多数の実験で検証することができる。
【0028】
実施形態の1つでは、パルス加熱時間が事前設定されたパルス持続時間に到達するまで、第1のパルスパラメータの下で試験される電池のパルス加熱を実施するステップ、および試験される電池の安定温度を取得するステップS20は、第2の時間値の間、定電流モードで第1の振幅値で充電するステップと、第2の時間値の間、定電流モードで第1の振幅値で放電するステップであって、2つの第2の時間値の合計が、パルス周期値であり、第1のパルスパラメータが、第1の振幅値およびパルス周期値を含む、放電するステップと、パルス充電および放電のステップを複数回繰り返すステップ、およびパルス加熱時間が事前設定されたパルス持続時間に到達したときにパルス加熱を停止するステップと、であることができる。温度チャンバの温度が温度値に設定された後、電池は、パラメータの下で連続パルス動作にさらされる。最終的に、電池の温度上昇および放熱は、安定した値に到達し、温度が大幅に上昇しなくなるであろう。電池は、パルス加熱時間が事前設定されたパルス持続時間に到達するまで、この状態で継続的に加熱される。このようなパルス加熱方式は、試験時間を大幅に節約し、試験周期を短縮する。表1を参照されたい。この表には、10個の試験済み電池の特定のパラメータおよび安定した試験温度値が示されている。試験される10個の電池は、すべて50%SOCであり、様々なパルスパラメータおよび環境温度が提供される。
【表1】
【0029】
上述の10個の試験された電池が一定期間連続的に作用された後、パルスが引き抜かれ、試験された電池の容量低下値がそれぞれ測定される。試験結果は、図2の示すとおりである。一時的に電池の温度を考慮しない状態では、大周期の高振幅パルスの作用により容量の低下が早くなる。低下の値が分析される。容量低下の割合が最も高い電池は電池Fである。振幅値が4Cで周期が8秒のパルスの作用により、その容量は1%低下する。パルス電流の作用は、止まることなく約130時間続く必要がある。500時間で、容量は、2.5%しか低下していない。
【0030】
同じパルスパラメータの下で、温度が低いほど、寿命は速く低下するが、同じパラメータおよび異なる温度を持つ異なる電池は、低下に大きな違いはない。対照的に、振幅および周期が寿命に与える影響はより明白である。
【0031】
実施形態の1つでは、温度チャンバの温度を第2の温度値に調整するステップ、および第2の温度値における試験される電池の容量低下値を取得するステップS30は、以下を含む。
【0032】
S310、温度チャンバの温度を第2の温度値に調整するステップ、および第1の時間値の間、放置するステップと、S320、定電流モードで第2の振幅値で、下限カットオフ電圧まで放電するステップ、および第4の時間値の間、放置するステップと、S330、定電流モードで第2の振幅値で、試験される電池の上限カットオフ電圧まで充電するステップ、次に定電圧モードで、試験される電池の電流が第3の振幅値に減少するまで充電するステップ、第4の時間値の間、放置するステップ、および試験される電池の現在の電池放電容量値を取得するステップと、S340、事前設定された時間の間、ステップS320からS330を繰り返すステップ、および試験される電池の容量低下値を取得するために、平均電池放電容量値を取得するステップ。
【0033】
オプションの実施形態では、現在の電池放電容量値を取得するために、パルス加熱を停止した後、電池を温度チャンバに入れ、温度チャンバの温度を25℃に調整することができる。十分に放置した後、電池を1/3C定電流モードで下限カットオフ電圧まで放電し、次に3時間放置する。その後、電池は1/3C定電流モードで上限カットオフ電圧まで放電され、次に、電流が1/20Cに低下するまで定電圧モードで充電され、3時間放置される。放電および充電の処理が、3回繰り返される。3回の試験で取得された容量試験データの平均が、電池の現在の実際の放電容量として使用される。電池の初期容量は、現在の実際の放電容量と初期放電容量との比から容量低下値を取得するために、パルス加熱前の上記の方法によって取得される。
【0034】
本出願の一実施形態は、異なるパルス加熱パラメータの下での電池の耐久性を反映するために使用されるデータテーブル生成方法を提供する。データテーブルの生成方法は、以下を含む。
【0035】
試験される電池の複数のグループを提供することであって、各グループが、複数の電池を有する、提供することと、各グループの試験される各電池を温度チャンバ内に入れること、パルス加熱時間が事前設定されたパルス持続時間に到達するまで、各グループの試験される電池のパルス加熱を実施すること、および試験される電池の安定温度を取得することと、各温度チャンバの温度を第2の温度値に調整すること、および第2の温度値における試験される各電池の容量低下値を取得することと、試験される各電池の対応するパルス加熱パラメータおよび試験される各電池の容量低下値に従って、データテーブルを生成すること。
【0036】
ここで、同じグループの試験される電池の対応するパルス加熱パラメータは、同じであり、一方で、異なるグループの試験される電池の対応するパルス加熱パラメータは、異なり、パルス加熱パラメータは、電池の安定温度、電池の充電状態、パルス周期、パルス振幅値、およびパルス持続時間を含む。
【0037】
この実施形態では、異なるパルスパラメータおよび異なる温度の下で同じモデルの電池について、前述の耐久性試験方法によって複数のグループの試験が実施された。最終的に、少なくとも6つの次元(すなわち、データテーブル)を持つ耐久性散布図を確立することができる。6つの変数には、5つの独立変数および1つの従属変数が含まれる。5つの独立変数は、電池温度、電池の充電状態、パルス周期、パルス振幅値、およびパルス持続時間である。従属変数は、容量低下値である。データテーブルを使用して、各要因の感度を分析し、実際のニーズと組み合わせて、パルス加熱速度および前述の耐久性の結果を比較検討することにより、ジョイント最適化を実行して、パルス加熱ソリューションの作成を完了することができる。
【0038】
図3を参照。本出願の一実施形態は、電池パルス加熱の耐久性試験システム10を提供する。電池パルス加熱の耐久性試験システム10は、パルス加熱装置100、容量低下取得装置200、および処理装置300を含む。
【0039】
パルス加熱装置100は、試験される電池に電気的に接続されている。パルス加熱装置100は、パルス加熱時間が事前設定されたパルス持続時間に到達するまで、第1のパルスパラメータの下で試験される電池のパルス加熱を実施すること、および試験される電池の安定温度を取得することのために使用される。容量低下取得装置200は、試験される電池に電気的に接続されている。容量低下取得装置200は、パルス加熱時間が事前設定されたパルス持続時間に到達したときにパルス加熱が停止された後の、第2の温度値における試験される電池の容量低下値を取得するために使用される。処理装置300は、パルス加熱装置100および容量低下取得装置200それぞれに電気的に接続されている。処理装置300は、事前設定されたパルス持続時間および容量低下値に従って、第1のパルスパラメータの下でパルス加熱した後の、安定温度における試験される電池の耐久性を取得するために使用される。パルス加熱装置は、正および負のパルスを提供することができる充電器を含み得る。容量低下取得デバイス200は、電流フローセンサを含み得る。処理装置300は、マイクロプロセッサ、シングルチップマイクロコンピュータ(SCM)などであり得る。
【0040】
実施形態の1つでは、パルス加熱装置100は、温度チャンバ110およびパルス加熱要素120を含む。
【0041】
温度チャンバ110は、試験される電池を配置すること、および試験される電池に安定温度条件を提供することのために使用される。パルス加熱要素120は、試験される電池に電気的に接続されており、パルス加熱時間が事前設定されたパルス持続時間に到達するまで、第1のパルスパラメータの下での充放電パルス加熱サイクルを提供するために使用される。温度チャンバは、ベル高温および低温防爆温度チャンバである。ベル高温および低温防爆温度チャンバは、チャンバ内の電池の温度の充電および放電環境を提供することができる。温度チャンバの内部は、温度センサおよび冷気出口を有してもよい。温度チャンバはまた、チャンバ内部の湿度を調整することができる。第1の温度値は、-20℃、-10℃、10℃、30℃などであり得る。
【0042】
パルス加熱要素120は、充電ユニット121および放電ユニット122を含む。充電ユニット121は、試験される電池に電気的に接続されており、第2の時間値の間、第1の振幅値で試験される電池を充電するために使用される。放電ユニット122は、試験される電池に電気的に接続されており、第2の時間値の間、定電流モードで第1の振幅値で試験される電池を放電するために使用され、ここで、2つの第2の時間値の合計は、パルス加熱のパルス周期値である。
【0043】
処理装置300は、第1の取得モジュール310および第1のデータ処理モジュール320を含む。第1の取得モジュール310は、充電ユニット121および放電ユニット122それぞれに電気的に接続されており、事前設定されたパルス持続時間および周期値に従って、パルス加熱時間を取得するために使用される。第1のデータ処理モジュール320は、第1の取得モジュール310に電気的に接続されており、パルス加熱時間および容量低下値に従って、第1のパルスパラメータの下でパルス加熱した後の、試験される電池の耐久性を取得するために使用される。
【0044】
容量低下取得デバイス200は、第1の試験モジュール210および第2のデータ処理モジュール220を含む。第1の試験モジュール210は、試験される電池に電気的に接続されており、定電流モードで第2の振幅値で、上限カットオフ電圧まで充電すること、次に定電圧モードで、電池の電流が第3の振幅値に減少するまで充電すること、第4の時間値の間、放置することのために使用され、定電流モードで第2の振幅値を下限カットオフ電圧まで放電すること、および第4の時間値の間、放置することのためにさらに使用される。第2のデータ処理モジュール220は、第1の試験モジュール210に電気的に接続されており、試験される電池の容量低下値を取得するために、複数回試験される電池の電池容量値を取得するために使用される。
【0045】
第2のデータ処理モジュール220は、第2の取得ユニット221および第2の処理ユニット222を含む。第2の取得ユニット221は、第1の試験モジュール210に電気的に接続されており、複数回試験される電池の電池放電容量値を取得すること、および平均電池放電容量値を計算することのために使用される。第2の処理ユニット222は、第2の取得ユニット221に電気的に接続されており、試験される電池の電池放電容量値および事前設定された電池放電容量値に従って、試験される電池の容量低下値を取得するために使用される。
【0046】
この実施形態では、前述の電池パルス加熱の耐久性試験システム10において、容量低下取得装置200が試験される電池の容量低下値を試験する前に、パルス加熱装置100を介して連続パルス加熱が行われる。電池を一定時間加熱した後、電池の温度上昇および放熱は、安定した値に到達し、温度が上昇しなくなるであろう。このようなパルス加熱は、低温で長時間放置する必要がない。これにより、試験時間を大幅に短縮することができ、試験周期を短縮し、電池温度が電池の耐久性に与える影響を多数の実験で検証することができる。
【0047】
前述の実施形態の技術的特徴は、自由に組み合わせることができる。説明を簡潔にするために、前述の実施形態における技術的特徴のすべての可能な組み合わせは説明されていない。しかしながら、これらの技術的機能の組み合わせに矛盾がない限り、これらはこの仕様の範囲に含まれるとみなす必要がある。
【0048】
前述の実施形態は、本出願のいくつかの実装方法を表すにすぎない。それらの説明は具体的かつ詳細であるが、したがって、出願中の特許の範囲に対する制限として理解されるべきではない。当業者にとって、本出願の概念から逸脱することなく、実施形態に様々な変更および修正を加えることができることに留意されたい。これらはすべて、本出願の保護の範囲に含まれる。したがって、本出願に基づく特許の保護の範囲は、添付の特許請求の範囲に従うものとする。
本明細書は以下の発明の開示を包含する。
[項目1]電池パルス加熱の耐久性試験方法であって、
S10、試験される電池を提供すること、前記試験される電池を温度チャンバ内に入れること、および前記温度チャンバの温度を第1の温度値に設定することと、
S20、パルス加熱時間が事前設定されたパルス持続時間に到達するまで、第1のパルスパラメータの下で前記試験される電池のパルス加熱を実施すること、および安定温度を取得することと、
S30、前記温度チャンバの前記温度を第2の温度値に調整すること、および前記第2の温度値における前記試験される電池の容量低下値を取得することと、
S40、前記事前設定されたパルス持続時間および前記容量低下値に従って、前記第1のパルスパラメータの下でパルス加熱した後の、前記安定温度における前記試験される電池の耐久性を取得することと、を含む、電池パルス加熱の耐久性試験方法。
[項目2]前記パルス加熱時間が前記事前設定されたパルス持続時間に到達するまで、第1のパルスパラメータの下で前記試験される電池のパルス加熱を実施すること、および安定温度を取得する前記ステップS20が、
S210、第2の時間値の間、定電流モードで第1の振幅値で充電することと、
S220、前記第2の時間値の間、定電流モードで前記第1の振幅値で放電することであって、2つの第2の時間値の合計が、パルス周期値であり、前記第1のパルスパラメータが、前記第1の振幅値および前記パルス周期値を含む、放電することと、
S230、ステップS210からS220を繰り返すこと、および前記パルス加熱時間が前記事前設定されたパルス持続時間に到達したときにパルス加熱を停止することと、を含む、項目1に記載の電池パルス加熱の耐久性試験方法。
[項目3]前記事前設定されたパルス持続時間および前記容量低下値に従って、前記第1のパルスパラメータの下でパルス加熱した後の、前記安定温度における前記試験される電池の前記耐久性を取得する前記ステップS40が、
前記事前設定されたパルス持続時間および前記パルス周期値に従って、パルス加熱時間を取得することと、
前記パルス加熱時間および前記容量低下値に従って、前記第1のパルスパラメータの下でパルス加熱した後の、前記試験される電池の前記耐久性を取得することと、を含む、項目2に記載の電池パルス加熱の耐久性試験方法。
[項目4]前記温度チャンバの前記温度を第2の温度値に調整すること、および前記第2の温度値における前記試験される電池の前記容量低下値を取得する前記ステップS30が、
S310、前記温度チャンバの前記温度を第2の温度値に調整すること、および第1の時間値の間、放置することと、
S320、定電流モードで第2の振幅値で、前記試験される電池の下限カットオフ電圧まで放電すること、および第4の時間値の間、放置することと、
S330、定電流モードで前記第2の振幅値で、前記試験される電池の上限カットオフ電圧まで充電すること、次に定電圧モードで、前記試験される電池の電流が第3の振幅値に減少するまで充電すること、前記第4の時間値の間、放置すること、および前記試験される電池の現在の電池放電容量値を取得することと、
S340、事前設定された時間の間、ステップS320からS330を繰り返すこと、および前記試験される電池の前記容量低下値を取得するために、平均電池放電容量値を取得することと、を含む、項目1に記載の電池パルス加熱の耐久性試験方法。
[項目5]データテーブル生成方法であって、前記方法が、異なるパルス加熱パラメータの下での電池の耐久性を反映するために使用され、
試験される電池の複数のグループを提供することであって、各グループが、複数の電池を有する、提供することと、
各グループの試験される各電池を温度チャンバ内に入れること、パルス加熱時間が事前設定されたパルス持続時間に到達するまで、各グループの前記試験される電池のパルス加熱を実施すること、および前記試験される電池の安定温度を取得することと、
各温度チャンバの温度を第2の温度値に調整すること、および前記第2の温度値における試験される各電池の容量低下値を取得することと、
試験される各電池の対応するパルス加熱パラメータおよび試験される各電池の前記容量低下値に従って、前記データテーブルを生成することと、を含み、
同じグループの前記試験される電池の前記対応するパルス加熱パラメータが、同じであり、一方で、異なるグループの前記試験される電池の前記対応するパルス加熱パラメータが、異なり、前記パルス加熱パラメータが、前記電池の安定温度、前記電池の充電状態、パルス周期、パルス振幅値、およびパルス持続時間を含む、データテーブル生成方法。
[項目6]電池パルス加熱の耐久性試験システムであって、
試験される電池に電気的に接続されており、パルス加熱時間が事前設定されたパルス持続時間に到達するまで、第1のパルスパラメータの下で前記試験される電池のパルス加熱を実施すること、および前記試験される電池の安定温度を取得することのために使用される、パルス加熱装置(100)と、
前記試験される電池に電気的に接続されており、前記パルス加熱時間が前記事前設定されたパルス持続時間に到達したときに前記パルス加熱が停止された後の、前記第2の温度値における前記試験される電池の容量低下値を取得するために使用される、容量低下取得装置(200)と、
前記パルス加熱装置(100)および前記容量低下取得装置(200)それぞれに電気的に接続されており、前記事前設定されたパルス持続時間および前記容量低下値に従って、前記第1のパルスパラメータの下でパルス加熱した後の、前記安定温度における前記試験される電池の前記耐久性を取得するために使用される、処理装置(300)と、を含む、電池パルス加熱の耐久性試験システム。
[項目7]前記パルス加熱装置(100)が、
前記試験される電池を配置すること、および前記試験される電池に安定温度条件を提供することのために使用される、温度チャンバ(110)と、
前記試験される電池に電気的に接続されており、前記パルス加熱時間が前記事前設定されたパルス持続時間に到達するまで、前記第1のパルスパラメータの下での充放電パルス加熱サイクルを提供するために使用される、パルス加熱要素(120)と、を含む、項目6に記載の電池パルス加熱の耐久性試験システム。
[項目8]前記パルス加熱要素(120)が、
前記試験される電池に電気的に接続されており、第2の時間値の間、第1の振幅値で前記試験される電池を充電するために使用される、充電ユニット(121)と、
前記試験される電池に電気的に接続されており、前記第2の時間値の間、定電流モードで前記第1の振幅値で前記試験される電池を放電するために使用される、放電ユニット(122)であって、2つの第2の時間値の合計が、前記パルス加熱のパルス周期値である、放電ユニット(122)と、を含む、項目7に記載の電池パルス加熱の耐久性試験システム。
[項目9]前記処理装置(300)が、
前記充電ユニット(121)および前記放電ユニット(122)それぞれに電気的に接続されており、前記事前設定されたパルス持続時間および前記周期値に従って、パルス加熱時間を取得するために使用される、第1の取得モジュール(310)と、
前記第1の取得モジュール(310)に電気的に接続されており、前記パルス加熱時間および前記容量低下値に従って、前記第1のパルスパラメータの下でパルス加熱した後の、前記試験される電池の前記耐久性を取得するために使用される、第1のデータ処理モジュール(320)と、を含む、項目8に記載の電池パルス加熱の耐久性試験システム。
[項目10]前記容量低下取得装置(200)が、
前記試験される電池に電気的に接続されており、定電流モードで第2の振幅値で、上限カットオフ電圧まで充電すること、次に定電圧モードで、前記電池の電流が第3の振幅値に減少するまで充電すること、第4の時間値の間、放置することのために使用され、定電流モードで前記第2の振幅値を下限カットオフ電圧まで放電すること、および前記第4の時間値の間、放置することのためにさらに使用される、第1の試験モジュール(210)と、
前記第1の試験モジュール(210)に電気的に接続されており、前記試験される電池の前記容量低下値を取得するために、複数回前記試験される電池の電池容量値を取得するために使用される、第2のデータ処理モジュール(220)と、を含む、項目6に記載の電池パルス加熱の耐久性試験システム。
[項目11]前記第2のデータ処理モジュール(220)が、
前記第1の試験モジュール(210)に電気的に接続されており、複数回前記試験される電池の電池放電容量値を取得すること、および平均電池放電容量値を計算することのために使用される、第2の取得ユニット(221)と、
前記第2の取得ユニット(221)に電気的に接続されており、前記試験される電池の前記電池放電容量値および前記事前設定された電池放電容量値に従って、前記試験される電池の前記容量低下値を取得するために使用される、第2の処理ユニット(222)と、を含む、項目10に記載の電池パルス加熱の耐久性試験システム。
【符号の説明】
【0049】
添付図面における主要な要素の参照符号の説明
電池パルス加熱の耐久性試験システム10
パルス加熱装置100
温度チャンバ110
パルス発熱要素120
充電ユニット121
放電ユニット122
容量低下取得装置200
第1の試験モジュール210
第2のデータ処理モジュール220
第2の取得ユニット221
第2の処理ユニット222
処理装置300
第1の取得モジュール310
第1のデータ処理モジュール320
図1
図2
図3
図4